説明

鉄道車両の振動解析装置

【課題】過去の乗心地データを要せずに鉄道車両の異常を発見できるとともに低コストな鉄道車両の振動解析装置を提供することである。
【解決手段】上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段は、少なくとも鉄道車両Vにおける車体Bの前後における該車両の進行方向に対し水平横方向の振動加速度を検知する検知手段2と、検知手段2で検知した振動加速度から車体前側の乗心地を評価するための前側横方向の乗心地データLHFと車体後側の乗心地を評価するための後側横方向の乗心地データLHRとを得る乗心地データ取得手段3と、前側横方向の乗心地データLHFと後側横方向の乗心地データLHRの差εを求める演算手段4とを備えたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、鉄道車両の振動解析装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、鉄道車両の振動解析装置としては、たとえば、鉄道車両の走行中の車体に作用する振動加速度を検知し、検知した振動加速度を解析してパワースペクトル密度を演算し、周波数毎に重み付けを行って乗り心地の程度を示す乗り心地レベル(単位はdB)を得ることによって評価するものがある。
【0003】
また、この振動解析装置は、順次、乗心地を評価するための乗心地レベル等と言ったデータを取得するものの、走行中に取得される乗心地レベルが過去に走行した際に取得された乗心地レベルと比較して大きな値となっている場合に、鉄道車両に異常があると判断するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−18641号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
したがって、従来の振動解析装置では、予め、異常を判断するためには、過去にその路線を走行した際に取得される乗心地レベル等のデータが必要となっていて、過去に走行したことのない路線を走行する際には、異常を発見することができない。
【0006】
また、路線長が長い路線を走行する場合には、異常を判断するために保有しておくべき過去の乗心地レベル等のデータのデータ量が膨大な量となり、振動解析装置における記憶容量が大きくなって、コスト高となる問題がある。
【0007】
そこで、本発明は、上記不具合を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、過去の乗心地データを要せずに鉄道車両の異常を発見できるとともに低コストな鉄道車両の振動解析装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記した目的を達成するため、本発明の課題解決手段は、少なくとも鉄道車両における車体の前後における該車両の進行方向に対し水平横方向の振動加速度を検知する検知手段と、検知手段で検知した振動加速度から車体前側の乗心地を評価するための前側横方向の乗心地データと車体後側の乗心地を評価するための後側横方向の乗心地データとを得る乗心地データ取得手段と、前側横方向の乗心地データと後側横方向の乗心地データの差を求める演算手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
振動解析装置によれば、鉄道車両の走行中に車体の前後で得られる乗心地を評価するデータの差を求めることで、鉄道車両の異常を発見することができ、従来の振動解析装置のように、予め、異常を判断するために過去のデータを必要としないので、過去に走行したことのない路線を走行する際にも鉄道車両の異常を発見することができる。
【0010】
また、過去のデータを必要としないので、膨大な量のデータを記憶する記憶容量の大きな記憶装置を備えずとも異常を発見することができるので、振動解析装置を低コストで製造することができ、経済性も向上することになる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】一実施の形態における鉄道車両の制振装置のシステムにおける一例を示す図である。
【図2】一実施の形態における鉄道車両の制振装置を搭載した車両の平面図である。
【図3】等感覚曲線の逆数の特性を持つ重み付け係数を示す図である。
【図4】振動加速度をサンプリングする周期を示した図である。
【図5】鉄道車両の振動解析装置1を搭載した鉄道車両を複数連結して編成列車とした状態を示す図である。
【図6】一実施の形態における振動解析装置の処理手順を示したフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図に示した実施の形態に基づき、本発明を説明する。一実施の形態における鉄道車両Vの振動解析装置1は、基本的には、図1および図2に示すように、少なくとも鉄道車両Vにおける車体Bの前後における該鉄道車両Vの上下方向および進行方向に対し水平横方向の振動加速度を検知する検知手段2と、検知手段2で検知した振動加速度から車体前側の乗心地を評価するための前側上下方向および前側横方向の乗心地データと、車体後側の乗心地を評価するための後側上下方向および後側横方向の乗心地データとを得る乗心地データ取得手段3と、前側上下方向と後側上下方向の乗心地データとの差、前側横方向と後側横方向の乗心地データの差をそれぞれ求める演算手段4と、演算手段4が求めた差が所定の閾値を超えると車両に異常があると判断する異常判定手段5と、鉄道車両Vの進行方向に対して横方向の車体1の振動を抑制する制振装置6とを備えて構成されている。また、車体Bは、車体Bと前後の台車Wf,Wrとの間に介装されるエアバネS等によって弾性支持されている。
【0013】
検出手段2は、車体1の前後の台車Wf,Wr付近に一つずつ設置された加速度センサ2a,2bを備えて構成されており、この加速度センサ2a,2bは、この場合、車体Bの上下方向および横方向の振動加速度を検知可能とされている。この検出手段2で検知する振動加速度のうち横方向の振動加速度は、乗心地データ取得手段3の他、制振装置6においてもスカイフックセミアクティブ制御を行う際に使用される。
【0014】
そして、乗心地データ取得手段3、演算手段4、異常判定手段5は、ハードウェア資源としては、図示はしないが具体的にはたとえば、検知手段2の出力するアナログ電圧でなる振動加速度信号を取り込むためのA/D変換器と、乗心地データ取得手段3、演算手段4および異常判定手段5での処理に使用されるプログラムが格納されるROM(Read Only Memory)等の記憶装置と、上記プログラムに基づいた処理を実行するCPU(Central Processing Unit)などの演算装置と、上記CPUに記憶領域を提供するRAM(Random Access Memory)等の記憶装置とを備えて構成されればよく、CPUが上記プログラムを実行することで乗心地データ取得手段3、演算手段4、異常判定手段5の処理動作が実現される。
【0015】
乗心地データ取得手段3は、この場合、車両前側における上下方向の振動加速度から前側上下方向の乗心地データを、車両前側における横方向の振動加速度から前側横方向の乗心地データを、車両後側における上下方向の振動加速度から前側上下方向の乗心地データを、車両後側における横方向の振動加速度から前側横方向の乗心地データを求めるようになっている。
【0016】
この一実施の形態における鉄道車両の振動解析装置にあっては、乗心地データ取得手段3は、乗り心地を評価するためのデータを、具体的にはたとえば、乗心地レベルとして当該乗り心地レベルを求めるようになっている。この乗り心地レベルは、以下の式1によって算出することができる。
【数1】

ここで、Ltは、乗り心地レベル(単位はdB)、Tは時間、A(t)は、図3に示す等感覚曲線の逆数の特性を持つ重み付け係数にて重み付けを行った後の振動加速度(m/s)である。なお、10−5(m/S)は基準となる加速度値である。
【0017】
したがって、上記乗り心地レベルLtの算出にあたっては、検知手段2で得られた予め決められた所定時間T内における車体Bの前後における上下方向および横方向の振動加速度のデータに対し、図3と同様の特性を持つフィルタによって重み付けを行って重み付け後の振動加速度A(t)を得、上記式(1)の演算を行って、算出することができる。なお、上下方向の振動加速度のデータに対しては、上下方向用の図3中一点差線と同様の特性を持つフィルタで重み付けを行い、他方、横方向の振動加速度のデータに対しては、横方向用の図3中実線と同様の特性を持つフィルタで重み付けを行う。
【0018】
このようにして、乗心地データ取得手段3は、車両前側における上下方向の乗心地レベル、車両前側における横方向の乗心地レベル、車両後側における上下方向の乗心地レベル、車両後側における横方向の乗心地レベルをそれぞれ求める。
【0019】
また、上記の方法に代えて、検知手段5で得られた上記所定時間T内における上下方向および横方向の振動加速度のデータに対しハニング窓処理を施した後に高速フーリエ変換して解析し、各振動加速度の振動成分毎の周波数に対する振幅を示すパワースペクトルを得る。そして、得られたパワースペクトルから周波数1Hz当たりのパワースペクトルであるパワースペクトル密度を算出し、図3に示した重み付け係数を用いて得られたパワースペクトル密度を周波数毎に重み付け処理し、この重み付け後のパワースペクトル密度を基準となる加速度値10−5(m/S)の二乗の値で除した後に積分して得ることができる。
【0020】
このように高速フーリエ変換を採用することによって、離散フーリエ変換による演算を行うよりも演算量を低減でき、演算処理装置の負荷を軽減することができ、さらに、ハニング窓処理を採用することによって、方形窓処理に比較して小さい電力のスペクトルを効果的に検出することができ、上記乗り心地レベルの演算に有利となる。なお、ハニング窓処理のほかにハミング窓処理やガウス窓処理を採用してもよい。
【0021】
そして、上記前後における上下方向および横方向の乗り心地レベルは、鉄道車両Vが路線区間を走行中に連続して算出しつづけられる。具体的には、図4に示すように、n番目の乗り心地レベルL(n=1,2,3・・・)とすると、n番目の乗心地レベルLtを算出するために所定時間Tの各振動加速度のサンプリングをするが、このサンプリング開始から任意の時間Tだけ遅らせて、n+1番目の乗り心地レベルLn+1(n=1,2,3・・・)を算出するためのサンプリングを開始し、以降、n+2番目の乗り心地レベルLn+2についても同様にn+1番目のサンプリング開始から時間Tだけ遅らせてサンプリングするようにして、連続して乗り心地レベルLを算出する。
【0022】
つづいて、演算手段4は、前側上下方向の乗心地レベルLVFと後側上下方向の乗心地レベルLVRとの差εと、前側横方向の乗心地レベルLHFと後側横方向の乗心地レベルLHRとの差εをそれぞれ求める。具体的には、演算手段4は、後側上下方向の乗心地レベルLVRから前側上下方向の乗心地レベルLVFを引き算して差εを求め、後側横方向の乗心地レベルLHRから前側横方向の乗心地レベルLHFを引き算して差εを求める。
【0023】
異常判定手段5は、鉄道車両Vの速度が所定速度以上である場合であって、上記差εが上下方向上限閾値αおよび上下方向下限閾値αを超える場合、すなわち、差εが上下方向上限閾値α以下であって上下方向下限閾値α以上の範囲にない場合に、鉄道車両Vに異常があると判断する。また、異常判定手段5は、鉄道車両Vの速度が所定速度以上である場合であって、上記差εが横方向上限閾値βおよび横方向下限閾値βを超える場合、すなわち、差εが上下方向上限閾値β以下であって上下方向下限閾値β以上の範囲にない場合は、鉄道車両Vに異常があると判断する。他方、異常判定手段5は、鉄道車両Vの速度が所定速度以上である場合であって、差εが上下方向上限閾値α以下であって上下方向下限閾値α以上の範囲にあり、且つ、差εが上下方向上限閾値β以下であって上下方向下限閾値β以上の範囲にある場合には、鉄道車両Vに異常なしと判断する。なお、この実施の形態では、異常判定手段5は、鉄道車両Vの速度が所定速度未満の場合、異常の有無を判断しないようになっている。鉄道車両Vの速度は、後述する車両中央モニタMmから車両端末モニタMsを介して入手するようにすればよいが、別途、速度センサを設けて振動解析装置1にて速度を監視するようにしてもよい。
【0024】
ここで、上下方向上限閾値α、横方向上限閾値β、上下方向下限閾値αおよび横方向下限閾値βは、鉄道車両Vの諸元によって、任意に設定することができる。鉄道車両Vの車体Bの乗心地レベルは、一般に、鉄道車両Vが走行する軌道に狂いがあって振動する場合(軌道外乱)や、鉄道車両Vが走行中に車体Bに作用する空気圧によって車体Bが振動する場合(空圧外乱)に悪化する。このように、乗心地レベルを悪化させる要因となるのは、軌道外乱と空圧外乱の二つが考えられるが、鉄道車両Vの速度が高くなればなるほど、空圧外乱による車体振動が大きくなり乗心地レベルの値も大きくなって車両における乗り心地が悪化する傾向となる。つまり、鉄道車両Vの速度が高いと、乗心地レベルに与える影響は空圧外乱によるものが支配的となり、このような状況では、乗心地レベルは、車両進行方向に対し前側より後側の方が通常大きくなる。
【0025】
そこで、上記の異常判定手段5は、鉄道車両Vの速度が高い状況にあると車両進行方向に対し前側より後側の乗心地レベルの方が大きくなる性質を利用して、異常判定を行うようにしている。
【0026】
すなわち、異常判定手段5は、鉄道車両Vの速度が車両進行方向に対し前側より後側の乗心地レベルの方が大きくなる程度の高い速度である場合に、異常判定を行うのであり、鉄道車両Vの速度が以上判定を行える程度の高速となっているかを判断する基準である所定速度は、乗心地レベルに与える空圧外乱の影響が支配的となって、車両進行方向に対し前側より後側の乗心地レベルの方が大きくなるような速度に設定され、車両にもよるが、たとえば、時速200km程度に設定される。
【0027】
また、鉄道車両Vの速度が高い状況であって、鉄道車両Vが正常である場合には、通常、差εおよび差εは、2〜3dBの値を採ることが分かっている。しがたって、経験的には、上下方向上限閾値αおよび横方向上限閾値βについては、5dB程度に設定すれば、鉄道車両Vの異常を精度よく発見することができ、また、上下方向下限閾値αおよび横方向下限閾値βについては、−2dB程度に設定しておけば、鉄道車両Vの異常を精度よく発見することができる。
【0028】
なお、鉄道車両Vの速度が低いと、空圧外乱だけでなく、軌道外乱による影響も大きくなるから、乗心地レベルは、必ずしも、車両進行方向に対し前側より後側の方が大きくならない場合があって、そのような状況では、鉄道車両Vが正常であっても後側の乗心地レベルが前側の乗心地レベルより小さくなるので、上下方向下限閾値αおよび横方向下限閾値βを低く設定しなければ正常であっても異常と判定してしまう場合があり、鉄道車両Vの異常判定の精度の点で不利となる。換言すれば、鉄道車両Vの速度が高速となった状況で異常を判定することで精度よく鉄道車両Vの異常を判定できるのである。
【0029】
また、所定速度未満であっても異常判定を行う場合、所定速度未満の場合における上下方向下限閾値αおよび横方向下限閾値βの値と、所定速度以上の場合における上下方向下限閾値αおよび横方向下限閾値βの値とを異なる値に設定し、鉄道車両Vの速度が所定速度未満であるか所定速度以上であるかによって当該閾値α,βを変更するようにし、速度が高い場合における異常判定を高精度に維持しつつ、速度が低い場合における異常判定も行えるようにしてもよい。このように、所定速度未満の場合には閾値α,βを変更して異常判断を行うようにすれば、所定速度以上での高精度の異常判定を実現しつつも、所定速度以下でも異常判定を行うことができ、より利便性が高まる。この場合、具体的には、たとえば、所定速度未満の場合における上下方向下限閾値αを所定速度以上の場合における上下方向下限閾値αより低くする、つまり、所定速度以上の場合における上下方向下限閾値αが−2dBであれば、所定速度未満の場合における上下方向下限閾値αを−5dBなどとすればよく、横方向下限閾値βの値についても同様である。さらに、この場合、上下方向上限閾値αおよび横方向上限閾値βの値についても、所定速度未満の場合と所定速度以上の場合とで異なった値を採るようにしてもよい。
【0030】
また、鉄道車両Vの速度が高くなると、空圧外乱による車体振動が大きくなり、乗心地レベルの値も大きくなることから、異常判定手段5は、鉄道車両Vの速度をトリガーとして異常判定の可否を決定するだけでなく、各乗心地レベルLVF,LVR,LHF,LHRのうちのいずれか一つまたは任意の組み合わせが所定値、たとえば、90dB以上となることをトリガーとして異常判定を行うようにしてもよい。さらには、各乗心地レベルLVF,LVR,LHF,LHRのうちのいずれか一つまたは任意の組み合わせが所定値未満であっても以上であっても異常判定する場合には、所定値未満である場合、たとえば、各乗心地レベルLVF,LVR,LHF,LHRのうちのいずれか一つまたは任意の組み合わせが90dB未満では、閾値α,α,β,βの値を90dB以上のものと変更して異常判断してもよい。
【0031】
上記した異常判定手段5における判断では、上下方向および横方向の乗心地レベルが前側のものより後側の方が大きくなることを利用して、異常を判断しており、「5」と「−2」という符号のみならず数字部分の異なる上限閾値α,βと下限閾値α,βを設定し、演算手段4は、上記演算に際しては、後側上下方向の乗心地レベルLVRから前側上下方向の乗心地レベルLVFを引き算して差εを求め、後側横方向の乗心地レベルLHRから前側横方向の乗心地レベルLHFを引き算して差εを求めるので、鉄道車両Vの進行方向を把握して、演算を行う必要がある。なお、たとえば、上限閾値α,βを「5」とし、下限閾値α,βを「−5」とする等、上限閾値α,βと下限閾値α,βが数字部分を同じとし符号のみが異なる値に設定する場合には、差εおよび差εの絶対値を求めて、絶対値が閾値を超えると異常と判断するようにしてもよい。なお、各上限閾値α,βは同じ数字に設定されずともよく、各下限閾値α,βについても同様である。
【0032】
つづいて、鉄道車両Vは、図5に示すように、複数が連結されて編成列車をなしており、振動解析装置1は鉄道車両Vに設置される車両端末モニタMsに接続され、編成列車中の各鉄道車両Vにて取得される各異常判定手段5の判断結果のデータが同じ鉄道車両Vに設置される車両端末モニタMsに送られ、この車両端末モニタMs内の図示しない記憶装置に格納される。そして、さらに、各車両端末モニタMsは、編成列車中の任意の一つの鉄道車両Vに設置される車両中央モニタMmに接続されており、この車両中央モニタMmにも各鉄道車両Vにて取得される各異常判定手段5の判断結果のデータが送られ、これらデータが車両中央モニタMm内の図示しない記憶装置に格納される。
【0033】
特に、編成列車を運転する運転者が乗車する運転台付の鉄道車両Vに備え付けのディスプレイ装置Dには、各鉄道車両Vにおける異常判定手段5の判断結果のデータが送信され、ディスプレイ装置Dは、異常判定手段5の判断結果が異常である場合には、少なくとも異常があることを示す警告表示を画面上に表示するようになっており、運転者に当該ディスプレイ装置Dを介して異常を通知することができるようになっている。なお、異常であると判断される場合に、警報機に警報音を発生させるようにして、運転者に異常を通知するようにしてもよい。
【0034】
以上の処理を図6に示したフローチャートに基づいて説明すると、ステップS1では、検出手段2における二つの加速度センサが設置箇所における上下方向の振動加速度および横方向の振動加速度をそれぞれ検出する。
【0035】
ステップS2へ移行して、振動解析装置1は、上記検出手段2が検出した二つの上下方向の振動加速度からそれぞれ上下方向の乗心地レベルを求めるとともに、二つの横方向の振動加速度からそれぞれ横方向の乗心地レベルを求める。
【0036】
さらに、ステップS3へ移行して、鉄道車両Vの進行方向から鉄道車両Vの前後を判断し、ステップS2で求めた二つの上下方向の乗心地レベルのうちどちらが前側であるかを判断し、また、二つの横方向の乗心地レベルのうちどちらが前側であるかを判断する。なお、進行方向は、上記車両中央モニタMmから鉄道車両Vの速度情報を入手して判断してもよいし、また、この車両中央モニタMmから鉄道車両Vの走行中の路線が上り路線であるのか、下り路線であるのかを判別可能な情報を入手して判断してもよい。
【0037】
ステップS4では、振動解析装置1は、後側上下方向の乗心地レベルLVRから前側上下方向の乗心地レベルLVFを引き算して差εを求め、後側横方向の乗心地レベルLHRから前側横方向の乗心地レベルLHFを引き算して差εを求める。
【0038】
さらに、ステップS5へ移行して、振動解析装置1は、鉄道車両Vの速度が所定速度以上であるか否かを判断し、鉄道車両Vの速度が所定速度以上であるとステップS6へ移行して、鉄道車両Vの異常の有無を判断する。つまり、差εが上下方向上限閾値α以下であって上下方向下限閾値α以上の範囲内にない場合か、差εが横方向上限閾値β以下であって横方向下限閾値β以上の範囲にない場合に、振動解析装置1は、異常があると判断し、それ以外の場合を異常なしと判断する。
【0039】
そして、ステップS7へ移行して、振動解析装置1は、車両中央モニタMm、車両端末モニタMsおよびディスプレイ装置Dに判断結果を送信する。なお、異常がある場合、ディスプレイ装置Dは、異常が発見されたことを示す警告表示を行う。
【0040】
この上記一連の手順を順次繰り返すことにより、振動解析装置1は、鉄道車両Vの異常の有無を判断し続ける。
【0041】
なお、このフローチャートでは、ステップS5の判断で鉄道車両Vの速度が所定速度未満である場合には、異常判定を行わないようになっているが、所定速度未満でも異常判定する場合には、この速度の判断結果に基づいて、上下方向下限閾値αと横方向下限閾値βの値を変更するようにしてもよい。
【0042】
このように、振動解析装置1は、鉄道車両Vの走行中に車体Bの前後で得られる乗心地を評価するデータの差を求めることで、鉄道車両Vの異常を発見することができ、従来の振動解析装置のように、予め、異常を判断するために過去のデータを必要としないので、過去に走行したことのない路線を走行する際にも鉄道車両Vの異常を発見することができる。なお、異常の発見は、車両前後のデータの差と採ることで可能であるから、実際の異常の判断は、振動解析装置側で行わずともよい。
【0043】
また、過去のデータを必要としないので、膨大な量のデータを記憶する記憶容量の大きな記憶装置を備えずとも異常を発見することができるので、振動解析装置1を低コストで製造することができ、経済性も向上することになる。
【0044】
なお、上記したところでは、検知手段2は、車体Bの上下方向および横方向の振動加速度を検知し、乗心地データ取得手段3は、車両前後における上下方向および横方向の乗心地を評価するための乗心地データを取得するようにしているが、車体Bの前後における横方向の乗心地データのみを取得し、車体Bの前後の横方向の乗心地データの差を求めるようにしても、鉄道車両Vの異常を発見することが可能であり、また、上下方向および横方向に加えて車体Bの前後方向の振動加速度を検知して、車両前後の前後方向の乗心地データの差を求めるようにしてもよい。
【0045】
さらに、上記したところでは乗心地データを乗心地レベルとした場合について、説明したが、所定期間における振動加速度の最大振幅や平均振幅を乗心地データとすることも可能である。
【0046】
戻って、本実施の形態における振動解析装置1にあっては、鉄道車両Vの進行方向に対して横方向の車体Bの振動を抑制する制振装置6を備えている。この制振装置6は、鉄道車両Vの進行方向に対して横方向の車体Bの振動を抑制するように車体Bと前後の台車Wf,Wrとの間に介装される減衰力可変ダンパ7と、各減衰力可変ダンパ7をスカイフックセミアクティブ制御する制御手段たる制御部8とを備えて構成されている。なお、制御部8は、ハードウェア資源としては、上述した乗心地データ取得手段3、演算手段4、異常判定手段5を実現するためのハードウェアに統合されており、減衰力可変ダンパ7をスカイフックセミアクティブ制御するために必要な処理に使用されるプログラムが上記したROM等の記憶装置に格納され、上記プログラムに基づいた処理をCPUが実行することで、制御部8が実現される。
【0047】
減衰力可変ダンパ7は、減衰力可変の流体圧ダンパであって、制御部8からの制御指令を受けると、たとえば、図示しないソレノイドバルブ等の制御弁が流体に与える抵抗を制御指令どおりに変更することによって減衰特性を変更することが可能なようになっている。
【0048】
そして、検出手段2で検知する振動加速度のうち横方向の振動加速度は、スカイフックセミアクティブ制御の際には、制御部8で積分処理されて横方向速度とされるか、別途、制御部8の外方に設けられる加速度から速度を演算する演算手段で横方向速度に変換される。
【0049】
ちなみに、スカイフックセミアクティブ制御にあたり、制御部8は、(dX/dt)×{d(X−Y)/dt}≧0のときには、制御力FをF=Cs×(dX/dt)によって演算し、また、(dX/dt)×{d(X−Y)/dt}<0のときには、制御力FをF=0とする。なお、ここで、dX/dtは車体Bの横方向速度であり、d(X−Y)/dtは、車体Bと台車Wf,Wrの横方向の相対速度であり、Csはスカイフック減衰係数である。
【0050】
そして、制御部8によって演算された制御力Fは、さらに、制御指令として減衰力可変ダンパ7に送信され、これにより、減衰力可変ダンパ7は該制御力Fを発生することになる。また、制御部8は、上記スカイフックセミアクティブ制御に使用されるスカイフック減衰係数Csを変更することが可能なようになっている。
【0051】
ここで、スカイフックセミアクティブ制御を行うに際し、車体Bと台車Wf,Wrとの相対速度の情報が必要となるが、この鉄道車両における制振装置にあっては、減衰力可変ダンパ7を伸び効き(伸長行程時のみに制御力を発生する)、圧効き(圧縮行程時にのみ制御力を発生する)の特性となるように制御弁によって切り変えられる構成としてあり、上記スカイフック制御則に則って制御する場合には、減衰力可変ダンパ7の伸長側における相対速度d(X−Y)/dtを正と定め、dX/dt>0の場合、減衰力可変ダンパ3を伸び効きに切換えておくことにより、d(X−Y)/dt>0であれば(dX/dt)×{d(X−Y)/dt}≧0が満たされ、制御力F=Cs×(dX/dt)をダンパ伸長側で発生させ、他方、d(X−Y)/dt<0であれば(dX/dt)×{d(X−Y)/dt}<0となって制御力F=0となるので、減衰力可変ダンパ7は制御力を発生しないように制御する必要があるが、この場合、減衰力可変ダンパ7は圧縮行程となって制御力を発生しない状態となるので、特別な制御をする必要がない。
【0052】
反対に、dX/dt<0の場合、減衰力可変ダンパ7を圧効きに切換えておくことにより、d(X−Y)/dt<0であれば(dX/dt)×{d(X−Y)/dt}≧0が満たされ、制御力F=Cs×(dX/dt)をダンパ圧縮側で発生させ、他方、d(X−Y)/dt>0であれば(dX/dt)×{d(X−Y)/dt}<0となって制御力F=0となるので、減衰力可変ダンパ7は制御力を発生しないように制御する必要があるが、この場合にも、減衰力可変ダンパ7は伸長行程となって制御力を発生しない状態となるので、特別な制御をする必要がない。なお、伸び効きと圧効きの切換えについてはdX/dtの正負の符合により行えばよい。
【0053】
したがって、上述のように減衰力可変ダンパ7を設定しておくことによって、簡単な構成によってスカイフックセミアクティブ制御の実現が可能であるとともに、制御力F=0となる場合に特別な制御が必要なくなり制御応答遅れによる不具合もない。また、減衰力可変ダンパ7をこのような構成とし、伸び効きと圧効きの切換えをdX/dtの正負の符合により行うようにしておくことで、車体Bと台車Wf,Wrとの相対速度d(X−Y)/dtの検出が不要となるので、検出手段2以外に車体Bと台車Wf,Wrとの相対速度を検出する検出器を別途設ける必要が無く、車両の制振装置を一層安価で軽量なものとすることができる。
【0054】
なお、上記のように減衰力可変ダンパ7を伸び効きと圧効きの切換えを行えるような構成としない場合には、車体Bと台車Wf,Wrとの横方向の相対速度を検出する検知器を別途設けて、車体Bと台車Wf,Wrとの横方向の相対速度情報をも用いて制御力を演算するようにしてもよい。この場合、車体Bと台車Wf,Wrの横方向の相対速度を検出する検出器としては、たとえば、減衰力可変ダンパ7のストロークを検出するストロークセンサや減衰力可変ダンパ7内の圧力を検出する圧力センサを用いることができ、ストロークセンサを用いる場合には、検出されたダンパ変位を制御部8で微分して相対速度を得てもよく、さらに、圧力センサを用いる場合には、該圧力を制御部8で相対速度に変換する演算をさせてもよい。
【0055】
したがって、この鉄道車両の制振装置による上記スカイフックセミアクティブ制御によれば、たとえば、車体Bが図1中左方に振れたとすると、検知手段2から車体Bの振動加速度情報が制御部8に送られて、台車Wf,Wrが車体Bよりも遅い速度で左方に振れているか、或いは、車体Bとは逆に右方に振れている場合には、(dX/dt)×{d(X−Y)/dt}≧0の条件を満たすので、減衰力可変ダンパ7は、F=Cs×(dX/dt)で演算される制御力Fを制御部8からの制御指令に従って出力し、車体Bの振動を抑制する。反対に、台車Wf,Wrがレールの狂い等により車体Bの左方への振れ速度よりも速い速度で左方に振れたとすると、(dX/dt)×{d(X−Y)/dt}<0条件を満たすことになり、減衰力可変ダンパ7は、制御力F=0となり、制御部8からの制御指令に従って発生制御力Fを0とし、減衰力可変ダンパ7は、その発生する制御力で車体1を加振することがないように制御される。
【0056】
このように異常判定手段5にて、異常判定がなされていない通常時には、上記した如くのスカイフックセミアクティブ制御が行われ、制振装置6によって車体Bの横方向の振動が抑制される。
【0057】
他方、異常判定手段5にて異常判定される場合、制振装置6に異常がある場合もあって、スカイフックセミアクティブ制御を継続すると振動を抑制することができなくなる可能性があるから、制振装置6は、異常判定を受けると、スカイフックセミアクティブ制御を停止して、減衰力可変ダンパ7を振動速度に対して決まった減衰力を発揮するパッシブダンパとして機能させる。
【0058】
その後、振動解析装置1上記したステップS1からステップS6までの処理を継続し、異常判定を継続する。そして、上記したように、減衰力可変ダンパ7をパッシブダンパとして機能させた後に、異常判定手段5にて異常なしと判断されるようになると、通常時で行っていたスカイフックセミアクティブ制御を再開する。
【0059】
なお、振動解析装置1は、減衰力可変ダンパ7をパッシブダンパとして機能させた後でも、異常判定手段5にて異常ありと判断される場合には、制振装置6における異常ではなく、鉄道車両V自身に異常があると判断する。パッシブダンパは、振動の入力に対して減衰力を発揮するが、車体Bを発振させることはなく振動が収束する筈であるにもかかわらず、減衰力可変ダンパ7をパッシブダンパとした後も、前後の乗心地データの差が大きく異常があると判断される場合には、鉄道車両V自身、すなわち、鉄道車両Vの車体B或いは台車Wf,Wr、車体Bと台車Wf,Wrとの間や台車Wf,Wrと車輪との間に介装されたばね等に何らかの異常が発生していると判断するのである。
【0060】
戻って、スカイフックセミアクティブ制御を再開後に、異常判定手段5にて異常なしと判断され、その後も異常が認められない場合には、軌道狂い等、軌道側の異常が原因で車体Bの振動が大きくなったと考えられるので、その場合には、振動解析装置1は、軌道に異常があったと判断し、スカイフックセミアクティブ制御を継続する。
【0061】
スカイフックセミアクティブ制御を再開後に、異常振動が再発して、異常判定手段5にて異常ありと判断される場合、振動解析装置1に異常があると判断される。つまり、異常が発見されて減衰力可変ダンパ7をパッシブダンパとすると異常振動が解消されて異常なしと判定され、スカイフックセミアクティブ制御を再開すると異常振動が再発するのであるから、制振装置6に異常が認められるので、振動解析装置1は、制振装置6が異常であると判断する。
【0062】
このように、振動解析装置1が制振装置6を備えることで、鉄道車両Vの異常、制振装置6の異常および軌道側の異常というように、異常の原因がどの個所にあるのかを正確に特定することができるのである。
【0063】
以上で、本発明の実施の形態についての説明を終えるが、本発明の範囲は図示されまたは説明された詳細そのものには限定されないことは勿論である。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は鉄道車両の振動解析装置に利用可能である。
【符号の説明】
【0065】
1 振動解析装置
2 検知手段
2a,2b 加速度センサ
3 乗心地データ取得手段
4 演算手段
5 異常判定手段
6 制振装置
7 減衰力可変ダンパ
8 制御部
B 車体
D ディスプレイ装置
Mm 車両中央モニタ
Ms 車両端末モニタ
S エアバネ
V 鉄道車両
Wf,Wr 台車

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも鉄道車両における車体の前後における該車両の進行方向に対し水平横方向の振動加速度を検知する検知手段と、検知手段で検知した振動加速度から車体前側の乗心地を評価するための前側横方向の乗心地データと車体後側の乗心地を評価するための後側横方向の乗心地データとを得る乗心地データ取得手段と、前側横方向の乗心地データと後側横方向の乗心地データの差を求める演算手段とを備えた鉄道車両の振動解析装置。
【請求項2】
検知手段は、水平横方向の振動加速度に加え、車体の前後における車体上下方向の振動加速度を検知し、乗心地データ取得手段は、車体前後の上下方向、水平横方向の振動加速度を解析して、車体前側の上下方向および水平横方向の乗り心地を評価するための前側上下乗心地データおよび前側横方向乗心地データを得るとともに、車体後側の上下方向および水平横方向の乗り心地を評価するための後側上下方向の乗心地データおよび後側横方向の乗心地データを得るとともに、演算手段は、前側上下向の乗心地データと後側上下向の乗心地データの差と、前側横方向の乗心地データと後側横方向の乗心地データの差をそれぞれ求めることを特徴とする請求項1に記載の鉄道車両の振動解析装置。
【請求項3】
乗心地データ取得手段は、所定時間に亘ってサンプリングした振動加速度から乗心地を評価する乗心地データを求めることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鉄道車両の振動解析装置。
【請求項4】
乗心地データ取得手段は、所定時間に亘ってサンプリングされた振動加速度を高速フーリエ変換してパワースペクトル密度を得て、得られたパワースペクトル密度を周波数毎の重み付け処理して乗心地データとしての乗心地レベルを求めることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鉄道車両の振動解析装置。
【請求項5】
乗心地データ取得手段は、所定時間に亘ってサンプリングされた振動加速度を所定の重み付けフィルタでフィルタ処理することによって乗心地データとしての乗心地レベルを求めることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の鉄道車両の振動解析装置。
【請求項6】
演算手段が求めた差が所定の閾値を超えると車両に異常があると判断する異常判定手段を備えたことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の鉄道車両の振動解析装置。
【請求項7】
異常判定手段は、鉄道車両の速度が所定速度以上の場合に車両の異常の有無を判断することを特徴とする請求項6に記載の鉄道車両の振動解析装置。
【請求項8】
異常判定手段は、鉄道車両の速度が所定速度未満である場合と所定速度以上である場合とで上記閾値を変更することを特徴とする請求項6に記載の鉄道車両の振動解析装置。
【請求項9】
異常判定手段は、上記乗心地レベルの値が所定値以上の場合に車両の異常の有無を判断することを特徴とする請求項6に記載の鉄道車両の振動解析装置。
【請求項10】
異常判定手段は、上記乗心地レベルの値が所定値未満である場合と所定値以上である場合とで上記閾値を変更することを特徴とする請求項6に記載の鉄道車両の振動解析装置。
【請求項11】
鉄道車両における車体と車体を支持する台車との間に介装され該車両の進行方向に対し水平横方向の車体の振動を抑制する減衰力可変ダンパと、該減衰力可変ダンパが発生する上記車体振動を抑制する制御力をスカイフックセミアクティブ制御する制御手段とを備えた制振装置を備え、異常判定手段において異常があると判断されると、スカイフックセミアクティブ制御を停止して減衰力可変ダンパをパッシブダンパとして機能させることを特徴とする請求項6から10のいずれかに記載の鉄道車両の振動解析装置。
【請求項12】
異常判定手段において異常があると判断されてスカイフックセミアクティブ制御を停止して減衰力可変ダンパをパッシブダンパとして機能させた後に、異常判定手段において異常があると判断する場合、鉄道車両に異常があると判断することを特徴とする請求項11に記載の鉄道車両の振動解析装置。
【請求項13】
異常判定手段において異常があると判断されてスカイフックセミアクティブ制御を停止して減衰力可変ダンパをパッシブダンパとして機能させた後に異常判定手段において異常がないと判断されてスカイフックセミアクティブ制御を再開した後、異常判定手段において異常があると判断する場合、制振装置に異常があると判断することを特徴とする請求項11または12に記載の鉄道車両の振動解析装置。
【請求項14】
異常判定手段において異常があると判断されてスカイフックセミアクティブ制御を停止して減衰力可変ダンパをパッシブダンパとして機能させた後に異常判定手段において異常がないと判断されてスカイフックセミアクティブ制御を再開した後、異常判定手段において異常なしと判断する場合、軌道に異常があると判断することを特徴とする請求項11から13のいずれかに記載の鉄道車両の振動解析装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−86671(P2012−86671A)
【公開日】平成24年5月10日(2012.5.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−235134(P2010−235134)
【出願日】平成22年10月20日(2010.10.20)
【出願人】(000000929)カヤバ工業株式会社 (2,151)
【出願人】(000196587)西日本旅客鉄道株式会社 (202)
【Fターム(参考)】