説明

鉄筋連結具

【課題】直棒鉄筋とL型鉄筋とを所定の直交状態を確実に保持しながら連結できるとともに、簡単かつスムーズに連結作業を行える鉄筋連結具を提供する。
【解決手段】水平に設置される直線状の直棒鉄筋104と、L字状に屈曲され鉛直に立ち上がった縦棒部106aと該縦棒部の下端から水平に配置される横棒部106bとを含むL型鉄筋106と、をL型鉄筋のL字隅部位置106cに直棒鉄筋104を配しつつL型鉄筋の縦棒部106aと横棒部106bとのいずれもが直棒鉄筋104に対して直交する状態で連結する鉄筋連結具であり、直棒鉄筋104に係着する第1係着部12と、第1係着部12に接続され、L型鉄筋の縦棒部106aに係着しL型鉄筋の倒れ込みを防止しつつL型鉄筋106と直棒鉄筋104との直交状態を保持する第2係着部14と、を備えたことを特徴とする鉄筋連結具10から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、鉄筋コンクリート構造物に用いられる鉄筋を配筋する際に直棒鉄筋とL型鉄筋とを連結するのに用いられる鉄筋連結具に関する。
【背景技術】
【0002】
土木・建築物等の構造物を構築する際に強度を確保するために鉄筋コンクリート構造を用いる場合がある。図20、図21に示すように、例えば、ブロック塀Fや土留め等の比較的小規模な外構において、基礎部100は、所定位置の地盤Gを掘削した後に砕石102等を敷設し、次いで直線状の直棒鉄筋104及びL字状に屈曲されたL型鉄筋106を配置し、型枠を組んでコンクリートを打設し、コンクリートが固化した後に型枠を取り外して形成される。そして、基礎部100の上にコンクリートブロック108の開口部にL型鉄筋106の縦棒部106a等を挿通させつつ積み上げていき、該コンクリートブロック108を互いにコンクリートやモルタルにより固定して、ブロック塀等が形成される(例えば、特許文献1参照)。図22にも示すように、上記基礎部100の施工時において直棒鉄筋及びL型鉄筋を配置する作業では、直棒鉄筋104を水平方向に平行に配置し、鉛直に立ち上がった縦棒部106aと該縦棒部106aの下端から水平に配置される横棒部106bとを含むL型鉄筋106が直棒鉄筋104の長手方向に沿って所定間隔で複数配置される。L型鉄筋106は、そのL字隅部位置106c内側に直棒鉄筋104を配置しつつ該縦棒部106a及び横棒部106bは直棒鉄筋104に対して直交するように交差された状態で配置される。従来では、直棒鉄筋104及びL型鉄筋106が所定の交差配置位置からずれないように例えば、直交状態で交差している2つの鉄筋104、106どうしをL字隅部106c近傍で鉄線により互いに結束して連結していた。
【0003】
【特許文献1】特開平10−266223号公報(明細書「従来の技術」、図7、図8)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、例えば、上記のように直棒鉄筋とL型鉄筋との直交部位を鉄線で結束するだけでは、直棒鉄筋とL型鉄筋との所定の直交状態を十分に保持することが困難であるから、鉛直に立ち上がったL型鉄筋の縦棒部106aが比較的長いので、図22の仮想線で示すようにL型鉄筋の縦棒部106a自身の重量で横に倒れたり、コンクリートを流し込む際に流し込むコンクリートやその作業機器等に当たることで横に倒れたりしやすい問題があった。例えば、補助的にL型鉄筋を支持するために他の鉄筋や板材等を配して仮設の鉄筋支持構造を構築する方法も考えられるが、該仮設用の鉄筋等の配置やコンクリート固化後の仮設鉄筋等の撤去作業等が必要となり、基礎部全体の施工に係る労力も大きく、時間かかり高コストとなっていた。さらに、直棒鉄筋とL型鉄筋とを鉄線を結束する作業の際にL型鉄筋がぐらつきやすいので、L型鉄筋の支持と鉄線の巻き付け作業を1人だけで行うのは困難であり、人手を要し煩雑で手間がかかるうえ、中腰の姿勢で行われる為労力も大きく、時間もかかる問題があった。
【0005】
本発明は上記従来の課題に鑑みてなされたものであり、その一つの目的は、直棒鉄筋とL型鉄筋とを所定の直交状態を確実に保持しながら連結できるとともに、簡単かつスムーズに連結作業を行える鉄筋連結具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために本発明は、水平に設置される直線状の直棒鉄筋104と、L字状に屈曲され鉛直に立ち上がった縦棒部106aと該縦棒部の下端から水平に配置される横棒部106bとを含むL型鉄筋106と、をL型鉄筋のL字隅部位置106cに直棒鉄筋104を配しつつL型鉄筋の縦棒部106aと横棒部106bとのいずれもが直棒鉄筋104に対して直交する状態で連結する鉄筋連結具であり、直棒鉄筋104に係着する第1係着部12と、第1係着部12に接続され、L型鉄筋の縦棒部106aに係着しL型鉄筋の倒れ込みを防止しつつL型鉄筋106と直棒鉄筋104との直交状態を保持する第2係着部14と、を備えたことを特徴とする鉄筋連結具10から構成される。
【0007】
また、第2係着部14は、L型鉄筋の縦棒部106aの長手方向に沿ってあてがわれる円弧状筒部材26と、円弧状筒部材18に一体的に設けられてL型鉄筋106へのあてがい状態を保持する保持部28と、を含むこととしてもよい。
【0008】
また、第1係着部12は、直棒鉄筋104の長手方向に沿ってあてがわれる円弧状筒部材16と、円弧状筒部材16に一体的に設けられて直棒鉄筋104へのあてがい状態を保持する保持部18と、を含み、第1係着部12の円弧状筒部材16の中間位置に第2係着部14の円弧状筒部材16の下端部側を接続して正面視逆T字状に構成されたこととしてもよい。すなわち、第1係着部12の円弧状筒部材16に対して第2係着部14の円弧状筒部材26は垂直に固定されており、L型鉄筋の所定の直交状態を保持できる。また、例えば、第1係着部12の下方に他の構成要素や部材等を存在させないように構成すると、L型鉄筋の横棒部に沿わせて他の鉄筋を配置する必要があるときにも該他の鉄筋の障害とならず、種々の配筋構成でも実用的に利用できる。
【0009】
また、保持部18、28は、略C字状に形成され、かつC字開口部22a、32、を拡大縮小して各鉄筋104、106に嵌着状に係着するクリップ片部22、32を含むこととしてもよい。
【0010】
また、直棒鉄筋104及びL型鉄筋106は長手方向に所定間隔で節110が設けられる異形鉄筋であり、第1係着部12及び/又は第2係着部14は、円弧状筒部材16、26の異形鉄筋への当接面側に異形鉄筋の節110に噛み合い状に係合して該円弧状筒部材16、26の異形鉄筋の長手方向へのずれ移動を規制する凹凸部36が設けられたこととしてもよい。基本的には凹凸部36は設けなくても良いが、凹凸部36を設けるとずれ止め機能を向上できる。凹凸部36は、例えば円弧状筒部材16,26の長手方向或いは円弧長さ方向の一部のみに設けてもよく、全体にわたって形成してもよい。凹凸部36は、例えば、円弧状筒部材の円弧内面に凹溝38を形成したり、逆に円弧内面から凸部を突設したり、一部を切欠いたり等その他任意の構成でよい。凹凸部の間隔は、例えば、異形鉄筋の節110の間隔に対応した間隔でもよく、また該節の間隔よりも密に(短い間隔で)凹凸を形成した構成でもよい。
【0011】
また、第1係着部12から下方に垂設状に接続され、L型鉄筋の横棒部106bに孔貫通状に係着して該横棒部を支持する第3係着部46を含むこととしてもよい。L型鉄筋の横棒部106bの側方及び下方側に係着する形態であると好適である。
【0012】
また、第3係着部46は、L型鉄筋の横棒部106bに巻き付き状に係着する1個又は1対の帯状把持片48を含むこととしてもよい。
【0013】
また、第3係着部46は、第1係着部の円弧状筒部材16を一体的に形成した金属薄板であって、L型鉄筋の横棒部106bを貫通させる貫通孔52と、貫通孔52内と外側とを連通する横棒部の径より小幅の切欠き部54と、を有する金属薄板51からなることとしてもよい。
【発明の効果】
【0014】
本発明の鉄筋連結具によれば、水平に設置される直線状の直棒鉄筋と、L字状に屈曲され鉛直に立ち上がった縦棒部と該縦棒部の下端から水平に配置される横棒部とを含むL型鉄筋と、をL型鉄筋のL字隅部位置に直棒鉄筋を配しつつL型鉄筋の縦棒部と横棒部とのいずれもが直棒鉄筋に対して直交する状態で連結する鉄筋連結具であり、直棒鉄筋に係着する第1係着部と、第1係着部に接続され、L型鉄筋の縦棒部に係着しL型鉄筋の倒れ込みを防止しつつL型鉄筋と直棒鉄筋との直交状態を保持する第2係着部と、を備えたことから、第1係着部を直棒鉄筋に第2係着部をL型鉄筋にそれぞれ係着させた際に第2係着部によりL型鉄筋を支持するので、直棒鉄筋とL型鉄筋とを所定の直交状態を確実に保持しながら連結することができる。同時に、従来の鉄線の巻き付け作業に比較して1人でも簡単に連結作業を行える。したがって、施工全体の作業を円滑に行え、作業の省力化、施工期間の短縮及び施工コストの低減を実現できる。
【0015】
また、第2係着部は、L型鉄筋の縦棒部の長手方向に沿ってあてがわれる円弧状筒部材と、円弧状筒部材に一体的に設けられてL型鉄筋へのあてがい状態を保持する保持部と、を含む構成とすることにより、簡単な構造であり、L型鉄筋の縦棒部に簡単に装着させて該縦棒部を良好に支持でき、L型鉄筋の倒れ込み等を有効に防止しながら所定の直交状態を確実に保持できる。
【0016】
また、第1係着部は、直棒鉄筋の長手方向に沿ってあてがわれる円弧状筒部材と、円弧状筒部材に一体的に設けられて直棒鉄筋へのあてがい状態を保持する保持部と、を含み、第1係着部の円弧状筒部材の中間位置に第2係着部の円弧状筒部材の下端部側を接続して正面視逆T字状に構成されることにより、第1係着部と第2係着部とを垂直状態で強固に連結した構造を簡単に具現でき、確実に所定の直交状態を保持できる。また、簡単に製造を行え、低コストで生産できる。
【0017】
また、保持部は、略C字状に形成され、かつC字開口部を拡大縮小して各鉄筋に嵌着状に係着するクリップ片部を含む構成とすることにより、第1、第2係着部の各鉄筋への取り付け操作を簡単に行なえると同時に、クリップ片部により鉄筋を締め付けて第1、第2係着部の鉄筋への装着状態を保持でき、直棒鉄筋とL型鉄筋との所定の直交状態を保持できる。
【0018】
また、直棒鉄筋及びL型鉄筋は長手方向に所定間隔で節が設けられる異形鉄筋であり、第1係着部及び/又は第2係着部は、円弧状筒部材の異形鉄筋への当接面側に異形鉄筋の節に噛み合い状に係合して該円弧状筒部材の異形鉄筋の長手方向へのずれ移動を規制する凹凸部が設けられた構成とすることにより、円弧状筒部材に設けた凹凸部を異形鉄筋の節に係合させて第1、第2係着部の鉄筋への係着位置が鉄筋の長手方向に沿ってずれるのを有効に防止でき、各鉄筋の所定の配置位置を保持できる。
【0019】
また、第1係着部から下方に垂設状に接続され、L型鉄筋の横棒部に孔貫通状に係着して該横棒部を支持する第3係着部を含む構成とすることにより、第3係着部を介してL型鉄筋の横棒部を吊り上げ状に支持して該L型鉄筋の下方へのずれを確実に防止できるとともに、横棒部の側方へのずれやぶれを防止でき、直棒鉄筋とL型鉄筋との所定の直交状態をより確実なものとし、直交保持機能の確実性をより向上できる。
【0020】
また、第3係着部は、L型鉄筋の横棒部に巻き付き状に係着する1個又は1対の帯状把持片を含む構成とすることにより、構成を複雑化させたりコストアップさせたりすることなく簡単な構成で第3係着部を具体的に実現できる。さらに、第3係着部をL型鉄筋の横棒部に交差方向から装着させることができ、第3係着部の係着操作を簡単に行なえる。また、例えば、L型鉄筋の横棒部に沿わせて他の鉄筋を配置する必要があるときも帯状把持片が比較的邪魔になりにくい。
【0021】
また、第3係着部は、第1係着部の円弧状筒部材を一体的に形成した金属薄板であって、L型鉄筋の横棒部を貫通させる貫通孔と、貫通孔内と外側とを連通する横棒部の径より小幅の切欠き部と、を有する金属薄板からなる構成とすることにより、簡単な構成で第3係着部を具体的に実現できる。また、金属薄板の切欠き部近傍を変形して小幅の切欠き部を開くことで横棒部に交差方向から装着させることができ、第3係着部の係着操作を簡単に行なえる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下添付図面を参照しつつ本発明の鉄筋連結具の実施形態について説明する。本実施形態に係る鉄筋連結具は、例えば、図20、図21に示すようなブロック塀F等の基礎部100等の鉄筋コンクリート構造物等に用いられる鉄筋、特に図22に示すような所定の直交状態で交差される直棒鉄筋104とL型鉄筋106とを連結するのに有効な鉄筋連結具である。図2にも示すように、鉄筋連結具は、水平に設置される直線状の直棒鉄筋104と、L字状に屈曲され鉛直に立ち上がった縦棒部106aと該縦棒部106aの下端から水平に配置される横棒部106bとを含むL型鉄筋106と、をL型鉄筋106のL字隅部位置106cに直棒鉄筋104を配しつつL型鉄筋の縦棒部106aと横棒部106bとのいずれもが直棒鉄筋104に対して直交する状態で連結する鉄筋連結具である。すなわち、直角L字状に屈曲されたL型鉄筋106のL字隅部位置106c内側に、直棒鉄筋104がL型鉄筋の縦棒部106a及び横棒部106bに対して直交して配置され、直棒鉄筋104がL型鉄筋の縦棒部106aと横棒部106bとが略3次元直交状となる直交状態(垂直交差状態)で、それらの直棒鉄筋104とL型鉄筋106とを該直交状態を保持しながら連結する直交保持手段付きの鉄筋連結具である。なお、本実施形態では、直棒鉄筋104及びL型鉄筋106は、図2、図5に示すように、例えば、断面円形の鉄製棒材でありそれぞれ長手方向に所定間隔で突出した節(リブ)110が設けられる異形鉄筋からなる。図20、図21、図22等の一部の図面では節を省略して各鉄筋を示している。
【0023】
図1ないし図7は、本発明の鉄筋連結具の第1の実施形態を示している。図1、図2に示すように、この実施形態では、鉄筋連結具10は、直棒鉄筋104に係着する第1係着部12と、L型鉄筋106に係着する第2係着部14と、を備えている。
【0024】
図1、図2に示すように、第1係着部12は、例えば直棒鉄筋104のL型鉄筋106との交差位置周辺に係着する直棒鉄筋係着手段である。本実施形態では、第1係着部12は、例えば直棒鉄筋104を把持して固定状に係着する第1把持手段を有する。図3、図4、図5にも示すように、第1係着部12は、例えば、薄肉厚の鉄板を曲成して形成されており、第1円弧状筒部材16と、第1円弧状筒部材16に一体的に設けられる第1保持部18と、を含む。
【0025】
第1円弧状筒部材16は、直棒鉄筋104の長手方向に沿ってあてがわれる係着部材であり、例えば、直棒鉄筋の外径と略同じ程度の内径となる断面略半円形状で横長に設けられている。図6にも示すように、第1円弧状筒部材16の円弧内側は裏面側が開口20しており、円弧状筒部材16内側空間と外部とが連通している。
【0026】
第1保持部18は、第1円弧状筒部材16を直棒鉄筋104にあてがった状態を保持する部位であり、該円弧状筒部材の該鉄筋104への取り付け手段ともいえる。第1保持部18は、直棒鉄筋104に直交するL型鉄筋106の邪魔にならないように後述の第2係着部14の接続位置を避けた位置、本実施形態では、第1円弧状筒部材16の左右両端部側に設けられている。第1保持部18は、例えば、略C字状に形成され直棒鉄筋104に嵌着状に係合するクリップ片部22を含む。クリップ片部22は、そのC字形状の中間部を円弧状筒部材16の一部と共通させた構造により該第1円弧状筒部材16に一体的に設けられており、クリップ片部22により直棒鉄筋を締め付け状に把持して係着する。さらにクリップ片部22のC字開口部側の端部には外側に向けて次第に開口を広げるように略ハ字状に延長された耳片24が形成されている。図7に示すように、クリップ片部22は、例えば、C字開口部22aを拡大縮小するように変形できる。よって、例えば、耳片24を介してC字開口側から直棒鉄筋にあてがって第1円弧状筒部材16全体を押し込み状に操作させるだけで、C字開口側からC字内側に直棒鉄筋104を挿入させて嵌着させることができる。これにより、取り付け操作が簡単に行なえる。なお、必要に応じて耳片24を指で摘んでクリップ片部22を直棒鉄筋に締め付けてより強固に嵌着させうる。なお、第1円弧状筒部材16及びクリップ片部22を含めて全体的に薄肉厚の鉄板からなるので直棒鉄筋104の径の大きさが多少異なる場合にもその径に対応して容易に変形し取り付けることができる。
【0027】
第2係着部14は、図1、図2に示すように、第1係着部12に接続されつつL型鉄筋の縦棒部106aに係着するL型鉄筋縦棒部係着手段であり、第1係着部12と協働して(すなわち第1係着部を直棒鉄筋に係着させた状態で)直棒鉄筋とL型鉄筋とを連結し、かつその連結状態ではL型鉄筋の縦棒部の倒れ込みを防止しつつ直棒鉄筋とL型鉄筋との所定の直交状態を保持する直交保持手段25を実現する。第2係着部14のL型鉄筋の縦棒部への係着位置は、L型鉄筋のL字隅部位置104cすなわち直棒鉄筋104の配置位置よりも上方にある程度離隔した部分に係着するように構成されており、該縦棒部を良好に支持しうる。本実施形態では、第2係着部14は、例えばL型鉄筋の縦棒部106aを把持して固定状に係着する第2把持手段を有する。図3、図4、図5にも示すように、第2係着部14は、例えば、第1係着部と略同じように厚さ0.5mm程度の薄肉厚の鉄板を曲成して形成されており、第2円弧状筒部材26と、該第2円弧状筒部材26に一体的に設けられる第2第2保持部28と、を含む。
【0028】
第2円弧状筒部材26は、L型鉄筋の縦棒部106aの長手方向に沿ってあてがわれる係着部材であり、例えば、該縦棒部106aの外径と略同じ程度の内径となる断面半円形状で縦長に設けられている。図6にも示すように、第2円弧状筒部材26の円弧内側は裏面側が開口30しており、円弧状筒部材26内側空間と外部とが連通している。第2円弧状筒部材26は、鉛直方向に立てられた状態でその下端部側に接続部31が一体的に設けられており、該接続部31を介して第1円弧状筒部材16の左右中間位置の上部側に接続されている。すなわち、図3に示すように、第2円弧状筒部材26と第1円弧状筒部材16とは正面視で略逆T字状に構成され、第2円弧状筒部材26は第1円弧状筒部材16に対して垂直な状態で強固に保持された構造となっている。第2円弧状筒部材26の開口30の向きは第1円弧状筒部材16の開口20と同じ向きに設定されている。さらに、図4に示すように、上記のような所定の直交状態で配置される直棒鉄筋104とL型鉄筋の縦棒部106aとの位置関係に対応して、側面視で第2円弧状筒部材26の位置は第1円弧状筒部材16に対して開口20側の開放方向にずれた位置で設定されている。
【0029】
第2保持部28は、第2円弧状筒部材26をL型鉄筋の縦棒部106aにあてがった状態を保持する部位であり、該円弧状筒部材の取り付け手段ともいえる。第2保持部28は、例えば、第2円弧状筒部材26の上端部と長手方向中間位置とにそれぞれ縦に離隔して設けられ、縦棒部106aの離隔2箇所位置を把持している。第2保持部28は、上記第1保持部18と略同じ構成であり、例えば略C字状に形成されL型鉄筋の縦棒部106aに嵌着状に係合するクリップ片部32を含む。クリップ片部32はそのC字形状の中間部を円弧状筒部材26の一部と共通させた構造により該第2円弧状筒部材26に一体的に設けられ、クリップ片部32によりL型鉄筋の縦棒部106aを締め付け状に把持して係着する。さらにクリップ片部32のC字開口部側の端部には外側に向けて次第に開口を広げるように略ハ字状に延長された耳片34が形成されている。図7に示すように、クリップ片部32は、例えば、C字開口部34aを拡大縮小するように弾発状に変形できる。よって、例えば、耳片24を介してC字開口側から縦棒部106aにあてがって第2円弧状筒部材26全体を押し込み状に操作させるだけで、C字開口側からC字内側に縦棒部106aを挿入させて嵌着させることができる。これにより、第2係着部の取り付け操作を簡単に行なえるとともに、第1係着部12を直棒鉄筋に係着させた状態でもL型鉄筋への取り付け操作を円滑かつ確実に行える。なお、必要に応じて耳片34を指で摘んでクリップ片部32を縦棒部に締め付けてより強固に嵌着させうる。なお、第2円弧状筒部材26及びクリップ片部32を含めて全体的に薄肉厚の鉄板からなるので縦棒部106bの径の大きさが多少異なる場合にもその径に対応して容易に変形し取り付けることができる。
【0030】
本実施形態では、接続部31を含め第1係着部12と第2係着部14とは(すなわち第1円弧状筒部材16と第1保持部18と第2円弧状筒部材18と第2保持部28と接続部31とは)、例えば、一枚の薄肉厚の鉄板を所定形状に切断又は打ち抜きした後、図に示す形状に曲成加工して一体的に形成されている。よって、第1係着部12と第2係着具とを一体的で強固な構造を実現でき、直棒鉄筋とL型鉄筋との連結状態での所定の直交状態の保持構成を具現できるとともに、鉄筋連結具10を低コストで製造できる。なお、鉄筋連結具は、例えば型に溶融金属を流して成型してもよい。
【0031】
図5、図6に示すように、第1円弧状筒部材16及び第2円弧状筒部材26の各鉄筋104、106に当接する円弧内面側には、直棒鉄筋及びL型鉄筋の節110と噛み合い状に係合する凹凸部36が形成されている。凹凸部36は、所定間隔で凹凸を繰り返して形成されており、該円弧状筒部材の異形鉄筋の長手方向へのずれ移動を規制する位置ずれ防止機能を具現する。これにより、凹凸部36は第1、第2保持部18、28と協働して例えば、L型鉄筋がその重さで下方に移動することによりL型鉄筋の縦方向位置がずれたり、L型鉄筋が直棒鉄筋の長手方向に沿って移動して所定の配筋位置からずれたりしにくくなり、所定の直交状態での配筋位置を良好に保持できる。本実施形態では、凹凸部36は、例えば、第1、第2円弧状筒部材16、26の円弧内面側に鉄筋104、106aの節110を嵌合状に受け入れる複数の円弧状の凹溝38からなる。凹溝38の形成は、例えば、薄肉厚の鉄板からなる円弧状筒部材16、26の一部を鉄筋の節110の形状に対応して凹み形成させており、該円弧状筒部材16、26の外側には凹溝38の形成に対応した凸状変形部40が形成されている。なお、図上では、凹溝38は、鉄筋の節の間隔に対応した間隔で数個も受けられた構成であるが、これに限らず、例えば、多数の凹溝38を形成してもよい。また、例えば、比較的近接した位置に複数の凹凸部を形成しておくと、鉄筋の節110の位置を微調整することができる。また、凹凸部は凹溝とは逆に円弧状筒部材16、26の円弧内側に鉄筋の節110に噛み合い状に係止するように凸部を1個又は複数個突設した構造でもよい。なお、凹凸部は必ずしも設けなくてもよい。第1、第2係着部及び第1、第2保持部による各鉄筋への係着でずれ止めを行わせる構造としてもよい。
【0032】
上記のような構造により、鉄筋連結具10は、水平に設置した直棒鉄筋104に第1係着部12を係着させた後、直棒鉄筋104に対してL型鉄筋のL字隅部104cを近接しつつ、縦棒部106a及び横棒部106bを直交させた所定の直交状態で第2係着部14に係着させて鉄筋104、106どうしを連結する(図2参照)。この連結状態では、第1、第2係着部14によりL型鉄筋の縦棒部106aの倒れ込みを防止して所定の直交状態を保持できるので、例えば配筋後のコンクリート打設作業等を円滑に行える。また、従来の鉄線の結束に比較して極めて簡単に連結作業を行うことができ、例えば、1人の作業者だけでもスムーズに連結することができる。なお基本的には、鉄筋連結具10により直棒鉄筋とL型鉄筋との直交状態を保持して連結されるが、必要に応じて(例えば、L型鉄筋の縦棒部が長い場合などには)、鉄筋連結具10に併用して補助的に鉄線等を用い、鉄筋連結具10とL型鉄筋又は直棒鉄筋とを鉄線で結束してより強固な連結構造とすることもできる。この際でも、先に鉄筋連結10により鉄筋を連結させておくので、補助的な鉄線結束作業も比較的スムーズに行える。なお、本実施形態に係る鉄筋連結具10を例えば、直線状の鉄筋どうしの十字交差部分を連結するのに利用することもできる。
【0033】
なお、第1、第2係着部12、14の構成は上記実施形態のものに限らない。例えば、第1、第2円弧状筒部材16、26は、例えば、比較的軸方向に短いものでもよく、断面円弧形状の弧の長さ等は任意でよい。また、2つ以上の複数個の円弧状筒部材を併設した構成としても良い。また円弧状筒部材に限らず、例えば、コ字形状部材やフレーム構造に鉄筋を把持する保持部等を形成した構成等その他鉄筋の所定の直交状態を保持できる構成であれば任意でよい。また、例えば、上記構成で第1円弧状筒部材16の下方側の一部を凹状に切欠いて、L型鉄筋の横棒部106bが直棒鉄筋104に当接するように構成してもよい。また、保持部18、28は、クリップ片部22、32の構成に限らない。例えば、第1、第2円弧状筒部材16、26を形成する鉄板の一部を弾性変形、又は折り曲げ等による塑性変形させることにより鉄筋に把持状に係合する構成等、その他任意の保持構造でもよい。また、第1係着部12と第2係着部14とをそれぞれ別々に形成した後に連結して製造することとしてもよい。
【0034】
次に、図8、図9、図10を参照しつつ、本発明の鉄筋連結具の第2の実施形態について説明する。第1実施形態と同一部材には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。図8、図9、図10に示すように、第2実施形態に係る鉄筋連結具10Aは、第1の実施形態の構成と略同じ構成であり、第1係着部12と、第2係着部14と、を備えるが、第1、第2保持部18、28の構成が第1実施形態と異なっている。本実施形態では、第1、第2保持部18、28は、例えば、鉄筋104、106の周面に巻き付け状に折り返し湾曲変形して該鉄筋を把持する折り返し片部42、44からなる。折り返し片部42、44は、例えば、第1、第2円弧状筒部材16、26から略J字状に突設された突出板片からなる把持片部であり、第1、第2円弧状筒部材とともに薄肉厚の鉄板で一体的に形成されている。図10に示すように、第1、第2円弧状筒部材16、26を鉄筋104、106に係着した状態で折り返し片部42、44を鉄筋の周面に沿わせて略C字状に折り返し状に湾曲変形することより、鉄筋を把持して円弧状筒部材の取り付け状態を保持する。第1保持部18となる折り返し片部42は、例えば、第1円弧状筒部材16の左右両端の上部側に形成されている。第2保持部28となる折り返し片部44は、例えば、第2円弧状筒部材28の上部側に上下に離隔して形成されており、互い違い状に突設されている。本実施形態でも、第1実施形態同様の作用効果を奏することができ、直棒鉄筋104とL型鉄筋106とを所定の直交状態を保持しながら簡単に連結することができる。
【0035】
次に、図11、図12、図13を参照しつつ、本発明の鉄筋連結具の第3の実施形態について説明する。第1、第2実施形態と同一部材には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。図11、図12、図13に示すように、第3の実施形態に係る鉄筋連結具10Bは、第1の実施形態の構成と略同じ構成であり、第1係着部12と、第2係着部14と、を備えているが、本実施形態ではさらに、L型鉄筋の横棒部106bに係着する第3係着部46を備えている。なお、本実施形態では、第2円弧状筒部材26は、第1実施形態のものより比較的短く形成されており、第2係着部28を構成するクリップ片部32は上端に1つだけ設けられている。
【0036】
第3係着部46は、第1係着部12に接続されており、L型鉄筋の横棒部106bを貫通させた状態で該横棒部の周面に係着して該横棒部を支持するL型鉄筋横棒部係着手段であり、横棒部106bに孔貫通状に係着して支持することにより、例えばL型鉄筋の重量等による下方側へのずれ移動や横棒部の縦棒部周りに回転して直棒部材に対するずれ等を防止して、所定の直交状態をより確実に保持しうる。本実施形態では、第3係着部46は、例えば、L型鉄筋の横棒部に把持状に係合する第3把持手段を有する。第3係着部46は、例えば、第1円弧状筒部材16の左右中間位置に下方に垂設状に接続された1対の帯状把持片48を含む。帯状把持片48は、例えば、鉄板片からなり、L型鉄筋の横棒部106bへの係着前は鉄筋の直径と略同じ間隔をあけて互いに平行に設けられている。そして、帯状把持片48は、その対向間隙内に下方側からL型鉄筋の横棒部106bを挿入させた後、下部側を横棒部106bの周面に沿うように略J字状に湾曲形成して該横棒部に巻き付け状に係着させる。帯状把持片48は横棒部106bの側方と下方に当接して該横棒部に孔貫通状に係着し、横棒部を抱き上げ状に支持してL型鉄筋全体を下方から支持するとともに、該横棒部106bの左右方向へのずれを良好に規制できる。これにより、この実施形態でも、第1実施形態同様に、直棒鉄筋104とL型鉄筋106とを所定の直交状態を良好に保持しながら確実に連結できるとともに、該鉄筋どうしの連結作業を簡単かつ短時間で行える。特に、第3係着部46を設けたことにより、直棒鉄筋とL型鉄筋とを所定の直交状態をより確実に保持し、該直交保持機能を向上できる。なお、帯状把持片48は、例えば、比較的長いものを1個第1円弧状筒部材に取り付けた構成としてもよい。また、第3係着部46は、例えば、横棒部を係止するクリップ構造や第1円弧状筒部材16から垂設した平板に横棒部を貫通させる孔を穿孔した構成等その他任意の構成でもよい。
【0037】
次に、図14、図15、図16、図17を参照しつつ、本発明の鉄筋連結具の第4の実施形態について説明する。第1、第2、第3実施形態と同一部材には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。図14、図15、図16に示すように、第4の実施形態に係る鉄筋連結具10Cは、第3の実施形態の構成と略同じ構成であり、第1係着部12と、第2係着部14と、第3係着部46と、を備えているが、本実施形態では第1係着部12及び第3係着部46の構成が異なっている。
【0038】
本実施形態では、第1円弧状筒部材16と第3係着部46とは、例えば薄肉厚の鉄板51で一体的に形成されている。第1円弧状筒部材16は、例えば上記実施形態のものより断面円弧長さが短く略1/4円弧状に形成されており、直棒鉄筋104の略上部側に長手方向に沿って係合する。なお第1保持部18は、例えば、折り返し片部42を含むが、第1実施形態のようにクリップ片22で構成してもよい。第3係着部46は、例えば、第1円弧状筒部材16の前面側から略真下に垂設され正面視略台形状に形成された垂下平板部50からなる。そして、垂下平板部50には、L型鉄筋の横棒部106bを貫通させる貫通孔52と、貫通孔52内と外側とを連通する切欠き部54と、を有している。貫通孔52は、L型鉄筋106の径と略同じか若干大きい程度に設定されているとともに、切欠き部54は横棒部106bの径より小幅に設定されており、貫通孔52に挿通したL型鉄筋の横棒部106bが切欠き部54から離脱することなく確実に保持される。図17に示すように、垂下平板部50に横棒部106bを係着させる際には、例えば、垂下平板部50の切欠き部54左右両側の縁部分50a、50bを前後互い違いに湾曲変形し、切欠き部54の開口幅を横棒部106bの径より大きく広げる。そして、広げた切欠き部54を介して貫通孔位置にL型鉄筋の横棒部を挿入した後に、垂下平板部の両側縁部分50a、50bを元に戻して、該貫通孔52に横棒部を孔貫通させた状態で垂下平板部に係着される。これにより、この実施形態でも、第3実施形態同様に、直棒鉄筋104とL型鉄筋106とを所定の直交状態を良好に保持しながら確実に連結できるとともに、該鉄筋どうしの連結作業を簡単かつ短時間で行え、第3係着部46により直棒鉄筋とL型鉄筋との所定の直交状態をより確実に保持できる。なお、垂下平板部の形状は、例えば、矩形状や円弧板状等その他任意形状でもよい。
【0039】
次に、図18を参照しつつ、本発明の鉄筋連結具の第5の実施形態について説明する。第1〜第4実施形態と同一部材には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。第5の実施形態に係る鉄筋連結具10Dは、第4実施形態と略同じ構成とした第4実施形態の変形例であり、例えば、垂下平板部50に貫通孔52に隣接して第2貫通孔56が設けられている。例えば、ブロック塀等の基礎部をT形で形成する場合等、L型鉄筋の横棒部106bの長手方向に沿って他の鉄筋112を配置する必要がある際に、該他の鉄筋112を第2貫通孔56に挿通させることができる。従って、第3係着部46が他の鉄筋112の配置に邪魔になることがなく、他の鉄筋112の配置を実現できる。なお、この際、垂下平板部50に比較的大きな荷重がかかる場合には例えば補助的に鉄線等で結束することとしてもよい。
【0040】
次に、図19を参照しつつ、本発明の鉄筋連結具の第6の実施形態について説明する。第1〜第5実施形態と同一部材には同一符号を付し、その詳細な説明は省略する。図19示すように、第6の実施形態に係る鉄筋連結具10Eは、第2の実施形態の構成と略同じ構成であり、第1係着部12と、第2係着部14と、を備えているが、本実施形態では凹凸部36(凹溝38及び凸状変形部40)を備えていない点が異なっている。第1保持部18は、折り曲げ変形して直棒鉄筋104に係着する折り曲げ片部58を含み、第1円弧状筒部材16の左右両端の円弧下部側に一体的に接続されている。第2保持部28は、折り曲げ変形してL型鉄筋106に係着する折り曲げ片部60を含み、第2円弧状部材26の上端側に一体的に設けられている。第1、第2円弧状筒部材16、26を鉄筋104、106に係着した状態で折り返し片部58、60を湾曲変形することより、鉄筋を把持して円弧状筒部材の取り付け状態を保持する。本実施形態でも、上記実施形態同様の作用効果を奏する。さらに凹凸部38を設けない構成であるので、上記実施形態のものに比較して構造が簡単で、製造工程も少なく、低コストで製造できる。
【0041】
以上説明した本発明の鉄筋連結具は、上記した実施形態のみの構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載した本発明の本質を逸脱しない範囲において、任意の改変を行ってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明の鉄筋連結具は、例えば、土木、建築物等を鉄筋コンクリート構造で構築する際等において直棒鉄筋とL型鉄筋とを直交状態で連結するのに好適に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の鉄筋連結具の第1実施形態の概略斜視図である。
【図2】図1の鉄筋連結具を鉄筋の所定の位置に取り付けて鉄筋を連結した状態の説明図である。
【図3】図1の鉄筋連結具の正面図である。
【図4】図3の鉄筋連結具の側面図である。
【図5】図3のA−A線断面図であり鉄筋を同時に示した説明図である。
【図6】図4のB−B線断面図である。
【図7】保持部の作用説明図である。
【図8】鉄筋連結具の第2の実施形態の概略斜視説明図である。
【図9】図8の鉄筋連結具の側面図である。
【図10】図17の鉄筋連結具の作用説明図である。
【図11】鉄筋連結具の第3の実施形態の概略斜視説明図であり、鉄筋の所定の位置に取り付けて連結した説明図である。
【図12】図11の鉄筋連結具の正面図である。
【図13】図11の鉄筋連結具の側面図である。
【図14】鉄筋連結具の第4の実施形態の概略斜視説明図である。
【図15】図14の鉄筋連結具の正面図である。
【図16】図14の鉄筋連結具の側面図である。
【図17】図14の鉄筋連結具の第3係着部の作用説明図である。
【図18】鉄筋連結具の第5の実施形態の概略斜視説明図である。
【図19】鉄筋連結具の第6の実施形態の概略斜視説明図である。
【図20】ブロック塀の基礎部側の断面説明図である。
【図21】ブロック塀の基礎部側の断面斜視説明図である。
【図22】直棒鉄筋とL型鉄筋との所定の直交状態での配筋の説明図であり要部を拡大した図である。
【符号の説明】
【0044】
10、10A、10B、10C、10D 鉄筋連結具
12 第1係着部
14 第2係着部
16 第1円弧状筒部材
18 第1保持部
22 クリップ片部
26 第1円弧状筒部材
28 第2保持部
32 クリップ片部
36 凹凸部
46 第3係着部
104 直棒鉄筋
106 L型鉄筋
110 節


【特許請求の範囲】
【請求項1】
水平に設置される直線状の直棒鉄筋と、L字状に屈曲され鉛直に立ち上がった縦棒部と該縦棒部の下端から水平に配置される横棒部とを含むL型鉄筋と、をL型鉄筋のL字隅部位置に直棒鉄筋を配しつつL型鉄筋の縦棒部と横棒部とのいずれもが直棒鉄筋に対して直交する状態で連結する鉄筋連結具であり、
直棒鉄筋に係着する第1係着部と、
第1係着部に接続され、L型鉄筋の縦棒部に係着しL型鉄筋の倒れ込みを防止しつつL型鉄筋と直棒鉄筋との直交状態を保持する第2係着部と、を備えたことを特徴とする鉄筋連結具。
【請求項2】
第2係着部は、L型鉄筋の縦棒部の長手方向に沿ってあてがわれる円弧状筒部材と、
円弧状筒部材に一体的に設けられてL型鉄筋へのあてがい状態を保持する保持部と、を含む請求項1記載の鉄筋連結具。
【請求項3】
第1係着部は、直棒鉄筋の長手方向に沿ってあてがわれる円弧状筒部材と、
円弧状筒部材に一体的に設けられて直棒鉄筋へのあてがい状態を保持する保持部と、を含み、
第1係着部の円弧状筒部材の中間位置に第2係着部の円弧状筒部材の下端部側を接続して正面視逆T字状に構成された請求項2記載の鉄筋連結具。
【請求項4】
保持部は、略C字状に形成され、かつC字開口部を拡大縮小して各鉄筋に嵌着状に係着するクリップ片部を含む請求項2又は3記載の鉄筋連結具。
【請求項5】
直棒鉄筋及びL型鉄筋は長手方向に所定間隔で節が設けられる異形鉄筋であり、
第1係着部及び/又は第2係着部は、円弧状筒部材の異形鉄筋への当接面側に異形鉄筋の節に噛み合い状に係合して該円弧状筒部材の異形鉄筋の長手方向へのずれ移動を規制する凹凸部が設けられた請求項2ないし4のいずれかに記載の鉄筋連結具。
【請求項6】
第1係着部から下方に垂設状に接続され、L型鉄筋の横棒部に孔貫通状に係着して該横棒部を支持する第3係着部を含む請求項1ないし5のいずれかに記載の鉄筋連結具。
【請求項7】
第3係着部は、L型鉄筋の横棒部に巻き付き状に係着する1個又は1対の帯状把持片を含む請求項6記載の鉄筋連結具。
【請求項8】
第3係着部は、第1係着部の円弧状筒部材を一体的に形成した金属薄板であって、L型鉄筋の横棒部を貫通させる貫通孔と、貫通孔内と外側とを連通する横棒部の径より小幅の切欠き部と、を有する金属薄板からなる請求項6記載の鉄筋連結具。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【公開番号】特開2010−53546(P2010−53546A)
【公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−217533(P2008−217533)
【出願日】平成20年8月27日(2008.8.27)
【出願人】(508260153)
【出願人】(507281797)
【出願人】(501277921)
【Fターム(参考)】