説明

金属触媒の破壊回収装置の使用方法

【課題】 被処理体から金属触媒を含む粉体を回収する金属触媒の破壊回収装置の提供。
【解決手段】 金属触媒を担持した担体(金属担体7a)または該担体(金属担体7a)を金属製の筒に内装した触媒コンバータ7bからなる被処理体6を投入する容器1aと、容器1a内で回転し、被処理体6を自重で落下する大きさに衝撃破壊すると共に、被処理体6から金属触媒を含む粉体30を分離する衝撃羽1nと、分離された粉体30を前記容器内でより高く上方へ浮遊させる浮遊手段と、容器1a内に浮遊する粉体30を吸引して回収する集塵機2を備えた金属触媒の破壊回収装置の使用方法であって、前記衝撃羽1nを所定の時間及び回転速度で正回転させる正回転工程s1と、前記正回転工程s1の後、衝撃羽1nに被処理体6の破壊片が噛み込むのを防止するために衝撃羽1nを所定の時間及び回転速度で逆回転させる逆回転噛み込み防止工程s2を備えることとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、金属触媒を担持した担体または該担体を金属製の筒に内装した触媒コンバータからなる被処理体から金属触媒を含む粉体を回収する金属触媒の破壊回収装置の使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、自動車などの内燃機関の排気ガスの浄化を目的としてマフラーの中途部分に触媒コンバータを介装している。
前記触媒コンバータは、金属触媒を担持した金属担体を金属製の筒に接合して内装した構造になっており、該金属触媒には通常、貴金属である白金系触媒が使用され、これら白金系触媒は高価かつ希少であるため回収してリサイクルすることが望ましい。
そこで、前記金属担体または触媒コンバータなどの被処理体から金属触媒を回収する技術が公知となっている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平6−205993号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、従来の発明においては、衝撃式粉砕機で粉砕されて回収される粉砕物の中に、触媒コンバータの筒、金属担体、金属触媒が混在した状態となって分離していないため、衝撃式粉砕機の下流側にラジアル送風機、サイクロン分離機を配置して金属触媒を含む粉砕物と、金属担体や筒のように金属触媒を含まない粉砕物に分離しなければならず、装置が大型化する上、コストや手間が大変かかるという問題点があった。
【0004】
本発明は上記問題点に着目してなされたもので、その目的とするところは、金属触媒を担持した担体または該担体を金属製の筒に内装した触媒コンバータからなる被処理体を衝撃破壊して該被処理体から金属触媒を含む粉体を分離させることによって、効率的に金属触媒を含む粉体を回収できる金属触媒の破壊回収装置の使用方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1記載の発明では、金属触媒を担持した担体または該担体を金属製の筒に内装した触媒コンバータからなる被処理体を投入する容器と、前記容器内で回転し、前記被処理体を自重で落下する大きさに衝撃破壊すると共に、前記被処理体から金属触媒を含む粉体を分離する衝撃羽と、前記粉体を前記容器内でより高く上方へ浮遊させる浮遊手段と、前記容器内に浮遊する粉体を吸引口から吸引して回収する集塵機を備えた金属触媒の破壊回収装置の使用方法であって、前記衝撃羽を所定の時間及び回転速度で正回転させて被処理体を衝撃破壊する正回転工程と、前記正回転工程の後、衝撃羽に被処理体の破壊片が噛み込むのを防止するために衝撃羽を所定の時間及び回転速度で逆回転させる逆回転噛み込み防止工程を備えることを特徴とする。
【0006】
請求項2記載の発明では、請求項1記載の金属触媒の破壊回収装置の使用方法において、前記逆回転噛み込み防止工程の後に、該衝撃羽に被処理体の破壊片が噛み込むのを防止するために衝撃羽を所定の時間及び回転速度で正回転させる正回転噛み込み防止工程を備えることを特徴とする。
【0007】
請求項3記載の発明では、請求項1または2記載の金属触媒の破壊回収装置の使用方法において、前記逆回転噛み込み防止工程または正回転噛み込み防止工程の後に、衝撃羽を所定の時間及び回転速度で逆回転させて被処理体を衝撃破壊する逆回転工程を備えることを特徴とする。
【0008】
請求項4記載の発明では、請求項1〜3のうちいずれかに記載の金属触媒の破壊回収装置の使用方法において、前記被処理体の破壊片を容器内の内壁に吸着させ、かつ、被処理体をより細かく衝撃破壊するために衝撃羽を所定の時間で、かつ、前記所定の回転速度よりも速い回転速度で正回転または逆回転させて被処理体を衝撃破壊する吸着工程を備えることを特徴とする。
【0009】
請求項5記載の発明では、金属触媒を担持した担体または該担体を金属製の筒に内装した触媒コンバータからなる被処理体を投入する容器と、前記容器内で回転し、前記被処理体を自重で落下する大きさに衝撃破壊すると共に、前記被処理体から金属触媒を含む粉体を分離する衝撃羽と、前記粉体を前記容器内でより高く上方へ浮遊させる浮遊手段と、前記容器内に浮遊する粉体を吸引口から吸引して回収する集塵機を備えた金属触媒の破壊回収装置の使用方法であって、前記被処理体を容器に投入する際に、衝撃羽に被処理体の破壊片が噛み込むのを防止するために衝撃羽を所定の回転速度で正回転または逆回転させる被処理体投入工程を備えることを特徴とする。
【0010】
請求項6記載の発明では、金属触媒を担持した担体または該担体を金属製の筒に内装した触媒コンバータからなる被処理体を投入する容器と、前記容器内で回転し、前記被処理体を自重で落下する大きさに衝撃破壊すると共に、前記被処理体から金属触媒を含む粉体を分離する衝撃羽と、前記粉体を前記容器内でより高く上方へ浮遊させる浮遊手段と、前記容器内に浮遊する粉体を吸引口から吸引して回収する集塵機を備えた金属触媒の破壊回収装置の使用方法であって、前記容器の下方に衝撃破壊後の被処理体を取り出すための排出口を設け、前記衝撃破壊後の被処理体を排出口から取り出す際に、衝撃破壊後の被処理体を排出口へ移動させるために衝撃羽を所定の回転速度で正回転または逆回転させる被処理体排出工程を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1記載の発明にあっては、衝撃羽が被処理体を自重で落下する大きさに衝撃破壊して被処理体から金属触媒を含む粉体を分離させる。
そして、浮遊手段によって前記分離された粉体が容器内でより高く浮遊し、この浮遊する粉体を集塵機で吸引口から吸引して回収する。
従って、浮遊手段により容器内でより高く浮遊した金属触媒を含む粉体を回収するため、従来のように回収された粉砕物の中に触媒コンバータや金属担体の破片が混在せず、結果、複数の分離機や強力な吸引装置を必要とせず、小規模な設備でコストや手間をかけることなく金属触媒を含む粉体を高い回収率で回収することができる。
【0012】
そして、前記逆回転噛み込み防止工程の後に、該衝撃羽に被処理体の破壊片が噛み込むのを防止するために衝撃羽を所定の時間及び回転速度で正回転させる正回転噛み込み防止工程を備えることとしたため、正回転工程後において衝撃羽に噛み込んだ被処理体の破壊片を逆回転噛み込み防止工程で取り除くことができる。
【0013】
請求項2記載の発明にあっては、逆回転噛み込み防止工程の後に、該衝撃羽に被処理体の破壊片が噛み込むのを防止するために衝撃羽を所定の時間及び回転速度で正回転させる正回転噛み込み防止工程を備えることとしたため、前記逆回転噛み込み防止工程後にも関わらず衝撃羽に噛み込んだ被処理体の破壊片が残った場合でも確実に取り除くことができる。
【0014】
請求項3記載の発明にあっては、逆回転噛み込み防止工程または正回転噛み込み防止工程の後に、衝撃羽を所定の時間及び回転速度で逆回転させて被処理体を衝撃破壊する逆回転工程を備えることとしたため、容器内の被処理体に正回転工程と逆の方向の力を与えて被処理体を充分に攪拌させながら衝撃破壊できる。
また、被処理体の破壊状態の均質化が図れる。
【0015】
請求項4記載の発明にあっては、被処理体の破壊片を容器内の内壁に吸着させ、かつ、被処理体をより細かく衝撃破壊するために衝撃羽を所定の時間で、かつ、前記所定の回転速度よりも速い回転速度で正回転または逆回転させて被処理体を衝撃破壊する吸着工程を備えることとしたため、粉体に比べて自重の重い被処理体の破壊片を、前記各工程における所定の回転速度よりも速い回転速度で正回転または逆回転する衝撃羽により細かく衝撃破壊させてその遠心力により容器内の内壁に飛散させて吸着させることができる。
一方、粉体は、前記遠心力により容器内の内壁へ向って浮遊するものの、浮遊手段により容器内でより高く浮遊し、これにより粉体のみを効率良く回収できる。
【0016】
請求項5記載の発明にあっては、衝撃羽が被処理体を自重で落下する大きさに衝撃破壊して被処理体から金属触媒を含む粉体を分離させる。
そして、浮遊手段によって前記分離された粉体が容器内でより高く浮遊し、この浮遊する粉体を集塵機で吸引口から吸引して回収する。
従って、浮遊手段により容器内でより高く浮遊した金属触媒を含む粉体を回収するため、従来のように回収された粉砕物の中に触媒コンバータや金属担体の破片が混在せず、結果、複数の分離機や強力な吸引装置を必要とせず、小規模な設備でコストや手間をかけることなく金属触媒を含む粉体を高い回収率で回収することができる。
【0017】
さらに、被処理体を容器に投入する際に、衝撃羽に被処理体の破壊片が噛み込むのを防止するために衝撃羽を所定の回転速度で正回転または逆回転させる被処理体投入工程を備えるため、被処理体の投入時における衝撃羽への噛み込みを防止できる。
【0018】
請求項6記載の発明にあっては、衝撃羽が被処理体を自重で落下する大きさに衝撃破壊して被処理体から金属触媒を含む粉体を分離させる。
そして、浮遊手段によって前記分離された粉体が容器内でより高く浮遊し、この浮遊する粉体を集塵機で吸引口から吸引して回収する。
従って、浮遊手段により容器内でより高く浮遊した金属触媒を含む粉体を回収するため、従来のように回収された粉砕物の中に触媒コンバータや金属担体の破片が混在せず、結果、複数の分離機や強力な吸引装置を必要とせず、小規模な設備でコストや手間をかけることなく金属触媒を含む粉体を高い回収率で回収することができる。
【0019】
さらに、容器の下方に衝撃破壊後の被処理体を取り出すための排出口を設け、前記衝撃破壊後の被処理体を排出口から取り出す際に、衝撃破壊後の被処理体を排出口へ移動させるために衝撃羽を所定の回転速度で正回転または逆回転させる被処理体排出工程を備えるため、衝撃破壊後の被処理体を排出口へスムーズに移動させて排出できると同時に、衝撃羽への噛み込みも防止できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0021】
以下、本発明の実施例1を説明する。
図1は本発明の実施例1の破壊回収装置の全体図、図2は実施例1の破壊分離機の内部を説明する平面図、図3は図2のS3−S3線による側断面図、図4は実施例1のフィルタ部材の分解斜視図である。
図5は実施例1のフィルタ部材の装着を示す平面図、図6は実施例1の衝撃羽の側断面図、図7は実施例1のふるい機の動作を説明する図、図8は実施例1の衝撃羽による被処理体の衝撃破壊の工程を説明する図である。
【0022】
図1に示すように、本実施例1の金属触媒の破壊回収装置は、破壊分離機1と、集塵機2と、コンベア3と、ふるい機4を主要な構成としている。
【0023】
図2、3に示すように、前記破壊分離機1の容器1aは円柱形状に形成され、基台5によって傾斜した状態で設置されている。
前記容器1aの上面には半円形状に開口された投入口1bと、矢印P方向に開閉自在な蓋1cとが設けられている。
また、前記蓋1cには外部と通じた大気開放口11が設けられている。
前記容器1aの内壁1dは耐磨耗鋼を用いて形成され、上部には後述する集塵機2の吸引ダクト2aに接続された第1吸引口1eが設けられている。
【0024】
また、前記第1吸引口1eには後述するフィルタ部材20が装着されている。
図4、5に示すように、前記フィルタ部材20は容器1aの内壁1dに沿う形状に形成され、且つ、前記第1吸引口1eに対応する開口部21を有する外周部22と、複数の吸引孔23を有する吸引部24〜26で構成され、該内壁1dに図外のボルトにて4箇所で固定される。
【0025】
また、前記吸引部24、25は外周部22と溶接により一体的に形成され、前記吸引部26は外周部22に図外のボルトにより6箇所で脱着可能となっており、フィルタ部材20及びその内部のメンテナンス性に優れた構造になっている。
【0026】
また、前記吸引部24〜26の各吸引孔23の開口面積の総和は少なくとも前記開口部21の開口面積よりも大きくなっており、後述する金属触媒を含む粉体30(以下、粉体30と略す)の吸引性能が低下しないようになっている。
【0027】
前記内壁1dの下部には開口部1fが設けられ、この開口部1fは矢印Q方向に開閉自在な蓋1gで排出口12に通じている。
前記排出口12は後述する衝撃破壊後の被処理体6を容器1aから取り出すためのものであって、前記開口部1fを覆うように固定されたフードFで構成されると共に、該フードFには集塵機2の吸引ダクト2aに接続された第2吸引口13が設けられている。
【0028】
さらに、前記内壁1dには容器1aの周方向に等間隔で耐磨耗鋼製の反射体1hが8箇所設けられている。
【0029】
前記容器1aの底部には容器1aの周方向(図2中矢印C1方向及びC2方向)に回転自在な回転ロータ1iが設けられている。
【0030】
図6に示すように、前記回転ロータ1iはカバー1jと、押圧プレート1kと、衝撃羽取付けプレート1lと回転軸1mを主要な構成としている。
【0031】
前記カバー1jは円柱状を成して容器1aの中心位置に配置され、その下方周縁が溶接Xで押圧プレート1kに固定されている。
【0032】
前記押圧プレート1kは円盤状を成してボルトB1で衝撃羽取付けプレート1lに固定されている。
【0033】
前記衝撃羽取付けプレート1lの両端にはボルトB2で脱着自在に固定される2つの衝撃羽1nが回転ロータ1iから側方に突出した状態で設けられ(図2参照)、これら衝撃羽1nの先端側は傾斜面1oが形成され、一方、衝撃羽1nの基端側には反射体1pが設けられている。
なお、前述した押圧プレート1k、衝撃羽1n、反射体1pは内壁1dと同様に耐磨耗鋼で形成されている。
【0034】
前記衝撃羽取付けプレート1lは底面プレート1qと僅かな隙間を有した状態でボルトB3で容器1aの底部を貫通した回転軸1mに固定されている。
【0035】
前記回転軸1mにはその軸心位置に空気流通路1rが形成され、この空気流通路1rの上側は二方向に分岐されて衝撃羽取付けプレート1lの連通溝1sと連通している。
【0036】
前記衝撃羽1nの底部には前記連通溝1sと連通した連通パイプ1tが固定され、この連通パイプ1tが衝撃羽1nの底部を介して容器1a内と通じた状態となっている。
一方、前記空気流通路1rの下側は回転軸1mに固定される回転ローラ1uの軸心を貫通してエアチューブ1vが接続されたアダプタ1wに連通されている。
【0037】
また、前記回転ローラ1uに架けられたベルト1xはモータ1yの回転軸に固定される回転ローラ1zに周設されている。なお、10は回転軸1mを回転自在に固定する外嵌部材である。
【0038】
これにより、前記モータ1yの回転ローラ1zが正回転または逆回転してその回転力がベルト1xを介して回転ロータ1uに伝達し、結果、回転ロータ1i(衝撃羽1n)が所定回転速度で正回転(図2の矢印C1方向)または逆回転(図2の矢印C2方向)するようになっている。
【0039】
前記集塵機2は吸引ダクト2aを介して後述する破壊分離機1の容器1a内で浮遊する粉体30を吸引するためのものであって、フィルタ2bと貯溜容器2cを備えている。
【0040】
前記コンベア3は後述する破壊分離機1で衝撃破壊された被処理体6をふるい機4に搬送するためのものである。
【0041】
図7(a)に示すように、前記ふるい機4はコンベア3によって搬送された被処理体6を加振して該被処理体6の内部に残留する粉体30を回収するためのものであって、基台4aと、この基台4aに枢軸4bを軸として矢印R方向に回動自在に固定される容器4cと、貯溜容器4rを主要な構成としている。
【0042】
前記容器4cは側方下部に突設した舌片4dが設けられると共に、この舌片4dの下方には進出部材4eを有する駆動装置4fが設けられている。
【0043】
前記駆動装置4fは図示しないモータ又はソレノイドを用いて前記進出部材4eを上下方向に進出させることによって、前記舌片4dを上下動させ、結果、容器4cを矢印R方向に衝撃的な運動を与えて後述する容器4c内の被処理体を揺動させるためのものである(図7(b)参照)。
【0044】
前記容器4c内は上下のフィルタ4g,4hによって2つの部屋4i,4jが形成され、前記フィルタ4gの隙間はフィルタ4hよりも広く形成されている。
【0045】
前記容器4cの内壁4kには前記吸引ダクト2aに接続された吸引口4lが設けられると共に、この吸引口4lにはフィルタ4mが設けられている。
【0046】
前記容器4cの底部は前記フィルタ4g,4hよりも隙間が狭いフィルタ4xを備える縮径部4pが形成されて、その縮径部4pの下方には貯留容器4rが設けられている。
【0047】
以下、本実施例1の金属触媒の破壊回収装置の使用方法の作用及び効果を説明する。
本実施例1の金属触媒の破壊回収装置を使用する際には、先ず、破壊分離機1の蓋1cを開けた状態とし、所定量、例えば10kgの金属担体7aまたは触媒コンバータ7bからなる被処理体6を投入口1bから容器1a内に投入する。
なお、前記金属担体7aは、大波または小波状の金属製の箔材を多重に巻回して白金系の触媒を担持させた一般的な金属担体である。
【0048】
ここで、被処理体6の衝撃破壊前において、被処理体6を容器1aに投入する際に衝撃羽1nが停止していると、衝撃羽1nと容器1aとの間に被処理体6が噛み込んでしまう虞がある。
【0049】
そこで、図8に示すように、被処理体投入工程s1では、被処理体6を容器1aに投入する際に、該被処理体6が衝撃羽1nに噛み込むのを防止するために破壊分離機1を作動させる。
【0050】
具体的には、モータ1yの回転ローラ1zが正回転または逆回転してその回転力がベルト1xを介して回転ロータ1uに伝達し、結果、衝撃羽1nが所定回転速度程度で正回転または逆回転することにより、衝撃羽1nに被処理体6の破壊片が噛み込むのを防止する。
なお、前記所定の回転速度は100rpm〜150rpmであり、後述する被処理体6の衝撃破壊中に比べて低い回転速度である。
【0051】
次に、全ての被処理体6を投入して蓋1cを閉めた後、破壊分離機1に加えて、集塵機2を作動させる。
ここで、被処理体6の衝撃破壊中においては、前記衝撃羽1nを所定の回転速度及び所定時間で正回転させたのみの場合、衝撃羽1nと容器1aの底部または内壁1dとの間に被処理体6の破壊片が噛み込んで装置の故障を招く虞がある。
また、容器1a内の被処理体6は主に衝撃羽1nの正回転方向の力のみを受けて衝撃破壊されるため攪拌されにくい上、被処理体6、特に金属担体7aの箔材の破壊状態の均質化を図ることが困難である。
【0052】
さらに、被処理体6の破壊片が粉体30と共に吸引口1eから回収されてしまう虞があり、この場合、後工程において両者を分別する作業・装置が必要になってしまう。
【0053】
そこで、前記被処理体投入工程s1後の正回転工程s2では、前記衝撃羽1nを所定の時間t1及び回転速度v1で正回転させることにより被処理体6を衝撃破壊しながら粉体30を回収する。
【0054】
次に、逆回転噛み込み防止工程s3では、前記正回転工程s2の後に、衝撃羽1nを所定の時間t2及び回転速度v2で逆回転させる。
これにより、衝撃羽1nに噛み込んだ被処理体6の破壊片を取り除くことができ、衝撃羽1nの回転停止や装置の故障を防止できる。
【0055】
次に、正回転噛み込み防止工程s4では、前記逆回転噛み込み防止工程s3の後に、衝撃羽1nを所定の時間t3及び回転速度v3で正回転させる。
これにより、前記逆回転噛み込み防止工程s3後にも関わらず衝撃羽1nに噛み込んだ被処理体6の破壊片が残った場合でも確実に取り除くことができる。
【0056】
次に、逆回転工程s5では、前記正回転噛み込み防止工程s4の後に、衝撃羽を所定の時間t4及び回転速度v4で逆回転させて被処理体6を衝撃破壊しながら粉体30を回収する。
これにより、被処理体6に前記正回転工程s2と逆の方向の力を与えて被処理体6を容器1a内で充分に攪拌させながら衝撃破壊でき、粉体30を効率良く浮遊させることができる。
また、被処理体6、特に金属担体7aの箔材の破壊状態の均質化が図れる。
【0057】
次に、吸着工程s6では、前記逆回転工程s5の後に、衝撃羽1nを所定の時間t5及び前記工程s2〜s5における所定の回転速度t1〜t4よりも速い回転速度v5で正回転または逆回転させて被処理体6を衝撃破壊して終了する。
これにより、衝撃羽1nは粉体30に比べて自重の重い被処理体6の破壊片を、より細かく衝撃破壊してその遠心力で容器内1aの内壁1dに飛散させて吸着させることができる。
一方、粉体30は前記遠心力により容器1a内の内壁1dへ向って浮遊するが、後述する浮遊手段により容器1a内でより高く浮遊し、これにより粉体30のみを効率良く回収できる。
【0058】
なお、前記t1、t3、t5は30秒前後、t2、t3は1秒以下の値であり、v1〜v4は1000rpm、v5は1500rpm前後の値が設定される。
【0059】
また、容器内1aの内壁1dに飛散した被処理体6の破壊片の一部は容器1aの底部に落下して再び衝撃羽1nの遠心力を受けて飛散する動作を繰り返す。
【0060】
また、被処理体6の衝撃破壊中にはエアチューブ1vから所定圧力の空気が供給され、この空気はアダプタ1w、空気流通路1rを介して該空気流通路1rの上方で二方向に分岐し、さらに連通溝1s、連通パイプ1tを介して衝撃羽1nの底部から容器1aの内壁1dへ向かって噴射し、結果、容器1a内で上方へ向かう空気流Aとなる(図6参照)。
【0061】
そして、前記回転ロータ1iの衝撃羽1nが被処理体6を飛散させながら内壁1dに衝突させて衝撃破壊し、結果、これら被処理体6から粉体30が分離して容器1a内に浮遊する。
この際、衝撃羽1nの反射体1pや内壁1dの反射体1hは被処理体6に衝突して該被処理体6を効率良く衝撃破壊すると共に、前記粉体30をより上方へ浮遊させる浮遊手段として作用する。
【0062】
また、衝撃羽1nの傾斜面1oにより、衝撃羽1nと内壁1dとの間に被処理体6が挟まらないよう配慮されている。
さらに、容器1aは傾斜した状態で設置されているため、被処理体6は重力に従って下方に移動して衝撃羽1nや反射体1h,1pに攪拌されながら効率良く破壊され、結果、粉体30を上方へ導く浮遊手段として作用する。
【0063】
そして、前記空気流Aは粉体30を容器1a内で上方へ浮遊させ、結果、粉体30を容器1a内でより上方へ浮遊させる浮遊手段として作用する。
一方、集塵機2は吸気ダクト2aを介して第1吸引口1eから前記粉体30を吸引した後、フィルタ2bを介して貯溜容器2cに貯溜する。
【0064】
さらに、前述したように、前記第1吸引口1eにはフィルタ部材20が設けられており、前記粉体30は吸引部24〜26の3方向から吸引されるため、被処理体6の破壊片、例えば触媒コンバータの筒等の剥離片が吸引されて吸引部24〜26のうちいずれか1つに貼り付いた場合でも、該粉体30の吸引が可能となっている。
【0065】
次に、前記衝撃羽1nの回転を停止させた状態で容器1aの蓋1gを開けて衝撃破壊後の被処理体6を排出口12からコンベア3上に取り出す。
【0066】
ここで、被処理体6の衝撃破壊後においては、被処理体6の破壊片が容器1aの散乱して堆積するため、特に、排出口12から離れた位置にある被処理体6の破壊片を取り出すのは困難である。
【0067】
そこで、図8に示すように、被処理体排出工程s7では、前記衝撃破壊後の被処理体6を排出口12から取り出す際に、衝撃羽1nを所定の回転速度で正回転または逆回転させることにより該衝撃羽1nで衝撃破壊後の被処理体を排出口12へスムーズに移動させてフードF内に排出できる。
なお、前記所定の回転速度は100rpm〜150rpmであり、前述した被処理体6の衝撃破壊中に比べて低い回転速度である。
また、フードF内に浮遊する僅かな粉体30を排出口12の第2吸引口13から集塵機2へ回収できるようになっている。
【0068】
次に、前記コンベア3及びふるい機4を始動させる。
この際、コンベア3が前記被処理体6をふるい機4の容器4c内へ投入すると共に、該ふるい機4が矢印R方向に揺動して被処理体6を加振し、フィルタ4g,4h、4xを介して被処理体6に残留する粉体30を下方の貯溜容器4rに貯留する。
【0069】
また、前記被処理体6はフィルタ4g,4hにより大きさに応じて部屋4i,4jで選別され、さらにフィルタ4xでふるいにかけられることにより、被処理体6の破片などが貯溜容器4aに貯留されるのを防止できるようになっている。
また、前記ふるい機4内で浮遊した粉体30は吸引ダクト2aを介して吸引口4lより集塵機2に回収されるようになっており、微量な粉体30であっても回収できるようになっている。
【0070】
従って、本実施例1の金属触媒の破壊回収装置の使用方法では、回収容器1a、衝撃羽1n、反射体1h,1p、空気流Aが金属触媒を含む粉体30を容器1a内でより上方へ浮遊させる浮遊手段として作用し、粉体30を容易かつ短時間で回収することができるという効果を奏する。
【0071】
また、衝撃破壊後に衝撃羽1nの回転速度を減速させて被処理体6と粉体30の分離を促進させたり、容器1a内の上方に該大気開放口11から第1吸引口1eへ流入する空気流Bを形成することで、粉体30を短時間で効率良く回収できる。
【0072】
さらに、被処理体6の衝撃破壊前において、被処理体投入工程s1で被処理体6の投入時における衝撃羽1nへの噛み込みを防止できる。
【0073】
また、被処理体6の衝撃破壊中において、正回転工程s2後に衝撃羽1nに噛み込んだ被処理体6の破壊片を逆回転噛み込み防止工程s3で取り除くことができる。
【0074】
また、前記逆回転噛み込み防止工程s3後にも関わらず衝撃羽1nに噛み込んだ被処理体6の破壊片が残った場合でも正回転噛み込み防止工程s4で確実に取り除くことができる。
【0075】
また、前記逆回転工程s5によって、容器1a内の被処理体6に正回転工程s2と逆の方向の力を与えて被処理体6を充分に攪拌させながら衝撃破壊できる上、被処理体6、特に金属担体7aの箔材の破壊状態の均質化が図れる。
【0076】
また、吸着工程s6によって粉体30に比べて自重の重い被処理体6の破壊片を、より細かく衝撃破壊してその遠心力により容器1a内の内壁1dに飛散させて吸着させることができ、一方、粉体30は前記遠心力により容器1a内の内壁1dへ向って浮遊するが、浮遊手段により容器1a内でより高く浮遊し、これにより粉体30のみを効率良く回収できる。
【0077】
さらに、被処理体6の衝撃破壊後において、被処理体排出工程s7で衝撃破壊後の被処理体6を排出口12へスムーズに移動させて排出できると同時に、衝撃羽1nへの噛み込みも防止できる。
【0078】
また、衝撃破壊後の被処理体6を容器1aから取り出す排出口12に集塵機2の第2吸引口13を設けたり、該被処理体6をふるい機4でふるいにかけることで、衝撃破壊前の被処理体6に含まれていた粉体30を略完全に回収することができる。
【実施例2】
【0079】
以下、本発明の実施例2を説明する。
図9は本発明の実施例2の金属触媒の破壊回収装置の全体図、図10は実施例2の破壊分離機の内部を説明する側断面図、図11は実施例2のフィルタ部材の分解斜視図である。
図12は実施例2のフィルタ部材の斜視図、図13は実施例2の破壊分離機の内部の様子を説明する図、図14は実施例2の破壊分離機の作用を説明する図である。
【0080】
なお、本実施例2の金属触媒の破壊回収装置の使用方法では、前記実施例1で説明したふるい機を省略して、破壊分離機の構成を一部変更したこと以外は前記実施例1と略同様であるため相違点のみについて詳述し、同一の構成部材については同一の符号を付してその説明は省略する。
【0081】
図9に示すように、本実施例2の金属触媒の破壊回収装置は、破壊分離機1と、集塵機2を主要な構成としている。
【0082】
図10に示すように、本実施例の破壊分離機1は、前記実施例1で説明した第1吸引口1eの代わりに容器1aの上方中心部に第1吸引口19が設けられ、ここに吸引ダクト2aに接続されたフィルタ部材41が装着されている。また、蓋1cの大気開放口は省略されている。
【0083】
図11、12に示すように、前記フィルタ部材41は全体が円柱形状に形成され、円盤状の後面部41aと有底円筒状の本体部41bとが溶接されて一体的に形成され、該フィルタ部材41は前記後面部41aに設けられた4箇所の取付孔41cで図外のボルトで容器1aの上部中心位置に固定される。
また、後面部41aは前記第1吸引口19と同一の開口面積を有する開口部43が形成されている。
また、前記本体部41bの外周面には複数の吸引孔42が設けられ、該吸引孔42の開口面積の総和は少なくとも前記第1吸引口19の開口面積よりも大きくなっており、粉体30の吸引性能が低下しないようになっている。
【0084】
前記内壁1dには長孔形状に開口された送風口44が設けられ、該送風口44は下方に傾斜した状態で内壁1dの周方向に沿うように設けられた接続パイプ45が接続されている。
なお、図示を省略するが接続パイプ45は送風機に接続される他、該送風口44には逆流防止のフラップやフィルタが設けられている。
【0085】
以下、本実施例2の金属触媒の破壊回収装置の使用方法の作用及び効果を説明する。
本実施例2の金属触媒の破壊回収装置において破壊分離機1を作動させると、図13に示すように、衝撃羽1nが回転すると共に、エアチューブ1vから供給された空気が、容器1aの内壁1dへ向かって噴射し、結果、容器1a内で上方へ向かう空気流Aが発生する。
【0086】
さらに、前記送風口44から空気が送風されることにより容器1a内に内壁1dに沿って下方に降りる渦流Yが発生する。
【0087】
このような構成で、実施例1で説明した正回転工程s2、逆回転噛み込み防止工程s3、正回転噛み込み防止工程s4、逆回転工程s5、吸着工程s6の順に衝撃羽1nによる被処理体6の衝撃破壊が行われると、図14に示すように、容器1a内では、衝撃羽1nの回転力も加わって塵や破壊片等の比較的大きな固体粒子と粉体30との混相流による強制渦がその回転方向を衝撃羽1nの回転方向と一致させた状態で繰り返し発生する。
【0088】
そして、粉体30に比べて自重の重い塵や破壊片は強制渦の遠心力と重力で内壁1dの下方に集まり易くなり、フィルタ部材41の吸引孔42を介して第1吸引口19から粉体30のみを非常に効率良く回収できる。
【0089】
なお、渦流を発生させるような回転体を容器1a内に設ける構成にした場合、内壁1dの近傍では流体の微小部分の不規則な運動が制限されるため、内壁1dに集まった破壊片は渦流の影響をあまり受けず、該破壊片の中に残る粉体30は分離しない。
しかしながら、本実施例2では内壁1dの送風口44からの送風によって渦流Yを形成するため、ランキン渦のように内壁1dに集まった破壊片も連続的に渦流Yの影響を受け、結果、破壊片の中に残る粉体30が分離して浮遊する。
また、前記渦流Yと空気流Aによって乱流が生じ、容器1a内で衝撃破壊中の被処理体6が攪拌し易くなる。
【0090】
また、前記実施例1で説明したように、被処理体6の衝撃破壊前において、被処理体投入工程s1で被処理体6の投入時における衝撃羽1nへの噛み込みを防止できる。
【0091】
また、被処理体6の衝撃破壊中において、正回転工程s2で衝撃羽1nに噛み込んだ被処理体6の破壊片を逆回転噛み込み防止工程s3で取り除くことができる。
【0092】
また、前記逆回転噛み込み防止工程s3後にも関わらず衝撃羽1nに噛み込んだ被処理体6の破壊片が残った場合でも正回転噛み込み防止工程s4で確実に取り除くことができる。
【0093】
また、前記逆回転工程s5によって、容器1a内の被処理体6に正回転工程s2と逆の方向の力を与えて被処理体6を充分に攪拌させながら衝撃破壊できる上、被処理体6、特に金属担体7aの箔材の破壊状態の均質化が図れる。
【0094】
また、吸着工程s6によって粉体30に比べて自重の重い被処理体6の破壊片を、より細かく衝撃破壊してその遠心力により容器1a内の内壁1dに飛散させて吸着させることができ、一方、粉体30は前記遠心力により容器1a内の内壁1dへ向って浮遊するが、浮遊手段により容器1a内でより高く浮遊し、これにより粉体30のみを効率良く回収できる。
【0095】
さらに、被処理体6の衝撃破壊後において、被処理体排出工程s7で衝撃破壊後の被処理体6を排出口12へスムーズに移動させて排出できると同時に、衝撃羽1nへの噛み込みも防止できる。
【0096】
また、被処理体6の衝撃破壊中に渦流Yがその回転方向を衝撃羽1nの回転方向と一致させて繰り返し発生するため、容器1a内に乱流が生じて粉体30がより浮遊し易くなる。
【0097】
また、衝撃破壊後の被処理体6に粉体30が残らないため、衝撃破壊前の被処理体6に含まれていた粉体30を略全て回収することができ、ふるい機を省略することができる。
【0098】
なお、衝撃破壊機1、集塵機2のその他の作動については前記実施例1と同様であるため、その説明は省略する。
【0099】
また、本実施例2で説明した渦流Yの回転方向は衝撃羽1nの回転方向を考慮に入れて適宜設定することができる。
【0100】
以上、本発明の実施例を説明してきたが、本発明の具体的構成は本実施例に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更などがあっても本発明に含まれる。
【0101】
例えば、前述した各工程s1〜s7における衝撃羽1nの回転する所定の時間及び回転速度については適宜設定できる。また、回転速度v5についても回転速度v1〜v4よりも高い値であれば適宜設定できる。
【0102】
また、衝撃羽1nの形状、設置数については適宜設定できる。
【0103】
また、破壊分離機1、集塵機2、ふるい機4において金属触媒を含む粉体30が通過する個所に様々な種類のフィルタを設けても良い。
【0104】
さらに、本発明の金属触媒の破壊回収装置の使用方法は、クロム系ステンレス製の自動車用触媒、ニッケル系ステンレス製の化学プラント用触媒、セラミックス触媒等、金属触媒を金属製の担体または非金属製の担体に担持した様々な触媒に適用でき、その種類に応じて反射体1h、1pの設置の有無や設置数を適宜選択することは当然考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0105】
【図1】本発明の実施例1の破壊回収装置の全体図である。
【図2】実施例1の破壊分離機の内部を説明する平面図である。
【図3】図2のS3−S3線による側断面図である。
【図4】実施例1のフィルタ部材の分解斜視図である。
【図5】実施例1のフィルタ部材の装着を示す平面図である。
【図6】実施例1の衝撃羽の側断面図である。
【図7】実施例1のふるい機の動作を説明する図である。
【図8】実施例1の衝撃羽による被処理体の衝撃破壊の工程を説明する図である。
【図9】本発明の実施例2の金属触媒の破壊回収装置の全体図である。
【図10】実施例2の破壊分離機の内部を説明する側断面図である。
【図11】実施例2のフィルタ部材の分解斜視図である。
【図12】実施例2のフィルタ部材の斜視図である。
【図13】実施例2の破壊分離機の内部の様子を説明する図である。
【図14】実施例2の破壊分離機の作用を説明する図である。
【符号の説明】
【0106】
A 空気流
F フード
s1 被処理体投入工程
s2 正回転工程
s3 逆回転噛み込み防止工程
s4 正回転噛み込み防止工程
s5 逆回転工程
s6 吸着工程
s7 被処理体排出工程
1 破壊分離機
1a、4c 容器
1b 投入口
1c、1g 蓋
1d、4k 内壁
1e、19 第1吸引口
1f 開口部
1h、1p 反射体
1i 回転ロータ
1j カバー
1k 押圧プレート
1l 衝撃羽取付けプレート
1m 回転軸
1n 衝撃羽
1o 傾斜面
1q 底面プレート
1r 空気流A通路
1s 連通溝
1t 連通パイプ
1u、1z 回転ローラ
1v エアチューブ
1w アダプタ
1x ベルト
1y モータ
2 集塵機
2a 吸引ダクト
2b、4g、4h、4j フィルタ
2c、4r 貯溜容器
3 コンベア
4 ふるい機
4b 枢軸
4e 進出部材
4f 駆動装置
4i、4j 部屋
4l 吸引口
4p 縮径部
5、4a 基台
6 被処理体
7a 金属担体
7b 触媒コンバータ
10 外嵌部材
11 大気開放口
12 排出口
13 第2吸引口
20、41 フィルタ部材
21 開口部
22 外周部
23 吸引孔
24、25、26 吸引部
30 (金属触媒を含む)粉体
41a 後面部41a
41b 本体部
41c 取付孔
42 吸引孔
43 開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属触媒を担持した担体または該担体を金属製の筒に内装した触媒コンバータからなる被処理体を投入する容器と、
前記容器内で回転し、前記被処理体を自重で落下する大きさに衝撃破壊すると共に、前記被処理体から金属触媒を含む粉体を分離する衝撃羽と、
前記粉体を前記容器内でより高く上方へ浮遊させる浮遊手段と、
前記容器内に浮遊する粉体を吸引口から吸引して回収する集塵機を備えた金属触媒の破壊回収装置の使用方法であって、
前記衝撃羽を所定の時間及び回転速度で正回転させて被処理体を衝撃破壊する正回転工程と、
前記正回転工程の後、衝撃羽に被処理体の破壊片が噛み込むのを防止するために衝撃羽を所定の時間及び回転速度で逆回転させる逆回転噛み込み防止工程を備えることを特徴とする金属触媒の破壊回収装置の使用方法。
【請求項2】
請求項1記載の金属触媒の破壊回収装置の使用方法において、
前記逆回転噛み込み防止工程の後に、該衝撃羽に被処理体の破壊片が噛み込むのを防止するために衝撃羽を所定の時間及び回転速度で正回転させる正回転噛み込み防止工程を備えることを特徴とする金属触媒の破壊回収装置の使用方法。
【請求項3】
請求項1または2記載の金属触媒の破壊回収装置の使用方法において、
前記逆回転噛み込み防止工程または正回転噛み込み防止工程の後に、衝撃羽を所定の時間及び回転速度で逆回転させて被処理体を衝撃破壊する逆回転工程を備えることを特徴とする金属触媒の破壊回収装置の使用方法。
【請求項4】
請求項1〜3のうちいずれかに記載の金属触媒の破壊回収装置の使用方法において、
前記被処理体の破壊片を容器内の内壁に吸着させ、かつ、被処理体をより細かく衝撃破壊するために衝撃羽を所定の時間で、かつ、前記所定の回転速度よりも速い回転速度で正回転または逆回転させて被処理体を衝撃破壊する吸着工程を備えることを特徴とする金属触媒の破壊回収装置の使用方法。
【請求項5】
金属触媒を担持した担体または該担体を金属製の筒に内装した触媒コンバータからなる被処理体を投入する容器と、
前記容器内で回転し、前記被処理体を自重で落下する大きさに衝撃破壊すると共に、前記被処理体から金属触媒を含む粉体を分離する衝撃羽と、
前記粉体を前記容器内でより高く上方へ浮遊させる浮遊手段と、
前記容器内に浮遊する粉体を吸引口から吸引して回収する集塵機を備えた金属触媒の破壊回収装置の使用方法であって、
前記被処理体を容器に投入する際に、衝撃羽に被処理体の破壊片が噛み込むのを防止するために衝撃羽を所定の回転速度で正回転または逆回転させる被処理体投入工程を備えることを特徴とする金属触媒の破壊回収装置の使用方法。
【請求項6】
金属触媒を担持した担体または該担体を金属製の筒に内装した触媒コンバータからなる被処理体を投入する容器と、
前記容器内で回転し、前記被処理体を自重で落下する大きさに衝撃破壊すると共に、前記被処理体から金属触媒を含む粉体を分離する衝撃羽と、
前記粉体を前記容器内でより高く上方へ浮遊させる浮遊手段と、
前記容器内に浮遊する粉体を吸引口から吸引して回収する集塵機を備えた金属触媒の破壊回収装置の使用方法であって、
前記容器の下方に衝撃破壊後の被処理体を取り出すための排出口を設け、
前記衝撃破壊後の被処理体を排出口から取り出す際に、衝撃破壊後の被処理体を排出口へ移動させるために衝撃羽を所定の回転速度で正回転または逆回転させる被処理体排出工程を備えることを特徴とする金属触媒の破壊回収装置の使用方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate


【公開番号】特開2006−7042(P2006−7042A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−185533(P2004−185533)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000004765)カルソニックカンセイ株式会社 (3,404)
【Fターム(参考)】