説明

録画装置、録画方法、プログラムおよびそのプログラムを記録した記録媒体

【課題】録画データの管理を容易に行うことができる録画装置を提供する。
【解決手段】本発明に係る録画装置1は、放送される番組を光ディスクDK1に録画する機能を有する録画装置であって、光ディスクDK1に録画予約されている予約番組を示す録画予約情報を取得する録画予約管理部14と、光ディスクDK1の残容量が予約番組のすべてを録画可能な容量以上であるか否かを判定する予約録画実行可否判定部15と、光ディスクDK1の残容量が予約番組のすべてを録画可能な容量未満であると予約録画実行可否判定部15が判定した場合、光ディスクDK1に記録されている録画データD1のうち、特定のグループに属する番組以外の録画データを、録画装置1に接続されている他の録画装置2に移動させるデータ転送部16と、を備える

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放送される番組を録画する録画装置および録画方法に関し、特に、録画データの管理を容易に行うことができる録画装置および録画方法に関する。
【背景技術】
【0002】
録画装置では、予約録画機能の向上により、所望の番組の録画予約を手軽に行うことが可能となっている。しかしながら、録画される光ディスクの残容量が不足している場合、録画予約された番組の一部または全部の録画が実行できないこととなる。
【0003】
これに対し、特許文献1では、ネットワークに接続されている録画機器間で予約情報を共有することで記録を分散し、ある録画装置の記録媒体において予約録画が実行できない場合でも、他の記録機器で予約録画を実行する技術が開示されている。
【0004】
図6(a)は、特許文献1に記載のネットワークシステム200を示す図であり、図6(b)は、特許文献1に記載の放送信号記録装置R201を示すブロック図である。図6(a)に示すように、ネットワークシステム200では、レコーダR201、テレビジョンR202およびレコーダR203が、ネットワークNを介して互いに接続されている。図6(b)に示すように、レコーダR201は、TVチューナ211と、DVD−RAM光ディスクDをドライブするDVD−RAMドライブ215と、ハードディスク部217と、マイクロコンピュータブロック218と、ユーザインターフェース部219と、ネットワークインターフェース221とを有している。ユーザインターフェース部219を介して放送番組の録画予約操作があると、マイクロコンピュータブロック218は、本体のレコーダR201で録画が可能かどうかを判断し、録画可能となれば録画予約を実行する。一方、本体のレコーダR201での録画が不可能であれば、マイクロコンピュータブロック218は、他の記録機器であるテレビジョンR202およびレコーダR203が録画可能かどうかを問い合わせ、録画可能なレコーダがあれば、ネットワークインターフェース221からネットワークNを経由して、録画可能なレコーダに対して録画予約情報を送信する。これにより、レコーダR201で録画できない放送番組を他のレコーダにおいて録画することができる。
【0005】
このように、特許文献1では、本体の録画装置から予約操作を行なうことで、ネットワークに接続されている外部の録画装置を活用して予約録画を設定でき、特に、予約録画が実行不可能であるときには外部の録画装置に予約情報を送り、外部の録画装置にて予約録画を行なうことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2003−199004号公報(2003年7月11日公開)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ここで、毎日あるいは毎週のように定期的に放送されるシリーズ番組(例えば、ドラマや語学番組)を録画する場合、録画した光ディスクをコレクションとして管理しやすくするためには、1つの光ディスクに同一のシリーズ番組のみを連続して録画することが望ましい。
【0008】
しかしながら、特許文献1に開示の構成では、本体の録画装置で予約録画が実行できない場合、録画予約情報を他の録画装置に送信するため、録画済みのいずれかの番組と同一のシリーズ番組が予約番組の中に含まれている場合、同一のシリーズ番組が異なる録画装置に記録されてしまう。他の録画装置に録画された番組を視聴するためには、その録画装置へ接続を切り替えることが必要になるため、ユーザはどの録画装置にどの番組が録画されているか把握しくくなり、録画した番組の管理が困難になる。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、録画データの管理を容易に行うことができる録画装置および録画方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の課題を解決するために、本発明に係る録画装置は、放送される番組を記録メディアに録画する機能を有する録画装置であって、上記記録メディアに録画予約されている予約番組を示す録画予約情報を取得する予約情報取得手段と、上記記録メディアの残容量が上記予約番組のすべてを録画可能な容量以上であるか否かを判定する判定手段と、上記記録メディアの残容量が上記予約番組のすべてを録画可能な容量未満であると上記判定手段が判定した場合、上記記録メディアに記録されている録画データのうち、特定のグループに属する番組以外の録画データを、上記録画装置に接続されている他の録画装置に移動させる転送手段と、を備えることを特徴としている。
【0011】
上記の構成によれば、記録メディアの残容量が予約番組のすべてを録画可能な容量未満であると判定手段が判定した場合、転送手段は、記録メディアに記録されている録画データのうち、特定のグループに属する番組以外の録画データを、録画装置に接続されている他の録画装置に移動させる。すなわち、特定のグループに属する番組は、他の録画装置に移動されない。そのため、特定のグループに属する番組が異なる録画装置に分散して記録されることがない。したがって、録画データの管理を容易に行うことができる録画装置を実現できるという効果を奏する。
【0012】
本発明に係る録画装置では、上記転送手段は、上記特定のグループに属する番組以外の録画データのうち、視聴済みの番組の録画データを優先して上記他の録画装置に移動させることが好ましい。
【0013】
上記の構成によれば、転送手段は、視聴済みの番組の録画データを優先して移動させるので、未視聴番組の録画データが他の録画装置に移動してしまう可能性を低減することができる。
【0014】
本発明に係る録画装置では、上記特定のグループに属する番組は、連続的に放送されるシリーズ番組であってもよい。
【0015】
本発明に係る録画装置では、上記特定のグループに属する番組は、同一のジャンルに属する番組であってもよい。
【0016】
上記の構成によれば、同一のシリーズ番組や同一ジャンルの番組が、異なる録画装置に記録されることがないので、録画データの管理を容易に行うことができる。
【0017】
本発明に係る録画装置は、放送される番組を記録メディアに録画する機能を有する録画装置であって、上記記録メディアに録画予約されている予約番組を示す録画予約情報を取得する予約情報取得手段と、上記記録メディアの残容量が上記予約番組のすべてを録画可能な容量以上であるか否かを判定する判定手段と、上記記録メディアの残容量が上記予約番組のすべてを録画可能な容量未満であると判定された場合、上記記録メディアに記録されている録画データのうち、連続的に放送されるシリーズ番組であって最終番組の録画が完了しているシリーズ番組のすべての録画データを、上記録画装置に接続されている他の録画装置に移動させる転送手段と、を備えることを特徴としている。
【0018】
上記の構成によれば、記録メディアの残容量が予約番組のすべてを録画可能な容量未満であると判定手段が判定した場合、転送手段は、記録メディアに記録されている録画データのうち、連続的に放送されるシリーズ番組であって最終番組の録画が完了しているシリーズ番組のすべての録画データを、録画装置に接続されている他の録画装置に移動させる。そのため、特定のグループに属する番組が異なる録画装置に分散して記録されることがない。したがって、録画データの管理を容易に行うことができる録画装置を実現できるという効果を奏する。
【0019】
本発明に係る録画装置は、放送される番組を記録メディアに録画する機能を有する録画装置であって、上記記録メディアに録画予約されている予約番組を示す録画予約情報を取得する予約情報取得手段と、上記記録メディアの残容量が上記予約番組のすべてを録画可能な容量以上であるか否かを判定する判定手段と、上記記録メディアの残容量が上記予約番組のすべてを録画可能な容量未満であると上記判定手段が判定した場合、上記記録メディアに記録されている録画データのうち、少なくとも一部の録画データを、上記録画装置に接続されている他の録画装置に移動させる転送手段と、を備え、上記転送手段は、連続的に放送されるシリーズ番組以外の視聴済みの録画データを第1の優先順位で上記他の録画装置に移動させ、連続的に放送されるシリーズ番組であって最終番組の録画が完了している視聴済みのシリーズ番組のすべての録画データを第2の優先順位で上記他の録画装置に移動させ、連続的に放送されるシリーズ番組以外の未視聴の録画データを第3の優先順位で上記他の録画装置に移動させ、連続的に放送されるシリーズ番組であって最終番組の録画が完了している未視聴のシリーズ番組のすべての録画データを第4の優先順位で上記他の録画装置に移動させることを特徴としている。
【0020】
上記の構成によれば、転送手段は、連続的に放送されるシリーズ番組以外の視聴済みの録画データ、連続的に放送されるシリーズ番組であって最終番組の録画が完了している視聴済みのシリーズ番組のすべての録画データ、連続的に放送されるシリーズ番組以外の未視聴の録画データ、および、連続的に放送されるシリーズ番組であって最終番組の録画が完了している未視聴のシリーズ番組のすべての録画データのいずれかを他の録画装置に移動させる。これらのいずれの録画データを移動した場合でも、同一のシリーズ番組が、異なる録画装置に記録されることがないので、録画データの管理を容易に行うことができる。
【0021】
本発明に係る録画装置では、上記転送手段が移動させた録画データに関する識別情報と各録画データの移動先の録画装置とを含む録画リストを、自身に接続された表示装置に表示させる表示手段を備えることが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、ユーザは、どの番組がどの録画装置に記録されているかを容易に把握できる。
【0023】
本発明に係る録画装置では、上記転送手段が移動させた録画データを、移動先の録画装置から取り込む取込手段と、当該録画データを再生する再生手段を備えることが好ましい。
【0024】
上記の構成によれば、移動された番組を移動元の録画装置によって簡単に視聴することができる。
【0025】
上記の課題を解決するために、本発明に係る録画方法は、放送される番組を録画する録画方法であって、録画装置に備えられる記録メディアに録画予約されている予約番組を示す録画予約情報を取得する予約情報取得ステップと、上記記録メディアの残容量が上記予約番組のすべてを録画可能な容量以上であるか否かを判定する判定ステップと、上記判定ステップにおいて、上記記録メディアの残容量が上記予約番組のすべてを録画可能な容量未満であると判定された場合、上記記録メディアに記録されている録画データのうち、特定のグループに属する番組以外の録画データを、上記録画装置に接続されている他の録画装置に移動させる転送ステップと、を有することを特徴としている。
【0026】
上記の構成によれば、判定ステップにおいて、記録メディアの残容量が予約番組のすべてを録画可能な容量未満であると判定された場合、転送ステップにおいて、記録メディアに記録されている録画データのうち、特定のグループに属する番組以外の録画データが、録画装置に接続されている他の録画装置に移動する。すなわち、特定のグループに属する番組は、他の録画装置に移動されない。そのため、特定のグループに属する番組が異なる録画装置に分散して記録されることがない。したがって、録画データの管理を容易に行うことができる録画方法を実現できるという効果を奏する。
【0027】
上記録画装置は、ハードウェアで実現してもよいし、プログラムをコンピュータに実行させることによって実現してもよい。具体的には、本発明に係るプログラムは、上記録画装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラムであり、本発明に係る記録媒体には、当該プログラムが記録されている。
【発明の効果】
【0028】
以上のように、本発明に係る録画装置は、放送される番組を記録メディアに録画する機能を有する録画装置であって、上記記録メディアに録画予約されている予約番組を示す録画予約情報を取得する予約情報取得手段と、上記記録メディアの残容量が上記予約番組のすべてを録画可能な容量以上であるか否かを判定する判定手段と、上記記録メディアの残容量が上記予約番組のすべてを録画可能な容量未満であると上記判定手段が判定した場合、上記記録メディアに記録されている録画データのうち、特定のグループに属する番組以外の録画データを、上記録画装置に接続されている他の録画装置に移動させる転送手段と、を備えている。また、本発明に係る録画方法は、放送される番組を録画する録画方法であって、録画装置に備えられる記録メディアに録画予約されている予約番組を示す録画予約情報を取得する予約情報取得ステップと、上記記録メディアの残容量が上記予約番組のすべてを録画可能な容量以上であるか否かを判定する判定ステップと、上記判定ステップにおいて、上記記録メディアの残容量が上記予約番組のすべてを録画可能な容量未満であると判定された場合、上記記録メディアに記録されている録画データのうち、特定のグループに属する番組以外の録画データを、上記録画装置に接続されている他の録画装置に移動させる転送ステップと、を有している。したがって、録画データの管理を容易に行うことができる録画装置および録画方法を実現できるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の実施形態に係る録画システムの構成を示すブロック図である。
【図2】他の録画装置に移動させる番組の優先順位を設定するための画面の一例を示す図である。
【図3】録画リストの一例を示す図である。
【図4】録画データの移動手順を示すフローチャートである。
【図5】録画リストの表示手順を示すフローチャートである。
【図6】(a)は、特許文献1に記載のネットワークシステムを示す図であり、(b)は、特許文献1に記載の放送信号記録装置を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
本発明の実施の一形態について図1〜図5に基づいて説明すれば以下のとおりである。
【0031】
図1は、本実施形態に係る録画システム100の構成を示すブロック図である。録画システム100は、録画装置1および録画装置2を備えている。録画装置1・2は、放送される番組を記録メディアに録画する機能を有しており、録画装置1と録画装置2とはネットワークNを介して互いに接続されている。なお、録画装置2は、特許請求に記載の他の録画装置に相当する。
【0032】
録画装置1は、放送される番組をリムーバブルな記録メディアである光ディスクDK1に録画する機能を有している。光ディスクDK1としては、DVDやブルーレイディスク(BD)等が用いられる。また、録画装置1は、表示装置3、スピーカ4、テレビ信号受信部5、外部信号入力部6、信号復調部9、メディアアクセス部10、ユーザインターフェース部11、録画予約設定部12、録画データ管理部13、録画予約管理部14、予約録画実行可否判定部15、データ転送部16および通信インターフェース部17を備えている。これらの機能ブロックの動作は、録画装置1が有するCPUによって制御される。
【0033】
テレビ信号受信部5は、アンテナ7が受信したRF信号をIF信号に周波数変換して、信号復調部9にIF信号を出力する。同様に、外部信号入力部6は、外部機器8から入力されたRF信号をIF信号に周波数変換して、信号復調部9にIF信号を出力する。信号復調部9は、テレビ信号受信部5および外部信号入力部6からのIF信号を、映像信号および音声信号に復調する。映像信号は表示装置3に出力され、音声信号はスピーカ4に出力される。
【0034】
メディアアクセス部10は、光ディスクDK1に対する録画データや録画予約情報の読み書きを行う機能を有している。ユーザインターフェース部11は、録画装置1の本体に設けられたキーやリモートコントローラを介してユーザの操作を受け付ける機能を有している。録画予約設定部12は、ユーザインターフェース部11が受け付けたユーザからの録画予約操作に基づいて、予約録画をする番組の番組名や、録画開始日時および録画終了日時等の録画予約情報を、メディアアクセス部10を介して光ディスクDK1に書き込む機能を有している。
【0035】
図1において、光ディスクDK1には、録画データD1および録画予約情報D2が記録されている。録画データD1は、光ディスクDK1に録画済みの番組データである。また、録画予約情報D2は、光ディスクDK1の予約録画を受け付けた予約番組に関する情報であり、予約番組の番組名や各番組の録画開始日時および録画終了日時などが含まれている。
【0036】
録画データ管理部13は、録画データD1に関する情報を、光ディスクDK1から読み出して管理する機能を有している。録画データD1に関する情報としては、録画データD1のデータ量や、光ディスクDK1に録画された番組名、録画時間、録画日時などが含まれる。また、録画データ管理部13は、録画データD1のデータ量から光ディスクDK1の残容量を算出する機能を有している。
【0037】
録画予約管理部14は、光ディスクDK1から録画予約情報D2を読み出して、図示しない録画実行部に予約録画を実行させる機能を有している。なお、録画予約管理部14は、特許請求の範囲に記載の予約情報取得手段に相当する。
【0038】
予約録画実行可否判定部15は、特許請求の範囲に記載の判定手段に相当する機能ブロックである。予約録画実行可否判定部15は、録画データ管理部13によって算出された光ディスクDK1の残容量、および録画予約管理部14によって読み出された録画予約情報D2に基づいて、光ディスクDK1の残容量が、予約番組のすべてを録画可能な容量以上であるか否かを判定する。すなわち、光ディスクDK1に録画予約されている予約番組の録画時間の合計が、光ディスクDK1の録画可能時間よりも長い場合に、予約録画実行可否判定部15は、すべての予約番組の予約録画の実行は不可能であると判定する。
【0039】
データ転送部16は、特許請求の範囲に記載の転送手段に相当する機能ブロックである。予約録画実行可否判定部15が、すべての予約番組の予約録画の実行は不可能であると判定した場合、データ転送部16は、光ディスクDK1に記録されている録画データD1のうち、所定の録画データを、通信インターフェース部17を介して録画装置1に接続されている他の録画装置2に移動させる。これにより、光ディスクDK1の残容量が増加して、予約番組のすべてを録画可能な容量以上となることにより、すべての予約番組の予約録画の実行が可能となる。
【0040】
ここで、光ディスクDK1に記録されている録画データD1に、連続的に放送されるシリーズ番組が含まれており、そのシリーズ番組の一部の放送回の番組のみを録画装置2に移動してしまうと、シリーズ番組の録画データが、録画装置1と録画装置2とに別々に記録されることとなるので、録画データの管理が困難となる。そこで、本実施形態では、データ転送部16は、録画データD1の中から、以下の優先順位(1)〜(5)で録画データを録画装置2に移動させる。
(1)視聴済みのシリーズ番組以外の番組(以下、「カテゴリーA」とする)
(2)視聴済みのシリーズ番組であって最終番組の録画が完了しているシリーズ番組すべて(以下、「カテゴリーB」とする)
(3)未視聴のシリーズ番組以外の番組(以下、「カテゴリーC」とする)
(4)未視聴のシリーズ番組であって最終番組の録画が完了しているシリーズ番組すべて(以下、「カテゴリーD」とする)
(5)未視聴の番組であって録画日時が最も古い番組(以下、「カテゴリーE」とする)
すなわち、予約録画実行可否判定部15がすべての予約番組の予約録画の実行が不可能であると判定した場合、データ転送部16は、まずカテゴリーAに属する番組が録画データD1に含まれているか検索する。カテゴリーAに属する番組が録画データD1に含まれている場合、カテゴリーAに属する番組を録画装置2に移動させる。カテゴリーAに属する番組をすべて移動させてもなお、予約録画実行可否判定部15がすべての予約番組の予約録画の実行が不可能であると判定した場合、データ転送部16は、カテゴリーBに属する番組が録画データD1に含まれているか検索する。カテゴリーBに属する番組が録画データD1に含まれている場合、カテゴリーBに属する番組を録画装置2に移動させる。以下、カテゴリーC〜カテゴリーEに属する番組についても、予約録画実行可否判定部15がすべての予約番組の予約録画の実行が可能であると判定するまで、データ転送部16は、同様の処理を行う。
【0041】
例えば、「視聴済みのシリーズ番組以外の番組」または「未視聴のシリーズ番組以外の番組」の録画データを録画装置2に移動させた場合、録画データD1に記録されているシリーズ番組は移動しないので、シリーズ番組の録画データが異なる記録装置に分散することはない。同様に、「視聴済みのシリーズ番組であって最終番組の録画が完了しているシリーズ番組すべて」または「未視聴のシリーズ番組であって最終番組の録画が完了しているシリーズ番組すべて」の録画データを録画装置2に移動させた場合、シリーズ番組のすべての放送回の番組の録画データが録画装置2に移動するので、シリーズ番組の録画データが異なる記録装置に分散することはない。これにより、シリーズ番組の記録漏れを防ぐことができ、ユーザにとって録画データの管理が容易となる。
【0042】
ここで、シリーズ番組であるか否かの判定は、判定対象の番組が、定期的に(例えば毎週同時刻に)予約録画されている番組であるか、または、判定対象の番組と同一のタイトルの番組が録画データD1に複数含まれているか等によって行われる。
【0043】
なお、「未視聴の番組であって録画日時が最も古い番組」を録画装置2に移動させた場合であって、当該番組がシリーズ番組である場合は、シリーズ番組が異なる記録装置に分散することとなる。しかしながら、録画日時が古いにもかかわらず未視聴である番組は、ユーザにとって重要度が低く、未視聴のまま消去される可能性が高いと考えられるため、管理上の問題は小さい。
【0044】
なお、上記の優先順位は一例であり、ユーザによって任意に設定可能である。特に、カテゴリーA〜カテゴリーDについては、優先順位(1)〜(4)の中で、適宜順位を入れ替えてもよい。
【0045】
図2は、録画装置2に移動させる番組の優先順位を設定するための画面の一例を示す図である。同図において、左側の番組移動条件リストには番組のカテゴリーが列挙されている。ユーザは、それらのカテゴリーの中から選択して、右側の番組移動条件実行リストにおける所望の優先順位に対応する欄に選択したカテゴリーを表示させる。これにより、ユーザは、録画装置2に移動させる番組の優先順位を設定する。
【0046】
以上のように、本実施形態では、シリーズ番組という特定のグループに属する番組であるか否か、および、視聴済みであるか否かに基づいて、番組を複数のカテゴリーに分類し、それらのカテゴリーに移動させる優先順位を与えていたが、カテゴリーに分類する基準となる番組のグループの種類は、シリーズ番組に限定されない。例えば、スポーツ番組や音楽番組など、同一ジャンルの番組を特定のグループに属する番組と定義し、当該特定のグループに属する番組であるか否かに基づいて、番組を複数のカテゴリーに分類してもよい。すなわち、特定のグループとは、異なる録画装置に分散して記録されると管理が困難となる番組の集合と言い換えることができる。例えば、スポーツ番組を特定のグループに属する番組と定義した場合、移動させる番組の優先順位を以下のように設定することができる。
(1)視聴済みのスポーツ番組以外の番組
(2)未視聴のスポーツ番組以外の番組
(3)未視聴の番組であって録画日時が最も古い番組
なお、どのジャンルの番組であるかの判定は、放送データに含まれるジャンルに関するデータに基づいて行う。
【0047】
また、本実施形態では、データ転送部16によって録画データの移動が行われた場合、移動された番組の移動履歴が、移動元である録画装置1および移動先である録画装置2に記録される。具体的には、データ転送部16は、移動させた番組のタイトル、移動先の録画装置、録画の日付、視聴状況等を、履歴として図示しないメモリに格納する。ユーザの操作により、録画リストの表示が指示されると、録画データ管理部13は、光ディスクDKに記録されている録画データD1の録画情報を取得する。同時に、録画データ管理部13は、上記メモリから移動履歴を読み出して、移動先の録画装置にアクセスすることにより、移動先の録画装置から録画情報を取得する。これにより、録画データ管理部13は、表示装置3に録画リストを表示させる。なお、このとき、録画データ管理部13は、特許請求の範囲に記載の表示手段として機能する。
【0048】
図3は、録画リストの一例を示す図である。この録画リストには、サムネイル、視聴状況、録画の日付、およびタイトルといった録画データの識別情報、および各録画データの移動先の録画装置が表示されている。これにより、ユーザは、どの番組がどの録画装置に記録されているかを容易に把握できる。なお、図3では、ネットワークN上に接続されているすべての録画装置の記録媒体に記録されている録画データに関する情報が表示されている。また、録画データの識別情報は、録画データがどの番組であるかをユーザが識別できる情報であれば、上記の識別情報に限定されない。
【0049】
なお、図3に示す録画リストにおいて、録画装置1に記録されている番組のみを表示させたい場合は、「本体」の表示部分を選択する。同様に、録画装置2または録画装置2’に記録されている番組のみを表示させたい場合は、それぞれ「録画装置2」または「録画装置2’」の表示部分を選択する。
【0050】
さらに、本実施形態では、録画装置2および録画装置2’に記録されている録画データの番組を、録画装置1で視聴することが可能となっている。具体的には、図3に示す録画リストにおいて、所望の番組を選択して「視聴する」の表示部分を選択すると、図1に示す録画データ管理部13が通信インターフェース部17を介して、選択した番組の録画データが記録されている録画装置にアクセスして、当該録画データを録画装置1に取り込む。このとき、録画データ管理部13は、特許請求の範囲に記載の取込手段として機能する。録画データの取り込みが完了すると、図示しない再生手段が、取り込まれた録画データを再生する。これにより、ユーザは移動された番組を移動元の録画装置1によって簡単に視聴することができる。なお、録画データの再生は、録画データの取り込みと並行して行ってもよい(ストリーミング再生)。
【0051】
続いて、録画装置1における録画データの移動手順、および録画装置1における録画リストの表示手順について、図4および図5を参照して説明する。
【0052】
図4は、録画装置1における録画データの移動手順を示すフローチャートである。まず、図1に示すユーザインターフェース部11が、ユーザからの録画予約操作を受け付けると、録画予約設定部12は、録画予約情報を光ディスクDK1に入力する(ステップS1)。続いて、予約録画実行可否判定部15が、録画データ管理部13にアクセスして、光ディスクDK1の残容量を確認するとともに(ステップS2)、録画予約管理部14にアクセスして光ディスクDK1に記録されている録画予約情報D2を確認する(ステップS3)。なお、ステップS3は、特許請求の範囲に記載の予約情報取得ステップに相当する。これにより、予約録画実行可否判定部15は、光ディスクDK1の残容量が、予約番組のすべてを録画可能な容量以上であるか否かを判定する(ステップS4)。なお、ステップS4は、特許請求の範囲に記載の判定ステップに相当する。
【0053】
予約録画実行可否判定部15が、光ディスクDK1の残容量が、予約番組のすべてを録画可能な容量以上であると判定した場合(ステップS4において「YES」)、録画予約情報D2が更新され(ステップS5)、予約録画が実行される。
【0054】
一方、予約録画実行可否判定部15が、光ディスクDK1の残容量が、予約番組のすべてを録画可能な容量未満であると判定した場合(ステップS4において「NO」)、データ転送部16が、上述した優先順位に従って、光ディスクDK1から移動させる録画データを決定する(ステップS6)。また、データ転送部16は、ネットワークN上に接続されている他の録画装置(図1では録画装置2のみ図示)における記録媒体の残容量および予約情報を確認する(ステップS7)。これにより、データ転送部16は、ステップS6において決定した移動対象となる録画データを移動可能な録画装置が、ネットワーク上にあるか否かを判定する(ステップS8)。
【0055】
移動対象となる録画データを移動可能な録画装置がネットワーク上にない場合(ステップS8において「NO」)、すべての予約番組の予約録画を実行できないので、例えば、予約録画を実行できない旨の警告を表示装置3に表示して、ユーザに録画予約操作のやり直しを促す。
【0056】
これに対し、移動対象となる録画データを移動可能な録画装置(録画装置2)がネットワーク上にある場合(ステップS8において「YES」)、データ転送部16は、当該録画データを光ディスクDK1から録画装置2に移動させる(ステップS9)。なお、ステップS9は、特許請求の範囲に記載の転送ステップに相当する。続いて、データ転送部16によって、移動履歴が更新され(ステップS10)、録画予約情報D2が更新される(ステップS11)。
【0057】
図5は、録画装置1における録画リストの表示手順を示すフローチャートである。ユーザによって録画リストの表示が指示されると(ステップS21)、図1に示す録画データ管理部13は、光ディスクDKの録画情報を取得する(ステップS22)。また、録画データ管理部13は、図示しないメモリに格納された移動履歴を参照して、移動先の録画装置2および録画装置2’にアクセスすることにより、録画装置2および録画装置2’から録画情報を取得する(ステップS23)。これにより、録画データ管理部13は、表示装置3に録画リストを表示させる(ステップS24)。
【0058】
なお、本実施形態では、放送される番組を録画する記録メディアが光ディスクである場合を例に説明したが、記録メディアは、録画装置に内蔵されているハードディスクであってもよい。
【0059】
最後に、図1に示す録画装置1の各ブロック、特に録画データ管理部13、録画予約管理部14、予約録画実行可否判定部15およびデータ転送部16は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0060】
すなわち、録画装置1は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである録画装置1の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記録画装置2に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0061】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0062】
また、録画装置1をネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードをネットワークNを介して供給してもよい。このネットワークNとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【0063】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0064】
本発明は、放送される番組を記録メディアに録画する機能を有する録画装置に好適である。
【符号の説明】
【0065】
1 録画装置
2 録画装置
2’ 録画装置
3 表示装置
4 スピーカ
5 テレビ信号受信部
6 外部信号入力部
7 アンテナ
8 外部機器
9 信号復調部
10 メディアアクセス部
11 ユーザインターフェース部
12 録画予約設定部
13 録画データ管理部(表示手段、取込手段)
14 録画予約管理部(予約情報取得手段)
15 予約録画実行可否判定部(判定手段)
16 データ転送部(転送手段)
17 通信インターフェース部
100 録画システム
D1 録画データ
D2 録画予約情報
DK1 光ディスク(記録メディア)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放送される番組を記録メディアに録画する機能を有する録画装置であって、
上記記録メディアに録画予約されている予約番組を示す録画予約情報を取得する予約情報取得手段と、
上記記録メディアの残容量が上記予約番組のすべてを録画可能な容量以上であるか否かを判定する判定手段と、
上記記録メディアの残容量が上記予約番組のすべてを録画可能な容量未満であると上記判定手段が判定した場合、上記記録メディアに記録されている録画データのうち、特定のグループに属する番組以外の録画データを、上記録画装置に接続されている他の録画装置に移動させる転送手段と、を備えることを特徴とする録画装置。
【請求項2】
上記転送手段は、上記特定のグループに属する番組以外の録画データのうち、視聴済みの番組の録画データを優先して上記他の録画装置に移動させることを特徴とする請求項1に記載の録画装置。
【請求項3】
上記特定のグループに属する番組は、連続的に放送されるシリーズ番組であることを特徴とする請求項1または2に記載の録画装置。
【請求項4】
上記特定のグループに属する番組は、同一のジャンルに属する番組であることを特徴とする請求項1または2に記載の録画装置。
【請求項5】
放送される番組を記録メディアに録画する機能を有する録画装置であって、
上記記録メディアに録画予約されている予約番組を示す録画予約情報を取得する予約情報取得手段と、
上記記録メディアの残容量が上記予約番組のすべてを録画可能な容量以上であるか否かを判定する判定手段と、
上記記録メディアの残容量が上記予約番組のすべてを録画可能な容量未満であると判定された場合、上記記録メディアに記録されている録画データのうち、連続的に放送されるシリーズ番組であって最終番組の録画が完了しているシリーズ番組のすべての録画データを、上記録画装置に接続されている他の録画装置に移動させる転送手段と、を備えることを特徴とする録画装置。
【請求項6】
放送される番組を記録メディアに録画する機能を有する録画装置であって、
上記記録メディアに録画予約されている予約番組を示す録画予約情報を取得する予約情報取得手段と、
上記記録メディアの残容量が上記予約番組のすべてを録画可能な容量以上であるか否かを判定する判定手段と、
上記記録メディアの残容量が上記予約番組のすべてを録画可能な容量未満であると上記判定手段が判定した場合、上記記録メディアに記録されている録画データのうち、少なくとも一部の録画データを、上記録画装置に接続されている他の録画装置に移動させる転送手段と、を備え、
上記転送手段は、
連続的に放送されるシリーズ番組以外の視聴済みの録画データを第1の優先順位で上記他の録画装置に移動させ、
連続的に放送されるシリーズ番組であって最終番組の録画が完了している視聴済みのシリーズ番組のすべての録画データを第2の優先順位で上記他の録画装置に移動させ、
連続的に放送されるシリーズ番組以外の未視聴の録画データを第3の優先順位で上記他の録画装置に移動させ、
連続的に放送されるシリーズ番組であって最終番組の録画が完了している未視聴のシリーズ番組のすべての録画データを第4の優先順位で上記他の録画装置に移動させることを特徴とする録画装置。
【請求項7】
上記転送手段が移動させた録画データに関する識別情報と各録画データの移動先の録画装置とを含む録画リストを、自身に接続された表示装置に表示させる表示手段を備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の録画装置。
【請求項8】
上記転送手段が移動させた録画データを、移動先の録画装置から取り込む取込手段と、
当該録画データを再生する再生手段を備えることを特徴とする請求項7に記載の録画装置。
【請求項9】
放送される番組を録画する録画方法であって、
録画装置に備えられる記録メディアに録画予約されている予約番組を示す録画予約情報を取得する予約情報取得ステップと、
上記記録メディアの残容量が上記予約番組のすべてを録画可能な容量以上であるか否かを判定する判定ステップと、
上記判定ステップにおいて、上記記録メディアの残容量が上記予約番組のすべてを録画可能な容量未満であると判定された場合、上記記録メディアに記録されている録画データのうち、特定のグループに属する番組以外の録画データを、上記録画装置に接続されている他の録画装置に移動させる転送ステップと、を有することを特徴とする録画方法。
【請求項10】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の録画装置の各手段としてコンピュータを機能させるプログラム。
【請求項11】
請求項10に記載のプログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−76690(P2011−76690A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−229746(P2009−229746)
【出願日】平成21年10月1日(2009.10.1)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】