説明

釣り情報表示装置の取付用具

【課題】釣り情報表示装置において、釣人が釣座を移動したり、魚とやりとりを行っている最中においても、釣り情報表示装置を視認できるようにする。
【解決手段】取付用具70は、釣り情報表示装置60を釣人Pの脚部Lに着脱自在に取り付けるための部材であって、釣人Pが立った姿勢で表示部63が上面に位置するように釣り情報表示装置60を釣人Pの大腿部L1に取り付け可能な第1取付用具74と、釣人Pが座った姿勢で表示部が上面に位置するように釣り情報表示装置60を釣人Pの大腿部L1に取り付け可能な第2取付用具75とを有している。第1取付用具74は、本体部71と、本体部71の一端側に設けられ釣り情報表示装置60に取付固定される第1取付部72と、本体部71の他端側に設けられ釣人Pの大腿部L1に着脱自在に取付可能な第2取付部73とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、取付用具、特に、釣りに関する各種の情報を表示する表示部を有する釣り情報表示装置を取り付けるための釣り情報表示装置の取付用に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、釣り用リールは、リール本体と、リール本体に装着されたスプールと、スプールを回転させるハンドルと、リール本体の上部に装着されるカウンタケースと、カウンタケースの上面に設けられ水深表示用の表示部を有する表示装置とを備えている。表示部は、たとえば液晶ディスプレイであり、棚位置や現在の仕掛けの水深等のリールに関する情報を表示することができる。
【0003】
この種の表示装置を有する釣り用リールでは、カウンタケースの表示部にはリールに関する情報が表示される。しかし、近年、リールに関する情報が増加し、表示部に全ての情報を表示することが困難になりつつある。そこで、リールに関する情報を表示可能な表示部を有する釣り情報表示装置をリールの外部に設け、釣り船の船縁に着脱自在に装着したものが知られている(たとえば、特許文献1参照)。この釣り情報表示装置は、リールに関する情報を表示させるだけでなく、魚群探知機や全地球測位システム(GPS)等からの釣りに関する情報を表示させることができる。また、魚群探知機等からの釣りに関する情報を表示する釣り情報表示装置には、釣り情報表示装置を釣竿に着脱自在に装着したり、釣り情報表示装置を釣人の腕に着脱自在に装着したものもが知られている(たとえば、特許文献2−4参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第4221281号公報
【特許文献2】特開平11−23708号公報
【特許文献3】特開2002−272338号公報
【特許文献4】特開2005−331323号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前記従来の釣り情報表示装置は、釣り船の船縁の所定の位置に装着されているので、釣人が釣竿を持って釣座を移動したときには、釣り情報表示装置を視認できなくなることがある。また、釣竿や釣人の腕に釣り情報表示装置が装着されている場合には、釣人が釣竿を脇に抱えて釣竿を上下に動かすジギング等の魚とやりとりを行っている最中には、釣竿や釣人の腕が激しく動くために、釣竿や釣人の腕に装着された釣り情報表示装置を視認することができなくなるおそれが生じる。
【0006】
本発明の課題は、釣り情報表示装置において、釣人が釣座を移動したり、魚とやりとりを行っている最中においても、釣り情報表示装置を視認できるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明1に係る釣り情報表示装置の取付用具は、釣りに関する各種の情報を表示する表示部を有する釣り情報表示装置を取り付けるための釣り情報表示装置の取付用具であって、本体部と、第1取付部と、第2取付部とを備えている。第1取付部は、本体部の一端側に設けられ、釣り情報表示装置に取付固定される。第2取付部は、本体部の他端側に設けられ、釣人の正面側かつ腕部より下側の部位に着脱自在に取付可能である。
【0008】
この釣り情報表示装置の取付用具では、釣り情報表示装置に取付固定される第1取付部と、釣人の正面側かつ腕部より下側の部位に着脱自在に取付可能な第2取付部とを有している。このような構成の取付用具を設けることによって、釣人の正面側かつ腕部より下側の部位、たとえば釣人の視界の範囲内となる、正面側の胸部、腹部、腰部、脚部等に釣り情報表示装置を着脱自在に装着することができるので、釣人が釣竿を持って釣座を移動したときでも、釣人の正面側かつ腕部より下側の部位に装着された釣り情報表示装置を視認できる。さらに、ジギング等の魚とやりとりを行っている最中において、釣竿や釣人の腕を激しく動かしたときでも、釣人の正面側かつ腕部より下側の部位に装着された釣り情報表示装置を視認できる。したがって、釣人が釣座を移動したり、魚とやりとりを行っている最中においても、釣り情報表示装置を視認できる。
【0009】
発明2に係る取付用具は、発明1の取付用具において、第2取付部は、釣人の脚部に着脱自在に取付可能である。この場合、釣人が釣竿を持っているときに、釣人の腕部や釣竿が接触しにくい釣人の脚部に釣り情報表示装置を装着することにより、釣り情報表示装置の視認性を向上できる。
【0010】
発明3に係る取付用具は、発明2の取付用具において、第2取付部は、釣人の大腿部に着脱自在に取付可能である。この場合、釣人の脚部のうち、釣人の顔に最も近い釣人の大腿部に釣り情報表示装置を装着できるので、釣り情報表示装置の視認性を向上できる。
【0011】
発明4に係る取付用具は、発明3の取付用具において、第2取付部は、表示部が常に上面に位置するように取付可能である。この場合、表示部が上面に位置しているので、釣り情報表示装置の視認性をさらに向上できる。
【0012】
発明5に係る取付用具は、発明4の取付用具において、第2取付部は、第3取付部と、第4取付部とを有している。第3取付部は、釣人が立った姿勢で表示部が上面に位置するように取付可能である。第4取付部は、釣人が座った姿勢で表示部が上面に位置するように取付可能である。この場合、釣人が立った姿勢または釣人が座った姿勢のいずれの姿勢であっても、表示部が上面に位置するようになっているので、釣人の姿勢に関わらず、釣り情報表示装置の視認性を向上できる。
【0013】
発明6に係る取付用具は、発明4の取付用具において、第2取付部は、表示部の向きを変更する向き調整機構を有している。この場合、向き調整機構によって、表示部が上面に位置するようになっているので、釣人の姿勢に関わらず、釣り情報表示装置の視認性を向上できる。
【0014】
発明7に係る取付用具は、発明1から6のいずれかの取付用具において、本体部は、ベルト形状に形成される。第2取付部は、ベルト形状の本体部を脚部に巻き付けることによって取り付ける。この場合、ベルト形状の本体部を脚部に巻き付けることによって、釣り情報表示装置の脚部への装着が容易になる。
【0015】
発明8に係る取付用具は、発明7の取付用具において、第2取付部は、表面に形成された面ファスナによって脚部に取り付固定する。この場合、面ファスナによって、釣り情報表示装置の脚部への脱着が容易になる。
【0016】
発明9に係る取付用具は、発明7又は8の取付用具において、第1取付部は、ベルト形状の本体部を釣り情報表示装置に形成された挿通穴部に挿通することによって釣り情報表示装置に取り付固定する。この場合、釣り情報表示装置に形成された挿通穴部にベルト形状の本体部を挿通する簡単な取付方法であるので、釣り情報表示装置の脚部への脱着が容易になる。
【0017】
発明10に係る取付用具は、発明1から9のいずれかの取付用具において、第1取付部は、釣り情報表示装置に着脱自在に装着される。この場合、釣り情報表示装置を船縁等で使用するときに、第1取付部が船縁等に接触したり破損したりすることを防止できる。
【0018】
発明11に係る取付用具は、発明1から9のいずれかの取付用具において、第1取付部は、釣り情報表示装置に着脱不能に固定される。この場合、釣り情報表示装置が強い力で引っ張られたとしても、釣り情報表示装置が外れてしまうことがなくなる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、釣り情報表示装置において、釣り情報表示装置に取付固定される第1取付部と、釣人の正面側かつ腕部より下側の部位に着脱自在に取付可能な第2取付部を有しているので、釣人が釣座を移動したり、魚とやりとりを行っている最中においても、釣り情報表示装置を視認できる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明の一実施形態による釣り情報表示装置が接続される電動リールの正面図。
【図2】釣り情報表示装置と電動リール及び魚群探知機との接続を示すブロック図。
【図3】前記釣り情報表示装置の正面図。
【図4】釣人が立った姿勢における釣り情報表示装置を釣人の大腿部に装着したときの模式図。
【図5】釣人が座った姿勢における釣り情報表示装置を釣人の大腿部に装着したときの模式図。
【図6】他の実施形態の釣人が立った姿勢における釣り情報表示装置を釣人の下腿部に装着したときの模式図。
【図7】他の実施形態の釣人が座った姿勢における釣り情報表示装置を釣人の下腿部に装着したときの模式図。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明の一実施形態が採用された釣り情報表示装置60は、図2及び図3に示すように、外部の電動リール100(図1及び図2参照)や魚群探知機90(図2参照)から送信されたリールに関する各種の情報を表示するための比較的小型の表示装置である。
【0022】
電動リール100は、図1及び図2に示すように、釣竿Rに装着されるリール本体1と、リール本体1の側方に配置されたスプール回転用のハンドル2と、ハンドル2のリール本体1側に配置されたドラグ調整用のスタードラグ3とを主に備えている。
【0023】
リール本体1は、図1に示すように、左右1対の第1側板7a及び第2側板7bとそれらを連結する複数の連結部材8とからなるフレーム7と、フレーム7の左右を覆う左右の第1側カバー9a及び第2側カバー9bとを有している。ハンドル2側(図1の右側)の第2側カバー9bには、ハンドル2の回転軸が回転自在に支持されている。
【0024】
リール本体1の内部には、図1に示すように、ハンドル2に連結されたスプール10が回転自在に支持されている。スプール10の内部には、スプール10を糸巻き上げ方向に回転駆動する直流駆動のモータ12が配置されている。また、リール本体1のハンドル2側の側面には、クラッチレバー11と、速度変更レバー13とが配置されている。クラッチレバー11は、第2側カバー9bのスプール10の回転軸の後上方に設けられ、ハンドル2と、モータ12及びスプール10との駆動伝達をオン、オフするレバー部材である。速度変更レバー13は、第2側カバー9bのスプール10の回転軸の前上方に設けられ、モータ12の回転をオン、オフするとともに、モータ12の回転を停止状態から最大回転状態まで揺動により指定するためのレバー部材である。
【0025】
リール本体1の上部には、図1に示すように、カウンタケース4が固定されている。カウンタケース4の上面には、仕掛けの水深や棚位置を水面からと底からとの2つの基準で表示するための液晶ディスプレイからなる表示部5と、表示部5の周囲に配置された操作部6とを有している。
【0026】
カウンタケース4内の上部には、図2に示すように、表示部5と、表示制御及びモータ御を行う制御部30とが配置されている。カウンタケース4内の下部にはモータ12をPWM駆動するPWM駆動回路31が配置されている。またカウンタケース4内の下部には、ブザー40とスプールセンサ41とが配置されている。
【0027】
制御部30は、カウンタケース4内に配置されたCPU、RAM、ROM、I/Oインターフェイス等を含むマイクロコンピュータを含んでいる。制御部30は、制御プログラムに従って表示部5の表示制御やモータ駆動制御等の各種の制御動作を実行する。制御部30には、図2に示すように、操作部6の各種のスイッチと、スプール10の回転方向及び回転数(回転位置データ)を検出するためのスプールセンサ41及びスプールカウンタ42と、速度変更レバー13とが接続されている。また、制御部30には、ブザー40と、PWM駆動回路31と、表示部5と、記憶部43と、通信部44と、他の入出力部とが接続されている。
【0028】
PWM駆動回路31は、モータ12を駆動するための駆動素子としてのFETを含んでいる。PWM駆動回路31は、制御部30によりデューティ比が制御されてモータ12を速度又は張力可変に駆動する。
【0029】
スプールセンサ41は、前後に並べて配置された2つのリードスイッチから構成されている。リードスイッチは、スプール10に連動して回転する磁石ホイールに装着された2個の磁石を検出する。この検出パルスをスプールカウンタ42で計数することでリールの回転数を検出できる。また、いずれのリードスイッチが先に検出パルスを発したかによりスプール10の回転方向を検出できる。
【0030】
スプールカウンタ42は、スプールセンサ41のオンオフ回数を計数するカウンタであり、この計数値によりスプール回転数に関する回転位置データやスプール回転速度が得られる。スプールカウンタ42は、スプール10が正転(糸繰り出し方向の回転)すると計数値が減少し、逆転すると増加する。
【0031】
記憶部43は、たとえばEEPROM等の不揮発メモリからなり、学習結果のデータや糸長算出時に使用する各種のデータ等が記憶されている。
【0032】
通信部44は、電動リール100の外部に設けられた釣り情報表示装置60の後述する通信部65(図2参照)と各種の情報を送受信可能である。
【0033】
釣り情報表示装置60は、図3に示すように、本体部64と、本体部64に装着され各種の情報を表示可能な表示部63と、表示部63の周囲に配置され各種の操作を行う操作部62と、本体部64の内部に配置され各種のデータを記憶する記憶部66とを有している。
【0034】
釣り情報表示装置60の内部には、図2に示すように、表示制御等を行うCPU、RAM、ROM、I/Oインターフェイス等を含むマイクロコンピュータからなる制御部61を有している。制御部61には、通信部65、操作部62の各種キー、各種の表示を行うための表示部63、各種のデータを記憶する記憶部66が接続されている。記憶部66には、たとえば複数の誘いデータ等の各種のデータが保持され、これらのデータを元に釣人が釣り情報表示装置60の操作部62を操作することにより、通信部65、通信部44、制御部30を介してリールの制御である棚停止機能、誘い機能や自動しゃくり機能等の制御を行うことができる。
【0035】
操作部62は、表示部63の表示制御等の各種の制御を行うスイッチである。操作部62は、釣り情報表示装置60側の制御だけでなく、電動リール100側の制御を行うことができる。たとえば操作部62の操作により、棚停止等の制御を行ったり、モータ12の回転制御等を行うことができる。
【0036】
表示部63は、ドットマトリックス方式の液晶ディスプレイであって、たとえばカラーTFT方式の液晶ディスプレイである。表示部63は、電動リール100の表示部5で表示可能な水深情報と、表示部5で表示可能な水深情報以外のリールに関する情報の他部分の情報との両方の情報が表示可能である。
【0037】
表示部63は、釣りモードのときは、中央に配置された4桁のドット数字表示の水深表示領域と、その下方に配置されたドット数字表示の底水深表示領域と、水深表示領域の右側に配置された変速段数表示領域とを有している。また、表示部63には、「底から」、「学習」、「指定」、「下巻」、「修正」、「入力」、「糸送止」、「0セット」の8つの文字を切り換えてドット表示可能である。「底から」の文字は、水深表示モードが底からモードの時に表示される。底からモードとは、仕掛けの水深を底基準で表示するモードである。なお、通常は、仕掛けの水深は水面基準(上からモード)で表示される。また、「学習」から「入力」までの文字は、糸巻モードの種類を示しており、いずれかが択一的に選択されると選択された糸巻モードの文字が表示される。また、表示部63は、情報モードのときは、ヘルプ表示や、誘いデータに関する設定や、各種の設定を行うためのオプション情報が表示可能である。このオプション情報表示画面では、水深情報以外の付加的な情報を表示したり、各種の設定を行うことができる。
【0038】
通信部65は、図2に示すように、電動リール100に設けられた通信部44及び魚群探知機90の通信部と無線通信可能である。また、釣り情報表示装置60と図示しない外部電源とは、鰐口式のコードにより連結され、これにより電力が供給されている。
【0039】
本体部64は、図3に示すように、各種の電気部品が収納される図3裏側の金属製のケース部材と、表示部63が設けられる図3表側の合成樹脂製のケース部材とを有するボックス形状のケース部材である。本体部64の図3表側の表示部63に対して下部及び両側部には、釣り情報表示装置60を釣人Pの脚部Lに着脱自在に取付可能な取付用具70を構成する後述する第1取付用具74及び第2取付用具75がそれぞれ設けられている。
【0040】
取付用具70は、図3から図5に示すように、釣り情報表示装置60を釣人Pの脚部Lに着脱自在に取り付けるための部材であって、図4に示す釣人Pが立った姿勢で表示部63が上面に位置するように釣り情報表示装置60を釣人Pの大腿部L1(太もも部分)に取り付け可能な第1取付用具74と、図5に示す釣人Pが座った姿勢で表示部が上面に位置するように釣り情報表示装置60を釣人Pの大腿部L1に取り付け可能な第2取付用具75とを有している。
【0041】
第1取付用具74は、図3及び図4に示すように、釣人Pが立った姿勢で表示部63が常に上面に位置するように釣り情報表示装置60を釣人Pの大腿部L1に着脱自在に取り付けるためのものである。第1取付用具74は、本体部71と、本体部71の一端側に設けられ釣り情報表示装置60に取付固定される第1取付部72と、本体部71の他端側に設けられ釣人Pの大腿部L1に着脱自在に取付可能な第2取付部73とを有している。本体部71は、合成樹脂製のジョイント部材であって、図3上側の第1取付部72が釣り情報表示装置60の下部に固定され、図3下側の第2取付部73(たとえばジョイント突起)が釣人Pの大腿部L1のウェーダー等の釣り用衣類等の表面に固定された図示しないジョイント凹部に着脱自在に装着される。第2取付部73は、図4に示すように、釣人Pの大腿部L1に対して略直交する方向に取り付けられており、このため、釣人Pが立った姿勢で釣り情報表示装置60の上面に配置された表示部63が常に上面に位置するようになっている。
【0042】
第2取付用具75は、図3及び図5に示すように、釣人Pが座った姿勢で表示部63が常に上面に位置するように釣り情報表示装置60を釣人Pの大腿部L1に着脱自在に取り付けるためのものである。第2取付用具75は、釣り情報表示装置60の図3左右両側設けられた本体部71と、本体部71の一端側に設けられ釣り情報表示装置60に取付固定される第1取付部72と、本体部71の他端側に設けられ釣人Pの大腿部L1に着脱自在に取付可能な第2取付部73とを有している。本体部71は、幅広布製のベルト部材であって、本体部71の一端側の第1取付部72が釣り情報表示装置60の両側部(図3左側及び右側)に固定され、ベルト状の本体部71を釣人Pの大腿部L1の周囲に巻き付け、本体部71の他端側の表面に形成された図示しない面ファスナからなる第2取付部73を結合することによって、釣り情報表示装置60が釣人Pの大腿部L1に着脱自在に装着される。第1取付部72は、図3に示すように、ベルト形状の本体部71を釣り情報表示装置60に形成された図示しない挿通穴部に挿通することによって釣り情報表示装置60に取り付け固定する。第2取付部73は、図5に示すように、釣人Pの大腿部L1に沿った方向に取り付けられており、このため、釣人Pが座った姿勢で釣り情報表示装置60の上面に配置された表示部63が常に上面に位置するようになっている。釣り情報表示装置に取付固定される第1取付部と、釣人の脚部に着脱自在に取付可能な第2取付部とを有している。
【0043】
このような釣り情報表示装置60を釣人Pの脚部Lに着脱自在に取り付けるための取付用具70では、釣り情報表示装置60に取付固定される第1取付部72と、釣人Pの大腿部L1に着脱自在に取付可能な第2取付部73とを有している。このような構成の取付用具70を設けることによって、釣人Pの正面側かつ腕部より下側の部位である釣人Pの大腿部L1に釣り情報表示装置60を着脱自在に装着することができるので、釣人Pが釣竿Rを持って釣座を移動したときでも、釣人Pの正面側かつ腕部より下側の部位である釣人Pの大腿部L1に装着された釣り情報表示装置60の表示部63を視認することができる。さらに、ジギング等の魚とやりとりを行っている最中において、釣竿Rや釣人Pの腕を激しく動かしたときでも、釣人Pの正面側かつ腕部より下側の部位である釣人Pの大腿部L1に装着された釣り情報表示装置60の表示部63を視認することができる。したがって、釣人Pが釣座を移動したり、魚とやりとりを行っている最中においても、釣り情報表示装置60を視認することができる。
【0044】
〔他の実施形態〕
(a) 前記実施形態では、電動リール100及び魚群探知機90と無線通信可能な釣り情報表示装置60を例にあげて説明したが、釣り情報表示装置60はこれに限定されるものではなく、電動リール100及び魚群探知機90の一方のみと無線通信させるようにしてもよいし、さらにGPS等の他の機器と無線通信させるようにしてもよい。また、釣人Pの脚部Lに取り付け可能であれば、電動リール100及び魚群探知機90と釣り情報表示装置60とを有線通信させる構成にしてもよい。
【0045】
(b) 前記実施形態では、取付用具70は、第1取付用具74と第2取付用具75とを有してが、図6及び図7に示すように、第1取付用具74又は第2取付用具75の一方のみ(図6及び図7では、第1取付用具74のみ設けたものを示している)を有する構成にしてもよい。
【0046】
(c) 前記実施形態では、第2取付部73は、釣人Pの正面側かつ腕部より下側の部位である釣人Pの大腿部L1に着脱自在に取付可能であったが、図6及び図7に示すように、釣人Pの正面側かつ腕部より下側の部位である釣人Pの下腿部L2(すね部分)に第2取付部73を着脱自在に取付可能な構成にしてもよい。
【0047】
(d) 前記実施形態では、第2取付部73は、釣人Pの正面側かつ腕部より下側の部位である釣人Pの脚部Lに着脱自在に取付可能であったが、釣人Pの正面側かつ腕部より下側の部位であれば、釣人Pの視界の範囲内となる、正面側の胸部、腹部、腰部等に第2取付部73を着脱自在に取付可能な構成にしてもよい。具体的には、フローティングベスト等の釣り用衣類等の表面に第2取付部73を着脱自在に取り付け、釣人Pの胸部に第2取付部73を着脱自在に取り付けるようにしてもよいし、ベルトやウエストポーチ等の表面に第2取付部73を着脱自在に取り付け、釣人Pの腰部に第2取付部73を着脱自在に取り付けるようにしてもよい。この場合には、釣人Pが立った姿勢と釣人Pが座った姿勢とに姿勢を変更したときに、釣人Pの胸部や腹部や腰部等と、釣人Pの頭部との相対位置(角度)が大きく変わらないので、表示部5の画面が一定方向を向くよう取り付け固定した場合でも、釣人Pの動作によって視認性が大きく変化しにくくなる。
【0048】
(e) 前記実施形態では、第2取付部73は、表示部63の向きは常に上面を向くように所定の向きで固定されていたが、たとえば第2取付部73に揺動自在かつ揺動位置固定可能な機構を設け、表示部63の向きを変更する向き調整機構を有する構成にしてもよい。
【0049】
(f) 前記実施形態では、第1取付部72は、釣り情報表示装置60に固定されていたが、釣り情報表示装置60に第1取付部72を着脱自在に装着する構成にしてもよい。
【0050】
(g) 前記実施形態では、釣り情報表示装置60は、比較的小型の表示装置であったが、表示装置の大きさは、これに限定されるものではなく、たとえば携帯電話程度の大きさとなるようにさらに小型の表示装置であってもよい。また、釣り情報表示装置60の周囲を覆うように装着されラバーやシリコン樹脂等からなる保護部材をさらに設けてもよい。この場合には、釣人がジギング等を行っているときに不意に船縁等に釣人Pの大腿部L1に取り付けられた釣り情報表示装置60をぶつけてしまったとしても、保護部材を設けることによって釣り情報表示装置60に対する衝撃を和らげることができる。
【符号の説明】
【0051】
1 リール本体
2 ハンドル
3 スタードラグ
4 カウンタケース
5 表示部
6 操作部
7 フレーム
7a 第1側板
7b 第2側板
8 連結部材
9a 第1側カバー
9b 第2側カバー
10 スプール
11 クラッチレバー
12 モータ
13 速度変更レバー
30 制御部
31 PWM駆動回路
40 ブザー
41 スプールセンサ
42 スプールカウンタ
43 記憶部
44 通信部
60 釣り情報表示装置
61 制御部
62 操作部
63 表示部
64 本体部
65 通信部
66 記憶部
70 取付用具
71 本体部
72 第1取付部
73 第2取付部
74 第1取付用具
75 第2取付用具
90 魚群探知機
100 電動リール
L 脚部
L1 大腿部
L2 下腿部
P 釣人
R 釣竿

【特許請求の範囲】
【請求項1】
釣りに関する各種の情報を表示する表示部を有する釣り情報表示装置を取り付けるための釣り情報表示装置の取付用具であって、
本体部と、
前記本体部の一端側に設けられ、前記釣り情報表示装置に取付固定される第1取付部と、
前記本体部の他端側に設けられ、釣人の正面側かつ腕部より下側の部位に着脱自在に取付可能な第2取付部と、
を備えた釣り情報表示装置。
【請求項2】
前記第2取付部は、前記釣人の脚部に着脱自在に取付可能である、請求項1に記載の釣り情報表示装置の取付用具。
【請求項3】
前記第2取付部は、前記釣人の大腿部に着脱自在に取付可能である、請求項1に記載の釣り情報表示装置の取付用具。
【請求項4】
前記第2取付部は、前記表示部が常に上面に位置するように取付可能である、請求項3に記載の釣り情報表示装置の取付用具。
【請求項5】
前記第2取付部は、前記釣人が立った姿勢で前記表示部が上面に位置するように取付可能な第3取付部と、前記釣人が座った姿勢で前記表示部が上面に位置するように取付可能な第4取付部とを有している、請求項4に記載の釣り情報表示装置の取付用具。
【請求項6】
前記第2取付部は、前記表示部の向きを変更する向き調整機構を有している、請求項4に記載の釣り情報表示装置の取付用具。
【請求項7】
前記本体部は、ベルト形状に形成され、
前記第2取付部は、ベルト形状の前記本体部を前記脚部に巻き付けることによって取り付ける、請求項1から6のいずれか1項に記載の釣り情報表示装置の取付用具。
【請求項8】
前記第2取付部は、表面に形成された面ファスナによって前記脚部に取り付固定する、請求項7に記載の釣り情報表示装置の取付用具。
【請求項9】
前記第1取付部は、ベルト形状の前記本体部を前記釣り情報表示装置に形成された挿通穴部に挿通することによって前記釣り情報表示装置に取り付固定する、請求項7又は8に記載の釣り情報表示装置の取付用具。
【請求項10】
前記第1取付部は、前記釣り情報表示装置に着脱自在に装着される、請求項1から9のいずれか1項に記載の釣り情報表示装置の取付用具。
【請求項11】
前記第1取付部は、前記釣り情報表示装置に着脱不能に固定される、請求項1から9のいずれか1項に記載の釣り情報表示装置の取付用具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−78372(P2011−78372A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234714(P2009−234714)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【出願人】(000002439)株式会社シマノ (1,038)
【Fターム(参考)】