説明

量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する固体照明装置

青のスペクトル成分を含有し、スペクトル領域に欠けを有する白色光を放出することができる光源、および光源によって発生された光の少なくとも一部を受けるように位置する光学部品を含み、光学部品は、固体照明装置によって放出される光が、1つ以上の所定波長での光放出で補われた光源からの光放出を含むように、光の青のスペクトル成分の少なくとも一部を、1つ以上の所定波長に変換するための光学材料を含み、光学材料は量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む、固体照明装置。また、照明器具、照明器具のためのカバープレートおよび方法も開示される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権の請求)
本出願は、2008年5月6日に申請された米国特許出願公開第61/050,929号、2009年3月21日に申請された米国特許出願公開第61/162,293号、2009年4月28日に申請された米国特許出願公開第61/173,375号、および2009年5月4日に申請された米国特許出願公開第61/175,430号に対して優先権を主張する。ここに前述した各々はその全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、ナノ粒子を含有する固体照明装置、ナノ粒子を含有する照明器具および部品、ならびに方法の技術分野に関する。
【発明の概要】
【0003】
(発明の要旨)
本発明は、光源、および光源から放出される光の少なくとも一部を受けるように位置する光学部品を含有し、光学部品が、光学部品によって受けた光の一部を1つ以上の所定波長に変換し、装置から放出される光出力の少なくとも1つの特性を変更する、固体照明装置に関する。本発明はまた、少なくとも光源から放出される光の一部を変換するための光学材料を含有する照明器具および部品に関する。本発明はまた、固体照明素子のルーメン/ワット効率を改善する方法に関する。
【0004】
本発明の一態様によると、青のスペクトル成分を含有し、スペクトル領域に欠けを有する白色光を放出することができる光源、および光源によって発生された光の少なくとも一部を受けるように位置する光学部品を含み、光学部品は、固体照明装置によって放出される光が、1つ以上の所定波長での光放出で補われた光源からの光放出を含むように、光の青のスペクトル成分の少なくとも一部を、1つ以上の所定波長に変換するための光学材料を含み、光学材料は量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む、固体照明装置が提供される。
【0005】
特定の好ましい実施形態において、所定波長は、光源のスペクトル領域の欠けを満たすまたは補償するように選択される。特定の実施形態において、例えば、光源が赤のスペクトル領域のスペクトルの欠けを含む白色光を放出する場合には、所定波長は、約575nmから約650nm、約580nmから約630nm、約590nmから約630nm、約590nmから約630nmまたは約600nmから約620nmの範囲にあってよい。特定の実施形態において、波長は約616nmである。
【0006】
特定の実施形態において、例えば、光源がシアンのスペクトル領域にスペクトルの欠けを有する場合には、所定波長は約450nmから約500nmの範囲にあってよい。
【0007】
特定の実施形態において、例えば、光源が1つ以上のスペクトルの欠けと白色光を放出する場合には、光学部品は、(組成、構造および/または寸法に基づいて)1つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を含むことができ、各々の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、光の青のスペクトル成分の一部を、光学材料に含まれている他の型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子の少なくとも1つによって放出された所定波長とは異なる所定波長に変換することができる。
【0008】
異なる所定波長を放出する、2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、1種以上の異なる光学材料に含有されてもよい。特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ結晶は個別の光学材料に含まれてもよい。
【0009】
2つ以上の異なる光学材料を含有する特定の実施形態において、この種の異なる光学材料は、例えば、階層状配置の個別の層としておよび/またはパターン層の個別の特徴として含有されてもよい。
【0010】
異なる所定波長で放出する2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、スタック配置された2つ以上の異なる光学部品に含有されてもよい。この種の実施形態において、各光学部品は上記の1つ以上の光学材料を含有することができる。
【0011】
異なる所定波長で放出する2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する実施形態において、固体照明素子によって放出される光は、このような異なる2つ以上の所定波長での光放出で補われる光放出を含む。このような場合、2つ以上の異なる所定波長は、光源のスペクトルの欠けの1つ以上を満たすまたは補償するように選択される。
【0012】
特定の実施形態において、光学部品による光源の1つ以上のスペクトルの欠けを補償すると、光源からの光出力の平均演色評価数(R)を増加させることもできる。例えば、特定の実施形態において、光学部品は、光源からの光出力の平均演色評価数(R)を少なくとも10%増加させることができる。特定の実施形態において、平均演色評価数(R)は所定の平均演色評価数(R)に増加される。
【0013】
特定の実施形態において、光学部品によって光源の1つ以上のスペクトルの欠けを補償すると、光源からの光出力の相関色温度(CCT)を変更することができる。特定の実施形態において、光学部品は、例えば、少なくとも約1000K、少なくとも約2000K、少なくとも3000K、少なくとも4000Kなど、光源からの光出力の相関色温度を低下させることができる。
【0014】
特定の好ましい実施形態において、光源のルーメン/ワット効率は、光学部品の使用によるCCTの変更によっては実質的に影響されない。
【0015】
特定の実施形態において、CCTは所定のCCTに変更される。
【0016】
特定の好ましい実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は半導体ナノ結晶を含む。
【0017】
特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は少なくとも40%の固体量子効率を有する。特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は少なくとも50%の固体量子効率を有する。特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は少なくとも60%の固体量子効率を有する。
【0018】
特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は固体発光素子の運転中、少なくとも40%の効率を維持する。
【0019】
特定の好ましい実施形態において、光学材料は赤色光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。
【0020】
特定の実施形態において、例えば、光源によって放出される光は、80未満の平均演色評価数(R)を有する。特定の実施形態において、固体照明装置によって放出される光は、80を超える平均演色評価数(R)を有する。特定の実施形態において、固体照明装置によって放出される光は、85を超える平均演色評価数(R)を有する。特定の実施形態において、固体照明装置によって放出される光は、90を超える平均演色評価数(R)を有する。特定の実施形態において、固体照明装置によって放出される光は、95を超える平均演色評価数(R)を有する。特定の実施形態において、固体照明装置によって放出される光の平均演色評価数(R)は、光源によって放出される光の平均演色評価数(R)より少なくとも10%高い。
【0021】
特定の実施形態において、固体照明装置から放出される光は、光源から放出される光の相関色温度より少なくとも約1000K低い相関色温度を有する。
【0022】
特定の実施形態において、固体照明装置から放出される光は、光源から放出される光の相関色温度より少なくとも約2000K低い相関色温度を有する。
【0023】
特定の実施形態において、固体照明装置から放出される光は、光源から放出される光の相関色温度より少なくとも約3000K低い相関色温度を有する。
【0024】
特定の実施形態において、固体照明装置から放出される光は、光源から放出される光の相関色温度より少なくとも約4000K低い相関色温度を有する。
【0025】
特定の実施形態において、固体照明装置は、70%より大きい光源ルーメン/ワット効率を維持する。特定の実施形態において、固体照明装置は、80%より大きい光源ルーメン/ワット効率を維持する。特定の実施形態において、固体照明装置は、90%より大きい光源ルーメン/ワット効率を維持する。特定の実施形態において、固体照明装置は、100%より大きい光源ルーメン/ワット効率を維持する。特定の実施形態において、固体照明装置は、110%より大きい光源ルーメン/ワット効率を維持する。
【0026】
特定の実施形態において、固体照明装置のルーメン/ワット効率は、固体照明装置の色温度の関数としては実質的に変化しない。
【0027】
特定の実施形態において、光学材料は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子が分布している母材をさらに含む。特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約0.001から約5重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約0.5から約3重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約1から約3重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約1から約2重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。
【0028】
特定の実施形態において、光学材料は光散乱材をさらに含む。特定の実施形態において、光散乱材は光散乱粒子を含む。特定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約0.001から約5重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。特定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約0.5から約3重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。特定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約1から約3重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。特定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約1から約2重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。
【0029】
特定の実施形態において、光学部品は支持要素をさらに含む。好ましくは、支持要素は、光源から放出される光、およびナノ粒子から放出される光に対して光学的に透明である。
【0030】
特定の実施形態において、支持要素は他の任意の層を含むことができる。
【0031】
特定の実施形態において、支持要素は他の任意の特徴を含むことができる。
【0032】
特定の実施形態において、光学材料は少なくとも部分的に封入されている。
【0033】
特定の実施形態において、光学材料は完全に封入されている。
【0034】
特定の実施形態において、支持要素を含有する光学部品は、固体照明装置のためのカバープレートとして役立つことができる。
【0035】
特定の実施形態において、支持要素は、固体照明装置の光拡散部品を含む。
【0036】
特定の実施形態において、支持要素は剛体である。
【0037】
特定の実施形態において、支持要素は可撓性である。
【0038】
特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料は、支持要素の表面を覆って配置される。好ましくは、光学材料は支持要素の主面を覆って配置される。好ましくは、光学材料は光源に面する支持要素の表面を覆って配置される。
【0039】
特定の実施形態において、光学材料は、支持要素の表面の所定の領域を覆う1つ以上の層として配置される。
【0040】
特定の実施形態において、層は量子閉じ込め半導体ナノ粒子が分布している母材をさらに含有する光学材料を含む。特定の実施形態において、層は、母材の重量に対して約0.001から約5重量パーセントの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する。特定の実施形態において、層は光散乱材をさらに含む。特定の実施形態において、光散乱材は、母材の重量の約0.001から約5重量パーセントの範囲の量で層に含有されている。
【0041】
特定の実施形態において、母材を含有する光学材料を含有する層は、例えば約0.1ミクロンから約1cmの厚さを有する。特定の実施形態において、母材を含有する光学材料を含む層は、約0.1から約200ミクロンの厚さを有する。特定の実施形態において、母材を含有する光学材料を含有する層は、約10から約200ミクロンの厚さを有する。特定の実施形態において、母材を含有する光学材料を含有する層は、約30から約80ミクロンの厚さを有する。
【0042】
特定の好ましい実施形態において、光学材料は光源と直接接触しない。
【0043】
特定の好ましい実施形態において、光学部品は光源と直接接触しない。
【0044】
特定の好ましい実施形態において、運転中の固体発光素子中のナノ粒子の位置での温度は、90℃以下である。
【0045】
特定の好ましい実施形態において、運転中の固体発光素子中のナノ粒子の位置での温度は、75℃以下である。
【0046】
特定の好ましい実施形態において、運転中の固体発光素子中のナノ粒子の位置での温度は、60℃以下である。
【0047】
特定の好ましい実施形態において、運転中の固体発光素子中のナノ粒子の位置での温度は、50℃以下である。
【0048】
特定の好ましい実施形態において、運転中の固体発光素子中のナノ粒子の位置での温度は、40℃以下である。
【0049】
特定の好ましい実施形態において、運転中の固体発光素子中のナノ粒子の位置での温度は、約30℃から約60℃の範囲にある。
【0050】
特定の実施形態において、光源は白色発光素子を含む。(発光素子はまた本明細書において「LED」とも呼ばれる)。
【0051】
特定の好ましい実施形態において、白色発光LEDは、青色LED光出力を白色光に変換するための蛍光体物質を含有する青色発光半導体LEDを含む。特定の実施形態において、光学材料は、オレンジから赤のスペクトル(例えば約575nmから約650nm)領域の光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。特定の実施形態において、光学材料は、赤のスペクトル領域の光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。特定の実施形態において、光学材料は、オレンジのスペクトル領域の光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。特定の実施形態において、光学材料は、シアンのスペクトル領域の光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。特定の実施形態において、光学材料は、光源が欠けを有する1つ以上の他のスペクトル領域の光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。
【0052】
特定の実施形態において、白色発光LEDは、UVLED光出力を白色光に変換する蛍光体物質を含有するUV発光半導体LEDを含む。特定の実施形態において、光学材料は、オレンジから赤のスペクトル(例えば約575nmから約650nm)領域の光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。特定の実施形態において、光学材料は、赤のスペクトル領域の光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。特定の実施形態において、光学材料は、シアンのスペクトル領域の光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。特定の実施形態において、光学材料は、オレンジのスペクトル領域の光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。特定の実施形態において、光学材料は、光源が欠けを有する1つ以上の他のスペクトル領域の光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。
【0053】
特定の実施形態において、固体照明装置は、青のスペクトル領域での放出を含有し、赤のスペクトル領域に欠けを有する白色光を放出することができるLEDを含む光源、およびLEDによって放出される光を受けるように位置する光学部品を含み、光学部品は、固体照明装置によって放出される光が赤のスペクトル領域での光放出で補われたLED光源からの白色光の放出を含むように、青のスペクトル領域での放出の少なくとも一部を約600nmから約620nmの範囲の波長を持つ赤のスペクトル領域の光に変換するための光学材料を含み、光学材料は量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。
【0054】
特定の実施形態において、固体照明装置は、青のスペクトル領域での放出を含みオレンジから赤のスペクトル領域に欠けを有する白色光を放出することができるLEDを含む光源、およびLEDによって放出される光を受けるように位置する光学部品を含み、光学部品は、固体照明装置によって放出される光が約575nmから約650nmのスペクトル領域での光放出で補われたLED光源からの白色光の放出を含むように、青のスペクトル領域での放出の少なくとも一部を約575nmから約650nmのスペクトル領域の光に変換するための光学材料を含み、光学材料は量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。特定の実施形態において、例えば、光学材料は、青のスペクトル放出の少なくとも一部を、約575nmから約650nm、約580から約630nm、約590nmから約630nm、約600nmから約620nmなどのスペクトル領域の光に変換することができる。特定の実施形態において、この波長は約616nmである。
【0055】
特定の実施形態において、青のスペクトル領域での放出の少なくとも10%は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって変換される。
【0056】
特定の実施形態において、青のスペクトル領域での放出の少なくとも30%は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって変換される。
【0057】
特定の実施形態において、青のスペクトル領域での放出の少なくとも60%は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって変換される。
【0058】
特定の実施形態において、青のスペクトル領域での放出の少なくとも90%は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって変換される。
【0059】
特定の実施形態において、青のスペクトル領域での放出の約50%から約75%は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって変換される。
【0060】
特定の実施形態において、光学材料に含有されている量子閉じ込め半導体ナノ粒子はカドミウムを含まない。
【0061】
特定の実施形態において、光学材料に含有されている量子閉じ込め半導体ナノ粒子はIII−V半導体材料を含む。
【0062】
特定の実施形態において、光学材料に含有されている量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、半導体材料を含むコアおよびコアの表面の少なくとも一部上に配置された無機のシェルを含む半導体ナノ結晶を含む。
【0063】
本発明の別の態様によると、本明細書において教示された固体照明装置を含む内視鏡光源が提供される。
【0064】
本発明の別の態様によると、本明細書において教示された光学部品を含む内視鏡光源が提供される。
【0065】
本発明の別の態様によると、青のスペクトル成分およびスペクトルの別の領域にスペクトルの少なくとも1つの欠けを含む白色光を放出する光源を用いる有用な光学部品が提供され、光学部品は、光源からの光出力の青のスペクトル成分の少なくとも一部を1つ以上の異なる所定波長に変換するための光学材料を含み、光学材料は量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。
【0066】
特定の好ましい実施形態において、所定波長は、スペクトルの欠けのある領域の少なくとも1つにおいて、例えば光源の光出力を補うことにより、光源のスペクトルの欠けの少なくとも1つを満たすまたは補償するように選択される。
【0067】
特定の実施形態において、例えば、光源が赤のスペクトル領域のスペクトルの欠けを持つ白色光を放出する場合には、所定波長は約575nmから約650nm、約580nmから約630nm、約590nmから約630nm、約600nmから620nmなどの範囲にあってよい。特定の好ましい実施形態において、この波長は約616nmである。
【0068】
特定のさらに好ましい実施形態において、光学材料は1つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含み、光源からの光出力の1つ以上のスペクトルの欠けを補償するために、異なる型は1つ以上の異なる所定波長を放出することができる。
【0069】
特定の実施形態において、例えば、光源がシアンのスペクトル領域のスペクトルの欠けを持つ白色光を放出する場合には、所定波長は約450nmから約500nmの範囲にあってよい。
【0070】
特定の実施形態において、光学部品は、(組成、構造および/または寸法に基づいて)1種以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を含有し、各々の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、光学材料に含有されている他の型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって放出される所定波長と同一でありまたは異なってもよい所定波長で光を放出し、1つ以上の異なる所定波長は、光学材料が、意図された光源の1つ以上のスペクトルの欠けを補償するように選択される。2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、少なくとも2つの型は、光学部品に含有されていてもよい他の型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって放出される所定波長とは異なる所定波長の光を放出することができる。
【0071】
異なる所定波長で放出する2種以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は1種以上の異なる光学材料に含有されていてもよい。
【0072】
異なる所定波長で放出する2種以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は2つ以上の異なる光学材料に含有されていてもよい。
【0073】
2つ以上の異なる光学材料を含有する特定の実施形態において、この種の異なる光学材料は、例えば階層状配置の個別の層としておよび/またはパターン層の個別の特徴として含有されていてもよい。
【0074】
特定の実施形態において、光源の1つ以上のスペクトルの欠けを光学部品によって補償すると、光源からの光出力の平均演色評価数(R)を増加させることもできる。例えば、特定の実施形態において、光学部品は、光源からの光出力の平均演色評価数(R)を少なくとも10%増加させることができる。特定の実施形態において、平均演色評価数(R)は所定の平均演色評価数(R)に増加される。
【0075】
特定の実施形態において、光源の1つ以上のスペクトルの欠けを光学部品によって補償すると、光源からの光出力の相関色温度(CCT)を変更することができる。特定の実施形態において、光学部品は、例えば少なくとも約1000K、少なくとも約2000K、少なくとも3000K、少なくとも4000Kなど、光源から光出力の相関色温度を低下させることができる。
【0076】
特定の実施形態において、光源のルーメン/ワット効率は、光学部品の使用によるCCTの変更には実質的に影響されない。
【0077】
特定の実施形態において、CCTは所定のCCTに変更される。
【0078】
特定の好ましい実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は半導体ナノ結晶を含む。
【0079】
特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は少なくとも40%の固体量子効率を有する。特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は少なくとも50%の固体量子効率を有する。特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は少なくとも60%の固体量子効率を有する。
【0080】
特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、光学部品の使用中に少なくとも40%の効率を維持する。
【0081】
特定の好ましい実施形態において、光学材料は、赤色発光することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。他の特定の好ましい実施形態において、光学材料は、オレンジから赤のスペクトル領域の光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。
【0082】
特定の実施形態において、光学材料は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子が分布している母材をさらに含む。特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約0.001から約5重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約0.5から約3重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約1から約3重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約1から約2重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。
【0083】
特定の実施形態において、光学材料は光散乱材をさらに含む。
【0084】
特定の実施形態において、光散乱材は光散乱粒子を含む。特定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約0.001から約5重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。特定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約0.5から約3重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。特定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約1から約3重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。特定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約1から約2重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。
【0085】
特定の実施形態において、光学部品は支持要素をさらに含む。好ましくは、支持要素は、光源から放出される光、およびナノ粒子から放出される光に対して光学的に透明である。
【0086】
特定の実施形態において、支持要素を含有する光学部品は、固体照明装置のためのカバープレートとして役立つことができる。
【0087】
特定の実施形態において、支持要素は、固体照明装置の光拡散部品を含む。
【0088】
特定の実施形態において、支持要素は剛体である。
【0089】
特定の実施形態において、支持要素は可撓性である。
【0090】
特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料は、支持要素の表面を覆って配置される。好ましくは、光学材料は、光源に面する支持要素の表面を覆って配置される。
【0091】
特定の実施形態において、光学材料は、支持要素の表面の所定の領域を覆う1つ以上の層として配置される。
【0092】
特定の実施形態において、層は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子が分布している母材をさらに含有する光学材料を含む。特定の実施形態において、層は、母材の重量に対して約0.001から約5重量パーセントの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する。特定の実施形態において、層は光散乱材をさらに含む。特定の実施形態において、光散乱材は、母材の重量の約0.001から約5重量パーセントの範囲の量で層に含有されている。
【0093】
特定の実施形態において、母材を含有する光学材料を含有する層は、例えば、約0.1ミクロンから約1cmの厚さを有する。特定の実施形態において、母材を含有する光学材料を含有する層は、約0.1から約200ミクロンの厚さを有する。特定の実施形態において、母材を含有する光学材料を含有する層は、約10から約200ミクロンの厚さを有する。特定の実施形態において、母材を含有する光学材料を含有する層は、約30から約80ミクロンの厚さを有する。
【0094】
特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域での放出の少なくとも10%を1つ以上の所定波長に変換することができる。
【0095】
特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域での放出の少なくとも30%を1つ以上の所定波長に変換することができる。
【0096】
特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域での放出の少なくとも60%を1つ以上の所定波長に変換することができる。
【0097】
特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域での放出の少なくとも90%を1つ以上の所定波長に変換することができる。
【0098】
特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域での放出の約50%から約75%を1つ以上の所定波長に変換することができる。
【0099】
特定の実施形態において、光学材料に含有されている量子閉じ込め半導体ナノ粒子はカドミウムを含まない。
【0100】
特定の実施形態において、光学材料に含有されている量子閉じ込め半導体ナノ粒子はIII−V半導体材料を含む。
【0101】
特定の実施形態において、光学材料に含有されている量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、半導体材料を含むコアおよびコアの表面の少なくとも一部に配置された無機のシェルを含む半導体ナノ結晶を含む。
【0102】
特定の実施形態において、光学材料は少なくとも部分的に封入されている。
【0103】
特定の実施形態において、光学材料は完全に封入されている。
【0104】
本発明の別の態様によると、固体半導体発光素子を受けるのに適合した照明器具が提供され、器具は、光源によって発生された光の少なくとも一部が、器具から放出される前に、光学部品を通過するように、光源の位置に対して器具内に位置する光学部品を含み、光学部品は、光源から放出される光のスペクトルを補うために第1の所定波長の光を1つ以上の異なる所定波長を有する光に変換することができる光学材料を含み、光学部品は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を含む。
【0105】
特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を光源が欠けを有する1つ以上のスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に、変換することができる。
【0106】
特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長をオレンジから赤のスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に、変換することができる。特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を赤のスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に、変換することができる。特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長をシアンのスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に、変換することができる。特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を赤のスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に、およびオレンジのスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に、変換することができる。特定の実施形態において、例えば、第1の所定波長が1つ以上の異なる所定波長に変換されることになる場合、光学材料は、(組成、構造および/または寸法に基づいて)1つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含み、各々の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、第1の所定波長の一部を1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。そのような場合、1つ以上の異なる所定波長は、カバープレートが意図して使用される光源のスペクトルの1つ以上の欠けを満たすまたは補償するように選択される。
【0107】
異なる所定波長で放出する2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は1種以上の異なる光学材料に含有されていてもよい。
【0108】
異なる所定波長で放出する2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は2つ以上の異なる光学材料に含有されていてもよい。
【0109】
2つ以上の異なる光学材料を含有する特定の実施形態において、この種の異なる光学材料は、例えば、階層状配置の個別の層としておよび/またはパターン層の個別の特徴として含有されていてもよい。
【0110】
特定の実施形態において、光学材料は、ナノ粒子が分布している母材をさらに含む。特定の好ましい実施形態において、母材は固体の母材である。
【0111】
特定の実施形態において、光学材料は、材料中に分布している光散乱材をさらに含む。
【0112】
特定の実施形態において、光学部品は支持要素をさらに含む。好ましくは、支持要素は、光源から放出される光、およびナノ粒子から放出される光に対して光学的に透明である。
【0113】
特定の実施形態において、支持要素を含む光学部品は、照明器具のためのカバープレートとして役立つことができる。
【0114】
特定の実施形態において、支持要素は、照明器具の光拡散部品を含む。
【0115】
特定の実施形態において、支持要素は剛体である。
【0116】
特定の実施形態において、支持要素は可撓性である。
【0117】
特定の実施形態において、照明器具は、本明細書に記載された光学材料を含む。
【0118】
特定の実施形態において、照明器具は、本明細書において教示された光学部品を含む。
【0119】
本発明のさらなる態様において、固体半導体発光素子のための照明器具への取り付けに適合したカバープレートが提供され、カバープレートは、内側表面および外側表面ならびに照明器具の設計に基づいた所定形状を有する光学的に透明な基板、基板の主面に配置された光学材料、および照明器具にカバープレートを取り付ける手段を含み、光学材料は、光学材料を通過する光のスペクトルを補うために、第1の所定波長を1つ以上の異なる所定波長に変換することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。
【0120】
特定の実施形態において、例えば、第1の所定波長が1つ以上の異なる所定波長に変換されることになる場合、光学材料は(組成、構造および/または寸法に基づいて)1つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含み、各々の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、第1の所定波長の一部を1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。そのような場合、1つ以上の異なる所定波長は、カバープレートが意図して使用される光源のスペクトルの1つ以上の欠けを満たすまたは補償するように選択される。
【0121】
異なる所定波長で放出する2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は1種以上の異なる光学材料に含有されていてもよい。
【0122】
異なる所定波長で放出する2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は2つ以上の異なる光学材料に含有されていてもよい。
【0123】
2つ以上の異なる光学材料を含有する特定の実施形態において、この種の異なる光学材料は、例えば、階層状配置の個別の層としておよび/またはパターン層の個別の特徴として含有されていてもよい。
【0124】
特定の実施形態において、光学材料は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を、赤のスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を、オレンジから赤のスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を、赤のスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を、シアンのスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を、オレンジのスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を、赤のスペクトル領域の1つ以上の所定波長、およびオレンジのスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。特定の実施形態において、光学材料は、光源が欠けを有する1つ以上の他のスペクトル領域の光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。
【0125】
特定の実施形態において、光学材料は、ナノ粒子が分布している母材をさらに含む。特定の好ましい実施形態において、母材は固体の母材である。
【0126】
特定の実施形態において、光学材料は、母材に分布している光散乱粒子をさらに含む。
【0127】
特定の実施形態において、光学材料は少なくとも部分的に封入されている。
【0128】
特定の実施形態において、光学材料は完全に封入されている。
【0129】
特定の実施形態において、カバープレートは、本明細書に記載された光学材料を含む。
【0130】
特定の実施形態において、カバープレートは、本明細書に教示された光学部品を含む。
【0131】
本発明のさらなる態様において、固体半導体発光素子への取り付けに適合したカバープレートが提供され、カバープレートは、内側表面および外側表面ならびに照明装置の設計に基づいた所定形状を有する光学的に透明な基板、基板の主面に配置された光学材料、および照明装置(好ましくは装置の発光面)にカバープレートを取り付ける手段を含み、光学材料は、光学材料を通過する光のスペクトルを補うために、第1の所定波長を有する光を1つ以上の異なる所定波長に変換することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。
【0132】
特定の実施形態において、例えば、第1の所定波長が1つ以上の異なる所定波長に変換されることになる場合、光学材料は(組成、構造および/または寸法に基づいて)1つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含み、各々の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、第1の所定波長の一部を1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。そのような場合、1つ以上の異なる所定波長は、カバープレートが意図して使用される光源のスペクトルの欠けの1つ以上を満たすまたは補償するように選択される。
【0133】
異なる所定波長で放出する2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、1種以上の異なる光学材料に含有されていてもよい。
【0134】
異なる所定波長で放出する2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、2つ以上の異なる光学材料に含有されていてもよい。
【0135】
2つ以上の異なる光学材料を含有する特定の実施形態において、この種の異なる光学材料は、例えば、階層状配置の個別の層としておよび/またはパターン層の個別の特徴として含有されていてもよい。
【0136】
特定の実施形態において、光学材料は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を、赤のスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する。特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を、オレンジから赤のスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を、赤のスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を、シアンのスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を、オレンジのスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を、赤のスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長、またはオレンジのスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。特定の実施形態において、光学材料は、光源が欠けを有する1つ以上の他のスペクトル領域の光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。
【0137】
特定の実施形態において、光学材料は、ナノ粒子が分布している母材をさらに含む。特定の好ましい実施形態において、母材は固体の母材である。
【0138】
特定の実施形態において、光学材料は、母材に分布している光散乱粒子をさらに含む。
【0139】
特定の実施形態において、光学材料は少なくとも部分的に封入されている。
【0140】
特定の実施形態において、光学材料は完全に封入されている。
【0141】
特定の実施形態において、カバープレートは、本明細書に記載された光学材料を含む。
【0142】
特定の実施形態において、カバープレートは、本明細書に教示された光学部品を含む。
【0143】
本発明のさらなる態様において、青および黄のスペクトル領域での放出を含有するスペクトルの出力を有する白色発光固体半導体発光素子のルーメン/ワット効率を改善する方法が提供され、本方法は、青の放出の少なくとも一部を光学材料中へ通過させることを含み、青のスペクトルの放出の少なくとも一部を約575から約650nmの範囲の1つ以上の放出に変換し、光学材料は量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。
【0144】
特定の実施形態において、例えば、光学材料は、青のスペクトルの放出の少なくとも一部を、約580nmから約630nm、約590nmから約630nm、約600nmから約620nmなどの範囲の1つ以上の放出に変換することができる。特定の実施形態において、この波長は約616nmである。
【0145】
特定の実施形態において、異なる所定波長で放出する1つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、1種以上の異なる光学材料に含有されていてもよい。
【0146】
異なる所定波長で放出する2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、2つ以上の異なる光学材料に含有されていてもよい。
【0147】
特定の実施形態において、本方法は、本明細書に記載された光学材料を含むことができる。
【0148】
特定の実施形態において、本方法は、本明細書に教示された光学部品を含むことができる。
【0149】
2つ以上の異なる光学材料を含有する特定の実施形態において、この種の異なる光学材料は、例えば、階層状配置の個別の層としておよび/またはパターン層の個別の特徴として含有されていてもよい。
【0150】
本発明のさらなる態様において、青および黄のスペクトル領域での放出を含有するスペクトルの出力を有する白色発光固体半導体発光素子のルーメン/ワット効率を改善する方法が提供され、本方法は、青の放出の少なくとも一部を光学材料中へ通過させることを含み、青のスペクトルの放出の少なくとも一部を約450nmから500nmの範囲の1つ以上の放出に変換し、光学材料は量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。
【0151】
特定の実施形態において、本方法は、本明細書に記載された光学材料を含むことができる。
【0152】
特定の実施形態において、本方法は、本明細書に教示された光学部品を含むことができる。
【0153】
本明細書に記載された前述のもの、ならびに他の態様および実施形態はすべて、本発明の実施形態を構成する。
【0154】
本明細書で使用する「封入」は、特定の元素または化合物、例えば、酸素および/または水からの保護を指す。特定の実施形態において、封入は完全であり得る(本明細書においては完全な封入とも呼ばれる)。特定の実施形態において、封入は不完全であってよい(本明細書においては部分的な封入とも呼ばれる)。
【0155】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子、光散乱材、母材、支持要素、前述のものの他の特徴および要素に関する追加の情報、および本発明で有用な他の情報は、以下に提供される。
【0156】
上記概要も以下の詳細な説明も例示的で説明的なものにすぎず、特許請求の範囲に記載されている本発明を限定するものではないことを理解されたい。ここに開示された本発明の明細書および実施を考慮すると、他の実施形態は当業者には明らかとなるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0157】
(発明の詳細な記述)
本発明の様々な態様および実施形態は、下記詳述においてさらに記載される。
【0158】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子は電子および正孔を閉じ込めて、光を吸収し異なる波長の光を再放出するフォトルミネッセント性を有することができる。量子閉じ込め半導体ナノ粒子からの放出光の色彩特性は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子の寸法および量子閉じ込め半導体ナノ粒子の化学組成に依存する。
【0159】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子は化学組成、構造および寸法に関して少なくとも1つの型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。本発明の光学部品に含有される量子閉じ込め半導体ナノ粒子の型(複数可)は、変換される光の波長および所望の光出力の波長によって決定される。本明細書において論じられるように、量子閉じ込め半導体ナノ粒子はシェルおよび/またはその表面の配位子を含んでもよいが含まなくてもよい。特定の実施形態において、シェルおよび/または配位子は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を不動態化することができ、ナノ粒子間のファンデルワールス結合力に打ち勝って凝集または凝結を予防する。特定の実施形態において、配位子は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子が含有されていてもよい任意の母材への親和性を有する材料を含むことができる。本明細書に論じられるように、特定の実施形態において、シェルは無機のシェルを含む。
【0160】
特定の実施形態において、(組成、構造および/または寸法に基づいて)1つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材に含有されていてもよく、各型は所定の色を有する光を得るために選択される。
【0161】
本発明の一態様によると、青のスペクトル成分を含有しスペクトル領域の欠けを有する白色光を放出することができる光源、および光源によって発生された光の少なくとも一部を受けるように位置する光学部品を含む固体照明装置が提供され、光学部品は、固体照明装置によって放出される光が、1つ以上の所定波長での光放出で補われる光源からの光放出を含むように、光の青のスペクトル成分の少なくとも一部を1つ以上の所定波長に変換するための光学材料を含み、光学材料は量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。
【0162】
特定の実施形態において、例えば、光源が、1つを超えるスペクトルの欠けを持つ白色光を放出する場合、光学部品は、(組成、構造および/または寸法に基づいて)1つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する光学材料を含むことができ、各々の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、光の青のスペクトル成分の一部を、光学材料に含有されている他のいずれかの型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子の少なくとも1つによって放出された所定波長とは異なる所定波長に変換することができる。
【0163】
異なる所定波長で放出する2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は1種以上の異なる光学材料に含有されていてもよい。
【0164】
異なる所定波長で放出する2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は2つ以上の異なる光学材料に含有されていてもよい。
【0165】
2つ以上の異なる光学材料を含有する特定の実施形態において、この種の異なる光学材料は、例えば、階層状配置の個別の層としておよび/またはパターン層の個別の特徴として含有されていてもよい。
【0166】
異なる所定波長で放出する2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する他の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、スタック配置された2つ以上の異なる光学部品に含有されてもよい。この種の実施形態において、各光学部品は上記のような1つ以上の光学材料を含むことができる。
【0167】
異なる所定波長で放出する2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する実施形態において、固体照明装置によって放出される光は、1つ以上の異なる所定波長での光放出で補われる光放出を含む。このような場合、2つ以上の異なる所定波長は、光源のスペクトルの欠けの1つ以上を満たすまたは補償するように選択される。例えば、典型的な白色発光半導体LEDは、例えばスペクトルの赤、オレンジおよびシアンのスペクトル領域に、スペクトルの欠けを持つ白色光を放出する。
【0168】
特定の実施形態において、固体照明装置は、飽和した赤色光を光源光出力に追加するための光学部品を含むことができる。これによって、同一のパワー入力に対してより飽和した赤色、またはより低い消費電力に対して等価な赤色のパワーを提供することができる。
【0169】
特定の実施形態において、固体照明装置は、オレンジから赤のスペクトル領域(例えば約575nmから約650nm)の光を光源出力に追加するための光学部品を含むことができる。
【0170】
特定の実施形態において、固体照明装置は、シアン色光を光源光出力に追加することができる。
【0171】
特定の実施形態において、光学部品によって光源の1つ以上のスペクトルの欠けを補償すると、光源からの光出力の平均演色評価数(R)を増加させることもできる。例えば、特定の実施形態において、光学部品は、光源からの光出力の平均演色評価数(R)を少なくとも10%増加させることができる。特定の実施形態において、平均演色評価数(R)は所定の平均演色評価数(R)に増加される。
【0172】
特定の実施形態において、光学部品によって光源の1つ以上のスペクトルの欠けを補償すると、光源からの光出力の相関色温度(CCT)を変更することができる。特定の実施形態において、光学部品は、例えば、少なくとも約1000K、少なくとも約2000K、少なくとも3000K、少なくとも4000Kなど、光源からの光出力の相関色温度を低下させることができる。
【0173】
特定の実施形態において、光源のルーメン/ワット効率は、光学部品の使用によるCCTの変更によっては実質的に影響されない。
【0174】
特定の実施形態において、CCTは所定のCCTに変更される。
【0175】
特定の実施形態において、CCTは所定のCCTに変更される。
【0176】
特定の好ましい実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は半導体ナノ結晶を含む。
【0177】
特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は少なくとも40%の固体量子効率を有する。特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は少なくとも50%の固体量子効率を有する。特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は少なくとも60%の固体量子効率を有する。
【0178】
特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は光学部品の使用中に少なくとも40%の効率を維持する。
【0179】
特定の好ましい実施形態において、光学材料は、赤色光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。他の特定の好ましい実施形態において、光学材料は、オレンジから赤のスペクトル領域の光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。
【0180】
特定の実施形態において、光学材料は、母材に分布している量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。好ましくは、母材は固体の母材を含む。本明細書に記載された本発明の様々な実施形態および態様に有用な母材の例は、ポリマー、モノマー、樹脂、結合剤、ガラス、金属酸化物および他の非ポリマー材料を含む。好ましい母材は、光のあらかじめ選ばれた波長に対して、少なくとも部分的に透明、好ましくは、完全に透明な、ポリマーおよび非ポリマーの材料を含む。特定の実施形態において、あらかじめ選ばれた波長は、電磁スペクトルの可視光(例えば400−700nm)の領域の光の波長を含むことができる。好ましい母材は架橋したポリマーおよび溶媒注型ポリマーを含む。好ましい母材の例はガラスまたは透明樹脂を含むが、これらに限定されない。詳細には、非硬化性樹脂、熱硬化性樹脂または光硬化性樹脂などの樹脂は、加工性の観点から適切に用いられる。オリゴマーまたはポリマーいずれかの形態の、このような樹脂の具体的な例として、メラミン樹脂、フェノール樹脂、アルキル樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、これらの樹脂などを形成するモノマーを含有するコポリマーを挙げることができる。当業者は他の適切な母材を確認することができる。
【0181】
本開示によって企図された本発明の特定の実施形態および態様において、母材は光硬化性樹脂を含む。光硬化性樹脂は、特定の実施形態、例えば、組成物がパターン化される実施形態に好ましい母材であり得る。光硬化性樹脂としては、反応性ビニル基を含有する、アクリル酸またはメタクリル酸系の樹脂などの光重合性樹脂、ポリ珪皮酸ビニル、ベンゾフェノンなどの感光剤を一般に含有する光架橋性樹脂を用いることができる。感光剤が用いられない場合、熱硬化性樹脂が用いられてもよい。これらの樹脂は、個別にまたは2種以上の組合せで用いられてもよい。
【0182】
本開示によって企図された本発明の特定の実施形態および態様において、母材は溶媒注型樹脂を含む。ポリウレタン樹脂、マレイン酸樹脂、ポリアミド樹脂、ポリメタクリル酸メチル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、これらの樹脂を形成するモノマーを含有するコポリマーなどのポリマーは、当業者に知られている溶媒に溶解することができる。溶媒の蒸発に際して、樹脂は、半導体ナノ粒子のための固体の母材を形成する。
【0183】
特定の実施形態において、光散乱材および/または他の添加剤(例えば湿潤剤または平滑剤)も光学材料に含有することができる。
【0184】
本明細書に記載された本発明の実施形態および態様において用いることができる光散乱材(また本明細書において散乱材または光散乱粒子とも呼ばれる)の例は、金属または金属酸化物微粒子、大気泡、ならびにガラスおよびポリマーのビーズ(中実または中空の)であるが、これらに限定されない。他の光散乱材は、当業者によって容易に確認することができる。特定の実施形態において、散乱材は球の形状を有する。散乱粒子の好ましい例はTiO、SiO、BaTiO、BaSOおよびZnOを含むが、これらに限定されない。母材と非反応性で、母材中で励起光の吸収路長を増加させることができる他の材料の粒子を用いることができる。特定の実施形態において、光散乱材は高屈折率(例えばTiO、BaSOなど)または低屈折率(ガス泡)を有してもよい。
【0185】
散乱材の寸法および粒度分布の選択は、当業者によって容易に決定できる。寸法および粒度分布は、散乱粒子と、光散乱材が分散されることになる母材との屈折率のミスマッチ、およびレーリー散乱理論に従って散乱する、あらかじめ選ばれた波長(複数可)に基づくことができる。散乱粒子の表面は、母材中の分散性および安定性を改善するためにさらに処理されてもよい。一実施形態において、散乱粒子は、約0.001から約5重量%の範囲の濃度で、0.2μmの粒子寸法のTiO(DuPontからのR902+)を含む。特定の好ましい実施形態において、散乱材の濃度範囲は0.1重量%から2重量%である。
【0186】
特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子および母材を含有する光学材料は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子および液体ビヒクルを含むインクから形成することができ、液体ビヒクルは、架橋することができる1種以上の官能基を含有する組成を含む。官能基単位は、例えば、UV処理、熱処理、または当業者によって容易に確認可能な別の架橋技術によって、架橋することができる。特定の実施形態において、架橋できる1種以上の官能基を含有する組成物は、液体ビヒクル自体であってよい。特定の実施形態において、その組成物は共溶媒であってよい。特定の実施形態において、その組成物は液体ビヒクルとの混合物の成分であってよい。特定の実施形態において、インクはさらに光散乱材を含有することができる。
【0187】
本開示によって企図された本発明の特定の好ましい実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子(例えば半導体ナノ結晶)は個別の粒子として母材内に分布している。
【0188】
母材をさらに含有する光学材料の特定の実施形態において、光学材料に含有されている量子閉じ込め半導体ナノ粒子の量は、母材の約0.001から約5重量パーセントである。特定の好ましい実施形態において、光学材料は、母材の重量に対して約0.1から約3重量パーセントの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する。特定のより好ましい実施形態において、組成物は、母材の重量に対して約0.5から約3重量パーセントの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する。光散乱材を含有する特定の実施形態において、光学材料は、光学材料の重量に対して約0.001から約5重量パーセントの散乱材を含有する。
【0189】
本明細書に教示された本発明の特定の態様および実施形態において、光学部品は、支持要素をさらに含むことができる。特定の実施形態において、光学材料は支持要素上に配置される。特定の実施形態において、光学材料は担持体の表面の所定の領域に配置される。
【0190】
特定の実施形態において、支持要素は実質的に、光学的に透明である。特定の実施形態において、支持要素は少なくとも90%透明である。特定の実施形態において、支持要素は少なくとも95%透明である。特定の実施形態において、支持要素は少なくとも99%透明である。
【0191】
特定の実施形態において、支持要素は光学的に半透明である。
【0192】
特定の実施形態において、支持要素は、剛性材料、例えばガラス、ポリカーボネート、アクリル、石英、サファイア、または他の知られている剛性材料を含むことができる。
【0193】
特定の実施形態において、支持要素は、可撓性材料、例えばプラスチック(例えば薄いアクリル、エポキシ、ポリカーボネート、PEN、PET,PEであるが、これらに限定されない)などのポリマー材料またはシリコーンを含むことができる。
【0194】
特定の実施形態において、支持要素は、シリカまたはガラス被膜をその上に含有する可撓性材料を含むことができる。好ましくは、シリカまたはガラス被膜は基体可撓性材料の可撓性の性質を保持するのに十分に薄い。
【0195】
特定の実施形態において、支持要素は約0.1%から約5%の範囲の透過ヘイズ(ASTM D1003−0095において定義された)を有する。(ASTM D1003−0095はこれによって参照により本明細書に組み込む。)特定の実施形態において、支持要素の主面の1つまたは両方は平滑である。
【0196】
特定の実施形態において、支持要素の1つまたは両方の主面は波状であってよい。
【0197】
特定の実施形態において、支持要素の1つまたは両方の主面は粗くすることができる。
【0198】
特定の実施形態において、支持要素の1つまたは両方の主面は織目状であってよい。
【0199】
特定の実施形態において、支持要素の1つまたは両方の主面は凹状であってよい。
【0200】
特定の実施形態において、支持要素の1つまたは両方の主面は凸状であってよい。
【0201】
特定の実施形態において、支持要素の1つの主面はマイクロレンズを含むことができる。
【0202】
特定の実施形態において、担体基板の厚さは実質的に均一である。
【0203】
特定の実施形態において、支持要素の幾何学的図形および寸法は特定の最終用途への適用に基づいて選択することができる。
【0204】
特定の実施形態において、光学部品は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む1つ以上の光学材料を含有する少なくとも1つの層を含む。
【0205】
複数の型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、各型は個別の層に含有することができる。
【0206】
特定の実施形態において、光学材料は支持要素の主面にわたって配置される。
【0207】
特定の実施形態において、光学材料は支持要素の主面にわたって連続層として配置される。
【0208】
特定の実施形態において、光学材料の層は約0.1から約200ミクロンの厚さを有することができる。特定の実施形態において、厚さが約10から約200ミクロンであってよい。特定の実施形態において、厚さが約30から約80ミクロンであってよい。
【0209】
特定の実施形態において、他の任意の層が含まれていてもよい。
【0210】
特定の実施形態において、層は2つ以上の層を含むことができる。
【0211】
さらなる含有物はエネルギーを考慮すると望ましくないかもしれないが、他の理由でフィルターが含有されている場合があってよい。このような場合においては、フィルターが含有されていてもよい。特定の実施形態において、フィルターは支持要素のすべてまたは少なくとも所定の部分を覆ってもよい。特定の実施形態において、フィルターは光の1つ以上の所定波長の通路を遮断するために含有することができる。フィルター層は、光学材料を覆ってまたはその下に含有することができる。特定の実施形態において、光学部品は、支持要素の様々な表面に複数のフィルター層を含むことができる。特定の実施形態において、ノッチフィルター層を含有することができる。
【0212】
特定の実施形態において、光学部品に1つ以上の反射防止膜を含有することができる。
【0213】
特定の実施形態において、光学部品に1つ以上の波長選択性反射膜を含有することができる。この種の被膜は、例えば、光源の方へ光を後方に反射する場合がある。
【0214】
例えば、特定の実施形態において、光学部品はその表面の少なくとも一部にわたってアウトカップリング部材または構造体をさらに含んでもよい。特定の実施形態において、アウトカップリング部材または構造体は、表面にわたって一様に分布していてもよい。特定の実施形態において、アウトカップリング部材または構造体は、表面からアウトカップルされたより均一な光分布を達成するために、形状、寸法および/または周波数が変化してもよい。特定の実施形態において、アウトカップリング部材または構造体は、凸状、例えば、光学部品の表面に載っているもしくは飛び出している、または凹状、例えば、光学部品の表面のくぼみ、または両方の組合せであってよい。
【0215】
特定の実施形態において、光学部品は、光が放出されるその表面上にレンズ、角柱面、格子などをさらに含むことができる。他の被膜も、場合によって、この種の表面に含むことができる。
【0216】
特定の実施形態において、アウトカップリング部材または構造体は、硬化性配合物(例えば、噴霧法、リソグラフィ、印刷(スクリーン、インクジェット、フレキソ印刷など)、などを含むが、これらに限定されない技術によって形成される)を適用して、モールド成形、エンボス加工、積層によって形成することができる。
【0217】
特定の実施形態において、支持要素は光散乱材を含むことができる。
【0218】
特定の実施形態において、支持要素は気泡またはエアギャップを含むことができる。
【0219】
特定の実施形態において、光学部品は、平坦なまたはマット仕上げの1つ以上の主面を含むことができる。
【0220】
特定の実施形態において、光学部品は、光沢仕上げを有する1つ以上の表面を含むことができる。
【0221】
本明細書に教示された本発明の特定の態様および実施形態において、光学部品は、場合によって、環境(例えばダスト、水分など)および/または引っ掻きまたは摩滅からの保護のためのカバー、被膜または層をさらに含むことができる。
【0222】
特定の実施形態において、光学材料は少なくとも部分的に封入される。
【0223】
特定の実施形態において、光学材料は、障壁材料によって少なくとも部分的に封入される。特定の実施形態において、光学材料は、酸素を実質的に通さない材料によって少なくとも部分的に封入される。特定の実施形態において、光学材料は、水分(例えば水)を実質的に不浸透性の材料によって少なくとも部分的に封入される。特定の実施形態において、光学材料は、酸素および水分を実質的に不浸透性の材料によって少なくとも部分的に封入される。特定の実施形態において、例えば、光学材料は基板間にはさむことができる。特定の実施形態において、基板の1つまたは両方はガラス板を含むことができる。特定の実施形態において、例えば、光学材料は基板(例えばガラス板)とバリアフィルムとの間にはさむことができる。特定の実施形態において、光学材料は2つのバリアフィルムまたは被膜の間にはさむことができる。
【0224】
特定の実施形態において、光学材料は完全に封入される。特定の実施形態において、例えば、光学材料は、周辺シールによって密封された基板(例えばガラス板)間にはさむことができる。特定の実施形態において、例えば、光学材料は基板(例えばガラスサポート)上に配置し、バリアフィルムによって完全に覆うことができる。特定の実施形態において、例えば、光学材料は基板(例えばガラスサポート)上に配置し、保護皮膜によって完全に覆うことができる。特定の実施形態において、光学材料は、周辺シールによって密封された2つのバリアフィルムまたは被膜の間にはさむことができる。
【0225】
適切なバリアフィルムまたは被膜の例は、硬質金属酸化物被膜、薄いガラス層およびVitex Systems,Inc.から入手可能なBarix被覆材料であるが、これらに限定されない。他のバリアフィルムまたは被膜は、当業者によって容易に確認することができる。
【0226】
特定の実施形態において、複数のバリアフィルムまたは被膜を、光学材料を封入するために用いることができる。
【0227】
光源の例は、固体発光素子(好ましくは白色発光LED)を含むが、これらに限定されない。光源は、好ましくは電磁スペクトルの可視領域の光を放出する。
【0228】
特定の実施形態において、システムは単一光源を含むことができる。
【0229】
特定の実施形態において、システムは複数の光源を含むことができる。
【0230】
複数の光源を含有する特定の実施形態において、個々の光源は同一でありまたは異なっていてもよい。
【0231】
複数の光源を含有する特定の実施形態において、個々の光源は、他の個々の光源によって放出される波長と同じであるまたは異なる波長を有する光を放出することができる。
【0232】
複数の光源を含有する特定の実施形態において、個々の光源は配列して配置することができる。
【0233】
特定の好ましい実施形態において、白色発光LEDは、青色LED光出力を白色光に変換する蛍光体物質を含有する青色発光半導体LEDを含む。
【0234】
特定の実施形態において、例えば、白色発光LEDに含有される青色発光LED成分は、例えば(In)GaN青を含む。
【0235】
特定の実施形態において、青色LEDは、約400nmから約500nmの範囲の光を放出することができる。
【0236】
特定の実施形態において、白色発光LEDは、UVLED光出力を白色光に変換する蛍光体物質を含有するUV発光半導体LEDを含む。
【0237】
特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子と散乱材の重量比は約1:100から約100:1である。
【0238】
本明細書に記載されるように、本発明の特定の実施形態において、固体照明装置は、光を発生させることができる光源、および、光源によって発生された光の少なくとも一部を受けるように位置し、固体照明装置によって放出される光が、1つ以上の所定波長での光放出で補われた光源からの光放出を含むように、そのように受けた光の少なくとも一部を1つ以上の所定波長に変換する光学部品を含み、光学部品は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を含む。
【0239】
特定の実施形態において、光学材料は光源と直接、接触しない。特定の実施形態において、光学部品は光源と直接、接触しない。好ましくは、固体照明装置の運転中のナノ粒子の位置での温度は、90℃未満、75℃未満、60℃以下、50℃以下、40℃以下である。特定の好ましい実施形態において、固体照明装置の運転中のナノ粒子の位置での温度は、約30℃から約60℃の範囲にある。
【0240】
特定の実施形態において、光源は、白色LED(例えば、青色LED光出力を白色に変換する蛍光体物質(例えば、典型的には黄色蛍光物質)を含有する封入剤で封入された青色発光半導体LED)、赤色発光することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を含む光学部品を含む。
【0241】
例えば、白色発光LED、およびオレンジから赤のスペクトル領域の光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を含む光学部品を含む光源を含む、本発明の固体照明装置の特定の実施形態において、オレンジから赤のスペクトル領域での放出が、固体照明装置の光出力に追加される。約575nmから約650nmのスペクトル範囲での所定の発光波長を持つナノ粒子を添加すると、その所要電力を増加させずに、固体照明装置のルーメン/ワット効率を改善することができる。
【0242】
有利なことに、本発明の特定の実施形態において、赤色発光量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料は、赤のスペクトルの欠けを補償しつつ白色発光LEDの相関色温度を低下させることもできる。この種の光学材料は、光源からの光出力を、装置からの光出力の平均演色評価数(R)が、光源から直接放出される光のそれと比較して、増加するように変更することができる。この種の光学材料は、光源からの光出力を、装置からの光出力の相関色温度が、光源から直接放出される光より低い相関色温度を持つように変更することができる。
【0243】
平均演色評価数(Rと略記することができる。)は、本明細書において使用されるとき、8つの標準色サンプル(R1−8)に対する平均値として演色評価数の一般的な定義を参照する。
【0244】
例えば、白色発光LED(白色のLED出力を生成する黄色蛍光体フィルムを持つ青のスペクトル領域のLED発光を含む)、およびオレンジ色(例えば約575nmから約595nm)発光量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を含む光学部品を含む光源を含む本発明の固体照明装置の特定の実施形態において、オレンジ色の放出成分が固体照明装置の光出力に対して追加される。オレンジのスペクトル領域の所定の発光波長を持つナノ粒子を添加すると、その所要電力を増加させずに、固体照明装置のルーメン/ワット効率を改善することができる。
【0245】
例えば、白色発光LED(白色のLED出力を生成する黄色蛍光体フィルムを持つ青のスペクトル領域のLED発光を含む)、およびシアン色発光量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を含む光学部品を含む光源を含む本発明の固体照明装置の特定の実施形態において、シアン色の放出成分が固体照明装置の光出力に対して追加される。シアンのスペクトル領域の所定の発光波長を持つナノ粒子を添加すると、CRIとともにその所要電力を増加させずに、固体照明装置のルーメン/ワット効率を改善することができる。
【0246】
本発明の別の態様によると、本明細書において教示された固体照明装置を含む内視鏡光源が提供される。
【0247】
本発明の別の態様によると、本明細書において教示された光学部品を含む内視鏡光源が提供される。
【0248】
本発明の別の態様によると、本明細書において教示された固体照明装置を含む内視鏡照明システムが提供される。
【0249】
本発明の別の態様によると、本明細書において教示された光学部品を含む内視鏡照明システムが提供される。
【0250】
内視鏡の照明装置およびシステムは、本明細書において教示された光学部品および/または固体照明装置を含むことにより改善することができる。内視鏡システムの性能は、システム光源の光出力を変更するための内視鏡のシステムの要素として、本明細書において記載される光学部品を取り込むことによって入手できる光の特性によって増強することができる。内視鏡システムの性能は、この種のシステムの光源として、本明細書において記載された固体照明装置を取り込むことによって入手できる光の特性によって、増強することができる。内視鏡のシステムに関する情報は、例えば米国特許第7,496,259号、第7,488,101号および第7,466,885号に見出すことができ、これらの開示は、その全体をこれによって参照により本明細書に組み込む。
【0251】
本発明の別の態様によると、青のスペクトル成分およびスペクトルの別の領域にスペクトルの少なくとも1つの欠けを含む白色光を放出する光源を用いる有用な光学部品が提供され、光学部品は、光源からの光出力の青のスペクトル成分の少なくとも一部を1つ以上の所定波長に変換するための光学材料を含み、光学材料は量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。
【0252】
特定の好ましい実施形態において、所定波長は、例えばスペクトルの欠け領域の少なくとも1つで光源の光出力を補うことにより、光源のスペクトル領域の欠けを満たすまたは補償するように選択される。
【0253】
特定の実施形態において、例えば、光源が赤のスペクトル領域のスペクトルの欠けを持つ白色光を放出する場合には、所定波長は、約575nmから約650nm、約580nmから630nm、590nmから約630nm、約600nmから約620nmなどの範囲であってよい。特定の好ましい実施形態において、この波長は約616nmである。
【0254】
特定の実施形態において、例えば、光源がシアンのスペクトル領域のスペクトルの欠けを持つ白色光を放出する場合には、光学材料は、約450nmから約500nmの範囲の1つ以上の所定波長を放出することができる1つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含むことができる。
【0255】
特定の実施形態において、光学部品は、(組成、構造および/または寸法に基づいて)1つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する光学材料を含み、各々の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、光学材料に含有されている他のいずれかの型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって放出された所定波長とは異なる所定波長を放出し、1つ以上の異なる所定波長は、光学材料が、意図した光源の1つ以上のスペクトルの欠けを補償するように選択される。
【0256】
異なる所定波長で放出する1つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は1種以上の異なる光学材料に含有することができる。
【0257】
異なる所定波長で放出する2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は2つ以上の異なる光学材料に含有することができる。
【0258】
2つ以上の異なる光学材料を含有する特定の実施形態において、この種の異なる光学材料は、例えば、階層状配置の個別の層としておよび/またはパターン層の個別の特徴として含有することができる。
【0259】
特定の実施形態において、光学部品によって光源の1つ以上のスペクトルの欠けを補償すると、光源からの光出力の平均演色評価数(R)を増加させることもできる。例えば、特定の実施形態において、光学部品は、光源からの光出力の平均演色評価数(R)を少なくとも10%増加させることができる。特定の実施形態において、平均演色評価数(R)は所定の平均演色評価数(R)に増加される。
【0260】
特定の実施形態において、光学部品によって光源の1つ以上のスペクトルの欠けを補償すると、光源からの光出力の相関色温度(CCT)を変更することができる。特定の実施形態において、光学部品は、例えば、少なくとも約1000K、少なくとも約2000K、少なくとも3000K、少なくとも4000Kなどだけ、光源からの光出力の相関色温度を低下させることができる。
【0261】
特定の実施形態において、光源のルーメン/ワット効率は、光学部品の使用によるCCTの変更によっては実質的に影響されない。
【0262】
特定の実施形態において、CCTは所定のCCTに変更される。
【0263】
特定の好ましい実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は半導体ナノ結晶を含む。
【0264】
特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は少なくとも40%の固体量子効率を有する。特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は少なくとも50%の固体量子効率を有する。特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は少なくとも60%の固体量子効率を有する。
【0265】
特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は光学部品の使用中に少なくとも40%の効率を維持する。
【0266】
特定の好ましい実施形態において、光学材料は赤色発光することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。他の特定の好ましい実施形態において、光学材料はオレンジから赤のスペクトル領域の光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。
【0267】
特定の実施形態において、光学材料は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子が分布している母材をさらに含む。特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約0.001から約5重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約0.5から約3重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約1から約3重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、母材の重量の約1から約2重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。
【0268】
特定の実施形態において、光学材料は光散乱材をさらに含む。特定の実施形態において、光散乱材は光散乱粒子を含む。特定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約0.001から約5重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。特定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約0.5から約5重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。特定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約1から約3重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。特定の実施形態において、光散乱粒子は、母材の重量の約1から約2重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている。
【0269】
特定の実施形態において、光学部品は支持要素をさらに含む。好ましくは、支持要素は、光源から放出される光、およびナノ粒子から放出される光に対して光学的に透明である。
【0270】
特定の実施形態において、支持要素を含有する光学部品は、固体照明装置のためのカバープレートとして役立つことができる。
【0271】
特定の実施形態において、支持要素は、固体照明装置の光拡散部品を含む。
【0272】
特定の実施形態において、支持要素は剛体である。
【0273】
特定の実施形態において、支持要素は可撓性である。
【0274】
特定の実施形態において、支持要素の幾何学的図形および寸法は、特定の最終用途の適用(例えばランプ、固体照明装置、照明器具または他の機器もしくは装置)に基づいて選択することができる。
【0275】
特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料は、支持要素の表面を覆って配置される。好ましくは、光学材料は光源に面する支持要素の表面を覆って配置される。
【0276】
特定の実施形態において、光学材料は、支持要素の表面の所定の領域を覆う1つ以上の層として配置される。
【0277】
特定の実施形態において、層は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子が分布している母材をさらに含有する光学材料を含む。特定の実施形態において、層は、母材の重量に対して約0.001から約5重量パーセントの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する。特定の実施形態において、層は光散乱材をさらに含む。特定の実施形態において、光散乱材は、母材の重量の約0.001から約5重量パーセントの範囲の量で層に含有されている。
【0278】
特定の実施形態において、母材を含有する光学材料を含有する層は、例えば約0.1ミクロンから約1cmの厚さを有する。特定の実施形態において、母材を含有する光学材料を含有する層は、約0.1から約200ミクロンの厚さを有する。特定の実施形態において、母材を含有する光学材料を含有する層は、約10から約200ミクロンの厚さを有する。特定の実施形態において、母材を含有する光学材料を含有する層は、約30から約80ミクロンの厚さを有する。
【0279】
特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域での放出の少なくとも10%を1つ以上の所定波長に変換することができる。
【0280】
特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域での放出の少なくとも30%を1つ以上の所定波長に変換することができる。
【0281】
特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域での放出の少なくとも60%を1つ以上の所定波長に変換することができる。
【0282】
特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域での放出の少なくとも90%を1つ以上の所定波長に変換することができる。
【0283】
特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域での放出の約50%から約75%を1つ以上の所定波長に変換することができる。
【0284】
特定の実施形態において、光学材料に含有されている量子閉じ込め半導体ナノ粒子はカドミウムを含まない。
【0285】
特定の実施形態において、光学材料に含有されている量子閉じ込め半導体ナノ粒子はIII−V半導体材料を含む。
【0286】
特定の実施形態において、光学材料に含有されている量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、半導体材料を含むコアおよびコアの表面の少なくとも一部に配置された無機のシェルを含む半導体ナノ結晶を含む。
【0287】
特定の実施形態において、光学材料は少なくとも部分的に封入されている。
【0288】
特定の実施形態において、光学材料は完全に封入されている。
【0289】
本発明の別の態様によると、光源を受けるのに適合した照明器具が提供され、器具は、光源によって発生された光の少なくとも一部が、器具から放出される前に光学部品を通過するように、光源の位置に対して器具内に位置する光学部品を含み、光学部品は、光源から放出される光のスペクトルを補うように第1の所定波長光を1つ以上の異なる所定波長を有する光に変換することができる光学材料を含み、光学部品は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を含む。
【0290】
特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を赤のスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。
【0291】
特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長をオレンジから赤のスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を赤のスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長をシアンのスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を、赤のスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長、およびオレンジのスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。
【0292】
特定の実施形態において、光学材料は、ナノ粒子が分布している母材をさらに含む。特定の好ましい実施形態において、母材は固体の母材である。
【0293】
特定の実施形態において、光学材料は、母材に分布している光散乱粒子をさらに含む。
【0294】
特定の実施形態において、器具は、本明細書において教示された光学部品および光学材料を含むことができる。
【0295】
本発明のさらなる態様において、固体半導体発光素子または固体半導体発光素子のための照明器具に取り付けに適合したカバープレートが提供され、カバープレートは、内側表面および外側表面ならびに装置または照明器具の設計に基づいた所定形状を有する光学的に透明な基板、基板の表面(好ましくは光源に面する表面)に配置された光学材料、および装置または照明器具にカバープレートを取り付ける手段を含み、光学材料は、光学材料を通過する光のスペクトルを補うように、第1の所定波長を有する光を1つ以上の異なる所定波長に変換することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。
【0296】
特定の実施形態において、例えば、第1の所定波長が1つ以上の異なる所定波長に変換されることになる場合、光学材料は、(組成、構造および/または寸法に基づいて)1つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含み、各々の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、第1の所定波長の一部を1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。このような場合、1つ以上の異なる所定波長は、カバープレートが意図して使用される光源のスペクトルの欠けの1つ以上を満たすまたは補償するように選択される。
【0297】
異なる所定波長で放出する2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は1種以上の異なる光学材料に含有することができる。
【0298】
異なる所定波長で放出する2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は2つ以上の異なる光学材料に含有することができる。
【0299】
2つ以上の異なる光学材料を含有する特定の実施形態において、この種の異なる光学材料は、例えば、階層状配置の個別の層としておよび/またはパターン層の個別の特徴として含有することができる。
【0300】
特定の実施形態において、光学材料は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を、赤のスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する。特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を、オレンジから赤のスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を、赤のスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を、シアンのスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。特定の実施形態において、光学部品は、青のスペクトル領域の第1の所定波長を、赤のスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長、およびオレンジのスペクトル領域の1つ以上の異なる所定波長に変換することができる。
【0301】
特定の実施形態において、光学材料は、ナノ粒子が分布している母材をさらに含む。特定の好ましい実施形態において、母材は固体の母材である。
【0302】
特定の実施形態において、光学材料は、母材に分布している光散乱粒子をさらに含む。
【0303】
特定の実施形態において、カバープレートは、本明細書において教示された光学部品を含む。
【0304】
特定の実施形態において、カバープレートは、本明細書において教示された光学材料を含有することができる。
【0305】
特定の実施形態において、カバープレートは可撓性または剛体であってよい。特定の実施形態において、基板は上記支持要素に有用な材料を含むことができる。特定の実施形態において、基板は、支持要素について上記に記載された1つ以上の特徴および追加の層を含むことができる。
【0306】
本明細書に記載された本発明の特定の実施形態および態様において、支持要素の幾何学的図形および寸法、光学部品、基板、および/またはカバープレートは、特定の最終用途への適用に基づいて選択することができる。
【0307】
特定の実施形態において、光学材料は少なくとも部分的に封入されている。
【0308】
特定の実施形態において、光学材料は完全に封入されている。
【0309】
本発明のさらなる態様において、青および黄のスペクトル領域での放出を含有するスペクトルの出力を有する白色発光固体半導体発光素子のルーメン/ワット効率を改善する方法が提供され、本方法は、青の放出の少なくとも一部を光学材料中へ通過させることを含み、青のスペクトルの放出の少なくとも一部を約575nmから650nmの範囲の放出に変換し、光学材料が量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む。
【0310】
特定の実施形態において、例えば、光学材料は、青のスペクトルの放出の少なくとも一部を、約580nmから約630nm、約590nmから約630nmm、約600nmから約620nmなどの範囲の放出に変換することができる。特定の実施形態において、この波長は約616nmである。
【0311】
異なる所定波長で放出する2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は1種以上の異なる光学材料に含有することができる。
【0312】
異なる所定波長で放出する2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は2つ以上の異なる光学材料に含有することができる。
【0313】
本明細書に教示された本発明の特定の態様および実施形態において、光学材料(例えば母材(好ましくはポリマーまたはガラス)に分散している量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む)は、光学材料の光ルミネッセント効率を増加させるのに十分な時間、光束にさらされる。特定の実施形態において、光学材料は、光学材料の光ルミネッセント効率を増加させるのに十分な時間、光および熱にさらされる。特定の実施形態において、光ルミネッセント効率が実質的に一定値に達するまでの時間、光または光と熱への暴露が継続される。特定の実施形態において、約450nmのピーク波長を持つLED光源が、光束の光源として用いられる。他の知られている光源は、当業者によって容易に確認することができる。特定の実施形態において、光束は、約10から約100mW/cm、好ましくは約20から約35mW/cm、より好ましくは約20から約30mW/cmである。光学材料を光および熱にさらすことを含む実施形態において、約25℃から約80℃の範囲の温度の間、光学材料は光にさらされる。特定の実施形態において、光学材料(例えば母材(好ましくはポリマーまたはガラス)に分散している量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む)は、熱が加えられても加えられなくても光にさらされる場合には、(例えば、光学材料の層はガラス板、バリアフィルムまたはこれらの組合せ)封入されてもよい。特定の実施例において、ガラス板、バリアフィルム、またはこれらの組合せは、周辺または端部のまわりを一緒にさら密封することができる。特定の実施形態において、シールは障壁材料を含む。特定の実施形態において、シールは酸素障壁を含む。特定の実施形態において、シールは水障壁を含む。特定の実施形態において、シールは酸素および水の障壁を含む。特定の実施形態において、シールは水および/または酸素に実質的に不浸透性である。密封技術の例は、ガラス−ガラスシール、ガラス−金属シール、酸素および/または水に実質的に不浸透性のシーリング材、エポキシならびに酸素および/または水分の浸透を低下させる他のシーリング材を含むが、これらに限定されない。特定の実施形態において、光学材料(例えば母材(好ましくはポリマーまたはガラス)に分散している量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む)は、熱が加えられても加えられなくても光にさらされる場合には、部分的に封入されてもよい。
【0314】
光ルミネッセント効率は、例えば、NISTの追跡可能な検定された光源を含有する積分球の分光測光器を使用して測定することができる。このような実施形態において、光学材料は光散乱粒子、および本明細書において記載された他の任意の添加剤をさらに含むことができる。
【0315】
本発明は、本発明の例示になるように意図される下記実施例によってさらに明確になるであろう。
【0316】
(実施例)
【実施例1】
【0317】
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸を用いる赤色発光することができる、半導体ナノ結晶の調製
CdSeコアの合成:
1mmol酢酸カドミウムを、20mLバイアル中のトリ−n−オクチルホスフィン8.96mmolに100℃で溶解し、次いで、1時間、乾燥、脱気する。トリオクチルホスフィンオキシド15.5mmolおよびオクタデシルホスホン酸2mmolを、三首フラスコに添加し、140℃で1時間、乾燥、脱気する。脱気の後、Cd溶液をオキシド/酸フラスコに添加し、混合物を窒素下で270℃に加熱する。温度が270℃に達したら、トリ−n−ブチルホスフィン8mmolをフラスコに注入する。温度が270℃に戻ったら、次に1.5MTBPSe1.1mLを迅速に注入する。反応混合物を270℃で15−30分間加熱しながら、ナノ結晶の成長を監視するために溶液のアリコートを周期的に取り出す。ナノ結晶の第1の吸収ピークが565−575nmに達したら、混合物を室温に冷却することにより反応を停止する。メタノールとイソプロパノールの3:1混合物を添加することにより、CdSeコアを窒素雰囲気グローブボックス内の成長溶液から沈殿させる。コアを単離し、次いで、コアシェル材料を作るために使用するヘキサンに溶解する。
【0318】
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸の調製
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸はPCI Synthesis,9 Opportunity Way,Newburyport,Massachusetts 01950から得られる。
【0319】
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸の調製には一般に以下の合成方法を使用する:
【0320】
【化1】

【0321】
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸は以下のように特徴付けることができる。
融点:199−200℃[文献値:200℃;参考文献:J.D.Spivack、FR1555941(1969)]
IR:3614cm−1、3593cm−1(弱い、O−H伸縮)。
H−NMR(CDOD):δ7.10(d、芳香族、2H、JP−H=2.6Hz)、5.01(s、交換したHOD)、2.99(d、−CH、2H、JP−H=21.2Hz)、1.41(s、−CH、18H)。
13C−NMR(CDOD):δ152.9(芳香族)、137.9(芳香族)、126.2(芳香族)、123.5(芳香族)、34.41(d、−CH、35.75、33.07、JP−C=537.2Hz)、34.35(C(CH)、29.7(C(CH)。
31P−NMR(CDOD):δ26.8
【0322】
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸の調製に含まれる、上記の同定した合成前駆物質は以下のように特徴付けることができる。
【0323】
ジエチル3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホネート:
融点:119−120℃(文献値:118−119℃;参考文献:R.K.Ismagilov、Zhur Obshchei Khimii、1991、61、387)。
IR:3451cm−1(弱い、−OH、伸縮)、2953(弱い、−CH、C−H伸縮)。
H−NMR(CDCl):δ7.066(d、Ar−H、2H、JP−H=2.8Hz)、5.145(s、1H、−OH)、4.06−3.92(m、−CHCH、4H、H−Hおよび長距離P−Hカップリング)、3.057(d、Ar−CH、2H、JP−H=21.0Hz)、1.412(s、−C(CH、18H)1.222(t、−CHCH、6H)。
13C−NMR(CDCl):δ153.98(芳香族)、136.22(芳香族)、126.61(芳香族)、122.07(芳香族)、62.14(−OCHCH、JP−C=24.4Hz)、33.63(Ar−CH、JP−C=552.4Hz)、34.53[−C(CH]、30.54[−C(CH]、16.66(−CHCH、JP−C=、24.4Hz)。
31P−NMR(CDCl):δ28.43。
【0324】
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルブロミド:
融点:51−54℃(文献値:52−54℃;参考文献:J.D.McClure,J.Org.Chem.,1962,27,2365)
IR:3616cm−1(中程度、O−H伸縮)、2954cm−1(弱い、アルキルC−H伸縮)。
H−NMR(CDCl):δ7.20(s、Ar−H、2H)、5.31(s、−OH)、4.51(s、−CH、2H)、1.44{s、[−C(CH]、18H}。
13C−NMR(CDCl):δ154.3(芳香族)、136.5(芳香族)、128.7(芳香族)、126.3(芳香族)、35.8[(−C(CH]、34.6(−CH)、30.5[−C(CH]。
【0325】
当業者によって知られているかまたは容易に確認できる他の合成方法を、3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸を調製するために用いることができる。
【0326】
CdSe/CdZnSコアシェルナノ結晶の合成
トリオクチルホスフィンオキシド25.86mmolおよび3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸2.4mmolを、四首フラスコに装入する。次いで、混合物を120℃に約1時間加熱することによって反応槽中で乾燥、脱気する。次いで、フラスコを75℃に冷却し、単離したCdSeコア(0.1mmol Cd含量)を含有するヘキサン溶液を反応混合物に添加する。ヘキサンは減圧下で除去する。ジメチルカドミウム、ジエチル亜鉛およびヘキサメチルジシラチアンを、Cd、ZnおよびS前駆物質としてそれぞれ用いる。CdとZnは等モルの比で混合するが、SはCdとZnに対して2倍過剰とする。Cd/ZnおよびSの試料はそれぞれ、窒素雰囲気グローブボックス内でトリオクチルホスフィン4mLに溶解する。前駆体溶液が用意できたら、反応フラスコを窒素下で155℃に加熱する。前駆体溶液を155℃で2時間にわたりシリンジポンプを用いて滴下する。シェルの成長後、ナノ結晶は窒素雰囲気グローブボックスに移し、メタノールとイソプロパノールの3:1混合物を添加することにより成長溶液から沈殿させる。次いで、コアシェルナノ結晶は単離しフルオロベンゼン中で分散し、光学材料を作るために用いる。
【0327】
(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸配位子基も本明細書においてBHTと呼ぶことができる。)
【実施例2】
【0328】
半導体ナノ結晶を含む光学部品の調製:
下表にリストしたフィルムは、半導体ナノ結晶を含む光学材料を用いて調製する(実施例1に記載された合成に実質的に従って調製する)。
【0329】
溶媒に分散した赤色発光半導体ナノ結晶は、609nmのピーク放射、31のFWHM、77%の溶液量子収量および21mg/mlの濃度を有する。
【0330】
0.5mlのRD−12(Radcure Corp,9 Audrey Pl,Fairfield,NJ 07004−3401(米国)から市販の低粘度反応性希釈剤)を、セプタムで蓋をした磁気撹拌棒を含む20mlバイアルに添加し、系を閉じ真空下で注射針を通してパージし、次いで窒素を再充填する。赤色発光ナノ結晶の21mg/mlの懸濁液2.6mlを、3mlの注射器によってバイアルに添加する。溶媒は真空ストリッピングによってバイアルから除去する。次いで、2mlのDR−150を注射器を通してバイアルに添加し、混合物はボルテックスミキサーを用いて混合する。(DR−150はRadcureから市販のUV硬化性アクリル酸配合物である。)次いで、容器を窒素で埋め戻し、混合物はボルテックスミキサーを用いて混合する。
【0331】
0.028グラムのTiOを、次に、開放バイアルに添加し、混合物をボルテックスミキサーで混合し、続いてホモジナイザーで混合する。
【0332】
次いで、バイアルは真空下で蓋をして脱気し、窒素を再充填する。
【0333】
混合後、閉じたバイアルは、50分間超音波浴に入れる。試料が超音波浴にある間、40℃を超える温度を避けるように注意する。
【0334】
被膜を作るために用いるまで、試料は暗所に保存する。
【0335】
ポリカーボネート上にフィルムを形成する前にTego2500を添加する。
【0336】
バイアルからの試料材料を、コロナ処理、予備洗浄した透明な1mm厚ポリカーボネートシート上にマイヤーロッドで被覆し、DYMAX Corporationからの5000−EC UV Light Curing Flood Lampシステム内でHバルブ(225mW/cm)を用いて20秒間硬化した。ポリカーボネート上のナノ結晶を含む層の厚さは、およそ30ミクロンである。
【0337】
結果として生じるフィルムは、NEXXUS Lightingから入手可能な白色発光Array PAR 30 LED ランプ上のカバープレートとして役立つ寸法に切断する。
【0338】
上記のように調製したカバープレートを含む光学部品を備える、および備えないArray PAR 30 LEDランプ(NEXXUS Lightingから入手可能)のデータを、以下の表1に示す。
【0339】
【表1】

【実施例3】
【0340】
3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸を用いる611nm光を発光することができる半導体ナノ結晶の調製
CdSeコアの合成:
29.9mmol酢酸カドミウムを、250mL三首丸底フラスコ中のトリ−n−オクチルホスフィン436.7mmolに100℃で溶解し、次いで、1時間、乾燥、脱気する。トリオクチルホスフィンオキシド465.5mmolおよびオクタデシルホスホン酸61.0mmolを、0.5Lガラス反応器に添加し、140℃で1時間、乾燥、脱気する。脱気の後、Cd溶液をオキシド/酸を含む反応器に添加し、混合物を窒素下で270℃に加熱する。温度が270℃に達したら、トリ−n−ブチルホスフィン243.2mmolをフラスコに注入する。温度が270℃に戻ったら、次に、1.5MTBPSeの34mLを迅速に注入する。反応混合物を250℃で9分間加熱し、その時点で反応フラスコから加熱マントルを除去し、溶液を室温まで放冷する。ナノ結晶の第1吸収ピークが約558nmに達したら、混合物を室温に冷却することにより反応を停止する。メタノールとイソプロパノールの3:1混合物を添加することにより、CdSeコアを窒素雰囲気グローブボックス内の成長溶液から沈殿させる。次いで、単離したコアは、ヘキサンに溶解し、コアシェル材料を作るために用いる。
【0341】
CdSe/CdZnSコアシェルナノ結晶の合成:
同一の2つの反応を設定して、トリオクチルホスフィンオキシド25.86mmolおよび3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸2.4mmolを、50mL四首丸底フラスコに装入する。次いで、混合物を120℃に約1時間加熱することによって反応槽内で乾燥、脱気する。次いで、フラスコを70℃に冷却し、単離したCdSeコア(0.096mmolCd含量)を含有するヘキサン溶液を各反応混合物に添加する。ヘキサンは減圧下で除去する。ジメチルカドミウム、ジエチル亜鉛およびヘキサメチルジシラチアンを、Cd、ZnおよびS前駆物質としてそれぞれ用いる。CdとZnは等モルの比で混合するが、SはCdとZnに対して2倍過剰とする。2組のCd/Zn(0.29mmolのジメチルカドミウムおよびジエチル亜鉛)およびS(ヘキサメチルジシラチアン1.15mmol)試料をそれぞれ、窒素雰囲気グローブボックス内でトリオクチルホスフィン4mLに溶解する。前駆体溶液を用意できたら、反応フラスコを窒素下で155℃に加熱する。Cd/ZnおよびS前駆体溶液を、155℃で2時間にわたりシリンジポンプを用いて各々の反応フラスコに滴下する。シェルの成長後、ナノ結晶は窒素雰囲気グローブボックスに移し、メタノールとイソプロパノールの3:1混合物を添加することにより、成長溶液から沈殿させる。次いで、単離したコアシェルナノ結晶は、トルエン中で分散する。
【実施例4】
【0342】
半導体ナノ結晶を含む光学部品の調製:
以下のフィルムは、半導体ナノ結晶を含む光学材料を用いて調製する(実施例3に記載された合成に実質的に従って調製する)。
【0343】
半導体ナノ結晶は、トルエン中に分散した赤色発光半導体ナノ結晶を含み、611nmのピーク放射、約32nmのFWHM、70%の溶液量子収量および20.4mg/mlの濃度を有する。
【0344】
赤色発光ナノ結晶20.4mg/ml懸濁液の5.5mlを、6mL注射器からセプタムで蓋をした磁気撹拌棒を含む20mlバイアルに添加し、系を閉じ真空下で注射針を通してパージし、次いで窒素を再充填する。溶媒のおよそ半分は真空ストリッピングによってバイアルから除去する。1.0mlのRD−12(Radcure Corp,9 Audrey Pl,Fairfield,NJ 07004−3401から市販の低粘度反応性希釈剤)を添加する。次いで、4.0mlのDR−150を注射器を通してバイアルに添加し、混合物はボルテックスミキサーを用いて混合する(DR−150はRadcureから市販のUV硬化性アクリル酸配合物である。)。
【0345】
Tego 2500のトルエン中10%溶液の0.3mlを、混合しながら注射器によって混合物に添加する。残存する溶媒は真空ストリッピングによってバイアルから除去する。
【0346】
次いで、容器を窒素で埋め戻し、混合物はボルテックスミキサーを用いて混合する。
【0347】
0.056グラムのTiO(DuPontから入手可能なTi−Pure 902+)を次に、開放バイアルに添加し、混合物をボルテックスミキサーで混合し、続いてホモジナイザーで混合する。
【0348】
次いで、バイアルは真空下で蓋をして脱気し、窒素を再充填する。
【0349】
混合の後、閉じたバイアルは、超音波浴に50分間入れる。試料が超音波浴にある間、40℃を超える温度を避けるように注意する。
【0350】
被膜を作るために用いるまで、試料は暗所に保存する。
【0351】
バイアルからの試料材料を、コロナ処理、(イソプロパノール拭きを用いて)予備洗浄した1.4mm厚ポリカーボネートシート(1%の透過ヘイズ)の六角形カバープレート上にスクリーン印刷し、DYMAX Corporationからの5000−EC UV Light Curing Flood Lampシステム内でHバルブ(225mW/cm)を用いて20秒間硬化した。ポリカーボネート上のナノ結晶を含む層の厚さは、およそ32ミクロンである。
【0352】
結果として生じるカバープレートは、NEXXUS Lightingから入手可能な白色光発光Array PAR 30 LED ランプ上のフェースプレートとして含まれる。
【実施例5】
【0353】
半導体ナノ結晶の調製
A.3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸を用いる588nm光を発光することができる半導体ナノ結晶の調製
CdSeコアの合成:1.75mmol酢酸カドミウムを、20mLバイアル中のトリ−n−オクチルホスフィン15.7mmolに140℃で溶解し、次いで、1時間、乾燥、脱気する。トリオクチルホスフィンオキシド31.0mmolおよびオクタデシルホスホン酸4mmolを、三首フラスコに添加し、110℃で1時間、乾燥、脱気する。脱気の後、Cd溶液をオキシド/酸フラスコに添加し、混合物を窒素下で270℃に加熱する。温度が270℃に達したら、トリ−n−ブチルホスフィン16mmolをフラスコに注入する。温度が270℃に戻ったら、次に、1.5MTBPSeの2.3mLを迅速に注入する。反応混合物を270℃で30秒間加熱し、次いで、反応フラスコから加熱マントルを除去し、溶液を室温まで放冷する。メタノールとイソプロパノールの3:1混合物を添加することにより、CdSeコアを窒素雰囲気グローブボックス内の成長溶液から沈殿させる。次いで、単離したコアは、ヘキサンに溶解し、コアシェル材料を作るために用いる。(吸収/放射/FWHM(nm)=518/529/26.5)。
【0354】
CdSe/CdZnSコアシェルナノ結晶の合成:2つの同一の反応を設定して、トリオクチルホスフィンオキシド25.86mmolおよび3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸2.4mmolを、50mL四首丸底フラスコに装入する。次いで、混合物を120℃に約1時間加熱することによって反応槽内で乾燥、脱気する。次いで、フラスコを70℃に冷却し、単離したCdSeコア(0.062mmolCd含量)を含有するヘキサン溶液を各反応混合物に添加する。ヘキサンは減圧下で除去する。ジメチルカドミウム、ジエチル亜鉛およびヘキサメチルジシラチアンを、Cd、ZnおよびS前駆物質としてそれぞれ用いる。CdとZnは等モルの比で混合するが、SはCdとZnに対して2倍過剰とする。2組のCd/Zn(0.31mmolのジメチルカドミウムおよびジエチル亜鉛)およびS(ヘキサメチルジシラチアン1.24mmol)試料をそれぞれ、窒素雰囲気グローブボックス内でトリオクチルホスフィン4mLに溶解する。前駆体溶液が用意できたら、反応フラスコを窒素下で155℃に加熱する。Cd/ZnおよびS前駆体溶液を、155℃で2時間にわたりシリンジポンプを用いて各々の反応フラスコに滴下する。シェルの成長後、ナノ結晶は窒素雰囲気グローブボックスに移し、メタノールとイソプロパノールの3:1混合物を添加することにより成長溶液から沈殿させる。次いで、単離したコアシェルナノ結晶をトルエン中で分散し、2つのバッチからの溶液を合わせる。
【0355】
B.3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸を用いる632nm光を発光することができる半導体ナノ結晶の調製
CdSeコアの合成:29.9mmol酢酸カドミウムを、250mL三首丸底シュレンクフラスコ中のトリ−n−オクチルホスフィン436.7mmolに140℃で溶解し、次いで、1時間、乾燥、脱気する。トリオクチルホスフィンオキシド465.5mmolおよびオクタデシルホスホン酸61.0mmolを、0.5Lガラス反応器に添加し、120℃で1時間、乾燥、脱気する。脱気の後、Cd溶液をオキシド/酸を含む反応器に添加し、混合物を窒素下で270℃に加熱する。温度が270℃に達したら、トリ−n−ブチルホスフィン243.2mmolをフラスコに注入する。温度が270℃に戻ったら、次に、1.5MTBPSeの33.3mLを迅速に注入する。反応混合物を250℃で約9分間加熱し、その時点で反応フラスコから加熱マントルを除去し、溶液を室温まで放冷する。メタノールとイソプロパノールの3:1混合物を添加することにより、CdSeコアを窒素雰囲気グローブボックス内の成長溶液から沈殿させる。次いで、単離したコアは、ヘキサンに溶解し、コアシェル材料を作るために用いる。(吸収/放射/FWHM(nm)=571/592/45)
【0356】
CdSe/CdZnSコアシェルナノ結晶の合成:3つの同一の反応を行い、トリオクチルホスフィンオキシド517.3mmolおよび3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジルホスホン酸48.3mmolを、0.5Lのガラス反応器に装入する。次いで、混合物を120℃に約1時間加熱することによって反応槽内で乾燥、脱気する。次いで、フラスコを70℃に冷却し、上から単離したCdSeコア(1.95mmolCd含量)を含有するヘキサン溶液を各反応混合物に添加する。ヘキサンは減圧下で除去する。ジメチルカドミウム、ジエチル亜鉛およびヘキサメチルジシラチアンを、Cd、ZnおよびS前駆物質としてそれぞれ用いる。CdとZnは等モルの比で混合するが、SはCdとZnに対して2倍過剰とする。2組のCd/Zn(5.5mmolのジメチルカドミウムおよびジエチル亜鉛)およびS(ヘキサメチルジシラチアン22mmol)試料をそれぞれ、窒素雰囲気グローブボックス内でトリオクチルホスフィン80mLに溶解する。前駆体溶液を用意できたら、反応フラスコを窒素下で155℃に加熱する。前駆体溶液を、155℃で2時間にわたりシリンジポンプを用いて各々の反応フラスコ溶液に滴下する。シェルの成長後、ナノ結晶は窒素雰囲気グローブボックスに移し、メタノールとイソプロパノールの3:1混合物を添加することにより、成長溶液から沈殿させる。次いで、結果として生じる沈殿を、ヘキサン中で分散し、メタノールおよびイソプロパノールの3:1混合物を添加することにより溶液から2回目の沈殿をさせる。次いで、単離したコアシェルナノ結晶をクロロホルム中で分散し、3つのバッチからの溶液を合わせる。(吸収/放射/FWHM(nm)=610/632/40)
【実施例6】
【0357】
2つの異なる型の半導体ナノ結晶を含む光学部品の調製:
以下のフィルムは、半導体ナノ結晶を含む光学材料を用いて調製する(実施例5に記載された合成に実質的に従って調製する)。
A.オレンジのスペクトル領域のピーク放射を有する半導体ナノ結晶を含む光学材料:
実施例5Aに記載された合成に実質的に従って調製した半導体ナノ結晶は、フルオロベンゼン中に分散した赤色発光半導体ナノ結晶を含み、588nmのピーク放射、約28nmのFWHM、83%の溶液量子収量および20mg/mlの濃度を有する。
【0358】
赤色発光ナノ結晶20mg/ml懸濁液の2.7mlを、3mL注射器からセプタムで蓋をした磁気撹拌棒を含む20mlバイアルに添加し、系を閉じ真空下で注射針を通してパージし、次いで窒素を再充填する。溶媒のおよそ90パーセントは真空ストリッピングによってバイアルから除去される。0.5mlのRD−12(Radcure Corp, 9 Audrey Pl,Fairfield,NJ 07004−3401から市販の低粘度反応性希釈剤)を添加する。残存する溶媒は真空ストリッピングによってバイアルから除去する。次いで、2.0mlのDR−150を注射器を通してバイアルに添加し、混合物はボルテックスミキサーを用いて混合する。(DR−150はRadcureから市販のUV硬化性アクリル酸配合物である。)。次いで、混合物はおよそ15分間超音波浴に置く。
【0359】
0.028グラムのTiO(DuPontから入手可能なTi−Pure 902+)を次に、開放バイアルに添加し、混合物をボルテックスミキサーで混合し、続いてホモジナイザーで混合する。
【0360】
次いで、バイアルは真空下で蓋をして脱気し、窒素を再充填する。
【0361】
混合の後、閉じたバイアルは、50分間超音波浴に入れる。試料が超音波浴にある間、40℃を超える温度を避けるように注意する。
【0362】
長波長半導体と追加のマトリクス材とを兼ね備える配合物を作るために用いるまで、試料は暗所に保存する。
【0363】
B.赤色スペクトル領域にピーク放射を有する半導体ナノ結晶を含む光学材料:
実施例5Bに記載された合成に実質的に従って調製した半導体ナノ結晶は、クロロホルム中に分散した赤色発光半導体ナノ結晶を含み、632nmのピーク発光、約40nmのFWHM、70%の溶液量子収量および56.7mg/mlの濃度を有する。
【0364】
赤色発光ナノ結晶56.7mg/ml懸濁液の99mlを、セプタムで蓋をしたマグネチックスターラーバーを備えたエルレンマイヤーフラスコに添加し、系を閉じ真空下で注射針を通してパージし、次いで窒素を再充填する。溶媒のおよそ95パーセントは真空ストリッピングによってバイアルから除去される。46.6mlのRD−12(Radcure Corp, 9 Audrey Pl,Fairfield,NJ 07004−3401から市販の低粘度反応性希釈剤)を添加する。残存する溶媒は真空ストリッピングによってバイアルから除去する。次いで、187mlのDR−150を注射器を通してバイアルに添加し、混合物はボルテックスミキサーを用いて混合する。(DR−150はRadcureから市販のUV硬化性アクリル酸配合物である。)。次いで、混合物はおよそ50分間超音波浴に置く。
【0365】
およそ2.6グラムのTiO(DuPontから入手可能なTi−Pure 902+)を次に、粒子寸法を減少させるためにボールミル機で前もって粉砕した12.9グラムのEsacure TPOとともに、開放バイアルに添加し、混合物をボルテックスミキサーで混合し、続いてホモジナイザーで混合する。
【0366】
次いで、バイアルは真空下で蓋して脱気し、窒素を再充填する。
【0367】
混合の後、閉じたバイアルは、60分間超音波浴に入れる。試料が超音波風呂にある間、40℃を超える温度を避けるように注意する。長波長半導体と追加のマトリクス材とを兼ね備える配合物を作るために用いるまで、試料は暗所に保存する。
【0368】
C.スペーサビーズを含む母材の調製:
0.9mlのRD−12(Radcure Corp,9 Audrey Pl,Fairfield,NJ 07004−3401から市販の低粘度反応性希釈剤)および3.8mlのDR−150(これもRadcure Corpから入手可能)を20mlバイアルに添加し、混合物はボルテックスミキサーを用いて混合する。次いで、混合物はおよそ30分間超音波浴に置く。
【0369】
およそ0.05グラムのTiO(DuPontから入手可能なTi−Pure 902+)は次に、MO−SCI Specialty Products,Rolla,MO 65401(米国)から入手可能な0.05グラムのGL0179B6/45スペースビーズとともに開放バイアルに添加し、次いで、混合物をボルテックスミキサーで混合する。
【0370】
混合の後、閉じたバイアルは、およそ50分間超音波浴に入れる。試料が超音波浴にある間、40℃を超える温度を避けるように注意する。長波長半導体と追加のマトリクス材とを兼ね備える配合物を作るために用いるまで、試料は暗所に保存する。
【0371】
D.赤色およびオレンジ色の発光半導体ナノ結晶を含む光学材料および層の調製:
光学材料は、20mlのバイアル中で、スペーサビーズ(実施例6Cに記載された手順に実質的に従って調製した)を含む2.52グラムの母材、実施例6Bの0.99グラムの光学材料および実施例6Aの1.01グラムの光学材料を一緒に添加することにより形成される。混合物はボルテックスミキサーを用いて撹拌し、続いて、超音波浴中でおよそ50分間超音波処理した。
【0372】
合わせたバイアルからのサンプル材料は、苛性塩基浴、酸性すすぎ、脱イオン水すすぎおよびメタノール拭きを用いて、あらかじめ浄化した、六角形状平坦ホウケイ酸ガラス上に分配する。またあらかじめ浄化した同じ寸法の第2の六角形プレートを、分配した試料材料上に配置し、サンドイッチ構造体を擦り込んで2枚のガラスプレート間に均一に配合物を広げる。構造体から絞り出された過剰配合物はガラスの外側部分を拭き取り、六角形サンドイッチは、DYMAX Corporationからの5000−EC UV Light Curing Flood LampシステムでHバルブ(225ミリワット/cm)を用いて10秒間硬化する。ナノ結晶を含有する層の厚さはおよそ70−79μm(およそ360mgの配合物)である。
【0373】
ホウケイ酸ガラスの2つの六角形平坦プレートからなる六角形サンドイッチは、実質的に実施例6に記載された通りに調製された光学材料の試料を含有するアクリルの硬化層を含む。
【0374】
6つの試料(サンプルA−F)を、実質的に実施例6に記載された通りに調製した。初期のCCT、CRIおよび外部量子効率測定を各試料について行い、次におよそ50℃に各試料を加熱し、下記の表2に個々の試料について指定した時間、450nmの青色光のおよそ30mW/cmを試料に照射した。CCT、CRIおよびEQE測定を、各々の試料に対してリストした照射時間の後に行った。データは以下の表2に述べられる。
【0375】
【表2】

【0376】
半導体ナノ結晶は、狭い発光線幅を有し、フォトルミネセンス効率が高く、ナノ結晶の寸法および/または組成により調節可能な発光波長を有するため、本明細書に記載された本発明の様々な態様および実施形態で使用される好ましい量子閉じ込め半導体ナノ粒子である。
【0377】
本発明の様々な態様および実施形態に有用な量子閉じ込め半導体ナノ結晶(例えば半導体ナノ結晶を含む)の寸法および組成は、スペクトルの遠可視、可視、赤外または他の所望の部分における波長帯域の所定波長で半導体ナノ結晶が光子を放出するように選択することができる。例えば、この波長は、300nmから400nm、400nmから700nm、700nmから1100nm、1100nmから2500nm、2500nmを超えるなど、300nmから2500nm以上でもよい。
【0378】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子(例えば半導体ナノ結晶)はナノメートルスケールの無機半導体ナノ粒子である。半導体ナノ結晶には、例えば、直径約1nmから約1000nm、好ましくは約2nmから約50um、より好ましくは約1nmから約20nm(約6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19または20nmなど)の無機結晶が含まれる。
【0379】
本発明の様々な態様および実施形態に含まれる半導体ナノ結晶は、最も好ましくは、約150オングストローム(Å)未満の平均のナノ結晶直径を有する。特定の実施形態において、約12から約150Åの範囲の平均ナノ結晶直径を有する半導体ナノ結晶は、特に望ましくなり得る。
【0380】
しかし、半導体ナノ結晶の組成物および所望の発光波長に依存して、平均直径はこれらの様々な好ましい寸法の範囲外であってよい。
【0381】
本明細書に記載された本発明の様々な態様および実施形態で使用されるナノ粒子およびナノ結晶を形成する半導体は、IV族元素、II−VI族化合物、II−V族化合物、III−VI族化合物、III−V族化合物、IV−VI族化合物、I−III−VI族化合物、II−IV−VI族化合物またはII−IV−V族化合物、例えば、CdS、CdO、CdSe、CdTe、ZnS、ZnO、ZnSe、ZnTe、MgTe、GaAs、GaP、GaSb、GaN、HgS、HgO、HgSe、HgTe、InAs、InP、InSb、InN、AlAs、AlP、AlSb、AlS、PbS、PbO、PbSe、Ge、Si、三元および四元の混合物および/またはアロイを含むこれらのアロイ、ならびに/またはこれらの混合物を含むことができる。
【0382】
ナノ粒子およびナノ結晶の形状の例には、球、棒、円盤、他の形状またはこれらの混合が含まれる。
【0383】
本発明の特定の好ましい態様および実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子(例えば半導体ナノ結晶を含む)は、1つ以上の第1の半導体材料の「コア」を含み、コアの表面の少なくとも一部上に第2の半導体材料のオーバーコーティングまたは「シェル」を含んでもよい。特定の実施形態において、シェルはコアを取り囲む。コアの表面の少なくとも一部上のシェルを含む量子閉じ込め半導体ナノ粒子(例えば半導体ナノ結晶を含む)コアはまた、「コア/シェル」半導体ナノ結晶とも呼ばれる。
【0384】
例えば、量子閉じ込め半導体ナノ粒子(例えば半導体ナノ結晶を含む)は、IV族元素または式MXによって表される化合物を含むコアを含むことができ、ここでMは、カドミウム、亜鉛、マグネシウム、水銀、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、またはこれらの混合物であり、Xは酸素、硫黄、セレン、テルル、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、またはこれらの混合物である。コアとして使用するのに適している材料の例は、CdS,CdO,CdSe,CdTe,ZnS,ZnO,ZnSe,ZnTe,MgTe,GaAs,GaP,GaSb,GaN,HgS,HgO,HgSe,HgTe,InAs,InP,InSb,InN,AlAs,AlP,AlSb,AlS,PbS,PbO,PbSe,Ge,Si,三元および四元の混合物および/またはアロイを含むこれらのアロイ、ならびに/またはこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。シェルとして使用するのに適する材料の例は、CdS,CdO,CdSe,CdTe,ZnS,ZnO,ZnSe,ZnTe,MgTe,GaAs,GaP,GaSb,GaN,HgS,HgO,HgSe,HgTe,InAs,InP,InSb,InN,AlAs,AlP,AlSb,AlS,PbS,PbO,PbSe,Ge,Si,三元および四元の混合物および/またはアロイを含むこれらのアロイ、ならびに/またはこれらの混合物を含むが、これらに限定されない。
【0385】
特定の実施形態において、周囲の「シェル」材料は、コア材料のバンドギャップを超えるバンドギャップを有することができ、「コア」基板の原子間隔に近い原子間隔を有するように選択することができる。別の実施形態においては、周囲のシェル材料がコア材料のバンドギャップ未満のバンドギャップを有することができる。さらなる実施形態において、シェルおよびコア材料は同一の結晶構造を有することができる。シェル材料は以下においてさらに論じられる。コア/シェル半導体構造のさらなる実施例については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2003年8月12日に申請された、“Semiconductor Nanocrystal Heterostructures”というタイトルの米国出願第10/638,546号を参照されたい。
【0386】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、狭い粒度分布を有する半導体ナノ粒子の集団の構成員であるのが好ましい。より好ましくは、量子閉じ込め半導体ナノ粒子(例えば半導体ナノ結晶を含む)は、ナノ粒子の単分散または実質的に単分散の集団を含む。
【0387】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、ナノ粒子の寸法および組成により調節可能な光学的特性を作り出すために、ボトムアップ化学的手法を設計する際に利用することができる強い量子閉じ込め効果を示す。
【0388】
例えば、半導体ナノ結晶の調製および操作は、Murrayら(J.Am.Chem.Soc,115:8706(1993));Christopher Murrayの学位論文“Synthesis and Characterization of II−VI Quantum Dots and Their Assembly into 3−D Quantum Dot Superlattices”、Massachusetts Institute of Technology、1995年9月;および、“Highly Luminescent Color−selective Materials”というタイトルの米国特許出願第08/969,302号に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。半導体ナノ結晶の調製および操作の他の実施例は、米国特許第6,322,901号および第6,576,291号ならびに米国特許出願第60/550,314号に記載されており、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0389】
本発明で役立つことができる他の材料、技術、方法、応用および情報は、2006年2月15日に申請された、Bawendiらの“Light Emitting Devices Including Semiconductor Nanocrystals”というタイトルの米国特許出願第11/354185号;2005年10月21日に申請された、Coe−Sullivanらの“Light Emitting Device Including Semiconductor Nanocrystals”というタイトルの米国特許出願第11/253595号;2003年8月12日に申請された、Kimらの“Semiconductor Nanocrystal Heterostructures”というタイトルの米国特許出願第10/638546号(上記で引用);Murrayら、J.Am.Chem.Soc,115巻8706(1993);Kortanら、J.Am.Chem.Soc,112巻1327(1990);およびChristopher Murrayの学位論文、“Synthesis and Characterization of II−VI Quantum Dots and Their Assembly into 3−D Quantum Dot Superlattices”、Massachusetts Institute of Technology(1995年9月)、2007年9月12日に申請された、Breenら“Functionalized Semiconductor Nanocrystals And Method”の米国特許出願第60/971,887号;2006年11月21日に申請された、Cloughら“Nanocrystals Including A Group IIIA Element And A Group VA Element, Method, Composition, Device and Other Products”の米国特許出願第60/866,822号;2006年11月21日に申請された、Craig Breenら“Semiconductor Nanocrystal Materials And Compositions And Devices Including Same,”の米国特許仮出願第60/866828号;2006年11月21日に申請された、Craig Breenら“Semiconductor Nanocrystal Materials And Compositions And Devices Including Same,”の米国特許仮出願第60/866832号;2006年11月21日に申請された、Dorai Ramprasadの“Semiconductor Nanocrystal And Compositions And Devices Including Same”の米国特許仮出願第60/866833号;2006年11月21日に申請された、Dorai Ramprasad“Semiconductor Nanocrystal And Compositions And Devices Including Same,”の米国特許仮出願第60/866834号;2006年11月21日に申請された、Dorai Ramprasad“Semiconductor Nanocrystal And Compositions And Devices Including Same”の米国特許仮出願第60/866839号;2006年11月21日に申請された、Dorai Ramprasad“Semiconductor Nanocrystal And Compositions And Devices Including Same,”の米国特許仮出願第60/866843号、および2008年5月6日に申請された、Seth Coe−Sullivanら“Optical Components,Systems Including an Optical Component, And Devices”の米国特許出願第60/050,929号に記載されている。前述の各々は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0390】
本発明の様々な態様および実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子(半導体ナノ結晶を含むが、これらに限定されない)は、場合によって、それに配位子を結合する。
【0391】
特定の実施形態において、配位子は、成長過程の間に用いられる配位性溶媒に由来する。過剰な競合配位基に繰り返しさらして被覆層(overlayer)を形成することよって、表面を改質することができる。例えば、キャップされた(capped)半導体ナノ結晶の分散液を、ピリジンなどの配位性有機化合物で処理して、ピリジン、メタノールおよび芳香族化合物に容易に分散するが、脂肪族溶媒にはもはや分散しない結晶を生成することができる。このような表面交換過程は、例えばホスフィン、チオール、アミンおよびリン酸塩を含む、半導体ナノ結晶の外面に配位する、または半導体ナノ結晶の外面と結合することができる任意の化合物を用いて行うことができる。表面に対する親和性を示し、懸濁または分散媒に対する親和性を有する部分で終端する短鎖ポリマーに、半導体ナノ結晶をさらすことができる。このような親和性により、懸濁液の安定性が向上し、半導体ナノ結晶の凝集が阻止される。他の実施形態において、半導体ナノ結晶は、代替として、非配位性溶媒を使用して調製することができる。
【0392】
例えば、配位する配位子が下記式を有することができる。
(Y−)k−n−(X)−(−L)
式中、k−nがゼロ以上となるようkは2、3、または5、nは1、2、3、4または5であり、XはO、S、S=O、SO2、Se、Se=O、N、N=O、P、P=O、AsまたはAs=Oであり、YおよびLのそれぞれは独立に、アリール、ヘテロアリール、または少なくとも1個の二重結合、少なくとも1個の三重結合、もしくは少なくとも1個の二重結合と三重結合とを場合によって含む直鎖もしくは分岐C2−12の炭化水素鎖である。この炭化水素鎖は、1つ以上のC1−4のアルキル、C2−4のアルケニル、C2−4のアルキニル、C1−4のアルコキシ、ヒドロキシル、ハロ、アミノ、ニトロ、シアノ、C3−5シクロアルキル、3−5員ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、C1−4アルキルカルボニルオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルカルボニルまたはホルミルで場合によって、置換することができる。炭化水素鎖には、−O−、−S−、−N(Ra)−、−N(Ra)−C(O)−O−、−O−C(O)−N(Ra)−、−N(Ra)−C(O)−N(Rb)−、−O−C(O)−O−、−P(Ra)−または−P(O)(Ra)−が場合によって割り込むこともできる。RaおよびRbのそれぞれは独立に、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、ヒドロキシルアルキル、ヒドロキシルまたはハロアルキルである。アリール基は置換または無置換の環状芳香族基である。例としては、フェニル、ベンジル、ナフチル、トリル、アントラシル、ニトロフェニルまたはハロフェニルがある。ヘテロアリール基は、環の中に1つ以上のヘテロ原子を有するアリール基、例えば、フリル、ピリジル、ピロリル、フェナントリルである。
【0393】
適切に配位する配位子を商業的に購入することができるが、例えば、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるJ.March、Advanced Organic Chemistryに記載されているような通常の有機合成技術によって調製することもできる。
【0394】
参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2003年8月15日に申請された「Stabilized Semiconductor Nanocrystals」というタイトルの米国特許出願第10/641,292号も参照されたい。
【0395】
電子および正孔が量子閉じ込め半導体ナノ粒子(半導体ナノ結晶を含むが、これらに限定されない)上で局所化すると、発光波長で発光が生じる。この発光は、量子閉じ込め半導体材料のバンドギャップに対応する周波数を有する。バンドギャップはナノ粒子の寸法の関数である。直径が小さい量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、分子形態の物質とバルク形態の物質との中間の特性を有することができる。例えば、直径が小さい量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、三次元すべてにおいて電子および正孔両方の量子閉じ込めを示し、これにより、結晶寸法の減少に伴って材料の有効バンドギャップが増大する。結果的に、例えば、半導体ナノ結晶の光吸収も発光も、結晶の寸法が減少するにつれて青色に、またはより高いエネルギーにシフトする。
【0396】
青色発光半導体ナノ結晶材料の例については、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2005年3月4日に申請された米国特許出願第11/071,244号を参照されたい。
【0397】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子からの発光は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子の寸法、量子閉じ込め半導体ナノ粒子の組成またはその両方を変えることによって、スペクトルの紫外、可視または赤外領域の全波長域を通して調節することができる狭いガウス形発光バンドであってよい。例えば、可視領域でCdSeを調節することができ、赤外領域でInAsを調節することができる。量子閉じ込め半導体ナノ粒子集団の狭い寸法分布により、狭いスペクトル範囲で発光を得ることができる。この集団は単分散でもよく、好ましくは量子閉じ込め半導体ナノ粒子の直径で15%rms(二乗平均)未満、より好ましくは10%rms未満、最も好ましくは5%rmsの偏差を示す。可視で発光する量子閉じ込め半導体ナノ粒子について約75nm以下、好ましくは60nm以下、より好ましくは40nm以下、最も好ましくは30nm以下の半値全幅(FWHM)の狭い範囲におけるスペクトル発光を観測することができる。IR発光量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、150nm以下または100nm以下のFWHMを有することができる。発光のエネルギーを表すと、発光は0.05eV以下、または0.03eV以下のFWHMを有することができる。発光の幅は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子直径の分散度が低下するにつれて減少する。
【0398】
例えば、半導体ナノ結晶は、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%を超えるなど、高い発光量子効率を有することができる。
【0399】
半導体ナノ結晶の狭いFWHMにより、飽和色発光を得ることができる。他のどのような種類の有機発色団も、単一の材料系の可視スペクトル全体にわたる広範囲に調節可能な飽和色発光に及ぶものはない(例えば、参照によりその全体が組み込まれる、Dabbousiら、J.Phys.Chem.101、9463(1997)を参照されたい)。半導体ナノ結晶の単分散集団が、狭い波長域に広がる光を放出することになる。2つ以上の寸法の半導体ナノ結晶を含むパターンが、2つ以上の狭い波長域で発光することができる。観察者が知覚する発光の色は、半導体ナノ結晶の寸法と材料との適切な組合せを選択することによって制御することができる。半導体ナノ結晶のバンド端エネルギー準位の縮退により、可能性のある励起子すべての捕獲および放射再結合が容易となる。
【0400】
透過型電子顕微鏡法(TEM)により、半導体ナノ結晶集団の寸法、形状および分布についての情報が提供される。粉末X線回折(XRD)パターンは、半導体ナノ結晶の結晶構造のタイプおよび質に関する最も完全な情報をもたらすことができる。粒径はX線コヒーレンス長によりピーク幅と逆相関しているため、寸法の推測も可能である。例えば、半導体ナノ結晶の直径を、透過型電子顕微鏡法によって直接測定する、または例えば、シェラー方程式(Scherrer equation)の式を用いて、X線回折データから推測することができる。半導体ナノ結晶の直径は、紫外/可視吸収スペクトルから推測することもできる。
【0401】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、制御された(酸素なしおよび水分なし)環境内で処理し、製造工程の間の発光効率の低下を阻止することが好ましい。
【0402】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料は、液体媒体に分散させることができ、したがって半導体ナノ結晶は、スピンコーティング、ドロップキャスティング、ディプコーティングなどの薄膜堆積技法に適合する。
【0403】
特定の好ましい実施形態において、本発明の様々な態様および実施形態で使用される光学材料は、例えば、量子閉じ込め半導体ナノ粒子および液体ビヒクルを含むインクから調製することができ、液体ビヒクルは母材を形成するために重合することができる(例えば、架橋した)、1種以上の官能基を含む。特定の実施形態において、官能基単位はUV処理によって架橋することができる。特定の実施形態において、官能基単位は熱処理によって架橋することができる。特定の実施形態において、官能基単位は、当業者によって容易に確認可能な他の架橋技術によって架橋することができる。特定の実施形態において、架橋することができる1種以上の官能基を含む光学材料は、液体ビヒクル自体であってよい。各々の開示がこれによって参照により本明細書に組み込まれる、2007年6月25日に申請された、Lintonらの米国特許出願第60/946090号“Methods For Depositing Nanomaterial, Methods For Fabricating A Device, Methods For Fabricating An Array Of Devices And Compositions”、および2007年7月12日に申請されたLintonらの米国特許出願第60/949306号、“Compositions, Methods For Depositing Nanomaterial, Methods For Fabricating A Device, And Methods For Fabricating An Array Of Devices”を参照されたい。場合によって、インクは散乱材および/または他の添加剤をさらに含む。
【0404】
インクは印刷、スクリーン印刷、スピンコーティング、グラビア技術、インクジェット印刷、ロール印刷などによって基板の表面に堆積することができる。インクは所定の配置において堆積することができる。例えば、インクはパターン化または非パターン化した配置で堆積することができる。基板上にインクを堆積させるのに役立つことができる追加の情報については、例えば、2007年6月25日に申請されたSeth A.Coe−Sullivanの“Methods For Depositing Nanomaterial,Methods For Fabricating A Device, And Methods For Fabricating An Array Of Devices”というタイトルの国際特許出願PCT/US2007/014711号、2007年6月25日に申請された、Seth A.Coe−Sullivanらの“Methods For Depositing Nanomaterial,Methods For Fabricating A Device, Methods For Fabricating An Array Of Devices And Compositions”というタイトルの国際特許出願PCT/US2007/014705号、2007年6月25日に申請された、Seth A.Coe−Sullivanらの“Methods And Articles Including Nanomaterial”というタイトルの国際特許出願PCT/US2007/014706号、2007年4月9日に申請された、Seth A.Coe−Sullivanらの“Composition Including Material, Methods Of Depositing Material, Articles Including Same And Systems For Depositing Material”というタイトルの国際特許出願第PCT/US2007/08873号、2007年4月13日に申請された、Maria J,Ancらの“Methods Of Depositing Material,Methods Of Making A Device,And Systems And Articles For Use In Depositing Material”というタイトルの国際特許出願PCT/US2007/09255号、2007年4月9日に申請された、Seth Coe−Sullivanらの“Methods And Articles Including Nanomaterial”というタイトルの国際特許出願PCT/US2007/08705号、2007年4月9日に申請された、Marshall Coxらの“Methods Of Depositing Nanomaterial & Methods Of Making A Device”というタイトルの国際特許出願PCT/US2007/08721号、2005年10月20日に申請された、Seth Coe−Sullivanらの“Method And System For Transferring A Patterned Material”というタイトルの米国特許出願第11/253,612号、および2005年10月20日に申請された、Seth Coe−Sullivanらの“Light Emitting Device Including Semiconductor Nanocrystals”というタイトルの米国特許出願第11/253,595号も参照されたい。上に記載した特許出願それぞれは、参照によりそれら全体が本明細書に組み込まれる。
【0405】
これらの堆積技術の結果として生じる特徴または層に量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料の位置決めによっては、ナノ粒子の表面のすべてが光を吸収し放出するのが可能とは限らない。
【0406】
特定の実施形態において、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料は、接触印刷を用いて、表面に堆積することができる。例えば、それぞれが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、A.KumarおよびG.Whitesides、Applied Physics Letters、63、2002−2004、(1993);およびV.SanthanamおよびR.P.Andres、Nano Letters 4、41−44、(2004)、を参照されたい。またそれぞれが参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、2005年10月21日に申請された、Coe−Sullivanらの“Method And System For Transferring A Patterned Material”というタイトルの米国特許出願第11/253,612号、および2005年10月21日に申請された、Coe−Sullivanの“Light Emitting Device Including Semiconductor Nanocrystals”というタイトルの米国特許出願第11/253,595号を参照されたい。
【0407】
この技術は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む様々な厚さの光学材料を堆積させるのに使用できる。特定の実施形態において、厚さは、所望の%吸収をそれによって達成するように選択する。最も好ましくは、量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、再放出される光子をまったく吸収しない、または無視できる量のみを吸収する。
【0408】
特定の実施形態において、基板(例えば支持要素)上のあらかじめ定められた領域に材料(例えば光学材料)を適用する方法が望ましいことがある。あらかじめ定められた領域は材料が選択的に適用される基板上の領域である。光源のスペクトルの1つを越える欠けを補償するために、光学部品が1つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、場合によって、1種以上の異なる光学材料に含有することができる。光源のスペクトルの1つを越える欠乏を補償するために、光学部品が1つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する特定の実施形態において、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、場合によって、2つ以上の異なる光学材料に含有することができ、また、異なる光学材料の各々は、基板の異なる領域におよび/または基板を覆って別々の層として適用することができる。材料および基板は、材料が完全に予定地点内に実質的にとどまるように選択することができる。パターンを形成するあらかじめ定められた領域を選択することによって、材料は、基板に材料がパターンを形成するように適用することができる。パターンは、規則的パターン(配列または一連のラインなどの)、または不規則パターンであってよい。材料のパターンが基板に形成されれば、基板には材料を含む領域(あらかじめ定められた領域)、および材料が実質的にない領域があり得る。いくつかの状況において、材料は基板上に単層を形成する。あらかじめ定められた領域は不連続領域であってよい。言いかえれば、材料が基板のあらかじめ定められた領域に適用される場合、材料を含む位置は、材料が実質的にない他の位置によって分離することができる。
【0409】
代替として、他の溶液ベースの処理技術、相分離、スピンキャスティング、インクジェット印刷、シルクスクリーニング、および表面にパターンを形成するために利用可能な他の液膜技術によって、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を堆積させることもできる。
【0410】
代替として、全面的なまたは部分的な層としてまたはパターン化配置に、上記リストまたは他の知られている技術のいずれかによって堆積する光透過性母材(例えば、量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって放出される光に対して好ましくは少なくとも部分的に光透過性で、より好ましくは透明であり、しかも量子閉じ込め半導体ナノ粒子を分散することができるポリマー、樹脂、石英ガラス、またはシリカゲルなど)中に、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を分散することができる。適切な材料は、ポリスチレン、エポキシ、ポリイミドおよび石英ガラスなどの、多くの安価で一般に入手可能な材料を含む。表面に適用した後に、この種の材料は、ナノ粒子が所与の色の光を出力するように選択された寸法である、量子閉じ込め半導体ナノ粒子の分散物を含んでいてもよい。例えば、ポリマーオーバーコーティングを含む基板上の二次元の層などの材料に配置された、他の構成の量子閉じ込め半導体ナノ粒子もまた考えられる。
【0411】
2007年12月21日に申請された、Seth Coe−Sullivanらの米国特許出願第61/016,227号“Compositions, Optical Component,System Including An Optical Components,and Devices”が参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0412】
本明細書中で使用する「上部」、「底部」、「を覆って」および「下方に」は、基準点からの位置に基づく相対位置の用語である。より詳細には、「上面」は、基準点から最も遠く離れていることを意味し、一方「底面」は基準点に最も近いことを意味する。例えば、部品または基板「を覆って」配置または堆積されると、層が記載される場合、層は部品または基板から一層離れて配置される。層と部品または基板との間に他の層があってよい。本明細書で使用する、「覆う」はまた、基準点からの位置に基づく相対位置の用語である。例えば、第2の材料を覆うと第1の材料が記載される場合、第1の材料は第2の材料を覆って配置されるが、必ずしも接していない。
【0413】
本明細書中で使用する単数形「a」、「an」および「the」は、文脈上明らかに他の意味に解すべき場合を除き、複数を含む。したがって、例えば、1種の発光材料についての言及は、このような材料1種以上についての言及を含む。
【0414】
本出願人は、本開示における引用文献すべての全内容を具体的に援用する。さらに、ある量、濃度または他の値もしくはパラメータが、ある範囲、好ましい範囲、または好ましい上位値と好ましい下位値の一覧として与えられている場合、これは、範囲が個別に開示されているかどうかにかかわらず、任意の範囲上限または好ましい値と任意の範囲下限または好ましい値との任意の組から形成されるすべての範囲を具体的に開示していると理解すべきである。ある範囲の数値が本明細書に列挙されている場合、特に明記しない限り、この範囲はその終点、ならびにこの範囲内のすべての整数および分数を含むものとする。本発明の範囲は、ある範囲を定義する際に列挙される特定値に限定されるものではない。
【0415】
本発明の他の実施形態は、本明細書を考慮に入れ、また本明細書に開示される本発明を実施することにより、当業者には明らかとなるであろう。本明細書および実施例は例示的と見なされるにすぎず、本発明の真の範囲および精神は、以下の特許請求の範囲およびその等価物によって示されるものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
青のスペクトル成分を含有し、少なくとも1つのスペクトル領域に欠けを有する白色光を放出することができる光源、および光源によって発生された光の少なくとも一部を受けるように位置する光学部品を含む固体照明装置であって、光学部品は、固体照明装置によって放出される光が、光源の欠けたスペクトル領域の1つ以上の所定波長での光放出で補われた光源からの光放出を含むように、光の青のスペクトル成分の少なくとも一部を、1つ以上の所定波長に変換するための光学材料を含み、光学材料は量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む、固体照明装置。
【請求項2】
少なくとも1つの所定波長が約575nmから約650nmからの範囲にある、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項3】
少なくとも1つの所定波長が約450nmから約500nmからの範囲にある、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項4】
光源によって放出される光が80未満の平均演色評価数(R)を有する、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項5】
固体照明装置によって放出される光が80を超える平均演色評価数(R)を有する、請求項4に記載の固体照明装置。
【請求項6】
固体照明装置によって放出される光が85を超える平均演色評価数(R)を有する、請求項4に記載の固体照明装置。
【請求項7】
固体照明装置によって放出される光が90を超える平均演色評価数(R)を有する、請求項4に記載の固体照明装置。
【請求項8】
固体照明装置によって放出される光が95を超える平均演色評価数(R)を有する、請求項4に記載の固体照明装置。
【請求項9】
固体照明装置によって放出される光の平均演色評価数(R)が、光源によって放出される光の平均演色評価数(R)より少なくとも10%高い、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項10】
固体照明装置が70%より大きい光源ルーメン/ワット効率を維持する、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項11】
固体照明装置が100%より大きい光源ルーメン/ワット効率を維持する、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項12】
固体照明装置が110%より大きい光源ルーメン/ワット効率を維持する、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項13】
固体照明装置のルーメン/ワット効率が固体照明装置の色温度の関数として実質的に変化しない、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項14】
光学材料が、量子閉じ込め半導体ナノ粒子が分布している母材をさらに含む、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項15】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子が、母材の重量の約0.001から約5重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている、請求項14に記載の固体照明装置。
【請求項16】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子が、母材の重量の約0.5から約3重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている、請求項14に記載の固体照明装置。
【請求項17】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子が、母材の重量の約1から約3重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている、請求項14に記載の固体照明装置。
【請求項18】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子が、母材の重量の約1から約2重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている、請求項14に記載の固体照明装置。
【請求項19】
光学材料が光散乱材をさらに含む、請求項14に記載の固体照明装置。
【請求項20】
光散乱材が光散乱粒子を含む、請求項19に記載の固体照明装置。
【請求項21】
光散乱粒子が、母材の重量の約0.001から約5重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている、請求項19に記載の固体照明装置。
【請求項22】
光散乱粒子が、母材の重量の約0.5から約3重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている、請求項19に記載の固体照明装置。
【請求項23】
光散乱粒子が、母材の重量の約1から約3重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている、請求項19に記載の固体照明装置。
【請求項24】
光散乱粒子が、母材の重量の約1から約2重量パーセントの範囲の量で光学材料に含有されている、請求項14に記載の固体照明装置。
【請求項25】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料が、支持要素の表面を覆って配置される、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項26】
光学材料が、支持要素の表面の所定の領域を覆って配置される層に含有されている、請求項25に記載の固体照明装置。
【請求項27】
層が約0.1ミクロンから約1cmの厚さを有する、請求項26に記載の固体照明装置。
【請求項28】
光学材料が、量子閉じ込め半導体ナノ粒子が分布している母材をさらに含む、請求項25に記載の固体照明装置。
【請求項29】
層が母材の重量に対して約0.001から約5重量パーセントの量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含有する、請求項26に記載の固体照明装置。
【請求項30】
層が光散乱材をさらに含む、請求項26に記載の固体照明装置。
【請求項31】
光散乱材が、母材の重量の約0.001から約5重量パーセントの範囲の量で層に含有されている、請求項30に記載の固体照明装置。
【請求項32】
支持要素が固体照明装置からの光出力に対して光学的に透明である、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項33】
支持要素が固体照明装置のためのカバープレートを含む、請求項25に記載の固体照明装置。
【請求項34】
支持要素が固体照明装置の光拡散部品を含む、請求項25に記載の固体照明装置。
【請求項35】
支持要素が剛体である、請求項25に記載の固体照明装置。
【請求項36】
支持要素が可撓性である、請求項23に記載の固体照明装置。
【請求項37】
光学材料が光源と直接接触していない、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項38】
固体照明装置の運転中のナノ粒子の位置での温度が90℃未満である、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項39】
固体照明装置の運転中のナノ粒子の位置での温度が75℃未満である、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項40】
固体照明装置の運転中のナノ粒子の位置での温度が60℃以下である、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項41】
固体照明装置の運転中のナノ粒子の位置での温度が50℃以下である、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項42】
固体照明装置の運転中のナノ粒子の位置での温度が40℃以下である、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項43】
光源が白色光発光LEDを含む、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項44】
白色光発光LEDが、青色LED光出力を白色光に変換する蛍光体物質を含有する青色発光半導体LEDを含む、請求項43に記載の固体照明装置。
【請求項45】
光学材料が赤色光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項46】
光学材料が赤色光を放出することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む、請求項44に記載の固体照明装置。
【請求項47】
青のスペクトル領域での放出を含む白色光を放出することができ、オレンジから赤のスペクトル領域に欠けを有するLEDを含む光源、およびLEDによって放出される光を受けるように位置する光学部品を含む固体照明装置であって、光学部品は、固体照明装置によって放出される光が変換された光放出で補われたLED光源からの光放出を含むように、青のスペクトル領域での放出の少なくとも一部を、約575nmから約650nmの範囲の波長を含むスペクトル領域の光に変換するための光学材料を含み、光学材料は量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む、固体照明装置。
【請求項48】
青のスペクトル領域での放出の少なくとも10%が量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって変換される、請求項1または47に記載の固体照明装置。
【請求項49】
青のスペクトル領域での放出の少なくとも30%が量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって変換される、請求項1または47に記載の固体照明装置。
【請求項50】
青のスペクトル領域での放出の少なくとも60%が量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって変換される、請求項1または47に記載の固体照明装置。
【請求項51】
青のスペクトル領域での放出の少なくとも90%が量子閉じ込め半導体ナノ粒子によって変換される、請求項1または47に記載の固体照明装置。
【請求項52】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子がカドミウムを含まない、請求項1または47に記載の固体照明装置。
【請求項53】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子がIII−V半導体材料を含む、請求項1または47に記載の固体照明装置。
【請求項54】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子が、半導体材料を含むコアおよびコアの表面の少なくとも一部上に配置された無機のシェルを含む半導体ナノ結晶を含む、請求項1または47に記載の固体照明装置。
【請求項55】
固体照明装置から放出される光が、光源から放出される光の相関色温度より少なくとも約1000K低い相関色温度を有する、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項56】
固体照明装置から放出される光が、光源から放出される光の相関色温度より少なくとも約2000K低い相関色温度を有する、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項57】
固体照明装置から放出される光が、光源から放出される光の相関色温度より少なくとも約3000K低い相関色温度を有する、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項58】
固体照明装置から放出される光が、光源から放出される光の相関色温度より少なくとも約4000K低い相関色温度を有する、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項59】
固体半導体発光素子を受けるのに適合した照明器具であって、光源によって発生された光の少なくとも一部が、器具から放出される前に、光学部品を通過するように、光源の位置に対して器具内に位置する光学部品を含み、光学部品は、発光素子から放出される光のスペクトルを補うために第1の所定波長を有する光を1つ以上の異なる所定波長を有する光に変換することができる光学材料を含み、光学部品は、量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む光学材料を含む、照明器具。
【請求項60】
第1の所定波長が青のスペクトル領域にあり、ならびに1つ以上の異なる所定波長の少なくとも1つがオレンジから赤のスペクトル領域にある、請求項59に記載の照明器具。
【請求項61】
光学材料が、ナノ粒子が分布している母材をさらに含む、請求項59に記載の照明器具。
【請求項62】
光学材料が、母材に分布している光散乱粒子をさらに含有する、請求項61に記載の照明器具。
【請求項63】
固体半導体発光素子のための照明器具に取り付けに適合したカバープレートであって、内側表面および外側表面ならびに照明器具の設計に基づいた所定形状を有する光学的に透明な基板、基板の内側表面に配置された光学材料、および照明器具にカバープレートを取り付ける手段を含み、光学材料は、光学材料を通過する光のスペクトルを補うために、第1の所定波長を有する光を1つ以上の異なる所定波長を有する光に変換することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む、カバープレート。
【請求項64】
第1の所定波長が青のスペクトル領域にあり、第2の所定波長が赤のスペクトル領域にある、請求項63に記載のカバープレート。
【請求項65】
光学材料が、ナノ粒子が分布している固体材料をさらに含む、請求項63に記載のカバープレート。
【請求項66】
光学材料が、固体材料に分布している光散乱粒子をさらに含有する、請求項65に記載のカバープレート。
【請求項67】
青および黄のスペクトル領域での放出を含むスペクトル出力を有する白色光発光固体半導体発光素子のルーメン/ワット効率を改善する方法であって、青色の放出の少なくとも一部を光学材料中へ通過させ、青のスペクトルの放出の少なくとも一部をオレンジから赤のスペクトル領域の1つ以上の放出に変換することを含み、光学材料は量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む、方法。
【請求項68】
青および黄色のスペクトル領域での放出を含み、少なくとも1つのスペクトルの欠けを含むスペクトル出力を有する白色発光半導体発光素子の少なくとも1つのカラー特性を改善する方法であって、青の放出の少なくとも一部を光学材料中へ通過させ、青のスペクトルの放出の少なくとも一部を約575nmから約650nmのスペクトル領域の1つ以上の放出に変換することを含み、光学材料が量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む、方法。
【請求項69】
光学材料が2種以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含み、各々の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子が、光学材料に含有されている別の型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子の少なくとも1つによって放出された所定波長とは異なる所定波長で光を放出し、ならびに1つ以上の異なる所定波長は、光学材料が光源の1つ以上のスペクトルの欠けを補償するように選択されている、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
青のスペクトル成分およびスペクトルの別の領域にスペクトルの少なくとも1つの欠けを含む白色光を放出する光源とともに使用する光学部品であって、光源からの光出力の青のスペクトル成分の少なくとも一部を1つ以上の所定波長に変換するための光学材料を含み、光学材料が量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む、光学部品。
【請求項71】
1つ以上の所定波長が光源のスペクトル領域の欠けを補償するように選択される、請求項70に記載の光学部品。
【請求項72】
1つ以上の所定波長が約575nmから650nmの範囲であってよい、請求項70に記載の光学部品。
【請求項73】
1つ以上の所定波長が約580nmから630nmの範囲であってよい、請求項70に記載の光学部品。
【請求項74】
1つ以上の所定波長が約590nmから630nmの範囲であってよい、請求項70に記載の光学部品。
【請求項75】
1つ以上の所定波長が約600nmから620nmの範囲であってよい、請求項70に記載の光学部品。
【請求項76】
1つ以上の所定波長が約616nmであってよい、請求項70に記載の光学部品。
【請求項77】
光源がシアンのスペクトル領域にスペクトルの欠けを含む白色光を放出し、ならびに所定波長が約450nmから約500nmの範囲にあってよい、請求項70に記載の光学部品。
【請求項78】
光学部品が1つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含み、各々の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、光学材料に含有されている別の型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子の少なくとも1つによって放出された所定波長とは異なる所定波長で光を放出し、ならびに1つ以上の異なる所定波長は、光学材料が光源の1つ以上のスペクトルの欠けを補償するように選択されている、請求項70に記載の光学部品。
【請求項79】
光学部品が、異なる所定波長で放出する2つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含み、異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は2つ以上の異なる光学材料に含有されている、請求項70に記載の光学部品。
【請求項80】
異なる光学材料が階層状配置の個別の層として光学部品に含有されている、請求項79に記載の光学部品。
【請求項81】
異なる光学材料がパターン層の個別の特徴として光学部品に含有されている、請求項79に記載の光学部品。
【請求項82】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子が半導体ナノ結晶を含む、請求項70に記載の光学部品。
【請求項83】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子が少なくとも40%の固体量子効率を有する、請求項70に記載の光学部品。
【請求項84】
量子閉じ込め半導体ナノ粒子が光学部品の使用中に少なくとも40%の効率を維持する、請求項70に記載の光学部品。
【請求項85】
光学材料が、量子閉じ込め半導体ナノ粒子が分布している母材をさらに含む、請求項70に記載の光学部品。
【請求項86】
光学材料が光散乱材をさらに含む、請求項70に記載の光学部品。
【請求項87】
光学部品が支持要素をさらに含む、請求項70に記載の光学部品。
【請求項88】
光学部品が少なくとも部分的に封入されている、請求項70に記載の光学部品。
【請求項89】
光学部品が完全に封入されている、請求項70に記載の光学部品。
【請求項90】
光学部品が1つ以上の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含み、各々の異なる型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子は、光学材料に含有されている別の型の量子閉じ込め半導体ナノ粒子の少なくとも1つによって放出された所定波長とは異なる所定波長で光を放出し、ならびに1つ以上の異なる所定波長は、光学材料が光源の1つ以上のスペクトルの欠けを補償するように選択されている、請求項1に記載の固体照明装置。
【請求項91】
第1の所定波長を有する光が2つ以上の異なる所定波長に変換される、請求項59に記載の照明器具。
【請求項92】
第1の所定波長を有する光が2つ以上の異なる所定波長に変換される、請求項63に記載のカバープレート。
【請求項93】
請求項1に記載の固体照明装置を含む内視鏡光源。
【請求項94】
請求項70に記載の光学部品を含む内視鏡光源。
【請求項95】
青のスペクトル領域での放出を含む白色光を放出することができ、オレンジから赤のスペクトル領域に欠けを有するLEDを含む光源、およびLEDによって放出される光を受けるように位置する光学部品を含む固体照明装置であって、光学部品は、固体照明装置によって放出される光がオレンジから赤のスペクトル領域での光放出で補われたLED光源からの光放出を含むように、青のスペクトル領域での放出の少なくとも一部を、約450nmから約500nmの範囲の波長を含むスペクトル領域の光に変換するための光学材料を含み、光学材料は量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む、固体照明装置。
【請求項96】
第1の所定波長が青のスペクトル領域にあり、ならびに1つ以上の異なる所定波長の少なくとも1つがシアンのスペクトル領域にある、請求項59に記載の照明器具。
【請求項97】
第1の所定波長が青のスペクトル領域にあり、ならびに第2の所定波長がシアンのスペクトル領域にある、請求項63に記載のカバープレート。
【請求項98】
固体半導体発光素子への取り付けに適合したカバープレートであって、内側表面および外側表面ならびに照明器具の設計に基づいた所定形状を有する光学的に透明な基板、基板の内側表面に配置された光学材料、および素子にカバープレートを取り付ける手段を含み、光学材料は、光学材料を通過する光のスペクトルを補うために、第1の所定波長を有する光を1つ以上の異なる所定波長を有する光に変換することができる量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む、カバープレート。
【請求項100】
青および黄のスペクトル領域での放出を含み、少なくとも1つのスペクトルの欠けを含むスペクトル出力を有する白色発光半導体発光素子の少なくとも1つのカラー特性を改善する方法であって、青の放出の少なくとも一部を光学材料中に通過させ、青のスペクトルの放出の少なくとも一部を約450nmから約500nmのスペクトル領域の1つ以上の放出に変換することを含み、光学材料が量子閉じ込め半導体ナノ粒子を含む、方法。
【請求項101】
本明細書に示され記載されたような新規の、有用なおよび自明でない方法、機械、製造、および物質の組成物。

【公表番号】特表2011−524064(P2011−524064A)
【公表日】平成23年8月25日(2011.8.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−508496(P2011−508496)
【出願日】平成21年5月6日(2009.5.6)
【国際出願番号】PCT/US2009/002789
【国際公開番号】WO2009/151515
【国際公開日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【出願人】(508241026)キユーデイー・ビジヨン・インコーポレーテツド (12)
【Fターム(参考)】