説明

鋳造部材塗料およびその塗装方法

【課題】黒鉛を含有する酸化膜である黒皮が残存する鋳造部材の前処理を不要とする鋳造部材塗料を得る。
【解決手段】鋳造部材1に残存する黒皮2をマグネタイトに変換するフェノール変性アルキド樹脂塗料で第1の塗膜4を設け、第1の塗膜4表面を含む油脂3が付着した鋳造部材1全面にシランカップリング剤入りの短油性アルキド樹脂下塗り塗料を塗装して第2の塗膜5を設け、第2の塗膜5表面に上塗りアルキド樹脂系塗料を塗装して第3の塗膜6を設けることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、黒皮が残存する鋳造部材表面を塗装する鋳造部材塗料およびその塗装方法に関する。
【背景技術】
【0002】
モータ、発電機などのケースに代表される鋳造部材表面への塗装は、サンドブラスト処理のような機械的前処理やアルカリ処理のような化学的前処理を施し、油脂および強固に付着している黒鉛を含有する酸化膜である黒皮を除去してから塗装を実施していた。しかしながら、前処理設備は、維持、環境管理に多大のランニングコストを有し、生産性が低下していた。また、重量物のものが多く、クレーンなどを用いて移動を行わなければならず、作業が困難なものであった。
【0003】
一方、赤錆や油脂が残存する鋼材に対して、前処理を不要とし、赤錆の層をマグネタイトに変換する塗料が知られており、生産性の向上が図られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2006−103229号公報 (第4〜5ページ、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の従来の鋳造部材の塗装においては、前処理設備が必要であり、生産性が低下するとともに、困難な作業となっていた。このため、鋳造部材表面に強固に付着している黒皮を有するものにおいても、鋼材で用いられているような前処理を不要とする塗料が望まれていた。
【0005】
本発明は上記問題を解決するためになされたもので、黒皮が残存する鋳造部材の塗装を可能とする鋳造部材塗料およびその塗装方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の鋳造部材塗料は、鋳造部材に残存する黒皮をマグネタイトに変換するフェノール変性アルキド樹脂塗料と、前記フェノール変性アルキド樹脂塗料による第1の塗膜表面を含む前記鋳造部材全面に塗装するシランカップリング剤入りの短油性アルキド樹脂下塗り塗料と、前記短油性アルキド樹脂下塗り塗料による第2の塗膜表面に塗装する上塗りアルキド樹脂系塗料とを具備したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、鋳造部材に残存する黒皮をマグネタイトに変換し、強固な付着力と優れた防錆力とが得られる鋳造部材塗料を用いて塗膜を形成しているので、鋳造部材においても塗装に適する前処理を施さなくとも長期間の防錆塗膜性能を確保することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図面を参照して本発明の実施例を説明する。
【実施例1】
【0009】
先ず、本発明の実施例1に係る鋳造部材塗料を図1を参照して説明する。図1は、本発明の実施例1に係る鋳造部材の塗装系を説明する断面図である。
【0010】
図1に示すように、塗装物となる鋳造部材1の表面には、黒鉛を含有する酸化膜である黒皮2が残存し、油脂3も残存している。黒皮2の表面には、これをマグネタイトに変換するフェノール変性アルキド樹脂塗料による第1の塗膜4が設けられている。膜厚は、20〜60μmである。なお、黒皮2は、鋳造部材1までナイフなどで傷をつけて粘着テープを貼り、それを剥がしても、黒皮2が粘着テープに付着しない程度に強固に形成されているものも含んでいる。
【0011】
そして、第1の塗膜4の表面および油脂3を含む鋳造部材1の全面には、シランカップリング剤入りの短油性アルキド樹脂下塗り塗料による第2の塗膜5が設けられている。膜厚は、20〜60μmである。また、第2の塗膜5の表面には、上塗りアルキド樹脂系塗料による第3の塗膜6が設けられている。膜厚は、20〜60μmである。
【0012】
このような第1、第2、第3の塗膜4、5、6の塗装方法を説明する。
【0013】
黒皮2表面に、フェノール変性アルキド樹脂塗料、例えば日本パーカーライジング社製トリック900を刷毛またはスプレー塗装し、第1の塗膜4を設け、常温で2時間以上放置する。この塗料は、黒皮2に浸透して固着化させ、高分子キレート剤の作用により、化学的に安定な無機/有機結合体の防食被膜を形成すると同時に、黒皮2をマグネタイト、非結晶錆に変換する。
【0014】
放置後の第1の塗膜4面に、シランカップリング剤入りの短油性アルキド樹脂下塗り塗料を刷毛またはスプレー塗装し、第2の塗膜5を設け、常温で20分以上放置する。塗料としては、表1に示すような関西ペイント社製TFラスタイト(改)を用いる。この塗料は油脂2が多量に残存していても、アルキド樹脂の脂肪酸が油脂2とのなじみ性を有しているだけでなく、塗料が油脂2中を浸透して鋳造部材1に達する。また、添加剤として、シランカップリング剤が含有されているので、強い付着力を発揮する。
【表1】

【0015】
第2の塗膜5は、アルキド樹脂として油長が短い短油アルキド樹脂を用い、油脂2を金属塩(ナフテン酸コバルト、ナフテン酸カルシウム、オクチル酸ジルコニウムなど)で酸化重合させるので、乾燥時間が数10分程度となる。即ち、塗料中の油脂分に対して、金属塩がレドックス反応で酸化重合を促進するので、乾燥時間が短くなる。
【0016】
また、防食性能は、前述のように付着力が優れていることも影響しているが、短油アルキド樹脂は長油性のものと比べて水分が介在したときの樹脂劣化が少なく、また、防錆顔料として、リン酸亜鉛やリン酸アルミニウムを比較的多量に含んでいるため、優れたものとなる。第1の塗膜4に対しては、同種樹脂系のアルキド樹脂であり、優れた付着力を示す。
【0017】
第2の塗膜5の乾燥後、上塗りとして常温硬化型のアルキド樹脂、ウレタン樹脂、ハイソリッドラッカーなどの塗料を例えばスプレー塗装し、第3の塗膜6を設ける。また、熱硬化型のメラミン樹脂、アクリル樹脂を用いることができる。これらの塗装が可能なのは、第2の被膜5が短油アルキド樹脂で形成され、耐溶剤性に優れているので、芳香族やエステル、ケトンなどで溶解(希釈)しても縮み(リフティング現象)や剥がれ現象を生じないためである。また、顔料と樹脂の固形分で塗膜表面が適度な粗面となり、第3の塗膜6との接触面積を増やし、投錨効果(アンカー効果)を生じて物理的にも良好な付着力を得ることができる。
【0018】
このように形成した第1、第2、第3の塗膜4、5、6に対して品質確保の確認のため表2に示す試験を実施した。
【0019】
これらの試験結果を表3に示す。表3に示すように、第1、第2、第3の塗膜4、5、6は、優れた防錆力と付着力を有し、厳しい腐食環境下においても優れた特性を示すことが分かった。
【0020】
上記実施例1の鋳造部材塗料によれば、鋳造部材1に残存している黒皮2を第1の塗膜4でマグネタイトに変換し、第1の塗膜4と同種樹脂系のアルキド樹脂を主成分とする第2の塗膜5、および第2の塗膜5との付着力が優れている第3の塗膜6を設けているので、鋳造部材1においても、前処理を施さなくとも優れた防錆力を得ることができる。なお、この塗料は、有害物質(鉛、6価クロムなど)を用いていないので、環境にも配慮したものとなる。
【実施例2】
【0021】
次に、本発明の実施例2に係る鋳造部材塗料を図2を参照して説明する。図2は、本発明の実施例2に係る鋳造部材の塗装系を説明する断面図である。なお、この実施例2が実施例1と異なる点は、黒皮を塗装する塗料である。図2において、実施例1と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0022】
図2に示すように、黒皮2の表面には、これをマグネタイトに変換するエポキシ樹脂塗料を刷毛またはスプレー塗装し、第4の塗膜7を設けている。膜厚は、30〜80μmである。常温で2時間放置後、第4の塗膜7表面および油脂3を含む鋳造部材1全面に、実施例1と同様のシランカップリング剤入りの短油性アルキド樹脂下塗り塗料による第2の塗膜5を設けている。膜厚は、30〜80μmである。常温で20分以上放置後、上塗りウレタン樹脂系塗料をスプレー塗装し、第5の塗膜8を設けている。膜厚は、20〜60μmである。
【0023】
黒皮2をマグネタイトに変換するエポキシ樹脂塗料は、例えば日本パーカーライジング社製トリック1000を用いる。この塗料は、黒皮2に浸透して固着化させ、高分子キレート剤の作用により、化学的に安定な無機/有機結合体の防食被膜を形成すると同時に、黒皮2をマグネタイト、非結晶錆に変換する。即ち、黒皮2に対して、浸透包被型、錆反応型、錆安定型の機能を有するものである。また、エポキシ樹脂の非常に優れた防食機能により、実施例1のアルキド樹脂よりも耐久性に優れたものとなる。
【0024】
このような第4の塗膜7、第2の塗膜5、第5の塗膜8に対して、表2に示す実施例1と同様の試験を行った。結果を表3に示す。なお、耐久性試験における各試験の試験時間は表2に記載しているように、実施例1よりも長くなっている。
【0025】
表3に示すように、第4の塗膜7、第2の塗膜5、第5の塗膜8は、優れた防錆力と付着力を有し、厳しい腐食環境下においても優れた特性を示すことが分かった。特に、第5の塗膜8をウレタン樹脂系塗料で塗装しているので、耐候性が優れたものとなる。
【0026】
上記実施例2の鋳造部材塗料によれば、実施例1よりも優れた防錆力と付着力を得ることができる。
【実施例3】
【0027】
次に、本発明の実施例3に係る鋳造部材塗料を図3を参照して説明する。図3は、本発明の実施例3に係る鋳造部材の塗装系を説明する断面図である。なお、この実施例3が実施例1と異なる点は、上塗り塗料である。図3において、実施例1と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0028】
図3に示すように、黒皮2をマグネタイトに変換する第1の塗膜4表面および油脂3を含む鋳造部材1全面には、下塗り兼上塗り塗料(A)または下塗り兼上塗り塗料(B)を刷毛またはスプレー塗装した第6の塗膜9または第7の塗膜10を設けている。下塗り兼上塗り塗料(A)の成分を表4、下塗り兼上塗り塗料(B)の成分を表5に示す。下塗り兼上塗り塗料(B)は、例えば大日本塗料社製プライムトップを用いる。膜厚は、両塗料とも40〜120μmである。
【表4】

【表5】

【0029】
このような第1の塗膜4、第6の塗膜9または第7の塗膜10に対して、表2に示す実施例1と同様の試験を行った。結果を表3に示す。なお、耐久性試験における各試験の試験時間は表2に記載しているように、実施例1と同様である。
【0030】
表3に示すように、第1の塗膜4、第6の塗膜9または第7の塗膜10は、強固な付着力と優れた防錆力を有していることが分かった。
【0031】
これは、油脂3に対しても強固な付着力を有するアルキド樹脂ワニス、および防錆顔料により得られるものである。防錆顔料は、リン酸アルミニウムとリン酸亜鉛のそれぞれを単独で用いてもよいが、約50重量%ずつ配合することにより、相乗効果で優れた防錆力とともに安定した外観が得られる。また、下塗り兼上塗り塗料(B)のようにアルキド樹脂をアクリルで変性すると、より安定した外観が得られ易くなる。
【0032】
なお、防錆顔料の添加が少ないと、アルキド樹脂上塗り塗料と同程度の防錆力となり、品質の確保が困難となる。また、添加が多すぎると、上塗り機能として必要な外観(色、光沢度)に対して不安定なものとなり、貯蔵安定性も欠ける。
【0033】
上記実施例3の鋳造部材塗料によれば、実施例1と同様の効果が得られるほか、下塗り兼上塗り塗料(A)または(B)を用いているので、塗装回数が少なくなり、作業性を向上させることができる。
【実施例4】
【0034】
次に、本発明の実施例4に係る鋳造部材塗料を図4を参照して説明する。図4は、本発明の実施例4に係る鋳造部材の塗装系を説明する断面図である。なお、この実施例4が実施例2と異なる点は、上塗り塗料である。図4において、実施例2と同様の構成部分においては、同一符号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0035】
図4に示すようには、黒皮2をマグネタイトに変換する第4の塗膜7表面および油脂3を含む鋳造部材1全面に、下塗り兼上塗り塗料(C)または下塗り兼上塗り塗料(D)をスプレー塗装した第8の塗膜11または第9の塗膜12を設けている。下塗り兼上塗り塗料(C)の成分を表6、下塗り兼上塗り塗料(D)の成分を表7に示す。下塗り兼上塗り塗料(C)、(D)は、2液混合型ウレタン樹脂塗料である。膜厚は、40〜120μmである。
【表6】

【表7】

【0036】
このような第4の塗膜7、第8の塗膜11または第9の塗膜12に対して、表2に示す実施例2と同様の試験を行った。結果を表3に示す。なお、耐久性試験における各試験の試験時間は表2に記載しているように、実施例2と同様である。
【0037】
表3に示すように、第4の塗膜7、第8の塗膜11または第9の塗膜12は、強固な付着力と優れた防錆力を有していることが分かった。また、エポキシ樹脂からなる第4の塗膜7の非常に優れた防食機能により、アルキド樹脂よりも耐久性に優れている。
【0038】
強固な安定した付着力は、油脂3に対しても強固な付着力を有するウレタン樹脂ワニスにより得られ、優れた防錆力は、防錆顔料により得られるものである。下塗り兼上塗り塗料(C)は、リン酸アルミニウムを用いることにより、ウレタン樹脂に要求される色および光沢の安定を損なわず高防錆性能を得ることができる。特に、凸形状や合わせ目部において効果が大きい。また、ポリエステル樹脂ワニスを添加することにより、リン酸アルミニウムの均一混合ができ、ウレタン樹脂の性能を充分に発揮させることができる。添加量は、4〜8重量%が適している。
【0039】
下塗り兼上塗り塗料(D)は、ベース樹脂としてアクリル樹脂を用いることにより、ウレタン樹脂に要求される色および光沢の安定はもとより、厳しい環境下においてもその機能を維持することができる。防錆顔料として、リン酸アルミニウム単独で適用することが最も防錆力を有するが、経済的な観点からリン酸亜鉛を混合しても高い防錆力を得ることができる。この場合、リン酸亜鉛の混合比は、重量比で25%以下にする必要がある。これにより、凸形状や合わせ目部において大きい効果が得られる。
【0040】
上記実施例4の鋳造部材塗料によれば、実施例2と同様の効果が得られるほか、下塗り兼上塗り塗料(C)または(D)を用いているので、塗装回数が少なくなり、作業性を向上させることができる。
【表2】

【表3】

【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の実施例1に係る鋳造部材の塗装系を説明する断面図。
【図2】本発明の実施例2に係る鋳造部材の塗装系を説明する断面図。
【図3】本発明の実施例3に係る鋳造部材の塗装系を説明する断面図。
【図4】本発明の実施例4に係る鋳造部材の塗装系を説明する断面図。
【符号の説明】
【0042】
1 鋳造部材
2 黒皮
3 油脂
4 第1の塗膜
5 第2の塗膜
6 第3の塗膜
7 第4の塗膜
8 第5の塗膜
9 第6の塗膜
10 第7の塗膜
11 第8の塗膜
12 第9の塗膜

【特許請求の範囲】
【請求項1】
鋳造部材に残存する黒皮をマグネタイトに変換するフェノール変性アルキド樹脂塗料と、
前記フェノール変性アルキド樹脂塗料による第1の塗膜表面を含む前記鋳造部材全面に塗装するシランカップリング剤入りの短油性アルキド樹脂下塗り塗料と、
前記短油性アルキド樹脂下塗り塗料による第2の塗膜表面に塗装する上塗りアルキド樹脂系塗料と
を具備したことを特徴とする鋳造部材塗料。
【請求項2】
鋳造部材に残存する黒皮をマグネタイトに変換するエポキシ樹脂塗料と、
前記エポキシ樹脂塗料による第4の塗膜表面を含む前記鋳造部材全面に塗装するシランカップリング剤入りの短油性アルキド樹脂下塗り塗料と、
前記短油性アルキド樹脂下塗り塗料による第2の塗膜表面に塗装する上塗りウレタン樹脂系塗料と
を具備したことを特徴とする鋳造部材塗料。
【請求項3】
鋳造部材に残存する黒皮をマグネタイトに変換するフェノール変性アルキド樹脂塗料と、
前記フェノール変性アルキド樹脂塗料による第1の塗膜表面を含む前記鋳造部材全面に塗装する下塗り兼上塗り塗料とを具備し、
前記下塗り兼上塗り塗料は、アルキド樹脂ワニス60〜70重量%、防錆顔料1〜2重量%、上塗り着色顔料を含有することを特徴とする鋳造部材塗料。
【請求項4】
鋳造部材に残存する黒皮をマグネタイトに変換するフェノール変性アルキド樹脂塗料と、
前記フェノール変性アルキド樹脂塗料による第1の塗膜表面を含む前記鋳造部材全面に塗装する下塗り兼上塗り塗料とを具備し、
前記下塗り兼上塗り塗料は、アクリル変性アルキド樹脂ワニス55〜65重量%、防錆顔料3〜7重量%、上塗り着色顔料を含有することを特徴とする鋳造部材塗料。
【請求項5】
鋳造部材に残存する黒皮をマグネタイトに変換するエポキシ樹脂塗料と、
前記エポキシ樹脂塗料による第4の塗膜表面を含む前記鋳造部材全面に塗装する下塗り兼上塗り塗料とを具備し、
前記下塗り兼上塗り塗料は、変性ポリオール樹脂ワニス47〜57重量%、ポリエステル樹脂ワニス4〜8重量%、防錆顔料2〜6重量%を含有することを特徴とする鋳造部材塗料。
【請求項6】
鋳造部材に残存する黒皮をマグネタイトに変換するエポキシ樹脂塗料と、
前記エポキシ樹脂塗料による第4の塗膜表面を含む前記鋳造部材全面に塗装する下塗り兼上塗り塗料とを具備し、
前記下塗り兼上塗り塗料は、アクリル樹脂ワニス35〜50重量%、防錆顔料2〜6重量%を含有することを特徴とする鋳造部材塗料。
【請求項7】
鋳造部材に残存する黒皮にフェノール変性アルキド樹脂塗料を塗装してマグネタイトに変換する第1の塗膜を設け、
前記第1の塗膜表面を含む前記鋳造部材全面にシランカップリング剤入りの短油性アルキド樹脂下塗り塗料を塗装して第2の塗膜を設け、
前記第2の塗膜表面に上塗りアルキド樹脂系塗料を塗装して第3の塗膜を設けることを特徴とする鋳造部材塗料の塗装方法。
【請求項8】
鋳造部材に残存する黒皮にエポキシ樹脂塗料を塗装してマグネタイトに変換する第4の塗膜を設け、
前記第4の塗膜表面を含む前記鋳造部材全面にシランカップリング剤入りの短油性アルキド樹脂下塗り塗料を塗装して第2の塗膜を設け、
前記第2の塗膜表面に上塗りウレタン樹脂系塗料を塗装して第5の塗膜を設けることを特徴とする鋳造部材塗料の塗装方法。
【請求項9】
鋳造部材に残存する黒皮にフェノール変性アルキド樹脂塗料を塗装してマグネタイトに変換する第1の塗膜を設け、
前記第1の塗膜表面を含む前記鋳造部材全面にアルキド樹脂ワニス60〜70重量%、防錆顔料1〜2重量%、上塗り着色顔料を含有する下塗り兼上塗り塗料を塗装して第6の塗膜を設けることを特徴とする鋳造部材塗料の塗装方法。
【請求項10】
鋳造部材に残存する黒皮にフェノール変性アルキド樹脂塗料を塗装してマグネタイトに変換する第1の塗膜を設け、
前記第1の塗膜表面を含む前記鋳造部材全面にアクリル変性アルキド樹脂ワニス55〜65重量%、防錆顔料3〜7重量%、上塗り着色顔料を含有する下塗り兼上塗り塗料を塗装して第7の塗膜を設けることを特徴とする鋳造部材塗料の塗装方法。
【請求項11】
鋳造部材に残存する黒皮にエポキシ樹脂塗料を塗装してマグネタイトに変換する第4の塗膜を設け、
前記第4の塗膜表面を含む前記鋳造部材全面に変性ポリオール樹脂ワニス47〜57重量%、ポリエステル樹脂ワニス4〜8重量%、防錆顔料2〜6重量%を含有する下塗り兼上塗り塗料を塗装して第8の塗膜を設けることを特徴とする鋳造部材塗料の塗装方法。
【請求項12】
鋳造部材に残存する黒皮にエポキシ樹脂塗料を塗装してマグネタイトに変換する第4の塗膜を設け、
前記第4の塗膜表面を含む前記鋳造部材全面にアクリル樹脂ワニス35〜50重量%、防錆顔料2〜6重量%を含有する下塗り兼上塗り塗料を塗装して第9の塗膜を設けることを特徴とする鋳造部材塗料の塗装方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−227734(P2009−227734A)
【公開日】平成21年10月8日(2009.10.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−72113(P2008−72113)
【出願日】平成20年3月19日(2008.3.19)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【Fターム(参考)】