説明

酵素顆粒製造法および入手可能な酵素顆粒

本発明は、酵素顆粒を製造するための方法、この方法によって入手可能な酵素顆粒および、たとえば飼料、食品、洗濯用洗剤、食器洗い用洗剤および/または医薬品目的およびこれに類するもののための配合物への酵素顆粒の使用に関する。酵素顆粒は、特に相対的な高い割合の活性の酵素、規定された粒度、良好な貯蔵安定性、特に小さな丸み係数および/または僅かな残湿分ならびに有利には別の固有の特性を示す。本発明によれば、酵素顆粒の製造は、装置の噴霧ゾーンにおける熱的な条件と残りの領域における温度条件との間の結合によって行われる。本発明によるプロセスでは、このことは、乾燥のための加熱されたプロセスガスの供給が専ら噴霧領域で行われることによって達成される。噴霧領域への粒子の確実な供給は、装置の固有の幾何学的な構成によって重力を使用して行われる(図面参照)。核のための種材料としての不活性の粒子の添加によって、酵素顆粒の酵素活性における絶対的な含有量を制御することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の上位概念部に記載した特徴を備えた、酵素顆粒を製造するための方法、請求項17の上位概念部に記載した特徴を備えた、前記方法によって入手可能な酵素顆粒ならびに特に請求項24から27までのいずれか1項記載のまたは請求項28または29記載の、前記酵素顆粒を含有した配合物を製造するための前記酵素顆粒の使用(この使用は同時に酵素顆粒のための製造法の可能な有利な変化形の一部である)、請求項30から34までのいずれか1項記載の、酵素顆粒を製造するための方法および/または請求項35記載の、前記方法によって入手可能な酵素顆粒の使用ならびに以下の説明および以下の請求項に記載されるような本発明の有利な実施態様に関する。
【0002】
酵素は、多数の工業部門でますます大規模に使用される。このことは、酵素の製造される量だけでなく、種々異なる形にも関連している。一般的に酵素は液状の形でまたは乾燥物質としても提供される。最近、顆粒が使用者または後続処理する工業の商業形態としてますます多く優遇される。顆粒は、有利な特性、たとえば容易な調量可能性、極めて良好な流動特性、均質の内部構造、高い粒子密度、僅かな粉塵含有量ならびに均一なかつ閉じられた表面によって特徴付けられる。酵素は一般的にその特別な特性、たとえば水気の多い周辺での不安定性と、アレルギ反応の発生とによって特徴付けられ得るので、顆粒形態が有利な商業形態であると分かった。
【0003】
顆粒の安定性は、顆粒が、乾燥した形に移行されることによって改善することができる。このことは、たとえば噴霧乾燥、種々異なるアグロメレーションプロセス(混合器内での湿式造粒もしくは流動層アグロメレーション)または流動層装置内での成長造粒(噴霧造粒)によって行うことができる。
【0004】
噴霧乾燥には、極めて大きな装置体積が必要となり、粉末状の生成物がかなりの粉塵割合を含有しているという欠点がある。
【0005】
この粉塵割合を減少させるために、噴霧乾燥はしばしば多段式の乾燥設備によって実施される。このような多段式の乾燥設備によって製造された酵素顆粒は好ましくない丸み係数、すなわち、1.6よりも多くの高い丸み係数(完全に円形の顆粒の表面に対する顆粒の表面の比を示す)を有していることが欠点である。1.6よりも大きな丸み係数を備えた酵素顆粒は、僅かな丸みひいては容易に破断する既存の区分のため、高い粉塵割合と同時に、たとえば包装時にかつ輸送時に生ぜしめられるような機械的な負荷を迅速に生ぜしめる。
【0006】
この粉塵割合は、生産者および使用者に対する特殊な防護手段と、除塵、空気抜きおよび粉塵の再利用のための設備技術に対する著しい多大な手間とを必要とする。
【0007】
酵素顆粒を製造するための可能な方法は、たとえば国際公開第01/83727号パンフレットに開示されたように、流動層での成長造粒を成している。ここでは、液状の酵素配合物が流動層内に噴霧ノズルを介して噴霧されるプロセスが図示される。このプロセスで生ぜしめられた粉塵は排気から分離され、造粒プロセスに種として再び供給される。形成された顆粒は、流動層装置の擦過底部に取り付けられた1つまたはそれ以上の重力シフタを使用してプロセスから取り出される。搬出された顆粒のサイズは篩分けガス量の調整によって調整することができる。選択的には、顆粒が付加的にコーティングされてもよい。この方法は、ヨーロッパ特許出願公開第0163836号明細書およびヨーロッパ特許出願公開第0332929号明細書記載の流動層プロセスを使用している。
【0008】
前述した流動層プロセスは、流動化および乾燥のために必要となるプロセスガスの均一な分配のために、擦過底部が流動層装置の全横断面にわたって取り付けられていることによって特徴付けられている。液体を供給するために使用される噴霧ノズルは鉛直方向上向きに噴霧し、直接擦過底部に組み込まれている(ヨーロッパ特許出願公開第0332929号明細書参照)かまたは擦過底部の高さでシフタによって取り囲まれる(ヨーロッパ特許出願公開第0163836号明細書参照)。プロセスのために必要となる造粒種は、噴霧ノズルと流動層材料との部分的な非被覆(通過噴霧)による噴霧される液体の部分的な噴霧乾燥によって生成される。流動層材料は、噴霧乾燥させられる種と、篩分け過程によって戻される小粒と、顆粒搬出との間の等重量状態によって形成される。過度に大きな顆粒からの分離は存在していない。
【0009】
液体の供給によって条件付けられて、流動層内に含まれた粒子が、噴霧される領域で液体で湿潤され、粒子表面における液体膜の乾燥が行われる。流動層の残りの領域において、ノズルの外部では、ほぼ表面的に湿潤された粒子の乾燥は行われない。その代わりに、粒子の細孔内に含まれたほんの僅かな割合の湿分しか気化されない。このことは、(平均的な)粒子温度の上昇を生ぜしめる。しかし、加熱されたプロセスガスの供給は、粒子を装置内で完全混合しかつ常に粒子を噴霧領域に搬送するために、従来の流動層内のノズルの噴霧領域以外でも必要である。顆粒の製造は温度に敏感であるので、この公知の方法によって、顆粒の活性の最適な歩留り(元々使用される酵素活性に対する僅かな相対的な活性。すなわち、活性の酵素のほかに、失活されたかまたは破壊された過度に大きな割合の酵素が付与される。このことは、同一の量の全活性[絶対的な活性]に対して、より多くの酵素が使用されなければならないことを意味している。)を得ることができない。さらに、製造プロセスにおける温度むら分布を回避することができない。
【0010】
前述したシステムおけるこのプロセスガイドでは、顆粒の乾燥が所要の最終値にまで行われず、かつ/またはより僅かな粒度の酵素顆粒が製造されることによってしか滞留時間を減少させることができない。しかし、このことは、酵素顆粒の品質に損害を与える。公知先行技術により公知の酵素顆粒は、高い割合の不活性の担持材料ひいては僅かな絶対的な活性、失活された高い割合の酵素(僅かな相対的な活性)、平均的な粒度D50の低い値(粒子の50質量%は平均的な粒度D50よりも小さな直径を有しており、粒子の50質量%は平均的な粒度D50よりも大きな直径を有している粒度)または高い湿分含有量またはこれらの特性のたいてい2つまたはそれ以上の特性を有している。
【0011】
たとえば、国際公開第01/83727号パンフレットに記載された方法によれば、(理論的に可能な全酵素活性に対する)85%よりも多くの酵素活性における歩留りを小さな粒子および/または5%よりも多くの湿分含有量(残湿分)でしか達成することができない。
【0012】
他方、国際公開第98/55599号パンフレットには、担持材料(たとえばトウモロコシ澱粉)の使用時に押出し装置と球形化装置とを使用して酵素顆粒を製造するための方法が記載されている。この方法は、国際公開第01/83727号パンフレットの例2にも記載されている。
【0013】
この場合、95%の酵素活性歩留り(相対的な酵素活性)が得られ、600μmの平均的な粒度D50と、5%の湿分含有量と、1.4の丸み係数とを備えた顆粒が得られる。この方法は、押出し可能な混合を達成するために、27%の乾燥物質を備えた酵素調製物に澱粉が1:2の重量比で混加されなければならないという欠点を有している。これによって、押出し法により得られる酵素顆粒が、乾燥物質に対して、13%未満(絶対的な酵素活性)の活性の酵素材料の含有量を有している。
【0014】
国際公開第01/83727号パンフレット記載の噴霧乾燥法によって獲得可能な酵素顆粒は、確かに1〜1.6の有利な範囲内の丸み係数と、同じく620μmの平均的な粒度D50の粒子とを備えた顆粒を生ぜしめる(表2実験2参照)が、しかし、不活性の担持材料の含有量はかなり低い。これによって、全酵素(活性の酵素および失活された酵素)の含有量が、国際公開第98/55599号パンフレットに記載された方法生成物よりも高い。しかし、国際公開第01/83727号パンフレットにおける前記例2からも明らかであるように、国際公開第98/55599号パンフレット記載の酵素顆粒には、活性のかつ不活性の酵素から成る全量に対して、85%を備えた活性の酵素の相対的な割合が押出し法の場合よりも著しく低いという欠点がある。
【0015】
国際公開第01/83727号パンフレットに記載された作業形式によれば、酵素顆粒が、ヨーロッパ特許出願公開第0332929号明細書記載の方法により製造される。この方法は、床容量が自動的に調整される(ヨーロッパ特許出願公開第0332929号明細書、第22頁、第27行目参照)という特性を有している。これによって、規定された造粒性能に対して、滞留時間をもはやコントロールすることができない、したがって、例1では、流動床の容量が3kgであり、造粒性能が、23質量%の含有量の乾燥物質を含んだ水性の食塩溶液からの造粒時に1.5kg/時間である。すなわち、滞留時間が、この事例では、2時間に固定されている。したがって、滞留時間がそこではkg/時間における造粒性能に対する床容量の比によって規定されている。
【0016】
本発明の課題は、製造プロセス中の温度むら分布を十分に回避すると同時に酵素の(相対的な)活性における歩留りを高めて、酵素顆粒を連続式にまたは回分式に製造することができる、特に低い粉塵含有量を備えた酵素顆粒を製造するための方法を提供することである。同時に製造時の造粒のコントロール可能性が改善されることが望ましい。本発明の重要な課題は、特に公知の流動層法に比べて短い滞留時間を、酵素濃度の組成、乾燥空気温度、顆粒の平均的な粒度D50および顆粒の丸みのようなその他の点で同じ条件下で可能にする造粒法を提供することである。この課題は、本発明によれば、さらに特に保護する方法を記載した請求項1の特徴部に記載の特徴によって解決される。
【0017】
本発明によれば、酵素顆粒の製造は、装置の噴霧ゾーンにおける熱的な条件と残りの領域における温度条件との間の結合によって、請求項1の特徴部に記載した特徴を用いて行われる。特に公知先行技術に基づく方法に比べて、減少させられた材料滞留時間を達成することができる。これによって、請求項1に記載した方法によって得られる酵素顆粒における相対的なより高い酵素活性が得られる。本発明によるプロセスでは、このことは、乾燥のための加熱されたプロセスガスの供給が主に、すなわち、80%よりも過度に多く、有利には専ら噴霧領域で行われることによって達成される。噴霧領域への粒子の確実な供給は、特に装置の固有の幾何学的な構成によって重力を使用して行われるものの、ニューマチック式に行われてもよいし、重力の使用下での幾何学的な構成とニューマチック式の供給との組合せによって行われてもよい。
【0018】
請求項1記載の本発明による解決手段の利点は、製造条件が、製造したい材料特性に適合されることにある。温度むら分布は十分に回避される。これによって、酵素顆粒における歩留りの向上も達成される。
【0019】
また、本発明の課題は、60(特に100)μm〜2000μmの平均的な粒度D50、良好な貯蔵安定性、特に小さな丸み係数および/または僅かな湿分含有量と組み合わせて、公知先行技術よりも低い粉塵割合と活性の酵素の高い(相対的な)割合とを備えた酵素顆粒を提供することでもある。
【0020】
請求項1における本発明による方法および特に従属請求項における方法より入手可能な請求項16記載の酵素顆粒は、これらの有利な特性を有している。これらの特性は、特に請求項23〜26に述べたように、有利には多種多様な有利な配合物の製造のために、特に一種類またはそれ以上の種類の適切な担持材料の添加および/または適切な使用形態での充填によって使用することができる。
【0021】
別の有利な実施態様は(ここで参照される)従属請求項に記載されている。この従属請求項はその作用と一緒に明細書で十分に説明される。
【0022】
本発明により製造可能な酵素顆粒は高濃縮されていて、水溶性であるかまたは水分散可能であり、60〜2000μmの平均的な粒度D50を有していて、ホイバッハテスト後の粉塵含有量が800ppm未満、有利には500ppmよりも小さいと同時に活性の酵素含有量と不活性の酵素含有量との合計に対する活性の酵素含有量の比(相対的な酵素活性)が80%以上、特に88%以上であることによって特に十分に特徴付けられている。製造可能な酵素顆粒の耐圧性は、有利には10MPa以上であり、本発明の可能な有利な実施態様では、20〜50MPaであり、嵩密度は、500g/l以上であり、可能な有利な実施態様では、550〜850g/lである。比d10/d90(定義:d10は、顆粒の質量の10%がこの直径よりも小さい粒径であり、d90は、顆粒の質量の90%がこの直径よりも小さい粒径である)によって特徴付けられる粒度分布は、特に0.4以上である。本発明により有利に製造可能な酵素顆粒の絶対的なフィターゼ活性(ここでは、顆粒としてフィターゼが含まれている)は、有利には15000FTU/g以上である。この場合、FTUは、1マイクロモルのリン酸塩を1分あたり37℃でアッセイ条件(0.25Mの酢酸ナトリウム、5.5のpH値;51nMのフィチン酸ナトリウム)下に遊離する酵素活性である。
【0023】
本発明を以下に有利な実施態様つき詳しく説明する。所属の図面には、本発明による方法を実施するための設備が概略的に示してある。
【0024】
製造したい酵素顆粒の乾燥のために必要となる量の加熱されたプロセスガス10(一般的には、加熱された空気)が、方形の横断面9と、仕切る側壁5とを備えた流入チャンバ17に供給される。この流入チャンバ17内では、プロセスガス10が分配され、ギャップ開口1を介してプロセス室8内にガス噴流2の形で流入する。有利には水平にギャップ1内に流入したプロセスガス流は変向部分3を通って、有利には上向きにプロセス室8内に変向させられ、一種の自由噴流として装置内に流入する。さらに、装置横断面は、選択的に拡張ゾーン14で拡大していてよく、これによって、上方へのプロセスガス流れの速度がなだらかに減少させられる。ガスは装置から排ガス11として拡張ゾーン14の上方で排気部分19を介して流出する。この排気部分19には、選択的に除塵システム(たとえばフィルタカートリッジまたは繊維フィルタエレメント)が組み込まれてよい。
【0025】
プロセス室8内には、所定の量の粒子が位置している。この粒子はプロセスガス噴流によって上方に連行される。プロセス室8の上側の領域と、この領域の上方に位置する拡張ゾーン14とでは、ガス速度が減少し、これによって、上方に流れる粒子が側方にガス噴流23から流出し、プロセス室8内に落下する。このプロセス室8は下側の領域で、傾けられた側壁29によって仕切られる。この側方傾斜によって条件付けられて、粒子が重力の作用下で戻しゾーン24を介してガス流入ギャップ1の方向に搬送される。そこでは、粒子が次いで再びプロセスガスによってプロセス室8内に連行される。
【0026】
この機構によって、上方流れと、プロセスガス流入の方向への戻りとから成る極めて一様の固形物循環15が形成される。これによって、プロセス室8内の極めて僅かな量の粒子の場合でも、変向部分3の上方の核ゾーンに高い粒子密度が付与される。この領域には、1つまたはそれ以上の噴霧ノズル7が配置されている。この噴霧ノズル7は、プロセスガス噴流に対して同じ向きで上向きに噴霧し、液状の酵素配合物を供給するために働く。
【0027】
核ゾーンにおける高い粒子装入量によって、噴霧ゾーン22に熱・物質移動に対する極めて有利な条件が生ぜしめられる。さらに、液体が十分に粒子に析出され、したがって、粒子が均一に粒子表面で湿潤されることが達成される。均一な湿潤と同時の噴霧領域と戻しゾーン24との間の高い固形物循環とによって、極めて均一な液体膜が形成される。乾燥プロセスによって、液体が気化し、排ガス11で装置から流出する。配合物に含有された固形物が粒子表面に残される。これによって、顆粒が極めて均一にかつ均質に成長する。これによって、極めて密な粒度分布が生ぜしめられる。プロセス室8内に形成された、円に類似の固形物流れによって、噴霧ノズル7,6の領域に噴霧乾燥領域が形成され、この噴霧乾燥領域に続いて、造粒領域が形成される。
【0028】
プロセスガスは粒子の一部ならびに細物および粉塵を、固形物入りの排気20としてプロセス室8から搬出することができる。これらの粒子を分離するためには、排気部分19に選択的に組み込まれたフィルタシステムまたは装置に後置された除塵設備を使用することができる。組み込まれた除塵設備25の事例では、拘束された粒子を、分離された固形物21としてプロセス室8内に戻すために、たとえば圧縮空気衝撃18を使用することができる。
【0029】
組み込まれたフィルタ設備を備えた流動層装置に比べて、粉塵戻しは、上方に向けられたプロセスガス流れがほぼ局所的に制限されており、したがって、戻したい粒子がガス噴流の外部で確実に降下することができることによって容易になる。ガス流入ギャップ1の近くでの吸引作用によって、この機構が付加的に助成される。択一的には、排気から分離された粒子または別の形式で得られた酵素含有の粒子(下方参照)をプロセス室8内に戻すことができる。このためには、傾けられた側壁29の下側の領域に、種々異なる形式の供給部26が配置されていてよい。ガス流入ギャップ1の近くでのプロセスガス噴流の高い速度によって条件付けられて、微細な粒子が吸い込まれ、噴霧ゾーン22に供給される。そこで、粒子が液体で湿潤され、成長プロセスに関与する。
【0030】
選択的に組み込まれた案内金属薄板16はガス噴流を助成し、吸引効果を増幅させ、噴霧ゾーン22への固形物の供給を改善する。場合により生ぜしめられるアグロメレーション効果(凝集効果)は最小限に抑えられる。なぜならば、噴霧領域に極めて高い流速ひいては流動層よりも高い分離力が生ぜしめられるからである。これによって、粒子が分離され、極めて球形の顆粒に成長する。
【0031】
さらに、プロセス室8内のプロセスガスの流れプロフィルによって、選択的に組み込まれたフィルタ設備からプロセス室内に戻される微粒子は噴霧ゾーン22に落下しない。これによって、微粒子の不都合な接着と、これに基づき続く凝集体形成プロセスとが阻止される。
【0032】
連続的なプロセスガイドのために、装置は固形物のための選択的に異なる搬入システム13を装備することができる。これによって、たとえば酵素粒子をプロセスに供給することができる。この酵素粒子は、たとえば(過度に大きな)顆粒の破砕によって得ることができるかまたは/かつ過度に小さな顆粒から成っているかまたは別の形式で得られる十分に微細な粉塵および/または粉末の形の1つまたはそれ以上の酵素粒子または酵素含有の出発材料から成っている。このような酵素粒子または酵素含有の出発材料(酵素含有の中間生成物)は、別のプロセス段および方法(たとえば酵素溶液の噴霧乾燥)の生成物であってよい。搬入された酵素含有のこの中間生成物の割合は、特に1質量%以上、本発明の可能な有利な実施態様では、5〜20質量%である。この場合、搬入される酵素粒子が酵素懸濁液の別個の噴霧乾燥によって製造されることも可能であり、有利であり得る。この場合、本発明の可能な有利な実施態様では、すでに最初から酵素粒子を供給することも可能である。この場合、この粒子は造粒種として働くかまたは運転開始時間を短縮するための開始充填物として働く。さらに、ここでは、固体の形の添加剤がプロセスに送入されてよい。この添加剤は酵素顆粒に埋め込まれることが望ましい。別の可能な有利な実施態様では、有利には、上述したかまたは以下で述べるようなステップaの前にまたは特にステップaと同時にまたはステップaの後に、造粒プロセスの開始時にまたは造粒プロセスの間に酵素粒子の代わりに、別の細粒状ないし粒状の個々の材料(有利な粒子サイズは、0.5mmよりも小さく、有利には0.1〜0.2mmである)、有利には不活性の(すなわち、第1に酵素に関して活性でない)個々の材料が、たとえば酵素顆粒の酵素活性を調整するために、たとえば種材料としての適宜な不活性の核、たとえば不活性の塩核の導入によって供給されてよい。この場合、不活性の核の重量割合は、たとえば完全な酵素顆粒における0〜95質量%の間であってよい。
【0033】
この実施態様に対して択一的または補足的には、乾燥・造粒プロセスの間またはこのプロセスの一部またはそれ以上の部分の間、一種類またはそれ以上の種類の不活性の材料、たとえば特に塩および/またはバインダが、核材料または種材料としてだけでなく、酵素の希釈または特に(絶対的な酵素成分、すなわち、活性のかつ不活性の酵素成分を有する)酵素顆粒の基質における酵素活性(すなわち、部分または全基質の内部で分配されて)のためにも供給されてよい。このことは、本発明の別の有利な実施態様を成している。この場合、不活性の材料は、固形物として、たとえば固形物のための搬入システム13を通して、酵素溶液[=液状の酵素配合物]の内部に(溶解されてかつ/または懸濁液で)かつ/または特に酵素溶液と別個の一種類またはそれ以上の種類の(有利には水性の)溶液、懸濁液または溶融液で、特にガス噴流2に、供給部26を介してかつ/または第1に、たとえば噴霧ゾーン22に設けられたノズルを介して供給することができる。このノズルの事例では、不活性の材料(有利にはバインダの存在下で、たとえば塩、たとえば(たとえばアルカリ)金属塩の無機の塩、たとえば硫酸ナトリウムまたは食塩)の溶液または懸濁液またはさらに溶融液が、酵素溶液の噴霧のためノズルのほかに、1つまたはそれ以上の別個のノズルを介して、特にガス噴流2の領域で噴霧されてよいかまたは有利には3成分ノズルまたは多成分ノズルが使用されてよい。この事例では、液体が、各ノズル割合に分離されて付与され、本発明の有利な実施態様では、同じく供給された(有利には圧縮)ガス、たとえば圧縮空気によって噴霧される。ノズルは、有利には幾つかの同心的な管を有している。これらの管を介して、液体とノズル空気とが供給される。たとえば、第1の液体は内側管を介して、第2の液体は、外側で続く同軸的な環状ギャップを介して、噴霧のためのガスは、さらに外側に位置する後続の同軸的な環状ギャップを介して生ぜしめることができる(三成分ノズル)かまたは第1の液体は内側管を介して、噴霧のためのガスは、この内側管の外側で最初に続く第1の同軸的な環状ギャップを介して、第2の液体は、この環状ギャップの外側に位置する後続の同軸的な環状ギャップを介して、噴霧のための別のガスは、外側に位置する同軸的な第3の環状ギャップを介して噴霧される(四成分ノズル)。
【0034】
(核内の種、顆粒の基質内の添加物またはその両方としての)不活性の材料のこの供給によって、使用される酵素材料の相対的な高い活性(僅かな不活化)において望まれる絶対的な活性(顆粒の重量量あたりの活性)を極めて精密に任意に(すなわち、最大限に可能な絶対的な活性の0%を僅かに上回って〜100%の間で)調整することが可能となる。この場合、酵素顆粒の残りのパラメータ、たとえば粒度または粉塵自由度は変わらない。供給は、連続式の運転で行われてもよいしまたはバッチ運転で回分式に行われてもよい。不活性の材料における添加物の割合は、酵素顆粒の固形物割合に対して0〜ほぼ100%、たとえば0.1〜95質量%であってよい。不活性の材料の粒度は、この材料が溶解されて使用される限り任意であってよい。固形物粉末または懸濁液として使用時には、粒度は、有利には200μm以下、特に100μm以下である。
【0035】
これによって、本発明は、前述しかつ後述する、酵素顆粒の、規定された絶対的な酵素活性(酵素顆粒の(重)量あたりの酵素活性)を調整するための方法での不活性の材料の使用にも関する。
【0036】
さらに、装置は、粒子をプロセス室8から取り出すことができるようにするために、搬出機構4を備えることができる。この取出しは、たとえばオーバフローまたは体積測定式の搬出機構(たとえば羽根車式ゲート)または重力シフタ(たとえば篩分けガスで負荷されるジグザグシフタまたは上昇管シフタ)によっても行うことができる。
【0037】
選択的には、破砕によって顆粒形成プロセスのための種としての微細材料を十分に形成するために、機械的なユニット27がプロセス室8に、ただし、有利には戻しゾーン24の領域で、傾けられた壁に取り付けられてよい。さらに、戻しゾーン24は、選択的に、加熱装置または別の熱伝達装置28の位置決めのために使用することができる。たとえば、装置壁は二重壁に形成されていてよい。これによって、この装置壁が、たとえば液状のまたはガス状の熱担体を使用して加熱または冷却のために使用される。択一的には、粒子を戻しゾーン24で後乾燥させるかまたは予熱するために、マイクロ波ヒータが使用されてもよい。
【0038】
プロセス室8またはプロセス室8の上方に位置する装置部分、たとえば拡張ゾーン14および排気部分19には、選択的に噴霧ノズル6が配置されてよい。この噴霧ノズル6は、有利には下向きに、しかし、部分的に上向きにも噴霧する。ここでは、たとえば噴霧乾燥によって装置内に造粒種を形成するために、同じく液状の酵素配合物が噴霧されてもよい。択一的には、幾つかの噴霧装置6,7を介して、添加物または液状の形の別の成分が噴霧されてよく、したがって、顆粒構造内に均質に埋め込まれてよい。噴霧ノズル7が、高温ガス負荷される流入チャンバ17を貫通している場合には、液状の配合物に対する被害を阻止するために、選択的に、液体案内する部分が断熱層または異なる冷却システム12を備えることができる。
【0039】
本発明により製造された酵素顆粒の水感度を低下させかつ/または水溶解性をコントロールするために、この酵素顆粒は、後続の別個のプロセスでコーティングによって防護被覆層を備えることができる。
【0040】
本発明によるプロセスの別の利点として、高い運転確実性と流れ不感度とを極めて良好な清浄化可能性に結び付ける極めて簡単な構造を挙げることができる。したがって、特に生物学的な物質における生成物変化時の衛生要求に関する改善された生成条件が提供される。
【0041】
例:
本発明を以下の具体的な使用例につき明瞭にする。これによって、とにかく1つの形式に制限されることはない。
【0042】
例1:酵素顆粒の製造
酵素溶液に対して付加的に安定剤ならびにバインダ成分を含有した、約22質量%の固形物最終濃度を有する酵素配合物が、前述した構造によって特徴付けられた装置内に噴霧された。プロセス室は、方形の横断面によって特徴付けられていて、傾けられた側壁の上方に0.15×0.2=0.03mの横断面積と、約1mの高さとを有している。約140℃に加熱された約180kg/hのプロセス空気流の供給が、長手方向で装置を通って延びる2つのガス供給ギャップを介して行われた。液状の配合物が、鉛直方向上向きに噴霧する圧縮空気負荷された二成分ノズルを介してプロセス空気噴流内に約50g/分の質量流で噴霧された。プロセス室内には、約500gの酵素(粒子)が位置していた。気化プロセスによって、プロセス空気が冷却され、約45℃で装置から流出した。排気の除塵が、装置に後置されたサイクロンによって行われ、分離された固形物が重力測定的にプロセス室内にギャップ付近で種材料として供給された。プロセス室からの顆粒の取出しが、端面側で篩を使用して行われた。シフタで分離された微細割合が、ニューマチック式にプロセス室内に吹き戻された。取り出された顆粒は、固化されていない800g/lの嵩密度と以下の粒度分布(篩分析):すなわち、
>400μm: 0.8質量%
315...400μm: 6.8質量%
250...315μm: 15.3質量%
160...250μm: 42.3質量%
100...160μm: 24.9質量%
0...100μm: 9.9質量%
とを有している。
【0043】
例2:アスペルギルスニガー由来のフィターゼを含んだ酵素顆粒:
商業的に入手可能なフィターゼ(Natuphos 5000L、BASF、Ludwigshafen、Deutschland)は、防腐剤と塩とを除去するために、脱塩水と、酵素を通過させない細孔サイズを備えた限外フィルタとによって透析濾過される。次いで、高濃縮された液状の酵素調製物を得るために、酵素が限外濾過される。
【0044】
24000FTU/gのフィターゼ活性と、25質量%の乾燥含有量とを備えた25質量%のこの液状の酵素調製物には、ポリビニルアルコールがバインダとして添加される。溶液の残りの75質量%は、例1に挙げた装置において180℃の空気流入温度および70℃の排気温度で噴霧乾燥させられる。
【0045】
噴霧乾燥させられた酵素粉末は、粉塵密にドッキングされた容器内に捕集される。結果、90000FTU/gのフィターゼ活性と95%の乾燥物質とを備えた酵素粉末が生ぜしめられる。噴霧乾燥させられた酵素粉末を備えた容器は粉塵密な連結によって搬入システム12にドッキングされる。液状の酵素調製物は調量ポンプによって噴霧ノズルを通してプロセス室8内に噴霧される。
【0046】
液状の酵素調製物と、酵素粉末とは、4:1の質量比で供給される。流入温度は120℃であり、排気温度は60℃である。表1に示した特性を備えたフィターゼ顆粒が生ぜしめられる。活性のかつ不活性のフィターゼの含有量は、ヨーロッパ特許出願公開第0420356号明細書に記載された、アスペルギルスフィクーム(フィターゼ)を特徴付けるための手段を使用して規定される。ここでは、これに関して、当該引用文献が参照される。
【0047】
表1:例2によるフィターゼ顆粒の特性
【0048】
【表1】

【0049】
例3:塩/バインダ溶液の使用
4つの空気流入チャンバと4つのノズルとを備えたパイロットプラントが使用される。酵素としてプロテアーゼが使用される。無機のアルカリ金属塩と通常のバインダとが塩/バインダ成分のために使用される。成分の割合は質量%(「%」)で示してある。
a)純粋な酵素溶液と塩−バインダ溶液とが、それぞれ異なるノズルに供給され、ノズルあたりの希釈された水量が可能な限り等しく調整される:
【0050】
【表2】

b)酵素溶液と塩−バインダ溶液とが、混合されて全てのノズルを介して供給される:
【0051】
【表3】

c)酵素溶液と塩−バインダ溶液とが、分離されて三成分ノズルを介して供給される:
【0052】
【表4】

d)酵素−バインダ溶液が噴霧され、塩粉末が固体の形で供給される
【0053】
【表5】

【0054】
要するに、以下のことを確認することができる。
【0055】
本発明は、酵素顆粒を製造するための方法に関する。本発明の課題は、酵素顆粒を製造するための方法を改良して、製造プロセス中の温度むら分布を十分に回避すると同時に酵素の活性における歩留りを高めて、酵素顆粒を連続式にまたは回分式に製造することができるようにすることである。同時に製造時の造粒のコントロール可能性が改善されることが望ましい。当該方法によって入手可能な酵素顆粒およびその使用が公開される。
【0056】
本発明によれば、酵素顆粒の製造は、装置の噴霧ゾーンにおける熱的な条件と残りの領域における温度条件との間の結合によって行われる。本発明によるプロセスでは、このことは、乾燥のための加熱されたプロセスガスの供給が専らノズル領域で行われることによって達成される。このノズル領域への粒子の確実な供給は、装置の特有の幾何学的な構成によって重力を使用して行われる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明による方法を実施するための設備の概略図である。
【符号の説明】
【0058】
1 ガス流入ギャップ、 2 ガス噴流、 3 変向部分、 4 搬出機構、 5 側壁、 6 噴霧ノズル、 7 噴霧ノズル、 8 プロセス室、 9 横断面、 10 プロセスガス、 11 排ガス、 12 冷却システム、 13 搬入システム、 14 拡張ゾーン、 15 固形物循環、 16 案内金属薄板、 17 流入チャンバ、 18 圧縮空気衝撃、 19 排気部分、 20 排気、 21 固形物、 22 噴霧ゾーン、 23 ガス噴流、 24 戻しゾーン、 25 除塵設備、 26 供給部、 27 ユニット、 28 熱伝達装置、 29 側壁


【特許請求の範囲】
【請求項1】
酵素顆粒を製造するための方法において、
a.一種類またはそれ以上の種類の液状の酵素配合物を噴霧装置を介して主に、固形物装入されたガス噴流内に噴霧し、
b.液体で湿潤された材料粒子を、加熱されたガス噴流内で乾燥・造粒プロセスにさらし、
c.粒子を所定の滞留時間後にガス噴流から分離しかつプロセス室内に戻し、
d.粒子をガス流入領域に供給し、
e.微粒子と、粉塵と、プロセスガスによって連行された粒子とを分離しかつ前記プロセスに顆粒形成プロセスのための種材料として再び供給し、
f.ガス噴流内への材料供給によって、反応室の軸方向に位置する、円に類似の固形物流れを発生させる
ことを特徴とする、酵素顆粒を製造するための方法。
【請求項2】
a.一種類またはそれ以上の種類の液状の酵素配合物を噴霧装置を介して、固形物装入されたガス噴流内に噴霧し、
b.液体で湿潤された材料粒子を、加熱されたガス噴流内で乾燥・造粒プロセスにさらし、
c.粒子を所定の滞留時間後にガス噴流から分離しかつプロセス室内に戻し、
d.粒子を重力によって、傾けられた面を介してガス流入領域に供給し、
e.微粒子と、粉塵と、プロセスガスによって連行された粒子とを分離しかつ前記プロセスに顆粒形成プロセスのための種材料として再び供給し、
f.有利には回転対称的なまたは長く延ばされたギャップ開口を介して供給されたガス噴流内への材料供給によって、反応室の軸方向に位置する、円に類似の固形物流れを発生させる、請求項1記載の方法。
【請求項3】
酵素顆粒を種々異なる篩分け装置を介してプロセス室から取り出す、請求項1または2記載の方法。
【請求項4】
酵素顆粒を種々異なる体積測定式の搬出機構を介してプロセス室から取り出す、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
プロセスから取り出された過度に大きなまたは過度に小さな酵素顆粒を良生成物から分離する、請求項1から4までのいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
プロセスから取り出された過度に小さな酵素顆粒をプロセス室内に種材料として戻す、請求項1から5までのいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
プロセスから取り出された過度に大きな酵素顆粒を任意の破砕ユニットによって破砕しかつプロセス室内に種材料として戻す、請求項1から6までのいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
プロセス室内に戻された酵素顆粒を熱的に後処理する、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
【請求項9】
プロセス室内に戻された酵素顆粒を乾燥させるかまたは予熱する、請求項8記載の方法。
【請求項10】
プロセス室内に戻された酵素顆粒を破砕する、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法。
【請求項11】
酵素顆粒を種々異なる添加物からそれぞれ異なる混合比で製造する、請求項1から10までのいずれか1項記載の方法。
【請求項12】
材料粒子を事前の噴霧乾燥後に造粒プロセスにさらす、請求項1から11までのいずれか1項記載の方法。
【請求項13】
造粒プロセスに、請求項1から12までのいずれか1項により入手可能な1質量%以上、有利には5〜20質量%の粉末状の完成顆粒生成物および/または別の形式で得られた酵素顆粒および/または一種類またはそれ以上の種類の酵素含有の中間生成物を、酵素含有の粉末および粉塵から選択して供給する、請求項1から12までのいずれか1項記載の方法。
【請求項14】
入手可能な酵素顆粒を後続のステップでコーティングによって防水性の防護膜で被覆する、請求項1から13までのいずれか1項記載の方法。
【請求項15】
加熱されたプロセス室内での酵素の滞留時間の平均値が、1.5時間よりも少なく、有利には0.5時間よりも少ない、請求項1から14までのいずれか1項記載の方法。
【請求項16】
有利には、請求項1または2に述べたようなステップaの前にまたは特にステップaと同時にまたはステップaの後にまたは造粒プロセスの間に、種材料として細粒状ないし粒状の個々の材料、有利には不活性の個々の材料を、乾燥プロセスおよび造粒プロセスのために供給する、請求項1から15までのいずれか1項記載の方法。
【請求項17】
1〜1.6の丸み係数と、60(特に100)〜2000μmの平均的な粒度D50とを備えた、請求項1から16までのいずれか1項により入手可能な酵素顆粒において、(i)活性の酵素の割合が、活性の酵素含有量と不活性の酵素含有量との合計に比べて85%よりも多い場合に、平均的な粒度D50が、650〜2000μmの範囲内にあり、(ii)上記のように規定された活性の酵素の割合が、88%よりも大きい場合に、平均的な粒度D50が、470μm以上650μm未満までの範囲内にあり、(iii)上記のように規定された活性の酵素の割合が、91%よりも多い場合に、平均的な粒度D50が、230μm以上470μm未満であり、(iv)上記のように規定された活性の酵素の割合が、95%よりも多い場合に、平均的な粒度D50が、60〜230μm未満であり、残湿分が、5質量%未満であることを特徴とする、入手可能な酵素顆粒。
【請求項18】
活性の酵素に対する、不活性の酵素を含む不活性の材料の重量比が、乾燥重量に関して7:1よりも小さい、請求項17記載の酵素顆粒。
【請求項19】
60〜800μmの平均的な粒子サイズを備えた、請求項18記載の酵素顆粒において、粉塵含有量が、ホイバッハテスト後、800ppm未満、特に500ppm未満であることを特徴とする、請求項18記載の酵素顆粒。
【請求項20】
当該酵素顆粒の耐圧性が、10MPa以上、有利には20〜50MPaである、請求項17〜19までのいずれか1項記載の酵素顆粒。
【請求項21】
当該酵素顆粒の粒度分布が、d10/d90の比によって特徴付けられて0.4以上である、請求項17〜20までのいずれか1項記載の酵素顆粒。
【請求項22】
当該酵素顆粒の嵩密度が、500g/l以上、有利には550〜850g/lである、請求項17〜21までのいずれか1項記載の酵素顆粒。
【請求項23】
酵素としてフィターゼを含有した、請求項17〜22までのいずれか1項記載の酵素顆粒において、当該酵素顆粒のフィターゼ活性が15000FTU/mg以上であることを特徴とする、請求項17〜22までのいずれか1項記載の酵素顆粒。
【請求項24】
栄養目的、洗浄目的または医薬品目的のための配合物の製造時の添加物またはただ一種類の作用成分としての、特に請求項17から21が請求項1から16までのいずれか1項に従属されている限り、請求項17から21までのいずれか1項記載の酵素顆粒の使用。
【請求項25】
飼料を製造するための請求項24記載の使用。
【請求項26】
食品を製造するための請求項24記載の使用。
【請求項27】
洗濯用洗剤または食器洗い用洗剤を製造するための請求項24記載の使用。
【請求項28】
栄養目的、洗浄目的または医薬品目的のための配合物の製造時の添加物またはただ一種類の作用成分としての、特に請求項22または23が請求項1から16までのいずれか1項に従属されている限り、請求項22または23記載の酵素顆粒の、請求項24記載の使用。
【請求項29】
飼料、食品、洗濯用洗剤または食器洗い用洗剤を製造するための請求項28記載の使用。
【請求項30】
乾燥・造粒プロセスの間または該プロセスの部分の間、一種類またはそれ以上の種類の不活性の材料を、核材料または種材料としてかつ/または酵素顆粒基質内の添加物としてまたはこれらの部分によって酵素の希釈のために供給する、請求項1から16までのいずれか1項記載の方法。
【請求項31】
不活性の材料を固形物として酵素溶液の内部にかつ/または該酵素溶液と別個の一種類またはそれ以上の種類の溶液、懸濁液または溶融液に供給する、請求項30記載の方法。
【請求項32】
不活性の材料の一種類またはそれ以上の種類の溶液および/または懸濁液を、液状の酵素配合物の噴霧のためのノズルのほかに、別個の1つまたはそれ以上のノズルを介して、乾燥・造粒プロセスの間またはその部分の間に噴霧する、請求項30または31記載の方法。
【請求項33】
1つまたはそれ以上の多成分ノズルと、一種類のガスとを、一種類またはそれ以上の種類の不活性の材料の一種類またはそれ以上の種類の溶液または懸濁液を噴霧するために使用する、請求項30から32までのいずれか1項記載の方法。
【請求項34】
請求項17から24までのいずれか1項記載の特性を備えた、請求項30から33までのいずれか1項記載の方法により入手可能な酵素顆粒。
【請求項35】
飼料の製造、食品の製造または洗濯用洗剤または食器洗い用洗剤の製造のための、請求項34記載の酵素顆粒の使用。

【公表番号】特表2007−523616(P2007−523616A)
【公表日】平成19年8月23日(2007.8.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−515795(P2006−515795)
【出願日】平成16年5月26日(2004.5.26)
【国際出願番号】PCT/EP2004/005662
【国際公開番号】WO2004/108911
【国際公開日】平成16年12月16日(2004.12.16)
【出願人】(505334835)グラット インジェニェーアテヒニク ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (5)
【氏名又は名称原語表記】Glatt Ingenieurtechnik GmbH
【住所又は居所原語表記】Nordstrasse 12, D−99427 Weimar, Germany
【Fターム(参考)】