説明

鍵システム及び時計機能付錠

【課題】安全性を向上させた移動体のための鍵システム等を提供する。
【解決手段】錠5を施錠する際、情報入力装置7により利用者は錠5の開錠を許可する開錠情報として開錠時刻情報を入力する。情報入力装置7は、錠5と通信し、入力された開錠情報を送り、錠5は情報入力装置7から受信した開錠情報をメモリ23の開錠時刻32に記憶する。錠5を開錠する場合、利用者が鍵9を用いて錠5を開錠しようとすると、錠5の制御部21は、時計機能部22により現在時刻を取得する。錠5の制御部21は、取得した現在時刻と、メモリ23の開錠時刻32を比較し、一致するかどうか判定し、一致した場合は錠5の制御部21は開錠するが、一致しない場合は開錠しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、移動体のための鍵システム等に関する。
【背景技術】
【0002】
個人情報を記憶したメディアを格納するジュラルミンケース、現金輸送のためのケース、あるいは旅行用のスーツケースのような移動体では、物理的な鍵が使用されることが多い。
また、近年では、電子的な操作で錠の開閉を行う電子錠を使用することも行われている。電子錠では、予め登録された暗証番号を用いることによって施錠や開錠が行われる方法が一般的である。しかし、暗証番号を用いる方法では、例えば、暗証番号が漏洩したり、暗証番号が解読されたりする危険があるため、セキュリティ面において問題がある。
【0003】
特許文献1では、電子錠を備えたボックスの制御システムが開示されている。特許文献1に記載の制御システムでは、利用者が暗証番号や個人ID(identification)情報等を格納した識別カードを保持する。制御システムは、利用者の個人ID情報とその個人ID情報にリンクする個人識別情報と電子錠の状態管理情報とを格納し、通信ネットワークを介して電子錠の開閉の状態を監視する。そして、格納されている電子錠の状態管理情報に基づいて、ボックスの制御部がIDカードリーダ等により読み取った個人ID情報等を用いて電子錠の開閉の条件を指示するという方法が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2001−323696号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、個人を識別する識別カードと暗証番号が盗まれてしまった場合、電子錠が開錠されてしまう。また、悪意のある関係者は、任意の時間、場所で開錠することができてしまい、安全性が高いとはいえない。
【0006】
本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、安全性を向上させた移動体のための鍵システム等を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前述した目的を達成するために、第1の発明は、時計機能を持つ錠を有する移動体と、情報入力装置とからなる鍵システムであって、前記情報入力装置は、前記移動体の前記錠の開錠を許可する時刻、時間帯または経過時間を示す開錠時間情報を入力する入力手段と、前記開錠時間情報を前記錠に送信する送信手段と、を具備し、前記錠は、前記開錠時間情報を保持する保持手段と、前記開錠時間情報と現在時刻とを比較して、開錠判定を行う判定手段と、を具備することを特徴とする鍵システムである。
第1の発明における鍵システムでは、移動体と鍵が一緒に盗まれても開錠することはできず、安全性が向上する。また、利用者が定められた時間外に移動体を開錠することも防ぐことができる。
【0008】
第1の発明における前記錠は、更にGPS機能を有し、前記入力手段は、更に、前記移動体の前記錠の開錠を許可する位置を示す開錠位置情報を入力し、前記送信手段は、更に、前記登録位置情報を前記錠に送信し、前記保持手段は、更に、前記登録位置情報を保持し、前記判定手段は、GPS衛星からの信号を受信して現在位置情報を取得し、前記開錠位置情報と前記現在位置情報とを比較して、開錠判定を行うことが望ましい。
これによって、利用者は定められた時間および場所でしか開錠することができず、より安全性が向上する。
【0009】
また、第1の発明における前記保持手段は、更に、前記移動体の管理者を識別する管理者権限情報を保持し、前記判定手段は、前記開錠時間情報と現在時刻との比較による開錠判定、または前記開錠位置情報と前記現在位置情報との比較による開錠判定が失敗すると、前記入力手段から入力される情報と前記管理者権限情報とを比較して、開錠判定を行うことが望ましい。
これによって、移動体の輸送中に渋滞に巻き込まれ、目的地に予定通り到着できない場合であっても、管理者であれば開錠することができ、利便性が向上する。
【0010】
第2の発明は、移動体の時計機能付錠であって、開錠を許可する時刻を示す開錠時刻情報を保持する保持手段と、前記開錠時間情報と現在時刻とを比較して、開錠判定を行う判定手段と、を具備することを特徴とする時計機能付錠である。
第2の発明によって、移動体と鍵が一緒に盗まれても開錠することはできず、安全性が向上する鍵システムを得ることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明により、安全性を向上させた移動体のための鍵システム等を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態の時限付鍵システム1の概要を示す図
【図2】錠5のハードウエア構成の一例を示す図
【図3】錠5のメモリ23の詳細を示す図
【図4】情報入力装置7のハードウエア構成の一例を示す図
【図5】錠5の施錠の処理を示すフローチャート
【図6】時限付鍵システム1における錠5の開錠の処理を示すフローチャート
【図7】第2の実施形態の時限付鍵システム2の概要を示す図
【図8】錠5のハードウエア構成の一例を示す図
【図9】錠5のメモリ23の詳細を示す図
【図10】時限付鍵システム2における錠5の開錠の処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面に基づいて本発明に係る時限付鍵システムの実施形態を詳細に説明する。尚、以下の説明および添付図面において、略同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
最初に、図1から図6を参照しながら、第1の実施形態の時限付鍵システム1について説明する。
図1は、第1の実施形態の時限付鍵システム1の概要を示す図である。
時限付鍵システム1は、個人情報や機密情報等を記憶したメディアを格納したジュラルミンケース、現金輸送用ケース、旅行用スーツケース等の移動体3を責任者が監視していない場所で不正に開錠することを防止するものであって、移動体3、情報入力装置7、鍵9から構成される。移動体3は、時限機能を持つ錠5を有する。鍵9は、通常の物理的な鍵の形式でもよいし、ICカード(Integrated Circuit)の形式でもよい。
【0015】
利用者は、錠5を施錠するとき、情報入力装置7を用いて、錠5を開錠することを許可する時刻である開錠時刻情報を登録する。開錠時刻情報は、移動体3を目的地に輸送するための所要時間に基づいて登録される。錠5は、鍵9を用いて開錠する。開錠の際、錠5は現在時刻を取得し、開錠時刻情報が現在時刻と比較して予め定められた閾値内かどうかを確認することによって、開錠判定を行う。
【0016】
尚、利用者は、開錠時刻情報に代えて、開錠を許可する時間帯を登録しても良い。また、利用者は、開錠時刻情報に代えて、移動体3を輸送するための所要時間を予想し、開錠を許可する経過時間を登録しても良い。
以下では、説明を分かりやすくする為、利用者は開錠時刻情報を登録するものとして説明する。
【0017】
図2は、錠5のハードウエア構成の一例を示す図である。
錠5は、制御部21、時計機能部22、メモリ23、表示部24、音声出力部25、インタフェース部26等を有する。
制御部21は、錠5の全体の動作を制御するもので、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等で構成される。
CPUは、ROM等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、錠5が行う後述する処理を実現する。
ROMは、不揮発性メモリであり、CPUが実行するプログラム、データ等を恒久的に保持している。
RAMは、揮発性メモリであり、ROM等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部21が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
時計機能部22は、現在時刻を管理する。
【0018】
メモリ23は、錠5の開錠処理に必要となるデータを保持する。
図3は、錠5のメモリ23の詳細を示す図である。
メモリ23は、鍵ID31、開錠時刻32、エラー回数33、管理者権限34等を有する。
鍵ID31は、鍵9を識別するIDである。
開錠時刻32は、錠5の開錠を許可する時刻を示すもので、錠5を施錠する際、情報入力装置7により入力される開錠時刻情報である。
錠5のメモリ23に開錠時刻32を記憶することで、錠5の開錠処理では、他の装置と開錠時刻32の送受信を行う必要がなく、安全である。
【0019】
エラー回数33は、錠5の開錠処理に失敗した回数を保持する。エラー回数33が既定回数を超えた場合、警告音を出力するようにしてもよい。
管理者権限34は、移動体3の管理者を識別する情報であって、パスワード等である。例えば、移動体3の輸送中に渋滞に巻き込まれ、目的地に予定通り到着できない場合を想定し、管理者権限34の入力によって錠5の開錠を許可するようにしても良い。すなわち、錠5の制御部21は、開錠時刻情報による開錠判定が失敗すると、管理者権限34の入力を受け付けて、メモリ23に保持されている管理者権限34と一致するかどうかを確認し、一致する場合には開錠する。
【0020】
図2の説明に戻る。
表示部24は、液晶パネル等の表示装置で、情報入力装置7により錠5の開錠を許可する時刻を入力したときに、入力された開錠時刻情報を表示したり、錠5の開錠時にエラーメッセージ等を表示したりする。表示部24への登録した開錠時刻の表示は、安全性のため、情報入力装置7により入力されたときに限る。
音声出力部25は、通知音や警告音等を出力する装置である。例えば、情報入力装置7により錠5に開錠を許可する開錠時刻情報を入力したとき、「ピピ」というような通知音を出力したり、情報入力装置7により登録された開錠時刻以外で錠5を開錠しようとしたとき、「ピッピー」というような警告音を出力したりするようにしてもよい。
錠5は、表示部24及び音声出力部25の両方を備える必要はなく、いずれか一方を備えるものであっても良い。
インタフェース部26は、情報入力装置7等と通信を行う。
【0021】
図4は、情報入力装置7のハードウエア構成の一例を示す図である。
情報入力装置7は、錠5に開錠を許可する位置情報を入力する装置で、錠5との接続は、有線でも無線でもよい。また、情報入力装置7は、移動体3に付属する形態でもよい。
情報入力装置7は、制御部41、入力部42、表示部43、インタフェース部44等を有する。
【0022】
制御部41は、情報入力装置7全体の動作を制御するもので、CPU、ROM、RAM等で構成される。
CPUは、ROM等に格納されるプログラムをRAM上のワークメモリ領域に呼び出して実行し、情報入力装置7が行う処理を実現する。
ROMは、不揮発性メモリであり、CPUが実行するプログラム、データ等を恒久的に保持している。
RAMは、揮発性メモリであり、ROM等からロードしたプログラム、データ等を一時的に保持するとともに、制御部41が各種処理を行う為に使用するワークエリアを備える。
【0023】
入力部42は、錠5の開錠を許可する開錠時刻情報を入力するもので、キーボード、タッチパネル等の入力装置を有する。
表示部43は、液晶パネル等の表示装置である。
インタフェース部44は、錠5等と接続し、通信を行う。
【0024】
図5は、時限付鍵システム1における錠5の施錠の処理を示すフローチャートである。
利用者は、錠5を施錠する際、情報入力装置7を介して、錠5の開錠を許可する開錠情報として開錠時刻情報を入力する(ステップS101)。
例えば、移動体3を支店から本店に輸送する場合、本店に到着する予定時刻を開錠時刻情報として指定する。
また、安全性を高めるため、開錠時刻情報を入力する前に暗証番号等の入力を要求し、利用者の認証を行うようにしてもよい。
【0025】
情報入力装置7は、錠5と通信し、入力された開錠情報を送る(ステップS102)。
錠5は、情報入力装置7から受信した開錠情報をメモリ23の開錠時刻32に記憶する(ステップS103)。
このとき、錠5の制御部21は、確認のために開錠時刻32を表示部24に表示するようにしてもよいし、あるいは、音声出力部25により「ピピ」等の通知音を出力するようにしてもよい。
【0026】
図6は、時限付鍵システム1における錠5の開錠の処理を示すフローチャートである。
利用者が鍵9を用いて錠5を開錠しようとすると、錠5の制御部21は、時計機能部22により現在時刻を取得し、現在時刻が開錠時刻32(開錠時刻情報)の範囲内かどうかを判定する(ステップS201)。
利用者が鍵9により錠5を開錠しようとする際、暗証番号等の入力を要求するようにしてもよいし、鍵9がICカードの場合は、ICカードに記憶した生体情報を用いて生体認証を行うようにしてもよい。
【0027】
現在時刻が開錠時刻情報の範囲内の場合(ステップS201のYes)、制御部21は開錠する(ステップS202)。
現在時刻が開錠時刻情報の範囲内ではない場合(ステップS201のNo)、制御部21は開錠しない(ステップS203)。そして、制御部21はエラー回数33を増分し(ステップS204)、エラー回数33が既定回数以上かどうかを判定する(ステップS205)。エラー回数33が既定回数以上の場合(ステップS205のYes)、制御部21は、音声出力部25による警告音の出力、あるいは、表示部24へのエラーメッセージ表示を行う(ステップS206)。
【0028】
以上説明したように、第1の実施形態の時限付鍵システム1では、移動体3の施錠時に開錠を許可する開錠時刻情報を錠5のメモリ23に記憶させ、移動体3の開錠時に登録された開錠時刻情報と現在時刻を比較することにより、移動体3の開錠判定を行う。これにより、移動体3と鍵9が一緒に盗まれても開錠することはできず、安全性が向上する。また、利用者が定められた時間外に移動体3を開錠することも防ぐことができる。
【0029】
次に、図7から図10を参照しながら、第2の実施形態の時限付鍵システム2について説明する。
【0030】
図7は、第2の実施形態の時限付鍵システム2の概要を示す図である。
第2の実施形態の時限付鍵システム2における錠5の開錠情報は、開錠時刻情報および開錠位置情報である。そこで、図7に示すように、時限付鍵システム2では、GPS衛星11を利用して現在位置を取得する。
【0031】
利用者は、錠5を施錠するとき、情報入力装置7を用いて、錠5を開錠することを許可する開錠時刻情報と開錠位置情報を登録する。
開錠の際、錠5は、現在時刻を取得し、開錠時刻情報が現在時刻と比較して予め定められた閾値内かどうかを確認することによって、開錠判定を行う。更に、錠5は、GPS衛星11から現在位置を取得し、開錠位置情報が現在位置と比較して予め定められた閾値内かどうかを確認することによって、開錠判定を行う。
【0032】
図8は、錠5のハードウエア構成の一例を示す図である。
錠5は、制御部21、時計機能部22、GPS機能27、メモリ23、表示部24、音声出力部25、インタフェース部26等を有する。制御部21、時計機能部22、表示部24、音声出力部25、インタフェース部26は、第1の実施の形態と同様である。
GPS機能27は、GPS衛星11の電波を受信し、現在位置を特定する。
【0033】
図9は、錠5のメモリ23の詳細を示す図である。
メモリ23は、錠5の開錠処理に必要となるデータを保持する。
メモリ23は、鍵ID31、開錠時刻32、エラー回数33、管理者権限34、登録緯度35、登録経度36等を有する。鍵ID31、開錠時刻32、エラー回数33、管理者権限34は、第1の実施形態と同様である。
登録緯度35、登録経度36は、錠5の開錠を許可する位置の緯度、経度を示すもので、錠5を施錠する際、情報入力装置7により入力される。
錠5のメモリ23に開錠時刻32、登録緯度35、登録経度36を記憶することで、錠5の開錠処理では、他の装置と開錠時刻32、登録緯度35、登録経度36の送受信を行う必要がなく、安全である。
【0034】
情報入力装置7のハードウエア構成は、図4を参照して説明した第1の実施の形態と同様である。また、錠5の施錠の処理は、図5を参照して説明した第1の実施の形態と同様である。第2の実施の形態では、図5のS102において入力される開錠情報が、開錠時刻情報および開錠位置情報となる。
【0035】
図10は、時限付鍵システム2における錠5の開錠の処理を示すフローチャートである。
利用者が鍵9を用いて錠5を開錠しようとすると、錠5の制御部21は、時計機能部22により現在時刻を取得し、現在時刻が開錠時刻情報の範囲内かどうかを判定する(ステップS401)。
【0036】
現在時刻が開錠時刻情報の範囲内の場合(ステップS401のYes)、制御部21は開錠する(ステップS402)。
現在時刻が開錠時刻情報の範囲内ではない場合(ステップS401のNo)、制御部21は、GPS機能部27によりGPS衛星11の電波を受信し、現在位置を取得する(ステップS403)。
そして、制御部21は、取得した現在位置情報と、メモリ23の登録緯度35、登録経度36(開錠位置情報)を比較し、一致するかどうか判定する(ステップS404)。ただし、GPSの誤差を許容する範囲で一致するかどうかを判定する。
【0037】
現在位置情報と登録した開錠位置情報が一致する場合(ステップS404のYes)、制御部21は開錠する(ステップS402)。
現在位置情報と登録した位置情報が一致しない場合(ステップS404のNo)、制御部21は開錠しない(ステップS405)。そして、制御部21はエラー回数33を増分し(ステップS406)、エラー回数33が既定回数以上かどうかを判定する(ステップS407)。エラー回数33が既定回数以上の場合(ステップS407のYes)、制御部21は、音声出力部25による警告音の出力、あるいは、表示部24へのエラーメッセージ表示を行う(ステップS408)。
【0038】
以上説明したように、第2の実施形態の時限付鍵システム2では、第1の実施形態の開錠時刻情報に加えて、開錠を許可する開錠位置情報を錠5のメモリ23に記憶させる。そして、開錠時にGPS機能27により現在位置を取得し、登録された開錠位置情報と現在位置情報を比較することにより、移動体3の開錠判定を行う。
これにより、目的地への到着が遅れた場合でも、予め指定された場所であれば移動体の開錠が可能となり、利便性が向上する。
【0039】
尚、前述の説明では、開錠時刻情報の判定が失敗した場合にのみ、開錠位置情報の判定を行ったが、本発明はこれに限定されない。例えば、開錠時刻情報と現在時刻を比較し、更に、開錠位置情報と現在位置情報を比較し、両方が一致したときに開錠を許可するようにしても良い。これにより、利用者は定められた時間および場所でしか開錠することができず、より安全性が向上する。
【0040】
以上、添付図面を参照しながら、本発明に係る時限付鍵システム等の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されない。当業者であれば、本願で開示した技術的思想範疇内において、各種の変更例又は修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【符号の説明】
【0041】
1、2………時限付鍵システム
3………移動体
5………錠
7………情報入力装置
9………鍵
11………GPS衛星

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時計機能を持つ錠を有する移動体と、情報入力装置とからなる鍵システムであって、
前記情報入力装置は、
前記移動体の前記錠の開錠を許可する時刻、時間帯または経過時間を示す開錠時間情報を入力する入力手段と、
前記開錠時間情報を前記錠に送信する送信手段と、
を具備し、
前記錠は、
前記開錠時間情報を保持する保持手段と、
前記開錠時間情報と現在時刻とを比較して、開錠判定を行う判定手段と、
を具備することを特徴とする鍵システム。
【請求項2】
前記錠は、更にGPS機能を有し、
前記入力手段は、更に、前記移動体の前記錠の開錠を許可する位置を示す開錠位置情報を入力し、
前記送信手段は、更に、前記登録位置情報を前記錠に送信し、
前記保持手段は、更に、前記登録位置情報を保持し、
前記判定手段は、GPS衛星からの信号を受信して現在位置情報を取得し、前記開錠位置情報と前記現在位置情報とを比較して、開錠判定を行うことを特徴とする請求項1に記載の鍵システム。
【請求項3】
前記保持手段は、更に、前記移動体の管理者を識別する管理者権限情報を保持し、
前記判定手段は、前記開錠時間情報と現在時刻との比較による開錠判定、または前記開錠位置情報と前記現在位置情報との比較による開錠判定が失敗すると、前記入力手段から入力される情報と前記管理者権限情報とを比較して、開錠判定を行うことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の鍵システム。
【請求項4】
移動体の時計機能付錠であって、
開錠を許可する時刻を示す開錠時刻情報を保持する保持手段と、
前記開錠時間情報と現在時刻とを比較して、開錠判定を行う判定手段と、
を具備することを特徴とする時計機能付錠。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−252314(P2011−252314A)
【公開日】平成23年12月15日(2011.12.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−126682(P2010−126682)
【出願日】平成22年6月2日(2010.6.2)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】