説明

金属溶解用ガスキュポラ

【課題】燃焼バーナの燃焼火炎で装入物を効率よく溶解させることができるガスキュポラを提供する。
【解決手段】ガスキュポラは、金属を基材とする装入物2を溶解する溶解室10と溶解室10で溶解された溶湯を吐出させる溶湯吐出口11とをもつ炉体1と、炉体1に設けられ燃料を燃焼させて燃焼火炎41を形成し燃焼火炎41を溶解室10内の装入物2に噴出し且つ溶解室10の装入物2を溶解させる複数の燃焼バーナ4とを有する。炉体1を水平方向に沿って切断した断面図において、各燃焼バーナ4は、各燃焼バーナ4から噴出された燃焼火炎41により溶解室10の装入物2に空洞状をなす空洞状溶解部42を発生させる。燃焼バーナ4は各空洞状溶解部42が重複するように配置され、装入物2の溶解時において、各空洞状溶解部42と溶湯吐出口11とを連通させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は鋳鉄溶湯等の金属溶湯を製造する金属溶解用ガスキュポラに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、コークスの熱で銑鉄などの装入材を溶解させるコークスキュポラが知られている。更に、資源有効利用などの観点から、装入材を溶解させる燃焼火炎を生成させる燃焼バーナが装備されている金属溶解用ガスキュポラが、近年、知られている。更に、燃焼バーナにより燃焼火炎とコークスとを併用する金属溶解用ガスキュポラも知られている(特許文献1)。
【0003】
更に、炉体の溶解室に燃焼バーナを装備した金属溶解炉が知られている(特許文献2)。
【特許文献1】特公昭57−27382号公報
【特許文献2】特開2000−274958号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記した燃焼バーナの燃焼火炎で装入物を溶解させるガスキュポラによれば、燃焼火炎の溶融能力は必ずしも充分ではない。このため装入物を効率よく溶解させるには限界があった。また、燃焼バーナの燃焼火炎の他にコークスの熱で装入物を溶解させるガスキュポラによれば、コークスにより燃焼火炎の溶融能力は改善されるものの、燃焼バーナで燃焼させる燃料の他にコークスを別途必要とする。
【0005】
本発明は上記した実情に鑑みてなされたものであり、燃焼バーナの燃焼火炎で装入物を効率よく溶解させることができる金属溶解用ガスキュポラを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る金属溶解用ガスキュポラは、金属を基材とする装入物を溶解するための溶解室と前記装入物が前記溶解室で溶解されて形成された溶湯を吐出させるための溶湯吐出口とをもつ炉体と、前記炉体に設けられ燃料を燃焼させて燃焼火炎を形成し前記燃焼火炎を前記溶解室内の前記装入物に噴出し且つ前記溶解室の前記装入物を溶解させる複数の燃焼バーナとを具備しており、前記炉体を水平方向に沿って切断した断面図において、各前記燃焼バーナは、各前記燃焼バーナから噴出された燃焼火炎により前記溶解室の前記装入物に空洞状をなす空洞状溶解部を発生させ、各前記空洞状溶解部が重複するように前記燃焼バーナは配置されており、前記装入物の溶解時において、各前記空洞状溶解部と前記溶湯吐出口とを連通させることを特徴とする。
【0007】
燃焼バーナは、各燃焼バーナから噴出された燃焼火炎を発生させ、燃焼火炎により、溶解室に装入されている装入物に、空洞状をなす空洞状溶解部を発生させる。装入物の溶解時において、各燃焼バーナは、各空洞状溶解部が重複して重複部分を形成するように配置されている。この結果、装入物の溶解時において、各空洞状溶解部と溶湯吐出口とを連通させることができ、溶解した装入物(溶湯)が溶湯吐出口へ向かって流れ易くなるため、装入物を効率よく溶解させることができる。装入物は金属を基材とする。金属は鉄(例えば鋳鉄、鋳鋼、ステンレス、合金鋼)系が例示される。装入物としては、スクラップ等の廃材、銑鉄インゴット等が代表的なものであり、フェロシリコン、フェロマンガン等の添加材でも良い。
【0008】
本発明に係る金属溶解用ガスキュポラは次の態様が考えられる。
【0009】
・装入物の溶解時において、複数の燃焼バーナのうち隣設し合う燃焼バーナは、各燃焼バーナの燃焼火炎で形成される空洞状溶解部が重複するように配置されていることが好ましい。この結果、装入物の溶解時において各空洞状溶解部と溶湯吐出口とが連通する。すなわち、一の空洞状溶解部が他の空洞状溶解部を介して溶湯吐出口に連通する。これにより一の空洞状溶解部で溶解した装入物(溶湯)が溶湯吐出口へ向かって流れ易くなるため、装入物を効率よく溶解させることができる。
【0010】
・ガスキュポラは、炉体の溶解室と外気とを連通させ溶解室内の燃焼ガスを外気に排出させる排出通路と、排出通路を開閉させる開閉扉と、開閉扉を開閉方向に駆動させる駆動部とを具備することが好ましい。この場合、開閉扉を閉鎖したり、開閉扉の開放量を小さくしたりしておけば、溶解室の密閉性および閉鎖性を高めて、燃焼火炎が発生する燃焼ガス(燃料が酸素で酸化燃焼した後の燃焼ガス)を溶解室に貯留させ、溶解室を、酸化性が弱い雰囲気または非酸化性雰囲気に維持し易い。更に、酸化力が強い外気が溶解室に進入することを抑制できるため、溶解室を、酸化力が弱い雰囲気または非酸化性雰囲気に維持させ易い。更に、溶解室の炉圧が過剰に増加するとき、開閉扉を開放させれば、溶解室の炉圧を低下させて調整できる。
【0011】
・従って、炉体の溶解室と外気とを連通させ溶解室内の燃焼ガスを外気に排出させる排出通路と、排出通路を開閉させる開閉扉と、開閉扉を開閉方向に駆動させる駆動部とが設けられていることが好ましい。開閉扉としては、回動式でも良いし、直動式でも良い。
【0012】
・炉体を水平方向に沿って切断した断面図で、炉体は例えば非円形状をなすことができる。非円形状は真円形状以外の形状という意味であり、断面図で、偏平円形状、長円形状、台形状等が例示される。
【0013】
・溶湯吐出口側には、溶湯吐出口から吐出された溶湯を加炭および昇温させる加炭装置が配置されていることが好ましい。加炭装置の排気口を溶解室に連通させ得る。溶解室に酸素または空気を供給して溶湯の成分調整を行う注入装置が配置されていることが好ましい。この場合、溶湯の成分調整を行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、装入物の溶解時において各空洞状溶解部が重複するように燃焼バーナは配置されており、装入物の溶解時において、各空洞状溶解部と溶湯吐出口とを連通させている。従って、空洞状溶解部で溶解した装入物(溶湯)が他の空洞状溶解部を介して溶湯吐出口へ向かって流れ易くなるため、装入物を効率よく溶解させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(実施形態1)
図1に示すように、本実施形態に係る金属溶解用ガスキュポラは、鋳鉄の溶湯を形成するものであり、筒形状をなす炉体1と、炉体1に設けられた燃焼バーナ群3とを備える。鋳鉄は、片状黒鉛鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、芋虫状黒鉛鋳鉄等が例示される。炉体1は重力方向に沿った縦型をなしており、金属を基材とする装入物2を溶解するための溶解室10と、溶解室10で溶解された溶湯を吐出させるための溶湯吐出口11とをもつ。溶解室10のうち上部側は、装入物2を予熱させる予熱帯12とされている。溶湯吐出口11は炉体1の底部付近に形成されている。溶解室10の底方には、溶湯吐出口11に向けて下降傾斜する炉床面13が形成されている。溶湯吐出口11は炉床面13の最底部に形成されていることが好ましい。溶解室10の上方には、溶解室10の上方を開閉可能な気密蓋14が設けられている。溶解室10の上方には、装入物2を溶解室10に投入させる投入部15が設けられている。投入部15は、投入ホッパー15bをもつ前進後退可能な投入プッシャー15aと、投入プッシャー15aを前進後退させる駆動源15c(流体圧シリンダ)と、溶解室10と外気との遮断性を高める気密開閉扉15dとを備えている。装入物2を溶解室10に投入するとき、気密開閉扉15dは開放される。装入物2は、金属を基材とするスクラップおよび銑鉄インゴットのうちの少なくとも1種とされている。フェロシリコン、フェロマンガン等の合金添加材を、適宜配合できる。スクラップおよび銑鉄インゴットは、鉄(例えば鋳鉄、鋳鋼、ステンレス、合金鋼)系が例示される。一般的には、溶解室10の炉頂付近まで装入物2が装填される。なお、黒鉛等のように燃焼する炭素材は、投入部15から溶解室10に投入させないほうが好ましい。ガスキュポラによれば、装入物2を溶解室10に投入した直後、装入物2は短時間(例えば数分)で溶解される。
【0016】
炉体1の下部には、複数(3基)の燃焼バーナ4(図2参照)からなる燃焼バーナ群3が設けられている。燃焼バーナ4には、ガス状または液状の燃料と酸素とが供給される。従って、燃焼バーナ4は、燃料を所定範囲の酸素比で酸化燃焼させることにより燃焼火炎41を形成させる燃焼器である。酸素比は酸素量/燃焼酸素量(当量)の質量比として定義される。燃焼火炎41の温度は、例えば、1700〜3500℃程度、2000〜3200℃程度とされている。このようにガスキュポラでは、装入物2を溶解させる溶解温度を高温に維持することができる。このように燃焼バーナ4の燃焼火炎41は高温であるため、融点が銑鉄よりも高いスクラップのような金属材料まで容易に溶解できる。但し、燃焼バーナ4の燃焼火炎41は高温であるものの、燃焼バーナ4で発生する燃焼火炎41は熱容量が少なく、装入物2への熱伝達が良いが、燃焼火炎41自身の温度が低下し易い特性を有する。
【0017】
図1に示すように、仮想水平線Wに対して燃焼バーナ4の燃焼火炎口40が下方となるように、燃焼バーナ4は、下向きに角度θ1傾斜している。θ1は10〜50度、15〜45度が例示される。燃焼バーナ4の燃焼火炎口40は、耐火物で形成されている炉床面13に接近しつつ、炉床面13に対面している。燃焼バーナ4の燃焼火炎口40から吹き出される燃焼火炎41は、炉床面13に接触する。従って、燃焼バーナ4は、燃焼火炎41を溶解室10内の装入物2に向けて噴出し、且つ、溶解室10の装入物2を溶解させる。燃焼バーナ4の燃焼火炎口40から燃焼火炎41が生成されることは、燃焼バーナ4に供給された燃料が酸素で酸化燃焼していることである。そして、酸化燃焼した後の燃焼ガスは溶解室10に残留する。燃焼バーナ4では、窒素および酸素を含む空気を使用せずに、窒素を実質的に含まない酸素で燃焼させるため、溶解室10に燃焼ガスが残留するものの、多量の窒素ガスが残留することが抑制されている。従って、空気に含まれている燃焼に寄与しない窒素ガスを溶解室10内において加熱させずともよく、キュポラの熱効率が高められている。
【0018】
更に、炉体1の溶解室10と外気とを連通させる排出通路17が、炉体1の上部に設けられている。排出通路17は、溶解室10内の燃焼ガスを外気に排出させる。排出通路17の入口17iは溶解室10に対面する。排出通路17の出口17pは外気に対面している。排出通路17のうち入口17i側を開閉させるための開閉扉機構5が設けられている。開閉扉機構5は、排出通路17の入口17iに設けられ排出通路17を開閉させるための開閉扉50と、開閉扉50を開閉方向に駆動させる駆動部51と、駆動部51を信号線51aを介して制御する扉制御部52とを有する。駆動部51はモータ機構で形成できる。
【0019】
炉圧制御装置6は、溶解室10のうち燃焼バーナ4付近の圧力を検知する圧力導管60と、圧力導管60を介して溶解室10の炉圧を受圧する炉圧計61と、炉圧計61からの炉圧信号が信号線61aから入力される制御部62とを有する。制御部62は信号線62aを介して扉制御部52を制御し、ひいては開閉扉50を制御する。この場合、開閉扉50を閉鎖したり、開閉扉50を開放量を小さくしたりしておけば、溶解室10の密閉性および閉鎖性を高めることができる。この場合、溶解室10の炉圧を大気圧よりも高い状態にすることが好ましい。この場合、酸素を有する外気が溶解室10内に進入することが抑制され、溶解室10の装入物2の酸化による消耗が抑制される。溶解室10の炉圧を高めるためには、開閉扉50の開度を小さくすれば良い。
【0020】
本実施形態によれば、上記したように溶解室10の閉鎖性が高いため、燃焼バーナ4の燃焼火炎41の燃焼で発生する燃焼ガス(燃料が酸化燃焼した後の燃焼ガス)を溶解室10において上昇させつつ貯留させることができる。このため、溶解室10を、酸化性が弱い雰囲気または非酸化性雰囲気に維持させ易い。更に、開閉扉50を閉鎖したり、開閉扉50を開放量を小さくしたりしておけば、酸化力が強い外気が溶解室10に進入することを抑制できる。このため、溶解室10を、酸化力が弱い雰囲気または非酸化性雰囲気に維持させ易い。従って、装入物2の酸化による消耗を抑制することができる。操業中においては、溶解室10は基本的には閉鎖室であり、溶湯吐出口11以外の開口は存在しないか、少ない。このため溶湯吐出口11から外気が進入し、溶融した溶湯が外気で酸化されるおそれがある。殊に、溶湯吐出口11付近に溶融部が存在するため、溶融部で溶融した溶湯が酸化するおそれがある。そこで、圧力導管60を介して炉圧計61により溶解室10の炉圧を測定し、その炉圧を大気圧よりも大きくなるように炉圧を制御すれば、炉内雰囲気が溶湯吐出口11を介して外気側に多少流出するものの、多量の外気が溶湯吐出口11から溶解室10に過剰に進入することが抑制される。但し、炉内雰囲気が溶湯吐出口11を介して外気側に過剰に流出することを抑えるように、溶解室10の炉圧を制御することが好ましい。従って、溶解室10の炉圧を過剰に上昇させないことが好ましい。なお、溶解室10の上部側に装填されている装入物2は、燃焼ガスの排熱で予熱される。
【0021】
更に、装入物2の溶解にあたり、溶解室10の炉圧が過剰に増加すると、これを検知した炉圧制御装置6が開閉扉50を開放させる。これにより溶解室10の炉圧を低下させて調整できる。溶解にあたり、高温の燃焼火炎41と装入物2とが直接的に接触して熱伝達される。高温の燃焼火炎41と炉体1との接触面積を低下させることができ、炉体1の壁の熱損傷を抑制させるのに有利である。溶融可能な材料は装入物2として溶解炉に装入されるが、溶融せずに燃焼する炭素等の材料は、装入物2としては溶解炉に装入されない。装入物2を溶解室10に適宜投入すれば、溶解室10における連続的な溶解が可能となる。
【0022】
溶解室10の燃焼ガスの排出を補助する吸引装置7が設けられている。吸引装置7は、排出通路17内に配置されたガス放出用のエゼクタ70(ガス放出具)と、高圧のガス(例えば空気、窒素やアルゴンガスなどの不活性ガス)を貯蔵する高圧タンク71と、高圧タンク71とエゼクタ70との間に設けられた流量調整弁72とを有する。炉圧制御装置6は流量調整弁72の開度を信号線72aを介して制御する。高圧タンク71に貯蔵されていた高圧ガス(例えば、空気、窒素やアルゴンガスなどの不活性ガス)は、流量調整弁72で流量調整された後、エゼクタ70に供給される。エゼクタ70の噴出口70iから噴出するガスは、外気に向けて放出されるが、このとき排出通路17内に残留している燃焼ガスを連れ移動させる。このため溶解室10の炉圧調整を補助できる。
【0023】
図2は、炉体1を水平方向に沿って切断した状態を模式的に表す断面図である。図2に示すように、複数の燃焼バーナ4からなる燃焼バーナ群3は、炉体1の中心線11xに対して、溶湯吐出口11側に偏った位置に配置されている。燃焼バーナ4から噴出された燃焼火炎41は、溶解室10の装入物2において円筒または円筒に酷似した空洞状をなす空洞状溶解部42を発生させる。図2では空洞状溶解部42は模式的に描かれている。隣設し合う各燃焼バーナ4は、各空洞状溶解部42が重複して重複部分44を形成させるように配置されている。特に、燃焼バーナ4から噴出された燃焼火炎41で形成された空洞状をなす空洞状溶解部42の先端部42a同士が重複して重複部分44(装入物2が溶解する溶融部に相当)を形成するように、燃焼バーナ4が配置されている。これにより装入物2の溶解時において、一の空洞状溶解部42が他の空洞状溶解部42を介して溶湯吐出口11に連通する。あるいは、一の空洞状溶解部42が直接的に溶湯吐出口11に連通する。従って、一の空洞状溶解部42で溶解した装入物2(溶湯)が溶湯吐出口11へ向かって流れ易くなるため、装入物2を効率よく溶解させることができる。
【0024】
ここで、1個の燃焼バーナ4の燃焼火炎41が形成する1個の空洞状溶解部42の空洞体積Vaを100%とするとき、重複部分44が形成されるにあたり、空洞体積Vaのうち体積比で10〜90%、殊に、30〜80%が重複していることが好ましい。なお、重複部分44は、炉体1の中心線11xに対して、溶湯吐出口11側に偏った位置に配置されている。重複部分44の温度は例えば1800〜3300℃程度、2000〜3200℃程度、殊に2500〜3000℃程度の高温領域とされている。従って、重複部分44において装入物2は短時間のうち溶解される。更に、重複部分44は炉床面13付近に位置しているため、溶湯は、傾斜状態の炉床面13に沿ってすみやかに流下し、溶湯吐出口11から吐出される。図示しないものの、溶湯吐出口11付近に補助的な作用を奏する補助燃焼バーナを配置しておいても良い。
【0025】
ここで、空洞状をなす空洞状溶解部42の基端部42c同士は、基本的には重複しておらず、仮に重複していたとしても重複度は低くされている。この結果、炉体1の溶解室10を形成する壁の熱損傷が抑制される。換言すると、図2から理解できるように、空洞状溶解部42の先端部42a(燃焼火炎41の先端部に相当)同士が重複した重複部分44の重複度は、空洞状溶解部42の基端部42c(燃焼火炎41の基端部に相当)同士が重複した重複部分44の重複度よりも、高くなるように設定されている。ここで、空洞状溶解部42の先端部42aは、空洞状溶解部42のうち燃焼バーナ4から離れている側を意味する。空洞状溶解部42の基端部42cは、空洞状溶解部42のうち燃焼バーナ4側を意味する。
【0026】
装入物2のうち溶解により空洞状となった空洞状溶解部42には、上方から装入物2が重力により落下し、次々と溶解される。溶解された溶湯は炉体1の溶湯吐出口11から排出され、溶湯吐出口11の下方に配置されている保持炉(図略)に貯留される。燃焼火炎41で形成された空洞状をなす空洞状溶解部42の先端部42a同士が重複する重複部分44の近傍に溶湯吐出口11が連通するように配置されている。装入物2の溶解時において、各空洞状溶解部42と溶湯吐出口11とを連通させることで、溶解した装入物2(溶湯)が溶湯吐出口11へ向かって流れ易くなるため、装入物2を効率よく溶解させることができる。
【0027】
装入物2が溶融すると、その溶融部分は炉体1の溶湯吐出口11に流れる。このように装入物2が短時間のうちに溶解して溶湯とされるため、合金成分の酸化による消耗が抑制される。従って、溶湯が燃焼ガスに晒される時間が短く、溶湯の品質維持に有利である。装入物2が溶融する溶融部分は、炉床面13の直上であることが好ましい。燃焼火炎41から排出された燃焼ガスは、熱と共に上昇するため、溶解室10の装入物2を予熱帯12で予熱させることができる。上記したように装入物2の溶解が速いため、溶解室10における装入物2の落下速度も速く、ひいては溶解室10の予熱帯12に装入物2が停滞している時間も短い。このため溶解室10の予熱帯における装入物2の酸化による消耗も抑制される。
【0028】
本実施形態によれば、燃焼バーナ4から噴出される燃焼火炎41は、炉体1の溶解室10を区画する壁から離れるように噴出されるため、当該壁の過熱が抑制され、熱による当該壁の損傷が抑制される。
【0029】
溶湯が生成されるに伴い、溶解室10における装入物2が減少する。このため、炉体1の気密開閉扉15dを開放し、駆動源15cを駆動させて投入プッシャー15aを前進させ、投入ホッパー15bで装入物2を溶解室10に投入する。溶解室10に投入された装入物2は、燃焼火炎41による燃焼ガスの上昇により予熱帯12において予熱される。燃焼ガスは燃料を酸素で酸化燃焼した燃焼ガスであり、燃焼反応に寄与しない窒素ガスをあまり含んでいないため、熱効率が高い。
【0030】
本実施形態によれば、図1に示すように、酸素ガスまたは酸素含有ガスを高圧で貯蔵する酸素タンク80を有する酸素注入装置8が炉体1に配置されている。酸素タンク80から導出された導出管81の先端部81aは、炉体1の壁を貫通して溶解室10内に進入しており、燃焼バーナ4の燃焼火炎41付近に位置しており、空洞状溶解部42の重複部分44の近傍に位置している。このため装入物2が溶融して溶湯が生成されている状態で、バルブ82が開放すれば、酸素タンク80の酸素は導出管81の先端部81aから溶湯に吹き付けられる。これにより溶湯に含まれている成分(例えば炭素、シリコン、マンガン、リン、硫黄など)を酸化させて消耗させることができる。この場合、溶湯の成分調整を実施できる。高強度化が要請される高張力鋼等のようにスクラップによって、マンガン含有量が高いものがある。一方、鋳鉄は一般的にはマンガン含有量が低い。
【0031】
(実施形態2)
図3は本発明の実施形態2を示す。本実施形態は、前記した実施形態と基本的には同様の構成および作用効果を有する。溶湯吐出口11は、溶湯吐出口11において上壁11aから下方に向けて突設されているサイホン仕切壁11bと、下壁11cから上向きに突設されている出口堰11dと、サイホン貯湯空間11eとを有する。このように溶湯吐出口11は外気を溶解室10に進入させない外気進入防止構造であって、サイホン式とされており、出口堰11dの上端は、サイホン仕切壁11bの下端よりも上方に位置している。サイホン貯湯空間11eに溶湯が溜まって保持されるため、溶解室10と外気との遮断性およびシール性が高められている。但しこの場合であっても、溶解室10における炉圧が負圧となり、外気が溶解室10に進入するおそれがある。このため排出通路17を開閉させる開閉扉50が設けられており、開閉扉50も閉鎖して排出通路17を閉鎖し、炉圧を調整できるようにされている。そのためエゼクタ70は設けられていない。
【0032】
(実施形態3)
図4は本発明の実施形態3を示す。図4は、炉体1を水平方向に沿って切断した断面図を示す。図4に示すように、燃焼バーナ群3を構成する複数の燃焼バーナ4は、溶解室10の中心線11xに対して放射方向に沿って扇形状に配置されている。燃焼バーナ4から噴出された燃焼火炎41は、溶解室10の装入物2において円筒または円筒に酷似した空洞状をなす空洞状溶解部42を発生させる。図4では空洞状溶解部42は模式的に描かれている。燃焼バーナ4は、各空洞状溶解部42が重複するように配置されている。この結果、装入物2の溶解時において各空洞状溶解部42と溶湯吐出口11とを連通させることができる。よって溶解した装入物2(溶湯)が溶湯吐出口11へ向かって流れ易くなり、溶湯が溶湯吐出口11から排出されるため、装入物2を効率よく溶解させることができる。なお、実施形態3の特徴を実施形態1,2に併合させても良い。
【0033】
(実施形態4)
図5は本発明の実施形態4を示す。図5は、炉体1を水平方向に沿って切断した断面図を模式的に示す。炉体1は非円形状をなしている。すなわち、炉体1の断面形状は、互いに対面する長辺状の二つの第1辺部1a,1bと、互いに対向する短辺状の二つの第2辺部1c,1dとを備えており、台形状に類似した形状とされている。第1辺部1a,1bは非直線状であり、外側に突出するように湾曲している。第2辺部1c,1dは非直線状であり、外側に突出するように湾曲している。図5に示すように、燃焼バーナ群3を構成する複数の燃焼バーナ4は、溶解室10の中心線11xに向かうように配置されている。他の実施形態と同様に、燃焼バーナ4から噴出された燃焼火炎41は、溶解室10の装入物2を溶融させ、円筒または円筒に酷似した空洞状をなす空洞状溶解部42を装入物2に発生させる。図5では空洞状溶解部42は模式的に描かれている。各燃焼バーナ4で形成された複数の空洞状溶解部42が重複して重複部分44を形成するように、各燃焼バーナ4は配置されている。これにより装入物2の溶解時において、各空洞状溶解部42と溶湯吐出口11とを連通させることができる。よって各空洞状溶解部42において溶解した装入物2(溶湯)が溶湯吐出口11へ向かって流れ易くなるため、装入物2を効率よく溶解させることができる。
【0034】
(実施形態5)
図6は本発明の実施形態5を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。炉体1の溶湯吐出口11側には、加炭装置9が設けられている。加炭装置9は、溶湯を加炭させる機能と、溶湯を昇温させる機能とを有する。加炭装置9は、黒鉛等の炭素材が充填され且つ溶湯通過性をもつ充填層90と、炭素材を投入する炭素材投入口91と、溶湯を充填層90に供給する溶湯入口92と、充填層90から溶湯が吐出される溶湯出口93と、燃焼用の酸素ガスまたは空気を充填層90の内部に供給する酸素供給路94とを有する。
【0035】
加炭処理の際において、酸素供給路94から充填層90に酸素ガスまたは空気が供給され、充填層90は燃焼されて炭酸ガスを発生させつつ高温となる。ここで、充填層90は、空気で炭素材を燃焼させても良いし、酸素ガスで炭素材を燃焼させても良い。炉体1の溶解室10で溶解された溶湯は、溶湯吐出口11を介して溶湯入口92から、燃焼中の充填層90に供給されて加炭調整および温度調整され、溶湯出口93から排出される。加炭装置9は、炉体1の予熱帯12に連通する排気口96をもつ。加炭装置9から発生した燃焼排ガスは非酸化性雰囲気であり、排気口96から炉体1の予熱帯12に供給される。ここで、炭素材は、投入口91から随時補給される。なお、充填層90は粒状、粉末状、繊維状等といった炭素材が充填された集合体であるため、溶湯と充填層90とは高い接触面積で接触し、溶湯に対する加炭効率を高めることができる。なお、実施形態5の特徴である加炭装置9を他の実施形態に併合させても良い。
【0036】
(実施形態6)
図7は本発明の実施形態6を示す。本実施形態は実施形態1と基本的には同様の構成および同様の作用効果を有する。炉体1の底部側に形成された炉床面13の下部には、炉床面13を冷却させる冷却通路19が埋設されている。冷媒が冷却通路19を通過する。冷媒としては、冷却水等の冷却液、冷却空気、ミスト等が挙げられる。冷却通路19に冷媒が流れると、炉床面13が冷却される。この結果、溶湯が凝固した膜状の凝固保護層19cが炉床面13に形成され、炉床面13が覆われて保護される。このように溶湯が凝固した凝固保護層19cは、炉床面13を覆って保護しているため、燃焼バーナ4の燃焼火炎41が、耐火材料製の炉床面13に直接当たることが抑制され、炉床面13を損傷させることが抑制されている。なお、図示しないものの、炉体1のうち燃焼バーナ4が設けられている垂直方向に沿って延設されている壁付近に冷却通路を形成し、当該壁付近を凝固保護層で被覆させて保護させても良い。なお、実施形態6の特徴である冷却通路19および凝固保護層19cを他の実施形態に併合させても良い。
【0037】
(試験例1)
上記した実施形態2のガスキュポラを用い、試験を行った。炉体1の炉径は600ミリメートル、炉体1の高さは1800ミリメートルであった。6基の燃焼バーナ4が炉体1に配置されていた。溶湯吐出口11には、図6に示す炭素燃焼式の加炭装置9(容量100kg)が取り付けられていた。そして、100ミリメートル×50ミリメート×6ミリメートル程度のスチールのスクラップ(質量比で0.05%C、0.8%Mn)からなるシュレッダー材96質量部に、1〜3ミリメートルのフェロシリコン(質量比で75%Si)を4質量部混合した装入物2を、溶解室10の炉頂付近の高さまで装入した。燃焼バーナ4の取り付け角θ1は20度とした。全部の燃焼バーナ4に供給される燃焼ガスの全量(13A)を36Nm/hとし、酸素ガス量を72Nm/hとした。そして燃料ガスおよび酸素ガスを各燃焼バーナ4に均等に供給し、溶解処理した。酸素比は0.81とした。ここで、酸素比は酸素/完全燃焼に必要な酸素量(当量O)の質量比として定義される。酸素比が1であるとき、燃料は完全燃焼する。
【0038】
溶解試験の結果によれば、酸素比を0.81としたとき、溶解能力は750kg/h、効率は〜54%であった。効率は溶解熱量/ガス発生熱量として定義される。溶湯吐出口11では1430℃、0.05%Cの溶湯が得られていた。これに対して加炭装置9の充填層90を通過した後、溶湯は加炭装置9により温度処理および加炭処理されるため、1500℃、質量比で3%Cの溶湯となっていた。この溶湯の基本組成は、質量比で、3%C、2.6%Si、0.5%Mnであり、鋳鉄溶湯として使用可能である。
【0039】
試験例1において、酸素比を0.81としたのは、酸素量の低減を図り、合金成分の消耗を抑制するためである。ここで、鉄の消耗は質量比で0.7%であった。シリコンの消耗は質量比で13%であり、マンガンの消耗は大きく、35%以上であった。このように上記した実施形態のキュポラによれば、0.8%Mnというマンガン含有量が高いスクラップを使用しつつも、マンガンを酸化により消耗させることができる。従って、マンガンが過剰に含有されている高張力鋼等のスクラップを装入物2として使用する場合でも、マンガンが過剰に含有することが好ましくない鋳鉄溶湯の組成を得るのに有利である。
【0040】
(試験例2)
上記した実施形態2のガスキュポラを用い、試験例1の場合と同様に試験を行った。球状黒鉛鋳鉄の戻し材(質量比で3.75%C、2.6%Si、0.23%Mn)のみを溶解室10の炉頂まで装入した。複数個(6基)の燃焼バーナ4を炉体1に配置した。燃焼バーナ4の取付角θ1は20度とした。溶湯吐出口11については、図6に示す酸素燃焼式の加炭装置9(容量100kg)を炉体1から取り外した。溶湯吐出口11はサイホン式とし、外気を遮断させた。図8は試験結果を示す。図8の横軸は酸素比を示し、縦軸は、炭素(C)、シリコン(Si)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)についての成分消耗率(質量比)を示す。図8に示すように、酸素比を0.81〜1.05程度に変えた場合には、各成分の消耗率が単調に増加しない。すなわち、酸素比が0.81〜0.93の範囲では各成分の消耗率が増加するものの、酸素比が0.93を超えると、各成分の消耗率は低下する。
【0041】
溶解試験の結果によれば、酸素比0.81で溶解能力は750kg/h、効率は〜54%であった。溶湯吐出口11の溶湯温度は1250℃であった。本試験例では、溶け落ち温度=出湯温度である。ここで、燃焼火炎41における酸素比の増加で溶解能力(溶湯生成能力)が増加する。この場合、酸素比1.05で溶解能力は866kg/h、効率は〜62%であった。但し、燃焼火炎41における酸素比の増加で溶解能力(溶湯生成能力)が増加することにより燃焼ガス中の酸素濃度が増加しても、溶解室10における装入材の滞在時間が減少するため、装入材の成分の消耗率が減少する。
【0042】
効率的に成分の消耗を増加させるために、酸素比を上げないで酸素注入を行った。図9の横軸は酸素注入率(%)を示し、縦軸は、炭素(C)、シリコン(Si)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)についての成分消耗率(質量比)を示す。ここで、酸素注入率(%)は、全燃焼ガス量に対する注入酸素量として定義される。図9は、炉体1の酸素注入装置8の導出管81から酸素を溶解室10に吹き込んだ場合の試験結果を示す。炉体1の酸素注入装置8から酸素を溶解室10に吹き込んだ場合には、図9に示すように、酸素の注入率(%)が増加すると、溶湯に含有されている炭素(C)、シリコン(Si)、マンガン(Mn)、マグネシウム(Mg)といった成分含有量(質量%)が低下し、酸素による成分の消耗率が増加することがわかる。低沸点のマグネシウムがかなりの含有量で残留していることは、本発明による溶解の特徴である高速溶解の特徴を表している。すなわち、高速溶解であるため、マグネシウムの蒸散が抑制され、マグネシウムの含有量が多い。
【0043】
(その他)
炉体1の構造は上記した構造に限定されるものではない。本発明は上記し且つ図面に示した実施形態のみに限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施できる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
本発明は片状黒鉛鋳鉄、球状黒鉛鋳鉄、芋虫状黒鉛鋳鉄等の鋳鉄溶解用のガスキュポラに利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】実施形態1に係り、ガスキュポラを設備と共に示す構成図である。
【図2】実施形態1に係り、ガスキュポラを水平方向に沿って切断した状態を模式的に示す断面図である。
【図3】実施形態2に係り、ガスキュポラを設備と共に示す構成図である。
【図4】実施形態3に係り、ガスキュポラを水平方向に沿って切断した状態を模式的に示す断面図である。
【図5】実施形態4に係り、ガスキュポラを水平方向に沿って切断した状態を模式的に示す断面図である。
【図6】実施形態5に係り、加炭装置を模式的に示す断面図である。
【図7】実施形態6に係り、ガスキュポラの炉床面付近を模式的に示す構成図である。
【図8】試験例1に係るグラフである。
【図9】試験例2に係るグラフである。
【符号の説明】
【0046】
1は炉体、10は溶解室、11は溶湯吐出口、12は予熱帯、13は炉床面、17は排出通路、19は冷却通路、2は装入物、3は燃焼バーナ群、4は燃焼バーナ、41は燃焼火炎、42は空洞状溶解部、44は重複部分、5は開閉扉機構、50は開閉扉、51は駆動部、52は扉制御部、6は炉圧制御装置、60は圧力導管、61は炉圧計、8は酸素注入装置、9は加炭装置、90は充填層、92は溶湯入口、93は溶湯出口、96は排気口を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属を基材とする装入物を溶解するための溶解室と前記装入物が前記溶解室で溶解されて形成された溶湯を吐出させるための溶湯吐出口とをもつ炉体と、
前記炉体に設けられ燃料を燃焼させて燃焼火炎を形成し前記燃焼火炎を前記溶解室内の前記装入物に噴出し且つ前記溶解室の前記装入物を溶解させる複数の燃焼バーナとを具備しており、
前記炉体を水平方向に沿って切断した断面図において、各前記燃焼バーナは、各前記燃焼バーナから噴出された燃焼火炎により前記溶解室の前記装入物に空洞状をなす空洞状溶解部を発生させ、各前記空洞状溶解部が重複するように前記燃焼バーナは配置されており、
前記装入物の溶解時において、各前記空洞状溶解部と前記溶湯吐出口とを連通させることを特徴とする金属溶解用ガスキュポラ。
【請求項2】
請求項1において、複数の前記燃焼バーナのうち隣設し合う前記燃焼バーナは、各前記燃焼バーナの前記燃焼火炎で形成される空洞状溶解部が重複するように配置されていることを特徴とする金属溶解用ガスキュポラ。
【請求項3】
請求項1または2において、前記炉体の前記溶解室と外気とを連通させ前記溶解室内の燃焼ガスを外気に排出させる排出通路と、前記排出通路を開閉させる開閉扉と、前記開閉扉を開閉方向に駆動させる駆動部とを具備することを特徴とする金属溶解用ガスキュポラ。
【請求項4】
請求項1〜3のうちの一項において、前記炉体を水平方向に沿って切断した断面図で、前記炉体は非円形状をなしていることを特徴とする金属溶解用ガスキュポラ。
【請求項5】
請求項1〜4のうちの一項において、前記溶湯吐出口側には、前記溶湯吐出口から吐出された溶湯を加炭および昇温させる加炭装置が配置されていることを特徴とする金属溶解用ガスキュポラ。
【請求項6】
請求項1〜5のうちの一項において、前記溶解室に酸素または空気を供給して前記溶湯の成分調整を行う注入装置が配置されていることを特徴とする金属溶解用ガスキュポラ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−287877(P2009−287877A)
【公開日】平成21年12月10日(2009.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−142620(P2008−142620)
【出願日】平成20年5月30日(2008.5.30)
【出願人】(000100805)アイシン高丘株式会社 (202)
【Fターム(参考)】