説明

酸素燃料燃焼式再生オキシダントヒーターの内部構成

【課題】再生オキシダントヒーターのエア及びガスの各側間の内部漏出により生じる高価な酸素損失を最小化すると同時に、再生オキシダントヒーター内での受容可能な熱交換と、妥当な再生オキシダントヒーター出口ガス温度との調和を助成する再生オキシダントヒーター設計を可能とするコスト効率的なシステム及び方法を提供することである。
【解決手段】内部セクタ構成を有する再生オキシダントヒーター10に一次燃焼オキシダント流れを送給するための一次オキシダントファン31を再生オキシダントヒーター10の上流側に位置付ける。一次燃焼オキシダント流れ25にオキシダントを射出するべく再生オキシダントヒーター10の下流側に位置付けた一次オキシダントミキサー32も含まれる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に石炭焚き発電所用の再生オキシダントヒーター(エアヒーター及び空気前加熱用エアプレヒーター)に関し、詳しくは、再生可能な新規の再生オキシダントヒーターの内部セクタ構成のみならず、適宜位置決めした一次オキシダントファン及び一次オキシダントミキサーを組み込んだ酸素燃料燃焼で用いるシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
酸素燃焼(酸素燃料燃焼)は、炭質燃料焚きボイラからの煙道ガス中の窒素量を激減させ、かくして燃焼ガス中の二酸化炭素(CO2)を非常に高濃度化してその圧縮及び保存を可能とする手段である。純酸素等のオキシダントや石炭等の炭質燃料はそれら燃料を着火及び燃焼させるボイラ炉内に導入される。燃焼で生成したガス状燃焼生成物には、燃料組成に応じて主にCO2及び幾分かの水及び種々の化合物及び酸化物を含む。ガス状の燃焼生成物は次いで更に純化され、パイプラインや保存条件に合わせる必要に応じて圧縮される。
【0003】
酸素燃料燃焼プロセスには幾つかの形態があってその各々に長所と欠点がある。ある形態では再生オキシダントヒーター出口からの高温の煙道ガス流れが一次及び二次の各流れに分岐される。次いで各流れに酸素を混入した後、一次及び二次の各オキシダントとしてリサイクルさせてボイラに戻し、火炎温度を低下させ、また対流伝熱用のガス容積を維持する。
【0004】
オキシダントはボイラシステムの幾つかの位置に導入され得、オキシダントと煙道ガスとの混合物は一般に燃焼プロセス以前に加熱される。リサイクルするガスは燃焼プロセスに先立ち色々の煙道ガス処理プロセスを通過し、それらプロセスには粒状物除去、SO2スクラビング、水分減少等が含まれ得る。
【0005】
プロセスのバリエーションの1つであるウォームリサイクルでは、煙道ガスは再生オキシダントヒーターを出た直後に2つの二次流れに分岐される。分岐流れの一方は粒状物、SO2及び水分除去の各プロセスを経て一次流れと、圧縮及び純化ユニット(CPU)への出口流れとに更に分岐される。他方の二次流れは、粒状物除去プロセスを経た後、“温暖”状態(約400°F)下に再生オキシダントヒーターに戻る。
【0006】
従来型燃焼システムで燃焼オキシダント(即ち空気)加熱用の最低コストタイプの再生オキシダントヒーターとして最も広く用いられるのは再生オキシダントヒーター(“エアヒーター”または“エアプレヒーター”)である。
【0007】
蓄熱媒体として対流により熱を間接移行させる再生オキシダントヒーターは定期的に回転され、より高温及びより低温の各流れの中に入る。蒸気発生プラントでは緊密結束した波状スチールプレートが保存媒体となる。これらの各ユニットではスチールプレートまたは表面エレメントがオキシダント(または空気)を貫いて回転し、または回転するダクトが、静止状態の表面エレメントを通してオキシダントやガス流れを送達する。
【0008】
従来の、最も一般的に用いられる再生オキシダントヒーターはLjungstrom(商標名)タイプのものであり、これは、円筒状シェルと、向流するオキシダント及びガスの各流れを貫いて回転する、結束状態の加熱用表面エレメントを充填したローターとを備えている。図1には、従来のLjungstrom(商標名)タイプの再生オキシダントヒーターでの、一次燃焼オキシダント流れ51、二次燃焼オキシダント流れ52、のみならず、向流する煙道ガス流れ50、の各流れセクタの典型的配置が示される。図示の如く、オキシダントはローターの半分を貫いて流動し、ボイラのガス出口を出た煙道ガスがローターの他の半分を貫いて流動する。更には、オキシダント側(または“空気側”)は2つのセクタから成り、その一方は一次流れ用、他方は二次流れ用である。
【0009】
一般的な従来型再生オキシダントヒーターのその他のセクタ構成には、米国特許出願番号第2006/0090468号に記載されるものが含まれる。前記特許出願番号の再生オキシダントヒーターは、煙道ガスに関して向流の低温のオキシダント流れを受け、受けたオキシダント流れを高温の煙道ガスと熱交換させ、かくして低温のオキシダント流れを加熱された燃焼オキシダントとするようになっている。図2(従来技術)には、同じく前記米国特許出願番号で使用される典型的なセクタ構成を有する再生オキシダントヒーターのローターの底部側断面図が示される。当該断面図には、一次及び二次の各オキシダント流れがボイラに向けてそこを貫流するところの、一次及び二次の各オキシダントセクタ61及び62が示される。一次及び二次の各オキシダントセクタ61及び62はセクタプレート63により分離され、その何れも、煙道ガスが貫流してボイラを離れる煙道ガスセクタ60に隣接する。また、一次及び二次の各オキシダントセクタ61及び62はセクタプレート64及び65により煙道ガスセクタ60から分離される。
【0010】
エア焚き式発電所用の従来の再生オキシダントヒーターでは、一次燃焼オキシダント流れ(または“空気流れ”)用の代表的圧力は、二次空気流れ及び煙道ガス流れの双方におけるそれと比較して高い。例えば、一次燃焼オキシダント流れ用の代表的静圧は水ゲージ(wg)での約+101.6cm(約+40インチ)であり、二次燃焼オキシダント流れ用のそれは約+50.8cm(約+20インチ)、ボイラからの煙道ガス流れのそれは約−12.7cm(約−5インチ)である。従って、空気圧下における二次空気セクタとガス側との間の水ゲージ圧の差は約+63.5cm(約+25インチ)となり、ガス側へのオキシダント漏出%は14%となり得る。しかも、一次空気セクタとガス側との間の圧力勾配は更に大きい。
【0011】
上述した如き従来のセクタ構成を用いる全ての再生ヒーターでは、各流れ間の圧力差を組み合わせた回転型熱交換器では、エア(またはオキシダント)側とガス側との間に、ボイラから高温煙道ガスを搬出する漏出がどうしても生じる。
【0012】
かくして、図3に示す如き既知の他の再生オキシダントヒーターのセクタ構成では、二次燃焼オキシダント流れ72を2分岐し、ガス側70に隣り合う2つの二次空気セクタとして位置決めする。当該セクタ構成では、漏出低減及び性能最適化のために最大限可能な程度において圧力差を最小化させるべく、一次燃焼オキシダント流れを貫流させる一次セクタ71を2つの二次セクタ間に位置決めする。
【0013】
しかしながら、酸素燃料燃焼ではこれらの構成は全て、オキシダント側からガス側への漏出を生じる。加えて、再生オキシダントヒーターを出る煙道ガスを妥当な温度とするために、再生オキシダントヒーターの上流側のリサイクル煙道ガスに酸素の大半を付加する必要がある。かくして、漏出によって高価な酸素がリサイクルガスと共に出口流れに入って失われることから、空気分離ユニット(ASU)で追加の酸素を製造して損失分の酸素を補完すると共に、圧縮及び純化ユニット(CPU)内の生成ガスから、濃縮CO2が処理され得る以前に追加の酸素を除去する必要がある。酸素の追加製造及び除去はコスト的に無理があるため、この漏出を最小化する需要が存在する。
【0014】
従来のセクタ構成を用いる酸素ヒーターを酸素燃料燃焼で使用する場合、出口ガス温度の受容可能温度化が困難であるという別の問題がある。この問題は、煙道ガス及びオキシダント流れが非常に高温であることから極めて難しく、ウォームリサイクルでは再生オキシダントヒーター出口で受容可能温度を達成する場合に特に顕著となる。
【0015】
更に、高価な酸素の損失のみならず、単数または複数のオキシダント及び煙道ガスが高温である事に起因する問題が、再生オキシダントヒーター内での受容可能な熱交換のみならず妥当な再生オキシダントヒーター出口ガス温度を共に調和させる設計の実現を困難化する。
【0016】
前記調和の達成を意図した代表的な既知のステップは、再生オキシダントヒーター以前に(即ちその上流側で)単数または複数のオキシダント流れに低温のオキシダントを付加することである。しかしこの従来法は、酸化されたオキシダントの単数または複数の流れがボイラの煙道ガス流れに漏出して高価な酸素が失われるので望ましくない。酸素は、その有意部分が圧縮プロセスに導入されるところの流れに流入することにより失われる。また、再生オキシダントヒーターより下流側の一次または二次燃焼オキシダント流れに酸素を付加する場合は、受容可能な再生オキシダントヒーター設計の達成がより困難化する。
高価な酸素の漏出、即ち損失の減少を意図した他の一般的方法は、再生オキシダントヒーターの下流側に一次オキシダントファンを配置するものである。しかしこの方策は常に非効率的である。
【0017】
また、再生オキシダントヒーターを用いて初期漏出を排除することで高価な酸素損失を回避しようとする既知の代替法は、二次及び一次の各オキシダント流れに、オキシダント側とガス側とを完全分離して漏出を生じさせない高価な一次及び二次の各管状またはプレートタイプのプレヒーターを個別に使用することである。しかし、この代替法はエア焚き用途における工業ボイラスケールで使用するには妥当であるが大形のユーティリティボイラに適用するのはコスト効率的ではない。更には、個別の管状プレヒーターは再生オキシダントヒーターの場合よりも相当広いスペースを必要とし、古くなると内部漏出が大きくなって必然的にオキシダント損失が生じる。
【0018】
従って、再生オキシダントヒーター内部の漏出によって通常生じる高価な酸素の損失を最小化し、また、再生オキシダントヒーター内での妥当な熱交換と、再生オキシダントヒーターを出る煙道ガス温度の妥当な温度とを受容可能に調和させる再生オキシダントヒーターを組み込んだコスト効率的なシステム及び方法に対する需要があることは明らかである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0019】
【特許文献1】米国特許出願番号第2006/0090468号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
解決しようとする課題は、再生オキシダントヒーター設計にして、再生オキシダントヒーター(または“エアヒーター”または“エアプレヒーター”)の、代表的にはエア側及びガス側間での内部漏出により生じる高価な酸素の損失を最小化し、同時に、再生オキシダントヒーター内での受容可能な熱交換と、妥当な再生オキシダントヒーター出口ガス温度との調和を助成する再生オキシダントヒーター設計を可能とするコスト効率的なシステム及び方法を提供することである。解決しようとする他の課題は、発電所の全運転コストを、エアヒーター及びまたは管状のエアヒーター設計を用いる発電所のそれと比較して著しく低減させることである。解決しようとする更に他の課題は、一次及び二次の各リサイクル流れを介してボイラに戻るリサイクル燃焼オキシダント中の硫黄及び水分の総量を減少させることで、ボイラに入るガス組成を改善することである。
【課題を解決するための手段】
【0021】
前記課題を解決し且つ従来技術の問題を排除するべく、本発明のシステム及び方法では、再生オキシダントヒーターの非従来的且つ新規な内部セクタ構成が使用され、当該セクタ構成では、低酸素含有量の一次燃焼オキシダント流れ(または“リサイクルガス流れ”)から、ボイラのガス出口を出る煙道ガス流れへの漏出のみならず、ボイラに向かう酸化された二次燃焼オキシダント流れへの漏出が利用される。
【0022】
本発明に従う再生オキシダントヒーターの再生オキシダントヒーターの好ましい内部セクタ構成には、煙道ガス流れがボイラのガス出口から離れる方向に貫流するセクタからなる煙道ガス側と、該煙道ガス流れに関して向流する燃焼オキシダント側にして、酸化された二次燃焼オキシダント流れがボイラに向けて貫流するところの、少なくとも1つの二次オキシダントセクタのみならず、比較的低酸素含有量(即ち、煙道ガス流れの酸素濃度に略等しい)の低温の一次燃焼オキシダント流れがボイラに向けて貫流するところの、少なくとも2つの一次オキシダントセクタと、を含む燃焼オキシダント側とが含まれる。
【0023】
前記セクタ構成に加え、本発明の好ましいシステムは、再生オキシダントヒーターの上流側に位置決めした再生オキシダントヒーターに一次燃焼オキシダント流れを送給する一次オキシダントファンのみならず、再生オキシダントヒーターの下流側に位置決めされて一次燃焼オキシダント流れにオキシダント(即ち酸素または空気)を導入する一次オキシダントミキサーとを含む。
【0024】
更に、本発明に従う好ましい方法には、前記再生オキシダントヒーターの内部セクタ構成を有する再生オキシダントヒーターを提供する第1ステップが含まれる。二次燃焼オキシダント及び煙道ガス流れの何れの圧力よりもそのガス静圧が大きい低温の一次燃焼オキシダント流れが、ボイラに向かう途中で再生オキシダントヒーターに入る以前に分岐され、少なくとも2つの別個の一次オキシダントセクタを貫流するべく差し向けられる。
【0025】
また、好ましい方法には、低温の一次燃焼オキシダントが再生オキシダントヒーターを貫流する間、当該一次燃焼オキシダントを煙道ガスセクタと、少なくとも1つの二次オキシダントセクタとの各内部に漏出させることが更に含まれる。この実施例では、煙道ガス及び二次燃焼オキシダント流れの各内部への漏出により生じた損失流れ分を補完する目的上、再生オキシダントヒーターへの一次燃焼オキシダント流れを追加するべく一次オキシダントファンへの流れが増大される。この実施例では特にウォームリサイクル実施例において有益な予想外の利益が提供される。オキシダント流れを増大(一次オキシダントファンを介して)させることで二次オキシダントファンに対する需要が減少し、かくして一次オキシダントファンへのより低温且つより低密度の容積流れが増大することで全体的な省電力が可能となり、二次オキシダントファン運転による高温且つ軽量/低密度のガスの容積流れが減少する。好ましい方法における最終ステップでは、再生オキシダントヒーターの下流側位置でオキシダントが一次流れに導入される。
【発明の効果】
【0026】
再生オキシダントヒーター(または“エアヒーター”または“エアプレヒーター”)の、代表的にはエア及びガスの各側間の内部漏出により生じる高価な酸素の損失を最小化すると同時に、再生オキシダントヒーター内での受容可能な熱交換と、妥当な再生オキシダントヒーター出口ガス温度との調和を助成する再生オキシダントヒーター設計を可能とする、コスト効率的なシステム及び方法が提供される。本発明によれば、発電所の全運転コストを、エアヒーター及びまたは管状エアヒーター設計を用いる発電所のそれと比較して著しく低減させ得、一次及び二次の各リサイクル流れを介してボイラに戻るリサイクル燃焼オキシダント中の硫黄及び水分の総量を減少させることで、ボイラに入るガス組成を改善させ得る。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】従来のLjungstrom(商標名)タイプの再生オキシダントヒーター(“エアヒーター”または“エアプレヒーター”)のローターの、一次及び二次の各オキシダント流れの及び煙道ガス流れが各貫流する各内部セクタの代表的配置を示す斜視図である。
【図2】米国特許出願番号第2006/0090468号に記載される如き従来の他の再生オキシダントヒーターの内部セクタ構成の、一次、二次、及び煙道ガスの各セクタの配置を示す断面図である。
【図3】煙道ガス側に隣り合う2つの二次セクタを有する従来の更に他の再生オキシダントヒーターの内部セクタの断面図である。
【図4】本発明に従う再生オキシダントヒーターの内部セクタを示す断面図である。
【図5】本発明に従う再生オキシダントヒーターの内部セクタの、オキシダント及び煙道ガスの各流れの代表的ガス静圧及び漏出方向を示す断面図である。
【図6】本発明に従う再生オキシダントヒーターの内部セクタの他の実施例における断面図である。
【図7】本発明に従う再生オキシダントヒーターの内部セクタの更に他の実施例における断面図である。
【図8A】本発明に従うウォームリサイクル酸素燃料燃焼のためのシステム構成の、中でも再生オキシダントヒーター、一次オキシダントファン及び一次オキシダントミキサーの各配置を示す概略図である。
【図8B】本発明に従う低温リサイクル酸素燃料燃焼用システムの構成の、中でも再生オキシダントヒーター、一次オキシダントファン及び一次オキシダントミキサーの各配置を示す概略図である。
【図9】本発明に従う、ウォームリサイクル酸素燃料燃焼のためのシステム構成の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
本発明は、再生オキシダントヒーターが望ましい酸素燃料燃焼において使用するべく設計され、再生オキシダントヒーターが新規な内部セクタ構成を含み、また、一次オキシダントファン及び一次オキシダントミキサーが効果的に配置されたシステム及び方法に関する。
【0029】
本発明のシステム及び方法によれば、中でもボイラの煙道ガス流れ中への酸素損失量が最小化されると同時に、再生オキシダントヒーターには十分な低温オキシダント流量が提供され、かくして、再生オキシダントヒーター内での妥当な熱交換と、妥当な再生オキシダントヒーター出口ガス温度とが達成され得る。更には、本発明のシステム及び方法によれば当該事項は、部分的には、低温の一次燃焼オキシダント流れから煙道ガス流れ及び二次燃焼オキシダント流れの双方への有意量の内部漏出を可能とする再生オキシダントヒーターの内部セクタ構成の使用により達成される。
【0030】
同じ参照番号は同じまたは類似要素を参照する図面を参照するに、図4には再生オキシダントヒーター10の断面図が示され、本発明に従う再生オキシダントヒーターの内部セクタ構成を有している。当該再生オキシダントヒーターの内部セクタ構成は、煙道ガス側11と、セクタプレート16により分離した燃焼オキシダント側12とから構成される。煙道ガス側は、ボイラ1のガス出口2(図8及び図9に示す)を出た煙道ガス流れ20(図8及び図9に示す)がボイラを離れる方向に貫流する単一セクタから構成される。燃焼オキシダント側12は、2つの一次オキシダントセクタ14と、1つの二次オキシダントセクタ13とを含み、各セクタはセクタプレート17により相互分離される。一次オキシダントセクタ14及び二次オキシダントセクタ13は、をボイラに向かう煙道ガス流れ20と向流する状態下にこれら各セクタ貫流する一次燃焼オキシダント流れ25及び二次燃焼オキシダント流れ22(図8及び図9に示す)を含む。
【0031】
図4に更に例示される如く、2つの一次オキシダントセクタ14は再生オキシダントヒーター10の煙道ガス側11に隣り合う、即ち接触する。また、二次オキシダントセクタ13は2つの一次オキシダントセクタ14間に位置決めされる。
【0032】
本発明の課題解決上、少なくとも2つの一次オキシダントセクタ14は再生オキシダントヒーター10の煙道ガス側11に隣り合わせて各位置決めする必要がある。しかしながら、図7に示す再生オキシダントヒーターの内部セクタ構成の他の実施例に例示される如く、2つ以上の一次オキシダントセクタ14を設け得る。
【0033】
同様に、再生オキシダントヒーターの内部セクタ構成の追加実施例を例示する図7及び図6の双方に示す如く、1つ以上の二次オキシダントセクタ13を設け得る。しかしながら、1つ以上使用した場合でも全ての二次オキシダントセクタ13を煙道ガス側11と接触する2つの一次オキシダントセクタ14間に位置決めすること及び、再生オキシダントヒーター10の煙道ガス側11に隣り合って二次オキシダントセクタ13を位置決めしないことが肝要である。
【0034】
本発明により提供される利益及びその機能の説明上、一次燃焼オキシダント流れ25、二次燃焼オキシダント流れ22、煙道ガス流れ20、における酸素濃度及びガス静圧を議論する必要がある。
【0035】
図5に示すように、酸素燃焼発電所用の再生オキシダントヒーターでは、一次オキシダントセクタ14用の代表的ガス静圧は、水ゲージ(wg)での約+101.6cm〜114.3cm(約+40〜+45インチ)、二次オキシダントセクタ13用のそれは約+50.8cm〜63.5cm(約+20〜+25インチ)、ボイラ1からの煙道ガス側11では約−12.7cm〜0cm(約−5インチ〜0インチ)である。図5に示すこれらのガス静圧値は石炭焚き酸素燃焼プラントの代表例であるが、燃料及び設備変動に依存して可変であって絶対的なものではない。
【0036】
漏出は各セクタ間の圧力差により生じ、代表的には漏出度合いが大きい程酸素損失量は増大することから、ボイラ1を出る煙道ガス流れ20に隣接してより高圧の一次燃焼オキシダント流れ25を配置する内部セクタ構成は、従来のそれよりも漏出量が相当大きくなるであろうから、最良構成であるとは直感的に理解できない。しかしながら、各流れの代表的な酸素濃度を考慮すれば当該構成とする理由は明らかである。
【0037】
酸素燃料燃焼システムでは代表的には二次燃焼オキシダント流れ22の酸素濃度は約20.0%であって、一般に一次燃焼オキシダント流れ25や煙道ガス流れ20のそれよりも大きい。一次燃焼オキシダント流れ25の、酸素追加以前の代表的酸素濃度は約2.5%であり、煙道ガス流れ20の酸素濃度は通常約2.5%である。
【0038】
図8Aには本発明の、先に説明した新規な再生オキシダントヒーターの内部セクタ構成を持つ再生オキシダントヒーター(以下、単にオキシダントヒーターとも称する)10を使用するウォームリサイクルシステム(以下、単にシステムとも称する)100が略示される。また、当該システム100では、中でも、再生オキシダントヒーター10に一次燃焼オキシダント流れを送給するための一次オキシダントファン31を再生オキシダントヒーター10の前(または上流側)に位置付ける。システム100は、一次燃焼オキシダント流れ25にオキシダントを射出するべく再生オキシダントヒーター10の後方(または下流側)に位置付けた一次オキシダントミキサー32をも含む。一次オキシダントミキサー32により一次燃焼オキシダント流れ25に付加するオキシダントは純酸素または近純酸素であることが好ましい。しかしながら、例えば、周囲空気または煙道ガスと酸素との混合物等のその他オキシダントをも使用可能である。
【0039】
図5に示すように、一次オキシダントセクタ14及び二次オキシダントセクタ13を各貫流する一次燃焼オキシダント流れ25及び二次燃焼オキシダント流れ22における水ゲージ圧でのガス静圧差は約63.5cm(約+25インチ)である。従って、内部の再生オキシダントヒーターからの漏出は、矢印15bで示す如く、非酸化の一次燃焼オキシダント流れ25から酸化二次燃焼オキシダント流れ22に入る。また、再生オキシダントヒーター10の、一次オキシダントセクタ14を貫流する一次燃焼オキシダント流れ25と、煙道ガス側11を貫流する煙道ガス流れ20との間の圧力差が大きい(即ち、水ゲージ圧での約+114.3cm〜+127cm(約+45インチ〜+50インチ)ため、矢印15aで示す如き非酸化一次燃焼オキシダント流れ25から非酸化煙道ガス流れ20への漏出量は比較的大きい。かくして、一次燃焼オキシダント流れ25の酸素含有量は極めて少なく、およそ煙道ガス流れ20のそれと等しいこと及び、本来全ての漏出が一次燃焼オキシダント流れ25から煙道ガス流れ20及び二次燃焼オキシダント流れ22に入ることから、当該二次燃焼オキシダント流れ22からの酸素損失は本来生じない。
【0040】
従って、一次オキシダントミキサー32を下流側に配置する本発明の再生オキシダントヒーターの内部セクタ構成を用いれば、煙道ガス側11及び煙道ガス流れ20への漏出は、高圧の且つ低酸素濃度の一次燃焼オキシダント流れ25からのみ生じることから、高価な酸素の損失は生じないことが保証される。
【0041】
かくして、本発明の好ましい方法には、上述した内側セクタ構成を有する再生オキシダントヒーター10を提供すること、再生オキシダントヒーター10の上流側に、一次燃焼オキシダント流れ25の流れを再生オキシダントヒーター10に送給する一次オキシダントファン31を設けること、ボイラ1に向かう途中で低温の一次燃焼オキシダント流れ25を、再生オキシダントヒーター10に入る以前に分岐させること、分岐させた一次燃焼オキシダント流れ25を2つの別個の一次オキシダントセクタ14を貫流させて配向すること、が含まれる。
【0042】
本発明の好ましい方法には、2つの一次オキシダントセクタ14を貫流する一次燃焼オキシダント流れ25から低温の一次燃焼オキシダントを煙道ガス側11及び二次オキシダントセクタ13の双方に漏出させること、次いで、再生オキシダントヒーター10の下流側で一次燃焼オキシダント流れ25にオキシダントを導入すること、も含まれる。
【0043】
更に、一次燃焼オキシダント流れ25の流量は二次燃焼オキシダント流れ22のそれ未満であり、且つ、一次燃焼オキシダント流れ25内の酸素量の方がずっと少ないことから、再生オキシダントヒーター10の下流側で一次燃焼オキシダント流れ25に低温の酸素を射出することで、再生オキシダントヒーター10の調和に関する衝撃(冷却の損失及び流れによる吸熱)は最小であり、酸素が、一次燃焼オキシダント流れ25に混合される以前に予熱される場合は、石炭乾燥用粉砕機位置での要求一次酸素温度を実現する上での衝撃が低減される。
【0044】
従って、本発明の方法には、一次燃焼オキシダント流れ25への導入に先立ちオキシダントを予熱することが含まれ得る。
一次オキシダントファン31は一次燃焼オキシダント流れ25に容積流れを提供し、再生オキシダントヒーター10に当該一次燃焼オキシダント流れ25を貫流させる。従って、一次燃焼オキシダント流れ25から煙道ガス流れ20に入る大量の内部漏出により、再生オキシダントヒーター10からボイラ1に向かう一次燃焼オキシダント流量が低減される。かくして、内部漏出による損失流量を補償して微粉炭器ミル4への一次流れを維持させるよう、一次オキシダントファン31の出力を増大する必要がある。
【0045】
従って、好ましい本発明の方法には、一次オキシダントファン31の出力を増大させ、再生オキシダントヒーター10への追加の一次流れを提供することも含まれる。
図8に例示する本発明のシステム100を参照するに、ボイラガス出口2を介してボイラ1を出る煙道ガス流れ20が、再生オキシダントヒーター10の煙道ガス側11を貫流している。再生オキシダントヒーター10を貫流して当該再生オキシダントヒーター10を出た煙道ガス流れ20の一部21が分岐され、二次燃焼オキシダント流れ22と中間煙道ガス流れ23とを形成する。
【0046】
煙道ガス流れ20からその一部21を分岐させる位置の下流側には。二次燃焼オキシダント流れ22から灰等の粒状物を除去するための粒状物除去ユニット34を設ける。本発明のシステムは、当該粒状物除去ユニット34の直ぐ下流側で、再生オキシダントヒーター10の上流側に位置決めした二次オキシダントファン30にして、再生オキシダントヒーター10に二次燃焼オキシダント流れを送給する二次オキシダントファン30を含む。
【0047】
また、二次オキシダントファン30の下流側で且つ再生オキシダントヒーター10の上流側には、二次燃焼オキシダント流れ22にオキシダントを導入する二次オキシダントミキサー33を設ける。一次オキシダントミキサー32におけると同様、二次オキシダントミキサー33により二次燃焼オキシダント流れ22に付加するオキシダントは純酸素または近純酸素であることが好ましい。しかしながら、周囲空気や、煙道ガスと酸素との混合物等のその他オキシダントを使用しても良い。他の実施例では二次オキシダントミキサー33は二次オキシダントファン30よりも上流側に配置される。
【0048】
加えて、本発明のシステムには中間煙道ガス流れ23に沿って位置付けたガス品質管理システム(GQCS)ユニット35も含まれる。ガス品質管理システム(GQCS)ユニット35は、通過する流れを処理するための粒状物、硫黄、水分の各除去装置を含み得る。ガス品質管理システム(GQCS)ユニット35を通過した中間煙道ガス流れ23は、分岐されて一次燃焼オキシダント流れ25と、圧縮及び純化ユニット36に導通される圧縮及び純化ユニット(CPU)流れ24とを形成する。
【0049】
次いで、再生オキシダントヒーター10を貫流した一次燃焼オキシダント流れ25は単数または複数の微粉炭器ミル4に入り、当該微粉炭器ミルが石炭を乾燥させてバーナー8に運び、次いで燃焼プロセスに送られる。また、二次燃焼オキシダント流れ22は、再生オキシダントヒーター10を貫流した後、ボイラ1に装着した風箱3に入り、当該風箱を出てバーナー8に入る。
【0050】
従って、本発明の方法には、二次燃焼オキシダント流れ22を再生オキシダントヒーター10に送給する二次オキシダントファン30を提供し、且つ当該二次オキシダントファンを再生オキシダントヒーターの上流側に位置決めすること及び、再生オキシダントヒーター10の上流側位置で且つ二次オキシダントファン30よりも下流側に、二次燃焼オキシダント流れ22内にオキシダントを導入する二次オキシダントミキサー33を提供すること、を含み得る。
【0051】
更に、本発明の方法には、再生オキシダントヒーター10を出る煙道ガス流れ20の一部21を分岐させて二次燃焼オキシダント流れ22と中間煙道ガス流れ23とを形成すること、二次オキシダントファン30の上流側位置に、二次燃焼オキシダント流れ22に沿って粒状物除去ユニット34を設けること、中間煙道ガス流れ23上にガス品質管理システム(GQCS)ユニット35を設けること、ガス品質管理システム(GQCS)ユニット35を貫流した中間煙道ガス流れ23を分記させて一次燃焼オキシダント流れ25と、圧縮及び純化ユニット(CPU)36に導通される圧縮及び純化ユニット(CPU)流れ24とを共に形成すること、が含まれ得る。
【0052】
本発明の方法には、再生オキシダントヒーター10を貫流した二次燃焼オキシダント流れ22を風箱3に差し向け、再生オキシダントヒーター10及び一次オキシダントミキサーあるいは酸素ミキサー32を貫流した一次燃焼オキシダント流れ25を微粉炭器ミル4に差し向ける各ステップが含まれ得る。
上述した本発明のシステム100及び方法を使用することにより、ウォームリサイクル酸素燃料燃焼用の従来技術に勝る幾つかの利益が提供される。
【0053】
本発明のシステム及び方法は、先に説明した如くプロセスからの酸素損失を防止するのみならず、再生オキシダントヒーター10に対し、一次燃焼オキシダント流れ25から低温の一次燃焼オキシダントをも提供し、当該一次燃焼オキシダントが、酸化された二次燃焼オキシダント流れ22と共に、再生オキシダントヒーター10の出口ガス温度を受容可能なものとする。
【0054】
本発明によればファンの全必要電力もまた、その他従来システムのそれと比較して低減され得る。図8Aを参照するに、再生オキシダントヒーター10に向かう一次燃焼オキシダント流れ25は一次オキシダントファン31により調整され、かくして微粉炭器ミル4への所望の一次出口流れを達成する。先に説明した如く、再生オキシダントヒーター10への一次入口流れは、中間漏出が生ずることから出口流れより多くされる。漏出による損失流量を補償する必要上、一次オキシダントファン31への電力を増大して追加流れを提供させる必要がある。加えて、再生オキシダントヒーター10の内部漏出によりIDファン27の通過流量が増大する。
【0055】
しかしながら、二次燃焼オキシダント流れ22には、一次燃焼オキシダント流れ25の漏出分の流量増が生じるため、再生オキシダントヒーター10に入る二次燃焼オキシダント流れ22の量は必要出口流量と比較して減少される。かくして、二次燃焼オキシダントファン(または押し込み)30に関する電力要件が低減される。二次オキシダントファン30は代表的には約176.7℃(約350°F)或いはそれ以上(ウォームリサイクル実施例)の温度下に動作し、他方、一次オキシダントファン31及びIDファン27の代表的動作温度は約65.6℃(約150°F)或いはそれ以下であるため、一次燃焼オキシダント流れ25及び中間煙道ガス流れ23は二次燃焼オキシダント流れ22よりずっと低温であり、かくしてIDファン27及び一次オキシダントファン31に関する電力増分は温暖な二次オキシダントファン30における電力減分を下回り、その結果、内部漏出の程度に依存する正味の省電力が達成される。(表1及び2、図9を参照されたい)
【0056】
ウォームリサイクル実施例では、大量の一次燃焼オキシダント流れの幾分かもまた出口ガス側に漏出し、それがスクラバーや水分除去設備への流量を増大させる結果、一次オキシダントセクタ14を介してボイラ1に戻る硫黄及び水分の総量が低下する。圧縮及び純化ユニット(CPU)への最終流量及び組成は不変である。
【0057】
更に、本発明のシステム及び方法によれば、ボイラ1内の硫黄及び水分もまた低減される。再生オキシダントヒーター10における有意の単数または複数の漏出により、分岐して一次燃焼オキシダント流れ25及び圧縮及び純化ユニット流れ24を形成するところの中間煙道ガス流れ23の流量が増大される。ウォームリサイクルプロセスでは二次燃焼オキシダント流れ22は粒状物除去、二次オキシダントファン30を通過後、直接再生オキシダントヒーター10に戻され、この再生オキシダントヒーター10から、硫黄または水分の除去を経ずにボイラ1に取り付けた風箱3に送られる。しかしながら、中間煙道ガス流れ23はガス品質管理システム(GQCS)ユニット35内で粒状物硫黄及び水分が除去される。その結果、ガス品質管理システム(GQCS)ユニット35の貫流量はそれらが除去されない場合よりも増大する。
【0058】
再生オキシダントヒーターに入る一次燃焼オキシダント流れ25における一次流れは漏出補償上増大されるため、及び硫黄や水分が当該流れから除去されるため、ボイラ1に戻る硫黄及び水分の総量は一次燃焼オキシダント流れ25からの内部漏出により低減される再生オキシダントヒーター10を出るガス中の硫黄や水分と同様に低減される。言い換えると、硫黄及び水分の除去のためのガス処理量が多く、圧縮及び純化ユニット36に対する流量が不変であるために、リサイクルされる二次燃焼オキシダント流れ22及び一次燃焼オキシダント流れ25の水分及び硫黄の総量が低下し、結局、ボイラ1におけるそれらの濃度が低下する。
【0059】
更に、再生オキシダントヒーター10が、全エア焚きへの変換に際し再生オキシダントヒーター10のシェル変更は無いがバフリング及びガスケットのルーチン変更(一般に初回適用時のみ)を要するサイズのものである場合、本発明における当該設計は、必要であれば比較的単純且つ安価な内部変更を加えることで全エア焚きに変換させ得る。
【0060】
本発明のシステム及び方法によれば、別個の管状再生オキシダントヒーターよりコストが掛からず、必要スペースも相当に少ない再生オキシダントヒーターを使用できるため、プラントの資本コストが低減される。また、使用上の高価な酸素の損失量が実質的に低下され、多くの用途におけるファン電力用件が低下されるので、プラント運転コストが削減される。
【0061】
以下の表1及び2には、別個の一次及び二次の各再生オキシダントヒーターを使用した場合のそれと比較した、本発明使用時の酸素及びファン電力の概算が示される。また図9には、別個の一次及び二次の各再生オキシダントヒーター使用時に見込まれるそれと比較した、本発明使用時のウォームリサイクル酸素燃料燃焼用システムにおける再生オキシダントヒーターバランスを示す。
【0062】
表1及び2における計算並びに図7における計算は、一次燃焼オキシダント流れ25から煙道ガス流れ20及び二次燃焼オキシダント流れ22への内部漏出を夫々20.0%及び15.0%と想定した場合のものである。想定漏出値は、一次燃焼オキシダント流れ25の水ゲージ圧での圧力が+114.3cm(+45インチ)、二次燃焼オキシダント流れ22の圧力が63.5cm(+25インチ)、煙道ガス流れ20の圧力がゼロインチである場合の見込み値である。
【0063】
表1及び2、図7に例示したように、本発明を使用することにより、個別の一次及び二次の各再生オキシダントヒーターを使用する場合のそれに勝る以下の利益が得られる。本発明はその1様相において、単一の再生オキシダントヒーターを使用できる。また、高価な酸素が1時間当たり約1.19トン節減される。更に、本発明を使用することにより、ファンの必要全電力が約50.2キロワットのエネルギー分低減される。しかも、ボイラへの一次及び二次の各リサイクル流れにおける硫黄及び水分の総含有量は明らかに低下する。その結果、本発明を使用することでプラントの資本コストのみならずプラント運転コストが従来システム使用時のそれと比較して著しく低下する。
【0064】
図8Bを参照するに、低温リサイクルとして既知の別形態のシステム実施例が略示される。この実施例では煙道ガス流れ20はガス品質管理システム(GQCS)ユニット35を出た後に分岐されるため、全てのリサイクル流れは一次燃焼オキシダント流れ25及び二次燃焼オキシダント流れ22に分岐される以前にガス品質管理システム(GQCS)ユニットにおける処理を受ける。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【0065】
【表1】

【0066】
【表2】

【符号の説明】
【0067】
1 ボイラ
2 ボイラガス出口
3 風箱
4 微粉炭器ミル
8 バーナー
10 再生オキシダントヒーター
11 煙道ガス側
12 燃焼オキシダント側
13 二次オキシダントセクタ
14 一次オキシダントセクタ
16 セクタプレート
17 セクタプレート
27 IDファン
30 二次オキシダントファン
31 一次オキシダントファン
32 一次オキシダントミキサー
33 二次オキシダントミキサー
34 粒状物除去ユニット
35 ガス品質管理システムユニット
36 純化ユニット
100 ウォームリサイクルシステム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
オキシダントヒーターの内部セクタ構成であって、
ガス圧を有する煙道ガス流れがそこを貫流してするところのセクタからなる煙道ガス側にして、ガス圧を有する前記煙道ガス流れが、該煙道ガス流れを排出させるガス出口を有するボイラから離れる方向で前記セクタを流動する煙道ガス側と、
向流する燃焼オキシダント側と、
を含み、
前記燃焼オキシダント側が、酸化され且つガス圧を有する二次燃焼オキシダント流れが前記ボイラに向けてそこを貫流する少なくとも1つの二次燃焼オキシダントセクタ、圧縮され且つ前記二次燃焼オキシダント流れ及び煙道ガス流れのそれより大きいガス圧を有する一次燃焼オキシダント流れが前記ボイラに向けてそこを貫流する少なくとも2つの一次燃焼オキシダントセクタ、から成り、前記少なくとも2つの一次燃焼オキシダントセクタの2つが前記煙道ガス側及び前記少なくとも1つの二次燃焼オキシダントセクタの双方に隣り合って位置決めされ、前記少なくとも1つの二次燃焼オキシダントセクタが前記少なくとも2つの一次燃焼オキシダントセクタ間に位置付けられるオキシダントヒーターの内部セクタ構成。
【請求項2】
2つの二次燃焼オキシダントセクタを含む請求項1のオキシダントヒーターの内部セクタ構成。
【請求項3】
前記一次燃焼オキシダント流れが水ゲージでの+101.6cm〜+114.3cmのガス圧を有し、前記二次燃焼オキシダント流れが水ゲージでの+50.8cm〜+63.5cmのガス圧を有し、前記煙道ガスが水ゲージでの0〜−12.7cmのガス圧を有する請求項1のオキシダントヒーターの内部セクタ構成。
【請求項4】
3つの一次燃焼オキシダントセクタを含む請求項2のオキシダントヒーターの内部セクタ構成。
【請求項5】
リサイクル酸素燃料燃焼用システムであって、
ボイラからの廃熱をリサイクルして前記ボイラからの煙道ガスを冷却するオキシダントヒーターにして、請求項1に記載する内部構成を有するオキシダントヒーターと、
前記オキシダントヒーターに一次燃焼オキシダント流れを送給する一次オキシダントファンにして、前記オキシダントヒーターの上流側に位置決めした一次オキシダントファンと、
前記一次燃焼オキシダント流れ内に酸素を導入する一次オキシダントミキサーにして、前記オキシダントヒーターの下流側に位置決めした一次オキシダントミキサーと、
を含むシステム。
【請求項6】
前記オキシダントヒーターが2つの二次燃焼オキシダントセクタを含む請求項5のシステム。
【請求項7】
前記一次燃焼オキシダント流れに導入される酸素が比較的純粋な酸素である請求項5のシステム。
【請求項8】
前記一次燃焼オキシダント流れが水ゲージでの+101.6cm〜+114.3cmのガス圧を有し、前記二次燃焼オキシダント流れが水ゲージでの+50.8cm〜+63.5cmのガス圧を有し、前記煙道ガスが水ゲージでの0〜−12.7cmのガス圧を有する請求項5のシステム。
【請求項9】
前記オキシダントヒーターに二次オキシダント流れを送給するための二次オキシダントファンにして、前記オキシダントヒーターの上流側に位置決めした二次オキシダントファンと、
前記二次燃焼オキシダント流れにオキシダントを導入する二次オキシダントミキサーにして、前記オキシダントヒーターの上流側で且つ前記二次オキシダントファンの下流側に位置決めした二次オキシダントミキサーと、
を更に含む請求項5のシステム。
【請求項10】
3つの一次燃焼オキシダントセクタを含む請求項5のシステム。
【請求項11】
酸素が前記一次燃焼オキシダント流れに導入され、該導入に先立ち前記酸素が予熱される請求項7のシステム。
【請求項12】
前記二次オキシダントファンが少なくとも148.9℃の温度下に動作し、前記一次オキシダントファンが76.7℃またはそれ以下の温度下に動作する請求項9のシステム。
【請求項13】
前記オキシダントヒーターを貫流した前記二次燃焼オキシダント流れが、ボイラに連結した風箱に流入し、前記オキシダントヒーターを貫流した一次燃焼オキシダント流れが微粉炭器に流入する請求項12のシステム。
【請求項14】
前記二次燃焼オキシダント流れから粒状物を除去する粒状物除去ユニットにして、前記二次オキシダントファンの上流側に位置決めした粒状物除去ユニットと、
中間煙道ガス流れ上に位置付けたガス品質管理システムと、
が前記オキシダントヒーターを出る前記煙道ガス流れの一部と、
を更に含み、
前記オキシダントヒーターを出る煙道ガス流れの一部が分岐されて前記二次燃焼オキシダント流れと、前記中間煙道ガス流れとを形成し、
前記ガス品質管理システムを貫流した前記中間煙道ガス流れが分岐されて前記一次燃焼オキシダント流れと、圧縮及び純化ユニットに導入される出口流れとを形成する請求項13のシステム。
【請求項15】
酸素燃料燃焼システムにおける酸素損失を最小化すると同時に、オキシダントヒーター内での受容可能な熱交換と、オキシダントヒーターからの妥当な出口ガス温度とを達成する方法であって、
内部セクタ構成を有するオキシダントヒーターにして、前記内部セクタ構成が、ガス圧を有する煙道ガス流れがそこを貫流してするところのセクタからなる煙道ガス側にして、ガス圧を有する前記煙道ガス流れが、該煙道ガス流れを排出させるガス出口を有するボイラから離れる方向で前記セクタを流動する煙道ガス側と、向流する燃焼オキシダント側と、を含み、前記燃焼オキシダント側が、酸化され且つガス圧を有する二次燃焼オキシダント流れが前記ボイラに向けてそこを貫流する少なくとも1つの二次燃焼オキシダントセクタ、圧縮され且つ前記二次燃焼オキシダント流れ及び煙道ガス流れのそれより大きいガス圧を有する一次燃焼オキシダント流れが前記ボイラに向けてそこを貫流する少なくとも2つの一次燃焼オキシダントセクタ、から成り、前記少なくとも2つの一次燃焼オキシダントセクタの2つが前記煙道ガス側及び前記少なくとも1つの二次燃焼オキシダントセクタの双方に隣り合って位置決めされ、前記少なくとも1つの二次燃焼オキシダントセクタが前記少なくとも2つの一次燃焼オキシダントセクタ間に位置付けられる前記オキシダントヒーターを提供すること、
オキシダントヒーターの上流側に位置決めした一次オキシダントファンにして、前記オキシダントヒーターに一次流れを送給する一次オキシダントファンを提供すること、
前記二次燃焼オキシダント流れ及び前記煙道ガス流れのそれよりもガス圧の大きい低温の一次燃焼オキシダント流れを、該一次燃焼オキシダント流れがボイラに向かう途中で前記オキシダントヒーターに入る以前に分岐すること、
前記分岐された一次燃焼オキシダント流れを前記少なくとも2つの別個の一次燃焼オキシダントセクタに貫流させること、
該前記少なくとも2つの一次燃焼オキシダントセクタを貫流する前記少なくとも2つの一次燃焼オキシダント流れを前記煙道ガスセクタ及び前記少なくとも1つの二次燃焼オキシダントセクタ内に漏出させること、
前記一次オキシダントファンへの電力を増大して前記オキシダントヒーターに追加の一次流れを提供させること、
前記オキシダントヒーターの下流側で前記一次燃焼オキシダント流れ中に酸素を導入すること、
を含む方法。
【請求項16】
前記オキシダントヒーターの上流側位置で前記オキシダントヒーターに二次オキシダント流れを送給する二次オキシダントファンを提供すること、
前記オキシダントヒーターの上流側で且つ前記二次オキシダントファンの下流側の位置で前記二次燃焼オキシダント流れ中にオキシダントを導入する二次オキシダントミキサーを提供すること、
を更に含む請求項15の方法。
【請求項17】
前記一次燃焼オキシダント流れが水ゲージでの+101.6cm〜+114.3cmのガス圧を有し、前記二次燃焼オキシダント流れが水ゲージでの+50.8cm〜+63.5cmのガス圧を有し、前記煙道ガスが水ゲージでの0〜−12.7cmのガス圧を有する請求項15の方法。
【請求項18】
前記二次オキシダントファンが少なくとも148.9℃の温度下に動作し、前記一次オキシダントファンが76.7℃またはそれ以下の温度下に動作する請求項16の方法。
【請求項19】
前記オキシダントヒーターを貫流した前記二次燃焼オキシダント流れを、ボイラに連結した風箱に流入させ、前記オキシダントヒーターを貫流した一次燃焼オキシダント流れを、ボイラに連結した微粉炭器に流入させることを更に含む請求項17の方法。
【請求項20】
前記オキシダントヒーターを出る煙道ガス流れの一部を分岐させて前記二次燃焼オキシダント流れ及び中間煙道ガス流れを形成すること、
前記二次オキシダントファンの上流側位置で二次燃焼オキシダント流れに沿って粒状物除去ユニットを設けること、
前記中間煙道ガス流れ上にガス品質制御システムを設けること、
前記ガス品質制御システムを貫流した中間煙道ガス流れを分岐して前記一次燃焼オキシダント流れと、圧縮及び純化ユニットに導通する出口流れとを形成すること、
を更に含む請求項19の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8A】
image rotate

【図8B】
image rotate

【図9】
image rotate


【公開番号】特開2011−220667(P2011−220667A)
【公開日】平成23年11月4日(2011.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−40187(P2011−40187)
【出願日】平成23年2月25日(2011.2.25)
【出願人】(509106500)バブコック・アンド・ウィルコックス・パワー・ジェネレイション・グループ・インコーポレイテッド (12)
【氏名又は名称原語表記】BABCOCK & WILCOX POWER GENERATION GROUP,INC.
【住所又は居所原語表記】20 South Van Buren Avenue,Barberton,OH 44203,U.S.A.
【Fターム(参考)】