重量物管理装置
【課題】 作業者に負担を課すことなく、自動的に重量物の保管位置を管理できる重量物管理装置を提供する。
【解決手段】 重量物管理装置21は、保管される重量物24に対して対応する垂直面の位置に取付けられるICタグ23a〜ICタグ23dと、重量物24を保持するラムアタッチメント27の先端に取付けられ、ICタグ23a〜ICタグ23dの何れかから発信される信号を受信する受信機26と、受信した受信機26の情報に基づいて重量物24の保管位置を算出する制御装置35とから構成されている。制御装置35はラムアタッチメント27に連動する荷重計32の変化に基づいて受信機26の受信データを取込み、制御部37を中心として重量物24の保管位置を置場管理テーブル41に記録する。
【解決手段】 重量物管理装置21は、保管される重量物24に対して対応する垂直面の位置に取付けられるICタグ23a〜ICタグ23dと、重量物24を保持するラムアタッチメント27の先端に取付けられ、ICタグ23a〜ICタグ23dの何れかから発信される信号を受信する受信機26と、受信した受信機26の情報に基づいて重量物24の保管位置を算出する制御装置35とから構成されている。制御装置35はラムアタッチメント27に連動する荷重計32の変化に基づいて受信機26の受信データを取込み、制御部37を中心として重量物24の保管位置を置場管理テーブル41に記録する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は重量物管理装置に関し、特に筒状の重量物の保管、取出しにおける置場の管理に用いられる重量物管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、倉庫に保管される条鋼コイル等の重量物の管理は、重量物の保管又は取出しに携わる作業員が把握する位置データに基づいてなされていた。即ち、重量物を保管する際には、保管位置を管理データに記録し、取出す際には取出した重量物の元の位置のデータを管理データから削除するようにしていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような従来の方法では、作業員の記録、削除に基づくため、管理が不正確になり易く、又、作業員にも負担を強いることになる。そこで、ICタグを重量物に取付けてこれを読み取って管理する方法が考えられるが、特に鉄製の重量物に対してはICタグの適性が良くない。
【0004】
更に、レーザー距離計を用いてクレーン等の位置を測定して取扱う重量物を管理することが考えられるが、重量物の取扱い作業に連動するものではないため、管理が煩雑となる。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、作業者に負担を課すことなく自動的に重量物の保管位置を管理できる重量物管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、床面に対して平行な列方向と前記床面に対して垂直な高さ方向とからなる基準面に平行に俵積み状又は段積み状に保管される複数の重量物の保管位置を管理するための重量物管理装置であって、基準面に対する重量物の各々の投影位置に配置され、対応する重量物の保管位置に向かって位置データを発信する複数の送信機と、重量物の何れかの保管又は取出しのタイミングに応じて、送信機の何れかから発信された位置データを受信する受信機と、受信された位置データに基づいて、保管又は取出された重量物の保管位置を判別する制御手段とを備えたものである。
【0007】
このように構成すると、重量物の保管又は取出しにおいて、対応する送信機から発信された位置データが受信される。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、重量物は基準面に対して直交する奥行き方向にも複数整列して保管され、制御手段は、重量物の保管順序に基づいて奥行き方向の位置も含めた重量物の保管位置を判別するものである。
【0009】
このように構成すると、重量物の保管順序によって奥行き方向の位置も特定できる。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、重量物の保管又は取出しに用いられる移動体を更に備え、移動体には、重量物を持ち上げるための支持体と、支持体に加わる荷重の変化を読み取る荷重計とが設けられ、制御手段は、荷重が変化した時点での位置データに基づいて、保管位置を判別するものである。
【0011】
このように構成すると、制御手段が用いる位置データは、保管又は取出された重量物に対応する。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成において、重量物は軸方向を奥行き方向とした円筒形状を有し、発信機は基準面上に配置されたICタグを含み、移動体はフォークリフトであると共に、支持体はフォークリフトに対して水平方向に延びると共に、上下方向に移動自在なラムアタッチメントであり、受信機はラムアタッチメントの先端部の下面に設置されるものである。
【0013】
このように構成すると、発信機と受信機との間には何ら障害物がない。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、発信機は、ICタグの周囲を囲い、対応する重量物の方向以外への位置データの拡散を防止するための反射体を更に含むものである。
【0015】
このように構成すると、位置データの受信機の受信状態がより安定する。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、対応する送信機から発信された位置データが受信されるため、精度の高い重量物の保管位置の管理が可能となる。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、重量物の保管順序によって奥行き方向の位置も特定できるため、重量物の立体的な保管位置の管理が可能となる。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、制御手段が用いる位置データは保管又は取出された重量物に対応するため、信頼性の高い保管位置の管理が可能となる。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の効果に加えて、発信機と受信機との間には何ら障害物がないため、位置データの受信が安定し、装置の信頼性が向上する。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、位置データの受信機での受信状態がより安定するため、装置の信頼性が更に向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1はこの発明の第1の実施の形態による重量物管理装置の概略構成を示したブロック図である。
【0022】
図を参照して、重量物管理装置21は、位置データを常時発信するアクティブタイプの送信機であるICタグ23a〜ICタグ23dと、ICタグ23a〜ICタグ23dの何れかから発信された位置データを受信する受信機26と、受信機26が受信した位置データに基づいて、重量物24の保管位置を判別する制御装置35とから構成されている。受信機26は重量物24を支持するための支持体であるラムアタッチメント27の先端下面に設けられている。ラムアタッチメント27は移動体であるフォークリフト31に取付けられ、上下移動可能とされている。又、フォークリフト31は床面47上を前後左右に移動可能なように構成されている。
【0023】
一方、制御装置35は、制御部37を中心として構成され、更に受信機26から無線等により転送されてきた位置データを受信するためのデータ受信部38と、重量物24の種類等が入力される入力部40と、制御部37によって判別された重量物24の保管位置を管理するための置場管理テーブル41とから構成されている。
【0024】
このように重量物管理装置21は構成されており、フォークリフト31による重量物24の保管や取出し作業に基づいて自動的にその保管位置が置場管理テーブル41に格納されるものである。
【0025】
図2はこの発明の第1の実施の形態による重量物管理装置に用いられるICタグ取付構造体の正面図であり、図3は図2で示したIII−IIIラインから見た平面図であり、図4は図2で示したIV−IVラインから見た側面図であり、図5は図2で示したV−Vラインの拡大断面図であり、図6は図2で示したICタグとこれを囲う反射体の位置関係を示した概略斜視図である。
【0026】
これらの図を参照して、ICタグ取付構造体43は、床面47の上に垂直方向に取付けられた格子状の鋼材等よりなるフレーム44により構成されている。フレーム44の各々の間のスペースには俵積み状の対応位置に複数の反射体45が取付けられ、その中央に複数のICタグ23が各々取付けられている。即ち、ICタグ23は床面47に近い1段目には4個が配置され、その上の段には3個が、更にその上の段には2個配置されている。尚、ICタグ23のこれらの位置は後述するように床面47上に俵積み状に保管される複数の重量物の水平方向の投影位置に対応しているものである。
【0027】
又、図3に示されているように、フレーム44の一方方向の床面47の上面には2本を1組としたスペース材48が4組設置されている。尚、このスペース材48は、後述する条鋼コイル等の円筒状の重量物を安定状態で設置させるためのものである。
【0028】
更に、図3及び図4に示されているようにフレーム44の背面側には側面視三角形状の補強材49が取付けられている。これは重量物をフレーム44に対して凭れさせるように保管した際、フレーム44に加わる荷重に対してフレーム44を補強するためのものである。
【0029】
図5及び図6に示されているように反射体45はフレーム44で構成されたスペースの中に配置され、その中央部にICタグ23が吊るされた状態で設置されている。反射体45は、一方面にアルミ蒸着されたポリエステルシートと、ポリエステルシートの反対面に張合わされた発泡ポリエチレンシートからなる合成シートを筒状に形成したものである。これによって、反射体45の中央部に取付けられたICタグ23から発信される信号の拡散を防止し、その到達指向性が高められる。
【0030】
尚、この実施の形態にあっては、ICタグ23はフレーム44に9個取付けられているが、各々から発信される信号は異なり、その信号を受信することによって何れのICタグ23から発信されたものであるかを判別できるように構成されている。
【0031】
図7は、図2に対応した図であって、条鋼コイル等の円筒状の重量物24が俵積み状に保管された状態を示す図であり、図8は図7で示したVIII−VIIIラインから見た平面図であり、図9は図7で示したIX−IXラインから見た側面図である。
【0032】
これらの図を参照して、重量物24は床面47に対して平行な列方向と、床面47に対して垂直な高さ方向とからなる基準面に対してこれに沿うようにフレーム44が設置されている。重量物24はこの基準面に平行に俵積み状に保管されている。又、重量物24は図8及び図9に示されているように基準面に対して直交する奥行き方向にも複数整列して保管されている。具体的には、重量物24はフレーム44に1番近い奥行き方向の位置にあっては、図7に示されているように下の段には4個が配置され、中段には3個配置されて上段には2個が配置されている。又、フレーム44に対する奥行き方向から2番目と3番目における重量物24も同様の個数が配置されている。そして、フレーム44から奥行き方向に対して1番遠い位置にあっては、重量物24(図8においては右下のもの)は2個のみスペース材48上に設置されている。
【0033】
このように多数の重量物24がフレーム44に寄り掛かるように保管されているが、各円筒形状の軸方向は全て床面47に対して水平方向となるように配置されている。したがって、図7に示されているように、重量物24のフレーム44とは反対面から見た場合、重量物24の内部空間を通して反射体45に囲われているICタグ23を直視できるように構成されている。即ち、ICタグ23の各々から発信される位置データは反射体45による拡散防止効果と共に、対応する重量物24の内部空間を通して伝達されることになる。
【0034】
図10は図8で示した状態から新たな重量物を保管しようとした状態を示した平面図であり、図11はこれに対応する側面図である。
【0035】
これらの図を参照して、フォークリフト31の前面には水平方向に延びるラムアタッチメント27が取付けられ、ラムアタッチメント27は、フォークリフト31における操作によって上下に移動自在に構成されている。ラムアタッチメント27の先端下面には受信機26が取付けられている。重量物24aを保管しようとする際には、図示しない別の場所に配置されている重量物24aの中央スペースにラムアタッチメント27を挿入する。そして、この状態でラムアタッチメント27を上昇させることによって、重量物24aを持ち上げることができる。次に、重量物24aをラムアタッチメント27で保持した状態でフォークリフト31を移動させ、重量物24aを重量物24b及び重量物24cの上方まで移動させる。重量物24aを所定の上方位置まで移動させると、ラムアタッチメント27を降下させる。これによって、重量物24aは重量物24b及び重量物24cの間の上に積載される。ラムアタッチメント27を更に降下させて重量物24aの保持状態を解除する。そして、フォークリフト31を後退させることによって、ラムアタッチメント27を重量物24aから引出して重量物24aの保管作業が終了する。
【0036】
上述のように、重量物24aを重量物24b及び重量物24cの上に積載すると、同じ段の重量物24と奥行き方向に整列した状態となる。したがって、受信機26は、重量物24aの積載位置に対応した反射体45a内に設置されているICタグ23aから発信された信号を受信することになる。このようにして、重量物24aの保管位置が判別されることになるが、この判別方法について以下説明する。
【0037】
図12はこの発明の第1の実施の形態による重量物管理装置における重量物の保管位置を算出する方法を説明するための概略斜視図である。
【0038】
図のように重量物24が俵積み状に保管されている場合、各重量物24の位置を特定するためには、X方向、Y方向及びZ方向の3つの要素による番地情報が必要である。この実施の形態にあっては、ICタグが配置されている面を基準面として、これをX方向及びY方向の番地で特定するようにしている。即ち、X方向としてはa列からg列までの7列の番地を対応させている。又、垂直上方に対してはイ段からハ段までの3段の番地を対応させている。更に、基準面に対する奥行き方向に対してはZ方向が対応し、基準面側から1番から3番の3つの番地情報により特定するように構成されている。このようにして、X方向、Y方向及びZ方向における番地情報が定まれば、保管されている重量物24の保管位置が特定されることになる。
【0039】
図12にあっては、実線で示されている重量物24が実際に保管されているものとする。又、各重量物24にはそれぞれ対応する品番が付されているものとする。例えば品番M1の重量物24は、X方向の番地がaであり、Y方向の番地がイであり、Z方向の番地が1によって特定されている。図13はこのようにして、実際保管されている重量物24の番地情報を格納した図1で示した置場管理テーブルの具体的内容を示したものである。
【0040】
このようにして、各品番の重量物24が置場管理テーブル41に記載されていると共に、対応する番地情報もそれぞれ記載されている。
【0041】
図14は、図12で示した重量物を保管したり、取出したりした場合の変化を示した概略図であり、図15は図14の保管、取出しの作業に対応させて、その内容が変化する置場管理テーブルの具体的内容を示した概略図である。
【0042】
これらの図を参照して、その(1)は、保管位置にまだ重量物が何も保管されていない状態において、品番M1の重量物24(以下「品番M1」と称する)を保管しようとする状態を示している。尚、品番M1の情報は図1で示した入力部40から入力されることによって、取り扱う重量物の品番が特定されることになる。ラムアタッチメント27を下降させて、品番M1をスペース材48上に降ろすと、ラムアタッチメント27に加わる荷重が消失する。この状態にあっては、受信機26はa列及びイ段に対応するICタグ23(a,イ)から発信された信号を受信している状態である。したがって、ラムアタッチメント27の荷重の消失時に受信機26が受信している受信データによって、品番M1がa列及びイ段の位置に保管されたことが判明する。品番M1の奥行き方向の位置の情報としては、置場管理テーブル41に何も記録されていないことから、1番目の位置であることも判明する。これによって、図15の(1)に示されているように置場管理テーブル41に品番M1に対する番地情報が書込まれる。
【0043】
次に図14の(2)においては、品番M2及びM3の2つの重量物24が同時にラムアタッチメント27によって保持され、保管される場合が示されている。この時ラムアタッチメント27に連動する荷重計の測定値は前もって与えられている1個の重量物24に相当する重量のほぼ2倍となることから、保管すべき対象は品番M2及びM3の2個の重量物24であることが判明する。品番M2及びM3をスペース材48の上であって品番M1の後方側に降ろすと、ラムアタッチメント27に加わる荷重の変化によって受信機26が受信するICタグ23の特定情報が取得される。これによって図15の(2)に示されているように、置場管理テーブル41に品番M2及びM3が書込まれ、各々に対応する番地情報が書込まれることになる。
【0044】
図14(3)は、その(2)の状態から品番M3の重量物24を取出す状態を示した図である。品番M3を取出そうとしてラムアタッチメント27が挿入され、これを持ち上げると、ラムアタッチメント27に荷重が加わることになる。この荷重計の変化が生じた時点における受信機26の受信データを取得する。即ち、その時点でのICタグ23(a,イ)の情報により、取出そうとする品番M3はa列イ段に配置されたものであることが判明する。又、ラムアタッチメント27の荷重計によって、1個の重量物24であることが判明する。すると、取出す前の状態、即ち図15の(2)に示されている置場管理テーブル41の情報から取出そうとする品番は、Z方向では基準面から一番遠い3番目の位置に保管されているM3のものであることが判明する。その結果、置場管理テーブル41はその(3)に示されているように品番M3及びその番地情報が削除されたものに変化する。
【0045】
図4の(4)は、その(3)の状態から品番M1及びM2を取出そうとする状態を示している。この時ラムアタッチメント27の荷重計の情報から、取出そうとしているのは、2つの重量物24であることが判明する。又、ラムアタッチメント27の荷重計の変化によって、受信機26が受信する受信データによってa列及びイ段に配置されている重量物24であることも判明する。これによって、図15の(3)に示されている置場管理テーブル41の内容から品番M1及びM2並びにこれらの番地情報が削除され、(4)に示されているように置場管理テーブル41の内容が書換えられることになる。
【0046】
図14の例にあってはa列イ段のみにおける重量物の保管、取り出しを説明しているが、特定の列段に保管されている重量物を他の列段に移管する場合にも同様の効果を奏する。すなわち、置場管理テーブルから取り出した特定品番の置場情報が一端削除されると共に、その品番の重量物の新たな置場情報が自動的に書き込まれることになる。これによって、所望の重量物を取り出すために手前や上方に積み上げられた他の重量物を一端除去する必要がある場合でも、取り出し中のみならず取り出した後にあってもすべての重量物の置場情報がリアルタイムで置場管理テーブルに常に書き込まれた状態となり、管理の信頼性を向上する。
【0047】
このように、本願発明にあっては、重量物の保管及び取出しをラムアタッチメント27を介して順次行っているだけで、自動的に置場管理テーブル41の内容が書換えられることになる。これによって、重量物24の保管位置を精度良く確実に管理することが可能となる。
【0048】
尚、上記の実施の形態では、管理すべき重量物を条鋼コイルとしているが、鋼鈑コイルや電気ケーブル等の円筒形状の重量物にも同様に適用できる。又、円筒形状以外の形状であっても保管、取り出し時に持ち上げられる重量物であれば同様に適用できる。
【0049】
又、上記の実施の形態では、重量物を俵状に積み上げているが、重量物の形状や保管場所の構造によっては各段同数で且つ垂直方向にすべて整列するような段積み状に重量物を保管する場合にも同様に適用できる。
【0050】
更に、上記の実施の形態では、移動体及び支持体をフォークリフトとラムアタッチメントとで特定しているが、他の移動体及び支持体であっても良い。
【0051】
更に、上記の実施の形態では、送信機としてアクティブタイプのICタグを用いているが、他の送信機を使用しても良い。
【0052】
更に、上記の実施の形態では、ICタグの周りに特定構造の反射体を設けているが、他の構造であっても良く、又、反射体はなくても良い。
【0053】
更に、上記の実施の形態では、基準面側に複数の送信機(ICタグ)を設け、フォークリフト側の1つの受信機で受信しているが、これに代えてフォークリフト側に1つの送信機を設け、これを受信する複数の受信機を基準面側に設けても良い。この場合、保管、取り出し時にどの受信機が受信したかを特定することによって同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】この発明の第1の実施の形態による重量物管理装置の概略構成を示したブロック図である。
【図2】図1で示したICタグが取付けられたICタグ取付構造体の概略形状を示した正面図である。
【図3】図2で示したIII―IIIラインから見た平面図である。
【図4】図2で示したIV−IVラインから見た側面図である。
【図5】図2で示したV−Vラインの拡大断面図である。
【図6】図2で示したICタグの取付け状態を示した概略斜視図である。
【図7】図2に対応した図であって、重量物が保管された状態を示した概略図である。
【図8】図7で示したVIII−VIIIラインから見た平面図である。
【図9】図7で示したIX−IXラインから見た側面図である。
【図10】図8で示した状態から新たな重量物を保管する状態を示した平面図である。
【図11】図10で示したXI−XIラインから見た側面図である。
【図12】図1で示した置場管理テーブルにおける位置情報の考え方を説明するための概略斜視図である。
【図13】図12で示されている重量物の保管状態を示す置場管理テーブルの内容を示した図である。
【図14】図12で示した例に基づいて、重量物の保管及び取出し状態を示した概略図である。
【図15】図14に示した重量物の保管又は取出し作業に対応した置場管理テーブルの変化の状態を示した図である。
【符号の説明】
【0055】
21…重量物管理装置
23…ICタグ
24…重量物
26…受信機
27…ラムアタッチメント
31…フォークリフト
32…荷重計
35…制御装置
41…置場管理テーブル
45…反射体
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【技術分野】
【0001】
この発明は重量物管理装置に関し、特に筒状の重量物の保管、取出しにおける置場の管理に用いられる重量物管理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、倉庫に保管される条鋼コイル等の重量物の管理は、重量物の保管又は取出しに携わる作業員が把握する位置データに基づいてなされていた。即ち、重量物を保管する際には、保管位置を管理データに記録し、取出す際には取出した重量物の元の位置のデータを管理データから削除するようにしていた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記のような従来の方法では、作業員の記録、削除に基づくため、管理が不正確になり易く、又、作業員にも負担を強いることになる。そこで、ICタグを重量物に取付けてこれを読み取って管理する方法が考えられるが、特に鉄製の重量物に対してはICタグの適性が良くない。
【0004】
更に、レーザー距離計を用いてクレーン等の位置を測定して取扱う重量物を管理することが考えられるが、重量物の取扱い作業に連動するものではないため、管理が煩雑となる。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、作業者に負担を課すことなく自動的に重量物の保管位置を管理できる重量物管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、床面に対して平行な列方向と前記床面に対して垂直な高さ方向とからなる基準面に平行に俵積み状又は段積み状に保管される複数の重量物の保管位置を管理するための重量物管理装置であって、基準面に対する重量物の各々の投影位置に配置され、対応する重量物の保管位置に向かって位置データを発信する複数の送信機と、重量物の何れかの保管又は取出しのタイミングに応じて、送信機の何れかから発信された位置データを受信する受信機と、受信された位置データに基づいて、保管又は取出された重量物の保管位置を判別する制御手段とを備えたものである。
【0007】
このように構成すると、重量物の保管又は取出しにおいて、対応する送信機から発信された位置データが受信される。
【0008】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、重量物は基準面に対して直交する奥行き方向にも複数整列して保管され、制御手段は、重量物の保管順序に基づいて奥行き方向の位置も含めた重量物の保管位置を判別するものである。
【0009】
このように構成すると、重量物の保管順序によって奥行き方向の位置も特定できる。
【0010】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、重量物の保管又は取出しに用いられる移動体を更に備え、移動体には、重量物を持ち上げるための支持体と、支持体に加わる荷重の変化を読み取る荷重計とが設けられ、制御手段は、荷重が変化した時点での位置データに基づいて、保管位置を判別するものである。
【0011】
このように構成すると、制御手段が用いる位置データは、保管又は取出された重量物に対応する。
【0012】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の構成において、重量物は軸方向を奥行き方向とした円筒形状を有し、発信機は基準面上に配置されたICタグを含み、移動体はフォークリフトであると共に、支持体はフォークリフトに対して水平方向に延びると共に、上下方向に移動自在なラムアタッチメントであり、受信機はラムアタッチメントの先端部の下面に設置されるものである。
【0013】
このように構成すると、発信機と受信機との間には何ら障害物がない。
【0014】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の構成において、発信機は、ICタグの周囲を囲い、対応する重量物の方向以外への位置データの拡散を防止するための反射体を更に含むものである。
【0015】
このように構成すると、位置データの受信機の受信状態がより安定する。
【発明の効果】
【0016】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、対応する送信機から発信された位置データが受信されるため、精度の高い重量物の保管位置の管理が可能となる。
【0017】
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、重量物の保管順序によって奥行き方向の位置も特定できるため、重量物の立体的な保管位置の管理が可能となる。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、制御手段が用いる位置データは保管又は取出された重量物に対応するため、信頼性の高い保管位置の管理が可能となる。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明の効果に加えて、発信機と受信機との間には何ら障害物がないため、位置データの受信が安定し、装置の信頼性が向上する。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項4記載の発明の効果に加えて、位置データの受信機での受信状態がより安定するため、装置の信頼性が更に向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
図1はこの発明の第1の実施の形態による重量物管理装置の概略構成を示したブロック図である。
【0022】
図を参照して、重量物管理装置21は、位置データを常時発信するアクティブタイプの送信機であるICタグ23a〜ICタグ23dと、ICタグ23a〜ICタグ23dの何れかから発信された位置データを受信する受信機26と、受信機26が受信した位置データに基づいて、重量物24の保管位置を判別する制御装置35とから構成されている。受信機26は重量物24を支持するための支持体であるラムアタッチメント27の先端下面に設けられている。ラムアタッチメント27は移動体であるフォークリフト31に取付けられ、上下移動可能とされている。又、フォークリフト31は床面47上を前後左右に移動可能なように構成されている。
【0023】
一方、制御装置35は、制御部37を中心として構成され、更に受信機26から無線等により転送されてきた位置データを受信するためのデータ受信部38と、重量物24の種類等が入力される入力部40と、制御部37によって判別された重量物24の保管位置を管理するための置場管理テーブル41とから構成されている。
【0024】
このように重量物管理装置21は構成されており、フォークリフト31による重量物24の保管や取出し作業に基づいて自動的にその保管位置が置場管理テーブル41に格納されるものである。
【0025】
図2はこの発明の第1の実施の形態による重量物管理装置に用いられるICタグ取付構造体の正面図であり、図3は図2で示したIII−IIIラインから見た平面図であり、図4は図2で示したIV−IVラインから見た側面図であり、図5は図2で示したV−Vラインの拡大断面図であり、図6は図2で示したICタグとこれを囲う反射体の位置関係を示した概略斜視図である。
【0026】
これらの図を参照して、ICタグ取付構造体43は、床面47の上に垂直方向に取付けられた格子状の鋼材等よりなるフレーム44により構成されている。フレーム44の各々の間のスペースには俵積み状の対応位置に複数の反射体45が取付けられ、その中央に複数のICタグ23が各々取付けられている。即ち、ICタグ23は床面47に近い1段目には4個が配置され、その上の段には3個が、更にその上の段には2個配置されている。尚、ICタグ23のこれらの位置は後述するように床面47上に俵積み状に保管される複数の重量物の水平方向の投影位置に対応しているものである。
【0027】
又、図3に示されているように、フレーム44の一方方向の床面47の上面には2本を1組としたスペース材48が4組設置されている。尚、このスペース材48は、後述する条鋼コイル等の円筒状の重量物を安定状態で設置させるためのものである。
【0028】
更に、図3及び図4に示されているようにフレーム44の背面側には側面視三角形状の補強材49が取付けられている。これは重量物をフレーム44に対して凭れさせるように保管した際、フレーム44に加わる荷重に対してフレーム44を補強するためのものである。
【0029】
図5及び図6に示されているように反射体45はフレーム44で構成されたスペースの中に配置され、その中央部にICタグ23が吊るされた状態で設置されている。反射体45は、一方面にアルミ蒸着されたポリエステルシートと、ポリエステルシートの反対面に張合わされた発泡ポリエチレンシートからなる合成シートを筒状に形成したものである。これによって、反射体45の中央部に取付けられたICタグ23から発信される信号の拡散を防止し、その到達指向性が高められる。
【0030】
尚、この実施の形態にあっては、ICタグ23はフレーム44に9個取付けられているが、各々から発信される信号は異なり、その信号を受信することによって何れのICタグ23から発信されたものであるかを判別できるように構成されている。
【0031】
図7は、図2に対応した図であって、条鋼コイル等の円筒状の重量物24が俵積み状に保管された状態を示す図であり、図8は図7で示したVIII−VIIIラインから見た平面図であり、図9は図7で示したIX−IXラインから見た側面図である。
【0032】
これらの図を参照して、重量物24は床面47に対して平行な列方向と、床面47に対して垂直な高さ方向とからなる基準面に対してこれに沿うようにフレーム44が設置されている。重量物24はこの基準面に平行に俵積み状に保管されている。又、重量物24は図8及び図9に示されているように基準面に対して直交する奥行き方向にも複数整列して保管されている。具体的には、重量物24はフレーム44に1番近い奥行き方向の位置にあっては、図7に示されているように下の段には4個が配置され、中段には3個配置されて上段には2個が配置されている。又、フレーム44に対する奥行き方向から2番目と3番目における重量物24も同様の個数が配置されている。そして、フレーム44から奥行き方向に対して1番遠い位置にあっては、重量物24(図8においては右下のもの)は2個のみスペース材48上に設置されている。
【0033】
このように多数の重量物24がフレーム44に寄り掛かるように保管されているが、各円筒形状の軸方向は全て床面47に対して水平方向となるように配置されている。したがって、図7に示されているように、重量物24のフレーム44とは反対面から見た場合、重量物24の内部空間を通して反射体45に囲われているICタグ23を直視できるように構成されている。即ち、ICタグ23の各々から発信される位置データは反射体45による拡散防止効果と共に、対応する重量物24の内部空間を通して伝達されることになる。
【0034】
図10は図8で示した状態から新たな重量物を保管しようとした状態を示した平面図であり、図11はこれに対応する側面図である。
【0035】
これらの図を参照して、フォークリフト31の前面には水平方向に延びるラムアタッチメント27が取付けられ、ラムアタッチメント27は、フォークリフト31における操作によって上下に移動自在に構成されている。ラムアタッチメント27の先端下面には受信機26が取付けられている。重量物24aを保管しようとする際には、図示しない別の場所に配置されている重量物24aの中央スペースにラムアタッチメント27を挿入する。そして、この状態でラムアタッチメント27を上昇させることによって、重量物24aを持ち上げることができる。次に、重量物24aをラムアタッチメント27で保持した状態でフォークリフト31を移動させ、重量物24aを重量物24b及び重量物24cの上方まで移動させる。重量物24aを所定の上方位置まで移動させると、ラムアタッチメント27を降下させる。これによって、重量物24aは重量物24b及び重量物24cの間の上に積載される。ラムアタッチメント27を更に降下させて重量物24aの保持状態を解除する。そして、フォークリフト31を後退させることによって、ラムアタッチメント27を重量物24aから引出して重量物24aの保管作業が終了する。
【0036】
上述のように、重量物24aを重量物24b及び重量物24cの上に積載すると、同じ段の重量物24と奥行き方向に整列した状態となる。したがって、受信機26は、重量物24aの積載位置に対応した反射体45a内に設置されているICタグ23aから発信された信号を受信することになる。このようにして、重量物24aの保管位置が判別されることになるが、この判別方法について以下説明する。
【0037】
図12はこの発明の第1の実施の形態による重量物管理装置における重量物の保管位置を算出する方法を説明するための概略斜視図である。
【0038】
図のように重量物24が俵積み状に保管されている場合、各重量物24の位置を特定するためには、X方向、Y方向及びZ方向の3つの要素による番地情報が必要である。この実施の形態にあっては、ICタグが配置されている面を基準面として、これをX方向及びY方向の番地で特定するようにしている。即ち、X方向としてはa列からg列までの7列の番地を対応させている。又、垂直上方に対してはイ段からハ段までの3段の番地を対応させている。更に、基準面に対する奥行き方向に対してはZ方向が対応し、基準面側から1番から3番の3つの番地情報により特定するように構成されている。このようにして、X方向、Y方向及びZ方向における番地情報が定まれば、保管されている重量物24の保管位置が特定されることになる。
【0039】
図12にあっては、実線で示されている重量物24が実際に保管されているものとする。又、各重量物24にはそれぞれ対応する品番が付されているものとする。例えば品番M1の重量物24は、X方向の番地がaであり、Y方向の番地がイであり、Z方向の番地が1によって特定されている。図13はこのようにして、実際保管されている重量物24の番地情報を格納した図1で示した置場管理テーブルの具体的内容を示したものである。
【0040】
このようにして、各品番の重量物24が置場管理テーブル41に記載されていると共に、対応する番地情報もそれぞれ記載されている。
【0041】
図14は、図12で示した重量物を保管したり、取出したりした場合の変化を示した概略図であり、図15は図14の保管、取出しの作業に対応させて、その内容が変化する置場管理テーブルの具体的内容を示した概略図である。
【0042】
これらの図を参照して、その(1)は、保管位置にまだ重量物が何も保管されていない状態において、品番M1の重量物24(以下「品番M1」と称する)を保管しようとする状態を示している。尚、品番M1の情報は図1で示した入力部40から入力されることによって、取り扱う重量物の品番が特定されることになる。ラムアタッチメント27を下降させて、品番M1をスペース材48上に降ろすと、ラムアタッチメント27に加わる荷重が消失する。この状態にあっては、受信機26はa列及びイ段に対応するICタグ23(a,イ)から発信された信号を受信している状態である。したがって、ラムアタッチメント27の荷重の消失時に受信機26が受信している受信データによって、品番M1がa列及びイ段の位置に保管されたことが判明する。品番M1の奥行き方向の位置の情報としては、置場管理テーブル41に何も記録されていないことから、1番目の位置であることも判明する。これによって、図15の(1)に示されているように置場管理テーブル41に品番M1に対する番地情報が書込まれる。
【0043】
次に図14の(2)においては、品番M2及びM3の2つの重量物24が同時にラムアタッチメント27によって保持され、保管される場合が示されている。この時ラムアタッチメント27に連動する荷重計の測定値は前もって与えられている1個の重量物24に相当する重量のほぼ2倍となることから、保管すべき対象は品番M2及びM3の2個の重量物24であることが判明する。品番M2及びM3をスペース材48の上であって品番M1の後方側に降ろすと、ラムアタッチメント27に加わる荷重の変化によって受信機26が受信するICタグ23の特定情報が取得される。これによって図15の(2)に示されているように、置場管理テーブル41に品番M2及びM3が書込まれ、各々に対応する番地情報が書込まれることになる。
【0044】
図14(3)は、その(2)の状態から品番M3の重量物24を取出す状態を示した図である。品番M3を取出そうとしてラムアタッチメント27が挿入され、これを持ち上げると、ラムアタッチメント27に荷重が加わることになる。この荷重計の変化が生じた時点における受信機26の受信データを取得する。即ち、その時点でのICタグ23(a,イ)の情報により、取出そうとする品番M3はa列イ段に配置されたものであることが判明する。又、ラムアタッチメント27の荷重計によって、1個の重量物24であることが判明する。すると、取出す前の状態、即ち図15の(2)に示されている置場管理テーブル41の情報から取出そうとする品番は、Z方向では基準面から一番遠い3番目の位置に保管されているM3のものであることが判明する。その結果、置場管理テーブル41はその(3)に示されているように品番M3及びその番地情報が削除されたものに変化する。
【0045】
図4の(4)は、その(3)の状態から品番M1及びM2を取出そうとする状態を示している。この時ラムアタッチメント27の荷重計の情報から、取出そうとしているのは、2つの重量物24であることが判明する。又、ラムアタッチメント27の荷重計の変化によって、受信機26が受信する受信データによってa列及びイ段に配置されている重量物24であることも判明する。これによって、図15の(3)に示されている置場管理テーブル41の内容から品番M1及びM2並びにこれらの番地情報が削除され、(4)に示されているように置場管理テーブル41の内容が書換えられることになる。
【0046】
図14の例にあってはa列イ段のみにおける重量物の保管、取り出しを説明しているが、特定の列段に保管されている重量物を他の列段に移管する場合にも同様の効果を奏する。すなわち、置場管理テーブルから取り出した特定品番の置場情報が一端削除されると共に、その品番の重量物の新たな置場情報が自動的に書き込まれることになる。これによって、所望の重量物を取り出すために手前や上方に積み上げられた他の重量物を一端除去する必要がある場合でも、取り出し中のみならず取り出した後にあってもすべての重量物の置場情報がリアルタイムで置場管理テーブルに常に書き込まれた状態となり、管理の信頼性を向上する。
【0047】
このように、本願発明にあっては、重量物の保管及び取出しをラムアタッチメント27を介して順次行っているだけで、自動的に置場管理テーブル41の内容が書換えられることになる。これによって、重量物24の保管位置を精度良く確実に管理することが可能となる。
【0048】
尚、上記の実施の形態では、管理すべき重量物を条鋼コイルとしているが、鋼鈑コイルや電気ケーブル等の円筒形状の重量物にも同様に適用できる。又、円筒形状以外の形状であっても保管、取り出し時に持ち上げられる重量物であれば同様に適用できる。
【0049】
又、上記の実施の形態では、重量物を俵状に積み上げているが、重量物の形状や保管場所の構造によっては各段同数で且つ垂直方向にすべて整列するような段積み状に重量物を保管する場合にも同様に適用できる。
【0050】
更に、上記の実施の形態では、移動体及び支持体をフォークリフトとラムアタッチメントとで特定しているが、他の移動体及び支持体であっても良い。
【0051】
更に、上記の実施の形態では、送信機としてアクティブタイプのICタグを用いているが、他の送信機を使用しても良い。
【0052】
更に、上記の実施の形態では、ICタグの周りに特定構造の反射体を設けているが、他の構造であっても良く、又、反射体はなくても良い。
【0053】
更に、上記の実施の形態では、基準面側に複数の送信機(ICタグ)を設け、フォークリフト側の1つの受信機で受信しているが、これに代えてフォークリフト側に1つの送信機を設け、これを受信する複数の受信機を基準面側に設けても良い。この場合、保管、取り出し時にどの受信機が受信したかを特定することによって同様の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】この発明の第1の実施の形態による重量物管理装置の概略構成を示したブロック図である。
【図2】図1で示したICタグが取付けられたICタグ取付構造体の概略形状を示した正面図である。
【図3】図2で示したIII―IIIラインから見た平面図である。
【図4】図2で示したIV−IVラインから見た側面図である。
【図5】図2で示したV−Vラインの拡大断面図である。
【図6】図2で示したICタグの取付け状態を示した概略斜視図である。
【図7】図2に対応した図であって、重量物が保管された状態を示した概略図である。
【図8】図7で示したVIII−VIIIラインから見た平面図である。
【図9】図7で示したIX−IXラインから見た側面図である。
【図10】図8で示した状態から新たな重量物を保管する状態を示した平面図である。
【図11】図10で示したXI−XIラインから見た側面図である。
【図12】図1で示した置場管理テーブルにおける位置情報の考え方を説明するための概略斜視図である。
【図13】図12で示されている重量物の保管状態を示す置場管理テーブルの内容を示した図である。
【図14】図12で示した例に基づいて、重量物の保管及び取出し状態を示した概略図である。
【図15】図14に示した重量物の保管又は取出し作業に対応した置場管理テーブルの変化の状態を示した図である。
【符号の説明】
【0055】
21…重量物管理装置
23…ICタグ
24…重量物
26…受信機
27…ラムアタッチメント
31…フォークリフト
32…荷重計
35…制御装置
41…置場管理テーブル
45…反射体
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
床面に対して平行な列方向と前記床面に対して垂直な高さ方向とからなる基準面に平行に俵積み状又は段積み状に保管される複数の重量物の保管位置を管理するための重量物管理装置であって、
各々が、前記基準面に対する前記重量物の各々の投影位置に配置され、対応する前記重量物の保管位置に向かって位置データを発信する複数の送信機と、
前記重量物の何れかの保管又は取出しのタイミングに応じて、前記送信機の何れかから発信された前記位置データを受信する受信機と、
前記受信された前記位置データに基づいて、前記保管又は前記取出された重量物の保管位置を判別する制御手段とを備えた、重量物管理装置。
【請求項2】
前記重量物は前記基準面に対して直交する奥行き方向にも複数整列して保管され、
前記制御手段は、前記重量物の保管順序に基づいて前記奥行き方向の位置も含めた前記重量物の保管位置を判別する、請求項1記載の重量物管理装置。
【請求項3】
前記重量物の保管又は取出しに用いられる移動体を更に備え、
前記移動体には、前記重量物を持ち上げるための支持体と、前記支持体に加わる荷重の変化を読み取る荷重計とが設けられ、
前記制御手段は、前記荷重が変化した時点での前記位置データに基づいて、前記保管位置を判別する、請求項1又は請求項2記載の重量物管理装置。
【請求項4】
前記重量物は軸方向を前記奥行き方向とした円筒形状を有し、
前記発信機は、前記基準面上に配置されたICタグを含み、
前記移動体はフォークリフトであると共に、前記支持体は前記フォークリフトに対して水平方向に延びると共に、上下方向に移動自在なラムアタッチメントであり、
前記受信機は前記ラムアタッチメントの先端部の下面に設置される、請求項3記載の重量物管理装置。
【請求項5】
前記発信機は、前記ICタグの周囲を囲い、対応する前記重量物の方向以外への前記位置データの拡散を防止するための反射体を更に含む、請求項4記載の重量物管理装置。
【請求項1】
床面に対して平行な列方向と前記床面に対して垂直な高さ方向とからなる基準面に平行に俵積み状又は段積み状に保管される複数の重量物の保管位置を管理するための重量物管理装置であって、
各々が、前記基準面に対する前記重量物の各々の投影位置に配置され、対応する前記重量物の保管位置に向かって位置データを発信する複数の送信機と、
前記重量物の何れかの保管又は取出しのタイミングに応じて、前記送信機の何れかから発信された前記位置データを受信する受信機と、
前記受信された前記位置データに基づいて、前記保管又は前記取出された重量物の保管位置を判別する制御手段とを備えた、重量物管理装置。
【請求項2】
前記重量物は前記基準面に対して直交する奥行き方向にも複数整列して保管され、
前記制御手段は、前記重量物の保管順序に基づいて前記奥行き方向の位置も含めた前記重量物の保管位置を判別する、請求項1記載の重量物管理装置。
【請求項3】
前記重量物の保管又は取出しに用いられる移動体を更に備え、
前記移動体には、前記重量物を持ち上げるための支持体と、前記支持体に加わる荷重の変化を読み取る荷重計とが設けられ、
前記制御手段は、前記荷重が変化した時点での前記位置データに基づいて、前記保管位置を判別する、請求項1又は請求項2記載の重量物管理装置。
【請求項4】
前記重量物は軸方向を前記奥行き方向とした円筒形状を有し、
前記発信機は、前記基準面上に配置されたICタグを含み、
前記移動体はフォークリフトであると共に、前記支持体は前記フォークリフトに対して水平方向に延びると共に、上下方向に移動自在なラムアタッチメントであり、
前記受信機は前記ラムアタッチメントの先端部の下面に設置される、請求項3記載の重量物管理装置。
【請求項5】
前記発信機は、前記ICタグの周囲を囲い、対応する前記重量物の方向以外への前記位置データの拡散を防止するための反射体を更に含む、請求項4記載の重量物管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【公開番号】特開2008−302984(P2008−302984A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−148718(P2007−148718)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(501404804)住友金属物流株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(501404804)住友金属物流株式会社 (13)
【Fターム(参考)】
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