録画データ記録管理システム
【課題】録画データを確実に記録管理することを実現可能な技術を提供する。
【解決手段】監視システム100においては、ローカル管理システム1と補助記録装置2とがネットワークNを介して接続されている。ローカル管理システム1は、監視カメラ11から取得された録画データ9を記録管理するローカル記録装置12を備える。ローカル記録装置12が備えるHDDに異常が発生した場合、当該HDDが復旧するまでの間において取得される録画データ9は、一時待避データとして補助記録装置2に送信され、補助記録装置2にて一時的に記憶される。
【解決手段】監視システム100においては、ローカル管理システム1と補助記録装置2とがネットワークNを介して接続されている。ローカル管理システム1は、監視カメラ11から取得された録画データ9を記録管理するローカル記録装置12を備える。ローカル記録装置12が備えるHDDに異常が発生した場合、当該HDDが復旧するまでの間において取得される録画データ9は、一時待避データとして補助記録装置2に送信され、補助記録装置2にて一時的に記憶される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、録画データを記録管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等により構成される監視カメラによって所定の監視領域を撮像し、得られたデジタルデータを録画データとしてハードディスク装置に記憶させておく監視システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
監視システムのハードディスク装置に記憶される録画データは、事後的に重要な証拠として必要になってくる可能性がある。したがって、監視カメラから取得される録画データは、欠落させることなくハードディスク装置に記録していかなければならない。また、ハードディスク装置に蓄積された録画データは、必要に応じて適宜読み出せる状態にしておかなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−140955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、このような監視システムでは、監視カメラは一日24時間リアルタイムに録画データを取得してくるので、ハードディスク装置を常時動作させつつ録画データを当該ハードディスク装置に書き込むことになり、一日24時間、ハードディスク装置へのアクセスが行われているという状態になってくる。このように、監視システムが備えるハードディスク装置には大きな負担がかけられるため、どうしても故障等のトラブルが発生しやすいという実情がある。
【0006】
例えば、ハードディスク装置が故障により書き込み不能となってしまうと、その間監視カメラから取得されてくる録画データを記録できなくなってしまう。また、例えば、ハードディスク装置の管理領域が読み込めなくなってしまうと、ハードディスク装置に蓄積された録画データを一切読み出すことができなくなってしまう。
【0007】
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、録画データを確実に記録管理することを実現可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、撮像手段が取得する撮像データを録画データとして取得して、前記録画データを記録管理する1以上の記録管理装置と、前記1以上の記録管理装置と通信回線を介して接続された補助記録装置と、を備え、前記1以上の記録管理装置のそれぞれが、前記録画データを記憶する第1記憶装置と、前記第1記憶装置に対するデータの書き込みおよび読み出しを制御する第1制御手段と、を備え、前記補助記録装置が、前記1以上の記録管理装置から取得した前記録画データを記憶する第2記憶装置と、前記第2記憶装置に対するデータの書き込みおよび読み出しを制御する第2制御手段と、を備え、前記第2制御手段が、前記1以上の記録管理装置から取得した前記録画データを前記第2記憶装置に一時的に記憶することにより、当該記録管理装置における前記録画データの記録管理を補助する。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の録画データ記録管理システムであって、前記記録管理装置を複数個備える。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の録画データ記録管理システムであって、前記第1制御手段が、前記第1記憶装置に異常が発生した場合、当該第1記憶装置が復旧するまでの間において新たに取得される前記録画データを、一時待避データとして前記補助記録装置に送信し、前記第2制御手段が、前記1以上の記録管理装置から前記一時待避データとして送信された前記録画データを取得して、前記第2記憶装置に一時的に記憶する。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3に記載の録画データ記録管理システムであって、前記第2制御手段が、前記1以上の記録管理装置のいずれかが備える前記第1記憶装置が復旧した場合に、当該記録管理装置から取得して前記第2記憶装置に記憶されていた前記録画データを読み出して、前記記録管理装置に送信し、前記第1制御手段が、前記補助記録装置から受け取った前記録画データを前記第1記憶装置に記憶する。
【0012】
請求項5の発明は、請求項3または4に記載の録画データ記録管理システムであって、前記記録管理装置が取得する前記録画データが、録画時刻に沿って得られる時系列データであり、前記録画データには、フレーム間予測を用いずにフレーム内の画像信号を符号化した第1種フレームと、フレーム間予測を用いてフレームの画像信号を符号化した第2種フレームとが混在して含まれており、前記第2制御手段が、前記記録管理装置から前記一時待避データとして送信された前記録画データを取得した場合に、前記録画データを、録画時刻について所定時間毎に区分し、同一区分内に含まれる複数の前記第1種フレームを前記第2記憶装置の第1記憶領域に記録するとともに、同一区分内に含まれる複数の前記第2種フレームを前記第2記憶装置の第2記憶領域に記録する。
【0013】
請求項6の発明は、請求項4に記載の録画データ記録管理システムであって、前記記録管理装置が取得する前記録画データが、録画時刻に沿って得られる時系列データであり、前記録画データには、フレーム間予測を用いずにフレーム内の画像信号を符号化した第1種フレームと、フレーム間予測を用いてフレームの画像信号を符号化した第2種フレームとが混在して含まれており、前記第2制御手段が、前記記録管理装置から前記一時待避データとして送信された前記録画データを取得した場合に、前記録画データを、録画時刻について所定時間毎に区分し、同一区分内に含まれる複数の前記第1種フレームを前記第2記憶装置の第1記憶領域に記録するとともに、同一区分内に含まれる複数の前記第2種フレームを前記第2記憶装置の第2記憶領域に記録し、前記第2記憶装置に記憶されていた前記録画データを読み出して、前記記録管理装置に送信する場合に、はじめに前記第1記憶領域に記録された前記複数の第1種フレームを送信し、続いて前記第2記憶領域に記録された前記複数の第2種フレームを送信する。
【0014】
請求項7の発明は、請求項6に記載の録画データ記録管理システムであって、前記第2制御手段が、前記第1記憶領域に記録された前記複数の第1種フレームを送信するとともに送信した前記複数の第1種フレームを前記第2記憶装置から消去し、前記第2記憶領域に記録された前記複数の第2種フレームを送信するとともに送信した前記複数の第2種フレームを前記第2記憶装置から消去する。
【0015】
請求項8の発明は、請求項6または7に記載の録画データ記録管理システムであって、前記第1制御手段が、前記補助記録装置から別々に受信した前記複数の第1種フレームと前記複数の第2種フレームとを、再び混在させて録画時刻に沿って並べ直された状態にして、前記第1記憶装置に記憶する。
【0016】
請求項9の発明は、請求項8に記載の録画データ記録管理システムであって、前記第2制御手段が、前記第1記憶領域に記憶された前記複数の第1種フレームのそれぞれに、当該第1種フレームと録画時刻について時系列的に連続する第2種フレームの情報を付加して、前記記録管理装置に送信する。
【0017】
請求項10の発明は、請求項3から9のいずれかに記載の録画データ記録管理システムであって、前記1以上の記録管理装置のそれぞれが、前記第1記憶装置を複数個備え、前記第1制御手段が、前記複数の第1記憶装置のいずれにも異常が発生していない場合、新たに取得される前記録画データを、前記複数の第1記憶装置のそれぞれに記録し、前記複数の第1記憶装置の少なくとも1個に異常が発生した場合、当該異常が発生している第1記憶装置が復旧するまでの間において新たに取得される前記録画データを、異常が発生していない第1記憶装置に記憶するとともに、一時待避データとして前記補助記録装置に送信する。
【0018】
請求項11の発明は、請求項1から10のいずれかに記載の録画データ記録管理システムであって、前記1以上の記録管理装置のそれぞれが、揮発性の記憶装置である第3記憶装置、を備え、前記第1記憶装置が、自装置に記録される前記録画データと対応する管理情報を保持しており、前記第1制御手段が、前記第1記憶装置への前記録画データの書き込みが行われることによって前記管理情報が更新される場合に、当該更新中の管理情報を前記第3記憶装置に記憶させておき、前記録画データの書き込みが完了して前記管理情報の更新が完了すると、当該更新後の管理情報を前記補助記録装置に送信し、前記第2制御手段が、前記1以上の記録管理装置から前記更新後の管理情報を取得して、前記第2記憶装置に記憶する。
【発明の効果】
【0019】
請求項1〜11に記載の発明によると、録画データを記録管理する記録管理装置が通信回線を介して補助管理装置と接続されており、補助記録装置が、記録管理装置から取得した録画データを一時的に記憶することにより、記録管理装置における録画データの記録管理を補助する。この構成によると、記録管理装置が単体で録画データの記録管理を行う場合に比べて、記録管理の確実性を向上させることができる。
【0020】
特に、請求項2に記載の発明によると、録画データ記録管理システムが、記録管理装置を複数個備える。すなわち、補助管理装置が、複数個の記録管理装置によって共有されている。この構成によると、録画データ記録管理システム全体のコストを抑えつつ、効率的に各記録管理装置における記録管理の確実性を向上させることができる。
【0021】
特に、請求項3に記載の発明によると、記録管理装置が備える第1記憶装置に異常が発生した場合、当該第1記憶装置が復旧するまでの間において新たに取得される録画データは、一時待避データとして補助記録装置に送信され、補助記録装置が備える第2記憶装置に一時的に記憶される。この構成によると、第1記憶装置に異常が発生している間に新たに取得された録画データの記録保証を行うことができる。
【0022】
特に、請求項4に記載の発明によると、記録管理装置が備える第1記憶装置が復旧すると、当該第1記憶装置に異常が発生してから復旧するまでの間に取得されていた録画データは、補助記録装置が備える第2記憶装置から当該記録管理装置の備える当該復旧した第1記憶装置に書き戻される。この構成によると、第1記憶装置が復旧した後は、録画データは再び記録管理装置の側だけで記録管理されることになるので、録画データの管理の煩雑性が回避できる。
【0023】
特に、請求項6に記載の発明によると、第2制御手段が、第1種フレームと第2種フレームとが混在した録画データを第2記憶装置に記録する場合に、同一区分に含まれる複数の第1種フレームと複数の第2種フレームとを別々の領域にそれぞれまとめて記録し、第2記憶装置に記録された録画データを記録管理装置に送信する場合に、第1種フレーム、第2種フレームの順に送信する。第1種フレームはフレーム間予測を用いていないので単独で再生可能である。したがって、記録管理装置においては、第1種フレームのみを受信した段階で、当該録画データの録画内容の概要を把握することが可能となる。
【0024】
特に、請求項7に記載の発明によると、第2制御手段が、第2記憶装置に記録された録画データを記録管理装置に送信する場合に、第1種フレーム、第2種フレームの順に送信するとともに、送信したフレームを順次第2記憶装置から消去する。第1種フレームは第2種フレームに比べてデータサイズが大きいため、この構成によると、第2記憶装置に、連続した大きな空き容量を早期に確保することが可能となる。
【0025】
特に、請求項8に記載の発明によると、第1制御手段が、別々に受信した複数の第1種フレームと複数の第2種フレームとを再び混在させて録画時刻に沿って並べ直された状態にして、第1記憶装置に記憶する。この構成によると、第1記憶装置において、録画データを、録画時刻に沿った形で適切に管理することができる。
【0026】
特に、請求項9に記載の発明によると、第2制御手段が、複数の第1種フレームのそれぞれに、当該第1種フレームと時系列的に連続する第2種フレームの情報を付加するので、記録管理装置において、別々に受信される複数の第1種フレームと複数の第2種フレームとをスムースに録画時刻に沿って並べ直された状態にすることができる。
【0027】
特に、請求項10に記載の発明によると、記録管理装置が複数個の第1記憶装置を備え、それぞれに録画データを記録するので、録画データの記録保証を確実に行うことができる。特に、複数個の第1記憶装置の少なくとも1個に異常が発生した場合、当該第1記憶装置が復旧するまでの間に新たに取得された録画データは、一時待避データとして補助記録装置に送信され、補助記録装置が備える第2記憶装置に一時的に記憶される。したがって、いずれかの第1記憶装置に異常が発生した場合であっても、録画データの記録保証を行うことができる。
【0028】
特に、請求項11に記載の発明によると、記録管理装置の備える第1記憶装置の管理情報が、補助記録装置にてバックアップされるので、第1記憶装置の管理情報を適切に保護することができる。特に、管理情報が更新されている間は、記録管理装置の備える第3記憶装置にて最新の管理情報がバックアップされるので、通信回線の遅れなどの影響を受けることなく、常に最新の管理情報をバックアップしておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】監視システムの構成を示す図である。
【図2】ローカル記録装置の構成を示すブロック図である。
【図3】補助記録装置の構成を示すブロック図である。
【図4】ローカル記録装置が備えるHDD内のデータの格納状態を模式的に示す図である。
【図5】補助記録装置が備えるHDD内のデータの格納状態を模式的に示す図である。
【図6】監視システムにおいて実行される録画データの記録に関する処理の流れを示す図である。
【図7】ローカルHDDの両方が正常に動作している場合における、データの動きを示す図である。
【図8】ローカルHDDの一方が正常に動作していない場合における、データの動きを示す図である。
【図9】監視システムにおいて実行される録画データの書き戻しに関する処理の流れを示す図である。
【図10】ローカルHDDが復旧した場合における、データの動きを示す図である。
【図11】ローカル記録装置から補助記録装置へ録画データが送信される際のデータの動きを示す図である。
【図12】録画データが補助記録装置からローカル記録装置へ書き戻される際の各段階におけるデータの動きを示す図である。
【図13】録画データが補助記録装置からローカル記録装置へ書き戻される際の各段階におけるデータの動きを示す図である。
【図14】録画データが補助記録装置からローカル記録装置へ書き戻される際の各段階におけるデータの動きを示す図である。
【図15】録画データが補助記録装置からローカル記録装置へ書き戻される際の各段階におけるデータの動きを示す図である。
【図16】管理情報の更新処理の流れを示す図である。
【図17】管理情報が更新される際の各段階におけるデータの動きを示す図である。
【図18】管理情報が更新される際の各段階におけるデータの動きを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
〈1.監視システムの構成〉
この発明の実施の形態に係る録画データ記録管理システムが適用された監視システム100の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、監視システム100の構成を示す図である。
【0031】
監視システム100は、ネットワークNを介して互いに接続された、複数のローカル管理システム1と補助記録装置2とを備える。ローカル管理システム1は、例えば各種の店舗に設けられ、設置された店舗内を監視領域として当該監視領域の映像データを取得するとともに、取得した映像データを録画データとして記録管理する。補助記録装置2は、例えば管理センターなどに設けられ、ネットワークNを介して接続された複数のローカル管理システム1のそれぞれにおける録画データの記録管理を補助する。
【0032】
〈1−1.ローカル管理システム1〉
ローカル管理システム1は、監視領域を撮影する複数台の監視カメラ(撮像装置)11と、各監視カメラ11が取得した撮像データを録画データ9として記録管理するローカル記録装置12と、ローカル記録装置12に記録された録画データ9を再生する映像再生装置13と、を主として備える。各装置11,12,13は、ケーブルあるいはネットワークを介して通信可能に接続されている。なお、ローカル管理システム1は、他にも、複数台の監視カメラ11のケーブルを集線するハブ装置や、各装置をネットワークに接続するためのルータ等を備えている(いずれも図示省略)。
【0033】
〈監視カメラ11〉
監視カメラ11は、所定の監視領域を撮像して動画像の画像データ(撮像データ)を連続的に取得して、取得した撮像データをローカル記録装置12に転送する。
【0034】
監視カメラ11は一般的なデジタルカメラとして構成される。具体的には、AF(オートフォーカス)機能および自動絞り機能などを備えた光学機構、光学機構からの被写体像を結像する撮像素子(例えば、CCDセンサ)を備える。撮像素子は、監視領域を連続的に撮像し続け、監視領域の撮像データを連続的に取得し続ける。また、監視カメラ11は、撮像素子によって取得された撮像データをデジタル画像信号にA/D変換するアナログ信号処理回路を備える。さらに、監視カメラ11は、ネットワークに接続可能な機能を備えるいわゆるネットワークカメラとして構成されており、監視カメラ11をネットワークに接続するためのインターフェース機能を提供する通信部を備える。通信部は、A/D変換された撮像データを、ネットワークを介してローカル記録装置12に送信する。
【0035】
〈ローカル記録装置12〉
ローカル記録装置12は、複数の監視カメラ11のそれぞれから送信された撮像データを受信し、これを録画データ9として記録管理する装置であり、例えば、デジタルビデオレコーダー(DVR:Digital Video Recoder)により構成される。ローカル記録装置12の構成について、図2を参照しながら具体的に説明する。図2は、ローカル記録装置12の構成を示すブロック図である。
【0036】
ローカル記録装置12は、CPU121、ROM122、RAM123、画像処理部124、操作部125、表示部126、複数個(この実施の形態においては、2個)のハードディスクドライブ(以下「HDD」という)127、半導体メモリ128、および、通信部129を備えている。これら各部は、バス配線120を介して互いに接続されている。
【0037】
CPU121、ROM122、および、RAM123は、ローカル記録装置12の備える各構成を制御する制御部10として機能する。すなわち、CPU121は、ROM122に格納されたプログラムに従って動作し、RAM123を一時的なワーキングエリアとして使用しつつ、ローカル記録装置12の各構成を制御する。
【0038】
画像処理部124は、画像処理専用のハードウェア(例えば、画像処理ボード)であって、ローカル記録装置12の内部に収納され、バス配線に接続されている。画像処理部124は、複数の監視カメラ11を接続するための図示しないインターフェース(コネクタ等)や、監視カメラ11から撮像データを受信するためのバッファメモリ(半導体メモリ)を備えている。画像処理部124は、当該インターフェースに接続された監視カメラ11から、リアルタイムに入力される撮像データをバッファメモリに格納しつつ、所定の画像処理(画素補間処理、色空間変換処理、輪郭補正処理、およびフィルタリングなど)を施す。また、画像処理を施された撮像データを所定の動画像圧縮方式(この実施の形態においては、H.264とするが、MPEG2(Moving Picture Experts Group 2)、MPEG4(Moving Picture Experts Group 4)などであってもよい。)で符号化し、圧縮処理して、リアルタイムに録画データ9を生成する。すなわち、この実施の形態におけるローカル記録装置12は、画像処理部124が監視カメラ11から受信する撮像データに基づいて録画データ9を生成することにより、録画データ9を取得する。
【0039】
なお、画像処理部124に相当する機能部は、ローカル記録装置12ではなく監視カメラ11に設けてもよい。この場合、監視カメラ11において録画データ9が生成され、生成された録画データ9を監視カメラ11から受信することによって、ローカル記録装置12が録画データ9を取得することになる。
【0040】
操作部125および表示部126は、オペレータとの間のマンマシンインターフェースとして機能する。操作部125は、各種ボタンやキーであり、オペレータがローカル記録装置12に指示を入力するために使用される。また、表示部126は、各種ランプやLED、インジケータ等であり、主にローカル記録装置12の状態を表示する。なお、ローカル記録装置12の表示部126は、録画データ9を表示する機能を備えた装置(例えば液晶ディスプレイやCRT等)であってもよい。すなわち、ローカル記録装置12が映像を再生する機能を備えていてもよい。
【0041】
HDD127は、記憶装置の一種であって、録画データ9を記憶するために使用される。上述したとおり、この実施の形態に係るローカル記録装置12は、HDD127を2個備えており、制御部10は、各HDD127に同じ録画データ9を同時に書き込むことによってミラーリングを行っている。すなわち、ローカル記録装置12においては、RAID1システムが実現されている。各HDD127は、磁性体を塗布したアルミニウムやガラスのディスク(プラッタ)を回転モータ(スピンドルモータ)で高速に回転させつつ、磁気ヘッドで録画データ9を読み書き(アクセス)する構造となっている。なお、各HDD127としては、市場に流通している一般的なハードディスクドライブを採用することが可能である。また、例えば、フラッシュメモリを搭載した、いわゆるハイブリッドHDD等を適用してもよい。また、各HDD127を接続する規格としてはSCSIやIDE等を採用することができる。さらに、この実施の形態におけるローカル記録装置12は各HDD127を筐体内部に搭載しているが、各HDD127はローカル記録装置12の筐体外部に専用ケーブル等で接続されていてもよい。
【0042】
半導体メモリ128は、記憶装置の一種であって、この実施の形態では、例えば、複数の揮発性の記憶素子からなるDRAM(Dynamic Random Access Memory)により構成される。なお、半導体メモリ128をDRAMにより構成した場合、ローカル記録装置12は、停電対策として図示しないバックアップ電源(バッテリ)を備えることが好ましい。
【0043】
通信部129は、ローカル記録装置12をネットワークNに接続するためのネットワークインターフェース機能を提供する。特に、通信部129は、ネットワークNを介して補助記録装置2との間で録画データ9等を送受信する機能を有している。すなわち、HDD127に記録された録画データ9等を補助記録装置2に送信する機能、および、補助記録装置2のHDD26(図3参照)に記録された録画データ9等を受信する機能を有している。また、通信部129は、映像再生装置13からの要求に応じて、ローカル記録装置12に記録された録画データ9を映像再生装置13に送信する機能を有している。
【0044】
〈映像再生装置13〉
映像再生装置13は、一般的なコンピュータとしての機能を備えた装置であり、ネットワークなどを介してローカル記録装置12から録画データ9を受信することが可能であるとともに、受信した録画データ9を表示するディスプレイを備えている。すなわち、映像再生装置13は、少なくともローカル記録装置12に記録された録画データ9を再生する機能を有している。
【0045】
映像再生装置13で再生された録画データ9を確認することによって、オペレータは監視領域を監視することができる。なお、映像再生装置13は、複数個のディスプレイを備えていてもよい。すなわち、ローカル管理システム1が備える監視カメラ11の個数に対応する数のディスプレイが接続されていてもよい。また、ディスプレイの数が監視カメラ11の数よりも少ない場合は、ディスプレイの画面を適宜切り替えて表示するようにしてもよい。さらに、映像再生装置13において再生される録画データ9はリアルタイムに取得されているものであってもよいし、過去の録画データ9であってもよい。
【0046】
〈1−2.補助記録装置2〉
補助記録装置2は、ネットワークNを介して接続された複数のローカル管理システム1のそれぞれが備えるローカル記録装置12における録画データ9の記録管理を補助するための装置であり、例えば、デジタルビデオレコーダーで構成される。補助記録装置2の構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、補助記録装置2の構成を示すブロック図である。
【0047】
補助記録装置2は、CPU21、ROM22、RAM23、操作部24、表示部25、ハードディスクドライブ(以下「HDD」という)26、半導体メモリ27および通信部28を備えている。これら各部は、バス配線29を介して互いに接続されている。
【0048】
CPU21、ROM22、および、RAM23は、補助記録装置2の備える各構成を制御する制御部20として機能する。すなわち、CPU21は、ROM22に格納されたプログラムに従って動作し、RAM23を一時的なワーキングエリアとして使用しつつ、補助記録装置2の各構成を制御する。
【0049】
操作部24および表示部25は、オペレータとの間のマンマシンインターフェースとして機能する。操作部24は、各種ボタンやキーであり、オペレータが補助記録装置2に指示を入力するために使用される。また、表示部25は、各種ランプやLED、インジケータ等であり、主に補助記録装置2の状態を表示する。
【0050】
HDD26は、ローカル記録装置12が備えるHDD127と同様、記憶装置の一種であって、ここでは、ネットワークNを介して接続された複数のローカル記録装置12から取得した録画データ9等を記憶するために使用される。なお、補助記録装置2は、必要とされる記憶容量に応じて、HDD26を複数個備える構成としてもよい。なお、HDD26としては、HDD127と同様、市場に流通している一般的なハードディスクドライブや、ハイブリッドHDD等を採用することが可能である。また、この実施の形態における補助記録装置2はHDD26を筐体内部に搭載しているが、HDD26は補助記録装置2の筐体外部に専用ケーブル等で接続されていてもよい。
【0051】
半導体メモリ27は、半導体メモリ128と同様、記憶装置の一種であって、この実施の形態においては、例えばDRAMにより構成される。
【0052】
通信部28は、補助記録装置2をネットワークNに接続するためのネットワークインターフェース機能を提供する。特に、通信部28は、ネットワークNを介して接続された複数のローカル記録装置12との間で録画データ9等を送受信する機能を有している。すなわち、通信部28は、HDD26に記録された録画データ9等を任意のローカル記録装置12に送信する機能、および、各ローカル記録装置12のHDD26に記録された録画データ9等を受信する機能を有している。
【0053】
〈2.ハードディスクドライブに格納されるデータ〉
ローカル記録装置12が備えるHDD(以下「ローカルHDD」という)127、および、補助記録装置2が備えるHDD(以下「補助HDD」という)26それぞれのデータの格納状態について説明する。
【0054】
〈2−1.ローカルHDD127〉
図4(a)を参照する。図4(a)は、ローカルHDD127内のデータの格納状態を模式的に示す図である。ローカルHDD127には、録画データ9を記録する領域(記録領域)1271と、管理情報90を記録する領域(管理領域)1272とが形成されている。ただし、管理領域1272は複数(この実施の形態においては2個)形成されており、各管理領域1272に管理情報90が記録される。すなわち、ローカルHDD127においては、管理情報90が二重に記録されている。
【0055】
〈記録領域1271〉
記録領域1271には、録画データ9が格納される。この実施の形態においては、記録領域1271は、ブロック番号などで順番付けされた複数の単位記憶領域(ブロック)に分割されており、ローカルHDD127に録画データ9を書き込む場合、書き込み可能なブロックのうち、番号の若いブロックから順に録画データ9の書き込みを行う。1ブロックのサイズは例えば10G〜50G程度である。
【0056】
ここで、ローカルHDD127に格納される録画データ9について、図4(b)を参照しながら具体的に説明する。上述したとおり、画像処理部124は、監視カメラ11からリアルタイムに入力される撮像データを所定の映像符号化形式でI,P,Bフレームなどのフレームに符号化し、圧縮したものを録画データ9として取得する。すなわち、録画データ9は、録画時刻に沿って得られる時系列データであり、そこには、I,B,Pの各フレームが混在して含まれている。
【0057】
ただし、「Iフレーム」は、フレーム間予測を用いずにフレーム内の画像信号を符号化したフレームである。したがって、Iフレームはそれだけで完結しており、Iフレームの情報だけで元のフレーム画像を復元できる。一方、「Pフレーム」および「Bフレーム」は、フレーム間予測を用いてフレームの画像信号を符号化したフレームである。例えば、「Pフレーム」は、該当フレームの画像とその直前のIフレームやPフレームの画像との差分情報である。したがって、Pフレームをデコードするためには、直前のIフレームやPフレームの情報が必要となる。また、「Bフレーム」は、前のフレームだけでなく後のフレームとの差分も使って圧縮されたものである。したがって、Bフレームをデコードするためには、前後のIフレーム、Pフレームの情報が必要となる。
【0058】
H.264などの動画像圧縮方式では、上記I,B,Pの各フレームが独立してではなく、GOP(Group of Picture)という固まり単位で圧縮、伸長が行われる。H.264の場合、GOPは、IPPBBPPPPPPBBPP、のように、例えば15フレーム単位(0.5秒)で構成される。上のケースでは、1GOPの中に、Iフレーム1個、Pフレーム10個、Bフレーム4個が存在する。
【0059】
記録領域1271には、録画データ9が、GOP単位で録画時刻に沿った時系列順に並んだ状態で格納されている。また、各GOPにおいては、そこに含まれる15個のフレームがIフレームを先頭に録画時刻に沿った時系列順に並んでいる。
【0060】
なお、以下においては、説明を簡便にするため、録画データ9は、IフレームとPフレームとに符号化されており、1GOPは15個のフレームから構成されているものとする。この場合、1GOPは、Iフレームを先頭にして、IPPPPPPPPPPPPPP、という具合に構成される。すなわち、1GOPの中に、Iフレーム1個、Pフレーム14個が存在することになる。以下においては、同一のGOPに属する14個のPフレームを「Pフレーム群」という。すなわち、ここでは、記録領域1271に格納される録画データ9は、第1GOPのIフレームI(1)、第1GOPのPフレーム群P(1)、第2GOPのIフレームI(2)、第2GOPのPフレーム群P(2)、・・・といった具合に、IフレームとPフレーム群とが交互に並んだ状態となっている。
【0061】
〈管理領域1272〉
管理領域1272にはローカルHDD127の管理情報90が格納される。管理情報90とは、記録領域1271に記録される録画データ9と対応する情報であり、具体的には、記録領域1271に記録されている録画データ9のアドレス情報が含まれている。アドレス情報とは、記録領域1271に記録されている録画データ9を特定するための情報(識別情報)と、当該録画データ9が記憶されている領域を特定するための情報(アドレス情報)とが関連付けられた情報である。
【0062】
また、管理情報90には、ローカル管理システム1のログ情報も含まれている。ログ情報とは、ローカル管理システム1において発生した各種のイベント(例えば、アラームの発生、ローカルHDD127の異常発生等)について、その発生時刻を記述した情報である。
【0063】
なお、上述したとおり、記録領域1271は複数のブロックに分割されており、録画データ9の書き込みはブロック単位で行われる。これに応じて、管理情報90は、より具体的には、各ブロックの管理情報(ブロック管理情報)と、全ブロックの管理情報を統括する管理情報(統括管理情報)との2層に階層化された構成となっている。統括管理情報は、録画データ9の識別情報と、当該録画データ9が記録されているブロックを特定するための情報(例えば、ブロック番号)とが関連づけられた情報である。また、ブロック管理情報は、録画データ9の識別情報と、当該録画データ9がブロック内のどの領域に記憶されているかを特定するための情報とが関連づけられた情報である。このように、管理情報90を階層化することによって、ローカルHDD127からの録画データ9の読み出しに要する時間を短縮することができる。
【0064】
録画データ9を記録領域1271に記録する場合、制御部10は、所定のブロックの所定の領域に録画データ9を書き込んだ後、当該記録に対応するように、管理情報90(具体的には、統括管理情報、および、書き込み対象となったブロックのブロック管理情報)を更新する。一方、記録領域1271に記録されている録画データ9を読み出す場合、制御部10は、まず、管理情報90を参照して読み出すべき録画データ9が記録されている領域を特定し、続いて、記録領域1271の当該特定された領域を参照して、そこに記録されたデータを読み出す。このような構成となっているため、管理領域1272に対する書き込み・読み出しの頻度は非常に高く、結果として、管理領域1272に対する書き込み・読み出しのエラーが発生する頻度も高くなってしまう。管理領域1272に対する書き込み・読み出しができなくなってしまうと、記録領域1271に記録されている録画データ9が一切読み出せないという深刻な事態に陥ってしまう。このような事情から、管理情報90は特に厳重に保護しておく必要がある。
【0065】
〈2−2.補助HDD26〉
図5を参照する。図5は、補助HDD26内のデータの格納状態を模式的に示す図である。補助HDD26には、ローカル記録装置12から取得した各種データを記録する記録領域261と、補助HDD26の管理情報(具体的には、記録領域262に記録される各種データのアドレス情報)を記録する管理領域262とが形成されている。
【0066】
記録領域261には、ネットワークNを介して接続された複数のローカル記録装置12から一時待避データとして送信されてくる録画データ9を記録するための一時待避データ記録領域261aが形成されている。記録領域261aに録画データ9がどのように格納されるかについては、後に説明する。
【0067】
また、記録領域261には、複数のローカル記録装置12のそれぞれが備えるローカルHDD127の管理情報90のバックアップデータを記録するためのバックアップ管理情報記録領域261bが形成されている。つまり、監視システム100においては、複数のローカル管理システム1のそれぞれが備えるローカル記録装置12のローカルHDD127の管理情報90は、各ローカルHDD127において二重に保護され、さらに補助HDD26においてバックアップされることによって、三重に保護されている。記録領域261bに管理情報90がどのように格納されるかについては、後に説明する。
【0068】
〈3.監視システムの動作〉
〈3−1.録画データ9の記録に関する処理〉
〈i.録画データ9の記録〉
監視システム100において所定の初期設定が実行され、運用が開始されると、各ローカル管理システム1において、録画データ9の取得が開始される。具体的には、ローカル管理システム1において、監視カメラ11が撮像データを取得開始し、取得した撮像データをローカル記録装置12に送信する。そして、ローカル記録装置12の画像処理部124が当該取得した撮像データから録画データ9を生成する。
【0069】
録画データ9は、ローカル記録装置12のローカルHDD127等に記録される。この処理について、図6〜図8を参照しながら説明する。図6は、監視システム100において実行される録画データ9の記録に関する処理の流れを示す図である。図7は、ローカル記録装置12の備える2個のローカルHDD127の両方が正常に動作している場合における、データの動きを示す図である。図8は、2個のローカルHDD127の一方が正常に動作していない場合における、データの動きを示す図である。
【0070】
ローカル記録装置12の制御部10は、画像処理部124から録画データ9が取得されると(ステップS11でYES)、取得された録画データ9を一旦半導体メモリ128に記憶し、続いて、2個のローカルHDD127それぞれの駆動状態を確認する(ステップS12)。
【0071】
2個のローカルHDD127の両方が正常に動作している場合(ステップS12でYES)、制御部10は、半導体メモリ128に記憶されている録画データ9を2個のローカルHDD127のそれぞれに同時に書き込む(ステップS13)。すなわち、半導体メモリ128に記録された録画データ9が転送されて2個のローカルHDD127のそれぞれに格納される(図7)。
【0072】
一方、正常に動作していないローカルHDD127がある場合(ステップS12でNO)、制御部10は、半導体メモリ128に記憶されている録画データ9を、正常に動作している方のローカルHDD127に書き込むとともに(ステップS14)、当該録画データ9を、一時待避データとして補助記録装置2に送信する(ステップS15)。
【0073】
補助記録装置2の制御部20は、ネットワークNを介して接続された複数のローカル記録装置12のいずれかから、一時待避データとして送信されてきた録画データ9を受信すると(ステップS101でYES)、受信した録画データ9を、半導体メモリ27を介して補助HDD26に書き込む(ステップS102)(図8)。
【0074】
〈ii.一時待避データの書き戻し〉
上述したとおり、監視システム100が備える複数のローカル管理システム1のいずれかにおいて、ローカル記録装置12の備える2個のローカルHDD127の少なくとも一方に異常が発生した場合、当該ローカル記録装置12において取得された録画データ9は、一時待避データとして補助記録装置2に送られて補助HDD26に記録される。
【0075】
監視システム100においては、異常が発生していたローカルHDD127が復旧すると、補助HDD26に記録されていた録画データ9は復旧したローカルHDD127に書き戻される。この処理について、図9および図10を参照しながら説明する。図9は、監視システム100において実行される録画データ9の書き戻しに関する処理の流れを示す図である。図10は、ローカルHDD127が復旧した場合における、データの動きを示す図である。
【0076】
いま、補助記録装置2とネットワークNを介して接続された複数のローカル記録装置12の1つ(以下「対象ローカル記録装置12」という)において、その備える2個のローカルHDD127のいずれか一方に異常が発生していたところ、HDDの修復、交換などの措置によって当該異常が発生していたローカルHDD127が再び復旧したとする。この場合、ローカルHDD127の異常が発生してから復旧するまでの間に対象ローカル記録装置12において取得された録画データ9は、一時待避データとして補助記録装置2の補助HDD26に記録されている。
【0077】
対象ローカル記録装置12の制御部10は、異常が発生していたローカルHDD127が復旧したことを確認すると(ステップS21でYES)、その旨を補助記録装置2に通知する(ステップS22)。
【0078】
対象ローカル記録装置12から、ローカルHDD127が復旧した旨の通知を受信すると(ステップS201でYES)、補助記録装置2の制御部20は、一時待避データとして記録されていた録画データ9を補助HDD26から読み出して、対象ローカル記録装置12に送信する(ステップS202)。
【0079】
一時待避データとして記録されていた録画データ9を対象ローカル記録装置12に送信すると、補助記録装置2の制御部20は、当該送信した録画データ9を補助HDD26から消去する(ステップS203)。
【0080】
一方、補助記録装置2から録画データ9を受信すると(ステップS23でYES)、ローカル記録装置12の制御部10は、受信した録画データ9を、半導体メモリ128を介して、復旧したローカルHDD127に書き込む(ステップS24)。
【0081】
〈iii.ローカル記録装置12と補助記録装置2との間での録画データ9の授受〉
上述したとおり、監視システム100が備える複数のローカル管理システム1のいずれかにおいて、ローカル記録装置12の備える2個のローカルHDD127の少なくとも一方に異常が発生した場合、当該ローカルHDD127が異常から復旧するまでの間は、ローカル記録装置12から補助記録装置2へ、録画データ9が送信される。また、当該ローカルHDD127が異常から復旧すると、補助記録装置2からローカル記録装置12へ、録画データ9が送信される。これらの処理についてより具体的に説明する。
【0082】
〈ローカル記録装置12から補助記録装置2へ〉
ローカル記録装置12から補助記録装置2へ録画データ9を送信する処理について、図11を参照しながら説明する。図11は、ローカル記録装置12から補助記録装置2へ、一時待避データとして録画データ9が送信され、送信された録画データ9が補助HDD26に格納される際のデータの動きを示す図である。
【0083】
ローカル記録装置12から一時待避データとして送信された録画データ9を受信すると、補助記録装置2の制御部20は、取得した録画データ9を一旦半導体メモリ27に格納する。
【0084】
ただし、制御部20は、録画データ9を、ローカル記録装置12から受信した順番通りに半導体メモリ27に記憶していく。上述したとおり、ローカル記録装置12のローカルHDD127において、録画データ9は、録画時刻の時系列順、すなわち、IフレームとPフレーム群とが交互に並んだ状態で記憶されている。このため、ローカル記録装置12からはIフレームとPフレーム群とが交互に送信されてくる。制御部20は、この受信順に半導体メモリ27に録画データ9を記録するので、半導体メモリ27には、ローカルHDD127と同じ状態、すなわち、IフレームとPフレーム群とが交互に並んだ状態で録画データ9が記憶されていく。
【0085】
一方で、制御部20は、半導体メモリ27に一旦格納された録画データ9を、補助HDD26に格納していく。ただし、ここで、制御部20は、録画データ9を録画時刻について所定時間毎(例えば、1時間毎)に区分し、同一区分内に含まれる複数のIフレームを補助HDD26の第1領域A1に記録していくとともに、同一区分内に含まれる複数のPフレームを補助HDD26の第2領域A2に記録していく。つまり、1区分毎にIフレームとPフレームとをまとめて、それぞれを補助HDD26の別の領域A1,A2に記録する。
【0086】
この処理について、具体的に説明する。いま、録画データ9を例えば1時間毎に区分するとする。この場合、1GOPが例えば15フレーム単位(0.5秒)で構成されるとすると、1区分の録画データ9にはGOPが7200個含まれることになる。また、1GOPが例えば30フレーム単位(1.0秒)で構成されるとすると、1区分の録画データ9にはGOPが3600個含まれることになる。このように、1区分の録画データ9に含まれるGOPの個数は、GOPのフレーム単位によって一意に規定される。以下においては、1区分の録画データ9にGOPがn個含まれるとして説明を進める。ここで、上述したとおり、1GOPには1個のIフレームと、14個のPフレームから構成されるPフレーム群とが含まれる。したがって、1区分の録画データ9にGOPがn個含まれるとすると、1区分にはn個のIフレームI(1)〜I(n)と、n個のPフレーム群P(1)〜P(n)とが混在して含まれることになる。
【0087】
制御部20は、第1GOPのIフレームI(1)が半導体メモリ27に格納されると、これを補助HDD26に書き込む(矢印AR1)。
【0088】
続いて、第1GOPのPフレーム群P(1)が半導体メモリ27に格納されると、制御部20は、これを補助HDD26に書き込む(矢印AR2)。ただし、制御部20は、第1GOPのPフレーム群P(1)を、第1GOPのIフレームI(1)が書き込まれた領域の後に連続して書き込むのではなく、所定サイズの空白領域Biをおいた位置から書き込む。この空白領域Biのサイズは、「Bi=n*D1+D2」により規定される。ただし、この式中、「n」は、上述したとおり、1区分の録画データ9に含まれるGOPの個数、すなわち、1区分の録画データ9に含まれるIフレームの個数である。「D1」は、1個のIフレームのデータサイズである。ただし、ここでは、録画データ9に含まれる複数のIフレームはいずれも同じデータサイズ「D1」であるとみなしている。これは、Iフレームは、Pフレームなどと異なり、フレーム間予測を用いずに符号化されているので、1個のデータサイズは常に静止画データ(JPEG)相当とみなすことができるからである。「D2」は、Iフレームの格納領域(第1領域A1)とPフレームの格納領域(第2領域A2)との間にマージンとして設けられる領域のサイズである。
【0089】
制御部20は、第2GOPのIフレームI(2)が半導体メモリ27に格納されると、これを補助HDD26に書き込む(矢印AR3)。ただし、制御部20は、第2GOPのIフレームI(2)を、第1GOPのIフレームI(1)が書き込まれた領域の後に連続して書き込む。
【0090】
続いて、第2GOPのPフレーム群P(2)が半導体メモリ27に格納されると、制御部20は、これを補助HDD26に書き込む(矢印AR4)。ただし、制御部20は、第2GOPのPフレーム群P(2)を、第1GOPのPフレーム群(1)が書き込まれた領域の後に連続して書き込む。
【0091】
制御部20は、以降、同様に、Iフレームについては、先のGOPのIフレームと連続する位置に、Pフレーム群については、先のGOPのPフレーム群と連続する位置に、それぞれ書き込んでいく。これによって、同一の区分に属するIフレーム(n個のIフレームI(1),I(2),・・I(n))とPフレーム(n個のPフレーム群P(1),P(2),・・P(n))とがそれぞれまとめられて、補助HDD26の別の領域A1,A2に記録されていくことになる(図12に示される補助HDD26を参照)。
【0092】
〈補助記録装置2からローカル記録装置12へ〉
補助記録装置2からローカル記録装置12へ録画データ9を書き戻す処理について、図12〜図15を参照しながら説明する。図12〜図15は、一時待避データとして記録されていた録画データ9が、補助記録装置2からローカル記録装置12へ書き戻される際の各段階におけるデータの動きを示す図である。
【0093】
図12を参照する。ローカル記録装置12からそのローカルHDD127が復旧した旨の通知を受信すると、補助記録装置2の制御部20は、当該ローカル記録装置12から一時待避データとして受信していた録画データ9を補助HDD26から読み出して、当該ローカル記録装置12に送信する。ただし、制御部20は、録画データ9を、補助HDD26に格納されている順番通りに送信していく。上述したとおり、補助HDD26において、録画データ9は、区分単位毎にIフレームとPフレームとがまとめられ、それぞれが別の領域A1,A2に記録されている。したがって、制御部20は、まず、第1領域A1にまとめて記録されているIフレーム(同一の区分に属するn個のIフレームI(1),I(2),・・I(n))を、順番に補助記録装置2に送信する。また、制御部20は、Iフレームを補助記録装置2に送信すると、当該送信完了したIフレームを補助HDD26から消去する。
【0094】
ただし、制御部20は、各Iフレームを送信する前に、当該Iフレームと録画時刻の時系列的に連続するPフレーム(具体的には、当該Iフレームと同じGOPのPフレーム群P)の情報を付加情報Kとして付加し、付加情報Kを付した上で、Iフレームをローカル記録装置12に送信する。Pフレーム群の情報とは、具体的には、当該Pフレーム群が補助HDD26のどの領域に記憶されているかを特定するための情報(アドレス情報)、当該Pフレーム群のデータサイズ、および、当該Pフレーム群が属するGOP番号である。
【0095】
補助記録装置2から送信されたIフレーム(具体的には、付加情報Kが付されたIフレーム)を受信すると、ローカル記録装置12の制御部10は、受信したIフレームを、復旧したローカルHDD127に書き込む。
【0096】
この処理について、具体的に説明する。第1GOPのIフレームI(1)を受信すると、制御部10は、これをローカルHDD127に書き込む(矢印AR11)。
【0097】
続いて、第2GOPのIフレームI(2)を受信すると、制御部10は、これをローカルHDD127に書き込む(矢印AR12)。ただし、制御部10は、第2GOPのIフレームI(2)を、第1GOPのIフレームI(1)が書き込まれた領域の後に連続して書き込むのではなく、所定サイズの空白領域Bp(1)をおいた位置から書き込む。この空白領域Bp(1)のサイズは、第1GOPのIフレーム(1)と録画時刻の時系列的に連続するPフレーム群のデータサイズ(すなわち、第1GOPのPフレーム群P(1)のデータサイズ)と一致するように規定される。すなわち、制御部10は、第1GOPのIフレームI(1)に付加されている付加情報Kを参照して第1GOPのPフレーム群P(1)のデータサイズを特定し、当該サイズ分の空白領域Bp(1)をおいた位置から第2GOPのIフレームI(2)を書き込む。
【0098】
続いて、第3GOPのIフレームI(3)を受信すると、制御部10は、第2GOPのIフレームI(2)に付加されている付加情報Kを参照して第2GOPのPフレーム群P(2)のデータサイズを特定し、当該サイズ分の空白領域Bp(2)をおいた位置から第3GOPのIフレームI(3)を書き込む(矢印AR13)。
【0099】
制御部10は、以降、同様に、各Iフレームを、1つ前のGOPのIフレームが書き込まれた領域の後、当該1つ前のGOPのPフレーム群のデータサイズと等しいサイズの空白領域をおいた位置から書き込んでいく。これによって、同一の区分に属するn個のIフレームI(1),I(2),・・I(n)が、空白領域Bp(1),Bp(2),・・・Bp(n)をそれぞれはさんで分離した状態で記録存されていくことになる。
【0100】
同一の区分に属するn個のIフレームI(1),I(2),・・I(n)の全てが、ローカルHDD127に書き戻された状態が、図13に示されている。この状態においては、補助HDD26に、連続した大きな空き容量が形成されていることがわかる。これは、一時待避の録画データ9を補助HDD26に格納する際に、同一の区分に属する複数個のIフレームを第1領域A1にまとめて記録していたためである。
【0101】
また、この状態においては、一時待避されていた録画データ9のうち、IフレームのみがPフレームに先んじてローカルHDD127に書き戻されている。上述したとおり、Iフレームは、それだけで完結しており、Iフレームの情報だけで元のフレーム画像を復元できるデータである。したがって、これらIフレームを復元すれば、録画データ9の概要を把握することができる。つまり、Iフレームのみが書き戻されたこの段階において、Pフレームの書き戻しを待たずとも、ローカル記録装置12側のみでの録画データ9の単独再生が一応は可能となる。
【0102】
図14を参照する。補助記録装置2の制御部20は、第1領域A1にまとめて記録されているIフレーム(同一の区分に属するn個のIフレームI(1),I(2),・・I(n))の全てを補助記録装置2に送信すると、続いて、第2領域A2にまとめて記録されているPフレーム群(当該区分に属するn個のPフレーム群P(1),P(2),・・P(n))を、順番に補助記録装置2に送信する。より具体的には、各Pフレーム群に含まれる15個のPフレームを順番に補助記録装置2に送信する。また、制御部20は、Pフレームを補助記録装置2に送信すると、当該送信完了したPフレームを補助HDD26から消去する。
【0103】
一方、補助記録装置2から送信されたPフレーム群を受信すると(より具体的には、各Pフレーム群に含まれる15個のPフレームを順番に受信すると)、ローカル記録装置12の制御部10は、受信したPフレームを、復旧したローカルHDD127に書き込む。
【0104】
この処理について、具体的に説明する。第1GOPのPフレーム群P(1)を受信すると、制御部10は、これを、第1GOPのIフレームI(1)と、第2GOPのIフレームI(2)との間の、空白領域Bp(1)に書き込む(矢印AR21)。上述したとおり、この空白領域Bp(1)のサイズは、第1GOPのPフレーム群P(1)のデータサイズと一致しているので、第1GOPのPフレーム群P(1)が書き込まれると、ローカルHDD127において、第1GOPのIフレームI(1)、第1GOPのPフレーム群P(1)、第2GOPのIフレームI(2)が、この順に連続して記録された状態となる。なお、受信したPフレーム群がどのGOPのものであるかは、先に取得した各Iフレームに付加されていた付加情報Kを参照することによって特定される。
【0105】
続いて、第2GOPのPフレーム群P(2)を受信すると、制御部10は、これを、第2GOPのIフレームI(2)と、第3GOPのIフレームI(3)との間の、空白領域Bp(2)に書き込む(矢印AR22)。
【0106】
続いて、第3GOPのPフレーム群P(3)を受信すると、制御部10は、これを、第3GOPのIフレームI(3)と、第4GOPのIフレームI(4)との間の、空白領域Bp(3)に書き込む(矢印AR23)。
【0107】
制御部10は、以降、同様に、各Pフレーム群を、同じGOPのIフレームが書き込まれた領域の後におかれている空白領域に書き込んでいく。これによって、同一の区分に属するn個のPフレーム群P(1),P(2),・・P(n)が、当該区分に属するn個のIフレームI(1),I(2),・・I(n)の間に順に記録されていくことになる。
【0108】
同一の区分に属するn個のIフレームI(1),I(2),・・I(n)と、n個のPフレーム群P(1),P(2),・・P(n)との全てがローカルHDD127に書き戻された状態が、図15に示されている。この状態においては、補助HDD26において、大きな空き容量が形成されていることがわかる。この領域は、再び、一時待避データとして送信される録画データ9を記録するために用いられる。
【0109】
また、この状態においては、一時待避データとして一時的に補助HDD26に格納されていた録画データ9が、ローカルHDD127に、録画時刻の時系列順、すなわち、IフレームとPフレーム群とが交互に並んだ状態で書き戻されている。
【0110】
〈3−2.管理情報90の記録に関する処理〉
上述したとおり、監視システム100においては、複数のローカル管理システム1のそれぞれが備えるローカル記録装置12のローカルHDD127の管理情報90は、各ローカルHDD127において二重に保護され(図5参照)、さらに補助HDD26においてバックアップされる(図5参照)。つまり、管理情報90が、三重に保護されている。
【0111】
ところで、上述したとおり、ローカルHDD127の管理情報90は、録画データ9がローカルHDD127に新たに記録される度毎に更新される。したがって、補助HDD26に格納される管理情報90も、これに応じて更新していかなければならない。補助HDD26に格納される管理情報90の更新処理について、図16〜図18を参照しながら説明する。図16は、管理情報90の更新処理の流れを示す図である。図17〜図18は、管理情報90が更新される際の各段階におけるデータの動きを示す図である。
【0112】
ローカル記録装置12の制御部10は、画像処理部124から録画データ9が取得されると(ステップS31でYES)、制御部10は、取得された録画データ9を一旦半導体メモリ128に格納する。そして、制御部10は、ローカルHDD127から管理情報90(具体的には、統括管理情報、および、書き込み対象となるブロック(以下「対象ブロック」という)のブロック管理情報)を読み出して半導体メモリ128に記憶する(ステップS32)。なお、図17、図18の例では、第3ブロックが対象ブロックであるとする。
【0113】
続いて、制御部10は、半導体メモリ128に記憶されていた録画データ9を、ローカルHDD127の、対象ブロックの所定の領域に書き込む(ステップS33)(図6のステップS13、および、ステップS14参照)。
【0114】
ローカルHDD127に録画データ9を書き込むと、続いて制御部10は、実行した記録処理に対応するように、管理情報90(具体的には、統括管理情報、および、対象ブロックのブロック管理情報)を更新する(ステップS34)。ただしここで制御部10は、ローカルHDD127に格納された2個の管理情報90、および、半導体メモリ128に記憶された管理情報90のそれぞれを、同時に更新する(図17)。
【0115】
各管理情報90の更新が完了したことが確認されると(ステップS35でYES)、制御部10は、続いて、更新後の管理情報90(具体的には、更新後の統括管理情報、および、対象ブロックの更新後のブロック管理情報)を補助記録装置2に送信する(ステップS36)。また、制御部10は、更新後の管理情報90を補助記録装置2に送信すると、半導体メモリ128に記憶されていた管理情報90を消去する(ステップS37)(図18)。
【0116】
ローカル記録装置12が送信してきた管理情報90を受信すると(ステップS301でYES)、補助記録装置2の制御部20は、受信した管理情報90を、半導体メモリ27
を介して、補助HDD26に書き込む(ステップS302)。これにより、補助HDD26に格納されている管理情報90(具体的には、統括管理情報、および、対象ブロックのブロック管理情報)が最新の状態に更新されることになる(図18)。
【0117】
以上の処理によると、最新の管理情報90は、管理情報90の更新中(すなわち、ローカルHDD127に対する録画データ9の記録が開始されてから当該記録に係る管理情報90の更新が完了するまでの間)は、半導体メモリ128にてバックアップされる。一方、それ以外の時間帯においては、最新の管理情報90は、補助記録装置2の補助HDD26にてバックアップされる。
【0118】
〈4.効果〉
上記の実施の形態に係る監視システム100によると、録画データ9を記録管理するローカル記録装置12が、ネットワークNを介して補助記録装置2と接続されており、補助記録装置2が、ローカル記録装置12から取得した録画データ9を一時的に記憶することにより、ローカル記録装置12における録画データ9の記録管理を補助する。この構成によると、各ローカル管理システム1においてローカル記録装置12が単体で録画データ9の記録管理を行う場合に比べて、記録管理の確実性を向上させることができる。
【0119】
特に、上記の実施の形態に係る監視システム100は、ローカル管理システム1を複数個備える。すなわち、補助記録装置2が、複数個のローカル記録装置12によって共有されている。この構成によると、監視システム100全体のコストを抑えつつ、効率的に各ローカル記録装置12における記録管理の確実性を向上させることができる。
【0120】
特に、上記の実施の形態に係る監視システム100によると、ローカルHDD127に異常が発生した場合、当該ローカルHDD127が復旧するまでの間において新たに取得される録画データ9は、一時待避データとして補助記録装置2送信され、補助HDD26に一時的に記憶される。この構成によると、ローカルHDD127に異常が発生している間に新たに取得された録画データ9の記録保証を行うことができる。
【0121】
特に、上記の実施の形態に係る監視システム100によると、ローカルHDD127が復旧すると、当該ローカルHDD127に異常が発生してから復旧するまでの間に取得されていた録画データ9は、補助HDD26から当該復旧したローカルHDD127に書き戻される。この構成によると、ローカルHDD127が復旧した後は、録画データ9は再びローカル記録装置12の側だけで記録管理されることになるので、録画データ9の管理の煩雑性が回避できる。
【0122】
特に、上記の実施の形態に係る監視システム100によると、補助記録装置2の制御部20が、Iフレームとそれ以外のフレーム(上記の実施の形態においては、Pフレーム)とが混在した録画データ9を補助HDD26に記録する場合に、同一の区分に属する複数のIフレームと複数のPフレームとを別々の領域A1,A2にそれぞれまとめて記録し、補助HDD26に記録された録画データ9をローカル記録装置12に送信する場合に、Iフレーム、Pフレームの順に送信する。Iフレームはフレーム間予測を用いていないので単独で再生可能である。したがって、ローカル記録装置12においては、Iフレームのみを受信した段階で、当該録画データ9の録画内容の概要を把握することが可能となる。
【0123】
特に、上記の実施の形態に係る監視システム100によると、補助記録装置2の制御部20が、補助HDD26に記録された録画データ9をローカル記録装置12に送信する場合に、Iフレーム、Pフレームの順に送信するとともに、送信したフレームを順次補助HDD26から消去する。IフレームはPフレームに比べてデータサイズが大きいため、この構成によると、補助HDD26に、連続した大きな空き容量を早期に確保することが可能となる。つまり、補助HDD26内に、早期に、一時待避データの格納可能領域を確保することができる。補助記録装置2においては、どのタイミングでローカル記録装置12から一時待避データが送信されてきてもこれを格納できるだけの十分な容量が求められるところ、補助HDD26内に、早期に、一時待避データの格納可能領域を確保することができると、補助HDD26の容量を小さく抑えることが可能となる。その結果、監視システム100のコストを抑えることができる。なお、監視システム100のコストを抑えるべくより多くのローカル管理システム1を補助記録装置2に接続しようとすると、補助HDD26に必要とされる容量がどうしても大きくなってしまうので、上記の構成は特に有効である。
【0124】
特に、上記の実施の形態に係る監視システム100によると、ローカル記録装置12の制御部10が、別々に受信した複数のIフレームと複数のPフレーム群とを再び混在させて録画時刻に沿って並べ直された状態にして、ローカルHDD127に記憶する。この構成によると、ローカルHDD127において、録画データ9を、録画時刻に沿った形で適切に管理することができる。
【0125】
特に、上記の実施の形態に係る監視システム100によると、補助記録装置2の制御部20が、複数のIフレームのそれぞれに、当該Iフレームと時系列的に連続するPフレーム群の情報を付加情報Kとして付加するので、ローカル記録装置12において、別々に受信される複数のIフレームと複数のPフレームとをスムースに録画時刻に沿って並べ直された状態にすることができる。
【0126】
特に、上記の実施の形態に係る監視システム100によると、ローカル記録装置12が2個のローカルHDD127を備え、それぞれに録画データ9を記録するので、録画データ9の記録保証を確実に行うことができる。特に、2個のローカルHDD127の少なくとも1個に異常が発生した場合、当該ローカルHDD127が復旧するまでの間に新たに取得された録画データ9は、一時待避データとして補助記録装置2に送信され、補助記録装置2が備える補助HDD26に一時的に記憶される。したがって、いずれかのローカルHDD127に異常が発生した場合であっても、録画データ9の記録保証を行うことができる。
【0127】
特に、上記の実施の形態に係る監視システム100によると、ローカル記録装置12が備えるローカルHDD127の管理情報90が、補助記録装置2の補助HDD26にてバックアップされているので、ローカルHDD127の管理領域に1272にアクセス不能となってしまった場合であっても、ローカルHDD127の管理情報90を取得することができる。
【0128】
特に、管理情報90が更新されている間は、ローカル記録装置12の備える半導体メモリ128にて最新の管理情報90がバックアップされる。もしも、補助HDD26にバックアップされている管理情報90をリアルタイムに更新しようとすると、ネットワークNの遅れなどの影響によって、ローカルHDD127に記録されている管理情報90と、補助HDD26に記録されている管理情報90との間に不一致が生じる時間帯が発生する可能性がある。また、ネットワークNにかかる負荷も大きくなってしまう。これに対し、上記の実施の形態に係る監視システム100の構成によると、更新中の管理情報90については、半導体メモリ128にてバックアップされるので、ネットワークNの遅れなどの影響を受けることなく、また、ネットワークNに負荷をかけることなく、常に最新の管理情報90をバックアップして保持させておくことができる。
【0129】
〈5.変形例〉
上記の実施の形態においては、ローカル記録装置12が2個のローカルHDD127を備え、これらを用いてRAID1システムが実現されているものとしたが、ローカル記録装置12においては、必ずしもRAID1システムが実現されていなくともよい。
【0130】
また、上記の実施の形態においては、監視システム100が複数のローカル管理システム1を備える構成としたが、ローカル管理システム1は1個であってもよい。すなわち、ローカル管理システム1と補助記録装置2とが1対1で対応していてもよい。
【0131】
また、上記の実施の形態において、補助記録装置2は、複数個の補助HDD26を備える構成としてもよい。
【0132】
また、上記の実施の形態においては、ローカルHDD127において、管理領域が二重化されることによって管理情報90が二重に保護されている構成としていたが、管理領域の二重化は必ずしもなされていなくともよい。
【0133】
また、上記の実施の形態においては、説明を簡便にするため、録画データ9は、IフレームとPフレームに符号化されているものとしたが、Iフレーム、Pフレーム、およびBフレームに符号化されていてもよい。この場合、録画データ9は、Iフレームと、BフレームとPフレームとが混在したフレーム群から構成されることになる。あるいは、Iフレームと、Pフレーム群とBフレーム群とから構成されることになる。
【0134】
また、上記の実施の形態においては、補助記録装置2の制御部20は、録画データ9を、半導体メモリ27から補助HDD26に格納する際に、録画データ9に含まれるフレームの並び替えを行う構成としているが、半導体メモリ27において、IフレームとPフレーム群とをソートして、区分毎にIフレームとPフレームとがまとまった順に並び替え、当該並び替えた録画データ9をそのまま補助HDD26に格納する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0135】
1 ローカル側管理システム
2 補助記録装置
9 録画データ
11 監視カメラ
12 ローカル記録装置
13 映像再生装置
26 補助HDD
90 管理情報
127 ローカルHDD
127 半導体メモリ
【技術分野】
【0001】
本発明は、録画データを記録管理する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラ等により構成される監視カメラによって所定の監視領域を撮像し、得られたデジタルデータを録画データとしてハードディスク装置に記憶させておく監視システムが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
監視システムのハードディスク装置に記憶される録画データは、事後的に重要な証拠として必要になってくる可能性がある。したがって、監視カメラから取得される録画データは、欠落させることなくハードディスク装置に記録していかなければならない。また、ハードディスク装置に蓄積された録画データは、必要に応じて適宜読み出せる状態にしておかなければならない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−140955号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、このような監視システムでは、監視カメラは一日24時間リアルタイムに録画データを取得してくるので、ハードディスク装置を常時動作させつつ録画データを当該ハードディスク装置に書き込むことになり、一日24時間、ハードディスク装置へのアクセスが行われているという状態になってくる。このように、監視システムが備えるハードディスク装置には大きな負担がかけられるため、どうしても故障等のトラブルが発生しやすいという実情がある。
【0006】
例えば、ハードディスク装置が故障により書き込み不能となってしまうと、その間監視カメラから取得されてくる録画データを記録できなくなってしまう。また、例えば、ハードディスク装置の管理領域が読み込めなくなってしまうと、ハードディスク装置に蓄積された録画データを一切読み出すことができなくなってしまう。
【0007】
この発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、録画データを確実に記録管理することを実現可能な技術を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
請求項1の発明は、撮像手段が取得する撮像データを録画データとして取得して、前記録画データを記録管理する1以上の記録管理装置と、前記1以上の記録管理装置と通信回線を介して接続された補助記録装置と、を備え、前記1以上の記録管理装置のそれぞれが、前記録画データを記憶する第1記憶装置と、前記第1記憶装置に対するデータの書き込みおよび読み出しを制御する第1制御手段と、を備え、前記補助記録装置が、前記1以上の記録管理装置から取得した前記録画データを記憶する第2記憶装置と、前記第2記憶装置に対するデータの書き込みおよび読み出しを制御する第2制御手段と、を備え、前記第2制御手段が、前記1以上の記録管理装置から取得した前記録画データを前記第2記憶装置に一時的に記憶することにより、当該記録管理装置における前記録画データの記録管理を補助する。
【0009】
請求項2の発明は、請求項1に記載の録画データ記録管理システムであって、前記記録管理装置を複数個備える。
【0010】
請求項3の発明は、請求項1または2に記載の録画データ記録管理システムであって、前記第1制御手段が、前記第1記憶装置に異常が発生した場合、当該第1記憶装置が復旧するまでの間において新たに取得される前記録画データを、一時待避データとして前記補助記録装置に送信し、前記第2制御手段が、前記1以上の記録管理装置から前記一時待避データとして送信された前記録画データを取得して、前記第2記憶装置に一時的に記憶する。
【0011】
請求項4の発明は、請求項3に記載の録画データ記録管理システムであって、前記第2制御手段が、前記1以上の記録管理装置のいずれかが備える前記第1記憶装置が復旧した場合に、当該記録管理装置から取得して前記第2記憶装置に記憶されていた前記録画データを読み出して、前記記録管理装置に送信し、前記第1制御手段が、前記補助記録装置から受け取った前記録画データを前記第1記憶装置に記憶する。
【0012】
請求項5の発明は、請求項3または4に記載の録画データ記録管理システムであって、前記記録管理装置が取得する前記録画データが、録画時刻に沿って得られる時系列データであり、前記録画データには、フレーム間予測を用いずにフレーム内の画像信号を符号化した第1種フレームと、フレーム間予測を用いてフレームの画像信号を符号化した第2種フレームとが混在して含まれており、前記第2制御手段が、前記記録管理装置から前記一時待避データとして送信された前記録画データを取得した場合に、前記録画データを、録画時刻について所定時間毎に区分し、同一区分内に含まれる複数の前記第1種フレームを前記第2記憶装置の第1記憶領域に記録するとともに、同一区分内に含まれる複数の前記第2種フレームを前記第2記憶装置の第2記憶領域に記録する。
【0013】
請求項6の発明は、請求項4に記載の録画データ記録管理システムであって、前記記録管理装置が取得する前記録画データが、録画時刻に沿って得られる時系列データであり、前記録画データには、フレーム間予測を用いずにフレーム内の画像信号を符号化した第1種フレームと、フレーム間予測を用いてフレームの画像信号を符号化した第2種フレームとが混在して含まれており、前記第2制御手段が、前記記録管理装置から前記一時待避データとして送信された前記録画データを取得した場合に、前記録画データを、録画時刻について所定時間毎に区分し、同一区分内に含まれる複数の前記第1種フレームを前記第2記憶装置の第1記憶領域に記録するとともに、同一区分内に含まれる複数の前記第2種フレームを前記第2記憶装置の第2記憶領域に記録し、前記第2記憶装置に記憶されていた前記録画データを読み出して、前記記録管理装置に送信する場合に、はじめに前記第1記憶領域に記録された前記複数の第1種フレームを送信し、続いて前記第2記憶領域に記録された前記複数の第2種フレームを送信する。
【0014】
請求項7の発明は、請求項6に記載の録画データ記録管理システムであって、前記第2制御手段が、前記第1記憶領域に記録された前記複数の第1種フレームを送信するとともに送信した前記複数の第1種フレームを前記第2記憶装置から消去し、前記第2記憶領域に記録された前記複数の第2種フレームを送信するとともに送信した前記複数の第2種フレームを前記第2記憶装置から消去する。
【0015】
請求項8の発明は、請求項6または7に記載の録画データ記録管理システムであって、前記第1制御手段が、前記補助記録装置から別々に受信した前記複数の第1種フレームと前記複数の第2種フレームとを、再び混在させて録画時刻に沿って並べ直された状態にして、前記第1記憶装置に記憶する。
【0016】
請求項9の発明は、請求項8に記載の録画データ記録管理システムであって、前記第2制御手段が、前記第1記憶領域に記憶された前記複数の第1種フレームのそれぞれに、当該第1種フレームと録画時刻について時系列的に連続する第2種フレームの情報を付加して、前記記録管理装置に送信する。
【0017】
請求項10の発明は、請求項3から9のいずれかに記載の録画データ記録管理システムであって、前記1以上の記録管理装置のそれぞれが、前記第1記憶装置を複数個備え、前記第1制御手段が、前記複数の第1記憶装置のいずれにも異常が発生していない場合、新たに取得される前記録画データを、前記複数の第1記憶装置のそれぞれに記録し、前記複数の第1記憶装置の少なくとも1個に異常が発生した場合、当該異常が発生している第1記憶装置が復旧するまでの間において新たに取得される前記録画データを、異常が発生していない第1記憶装置に記憶するとともに、一時待避データとして前記補助記録装置に送信する。
【0018】
請求項11の発明は、請求項1から10のいずれかに記載の録画データ記録管理システムであって、前記1以上の記録管理装置のそれぞれが、揮発性の記憶装置である第3記憶装置、を備え、前記第1記憶装置が、自装置に記録される前記録画データと対応する管理情報を保持しており、前記第1制御手段が、前記第1記憶装置への前記録画データの書き込みが行われることによって前記管理情報が更新される場合に、当該更新中の管理情報を前記第3記憶装置に記憶させておき、前記録画データの書き込みが完了して前記管理情報の更新が完了すると、当該更新後の管理情報を前記補助記録装置に送信し、前記第2制御手段が、前記1以上の記録管理装置から前記更新後の管理情報を取得して、前記第2記憶装置に記憶する。
【発明の効果】
【0019】
請求項1〜11に記載の発明によると、録画データを記録管理する記録管理装置が通信回線を介して補助管理装置と接続されており、補助記録装置が、記録管理装置から取得した録画データを一時的に記憶することにより、記録管理装置における録画データの記録管理を補助する。この構成によると、記録管理装置が単体で録画データの記録管理を行う場合に比べて、記録管理の確実性を向上させることができる。
【0020】
特に、請求項2に記載の発明によると、録画データ記録管理システムが、記録管理装置を複数個備える。すなわち、補助管理装置が、複数個の記録管理装置によって共有されている。この構成によると、録画データ記録管理システム全体のコストを抑えつつ、効率的に各記録管理装置における記録管理の確実性を向上させることができる。
【0021】
特に、請求項3に記載の発明によると、記録管理装置が備える第1記憶装置に異常が発生した場合、当該第1記憶装置が復旧するまでの間において新たに取得される録画データは、一時待避データとして補助記録装置に送信され、補助記録装置が備える第2記憶装置に一時的に記憶される。この構成によると、第1記憶装置に異常が発生している間に新たに取得された録画データの記録保証を行うことができる。
【0022】
特に、請求項4に記載の発明によると、記録管理装置が備える第1記憶装置が復旧すると、当該第1記憶装置に異常が発生してから復旧するまでの間に取得されていた録画データは、補助記録装置が備える第2記憶装置から当該記録管理装置の備える当該復旧した第1記憶装置に書き戻される。この構成によると、第1記憶装置が復旧した後は、録画データは再び記録管理装置の側だけで記録管理されることになるので、録画データの管理の煩雑性が回避できる。
【0023】
特に、請求項6に記載の発明によると、第2制御手段が、第1種フレームと第2種フレームとが混在した録画データを第2記憶装置に記録する場合に、同一区分に含まれる複数の第1種フレームと複数の第2種フレームとを別々の領域にそれぞれまとめて記録し、第2記憶装置に記録された録画データを記録管理装置に送信する場合に、第1種フレーム、第2種フレームの順に送信する。第1種フレームはフレーム間予測を用いていないので単独で再生可能である。したがって、記録管理装置においては、第1種フレームのみを受信した段階で、当該録画データの録画内容の概要を把握することが可能となる。
【0024】
特に、請求項7に記載の発明によると、第2制御手段が、第2記憶装置に記録された録画データを記録管理装置に送信する場合に、第1種フレーム、第2種フレームの順に送信するとともに、送信したフレームを順次第2記憶装置から消去する。第1種フレームは第2種フレームに比べてデータサイズが大きいため、この構成によると、第2記憶装置に、連続した大きな空き容量を早期に確保することが可能となる。
【0025】
特に、請求項8に記載の発明によると、第1制御手段が、別々に受信した複数の第1種フレームと複数の第2種フレームとを再び混在させて録画時刻に沿って並べ直された状態にして、第1記憶装置に記憶する。この構成によると、第1記憶装置において、録画データを、録画時刻に沿った形で適切に管理することができる。
【0026】
特に、請求項9に記載の発明によると、第2制御手段が、複数の第1種フレームのそれぞれに、当該第1種フレームと時系列的に連続する第2種フレームの情報を付加するので、記録管理装置において、別々に受信される複数の第1種フレームと複数の第2種フレームとをスムースに録画時刻に沿って並べ直された状態にすることができる。
【0027】
特に、請求項10に記載の発明によると、記録管理装置が複数個の第1記憶装置を備え、それぞれに録画データを記録するので、録画データの記録保証を確実に行うことができる。特に、複数個の第1記憶装置の少なくとも1個に異常が発生した場合、当該第1記憶装置が復旧するまでの間に新たに取得された録画データは、一時待避データとして補助記録装置に送信され、補助記録装置が備える第2記憶装置に一時的に記憶される。したがって、いずれかの第1記憶装置に異常が発生した場合であっても、録画データの記録保証を行うことができる。
【0028】
特に、請求項11に記載の発明によると、記録管理装置の備える第1記憶装置の管理情報が、補助記録装置にてバックアップされるので、第1記憶装置の管理情報を適切に保護することができる。特に、管理情報が更新されている間は、記録管理装置の備える第3記憶装置にて最新の管理情報がバックアップされるので、通信回線の遅れなどの影響を受けることなく、常に最新の管理情報をバックアップしておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】監視システムの構成を示す図である。
【図2】ローカル記録装置の構成を示すブロック図である。
【図3】補助記録装置の構成を示すブロック図である。
【図4】ローカル記録装置が備えるHDD内のデータの格納状態を模式的に示す図である。
【図5】補助記録装置が備えるHDD内のデータの格納状態を模式的に示す図である。
【図6】監視システムにおいて実行される録画データの記録に関する処理の流れを示す図である。
【図7】ローカルHDDの両方が正常に動作している場合における、データの動きを示す図である。
【図8】ローカルHDDの一方が正常に動作していない場合における、データの動きを示す図である。
【図9】監視システムにおいて実行される録画データの書き戻しに関する処理の流れを示す図である。
【図10】ローカルHDDが復旧した場合における、データの動きを示す図である。
【図11】ローカル記録装置から補助記録装置へ録画データが送信される際のデータの動きを示す図である。
【図12】録画データが補助記録装置からローカル記録装置へ書き戻される際の各段階におけるデータの動きを示す図である。
【図13】録画データが補助記録装置からローカル記録装置へ書き戻される際の各段階におけるデータの動きを示す図である。
【図14】録画データが補助記録装置からローカル記録装置へ書き戻される際の各段階におけるデータの動きを示す図である。
【図15】録画データが補助記録装置からローカル記録装置へ書き戻される際の各段階におけるデータの動きを示す図である。
【図16】管理情報の更新処理の流れを示す図である。
【図17】管理情報が更新される際の各段階におけるデータの動きを示す図である。
【図18】管理情報が更新される際の各段階におけるデータの動きを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
〈1.監視システムの構成〉
この発明の実施の形態に係る録画データ記録管理システムが適用された監視システム100の構成について、図1を参照しながら説明する。図1は、監視システム100の構成を示す図である。
【0031】
監視システム100は、ネットワークNを介して互いに接続された、複数のローカル管理システム1と補助記録装置2とを備える。ローカル管理システム1は、例えば各種の店舗に設けられ、設置された店舗内を監視領域として当該監視領域の映像データを取得するとともに、取得した映像データを録画データとして記録管理する。補助記録装置2は、例えば管理センターなどに設けられ、ネットワークNを介して接続された複数のローカル管理システム1のそれぞれにおける録画データの記録管理を補助する。
【0032】
〈1−1.ローカル管理システム1〉
ローカル管理システム1は、監視領域を撮影する複数台の監視カメラ(撮像装置)11と、各監視カメラ11が取得した撮像データを録画データ9として記録管理するローカル記録装置12と、ローカル記録装置12に記録された録画データ9を再生する映像再生装置13と、を主として備える。各装置11,12,13は、ケーブルあるいはネットワークを介して通信可能に接続されている。なお、ローカル管理システム1は、他にも、複数台の監視カメラ11のケーブルを集線するハブ装置や、各装置をネットワークに接続するためのルータ等を備えている(いずれも図示省略)。
【0033】
〈監視カメラ11〉
監視カメラ11は、所定の監視領域を撮像して動画像の画像データ(撮像データ)を連続的に取得して、取得した撮像データをローカル記録装置12に転送する。
【0034】
監視カメラ11は一般的なデジタルカメラとして構成される。具体的には、AF(オートフォーカス)機能および自動絞り機能などを備えた光学機構、光学機構からの被写体像を結像する撮像素子(例えば、CCDセンサ)を備える。撮像素子は、監視領域を連続的に撮像し続け、監視領域の撮像データを連続的に取得し続ける。また、監視カメラ11は、撮像素子によって取得された撮像データをデジタル画像信号にA/D変換するアナログ信号処理回路を備える。さらに、監視カメラ11は、ネットワークに接続可能な機能を備えるいわゆるネットワークカメラとして構成されており、監視カメラ11をネットワークに接続するためのインターフェース機能を提供する通信部を備える。通信部は、A/D変換された撮像データを、ネットワークを介してローカル記録装置12に送信する。
【0035】
〈ローカル記録装置12〉
ローカル記録装置12は、複数の監視カメラ11のそれぞれから送信された撮像データを受信し、これを録画データ9として記録管理する装置であり、例えば、デジタルビデオレコーダー(DVR:Digital Video Recoder)により構成される。ローカル記録装置12の構成について、図2を参照しながら具体的に説明する。図2は、ローカル記録装置12の構成を示すブロック図である。
【0036】
ローカル記録装置12は、CPU121、ROM122、RAM123、画像処理部124、操作部125、表示部126、複数個(この実施の形態においては、2個)のハードディスクドライブ(以下「HDD」という)127、半導体メモリ128、および、通信部129を備えている。これら各部は、バス配線120を介して互いに接続されている。
【0037】
CPU121、ROM122、および、RAM123は、ローカル記録装置12の備える各構成を制御する制御部10として機能する。すなわち、CPU121は、ROM122に格納されたプログラムに従って動作し、RAM123を一時的なワーキングエリアとして使用しつつ、ローカル記録装置12の各構成を制御する。
【0038】
画像処理部124は、画像処理専用のハードウェア(例えば、画像処理ボード)であって、ローカル記録装置12の内部に収納され、バス配線に接続されている。画像処理部124は、複数の監視カメラ11を接続するための図示しないインターフェース(コネクタ等)や、監視カメラ11から撮像データを受信するためのバッファメモリ(半導体メモリ)を備えている。画像処理部124は、当該インターフェースに接続された監視カメラ11から、リアルタイムに入力される撮像データをバッファメモリに格納しつつ、所定の画像処理(画素補間処理、色空間変換処理、輪郭補正処理、およびフィルタリングなど)を施す。また、画像処理を施された撮像データを所定の動画像圧縮方式(この実施の形態においては、H.264とするが、MPEG2(Moving Picture Experts Group 2)、MPEG4(Moving Picture Experts Group 4)などであってもよい。)で符号化し、圧縮処理して、リアルタイムに録画データ9を生成する。すなわち、この実施の形態におけるローカル記録装置12は、画像処理部124が監視カメラ11から受信する撮像データに基づいて録画データ9を生成することにより、録画データ9を取得する。
【0039】
なお、画像処理部124に相当する機能部は、ローカル記録装置12ではなく監視カメラ11に設けてもよい。この場合、監視カメラ11において録画データ9が生成され、生成された録画データ9を監視カメラ11から受信することによって、ローカル記録装置12が録画データ9を取得することになる。
【0040】
操作部125および表示部126は、オペレータとの間のマンマシンインターフェースとして機能する。操作部125は、各種ボタンやキーであり、オペレータがローカル記録装置12に指示を入力するために使用される。また、表示部126は、各種ランプやLED、インジケータ等であり、主にローカル記録装置12の状態を表示する。なお、ローカル記録装置12の表示部126は、録画データ9を表示する機能を備えた装置(例えば液晶ディスプレイやCRT等)であってもよい。すなわち、ローカル記録装置12が映像を再生する機能を備えていてもよい。
【0041】
HDD127は、記憶装置の一種であって、録画データ9を記憶するために使用される。上述したとおり、この実施の形態に係るローカル記録装置12は、HDD127を2個備えており、制御部10は、各HDD127に同じ録画データ9を同時に書き込むことによってミラーリングを行っている。すなわち、ローカル記録装置12においては、RAID1システムが実現されている。各HDD127は、磁性体を塗布したアルミニウムやガラスのディスク(プラッタ)を回転モータ(スピンドルモータ)で高速に回転させつつ、磁気ヘッドで録画データ9を読み書き(アクセス)する構造となっている。なお、各HDD127としては、市場に流通している一般的なハードディスクドライブを採用することが可能である。また、例えば、フラッシュメモリを搭載した、いわゆるハイブリッドHDD等を適用してもよい。また、各HDD127を接続する規格としてはSCSIやIDE等を採用することができる。さらに、この実施の形態におけるローカル記録装置12は各HDD127を筐体内部に搭載しているが、各HDD127はローカル記録装置12の筐体外部に専用ケーブル等で接続されていてもよい。
【0042】
半導体メモリ128は、記憶装置の一種であって、この実施の形態では、例えば、複数の揮発性の記憶素子からなるDRAM(Dynamic Random Access Memory)により構成される。なお、半導体メモリ128をDRAMにより構成した場合、ローカル記録装置12は、停電対策として図示しないバックアップ電源(バッテリ)を備えることが好ましい。
【0043】
通信部129は、ローカル記録装置12をネットワークNに接続するためのネットワークインターフェース機能を提供する。特に、通信部129は、ネットワークNを介して補助記録装置2との間で録画データ9等を送受信する機能を有している。すなわち、HDD127に記録された録画データ9等を補助記録装置2に送信する機能、および、補助記録装置2のHDD26(図3参照)に記録された録画データ9等を受信する機能を有している。また、通信部129は、映像再生装置13からの要求に応じて、ローカル記録装置12に記録された録画データ9を映像再生装置13に送信する機能を有している。
【0044】
〈映像再生装置13〉
映像再生装置13は、一般的なコンピュータとしての機能を備えた装置であり、ネットワークなどを介してローカル記録装置12から録画データ9を受信することが可能であるとともに、受信した録画データ9を表示するディスプレイを備えている。すなわち、映像再生装置13は、少なくともローカル記録装置12に記録された録画データ9を再生する機能を有している。
【0045】
映像再生装置13で再生された録画データ9を確認することによって、オペレータは監視領域を監視することができる。なお、映像再生装置13は、複数個のディスプレイを備えていてもよい。すなわち、ローカル管理システム1が備える監視カメラ11の個数に対応する数のディスプレイが接続されていてもよい。また、ディスプレイの数が監視カメラ11の数よりも少ない場合は、ディスプレイの画面を適宜切り替えて表示するようにしてもよい。さらに、映像再生装置13において再生される録画データ9はリアルタイムに取得されているものであってもよいし、過去の録画データ9であってもよい。
【0046】
〈1−2.補助記録装置2〉
補助記録装置2は、ネットワークNを介して接続された複数のローカル管理システム1のそれぞれが備えるローカル記録装置12における録画データ9の記録管理を補助するための装置であり、例えば、デジタルビデオレコーダーで構成される。補助記録装置2の構成について、図3を参照しながら説明する。図3は、補助記録装置2の構成を示すブロック図である。
【0047】
補助記録装置2は、CPU21、ROM22、RAM23、操作部24、表示部25、ハードディスクドライブ(以下「HDD」という)26、半導体メモリ27および通信部28を備えている。これら各部は、バス配線29を介して互いに接続されている。
【0048】
CPU21、ROM22、および、RAM23は、補助記録装置2の備える各構成を制御する制御部20として機能する。すなわち、CPU21は、ROM22に格納されたプログラムに従って動作し、RAM23を一時的なワーキングエリアとして使用しつつ、補助記録装置2の各構成を制御する。
【0049】
操作部24および表示部25は、オペレータとの間のマンマシンインターフェースとして機能する。操作部24は、各種ボタンやキーであり、オペレータが補助記録装置2に指示を入力するために使用される。また、表示部25は、各種ランプやLED、インジケータ等であり、主に補助記録装置2の状態を表示する。
【0050】
HDD26は、ローカル記録装置12が備えるHDD127と同様、記憶装置の一種であって、ここでは、ネットワークNを介して接続された複数のローカル記録装置12から取得した録画データ9等を記憶するために使用される。なお、補助記録装置2は、必要とされる記憶容量に応じて、HDD26を複数個備える構成としてもよい。なお、HDD26としては、HDD127と同様、市場に流通している一般的なハードディスクドライブや、ハイブリッドHDD等を採用することが可能である。また、この実施の形態における補助記録装置2はHDD26を筐体内部に搭載しているが、HDD26は補助記録装置2の筐体外部に専用ケーブル等で接続されていてもよい。
【0051】
半導体メモリ27は、半導体メモリ128と同様、記憶装置の一種であって、この実施の形態においては、例えばDRAMにより構成される。
【0052】
通信部28は、補助記録装置2をネットワークNに接続するためのネットワークインターフェース機能を提供する。特に、通信部28は、ネットワークNを介して接続された複数のローカル記録装置12との間で録画データ9等を送受信する機能を有している。すなわち、通信部28は、HDD26に記録された録画データ9等を任意のローカル記録装置12に送信する機能、および、各ローカル記録装置12のHDD26に記録された録画データ9等を受信する機能を有している。
【0053】
〈2.ハードディスクドライブに格納されるデータ〉
ローカル記録装置12が備えるHDD(以下「ローカルHDD」という)127、および、補助記録装置2が備えるHDD(以下「補助HDD」という)26それぞれのデータの格納状態について説明する。
【0054】
〈2−1.ローカルHDD127〉
図4(a)を参照する。図4(a)は、ローカルHDD127内のデータの格納状態を模式的に示す図である。ローカルHDD127には、録画データ9を記録する領域(記録領域)1271と、管理情報90を記録する領域(管理領域)1272とが形成されている。ただし、管理領域1272は複数(この実施の形態においては2個)形成されており、各管理領域1272に管理情報90が記録される。すなわち、ローカルHDD127においては、管理情報90が二重に記録されている。
【0055】
〈記録領域1271〉
記録領域1271には、録画データ9が格納される。この実施の形態においては、記録領域1271は、ブロック番号などで順番付けされた複数の単位記憶領域(ブロック)に分割されており、ローカルHDD127に録画データ9を書き込む場合、書き込み可能なブロックのうち、番号の若いブロックから順に録画データ9の書き込みを行う。1ブロックのサイズは例えば10G〜50G程度である。
【0056】
ここで、ローカルHDD127に格納される録画データ9について、図4(b)を参照しながら具体的に説明する。上述したとおり、画像処理部124は、監視カメラ11からリアルタイムに入力される撮像データを所定の映像符号化形式でI,P,Bフレームなどのフレームに符号化し、圧縮したものを録画データ9として取得する。すなわち、録画データ9は、録画時刻に沿って得られる時系列データであり、そこには、I,B,Pの各フレームが混在して含まれている。
【0057】
ただし、「Iフレーム」は、フレーム間予測を用いずにフレーム内の画像信号を符号化したフレームである。したがって、Iフレームはそれだけで完結しており、Iフレームの情報だけで元のフレーム画像を復元できる。一方、「Pフレーム」および「Bフレーム」は、フレーム間予測を用いてフレームの画像信号を符号化したフレームである。例えば、「Pフレーム」は、該当フレームの画像とその直前のIフレームやPフレームの画像との差分情報である。したがって、Pフレームをデコードするためには、直前のIフレームやPフレームの情報が必要となる。また、「Bフレーム」は、前のフレームだけでなく後のフレームとの差分も使って圧縮されたものである。したがって、Bフレームをデコードするためには、前後のIフレーム、Pフレームの情報が必要となる。
【0058】
H.264などの動画像圧縮方式では、上記I,B,Pの各フレームが独立してではなく、GOP(Group of Picture)という固まり単位で圧縮、伸長が行われる。H.264の場合、GOPは、IPPBBPPPPPPBBPP、のように、例えば15フレーム単位(0.5秒)で構成される。上のケースでは、1GOPの中に、Iフレーム1個、Pフレーム10個、Bフレーム4個が存在する。
【0059】
記録領域1271には、録画データ9が、GOP単位で録画時刻に沿った時系列順に並んだ状態で格納されている。また、各GOPにおいては、そこに含まれる15個のフレームがIフレームを先頭に録画時刻に沿った時系列順に並んでいる。
【0060】
なお、以下においては、説明を簡便にするため、録画データ9は、IフレームとPフレームとに符号化されており、1GOPは15個のフレームから構成されているものとする。この場合、1GOPは、Iフレームを先頭にして、IPPPPPPPPPPPPPP、という具合に構成される。すなわち、1GOPの中に、Iフレーム1個、Pフレーム14個が存在することになる。以下においては、同一のGOPに属する14個のPフレームを「Pフレーム群」という。すなわち、ここでは、記録領域1271に格納される録画データ9は、第1GOPのIフレームI(1)、第1GOPのPフレーム群P(1)、第2GOPのIフレームI(2)、第2GOPのPフレーム群P(2)、・・・といった具合に、IフレームとPフレーム群とが交互に並んだ状態となっている。
【0061】
〈管理領域1272〉
管理領域1272にはローカルHDD127の管理情報90が格納される。管理情報90とは、記録領域1271に記録される録画データ9と対応する情報であり、具体的には、記録領域1271に記録されている録画データ9のアドレス情報が含まれている。アドレス情報とは、記録領域1271に記録されている録画データ9を特定するための情報(識別情報)と、当該録画データ9が記憶されている領域を特定するための情報(アドレス情報)とが関連付けられた情報である。
【0062】
また、管理情報90には、ローカル管理システム1のログ情報も含まれている。ログ情報とは、ローカル管理システム1において発生した各種のイベント(例えば、アラームの発生、ローカルHDD127の異常発生等)について、その発生時刻を記述した情報である。
【0063】
なお、上述したとおり、記録領域1271は複数のブロックに分割されており、録画データ9の書き込みはブロック単位で行われる。これに応じて、管理情報90は、より具体的には、各ブロックの管理情報(ブロック管理情報)と、全ブロックの管理情報を統括する管理情報(統括管理情報)との2層に階層化された構成となっている。統括管理情報は、録画データ9の識別情報と、当該録画データ9が記録されているブロックを特定するための情報(例えば、ブロック番号)とが関連づけられた情報である。また、ブロック管理情報は、録画データ9の識別情報と、当該録画データ9がブロック内のどの領域に記憶されているかを特定するための情報とが関連づけられた情報である。このように、管理情報90を階層化することによって、ローカルHDD127からの録画データ9の読み出しに要する時間を短縮することができる。
【0064】
録画データ9を記録領域1271に記録する場合、制御部10は、所定のブロックの所定の領域に録画データ9を書き込んだ後、当該記録に対応するように、管理情報90(具体的には、統括管理情報、および、書き込み対象となったブロックのブロック管理情報)を更新する。一方、記録領域1271に記録されている録画データ9を読み出す場合、制御部10は、まず、管理情報90を参照して読み出すべき録画データ9が記録されている領域を特定し、続いて、記録領域1271の当該特定された領域を参照して、そこに記録されたデータを読み出す。このような構成となっているため、管理領域1272に対する書き込み・読み出しの頻度は非常に高く、結果として、管理領域1272に対する書き込み・読み出しのエラーが発生する頻度も高くなってしまう。管理領域1272に対する書き込み・読み出しができなくなってしまうと、記録領域1271に記録されている録画データ9が一切読み出せないという深刻な事態に陥ってしまう。このような事情から、管理情報90は特に厳重に保護しておく必要がある。
【0065】
〈2−2.補助HDD26〉
図5を参照する。図5は、補助HDD26内のデータの格納状態を模式的に示す図である。補助HDD26には、ローカル記録装置12から取得した各種データを記録する記録領域261と、補助HDD26の管理情報(具体的には、記録領域262に記録される各種データのアドレス情報)を記録する管理領域262とが形成されている。
【0066】
記録領域261には、ネットワークNを介して接続された複数のローカル記録装置12から一時待避データとして送信されてくる録画データ9を記録するための一時待避データ記録領域261aが形成されている。記録領域261aに録画データ9がどのように格納されるかについては、後に説明する。
【0067】
また、記録領域261には、複数のローカル記録装置12のそれぞれが備えるローカルHDD127の管理情報90のバックアップデータを記録するためのバックアップ管理情報記録領域261bが形成されている。つまり、監視システム100においては、複数のローカル管理システム1のそれぞれが備えるローカル記録装置12のローカルHDD127の管理情報90は、各ローカルHDD127において二重に保護され、さらに補助HDD26においてバックアップされることによって、三重に保護されている。記録領域261bに管理情報90がどのように格納されるかについては、後に説明する。
【0068】
〈3.監視システムの動作〉
〈3−1.録画データ9の記録に関する処理〉
〈i.録画データ9の記録〉
監視システム100において所定の初期設定が実行され、運用が開始されると、各ローカル管理システム1において、録画データ9の取得が開始される。具体的には、ローカル管理システム1において、監視カメラ11が撮像データを取得開始し、取得した撮像データをローカル記録装置12に送信する。そして、ローカル記録装置12の画像処理部124が当該取得した撮像データから録画データ9を生成する。
【0069】
録画データ9は、ローカル記録装置12のローカルHDD127等に記録される。この処理について、図6〜図8を参照しながら説明する。図6は、監視システム100において実行される録画データ9の記録に関する処理の流れを示す図である。図7は、ローカル記録装置12の備える2個のローカルHDD127の両方が正常に動作している場合における、データの動きを示す図である。図8は、2個のローカルHDD127の一方が正常に動作していない場合における、データの動きを示す図である。
【0070】
ローカル記録装置12の制御部10は、画像処理部124から録画データ9が取得されると(ステップS11でYES)、取得された録画データ9を一旦半導体メモリ128に記憶し、続いて、2個のローカルHDD127それぞれの駆動状態を確認する(ステップS12)。
【0071】
2個のローカルHDD127の両方が正常に動作している場合(ステップS12でYES)、制御部10は、半導体メモリ128に記憶されている録画データ9を2個のローカルHDD127のそれぞれに同時に書き込む(ステップS13)。すなわち、半導体メモリ128に記録された録画データ9が転送されて2個のローカルHDD127のそれぞれに格納される(図7)。
【0072】
一方、正常に動作していないローカルHDD127がある場合(ステップS12でNO)、制御部10は、半導体メモリ128に記憶されている録画データ9を、正常に動作している方のローカルHDD127に書き込むとともに(ステップS14)、当該録画データ9を、一時待避データとして補助記録装置2に送信する(ステップS15)。
【0073】
補助記録装置2の制御部20は、ネットワークNを介して接続された複数のローカル記録装置12のいずれかから、一時待避データとして送信されてきた録画データ9を受信すると(ステップS101でYES)、受信した録画データ9を、半導体メモリ27を介して補助HDD26に書き込む(ステップS102)(図8)。
【0074】
〈ii.一時待避データの書き戻し〉
上述したとおり、監視システム100が備える複数のローカル管理システム1のいずれかにおいて、ローカル記録装置12の備える2個のローカルHDD127の少なくとも一方に異常が発生した場合、当該ローカル記録装置12において取得された録画データ9は、一時待避データとして補助記録装置2に送られて補助HDD26に記録される。
【0075】
監視システム100においては、異常が発生していたローカルHDD127が復旧すると、補助HDD26に記録されていた録画データ9は復旧したローカルHDD127に書き戻される。この処理について、図9および図10を参照しながら説明する。図9は、監視システム100において実行される録画データ9の書き戻しに関する処理の流れを示す図である。図10は、ローカルHDD127が復旧した場合における、データの動きを示す図である。
【0076】
いま、補助記録装置2とネットワークNを介して接続された複数のローカル記録装置12の1つ(以下「対象ローカル記録装置12」という)において、その備える2個のローカルHDD127のいずれか一方に異常が発生していたところ、HDDの修復、交換などの措置によって当該異常が発生していたローカルHDD127が再び復旧したとする。この場合、ローカルHDD127の異常が発生してから復旧するまでの間に対象ローカル記録装置12において取得された録画データ9は、一時待避データとして補助記録装置2の補助HDD26に記録されている。
【0077】
対象ローカル記録装置12の制御部10は、異常が発生していたローカルHDD127が復旧したことを確認すると(ステップS21でYES)、その旨を補助記録装置2に通知する(ステップS22)。
【0078】
対象ローカル記録装置12から、ローカルHDD127が復旧した旨の通知を受信すると(ステップS201でYES)、補助記録装置2の制御部20は、一時待避データとして記録されていた録画データ9を補助HDD26から読み出して、対象ローカル記録装置12に送信する(ステップS202)。
【0079】
一時待避データとして記録されていた録画データ9を対象ローカル記録装置12に送信すると、補助記録装置2の制御部20は、当該送信した録画データ9を補助HDD26から消去する(ステップS203)。
【0080】
一方、補助記録装置2から録画データ9を受信すると(ステップS23でYES)、ローカル記録装置12の制御部10は、受信した録画データ9を、半導体メモリ128を介して、復旧したローカルHDD127に書き込む(ステップS24)。
【0081】
〈iii.ローカル記録装置12と補助記録装置2との間での録画データ9の授受〉
上述したとおり、監視システム100が備える複数のローカル管理システム1のいずれかにおいて、ローカル記録装置12の備える2個のローカルHDD127の少なくとも一方に異常が発生した場合、当該ローカルHDD127が異常から復旧するまでの間は、ローカル記録装置12から補助記録装置2へ、録画データ9が送信される。また、当該ローカルHDD127が異常から復旧すると、補助記録装置2からローカル記録装置12へ、録画データ9が送信される。これらの処理についてより具体的に説明する。
【0082】
〈ローカル記録装置12から補助記録装置2へ〉
ローカル記録装置12から補助記録装置2へ録画データ9を送信する処理について、図11を参照しながら説明する。図11は、ローカル記録装置12から補助記録装置2へ、一時待避データとして録画データ9が送信され、送信された録画データ9が補助HDD26に格納される際のデータの動きを示す図である。
【0083】
ローカル記録装置12から一時待避データとして送信された録画データ9を受信すると、補助記録装置2の制御部20は、取得した録画データ9を一旦半導体メモリ27に格納する。
【0084】
ただし、制御部20は、録画データ9を、ローカル記録装置12から受信した順番通りに半導体メモリ27に記憶していく。上述したとおり、ローカル記録装置12のローカルHDD127において、録画データ9は、録画時刻の時系列順、すなわち、IフレームとPフレーム群とが交互に並んだ状態で記憶されている。このため、ローカル記録装置12からはIフレームとPフレーム群とが交互に送信されてくる。制御部20は、この受信順に半導体メモリ27に録画データ9を記録するので、半導体メモリ27には、ローカルHDD127と同じ状態、すなわち、IフレームとPフレーム群とが交互に並んだ状態で録画データ9が記憶されていく。
【0085】
一方で、制御部20は、半導体メモリ27に一旦格納された録画データ9を、補助HDD26に格納していく。ただし、ここで、制御部20は、録画データ9を録画時刻について所定時間毎(例えば、1時間毎)に区分し、同一区分内に含まれる複数のIフレームを補助HDD26の第1領域A1に記録していくとともに、同一区分内に含まれる複数のPフレームを補助HDD26の第2領域A2に記録していく。つまり、1区分毎にIフレームとPフレームとをまとめて、それぞれを補助HDD26の別の領域A1,A2に記録する。
【0086】
この処理について、具体的に説明する。いま、録画データ9を例えば1時間毎に区分するとする。この場合、1GOPが例えば15フレーム単位(0.5秒)で構成されるとすると、1区分の録画データ9にはGOPが7200個含まれることになる。また、1GOPが例えば30フレーム単位(1.0秒)で構成されるとすると、1区分の録画データ9にはGOPが3600個含まれることになる。このように、1区分の録画データ9に含まれるGOPの個数は、GOPのフレーム単位によって一意に規定される。以下においては、1区分の録画データ9にGOPがn個含まれるとして説明を進める。ここで、上述したとおり、1GOPには1個のIフレームと、14個のPフレームから構成されるPフレーム群とが含まれる。したがって、1区分の録画データ9にGOPがn個含まれるとすると、1区分にはn個のIフレームI(1)〜I(n)と、n個のPフレーム群P(1)〜P(n)とが混在して含まれることになる。
【0087】
制御部20は、第1GOPのIフレームI(1)が半導体メモリ27に格納されると、これを補助HDD26に書き込む(矢印AR1)。
【0088】
続いて、第1GOPのPフレーム群P(1)が半導体メモリ27に格納されると、制御部20は、これを補助HDD26に書き込む(矢印AR2)。ただし、制御部20は、第1GOPのPフレーム群P(1)を、第1GOPのIフレームI(1)が書き込まれた領域の後に連続して書き込むのではなく、所定サイズの空白領域Biをおいた位置から書き込む。この空白領域Biのサイズは、「Bi=n*D1+D2」により規定される。ただし、この式中、「n」は、上述したとおり、1区分の録画データ9に含まれるGOPの個数、すなわち、1区分の録画データ9に含まれるIフレームの個数である。「D1」は、1個のIフレームのデータサイズである。ただし、ここでは、録画データ9に含まれる複数のIフレームはいずれも同じデータサイズ「D1」であるとみなしている。これは、Iフレームは、Pフレームなどと異なり、フレーム間予測を用いずに符号化されているので、1個のデータサイズは常に静止画データ(JPEG)相当とみなすことができるからである。「D2」は、Iフレームの格納領域(第1領域A1)とPフレームの格納領域(第2領域A2)との間にマージンとして設けられる領域のサイズである。
【0089】
制御部20は、第2GOPのIフレームI(2)が半導体メモリ27に格納されると、これを補助HDD26に書き込む(矢印AR3)。ただし、制御部20は、第2GOPのIフレームI(2)を、第1GOPのIフレームI(1)が書き込まれた領域の後に連続して書き込む。
【0090】
続いて、第2GOPのPフレーム群P(2)が半導体メモリ27に格納されると、制御部20は、これを補助HDD26に書き込む(矢印AR4)。ただし、制御部20は、第2GOPのPフレーム群P(2)を、第1GOPのPフレーム群(1)が書き込まれた領域の後に連続して書き込む。
【0091】
制御部20は、以降、同様に、Iフレームについては、先のGOPのIフレームと連続する位置に、Pフレーム群については、先のGOPのPフレーム群と連続する位置に、それぞれ書き込んでいく。これによって、同一の区分に属するIフレーム(n個のIフレームI(1),I(2),・・I(n))とPフレーム(n個のPフレーム群P(1),P(2),・・P(n))とがそれぞれまとめられて、補助HDD26の別の領域A1,A2に記録されていくことになる(図12に示される補助HDD26を参照)。
【0092】
〈補助記録装置2からローカル記録装置12へ〉
補助記録装置2からローカル記録装置12へ録画データ9を書き戻す処理について、図12〜図15を参照しながら説明する。図12〜図15は、一時待避データとして記録されていた録画データ9が、補助記録装置2からローカル記録装置12へ書き戻される際の各段階におけるデータの動きを示す図である。
【0093】
図12を参照する。ローカル記録装置12からそのローカルHDD127が復旧した旨の通知を受信すると、補助記録装置2の制御部20は、当該ローカル記録装置12から一時待避データとして受信していた録画データ9を補助HDD26から読み出して、当該ローカル記録装置12に送信する。ただし、制御部20は、録画データ9を、補助HDD26に格納されている順番通りに送信していく。上述したとおり、補助HDD26において、録画データ9は、区分単位毎にIフレームとPフレームとがまとめられ、それぞれが別の領域A1,A2に記録されている。したがって、制御部20は、まず、第1領域A1にまとめて記録されているIフレーム(同一の区分に属するn個のIフレームI(1),I(2),・・I(n))を、順番に補助記録装置2に送信する。また、制御部20は、Iフレームを補助記録装置2に送信すると、当該送信完了したIフレームを補助HDD26から消去する。
【0094】
ただし、制御部20は、各Iフレームを送信する前に、当該Iフレームと録画時刻の時系列的に連続するPフレーム(具体的には、当該Iフレームと同じGOPのPフレーム群P)の情報を付加情報Kとして付加し、付加情報Kを付した上で、Iフレームをローカル記録装置12に送信する。Pフレーム群の情報とは、具体的には、当該Pフレーム群が補助HDD26のどの領域に記憶されているかを特定するための情報(アドレス情報)、当該Pフレーム群のデータサイズ、および、当該Pフレーム群が属するGOP番号である。
【0095】
補助記録装置2から送信されたIフレーム(具体的には、付加情報Kが付されたIフレーム)を受信すると、ローカル記録装置12の制御部10は、受信したIフレームを、復旧したローカルHDD127に書き込む。
【0096】
この処理について、具体的に説明する。第1GOPのIフレームI(1)を受信すると、制御部10は、これをローカルHDD127に書き込む(矢印AR11)。
【0097】
続いて、第2GOPのIフレームI(2)を受信すると、制御部10は、これをローカルHDD127に書き込む(矢印AR12)。ただし、制御部10は、第2GOPのIフレームI(2)を、第1GOPのIフレームI(1)が書き込まれた領域の後に連続して書き込むのではなく、所定サイズの空白領域Bp(1)をおいた位置から書き込む。この空白領域Bp(1)のサイズは、第1GOPのIフレーム(1)と録画時刻の時系列的に連続するPフレーム群のデータサイズ(すなわち、第1GOPのPフレーム群P(1)のデータサイズ)と一致するように規定される。すなわち、制御部10は、第1GOPのIフレームI(1)に付加されている付加情報Kを参照して第1GOPのPフレーム群P(1)のデータサイズを特定し、当該サイズ分の空白領域Bp(1)をおいた位置から第2GOPのIフレームI(2)を書き込む。
【0098】
続いて、第3GOPのIフレームI(3)を受信すると、制御部10は、第2GOPのIフレームI(2)に付加されている付加情報Kを参照して第2GOPのPフレーム群P(2)のデータサイズを特定し、当該サイズ分の空白領域Bp(2)をおいた位置から第3GOPのIフレームI(3)を書き込む(矢印AR13)。
【0099】
制御部10は、以降、同様に、各Iフレームを、1つ前のGOPのIフレームが書き込まれた領域の後、当該1つ前のGOPのPフレーム群のデータサイズと等しいサイズの空白領域をおいた位置から書き込んでいく。これによって、同一の区分に属するn個のIフレームI(1),I(2),・・I(n)が、空白領域Bp(1),Bp(2),・・・Bp(n)をそれぞれはさんで分離した状態で記録存されていくことになる。
【0100】
同一の区分に属するn個のIフレームI(1),I(2),・・I(n)の全てが、ローカルHDD127に書き戻された状態が、図13に示されている。この状態においては、補助HDD26に、連続した大きな空き容量が形成されていることがわかる。これは、一時待避の録画データ9を補助HDD26に格納する際に、同一の区分に属する複数個のIフレームを第1領域A1にまとめて記録していたためである。
【0101】
また、この状態においては、一時待避されていた録画データ9のうち、IフレームのみがPフレームに先んじてローカルHDD127に書き戻されている。上述したとおり、Iフレームは、それだけで完結しており、Iフレームの情報だけで元のフレーム画像を復元できるデータである。したがって、これらIフレームを復元すれば、録画データ9の概要を把握することができる。つまり、Iフレームのみが書き戻されたこの段階において、Pフレームの書き戻しを待たずとも、ローカル記録装置12側のみでの録画データ9の単独再生が一応は可能となる。
【0102】
図14を参照する。補助記録装置2の制御部20は、第1領域A1にまとめて記録されているIフレーム(同一の区分に属するn個のIフレームI(1),I(2),・・I(n))の全てを補助記録装置2に送信すると、続いて、第2領域A2にまとめて記録されているPフレーム群(当該区分に属するn個のPフレーム群P(1),P(2),・・P(n))を、順番に補助記録装置2に送信する。より具体的には、各Pフレーム群に含まれる15個のPフレームを順番に補助記録装置2に送信する。また、制御部20は、Pフレームを補助記録装置2に送信すると、当該送信完了したPフレームを補助HDD26から消去する。
【0103】
一方、補助記録装置2から送信されたPフレーム群を受信すると(より具体的には、各Pフレーム群に含まれる15個のPフレームを順番に受信すると)、ローカル記録装置12の制御部10は、受信したPフレームを、復旧したローカルHDD127に書き込む。
【0104】
この処理について、具体的に説明する。第1GOPのPフレーム群P(1)を受信すると、制御部10は、これを、第1GOPのIフレームI(1)と、第2GOPのIフレームI(2)との間の、空白領域Bp(1)に書き込む(矢印AR21)。上述したとおり、この空白領域Bp(1)のサイズは、第1GOPのPフレーム群P(1)のデータサイズと一致しているので、第1GOPのPフレーム群P(1)が書き込まれると、ローカルHDD127において、第1GOPのIフレームI(1)、第1GOPのPフレーム群P(1)、第2GOPのIフレームI(2)が、この順に連続して記録された状態となる。なお、受信したPフレーム群がどのGOPのものであるかは、先に取得した各Iフレームに付加されていた付加情報Kを参照することによって特定される。
【0105】
続いて、第2GOPのPフレーム群P(2)を受信すると、制御部10は、これを、第2GOPのIフレームI(2)と、第3GOPのIフレームI(3)との間の、空白領域Bp(2)に書き込む(矢印AR22)。
【0106】
続いて、第3GOPのPフレーム群P(3)を受信すると、制御部10は、これを、第3GOPのIフレームI(3)と、第4GOPのIフレームI(4)との間の、空白領域Bp(3)に書き込む(矢印AR23)。
【0107】
制御部10は、以降、同様に、各Pフレーム群を、同じGOPのIフレームが書き込まれた領域の後におかれている空白領域に書き込んでいく。これによって、同一の区分に属するn個のPフレーム群P(1),P(2),・・P(n)が、当該区分に属するn個のIフレームI(1),I(2),・・I(n)の間に順に記録されていくことになる。
【0108】
同一の区分に属するn個のIフレームI(1),I(2),・・I(n)と、n個のPフレーム群P(1),P(2),・・P(n)との全てがローカルHDD127に書き戻された状態が、図15に示されている。この状態においては、補助HDD26において、大きな空き容量が形成されていることがわかる。この領域は、再び、一時待避データとして送信される録画データ9を記録するために用いられる。
【0109】
また、この状態においては、一時待避データとして一時的に補助HDD26に格納されていた録画データ9が、ローカルHDD127に、録画時刻の時系列順、すなわち、IフレームとPフレーム群とが交互に並んだ状態で書き戻されている。
【0110】
〈3−2.管理情報90の記録に関する処理〉
上述したとおり、監視システム100においては、複数のローカル管理システム1のそれぞれが備えるローカル記録装置12のローカルHDD127の管理情報90は、各ローカルHDD127において二重に保護され(図5参照)、さらに補助HDD26においてバックアップされる(図5参照)。つまり、管理情報90が、三重に保護されている。
【0111】
ところで、上述したとおり、ローカルHDD127の管理情報90は、録画データ9がローカルHDD127に新たに記録される度毎に更新される。したがって、補助HDD26に格納される管理情報90も、これに応じて更新していかなければならない。補助HDD26に格納される管理情報90の更新処理について、図16〜図18を参照しながら説明する。図16は、管理情報90の更新処理の流れを示す図である。図17〜図18は、管理情報90が更新される際の各段階におけるデータの動きを示す図である。
【0112】
ローカル記録装置12の制御部10は、画像処理部124から録画データ9が取得されると(ステップS31でYES)、制御部10は、取得された録画データ9を一旦半導体メモリ128に格納する。そして、制御部10は、ローカルHDD127から管理情報90(具体的には、統括管理情報、および、書き込み対象となるブロック(以下「対象ブロック」という)のブロック管理情報)を読み出して半導体メモリ128に記憶する(ステップS32)。なお、図17、図18の例では、第3ブロックが対象ブロックであるとする。
【0113】
続いて、制御部10は、半導体メモリ128に記憶されていた録画データ9を、ローカルHDD127の、対象ブロックの所定の領域に書き込む(ステップS33)(図6のステップS13、および、ステップS14参照)。
【0114】
ローカルHDD127に録画データ9を書き込むと、続いて制御部10は、実行した記録処理に対応するように、管理情報90(具体的には、統括管理情報、および、対象ブロックのブロック管理情報)を更新する(ステップS34)。ただしここで制御部10は、ローカルHDD127に格納された2個の管理情報90、および、半導体メモリ128に記憶された管理情報90のそれぞれを、同時に更新する(図17)。
【0115】
各管理情報90の更新が完了したことが確認されると(ステップS35でYES)、制御部10は、続いて、更新後の管理情報90(具体的には、更新後の統括管理情報、および、対象ブロックの更新後のブロック管理情報)を補助記録装置2に送信する(ステップS36)。また、制御部10は、更新後の管理情報90を補助記録装置2に送信すると、半導体メモリ128に記憶されていた管理情報90を消去する(ステップS37)(図18)。
【0116】
ローカル記録装置12が送信してきた管理情報90を受信すると(ステップS301でYES)、補助記録装置2の制御部20は、受信した管理情報90を、半導体メモリ27
を介して、補助HDD26に書き込む(ステップS302)。これにより、補助HDD26に格納されている管理情報90(具体的には、統括管理情報、および、対象ブロックのブロック管理情報)が最新の状態に更新されることになる(図18)。
【0117】
以上の処理によると、最新の管理情報90は、管理情報90の更新中(すなわち、ローカルHDD127に対する録画データ9の記録が開始されてから当該記録に係る管理情報90の更新が完了するまでの間)は、半導体メモリ128にてバックアップされる。一方、それ以外の時間帯においては、最新の管理情報90は、補助記録装置2の補助HDD26にてバックアップされる。
【0118】
〈4.効果〉
上記の実施の形態に係る監視システム100によると、録画データ9を記録管理するローカル記録装置12が、ネットワークNを介して補助記録装置2と接続されており、補助記録装置2が、ローカル記録装置12から取得した録画データ9を一時的に記憶することにより、ローカル記録装置12における録画データ9の記録管理を補助する。この構成によると、各ローカル管理システム1においてローカル記録装置12が単体で録画データ9の記録管理を行う場合に比べて、記録管理の確実性を向上させることができる。
【0119】
特に、上記の実施の形態に係る監視システム100は、ローカル管理システム1を複数個備える。すなわち、補助記録装置2が、複数個のローカル記録装置12によって共有されている。この構成によると、監視システム100全体のコストを抑えつつ、効率的に各ローカル記録装置12における記録管理の確実性を向上させることができる。
【0120】
特に、上記の実施の形態に係る監視システム100によると、ローカルHDD127に異常が発生した場合、当該ローカルHDD127が復旧するまでの間において新たに取得される録画データ9は、一時待避データとして補助記録装置2送信され、補助HDD26に一時的に記憶される。この構成によると、ローカルHDD127に異常が発生している間に新たに取得された録画データ9の記録保証を行うことができる。
【0121】
特に、上記の実施の形態に係る監視システム100によると、ローカルHDD127が復旧すると、当該ローカルHDD127に異常が発生してから復旧するまでの間に取得されていた録画データ9は、補助HDD26から当該復旧したローカルHDD127に書き戻される。この構成によると、ローカルHDD127が復旧した後は、録画データ9は再びローカル記録装置12の側だけで記録管理されることになるので、録画データ9の管理の煩雑性が回避できる。
【0122】
特に、上記の実施の形態に係る監視システム100によると、補助記録装置2の制御部20が、Iフレームとそれ以外のフレーム(上記の実施の形態においては、Pフレーム)とが混在した録画データ9を補助HDD26に記録する場合に、同一の区分に属する複数のIフレームと複数のPフレームとを別々の領域A1,A2にそれぞれまとめて記録し、補助HDD26に記録された録画データ9をローカル記録装置12に送信する場合に、Iフレーム、Pフレームの順に送信する。Iフレームはフレーム間予測を用いていないので単独で再生可能である。したがって、ローカル記録装置12においては、Iフレームのみを受信した段階で、当該録画データ9の録画内容の概要を把握することが可能となる。
【0123】
特に、上記の実施の形態に係る監視システム100によると、補助記録装置2の制御部20が、補助HDD26に記録された録画データ9をローカル記録装置12に送信する場合に、Iフレーム、Pフレームの順に送信するとともに、送信したフレームを順次補助HDD26から消去する。IフレームはPフレームに比べてデータサイズが大きいため、この構成によると、補助HDD26に、連続した大きな空き容量を早期に確保することが可能となる。つまり、補助HDD26内に、早期に、一時待避データの格納可能領域を確保することができる。補助記録装置2においては、どのタイミングでローカル記録装置12から一時待避データが送信されてきてもこれを格納できるだけの十分な容量が求められるところ、補助HDD26内に、早期に、一時待避データの格納可能領域を確保することができると、補助HDD26の容量を小さく抑えることが可能となる。その結果、監視システム100のコストを抑えることができる。なお、監視システム100のコストを抑えるべくより多くのローカル管理システム1を補助記録装置2に接続しようとすると、補助HDD26に必要とされる容量がどうしても大きくなってしまうので、上記の構成は特に有効である。
【0124】
特に、上記の実施の形態に係る監視システム100によると、ローカル記録装置12の制御部10が、別々に受信した複数のIフレームと複数のPフレーム群とを再び混在させて録画時刻に沿って並べ直された状態にして、ローカルHDD127に記憶する。この構成によると、ローカルHDD127において、録画データ9を、録画時刻に沿った形で適切に管理することができる。
【0125】
特に、上記の実施の形態に係る監視システム100によると、補助記録装置2の制御部20が、複数のIフレームのそれぞれに、当該Iフレームと時系列的に連続するPフレーム群の情報を付加情報Kとして付加するので、ローカル記録装置12において、別々に受信される複数のIフレームと複数のPフレームとをスムースに録画時刻に沿って並べ直された状態にすることができる。
【0126】
特に、上記の実施の形態に係る監視システム100によると、ローカル記録装置12が2個のローカルHDD127を備え、それぞれに録画データ9を記録するので、録画データ9の記録保証を確実に行うことができる。特に、2個のローカルHDD127の少なくとも1個に異常が発生した場合、当該ローカルHDD127が復旧するまでの間に新たに取得された録画データ9は、一時待避データとして補助記録装置2に送信され、補助記録装置2が備える補助HDD26に一時的に記憶される。したがって、いずれかのローカルHDD127に異常が発生した場合であっても、録画データ9の記録保証を行うことができる。
【0127】
特に、上記の実施の形態に係る監視システム100によると、ローカル記録装置12が備えるローカルHDD127の管理情報90が、補助記録装置2の補助HDD26にてバックアップされているので、ローカルHDD127の管理領域に1272にアクセス不能となってしまった場合であっても、ローカルHDD127の管理情報90を取得することができる。
【0128】
特に、管理情報90が更新されている間は、ローカル記録装置12の備える半導体メモリ128にて最新の管理情報90がバックアップされる。もしも、補助HDD26にバックアップされている管理情報90をリアルタイムに更新しようとすると、ネットワークNの遅れなどの影響によって、ローカルHDD127に記録されている管理情報90と、補助HDD26に記録されている管理情報90との間に不一致が生じる時間帯が発生する可能性がある。また、ネットワークNにかかる負荷も大きくなってしまう。これに対し、上記の実施の形態に係る監視システム100の構成によると、更新中の管理情報90については、半導体メモリ128にてバックアップされるので、ネットワークNの遅れなどの影響を受けることなく、また、ネットワークNに負荷をかけることなく、常に最新の管理情報90をバックアップして保持させておくことができる。
【0129】
〈5.変形例〉
上記の実施の形態においては、ローカル記録装置12が2個のローカルHDD127を備え、これらを用いてRAID1システムが実現されているものとしたが、ローカル記録装置12においては、必ずしもRAID1システムが実現されていなくともよい。
【0130】
また、上記の実施の形態においては、監視システム100が複数のローカル管理システム1を備える構成としたが、ローカル管理システム1は1個であってもよい。すなわち、ローカル管理システム1と補助記録装置2とが1対1で対応していてもよい。
【0131】
また、上記の実施の形態において、補助記録装置2は、複数個の補助HDD26を備える構成としてもよい。
【0132】
また、上記の実施の形態においては、ローカルHDD127において、管理領域が二重化されることによって管理情報90が二重に保護されている構成としていたが、管理領域の二重化は必ずしもなされていなくともよい。
【0133】
また、上記の実施の形態においては、説明を簡便にするため、録画データ9は、IフレームとPフレームに符号化されているものとしたが、Iフレーム、Pフレーム、およびBフレームに符号化されていてもよい。この場合、録画データ9は、Iフレームと、BフレームとPフレームとが混在したフレーム群から構成されることになる。あるいは、Iフレームと、Pフレーム群とBフレーム群とから構成されることになる。
【0134】
また、上記の実施の形態においては、補助記録装置2の制御部20は、録画データ9を、半導体メモリ27から補助HDD26に格納する際に、録画データ9に含まれるフレームの並び替えを行う構成としているが、半導体メモリ27において、IフレームとPフレーム群とをソートして、区分毎にIフレームとPフレームとがまとまった順に並び替え、当該並び替えた録画データ9をそのまま補助HDD26に格納する構成としてもよい。
【符号の説明】
【0135】
1 ローカル側管理システム
2 補助記録装置
9 録画データ
11 監視カメラ
12 ローカル記録装置
13 映像再生装置
26 補助HDD
90 管理情報
127 ローカルHDD
127 半導体メモリ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像手段が取得する撮像データを録画データとして取得して、前記録画データを記録管理する1以上の記録管理装置と、
前記1以上の記録管理装置と通信回線を介して接続された補助記録装置と、
を備え、
前記1以上の記録管理装置のそれぞれが、
前記録画データを記憶する第1記憶装置と、
前記第1記憶装置に対するデータの書き込みおよび読み出しを制御する第1制御手段と、
を備え、
前記補助記録装置が、
前記1以上の記録管理装置から取得した前記録画データを記憶する第2記憶装置と、
前記第2記憶装置に対するデータの書き込みおよび読み出しを制御する第2制御手段と、
を備え、
前記第2制御手段が、前記1以上の記録管理装置から取得した前記録画データを前記第2記憶装置に一時的に記憶することにより、当該記録管理装置における前記録画データの記録管理を補助する録画データ記録管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の録画データ記録管理システムであって、
前記記録管理装置を複数個備える録画データ記録管理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の録画データ記録管理システムであって、
前記第1制御手段が、
前記第1記憶装置に異常が発生した場合、当該第1記憶装置が復旧するまでの間において新たに取得される前記録画データを、一時待避データとして前記補助記録装置に送信し、
前記第2制御手段が、
前記1以上の記録管理装置から前記一時待避データとして送信された前記録画データを取得して、前記第2記憶装置に一時的に記憶する録画データ記録管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の録画データ記録管理システムであって、
前記第2制御手段が、
前記1以上の記録管理装置のいずれかが備える前記第1記憶装置が復旧した場合に、当該記録管理装置から取得して前記第2記憶装置に記憶されていた前記録画データを読み出して、前記記録管理装置に送信し、
前記第1制御手段が、
前記補助記録装置から受け取った前記録画データを前記第1記憶装置に記憶する録画データ記録管理システム。
【請求項5】
請求項3または4に記載の録画データ記録管理システムであって、
前記記録管理装置が取得する前記録画データが、
録画時刻に沿って得られる時系列データであり、前記録画データには、フレーム間予測を用いずにフレーム内の画像信号を符号化した第1種フレームと、フレーム間予測を用いてフレームの画像信号を符号化した第2種フレームとが混在して含まれており、
前記第2制御手段が、
前記記録管理装置から前記一時待避データとして送信された前記録画データを取得した場合に、前記録画データを、録画時刻について所定時間毎に区分し、同一区分内に含まれる複数の前記第1種フレームを前記第2記憶装置の第1記憶領域に記録するとともに、同一区分内に含まれる複数の前記第2種フレームを前記第2記憶装置の第2記憶領域に記録する録画データ記録管理システム。
【請求項6】
請求項4に記載の録画データ記録管理システムであって、
前記記録管理装置が取得する前記録画データが、
録画時刻に沿って得られる時系列データであり、前記録画データには、フレーム間予測を用いずにフレーム内の画像信号を符号化した第1種フレームと、フレーム間予測を用いてフレームの画像信号を符号化した第2種フレームとが混在して含まれており、
前記第2制御手段が、
前記記録管理装置から前記一時待避データとして送信された前記録画データを取得した場合に、前記録画データを、録画時刻について所定時間毎に区分し、同一区分内に含まれる複数の前記第1種フレームを前記第2記憶装置の第1記憶領域に記録するとともに、同一区分内に含まれる複数の前記第2種フレームを前記第2記憶装置の第2記憶領域に記録し、
前記第2記憶装置に記憶されていた前記録画データを読み出して、前記記録管理装置に送信する場合に、はじめに前記第1記憶領域に記録された前記複数の第1種フレームを送信し、続いて前記第2記憶領域に記録された前記複数の第2種フレームを送信する録画データ記録管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の録画データ記録管理システムであって、
前記第2制御手段が、
前記第1記憶領域に記録された前記複数の第1種フレームを送信するとともに送信した前記複数の第1種フレームを前記第2記憶装置から消去し、前記第2記憶領域に記録された前記複数の第2種フレームを送信するとともに送信した前記複数の第2種フレームを前記第2記憶装置から消去する録画データ記録管理システム。
【請求項8】
請求項6または7に記載の録画データ記録管理システムであって、
前記第1制御手段が、
前記補助記録装置から別々に受信した前記複数の第1種フレームと前記複数の第2種フレームとを、再び混在させて録画時刻に沿って並べ直された状態にして、前記第1記憶装置に記憶する録画データ記録管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の録画データ記録管理システムであって、
前記第2制御手段が、
前記第1記憶領域に記憶された前記複数の第1種フレームのそれぞれに、当該第1種フレームと録画時刻について時系列的に連続する第2種フレームの情報を付加して、前記記録管理装置に送信する録画データ記録管理システム。
【請求項10】
請求項3から9のいずれかに記載の録画データ記録管理システムであって、
前記1以上の記録管理装置のそれぞれが、前記第1記憶装置を複数個備え、
前記第1制御手段が、
前記複数の第1記憶装置のいずれにも異常が発生していない場合、新たに取得される前記録画データを、前記複数の第1記憶装置のそれぞれに記録し、
前記複数の第1記憶装置の少なくとも1個に異常が発生した場合、当該異常が発生している第1記憶装置が復旧するまでの間において新たに取得される前記録画データを、異常が発生していない第1記憶装置に記憶するとともに、一時待避データとして前記補助記録装置に送信する録画データ記録管理システム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の録画データ記録管理システムであって、
前記1以上の記録管理装置のそれぞれが、
揮発性の記憶装置である第3記憶装置、
を備え、
前記第1記憶装置が、自装置に記録される前記録画データと対応する管理情報を保持しており、
前記第1制御手段が、
前記第1記憶装置への前記録画データの書き込みが行われることによって前記管理情報が更新される場合に、当該更新中の管理情報を前記第3記憶装置に記憶させておき、前記録画データの書き込みが完了して前記管理情報の更新が完了すると、当該更新後の管理情報を前記補助記録装置に送信し、
前記第2制御手段が、
前記1以上の記録管理装置から前記更新後の管理情報を取得して、前記第2記憶装置に記憶する録画データ記録管理システム。
【請求項1】
撮像手段が取得する撮像データを録画データとして取得して、前記録画データを記録管理する1以上の記録管理装置と、
前記1以上の記録管理装置と通信回線を介して接続された補助記録装置と、
を備え、
前記1以上の記録管理装置のそれぞれが、
前記録画データを記憶する第1記憶装置と、
前記第1記憶装置に対するデータの書き込みおよび読み出しを制御する第1制御手段と、
を備え、
前記補助記録装置が、
前記1以上の記録管理装置から取得した前記録画データを記憶する第2記憶装置と、
前記第2記憶装置に対するデータの書き込みおよび読み出しを制御する第2制御手段と、
を備え、
前記第2制御手段が、前記1以上の記録管理装置から取得した前記録画データを前記第2記憶装置に一時的に記憶することにより、当該記録管理装置における前記録画データの記録管理を補助する録画データ記録管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の録画データ記録管理システムであって、
前記記録管理装置を複数個備える録画データ記録管理システム。
【請求項3】
請求項1または2に記載の録画データ記録管理システムであって、
前記第1制御手段が、
前記第1記憶装置に異常が発生した場合、当該第1記憶装置が復旧するまでの間において新たに取得される前記録画データを、一時待避データとして前記補助記録装置に送信し、
前記第2制御手段が、
前記1以上の記録管理装置から前記一時待避データとして送信された前記録画データを取得して、前記第2記憶装置に一時的に記憶する録画データ記録管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の録画データ記録管理システムであって、
前記第2制御手段が、
前記1以上の記録管理装置のいずれかが備える前記第1記憶装置が復旧した場合に、当該記録管理装置から取得して前記第2記憶装置に記憶されていた前記録画データを読み出して、前記記録管理装置に送信し、
前記第1制御手段が、
前記補助記録装置から受け取った前記録画データを前記第1記憶装置に記憶する録画データ記録管理システム。
【請求項5】
請求項3または4に記載の録画データ記録管理システムであって、
前記記録管理装置が取得する前記録画データが、
録画時刻に沿って得られる時系列データであり、前記録画データには、フレーム間予測を用いずにフレーム内の画像信号を符号化した第1種フレームと、フレーム間予測を用いてフレームの画像信号を符号化した第2種フレームとが混在して含まれており、
前記第2制御手段が、
前記記録管理装置から前記一時待避データとして送信された前記録画データを取得した場合に、前記録画データを、録画時刻について所定時間毎に区分し、同一区分内に含まれる複数の前記第1種フレームを前記第2記憶装置の第1記憶領域に記録するとともに、同一区分内に含まれる複数の前記第2種フレームを前記第2記憶装置の第2記憶領域に記録する録画データ記録管理システム。
【請求項6】
請求項4に記載の録画データ記録管理システムであって、
前記記録管理装置が取得する前記録画データが、
録画時刻に沿って得られる時系列データであり、前記録画データには、フレーム間予測を用いずにフレーム内の画像信号を符号化した第1種フレームと、フレーム間予測を用いてフレームの画像信号を符号化した第2種フレームとが混在して含まれており、
前記第2制御手段が、
前記記録管理装置から前記一時待避データとして送信された前記録画データを取得した場合に、前記録画データを、録画時刻について所定時間毎に区分し、同一区分内に含まれる複数の前記第1種フレームを前記第2記憶装置の第1記憶領域に記録するとともに、同一区分内に含まれる複数の前記第2種フレームを前記第2記憶装置の第2記憶領域に記録し、
前記第2記憶装置に記憶されていた前記録画データを読み出して、前記記録管理装置に送信する場合に、はじめに前記第1記憶領域に記録された前記複数の第1種フレームを送信し、続いて前記第2記憶領域に記録された前記複数の第2種フレームを送信する録画データ記録管理システム。
【請求項7】
請求項6に記載の録画データ記録管理システムであって、
前記第2制御手段が、
前記第1記憶領域に記録された前記複数の第1種フレームを送信するとともに送信した前記複数の第1種フレームを前記第2記憶装置から消去し、前記第2記憶領域に記録された前記複数の第2種フレームを送信するとともに送信した前記複数の第2種フレームを前記第2記憶装置から消去する録画データ記録管理システム。
【請求項8】
請求項6または7に記載の録画データ記録管理システムであって、
前記第1制御手段が、
前記補助記録装置から別々に受信した前記複数の第1種フレームと前記複数の第2種フレームとを、再び混在させて録画時刻に沿って並べ直された状態にして、前記第1記憶装置に記憶する録画データ記録管理システム。
【請求項9】
請求項8に記載の録画データ記録管理システムであって、
前記第2制御手段が、
前記第1記憶領域に記憶された前記複数の第1種フレームのそれぞれに、当該第1種フレームと録画時刻について時系列的に連続する第2種フレームの情報を付加して、前記記録管理装置に送信する録画データ記録管理システム。
【請求項10】
請求項3から9のいずれかに記載の録画データ記録管理システムであって、
前記1以上の記録管理装置のそれぞれが、前記第1記憶装置を複数個備え、
前記第1制御手段が、
前記複数の第1記憶装置のいずれにも異常が発生していない場合、新たに取得される前記録画データを、前記複数の第1記憶装置のそれぞれに記録し、
前記複数の第1記憶装置の少なくとも1個に異常が発生した場合、当該異常が発生している第1記憶装置が復旧するまでの間において新たに取得される前記録画データを、異常が発生していない第1記憶装置に記憶するとともに、一時待避データとして前記補助記録装置に送信する録画データ記録管理システム。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の録画データ記録管理システムであって、
前記1以上の記録管理装置のそれぞれが、
揮発性の記憶装置である第3記憶装置、
を備え、
前記第1記憶装置が、自装置に記録される前記録画データと対応する管理情報を保持しており、
前記第1制御手段が、
前記第1記憶装置への前記録画データの書き込みが行われることによって前記管理情報が更新される場合に、当該更新中の管理情報を前記第3記憶装置に記憶させておき、前記録画データの書き込みが完了して前記管理情報の更新が完了すると、当該更新後の管理情報を前記補助記録装置に送信し、
前記第2制御手段が、
前記1以上の記録管理装置から前記更新後の管理情報を取得して、前記第2記憶装置に記憶する録画データ記録管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2011−114809(P2011−114809A)
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−271944(P2009−271944)
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年11月30日(2009.11.30)
【出願人】(591128453)株式会社メガチップス (322)
【Fターム(参考)】
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