説明

金属ガスケット

【課題】ボア間のクリアランスが厳しいエンジンにも適用可能な金属ガスケットを提供する。
【解決手段】各燃焼室孔2a、2bの周縁に沿って板厚が厚い増厚部6,7を形成し、さらにその外周を囲繞するように、金属ビードとゴムビードとの合成からなる合成ビードを形成した金属ガスケットである。隣り合う燃焼室孔2周りの各増厚部6,7の増厚方向を互い逆向きに設定し、かつ、隣接する燃焼室孔2の間である孔境界部においては、両燃焼室孔の合成ビードを合流させて共通の一つの合成ビード15にすると共にその孔境界部Xに位置する合成ビード15の金属ビード14をハーフビードとする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内燃機関を構成するシリンダブロックとシリンダヘッドとの対向する接合面間に介挿されて当該接合面間をシールするのに有用な金属ガスケットに係り、ビードとして金属ビードと弾性シール材からなるゴムビードとの合成バネ力でシールすることにより基板の剛性が低い金属ガスケットに有用な技術である。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の燃焼室孔が開口した金属ガスケットとしては、例えば特許文献1に記載のガスケットがある。この金属ガスケットは、ステンレス鋼板や軟鋼板などの薄肉金属板から基板を構成し、その基板に対し燃焼室孔、ボルト孔、オイル孔、水孔等の各種の孔を開口し、更に、シールが必要な孔の周囲をシールラインに沿って凸状のフルビードやステップ状のハーフビードの一方の形状からなる金属ビードで囲繞し更に、その金属ビードの上下両面に耐熱性と弾力性を有する弾性シール材を配置して、金属ビードと弾性シール材によるゴムビードとからなる合成ビードの合成弾力でシールしている。そして、合成弾性でシールすることで基板の剛性や締付けトルクの低減を図ることが出来る結果、エンジンの小型化やアルミ化に有効に対応することが出来る。
【0003】
また、燃焼室孔の外周を囲繞するように、基板に板を積層して増厚する増厚部を配置する。その増厚部は、ボア内の高圧の燃焼ガスをシールすると共に当該増厚部より外側を囲繞するビードの過圧縮を制限する役目を有している。ここで、一般には、各燃焼室孔周りの増厚部は同一方向に増厚されており、また、各ビードもその増厚方向に凸部が向くように設定されている。
【0004】
そして、隣接する燃焼室孔の間である孔境界部においては、当該隣接する燃焼室孔に共通した上記合成ビードを一本だけ設けると共に、上記孔境界部における燃焼室孔周縁に沿った増厚部の幅を隣接する燃焼室孔間のクリアランスに応じた幅としたものである。なお、合流する2つの金属ビードがともにハーフビードであっても、合流後の金属ビードはフルビードとなっていた。
【0005】
これにより、エンジンの軽量小型化に伴う隣接する燃焼室孔間のクリアランスが厳しくなっても、目的とするシールを確保すると共に、従来よりも締付け軸力を低減しても、隣接して配置される各燃焼室孔周縁を十分にシール可能となる。
【特許文献1】国際公開WO2003/085294
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、近年、エンジンの進化は加速され、更なる小型軽量化、高性能化が進む結果、ボア間が更に狭く設計されて、上記のような金属ガスケットであっても対応出来なくなるおそれがある。例えばエンジンのボア間のガスケット製品幅が4mmを切るような要求がある場合、ボア間に上記増厚部と金属ビードとゴムビードとの合成ビードを配設することが出来ないおそれがあるが、この場合であっても、ボア間のシールをすることが要求される。
本発明は、このような点に着目してなされたもので、ボア間のクリアランスが厳しいエンジンにも適用可能な金属ガスケットを提供することを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本願発明のうち請求項1に記載した発明は、複数の燃焼室孔が隣接して開口した金属板を基板とし、各燃焼室孔の周縁に沿って板厚が厚い増厚部を形成し、さらにその外周を囲繞するようにビードを形成し、そのビードは、基板を屈曲してなる金属ビードと、その金属ビードの凸部側表面に固着すると共に凸部裏側の凹部に充填されて上記金属ビードと共にバネ力を発生可能な弾性シール材からなるゴムビードとの合成ビードで構成される金属ガスケットであって、
少なくとも隣接する2つの燃焼室孔周りにおいて、隣り合う燃焼室孔周りの各増厚部の増厚方向を互い逆向きに設定し、かつ、隣接する燃焼室孔の間である孔境界部においては、両燃焼室孔の合成ビードを合流させて共通の一つの合成ビードにすると共にその孔境界部に位置する合成ビードの金属ビードをハーフビードとしたことを特徴とするものである。
【0008】
次に、請求項2に記載した発明は、請求項1に記載した構成に対し、少なくとも隣接する2つの燃焼室孔周りにおいて、隣り合う燃焼室孔周りの合成ビードの各金属ビートについて、一方の合成ビードの金属ビードをフルビードとすると共に他方の合成ビードの金属ビードをハーフビードとすることを特徴とするものである。
次に、請求項3に記載した発明は、請求項1または請求項2に記載した構成に対し、上記孔境界部に位置する増厚部の幅を、他の位置の増厚部部分よりも狭くしたことを特徴とするものである。
次に、請求項4に記載した発明は、請求項3に記載した構成に対し、増厚部の幅について、上記孔境界部に位置する幅狭の部分と他の位置の増厚部部分との接合部分の幅を、上記他の位置の増厚部部分よりも幅広としたことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、エンジンの更なる軽量小型化で隣接する燃焼室孔間のクリアランスが厳しくなっても、確実に目的のシールを確保することができる金属ガスケットを提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
次に、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。
図1は、本実施形態に係る金属ガスケット30を示す部分平面図である。図2は、図1のA−A′線での断面図つまり孔境界部Xにおける断面図である。図3は、図1のB−B′線での部分断面図である。図4は、C−C′線での部分断面図である。
【0011】
(構成)
本実施形態の金属ガスケット30は、多気筒を有する内燃機関のシリンダヘッドとシリンダブロックとの対向する接合面間に介挿される金属ガスケットの例である。
その金属ガスケット30の基板1の素材としては、例えばステンレス鋼板または軟鋼板、アルミニウム板等の金属薄板を適宜、採用可能であるが、ここでは、ビードとして後述のような合成ビードを採用する結果、剛性の低い軟鋼板を使用することができる。
【0012】
その基板1の中央部には、図1に示すように、長手方向に沿って、複数個の燃焼室孔2が配列している。また、燃焼室孔2よりも基板1の外周側には複数個のボルト孔3,水孔4、及びオイル孔5が開口している。
また、各燃焼室孔2の開口端部全周は、上方若しくは下方に折り返されて最も肉厚の厚い増厚部6,7が形成され、これにより、他の基板部分との間に板厚差が設けられてビードに対する過圧縮を防止するストッパとなる。各増厚部6,7は対応する燃焼室孔2の外縁全周を個別に囲繞している。
【0013】
そして、本実施形態では、各増厚部6,7の増厚方向つまり折り返し方向が、隣り合う燃焼室孔2毎に反対方向となるように設定してある。例えば図1にあっては、左端の燃焼室孔2(以下、第1燃焼室孔2aと呼ぶ場合もある。)周りの増厚部6では上方に折り返し、その隣りの燃焼室孔2(以下、第2燃焼室孔2bと呼ぶ場合もある。)周りの増厚部7では下方に折り返して、隣り合う燃焼室孔2周りの増厚部6,7の増厚方向を互いに逆向きとしている。すなわち、左からみて奇数番目の燃焼室孔2a周りでは上方に増厚し、偶数番目の燃焼室孔2b周りでは下方に増厚している。
【0014】
さらに、増厚部6,7の近傍外側において、各燃焼室孔2の外周を囲繞するように、内周側シールラインL1が設定される。また、上記水孔4及びボルト孔3の外側やオイル孔5の周りに外周側シールラインL2が設定されている。
上記燃焼室孔2の外周に配置された各内周側シールラインL1は、図1のように、水孔4やボルト孔3よりも内周側に配置されると共に、隣接する燃焼室孔2の間である孔境界部Xにおいては、両者のシールラインは合流して共通の1本のシールラインとなっている。
【0015】
そして、上記内周側シールラインL1に沿って、図3及び図4のように、基板1を板厚方向に屈曲成形して形成された凸状のフルビード若しくはハーフビードからなる金属ビード10,11が形成されている。また、上記金属ビード10,11の凸部側の基板1表面に弾性シール材12が固着すると共に、各凸部側の裏側に位置する凹部内にも同様の弾性シール材13が充填されている。上記弾性シール材12,13は、例えばフッ素ゴム、NBR、シリコンゴムなどのゴム材料や樹脂材料など、耐熱性及び弾性を有する素材からなる。
【0016】
上記フルビード若しくはハーフビードの各凸部側に固着された弾性シール材12は、金属ビード10,11の凸部表面の両側を覆うと共に若干凸部に連続する平坦部も覆うように設定されている。すなわち、本実施形態では、凸部側の弾性シール材12の幅は、金属ビード10,11の幅よりも若干広めに設定されている。もっとも、金属ビード10,11の幅と同等の幅に設計しても良い。また、当該弾性シール材12の高さは、金属ビード10,11の高さと略々と高さとされている。ここで、上述のように金属ビード10,11の凸部に連続する基板1の平坦部にも、金属ビード10,11の高さ相当の弾性シール材12を設けても良いが、弾性シール材12からなるゴムビームの幅が金属ビード10,11の幅の1.5倍程度以下に収まるようにすることが好ましい。また、金属ビード10,11及び弾性シール材12の高さは、増厚部6,7の厚さまで圧縮された時に、両面に設けられた弾性シール材12の圧縮率が例えば40%以内に収まるように設定されて、当該弾性シール材12,13が圧縮破壊することを防止する。
【0017】
そして、本実施形態では、第1燃焼室孔2a周りの合成ビードの金属ビード10を、図3に示すように、増厚部6の増厚方向(上方)を凸部としたフルビードとし、また、第2燃焼室孔2b周りの合成ビードの金属ビード11を、図4に示すように、増厚部7の増厚方向(下方)を凸部としたハーフビードとして加工する。
このように、隣り合う燃焼室孔2周りの金属ビードについて、一方をフルビード10とし他方をハーフビード11とすることで、孔境界部Xの入り口で合流させると、図2及び図5のように、孔境界部Xに位置する共通の合成ビード15の金属ビード14をハーフビードとすることが出来る。
【0018】
ここで、合流させる2つの金属ビード10,11が、ともにフルビード若しくはハーフビードとした場合には、合流した金属ビードは一般にフルビードとなる。これに対し、本実施形態では、一方をハーフビード11、他方をフルビード10とすることで、合流した金属ビード14をハーフビードとすることが出来る。
また、合流部で、図5のように、フルビードのセンターライン21の頂部の高いラインと、ハーフビードの高い面ライン22とを合流させるので、フルビード内側の低い部分と燃焼室孔2間のハーフビードの低い部分までが滑らかに接合されることとなる。
【0019】
そして、本実施形態のガスケット10は、ボア間のクリアランスが厳しいエンジンに適用するガスケットを想定しているため、燃焼室孔2間のクリアランスが大幅に狭くなっている。これに、より対応させるために、図5にあっては、孔境界部Xにおける増厚部6a,7aの幅を、他の増厚部6,7の部分よりも狭く設定している。図5では、左右の増厚部6a、7a間のクリアランスが一定となるような方法または緩やかな円弧を結び中央部を狭くする(例えば、増厚部6a、7aの内側のラインが直線や緩やかな円弧を結ぶようにする)、孔境界部Xでの幅を、孔境界部Xの中央に向かうほど小さくなるように設定して、確実に両増厚部6a,7a間に合成ビード15を配置する幅を確保している。また、中央部のビード幅を狭くすると、弾性シール材との合成バネ常数が上がるので、構造上、面圧発生が弱くなる中央部の面圧を上げることが出来てボア間の面圧の平均化を図ることが出来る。
【0020】
ここで、図6のように、孔境界部Xの両側部分、つまり孔境界部Xの幅狭の増厚部6a,7aと、他の位置の増厚部6,7のとの接合部分の増厚部6b、7bの幅を、他の位置の増厚部よりも幅広としてもよい。このようにすると、上記孔境界部Xの位置の幅狭(面積が小さい)の増厚部6a、7aの補償をすることとなる。すなわち、孔境界部Xの幅が中央部で狭く面積の減少部を両端部6b、7bで幅を広げて面圧の分散を図ることができる。
【0021】
つまり、孔境界部Xの増厚部の面積を減少させエンジンに装着締結されて運転時の高温も手伝い高い面圧となり過圧縮になりエンジン面の陥没する恐れが有る時に、ビード合流部近傍に位置する上記接合部分の接合部分6b、7bを幅広にして増厚部面積を増大させて面圧の集中を分散させ陥没を防止する。
なお、各増厚部6,7の周方向に沿った厚さは、ボルト締付け時に周方向に沿った面圧が均等に近づくように、周方向に沿って抑揚がつくように変化させてもよい。すなわち、ボルト孔3に近い位置の高さを相対的に低く、ボルト孔3から離れるにつれて相対的に高くなるように鍛造などで高さ調整を行う。また、孔境界部X位置については、相対的に高くして面圧を稼ぐことで、面圧の均一化を図る。
【0022】
ここで、本実施形態では、基板1の材料として剛性が低い軟鋼が採用できる結果、増厚部6,7を形成するための折り返し加工が容易になると共に、増厚部6,7の高さ調整も容易であると共に材料硬度を低くすることで曲げR部の疲労破壊を抑えることが出来る。
なお、外周側シールラインL2についても、上記と同様な合成ビードが形成されている。この外周側シールラインに沿ったビードは金属ビード10,11だけから構成されていても良い。なお、図1中、符号18は基板1の外周に形成した第2の増厚部である。
また、基板1の防錆対策として、基板1の端面や各孔の断面も含めてメッキ仕上げを施す方法や、冷却水に接触する部分全体や内周側シールラインL1より外側で腐食する心配のある部分に対し、極薄のゴム被膜を成型被覆しても良い。
【0023】
(作用・効果)
エンジンの更なる小型軽量化で、隣接するボア間のクリアランスがさらに小さくて、隣接する燃焼室孔2間のクリアランスが小さくなったとしても、本実施形態では、孔境界部Xには、共通の1本の合成ビード15だけが配置されると共に、その合成ビード15の金属ビード14がハーフビードとなることで、孔境界部Xに位置する合成ビード15の幅をより狭くすることが出来る。この結果、燃焼室孔2間のクリアランスをより小さく設定出来る。
【0024】
更に、孔境界部Xの増厚部の幅を狭くすることで、さらに燃焼室孔2間のクリアランスを小さく設定することが可能となる。
また、上記共通の合成ビード15を孔境界部Xに配置することで、燃焼室孔2間のガスの流通をより有効に遮断することが出来る。すなわち、狭いボア間において完全に2重シール構造を持つ狭いガスケットを提供できる。
【0025】
ここで、上記合成ビードの弾性シール材12,13からなるゴムビードの役割は、先ず、燃焼室孔2側からの高圧ガスが、増厚部6,7と対向する接合面部分にあるツールマークの微細な溝を通って漏れてくることがあっても、内周側シールラインL1位置にあっては、弾性シール材12,13の弾性変形によって溝が埋まっているので、高圧ガスの漏れを水孔4側に移動することを完全に遮断してシールすることができる。
【0026】
また、内周側シールラインL1の反対側(外周側)から冷却水が侵入して来ても柔軟性の有るゴムビードがツールマークまでも完全に遮断してシールすることが出来る。ここで、凹部に充填されている弾性シール材12,13は冷却水に直接接触することが無いので変質することが無い。一方、凸部側の弾性シール材12は、金属ビード10,11より水孔4に近い部分の端面は冷却水に接触し、仮に指定した冷却水が使用されないことで当該冷却水と接触した部分が変質して、その部分の弾性シール材12の性能が経時的に低下しても、金属ビード10,11より内側部分の弾性シール材12部分は、金属ビード10,11の凸部によって分離されることで冷却水に直接接触することがないため、長期的に完全シールが保証出来る。さらに、ゴムビード幅について、例えば狭い凹部側の弾性シール材13の幅が2.5mm前後としても、凸側の幅は更に広く設計出来るため、鋳巣孔がビード幅を超えない限り、シールすることができる。また、搬送中に起こるシール面傷がビード幅を跨ぐように形成されていても、ゴムビードによって面シールすることでシール面疵を塞いで完全にシールすることが可能である。
【0027】
また、本実施形態では、軟鋼からなる金属ビード10,11と軟質の弾性シール材12,13からなるゴムビードとの合成バネによるシールであるため、極端な高面圧は望めないがゴムビード幅を広くしたり、ゴムの硬度を上げたりすることで、ある程度調整が出来る。また、両接触面が軟質の弾性シール材12,13である為にガスケット係数も小さくできる結果、大きな荷重を必要とせず全体の締め付け荷重を低減、つまりボルトの締付け軸力を低減することができる。
【0028】
ここで、上記実施形態では、燃焼室孔2側の端部を折り返すことで、基板1に板を積層して増厚部6,7を形成する場合を例示しているが、基板1に別の板を積層して溶接などで固定するなどによって上方若しくは下方に増厚するように、増厚部6,7を形成しても良い。基板1の燃焼室孔2周りの厚さが厚くなるように鍛造で形成しても良い。
【0029】
また、隣り合う燃焼室孔2周りの各増厚部6,7の増厚方向を互い逆向きに設定し、かつ、隣接する燃焼室孔2の間である孔境界部Xにおいては、両燃焼室孔2の合成ビードを合流させて共通の一つの合成ビード15にすると共にその孔境界部Xに位置する合成ビード15の金属ビード14ハーフビードとする上記構成は、全ての燃焼室孔2周りに適用しても良い。また、燃焼室孔2間のクリアランスが異なる場合には、燃焼室孔2のクリアランスが厳しい位置にのみ、本発明の構成を採用しても良い。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明に基づく実施形態に係る金属ガスケットを示す部分平面図である。
【図2】図1におけるA−A′断面図である。
【図3】図1におけるB−B′断面図である。
【図4】図1におけるC−C′断面図である。
【図5】孔境界部の部分拡大図である。
【図6】孔境界部の別例の部分拡大図である。
【符号の説明】
【0031】
1 基板
2 燃焼室孔
3 ボルト孔
4 水孔
6,7 増厚部
6a、7a 幅広の接合部分(増厚部)
10、11 金属ビード
12、13 弾性シール材
14 孔境界部位置の金属ビード
15 共通の合成ビード
30 金属ガスケット
X 孔境界部
L1 内周側シールライン
L2 外周側シールライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の燃焼室孔が隣接して開口した金属板を基板とし、各燃焼室孔の周縁に沿って板厚が厚い増厚部を形成し、さらにその外周を囲繞するようにビードを形成し、そのビードは、基板を屈曲してなる金属ビードと、その金属ビードの凸部側表面に固着すると共に凸部裏側の凹部に充填されて上記金属ビードと共にバネ力を発生可能な弾性シール材からなるゴムビードとの合成ビードで構成される金属ガスケットであって、
少なくとも隣接する2つの燃焼室孔周りにおいて、
隣り合う燃焼室孔周りの各増厚部の増厚方向を互い逆向きに設定し、かつ、隣接する燃焼室孔の間である孔境界部においては、両燃焼室孔の合成ビードを合流させて共通の一つの合成ビードにすると共にその孔境界部に位置する合成ビードの金属ビードをハーフビードとしたことを特徴とする金属ガスケット。
【請求項2】
少なくとも隣接する2つの燃焼室孔周りにおいて、隣り合う燃焼室孔周りの合成ビードの各金属ビートについて、一方の合成ビードの金属ビードをフルビードとすると共に他方の合成ビードの金属ビードをハーフビードとすることを特徴とする請求項1に記載した金属ガスケット。
【請求項3】
上記孔境界部に位置する増厚部の幅を、他の位置の増厚部部分よりも狭くしたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載した金属ガスケット。
【請求項4】
増厚部の幅について、上記孔境界部に位置する幅狭の部分と他の位置の増厚部部分との接合部分の幅を、上記他の位置の増厚部部分よりも幅広としたことを特徴とする請求項3に記載した金属ガスケット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−198473(P2007−198473A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−16574(P2006−16574)
【出願日】平成18年1月25日(2006.1.25)
【出願人】(000230261)日本メタルガスケット株式会社 (27)
【Fターム(参考)】