説明

酸性水性組成物の増粘剤としての疎水性改質ジ第四級モノマー及びポリマー

本発明は、疎水性改質ジ第四級カチオン性モノマー及びこれらのコポリマーの製造、並びに、酸性組成物のための増粘剤/レオロジー改質剤としてのこのようなモノマー及びコポリマーの使用に関する。一般式:


を有する疎水性改質ジ第四級カチオン性モノマーであって、上記式中、Xは、O、NH又はNRから選択されており;Yは、ヘテロ原子を有する又は有しない任意のアルキル、アルキレンであり、そして、同一であるか又は異なるR0、R1、R2、R3、R4は、C1-C4アルキル基から選択され、Rは、ヘテロ原子を有する又は有しない任意のアルキル基から選択され、そしてR5は、原子数4を上回るアルキル鎖を有する疎水性物質である、疎水性改質ジ第四級カチオン性モノマー。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2003年12月8日付け出願の米国特許仮出願第60,527/678号の優先権を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は、疎水性改質ジ第四級カチオン性モノマー及びこれらのコポリマーの製造、並びに、酸性組成物のための増粘剤/レオロジー改質剤としてのこのようなモノマー及びコポリマーの使用に関する。
【0003】
発明の背景
ホームケア配合物のレオロジー特性は、天然ポリマー又は合成ポリマーの使用によってしばしば管理される。しばしば製造業者は、活性物質が豊富な高粘度配合物の印象を与える審美的な目的で、且つ/又は、性能上の利益の目的、例えば洗剤がクリーニング作用を発揮するための付加的な接触時間を可能にする、鉛直な表面に対する粘着の促進の目的で、剪断力弱化粘度プロフィールを有する液体配合物を求めている。最も一般的に使用されるポリマーのいくつかは、高分子量ポリアクリレート、アルカリ膨潤性ラテックス、改質セルロース、グアールガム及びキサンタンである。これらの全ては、洗濯や食器用の液体洗剤、及びいくつかの硬質表面用クリーナーにおいて幅広く使用されている。
【0004】
ほとんどのホームケア用組成物が中性からアルカリ性のpHを有しているが、配合が強酸性であり得る一対の用途がある。具体的には、これらの用途は便器用クリーナー及び織物柔軟剤である。便器用クリーナーの場合、レオロジーを制御することが極めて重要である。それというのも、便器に対する粘着時間が、製品の性能全体に影響を与えるからである。織物柔軟剤の場合、配合物を高粘度にしようという望みは、審美的な目的であることがより多い。それというのも、消費者は、高粘度の織物柔軟剤製品に慣れているからである。しかし、これらの両製品は、2又は3という低いpHに調製されることがあるが、極めて低いpH条件で効果的なポリマーはほとんどない。たいていの多糖の場合、強酸性条件はポリマーを分解するので、時間とともに粘度は著しく低下することがある。キサンタン及びサクシノグリカンガムが一般に、低pH配合物のために推奨されるが、しかし、これらでさえ、極めて低いpH範囲で常に効果的とは限らない。合成ポリマーのうち、ほとんどは中性からアルカリ性条件において粘性化するように構成されており、酸性条件では効果的でない。例えば、ポリアクリレート及びアルカリ膨潤性ラテックスを用いた場合、低pH条件は、カルボン酸機能を中和し、ポリマーをしばしば不溶性にするか、又は低pH条件における効果を最小限にしてしまう。これらの増粘剤はまた、その増粘特性を失い、或いは配合物の沈澱を引き起こす。
【0005】
便器用クリーナー及び織物柔軟剤の潜在的に極めて低いpH条件に加えて、レオロジー管理のために開発された化学物質の別の制限は、第四級界面活性剤の存在である。洗濯用及び食器用の液体洗剤はアニオン性界面活性剤をベースとするのに対して、織物柔軟剤は一般にエステル・クワットから形成され、また便器用クリーナーは抗菌の要求のために第四級界面活性剤をしばしば含有することがある。2つのタイプの配合物中のクワットのレベルは著しく異なる。織物柔軟剤は10〜20 wt%の間のエステル・クワットを含有することができるのに対して、抗菌要求のための第四級アンモニウム・タイプの界面活性剤の添加率は一般に0.5wt%未満である。しかし、配合物中の第四級界面活性剤の存在の結果は、両方の配合物において同じであり、すなわち、多くの典型的なレオロジー改質剤が、これらのアニオン電荷に起因して不適合となる。
【0006】
カチオン・ユニットを含むポリマー、及び特にコポリマーは、種々の用途において有用である。配合物、例えばホームケア配合物、個人用ケア配合物、又は油分野の業界で使用される配合物において、カチオン・ユニットは他の化合物、例えば表面、界面活性剤、又は活性成分と相互作用し、そして特異性を提供することができる。カチオン・ユニットを含む種々のポリマー及びコポリマーが使用される。配合物のいくつかの特性及び/又は構造は、いくつかのカチオン・ユニットを含むコポリマーを使用することにより調整することができる。新しいモノマー、ひいては新しいポリマー又はコポリマーを開発することにより、環境保護面での改善点を有し、又はもちろん新しい改善された機能特性を有する新しい配合物の開発が可能になる。
【0007】
2つのカチオン性基(以後、ジ-カチオン・ユニットと呼ぶ)を含むユニットを含むコポリマー、及びこれらの製造が記載されており、例えば硬質表面クリーニング配合物のようなホームケア配合物において使用される。
【0008】
疎水性改質カチオン性モノマーが、Gipson他1によって記載され、最近ではJoynes他2によって報告されている。これらは、共重合することができる界面活性剤モノマーであり、カチオン性及び疎水性の両方を有するポリマーを与える。疎水性物質を有しないジ第四級モノマーが、Dammann3によって製造された。疎水性が改質されたジ第四級モノマー及びマルチ第四級モノマーが、そのポリマー又はそのコポリマーに独自の特性を提供し、例えば界面活性剤との錯体形成及び/又は増粘剤としての自己会合を可能にすることが望ましい。
【0009】
酸性組成物及び/又はたいていはカチオン性の界面活性剤の組成物において、増粘剤に対する要求が高まっている。文献で発表され、且つ/又は商業的に入手可能な、酸性媒質のための増粘剤の例はほとんどない。例えば、米国特許第6,326,430号明細書には、活性成分としてカチオン性界面活性剤を含む水性洗濯柔軟剤、及びトイレ・クリーナーのための増粘剤として、架橋型ポリ(メタクリルオキシエチルトリメチルアンモニウム)塩が記載されている4。ポリマーはw/oエマルジョンにおいて合成され、N,N'-メチレンビスアクリルアミドで架橋された。また、同様のポリマーが種々の特許明細書5に記載された。これとは別に、米国特許第6,271,192号明細書には、エチルアクリレート、ジメチルアミノエチルメタクリレート及び会合性モノマーから形成されたポリマーの増粘剤ラテックスが記載されている。このラテックスは、ジアリルフタレートによって架橋されたミクロゲルである6。有機溶剤中の沈澱重合により、同様のポリマーが合成された。ジメチルアミノエチルメタクリレート、ビニルピロリドン及びステリルアクリレートのポリマー・ミクロゲルを、トリプロピレングリコールジアクリレートによって架橋した7。ビニルピロリドンとジメチルアミノプロピルメタクリルアミドとの架橋型ヒドロゲルに関する特許が最近出願された。このヒドロゲルは溶液重合によって調製され、酸性化時に増粘特性を示すことが実証された8
【0010】
文献名
1 Gipson, R. M.; Hotchkiss, P.; Nieh, E. C. Y. (Texaco)米国特許第4212820号明細書(1980)
2 Joynes, D.; Sherrington, D. C. Polymer, 37(8), 1453, 1996
3 Dammann, L. G. (Celanese)米国特許第4495367号明細書(1985)
4 Berte, F.米国特許第6,326,430号明細書(2001), Berte, F.,; Polotti, G.国際公開第99/20725号パンフレット(1999); 同第99/06455号パンフレット(1999)。
【0011】
要約すると、酸性配合物のための増粘剤として現在の当業者によって記載されたカチオン性ポリマーは、ほとんど専ら化学架橋型である。架橋用ポリマー網状構造は、粘度の増強のために必要である。しかし、得られる粘度は糸をさほど引かない。低用量で、酸性/カチオン性組成物を増粘することができる、より良好な製品が今なお必要である。また、架橋用モノマーなしで製造することができる増粘用ポリマーを提供することも望ましい。このようなポリマーは、水和速度が改善され、粘性が改善され、すなわち糸をさほど引かないものとなる。
【0012】
文献名
5 米国特許第3,968,0387号;同第4,806,345号;欧州特許第395,282号;同第494,554号;同第4,172,066号;米国特許第5,114,600号;同第4,542,175号の各明細書
6 Verstrat, D. W.; Maxim, J.S.; Rosie, J. 米国特許第6,271,192号明細書
7 Matsumoto, K.; Uchiyama, Y.; kambe, T. Nanba, T. Okuda, Y.(Osaka Yuki Kagaku Kogyo Kabushiki Kaisha & Shiseido Company)米国特許第5,603,926号明細書(1997)
8 Zhong, Y.,; Jachowicz, J.; Wolf, P. F. McMullen, R. L. Jr. (ISP)、米国特許出願公開第2001/0016189号明細書(2001)
【0013】
発明の簡単な概要
本発明の第1の観点は、下記式:
【化1】

を有する疎水性改質ジ第四級カチオン性モノマーであって、
上記式中、Xは、O、NH又はNRから選択されており;Yは、ヘテロ原子を有する又は有しない任意のアルキル、アルキレンであってよく、そしてR0、R1、R2、R3、R4は、アルキル基、好ましくはC1-C4アルキルであり、Rは、ヘテロ原子を有する又は有しない任意のアルキル基であり、R5は、原子数4を上回るアルキル鎖を有する疎水性物質である、疎水性改質ジ第四級カチオン性モノマーに関する。
【0014】
本発明の第2の観点は、下記スキーム:
【化2】

を介して式(I)のモノマー化合物を製造する方法であって、
上記式中、Xは、O、NH又はNRから選択されており;Yは、ヘテロ原子を有する又は有しない任意のアルキル、アルキレンであってよく、そしてR0、R1、R2、R3、R4は、アルキル基、好ましくはC1-C4アルキルであり、Rは、ヘテロ原子を有する又は有しない任意のアルキル基であり、R5は、原子数4を上回るアルキル鎖を有する疎水性物質である、式(I)のモノマー化合物の製造方法に関する。
【0015】
本発明の第3の観点において、一般式(II):
【化3】

を有する疎水性改質ジ第四級カチオン性モノマーのコポリマー(上記式中R = C12H23又はC18H37である)が提供される。
【0016】
本発明の第4の観点において、下記スキーム:
【化4】

を介して式(II)のコポリマーを合成する方法(上記式中R = C12H23又はC18H37である)が提供される。
【0017】
さらに本発明の第5の観点において、本発明は、このような疎水性改質ジ第四級カチオン性モノマー及びこれらのコポリマーを、酸性組成物のための増粘剤として使用することに関する。
【0018】
発明の詳細な説明
本明細書中に使用される「ホームケア配合物」という用語は、一例として、一般的な家庭用クリーニング製品、例えば便器用クリーナー、洗濯用洗剤、織物柔軟剤、食器洗浄液、及び浴室用クリーナーを含む。
【0019】
以後、「ジ第四級(diquaternary)」という用語は、当業者には概ね理解されるように、「ジクワット(diquat)」と呼ぶことがある。
【0020】
新しい疎水性改質ジ第四級モノマー化合物を本明細書中に記載する。これらのモノマーから、架橋用モノマーなしでコポリマーが合成される。こうして得られた生成物は、酸性配合物中で極めて良好な増粘特性を示す。
【0021】
モノマー化合物
本発明の第1の観点に基づく、疎水性が改質されたカチオン性ジ第四級モノマー化合物は、好ましくは一般式(I):
【化5】

を有し、上記式中、Xは、O、NH又はNRから選択されており;Yは、ヘテロ原子を有する又は有しない任意のアルキル、アルキレンであってよく、そしてR0、R1、R2、R3、R4は、アルキル基、好ましくはC1-C4アルキルであり、Rは、ヘテロ原子を有する又は有しない任意のアルキル基であり、R5は、原子数4を上回るアルキル鎖を有する疎水性物質である。
【0022】
モノマー化合物の合成
上記疎水性が改質されたカチオン性ジ第四級モノマー化合物を、スキーム1に示すように、商業的に入手可能な材料を使用して調製した。
【化6】

スキーム1
(上記式中、Xは、O、NH又はNRから選択されており;Yは、ヘテロ原子を有する又は有しない任意のアルキル、アルキレンであってよく、そしてR0、R1、R2、R3及びR4は、アルキル基、好ましくはC1-C4アルキルであり;R5は、アルキル、好ましくは疎水性物質、及びより好ましくは炭素原子数4又は5以上のアルキル、芳香族である。Rは、ヘテロ原子を有する又は有しない任意のアルキル基である。)
【0023】
商業的に入手可能なジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)と、疎水性改質クロロヒドリン(Degussaから入手可能な、Quab-342として知られる3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル-ジメチルドデシルアンモニウムクロリド、又は3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル-ジメチルステアリルアンモニウムクロリド、すなわちQuab 426)とを、水溶液中等モル量で反応させることにより、モノマー(C12又はC18-ジクワット)を調製することができる。これらの反応は好ましくは、空気でパージしながら約60℃で実施される。DMAPMAからの担持量を超えた余分のMEHQインヒビターは必要とされない。C18-ジクワットの場合、反応体Quab 426は好ましくは適量の1,3-プロパンジオール(より好ましくは約23%〜約28%)を含有する。1,3-プロパンジオールは、反応のための溶剤として利用される。これらの反応から得られた生成物は、高性能液体クロマトグラフィ(以後「HPLC」)分析によって確認された。
【0024】
コポリマー
本発明の第2の観点に基づく、疎水性が改質されたカチオン性ジ第四級モノマー化合物のコポリマーは、好ましくは一般式(II):
【化7】

を有し、上記式中R = C12H23又はC18H37である。
【0025】
コポリマーの合成
ジ第四級カチオン性モノマーの重合のために任意の好適なモノマーを使用することにより、本発明によるコポリマーを製造することができる。ビニルモノマー、例えばスキーム2に示すようなジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)、N-ビニルピロリドン(NVP)が、主にカチオン性界面活性剤及び/又はカチオン性ポリマーから成る酸性組成物の増粘剤のための周知のビルディング・ブロックである。このように、疎水性が改質されたジ第四級カチオン性モノマーとの共重合には、DMAEMA、DMAPMA及びNVPが好ましい。
【化8】

R = C12H23又はC18H37
【0026】
任意の好適な重合プロセスを用いることができる。例えば、重合は、溶液中、懸濁液中、又はバルク中で行うことができる。水性炭酸ナトリウム/重炭酸ナトリウム中の懸濁重合が好ましいことが発見された。懸濁重合が、水性相において水溶性ポリマーのミクロビードを生成するのに適していることが判った。
【0027】
1. 溶液重合
上述のように、ジ第四級モノマーを約0.1〜15重量%、より好ましくは約5重量%で、好適なビニルモノマー又はその組み合わせ、例えばビニルピロリドン(VP)及びDMAPMAと共重合することにより、本発明によるカチオン性増粘ポリマーを産出することができる。任意の好適な溶剤を使用することにより、重合を実施することができる。例えば、エタノール、トルエン、t-ブタノール、水及びこれらの組み合わせを重合のために使用することができ、この場合、水が好ましく、そして水とt-ブタノールとがより好ましい。
【0028】
2. 塩水溶液中の懸濁重合
任意の好適な懸濁溶液を使用することができる。好適な溶液は、硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、及び重炭酸ナトリウムを含む。溶液はまた好ましくは、界面活性剤乳化剤、及びポリマービード安定剤を含むべきである。コポリマーのミクロビードは、両性界面活性剤、例えばRhodia Inc.からMIRANOL ULTRA L-32/PGとして商業的に利用可能なナトリウムラウロアンホアセテート、及び/又はポリメタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド(ポリ(MAPTAC))を使用することにより得ることができる。
【0029】
3. バルク重合
別の好ましい重合プロセスは、バルク重合である。バルク重合は、反応器の貫入部において実施することができる。このことは、懸濁重合のポリマービードと同様の反応条件によって達成することができる。
【0030】
増粘剤としてのジ第四級モノマー及びコポリマー
本発明はまた、ジ第四級カチオン性モノマーの前述のコポリマーを増粘剤として使用することに関する。本発明のジ第四級カチオン性モノマー及びコポリマーは、酸性界面活性剤配合物において特に有用である。ジクワット・ポリマーをレオロジー改質剤として使用することにより、酸性界面活性剤配合物中の粘度を高めることができ、この場合、配合物の適合性又は外観に影響を及ぼすことはない。ジクワット・ポリマーは、便器用クリーナー及び織物柔軟剤を含む強酸性ホームケア配合物中のレオロジー改質剤として、特に有用である。本発明のジクワット・ポリマーはまた、約10〜約20%のエステル・クワットを含有する配合物において特に有用である。
【0031】
本発明をよりよく理解するために、いくつかの非限定的な例を以下に示す。
【0032】

I. 疎水性が改質されたジ第四級モノマーの合成
疎水性が改質されたカチオン性ジクワットを、商業的に入手可能な材料を使用して調製した(スキームA)。
【化9】

R = C12H23, C18H37
スキームA
【0033】
全体的に見て、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)と、疎水性改質クロロヒドリン(Degussaから商業的に入手可能な、3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル-ジメチルドデシルアンモニウムクロリド、すなわちQuab-342、又は3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル-ジメチルステアリルアンモニウムクロリド、すなわちQuab 426)とを、水溶液中等モル量で反応させることにより、C12又はC18-ジ第四級モノマーを得た。反応は約60℃で、空気パージしながら行った。DMAPMAからの担持量を除けば、余分のMEHQインヒビターは添加しなかった。C18-ジクワットの場合、反応体Quab 426は、反応のための溶剤として利用される23%〜28%の1,3-プロパンジオールを含有した。これらの反応から得られた生成物を、HPLC分析によって確認した。50%活性のモノマー溶液は、反応温度では液体であったが、しかし室温では蝋状ゲルになる。
【0034】
C12-ジ第四級の調製。これらの例の場合、具体的には、Degussaから入手可能なQuab-342として知られた3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル-ジメチルドデシルアンモニウムクロリドの40%溶液(42.75部)を、室温でジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)(8.51部)にゆっくりと添加した。次いで、混合物を60℃まで加熱し、そして2時間にわたってこの温度で維持した。室温まで冷却して生成物を蝋状ゲルとして得た。
【0035】
C18-ジ第四級の調製。これらの例の場合、具体的には、Degussaから入手可能なQuab-426として知られた3-クロロ-2-ヒドロキシプロピル-ジメチルドデシルアンモニウムクロリドの40%溶液(53.25部)を、室温でDMAPMA(8.51部)にゆっくりと添加した。次いで、混合物を60℃まで加熱し、そして2時間にわたってこの温度で維持した。室温まで冷却して生成物を蝋状ゲルとして得た。
【0036】
II. コポリマーの合成
ビニルモノマー、例えばスキームBに示すようなジメチルアミノエチルメタクリレート(DMAEMA)、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(DMAPMA)、N-ビニルピロリドン(NVP)が、主にカチオン性界面活性剤及び/又はカチオン性ポリマーから成る酸性組成物の増粘剤のための周知のビルディング・ブロックである。このように、疎水性が改質されたジ第四級カチオン性モノマーとの共重合には、DMAEMA、DMAPMA及びNVPを選択した。重合は、溶液中、懸濁液中、又はバルク中で行った。
【化10】

スキームB
【0037】
水性重合。N-ビニルピロリドン(24.2 g)、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(24.3 g)及びC18-ジクワット50%(4.78 g)及び水(200.0 g)を、機械的撹拌器、温度計及び窒素入口を備えた500 mlフラスコ内に添加した。混合物を機械撹拌及び窒素パージ下で、70℃まで加熱した。撹拌及びパージを反応全体を通して維持した。Akzo Nobelから商業的に入手可能なTRIGANOX 25 C75を、1時間以上の窒素パージ後、70℃で反応物に導入した。反応を2時間にわたって70℃で維持し、次いで0.10 gのTRIGANOX 25 C75を再び添加した。開始剤の2度目の投入から15分後に、バッチは極めて高粘度になり、200 gの水で希釈しなければならなかった。反応をさらに1時間にわたって70℃で保持し、次いで完了させた。バッチはまだ極めて高粘度であり、反応器から取り出すためには、重量比4:1のイソプロパノールで希釈しなければならなかった。このように調製されたポリマーは、酸性pHで増粘性を示した。
【0038】
C18-ジ第四級モノマーを5重量%で、ビニルピロリドン(VP)及びDMAPMAと共重合することにより、カチオン性増粘ポリマーを産出した。47.5:47.5:5(重量、ロットR0309-146)のVP:DMAPMA: C18-ジ第四級モノマーから成るポリマーを水中で調製した。粘度増大により、水による連続希釈を施した。IPA及び水中6〜7%の最終ポリマー製品は、酸性化時に増粘性を示し、そして非イオン性界面活性剤の存在においてさらなる増粘性を示した。この準備例の増粘特性は、後で説明するホームケア配合物例において実証する。
【0039】
ブタノール及び水中における重合。水性重合と同様に、しかし粘度を低減するためにtert-ブタノール/n-ブタノールを添加して、反応を行った。装入材料を表1に挙げる。下記は、どのようにポリマーを合成したかを示す典型的な例である。N-ビニルピロリドン(12.3 g)、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(12.4 g)、及びC18-ジクワット、50%(2.4 g)、n-ブタノール(45.0 g)及び水(45.0 g)を機械的撹拌器、温度計及び窒素入口を備えた500 mlフラスコ内に添加した。混合物を機械撹拌及び窒素パージ下で、70℃まで加熱した。撹拌及びパージを反応全体を通して維持した。バッチは室温で曇っており、次いで65℃で透明になった。TRIGANOX 25 C75(0.25 g)を、1時間以上のパージ後、70℃で反応物に導入した。開始剤添加から10分後に、バッチは粘性になり曇ってきた。反応を4時間にわたって69〜70℃で保持し、次いで0.15 gのTRIGANOX 25 C75を導入し、そしてバッチを1時間にわたって保持した。バッチがあまりにも高粘度になったので、10 gのn-ブタノールを0.15 gのTRIGANOX 25 C75と一緒に添加した。混合物を45分間にわたって70℃で保持することにより、ポリマー溶液を産出し、これを反応器から注ぎ出すことができた。
【0040】
塩水溶液中の懸濁重合。VP、DMAPMA及びDMAEMA並びにこれらのコポリマーが、濃縮電解質溶液中に容易には可溶性でないことが発見された。こうして、VP/DMAPMA/C18-ジ第四級モノマーを、界面活性剤乳化剤、及びポリマービード安定剤を一緒に含む硫酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、及び重炭酸ナトリウムの存在において調査した(表2)。両性界面活性剤(Rhodia Inc.から商業的に利用可能なMIRANOL ULTRA L-32/PG、すなわちナトリウムラウロアンホアセテート)、及びポリ(メタクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロリド)(ポリ(MAPTAC))を使用することにより、コポリマーのミクロビードを得た。しかし、水溶性ポリマービードを生成するためには、塩を注意深く選択して使用した。
【0041】
表2に示すように、硫酸ナトリウムを塩として使用すると、反応の結果、不溶性の高分子ミクロビードが生じる。これらの不溶性ミクロビードはおそらく、アルカリ性条件における重合によって引き起こされたものである。従って、その代わりに炭酸ナトリウムを使用して、残留炭酸塩がビードを解梱するのを助けることができる。ポリマーが酸性溶液に晒されたときに、二酸化炭素の放出がビード内の内圧を発生させることにより、ビードを膨らませると考えられる。両性界面活性剤及び炭酸ナトリウムと一緒に、種々の量のC-18のジクワットを有する試料を調製した。DMAPMAの試料は、極めて低い粘度をもたらすことが示された。このことは、おそらくミクロビード粒子の不完全な膨潤/解梱によるものであったと考えられる。このように、ポリマーにHCO3を内蔵することにより、このプロセスをさらに改善した。HCO3は第三級アミン機能のための対イオンとして利用された。従って溶解のためにビード内部に、より多くの炭酸塩を維持することができた。このことは、重炭酸ナトリウム又は炭酸ナトリウムとのその混合物中で懸濁重合を行うことにより、達成された。重炭酸ナトリウムの添加はまた、反応体のアルカリ度をさらに低減するのを助けた。これらの試料は、酸性溶液中の著しくより良好な可溶性及びより迅速な溶解を示した。便器用クレンザー及び織物柔軟剤を増粘する点で、選択的な試料を評価した。いくつかの事例において、試料は、既存の商業製品を凌ぐ優れた増粘特性を実証した。
【0042】
下記は、どのように表2の装入材料を合成したかを示す典型的な例である。N-ビニルピロリドン(30.0 g)、ジメチルアミノプロピルメタクリルアミド(30.06 g)、及びC18-ジクワット、50%(6.03 g)、重炭酸ナトリウム(25.0 g)、MIRANOL ULTRA L-32(3.07 g)、ポリ(MAPTAC)33%の粘度53,000 cps(6.66g)、水(150.0 g)及びAIBN(0.15 g)を、機械的撹拌器、温度計及び窒素入口を備えた500 mlフラスコ内に添加した。撹拌及びパージの両方を反応全体を通して維持した。混合物を70℃まで加熱し、そして温度を3時間にわたって維持した。次いでAIBN(0.15 g)を添加し、そして反応を付加的な時間にわたって保持した。第2の開始剤、Vazo V56, 0.15 gを導入した。温度を80℃まで上げ、そして2時間にわたって保持した。こうして得られたポリマービードを濾過し、そして50〜60℃で真空中で乾燥させた。総収量は67.0 gであった。
【0043】
【表1】

【0044】
【表2】

【0045】
III. ホームケア配合物中における利用
3.1 材料
第四級界面活性剤系織物柔軟剤及び/又は便器用クリーナー中でポリマーをスクリーニングした。スクリーニングに使用された製品及びこれらの「現状通りの」pHは以下の通りであった:
【表3】

【0046】
いくつかの特定された商業的に入手可能な競合製品に加えて、いくつかのランダム・コポリマー並びにジブロック・コポリマーをスクリーニングした。いくつかの粘弾性界面活性剤系とも比較した。スクリーニングされた製品の概要、及び特定の種類の配合物を、下記表4に示す。
【0047】
17 Rhodia Inc.から商業的に入手可能
18 Procter & Gamble Co.から商業的に入手可能
19 Unileverから商業的に入手可能
20 Unileverから商業的に入手可能
21 Unileverから商業的に入手可能
22 Cloroxから商業的に入手可能
23 MAPTAC、メタクリロイルアミノプロピルトリメチルアンモニウムクロリド;ADMQUAT、(2-メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロリド;HEA、ヒドロエチルアクリレート;DADMAC、ジアリルジメチルアンモニウムクロリド;PAA、ポリアクリル酸;PVP、ポリ(ビニルピロリドン)、PADAMQUAT、ポリ[(2-メタクリロイルオキシ)エチルトリメチルアンモニウムクロリド];PEO、ポリエチレンオキシド;PAM、ポリアクリルアミド
【0048】
表4.製品の概要23
【表4】

【0049】
3.2 試料の調製
受容される各ポリマーの形態は、既存の配合物中にこれを配合する様式を決定した。具体的には、可能な場合には、配合物濃度全体を希釈することなしに、配合物中にポリマーを直接に添加することによって、ポリマーを試験することが好ましかった。しかし、ポリマーが100%未満の活性で溶液中に受容される場合、又は、100%活性で固形形態のポリマーを混合することが困難な場合、配合物を或る程度希釈して配合物中にこれを混合することが必要であった。
【0050】
可能な場合には、化学物質は配合物中1%で試験した。化学物質が効果を発揮した場合、濃度レベルを下げることにより、性能がまだ観察される最小レベルを見極めた。全ての事例において、スクリーニングされるべき化学物質を配合物中に内蔵すると、pHを測定し、そして化学物質を有しない配合物のpHと比較した。化学物質の内蔵によりpHが変化した場合、pHを再調整して、元の配合物のpHと一致させた。
【0051】
3.3 化学物質の評価
化学物質を内蔵したら、配合物の外観に基づいて、化学物質を最初に評価した。適合性、濁度、及び粘度の視覚的観察のような特徴に注目し、これらと対照、例えば化学物質が添加されていない配合物とを比較した。ポリマーが配合物の外観全体に影響を与えないように見えるが、しかし粘度を著しく高くするように見えた場合、Rheometrics ARESを使用して、粘度をより詳細に測定した。
【0052】
3.4 結果
3.4a 織物柔軟剤におけるスクリーニング
商業的に入手可能なUnilever製品に関して、Unileverは我々に或るベース材料を提供した。しかし、化学物質が配合物中で適合可能であるかどうか、具体的には相分離を引き起こしかどうかをを見極めることは容易でないことが間もなく明らかになった。それというのも、Unilever配合物が透明でないからである。従って、Procter & Gamble Co.から商業的に入手可能な透明な織物柔軟剤であるDowney Fabric Enhancerだけを用いて作業を行った。P&G独自の技術が透明な織物柔軟剤を製造することを可能にし、そして透明性が、注意深い成分バランスにかかっていることが最初から明らかであった。このように、化学物質がDowney Fabric Enhancerを曇らせたかどうかは、化学物質が織物柔軟剤内で適合可能であるかどうかを示すだけではあり得なかった。しかし、これはよい出発点であると考えられ、さらに、Downey Fabric Enhancerを曇らせることはできないが、しかし粘度を高める何かを見いだすことができれば、これは商業的価値を有することになると考えられる。
【0053】
4つの商業製品に加えて、10%活性に希釈されたRHODAQUAT Tもスクリーニング配合物として使用した。なぜならば、これは、制御された配合物中のスクリーニングを可能にしたからである。下記は1%の化学物質のスクリーニングからの発見を簡単にまとめたものである。表中、視覚的観察に基づいて等級付けがなされ、尺度は1〜6である。対照は3として等級付けされ、1は対照よりも粘度が著しく低いと考えられ、5は対照よりも粘度が著しく高いと考えられ、そして6は、ほとんどゲルであると考えられる。ボックス内の網かけは、配合物が完全に適合可能に見えることがなかったことを示す。
【0054】
【表5】

【0055】
これらの発見に基づき、VP:DMAPMA:C18-ジクワットが、大きな潜在力を示すことが明らかになった。それというのもこれは1%で既に織物柔軟剤のゲルを形成したからである。これらの研究を続けるために、ポリマーは他の濃度レベルで試験されるべきであると結論付けられた。加えて、その分散性を高めるために、合成において改質を試みた。
【0056】
便器用酸性配合物を増粘することが同様に必要であることを認識して、潜在的な候補のさらなるスクリーニングを、Cloroxによって直接に供給された便器用酸性配合物中でさらに行った。
【0057】
IV. VP:DMAPMA:C18ジクワット
低pHで増粘剤として作用するように、VP:DMAPMA:C18ジクワット(47.5:47.5:5)ポリマーを構成した。疎水性が改質されたジ第四級モノマーの存在(以後「ジクワット」)は、ポリマーが水溶液中に或る種の架橋型構造を形成するのを可能にする相互作用を形成するようになっている。低pHでは、疎水性相互作用は、装入されたDMAPMAから生じるポリマーの親水性によって平衡される。VPの存在は、ポリマーが低pHにおいて、ポリマーを水溶性に保つのに十分に親水性のままであることを保証する。選択された合成ルートに応じて、或る特定の試料が、水中に分散されるようになる問題を多かれ少なかれ有すること、さらに、水のpHも所定の役割を演じることができることが判った。このことを全て念頭に置いて、VP:DMAPMA:C18ジクワットのポリマー試料を、種々のpHの水中で最初にスクリーニングすることにより、最も有望な候補を同定した。被験試料のうち2つの試料、すなわちR0376-2及びR0376-8は最も有望に見え、種々の配合物中で更に試験するためにこれらを選択した。織物柔軟剤中のVP:DMAPMA:C18ジクワットの1%という添加率があまりにも高いことが既に判っているので、後続の試験は、より低い濃度で試みた。添付の4つの図面は、Clorox便器用クリーナー・ベース、Unilever織物柔軟剤ベース、ROBIJN、及びComfort中にR0376-2及びR0376-8を0.5%で添加することの効果を示す。
【0058】
より低いレベル、特に配合物中0.05%、0.1%、及び0.3%のR0376-2及びR0376-8も研究した。Comfortの場合、R0376-2は、濃度が高くなるにつれて、粘度を段階的に改善した。しかしこのことは、意外な結果をもたらすROBIJNには当てはまらなかった。0.5%未満の濃度で製品のいずれかにR0376-8を使用して観察された恩恵はなかった。
【0059】
4.1 VP:DMAPMA:C18ジクワットとのポリマー比較
VP:DMAPMA:C18ジクワットを使用して見いだされた好ましい結果に基づいて、他のポリマー化学物質に対してこれをベンチマークすることが重要である。純粋に視覚的な評価に基づいて以前に行われたスクリーニングに基づいて、RhodiaのALKAFLOC EC-752M、並びに商業的に入手可能な競合ポリマーに対して、VP:DMAPMA:C18ジクワットをベンチマーク比較した。なお、ALKAFLOC EC-752Mは、アクリルアミド:ジメチルアミノエチル-メタクリレートメチルクロリド第四級(METAC)の軽架橋型コポリマーである。このコポリマーは合成様式に基づき、油エマルジョン中の水として製造される。
【0060】
ALKAFLOC EC-752Mは、これが受容されたように、水性配合物中に直接に添加されると不適合であることが見いだされた。従って、種々の配合物中でALKAFLOC EC-752Mを試験するためには、ポリマーを溶液から沈澱させるアセトンにこれを添加することによって、生成物を抽出した。次いでアセトンとエマルジョンとの混合物を濾過することにより、ポリマーを分離した。SNF FloergerのDP200は、ALKAFLOC EC-752Mの競合品であると言われていたが、これは直接の使用を可能にする形態で供給した。
【0061】
図5の粘度プロフィールが示すように、SYNTHALEN CN(CV3 Sigmaから商業的に入手可能)は、Clorox便器用クリーナー・ベース配合物の粘度を最も高めた。SYNTHALEN CN生成物は、カチオン性モノマーの架橋型カチオン性ホモポリマーであると考えられ、カチオン性界面活性剤溶液を増粘するのに効果的であると広告されている(1〜4)。ALKAFLOC EC-752M と同様の化学物質に基づくと示唆されているSNF FloergerのDP200は、ALKAFLOC EC-752Mを含むRhodiaの技術の全てよりもわずかに良好であった。Unilever特許明細書(5)において、織物柔軟剤を増粘することができるRohm 及びHaasポリウレタン・ポリマーであるものとして挙げられているAcrysol RM-825は、便器用配合物ベースに対して有意な影響を及ぼさなかった。
【0062】
織物柔軟剤の場合、その結果はかなり異なっており、ここでは粘度の最大の増大は、VP:DMAPMA:C18ジクワットを使用することによって達成された(図6及び7)。なぜ、織物柔軟剤配合物に対して、便器用配合物中の種々異なる化学物質から生じる性能レベルに差があるのかは明らかではない。しかし両タイプの配合物は低いpHを有し、第四級界面活性剤を有するものの、明らかに配合物間には、1)第四級界面活性剤のレベル、及び2)溶剤のレベルという、顕著な2つの違いがある。便器用クリーナー・ベースの場合、第四級界面活性剤のレベルは1wt%未満であり、溶剤は比較的少量であるのに対して、織物柔軟剤の場合、第四級のレベルは10wt%以上もの高さであることが可能であり、多量の溶剤を含有する。試験されたポリマーのほとんどがカチオン性ポリマーなので、第四級界面活性剤との相互作用は最小限であったはずである。ことによると、これは便器用クリーナーに対して、織物柔軟剤中の溶剤が高レベルであることによるものであり、このことが、VP:DMAPMA:C18ジクワットがこのような良好な性能を示すのを可能にしたと考えられる。なお、製造されたVP:DMAPMA:C18ジクワットのロットのうちのいくつかは、水中で分散させるのが、不可能でないにしても極めて難しかった。これは、C18がポリマー中に内蔵された様式によるものと推定された。このようにおそらくは、溶剤レベルが高ければ高いほど、ポリマーがより完全に広げられるようになるのが容易になった。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】図1は、0.5% R0376−2及びR0376−8を有するベースと比較した、Clorox便器用クリーナー・ベースの粘度プロフィールを示す。
【図2】図2は、0.5%のR0376−2及びR0376−8を有するベースと比較した、そしてUnileverによって供給されたベンチマークと比較したUnilever織物柔軟剤ベースの粘度プロフィールを示す。
【図3】図3は、0.5% R0376−2及びR0376−8を有する、及び有しないROBIJN織物柔軟剤の粘度プロフィールを示す。
【図4】図4は、0.5% R0376−2を有する及び有しないComfort織物柔軟剤の粘度プロフィール(Comfortが0.5% R0376−8と合体されたときに相分離が発生した。)
【図5】図5は、その他のいくつかの商業的に入手可能なポリマーと比較した、0.5%のR0376−2及びR0376−8を有する、及び有しないClorox便器用クリーナー・ベースの粘度プロフィールを示す。
【図6】図6は、その他のいくつかの商業的に入手可能なポリマーと比較した、0.5%のR0376−2を有する、及び有しないComfortの粘度プロフィールを示す。
【図7】図7は、その他のいくつかの商業的に入手可能なポリマーと比較した、0.5%のR0376−2を有する、及び有しないROBIJNの粘度プロフィールを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式:
【化1】

を有する疎水性改質ジ第四級モノマー化合物であって、
上記式中、Xは、O、NH又はNRから選択されており;Yは、ヘテロ原子を有する又は有しないアルキルまたはアルキレンであり、そして、同一であるか又は異なるR0、R1、R2、R3、R4は、C1-C4アルキル基から選択され、Rは、ヘテロ原子を有する又は有しないアルキル基から選択され、そしてR5は、原子数4を上回るアルキル鎖を有する疎水性物質である、
疎水性改質ジ第四級モノマー化合物。
【請求項2】
RはC12H23又はC18H37から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
下記反応:
【化2】

を含む、請求項1に記載のモノマー化合物の製造方法。
【請求項4】
RはC12H23又はC18H37から選択される、請求項3に記載の方法。
【請求項5】
請求項1に記載のモノマー化合物から誘導されたコポリマー化合物。
【請求項6】
式:
【化3】

を有し、
上記式中Rは、C12H23又はC18H37から選択される、請求項5に記載のコポリマー。
【請求項7】
下記反応スキーム:
【化4】

(上記式中、Xはジメチルアミノエチルメタクリレート又はジメチルアミノプロピルメタクリルアミドから選択されており、Rは、C12H23又はC18H37から選択される)を含む、請求項6に記載のコポリマー化合物の合成方法。
【請求項8】
水性炭酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、又はこれらの化合物中での懸濁重合を含む、請求項5に記載の方法。
【請求項9】
1種又は2種以上の疎水性改質第四級モノマーから誘導されたコポリマーを含む、pHが4以下の酸性ホームケア配合物。
【請求項10】
下記式:
【化5】

(上記式中、Xは、O、NH又はNRから選択されており;Yは、ヘテロ原子を有する又は有しないアルキルまたはアルキレンであり、そして、同一であるか又は異なるR0、R1、R2、R3、R4は、C1-C4アルキル基から選択され、Rは、ヘテロ原子を有する又は有しないアルキル基から選択され、そしてR5は、原子数4を上回るアルキル鎖を有する疎水性物質である)
を有する、請求項9に記載の第四級モノマー。
【請求項11】
前記モノマーが増粘剤である、請求項9に記載の配合物。
【請求項12】
前記コポリマーは式:
【化6】

を有し、
上記式中、RはC12H23又はC18H37から選択される、請求項9に記載の配合物。
【請求項13】
前記ホームケアが、便器用クリーナー又は織物柔軟剤である、請求項9に記載の配合物。
【請求項14】
レオロジー改質剤を含む配合物を含有する第四級界面活性剤であって、前記レオロジー改質剤は、下記式:
【化7】

を有する疎水性改質ジ第四級モノマー又はこれから誘導されたコポリマーを含み、
上記式中、Xは、O、NH又はNRから選択されており;Yは、ヘテロ原子を有する又は有しないアルキルまたはアルキレンであり、そして、同一であるか又は異なるR0、R1、R2、R3、R4は、C1-C4アルキル基から選択され、Rは、ヘテロ原子を有する又は有しないアルキル基から選択され、そしてR5は、原子数4を上回るアルキル鎖を有する疎水性物質である、
第四級界面活性剤。
【請求項15】
前記コポリマーは式:
【化8】

を有し、
上記式中、RはC12H23又はC18H37から選択される、請求項14に記載の配合物。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公表番号】特表2007−516969(P2007−516969A)
【公表日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−542889(P2006−542889)
【出願日】平成16年12月8日(2004.12.8)
【国際出願番号】PCT/US2004/041088
【国際公開番号】WO2005/056767
【国際公開日】平成17年6月23日(2005.6.23)
【出願人】(598109291)ローディア インコーポレイティド (41)
【Fターム(参考)】