説明

銀超微粒子の製造方法および銀超微粒子含有組成物ならびに導電性部材

【課題】回収量が多く、経時による銀超微粒子の分散安定性に優れた銀超微粒子の製造方法、および分散安定性や基材との密着性に優れる銀超微粒子含有組成物、ならびに基材との密着性と導電性に優れた導電性部材を提供する。
【解決手段】水を主体に含有する水性媒体中に少なくとも水溶性銀塩、塩基性化合物、水溶性高分子化合物、および還元剤を含有せしめ、水溶性銀塩由来の銀イオンを還元し銀超微粒子を製造する銀超微粒子の製造方法において、該塩基性化合物が塩基性カリウム塩であることを特徴とする銀超微粒子の製造方法。およびこれにより得られた銀超微粒子を含有する銀超微粒子含有組成物、ならびに導電性部材。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は銀超微粒子の製造方法に関する。また該銀超微粒子の製造方法によって得られた銀超微粒子を含有する銀超微粒子含有組成物、および該銀超微粒子含有組成物によってパターンが形成された導電性部材に関する。
【背景技術】
【0002】
一次粒子径が1μm以下の銀超微粒子、特に100nm以下の銀超微粒子は、極めて高い表面エネルギーによる融点低下や、局在化表面プラズモンによる電場増強効果等の特徴を有することから、導電性材料、表面増強ラマン散乱分光、太陽電池、光輝性塗料、色材等の様々な分野での応用が期待されており、特に導電性材料としての使用検討が進んでいる。この銀超微粒子の製造方法は、乾式法と湿式法に大別され、水および/または有機溶媒に分散された銀超微粒子分散液の形で使用される。
【0003】
導電性材料として使用する場合、焼結温度は低いほど使用可能な基材の選択肢が増え、使用エネルギーも低減することが可能であるため好ましく、例えば、特開平3−34211号公報には、乾式法であるガス中蒸発法により製造された銀を含む各種金属超微粒子を高沸点溶媒中に分散した金属超微粒子分散液の製造方法が開示されており、また特開2004−273205号公報には、ガス中蒸発法により合成された銀超微粒子を原料に用い、表面をアミン化合物によって被覆した銀超微粒子を高沸点溶媒中に分散した銀超微粒子分散液の製造方法が開示されている。しかしながらこの方法では金属蒸気を作製するための特別な装置が必要であるため製造装置が高価であり、更に金属蒸発のためにエネルギーが多量に必要であるという問題を有していた。
【0004】
湿式法による銀超微粒子の製造方法としてはCarey Leaが1889年に発表した方法(非特許文献1、Am.J.Sci.,vol.37,pp.491,1889)が古くから知られており、また特公平1−28084号公報(特許文献1)、特開平10−66861号公報(特許文献2)、特開2003−103158号公報(特許文献3)、特開2006−328472号公報(特許文献4)等には、水を主体に含有する水性媒体中に、保護コロイドあるいは分散剤として作用する水溶性高分子化合物と金属イオンを含有させ、還元剤により該金属イオンを還元し金属超微粒子を製造する方法が開示されている。このような製造方法において金属イオンを還元する際に用いる塩基性化合物としては水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等の塩基性ナトリウム塩が一般的であるが、これらの方法によって製造した銀超微粒子を含有する分散液は、経時によって銀超微粒子の分散安定性が低下するという問題があった。これに対して、特開2005−248204号公報(特許文献5)、アンモニア水を用いる方法によって製造した銀超微粒子の分散安定性は有効ではあるが、この方法では銀超微粒子の回収量が少ないという問題があった。
【0005】
また上記したような製造方法で得られた銀超微粒子は、分散媒として水を含有する水系分散液として得るのが一般的であり、該分散液は導体配線や導電膜等の導電性材料を製造する場合に用いられるスピンコート塗布法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法、ディスペンサー塗布法等の各種印刷方法や塗布方法に適した物性が付与された銀超微粒子含有組成物として利用されるが、この場合においても十分な分散安定性が求められる。
【0006】
また基材との密着性を良化する目的として、銀超微粒子含有組成物にポリマーラテックスを用いることは従来から知られており、例えば特公平7−26044号公報(特許文献6)には、ポリウレタンの水性分散体を含有し、導電性と基材への密着性が良好なペイント染料の製造方法として記載がされている。しかしながらポリマーラテックスを含有する銀超微粒子含有組成物においては、上記した経時によって銀超微粒子の分散安定性が低下するという問題がますます顕著に表れ、改善が求められていた。また前述の特許文献4には、銀超微粒子を含有する分散液にグリセリンやエチレングリコールモノブチルエーテル、およびエタノールやアセトン等の各種有機溶媒を添加しても金属超微粒子の粒度分布が変動しない金属コロイド溶液が記載されるが、十分満足できるものではなかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特公平1−28084号公報
【特許文献2】特開平10−66861号公報
【特許文献3】特開2003−103158号公報
【特許文献4】特開2006−328472号公報
【特許文献5】特開2005−248204号公報
【特許文献6】特公平7−26044号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Am.J.Sci.,vol.37,pp.491,1889
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の第1の目的は、銀超微粒子の回収量が多く、経時による銀超微粒子の分散安定性に優れた銀超微粒子の製造方法を提供することにある。また本発明の第2の目的は、分散安定性に優れた銀超微粒子含有組成物、および基材との密着性と分散安定性に優れた銀超微粒子含有組成物を提供することにある。また第3の目的は基材との密着安定性と導電性に優れた導電性部材を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の上記目的は、以下の発明によって基本的に達成された。
1.水を主体に含有する水性媒体中に少なくとも水溶性銀塩、塩基性化合物、水溶性高分子化合物、および還元剤を含有せしめ、水溶性銀塩由来の銀イオンを還元し銀超微粒子を製造する銀超微粒子の製造方法において、該塩基性化合物が塩基性カリウム塩であることを特徴とする銀超微粒子の製造方法。
2.前記塩基性カリウム塩が水酸化カリウムである上記1に記載の銀超微粒子の製造方法。
3.上記1または2記載の銀超微粒子の製造方法によって得られた銀超微粒子を含有する銀超微粒子含有組成物。
4.上記1または2記載の銀超微粒子の製造方法によって得られた銀超微粒子とポリマーラテックスを含有する銀超微粒子含有組成物。
5.基材上に上記3または4記載の銀超微粒子含有組成物によってパターンが形成された導電性部材。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、回収量が多く、経時による銀超微粒子の分散安定性に優れた銀超微粒子の製造方法を提供することができる。また分散安定性に優れた銀超微粒子含有組成物、および基材との密着性と分散安定性に優れた銀超微粒子含有組成物を提供することができる。更には基材との密着安定性と導電性に優れた導電性部材を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0013】
本発明者らは、水を主体に含有する水性媒体中に少なくとも水溶性銀塩、塩基性化合物、水溶性高分子化合物、および還元剤を含有せしめ、水溶性銀塩由来の銀イオンを還元し銀超微粒子を製造する銀超微粒子の製造方法について鋭意検討した結果、従来から知られている水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム等の塩基性ナトリウム塩やアンモニア水等の塩基性化合物ではなく、塩基性カリウム塩を用いて製造すると、極めて分散安定性の高い銀超微粒子が得られることを見いだした。また、水溶性高分子および還元剤の兼用として多糖類を用いた場合、特に使用銀量に対する銀超微粒子の回収量が多いことを見いだした。そしてこの分散安定性は、各種印刷方法や塗布方法に適した物性が付与された銀超微粒子含有組成物においても同様にして得られることを見いだした。また導電性材料を製造する場合に基材との密着性を良化する目的として、銀超微粒子含有組成物にポリマーラテックスを用いることは従来から知られていたが、このような場合においても本発明の製造方法によって得られた銀超微粒子を用いることで、基材との密着性と銀超微粒子の分散安定性に優れた銀超微粒子含有組成物が得られることを見いだした。
【0014】
本発明の銀超微粒子の製造方法において、水を主体に含有する水性媒体とは、溶媒として、水が少なくとも80質量%以上であることを示し、好ましくは90質量%以上であり、特に好ましくは98質量%以上であることを意味する。水以外に含まれる溶媒としては、アルコール類、グリコール類、アセトン等の水と混和性の高い有機溶媒を例示することができる。
【0015】
本発明において用いられる水溶性銀塩は、水に対する溶解度の高い硝酸銀塩、フッ化銀塩、過塩素酸銀塩が好ましく、工業用途として広く用いられている硝酸銀塩が特に好ましい。また、水を主体に含有する水性媒体中に含有せしめる水溶性銀塩の量は、該水性媒体中に水溶性銀塩、塩基性化合物、水溶性高分子化合物および還元剤等を含有せしめた混合物1kgに対して、銀イオンに換算して0.1モル以上、より好ましくは0.5モル以上であることが好ましい。なお上限は、水溶性銀塩および塩基性カリウム塩の溶解濃度の上限に到達することから、約2.8モル以下とすることが望ましい。
【0016】
本発明の銀超微粒子の製造方法において、塩基性化合物として塩基性カリウム塩を含有させることで銀超微粒子の分散安定性を向上させることができる。塩基性カリウム塩としては、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、酢酸カリウム、リン酸三カリウム、水酸化カリウム等を用いることができ、特に水酸化カリウムを用いることが好ましい。その他の塩基性化合物として水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化バリウム、アンモニア水等の他の塩基性化合物と併用することもできるがその場合、塩基性化合物全体の添加量に対して50モル%以下、より好ましくは30モル%以下であることが好ましい。
【0017】
塩基性化合物の添加量は、水溶性銀塩由来の銀イオンと当量以上で添加することが好ましい。当量未満の場合、形成される銀超微粒子の量が減少し銀超微粒子の収率が低下する場合がある。上限は特にないが塩基性化合物の添加量を増やすと、反応後に得られる銀超微粒子を含有する分散液の総量が増加し生産性が低くなるため、2当量以下とすることが望ましい。
【0018】
水溶性高分子化合物は、反応過程で一時的に生成する酸化銀あるいは還元により形成された銀超微粒子の保護コロイドあるいは分散剤として作用し、銀超微粒子の製造に使用される公知の水溶性高分子化合物を使用すれば良く、例えばアラビアゴム、デキストラン、デキストリン等の多糖類やゼラチン等の天然高分子化合物、ポリビニルアルコールやポリビニルピロリドン、ポリアリルアミン等の合成高分子化合物を広く用いることができる。
【0019】
水溶性高分子化合物の添加量は、種類および製造する銀超微粒子の粒径により変化するが、水溶性銀塩由来の銀イオン1モルに対して1gから200gが好ましく、より好ましくは20gから100gである。
【0020】
還元剤としては、公知の銀イオンを銀に還元することができる還元剤から溶解度の高いものを選択すれば良く、銀塩写真用の現像試薬として知られるハイドロキノン、ハイドロキノンモノスルフォネートカリウム塩、アスコルビン酸またはその塩、無電解鍍金の還元剤として知られる水素化ホウ素ナトリウム、ヒドラジン化合物、ホルマリン、ホスフィン酸またはその塩、酒石酸またはその塩、他にデキストリン、マルトース、グルコース等の多糖類や二糖類、単糖類を例示することができる。
【0021】
還元剤の添加量は、水溶性銀塩由来の銀イオンと当量以上添加することが望ましい。上限は特にないが還元剤の添加量を増やすと、得られる銀超微粒子分散液の総量が増加し生産性が低くなるため、2当量以下が好ましい。但し、多糖類や二糖類および単糖類を用いる場合には、同時に加えられる塩基性化合物により加水分解され、アルドン酸を経てグリコール酸等のオキシ酸およびギ酸等の種々の酸を種々の割合により生じ、これらが還元に寄与するため、化学量論的に論じることができない。実際にはグルコースあるいはフルクトース単位あたり少なくとも5電子から10電子の還元が可能である。従って多糖類や二糖類および単糖類を使用する場合、グルコースあるいはフルクトース単位として水溶性銀塩由来の銀イオンに対して0.1〜0.4当量とすることが好ましい。
【0022】
還元剤として多糖類や二糖類および単糖類を用いる場合には、塩基性化合物が加水分解に消費されるため、塩基性化合物は、水溶性銀塩由来の銀イオンに対して少なくとも当量を超えて添加することが必要であり、1.15当量以上が好ましく、1.3当量以上が特に好ましい。
【0023】
特に、澱粉の分解物であるデキストリン等の多糖類を水溶性高分子化合物および還元剤として兼用することは、多糖類の一部が塩基性化合物により加水分解され特に好ましく還元剤として作用するので、得られる銀超微粒子分散液の総量を減少させることから、使用銀量に対する銀超微粒子の回収量の効率が良好となり生産性を高めることができる。更に、本発明である塩基性カリウム塩を用いて製造することで、分散性の良化により、銀超微粒子分散液の粘度が低下することから特に高銀濃度での回収において回収量が良化する。
【0024】
多糖類を水溶性高分子化合物および還元剤として兼用する場合、その添加量は、水溶性銀塩由来の銀イオン1モルに対して10gから200gが好ましく、より好ましくは30gから110gである。また、水性媒体中にはアルコール類が含まれると多糖類がアルコール類を包摂して沈殿しやすくなるため、多糖類を用いる場合にはアルコール類は多量に含まれないことが好ましい。具体的にはアルコール類は水性媒体中に5質量%以下であることが好ましい。
【0025】
また、多糖類を用いる場合、還元反応が終了した段階で1,4−α−結合を不規則に切断するα−アミラーゼを作用させ、還元反応が終了した段階において残留している多糖類を低分子化することも好ましい。α−アミラーゼを作用させることにより、限外濾過や遠心分離等の公知の方法を用い銀超微粒子を含有する分散液中の銀超微粒子の濃度を30質量%以上に高めた場合に顕著に現れる、銀超微粒子分散液の経時に伴う増粘挙動を抑制することができる。またα−アミラーゼを作用させ、還元反応が終了した段階において残留している多糖類を低分子化することは、銀超微粒子の分散安定性の点からも好ましい。
【0026】
α−アミラーゼは、例えば天野エンザイム(株)よりビオザイムAやビオザイムF10SDとして市販されている各種α−アミラーゼを用いることができる。α−アミラーゼ添加前の銀超微粒子分散液は、α−アミラーゼに適したpHを4から10に調整し、温度を20℃から50℃に調整されることが好ましい。pHの調整には、酢酸等のカルボン酸類や硝酸を用いることが好ましい。α−アミラーゼの添加量は、用いるデキストリン等の多糖類の質量に対し0.01質量%から10質量%が好ましく、より好ましくは0.1質量%から1質量%である。
【0027】
本発明における製造方法の具体例としては例えば、水溶性銀塩である硝酸銀を銀イオン1モルに対して水溶性高分子化合物および還元剤として用いるデキストリンを71.2g(銀1当量に対して0.65当量)溶かした水溶液中に、塩基性化合物として水酸化カリウムを銀1当量に対して1.4当量を撹拌しながら加え、撹拌を続けることで還元反応を進める。還元反応は約1時間経過させることで、銀超微粒子を含む分散液を得ることができる。続いて、得られた銀超微粒子を含有する分散液を酢酸にてpH5から6の間になるように調整しα−アミラーゼであるビオザイムF10SDを0.26g(デキストリンの質量に対して0.367質量%)を添加し、温度45℃で1時間撹拌させ、デキストリンを低分子化する。その銀超微粒子分散液を遠心分離によって沈殿させ、銀超微粒子と塩類や、過剰なデキストリンを含んだ上澄み液を分離させて上澄み液を除去し、精製する。精製工程においては、沈殿した銀超微粒子を再分散させ、2回以上の遠心分離による精製を実施することが好ましい。精製されて、沈殿した銀超微粒子は所望の濃度になるように純水を加えて再分散することで銀超微粒子分散液を得ることができる。
【0028】
本発明で得られた銀超微粒子分散液中に、銀超微粒子と共に含まれている塩類や過剰な水溶性高分子化合物等を、限外濾過や遠心分離等の公知の方法により減少させ、含まれている銀超微粒子の濃度を目的に応じ調整し、必要に応じ粘度調整剤やバインダー等を添加して銀超微粒子含有組成物とし、導電性材料、表面増強ラマン散乱分光、太陽電池、光輝性塗料、色材等の公知の用途に使用することができる。また、銀超微粒子を含有する分散液より銀超微粒子を乾燥等の方法により取り出し、粉体として利用することや、有機溶媒等に再分散させ利用することもできる。
【0029】
次に本発明の銀超微粒子含有組成物に用いられるポリマーラテックスについて説明する。前述の通り湿式法により得られた銀超微粒子を含有する分散液は、分散媒として水を含有する水系分散液であるのが一般的であるため、基材との接着性を高める目的で使用するポリマーラテックスとしては、単独重合体や共重合体等各種公知のラテックスの水分散物であるエマルジョンを用いることが好ましい。単独重合体としては酢酸ビニル、塩化ビニル、スチレン、メチルアクリレート、ブチルアクリレート、メタクリロニトリル、ブタジエン、イソプレン等の重合体があり、共重合体としてはエチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・ブタジエン共重合体、スチレン・p−メトオキシスチレン共重合体、スチレン・酢酸ビニル共重合体、酢酸ビニル・塩化ビニル共重合体、酢酸ビニル・マレイン酸ジエチル共重合体、メチルメタクリレート・アクリロニトリル共重合体、メチルメタクリレート・ブタジエン共重合体、メチルメタクリレート・スチレン共重合体、メチルメタクリレート・酢酸ビニル共重合体、メチルメタクリレート・塩化ビニリデン共重合体、メチルアクリレート・アクリロニトリル共重合体、メチルアクリレート・ブタジエン共重合体、メチルアクリレート・スチレン共重合体、メチルアクリレート・酢酸ビニル共重合体、アクリル酸・ブチルアクリレート共重合体、メチルアクリレート・塩化ビニル共重合体、ブチルアクリレート・スチレン共重合体、エチレン塩化ビニル共重合体、ポリエステル、各種ウレタン等がある。この中でもポリエステルラテックス、アクリルラテックスおよびウレタンラテックスを用いることが好ましく、更に分散安定性と接着性の観点からウレタンラテックスが好ましい。ポリマーラテックスの平均粒子径は0.01〜10μmであることが好ましく、更に好ましくは0.02〜5μmである。なお、導電性の観点からはポリマーラテックスの平均粒子径は銀超微粒子よりも大きい方が好ましい。
【0030】
ポリマーラテックスの含有量としては、銀超微粒子を含有する分散液中の含有銀量の質量比1に対して0.4倍以下が好ましく、銀:ポリマーラテックスの質量比は1:0.01〜1:0.4であることが好ましく、更に1:0.03〜1:0.3であることがより好ましい。1:0.4を超える場合、ポリマーラテックスの膜中に銀超微粒子がうまってしまい導電性は悪化する場合がある。また、1:0.01未満であればポリマーラテックスによる所望の密着性の効果が得られない場合がある。
【0031】
本発明における銀超微粒子とは、平均粒子径が1μm以下の銀超微粒子を示す。より好ましくは0.3μm以下であり、特に好ましくは100nm以下である。銀超微粒子の直径の下限は1nmである。1nm未満になると、銀超微粒子の単位質量あたりの表面積が増大し、被覆している水溶性高分子化合物の付着量の増大による極端な増粘等の弊害が生じる場合がある。なお、銀超微粒子の平均粒子径は、電子顕微鏡下での観察により求めることができる。詳細にはポリエチレンテレフタレートフィルムの上に、銀超微粒子分散液を塗布、乾燥させ、走査型電子顕微鏡にて観察し、一定面積内に存在する100個の粒子各々の投影面積に等しい円の直径を粒子径として平均し求める。
【0032】
精製された銀超微粒子分散液および銀超微粒子含有組成物は、基板上に例えば、スクリーン印刷、ディスペンサー塗布、スピンコート塗布、インクジェット印刷、フレキソ印刷、グラビア印刷、オフセットグラビア印刷、凸版印刷等公知の方法により基材上にパターニングされる。本発明の導電性部材はこのようにしてパターニングされた後に例えば焼結処理に代表される導電性発現処理を施すことによって得られるが、焼結処理を施すと耐熱性の観点から基材が限定される。従って導電性発現処理としては、特開2008−4375号公報、特開2008−235224号公報、特開2009−21153号公報、特開2009−104807号公報に記載される基材にパターニングする、あるいはこれら公報に記載されるような浸漬処理によって、導電性発現処理を施すことが好ましい。
【0033】
導電性部材としては、例えば微細配線、RFIDアンテナや地上波デジタル放送の受信アンテナ等の各種アンテナ、電磁波シールド、有機TFTのゲート、ソース、ドレイン電極、各種ディスプレイのデータ電極、アドレス電極、太陽電池の集電電極等の導電性パターン、バンプ等の端子、複数層からなるプリント配線基板における配線パターンおよび配線層間のコンタクトホールやビアホール、電子部品の電極等を例示することができるが、これに限定されるものではない。
【0034】
また、精製された銀超微粒子を含有する分散液は、界面活性剤を添加し各種印刷方式に適した表面張力に調整し、高沸点溶媒を乾燥防止のために加えた銀ナノインク液にすることができる。例えば、インクジェット印刷用の銀ナノインク液として調整する場合には、公知の各種界面活性剤(例えばアルキル硫酸ナトリウム類、ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウム類、フッ素系界面活性剤等)を用いて使用するインクジェットヘッドに適した値に表面張力を調整し、乾燥を抑制するために高沸点溶媒(例えばエチレングリコールやプロピレングリコール等)を添加し、銀濃度の調整やポリアクリル酸等の増粘剤を微量に用いて使用するインクジェットヘッドに適した値に粘度を調整することができる。
【0035】
以下、実施例により本発明を詳しく説明するが、本発明の内容は実施例に限られるものではない。
【実施例】
【0036】
《実施例1》
<銀超微粒子分散液1の作製>
2Lのステンレスビーカーに平均分子量が8600の焙焼デキストリン(日澱化学(株)製、デキストリンNo.1−A)を54.4gと純水860gを加え、約30分間撹拌した。その後、硝酸銀131.8gを加え、更に約30分間撹拌し、完全に溶解した。この液を氷浴中にて約5℃まで冷却を行い、それに塩基性化合物として水酸化カリウム60.9gを純水83.9gに溶解した20℃の液を添加し、撹拌回転数400rpmの状態で温度が30℃以上にならないように氷浴中で60分間還元反応を実施した。還元反応が終了した銀超微粒子分散液を続いて、酢酸にてpH=5.6に調整した後、ビオザイムF10SD(天野エンザイム(株)製)を200mg添加し45℃で1時間撹拌し、7質量%の銀超微粒子分散液を得た。次に、得られた銀超微粒子分散液の精製工程として、遠心分離を実施することで、銀超微粒子と上澄み液を綺麗に分離させ、上澄み液を廃棄した。残った銀超微粒子を再分散させ、繰り返し遠心分離を実施し、上澄み液を廃棄した。その後、銀濃度が30質量%になるように純水を加えて再分散し、回収量が265gの精製した銀超微粒子を含有する分散液を得た。使用銀量から計算した回収率は94.9%であった。
【0037】
<銀ナノインク1の作製>
上記のようにして得た銀超微粒子分散液1の100質量部に対して、活性剤(日光ケミカルズ(株)製BT−9)を0.15質量%、およびエチレングリコールを20質量%添加し、純水で濃度調整したインクジェット印刷用の銀超微粒子含有組成物1として銀濃度が15質量%の銀ナノインク1を得た。
【0038】
《実施例2》
<銀超微粒子分散液2の作製>
実施例1の水酸化カリウム60.9gに代わって水酸化カリウム48.8g、および水酸化ナトリウム8.7g(水酸化ナトリウムが20モル%)に変更し、純水87.3gで溶解した液を用いる以外は実施例1同様に銀超微粒子分散液を作製、精製し、銀濃度30質量%の銀超微粒子分散液を得た。使用銀量から計算した回収率は93.4%であった。
【0039】
<銀ナノインク2の作製>
上記のようにして得た銀超微粒子分散液2を用いて実施例1と同様にして、銀超微粒子含有組成物2として銀濃度が15質量%の銀ナノインク2を得た。
【0040】
《実施例3》
<銀超微粒子分散液3の作製>
実施例1の水酸化カリウム60.9gに代わって水酸化カリウム36.6g、および水酸化ナトリウム17.4g(水酸化ナトリウムが40モル%)に変更し、純水90.8gで溶解した液を用いる以外は実施例1同様に銀超微粒子分散液を作製、精製し、銀濃度30質量%の銀超微粒子分散液を得た。使用した銀量から計算した回収率は91.5%であった。
【0041】
<銀ナノインク3の作製>
上記のようにして得た銀超微粒子分散液3を用いて実施例1と同様にして、銀超微粒子含有組成物3として銀濃度が15質量%の銀ナノインク3を得た。
【0042】
《実施例4》
<銀超微粒子分散液4の作製>
実施例1の水酸化カリウム60.9gに代わって炭酸カリウム120g、および水酸化ナトリウム8.7g(水酸化ナトリウムが20モル%)に変更し、純水180gで溶解した液を用いる以外は実施例1同様に銀超微粒子分散液を作製、精製し、銀濃度30質量%の銀超微粒子分散液を得た。使用した銀量から計算した回収率は92.0%であった。
【0043】
<銀ナノインク4の作製>
上記のようにして得た銀超微粒子分散液4を用いて実施例1と同様にして、銀超微粒子含有組成物4として銀濃度が15質量%の銀ナノインク4を得た。
【0044】
《実施例5》
<銀超微粒子分散液5の作製>
実施例1の水酸化カリウム60.9gに代わって炭酸カリウム90g、および水酸化ナトリウム17.4g(水酸化ナトリウムが40モル%)に変更し、純水135gで溶解した液を用いる以外は実施例1同様に銀超微粒子分散液を作製、精製し、銀濃度30質量%の銀超微粒子分散液を得た。使用した銀量から計算した回収率は90.3%であった。
【0045】
<銀ナノインク5の作製>
上記のようにして得た銀超微粒子分散液5を用いて実施例1と同様にして、銀超微粒子含有組成物5として銀濃度が15質量%の銀ナノインク5を得た。
【0046】
《比較例1》
<銀超微粒子分散液6の作製>
実施例1の水酸化カリウム60.9gに代わって、水酸化ナトリウム43.6gに変更し純水101gで溶解した液を用いる以外は同様に銀超微粒子分散液を作製、精製し、銀濃度30質量%の銀超微粒子分散液を得た。使用した銀量から計算した回収率は89.2%であった。
【0047】
<銀ナノインク6の作製>
上記のようにして得た銀超微粒子分散液6を用いて実施例1と同様にして、銀超微粒子含有組成物5として銀濃度が15質量%の銀ナノインク6を得た。
【0048】
《比較例2》
<銀超微粒子分散液7の作製>
実施例1において塩基性化合物として添加した水酸化カリウム60.9gを純水83.9gに溶解した液に代わって、アンモニア水を135g用いる以外は同様に銀超微粒子分散液を作製、精製し、銀濃度30質量%の銀超微粒子分散液を得た。使用した銀量から計算した回収率は44.5%であった。
【0049】
<銀ナノインク7の作製>
上記のようにして得た銀超微粒子分散液7を用いて実施例1と同様にして、銀超微粒子含有組成物6として銀濃度が15質量%の銀ナノインク7を得た。
【0050】
<分散安定性の評価>
このようにして得られた銀超微粒子分散液1〜7、および銀ナノインク1〜7の分散安定性を評価するために、ポリプロピレン容器に各50gずつに小分けし、常温状態で2ヶ月間放置し、沈降状態を確認した。評価は以下の基準で実施した。結果を表1に示す。
◎:8週間以上放置しても容器の底全体に赤茶色の沈降物が認められなかった。
○:6週間以上8週間未満で容器の底全体に赤茶色の沈降物が認められた。
△:4週間以上6週間未満で容器の底全体に赤茶色の沈降物が認められた。
×:2週間以上4週間未満で容器の底全体に赤茶色の沈降物が認められた。
××:2週間未満で容器の底全体に赤茶色の沈降物が認められた。
【0051】
【表1】

【0052】
表1の結果、本発明により回収量が多く、経時による銀超微粒子の分散安定性に優れた銀超微粒子が得られることが判る。また本発明により得られた銀超微粒子を含有する銀超微粒子含有組成物も分散安定性が良好であることが判る。
【0053】
《実施例6》
<銀超微粒子含有組成物8の作製>
実施例1と同様にして銀イオンを還元し銀超微粒子分散液を作製、精製し、銀濃度33質量%の銀超微粒子分散液を得た。その銀濃度33質量%の銀超微粒子分散液200gに対して、ポリマーラテックスとして第一工業製薬(株)製スーパーフレックス150HS(ポリウレタン水分散体、平均粒径0.11μm、固形分38質量%)を20g添加することで銀濃度が30質量%の銀超微粒子含有組成物8を作製した。
【0054】
《実施例7》
<銀超微粒子含有組成物9の作製>
実施例1と同様にして銀イオンを還元し銀超微粒子分散液を作製、精製し、銀濃度33質量%の銀超微粒子分散液を得た。その銀濃度33質量%の銀超微粒子分散液200gに対して、ポリマーラテックスとしてDIC(株)製WLS−210(ポリカーボネート系ウレタン樹脂、平均粒子径0.05μm、固形分35質量%)を20g添加することで銀濃度が30質量%の銀超微粒子含有組成物9を作製した。
【0055】
《実施例8》
<銀超微粒子含有組成物10の作製>
実施例1と同様にして銀イオンを還元し銀超微粒子分散液を作製、精製し、銀濃度33質量%の銀超微粒子分散液を得た。その銀濃度33質量%の銀超微粒子分散液200gに対して、ポリマーラテックスとして住友化学(株)製スミエリート−1010(エチレン−塩化ビニルエマルジョン、平均粒子径0.10μm、固形分50質量%)を20g添加することで銀濃度が30質量%の銀超微粒子含有組成物10を作製した。
【0056】
《実施例9》
<銀超微粒子含有組成物11の作製>
実施例1と同様にして銀イオンを還元し銀超微粒子分散液を作製、精製し、銀濃度33質量%の銀超微粒子分散液を得た。その銀濃度33質量%の銀超微粒子分散液200gに対して、ポリマーラテックスとして高松油脂(株)製ペスレジンA−115G(ポリエステル樹脂、固形分25質量%)を20g添加することで銀濃度が30質量%の銀超微粒子含有組成物11を作製した。
【0057】
《実施例10》
<銀超微粒子含有組成物12の作製>
実施例1と同様にして銀イオンを還元し銀超微粒子分散液を作製、精製し、銀濃度33質量%の銀超微粒子分散液を得た。その銀濃度33質量%の銀超微粒子分散液200gに対して、ポリマーラテックスとして中央理化工業(株)製ES−21(アクリル樹脂、固形分43質量%)を20g添加することで銀濃度が30質量%の銀超微粒子含有組成物12を作製した。
【0058】
《実施例11》
<銀超微粒子含有組成物13の作製>
実施例1と同様にして銀イオンを還元し銀超微粒子分散液を作製、精製し、銀濃度33質量%の銀超微粒子分散液を得た。その銀濃度33質量%の銀超微粒子分散液200gに対して、ポリマーラテックスとしてDIC(株)製VONDC1610NE(ポリウレタン樹脂、平均粒子径0.03μm、固形分25質量%)を20g添加することで銀濃度が30質量%の銀超微粒子含有組成物13を作製した。
【0059】
《実施例12》
<銀超微粒子含有組成物14の作製>
実施例3と同様にして銀イオンを還元し銀超微粒子分散液を作製、精製し、銀濃度33質量%の銀超微粒子分散液を得た。この銀超微粒子分散液200gに対して、ポリマーラテックスとして第一工業製薬(株)製スーパーフレックス150HS(ポリウレタン水分散体、平均粒子径0.11μm、固形分38質量%)を20g添加することで銀濃度が30質量%の銀超微粒子含有組成物14を作製した。
【0060】
《比較例3》
<銀超微粒子含有組成物15の作製>
銀超微粒子含有組成物8の作製に用いた実施例1の銀超微粒子分散液に代えて、比較例1で作製した銀超微粒子分散液を用いた以外は同様にして、銀超微粒子含有組成物15を作製した。
【0061】
《比較例4》
<銀超微粒子含有組成物16の作製>
銀超微粒子含有組成物9の作製に用いた実施例1の銀超微粒子分散液に代えて、比較例1で作製した銀超微粒子分散液を用いた以外は同様にして、銀超微粒子含有組成物16を作製した。
【0062】
《比較例5》
<銀超微粒子含有組成物17の作製>
銀超微粒子含有組成物10の作製に用いた実施例1の銀超微粒子分散液に代えて、比較例1で作製した銀超微粒子分散液を用いた以外は同様にして、銀超微粒子含有組成物17を作製した。
【0063】
《比較例6》
<銀超微粒子含有組成物18の作製>
銀超微粒子含有組成物11の作製に用いた実施例1の銀超微粒子分散液に代えて、比較例1で作製した銀超微粒子分散液を用いた以外は同様にして、銀超微粒子含有組成物18を作製した。
【0064】
《比較例7》
<銀超微粒子含有組成物19の作製>
銀超微粒子含有組成物12の作製に用いた実施例1の銀超微粒子分散液に代えて、比較例1で作製した銀超微粒子分散液を用いた以外は同様にして、銀超微粒子含有組成物19を作製した。
【0065】
《比較例8》
<銀超微粒子含有組成物20の作製>
銀超微粒子含有組成物13の作製に用いた実施例1の銀超微粒子分散液に代えて、比較例1で作製した銀超微粒子分散液を用いた以外は同様にして、銀超微粒子含有組成物20を作製した。
【0066】
<分散安定性の評価>
以上のようにして作製した銀濃度が30質量%の銀超微粒子含有組成物8〜20の分散安定性を、実施例1の銀超微粒子分散液および銀ナノインクと同様にして評価した。この結果を表2に示す。
【0067】
<導電性の評価>
上記銀超微粒子含有組成物8〜20と、これらを1ヶ月間放置したものそれぞれに、銀超微粒子含有組成物100質量部に対して、活性剤(日光ケミカルズ(株)製BT−9)を0.15質量%添加した後に均一になるよう撹拌し、コロナ処理を施した非接着の厚み100μmのポリエチレンテレフタレートフィルム(三菱樹脂(株)製)上にワイヤーバーを用いて、銀の塗布量が1mあたり2.0gとなるよう塗布、乾燥した。その後、3N−塩化ナトリウム溶液中に80℃で30秒間浸漬し、水洗、乾燥して導電性部材を得た。この導電性部材それぞれについて、(株)ダイアインスツルメンツ製ロレスターGPを用いて抵抗値を測定した。この結果を表2に示す。
【0068】
<密着性の評価>
上記導電性の評価において、銀超微粒子含有組成物8〜20(1ヶ月間放置しなかった組成物)を用いて作製した導電性部材の密着性評価として、碁盤目試験(JIS5400)方法を実施するため1cmの中に100個のマス目ができるように碁盤目状の切り傷をつけた後、積水化学工業(株)製セキスイセロハン粘着テープ(テープ規格JIS Z 1522)を張り付け、馬楝で粘着テープ表面を上から擦った後、いきおいよくテープを剥がした。碁盤目試験の評価点数を以下の基準で実施した。結果を表2に示す。
10点:剥がれが全くない。
8点:剥がれた欠損部の面積が全正方形面積の5%未満。
6点:剥がれた欠損部の面積が全正方形面積の5%以上15%未満。
4点:剥がれた欠損部の面積が全正方形面積の15%以上35%未満。
2点:剥がれた欠損部の面積が全正方形面積の35%以上65%未満。
0点:剥がれた欠損部の面積が全正方形面積の65%以上。
【0069】
【表2】

【0070】
表2より明らかなように、本発明により基材との密着性と銀超微粒子の分散安定性に優れた銀超微粒子含有組成物が得られることが判る。また本発明により得られた導電性部材は、機材との密着性と導電性に優れることが判る。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
水を主体に含有する水性媒体中に少なくとも水溶性銀塩、塩基性化合物、水溶性高分子化合物、および還元剤を含有せしめ、水溶性銀塩由来の銀イオンを還元し銀超微粒子を製造する銀超微粒子の製造方法において、該塩基性化合物が塩基性カリウム塩であることを特徴とする銀超微粒子の製造方法。
【請求項2】
前記塩基性カリウム塩が水酸化カリウムである請求項1記載の銀超微粒子の製造方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2記載の銀超微粒子の製造方法によって得られた銀超微粒子を含有する銀超微粒子含有組成物。
【請求項4】
請求項1または請求項2記載の銀超微粒子の製造方法によって得られた銀超微粒子とポリマーラテックスを含有する銀超微粒子含有組成物。
【請求項5】
基材上に請求項3または請求項4記載の銀超微粒子含有組成物によってパターンが形成された導電性部材。

【公開番号】特開2011−68939(P2011−68939A)
【公開日】平成23年4月7日(2011.4.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−219937(P2009−219937)
【出願日】平成21年9月25日(2009.9.25)
【出願人】(000005980)三菱製紙株式会社 (1,550)
【Fターム(参考)】