説明

酸素を含有した金属間化合物熱電変換材料並びに熱電変換素子乃至熱電変換モジュール

【課題】金属間化合物熱電変換材料に微量の酸素を含有させることにより、熱起電力を損なわず、導電性をある程度保ちながら熱伝導率を低減し、総合的に熱電変換効率を向上させた、優れた熱電変換材料、熱電変換素子及び熱電変換モジュールを提供する。
【解決手段】金属間化合物熱電変換材料を主相とし、主相に対する酸素濃度がモル比率で0.1mol%以上、15mol%以下の割合で酸素を含む、酸素含有金属間化合物熱電変換材料、該酸素含有金属間化合物熱電変換材料を含む熱電変換素子及び熱電変換モジュール。
【効果】元の熱電変換材料に比べて、低い熱伝導率を有し、エネルギー変換効率が高い酸素含有金属間化合物熱電変換材料などを提供することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属間化合物熱電変換材料に微量の酸素を含有させることにより、熱電変換材料として優れた性能を発揮する熱電変換材料、熱電変換素子、及び熱電発電モジュールに関するものである。本発明は、酸素を適当な割合で含有させることにより、熱起電力を損なわず、導電性をある程度保ちながら熱伝導率を低減させ、熱電変換材料の特性を向上させた酸素含有金属間化合物熱電変換材料、及び該酸素含有金属間化合物熱電変換材料を熱電発電モジュールの熱電変換素子としてシステム中に組み込むことにより、これまで廃棄されていた熱エネルギーを有効に利用することが可能となる熱電発電モジュールに関する新技術・新製品を提供するものである。
【背景技術】
【0002】
我が国では、一次供給エネルギーからの有効なエネルギーの得率は、30%程度しかなく、約70%ものエネルギーを熱として大気中に廃棄している。また、工場やごみ焼却場などにおいて燃焼により生ずる熱も、その殆どが、他のエネルギーに変換されることなく、大気中に廃棄されている。このように、我々人類は、膨大な熱エネルギーを無駄に廃棄しており、限りある化石燃料の燃焼などの行為から、僅かなエネルギーしか獲得していない。
【0003】
エネルギーの得率を向上させるためには、大気中に廃棄されている熱エネルギーを利用できるようにすることが必要である。そのための有効な一つの技術手段として、熱エネルギーを、直接、電気エネルギーに変換する熱電変換がある。熱電変換とは、ゼーベック効果を利用したものであり、金属間化合物などによって構成される熱電変換材料の両端に、温度差を発生させることにより、熱起電力を生じさせて、発電を行うエネルギー変換法である。
【0004】
この熱電発電では、例えば、熱電変換材料の一端を、廃熱により生じた高温部に配置し、もう一端を、大気中(室温部)に配置して、それぞれの両端に導線を接続するだけで、電力を得ることができる。つまり、一般的な発電装置に必要なモータやタービンなどの可動部品は不要である。このため、設備コストも安く、燃焼などによるガスの排出もなく、熱電変換材料が劣化するまで継続的に発電を行うことができる。
【0005】
このような長所から、熱電発電は、今後予測されるエネルギー資源の枯渇という重大な問題に対する解決策の一端を担う技術して期待されている。熱電発電を汎用的に実現するためには、高い熱電変換効率を有し、耐熱性、化学的耐久性などに優れた熱電変換材料を、大量に供給することが必要となる。
【0006】
熱電変換材料の特性は、熱電変換材料の両端に温度差を付けたときに発生する、電圧の大きさをあらわす「熱起電力」と、電気の流れやすさである「導電率」、及び熱の伝わりやすさである「熱伝導率」の3つの特性を用いて、下記式より算出される「熱電性能指数」により評価される。
【0007】
【数1】

【0008】
すなわち、熱起電力と導電率が大きく、熱伝導率が小さいものが熱電変換材料に適している。高い熱電性能指数を有し、かつ大量に供給が可能な金属間化合物熱電変換材料としては、安価で豊富に存在する鉄やアルミニウム、ケイ素などから構成される、ホイスラー型FeVAl系合金やFeSi系合金が挙げられる。
【0009】
これらの熱電変換材料は、FeVAlやFeSiを基本的な化学組成とし、一部の元素を部分的に他の元素で置換することなどによって熱電特性を制御することで、熱電性能指数を向上することができる。ホイスラー型FeVAl系合金やFeSi系合金についての具体的な方法は、それぞれ先行技術文献において公開されている(特許文献1、特許文献2)。
【0010】
熱電特性の制御において、熱起電力と導電率は、主に電子状態密度やキャリア濃度などによって制御される電気的な成分であり、熱伝導率は、主に結晶構造や構成元素などによって変化する熱的な成分である。電気的な成分は、発電される電力の大きさに関係し、熱伝導率は、熱エネルギーを電気エネルギーに変換させる際の変換効率に影響を与え、得られる電力量に関係する。熱電性能指数を向上させる場合に、電気的な成分は、元素置換などによる僅かなキャリアドーピングなどにより大幅に変化させられるため、比較的容易に制御されるが、熱的な成分は、結晶構造などに関係するため、容易には制御できない。
【0011】
しかし、熱伝導率を低減できた場合には、エネルギー変換効率が向上し、エネルギー再利用の有効性を高めるのみならず、最終的に得られる電力量を増加させ、発電コストを安くすることができる。つまり、熱電発電の実用化に向けて、発電能力及び経済性を向上させるためには、熱伝導率の低減が必要不可欠である。
【0012】
金属間化合物からなる熱電変換材料に対して熱伝導率を低減させる試みとして、不活性なセラミックス微粒子などとの複合化が検討されている。このような異種材料との複合化は、熱伝導を担うフォノン伝導が抑制されるため、熱伝導率の低減効果が得られる。しかし、絶縁性のセラミックスを複合した場合には、導電率が低下するため、総合的な熱電特性の向上効果が低い。
【0013】
例えば、先行技術文献では、FeSi系の金属間化合物熱電変換材料に対して、様々な酸化物セラミックス粒子を複合させた効果について報告されている(非特許文献1)が、導電率の低下などによって総合的な熱電特性の向上効果は小さい。また、熱起電力の小さい導電性の材料と複合した場合には、熱起電力が低下するため、やはり総合的な熱電特性の向上効果は低い。
【0014】
例えば、他の先行技術文献では、FeSi系の金属間化合物熱電変換材料に対して、銅を複合させているが、熱起電力の著しい低下が認められる(非特許文献2)。このように、異種材料との複合化は、熱伝導率の低減効果が得られるものの、異種材料界面や異種材料そのものの特性がその他の熱電特性に大きな影響を与えるため、総合的な熱電性能指数の向上が難しい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0015】
【特許文献1】特開2004−253618号公報
【特許文献2】特開昭48−60018号公報
【非特許文献】
【0016】
【非特許文献1】Journal of Alloys and Compounds 350(2003)296−302
【非特許文献2】Journal of Alloys and Compounds 322(2001)226−232
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
このような状況の中で、本発明者らは、上記従来技術に鑑みて、総合的な熱電特性の向上を可能とする新しい金属間化合物熱電変換材料を開発することを目標として鋭意研究を重ねてきた結果、金属間化合物熱電変換材料中に酸素を適当な割合で含有させることにより、熱起電力を損なわず、導電性をある程度保ちながら熱伝導率を低減させ、熱電変換材料の特性を向上させることができることを見出し、ここに、本発明を完成するに至った。
【0018】
本発明は、上記した従来技術の現状に鑑みてなされたものであり、その主な目的は、金属間化合物熱電変換材料に微量の酸素を含有させることにより、金属間化合物の結晶格子内への酸素導入効果により熱伝導率のみを低減し、高い熱電変換効率を有する、優れた新規な熱電変換材料、熱電変換素子、及び熱電発電モジュールを提供することである。
【0019】
すなわち、本発明は、総合的な熱電性能指数の向上を実現した新しい酸素含有金属間化合物熱電変換材料を提供することを目的とするものである。また、本発明は、該酸素含有金属間化合物熱電変換材料を用いた熱電変換素子、及び熱電発電モジュールを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0020】
上記課題を解決するための本発明は、以下の技術的手段から構成される。
(1)金属間化合物熱電変換材料を主相とし、該主相に対する酸素濃度がモル比率で0.1mol%以上、15mol%以下の割合で酸素を含むように該金属間化合物熱電変換材料に酸素を含有させたことを特徴とする酸素含有金属間化合物熱電変換材料。
(2)上記酸素含有金属間化合物熱電変換材料が、金属間化合物熱電変換材料の固体粉末、もしくは該金属間化合物熱電変換材料を構成する金属原料粉末を用意し、酸素雰囲気下で、粉砕・混合を行い、あるいは金属間化合物熱電変換材料を溶融し、酸素雰囲気下で除冷して粉末状に固化して、その後に焼結することにより金属間化合物熱電変換材料に酸素を含有させたものである、前記(1)に記載の酸素含有金属間化合物熱電変換材料。
(3)金属間化合物熱電変換材料が、(Fe1−x1−yAl1−z(式中、Mは、周期表における第4〜6周期の7〜10族からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Lは、周期表における第4〜6周期の4〜6族からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Rは、周期表における第2〜6周期の2族及び13〜15族からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、0≦x≦0.2;0≦y≦0.2;0≦z≦0.2である。)で表される組成を有する、前記(1)に記載の酸素含有金属間化合物熱電変換材料。
(4)金属間化合物熱電変換材料が、(Fe1−x1−yAl1−zで表される組成を有し、式中、Mは、Mn、Co、Ni、Re、Ir及びPtからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Lは、Ti、Cr、Zr、Nb、Mo、Ta及びWからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Rは、Si、Ge、Sn、Sb及びBiからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、0≦x≦0.2;0≦y≦0.2;0≦z≦0.2である、前記(1)又は(3)に記載の酸素含有金属間化合物熱電変換材料。
(5)金属間化合物熱電変換材料が、Fe1−m(Si1−n(式中、Aは、周期表における第4〜6周期の3〜12族からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Dは、周期表における第2〜6周期の2族及び13〜15族からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、0≦m≦0.2;0≦n≦0.2である。)で表される組成を有する、前記(1)に記載の酸素含有金属間化合物熱電変換材料。
(6)金属間化合物熱電変換材料が、Fe1−m(Si1−nで表される組成を有し、式中、Aは、Cr、Mn、Co、Ni、Y、Zr、Nb、Mo、Ag、Ta及びWからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Dは、B、N、Mg、Al、Ga、Sb及びBiからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、0≦m≦0.2;0≦n≦0.2である、前記(1)又は(5)に記載の酸素含有金属間化合物熱電変換材料。
(7)酸素含有金属間化合物熱電変換材料が、多結晶体である、前記(1)から(6)のいずれかに記載の酸素含有金属間化合物熱電変換材料。
(8)前記(7)に記載の酸素含有金属間化合物熱電変換材料を構成要素として含むことを特徴とする熱電変換素子、又は熱電変換モジュール。
【0021】
次に、本発明について更に詳細に説明する。
本発明は、金属間化合物熱電変換材料を主相とし、該主相に対する酸素濃度がモル比率で0.1mol%以上、15mol%以下の割合で酸素を含むように該金属間化合物熱電変換材料に酸素を含有させたことを特徴とする酸素含有金属間化合物熱電変換材料、である。
【0022】
本発明の酸素含有金属間化合物熱電変換材料は、金属間化合物熱電変換材料に酸素濃度をモル比率で0.1mol%以上、15mol%以下の割合で酸素を含有させたものである。酸素濃度が0.1mol%に満たない場合は、熱伝導率の低減効果が得られず、酸素濃度が15mol%を超える場合には、粗大な酸化物粒子の生成による電気抵抗率の増大を招くため、熱電特性が劣化する。特に、電気抵抗率の増大をより防ぐためには、酸素濃度が9mol%以下であることがより好ましい。
【0023】
上記酸素は、熱伝導率を効率良く低減させるために、熱伝導の散乱点となるように金属間化合物の結晶格子内に存在していることが好ましい。また、一部の酸素が、100nm以下の微小粒子の状態である金属間化合物熱電変換材料中に分散するか、もしくは50nm以下の粒界層の状態である金属間化合物熱電変換材料の粒子間に存在していても良い。
【0024】
上記金属間化合物熱電変換材料としては、例えば、(Fe1−x1−yAl1−zで表わされる組成を有する物質が挙げられる。式中、Mは、周期表における第4〜6周期の7〜10族からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素、Lは、周期表における第4〜6周期の4〜6族からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Rは、周期表における第2〜6周期の2族及び13〜15族からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素である。
【0025】
また、式中、x値は0≦x≦0.2、y値は0≦y≦0.2、z値は0≦z≦0.2であり、大きな熱起電力と低い電気抵抗率を同時に併せ持つ、高い熱電効果を発揮する物質とすることができる。また、より安定的に大きな熱起電力と低い電気抵抗率を得るためには、式中、Mは、Mn、Co、Ni、Re、Ir及びPtからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素、Lは、Ti、Cr、Zr、Nb、Mo、Ta及びWからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Rは、Si、Ge、Sn、Sb及びBiからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であることが好ましい。
【0026】
また、上記金属間化合物熱電変換材料のその他の例としては、例えば、Fe1−m(Si1−nで表わされる組成を有する物質が挙げられる。式中、Aは、周期表における第4〜6周期の3〜12族からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素、Dは、周期表における第2〜6周期の2族及び13〜15族からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素である。また、式中、m値は0≦m≦0.2、n値は0≦n≦0.2であり、大きな熱起電力と低い電気抵抗率を同時に併せ持つ、高い熱電効果を発揮する物質とすることができる。
【0027】
また、より安定的に大きな熱起電力と低い電気抵抗率を得るためには、式中、Aは、Cr、Mn、Co、Ni、Y、Zr、Nb、Mo、Ag、Ta及びWからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素、Dは、B、N、Mg、Al、Ga、Sb及びBiからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であることが好ましい。
【0028】
次に、本発明の酸素含有金属間化合物熱電変換材料の製造方法について説明すると、本発明の酸素含有金属間化合物熱電変換材料は、主成分となる金属間化合物熱電変換材料に、微量の酸素を含有させることにより製造される。その製造過程は、金属間化合物熱電変換材料の原料粉末又は融液に、微量の酸素を添加する過程と、微量の酸素を添加することにより得られた混合物を、焼結や除冷した後に固化する過程に分けられる。
【0029】
微量の酸素を含有させる方法としては、具体的には、例えば、金属間化合物熱電変換材料そのものの固体粉末、もしくは該金属間化合物熱電変換材料を構成する金属原料粉末を用意し、微量の酸素雰囲気下で、ボールミリングなどの任意の方法で粉砕・混合を行うことにより、微量の酸素を導入し、その後に焼結するなどの手段を用いる方法が例示される。
【0030】
また、他の方法として、例えば、金属間化合物熱電変換材料を溶融し、微量の酸素雰囲気下で除冷して粉末状に固化することにより、微量の酸素を取り込み、その後に焼結するなどの手段を用いる方法が例示される。この場合、金属間化合物熱電変換材料に酸素濃度をモル比率で0.1mol%以上、15mol%以下の割合で酸素を含有させる。本発明の酸素含有金属間化合物熱電変換材料は、主成分となる金属間化合物熱電変換材料に、微量の酸素が、均一、且つ微細に分散して存在することにより、高い特性向上効果が得られる。
【0031】
ここで、本発明の酸素含有金属間化合物熱電変換材料について具体的に説明すると、本発明の酸素含有金属間化合物熱電変換材料の内で、金属間化合物熱電変換材料をFeVAl系合金とした場合、後述する実施例1〜12及び比較例1〜12で得られた酸素含有金属間化合物熱電変換材料の熱伝導率の測定結果を、後記する表1に示す。
【0032】
比較例1〜8は、酸素含有濃度が極少なく、主成分の金属間化合物熱電変換材料のみの特性が現れた場合である。実施例1〜12は、酸素を含有させたものであり、いずれも15〜35%程度、熱伝導率が低減されていることが認められる。また、比較例9〜12は、過剰に酸素を導入した場合であり、電気抵抗率の顕著な増大が認められる。
【0033】
また、本発明の酸素含有金属間化合物熱電変換材料の内で、金属間化合物熱電変換材料をFeSi系合金とした場合、後述する実施例13〜20及び比較例13〜16で得られた酸素含有金属間化合物熱電変換材料の熱伝導率の測定結果を、後記する表2に示す。
【0034】
比較例13〜16は、酸素含有濃度が極少なく、主成分の金属間化合物熱電変換材料のみの特性が現れた場合である。実施例13〜20は、酸素を含有させたものであり、いずれも15〜60%程度、熱伝導率が低減されていることが認められる。
【0035】
上記した酸素含有金属間化合物熱電変換材料は、金属間化合物の結晶格子内に酸素が導入されることにより、フォノン散乱により、熱伝導率が低減され、エネルギー変換効率が向上する。その結果として、得られる電力量の増加による発電コストの低減など、実用性が向上されることにより、熱電変換材料として、有効に利用することが期待される。
【0036】
本発明の酸素含有金属間化合物熱電変換材料からなる熱電変換材料を、p型及びn型熱電変換素子のいずれか、もしくはp型、n型のいずれにも用いた熱電発電モジュールの一例の模式図を図1に示す。
【0037】
本発明の熱電発電モジュールの構造は、公知の熱電発電モジュールと同様であり、高温部用基板、低温部用基板、p型熱電変換材料、n型熱電変換材料、電極、導線などにより構成される熱電発電モジュールであり、本発明の複合熱電変換材料は、p型及びn型熱電変換材料として好適に使用することができる。
【発明の効果】
【0038】
本発明により、次のような効果が奏される。
(1)酸素を適当な割合で含有させることにより、熱起電力を損なわず、導電性をある程度保ちながら熱伝導率を低減させ、熱電変換材料の特性を向上させた酸素含有金属間化合物熱電変換材料を提供することができる。
(2)元の熱電変換材料に比べて、低い熱伝導率を有し、エネルギー変換効率が高い材料である酸素含有金属間化合物熱電変換材料を提供することができる。
(3)該酸素含有金属間化合物熱電変換材料は、この様な特性を利用して、従来の熱電変換材料よりも高いエネルギー変換効率を持った熱電変換材料として有効に利用することができる。
(4)該酸素含有金属間化合物熱電変換材料を熱電発電モジュールの熱電変換素子としてシステム中に組み込むことにより、これまで廃棄されていた熱エネルギーを有効に利用することが可能となる。
(5)該酸素含有金属間化合物熱電変換材料は、低い熱伝導率を有するため、一端を高温熱源に接触させ、他方を冷却した場合に、従来の熱電変換材料よりもより大きな温度差を与えることができる。
(6)該酸素含有金属間化合物熱電変換材料の、この様な特性を利用して、従来の熱電変換材料よりもより大きな電圧を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の該酸素含有金属間化合物熱電変換材料を用いて作製される一般的な熱電変換素子を模式的に示す図面である。
【図2】実施例1で得られた該酸素含有金属間化合物熱電変換材料の微細構造を、走査電子顕微鏡を用いて撮影した画像である。
【図3】実施例1で得られた該酸素含有金属間化合物熱電変換材料のX線回折パターンである。
【発明を実施するための形態】
【0040】
次に、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明は、以下の実施例によって何ら限定されるものではない。
【0041】
実施例1
金属間化合物熱電変換材料として、FeVAl0.9Si0.1を用いた。まず、純度99.9質量%のFeと純度99.9質量%のAl、純度99.9質量%のV、及び純度99.9質量%のSiを、FeVAl0.9Si0.1の組成となるように秤量し、100ppmの微量酸素雰囲気下で、メカニカルアロイングにより混合、合金化及び微量酸素の導入を行った。得られた混合粉末を、外径30mm、内径10mm、高さ30mmの黒鉛製の型に充填し、40MPaの加圧下にて通電焼結を行った。焼結の雰囲気は、10Pa程度の真空中にて行い、1000℃まで加熱した。
【0042】
図2に、作製した焼結体の微細構造について、走査電子顕微鏡を用いて撮影した微細構造を示す。図2において、観察される微細構造からは、単一な物質が形成されている様子が観察され、明らかな酸化物などの異種物質の生成は認められない。また、図3に、焼結体のX線回折測定による回折パターンを示す。得られた回折パターンの全てのピークが、FeVAl0.9Si0.1相の回折ピーク位置と一致することからも、明らかな酸化物の生成は認められない。
【0043】
一方で、焼結体の酸素濃度は、下記の表1のように、5.04mol%であり、明らかに酸素を含有していることが分かる。これらのことから、FeVAl0.9Si0.1相の結晶格子内へ酸素が導入されていることが分かる。このようなFeVAl0.9Si0.1相の結晶格子内へ酸素の導入は、熱の伝導を妨げる要因となり、熱伝導率の低減効果を発揮すると考えられる。
【0044】
表1に示すように、実施例1で得られた焼結体の熱伝導率は、14.5W/mKであり、比較例1に示す酸素含有量が極少ないFeVAl0.9Si0.1の熱伝導率19.7W/mKに比べて、25%程度低減されていた。また、電気抵抗率は、0.395mΩcmであり、比較例1に示す酸素含有量が極少ないFeVAl0.9Si0.1の電気抵抗率0.347mΩcmに比べて、14%程度増大しているが、電気抵抗率の増大は、熱伝導率の低減割合に比べて小さく、熱起電力は、ほぼ同程度であったため、最終的な熱電特性が向上することが分かる。
【0045】
実施例2〜8
金属間化合物熱電変換材料として、Fe0.9Ti0.1Al、FeVAl0.97Sb0.03、Fe0.970.03Al、Fe1.9Co0.1VAl、Fe1.9Ni0.1VAl、Fe0.9Zr0.1Al、及びFe0.9Mo0.1Alを用いて、実施例1と同様にして、焼結体を作製した。なお、Fe、V、Al、Ti、Sb、W、Co、Ni、Zr及びMoの原料には、純度99.9質量%の金属粉末を用いた。
【0046】
得られた焼結体は、下記の表1に示す通り、比較例2〜8に示す酸素含有量が極少ない同組成の合金の熱伝導率に比べて、15〜35%程度、低い熱伝導率を有するものであった。また、電気抵抗率の増大は、熱伝導率の低減に比べて小さく、熱起電力は、ほぼ同程度であったため、最終的な熱電特性が向上することが分かる。
【0047】
実施例9
金属間化合物熱電変換材料として、FeVAl0.9Si0.1を用いた。まず、純度99.9質量%のFeと純度99.9質量%のAl、純度99.9質量%のV、及び純度99.9質量%のSiを、FeVAl0.9Si0.1の組成となるように秤量し、5ppmの微量酸素雰囲気下で、メカニカルアロイングにより混合、合金化及び微量酸素の導入を行った。得られた混合粉末を、外径30mm、内径10mm、高さ30mmの黒鉛製の型に充填し、40MPaの加圧下にて通電焼結を行った。焼結の雰囲気は、10Pa程度の真空中にて行い、1000℃まで加熱した。
【0048】
得られた焼結体は、下記の表1に示す通り、比較例1に示す酸素含有量が極少ない同組成の合金の熱伝導率に比べて、15%程度、低い熱伝導率を有するものであった。また、電気抵抗率の増大は、熱伝導率の低減に比べて小さく、熱起電力は、ほぼ同程度であったため、最終的な熱電特性が向上することが分かる。
【0049】
実施例10〜12
金属間化合物熱電変換材料として、Fe0.9Ti0.1Al、FeVAl0.97Sb0.03、及びFe0.970.03Alを用いて、実施例9と同様にして、焼結体を作製した。なお、Fe、V、Al、Ti、Sb、及びWの原料には、純度99.9質量%の金属粉末を用いた。
【0050】
得られた焼結体は、下記の表1に示す通り、比較例2〜4に示す酸素含有量が極少ない同組成の合金の熱伝導率に比べて、15%程度、低い熱伝導率を有するものであった。また、電気抵抗率の増大は、熱伝導率の低減に比べて小さく、熱起電力は、ほぼ同程度であったため、最終的な熱電特性が向上することが分かる。
【0051】
実施例13
金属間化合物熱電変換材料として、Fe0.93Mn0.07Siを用いた。まず、純度99.9質量%のFeと純度99.9質量%のMn、及び純度99.9質量%のSiを、Fe0.93Mn0.07Siの組成となるように秤量し、100ppmの微量酸素雰囲気下で、メカニカルアロイングにより混合、合金化及び微量酸素の導入を行った。得られた混合粉末を、外径30mm、内径10mm、高さ30mmの黒鉛製の型に充填し、40MPaの加圧下にて通電焼結を行った。焼結の雰囲気は、10Pa程度の真空中にて行い、860℃まで加熱した。
【0052】
得られた焼結体の酸素濃度は、下記の表1のように、8.64mol%であった。表2に示すように、実施例13で得られた焼結体の熱伝導率は、6.3W/mKであり、比較例13に示す酸素含有量が極少ないFe0.93Mn0.07Siの熱伝導率14.6W/mKに比べて、55%程度低減されていた。また、表2に示すように、電気抵抗率の増大は、熱伝導率の低減に比べて小さく、熱起電力は、ほぼ同程度であったため、最終的な熱電特性が向上することが分かる。
【0053】
実施例14〜16
金属間化合物熱電変換材料として、Fe0.985Co0.015Si、FeSi1.92Al0.08、Fe0.980.02Siを用いて、実施例13と同様にして、焼結体を作製した。なお、Fe、Si、Co、Al、及びWの原料には、純度99.9質量%の金属粉末を用いた。
【0054】
得られた焼結体は、下記の表2に示す通り、比較例7〜9に示す酸素含有量が極少ない同組成の合金の熱伝導率に比べて、45〜60%程度、低い熱伝導率を有するものであった。また、電気抵抗率の増大は、熱伝導率の低減に比べて小さく、熱起電力は、ほぼ同程度であったため、最終的な熱電特性が向上することが分かる。
【0055】
実施例17
金属間化合物熱電変換材料として、Fe0.93Mn0.07Siを用いた。まず、純度99.9質量%のFeと純度99.9質量%のMn、及び純度99.9質量%のSiを、Fe0.93Mn0.07Siの組成となるように秤量し、5ppmの微量酸素雰囲気下で、メカニカルアロイングにより混合、合金化及び微量酸素の導入を行った。得られた混合粉末を、外径30mm、内径10mm、高さ30mmの黒鉛製の型に充填し、40MPaの加圧下にて通電焼結を行った。焼結の雰囲気は、10Pa程度の真空中にて行い、860℃まで加熱した。
【0056】
得られた焼結体の酸素濃度は、下記の表2のように、0.34mol%であった。表2に示すように、実施例17で得られた焼結体の熱伝導率は、11.2W/mKであり、比較例13に示す酸素含有量が極少ないFe0.93Mn0.07Siの熱伝導率14.6W/mKに比べて、20%程度低減されていた。また、電気抵抗率の増大は、熱伝導率の低減に比べて小さく、熱起電力は、ほぼ同程度であったため、最終的な熱電特性が向上することが分かる。
【0057】
実施例18〜20
金属間化合物熱電変換材料として、Fe0.985Co0.015Si、FeSi1.92Al0.08、Fe0.980.02Siを用いて、実施例17と同様にして、焼結体を作製した。なお、Fe、Si、Co、Al、及びWの原料には、純度99.9質量%の金属粉末を用いた。
【0058】
得られた焼結体は、下記の表2に示す通り、比較例14〜16に示す酸素含有量が極少ない同組成の合金の熱伝導率に比べて、45〜60%程度、低い熱伝導率を有するものであった。また、電気抵抗率の増大は、熱伝導率の低減に比べて小さく、熱起電力は、ほぼ同程度であったため、最終的な熱電特性が向上することが分かる。
【0059】
比較例1
酸素含有量を極力抑えた金属間化合物熱電変換材料として、FeVAl0.9Si0.1を、不活性ガス雰囲気下で、アーク溶解法を用いて作製した。まず、99.99質量%のFeと99.99質量%のAl、99.9質量%のV、及び99.99質量%のSiを、FeVAl0.9Si0.1の組成となるように秤量し、乳鉢を用いて混合した。
【0060】
得られた混合粉末を、外径30mm、内径15mm、高さ30mmの黒鉛製の型に充填し、40MPaの加圧下にて通電焼結を行った。焼結の雰囲気は、10Pa程度の真空中にて行い、1000℃まで加熱した。得られた焼結体をアーク溶解法により溶解・凝固し、ボタン状の塊とした。更に、1000℃で48時間、引き続き400℃で6時間の熱処理を行った。
【0061】
得られた試料の酸素濃度は、0.04mol%であり、熱伝導率、電気抵抗率及び熱起電力は、それぞれ19.7W/mK、0.347mΩcm及び−120μV/Kであった。
【0062】
比較例2〜8
金属間化合物熱電変換材料として、Fe0.9Ti0.1Al、FeVAl0.97Sb0.03、Fe0.970.03Al、Fe1.9Co0.1VAl、Fe1.9Ni0.1VAl、Fe0.9Zr0.1Al、及びFe0.9Mo0.1Alを用いて、比較例1と同様にして、アーク溶解材を作製した。なお、Fe、V、Al、Ti、Sb及びWの原料には、純度99.9質量%の金属粉末を用いた。
【0063】
得られた試料の酸素濃度、熱伝導率、電気抵抗率及び熱起電力は、下記の表1に示す通りであった。
【0064】
比較例9
金属間化合物熱電変換材料として、FeVAl0.9Si0.1を用いた。まず、純度99.99質量%のFeと純度99.99質量%のAl、純度99.9質量%のV、及び純度99.99質量%のSiを、FeVAl0.9Si0.1の組成となるように秤量し、1000ppmの酸素雰囲気下で、メカニカルアロイングにより混合、合金化及び酸素の導入を行った。
【0065】
得られた混合粉末を、外径30mm、内径10mm、高さ30mmの黒鉛製の型に充填し、40MPaの加圧下にて通電焼結を行った。焼結の雰囲気は、10Pa程度の真空中にて行い、1000℃まで加熱した。
【0066】
焼結体の酸素濃度は、下記の表1のように、16.5mol%であった。また、この焼結体の電気抵抗率は、1.25mΩcmであり、実施例1に比べて、大幅に増大しており、熱電特性が劣化した。
【0067】
比較例10〜12
金属間化合物熱電変換材料として、Fe0.9Ti0.1Al、FeVAl0.97Sb0.03、及びFe0.970.03Alを用いて、比較例9と同様にして、焼結体を作製した。なお、Fe、V、Al、Ti、Sb、及びWの原料には、純度99.9質量%の金属粉末を用いた。
【0068】
得られた焼結体試料の酸素濃度、熱伝導率、電気抵抗率及び熱起電力は、下記の表1に示す通りであった。
【0069】
比較例13
酸素含有量を極力抑えた金属間化合物熱電変換材料として、Fe0.93Mn0.07Siを、不活性ガス雰囲気下でアーク溶解法を用いて作製した。まず、99.99質量%のFeと99.99質量%のMn、及び99.99質量%のSiを、Fe0.93Mn0.07Siの組成となるように秤量し、乳鉢を用いて混合した。
【0070】
得られた混合粉末を、外径30mm、内径15mm、高さ30mmの黒鉛製の型に充填し、40MPaの加圧下にて通電焼結を行った。焼結の雰囲気は、10Pa程度の真空中にて行い、1000℃まで加熱した。得られた焼結体をアーク溶解法により溶解・凝固し、ボタン状の塊とした。更に、850℃で100時間、引き続き800℃で50時間の熱処理を行った。
【0071】
得られた試料の酸素濃度は、0.01mol%であり、熱伝導率、電気抵抗率及び熱起電力は、それぞれ14.6W/mK、123mΩcm、366μV/Kであった。
【0072】
比較例14〜16
金属間化合物熱電変換材料として、Fe0.985Co0.015Si、FeSi1.92Al0.08、及びFe0.980.02Siを用いて、比較例6と同様にして、アーク溶解材を作製した。なお、Fe、Si、Co、Al、及びWの原料には、純度99.9質量%の金属粉末を用いた。
【0073】
得られた試料の酸素濃度、熱伝導率、電気抵抗率及び熱起電力は、下記の表2に示す通りであった。
【0074】
【表1】

【0075】
【表2】

【産業上の利用可能性】
【0076】
以上詳述したように、本発明は、酸素を含有した金属間化合物熱電変換材料並びに熱電変換素子乃至熱電変換モジュールに係るものであり、本発明により、元の熱電変換材料に比べて、低い熱伝導率を有し、エネルギー変換効率が高い材料である酸素含有金属間化合物熱電変換材料を提供することができる。本発明の酸素含有金属間化合物熱電変換材料は、この様な特性を利用して、従来の熱電変換材料よりも高いエネルギー変換効率を持った熱電変換材料として有効に利用することができる。本発明は、上記酸素含有金属間化合物熱電変換材料を熱電発電モジュールの熱電変換素子としてシステム中に組み込むことにより、これまで廃棄されていた熱エネルギーを有効に利用することを可能とする熱電発電モジュールに関する新技術・新製品を提供するものとして有用である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属間化合物熱電変換材料を主相とし、該主相に対する酸素濃度がモル比率で0.1mol%以上、15mol%以下の割合で酸素を含むように該金属間化合物熱電変換材料に酸素を含有させたことを特徴とする酸素含有金属間化合物熱電変換材料。
【請求項2】
上記酸素含有金属間化合物熱電変換材料が、金属間化合物熱電変換材料の固体粉末、もしくは該金属間化合物熱電変換材料を構成する金属原料粉末を用意し、酸素雰囲気下で、粉砕・混合を行い、あるいは金属間化合物熱電変換材料を溶融し、酸素雰囲気下で除冷して粉末状に固化して、その後に焼結することにより金属間化合物熱電変換材料に酸素を含有させたものである、請求項1に記載の酸素含有金属間化合物熱電変換材料。
【請求項3】
金属間化合物熱電変換材料が、(Fe1−x1−yAl1−z(式中、Mは、周期表における第4〜6周期の7〜10族からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Lは、周期表における第4〜6周期の4〜6族からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Rは、周期表における第2〜6周期の2族及び13〜15族からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、0≦x≦0.2;0≦y≦0.2;0≦z≦0.2である。)で表される組成を有する、請求項1に記載の酸素含有金属間化合物熱電変換材料。
【請求項4】
金属間化合物熱電変換材料が、(Fe1−x1−yAl1−zで表される組成を有し、式中、Mは、Mn、Co、Ni、Re、Ir及びPtからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Lは、Ti、Cr、Zr、Nb、Mo、Ta及びWからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Rは、Si、Ge、Sn、Sb及びBiからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、0≦x≦0.2;0≦y≦0.2;0≦z≦0.2である、請求項1又は3に記載の酸素含有金属間化合物熱電変換材料。
【請求項5】
金属間化合物熱電変換材料が、Fe1−m(Si1−n(式中、Aは、周期表における第4〜6周期の3〜12族からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Dは、周期表における第2〜6周期の2族及び13〜15族からなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、0≦m≦0.2;0≦n≦0.2である。)で表される組成を有する、請求項1に記載の酸素含有金属間化合物熱電変換材料。
【請求項6】
金属間化合物熱電変換材料が、Fe1−m(Si1−nで表される組成を有し、式中、Aは、Cr、Mn、Co、Ni、Y、Zr、Nb、Mo、Ag、Ta及びWからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、Dは、B、N、Mg、Al、Ga、Sb及びBiからなる群から選ばれた少なくとも一種の元素であり、0≦m≦0.2;0≦n≦0.2である、請求項1又は5に記載の酸素含有金属間化合物熱電変換材料。
【請求項7】
酸素含有金属間化合物熱電変換材料が、多結晶体である、請求項1から6のいずれかに記載の酸素含有金属間化合物熱電変換材料。
【請求項8】
請求項7に記載の酸素含有金属間化合物熱電変換材料を構成要素として含むことを特徴とする熱電変換素子、又は熱電変換モジュール。

【図3】
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【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2011−119545(P2011−119545A)
【公開日】平成23年6月16日(2011.6.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−276861(P2009−276861)
【出願日】平成21年12月4日(2009.12.4)
【出願人】(301021533)独立行政法人産業技術総合研究所 (6,529)
【Fターム(参考)】