説明

金属含有デンドリマー

【課題】高効率溶液プロセス燐光システムの可能性のある金属含有デンドリマー及びそれを含む発光装置を提供する。
【解決手段】核の一部として金属イオンを有する1又は2以上の少なくとも部分的に共役された有機金属デンドロンを含むデンドロンを使用する。金属に調整、結合した原子又は基は、典型的には核自体の一部、例えば、Facトリ(2−フェニルピリジル)イリジウム3を形成する。したがって、デンドリマーは典型的には次の一般式(I)を有する。
核−[デンドライト]n (I)
この式において、「核」は金属イオン又は金属イオンを含む基を表し、nは1又は2以上の整数を表し、各「デンドライト」は、互いに同じであっても、又は異なっていても良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属含有デンドリマー及びそれを含む発光装置に関する。
【背景技術】
【0002】
広い範囲の冷光放射性低分子量金属錯体が知られており、有機発光装置、特に、電子冷光放射性として知られる発光ダイオード(LED)における有機発光装置における発光及び電荷輸送材料として実証されてきた。一組になって励起する反対電荷輸送体の注入に関するスピン統計の分析では、LEDにおいて励起されるたった25%が単一状態であることが示されている。単一励起についての25%の障壁はある状況下では超え得ることが提案されているが、100%にはほど遠いことが知られている。多くの有機材料については、単一状態だけが生じる光を放射的に減衰でき、項状態は非放射的に減衰する。三重項状態からの冷光放射の抽出の可能性は、ホスト材料マトリックスにおける燐光ゲスト金属錯体の含有によって、最近、実証されている。しかしながら、混合系は、ホスト材料におけるゲスト材料の濃縮に敏感であり、相分離が凝集を導きクエンチを行う前に低い濃度のゲスト材料が使われるに過ぎない。
【0003】
さらに、はじめに使われた金属錯体は、薄膜が熱蒸発によって積層されるように、蒸発しやすいように設計されていた。多くの応用において、溶液プロセスが蒸発には好ましいであろうが、最近の材料は溶液プロセスで積層された場合はよい薄膜が得られない。さらに、高レベルのゲスト材料が使われえるゲストホスト材料系を得ることがより優位になるであろう。これは、樹枝分岐状材料によって可能となる。
【0004】
本発明によれば、核の一部として金属イオンを有するデンドリマーを形成することによってこれらの問題は解決される。デンドリマーは分岐状デンドロン(デンドライトとも呼ばれる)が核に付着した多数の分岐構造を有するマクロ分子である。デンドリマーの性質は、溶液プロセスにとって理想的であり、発光装置(LED)において有益であることが実証されている金属錯体発光団の溶液プロセスへの導入を可能にする。
金属含有デンドリマーの公知例は、3つに分類される。
(1)中心における金属イオン
(2)周囲における金属イオン
(3)分岐点における金属イオン
【0005】
分岐点に金属イオン及び金属イオンに結合する調整基を有する金属含有デンドリマーの範囲が存在する(下記非特許文献1参照)。これらの材料の冷光放射性は溶液において研究されてきたが、固体状態での冷光放射性は一般的には開発されてきていない。溶液において冷光放射性の材料が固体状態でも冷光放射性を有するとは限らない。固体状態での濃縮クエンチはよくあることである。分岐点に金属イオンを有するデンドリマーにおいては、濃縮クエンチを特に起こす発色団の高濃度部が存在する。同様に、周囲に金属イオンを有するデンドリマーにおいては、隣接する分子の金属イオンが近くなり、またもや濃縮クエンチが問題となる。
【0006】
最近の発明は、核の一部として金属イオンを有するデンドリマーに向かっている。金属イオン発色団が分子の核に位置するとき、隣接する分子の核の発色団から相対的に遠くなり、可能な濃縮クエンチ又は三重項−三重項廃止を最小化する。
【0007】
さらに、すでに公開されているデンドリマーは、一般的に共役デンドロンを有しておらず、また、電子冷光放射装置においてよく機能するとは思われない。例えば、始に報告さ
れた唯一のランスアニド(Ln)デンドリマーは、Ln核及びベンジルエーテルのフレシェタイプのデンドロンである。これらの化合物は、PL発光をすることが示されているが、EL装置において実証されてはいない。(非特許文献2参照)
【非特許文献1】Chem.Comm.(2000)1701及びAdv.Master.10(4)(1998)295
【非特許文献2】Kawa,M;Frechet,J.M.J.Thin Solid Films,331(1998)259
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
いくつかの有機デンドリマーは、有機発光装置において機能することが実証されている。しかしながら、デンドリマーにおける金属イオン発色団の使用は、有機系に比較して、使用することができる材料の範囲を広げ、安定性の条件及び/又は電荷輸送における有利点を提供できる。特別な利点は、高効率溶液プロセス燐光システムの可能性である。したがって、本発明は、金属イオン含有デンドリマーを包含する層、及び、特に、核の一部として陽イオンを有するデンドリマーで、前記核はマグネシウムキレートポルフォリンから成るものではない、からなる発光デバイスを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、特に、核の一部として金属イオンを有する1又は2以上の少なくとも部分的に共役された有機デンドロンを含むデンドロンの使用に向けられたものである。このようなデンドロンは本発明の他の態様を形成する。金属に調整、結合した原子又は基は、典型的には核自体の一部、例えば、Facトリ(2−フェニルピリジル)イリジウム3を形成する。したがって、デンドリマーは典型的には次の一般式(I)を有する。
【0010】
(化7) 核−[デンドライト]n (I)
この式において、「核」は金属イオン又は金属イオンを含む基を表し、nは1又は2以上の整数を表し、各「デンドライト」は、互いに同じであっても、又は異なっていても良いが、(ヘテロ)アリールビニル及びアセチレニル基のSP2又はSP2混成軌道炭素原子によって、又はN及び(ヘテロ)アリール基間の単一結合によって、接続されたアリール及び/又はヘテロアリール基又は窒素、選択的にビニル又はアセチレニル基からなる、本質的に少なくとも部分的に共役したデンドライト分子構造を表し、「核」は、少なくとも2以上の部分的に共役した樹脂分岐が付着した第一(ヘテロ)アリール基又は窒素に対する第一結合のSP2混成環炭素原子に結合した第一の一重結合で終結し、当該環炭素原子
又は窒素原子が「デンドライト」の一部を形成している。
【0011】
この明細書で使用される「金属イオン」又は「金属陽イオン」という用語は、金属が結合するリガンドを有しない電荷状態(酸化状態)を意味するものと理解される。金属カチオンを含有するデンドリマーにおいては、デンドリマーの全体としての電荷は中性であり、金属−リガンド結合は、金属及び含まれるリガンドに依存して数が変動する共有電荷を有する。
【0012】
この明細書において、アセチレニルという用語は、2価のアセチレニル基を意味し、ビニルは、2価又は3価のビニル基を意味し、さらに、アリールは2価、3価又は多価のアリール基を意味する。好ましい実施例においては、デンドライトは共役されている。
【0013】
本発明のデンドリマーは、好ましくは、固体状態で冷光放射性である。冷光放射性部は、部分的に、又は完全に核自体のなかに存在し得る。冷光放射性は、好ましくは、金属錯体からなる。
【0014】
好ましい分岐点は、縮合できるアリール及びヘテロアリール、芳香族環系及びNを含む。分岐点間の結合は、アリール−アリール、アリール−ビニル−アリール、アリール−アセチレニル−アリール、アリール−アリール’−アリール(アリール’はアリールとは異なり得る),N−アリール及びN−アリール’−Nなどの結合の組み合わせを含む。さらに、デンドロン内のアリール−ビニル−アリール及びアリール−アセチレニル−アリール結合の場合においては、1または2以上の分岐点間のアリール−ビニル又はアリール−アセチレニルがあり得る。確かに、2つのアリール基間において、2以上の、しかし、好ましくは3を超えない、ビニル、アセチレニル又はアリール部があり得る。さらに、非対称のデンドリマー、すなわちデンドロンが必ずしも全て同じではないもの使用すると有利であり得る。
このように、デンドリマーは、次の一般式(II)を有し得る。
【0015】
(化8) 核−[デンドライト1n[デンドライト2m (II)
この式において、「核」は金属イオン又は金属イオンを含む基を表し、n及びmは、互いに同じことも異なることもあり、それぞれが少なくとも1の整数を表し、各「デンドライト1」は、nが2以上のとき互いに同じことも異なることもあり、各「デンドライト2]は、mが2以上のとき互いに同じことも異なることもあり、少なくともその構造の1部が完全に共役されており、アリール及び/又はヘテロアリール基又は窒素、並びに選択的に、ビニル及び/又はアセチレニル基からなり、前記(ヘテロ)アリール、ビニル及びアセチレニル基のSP2又はSP2混成軌道炭素原子、又はN及び(ヘテロ)アリール基の間の単一結合によって結合されており、「デンドライト1」における少なくとも1つの分岐点
及び/又は分岐点間の結合が[デンドライト2]のそれと異なり、「核」が2以上の共役
樹枝分岐が付着された第1(ヘテロ)アリール基又は窒素に対する単一結合のSP2混成
(環状)炭素(該環状炭素又は窒素は前記完全に共役された「デンドライト1」又は[デ
ンドライト2]の一部を形成する)に結合している単一結合で終結しており、「核」は前
記「デンドライト1」又は[デンドライト2]の他方の第1分岐点の結合で終結し、少なくとも「核」、「デンドライト1」又は[デンドライト2]は冷光放射性を有している。
さらに、発光デンドリマーは、次の一般式(III)を有する。
【0016】
(化9) 核−[デンドライト]n (III)
この式において、「核」は金属イオン又は金属イオンを含む基を表し、nは1又は2以上の整数を表し、各「デンドライト」は互いに同じことも異なることもあり、本来的に少なくとも部分的に共役された樹枝分岐構造を有し、前記構造はアリール及び/又はヘテロアリール基又は窒素、並びに選択的に、ビニル及び/又はアセチレニル基からなり、これらは前記(ヘテロ)アリール、ビニル及びアセチレニル基のSP2又はSP2混成軌道炭素原子によって、又はN及び(ヘテロ)アリール基の間の単一結合によって結合されており、ここで、前記デンドライトにおける隣接する分岐点は必ずしも全て同じでなく、「核」が2以上の共役樹枝分岐が付着された第1(ヘテロ)アリール基または窒素のSP2混成
(環状)炭素(該環状炭素は前記完全に共役された「デンドライト」の一部を形成する)に結合している単一結合で終結しており、「核」及び/又は「デンドライト」は冷光放射性を有している。本発明の1つの実施態様において、「デンドライト1」及び/又は[デ
ンドライト2]は、分岐点としてNを含まず、共役されている。
(I)、(II)及び(III)式において、核はマグネシウムキレートポルフィリンを含ま
ない。
【0017】
この意味において、共役されたデンドロン(デンドライト)は、置換しえる2又は単一の結合からなり、表面基から離れている。しかしながら、これはパイ−システムが完全に非局在化していることを意味しない。パイ−システムの非局在化は付着物の地理的化学特性に依存している。
【0018】
デンドリマーは2以上の冷光放射性部を有する。好ましい実施例においては、デンドリマーは少なくとも本来的に少なくとも部分的に共役された少なくとも2つの冷光放射部を取り込んでおり、その冷光放射部は互いに共役されたりされていなかったりする。ここで、デンドロンは少なくとも1つの前記冷光放射部を含む。好ましくは、冷光放射部又はデンドリマーからより遠い冷光放射部は、一般的には、デンドリマーの核内に一部又は全部が存在する冷光放射部より大きいホモ−ルモ(HOMO−LUMO)エネルギーギャップ有する。他の実施例においては、表面基はデンドリマーの表面においてホモ−ルモ(HOMO−LUMO)エネルギーギャップを変え得るが、デンドライトのホモ−ルモ(HOMO−LUMO)エネルギーギャップは実質的に同じである。いわば、いわゆる第2世代のデンドリマーにおいては、ときおり、次の世代に比較して、表面基がより低いホモ−ルモエネルギー(HOMO−LUMO)のデンドライドの末端において発色団を形成する。
冷光放射部の相対的ホモ−ルモ(HOMO−LUMO)エネルギーギャップは、可視UV分光偏光計を用いる方法によって測定できる。冷光放射部の1つは、核自体の内側に一部又は全部が存在するが、デンドロンにおける他の冷光放射部に比較してより小さい本来的なホモ−ルモ(HOMO−LUMO)エネルギーギャップを有している。置換的に、または付加的に、デンドロンはそれぞれそれ自身2つ以上の冷光放射部を有し、その冷光放射部においては、核により遠いものは、核により近いものより、好ましくはより大きな本来的ホモールモ(HOMO−LUMO)エネルギーギャップを有する。この場合において、冷光放射性の核が一般的には好ましいが、核自体は冷光放射性である必要はない。
【0019】
デンドリマーの適切な表面基は、分岐及び非分岐状アルキル、特に、(t−ブチル)分岐及び非分岐状アルコキシ、ヒドロキシ、アルキルシラン、カルボキシ、カルバルコキシ及びビニルである。より包括的なリストとしては、更なる反応性アルケン、(メス)アクリレート、硫黄含有又はシリコン含有基、スルフォニル基、ポリエチル基、C1からC15
までのアルキル(好ましくは、t−ブチル)基、アミノ基、モノ−、ジ−若しくはトリC1からC15までのアルキルアミノ基、COOR基(ここで、Rは水素又はC1からC15までのアルキル)、OR基(ここで、Rは水素、アリール、又はC1からC15までのア
ルキル若しくはアルケニル)、O2SR基(ここで、RはC1からC15までのアルキル又はアルケニル)、−SiR3基(ここで、R基は同一又は異なり、水素、C1からC15までのアルキル又はアルケニル)、又はSR’基(R’はアリール若しくはC1からC15までの
アルキル又はアルケニル)、アリール、又はヘテロアリールである)を包含する。典型的には、t−ブチル及びアルコキシ基が使用される。異なる表面基は、異なるデンドロンか、又はデンドロンの異なる末端基であり得る。好ましくは、表面基は溶液プロセスが可能なもの、すなわち、表面基はデンドリマーが溶媒中で溶解できるようなものであるとよい。
【0020】
表面基は、デンドリマーが光パターン形成可能であるように選ばれる。例えば、架橋基は放射線照射又は化学反応によって架橋できるように存在する。その代わりに、表面基は架橋可能な基を切り離すことが可能な保護基からなる。一般的に、表面基は、デンドリマーが溶解過程に適合する溶媒に溶解できるように選択される。
デンドロン内のアリール(及びアリール’)基は、典型的には、ベンゼン、ナフタレン、アントラセン、フルオレン、ピリジン、オキサジアゾール、トリアゾール、トリアジン、チオフェン及びこれらの適当で実質的な変形物である。これらの基は、典型的には、C1からC15までのアルキル又はアルコキシ基によって選択的に置換される。分岐点におけ
るアリール基は、好ましくは、環の位置が1,3,5で結合されたベンゼン環、ピリジル又はトリアジニル環である。デンドロンはそれ自体、蛍光発色団を含む。
【0021】
核は、冷光放射又は非冷光放射部から構成される。後者の場合、デンドロンが蛍光基を含まなければならない。核が冷光放射する場合、それらは有機及び/又は有機金属の発蛍光団及び/又は蛍燐光体からなる。典型的な核は、ベンゼン、ピリジン、ピリミジン、ト
リアジン、トルチオフェン、フルオレン、ジビニルベンゼン、ジスチリルエレチレン、ジビニルピリジン、ピリミジン、トリアジン、ジビニルチオフェン、オキシジアゾール、コロネーン、又はランスアニド、イリジウム複合物若しくはプラチナ燐光体のような蛍光染料、マーカー化合物若しくは金属冷光放射団である。これらの種々の還は、例えば、C1からC15のアルキル、アルコキシ基によって置換され得る。
【0022】
冷光放射団への電子吸引性基の付加によってデンドリマーの電子結合性を制御することが可能である。例えば、強い電子吸引性を有し、我々が関心を有しているスペクトル領域において選択的に透明であるシアノ基又はスルフォン基がある。これら及び他の変形デンドリマーの詳細は、特許文献1(WO99/21935)に開示されている。
【0023】
核に付着されるデンドロンの1又は2以上は(少なくとも1つのデンドロンは特定された共役デンドロンである限り)非共役であり得る。典型的には、そのようなデンドロンは、エーテル系アリールデンドロン、例えば、ベンゼン環がメチレンオキシ結合によって付着しているものを含む。2以上のデンドロンが存在するときは、デンドロンは同じか異なり得る(一般的なレベルは、分岐点の集合の数によって決められる)。少なくとも1つの第2世代又はより高い世代のデンドロンにとって、必要とされる溶液プロセスの性質を提供することは有利なことである。
【0024】
核は、典型的には、金属カチオン及び付着するリガンドを含む。金属は、典型的には核の中心にあり、核は典型的には冷光放射性である。もし冷光放射性でないときは、1または2以上のデンドロンは冷光放射性を有する基を含まなければならない。
【0025】
核が金属カチオン及び付着したリガンドを含むときは、それは金属、カチオン、及び1,2、又はそれ以上の配位基の錯体であり、配位基の少なくとも1つ好ましくは少なくとも2つはデンドロンに結合されている。典型的には、デンドリマーの冷光放射性はその錯体から導かれる。上記(I)、(II)及び(III)における核が、金属カチオンを含むときは、
核は、典型的には、金属カチオン及び2又はそれ以上の配位基であり、前記基の少なくとも1つ好ましくは2又はそれ以上は、それぞれ、(I)、(II)及び(III)における核が終結
する単一結合によって、これらの式で定義された「デンドライト」、「デンドライト1
又は[デンドライト2]部に結合される。
本発明における1つの、態様において核は、次の(IV)の錯体で表すことができる。
【0026】
(化10) M[X−]qr (IV)
この式において、Mは金属カチオンであり、それぞれの[X−]は同じか異なり、核が終結する単一結合に付着する配位基であり、各Yは同じか異なる配位基であり、qは整数であり、rは0又は整数であり、a.qとb.rの合計はM上で有効な配位数に等しく、ここでaは[X−]上の配位数であり、bはY上の配位数である。
【0027】
各[X−]部における単一結合は、核が終結する結合であり、デンドロンに接続する。好ましくは、1つのデンドリマーにおいては少なくとも2つのデンドリマーがあり、(IV)式におけるqは2又は3以上の整数である。前記2又は3以上のデンドロンは、典型的には、上記(I)、(II)及び(III)式で定義される「デンドライト」、「デンドライト1」及び/又は[デンドライト2]で表される構造を有する。配位基Yは、存在するときは、中性
又はデンドロンに付着しておらず、また、金属カチオンの配位要求を実行する電荷性キレートリガンドである。
適切な金属は、次のものを含む。
【0028】
セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、ジスポロシウム、トゥリウム、エルビウム及びネオジウムなどのランタニド金属、d−ブロック金属、特に2族及び3族に
おける金属である。例えば、イリジウム、プラチナ、ロジウム、オスミウム、ルテニウム、レニウム、スキャンジウム、クロミウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル及び銅、並びに周期表における主要金属、1A,2A,2B、3B族から選ばれる金属、例えば、リチウム、ベリリウム、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム、ガリウム及びインジウムである。適切なYの置換体は、特にレニウムとっては、CO及び塩素のようなハロゲンを含む。イリジウムデンドリマーにとっては、金属に付着しているリガンドの一部は、好ましくは、窒素含有ヘテロアリール、例えば、ピリジンの場合、アリールが縮合環、例えば、置換される又は置換されないフェニル又はベンゾチオフェンである(ヘテロ)アリールに付着している。ピリジンもまた置換され得ることは注目すべきである。プラチナデンドリマー及び特に、メソ位に付着するスチルベン基礎としたデンドロンを有するポルフィリン核プラチナデンドリマーは,一般的にあまり好ましくない。
発光は、金属及び配位基の選択によって、蛍光又は燐光である。
【0029】
f−ブロック金属に対する適切な配位基は、カルボキシル酸、1,3−ジケトネート、ヒドロキシカルボン酸、アシルフェノール及びイミノアシル基を含むシッフ塩基である。公知のように、冷光放射性ランタニド金属錯体は、金属イオンの第1励起状態より高い第3励起エネルギーを有する感応基を要求する。発光は金属のf−f遷移から生じ、したがって発光色は金属の選択によって決まる。鋭い発光は、一般的に狭く、表示装置への応用に役立つ純粋な発光をもたらす。燐光のような第3励起を得るための能力のために、潜在的な装置効率は蛍光のためのものより高い。
【0030】
主要な金属錯体は、リガンド系又は電荷移転発光を示す。発光色はリガンドだけでなく金属の選択によって決まる。広い範囲の冷光放射性低分子金属錯体がしられており、また、有機発光装置において実証されている。(例えば、Macromol Sym.125(1997)1−48,US−A 5,150,006,US−A 6,083,634及びUS−A5,432,014参照)2価及び3価の金属にとって好適なリガンドが、図1に示されている。これらは、例えば、酸素−窒素又は酸素−酸素提供原子を伴うオキシノイド(1)、一般的には置換酸素原子を伴う環状窒素原子、8−ヒドロキシキレート(1A)及びヒドロキシキノクサリノール(1B)のような置換酸素原子を伴う環状窒素又は酸素原子、10−ヒドロキシベンゾ(h)キノリナート(2)、ベンザゾール(3)、シッフ系(5)、アゾニドール(6)、クロム誘導体(6)、3−ヒドロキシフラボン(7)、サルチル酸(8)アミノカルボン酸(9)並びにエステルカルボキシレート(10)を含む。R及びX基を含む置換基は、典型的には、発光色を変化し得ル(ヘテロ)芳香族上のハロゲン、アルキル、アルコキシ、ハロアルキル、シアノ、アミノ、アミド、スルフォニル、カルボニル、アリール又はヘテロアリールである。(5)及び(10)におけるR基は、典型的にはアルキル又はアリールである。は、典型的には、1から6の炭素原子のアルキル基であり、特に、メチル、エチル、プロピル及びブチルのような1から4の炭素原子である。アリール基は、典型的には、フェニール基である。
【0031】
d−ブロック金属は、ポルフィリン、2−フェニル−ピリジン、2−チエニ−ピリジン、ベンゾ(h)キノリン、2−フェノルベンゾキサゾール又は2-ピリジルチアナフテン
及びイミノベンゼンのような炭素又は窒素ドナーを有する有機錯体を形成する。(ヘテロ)芳香族環は、例えば、上記で与えられるR及びX基に対して置換され得る。d−ブロック錯体の発光はリガンド系又は電荷輸送に起因する。重d-ブロック元素に対しては、強
いスピン起動カップリングが迅速なインタシステム交差及び第3状態からの発光(燐光)を可能にする。
蛍光電子冷光放射装置においては、非発光3重項状態において励起が生じ、発光効率を減少させる。
【0032】
したがって、3重項励起をもたらすことのできる、燐光発光の基づいた装置は、蛍光発
光に基づいた装置よりはるかに効率のよい可能性を有している。
【0033】
デンドリマーは収束的、または分岐的ルートで形成さることができるが、収束的ルートが好ましい。したがって、デンドロンは適切なリガンドに付着し、これらは、樹枝分岐状金属錯体を形成するために、後に金属カチオンに付着する。選択的に、他の非樹枝分岐状リガンドは、後に前記金属錯体に付着することができる。他の手段としては、適切な官能基を有するリガンドは金属イオンに複合され、その後、機能化されたデンドロンと適当に反応する。後者の方法では、全てのリガンドが反応性の官能基を有する必要はない。そして、この方法は、金属に対するリガンド錯体のいくつかに、ただし、全部ではないが、デンドロンを付着させることを可能にする。デンドロンの重要な性質は、金属錯体に対する溶液プロセスを可能にすることであり、そして、それによって発光ダイオードにおいて使用される品質のよい薄膜の形成を可能にする。
【0034】
樹枝分岐状金属錯体は、上述したように同一状か、又は1タイプ以上の樹枝分岐状リガンドを含む。代替的に、金属錯体は、1又は好ましくは2以上、例えば、2又は3の樹枝分岐状リガンド及び1又は2以上の非樹枝分岐状リガンドを含む。例えば、テルビウム錯体と一緒では、金属化チオンの等価範囲を充足する金属プラス1又は2以上の共同リガンドに複合するためにカルボキシ部において3つの樹枝分岐状リガンドが終了する。また、イリジウムにおいては、2つの樹枝分岐上リガンドとともに第3のリガンドである非樹枝分岐状フェニルピリジンリガンドを有することが可能である。樹枝分岐状リガンド数は、必要とされる溶液プロセスを提供するために十分であることが望まれる。全てのリガンドが異なる樹枝分岐状金属錯体の場合には、準備の方法は全ての複合タイプの統計的な混合をもたらす。これは、光学的、電気的及びプロセス特性が満足すべきものを提供し、必ずしも不利なものではない。混合されたデンドロン錯体の場合、金属に対する付着点を形成する部分は、全て同じであるか、又は類似の結合コンスタントを有する。2又はそれ以上の異なるデンドロンを含む樹枝分岐状錯体の場合、少なくとも1つは共役デンドロンであるべきである。共役デンドロンは、多くの異なるタイプの分岐点からなり得る。
【0035】
表面基及びデンドライトは、選択した溶液プロセス技術に好適なトルエン、THF,水及びメタノールのようなアルコール溶媒などの溶媒に溶解できるように、変形しえる。典型的なt-ブチル及びアルコキシ基が使われてきた。さらに、デンドロンの選択及び/又は表面基の選択は、デンドリマー(有機又は有機金属)、高分子又は低分子との混合を可能にする。本発明の一実施例において、有機金属核を有する蛍光デンドリマーと同じデンドロンタイプであるが異なる核を有するデンドリマーの混合がある。
【0036】
本発明の他の実施態様においては、有機金属デンドリマーは、均一層として、又は他のデンドリマー(有機又は有機金属)、高分子又は低分子化合物の混合物として発光装置に組み込むことができる。一つの実施態様において、d-ブロック蛍光材料がLEDにおけ
る均一な発光層として用いられることにわれわれが気づいているという最初の例を示す。我々は、また、燐光有機デンドリマーが蛍光ホスト材料と混ぜられるとき、発光波長特性は電子パルスの起動周波数依存することを発見した。装置は、電圧(電流)パルスを一定の長さ及び期間(起動波長を記述するとともに)付加することによって稼動される。パルスの長さ及び期間が燐光の崩壊時間についての光度の類似等級の時間長にある期間内において発光波長は起動波長に敏感であり得る。他の実施態様において、デンドリマーを電荷輸送材料に混合することの利点が発見された。特に、正孔輸送及び/又は両極性材料及び/又は電子輸送層の存在が有利であることが分かった。さらに、他の実施例においては、両極性材料はカルバゾール単位を含む。他の実施例では、1又は2以上の電荷輸送材料を有する。
デンドリマーは、従来の態様においては、電子冷光放射(EL)装置として知られる発光ダイオードに組み込まれる。好ましい実施例において、デンドリマーは冷光放射要素と
して働く。デンドロン及び表面基の適切な選択によって、デンドリマーは、トルエン、THF、水、及びメタノールのようなアルコール溶媒のような伝統的な溶媒に溶解可能である。最も単純な形においては、有機発光又は電子冷光放射装置は、少なくとも一方が発光された光の透過性を有する2つの電極間にはさまれた発光層から形成される。このような装置は透明な基板層、透明な電極層、冷光放射層及び背面電極からなる従来の配置を有し得る。この目的のために、標準の材料が使われ得る。すなわち、透明基板層は、PETのような他の透明材料も用いることが可能であるが、典型的にはガラスから作られる。
【0037】
通常透明であるアノード電極は、酸化インジウム/酸化錫、酸化物錫/アンチモン、酸化亜鉛/アルミニウム、金、プラチナのような他の材料を用いることが可能であるが、好ましくはインジウム錫酸化物(ITO)から作られる。PANI(ポリアニリン)又はPEDOTのような導電性高分子も用いることが可能である。
【0038】
カソード電極は、Al,Ca,Mg,Li,若しくはMgAl又は選択的に共用されるLiF層のような低い仕事関数の金属又は合金から作られる。よく知られているように、正孔輸送材料及び/又は電子輸送材料を含む他の層も存在する。代替的構成においては、基板はシリコンのような不透明材料で、光が反対の電極より通過する。
【0039】
本発明のデンドリマーはスピンコーティング、印刷、ディップコーティングのような公知の溶融プロセスによって積層させることができる。デンドリマーは単独の薄膜又は他の有機材料(デンドリマー、高分子及び/又は低分子化合物)との混合物として積層され得る。膜厚は、典型的には、10nmから1000nm、好ましくは、200nm以下、より好ましくは30から120nmである。他の有機層、例えば、電荷輸送層は、気相蒸着又は第1層が不溶性の場合には溶媒からの溶融プロセスによってデンドリマー薄膜の表面に積層される。
【0040】
(参考例1)
G0−Br(R1)
4−(2’−エチルヘキシロキシ)フェニル臭化物
乾燥DMF(780cm3)中の4−ブルモフェノール(49.0g、283mmol)の冷却溶液(氷浴)に水酸化ナトリウム(油に60%分散、17.4g、435mmol
)が加えられた。混合液はその温度で2時間攪拌され、氷浴は取り除かれた。乾燥ジメチルホルムアミド150cm3中の2−エチルヘキシルブロミド(54.4cm3、306mmol)溶液が漏斗を通じて反応物に添加され、その反応物は、室温で一夜(21時間)攪拌された。結果の混合物は水(400cm3)及びエーテル(500cm3)によって薄められた。2つの相に分離した。水溶層はエーテル(3×300cm3)と共に抽出され
、有機部分及び抽出エーテルは無水MgSO4上に乾燥された。ろ過物は回収され、黄色
油を除くため減圧下で蒸発された。シリカゲルのカラム・クロマトグラフィー(各回半分の量)により、軽油を溶離液として用いることにより、無色の油としてR1(54.1g、67%)が得られた。
λmax(CH2Cl2)/nm 284 (ε/dm3mol-1cm-1 1251), 及び 291sh (1001); δH(400 MHz; CDCl3) 0.83-0.97 (6 H, m, Me), 1.30-1.57 (8 H, m, CH2), 1.68-1.79 (1 H, m, CH), 3.78-3.84 (2 H, m, ArOCH2), 6.74-6.80 (2 H, m, ArH), 及び 7.33-7.40 (2 H, m, ArH); δC(100 MHz; CDCl3) 11.1, 14.1, 23.0, 23.8, 29.1, 30.4, 39.3, 70.7, 112.4, 116.3, 132.1, 及び 158.5.
【0041】
(参考例2)
G0−SnBu3(R2)
1−(2’−エチルヘキシロキシ)−4−(トリ−n−ブチル)錫ベンゼン
t−ブチルリチウム(1.7M、21.7cm3、36.6mmol)がアルゴン雰囲
気中において、54cm3中のG0−Br1(7.00g、24.5mmol)の冷却(
ドライアイス/アセトン浴)溶液に10分以上かけてゆっくりと加えられた。混合物は、マイナス78℃で2時間攪拌され、トリ−n−ブチル塩化錫(10cm3、36.8mm
ol)が、該混合物に5分以上で添加され、ドライアイス/アセトン浴から分離される前にマイナス78℃で1時間攪拌された。混合物は10%のNH4Cl水溶液(20cm3)中にクエンチされる前に室温中でさらに3時間攪拌される。水溶層は分離され、ジクロロメタン(DCM、2×10cm3)によって抽出された。DCM抽出部及びエーテル部は
MgSO4によって乾燥され、ろ過された。溶媒は完全に分離された。蒸留により、過剰なトリ−n−ブチル塩化錫を除去することによって、薄黄色の油として、R2を12.0g(99%)を得た。
λmax(CH2Cl2)/nm 277 (ε/dm3mol-1cm-1 826), 及び 284sh (660); δH(200 MHz; CDCl3) 0.81-1.09 (15 H, m, Me), 1.21-1.81 (27 H, m, CH2 & CH), 3.84 (2 H, m, ArOCH2),
6.91 (2 H, m, ArH), 及び 7.36 (2 H, m, ArH).
【0042】
(参考例3)
G1−CHO(R3)
3,5−ジ[4’−(2”−エチルヘキシロキシ)フェニル]ベンズアルデヒド
(方法1)
2(8.50g、17.2mmol)、3,5−ジ−ブロモベンズアルデヒド(1.18g、4.47mmol)、CuI(790mg、4.15mmol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(790mg、0.684mmol)及び蒸留されたトリエチルアミンの20cm3の混合物が還流器によりアルゴン下で14時間加
熱された。反応混合物は、冷却され、DCMを溶離液として用い、シリカゲルのプラグを通してろ過された。ろ液は回収され、茶黄色油になるまで溶媒は完全に分離された。
残留物はエチルアセテート軽油(0:1から1:10)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィー(各回、半分の量)により精製され、無色の油(1.91g、83%)としてR3が得られた。
νmax/cm-1 (neat) 1700 (C=O);λmax(CH2Cl2)/nm 247 (ε/dm3mol-1cm-1 22406), 274 (27554), 及び 339sh (1817); δH(400 MHz; CDCl3) 0.88-1.01 (12 H, m, Me), 1.30-1.61 (16 H, m, CH2), 1.73-1.84 (2 H, m, CH), 3.94 (4 H, m, ArOCH2), 7.04 (4 H, m, ArH), 7.62 (4 H, m, ArH), 7.99 (3 H, s, ArH), 及び 10.13 (1 H, s, CHO);δC(100 MHz; CDCl3) 11.1, 14.1, 23.1, 23.9, 29.1, 30.5, 39.4, 70.6, 115.0, 126.0, 128.2, 130.8, 131.9, 137.4, 142.3, 159.6, 及び 192.5; m/z [CI(NH3)] 533 (MNH4+), 及び 515 (M+).
【0043】
(方法2)
4B(213mg、0.851mmol)、3,5−ジ−ブロモベンズアルデヒド(98mg、0.370mmol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(30mg、0.026mmol)、2MのNa2CO3溶液(0.5cm3)、Et
OH(0.5cm3)及びトルエン(1.1cm3)の混合物が脱ガスされ、還流器によりアルゴン下で18時間加熱された。混合物は冷却された。水(4cm3)及びエーテル(
5「cm3)が混合物に添加され、2相に分離された。水溶液層はエーテル(3×5cm3)により抽出された。有機層及びエーテル抽出物は結合され、無水マグネシウム硫酸塩に乾燥され、ろ過された。溶媒は完全に分離された。残留物は軽油(60−80℃)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィー(各回、半分の量)により精製され、無色の油(172mg、90%)としてR3が得られた。
【0044】
(参考例4)
G0−B(X)2(R4)
4―(2’−エチルへキシロキシ)フェニルボロン酸
t−ブチルリチウム(1.7M、66.0cm3、112mmol)がアルゴン雰囲気
中において、無水THF300cm3中のG0−Br1(20.0g、70.1mmol
)の冷却(ドライアイス/アセトン浴)溶液に加えられた。混合物は、マイナス78℃で1時間攪拌され、トリメチル硼酸塩(57.2cm3、421mmol)が、該冷却混合
物にゆっくりと添加された。反応物は、ドライアイス/アセトン浴から分離される前にマイナス78℃で2時間攪拌された。混合物は3MのHCl水溶液(30cm3)中にクエ
ンチされる前に室温中でさらに2.5時間攪拌された。2層に分離された。水溶層はジクロロメタン(DCM、3×30cm3)によって抽出された。有機層及びDCM抽出物は
結合され、無水マグネシウム硫酸塩に乾燥され、ろ過され、溶媒は完全に分離された。エチルアセテート−軽油(1:10)を用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、次に、溶離液としてエチルアセテート−DCM(0:1から1:3まで)によって、2つの大きな帯域が得られた。無色の油として極性の低い化合物4Aである。δH(200 MHz; CDCl3) 0.81-1.05 (6 H, m, Me), 1.22-1.62 (8 H, m, CH2), 1.68-1.88 (1 H, m, CH), 3.91 (2 H, m, ArOCH2), 6.98 (2 H, m, ArH), 及び 7.77 (2 H, m, ArH);
及び より極性化合物 三量体, 4B, 8.40 g 無色油として; δH(200 MHz; CDCl3) 0.85-1.07 (6 H, m, Me), 1.30-1.64 (8 H, m, CH2), 1.70-1.90 (1 H, m, CH), 3.95 (2 H, m, ArOCH2), 7.03 (2 H, m, ArH), 及び 8.18 (2 H, m, ArH).
注記)4Aまたは4Bのどちらかの化合物が次世代のデンドライドを形成する反応として使用され得る。4A又は4Bのどちらかの2量体において、HNMRにおける陽子の数が割合として考慮されるべきである。
【0045】
(参考例5)
G1−Br(R5)
3,5−ジ[2”−エチルヘキシロキシ]フェニル
ボロン酸4B(7.90g、31.6mmol)、1,3,5−トリブロモベンゼン(4.53g、14.4mmol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(1.16g、1.00mmol)、2MのNa2CO3溶液(15cm3)、Et
OH(15cm3)及びトルエン(43cm3)の混合物が脱ガスされ、還流器(浴温101℃)によりアルゴン下で22時間加熱された。混合物は冷却された。水(20cm3
及びエーテル(30cm3)が混合物に添加され、2相に分離された。水溶液層はエーテ
ル(3×20cm3)により抽出された。有機層及びエーテル抽出物は結合され、無水マ
グネシウム硫酸塩に乾燥され、ろ過された。溶媒は完全に分離された。残留物は軽油(60−80℃)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、無色の油としてR5が6.04g(74%)得られた。
δH(200 MHz; CDCl3) 0.82-1.02 (12 H, m, Me), 1.26-1.60 (16 H, m, CH2), 1.70-1.83
(2 H, m, 2 x CH), 3.90 (4 H, m, ArOCH2), 6.99 (4 H, m, ArH), 7.54 (4 H, m, ArH), 及び 7.62 (3 H, s, ArH); m/z [MALDI] 566 (M+). さらに、 無色の油が分離された3
重置換化合物;δH(200 MHz; CDCl3) 0.82-1.02 (18 H, m, Me), 1.25-1.63 (24 H, m, CH2), 1.70-1.83 (3 H, m, CH), 3.90 (6 H, m, ArOCH2), 7.01 (6 H, m, ArH), 7.62 (6 H, m, ArH), 及び 7.65 (3 H, s, ArH); m/z [APCI+] 692 (MH+).
【0046】
(参考例6)
G1−BX2(6)
t−ブチルリチウム(1.7M、3.0cm3、5.15mmol)がアルゴン雰囲気
中において、無水THF18cm3中のアリ-ル臭化物 5(1.82g、3.22mmol)の冷却(ドライアイス/アセトン浴)溶液に加えられた。混合反応物は、濃赤茶色に変色しつつ、マイナス78℃で1時間攪拌された。トリ−n―ブチル硼酸塩(5.2cm3、19.3mmol)が、該冷却混合物にゆっくりと添加された。混合物は、ドライア
イス/アセトン浴から分離される前にマイナス78℃で1時間攪拌された。混合物は3MのHCl水溶液(7cm3)中にクエンチされる前に室温中でさらに3.5時間攪拌され
た。2層に分離された。水溶層はジクロロメタン(DCM、3×5cm3)によって抽出
された。有機層及びDCM抽出物は結合され、無水マグネシウム硫酸塩に乾燥され、ろ過され、溶媒は完全に分離された。エチルアセテート−軽油(1:10)を用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、次に、溶離液としてエチルアセテート−DCM(1:4)によって、無色の油として6が1.63g(96%)得られた。6の構造は完全には判明されていないが、優れた成果物におけるより高い世代を構成しえる。
【0047】
(参考例7)
[G−3]3N(図9における化合物A)
ナトリウムt−ブトキシド(122mg、1.09mmol)が、乾燥テトラヒドロフラン(15mL)中の[G−3]−フォスファネート参考例7A及び参考例8(34.6mg、0.054mmol)の溶液に加えられ、アルゴン雰囲気中で約21.5時間、還流器中で加熱され、溶媒が除去された。ジクロロメタン(50mL)が加えられ、有機層が水(50mL)及び塩水(50mL)で洗浄され、無水硫化カリウム上で乾燥され、ろ過され、溶媒は除去され黄色の固体が得られた。残留物はシリカのカラム・クロマトグラフィーでは純化することは困難であった。ジクロロメタン/軽油混合物(1.5:3.5から2:3)が溶離液として用いられたとき、純粋な材料の量が分離されえる(約90mg)。残留不純物材料(約260mg)及びヨード(17mg、0.07mmol)がトルエン(6ml)に溶解され還流器で5.2時間加熱された。溶媒は除去され、ジクロロメタン−軽油(1.5:3.5から2:3)を用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製された。主要な分級物は回収され、溶媒は除去された。残部は純粋な材料の最初の分級物と結合され、21(268mg、63%)、融点266−267℃が得られた。
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
本発明を実施するための最良の形態を実施例として以下に示す。
【実施例1】
【0049】
G1−COOH (1)
3,5−ジ[4’−(2”−エチルヘキシロキシ)フェニル]ベンゼン酸
ジクロロメタン(DCM)(0.8cm3) DCM5cm3中の3,5−ジ[4’−(2”−エチルヘキシロキシ)フェニル]ベンズアルデヒド(515mg、1.00mmol)及びテトラ−n−ブチルアンモニウム臭化物(64mg、0.200mmol)がKMnO4(474mg,3.00mmol)、NaOH(20mg,0.500mmol
)及び水0.8cm3)の混合冷却浴に順次加えられた。混合物は、酢酸(31滴)にク
エンチされる前に、0から2℃で30分攪拌され、室温でさらに16時間攪拌された。混合物は、DCMと共にエチルアセテートを溶離液としてセライトの小さなプラグを通過させた。ろ過物は回収され、溶媒は完全に除去された。原料残留物はエチルアセテート−DCM−酢酸(0:1:0から1:4:0.01)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、黄色の固体、融点105℃として1が458mg(86%)得られた。
(実測値: C, 79.2; H, 8.7. C35H46O4 理論値 C, 79.2; H, 8.7 %); νmax/cm-1 (純) 1687 (C=O); λ max(CH2Cl2)/nm 231 (ε/dm3mol-1cm-1 27864), 271 (42017), 及び 327 (3096); δH(400 MHz; CDCl3) 0.90-1.03 (12 H, m, Me), 1.35-1.63 (16 H, m, CH2), 1.77-1.86 (2 H, m, CH), 3.93 (4 H, m, ArOCH2), 7.04 (4 H, m, ArH), 7.63 ( 4 H, m,
ArH), 7.98 (1 H, s, ArH), 及び 8.27 (2 H, br s, ArH), (COOH は観察されなかった
。); δC(100 MHz; CDCl3) 11.1, 14.1, 23.1, 23.9, 29.1, 30.5, 39.4, 70.6, 93.2, 114.9, 126.6, 128.2, 130.3, 132.2, 141.8, 159.4, 及び 185.6; m/z [CI(NH3)] 549 (MNH4+), 及び 531 (M+).
【実施例2】
【0050】
G1−COO−Eu (2)
ユーロピウム3,5−ジ[4’−(2”−エチルヘキシロキシ)フェニル]安息香酸塩
G1−COOH(1)(500mg、0.942mmol)、新鮮に乾燥させたEu(OAc)33H2O(70℃、0.5mbarで一晩)(103mg、0.314mmol)及びクロロベンゼン28cm3が減圧下(水流ポンプ)で加熱(浴温70−75℃)さ
れた。溶媒はゆっくりと1.5時間以上かけて除去され、残留物は真空下で蒸発され暗い黄色の油が得られた。油はMeOHとともに粉砕され、薄黄色の固体が得られた。個体は真空中(0.5mbar、一晩)で乾燥され552mg(100%)のユーロピウム錯体2の黄色の固体が得られた。
実測値: C, 71.7; H, 7.9./ C105H135EuO12 理論値 C, 72.4; H, 7.8 % / C105H137EuO13
理論値 C, 71.7; H, 7.9 %); λmax/nm (薄膜) 268, 及び 328.
【実施例3】
【0051】
G1−COO−Tb
テルビウム3,5−ジ[4’−(2”−エチルヘキシロキシ)フェニル]安息香酸塩
G1−COOH(1)(500mg、0.942mmol)、新鮮に乾燥させたTb(OAc)33H2O(70℃、0.5mbarで一晩)(105mg、0.314mmol)及びクロロベンゼン28cm3が減圧下(水流ポンプ)で加熱(浴温70−75℃)さ
れた。ほとんどの溶媒はゆっくりと1.5時間以上かけて除去され、残留物は真空下で蒸発され暗い黄色の油が得られた。油はMeOHとともに粉砕され、薄黄色の固体が得られた。個体は真空中(0.5mbar、一晩)で乾燥され548mg(100%)のテルビウム錯体3の黄色の固体が得られた。
実測値: C, 71.9; H, 7.6. for C105H135TbO12 理論値 C, 72.1; H, 7.8 %; for C105H137TbO13 理論値 C, 71.4; H, 7.8 %); λmax/nm (薄膜) 270, 及び 330.
【0052】
同等リガンドとG1−COO−Ln(Eu及びTbにも使用することができる)の錯体形成のための一般的手法
ユーロピウム錯体2(6.0mg,0.003mmol)、2,2’−ビピリジル(0.5mg,0.003mmol)及びトルエンの0.2cm3の混合物を10分間攪拌す
ることによって、透明で均一な溶液が得られた。溶液は、60秒間で1500rpmの回転数で石英基板にスピンコートする前に、綿毛を通してろ過される。
G1-COO-Eu.2,2'-ジピリジル; λmax/nm (薄膜) 268, 及び 329;
G1-COO-Eu.4,4'-ジ-t-ブチル-2,2'-ビピリジル; λmax/nm (薄膜) 268, 及び 327;
G1-COO-Eu.4,4'-ジ-t-ブチル-2,2'-ビピリジル ジ-N-オキシド; λmax/nm (薄膜) 267,
及び 323;
G1-COO-Eu.1,10-フェナントロリン; λmax/nm (薄膜) 268, 及び 329;
G1-COO-Eu.1,10-フェナントロリン N-オキシド; λmax/nm (薄膜) 268, 及び 329;
G1-COO-Eu.バトクプロイン; λmax/nm (薄膜) 271, 及び 329;
G1-COO-Tb.4,4'-ジ-t-ブチル-2,2'-ビピリジル ジ-N-オキシド; λmax/nm (薄膜) 267,
及び 326;
G1-COO-Tb.1,10-フェナントリオン; λmax/nm (薄膜) 270, 及び 326;
G1-COO-Tb.1,10-フェナントリオン N-オキシド; λmax/nm (薄膜) 270, 及び 326;
G1-COO-Tb.バトクプロイン; λmax/nm (薄膜) 270, 及び 329.
【実施例4】
【0053】
2−(4’−BrPh)Py
2−(4’−ブロモフェニル)ピリジン
2−ブロモピリジン(1.22g、7.69mmol)、4−ブロモフェニルボロン酸(2.00g、10.0mmol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウ
ム(0)(622g、0.538mmol)、2MのNa2CO3溶液(8cm3)、Et
OH(8cm3)及びトルエン(22cm3)の混合物が脱ガスされ、還流器(浴温105℃)によりアルゴン下で17時間加熱された。反応物は冷却された。水(10cm3)及
びエーテル(10cm3)が混合物に添加され、2相に分離された。水溶液層はエーテル
(3×10cm3)により抽出された。有機層及びエーテル抽出物は結合され、塩水(1
×10cm3)で洗浄され、無水マグネシウム硫酸塩に乾燥された。溶媒は完全に分離さ
れた。残留物は軽油(60−80℃)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、望んでいた物質として、無色の個体として4が1.52g(84%)得られた。
E. C. Butterworth, I. M. Heibron 及び D. H. Hey, J. Chem. Soc., 1940, 355) δH(200 MHz; CDCl3) 7.23-7.35 (1 H, m, PyH), 7.58-7.67 (2 H, m, ArH), 7.68-7.81 (2 H,
m, PyH), 7.83-7.93 (2 H, m, ArH), 及び 8.69 (1 H, m, PyH). The 1H NMR is similar to the reported by M. A. Gutierrez, G. R. Newkome, J. Selbin, J. Organomet. Chem., 1980, 202, 341-350
【実施例5】
【0054】
2−(4’−G1−Ph)Py
2−(4’−{3”,5”−ジ{4’’’−(2’’’−エチルヘキシロキシ)フェニル]フェニル}フェニル}ピリジン
参考例6(G1−BX2)(1.18g、2.22mmol)のボロン化合物、2−(
4’−ブロモフェニル)ピリジン(400mg、1.71mmol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(138mg、0.120mmol)、2MのNa2CO3(1.8cm3)、EtOH(1.8cm3)及びトルエン(5.0cm3)の
混合物が脱ガスされ、還流器(浴温103℃)によりアルゴン下で16時間加熱された。反応物は冷却され、水(4cm3)及びエーテル(5cm3)で希釈された。2相に分離された。水溶液層はエーテル(3×10cm3)により抽出された。有機層及びエーテル抽
出物は結合され、無水ナトリウム硫酸塩に乾燥された。溶媒は完全に分離された。残留物はエチルアセテート−軽油(0:1から1:10まで)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、白い個体として5が1.04g(95%)得られた。
実測値: C, 84.1; H, 8.3, N, 2.3. C45H53NO3 理論値 C, 84.5; H, 8.4, N, 2.2%); λmax/nm (薄膜) 286; δH(400 MHz; CDCl3) 0.89-1.03 (12 H, m, Me), 1.32-1.67 (16 H, m, CH2), 1.77-1.88 (2 H, m, CH), 3.93 (4 H, m, ArOCH2), 7.05 (4 H, m, ArH), 7.25-7.28 (1 H, m, PyH), 7.66 (4 H, m, ArH), 7.75-7.85 (7 H, m, ArH & PyH), 8.15 (2 H, m, ArH), 及び 8.76 (1 H, m, PyH); δC(101 MHz; CDCl3) 11.1, 14.1, 23.1, 23.9,
29.1, 30.5, 39.4, 70.5, 114.8, 120.5, 122.2, 124.3, 127.3, 127.7, 128.3, 133.4,
136.8, 138.4, 141.6, 141.8, 142.1, 149.7, 157.0, 159.2, m/z [APCI+] 640 (M+).
【実施例6】
【0055】
2−(3’−BrPh)Py
2−(3’−ブロモフェニル)ピリジン
2−ブロモピリジン(2.40g、15.3mmol)、3−ブロモフェニルボロン酸(4.00g、19.9mmol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(1.24g、1.07mmol)、2MのNa2CO3(16cm3)、EtO
H(16cm3)及びトルエン(44cm3)の混合物が脱ガスされ、還流器(浴温106℃)によりアルゴン下で17時間加熱された。反応物は冷却され、黄オレンジ色の混合物が得られた。混合物は、水(10cm3)及びエーテル(20cm3)で希釈された。2相に分離された。水溶液層はエーテル(3×15cm3)により抽出された。有機層及びエ
ーテル抽出物は結合され、無水ナトリウム硫酸塩に乾燥された。溶媒は完全に分離され、オレンジ色の油を得た。油は、エチルアセテート−軽油(0:1から1:10まで)を溶
離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、暗い黄色の油として6が2.86g(80%)得られた。
δH(200 MHz; CDCl3) 7.18-7.40 (2 H, m, PyH & ArH), 7.55 (1 H, m, ArH), 7.66-7.85
(2 H, m, PyH), 7.92 (1 H, m, ArH), 8.17-8.19 (1 H, m, ArH), 及び 8.71 (1 H, m, PyH). 1H NMRは、 M. van der Sluis, V. Beverwijk, A. Termaten, F. Bickelhaupt, H.
Kooijman, A. L. Spek, Organometallics, 1999, 18,の報告に類似している。
【実施例7】
【0056】
2−(3’−G1−Ph)Py
2−(3’−{3”,5”−ジ[2’’’−エチルヘキシロキシ)フェニル]フェニル}フェニル)ピリジン
参考例6(G1−BX2)(455mg、0.858mmol)のボロン化合物、2−
(3’−ブロモフェニル)ピリジン(154mg、0.659mmol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(54mg、0.046mmol)、2MのNa2CO3(0.7cm3)、EtOH(0.7cm3)及びトルエン(2.0cm3
の混合物が脱ガスされ、還流器(浴温103℃)によりアルゴン下で17時間加熱された。混合物は冷却され、溶離液としてエーテルを用いてシリカのプラグを通した。ろ過物は収集され、溶媒は完全に分離されてオレンジ色の油が得られた。油はエチルアセテート−軽油(0:1から1:10まで)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、無色の油として7が362mg(86%)得られた。
(実測値: C, 84.2; H, 8.5, N, 2.2. C45H53NO2 理論値 C, 84.5; H, 8.4, N, 2.2%);λmax/nm (薄膜) 270; δH(400 MHz; CDCl3) 0.90-1.03 (12 H, m, Me), 1.32-1.67 (16 H,
m, CH2), 1.79-1.86 (2 H, m, CH), 3.95 (4 H, m, ArOCH2), 7.06 (4 H, m, ArH), 7.23-7.31 (1 H, m, PyH), 7.62 (1 H, m, ArH), 7.68 (4 H, m, ArH), 7.75-7.88 (6 H, m,
PyH & ArH), 8.05 (1 H, m, ArH), 8.37 (1 H, m, ArH), 及び 8.77 (1 H, m, PyH); δC(101 MHz; CDCl3) 11.5, 14.1, 23.1, 23.8, 29.1, 30.5, 39.4, 70.5, 114.8, 120.8, 122.3, 124.3, 124.5, 126.0, 128.0, 128.3, 129.2, 133.4, 136.8, 140.0, 141.94, 141.97, 142.1, 149.7, 157.4, 159.2, 及び 164.3; m/z [APCI+] 640 (M+)
【実施例8】
【0057】
(2−PhPy)[2−(3’−BrPh)Py]2Ir
(2−フェニルピリジン)−ビス[2−(3’−ブロモフェニル)ピリジン]イリジウム(3)
2−(3’−ブロモフェニル)ピリジン(367mg、1.57mmol)、イリジウムクロライド3水酸化物(124mg、0.352mmol)、H2O(3.0cm3)及び2−エトキシエタノール(10cm3)の混合物が、還流器(浴温130℃)によりア
ルゴン下で23時間加熱された後、冷却された。明るい黄色の沈殿物が得られた。個体はろ過され、95%のHtOH(20cm3)で洗浄され、乾燥されて197mgが得られ
た。結果物は、エチルアセテート−軽油(0:1から1:10まで)、DCM及びMeOHを溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製された。黄オレンジ色の固体が沈殿し、ろ過によって回収された。ろ過固体がMeOH(〜10cm3)により洗浄された。明るい黄色の固体が177mg得られた。
イリジウム錯体及び2−フェニルピリジン(738mg、4.756mmol)並びにトリフルオロメタン硫酸化物(82mg、0.317mmol)、H2O(3.0cm3)及び2−エトキシエタノール(10cm3)の混合物が、アルゴン下で4日間加熱(浴温
130−140℃)された。反応物は、室温まで冷却され、茶黄色の沈殿物が得られた。個体はエタノール(10cm3)で洗浄され、乾燥された。残留物は、DCMを溶離液と
して用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、黄オレンジ色の固体として8が100mg(78%)得られた。
λmax/nm (薄膜) 248,279 及び 390;δH(200 MHz; CDCl3) 5.74 (2 H, d, J 8.4 Hz, Ar
H), 6.70 (2 H, m, ArH), 6.78-6.79 (2 H, m, PyH), 7.62 (2 H, d, J 2.0 Hz, ArH), 7.74-7.93 (4 H, m, PyH), 及び 9.19 (2 H, d, J 5.8 Hz, PyH); m/z [APCI+] 659 (C22H14Br2IrN2+)
【実施例9】
【0058】
(2−PhPy)[2−(3’−G1−Ph)Py]2Ir
(2−フェニルピリジン)−ビス[2−(3’−{3”,5”−ジ[4’’’−(2’’’’−エチルヘキシロキシ)フェニル]フェニル}フェニル)ピリジン]イリジウム(3)
参考例6(G1−BX2)(196mg、0.369mmol)のボロン化合物、8(
100mg、0.123mmol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(10mg、0.009mmol)、2MのNa2CO3(0.3cm3)、Et
OH(0.3cm3)及びトルエン(1.0cm3)の混合物が脱ガスされ、還流器(浴温103℃)によりアルゴン下で44時間加熱された。混合物は、冷却され、エチルアセテート−軽油(1:10)及びDCM−軽油(1:4)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、オレンジ色の個体として9が18mg(約9%)得られた。
λmax/nm (薄膜) 279 及び 390; δH(200 MHz; CDCl3) 0.83-1.02 (24 H, m, Me), 1.23-1.64 (32 H, m, CH2), 1.68-1.88 (4 H, m, CH), 3.90 (8 H, m, ArOCH2), 6.88-7.09 (17 H, m, ArH 及び/又は PyH), 7.24-7.27 (1 H, m, ArH 及び/又は PyH), 7.57-7.75 (21
H, ArH 及び/又は PyH), 及び 7.89-8.03 (5 H, m, ArH 及び/又は PyH).
【実施例10】
【0059】
Fac[2−(4’−G1−Ph)Py]3Ir
Facトリ[2−(4’−{3”,5”−ジ[4’’’−(2’’’’−エチルヘキシロキシ)フェニル]フェニル}フェニル)ピリジン]イリジウム(3)
2−(4’−G1−Ph)5(490mg、0.766mmol)、イリジウム塩化物トリ−ヒドレート(68mg、0.191mmol)、H2O(1.6cm3)及び2−エトキシエタノール(4.9cm3)の混合物がアルゴン下で28時間加熱され、冷却され
た。残留混合物は、エチルアセテート−軽油(0:1から1:10まで)、DCM及びMeOHを溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製された。
上記で得られたイリジウム錯体、リサイクル化したリガンド5(約244mg)、2−(4'−G1−Ph)Py5(200mg,0.313mmol)及び銀トリフルオロメ
タン硫化物(70mg、0.272mmol)がアルゴン下で88時間加熱(浴温130〜140℃)された。反応物は、室温まで冷却され、〜5cm3のDCMが加えられた。
茶黄色の混合物がDCM−エチルアセテート−軽油(0:1:10から1:1:10まで)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、黄オレンジ色の個体として10が200mg(2ステップのため49%、IrCl3・3H2O)得られた。
(実測値: C, 76.8; H, 7.5, N, 2.0. C135H156IrN3O6 理論値 C, 76.9; H, 7.5, N, 2.0%); λmax/nm (薄膜) 277, 及び 397; δ H(200 MHz; CDCl3) 0.78-1.03 (36 H, m, Me),
1.15-1.50 (48 H, m, CH2), 1.52-1.72 (6 H, m, CH), 3.65 (12 H, m, ArOCH2), 6.58 (12 H, m, ArH), 6.92 (3 H, t, J 6.4 Hz, PyH), 及び 7.32-7.92 (39 H, m, ArH & PyH); m/z [MALDI] 2105, 2106, 2107, 2108, 2109, 2110, 2111, 2112, 2113 (M+)
【実施例11】
【0060】
Fac[2−{3’−G1−Ph}Py]3Ir
Facトリ[2−(3’−{3”,5”−ジ[4’’’−(2’’’’−エチルヘキシロキシ)フェニル]フェニル}フェニル)ピリジン]イリジウム(3)
2−(3’−G1−Py)7(294mg、0.459mmol)、イリジウム塩化物トリ−ヒドレート(41mg、0.115mmol)、H2O(1.0cm3)及び2−エトキシエタノール(3.0cm3)の混合物が、冷却される前にアルゴン下で39時間加
熱された。残留混合物は、エチルアセテート−軽油(0:1から1:10まで)、DCM及びMeOHを溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製された。ろ過物は回収され(〜600cm3)、50cm3まで濃縮された。黄オレンジ色の固体が沈殿し、ろ過により回収された。残留物は、MeOH(〜10cm3)で洗浄さ
れた。明るい黄色の固体(177mg)が乾燥された。残留物は、DCM及びMeOH(3cm3)を用いて沈殿化させ、純粋でないイリジウム錯体の黄色の固体(125mg)
が得られた。この間、2−{3’−G1−Ph}Py7が母液から回収された。これら2つの物質は、さらに純化することなく次のステップに使用された。上記のように得られたイリジウム錯体、リサイクル化した2−{3’−G1−Ph}Py7及び銀トリフルオロメタン硫化物(34mg、0.133mmol)がアルゴン下で3.5日間加熱(130℃)された。反応物は、室温まで冷却された。黄茶色の混合物がDCM−エチルアセテート−軽油(0:1:10から1:1:10まで)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、黄オレンジ色の個体として11が95mg(2ステップのため39%、IrCl3・3H2O)得られた。
(実測値: C, 76.7; H, 7.2, N, 2.1. C135H156IrN3O6 理論値 C, 76.9; H, 7.5, N, 2.0%); λmax/nm (薄膜) 279 及び 390; δH(400 MHz; CD2Cl2) 0.92-1.07 (36 H, m, Me), 1.31-1.66 (48 H, m, CH2), 1.73-1.86 (6 H, m, CH), 3.95 (12 H, m, ArOCH2), 7.00-7.13 (18 H, m, ArH & PyH), 7.30 (3 H, m, ArH) 7.62-7.83 (27 H, m, ArH & PyH), 8.10
(3 H, m, ArH), 及び 8.15 (3 H, m, PyH); δC(101 MHz; CDCl3) 10.8, 14.7, 23.9, 24.6, 29.9, 31.3, 40.2, 71.35, 115.5, 120.0, 123.4, 123.6, 123.8, 124.2, 129.0, 129.7, 134.0, 134.3, 137.4, 138.1, 142.5, 144.1, 145.4, 148.2, 160.0, 及び 167.0;
m/z [MALDI] 2105, 2106, 2107, 2108, 2109, 2110, 2111, 2112, 2113 (M+).
【実施例12】
【0061】
G1−Pt−プロフィリン
5,10,15,20−テトラ[3’,5’−ジ(3”,5”−ジ−t−ブチルスチリル]フェニル]ポルフィリネートプラチナ(2) (12)
5,10,15,20−テトラ[3”,5”−ジ(3”,5”−ジ−t−ブチルスチリル]フェニル]ポルフィリン(WO 99/21935:1−ポリフィリン:第1/第2実施例)(50.0mg,21.5mmol)がベンゾナイトライド(1cm3)中のプ
ラチナ(2)塩化物(11.4mg、42.9mmol)還流溶液に添加された。溶液は、窒素ガス流中で還流器により1時間加熱され、塩化水素が除去された。溶液は、真空下で除去された。DCM−エチルアセテート(1:4)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製された。結合された材料は、DCM−MeOH混合物から再結晶化され赤レンガ色の固体として12が42.0mg(77%)得られた。実測値: C, 81.6; H, 7.9; N, 2.1. C172H204N4Pt 理論値 C, 81.9; H, 8.2; N, 2.2%); νmax(KBr)/cm-1 1594 (C=C), 及び 959 (C=C-H trans); λmax(CHCl3)/nm (logε/dm3 mol-1cm-1) 309 (5.43), 328sh (5.30), 413 (5.64), 514 (4.60), 及び 544 (4.21); δH(400 MHz, CDCl3) 1.35 (144 H, s, t-Bu), 7.36-7.43 (40 H, m, ArH & vinyl H), 8.11
(4 H, br s, ArH), 8.29 (8 H, d, J 1.0 Hz, ArH), 及び 8.97 (8 H, s, b-pyrrolic H); m/z [MALDI] 2523 (MH+).
【実施例13】
【0062】
G2−Pt−プロフィリン
5,10,15,20−テトラ[3’,5’−ジ(3”,5”−ジ(3’’’,5’’’−t−ブチルスチリル)スチリル)フェニル]ポルフィリネートプラチナ(2) (13)
5,10,15,20−テトラ[3’,5’−ジ(3”,5”−ジ(3’’’,5’’’−t−ブチルスチリル)スチリル)フェニル]ポルフィリン(WO99/21935:2−ポリフィリン:第1/第2実施例)(50.0mg,10.3mmol)がベンゾニトリル(1.0cm3)中のプラチナ(2)塩化物(21.3mg,80.1mmol)
の還流溶液に加えられ、さらにベンゾニトリル(1.0cm3)で洗浄された。混合物は
窒素ガス流中で還流器により2.5時間加熱され、塩化水素が除去された。溶媒は除去され、残留物は、DCM−軽油(1:4)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、黄オレンジ色の個体として13が36.8mg(71%)得られた。
δH (200 MHz, CDCl3) 1.31 (288 H, s, t-Bu), 7.18-7.65 (120 H, m, ビニル H & ArH), 8.23 (4 H, s, ArH), 8.34 (8 H, s, ArH), 及び 9.05 (8 H, s, b-ピロリン H).
装置の組立て
LEDが次の方法で組み立てられた。パターン化されたインジウム酸化錫(ITO)基板が超音波洗浄浴を用いてアセトン及び2−プロパノールで洗浄された。洗浄されたITO基板にPEDOT(Bayer社)の正孔放射層が水から1000rpmの回転速度でスピンコートされ、ホットプレート上で80℃の温度で5分間乾燥させられた。デンドリマー溶液が、PEDOT層の上に続いて800rpmの回転速度でスピンコートされ、典型的には100nmの厚さの薄膜が得られた。次に、アルミニウム電極が蒸発され、2mm2のアクティブ域が得られた。dc操作のためのKeithley電源法並びにパルス
操作のためのHewlett Packardパルス発電機(立ち上がり時間10nm未満)を用いて真空中で装置の試験が行われた。LEDの充電のために必要な時間として定義される装置のRC価値は、100nmのオーダーにあると見積もられ、分割条件が適格に選択される。放射波長は、ISA Spectrum One CCD波長計を用いて測定された。全ての放射波長は、機器の反応のために訂正された。クロスチェックとして、PL波長は、CCDで録音され、蛍光測定器で得られたものと一致する確認した。
【実施例14】
【0063】
G1−Pt−ポルフィリン 12 のための装置についての結果
デンドリマーA又はデンドリマーB(図9)を混合した12を用いて薄膜及びLED装置が作成された。12/ホスト材料薄膜混合物が、ホスト材料対ゲスト材料の比が10:1(重量比)、モル比で約3:1の2つのデンドリマーのTFT溶液からスピンコートされた。これらのスピンコート薄膜には相分離は観察されず、また、その吸収は成分の合計であることがわかった。混合物の薄膜は、個々の材料の用意された薄膜に等しいと思われる。
Aの合成用ガスは、実施例7、7Aから7C及び8に記載されている。
デンドリマーBは、次のように得られる。
1,3,5,−Tris[(4’−フォルミルスチリル)フェニル]ベンゼン
【0064】
4−ビニルベンズアルデヒド(1.95g,14.7mmol)、N,N−ジメチルアセトアミド(40mL)、1 ,3,5−トリ(4’−ブロモフェニル)ベンゼン(2.00g,3.68mmol)、トランス−ジ(μ−アセト)−ビス[オルト−(ジ−オルト−トリフォスフィノ)ベンジル]ジパラジウム(2)(10mg,11μmol)、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(646mg,29.3mmol)及びナトリウムカーボネート(1.56g,14.7mmol)の混合物が連続的排気により脱ガスされ、アルゴンガスで35分間浄化された。混合物は、130℃で50.5時間攪拌された。水(100mL)及びジクロロメタン(100mL)が加えられた。水溶層が分離され、ジクロロメタン(3×100mL,2×50mL,2×100mL)で抽出された。結合された有機層は水(3×500mL)及び塩水(250mL)で洗浄され、ろ過され、溶媒は完全に除去され黄/茶色の固体が得られた。ジクロロメタンによる粉砕、ジクロロメタンによる再結晶化により、1,3,5−トリ[(4’−フォルミル)フェニル]ベン
ゼン(1.24g,48%)からの再結晶化により黄色の粉末、融点163℃が得られた。
51363のCalcd分析:C87.9,H,5.2.実測値:C、87.4、H,
5.4.νmax(KBr)/cm-11690及び962(C=C−H)。λmax(CH2
2)/nm:358(logεdm3mol-1cm-15.10)。 δH(500MHz
,CDCl3)7.24及び7.35(6H,d,J=16.5Hz,ビニル水素),7.69(6H,1/2AA’BB’,cpH),7.77(6H,d,J=16.5Hz
、ビニルH)。7.71(6H,1/2AA’BB’,cpH),7.86(3H,s,cepH),7.91(6H,1/2AA’BB’,cpH)及び10.0(3H,s,CHO);(CI)697.0(MH+,100)
【0065】
[G−3]3B9B
カリウム−t−ブトキシド(171mg,1.52mmol)が、還流器により加熱された乾燥テトラヒドロフラン(20mL)中の1,3,5−トリ[(4’−フォルミルス
チリル)フェニル]ベンゼン(51.5mg,0.07mmol)、参考例7A(759mg,0.30mmol)に加えられた。水(50mL)及びジクロロメタン(50mL)が加えられ、有機層が分離された。水溶層がジクロロメタン(50mL)により抽出され、ジクロロメタン(50mL)による最後の抽出が行われる前に塩水(50mL)が加えられた。結合された有機層は、塩水(50mL)によって洗浄され、無水硫酸ナトリウム上で乾燥され、溶媒は除去された。残留物は、2段階にわたり、シリカのカラムクロマトグラフィーにより精製された。第1のクロマトグラフィーのステップは、ジクロロメタン/軽油混合物(2:3)を溶離液として用い、主要な分級物は収集され、溶媒は除去された。残留物は、さらに、ジクロロメタン/軽油(3:7から2:3まで)を溶離液として用いて精製され、B(349mg)が得られた。ジクロロメタン/メタノール混合物からの再結晶化により黄色の油が得られ、さらに粉砕することによって、融点281℃の粉末が得られた。
600690のCalcd分析:C91.2,H,8.8.実測値:C、91.7、H,9.1.νmax(KBr)/cm-1958(C=C−H)。λmax(CH2Cl2)/nm:323(logεdm3mol-1cm-16.06)。377sh(5.46)及び400s
h(5.22)。δH(400MHz,CDCl3)1.40(432H,s,t-ブチル
H)7.18−7.45(96H,cv,J=1.5,spH),7.62−7.82(
87H,cpH,G−1bpH、G−2bpH及びG−3bpH),及び7.90(3H,s,cepH);m/z(MALDI)7905.2(MH+,100%);CalcMH+7903.1
【0066】
材料A,B及び12の吸収波長が図10に示されている。材料A,B及び12においては、スチルベン部が320nmにおいて吸収ピークが得られることが示された。材料Aでは、420nmにおいて核によるさらなる吸収が見られ、材料Bでは370nmにおいて核による吸収が見られ、12においては、G1−Pt−ポルフィリンのソレー帯及びQ帯に対応して420nm、514nm及び544nmにおいて吸収が観察された。
図11は、連続励起下における材料の混合PL及びEL波長を示す。光励起によって、Aの放射は緑を表し、495nmでピークを示す。他方、Bの放射は緑を表し、470nmでピークを示す。両方の混合物において、ゲストデンドリマー12は662nm及び737nm近辺で赤い放射を表す。ホストデンドリマーA及びBの放射は、蛍光によるもので、ゲスト材料12の放射は蛍光によるものと信じられている。A:12及びB:12混合材料において、ホストPL発光がゲストPL発光よりはるかに強い。
図11に図示されている最も驚くべき結果は、PL波長に対するB:12混合EL波長は大きく異なることである。PLに比較して、ELにおいては、ゲスト発光は、B:12混合におけるホスト発光よりはるかに強い。A:12混合においては、PLに相対したELにおけるホスト発光に対して、ゲスト材料における増加が見られる。EL及びPLスペ
クトル間の差は、EL装置における電荷のトラップによるものであり、これが再結合の場所に影響する。両者の混合材料において、PL発光に比較してゲストEL発光においては赤いシフトが存在する。装置は、パルス稼動により継続的に稼動される。稼動条件及び負荷サイクルにおいて、発光スペクトルの独立があることが発見された。
【実施例15】
【0067】
Irデンドリマー[2−(4’−G1−Ph)Py]3Ir10についての装置結果
新規のIrデンドリマー10を含む装置が上記の標準的な方法を用いて作成された。Irデンドリマーのみの層を有する装置とデンドリマーB及びPBD(2−(4−ビフェニル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキシダゾール))と混合したIrデンドリマーを含む層を有する装置が作成された。2つのタイプの装置の構造は次のとおりである。
ITO/PEDOT/10(140nm)/Al
ITO/PEDOT/デンドリマーB:10:PBD/Al
ここで、デンドリマーの比率は、B:10:PBDが1:0.1:0.4(重量比)であり、2つの装置は、混合層の厚さが150nmと200nmであった。
単一材料及び混合材料の発光スペクトルが図12に示されている。イリジウムデンドリマー(10)が緑(535nmでピーク、577nm及び623nmで特徴点)において広いELを示す。混合材料においては、ホスト及びゲストが共に発光する。混合材料のEL波長は、単なるゲストとホストの重ね合わせではない。より厚い装置においては、ホスト材料の発光は確認できなかった。イリジウムデンドリマーのバンドの下には、重要な非構造的発光がある。より重要なことには、新しい発光帯は660nmにおいて観察され、幾つかの場合において発光最大値を形成する。この帯は、単一10装置においてはすぐに見られない。
【0068】
混合EL波長は白に表れ、他方で薄膜のPL波長は緑であった。これは,660nmにおけるELにおける広い特徴は励起錯体によるものではなく、むしろホスト材料とゲスト材料間で形成された相互分子波長によるものであることを示唆している。発光は燐光と冷光放射要素共にあることを示しつつ、稼動条件の発光スペクトルの強い依存性が観察された。
【実施例16】
【0069】
イリジウムデンドリマー[2−{3’−G1−Ph}Py]3Ir(11)
デンドリマー11及び10のEl波長が図13に示されている。11の波長はわずかに広く、より低いビブロニック構造を示す。発光は518nmでピークを示し、他方、10の発光は532nmでピークを示し、569nmでビブロニック構造を有する。11の赤の末尾発光において顕著な増加が見られる。10からなる装置は、11を含むものより効率がよかった。
【実施例17】
【0070】
G2−Pt−ポルフィリン(13)の装置結果
G2−Pt−ポルフィリン デンドリマー(13)の単層装置が作成された(PEDOT/13/Al)。図14において、13のEL波長がG1−Pt−ポルフィリンデンドリマー(12)のPL波長と比較されている。遊離塩基及びプラチナポルフィリンデンドリマーの両者において観察されたように、EL波長は、より低いエネルギー発光ピークのより強い重量を示している。
【実施例18】
【0071】
赤発光Irデンドリマーの例が図15に示されており、参考番号がこれにしたがって付与されている。
(G1ppy)2btpIr(3)(111)
G1ppyIr2量体(9)(411mg,0.317mmol)、2−ベンゾ[b]チオフェン−2−ylピリジン(10)(1.44g、6.83mmol)及び銀フルオロメタン硫化物(81mg、0.31mmol)の混合物にジクロロメタン(5mL)が加えられ、溶液は5分間室温で攪拌され、溶媒は完全に除去された。反応は図16に示されている。反応物は溶融物として67.5時間、150℃で加熱され、冷却された。残留物は、ジクロロメタン−軽油(1:2から2:3まで)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、オレンジ色の個体として(G1ppy)2btpIr(3)111が(130.4mg、28%)得られた。
δH(400 MHz, CDCl3) 0.98 (24 H, m, CH3), 1.30-1.60 (32 H, m, alkyl H), 1.79 (4 H, m, OCH2CH), 3.94 (8 H, d, J 5.5, OCH2) 及び 6.81-8.05 (41 H, m, aromatic H). m/z (MALDI) 1681.4 (M+, 100%).
【0072】
上記で得られたイリジウム錯体、リサイクルリガンド5(約244mg)、2−(4’−G1−Ph)Py5(200mg,0.313mmol)及び銀トリフルオロメタンスルフォネート(70mg,0.272mmol)がアルゴン雰囲気中で88時間加熱された(浴温130−140℃)。反応物は、室温まで冷却され、〜5cm3のDCMが添加
された。茶黄色の混合物がDCM−エチルアセテート−軽油(0:1:10から1:1:10まで)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、黄オレンジ色の個体として10が200mg(2ステップに49%、IrCl3・3
2O)が得られた。
(実測値:C,76.8;H,7.5,N,2.0,C135H156IrNO理論値76.9;H7.5,N,2.0%):λmax/nm(薄膜)277,及び397;δH(
200MHz;CDCL3),0.78−1.03(36H,m,Me),1.15−1.50(48H,m,CH2),1.52−1.72(6H,m,CH),3.65(12H,m,ArOCH2),1.52−1.72(6H,m,CH),3.65(12H,m,ArOCH2),6.58(12H,m、ArH),6.58(12H,H,m,ArH),6.92(3H,t,J6.4Hz,PyH)及び7.32−7.92(39H,m,ArH及びPyH);m/z[MALDI]2105,2106,2107,2108,2109,2110,2111,2112,2113(M+
【実施例19】
【0073】
実施例19及び20は、Reデンドリマーの形成を導くものであるが、図16において示されている。
G1−Phen,31
{3,5−[4’−(2”−エチルヘキシロキシ)フェニル]フェニル}フェナンスロリン
方法1
参考例6化合物(G1−BX2)(496mg、0.944mmol)、ブロモフェナ
ントリン(221mg、0.858mmol)、2MのNa2CO3(0.5cm3)、E
tOH(0.5cm3)及びトルエン(1.5cm3)の混合物が10分間アルゴンガス中で脱ガスされた。テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(32mg、0.028mmol)が反応混合物中に加えられ、還流器によりアルゴン下で22時間加熱された。反応物は室温まで冷却され、水(20cm3)及びエーテル(20cm3)で希釈された。2相に分離された。水溶液層はエーテル(3×10cm3)により抽出され
た。有機層及びエーテル抽出物は結合され、水(3×20cm3)で洗浄され、無水ナト
リウム硫酸塩上で乾燥させた。溶媒は完全に分離された。残留物はMeOH−エチルアセテート(1:0から1:10まで)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、無色の油として31が251mg(40%)得られた。
νmax/cm-1 (KBr) 1607, 1590, 及び 1512; λmax(CH2Cl2)/nm 269 (ε /dm3mol-1cm-1
75850);δH (200 MHz; CDCl3) 0.89-0.99 (12 H, m, Me), 1.26-1.59 (16 H, m, CH2), 1.71-1.80 (2 H, m, CH), 3.90 (4H, m, ArOCH2), 7.02 (4 H, m, ArH), 7.57-7.70 (8 H,
m, ArH & PhenH), 7.85 (1 H, s, PhenH), 7.87 (1 H, t, J 1.6 Hz, ArH), 8.27 (1 H,
dd, J 8.1 & 1.7 Hz, PhenH), 8.43 (1 H, dd, J 8.4 & 1.6 Hz, PhenH), 9.22 (1 H, d, J 1.6 Hz, PhenH), 9.24 (1 H, d, J 1.6 Hz, PhenH); δC (50 MHz; CDCl3) 11.1, 14.1, 23.0, 23.8, 29.1, 30.5, 39.4, 70.6, 114.9, 122.9, 123.4, 123.7, 124.8, 126.5, 128.2, 129.7, 132.8, 134.7, 136.0, 139.0, 139.7, 141.8,146.4, 146.8, 150.1, 150.3, 150.7, 159.3; m/z [MALDI] 1393 (2M+Cu+).
【0074】
方法2
第1世代ブロモレーン(349mg、0.57mmol)、ブロモフェナントリン(221mg、0.855mmol)、2MのNa2CO3(4cm3)、EtOH(4cm3)及びトルエン(16cm3)の混合物が5分間アルゴンガス中で脱ガスされた。テトラキ
ス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(21mg、0.018mmol)が反応混合物中に加えられ、還流器によりアルゴン下で22時間加熱された。反応物は室温まで冷却され、水(20cm3)及びエーテル(20cm3)で希釈された。有機層及び抽出物は結合され、水(40cm3)で洗浄され、無水硫酸マグネシウム塩上で乾燥させた
。溶媒は真空中で除去された。溶媒が真空中で除去された。MeOH−エチルアセテート(0:1から1:9まで)を溶離液として用いてシリカゲルカラムにより精製され、無色の油として31が333mg(88%)得られた。
【実施例20】
【0075】
G1−Phen Re,32
トリカルボニル−クロロ−{3,5−[4’−(2”−エチルヘキシロキシ)フェニル]フェニル}フェナントロリン レニウム
方法1
トルエン10cm3中のフェナントリンリガンド31(126mg、0.190mmo
l)及びペンタカルボニルクロロ レニウム(681mg、0.190mmol)が1.5時間還流器中で加熱された。混合物は黄色になり、その後オレンジ色となった。反応物は外気まで冷却され、溶媒は真空中で完全に分離された。残留物はDM−軽油を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、明るい黄色の粉末として32が76mg(41%)得られた。
νmax/cm-1 (KBr) 2021, 1916, 1893;(実測値: C, 60.5; H, 5.5; N, 2.8; C49H52ClN2O5Re 理論値 C, 60.6; H, 5.4; N, 2.9%); λmax/nm (薄膜) 276; m/z [MALDI] 935 (M-Cl).
【0076】
これらの例は図17に示されている。
【実施例21】
【0077】
PPh−BOR2
2−[3’−(4”,4”,5”,5”−テトラメチル−1”,3”,2”−ジオクサボロラン−2”−yl)フェニル]ピリジン
アルゴン雰囲気中で無水THF130cm3中の6(8.10g、34.6mmol)の
冷却溶媒(ドライ−アイス/アセトン浴)にt-ブチルリチウム(1.7M,36.6c
3、62.1mmol)が加えられた。混合物はマイナス78℃で2時間攪拌され、2
−イソプロポキシ−4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオクサボロレーン(9cm3)が冷却混合物に急速に添加された。反応物はマイナス78℃で2時間攪拌され
、ドライアイス/アセトン浴が除去された。混合物は、H2O(30cm3)でクエンチする前にさらに20時間室温で攪拌された。2相に分離された。水溶層はエーテル(3×40cm3)で抽出された。有機層及びエーテル抽出物は結合され、無水硫化カリウム上で
乾燥され、溶媒は完全に除去された。
【0078】
水溶層はNa2CO3(1×40cm3)で洗浄され、エーテル(2×40cm3)で抽出され、乾燥された後4.0gの黄色の固体が得られ、溶媒は除去された。DCM−軽油(0:1から1:30まで)を溶離液として用いてシリカゲルカラムにより精製され、白い固体として23が4.92g(50%)得られた。
(実測値: C, 72.6; H, 7.2; N, 5.0. C17H20BNO2 理論値 C, 72.6; H, 7.2; N, 5.0%);δH(400 MHz; CDCl3) 1.37 (12 H, s, Me), 7.23 (1 H, m, PyH), 7.51 (1 H, m, ArH), 7.76 (1 H, m, PyH), 7.80 (1 H, m, ArH), 7.87 (1 H, m, PyH), 8.14 (1 H, m, ArH), 8.40 (1 H, m, ArH), 及び 8.71 (1 H, m, PyH); δC(101 MHz; CDCl3) 24.9, 83.9, 120.7, 122.0, 128.2, 129.9, 133.2, 135.3, 136.6, 138.7, 149.6, 154.6, 及び 157.5; m/z
[APCI+] 283 (MH+).
【実施例22】
【0079】
DBPPh−Py,24
2−[3’−[3”,5”−ジ−ブロモフェニル]フェニル]ピリジン
23(5.15g,281mmol)、1,3,5−トリブロモベンゼン(6.92g、315mmol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(846mg、0.732mmol)、2MのNa2CO3(12cm3)、EtOH(12cm3)及びトルエン(48cm3)の混合物が脱ガスされ、アルゴン雰囲気中(浴温105−
110℃)で19.5時間還流器により加熱された。混合物は冷却された。水(10cm3)及びエーテル(20cm3)が混合物に加えられた。2相に分離された。水溶液層はエーテル(3×20cm3)により抽出された。有機層及びエーテル抽出物は結合され、無
水ナトリウム硫酸塩上で乾燥させた。溶媒は完全に分離された。残留物はエチルアセテート−軽油(0:1から1:20まで)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、白い個体として24が4.70g(66%)得られた。
δH(400 MHz; CDCl3) 7.29 (1 H, m, PyH), 7.57 (2 H, m, ArH), 7.67 (1 H, m, ArH), 7.75 (2 H, m, ArH), 7.79 (2 H, m, PyH), 7.99 (1 H, m, ArH), 8.19 (1 H, m, ArH), 及び 8.74 (1 H, m, PyH); δC(101 MHz; CDCl3) 120.7, 122.5, 123.2, 125.7, 126.9, 127.6, 129.1, 129.4, 132.7, 136.9, 138.9, 140.2, 144.6, 149.8, 及び 156.8; m/z [EI] 386, 388, 390 (MH+)
【実施例23】
【0080】
2−[3’−[3”−{3’’’,5’’’−ジ−[4’’’’−(2’’’’エチルヘキシロキシ)フェニル]フェニル}フェニル]ピリジン
参考例6化合物(G1−BX2)(4.50g、8.48mmol)、2−[3’−(
3”,5”−ジ−ブロモフェニル)フェニル]ピリジン(1.32g、3.39mmol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(274mg、0.237mmol)、2MのNa2CO3(3.7cm3)、EtOH(3.7cm3)及びトルエン(10cm3)の混合物が、冷却前に69時間アルゴンガス中で還流器(浴温110℃
)により加熱、脱ガスされた。混合物は、水(4cm3)及びエーテル(10cm3)で希釈された。2相に分離された。水溶液層はエーテル(3×10cm3)により抽出された
。有機層及びエーテル抽出物は結合され、塩水(1×30cm3)で洗浄され、無水硫酸
ナトリウム上で乾燥させた。溶媒は完全に分離され、薄黄色の油が得られた。油は、エチルアセテート−軽油(0:1から1:30まで)、その後DCM−軽油(1:20から1:10まで)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、白色の固体として25が2.97g(73%)得られた。
実測値: C, 84.8; H, 8.7, N, 1.1. C85H101NO4 理論値 C, 85.0; H, 8.5, N, 1.2%);λmax/nm (薄膜) 271;δH(400 MHz; CDCl3) 0.90-1.02 (24 H, m, Me), 1.33-1.60 (32 H, m, CH2), 1.73-1.88 (4 H, m, CH), 3.94 (8 H, m, ArOCH2), 8.05 (8 H, m, ArH), 7.23-
7.32 (1 H, m, PyH), 7.62-7.73 (9 H, m, ArH), 7.77-7.90 (9 H, m, PyH & ArH), 8.02
(3 H, m, ArH), 8.07 (1 H, m, ArH), 8.38 (1 H, m, ArH), 及び 8.76 (1 H, m, PyH);
δC(101 MHz; CDCl3) 11.1, 14.1, 23.1, 23.9, 29.1, 30.5, 39.4, 70.5, 114.9, 120.8, 122.3, 124.4, 124.7, 125.7, 126.1, 126.2, 128.0, 128.4, 129.4, 133.2, 136.8, 140.1, 141.6, 142.1, 142.2, 142.4, 142.7, 150.0, 157.3, 及び 159.2; m/z [MALDI] 1201, 1202, 1203, 1204, 1205 (MH+).
【実施例24】
【0081】
Fac[2−[3’−G2−Ph]Py]3Ir.27
Fac トリ{2−[3’−(3”,5”−ジ{3’’’,5’’’−ジ[4’’’’−
(2’’’’’−エチルヘキシロキシ)フェニル]フェニル}フェニル)フェニル]ピリ
ジン}イリジウム(3)
25(2.97g,2.47mmol)、塩化イリジウムトリヒドレート(174mg、0.50mmol)、H2O(4cm3)及び2−エトキシエタノール(13cm3)の
混合物が冷却される前に60時間アルゴン雰囲気中で加熱(浴温107℃)された。沈殿物は、DCM−軽油(1:30から1:10まで)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、塩素−ブリッジ−ディマー26として黄色い固体(900mg)得られた。
δH(500 MHz; CDCl3) 0.82-1.08 (96 H, m, Me), 1.32-1.63 (128 H, m, CH2), 1.74-1.88 (16 H, m, CH), 3.93 (32 H, m, ArOCH2), 6.26 (4 H, m, ArH), 6.98 (4 H, m, PyH),
7.06 (32 H, m, ArH), 7.16 (4 H, ArH), 7.71 (32 H, m, ArH), 7.80-8.03 (44 H, m, ArH & PyH), 8.18 (4 H, m, PyH), 及び 9.51 (4 H, m, PyH); δC(126 MHz; CDCl3) 11.6, 14.6, 23.5, 24.3, 29.5, 31.0, 39.8, 71.0, 115.3, 119.4, 123.1, 124.7, 124.9, 125.5, 128.8, 131.6, 133.8, 134.9, 137.0, 142.5, 142.8, 143.0, 143.5, 145.0, 145.8, 152.2, 159.6, 及び 168.8; m/z [MALDI] 2591, 2592, 2593 (C170H200IrN2O8-Cl+),
2626 (C170H200IrN2O8).
【0082】
この間、過剰の25は、エチルアセテート−軽油(1:30から1:10まで)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製された後、溶液からリサイクルされた(1.96g)。
上記により得られたイリジウム錯体(900mg)、リサイクル25(1.96g)及び銀トリフルオロメタン硫化物(300mg)がアルゴン雰囲気中で1週間加熱された(145℃)。反応物は、室温まで冷却された。茶黄色の混合物が50cm3のDCMに溶
解され、DCM−軽油(1:20)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、黄色い固体として27の750mgを得る前に10cm3
濃縮された。
(実測値: C, 80.7; H, 8.0, N, 1.1. C255H300IrN3O12 理論値 C, 80.8; H, 8.0, N, 1.1%); λmax/nm (薄膜) 271, 340 (sh), 及び 390; δH(400 MHz; CD2Cl2) 0.82-1.02 (72
H, m, Me), 1.28-1.61 (96 H, m, CH2), 1.70-1.84 (12 H, m, CH), 3.91 (24 H, m, ArOCH2), 6.97-7.12 (30 H, ArH & PyH), 7.22 (3 H, m, ArH), 7.43 (3 H, m, PyH), 7.72
(24 H, m, ArH), 7.78 (3 H, m, PyH), 7.82 (6 H, m, ArH), 7.93 (12 H, m, ArH), 8.02 (3 H, m, ArH), 8.09 (6 H, m, ArH), 及び 8.14-8.24 (6 H, m, PyH & ArH); m/z [MALDI] 3791 (broad) (M+).
【実施例25】
【0083】

【0084】

【0085】
上記の結果は、次の手続きの1つにしたがって用意された装置から得られた。
標準装置(PEDOTでは無い)
1.12×12mmのITOを酸エッチングして4×12mmのITO帯とする
2.超音波により、10分間のアセトン洗浄
3.超音波により、10分間のプロパン−2−ol洗浄
4.乾燥窒素ガス流中での基板の乾燥
5.基板の100V、5分間の酸素プラズマ処理
6.スピンコーティングによりデンドリマー薄膜の積層
7.真空蒸着機への基板の設置
8.1×10-6mBarの真空中で0.1nm/sの速度で20nmのカルシウムを蒸着9.1×10-6mBarの真空中で0.1nm/sの速度で100nmのアルミニウムを
蒸着
ステップ6において、典型的には、100−120nmの膜厚を達成するためには、20mg/mlの濃度溶液が使用され、45−50nmの膜厚を達成するためには、5mg/mlの濃度溶液が使用された。溶媒は、通常、ChCl3であり、スピン速度は60秒間
で2000rpmであった。
PEDOTを有する装置においては、次のステップが5及び6の間に実行された。
A.PEDOTを1分間で2500rpmの速度で溶液からスピンコート
B.PEDOT層を5分間、85℃で乾燥
TCTAは、トリ(カルバゾリル)トリフェニルアミン
EHP−TCTAは実施例Zのように用意される。
CBPは、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニルである。
TPBIは、2,2’,2”−[1,3,5−フェニレン(トリ[1−フェニル−1H−ベンジミダゾール])]である。
【0086】
11及び27が次のような方法で用意された。ITO基板は、フォトリソグラフィー法によりパターン形成され、1”×1”にカットされ,乾燥窒素ガス流における乾燥の前に
、超音波により、1時間、洗剤、NH3:H22、1:1及び脱イオン化した水で洗浄した。乾燥基板は、乾燥N2雰囲気のグローブボックスに移送される。ここでは、4分間、60Wで酸素プラズマ処理される。デンドリマーがドープされたCBP又はTCTAの薄膜はグローブボックス内でスピンコートにより基板に蒸着された。5mg/mlの濃度のCHCl3(CBP及びTCTA)又はトルエン(TCTA)中の溶媒を用いて、1分間
で2000rpmの速度で、スピンコートした。乾燥スピンコート薄膜は、低圧(10-6未満)での有機電荷輸送層及び/又は金属層の真空蒸着のため、空気に接することなく真空チャンバーに移送される。蒸着層の厚さは、石英結晶ミクロバランスにより監視され、材料は0.1−0.5nm/sの速度で蒸着された。
11及び27に基づいた装置は、C.I.E.等位(0.31,0.63)近辺を有する緑の発光をし、111に基づいた装置は、C.I.E等位(0.64,0.35)近辺を有する緑の発光をする。
表に示される結果に見られるように,緑色発光Irデンドリマーにとっては、電荷輸送
材料(TCTA又はCBP)にデンドリマーを混合することが有利である。ミッシブ層とカソード間の正孔ブロック層(TPBI)は、さらに効率を改善する。TCTAに対して比率11は十分変動的であり、5−11%の範囲以上は、装置の効率にほとんど変化がなかった。燐光デンドリマーを電荷輸送材料(TPBI)及び正負電荷輸送層(CBP)に混合することは有利であり得、これは、単一有機層を有する装置から達成される極めて顕著な効率をもたらす(表の最終列)。
例Z
【0087】
この実施例は図18に示されている。
EHP−TCTA
トリ(4−[3”,6”−ジ[4’’’−(2’’’’−エチルヘキシロキシ)フェニル]
カルバゾリル]フェニル)アミン
トリ(ジベンジルイデネアセトン)ジ−パラジウム(0)[Pd2(dba)3]14mg,0.015mmol)及びトリ−t−ブチルホスフィン(ヘキサン中10%、0.01cm3)が、カルバゾリル化合物(3,6−ジ[4’−[2”−エチルヘキシロキシ]
フェニル]カルバゾール;DEHP−Car)(860mg,1.49mmol)、トリ(4−ブロモフェニル)アミン(200mg、0.415mmol)、ナトリウムt−ブトキシド(240mg,1.49mmol)並びにジスチルトルエン(1.0cm3)及
びキシレン(1.0cm3)の脱ガスした(Schlenk線、真空化後アルゴンで充満
)混合物に加えられた。暗紫色の混合物がアルゴンガス中で4日間、還流器(浴温130℃)により加熱される前に再度脱ガスされた。混合物は、冷却され、H2O(0.5cm3)でクエンチされ、DCM−軽油(0:1から1:10まで)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、薄茶黄色の個体としてZが468mg(57%)得られた。
λmax/nm (薄膜) 266,δH(500 MHz; CDCl3) 0.93-1.09 (36 H, m, Me), 1.33-1.674 (8 H, m, Ch2),1.78-1.89 (6 H, m, CH), 3.95 (12 H, m, ArOCH2), 7.07 (12 H, m, ArH), 7.54-7.77 (36 H, m, ArH &CarH), 及び 8.40 (6 H, m, CarH); δc(126 MHz; CDCl3) 11.6, 14.6, 23.6, 24.4, 29.6, 31.1, 39.9, 71.1, 110.6, 115.4, 118.9, 124.5, 125.8, 125.9, 128.5, 128.7, 133.4, 133.9, 134.7, 140.9, 146.8, 及び 159.1; m/z [MALDI] 1967, 1968, 1769, 1970, 1971 (MH+).
【0088】
DEHP−Carが次のように用意された。
3,6−ジブロモカルバゾール(12.0g,37.1mmol)、ボロン化合物G0−BX2(参考例4)(24.1g,96.4mmol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(800mg、0.692mmol)、2MのNa2CO3(40cm3)、EtOH(40cm3)及びトルエン(100cm3)の混合物が脱ガス
され、42時間アルゴンガス中で還流器(浴温100℃)により加熱された。混合物は、冷却され、水(30cm3)及びエーテル(40cm3)で希釈された。2相に分離された。水溶液層はエーテル(3×40cm3)により抽出された。有機層及びエーテル抽出物
は結合され、塩水(1×50cm3)で洗浄され、無水硫酸ナトリウム上で乾燥させた。
溶媒は完全に分離され、エチルアセテート−軽油(0:1から1:10まで)、その後DCM−エチルアセテート−軽油(4:1:20)を溶離液として用いてシリカゲルのカラム・クロマトグラフィーにより精製され、白色の固体としてDEHPが14.7g(69%)得られた。
m/z [APCI+] 576 (M+).
【実施例26】
【0089】
青発光Irデンドリマーの例が図19に示されており、参考番号がそれにしたがって付与されている。
G1−スチレン(4)
カリウムt−ブトキシド(0.98g,8.76×10-3mol)が、THF(30cm3)中の化合物(1)[参考例R3](3.00g,5.84×10-3mol)及びメチ
ルトリフェニルホスホニウムヨウ化物(2.83g,7.01×10−3mol)の攪拌混合物にゆっくりと添加された。混合物は、室温で1.5時間攪拌され、溶媒は真空中で除去され、石油分級物60−80℃(75cm3)が加えられた。混合物は、10分間攪
拌され、シリカパッドを通過させ、石油分級物60−80℃−DCM(4:1)で溶離して無色の油が得られた。
生成物2.0g(67%);δH(200MHZ;CDCl3)7.60(m,6H),
7.35(s,1H),7.02(d,4H),6.85(dd,10H),5.88(d,1H),5.35(d,1H),3.92(d,4H),1.78(hept,2H),1.70−1.25(m、16H),0.96(m,12H)
2−(2,4−ジフルオロフェニル)−5−ブロモピリジン (5)
2,4−ジフルオロフェニルボロン酸(2)(0.37g,2.32×10-3)、2,5−ジブロモピリジン(3)(0.5g,2.11×10-3mol)、テトラキス(トリフェニルフォスフィン)パラジウム(0)(80mg,6.96×10-5mol)、水溶性ナトリウム溶液(2M,0.2cm3)、メタノール(0.1cm3)及びトルエン(1.5cm3)が18時間還流器中で加熱された。水(10cm3)及びDCM(15cm3
が加えられ、有機層は分離された。無水硫酸マグネシウム上で乾燥され、ろ過され、結晶性の固体に濃縮され、2度にわたるエタノールからの再結晶化により精製された。
生成物240mg(420%);δH(500MHZ;CDCl3)8.81(d,1H
),8.06(m,1H),7.93(m,1H),7.72(m,1H),7.06(m,1H),6.98(m,1H)
【0090】
化合物(6)
化合物(5)(306mg,1.13×10-3mol)、化合物(4)(696mg,1.36×10-3mol)、Herrmannの触媒(12mg、1.28×10-5mol)、N,N−ジメチルアセトアミド(6cm3)、ナトリウムカーボネート(0.13
g)及び2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール(0.14g,2.86×10-4mol)の混合物が2日間140℃で加熱された。DCM(10cm3)及び水(10cm3)が加えられた。有機層が分離され、水(10cm3)で洗浄され、無水マグネシウム硫化
物上で乾燥され、ろ過及び濃縮されて茶色の油を得た。この油は、シリカゲルのカラム・クロマトグラフィー(ヘキサンを溶離してDCM,シリカゲル、DCMを繰り返した)により精製され、暗茶色の油が得られた。
生成物316mg(40%);δH(200MHZ;CDCl3)8.91(d,1H)
,8.10(m,2H),7.86−6.95(m,16H),3.92(d,4H),1.78(hept,2H),1.70−1.25(m,16H),0.96(m,12H)
【0091】
化合物(7)
THF(7cm3)中の化合物(6)(450mg,6.41×10-4mol)及び炭
素上のパラジウム(5%w/w,34mg)が水素雰囲気中で18時間活発に攪拌された
。混合物は、セライトのパッドを通過させ、DCM(75cm3)を通じて洗浄された.溶液は、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM)により精製された暗茶色の油に濃縮された。
生成物357mg(79%);δH(200MHZ;CDCl3)8.56(d,1H)
,8.00(m,1H),7.75−6.85(m,15H),3.91(d,4H),3.08(s,4H),1.78(hept,2H),1.70−1.25(m,16H),0.96(m,12H)
【0092】
化合物(8)
化合物(7)(175mg,2.49×10-4mol)、イリジウム(3)クロライド
トリヒドレート(40mg,1.13×10-4mol)、2−ブトキシエタノール(2.2cm3)及び水(0.35cm3)の混合物が140℃で20時間加熱された。DCM(10cm3)及び水(10cm3)が加えられ、有機層が分離され、黄色の油に濃縮された。この油は、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM−軽油分級物60−80℃、1:1)により精製されて黄色の油が生じた。化合物(7)(65mg,9.29×10-5mol)が加えられ、混合物は24時間、140℃で加熱された。製品は、カラムクロマトグラフィー(シリカゲル、DCM軽油分級物60−80℃、1:1、3回繰り返した)により、黄色のガラス状の固体が得られた。
生成物11mg(5%);δH(400MHZ;CDCl3)8.16(d,3H),7
.62−6.82(m,42H),6.30(m,6H),3.86(m,12H),2.70(m,12H),1.73(hept,6H),1.70−1.25(m,48H),0.96(m,36H)
【0093】
デンドリマーのPLデータは次のようなものである。
化合物8及びCBP(化合物8の20wt%)がDCM中の1mg/mlからデンドリマ
ー/CBP混合物を1分間、2000rpmの速度でスピンコートして用意された。PL発光(333nmで励起)のCIE等位は、x=0.144、y=0.326であった。
この例において、他のIrデンドリマーにおいて、Irに配位する全ての3つの基はIr−C及びIr−N結合によって共有結合されている。このような共有結合系は、3つの配位基の1つがイオン化傾向がより強いシステムの安定性によって、優位点を有している。
【図面の簡単な説明】
【0094】
【図1】2価又は3価の金属に対する配位基を示す図である。
【図2】第1世代ランタニドデンドリマーの構造を示す図である。
【図3】第1世代1−アリールピリジンリガンドの合成の反応スキームを示す図である。
【図4】トリ[2−(Ar)ピリジン]イリジウム(3)錯体の合成の反応スキームを示す図である。
【図5】トリ[2−(4’−G1−フェニル)ピリジン]イリジウム(3)錯体の構造を示す図である。
【図6】トリ[2−(3’−G1−フェニル)ピリジン]イリジウム(3)錯体の構造を示す図である。
【図7】PtG1−ポルフィリンデンドリマーの構造を示す図である。
【図8】PtG2−ポルフィリンデンドリマーの構造を示す図である。
【図9】デンドリマーA及びデンドリマーBの構造を示す図である。
【図10】純粋なデンドリマー薄膜(A、B及び12)のデンドリマーの吸収波長を示す図である。
【図11】EL及びPLにおけるデンドリマー12のゲスト材料をドープしたデンドリマーA及びBの薄膜の冷光放射性を示す図である.a)A及び12の混合物。320nmで励起したPL、420nmで励起したEL及びPL。b)B及び12の混合物。320nmで励起したPL、420nmで励起したEL。
【図12】ホスト材料(B)、ゲスト材料(10)及び混合物の異なる稼動条件におけるELスペクトルを示す図である。純粋なホスト材料の発光(a)、純粋なゲスト材料の発光(b)、200nm混合材料のパルス波(c)、200nm混合デバイスの安定状態、(d)150nm混合デバイスの安定状態(e)を示す。
【図13】デンドリマー10及び11のEL波長を示す。
【図14】デンドリマー13のEL波長に比較した12のPL波長を示す。
【図15】(G1ppy)2btpIr(3)デンドリマーの合成反応スキームを表す図である。
【図16】トリカルボニル−クロロ−{3,5−[4’−(2”−エチルヘキシロキシ)フェニル]フェニル}フェナントロリンレニウム。
【図17】第2世代2−アリールピリジンリガンドの合成反応スキームを示す図である。
【図18】トリ(4−{3”,6”−ジ[4’’’−(2’’’’−エチルヘキシロキシ)フェニル]カルボキシル}フェニル)アミンを示す図である。
【図19】青色発光デンドライドの例を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
核の一部に金属カチオンを有する有機金属デンドリマーを含有する発光装置において、前記核はマグネイウムキレートポリフィリンを有しないことを特徴とする発光装置。
【請求項2】
前記デンドリマーが発光層である請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記デンドリマーが発光材料である請求項1又は2に記載の装置。
【請求項4】
前記デンドリマーが均質層として使用される請求項1,2又は3のいずれかに記載の装置。
【請求項5】
前記デンドリマーが固体状態で冷光放射性を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の装置。
【請求項6】
前記デンドリマーが固体状態で燐光性を有する請求項1ないし4のいずれかに記載の装置。
【請求項7】
前記デンドリマーが少なくとも1つの本質的に部分的に共役されたデンドロンを有する請求項1ないし6のいずれかに記載の装置。
【請求項8】
前記デンドリマーが少なくとも2つの本質的に部分的に共役されたデンドロンを有する請求項1ないし6のいずれかに記載の装置。
【請求項9】
全てのデンドロンが本来的に少なくとも部分的に共役されている請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記デンドリマーが少なくとも1つの他のデンドリマー及び/又はポリマー及び/又は低分子材料と混合されている請求項1ないし9のいずれかに記載の装置。
【請求項11】
前記有機金属デンドリマーが固体状態で燐光性であり、有機金属デンドリマーに同じ樹枝分岐構造を有する調和する非金属デンドリマーと混合されている請求項10に記載の装置。
【請求項12】
有機金属デンドリマーの他の成分に対する比率が1:1から1:100である請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
発光層に加えて、少なくとも1つの電荷輸送及び/又は放射層を有する請求項2ないし12のいずれかに記載の装置。
【請求項14】
前記有機金属デンドリマーが、次の(I)式で表される請求項1ないし13のいずれかに記載の装置。
(化1) 核−[デンドライト]n (I)
この式において、「核」は金属イオン又は金属イオンを含む基を表し、nは1又は2以上の整数を表し、各「デンドライト」は、互いに同じであっても、又は異なっていても良いが、(ヘテロ)アリールビニル及びアセチレニル基のSP2又はSP2混成軌道炭素原子によって、又は、N及び(ヘテロ)アリール基間の単一結合によって、接続されたアリール及び/又はヘテロアリール基又は窒素、選択的にビニル又はアセチレニル基からなる、本質的に少なくとも部分的に共役したデンドライト分子構造を表し、「核」は、少なくとも2以上の部分的に共役した樹脂分岐が付着した第一(ヘテロ)アリール基又は窒素に対する第一結合のSP2混成環炭素原子に結合した第一の一重結合で終結し、当該環炭素原
子又は窒素原子が「デンドライト」の一部を形成している。
【請求項15】
前記有機金属デンドリマーが、次の(II)式で表される請求項1ないし13のいずれかに記載の装置。
(化2) 核−[デンドライト1n[デンドライト2m (II)
この式において、「核」は金属イオン又は金属イオンを含む基を表し、n及びmは、互いに同じことも異なることもあり、それぞれが少なくとも1の整数を表し、各「デンドライト1」は、nが2以上のとき互いに同じことも異なることもあり、各「デンドライト2]は、mが2以上のとき互いに同じことも異なることもあり、少なくともその構造の1部が完全に共役されており、アリール及び/又はヘテロアリール基又は窒素、並びに選択的に、ビニル及び/又はアセチレニル基からなり、前記(ヘテロ)アリール、ビニル及びアセチレニル基のSP2又はSP2混成軌道炭素原子、又はN及び(ヘテロ)アリール基の間の単一結合によって結合されており、「デンドライト1」における少なくとも1つの分岐点
及び/又は分岐点間の結合が[デンドライト2]のそれと異なり、「核」が2以上の共役
樹枝分岐が付着された第1(ヘテロ)アリール基又は窒素に対する単一結合のSP2混成
(環状)炭素(該環状炭素又は窒素は前記完全に共役された「デンドライト1」又は[デ
ンドライト2]の一部を形成する)に結合している単一結合で終結しており、「核」は前
記「デンドライト1」又は[デンドライト2]の他方の第1分岐点の結合で終結し、少なくとも「核」、「デンドライト1」又は[デンドライト2]は冷光放射性を有している。
【請求項16】
前記有機金属デンドリマーが、次の(III)式で表される請求項1ないし13のいずれかに記載の装置。
(化3) 核−[デンドライト]n (III)
この式において、「核」は金属イオン又は金属イオンを含む基を表し、nは1又は2以上の整数を表し、各「デンドライト」は互いに同じことも異なることもあり、本来的に少なくとも部分的に共役された樹枝分岐構造を有し、前記構造はアリール及び/又はヘテロアリール基又は窒素、並びに選択的に、ビニル及び/又はアセチレニル基からなり、これらは前記(ヘテロ)アリール、ビニル及びアセチレニル基のSP2又はSP2混成軌道炭素原子によって、又は、N及び(ヘテロ)アリール基の間の単一結合によって結合されており、ここで、前記デンドライトにおける隣接する分岐点は必ずしも全て同じでなく、「核」が2以上の共役樹枝分岐が付着された第1(ヘテロ)アリール基または窒素のSP2
成(環状)炭素(該環状炭素は前記完全に共役された「デンドライト」の一部を形成する)に結合している単一結合で終結しており、「核」及び/又は「デンドライト」は冷光放射性を有している。
【請求項17】
前記「デンドライト」、前記「デンドライト1」及び/又は前記[デンドライト2]が、分岐点としてNを含まず、少なくとも部分的に共役された樹枝分岐低分子構造を有する請求項14ないし16のいずれかに記載の装置。
【請求項18】
前記有機金属デンドリマーが少なくとも1つの樹枝分岐構造でない共通配位基を有する請求項1ないし17のいずれかに記載の装置。
【請求項19】
前記核の一部としての金属がマグネシウムではない請求項1ないし18のいずれかに記載の装置。
【請求項20】
前記金属カチオンがd−障壁金属のカチオンである請求項1ないし19のいずれかに記載の装置。
【請求項21】
前記金属がイリジウム又はレニウムである請求項20に記載の装置。
【請求項22】
核が金属イオン及びポルフィリン又はカルボキシレート又はフェニルピリジンからなる請求項1ないし21のいずれかに記載の装置。
【請求項23】
前記金属イオンが中心を独占している請求項1ないし22のいずれかに記載の装置。
【請求項24】
核のホモ−ルモ(HOMO−LUMO)エネルギーギャップがデンドロンにおける共役部分のそれより低い請求項1ないし23のいずれかに記載の装置。
【請求項25】
デンドライトの部分におけるホモ−ルモ(HOMO−LUMO)エネルギーギャップが、表面から核の付着点に向かって減少している請求項1ないし24のいずれかに記載の装置。
【請求項26】
少なくとも1つの前記表面基がデンドライトの末端基に付着している請求項1ないし25のいずれかに記載の装置。
【請求項27】
前記表面基が、更なる反応性アルケン、(メス)アクリレート、硫黄含有又はシリコン含有基、スルフォニル基、ポリエーテル基、C1からC15までのアルキル基、アミノ基、モ
ノ−、ジ−若しくはトリC1からC15までのアルキルアミノ基、COOR基(ここで、Rは水素又はC1からC15までのアルキル)、OR基(ここで、Rは水素、アリール、又はC1からC15までのアルキル若しくはアルケニル)、O2SR基(ここで、RはC1
らC15までのアルキル又はアルケニル)、−SiR3基(ここで、R基は同一又は異なり
、水素、C1からC15までのアルキル又はアルケニル)、又はSR’基(R’はアリール
若しくはC1からC15までのアルキル又はアルケニル)、アリール、又はヘテロアリール
である請求項26に記載の装置。
【請求項28】
前記金属有機デンドリマーを含有する層が溶液プロセスによって積層される請求項27に記載の装置。
【請求項29】
前記表面基が溶液プロセスを許容する請求項27に記載の装置。
【請求項30】
前記表面基がデンドリマーの感光パターン化を可能にする請求項27に記載の装置。
【請求項31】
発光色が稼動電気パルスの持続時間及び周波数によって制御される請求項1ないし30のいずれかに記載の装置。
【請求項32】
発光ダイオード(LED)である請求項1ないし31のいずれかに記載の装置。
【請求項33】
実質的に本明細書に記載されている請求項1に記載の装置。
【請求項34】
核の一部として金属カチオン及び2または3以上のデンドロンからなり、前記デンドロンの少なくとも1つは共役されており、デンドリマーは固体状態で冷光放射性であり、核は、マグネシウムキレートポルフィリンを含まない有機金属デンドリマー。
【請求項35】
前記核が金属の錯体及び2又は3以上の配位基であり、少なくとも2つの前記配位基はそれぞれデンドロンに付着している請求項34に記載の有機金属デンドリマー。
【請求項36】
次の式で表される有機金属デンドリマー。
(化4) 核−[デンドライト]n
この式において、「核」、「デンドライト」及びnは、請求項14に記載の(I)式及び請求項16に記載の(III)式で定義され、「核」は、マグネシウムキレートポルフ
ィリンを含有しない有機金属デンドリマー。
【請求項37】
次の(II)式で表される有機金属デンドリマー。
(化5) 核−[デンドライト1n[デンドライト2m (II)
この式において、「核」、[デンドライト1]、[デンドライト2]n及びmは、請求項15で定義される。
【請求項38】
前記「核」が(IV)式で表される請求項36又は37に記載の有機金属デンドリマー。(化6) M[X−]qr (IV)
この式において、Mは金属カチオンであり、それぞれの[X−]は同じか異なり、核が終結する単一結合に付着する配位基であり、各Yは同じか異なる配位基であり、qは整数であり、rは0又は整数であり、a.qとb.rの合計はM上で有効な配位数に等しく、ここでaは[X−]上の配位数であり、bはY上の配位数である。
【請求項39】
固体状態で燐光性である請求項34ないし35のいずれかに記載の有機金属デンドリマー。
【請求項40】
請求項5から9及び14から28に記載される特徴の1または2以上を有する請求項34に記載のデンドリマー。
【請求項41】
請求項5から9及び14から28に記載される特徴の1または2以上を有する請求項34又は35に記載のデンドリマー。
【請求項42】
核の一部としての金属がマグネシウムではない請求項34から41のいずれかに記載のデンドリマー。
【請求項43】
金属イオンが排他的に中心に存在する請求項34ないし42のいずれかに記載のデンドリマー。
【請求項44】
請求項34ないし43のいずれかに記載の有機金属デンドリマーと有機金属デンドリマーと同じ樹枝分岐構造を有する調和する非金属デンドリマーの混合物。
【請求項45】
有機金属デンドリマーと非有機金属デンドリマーのモル分率が1:1から1:100であう混合物。
【請求項46】
(a)金属カチオンと2又は3以上の配位基の間で、少なくとも前記基が反応性の配位性を有するように錯体を形成することによって核を提供し、かつ、
(b)2又は3以上のデンドロンが、核に存在する反応性配位基に向かって反応性を有するように配位されるように核を処理する、
プロセスからなる請求項34ないし43のいずれかに記載のデンドリマーを製造する方法。
【請求項47】
少なくとも1つの配位基が反応性配位を有せず、その結果、上記(b)のプロセスにおけるデンドロンへの付着から離脱していることを特徴とする請求項46に記載の方法。
【請求項48】
それぞれのデンドライトが請求項14又は16において記載される「デンドライト」、及び/又は請求項15において記載される「デンドライト1」及び「デンドライト2」によって表されることを特徴とする請求項46又は47に記載の方法。
【請求項49】
前記プロセス(a)によって提供される核が請求項38に記載の式で表わされ、この式に
おいて、各[X]が反応性配位を含むことを特徴とする請求項46ないし48のいずれかに記載の方法。
【請求項50】
(a)2又は3以上の各デンドロンに配位基を付着させ、かつ
(b)配位基と得られる錯体に残留する1又は2以上のリガンドに選択的に結合した金属カチオンとの間に錯体を形成する、
プロセスからなる請求項34ないし43のいずれかに記載されたデンドリマーを製造する方法。
【請求項51】
(a)2又は3以上のデンドロンに配位基を付着させる、
(b)配位基と金属カチオンの間に錯体を形成する、
(c)選択的に、更に、前記錯体に1又は2以上の追加の配位リガンドを処理する、
プロセスからなる請求項34ないし43のいずれかに記載されたデンドリマーを製造する方法。
【請求項52】
それぞれのデンドロンが請求項14又は16において記載される「デンドライト」、及び/又は請求項15において記載される「デンドライト1」及び「デンドライト2」によって表されることを特徴とする請求項46又は47に記載の方法。
【請求項53】
配位基と上記プロセス(b)における金属カチオンとの間に形成された錯体が請求項38に記載される(IV)式で表されることを特徴とする請求項50又は51に記載の方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【公開番号】特開2009−141358(P2009−141358A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−308644(P2008−308644)
【出願日】平成20年12月3日(2008.12.3)
【分割の表示】特願2002−566264(P2002−566264)の分割
【原出願日】平成14年2月20日(2002.2.20)
【出願人】(502144729)アイシス イノベイシヨン リミテツド (18)
【出願人】(504301638)ザ ユニバーシティ オブ セント アンドリュース (4)
【Fターム(参考)】