説明

金属ストリップ上に合金被膜を蒸着するための工業用蒸気発生器

【課題】 基板(7)上に金属合金被膜を蒸着するための真空蒸着設備を提供する。
【解決手段】 この設備は、閉鎖容器の形態の真空室(6)を含む蒸気発生器−混合器を備え、外部環境に対してその中に真空状態を確保するための手段を備え、かつ外部環境に対してなお本質的に封止されていながら、基板(7)の入口及び出口のための手段を備えており、前記閉鎖容器が、基板(7)の表面に向けてかつそれに垂直に音速で金属合金蒸気のジェットを作るように構成された、エジェクター(3)と称される蒸着ヘッドを含み、前記エジェクター(3)が別個の混合装置(14)と封止連通され、混合装置(14)が液体形態の異なる金属M1とM2を含む少なくとも二つのるつぼ(11,12)にそれぞれ上流でそれ自身連結されており、各るつぼ(11,12)が混合器(14)にそれ自身のパイプ(4,4′)により連結されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、良好な引抜き及び溶接性の特性を保持しながら優れた耐腐食性を与えるように、金属蒸気を使用して移動中の基板、特に金属ストリップを、連続的に真空蒸着してその表面上に金属合金の層を形成するための工業用蒸気発生器に関する。
【背景技術】
【0002】
1980年代の後期以来、鋼ストリップの表面上へのZnMgのようなある合金の蒸着が鋼を保護する役割を果たすことが知られている。ZnMg合金の優れた耐腐食性は、ストリップの表面上に遮断膜として作用する極めて緻密な層で形成された腐食製品の性質に帰因する。
【0003】
かかる合金蒸着は一般的に、電着、熱浸漬等のような通常の技術によりある組成限界内で可能なだけである。従って、大気圧では、空気中の酸素による液体金属浴の汚染が起こる場合があり、それは浴の表面上に酸化物鈑を形成する。
【0004】
もし広い厚さと組成の範囲を得ることを望むなら、唯一の可能な解決策は純粋または合金の形態の液体金属の真空蒸発であることが多い(PVD技術、加圧蒸着)。
【0005】
この技術の関係において、低温に維持されかつ溶融金属のるつぼを含む真空閉鎖容器内に基板を置くことは知られている。蒸着はそのとき金属蒸気の温度未満の温度を持つ全ての壁上で達成される。従って、基板上の蒸着収率を高めかつ廃棄物を防ぐために、閉鎖容器の壁を加熱することは重要である。
【0006】
文献WO−A−97/47782では、移動する基板を連続的に被膜するための方法が記載され、そこでは真空閉鎖容器内の被膜金属により形成された浴を含むるつぼを誘導加熱することにより金属蒸気が発生される。蒸気は、被膜される基板の表面に向けて配向されるジェットを形成するように、好ましくは校正された出口オリフィスに向けてそれをもたらすパイプを介してるつぼから逃げる。狭い部分を持つ長手方向スロットの形態のオリフィスの使用は蒸気質量流速をスロットに沿って一定音速(音速スロート)で調節することができ、それは均一蒸着を得る利点を獲得する。この技術は、以下、頭字語「JVD」(ジェット蒸着)を使用して示されるであろう。
【0007】
しかし、この技術は、幾つかの欠点、特に以下の欠点を持つ:
− 液体金属の一定供給は、一つまたは幾つかの点でのタンクへのその戻りを与えることを伴なう;
− 不純物を含む液体金属は、蒸発後の浴の表面上にこれらの不純物の濃縮があり、それは流速を低下する。浴の均一性は、均一な蒸着を得るために必要である。それは、使用した液体を別の場所で除去しながら、ある場所に冷たい液体をもたらすことを含む。一つの解決策は、表面をすくいまたはその負荷を再循環することであろうが、どのような機械的操作も真空中では困難となる;
− 蒸発スロットを可変バンド幅に適合させる困難性は、スロットのいずれかの側上の隠蔽手段、従って容易に行なえない真空及び700℃での蒸気封止の生成を含む;
− ストリップの移動が中断されるときのスロットを隠蔽することの困難性は、2メートル以上の典型的な長さにわたる封止線状弁の存在を含むであろう;
− システムの大きな熱慣性(少なくとも数分);
− 真空誘導によりなされる加熱は、加熱電力の全てが電気連結器を介して真空封止壁を通過することを必要とし、それは設備のアクセス性及びメンテナンス性を容易にしない。
【0008】
さらに、従来技術は、蒸発器を離れる二つのジェットの混合を含む、二つの別個の金属の同時蒸着を実施するための要求に対する満足すべき解決策を提供しない。じゃま板を持つ中間混合箱の使用は、十分に説得力ある結果を提供しない。
【0009】
ストリップ上に合金被膜を蒸着するために行なう第一の方法は、まず例えば熱浸漬、電気分解または真空マグネトロン噴霧により亜鉛のような第一の金属の層を蒸着し、次いで例えば真空中でアルミニウムのような第二金属の層を蒸着し、最後に熱拡散処理、例えば低温アニーリングを実施する(これが合金を作る)ことである。
【0010】
この方法の利点は、それが段階的調節を可能にする簡単な設計を持つことである。
【0011】
しかし、第一の欠点は、方法の工程を増加すること、従ってその費用を増加することである。特に、熱拡散処理は著しい量のエネルギーを消費する。例えば、もし被膜の相対厚さが1%であるなら、必要なエネルギーは完成した製品の全厚、すなわち100%に供給されなければならず、それは工業ラインに対して数メガワットに相当する。
【0012】
従って、文献WO−A−02/14573は、通常の熱浸漬または電気亜鉛メッキ法により得られた亜鉛基メッキ被膜からの被膜の開発を記載し、それは順に次いでマグネシウムにより真空被膜される。迅速な誘導加熱は、融解付着を数秒間遅らせ、冷却後に層の全厚内の合金相ZnMgの好ましい微小構造分布を得ることを可能にする。
【0013】
文献FR2843130Aは、表面を金属材料で被膜するための方法を記載する:
− 前記材料の第一被膜が金属または金属合金層を用いて達成される、
− 前記第一被膜の表面を金属材料の融点未満の温度にもたらすように迅速加熱手段を用いて第一被膜上で熱処理が達成される、そして
− 第二被膜が金属または金属合金から蒸着される。
【0014】
出願人はまた、PVD(EP−A−0756022)により得られた工業用二層電気亜鉛メッキ/ZnMg合金製品、並びに脆い金属間化合物FeZn相の形成を最少にするためにマグネシウムと亜鉛を合金にする赤外加熱システムによる方法の改善を提案した。
【0015】
第二の欠点は、全てのタイプの鋼がこの熱処理を許容できるとは限らないことである。例えば、BH(焼付硬化)鋼は自動車のために意図された可鍛性で変形可能な耐食鋼であり、それらはペイントの硬化時に排除される不安定性を持ち、それは金属薄板を硬化させる。従って、この製品は、その再加熱から生じる硬化に関連した困難性を持つ。従って、直接合金蒸着はこれらの欠点を克服可能にすることができるだろう。
【0016】
従って、別の方法は、るつぼ内の両金属の濃度を厳密に制御することにより、熱処理なしの合金の直接蒸着により金属被膜合金を作ることである。例えば、もし50%Znと50%Mgがるつぼ内に置かれるなら、それらは異なる蒸発速度を与えるので、85%Zn/15%Mgの合金が得られる。しかし、この制御は、るつぼ内の連続濃度変化を考慮すれば、システムを管理するのに大きな困難性を伴なう。特に、るつぼ内の均一性を確保することは、特にもしそれが円形断面のものでないなら、困難である。例えば、POSCO(刊行物:「POSCOでの次世代自動車鋼」1月、2008)は、非常に高速度で、高蒸気収率及び高エネルギー収率で、特に単一蒸発源からの合金同時蒸着の形態で、PVDにより得られた被膜を提案する。
【0017】
従来技術によるさらに別の方法は二つのるつぼを使用することからなり、それぞれが一つのタイプの蒸気を発生し、発生した蒸気はともに通路により混合装置の方に向けられ、それから合金がストリップ上に蒸着される。
【0018】
特許BE1010720A3は、蒸気相の金属合金を使用して移動中の基板を連続的に被覆するための方法を記載し、そこでは合金の種々の成分が好適な別個のエレメント中に蒸発され、それらで得られた異なる金属蒸気が、蒸着が起こる場所に向けて流される。金属合金の成分と共に金属浴から来る蒸気の一つは、存在する他の金属蒸気に対して推進エレメントの役割を果たす。
【0019】
文献WO−A−02/06558では、ZnMg被膜が二つのるつぼ(一方が亜鉛を持ち、他方がマグネシウムを持つ)から蒸発することにより真空下で得られる。それらがストリップ上に放射される前に、蒸気は、穴またはスロットを備えた板の形態の絞り装置内で混合され、それは最大音速及び蒸気流速を得ることを可能にする。しかし、混合前の蒸気の高速度は、分子拡散による均一混合物を得ることを非常に困難にする。
【0020】
L.Baptisteらの「Electromagnetic levitation:A new technology for high rate physical vapour deposition of coatings onto metallic strip」Surface & Coatings Technology 202(2007),1189−1193には、高周波電磁界での導電性材料のための浮上技術に基づく方法が提案されている。誘導コイルの好適な設計を通して、高電力密度、及びアルミニウム、ニッケル、または銅のような低蒸気圧の金属を得ることが可能であり、さらにそれらの合金が容易に蒸発されることができる。作られた蒸気は、特別に設計された蒸気分配システムにより基板に向けて案内され、それは被膜の良好な均一性及び蒸気の非常に広い使用を得ることを可能にする。
【0021】
文献US−A−5002837は、完全に合金化されたZnMgまたはZnMg/Zn11Mg相による二層Zn/ZnMg被膜の蒸着を記載する。
【0022】
出願人の名前の特許出願EP−A−2048261は、鋼ストリップ上に金属被膜を蒸着するための蒸気発生器を開示し、それは閉鎖容器の形態の真空室を含み、それは外部環境に対してその中の真空状態を確保するための手段を備え、外部環境に対して本質的に封止されていながら、ストリップを出し入れ可能にする手段を備えている。この閉鎖容器は、ストリップの表面に向けてかつそれに垂直に音速で金属蒸気ジェットを作るように構成された、エジュクターと称される蒸着ヘッドを覆う。エジェクターは、液体形態の被膜金属を含みかつ真空室の外側に位置される少なくとも一つのるつぼと供給ダクトを介して封止連通されている。蒸気発生器は、エジェクター内の金属蒸気の流速、圧力、及び/または速度を調節するための手段を含む。文献EP−A−2048261はEPC54(3)条に準ずる従来技術に属する。
【0023】
出願人の名前の先行特許出願EP−A−1972699は、基板を被覆するための方法と設備を開示し、それによれば少なくとも二つの金属元素を含む金属合金の層が、蒸気ジェット被覆装置を含み、かつ予め決められた相対及び一定割合の金属元素を含む蒸気(この蒸気は前もって音速にもたらされている)を基板上に放射可能にする真空蒸着設備を使用して、前記基板上に連続的に蒸着される。この方法は、特にZnMg被膜の蒸着のために意図されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0024】
本発明は、従来技術の欠点を克服することができる解決策を提供することを目的とする。
【0025】
特に、本発明は以下の課題を達成することを目的とする:
− 蒸着のための真空閉鎖容器内に液体源がない;
− 製造が容易である;
− 二つまたはそれより多い金属蒸気の混合長の非常に著しい減少;
− 個々の合金金属含有量レベルの非常に速い差別化されたかつ調整可能な調節の可能性;
− るつぼの容易なアクセス性及びメンテナンス;
− 蒸発の優れた均一性及び2メートルを越えることができるストリップ幅に適合するための簡単な機構;
− 最大化された蒸気流速;
− 電力及び/または蒸発表面の温度を制御することによる蒸気流速の容易な調節;
− 完全な真空内での合金蒸着のための非常に柔軟な設備の設計。
【課題を解決するための手段】
【0026】
本発明の第一態様は、基板、好ましくは連続移動中の金属ストリップ上に金属合金被膜を真空下に蒸着するための設備であって、それは閉鎖容器の形態の真空室を含む蒸気発生器−混合器を備え、外部環境に対してその中に真空状態を確保するための手段を備え、かつ外部環境に対して本質的に封止されていながら、基板の入口及び出口のための手段を備えており、前記閉鎖容器が、基板の表面に向けてかつそれに垂直に音速で金属合金蒸気のジェットを作るように構成された、エジェクターと称される蒸着ヘッドを含み、前記エジェクターが別個の混合装置と封止連通され、混合装置が液体形態の異なる金属M1とM2を含む少なくとも二つのるつぼにそれぞれ上流でそれ自身連結されており、各るつぼが混合器にそれ自身のパイプにより連結されている設備に関する。
【0027】
本発明による基板上に金属合金被膜を真空下に蒸着するための設備の好適な実施態様によれば、本発明はまた、設備の基本的な特徴と組み合わせて以下の特徴の一つ以上を含む:
− 混合器は円筒状囲いを含み、その内側に、囲いの軸に沿って、規則正しく配置されかつ第一金属蒸気の供給パイプへの入口に連結された複数のチューブが設けられ、第二金属蒸気の供給パイプが、円筒状囲いに対して横方向に、チューブ間の隙間空間に連結されている。チューブ及び出口オリフィスを持つ隙間空間は全て、蒸気の混合が起こることができる空間に現れる;
− 混合器は、少なくとも二つの入ってくる蒸気を分離することができる一連の仕切りを含み、これらの仕切りは、二つの蒸気が出口流の方向に両蒸気の交互層の形態で混合される前に二つの蒸気を排出することができるオリフィスを作る;
− 前記パイプのそれぞれは任意選択的に損失水頭装置を持つ比例弁を含む;
− 比例弁は蝶形弁タイプのものである;
− エジェクターは、基板の全幅にわたって延びる音速スロートとして作用する蒸気のための長手方向出口スロット、及びエジェクターを離れる蒸気の速度ベクトルを均等化かつ矯正するように、焼結材料から作られ、好ましくはチタンから作られまたは焼結ステンレス鋼繊維を持つ金属篩の形態の濾材または損失水頭部材を含む;
− 設備はスロットの長さを基板の幅に対して調整するための手段を含む;
− 前記手段は、エジェクターをその供給パイプの周りに回転するための手段を含む;
− エジェクター、混合器、パイプ及びるつぼは外部環境から熱的に隔離されかつ輻射加熱器により加熱される;
− 設備は真空閉鎖容器のための任意の加熱手段を含む;
− 第一多孔性表面が混合器チューブの出口に配置されかつ/または第二多孔性表面が混合器の隙間空間の出口に配置され、二つのそれぞれの蒸気の圧力を釣り合わせる;
− 追加のパイプが混合器に向かう第一金属M1の供給パイプ上にバイパスとして取り付けられ、それが隔離弁を持ちかつ真空室内の追加のエジェクターに通じており、前記追加のエジェクターが基板の表面に向かいかつそれに垂直な音速の第一金属M1の蒸気ジェットを作るように構成されており、混合器に通じる第一金属M1の供給パイプの部分が、第一るつぼを混合器から隔離することを意図される追加の弁を備えている。
【0028】
本発明の第二態様は、上述の設備を使用して、基板上に、特に連続移動中の金属ストリップ上に金属合金被膜を蒸着するための方法に関し、
− 金属蒸気のそれぞれの流速が、混合器の入口の前記蒸気の前記流速が音速より10倍、好ましくは50倍低いように混合器の入口で調節され、
− 各金属の濃度が、蒸気の混合物が基板上に蒸着されるときに独立して調整される。
【0029】
有利には、この方法は、流速が100m/秒未満、好ましくは5〜50m/秒であるように実施される。
【0030】
さらに有利には、基板、好ましくは連続移動中の金属ストリップ上に金属合金被膜を真空下に蒸着するための上述の設備を実施するための本発明の方法によれば、前記追加の弁は閉じられ、前記隔離弁は開かれ、第一金属M1は追加のエジェクターのレベルで基板上に蒸着されることができ、第二金属M2は連続的に真空室内のエジェクターのレベルで蒸着されることができる。
【0031】
さらに有利には、基板、好ましくは連続移動中の金属ストリップ上に金属合金被膜を真空下に蒸着するための上述の設備を実施するための方法によれば、前記追加の弁は開かれ、前記隔離弁は閉じられ、M1+M2合金は直接真空室内のエジェクターのレベルで基板上に蒸着される。
【0032】
さらに有利には、基板、好ましくは連続移動中の金属ストリップ上に金属合金被膜を真空下に蒸着するための上述の設備を実施するための方法によれば、追加の弁及び隔離弁の両方が開かれ、第一金属M1が追加のエジェクターのレベルで基板上に蒸着され、M1+M2合金が連続的に真空室内のエジェクターのレベルで直接蒸着される。
【0033】
有利には、前述の方法によれば、金属または合金の蒸着の後に熱処理が行なわれる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は、本発明による混合器を持つ蒸気発生器を概略的に示し、それは基板上への二つの純金属の合金蒸着を可能にする。
【0035】
【図2A】図2Aは、本発明の一つの好適な実施態様による金属蒸気混合器の詳細図を示す。
【図2B】図2Bは、本発明の一つの好適な実施態様による金属蒸気混合器の詳細図を示す。
【図2C】図2Cは、本発明の一つの好適な実施態様による金属蒸気混合器の詳細図を示す。
【0036】
【図3A】図3Aは、本発明の一つの好適な実施態様による完全な二つのモードのある設備の平面図を概略的に示し、それは、金属ストリップ上への二つの別個の金属種の蒸着のため、または前述の混合器を用いて直接合金蒸着のためのいずれかで使用されることができる。
【図3B】図3Bは、本発明の一つの好適な実施態様による完全な二つのモードのある設備の立面図を概略的に示し、それは、金属ストリップ上への二つの別個の金属種の蒸着のため、または前述の混合器を用いて直接合金蒸着のためのいずれかで使用されることができる。
【0037】
【図4】図4は、図3A及び3Bによる設備のパイプのより透視的な図を示す。
【0038】
【図5】図5は、被膜ストリップの全幅に渡る種々の点で得られた、亜鉛とマグネシウム重量(目標公称値の%で、I/In)で表わした、パイロットラインでの本発明の実施試験時のグロー放電光放射分光分析法(GDOES)によるZnMg被膜の分析結果を示す。
【0039】
【図6】図6は、ZnMgタイプの合金の組成並びにJVD設備の弁が開かれる瞬間に得られた層重量の進展を示す(ストリップに沿ったICP分析)。
【発明を実施するための形態】
【0040】
本発明により推奨された解決策は、オフボード蒸発るつぼを使用することからなり、すなわちそれは、蒸気出口のための長手方向スロットまたは校正化された(calibrated)穴を持つJVD蒸発ヘッドから分離しており、以下、エジェクターと称される。かかるオフボードるつぼ装置の一般的な原理は、単一蒸気種が蒸着される場合、特許出願EP−A−2048261に詳細に記載されている。
【0041】
本特許出願は合金被膜の蒸着に基づいており、従って少なくとも二つの異なる金属蒸気源の使用を必要とする。
【0042】
図1に示されるように、二つの異なる被膜金属の蒸気を混合することを望む場合には、二つの異なる純金属(例えば、亜鉛とマグネシウム)をそれぞれ含む二つの溶融室またはるつぼ11,12は、弁5,5′を備えたパイプ4,4′によってエジェクター3に結合された混合室14に連結される。混合物中の両金属の濃度は、一方では供給されるエネルギーを使用して、他方では管理問題を簡略化するそれぞれの比例弁5,5′を使用して調整される。このシステムの大きさは有利に減少される(以下参照)。
【0043】
本弁のために、この装置は、蒸気流を微細にかつ迅速に調節することができる。この関係で、円筒状パイプの選択は、良好な高温度真空封止を得ること、及び蒸気流速を調節するために、比例弁5、例えば商業的に入手可能な蝶形弁、おそらく損失水頭装置5Aを持つもの、の使用を可能にする。蒸着厚は金属蒸気流速に依存し、流速自身は供給された有効電力に比例している。電力が変更されるとき、損失水頭を新しい操作点に適合するために弁の位置を同時に変えることが可能である。質量流速はまた、即座に変わり、それは弁の位置の変更時の過渡現象を実際に存在しなくする。
【0044】
エジェクター3は、被膜されるストリップの幅を越える長さを持つ箱である。この装置は、ろ過媒体または損失水頭を作る媒体(図示せず)を含み、箱の全長に渡る蒸気流速の均等化を確保する。エジェクター3は金属蒸気の温度を越える温度に加熱されかつ外側を断熱される。校正化されたスロットまたは一連の穴は、音速での金属蒸気のストリップ7上への放射を確保する。金属の密度に依存して、得られた速度は典型的には500〜800m/秒の範囲である。スロットの全長に渡る音速スロートは、非常に効果的にろ過媒体にストリップ上の蒸着の均一性を確保させる。スロットまたは穴の寸法Sは容積流量率を課す(k×Vson×S,k〜0.8)。音速、Vsound、は、このエジェクターでスロットまたは穴の出口で達成される。パイプ(弁5)内の損失水頭要素の存在のため、蒸気流速は調節され、低初期圧力を与えられることができる。
【0045】
従来技術(WO−A−02/06558参照)では、エジェクターの二つの供給パイプは校正化オリフィスの形態の制限を与えられている。そのとき音速(数百m/秒)が得られるのはその場所である。もし完全混合を得るために混合時間t0が必要であるなら、そのときもし蒸気がこれらの校正化された穴の出口で速度v0を持つなら、混合部材は長さv0×t0を持つべきである。例えば、もしv0=500m/秒かつt0=0.2秒であるなら、そのときv0×t0=100mである。結果として、かかる原理により、実際に蒸着した混合物は従って決して完全ではない。これは被膜による均一性の問題をもたらす。
【0046】
しかし、図1に記載された本発明による装置は、このとき弁のようなシステム中に組み込まれた損失水頭要素のために低速度で蒸気を混合することができる。混合は、混合器の入口で調節された流速、典型的には5〜50m/秒を持つ蒸気間でなされる(従って、これらの流速は音速より少なくとも10倍、好ましくは50倍低い)、それが10〜100倍の範囲の均一性長さ(従って、典型的には数メートル)を減らすことができる。
【0047】
例えば、出願人のJVDパイロットラインでなされた試験は、0重量%〜15.6重量%のマグネシウム含有量レベルを持つ被膜を作ることを可能にした。
【0048】
作られた被膜でなされた化学分析からこれらの試験によってマグネシウムと亜鉛の分圧を確認することが可能であった。亜鉛るつぼ内で得られた圧力は1956Pa〜8736Paであったが、一方、マグネシウムるつぼ内で得られた圧力は241Pa〜1467Paであった。
【0049】
これらの同じ試験中に得られた混合器内の全圧(Zn+Mg)は241Pa〜1440Paであった。この実験データから計算された混合器内の金属蒸気の速度は9.81m/秒〜22.7m/秒、または0.02〜0.04マッハ(従って音速よりかなり低い)である。
【0050】
さらに、同じ化学分析は、本発明で記載された設備で達成された蒸気の混合がストリップの全幅に渡って均一な組成を持つ蒸着を実施可能にしたことを証明した。図5は、例として、この方法を用いて被覆したストリップの全幅に渡る種々の点での分析により得られた亜鉛とマグネシウムの重量(目標とされる公称値の百分率で表わした)を示す。
【0051】
最後に、図6は、標準合金の組成の進展、並びにJVD設備の弁が開かれる瞬間に得られた層の重量の進展を示す。実際には、この極端な例は、この発明により確立されたシステムが工業ラインの過渡現象(停止、速度変化、フォーマット変化等)を管理することを可能にすることを証明する。なぜなら希望の目標は、弁が開かれるとすぐに得られ、製造キャンペーンの残りを通して全て安定したままであるからである。
【0052】
さらに、混合器の場合、分子拡散を増加する原理は、もし二つのガスAとBの幾つかの層がAの層とBの層よりむしろ交互に接触させられるなら知られている。拡散器内の分離壁の数は、さらに拡散長及び混合時間を実質的に減らすことを可能にする。上述のタイプの混合器でのこの原理の適用は、混合長を数センチメートルに減らすこと、従って小さい混合器を設計することを可能にし、それはシステムの複雑性(真空エジェクター、高温度)に利点が与えられる。
【0053】
代替分配及び低速度の金属蒸気により作動するかかる混合器の可能性がデジタルシミュレーションにより研究された。その結果は、図2Aから2Cに示された本発明による好適な実施態様の設計に導いた。
【0054】
この好適な実施態様によれば、混合装置14は円筒状囲い14Cの形態のものであり、その内側は、前記円筒の軸に沿って、規則正しく配置されかつ第一金属蒸気M1の供給パイプ4′に連結された複数のチューブ14Aを含む。第二金属蒸気M2の供給パイプ4は、円筒状囲いに対して横方向に、前記円筒状囲い14Cの内側に設けられたチューブ14A間の隙間空間14Bに対して連結される。チューブ14Aはフランジ16上に維持されかつ固定される。チューブ14Aと隙間空間14Bの両方は全て混合空間の出口で、厳密に言えば15で現れる。
【0055】
混合装置の設計のための円筒状対称性の選択はもちろんその良好な耐圧性に関連している。
【0056】
オフボード低速度システムの使用は、蒸気混合器を持つ外部調整弁のため、従来技術から知られている同時蒸発を越える特定の利点を持つ。実際、電力と各蒸気のそれぞれ個々の弁の組み合わせ作用のため、各金属のために必要な蒸気含有量を調整することはかなり容易である。電力は混合された量を調整可能にし、弁は迅速な設定及び操作点の修正を可能にする。実際、弁の損失水頭のため、弁の後の温度を修正することなく圧力を変えることが可能である。逆に、従来技術によれば、圧力修正は常に温度変化を受け、従って加熱を条件とし、かつ慣性及び過渡現象を発生する。
【0057】
必要な圧力は、二つの金属M1とM2に対して異なる(例えばTevap(Zn)=600℃、Tevap(Mg)=700℃)。なぜならそれらは同じ密度または物理的特性を持たないからである。
【0058】
これらの条件下では、多孔性表面(図示せず)の形態の二つの追加の損失水頭要素を回路に加えることにより二つのそれぞれのガスの異なる圧力を釣り合わせることができる。第一多孔性表面はチューブ14A(金属M1)の出口に配置され、第二多孔性表面は隙間ガス(金属M2)の出口に配置される。この場合、圧力または速度の再均等化は摩擦により、すなわち熱移動により達成され、再凝縮を導くであろうガスの断熱膨張(熱移動なし)はそれにより避けられる。
【0059】
これに関しての本発明の利点は、入口で異なる温度または圧力を持つガスを管理できることである。なぜなら損失水頭は、エネルギー源と組み合わせて、二つの金属蒸気の含有量レベルを調整することを可能にする弁の形態で使用されるからである。
【0060】
本発明の別の目的は、図3A,3B及び4に示された「二つのモードを持つ」真空蒸着設備を提案することであり、それは次の蒸着形態を可能にする:
− M1の蒸着、次いでM2の蒸着、両蒸着は真空内である、
− 上述のように達成された混合の形態のM1+M2の蒸着、合金蒸着は真空内である、
− 上述のように達成された混合の形態の、M1+(M1+M2)の蒸着、複合合金蒸着は真空内である。
【0061】
図に示されるように、るつぼ11から金属M2を供給する設備の一部は混合器14を備えている。この設備は、もしM1がM2と混合されないなら、すなわちもし弁5BがM1を混合器内に運ぶパイプ4′の部分で閉じられているなら(この弁5Bが開かれているとき)、真空室6内のエジェクター3′のレベルで金属ストリップ上へのM1の蒸着のために独立して操作することができる。同様に、この弁5Bが閉じられている場合には、M2をるつぼ11から供給する設備の部分は自律的に操作することができ、真空室6内で、(図3Aのストリップの左から右への移動方向に対し)例えば既に蒸着されたM1の層の上に、M2の蒸着を可能にする。しかし、もし前述の弁5Bが開いているなら、M1+M2の混合が混合器14内で達成され、真空室6内のエジェクター3のレベルでストリップ上に蒸着されるであろう。他の合金蒸着可能性は、この設備でエジェクター3′のレベルでM1の蒸着に続いてエジェクター3のレベルで混合物M1+M2の後での蒸着のように考えられることができる。実際、被膜のチョーキングを防ぐために、比較的延性である亜鉛の下層上に亜鉛とマグネシウム合金の蒸着を実施することは有利であることができる。
【0062】
図3Aでは、それぞれのるつぼの出口の弁(5C,5C′)により比例弁(5,5′)が一列に並んでいる。
【0063】
本発明は、次の理由のため「完全PVD」にアプローチする技術分野の進展関係に適合する:
− 電着では、ストリップ速度の増加は必要な電流(数百万アンペア)、従って消費(メガワット)の増加を伴ない、それはエネルギー消費に関して禁止的な事項である;さらに、この技術はスパッターを作り、それは最大ストリップ速度を約160メートル/分に制限する;
− 亜鉛の第一層の蒸着のための熱浸漬は遠心分離に関した物理的限界を発生し、その効果は高速度で減少する;容認されるストリップ速度限界は約180メートル/分である;
− 真空蒸着の場合では、160〜180メートル/分のこの限界は、損傷を与える液相がもはや存在しないので消失する。金属蒸気は蒸着閉鎖容器内では音速であり、従ってもはや化学的、電気的または物理的限界はない。将来、本発明の技術のため、我々は200〜220または300メートル/分でさえ到達することを期待することができる。
【0064】
本発明の利点
本発明によるシステムは、蒸着される蒸気の温度及び速度の非常に良好な均一性を得ることを可能にし、一方、信頼性がありかつアクセス可能でありかつ非常に低い反応時間を持つ。従って、本発明は、この方法の工業化のための要求に非常に良く合致する。
【0065】
さらに、本発明によるオフボード装置は蒸気混合による合金蒸着に特に適している。なぜならそれは液体合金の組成を変更する必要なしに蒸着される化学組成を調整可能にするからである。従って、蒸気混合は従来技術と異なって非常に低い流速のパイプ内で達成される。
【0066】
別の顕著な利点は、前述のタイプの混合器を使用して、300〜600mmのように低い値の混合長を得ることを可能にし、この利点は、かかる装置が真空内で約750℃の温度に保たれるべきであることを知れば、必要な容積減少の点で特に決定的である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基板(7)上に金属合金被膜を真空下に蒸着するための設備において、それが閉鎖容器の形態の真空室(6)を含む蒸気発生器−混合器を備え、外部環境に対してその中に真空状態を確保するための手段を備え、かつ外部環境に対してなお本質的に封止されていながら、基板(7)の入口及び出口のための手段を備えており、前記閉鎖容器が、基板(7)の表面に向けてかつそれに垂直に音速で金属合金蒸気のジェットを作るように構成された、エジェクター(3)と称される蒸着ヘッドを含み、前記エジェクター(3)が別個の混合装置(14)と封止連通され、混合装置(14)が液体形態の異なる金属M1とM2を含む少なくとも二つのるつぼ(11,12)にそれぞれ上流でそれ自身連結されており、各るつぼ(11,12)が混合器(14)にそれ自身のパイプ(4,4′)により連結されていることを特徴とする設備。
【請求項2】
混合器(14)が円筒状囲い(14C)を含み、その内側に、囲いの軸に沿って、規則正しく配置されかつ第一金属蒸気の供給パイプ(4)への入口に連結された複数のチューブ(14A)が設けられ、第二金属蒸気の供給パイプ(4′)が、円筒状囲いに対して横方向に、チューブ(14A)間の隙間空間(14B)に連結されており、チューブ(14A)及び出口オリフィスを持つ隙間空間(14B)が全て、蒸気の混合が起こることができる空間(15)に現れることを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項3】
混合器(14)が、少なくとも二つの入ってくる蒸気を分離することができる一連の仕切りを含み、これらの仕切りが、二つの蒸気が出口流の方向に両蒸気の交互層の形態で混合されるように排出することができるオリフィスを作ることを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項4】
前記パイプ(4,4′)のそれぞれが、任意選択的に損失水頭装置(5A)を持つ比例弁(5,5′)を含むことを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項5】
比例弁(5,5′)が蝶形弁タイプのものであることを特徴とする請求項4に記載の設備。
【請求項6】
エジェクター(3)が、基板の全幅にわたって延びる音速スロートとして作用する蒸気のための長手方向出口スロット、及びエジェクター(3)を離れる蒸気の速度ベクトルを均等化かつ矯正するように、焼結材料から作られ、好ましくはチタンから作られまたは焼結ステンレス鋼繊維を持つ金属篩の形態の濾材または損失水頭部材(3A)を含むことを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項7】
スロットの長さを基板の幅に対して調整するための手段を含むことを特徴とする請求項6に記載の設備。
【請求項8】
前記手段が、エジェクター(3)をその供給パイプ(4)の周りに回転するための手段を含むことを特徴とする請求項7に記載の設備。
【請求項9】
エジェクター(3)、混合器(14)、パイプ(4,4′)及びるつぼ(11,12)が外部環境から熱的に隔離されかつ輻射加熱器により加熱されることを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項10】
真空閉鎖容器(6)のための任意の加熱手段を含むことを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項11】
第一多孔性表面がチューブ(14A)の出口に配置され、かつ/または第二多孔性表面が隙間空間(14B)の出口に配置され、二つのそれぞれの蒸気の圧力を釣り合わせることを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項12】
基板(7)が、連続的に移動する金属ストリップであることを特徴とする請求項1に記載の設備。
【請求項13】
音速の蒸気ジェットにより、第一金属M1と第二金属M2の合金を基板(7)上に直接蒸着することができる、請求項1に記載の設備であって、追加のパイプ(4″)が混合器(14)に向かう第一金属M1の供給パイプ(4′)上にバイパスとして取り付けられ、それが隔離弁(5′)を持ちかつ真空室(6)内の追加のエジェクター(3′)に通じており、前記追加のエジェクター(3′)が、基板(7)の表面に向かいかつそれに垂直な音速の第一金属M1の蒸気ジェットを作るように構成されており、混合器(14)に通じる第一金属M1の供給パイプ(4′)の部分が、第一るつぼ(12)を混合器(14)から隔離することを意図される追加の弁(5B)を備えていることを特徴とする設備。
【請求項14】
請求項1〜13のいずれか一つに記載の設備を使用して、基板(7)、好ましくは連続移動中の金属ストリップ上に金属合金被膜を蒸着するための方法において、
− 金属蒸気のそれぞれの流速が、混合器(14)の入口の前記蒸気の前記流速が音速より10倍、好ましくは50倍低いように混合器(14)の入口で調節され、
− 各金属の濃度が、蒸気の混合物が基板(7)上に蒸着されるときに独立して調整される
ことを特徴とする方法。
【請求項15】
流速が100m/秒未満、好ましくは5〜50m/秒であることを特徴とする請求項14に記載の方法。
【請求項16】
基板(7)、好ましくは連続移動中の金属ストリップ上に金属合金被膜を真空下に蒸着するための請求項13に記載の設備を実施するための請求項14または15に記載の方法において、前記追加の弁(5B)が閉じられ、前記隔離弁(5′)が開かれ、第一金属M1が追加のエジェクター(3′)のレベルで連続的に蒸着され、第二金属M2が真空室(6)内のエジェクター(3)のレベルで基板(7)上に蒸着されることを特徴とする方法。
【請求項17】
基板(7)、好ましくは連続移動中の金属ストリップ上に金属合金被膜を真空下に蒸着するための請求項13に記載の設備を実施するための請求項14または15に記載の方法において、前記追加の弁(5B)が開かれ、前記隔離弁(5′)が閉じられ、M1+M2合金が真空室(6)内のエジェクター(3)のレベルで基板(7)上に直接蒸着されることを特徴とする方法。
【請求項18】
基板(7)、好ましくは連続移動中の金属ストリップ上に金属合金被膜を真空下に蒸着するための請求項13に記載の設備を実施するための請求項14または15に記載の方法において、追加の弁(5B)及び隔離弁(5′)の両方が開かれ、第一金属M1が追加のエジェクター(3′)のレベルで基板(7)上に連続的に蒸着され、M1+M2合金が真空室(6)内のエジェクター(3)のレベルで直接蒸着されることを特徴とする方法。
【請求項19】
金属または合金の蒸着の後、熱処理が行なわれることを特徴とする請求項14〜18のいずれか一つに記載の方法。

【図2A】
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【図4】
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【図1】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2012−512959(P2012−512959A)
【公表日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−541453(P2011−541453)
【出願日】平成21年12月17日(2009.12.17)
【国際出願番号】PCT/EP2009/067448
【国際公開番号】WO2010/070067
【国際公開日】平成22年6月24日(2010.6.24)
【出願人】(591000986)アルセロールミタル フランス (9)
【氏名又は名称原語表記】ArcelorMittal France
【Fターム(参考)】