説明

重合体改質アスファルト組成物

ジエン末端をキャップしたブロック共重合体を溶融アスファルト組成物と共に導入することで調製された改質アスファルト組成物である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2007年4月20日に出願された米国仮出願第60/925,463号の優先権を主張するものであり、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明の一つ又はそれ以上の実施態様は、改質アスファルト組成物の製造時でのジエン末端をキャップした重合体の使用に関するものである。
【背景技術】
【0003】
アスファルト舗装用組成物は、アスファルトバインダーと骨材との混合物を含み、舗装道路の製造に長く使用されてきた。アスファルトバインダー組成物は、重合体の添加剤を含むことも多かったため、しばしば改質アスファルトバインダー組成物又は重合体改質アスファルトバインダー組成物と称される。重合体材料の存在は、舗装道路の挙動、特に極端な温度での挙動を改善するものと考えられている。
【0004】
結晶化度の低い弾性重合体が有利に使用されることが多い一方で、高Tgの重合体の存在もまた利益をもたらす。よって、特に有用な重合体には、低Tgの非晶質セグメント又はブロックと高Tgの非晶質セグメント又はブロックとを含むブロック共重合体が含まれる。例えば、スチレンブロックとブタジエンブロックとを含むブロック共重合体は、ブロックスチレン−ブタジエン−スチレン(SBS)等の重合体を含めて、使用できる。
【0005】
改質アスファルトバインダー組成物の製造では、重合体を溶融アスファルトと共に導入する。十分な混合及び/又はせん断の条件下で、溶融アスファルト組成物中に、重合体を溶解し及び/又は分散させる。該組成物の全体にわたって重合体を均一に分散させるのが望ましい。
【0006】
スチレン−ブタジエン−スチレンブロック重合体等の特定の重合体が溶融アスファルト中に効率よく分散しないことを見出したが、これは、高分子量重合体の場合に特に当てはまる。その結果、アスファルト内での望ましい重合体の分散を達成するには、より大きなエネルギー必要量及び時間が必要とされる。
【0007】
溶融アスファルト中での重合体の分散性を改良するための従来のアプローチには、より低い分子量の重合体の使用が挙げられる。該重合体は、一般にアスファルト組成物中により容易に分散する。残念なことに、より低い分子量の重合体の使用では、より高い分子量の重合体の使用によって求められる利点を十分に達成することができない。例えば、低分子量重合体の場合、特定のバインダー及び/又は舗装道路の性能等級が達成できない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従って、より高い分子量の重合体の場合に有利に達成される性能属性に害を及ぼして犠牲にせず、重合体、特には高Tgブロックを含む重合体の分散性を改良することが必要である。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の一つ又はそれ以上の実施態様は、ジエン末端をキャップしたブロック共重合体を溶融アスファルト組成物と共に導入することで調製された改質アスファルト組成物を提供するものであり、前記ブロック共重合体は、次式:
α−(D−V−d)
[式中、Dはそれぞれ独立してポリジエンブロックであり、Vはそれぞれ独立してビニル芳香族ブロックであり、dはそれぞれポリジエン末端キャップであり、αはカップリング部分であり、xは2〜10の整数である]によって規定されている。
【0010】
また、本発明の一つ又はそれ以上の実施態様は、改質アスファルト組成物を形成するための共重合体を提供するものであり、前記共重合体は、次式:
α−(D−V−d)
[式中、Dはそれぞれ独立してポリジエンブロックであり、Vはそれぞれ独立してビニル芳香族ブロックであり、dはそれぞれポリジエン末端キャップであり、αはカップリング部分であり、xは2〜10の整数である]によって規定されるブロック共重合体を含む。
【0011】
更に、本発明の一つ又はそれ以上の実施態様は、改質アスファルト組成物を形成する方法を提供するものであり、前記方法は、ジエン末端をキャップしたブロック共重合体を溶融アスファルト組成物と共に導入する工程を含み、ここで、前記ブロック共重合体が、次式:
α−(D−V−d)
[式中、Dはそれぞれ独立してポリジエンブロックであり、Vはそれぞれ独立してビニル芳香族ブロックであり、dはそれぞれポリジエン末端キャップであり、αはカップリング部分であり、xは2〜6の整数である]によって規定されている。
【0012】
また更に、本発明の一つ又はそれ以上の実施態様は、ジエン末端をキャップしたブロック共重合体を溶融アスファルト組成物と共に導入することで調製された改質アスファルト組成物で用意したアスファルト舗装用組成物を表面に堆積させることによって作製される舗装を提供するものであり、前記ブロック共重合体は、次式:
α−(D−V−d)
[式中、Dはそれぞれ独立してポリジエンブロックであり、Vはそれぞれ独立してビニル芳香族ブロックであり、dはそれぞれポリジエン末端キャップであり、αはカップリング部分であり、xは2〜10の整数である]によって規定されている。
【発明を実施するための形態】
【0013】
一つ又はそれ以上の実施態様において、アスファルト改質組成物は、ジエン末端をキャップしたブロック共重合体を溶融アスファルト組成物と共に導入することで調製される。上記ジエン末端をキャップしたブロック共重合体は、単に「末端キャップ共重合体」といわれることがある。予想外にも、一つ又はそれ以上の実施態様のジエン末端をキャップしたブロック共重合体が溶融アスファルトと共に有利に混合できることを見出した。その結果として、改質アスファルト組成物を効率よく調製することができる。
【0014】
一つ又はそれ以上の実施態様において、上記ジエン末端をキャップしたブロック共重合体は、次式:
α−(D−V−d)
[式中、Dはそれぞれ独立してポリジエンブロックであり、Vはそれぞれ独立してビニル芳香族ブロックであり、dはそれぞれポリジエン末端キャップであり、αはカップリング部分であり、xは2〜10の整数である]によって規定できる。
【0015】
一つ又はそれ以上の実施態様において、上記ブロック共重合体の各dは、それぞれ独立して規定でき、共役ジエン単量体の重合に由来する単量体単位を少なくとも10含み、他の実施態様では少なくとも40、他の実施態様では少なくとも60、他の実施態様では少なくとも80、他の実施態様では少なくとも100、他の実施態様では少なくとも120含む。それらの実施態様又は他の実施態様において、各dは、独立して規定でき、共役ジエン単量体の重合に由来する単量体単位を500未満含み、他の実施態様では350未満、他の実施態様では250未満、他の実施態様では200未満、他の実施態様では180未満、他の実施態様では160未満、他の実施態様では120未満含む。
【0016】
一つ又はそれ以上の実施態様において、上記ブロック共重合体の各Dは、それぞれ独立して規定でき、共役ジエン単量体の重合に由来する単量体単位を少なくとも400含み、他の実施態様では少なくとも500、他の実施態様では少なくとも650、他の実施態様では少なくとも700含む。それらの実施態様又は他の実施態様において、各Dは、独立して規定でき、共役ジエン単量体の重合に由来する単量体単位を1,200未満含み、他の実施態様では1,100未満、他の実施態様では950未満、他の実施態様では850未満含む。
【0017】
一つ又はそれ以上の実施態様において、上記ブロック共重合体の各Vは、それぞれ独立して規定でき、ビニル芳香族単量体の重合に由来する単量体単位を少なくとも100含み、他の実施態様では少なくとも120、他の実施態様では少なくとも145、他の実施態様では少なくとも160、他の実施態様では少なくとも180、他の実施態様では少なくとも200含む。それらの実施態様又は他の実施態様において、各Vは、独立して規定でき、ビニル芳香族単量体の重合に由来する単量体単位を500未満含み、他の実施態様では400未満、他の実施態様では300未満、他の実施態様では250未満、他の実施態様では200未満含む。
【0018】
一つ又はそれ以上の実施態様において、上記dの単量体単位の上記Vの単量体単位に対する比は、少なくとも0.2:1であり、他の実施態様では少なくとも0.3:1、他の実施態様では少なくとも0.4:1、他の実施態様では少なくとも0.45:1、他の実施態様では少なくとも0.52:1、他の実施態様では少なくとも0.55:1である。それらの実施態様又は他の実施態様において、上記dの単量体単位の上記Vの単量体単位に対する比は、2.5:1未満であり、他の実施態様では1.4:1未満、他の実施態様では1:1未満、他の実施態様では0.9:1未満、他の実施態様では0.8:1未満である。一つ又はそれ以上の実施態様において、上記dの単量体単位の上記Vの単量体単位に対する比は、約1:0.4〜約1:5であり、他の実施態様では約1:0.7〜約1:3である。
【0019】
一つ又はそれ以上の実施態様において、上記Vの単量体単位の上記D及びdの単量体単位の合計に対する比は、少なくとも0.12:1とすることができ、他の実施態様では少なくとも0.14:1、他の実施態様では少なくとも0.16:1、他の実施態様では少なくとも0.17:1である。それらの実施態様又は他の実施態様において、上記Vの単量体単位の上記D及びdの単量体単位の合計に対する比は、1.2:1未満とすることができ、他の実施態様では1.0:1未満、他の実施態様では0.5:1未満、他の実施態様では0.27:1未満、他の実施態様では0.25:1未満、他の実施態様では0.22:1未満、他の実施態様では0.20:1未満である。一つ又はそれ以上の実施態様において、上記Vの単量体単位の上記D及びdの単量体の合計に対する比は、約0.15:1〜約0.23:1とすることができ、他の実施態様では約0.17:1〜約0.19:1である。
【0020】
一つ又はそれ以上の実施態様において、上記D及びdの単量体単位の合計に対してVの単量体単位が存在する量は、結合Vのモルパーセント(例えば、結合スチレン含有量)として表すことができる。一つ又はそれ以上の実施態様において、結合Vのモルパーセントは、上記共重合体内の単量体単位の総モルに対して、少なくとも12モル%であり、他の実施態様では少なくとも14モル%、他の実施態様では少なくとも16モル%、他の実施態様では少なくとも17モル%である。それらの実施態様又は他の実施態様において、結合Vのモルパーセントは、上記共重合体内の単量体単位の総モルに対して、70モル%未満であり、他の実施態様では55モル%未満、他の実施態様では40モル%未満、他の実施態様では37モル%未満、他の実施態様では35モル%未満、他の実施態様では30モル%未満、他の実施態様では27モル%未満である。
【0021】
一つ又はそれ以上の実施態様において、Dで規定されるポリジエンブロック及び/又はdで規定されるポリジエンブロックは、ビニル含有量が少なくとも15%であることを特徴とし、他の実施態様では少なくとも18%、他の実施態様では少なくとも20%、他の実施態様では少なくとも22%である。それらの実施態様又は他の実施態様において、d及び/又はDで表されるポリジエンブロックは、ビニル含有量が40%未満であることを特徴とし、他の実施態様では35%未満、他の実施態様では32%未満、他の実施態様では8%未満である。
【0022】
一つ又はそれ以上の実施態様において、xは2である。他の実施態様においては、xが4である。他の実施態様ではxが6であり、他の実施態様ではxが9である。他の実施態様において、xは少なくとも3の整数であり、他の実施態様では少なくとも4である。それらの実施態様又は他の実施態様において、xは2〜約20の整数であり、他の実施態様では約2〜約15である。
【0023】
一つ又はそれ以上の実施態様において、上記共役ジエン単量体に由来する単量体単位は、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、1,3-ヘキサジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、2-エチル-1,3-ブタジエン、2-メチル-1,3-ペンタジエン、3-メチル-1,3-ペンタジエン、4-メチル-1,3-ペンタジエン及び2,4-ヘキサジエンから得られる場合がある。また、二つ以上の共役ジエンの混合物を利用してもよい。一つ又はそれ以上の実施態様においては、ビニル芳香族単量体に由来する単量体単位が、スチレン、メチルスチレン等の単量体から得られる場合がある。
【0024】
xが2である実施態様において、上記ジエン末端をキャップしたブロック共重合体は、線状の分子である。その実施態様又は他の実施態様において、この線状のブロック共重合体は、ポリスチレン基準によるGPCによって測定したピーク分子量(Mp)が少なくとも40 kg/モルであることを特徴とすることができ、他の実施態様では少なくとも55 kg/モル、他の実施態様では少なくとも70 kg/モル、他の実施態様では少なくとも90 kg/モル、他の実施態様では少なくとも100 kg/モル、他の実施態様では少なくとも110 kg/モルである。それらの実施態様又は他の実施態様において、特に上記ブロック共重合体が線状の分子である場合、該ブロック共重合体は、ピーク分子量が230 kg/モル未満であることを特徴とすることができ、他の実施態様では200 kg/モル未満、他の実施態様では170 kg/モル未満、他の実施態様では150 kg/モル未満、他の実施態様では130 kg/モル未満である。それらの実施態様又は他の実施態様において、上記線状の分子は、分子量分布が約0.8〜約2であることを特徴とすることができ、他の実施態様では約0.9〜約1.6、他の実施態様では約1.1〜約1.4である。
【0025】
xが3、4及び/又は6である場合、上記ブロック共重合体は、星形に枝分かれした分子である。それらの実施態様又は他の実施態様において、上記星形に枝分かれしたブロック共重合体の分子は、ピーク分子量が少なくとも150 kg/モルであることを特徴とすることができ、他の実施態様では少なくとも200 kg/モル、他の実施態様では少なくとも225 kg/モル、他の実施態様では少なくとも250 kg/モルである。それらの実施態様又は他の実施態様において、上記星形に枝分かれしたブロック共重合体は、ピーク分子量が700 kg/モル未満であることを特徴とすることができ、他の実施態様では500 kg/モル未満、他の実施態様では400 kg/モル未満、他の実施態様では300 kg/モル未満である。それらの実施態様又は他の実施態様において、上記星形に枝分かれしたブロック共重合体は、分子量分布が約1.5〜約4.0であることを特徴とすることができ、他の実施態様では約1.8〜約2.7である。
【0026】
一つ又はそれ以上の実施態様において、上記ジエン末端をキャップしたブロック共重合体の大きさは、該ジエン末端をキャップしたブロック共重合体の腕を基準にして説明できる。本明細書の目的のため、上記ジエン末端をキャップしたブロック共重合体の腕は、該ジエン末端をキャップしたブロック共重合体のD−V−dセグメントである。ジエン末端をキャップしたブロック共重合体をカップリング反応によって調製できる(以下、より詳細に説明する)範囲内において、上記腕(D−V−d)は、カップリング前の重合体(D−V−d)のベース分子量に等しい(又は実質的に等しい)場合がある。一つ又はそれ以上の実施態様において、基礎となる重合体、即ち腕のMp(ピーク分子量)は、少なくとも約45 kg/モルであり、他の実施態様では少なくとも約50 kg/モル、他の実施態様では少なくとも約55 kg/モル、他の実施態様では少なくとも約60 kg/モルである。それらの実施態様又は他の実施態様において、基礎となる重合体、即ち腕のMp(ピーク分子量)は、約100 kg/モル未満であり、他の実施態様では約90 kg/モル未満、他の実施態様では約80 kg/モル未満、他の実施態様では約75 kg/モル未満である。
【0027】
一つ又はそれ以上の実施態様において、上記ジエン末端をキャップしたブロック共重合体は、異なる重合体種(即ち、上記ジエン末端をキャップしたブロック共重合体と異なる重合体)との混合物中に、上記溶融アスファルトと共に導入される。上記ジエン末端をキャップしたブロック共重合体が線状の分子(結合ブロック共重合体と称してもよい)である場合、溶融アスファルトと共に導入された混合物は、メルトインデックス(ASTM D−1238、2.16 kg、190℃)が少なくとも1 dg/minであることを特徴とすることができ、他の実施態様では少なくとも3 dg/min、他の実施態様では少なくとも5 dg/min、他の実施態様では少なくとも7 dg/minである。それらの実施態様又は他の実施態様において、末端をキャップした線状のブロック共重合体を含む混合物は、メルトインデックスが20 dg/min未満であることを特徴とすることができ、他の実施態様では15 kg/min未満、他の実施態様では12 kg/min未満、他の実施態様では10 dg/min未満である。
【0028】
一つ又はそれ以上の実施態様において、ジエン末端をキャップした線状のブロック共重合体との混合物中に含まれる異なる重合体種は、式d−V−D(ここで、D、V及びdは先に定義されたものである)によって規定されたブロック共重合体である。それらの実施態様又は他の実施態様において、末端をキャップした線状のブロック共重合体と式d−V−Dで規定した異なる重合体種とのモル比は、少なくとも1:0.8であり、他の実施態様では少なくとも1:1、他の実施態様では少なくとも1:1.5である。それらの実施態様又は他の実施態様において、末端をキャップした線状のブロック共重合体の異なる重合体d−V−Dに対するモル比は、1:4未満であり、他の実施態様では1:3未満、他の実施態様では1:2.5未満である。
【0029】
一つ又はそれ以上の実施態様において、上記ジエン末端をキャップしたブロック共重合体が星形に枝分かれしたブロック共重合体である場合、該星形に枝分かれしたブロック共重合体は、異なる重合体と一緒に、混合物中の溶融アスファルトに導入される。一つ又はそれ以上の実施態様において、上記混合物は、メルトインデックスが2 dg/min未満であり、他の実施態様では1 dg/min未満、他の実施態様では0.7 dg/min未満である。
【0030】
一つ又はそれ以上の実施態様において、上記星形に枝分かれしたブロック共重合体は、式d−V−D(ここで、D、V及びdは先に定義されたものである)によって規定された異なる重合体種と一緒に、混合物中に溶融アスファルトと共に導入される。それらの実施態様又は他の実施態様において、ジエン末端をキャップした枝分かれのブロック共重合体の異なるd−V−Dに対するモル比は少なくとも0.5:1であり、他の実施態様では少なくとも0.7:1、他の実施態様では少なくとも0.9:1である。それらの実施態様又は他の実施態様において、ジエン末端をキャップした枝分かれのブロック共重合体の異なるd−V−D重合体に対するモル比は9.5:1未満であり、他の実施態様では5:1未満、他の実施態様では2.5:1未満、他の実施態様では2:1未満、他の実施態様では1.8:1未満である。
【0031】
一つ又はそれ以上の実施態様において、本発明に用いるブロック共重合体は、アニオン重合法を用いることで合成できる。一つ又はそれ以上の実施態様において、リビング重合体には、アニオン重合した重合体(即ち、アニオン重合法によって調製した重合体)が含まれる。アニオン重合したリビング重合体は、アニオン開始剤を特定の不飽和単量体と反応させて重合体構造を生長させることにより形成できる。或いは、他の実施態様においては、エポキシド類又は環状シロキサン類等の他の単量体をアニオン重合によって重合させてもよい。重合体の形成及び生長を通して、上記重合体構造はアニオン性で且つ「生きている」ことができる。反応に続けて加えられる新しいバッチの単量体を既存の鎖のリビング末端に付加して重合度を増大できる。従って、リビング重合体は、リビング末端又は反応性末端を有する重合体セグメントを含む。更に、アニオン重合は、George Odian,Principles of Polymerization,ch.5(3rd Ed.1991)又はPanek,94 J.Am.Chem.Soc.,8768(1972)に記載されており、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0032】
アニオン重合したリビング重合体の調製時に使用できる単量体には、アニオン重合法に従って重合させることが可能な単量体がいずれも含まれる。それらの単量体には、弾性単独重合体又は弾性共重合体の形成をもたらすものが含まれる。適切な単量体には、限定されず、共役C4-C12ジエン、C8-C18モノビニル芳香族単量体、及びC6-C20トリエンが含まれる。共役ジエン単量体の例としては、限定されず、1,3-ブタジエン、イソプレン、1,3-ペンタジエン、2,3-ジメチル-1,3-ブタジエン、及び1,3-ヘキサジエンが挙げられる。トリエンの非限定的な例としてはミルセンが挙げられる。芳香族ビニル単量体には、限定されず、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン及びビニルナフタレンが含まれる。共役ジエン単量体及び芳香族ビニル単量体を含有する共重合体等の弾性共重合体を調製する場合、共役ジエン単量体及び芳香族ビニル単量体は、通常95:5〜50:50、好ましくは95:5〜65:35の比で使用される。
【0033】
リビング重合体の形成及び生長を開始するには、あらゆるアニオン開始剤を用いることができる。例示的なアニオン開始剤としては、限定されるものではないが、n-ブチルリチウム等のアルキルリチウム開始剤、アレーニルリチウム開始剤、アレーニルナトリウム開始剤、アミノアルキルリチウム、及びアルキルスズリチウムが挙げられる。他の有用な開始剤には、N-リチオヘキサメチレンイミド、N-リチオピロリジニド及びN-リチオドデカメチレンイミド、並びに置換アルジミン及び置換ケチミンのトリ-アルキルリチウム付加化合物等の有機リチウム化合物、置換第二級アミンのN-リチオ塩が含まれる。更に他には、アルキルチオアセタール(例えば、ジチアン)が挙げられる。また、例示的な開始剤は、米国特許第5,332,810号、第5,329,005号、第5,578,542号、第5,393,721号、第5,698,646号、第5,491,230号、第5,521,309号、第5,496,940号、第5,574,109号、第5,786,441号、及び国際公開第2004/020475号、第2004/041870号に記載されており、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0034】
アニオン重合を行う際に用いる開始剤の量は、所望の重合体特性に基づき大幅に変えることができる。一つ又はそれ以上の実施態様においては、単量体100 g当たり約0.1〜約100 mmolのリチウムを使用し、任意には約0.33〜約10 mmolのリチウムを用いる。
【0035】
アニオン重合は、典型的に、テトラヒドロフラン(THF)等の極性溶媒、又は様々な環式及び非環式のヘキサン類、ヘプタン類、オクタン類、ペンタン類、それらのアルキル化誘導体、及びそれらの混合物、並びにベンゼン等の無極性炭化水素中で行われる。
【0036】
共重合のランダム化を促進し、ビニル含有量を制御するため、重合成分に極性調整剤を添加してもよい。量は、リチウムの当量につき0〜90又はそれ以上の当量に及ぶ。該量は、所望のビニル量、使用したスチレンレベル及び重合温度、並びに使用した特定の極性調整剤(調節剤)の性質によって決まる。適切な重合調節剤には、例えば、所望のミクロ構造及びコモノマー単位のランダム化を提供するエーテル類又はアミン類が含まれる。
【0037】
極性調整剤として有用な化合物には、酸素又は窒素のヘテロ原子と非結合電子対とを有する化合物が含まれる。例としては、モノ及びオリゴアルキレングリコールのジアルキルエーテル、「クラウン」エーテル、テトラメチルエチレンジアミン(TMEDA)等の第三級アミン、線状のTHFオリゴマー等が挙げられる。極性調整剤として有用な化合物の具体例としては、テトラヒドロフラン(THF)、2,2-ビス(2'-テトラヒドロフリル)プロパン等の線状及び環状のオリゴマー状オキソラニルアルカン、ジ-ピペリジルエタン、ジピペリジルメタン、ヘキサメチルホスホルアミド、N,N'-ジメチルピペラジン、ジアザビシクロオクタン、ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、トリブチルアミン等が挙げられる。線状及び環状のオリゴマー状オキソラニルアルカン調節剤は、米国特許第4,429,091号に記載されており、参照することにより本明細書に組み込まれる。
【0038】
アニオン重合したリビング重合体は、回分法又は連続法のいずれによっても調製できる。バッチ重合は、適切な反応容器に一つ又は複数の単量体と直鎖アルカン溶媒とのブレンドを投入し、次いで極性調整剤(使用する場合)及び開始剤化合物を添加することで開始される。反応物質を約20〜約130℃の温度に加熱し、重合を約0.1〜約24時間続けることができる。この反応は、反応性末端又はリビング末端を有する反応性重合体を作る。好ましくは、重合体分子の少なくとも約30%がリビング末端を含有する。より好ましくは、重合体分子の少なくとも約50%がリビング末端を含有する。より一層好ましくは、少なくとも約80%がリビング末端を含有する。
【0039】
機能性重合体の形成後、重合体セメントに加工助剤及びオイル等の任意の添加剤を加えることができる。その後、機能性重合体と他の任意成分とは、溶媒から単離させてもよいし、任意に乾燥させる。脱溶媒化及び乾燥についての従来の手順を用いることができる。一つの実施態様においては、蒸気脱溶媒化又は溶媒の温水凝固とその後のろ過によって機能性重合体を溶媒から単離することができる。残留溶媒をオーブン乾燥又は直接乾燥等の従来の乾燥技術によって除去することができる。或いは、上記セメントを直接乾燥してもよい。
【0040】
アニオン重合の技術分野において知られるように、異なる単量体を続けて重合させることによってブロック共重合体を合成することができる。例えば、まず共役ジエン単量体を重合してブロックdを形成し、次にビニル芳香族単量体をリビング重合体を含有する溶液に添加し、それによってブロックVを形成でき、その後、追加の共役ジエン単量体をリビング重合体を含有する溶液に添加してブロックDを形成することができる。このリビング重合体は、d−V−D(ここで、d、V及びDは先に定義されたものである)によって表されることができ、その後カップリング剤と結合させることができる。このカップリング剤の残基がα部分を形成する。
【0041】
有用なカップリング剤には、二つ以上のリビング重合体と反応し、それらを一緒に結合する役目を果たすことのできる化合物が含まれる。一つ又はそれ以上の実施態様において、有用なカップリング剤には、モノエステルが含まれる。有用なモノエステルには、次式:
【化1】

(式中、R1は一価の有機基であり、R3は一価の有機基である)で規定されるモノエステルが含まれる。
【0042】
一つ又はそれ以上の実施態様において、一価の有機基には、限定されるものではないが、アルキル基、シクロアルキル基、置換シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、置換シクロアルケニル基、アリール基、置換アリール基、アラルキル基、アルカリール基、アリル基、アルキニル基等のヒドロカルビル基を挙げることができる。それらのヒドロカルビル基は、限定されるものではないが、窒素原子、酸素原子、ホウ素原子、ケイ素原子、硫黄原子、スズ原子、リン原子等のヘテロ原子を含有してもよい。一つ又はそれ以上の実施態様においては、エステル基又はエステル結合を含む基が、一つ又はそれ以上の一価の有機基に含まれる。当業者が認識するように、一価の有機基が一つ又はそれ以上のエステル結合を含む場合、エステル分子は、ジエステル、トリエステル又は他のマルチ-エステルであってもよい。
【0043】
一つ又はそれ以上の実施態様において、有用なエステルには、
【化2】

(ここで、R1は先に定義されたように一価の有機基であり、R3は先に定義されたように一価の有機基である)の化合物によって規定されるエステルが含まれる。
【0044】
モノエステルの特定例としては、安息香酸ブチルが挙げられる。ジエステルの特定例としては、テレフタル酸ジオクチルが挙げられる。トリエステルの特定例としては、トリメリット酸トリオクチルが挙げられる。
【0045】
有用なカップリング剤には、安息香酸ブチル等のモノエステル、テレフタル酸ジオクチル等のジエステル又はトリメリット酸トリオクチル等のトリエステルが含まれる。当該技術分野において知られるように、カップリング剤の官能基は、ブロック共重合体が線状の分子であるか又は星形に枝分かれした分子であるかを決定づけることになる。
【0046】
一つ又はそれ以上の実施態様において、カップリング剤には、式(1)R1n14-n、一般式(2)M14及び一般式(3)M23(ここで、一般式(1)中のR1は同一でも異なっていてもよく、炭素数が1〜約20個の一価の有機基を表し、一般式(1)及び(2)中のM1はスズ原子、ケイ素原子又はゲルマニウム原子を表し、一般式(3)中のM2はリン原子を表し、一般式(1)−(3)中のXはハロゲン原子を表し、一般式(1)中のnは0〜約3の整数を表す)によって表される化合物からなる群から選択できるハロゲン化物等の金属ハロゲン化物又はメタロイドハロゲン化物を挙げることができる。
【0047】
一般式(1)で表される例示的な化合物としては、ハロゲン化有機金属化合物を挙げることができ、一般式(2)及び(3)で表される化合物としては、ハロゲン化金属化合物を挙げることができる。
【0048】
1がスズ原子である場合、一般式(1)で表される化合物は、例えば、トリフェニルスズクロリド、トリブチルスズクロリド、トリイソプロピルスズクロリド、トリヘキシルスズクロリド、トリオクチルスズクロリド、ジフェニルスズジクロリド、ジブチルスズジクロリド、ジヘキシルスズジクロリド、ジオクチルスズジクロリド、フェニルスズトリクロリド、ブチルスズトリクロリド、オクチルスズトリクロリド等とすることができる。更に、四塩化スズ、四臭化スズ等を一般式(2)で表される化合物として例示することができる。
【0049】
1がケイ素原子である場合、一般式(1)で表される化合物は、例えば、トリフェニルクロロシラン、トリヘキシルクロロシラン、トリオクチルクロロシラン、トリブチルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、ジヘキシルジクロロシラン、ジオクチルジクロロシラン、ジブチルジクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルトリクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、ヘキシルトリクロロシラン、オクチルトリクロロシラン、ブチルトリクロロシラン、メチルトリクロロシラン等とすることができる。更に、四塩化ケイ素、四臭化ケイ素等を一般式(2)で表される化合物として例示することができる。M1がゲルマニウム原子である場合、一般式(1)で表される化合物は、例えば、トリフェニルゲルマニウムクロリド、ジブチルゲルマニウムジクロリド、ジフェニルゲルマニウムジクロリド、ブチルゲルマニウムトリクロリド等とすることができる。更に、四塩化ゲルマニウム、四臭化ゲルマニウム等を一般式(2)で表される化合物として例示することができる。三塩化リン、三臭化リン等を一般式(3)で表される化合物として例示することができる。一つ又はそれ以上の実施態様において、金属ハロゲン化物及び/又はメタロイドハロゲン化物の混合物を使用することができる。
【0050】
一つ又はそれ以上の実施態様において、αは、リビング重合体鎖とのジビニルベンゼンのオリゴマー化に由来する。理論計算によれば、この合成は、9の枝又は腕を含む星形重合体をもたらす。その結果として、ブロック共重合体の高分子構造は、9の腕又は枝を有する星形に枝分かれした重合体である。
【0051】
一つ又はそれ以上の実施態様においては、d−V−Dリビング重合体の一部のみをカップリングする。部分的なカップリングの後、リビング重合体とカップリング重合体との溶液を失活することができ、重合体種を単離し、カップリングした重合体とカップリングしていないd−V−D重合体とを含む重合体混合物をもたらす。次に、この混合物を溶融アスファルトと共に導入し、本発明に用いる改質アスファルト組成物を形成することができる。
【0052】
一つ又はそれ以上の実施態様においては、特にd−V−Dリビング重合体のカップリングによりジ-カップリングした線状のブロック共重合体をもたらす場合、リビング重合体溶液を約10〜約70%カップリングすることができ、他の実施態様では約20〜約40%、他の実施態様では約25〜約35%である。
【0053】
一つ又はそれ以上の実施態様においては、特にd−V−Dリビング重合体のカップリングにより星形に枝分かれしたブロック重合体をもたらす場合、リビング重合体溶液を約50〜約90%カップリングすることができ、他の実施態様では約60〜約80%、他の実施態様では約65〜約75%である。一つ又はそれ以上の実施態様においては、リビング重合体溶液を少なくとも50%までカップリングすることができ、他の実施態様では少なくとも60%、他の実施態様では少なくとも70%、他の実施態様では少なくとも80%、他の実施態様では少なくとも90%、他の実施態様では少なくとも95%である。
【0054】
一つ又はそれ以上の実施態様において、本発明のブロック共重合体は、有機溶媒中で有利に調製できる。適切な溶媒には、重合又は生長する重合体鎖への組み込みを受けることの無い有機化合物が含まれる。一つ又はそれ以上の実施態様においては、それらの有機種は周囲温度及び圧力にて液体である。例示的な有機溶媒には、芳香族炭化水素、脂肪族炭化水素、脂環式炭化水素等の低沸点又は比較的低い沸点の炭化水素が含まれる。芳香族炭化水素の非限定的な例としては、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、ジエチルベンゼン及びメシチレンが挙げられる。脂肪族炭化水素の非限定的な例としては、n-ペンタン、n-ヘキサン、n-ヘプタン、n-オクタン、n-ノナン、n-デカン、イソペンタン、イソヘキサン類、イソペンタン類、イソオクタン類、2,2-ジメチルブタン、石油エーテル、ケロシン、及びペトロリウムスピリットが挙げられる。そして、脂環式炭化水素の非限定的な例としては、シクロペンタン、シクロヘキサン、メチルシクロペンタン、及びメチルシクロヘキサンが挙げられる。また、上記の炭化水素の混合物を用いてもよい。当該技術分野において知られるように、望ましくは、環境上の理由で、脂肪族炭化水素及び脂環式炭化水素を使用する。低沸点の炭化水素溶媒は、典型的に、重合の完了時に重合体から分離される。
【0055】
本発明の一つ又はそれ以上の実施態様は、アスファルト舗装用組成物の調製に有用な改質アスファルトバインダー組成物を形成する方法を提供する。一つ又はそれ以上の実施態様において、改質アスファルトバインダー組成物は、アスファルトバインダーと重合体とを導入して混合することで形成されることができる。改質アスファルトバインダー組成物を骨材と組み合わせて、アスファルト舗装用組成物を形成することができる。特定の実施態様においては、アスファルト舗装用組成物を舗装体に形成することができる。
【0056】
一つ又はそれ以上の実施態様において、本発明のアスファルトバインダー組成物は、参照することにより本明細書に組み込まれる同時係属の米国出願第11/644,557号と一致する方法で、五硫化リンを上記アスファルト組成物に加えることで調製される。
【0057】
「アスファルトバインダー」の用語は、当業者に理解されるように使用されており、AASHTO M320で規定される意味と一致している。アスファルトバインダーを骨材と組み合わせた場合、「アスファルト舗装用組成物」の用語を用いる。本明細書中で使用されるように、「アスファルト」と「アスファルトバインダー」の用語を同義語として使用することができる。アスファルトバインダーの材料は、天然アスファルト、タールサンドから生産されるロックアスファルト又は石油の精製過程で得られる石油アスファルト等のあらゆるアスファルト源から得ることができる。アスファルトバインダーは、パフォーマンス・グレーデッド・アスファルト・バインダーズを含めて、AASHTO M320及びASTM D−6373によって、現在等級分けされたものから選択することができる。他の実施態様においては、アスファルトバインダーが、特定の等級の定義をいずれも満たしていない様々なアスファルトのブレンドを含んでもよい。これには、空気を吹き込んだアスファルト、減圧蒸留されたアスファルト、蒸気蒸留されたアスファルト、カットバックアスファルト又はルーフィングアスファルトが挙げられる。或いは、単独で使用するか又は石油アスファルトと混合される天然又は合成のギルソナイトを選択してもよい。本発明の使用に適した合成アスファルト混合物は、例えば、米国特許第4,437,896号に記載されている。一つ又はそれ以上の実施態様においては、アスファルトが、石油由来のアスファルトやアスファルト残留物を含む。それらの組成物は、アスファルテン、樹脂、環状化合物及び飽和化合物を含んでもよい。アスファルトバインダー組成物全体におけるそれら成分の割合は、アスファルト源に基づいて変えることができる。
【0058】
アスファルテンは、炭素及び水素に加えて、幾らかの窒素、硫黄及び酸素を含有する黒色非晶質固体を含む。また、ニッケルやバナジウム等の微量元素が存在してもよい。アスファルテンは、一般に、数平均分子量が約2000〜約5000 g/molの高極性芳香族物質と考えられており、アスファルトの重量の約5〜約25%を構成し得る。
【0059】
樹脂(極性芳香族化合物)は、マルテン中に存在し、比較的高分子量を有し且つ非常に粘着性のある暗色で固体及び半固体の留分を含む。それらは、アスファルテン用しゃく解剤の分散剤を含んでもよく、樹脂のアスファルテンに対する比率は、アスファルトのゾル又はゲル型の特徴をある程度決定する。ビチューメンから分離される樹脂は、約0.8〜約2 kg/molの数平均分子量を有する場合があるが、分子量分布は広い。この成分は、アスファルトの重量の約15〜約25%を構成し得る。
【0060】
環状化合物(ナフテン系芳香族化合物)は、ビチューメン中の最も低い分子量の化合物を含み、解凝固したアスファルテン用分散媒の主要部を示す。それらは、アスファルトバインダー全体の約45〜約60重量%を構成することができ、暗色の粘稠液体の場合がある。それらは、側鎖の構成部分と共に芳香核及びナフテン系芳香核を有する化合物を含むことができ、0.5〜約9 kg/molの分子量を有する場合がある。
【0061】
飽和化合物は、アルキルナフテンや幾らかのアルキル芳香族化合物と共に、主としてビチューメン中に存在する直鎖及び枝分れ鎖の脂肪族炭化水素を含む。その平均分子量の範囲は、上記環状化合物とほぼ同様な場合があり、また、その成分は、蝋質飽和化合物や非蝋質飽和化合物を含んでもよい。この留分は、アスファルトの重量の約5〜約20%とすることができる。
【0062】
それらの実施態様又は他の実施態様において、アスファルトバインダーは、自然界に存在する又は石油精製で得ることができるビチューメンを含むことができる。アスファルトは、アスファルテンと称された、二硫化炭素、ピリジン、芳香族炭化水素、塩素化炭化水素及びTHFに可溶となり得る非常に高い分子量の炭化水素を含有することができる。アスファルト又はビチューメン材料は、固体、半固体又は液体でもよい。
【0063】
一つ又はそれ以上の実施態様において、改質前の(即ち、不飽和重合体又はP25との組み合わせ前の)アスファルトバインダーは、PG等級が少なくともPG64−22であることを特徴とすることができ、他の実施態様では少なくともPG52−28、他の実施態様では少なくともPG52−34である。それらの例示的なアスファルトバインダーは、それぞれが86℃の温度性能範囲を有することに注目すべきである。それらアスファルトバインダーの選択によって、有利で、望ましい特定の実施態様とすることができるが、本発明の実施によって低温範囲を改善できるため、本発明の実施は、低温範囲でベースアスファルトバインダーを有利に使用することができる。例えば、PG64−16、PG58−22又はPG52−28を改質し、その温度範囲を上昇させることができる。当業者が理解するように、PG等級は、米国全州道路交通運輸行政官協会(AASHTO M320)により資金供給された研究によって米国において開発された、スーパー・ペイブ(スーペリア・パフォーミング・ペイブメンツ)パフォーマンス・グレーデッド(PG)バインダー規格を指す。
【0064】
また、本発明の改質アスファルトバインダー組成物は、その業界において通常使用される他の配合剤又は成分を含んでもよい。例えば、上記組成物は、剥離防止化合物を含むことができる。
【0065】
他の実施態様においては、この実施態様の改質アスファルトバインダー組成物に硬化剤を任意に加えることができる。硬化剤としては、フェノール樹脂及び硫黄元素を挙げることができる。一例としては、ビスマレイミド硬化剤である。本発明の実施には、通常の量を用いることができる。一つ又はそれ以上の実施態様においては、硬化剤、特に硫黄の必要性を排除する。言い換えれば、五硫化リン以外の硬化剤及び/又は硫黄含有硬化剤を添加せずに、本発明のアスファルトバインダー組成物を調製することができる。
【0066】
本発明のアスファルトバインダー組成物は、アスファルトバインダー100重量部当たり重合体を約0.1〜約10重量部含むことができ、他の実施態様では約0.2〜約6重量部、他の実施態様では約0.5〜約4重量部である。それらの実施態様又は他の実施態様においては、本発明のアスファルトバインダー組成物が、アスファルトバインダー100重量部当たり重合体を5重量部未満含むことができ、他の実施態様で4重量部未満、他の実施態様では3重量部未満、他の実施態様では2.5重量部未満、他の実施態様では2重量部未満、他の実施態様では1.8重量部未満、他の実施態様では1.5重量部未満である。それらの実施態様又は他の実施態様においては、アスファルトバインダー組成物が、アスファルトバインダー100重量部当たり重合体を少なくとも0.1重量部含み、他の実施態様では少なくとも0.5重量部、他の実施態様においては少なくとも0.7重量部、他の実施態様においては少なくとも1.0重量部、他の実施態様においては少なくとも1.2重量部である。
【0067】
硬化剤を用いる実施態様において、本発明のアスファルト組成物は、アスファルト100重量部当たり硬化剤を約0.1〜約10重量部含むことができ、他の実施態様では約0.2〜約6重量部、他の実施態様では約0.5〜約4重量部である。それらの実施態様又は他の実施態様において、本発明のアスファルトバインダー組成物の形成は、アスファルトバインダー100重量部当たり、硬化剤(例えば、遊離硫黄又は硫黄元素)を3重量部未満用いることができ、他の実施態様では1重量部未満、他の実施態様では0.5重量部未満、他の実施態様では0.25重量部未満、他の実施態様では0.1重量部未満、他の実施態様では0.01重量部未満である。
【0068】
一つ又はそれ以上の実施態様において、本発明の改質アスファルトバインダー組成物は、所望の温度にて所望の量の重合体(例えば、不飽和重合体)と共にアスファルトバインダーを導入することで調製できる。一つの実施態様においては、約120℃より高い温度で、又は他の実施態様では約140〜約210℃にて、溶融アスファルトバインダーに重合体を加えることができる。一つ又はそれ以上の実施態様においては、重合体及びアスファルトを、それらの導入の後に又はその間に、混合し又はブレンドすることができる。次に、約145℃〜約205℃(又は他の実施態様では約160℃〜約193℃)の温度にて約25〜約400分間、混合を継続してもよい。一つ又はそれ以上の実施態様においては、アスファルト中に重合体を素早く分散させるため、アスファルトバインダーと重合体との混合物をせん断してもよい。例えば、シーファー社によって生産されたもの等の高せん断ミル内でせん断を達成することができる。他の実施態様において、時間がそれほど重要でない場合には、単純な低せん断混合を用いることができる。
【0069】
本発明に従い調製される改質アスファルトバインダー組成物を用いて、アスファルト舗装用組成物を調製することができる。それらの舗装用組成物は、改質アスファルトバインダーと、骨材と、当該技術分野において知られる舗装用組成物中に加えることができる他の任意の成分とを含むことができる。この実施態様の実施においては、舗装業界で使用される通常の骨材を利用することができる。骨材としては、岩、石、スラグ、砕石、砂利、砂、シリカ又はそれらの一種以上の混合物を挙げることができる。骨材の具体例としては、大理石、石灰石、玄武岩、白雲石、砂岩、花崗岩、珪岩、製鋼スラグ、及びそれらの二種以上の混合物が挙げられる。
【0070】
骨材は、典型的に、サブミクロンの粒子(例えば、粉塵)から直径63 mm程のゴルフボールの大きさの塊に及ぶ広範な分布の粒径を有する。最良の粒径分布は、用途毎に異なる。
【0071】
また、本発明の舗装用組成物は、骨材と改質アスファルトバインダーに加えて、アスファルト舗装用組成物を調製するのに使用し得る他の成分又は配合剤を含んでもよい。それら追加の成分又は配合剤としては、繊維、離型剤及び充填剤を挙げることができる。他の例としては、水酸化カルシウム、サンダーダスト、セルロース繊維、プロピレン系繊維及びそれらの二種以上の混合物が挙げられる。
【0072】
本発明のアスファルト舗装用組成物は、標準的な装置及び手順を用いることによって調製することができる。一つ又はそれ以上の実施態様においては、改質アスファルトバインダーと共に骨材を混合し、実質的に均一なアスファルト舗装を達成することができる。例えば、改質アスファルトバインダーと共に骨材を混合し、標準的なミキサーの連続形式でアスファルト舗装用組成物を製造することができる。
【0073】
アスファルト舗装用組成物を調製する場合、一般には、(アスファルト舗装用組成物の全重量に対して)約1重量パーセントから約10重量パーセントの改質アスファルトと、約90重量パーセントから約99重量パーセントの骨材とを混合する。他の実施態様において、上記舗装用組成物は、約2〜約8重量パーセントの改質アスファルトを含む。
【0074】
本発明に従って調製されるアスファルト舗装用組成物は、舗装体を調製するのに特に有利である。当該技術分野において知られるように、表面上にアスファルト舗装用組成物を堆積させることで、舗装体を調製することができる。それら舗装体としては、特に限定されるものではないが、車道、空港の滑走路、歩道、小道、ゴルフカートの通り道、池の中敷き、埋め立て地のカバー及び船橋楼甲板を挙げることができる。また、本発明の改質アスファルトバインダー組成物は、上記舗装用組成物に加えて、他の組成物を製造するのに有利である。例えば、上記改質アスファルト組成物は、ルーフィング用途に有用な場合がある。
【0075】
本発明の実施を示すため、以下に示す例を用意して試験した。しかしながら、それらの例は、本発明の範囲を限定するものとしてみなすべきでない。特許請求の範囲が、本発明を明確にする役目を果たすことになる。
【実施例】
【0076】
(サンプル1−3及び比較1−2)
我々は本発明に従う二つの重合体を調製し、規格化された試験手順に従ってアスファルト中に溶解させた。商業的に得た二つの比較重合体を同様に溶解した。アスファルト中への溶解の容易さを記録した。
【0077】
使用した重合体の特性を試験結果と一緒に表Iに提供する。比較Iは放射状の重合体であり、少なくとも3の腕又は枝を有する重合体という事実を示しており、それぞれの腕はスチレン−ブタジエン共重合体を含むと思われる。サンプルIは、同様に放射状の重合体であり、ジエン末端キャップを含むスチレン−ブタジエンブロック共重合体であるベース重合体をカップリングして調製された。比較Iは、約30%の結合スチレンを含むことが測定され、サンプルIは、ほぼ同じ量の結合スチレンを含むように合成された。
【0078】
比較IIは、線状の重合体であり、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体を含むと思われる。サンプルIIは、同様に線状の重合体であり、ジエン末端キャップを含むスチレン−ブタジエンブロック共重合体であるベース重合体をジ-カップリングして調製された。比較Iは、約30%の結合スチレンを含むことが測定され、サンプルIは、ほぼ同じ量の結合スチレンを含むように合成された。
【表1】

【0079】
各重合体は、ペレット状又はクラム状であり、下記の手順に従って試験された。163℃に予熱したアスファルトバインダー500 gをクオート缶の容器に加えた。アスファルトバインダーは、BP(ホワイティング、IN)から得られ、AASHTO M320による64−22のPG等級を有した。クオート缶の加熱器を用いて、アスファルトバインダーを190℃に加熱した。該缶の底の上2分の1インチに設置された三枚の櫂を持つ攪拌機を用いて、アスファルト中に渦を作るのに十分なr.p.mで作動させ、アスファルトバインダーを攪拌した。各重合体の一部を#4(0.187インチ)ふるいに通して、20 gのサンプルを集めた。選別した重合体を攪拌したアスファルトサンプルへ毎分約20 gの速度でゆっくり加えた。190℃で30分間攪拌し続けて、その間、掻き取り道具を用いて、重合体の塊を取り除いた。
【0080】
混合の30分後、アスファルトバインダーと重合体との混合物を予め重さを量った20-メッシュのふるいに通す。該ふるい(混合物の残留物を備える)を他のクオート缶上に置いて、オーブン中に163℃で1時間置いた。15分間冷却した後、ふるい及び混合物の残留物の重さを量った。この分析のため、ふるい上に残っている残留物の重量が溶解していない重合体であると仮定し、30分溶融試験として、最初の20 gのサンプルの割合として表Iに報告した。
【0081】
サンプルのMpをポリスチレン基準のGPC分析によって測定した。本明細書内で述べたように、Mpはピーク平均分子量を表す。当該技術分野において知られるように、多峰性の重合体又は部分的にカップリングした重合体は、各ピークがそれ特有のMpを有する場合があると理解すべきである。標準的なGPC分析による曲線下全面積の関数として、問題となっているピーク面積からカップリング度を測定した。重合体のビニル含有量をIR分析によって測定した。
【0082】
試験結果から決定できるように、ジエン末端キャップを含む重合体は、ジエン末端キャップを含まない比較重合体と比べて著しく大きな量でアスファルト中に溶解した。当業者は、重合体の粒径が重合体のアスファルトに溶解する速度に影響を与える可能性があることを理解する。重合体を選別し最大の粒径を達成する一方で、重合体の粒径のばらつきはこの試験結果に影響を与える可能性がある。しかし、重合体粒子の目視検査は、粒径に大きな違いがないことを示し、従って、溶解速度の違いがジエン末端キャップに起因するという結論に達した。
【0083】
(サンプル4−9)
アニオン重合法によって、ジエン末端キャップを持つスチレン−ブタジエンブロック共重合体を調製し、ジ-カップリングして線状の重合体(サンプル4−6)を形成させるか又はカップリングして放射状の重合体(サンプル7−9)を形成させた。調製した重合体の特性を表IIに提供する。重合体のサンプルを先に記載した30分溶融試験によって同様に分析し、その結果を表IIに提供する。
【表2】

【0084】
試験結果から決定できるように、ジエン末端キャップの大きさは、重合体(線状及び放射状の両方)がアスファルトに溶解する速度に直接的に比例する。従って、技術的に有用な特性バランスをジエン末端キャップの長さを変えることで達成できることが予想外に見出された。
【0085】
本発明の範囲と精神から逸脱しない様々な修正や変更は、当業者にとって明らかになる。本発明は、本明細書において記載される具体例に正当に限定されるものではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
改質アスファルト組成物であって、
ジエン末端をキャップしたブロック共重合体を溶融アスファルト組成物と共に導入することで調製されてなり、前記ブロック共重合体が、次式:
α−(D−V−d)
[式中、Dはそれぞれ独立してポリジエンブロックであり、Vはそれぞれ独立してビニル芳香族ブロックであり、dはそれぞれポリジエン末端キャップであり、αはカップリング部分であり、xは2〜10の整数である]によって規定されることを特徴とする改質アスファルト組成物。
【請求項2】
それぞれのdが共役ジエン単量体の重合に由来する単量体単位を約10〜約500含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
それぞれのdが共役ジエン単量体の重合に由来する単量体単位を約80〜約120含むことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
それぞれのDが共役ジエン単量体の重合に由来する単量体単位を約400〜約1,200含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の組成物。
【請求項5】
それぞれのDが共役ジエン単量体の重合に由来する単量体単位を約500〜約950含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の組成物。
【請求項6】
それぞれのVがビニル芳香族単量体の重合に由来する単量体単位を約100〜約500含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の組成物。
【請求項7】
それぞれのVがビニル芳香族単量体の重合に由来する単量体単位を約120〜約400含むことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
dが1,3-ブタジエンの重合に由来することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
Dが1,3-ブタジエンの重合に由来することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
Vがスチレンの重合に由来することを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の組成物。
【請求項11】
前記ブロック共重合体が、式:d−V−Dで規定されるリビング重合体を直線的にカップリングすることで形成されたことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
【請求項12】
前記共重合体が、モノエステルで直線的にカップリングされたことを特徴とする請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
前記モノエステルが安息香酸ブチルであることを特徴とする請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記ブロック共重合体が、式:d−V−Dで規定されるリビング重合体を星形にカップリングすることで形成されたことを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の組成物。
【請求項15】
前記共重合体が、トリ-エステルを用いることで星形にカップリングされたことを特徴とする請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記トリ-エステルがトリメリット酸トリオクチルであることを特徴とする請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記共重合体が、ジ-エステルを用いることで星形にカップリングされたことを特徴とする請求項14に記載の組成物。
【請求項18】
前記ジ-エステルがテレフタル酸ジオクチルであることを特徴とする請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記dの単量体単位の前記Vの単量体単位に対する比が、約0.2:1〜約2.5:1であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項20】
前記dの単量体単位の前記Vの単量体単位に対する比が、約0.45:1〜約1:1であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項21】
αがジビニルベンゼンのリビング重合体鎖との同時オリゴマー化に由来することを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項22】
xが9であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項23】
xが2であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項24】
xが4であることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項25】
d及び/又はDのビニル含有量が15%より大きいことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項26】
d及び/又はDのビニル含有量が20%より大きいことを特徴とする請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記共重合体が線状の分子であり、該共重合体のMpが約40〜約250 kg/モルであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項28】
前記共重合体が星形に枝分かれした分子であり、該共重合体のMpが約150〜約700 g/モルであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項29】
前記共重合体が、線状の分子であり、異なる重合体種との混合物として前記溶融アスファルトと共に導入されたことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項30】
前記混合物が、約1〜約20 dg/minのメルトインデックス(ASTM D−1238、2.16 kg、190℃)を示すことを特徴とする請求項29に記載の組成物。
【請求項31】
前記異なる重合体種が、D−V−dを含むことを特徴とする請求項29に記載の組成物。
【請求項32】
前記ブロック共重合体の前記D−V−dに対するモル比が約1:1〜約1:4であることを特徴とする請求項31に記載の組成物。
【請求項33】
前記共重合体が、星形に枝分かれした分子であり、異なる重合体種との混合物として前記溶融アスファルトと共に導入されたことを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項34】
前記混合物が、2 dg/min未満のメルトインデックス(ASTM D−1238、2.16 kg、190℃)を示すことを特徴とする請求項33に記載の組成物。
【請求項35】
前記異なる重合体種が、D−V−dを含むことを特徴とする請求項33に記載の組成物。
【請求項36】
前記ブロック共重合体の前記D−V−dに対するモル比が約0.5:1〜約2:1であることを特徴とする請求項35に記載の組成物。
【請求項37】
前記アスファルト組成物と共に導入されたブロック共重合体の量が、前記アスファルト及び重合体の全重量に対して約1〜約10重量パーセントであることを特徴とする請求項1に記載の組成物。
【請求項38】
改質アスファルト組成物を形成するための共重合体であって、
次式:
α−(D−V−d)
[式中、Dはそれぞれ独立してポリジエンブロックであり、Vはそれぞれ独立してビニル芳香族ブロックであり、dはそれぞれポリジエン末端キャップであり、αはカップリング部分であり、xは2〜10の整数である]によって規定されるブロック共重合体を含むことを特徴とする共重合体。
【請求項39】
改質アスファルト組成物を形成する方法であって、
ジエン末端をキャップしたブロック共重合体を溶融アスファルト組成物と共に導入する工程を含み、前記ブロック共重合体が、次式:
α−(D−V−d)
[式中、Dはそれぞれ独立してポリジエンブロックであり、Vはそれぞれ独立してビニル芳香族ブロックであり、dはそれぞれポリジエン末端キャップであり、αはカップリング部分であり、xは2〜6の整数である]によって規定されることを特徴とする方法。
【請求項40】
舗装体であって、
ジエン末端をキャップしたブロック共重合体を溶融アスファルト組成物と共に導入することで調製された改質アスファルト組成物で用意したアスファルト舗装用組成物を表面に堆積させることによって作製され、前記ブロック共重合体が、次式:
α−(D−V−d)
[式中、Dはそれぞれ独立してポリジエンブロックであり、Vはそれぞれ独立してビニル芳香族ブロックであり、dはそれぞれポリジエン末端キャップであり、αはカップリング部分であり、xは2〜10の整数である]によって規定されることを特徴とする舗装体。

【公表番号】特表2010−525106(P2010−525106A)
【公表日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−504121(P2010−504121)
【出願日】平成20年4月18日(2008.4.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/005123
【国際公開番号】WO2008/130695
【国際公開日】平成20年10月30日(2008.10.30)
【出願人】(508196070)
【出願人】(303035053)ファイアストン ポリマーズ エルエルシー (1)
【Fターム(参考)】