説明

鉄道用レールの隠蔽部におけるレール底面の検査方法及びこれに用いる検査ヘッド

【課題】 従来よりもきずの分解能が高く、レール長手方向及びこれに対する交差方向におけるきずの位置を検出することの可能な鉄道用レールの隠蔽部におけるレール底面の検査方法及びこれに用いる検査ヘッドを提供すること。
【解決手段】表面波用超音波探触子13を用い、レール2の露出箇所におけるレール底面2aに探触子13を接触させる。表面波をレール底面2aに入射させて隠蔽部3に向けて送信すると共に反射した表面波を探触子13で受信する。探触子13を接触させた状態で探触子13を揺動またはレール長手方向に対する交差方向に移動させることにより、隠蔽部3のきずを検査する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道の踏切部等、レール隠蔽部のきずを検査する鉄道用レールの隠蔽部におけるレール底面の検査方法及びこれに用いる検査ヘッドに関する。
【背景技術】
【0002】
レール底部のきずを調べる方法としては、レール頂部から下方に向かって超音波を送受信する方法や、特許文献1に示すように、レール底部全体を加振し板波(ガイド波)を発生させる方法が知られている。
【0003】
前者の方法では、頂部の直下しか検査が行えず、特に踏み切り等のレール隠蔽部におけるレール下部の検査を行えないという問題があった。そこで、後者の方法により、レール底部全体を板波として振動させることにより、レール隠蔽部についてもレール底部の検査を可能にしようとする試みがなされている。
【0004】
しかし、後者の方法では、未だきずの検出性能が不十分であり、また、レール長手方向に対するきずの位置が概ね判別できたとしても、レール底部全体を振動させるものであるから、レール長手方向に直交する方向におけるきずの位置を検出することは不可能であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2008−107165号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
かかる従来の実情に鑑みて、本発明は、従来よりもきずの分解能が高く、レール長手方向及びこれに対する交差方向におけるきずの位置を検出することの可能な鉄道用レールの隠蔽部におけるレール底面の検査方法及びこれに用いる検査ヘッドを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る鉄道用レールの隠蔽部におけるレール底面の検査方法の特徴は、表面波用超音波探触子を用い、レールの露出箇所におけるレール底面に前記探触子を接触させ、表面波をレール底面に入射させて前記隠蔽部に向けて送信すると共に反射した表面波を前記探触子で受信し、前記探触子を接触させた状態で前記探触子を揺動またはレール長手方向に対する交差方向に移動させることにより、前記隠蔽部のきずを検査することにある。
【0008】
同方法によれば、レール下の地面を掘る等して形成したレール露出箇所のレール底面に前記探触子を接触させ、表面波をレール底面に入射させ反射波を受信すればよいので、検査の実施が容易である。また、前記探触子を接触させた状態で前記探触子を揺動またはレール長手方向に対する交差方向に移動させることにより、レール長手方向に対する交差方向における反射信号の分布を検出することができる。したがって、時間軸によるレール長手方向に対する信号の分布と相まって、レール長手方向及びこれに対する交差方向における(二次元平面における)きずの位置を検出することができる。しかも、発明者らの実験によれば、ガイド波や表面SH波を利用した場合に比較して、本発明は表面波を利用しているので、検出精度が向上していることが確認された。しかも、先の二次元平面におけるきずの位置を特定できるので、きずの分解能は従来よりもさらに向上することが理解される。
【0009】
上記構成において、前記探触子を備えた検査ヘッドを設け、この検査ヘッドが、前記レール長手方向に対する前記表面波の送信方向を確認可能なゲージを備えてもよい。また、前記検査ヘッドが、前記レール長手方向に対する交差方向への移動距離を確認可能なゲージを備えていてもよい。検査の実施にあたっては、前記レールの隠蔽部とは異なる部位におけるレール下の地面を掘り、前記レール底面に前記探触子を接触させるとよい。本発明は、前記レール隠蔽部が踏み切りである場合に好適に実施される。
【0010】
一方、上記特徴のいずれかに記載の鉄道用レールの隠蔽部におけるレール底面の検査方法に用いる検査ヘッドの特徴は、表面波用超音波探触子及びこれらを支持し手で把持可能なグリップを設け、前記探触子はレール底面に接触させることにより表面波をレール底面に沿って入射可能で反射波を受信可能に設定され、前記レール長手方向に対する前記表面波の送信方向及び/又は前記レール長手方向に対する交差方向への移動距離を確認可能なゲージをさらに備えていることにある。
【0011】
ここで、前記ゲージを棒状体としてもよい。この場合、前記探触子による表面波入射方向に対する交差方向に前記棒状体を一対対称的に設けるとよい。前記ゲージは、前記レールに対する相対移動を測定するエンコーダとすることも可能である。
【発明の効果】
【0012】
上記本発明に係る上記特徴によれば、従来よりもきずの分解能が高く、レール長手方向及びこれに対する交差方向におけるきずの位置を検出することの可能な鉄道用レールの隠蔽部におけるレール底面の検査方法及びこれに用いる検査ヘッドを提供するに至った。
【0013】
本発明の他の目的、構成及び効果については、以下の発明の実施の形態の項から明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る探触子及びこれを用いて検査を行う鉄道用軌道の踏切における斜視図である。
【図2】図1における穴近傍の縦断面図である。
【図3】図2のA−A線断面図である。
【図4】図1の底面図である。
【図5】鉄道用軌道における踏切近傍の平面図である。
【図6】人工的なきずを設けた試験用のレールである。
【図7】探触子をレール長手方向に対する交差(直交)に移動させて試験を行う場合に関し、(a)は試験用レールの底面における超音波の入射方向、(b)は振動子に中心周波数1MHzのものを用いた場合における試験結果を示すグラフをそれぞれ示すものである。
【図8】比較例を示し、(a)は試験用レールの底面における超音波の入射方向、(b)振動子に中心周波数1MHzのものを用いた場合における試験結果を示すグラフをそれぞれ示すものである。
【図9】探触子を揺動させて試験を行う場合に関し、(a)は試験用レールの底面における超音波の入射方向、(b)は振動子に中心周波数1MHzのものを用いた場合における試験結果を示すグラフをそれぞれ示すものである。
【図10】図9の試験結果を示し、(a)はきずI、(b)はきずIIに関する測定値を示すグラフである。
【図11】図9とは異なる端部において探触子を揺動させて試験を行う場合に関し、(a)は試験用レールの底面における超音波の入射方向、(b)は振動子に中心周波数1MHzのものを用いた場合における試験結果を示すグラフをそれぞれ示すものである。
【図12】図11の試験結果を示し、(a)はきずI、(b)はきずIIに関する測定値を示すグラフである。
【図13】本発明に係る検査装置のブロック図である。
【図14】本発明の第二実施形態における図2相当図である。
【図15】本発明の第二実施形態における図3相当図である。
【図16】本発明の第二実施形態における図4相当図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
次に、適宜添付図面を参照しながら、本発明をさらに詳しく説明する。
図1は、本発明に係る検査ヘッド10及びこれを用いて検査を行う鉄道用軌道1の踏切(隠蔽部)3における斜視図、図5は鉄道用軌道1における踏切3近傍の平面図である。検査対象となるレール2は、図3に示すように、幅広のレール底部2bの上にレール中間部2cを介して鉄道車両の車輪が乗るレール頂部2dが拡大部の上に形成されている。検査対象部となるレール底面2aは平坦に形成されている。
【0016】
図二本のレール2は、地面の上に複数の枕木6を介して平行に離隔して敷設されている。踏切3は、モルタル等で構成された道路部5によりその上面がレール頂部2dと同程度の高さになるように隠蔽されている。レール2と道路部5との間は車輪フランジが通過する僅かな隙間が設けられるにすぎず、レール2の内部、特に腐食が問題となるレール底部2bの検査はレール頂部2dから行い難い。本発明は、このレール底部2bの検査を道路部5の外部から行うことを目的としている。具体的には、道路部5近隣のレール2の下の地面を掘り、図に示すように穴H(第一〜第四穴H1〜4)を掘り、この穴Hからレール底面2aに検査ヘッド10を接触させてレール2の隠蔽部3部分に超音波を送受信し、検査を行う。
【0017】
図1〜4に示すように、検査ヘッド10は、縦波を発生させる超音波振動子11及びこの振動子11からの縦波をレール底面2aに表面波として入射させる楔12よりなる超音波探触子13と、楔12を支持し楔12上面をレール底面2aに接触させる際に手Gで把持することの可能なグリップ14とを備えている。楔12は例えばアクリル樹脂等の材料で形成されており、例えば垂直探傷に用いられるような振動子11が楔12の上面に対し斜めに取り付けられ、レール底面2aに表面波を入射させることができる。グリップ14は把持が容易なように、円筒形に構成されており、後述のゲージ15の取り付け部分の強度を別材料で補償すれば、比較的弾力のある材料で構成することも可能である。
【0018】
図13は、本発明に係る検査装置100のブロック図であり、この検査装置100は、振動子11を含む検査ヘッド10と、処理装置101とコード17により振動子11と接続される処理装置101と、検査結果を表示するディスプレイ106とよりなる。処理装置101は、振動子11に送信波を発生させる発振器102と、レール2を伝達し再度振動子11で受信される受信波を受信する受信器103と、受信波のフィルタリングを行うフィルタ104と、受信波を処理し表示させるための処理ユニット105とを備えている。
【0019】
図1〜4に示すように、検査ヘッド10は楔12により送信波の入射方向Wが特定されている。また、検査ヘッド10はレール底面2aに接触させられるため、入射方向Wを目視することができない。そこで、楔12の上面の平面内で入射方向Wより90度位相の異なるゲージ方向Vに対しゲージ15を左右一対設けてある。このゲージ15は、表面に長手方向に沿って距離測定用目盛りが設けられた棒状体16であり、棒状体16の根元に設けられたねじ部16aをグリップ14に形成されたねじ孔に螺合させて、ねじ部16aによりグリップ14に固定してある。
【0020】
図4の実線で示す状態は、レール長手方向D1に入射方向W(第一入射方向W1 )を一致させた状態であり、レール長手交差方向D2にはゲージ方向V(第一ゲージ方向V1)が一致している。また、楔12をレール底面2aに接触させた状態で検査ヘッド10を揺動させて第二入射方向W2に配向させた場合には、ゲージは第二ゲージ方向V2に配向されることとなる。したがって、レール長手方向D1に対する入射方向W(第二入射方向W2)の傾きは、レール長手交差方向D2とレール長手方向D1の傾きθ1(90度)及び第二ゲージ方向V2とレール長手方向D1の傾きθ2との差である「θ1−θ2」により求められる。この「θ1−θ2」と、レール長手交差方向D2に対する検査ヘッド10の位置とにより、入射方向Wときずとの相対的位置関係を概ね把握することができ、後述の検査結果と相まって、きずの位置を推定することが可能となる。
【0021】
ここで、人工的にきずを設けた試験体としてのレール2を用いて実施した計測結果を列挙する。この試験体としてのレール2は、図6に示すように、全長2500mm、右端から500mmごとのレール底面に人工的なきずを設けてあり、このきずは、右から左に向かってI、II、III、IVと称することとする。きずIは一辺10mmの立方体で底部上端に形成されている。きずIIは、一辺5mmの立方体で底部上端に形成されている。きずIIIは、一辺5mmの立方体で底部上端及び下端から30mmの位置に1対形成されている。きずIVは、一辺10mmの立方体で底部上端及び下端から30mmの位置に1対形成されている。
【0022】
図7、8には、探触子をレール長手方向に対する交差(直交)に移動させて試験を行った結果を示す。図7、8(a)には、試験用レールの底面における超音波の入射方向を示し、右から左に向かっての超音波送信は、レール長手交差方向D2に対し上から下に向かってP1〜P3の位置で試験を行った。また、左から右に向かっての超音波送信は、レール長手交差方向D2に対し上から下に向かってP4〜P6の位置で試験を行った。振動子に中心周波数1MHzのものを用い、受信信号にハイパスフィルタ0.5MHzをかけ、ローパスフィルタはかけず、サンプリング周波数は50MHzを用いて、平均化を64回行った。これらの結果を図7(b)に示す。なお、以下の各図(b)の下側の表記は図7における上記説明と同趣旨で解釈される。
【0023】
図7(b)の結果によれば、各測定位置できずI〜IVのレール長手方向D1に対する位置が時間軸より読み取ることができ、レール長手方向D1に対するきずの位置が特定される。また、測定位置P1できずI、IIの強度が顕著であるが、測定位置P2,3で低下することから、レール長手交差方向D2に対するきずの位置も特定がなされる。発明者らの実験によれば、中心周波数0.2MHz〜2MHz程度の範囲で、レールの傷の位置を特定することが可能であった。
【0024】
図8は比較例であり、表面SH波探触子を検査ヘッド10の代わりに用いている。この例では、いずれもきずIIが現れず、きずの検査という意味において不十分であり、上記本願の縦波の表面波を用いる優位性が伺える。
【0025】
図9〜12は、検査ヘッド10を揺動させて試験を行う場合に関し、検査ヘッド10には図7と同様のものを利用している。図9のいずれも、レール2の右端中央から左側に向かって超音波を送信し反射波を受信しており、測定位置Q1はきずIに向かって、測定位置Q2はきずIIに向かって、測定位置Q3はきずIの対称位置に向かって、測定位置Q4はきずIIの対称位置に向かって、それぞれ超音波を送受信する場合に対応する。
【0026】
図9(b)の結果によれば、各測定位置できずI〜IVのレール長手方向D1に対する位置が時間軸より読み取ることができ、レール長手方向D1に対するきずの位置が特定される。また、図10(a)(b)の比較によれば、きずI、IIは測定位置Q3,4で値が低いことから、レール長手交差方向D2に対するきずの位置も特定がなされる。さらに、これらの比較で、最高値が測定位置Q1,2で異なることから、レール長手方向D1方向のきずの配置を参酌し、先の入射方向WによりきずI、IIのレール長手交差方向D2方向の位置を推定することが可能となる。
【0027】
図11(a)のいずれも、レール2の左端中央から右側に向かって超音波を送信し反射波を受信しており、測定位置Q5は一方のきずIVに向かって、測定位置Q6は一方のきずIIIに向かって、測定位置Q7は他方のきずIVに向かって、測定位置Q8は他方のきずIIIに向かって、それぞれ超音波を送受信する場合に対応する。
【0028】
図11(b)の結果によれば、各測定位置できずI〜IVのレール長手方向D1に対する位置が時間軸より読み取ることができ、レール長手方向D1に対するきずの位置が特定される。また、図12(a)(b)の比較によれば、きずIIIは測定位置Q6で値が高く、レール長手方向D1方向のきずの配置を参酌し、先の入射方向WによりきずI、IIのレール長手交差方向D2方向の位置を推定することが可能となる。
【0029】
次に、図14〜16を参照しながら、本発明の第二実施形態について説明する。第一実施形態と同様の部材には同一の符号を附してある。
本実施形態では、上述のゲージが、第一、第二エンコーダ34,36により構成されている。すなわち、レール長手方向D1に対する入射方向Wの傾き及びレール長手交差方向D2に対する探触子13の変異は、いずれも第一、第二モーター33,35により制御され、第一、第二エンコーダ34,36により測定される。
【0030】
検査ヘッド30は、移動ブロック31と探触子13とを備え、探触子13は、33の33aを介して移動ブロック31のブロック基部31aから張り出す張出部31bの下側に支持されている。検査ヘッド30はブロック基部31aの上面と楔12の上面とをレール底面2aに接触させ、レール2及び移動ブロック31にゴムや樹脂等の弾性材料よりなる支持ベルト40を巻き付け、締め上げて支持ベルト固定具41で固定することにより、探触子13及び移動ブロック31はレール底部2bの下部につり下げ支持される。移動ブロック31と支持ベルト40との間には2本のローラー32が介在し、楔12をレール底面2aに接触させた状態でのレール長手交差方向D2への探触子13,移動ブロック31の移動を許容する。
【0031】
レール2にはまたゴムや樹脂等の弾性材料よりなる移動測定ベルト45が巻き付けられ、締め上げて測定ベルト固定具46で固定することにより、レール底面2aに移動測定ベルト45が固定される。この移動測定ベルト45の外表面にはラック状の歯が設けられ、第二モーター35のシャフト35aを介して取り付けられる歯付きプーリー36と噛み合っている。第一、第二モーター33,35はいずれもギヤードモーターであり、第一、第二エンコーダ34,36の位置検出により所望の角度又は距離だけ探触子13を張出部31bに対し相対回転させ、または、相対移動させることができる。
【0032】
最後に、本発明のさらに他の実施形態の可能性について言及する。上記第一実施形態では、検査ヘッド10手で把持したが、例えば図3の符号20に示すように、上述のごとき弾性材料よりなる牽引具をレール2及び検査ヘッド10(一対の棒状体16,16)の双方に巻き付け、手で棒状体16を操作することにより入射方向の傾きを調整してもよい。
【0033】
本発明における探触子は振動子11から表面波を送信及び受信できれば足り、上述の実施例のごとく楔を用いるものに限られない。
【産業上の利用可能性】
【0034】
本発明は、踏切等の鉄道用レールの隠蔽部におけるレール底面の検査方法及びこれに用いる探触子等として利用することができる。
【符号の説明】
【0035】
1:鉄道用軌道、2:レール、2a:レール底面、2b:レール底部、2c:レール中間部、2d:レール頂部、3:踏切(隠蔽部)、5:道路部、6:枕木、10:検査ヘッド、11:振動子、12:楔、13:探触子、14:グリップ、15:ゲージ、16:棒状体、16a:ねじ部、16b:ロックナット、17:コード、20:牽引具、30:検査ヘッド、31:移動ブロック、31a:ブロック基部、31b:張出部、32:ローラー、33:第一モーター、33a:シャフト、34:第一エンコーダ、35:第二モーター、35a:シャフト、36:第二エンコーダ、40:支持ベルト、41:支持ベルト固定具、45:移動測定ベルト、46:測定ベルト固定具、100:検査装置、101:処理装置、102:発振器、103:受信器、104:フィルタ、105:処理ユニット、106:ディスプレイ、D1:レール長手方向、D2:レール長手交差方向、G:手、H:穴、H1〜4:第一〜第四穴、V:ゲージ方向、V1,2:第一、第二ゲージ方向、W:入射方向、W1、2:第一、第二入射方向

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面波用超音波探触子を用い、レールの露出箇所におけるレール底面に前記探触子を接触させ、表面波をレール底面に入射させて前記隠蔽部に向けて送信すると共に反射した表面波を前記探触子で受信し、前記探触子を接触させた状態で前記探触子を揺動またはレール長手方向に対する交差方向に移動させることにより、前記隠蔽部のきずを検査する鉄道用レールの隠蔽部におけるレール底面の検査方法。
【請求項2】
前記探触子を備えた検査ヘッドを設け、この検査ヘッドが、前記レール長手方向に対する前記表面波の送信方向を確認可能なゲージを備えている請求項1記載のレール底面の検査方法。
【請求項3】
前記検査ヘッドが、前記レール長手方向に対する交差方向への移動距離を確認可能なゲージを備えている請求項1又は2記載のレール底面の検査方法。
【請求項4】
前記レールの隠蔽部とは異なる部位におけるレール下の地面を掘り、前記レール底面に前記探触子を接触させる請求項1〜3のいずれかに記載のレール底面の検査方法。
【請求項5】
前記レール隠蔽部が踏み切りである請求項1〜4のいずれかに記載のレール底面の検査方法。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれかに記載の鉄道用レールの隠蔽部におけるレール底面の検査方法に用いる検査ヘッドであって、
表面波用超音波探触子及びこれらを支持し手で把持可能なグリップを設け、
前記探触子はレール底面に接触させることにより表面波をレール底面に沿って入射可能で反射波を受信可能に設定され、
前記レール長手方向に対する前記表面波の送信方向及び/又は前記レール長手方向に対する交差方向への移動距離を確認可能なゲージをさらに備えている検査ヘッド。
【請求項7】
前記ゲージが棒状体である請求項6記載の検査ヘッド。
【請求項8】
前記探触子による表面波入射方向に対する交差方向に前記棒状体を一対対称的に設けてある請求項7記載の検査ヘッド。
【請求項9】
前記ゲージが前記レールに対する相対移動を測定するエンコーダである請求項6記載の検査ヘッド。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−237662(P2012−237662A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−107145(P2011−107145)
【出願日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(000196587)西日本旅客鉄道株式会社 (202)
【出願人】(000235532)非破壊検査株式会社 (49)
【Fターム(参考)】