鉄鋼スラグと排煙脱硫装置の脱硫吸収済液とを原材料とする水マグ作製利用法
【課題】 鉄鋼スラグ、脱硫排水等の廃棄物より水酸化マグネシウムを作製する。
【解決手段】 火力発電所等の水酸化マグネシウムを原材料として設置されている湿式排煙脱硫装置において、二酸化イオウガスを吸収し系外に排出している硫酸マグネシウム溶液と、鉄鋼スラグ中に含まれる酸化カルシウム、水酸化カルシウムとを反応させ、水酸化マグネシウムを作製し、排煙脱硫装置の原材料、金属マグネシウム作製等の原材料として有効利用する。
【解決手段】 火力発電所等の水酸化マグネシウムを原材料として設置されている湿式排煙脱硫装置において、二酸化イオウガスを吸収し系外に排出している硫酸マグネシウム溶液と、鉄鋼スラグ中に含まれる酸化カルシウム、水酸化カルシウムとを反応させ、水酸化マグネシウムを作製し、排煙脱硫装置の原材料、金属マグネシウム作製等の原材料として有効利用する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【００１】
本発明は、鉄鋼スラグと湿式排煙脱硫装置からの廃棄物から水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）（水マグ）を精製し有効活用することに関するものである。
【背景技術】
【００２】
従来、海水に微量に溶解している塩化マグネシウム（ＭｇＣｌ２）等の水溶液と水酸化ナトリウム（ＮａＯＨ）などの高価な塩基水溶液を反応させることによって作製していた。
【発明が解決しようとする課題】
【００３】
そのために、次のような問題点があった。
（イ）上記、水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）を作製させるための原材料である水酸化ナトリウム（ＮａＯＨ）は、通常、海水の電気分解によって作製されるため、多量の電気を消費し、設備も大掛かりなため生産コストが高く、湿式排煙脱硫装置のアルカリ剤として利用したり、金属マグネシウム（Ｍｇ）を作製するための原材料として利用するには高価なため採算に合わないという問題点があった。
（ロ）そのため、廃棄物として処理している鉄鋼スラグと、湿式排煙脱硫装置から排水として排出される硫酸マグネシウム（ＭｇＳＯ４）を反応させ精製作製することによって、従来の水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）を生産するコストが非常に高いという問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【００４】
水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）を原材料として使用している湿式排煙脱硫装置から排ガス中の二酸化イオウ（ＳＯ２）を吸収反応した硫酸マグネシウム（ＭｇＳＯ４）溶液と、鉄鋼スラグ中の酸化カルシウム（ＣａＯ）、水酸化カルシウムＣａ（ＯＨ）２とを反応器内で反応させ、水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）を生成させ、これを分離して利用する。
【発明の効果】
【００５】
（イ）上記のように水酸化マグネシウムを作製する原材料の酸化カルシム、水酸化カルシウム、硫酸マグネシウムは総て廃棄物として処理されているものを再利用し、作製コストを非常に安くするという効果がある。
（ロ）作製された水酸化マグネシウムは、湿式排煙脱硫装置の原材料として利用でき、硫酸マグネシウムを生成するので、これを本件の水酸化マグネシウムを作製する原材料として再利用できる。
（ハ）水酸化マグネシウムを原材料とした湿式排煙脱硫装置は、石灰石石膏法の排煙脱硫装置のように原材料から分解した二酸化炭素ガスを発生する湿式排煙脱硫装置とは異なり、水酸化マグネシウムを二酸化炭素ガスが発生しない二酸化イオウ吸収剤として利用できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【００６】
以下、本発明の実施の形態について説明する。酸化カルシウム（ＣａＯ）、水酸化カルシウム（Ｃａ（ＯＨ）２）、酸化マグネシウム（ＭｇＯ）、水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）、酸化シリカ（ＳｉＯ２）、酸化アルミニウム（Ａｌ２Ｏ３）等を含む鉄鋼スラグの塊状物質を粉砕したものと、水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）を吸収剤とした湿式排煙脱硫装置から生成した硫酸マグネシウム（ＭｇＳＯ４）水溶液を反応器に入れ、攪拌反応させ下記の反応によって、コロイド状の水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）を生成させ、脱水機、水中での沈降分離等によって、水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）とその他の固定物と分離して利用する。
（イ）ＣａＯ＋Ｈ２Ｏ→Ｃａ（ＯＨ）２
（ロ）Ｃａ（ＯＨ）２＋ＭｇＳＯ４＋２Ｈ２Ｏ→Ｍｇ（ＯＨ）２＋ＣａＳＯ４・２Ｈ２Ｏ
【技術分野】
【００１】
本発明は、鉄鋼スラグと湿式排煙脱硫装置からの廃棄物から水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）（水マグ）を精製し有効活用することに関するものである。
【背景技術】
【００２】
従来、海水に微量に溶解している塩化マグネシウム（ＭｇＣｌ２）等の水溶液と水酸化ナトリウム（ＮａＯＨ）などの高価な塩基水溶液を反応させることによって作製していた。
【発明が解決しようとする課題】
【００３】
そのために、次のような問題点があった。
（イ）上記、水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）を作製させるための原材料である水酸化ナトリウム（ＮａＯＨ）は、通常、海水の電気分解によって作製されるため、多量の電気を消費し、設備も大掛かりなため生産コストが高く、湿式排煙脱硫装置のアルカリ剤として利用したり、金属マグネシウム（Ｍｇ）を作製するための原材料として利用するには高価なため採算に合わないという問題点があった。
（ロ）そのため、廃棄物として処理している鉄鋼スラグと、湿式排煙脱硫装置から排水として排出される硫酸マグネシウム（ＭｇＳＯ４）を反応させ精製作製することによって、従来の水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）を生産するコストが非常に高いという問題点を解決するためになされたものである。
【課題を解決するための手段】
【００４】
水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）を原材料として使用している湿式排煙脱硫装置から排ガス中の二酸化イオウ（ＳＯ２）を吸収反応した硫酸マグネシウム（ＭｇＳＯ４）溶液と、鉄鋼スラグ中の酸化カルシウム（ＣａＯ）、水酸化カルシウムＣａ（ＯＨ）２とを反応器内で反応させ、水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）を生成させ、これを分離して利用する。
【発明の効果】
【００５】
（イ）上記のように水酸化マグネシウムを作製する原材料の酸化カルシム、水酸化カルシウム、硫酸マグネシウムは総て廃棄物として処理されているものを再利用し、作製コストを非常に安くするという効果がある。
（ロ）作製された水酸化マグネシウムは、湿式排煙脱硫装置の原材料として利用でき、硫酸マグネシウムを生成するので、これを本件の水酸化マグネシウムを作製する原材料として再利用できる。
（ハ）水酸化マグネシウムを原材料とした湿式排煙脱硫装置は、石灰石石膏法の排煙脱硫装置のように原材料から分解した二酸化炭素ガスを発生する湿式排煙脱硫装置とは異なり、水酸化マグネシウムを二酸化炭素ガスが発生しない二酸化イオウ吸収剤として利用できるという効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【００６】
以下、本発明の実施の形態について説明する。酸化カルシウム（ＣａＯ）、水酸化カルシウム（Ｃａ（ＯＨ）２）、酸化マグネシウム（ＭｇＯ）、水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）、酸化シリカ（ＳｉＯ２）、酸化アルミニウム（Ａｌ２Ｏ３）等を含む鉄鋼スラグの塊状物質を粉砕したものと、水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）を吸収剤とした湿式排煙脱硫装置から生成した硫酸マグネシウム（ＭｇＳＯ４）水溶液を反応器に入れ、攪拌反応させ下記の反応によって、コロイド状の水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）を生成させ、脱水機、水中での沈降分離等によって、水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）とその他の固定物と分離して利用する。
（イ）ＣａＯ＋Ｈ２Ｏ→Ｃａ（ＯＨ）２
（ロ）Ｃａ（ＯＨ）２＋ＭｇＳＯ４＋２Ｈ２Ｏ→Ｍｇ（ＯＨ）２＋ＣａＳＯ４・２Ｈ２Ｏ
【特許請求の範囲】
【請求項１】
火力発電所等の重油、石炭を燃焼させるボイラーから発生する排ガス中に含まれる二酸化硫黄（ＳＯ２）ガスを吸収除去するために、水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）を原材料として使用し設置されている湿式排煙脱硫装置において、二酸化イオウ（ＳＯ２）ガスを吸収し系外に排出している硫酸マグネシウム（ＭｇＳＯ４）溶液と、鉄鋼スラグ中に含まれる酸化カルシウム（ＣａＯ）、水酸化カルシウム（Ｃａ（ＯＨ）２）とを反応器で反応させ、水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）を作製し、これを取り出し活用することを特徴とする水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）（水マグ）作製法とその装置。
【請求項１】
火力発電所等の重油、石炭を燃焼させるボイラーから発生する排ガス中に含まれる二酸化硫黄（ＳＯ２）ガスを吸収除去するために、水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）を原材料として使用し設置されている湿式排煙脱硫装置において、二酸化イオウ（ＳＯ２）ガスを吸収し系外に排出している硫酸マグネシウム（ＭｇＳＯ４）溶液と、鉄鋼スラグ中に含まれる酸化カルシウム（ＣａＯ）、水酸化カルシウム（Ｃａ（ＯＨ）２）とを反応器で反応させ、水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）を作製し、これを取り出し活用することを特徴とする水酸化マグネシウム（Ｍｇ（ＯＨ）２）（水マグ）作製法とその装置。
【公開番号】特開２０１１−１３１２０３（Ｐ２０１１−１３１２０３Ａ）
【公開日】平成２３年７月７日（２０１１．７．７）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００９−２９９５８４（Ｐ２００９−２９９５８４）
【出願日】平成２１年１２月２４日（２００９．１２．２４）
【出願人】（５０９００５３５１）
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２３年７月７日（２０１１．７．７）
【国際特許分類】
【出願日】平成２１年１２月２４日（２００９．１２．２４）
【出願人】（５０９００５３５１）
【Ｆターム（参考）】
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