説明

金属溶融炉のための可動スウェット炉床

例示的な実施形態は、金属取り込み入口を備える壁を有する金属溶融炉と共に用いるための可動スウェット炉床を提供する。スウェット炉床は、前記入口で前記炉の前記壁と接離するように前記炉に対して移動できる炉床本体を含む。炉床本体は、中空の内部を該内部と連通する開口を備える炉床本体の炉と係合可能な側壁を除いて囲繞する外壁を有する。前記内部は、1チャージ分のスクラップ金属を支持するようになっている床を有し、また、前記開口は、溶融金属が前記内部から前記開口を通じて流出できるように前記床に対して位置される。前記床は、容器が炉の前記壁とシール係合する状態へと移動されて前記開口が前記炉入口と位置合わせされるときに、前記開口へ向けて下方に傾くように水平に対して角度を成して配置される。他の例示的な実施形態は、前述した可動スウェット炉床と炉入口を備える前壁を有する金属溶融炉との組み合わせに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属スクラップ材料、特にアルミニウムスクラップ材料を溶融するための装置に関する。特に、本発明は、金属スクラップ材料を前処理して、前処理されたスクラップ材料を溶融炉、例えば反射炉またはダイレクトチャージ式の対流炉へ移送するための装置に関する。
【背景技術】
【0002】
アルミニウムまたは他の金属(例えば、銅)から成るスクラップ材料は、再溶融することができるが、汚染される場合があるとともに、それらを溶融炉へ直接加えることができる前にそのような汚染物質を除去し或いは減らすべく前処理を必要とする場合がある。
【0003】
例えば、反射炉は、金属加工業者による最終的な再利用のためにアルミニウムスクラップ材料を再溶融するべく幅広く使用されるが、これらの反射炉は純金属を溶融するためにも使用される。ダイレクトチャージ式の対流炉は、通常、バビットメタルや鉛などの融点が低い金属を溶融するために使用される。再溶融のためのスクラップ金属は、例えば、鋳鉄塊(大型鋳物)、インゴット(例えばTバーインゴット)、および、他の金属片(しばしば、「小形状体」と称される)の形態を成す場合がある。しかしながら、金属箔は非常に薄いため、そのような炉内で金属箔のほぼ全体が酸化物へ変換され、したがって、金属箔が他の手段によって再溶融される。
【0004】
反射炉は、直接的な火炎および熱い耐火裏打ち材からの放熱の両方によって、場合により更なる加熱要素によって、炉内容物を加熱する。その最も簡単なものとして、反射炉は、一端に炉筒を有し且つ他端に略垂直に上昇する扉を有するアルミナまたは他の耐火レンガで裏打ちされたスチールボックスであり、前記扉は炉のための主入口を閉じ、通常は主入口を通じて金属チャージが導入される。従来のオイルバーナーまたはガスバーナーは、通常、れんがを加熱して金属を溶融するために炉の両側に配置される。結果として得られる溶融金属は、その後、鋳造機内に注がれ、それによりインゴットが製造される。セラミック被覆プラグを単に除去することにより静電炉が底部でタッピングされてもよく、前記プラグにより、その後、溶融アルミニウムは、桶に流入でき、その後に鋳造機自体へ流れることができる。対流炉は、類似しているが、熱いガスを使用して金属チャージを加熱する。先と同様に、通常は、上昇可能な扉によって閉じられる主炉入口が存在する。
【0005】
そのような炉内で溶融されるべきアルミニウムスクラップは、有機材料でコーティングされてもよく(例えば、プラスチックコーティング層)、あるいは、コーティングされなくてもよい。コーティングされたスクラップは、溶融金属が炉のメインチャンバ内に入る前に汚染物質(ドロス)をすくい取ることができるようにするフラックスと混合される炉のサイドウェル内で溶融されなければならない。コーティングされない(清浄な)スクラップは、炉のメインチャンバへ直接に加えられてもよいが、しばしば湿っており或いは水(例えば、大型鋳物に形成される内部鋳引け腔内に含まれる水)で汚染されている。水汚染されたスクラップが炉に直接加えられる場合には、爆発の危険があり、そのため、スクラップが炉内に導入される前に汚染水を追い払わなければならない。これは、炉熱が金属チャージを所定時間にわたって予熱できるようにスクラップを炉の入口の近傍に位置させて炉扉を開放することによって行なわれてもよい。あるいは、先と同様に炉からの熱を使用して、炉のサイドウェルに位置される乾燥チャンバ内で加熱が行なわれてもよい。乾燥チャンバは、一般に、両端のそれぞれに1つずつ、2つの扉を有する。第1の扉はスクラップを取り込むために開放され、また、第2の扉は、スクラップが乾燥されて固体金属チャージがサイドウェルに押し込まれた後に開放され、サイドウェルから金属チャージが炉のメインチャンバへと移送される。残念ながら、何れの方法も炉からかなりの熱損失を引き起こす。これは、主炉入口用の扉またはサイドウェルへの入口のための扉がかなりの時間にわたって大気へ開放されたままであるからである。乾燥チャンバが使用される場合であっても、両方の扉は、一般に、金属チャージがサイドウェルへと移送される間、開放されたままであり、そのため、熱い空気および放射熱がチャンバを自由に通過して外側へと至る場合がある。
【0006】
1956年8月7日にC.E.Carrに対して発行された米国特許第2,757,925は、開放した上端を有するチャージングカー(容器)の使用を開示する。カーは、金属チャージがラムによって炉内に押し込まれるときに下方に揺動するヒンジ付きの壁を前面に有する。壁は、容器の及ぶ範囲を延ばすブリッジを備え、それにより、固体チャージが炉の前壁の入口を完全に通過できる。しかしながら、チャージが炉内に導入されるにつれて、熱を逃がすことができる明らかな経路が炉内部から外気へと存在する。金属チャージを予熱して汚染水を除去するためにカーを使用できるという示唆はなく、また、設計はこれを容易にしていない。これは、カーの開放した上端により、熱がチャージから大気へと逃げることができる(それにより、加熱が非効率的になる)からであり、また、チャージが炉内に押し込まれるまでヒンジ付きの壁が直立状態に維持される(それにより、炉からの熱がカー内のチャージと接触することが妨げられる)からである。
【0007】
1986年3月25日にGillespie,John R.らに対して発行された米国特許第4,578,111号はスウェットチャンバを有する溶融炉を開示しており、前記チャンバの床は、インゴットまたは鋳鉄塊が配置されるスウェット炉床を形成する。主炉からの燃焼ガスがインゴットまたは鋳鉄塊を予熱するために使用され、また、その後、スウェットチャンバ内のバーナーがインゴットまたは鋳鉄塊を溶融するようになっている。しかしながら、スウェットチャンバは炉の取り外し不能な部分であり、チャンバへの金属チャージの取り込みは、取り込みが行なわれる際に加熱ガスを外部へ解放する可能性がある摺動可能な扉を通じて行なわれる。
【0008】
炉内へのスクラップ材料の取り込みを容易にしつつそのような熱損失を低減し或いは防止することが望ましい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
例示的な実施形態は、金属取り込み入口を備える壁を有する金属溶融炉と共に用いるための可動スウェット炉床を提供する。スウェット炉床は、前記入口で前記炉の前記壁と接離するように前記炉に対して移動できる炉床本体を含む。炉床本体は、中空の内部を該内部と連通する開口を備える炉床本体の炉と係合可能な側壁を除いて囲繞する外壁を有する。前記内部は、1チャージ分のスクラップ金属を支持するようになっている床を有し、また、前記開口は、溶融金属が前記内部から前記開口を通じて流出できるように前記床に対して位置される。前記床は、容器が炉の前記壁とシール係合する状態へと移動されて前記開口が前記炉入口と位置合わせされるときに、前記開口へ向けて下方に傾くように水平に対して角度を成して配置される。他の例示的な実施形態は、前述した可動スウェット炉床と炉入口を備える前壁を有する金属溶融炉との組み合わせに関する。
【0010】
作業時、床は、水平に対して鋭角を成して炉と係合可能な側壁ヘ向けて下方へ傾くことが好ましい。角度は、5〜45°の範囲、より好ましくは15〜35°の範囲内であることが好ましい。
【0011】
可動スウェット炉床は、それが一緒に使用される溶融炉に対して、特に炉開口に対して移動できる。炉床は、炉から完全に分離されてもよく、あるいは、炉に対して一時的に或いは永久的に取り付けられてもよく、好ましくはヒンジ等で回動可能に取り付けられ、それにより、開口を有する炉壁とシール係合するように且つ炉壁から離脱するように炉床を揺動させることができる。炉床を炉に対して移動させることができることにより、乾燥・溶融工程中に炉内部と接続する単一の開口を通じて固体スクラップを炉床に取り込むことができる。また、炉床が離間されたときに炉開口を他の目的のために使用することもでき、したがって、炉の機能が損なわれることがない。
【0012】
可動スウェット炉床自体は、それが溶融炉から直接に(放射されて対流される)受けられる熱を使用するため、任意の種類の加熱機器を有さない(すなわち、炉床は、加熱されず、バーナーや加熱要素などの加熱手段がない)ことが好ましい。また、炉床は、それと一緒に使用される炉の主開口とほぼ同じ或いは全く同じサイズおよび形状のたった1つの開口を有することが好ましい。その結果、熱い空気またはガスを炉または他の場所から受ける或いは熱い空気またはガスが逃げることができるようにする付加的な開口または通気孔が存在しないことが好ましい。スウェット炉床の開口は、サイズおよび形状に関して炉入口と適合することが好ましい。溶融炉の主開口は一般に正方形または長方形であり、その場合、スウェット炉床の開口は正方形または長方形であることが好ましいが、幾つかのケースでは、炉開口の上縁が上方に湾曲され或いはアーチ状に曲げられ(側縁におけるよりも中心の方が高い)、その場合、スウェット炉床の開口の上縁も対応して上方へアーチ状に曲げられることが好ましい。後者の場合、スウェット炉床の上壁の全体は、開口の上縁が必然的に上壁の湾曲に追従するように、バレルアーチ(半円筒または部分円筒)の形状を成してもよい。
【0013】
主開口(または、そのような開口を閉じる扉)を備える溶融炉の壁は、しばしば垂直であるが、幾つかのケースでは、垂直線から傾けられてもよく、例えば、最大で約30°の角度だけ後方に傾斜してもよい。そのような場合、スウェット炉床の前壁は、主開口の全周にわたって炉壁と接触するように同じ角度で傾くことが好ましく、あるいは、前壁および/または床は、スウェット炉床が主開口の全周にわたって炉壁と接触してシール係合するように傾けられるときに炉内部への溶融金属の望ましい流れをもたらすべく床が炉の方へ向かう傾斜角度を有するように角度を成して配置される。
【0014】
例示的な実施形態は4つの主要な配置タイプを含んでもよいが、他の配置タイプも想定し得る。第1の配置では、炉と係合可能な壁が、スウェット炉床の底壁に対して直角を成して配置されるとともに、炉床の裏打ち材(例えば、耐火層)が、炉と係合可能な壁と反対側の壁へ(すなわち、入口から離れる方向に)向けて厚くなる。このことは、炉と係合可能な壁が垂直に保たれるときに中空内部の床が開口へ向けて傾斜することを意味する。この配置は、炉の前壁が垂直で且つスウェット炉床が傾けられることなく炉と接触する状態へと移動されるときに適している。スクラップ金属の取り込みは、傾斜する床によってサポートされる。第2の配置では、炉と係合可能な壁および底壁が互いに直角を成して設けられるが、裏打ち材が床にわたって同じ厚さを有し、そのため、床は、底壁が水平な状態でスウェット炉床が位置されるとき、例えば炉床にスクラップが取り込まれるときには傾かない。この配置は、炉の前壁が垂直線に対して角度を成して後方に傾けられるときに適している。炉床が炉と接触する位置へと移動されると、炉床が傾けられ、それにより、炉と係合可能な側壁が炉とシール係合する。これにより、炉床の床が開口へ向けて傾き、金属が溶融する際の流出が可能になる。第3の配置は、底壁の裏打ち材の肉厚化を伴わず、したがって、取り込みのための水平な床を備えるが、炉床は、底壁が水平のときに下から上へと後方に傾斜する炉と係合可能な側壁を有する。この種の配置は、炉が垂直な前壁を有するときに使用できる。スウェット炉床が炉の所定位置へと移動されると、炉床が後方から傾けられ、それにより、傾斜する側壁が炉の垂直な前壁とシール係合する。スウェット炉床の傾斜角は、床を開口へ向けて傾斜させ、それにより、スウェット炉床の流出が容易になる。第4の配置は、底壁での裏打ち材の肉厚化、および、炉と係合可能な壁の後方または前方への傾斜の両方を伴う。この配置により、内部は、炉床が炉とシール係合する状態へと移動されて傾けられるときに依然として望ましい大きな傾斜角度を有しつつ取り込みを容易にするためにほんの僅かな角度だけ傾斜する床を有することができる。後方へ傾斜する前壁を有する炉と共に使用されると、炉床が炉と係合されるときの壁の傾斜角は、裏打ち材の厚肉化および炉床の傾斜角の両方によって与えられる。炉壁の後方傾斜が非常に大きい場合には、スウェット炉床の炉と係合可能な壁に前方傾斜が与えられてもよく、それにより、炉床が炉壁と合うように傾けられると、床の角度が所望の範囲内に維持される。これらの配置の全ては、取り込み目的のために炉入口から離間させることができるが、炉と接触する際の乾燥・溶融工程中にスウェット炉床の床に対して所望の傾斜角を与えることができるスウェット炉床を提供する。
【0015】
全ての例示的な実施形態において、(スウェット炉床が作動位置にあるときの)床の傾きは、スウェット炉床内に取り込まれた固体金属が滑らない或いは不安定にならないが溶融金属が流出するようになされる。
【0016】
なお、スウェット炉床と炉との間の接触に言及するために使用される用語「シール係合」は、スウェット炉床が緊密(しかしながら、必ずしも密閉とは限らない)な係合を伴って開口の全周にわたって炉と接触することを意味する。係合は、炉および大気への或いはこれらからのガスおよび/または熱の過度な流れを防止するとともに、溶融金属の漏れを防止するのに十分である。したがって、炉と係合可能な壁の輪郭は、炉入口の周囲の輪郭と厳密に適合する。通常、炉壁は平坦であり、そのため、炉と係合可能な壁が平坦に形成されるとともに、これらの壁が同一平面上にあるときにシール係合が起こる。
【0017】
例示的な実施形態の利点は、金属チャージが水および場合により他の汚染物質を除去するためにヒートソークされた後にそれが溶融液体として炉チャンバ内へ供給されるように完全に溶融されるという点である。実際には、スウェット炉床は、一時的に炉チャンバの一部となるが、チャージ自体が溶融されるまでチャージを溶融金属から分離した状態に維持する。スウェット炉床は、炉のみからの熱によってチャージを加熱して完全に溶融できるような程度まで且つ炉からの熱損失が最小となる(例えば、炉自体の壁からの熱損失よりも大きくならない)ように(例えば、耐火裏打ち材によっておよび/または場合により外部断熱材の適用によって)熱損失に対して断熱されることが好ましい。
【0018】
以下、添付図面を参照して、本発明の例示的な実施形態について詳しく説明する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の例示的な実施形態に係るヒンジ付きスウェット炉床を有する反射炉の斜視図である。
【図2】図1のスウェット炉床および炉の隣接部分の垂直断面である。
【図3】本発明の他の例示的な実施形態を示す図2の断面に類似する断面図である。
【図4A】スウェット炉床が装填位置で示される本発明の更に他の例示的な実施形態を示す同様の断面図である。
【図4B】スウェット炉床が炉に接続される作動位置で示される本発明の更に他の例示的な実施形態を示す同様の断面図である。
【図5A】スウェット炉床が装填位置で示される本発明の更に他の例示的な実施形態を示す同様の断面図である。
【図5B】スウェット炉床が炉に接続される作動位置で示される本発明の更に他の例示的な実施形態を示す同様の断面図である。
【図6A】スウェット炉床が装填位置で示される本発明の更に他の例示的な実施形態を示す同様の断面図である。
【図6B】スウェット炉床が作動位置で示される本発明の更に他の例示的な実施形態を示す同様の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
本発明の第1の例示的な実施形態が添付図面の図1および図2に示されている。図1に示される装置は、反射炉10と可動スウェット炉床20との組み合わせである。図2は、スウェット炉床20とその炉の隣接部分とを示している
【0021】
炉10は、通常は金属を取り込むために使用される主炉入口15を略平面状の垂直炉前壁16に備えるメインチャンバ14を有し、前記入口は、スクラップまたは新たな金属を取り込むために使用できるとともに、垂直に移動できる炉扉17によって開閉することができる(図1には開位置で示されている)。炉扉は、閉塞時には、金属取り込み入口15を通じた熱い空気および放射熱の形態を成す炉からの過度の熱の損失を防止する。炉10は、メインチャンバ内の溶融アルミニウム合金の通常の表面高さよりも下側にある開口(図示せず)を介してメインチャンバ14と連通するサイドウェル18を有する。サイドウェル18は、炉の主入口15に類似する(見えない)開口と、開放用の(同様に見えない)閉塞可能な扉とを有する。サイドウェル18には、ドロスをすくい取るのに使用される工具のアクセスを可能にする更なる開口21が設けられ、また、該開口を閉じるために昇降可能な扉22が設けられる。バーナー23が熱をサイドウェルに与え、また、他のバーナー(図示せず)が熱をメイン炉チャンバ14に与える。サイドウェルの開口の前方に位置されるエプロン24が取り外し可能なローディングチャンバ25を支持し、ローディングチャンバ25は、該ローディングチャンバ25の開放した側壁を開く或いは閉じる前後の扉26,27を有する。ローディングチャンバ25内に位置される1チャージ分のスクラップ金属(図示せず)は、後扉27および前扉26の両方を開放してチャージを(例えば、車載ラム(図示せず)を用いて)後方から側壁内へ押し込むことにより、サイドウェル内へ取り込まれてもよい。しかしながら、両方の扉26,27を同時に開放しなければならないため、また、サイドウェル開口のための扉も開放しなければならないため、熱がサイドウェルからローディングチャンバ25を通じて大気へと直接に逃げる可能性がある。したがって、そのような構成は、金属チャージが有機材料で汚染されてドロス除去が必要とされる場合を除き、スクラップ金属をサイドウェルを介して炉内に取り込むのに理想的ではない。
【0022】
そのような熱損失を回避するため、少なくともコーティングされていない(「清浄な」)スクラップ金属を乾燥させて取り込む際に、図示の例示的な実施形態は、炉10に対して回動可能に取り付けられるスウェット炉床20を設ける。スウェット炉床20は、1つの側、すなわち、後述するように炉と係合可能な略平面状の側壁32の側を除いて全ての側が閉じられる、中空のスウェット炉床本体30の形態を成し、好ましくは略長方形状(すなわち、ボックス形状)を成す。容器本体30は、スウェット炉床の中空内部33を取り囲むとともに、炉と係合可能な側壁32を除く全ての側で内部を外気から囲繞する。スウェット炉床の内部は、金属チャージ29(例えば、スクラップ金属塊、インゴット、または、断片の積層体)を支持することができる床34を有する。容器本体30の炉と係合可能な側壁32には、主炉入口15と同様或いは同一の形状(例えば、長方形)および寸法を有することが好ましい開口35が設けられる。スウェット炉床20は、好ましくは良好な耐熱衝撃性を保持しつつ断熱性があって摩耗および溶融金属による攻撃に耐える耐火断熱材の層38が裏打ちされたスチール(または、他の耐熱金属)から形成される外部シェル37を有することが好ましい。適した耐熱材料の例としては、重量で40〜95%のアルミナを含有する耐熱材料が挙げられ、その場合、残りは主にシリカである。強度、金属耐性、および、加工性を向上させるために少量の結合剤および乾燥剤が加えられてもよい。典型的な選択は、Harbison−Walker Refractories(ANH Refractoriesの事業部,Cherrington Corporate Center,400 Fairway Drive,Moon Township,ペンシルベニア州15108,アメリカ合衆国)によって販売されるUltra Express(登録商標)70 ALとして販売される難溶性物質である。層38の厚さは、炉のみからの熱から金属スクラップの融点を超える温度を維持するのに効果的な断熱を与えるのに十分であることが好ましい。
【0023】
スウェット炉床20は、縁部39に沿ってヒンジ11により炉壁に取り付けられる。そのようなヒンジは、かなりの重量のスウェット炉床およびその金属チャージを支持するようになっており、また、それに応じて、そのピン、ベアリング等が寸法付けられる。ヒンジは、スウェット炉床の炉と係合可能な側壁32を図2に示されるように炉の前壁16とぴったりドッキングさせるべく矢印12で示される方向に揺動できるようになっている。このとき、炉と係合可能な壁32は、炉入口15の周囲(わき柱、まぐさ等)に係合するとともに、好ましくは炉と係合可能な壁32の開口35の下縁40を炉入口15の下縁41と位置合わせし、それにより、これらの下縁がいずれも同じ高さとなるようにする。スウェット炉床20の炉と係合可能な壁32の開口35は、溶融金属を完全に排出できるように内部33の床34と面一であることが好ましい。ヒンジ11と反対の側には、炉壁の対応する部分19Bと係合して乾燥および溶融工程中にスウェット炉床を炉壁と係合する状態に強固に保持するため、炉と係合可能な壁に隣接してラッチ19Aが設けられてもよい。
【0024】
図1に示されるようにスウェット炉床が開位置にある状態で、スウェット炉床には、金属チャージ29と称されるスクラップ金属片(例えば、鋳鉄塊またはインゴット)が開口35を通じて取り込まれてもよい。この作業中、メイン炉チャンバの扉17が閉(下降)位置に維持され、主炉入口15を通じた熱損失が防止される。スウェット炉床の取り込みが完了すると、扉17が上側(開)位置へ上昇され、スウェット炉床が図2の閉位置へと急速に揺動されて所定位置に係止される。これらの作業(扉開放およびスウェット炉床の動作)に要する時間(せいぜい数秒程度)は非常に短く、そのため、開口15を通じた熱損失が最小限に保たれる。スウェット炉床が図2の閉位置にあると、炉入口15およびスウェット炉床入口35を通じて炉床の内部33がメイン炉チャンバ14の内部42と連通する。炉内部からの熱は、金属チャージ29を加熱するとともに、任意の汚染水を追い払う。スウェット炉床は、炉と係合する(すなわち、炉とドッキングする)側壁32を除く全ての側が閉じられているため、この加熱期間中に炉内部からの著しい熱損失はない。炉床の囲繞壁(側壁、上壁、および、底壁)は、炉と外気との間の直接的な連通を遮断する。
【0025】
所定の期間(通常は、炉温度に応じて、最大で約30分)後、汚染水が追い払われて、金属チャージ29が溶融し始める。この例示的な実施形態において、スウェット炉床の床34は、図2に示されるように、後方から前方へ向かって下向きに角度αで傾けられており、そのため、金属が溶融するにつれて、溶融金属が矢印43で示されるように主入口15を通じて炉内に流れ込む。その結果、金属のチャージ29を炉内へ押し込む必要がない。これは、メイン炉チャンバからの熱がチャージ全体の温度をその融点を超えて上昇させるのに十分だからである。また、別個の乾燥工程も不要である。これは、金属チャージがその溶融温度まで加熱されるにつれて乾燥が行なわれるからである。
【0026】
傾斜αの角度はあまり大きくされないことが好ましい。これは、そのようにすると、溶融完了前に金属チャージ29が炉内に滑り込む場合があり、その結果、メイン炉チャンバ内の溶融金属44に危険な波が形成される可能性がある、あるいは、金属の含水量に起因して爆発が生じる(十分な時間が経過する前に金属チャージが炉内に滑り込んで汚染水が追い払われる場合)可能性があるからである。一方、傾斜の角度をあまり浅くしないことが好ましく、そうしないと、金属は、それが溶融するにつれて、炉チャンバ内へ急速に或いは完全に流れ込まない場合がある(傾斜があまりにも浅いと、重力が溶融金属と床の材料との間の摩擦に打ち勝つことができない場合がある)。好ましくは、傾斜の角度αは、5〜45°の範囲、より好ましくは15〜35°の範囲に保たれる。好ましい角度は、ある程度、床34の材料の摩擦係数に依存し得る。これは、摩擦係数が低い材料の方が摩擦係数が高い材料よりも容易に金属チャージを滑らせることができるからである。しかしながら、殆どの耐火断熱材は、一般に、同様の比較的高い摩擦係数を有しており、そのため、通常は、この考慮は特に重要ではない。金属チャージの積層体の幅および高さも、安定したチャージを維持するように選択されるべきであり、これは、ある程度、金属の摩擦係数と金属片のサイズおよび形状とによって決まる。そのような詳細は、簡単な試行および実験によって算定されてもよい。
【0027】
金属片のチャージ29がスウェット炉床内で乾燥するにつれて、水蒸気が生み出され、この水蒸気は、炉内の雰囲気中へと放散して、炉排気システム(図示せず)を介して外部へと放出される。そのため、通常は、スウェット炉床自体からの水蒸気除去のために特別な通気装置が必要とされない。前述したように、スウェット炉床20と炉壁16との間のシールは密封する必要はなく、そのため、水蒸気が任意の小さい隙間を通じて放出されてもよい。無論、過度な熱損失を回避するため、および、炉とスウェット炉床の下縁40との間の任意の隙間を通じて溶融金属が逃げないようにするためには、炉とスウェット炉床との間のシールが好ましくは十分に緊密でなければならない。また、任意の隙間の全体の面積は、炉内の圧力を外部と比べて僅かにプラスに維持できるように、好ましくは十分に小さくなければならない。大きな面積の隙間により、冷気が引き込まれる可能性があり、それにより、炉効率が低下する可能性がある。
【0028】
乾燥工程および溶融工程の進展を外側から監視できるように、好ましくは耐熱ガラスまたは他の透明材料から成る或いは一時的に一方側へ移動させることができる金属カバー(図示せず)を備える観察ポート45が必要に応じて設けられてもよい。
【0029】
図2に示されるようにヒンジ11によってスウェット炉床20を炉10に取り付ける代わりに、図3に示されるように、スウェット炉床が、炉から完全に分離して維持されるとともに、炉とのドッキング接触(シール係合)状態になるように、また、該状態から離脱するように簡単に移動されてもよい。例えば、スウェット炉床20には、適切な高さで支持体49に装着されるレール48上を走行するフランジ付きのホイール47A,47Bが設けられてもよい。レールは、(矢印50で示されるように)スウェット炉床を炉へ向かって或いは炉から離れるように前後に簡単に移動させることができるように真っ直ぐであってもよく、あるいは、レールは、取り込みのために炉と係合可能な側壁32へ容易にアクセスするべくスウェット炉床が炉から離れるにつれて回転するように例えば四半円状に湾曲されてもよい。スウェット炉床は、オペレータによって押圧されるだけで移動されてもよく、または、車両によって或いは搭載モータ(図示せず)によって押圧され或いは引き摺られてもよい。スウェット炉床には、炉床が炉と係合するように移動されるときに炉に対して所定位置に強固に保持されるように、ラッチ機構(例えば、図1および図2の実施形態のラッチ19Aと同様のラッチ)が設けられるのが好ましい。
【0030】
図4Aおよび図4Bは、図4Aに示されるように炉床が炉から分離されるときにスウェット炉床20の床34が水平になる別の例示的な実施形態を示している。これは、炉床の装填を容易にすることができる。しかしながら、炉床の炉と係合可能な側壁32は、鋭角の内角βだけ下から上へと後方に傾斜させられており、それにより、炉床が移動されて炉10の垂直な前壁に接触されると、矢印51で示されるように炉床を傾けることができ、その結果、炉開口15の全周にわたって炉床と炉との間で適切な接触を行なって、熱、ガス、および、溶融金属を損失しないように効果的なシールを形成できる。これは、図2の実施形態の角度α(α=90−β)に相当する炉床の前から後へ向かう上向きの傾斜を床34にもたらし、それにより、前述した他の実施形態の場合と同様に溶融金属が炉内に流れ出る。したがって、角度αが5°〜45°(より好ましくは、15°〜35°)の範囲内にある場合には、内角βは45°〜85°(より好ましくは、55°〜75°)の範囲内にある。必要とされる傾きは、任意の適した手段によって、例えば、図示のように液圧または空気圧により駆動される後側ホイール47Bのための支持体を伸縮式にすることによって、あるいは、炉床の後側で炉床に機械的な或いは液圧的なジャッキまたはネジ(図示せず)を設けることによって達成されてもよい。あるいは、炉床20を傾斜させて、全ての金属が乾燥し、溶融し、炉内へ流出するまで炉床を傾斜方向に維持するために、フロントエンドローダーなどの昇降機器が使用されてもよい。炉床には、先と同様に、炉床を上向き傾斜位置で炉に対して所定位置に強固に保持するためのラッチ手段が設けられるのが好ましく、あるいは、より精巧な案内・ロック装置、例えば、炉床を傾けるための炉の敷居ラインの下側のフックが存在してもよい。そのような装置は、炉床の下側に装着されて炉床の一部にされてもよく、あるいは、炉または炉床の上側に装着されて炉または炉床の一部にされてもよい。
【0031】
なお、一部の炉では、炉の前壁16が垂直ではなく、炉の前壁が最大で約30°の角度だけ下から上へ向かって後方に傾いていてもよい。そのような例が図5Aおよび図5Bに示されている。炉の前壁16の後方傾斜の角度が十分に大きい場合には、スウェット炉床が炉から分離されるときに水平な床34を有してもよい(すなわち、床34を形成する炉床の底壁上の裏打ち材の厚さが底壁上の全てのポイントで同じであってもよい)。この場合、炉床の炉と係合可能な壁32が垂直であってもよく、また、図5Bに示されるように炉床が炉の傾斜した前壁16と完全に係合するように傾けられてもよい。これにより、炉床が炉と係合されるときに床34が傾き、そのため、他の実施形態の場合と同様、溶融金属が炉床から路内へと流出できる。
【0032】
本実施形態では、水平に突出する敷居55が炉と係合可能な壁32に床34と面一で設けられる。スウェット炉床20は、スウェット炉床が炉と接触する状態へ移動されるときに敷居55が炉入口15内に突出するように寸法付けられる。炉入口の下縁からの敷居の隙間は、炉床が炉とのシール係合を達成するために傾けられる(図5B)ときに敷居が炉入口の下縁に当接しないように形成される。これにより、下縁におけるスウェット炉床と炉との間での溶融金属漏れの可能性が減る。全ての例示的な実施形態は、この目的のためにそのような突出する敷居を含んでもよい。
【0033】
炉の前壁16の後方傾斜の角度が僅かである場合、炉床の炉と係合される位置での床34の必要とされる傾斜は、炉床が炉壁16と十分に係合するために更に傾けられなければならないように炉と係合可能な壁32に対して僅かな後方傾斜を与えることによって確保されてもよい。あるいは、図6Aおよび図6Bに示されるように、炉の前壁16の傾斜角度が非常に大きい場合には、炉床20の炉と係合可能な壁32に(破線56に示されるように垂直線に対して)僅かな前方傾斜を設けてもよい。また、底壁のための裏打ち材は、後方へ向けて僅かに肉厚にされてもよいが、図3に示されるほど肉厚ではなく、そのため、床は図6Aに示されるように(破線57で表されるように水平に対して)ほんの僅かな角度だけ傾く。これは、炉床が取り込みのために炉から分離されるときであっても床34に対して傾斜を与えるが、この傾斜は、図6Bに示されように炉床自体が炉と完全に係合するように傾けられるときに増大される。したがって、炉と係合される位置において、床の傾きは、溶融金属排出に適するとともに、床の傾斜によってなされる寄与度とシール係合を形成するために必要とされる傾きとの組み合わせとなる。したがって、炉床が作業位置にあるときに必要とされる傾斜度合を床に対して与えるために、前壁、床、および、炉壁の傾きの全てを調整または適応させることができる。
【0034】
全ての例示的な実施形態において、炉は通常の態様で動作されることが好ましいが、火炎がスウェット炉床内に入らないように維持するために、炉バーナーの出力が減少されてもよく或いは炉バーナーの向きが変えられてもよい。これは、多くの場合において不要かもしれないが、特に炉内の公称温度が1000℃を超える場合には、十分な乾燥が行なわれる前の金属チャージの急速な溶融を回避するのに役立つ場合がある。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属取り込み入口を備える壁を有する金属溶融炉と共に用いるための可動スウェット炉床であって、
前記入口で前記炉の前記壁と接離するように前記炉に対して移動できる炉床本体を備え、該炉床本体は、中空の内部を該内部と連通する開口を備える炉床本体の炉と係合可能な側壁を除いて囲繞する外壁を有し、前記内部は、1チャージ分のスクラップ金属を支持するようになっている床を有し、前記開口は、溶融金属が前記内部から前記開口を通じて流出できるように前記床に対して位置され、
前記炉床本体は、前記容器が炉の前記壁とシール係合する状態へと移動されて前記開口が前記炉入口と位置合わせされるときに、前記床を前記開口へ向けて下方に傾くように水平に対して角度を成して位置合わせするように構成される、可動スウェット炉床。
【請求項2】
水平に対する前記角度が5〜45°の範囲内である請求項1に記載の炉床。
【請求項3】
水平に対する前記角度が15〜35°の範囲内である請求項1に記載の炉床。
【請求項4】
前記側壁が前記床に対して90°で方向付けられ、前記容器本体が前記炉壁との前記接触のために傾くことができる請求項1、2、または、3に記載の炉床。
【請求項5】
前記側壁が前記床に対して90°未満で方向付けられる請求項1、2、または、3に記載の炉床。
【請求項6】
前記容器本体は、前記炉に対して回動可能に取り付けできる少なくとも1つのヒンジを有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の炉床。
【請求項7】
前記容器本体は、炉の前記壁と接離するような前記容器本体の移動を容易にする地面と係合する支持体を有する請求項1〜5のいずれか一項に記載の炉床。
【請求項8】
前記地面と係合する支持体がフランジ付きホイールを備える請求項7に記載の炉床。
【請求項9】
前記地面と係合する支持体は、前記フランジ付きホイールと接触するレールを更に備え、該レールは、真っ直ぐであって、炉の前記壁に対して直角に方向付けられる請求項8に記載の炉床。
【請求項10】
前記地面と係合する支持体は、前記フランジ付きホイールと接触するレールを更に備え、該レールは、前記炉壁と接離するように移動されるときに前記容器本体が湾曲経路を辿るようにするべく弓形を成す請求項8に記載の炉床。
【請求項11】
前記容器本体を前記同一平面上での接触のために傾けるための機構を含む請求項1の炉床。
【請求項12】
前記容器本体には、前記開口を除いて耐火断熱材が裏打ちされる請求項1〜11のいずれか一項に記載の炉床。
【請求項13】
前記容器本体が前記裏打ち材を取り囲む金属シェルを含む請求項12に記載の炉床。
【請求項14】
前記床は、前記容器本体の水平な底壁の前記裏打ち材の上面によって形成され、前記裏打ち材が前記開口からの距離に伴って次第に肉厚になる請求項12に記載の炉床。
【請求項15】
炉床の前記床と面一な上面を有する外側へ突出する敷居を炉と係合可能な壁に更に備える請求項1〜14のいずれか一項に記載の炉床。
【請求項16】
溶融金属−耐性の耐熱材料が裏打ちされた外壁を有する可動本体を備え、前記外壁は、中空の内部を該内部と連通する開口を備える前記本体の1つの側壁を除いて囲繞し、前記内部は、1チャージ分のスクラップ金属を支持するようになっている床を有し、前記開口は、溶融金属が前記内部から前記開口を通じて流出できるように前記床と面一に位置され、前記床は、前記開口へ向けて下向きに傾斜するように水平に対して角度を成して配置される、可動スウェット炉床。
【請求項17】
前記床は、前記本体の底壁にある前記裏打ち材の上面であり、水平に対する前記角度は、前記開口から離れる方向で前記裏打ち材を次第に肉厚にすることによってもたらされる請求項16に記載のスウェット炉床。
【請求項18】
前記角度が5〜45°の範囲内である請求項16または17に記載のスウェット炉床。
【請求項19】
前記角度が15〜35°の範囲内である請求項16または17に記載のスウェット炉床。
【請求項20】
前記本体が長方形である請求項16〜19のいずれか一項に記載のスウェット炉床。
【請求項21】
前記本体がその移動を容易にするためのホイールを有する請求項16〜20のいずれか一項に記載のスウェット炉床。
【請求項22】
金属取り込み入口を備える壁を有する金属溶融炉と、前記炉と共に用いるようになっている可動スウェット炉床との組み合わせであって、
前記スウェット炉床は、前記入口で前記炉の前記壁と接離するように前記炉に対して移動できる本体を備え、該本体は、中空の内部を該内部と連通する開口を備える前記本体の炉と係合可能な側壁を除いて囲繞する外壁を有し、前記内部は、1チャージ分のスクラップ金属を支持するようになっている床を有し、前記開口は、溶融金属が前記内部から前記開口を通じて流出できるように前記床に対して位置され、
前記炉床本体は、前記容器が炉の前記壁とシール係合する状態へと移動されて前記開口が前記炉入口と位置合わせされるときに、前記床を前記開口へ向けて下方に傾くように水平に対して角度を成して位置合わせするように構成される、組み合わせ。
【請求項23】
前記スウェット炉床は、該スウェット炉床を前記炉との前記シール係合状態へと揺動させることができ或いは前記炉から離間するように揺動させることができるように前記炉に対して回動可能に取り付けられる請求項22に記載の組み合わせ。
【請求項24】
前記炉床が前記シール係合状態にあるときに前記スウェット炉床を前記炉に対して取り付けるための解放可能なアタッチメントを含む請求項22または23に記載の組み合わせ。
【請求項25】
水平に対する前記角度が5〜45°の範囲内である請求項22〜24のいずれか一項に記載の組み合わせ。
【請求項26】
水平に対する前記角度が15〜35°の範囲内である請求項22〜24のいずれか一項に記載の組み合わせ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6A】
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【図6B】
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【公表番号】特表2013−503315(P2013−503315A)
【公表日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−525828(P2012−525828)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【国際出願番号】PCT/CA2010/001300
【国際公開番号】WO2011/022818
【国際公開日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【出願人】(512049948)ノベリス・インコーポレイテッド (8)
【氏名又は名称原語表記】NOVELIS INC.
【Fターム(参考)】