説明

長尺体支持具

【課題】使い勝手のよい樹脂製の新規な長尺体支持具を提供する。
【解決手段】吊りボルトBに対して脱着自在に装着されるボルト装着部A1と、長尺体Cを吊りボルトBと直交する横姿勢に受止め支持可能な受止め支持部A2とを一体形成してある樹脂製の長尺体支持具Aであって、ボルト装着部A1には、吊りボルトBの半周面を径方向から受止め可能な受止め凹部1と、その受止め凹部1との間で吊りボルトBを固定する固定部5とが備えられているとともに、固定部5が、受止め凹部1に対して揺動開閉又は脱着自在に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、吊りボルトに対して装着可能で、吊りボルトと直交する横姿勢に長尺体を受止め支持可能な長尺体支持具に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、空調用の配管や給配水管等の長尺体を建屋内に配管するには、天井壁から垂下設されている吊りボルトに装着可能な長尺体支持具を用いてなされている。
従来の長尺体支持金具は、吊りボルトのネジ部に対して係合する位置が異なる複数の係止フックを備えて吊りボルトに装着可能なボルト装着部と、長尺体を吊りボルトと直交する横姿勢に受止め支持可能なU字状の受止め部に開閉自在な蓋体が設けられた受止め支持部とを板金によって製作されたものが存在している。(例えば、特許文献1を参照)。
【0003】
【特許文献1】特開平9−126361号公報(第3頁、図1、図2)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような板金製の長尺体支持具においては、ボルト装着部及び受止め支持部を構成する複数の係止フック、受止め部、蓋体を各別に、又は、それらの一部を組合せた状態で鋼板から型打ち出しを行ったあと、折り曲げ加工等を経て部品を製作し、更に、それら部品をリベット止めやスポット溶接によって一体化するといった複数の工程を経て製作されている。
【0005】
そのため、板金製の長尺体支持具には、製作に手間が必要でコスト面での低減化を図るにも限界があり、これを解消したい課題が存在している。
この課題を解消する解決策として、長尺体支持具の全体を合成樹脂化することが考えられるが、板金製の長尺体支持具をそのままの構成で樹脂化した場合、製作も難しく、支持強度や使い勝手等の点で信頼性が低く使用に耐えない問題があった。
【0006】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、使い勝手のよい樹脂製の新規な長尺体支持具を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1番目の長尺体支持具の特徴構成は、
吊りボルトに対して脱着自在に装着されるボルト装着部と、長尺体を吊りボルトと直交する横姿勢に受止め支持可能な受止め支持部とを一体形成してある樹脂製の長尺体支持具であって、
前記ボルト装着部には、吊りボルトの半周面を径方向から受止め可能な受止め凹部と、その受止め凹部との間で吊りボルトを固定する固定部とが備えられているとともに、
前記固定部が、前記受止め凹部に対して揺動開閉又は脱着自在に構成されている点にある。
【0008】
上記特徴構成によれば、揺動開閉操作又は脱着操作という簡単な操作で受止め凹部との間で取扱い性よく吊りボルトを固定することができて、例えば、複数のフックを吊りボルトのネジ部に位置が異なる状態で係合するフック構成で、また、それらフックの全てが係合するように煩瑣な係合操作を行って固定する従来の板金製の長尺体支持具に比べ、構造の簡素化や取扱い性の向上を図ることができる。
【0009】
従って、使い勝手がよく信頼性の高い樹脂製の長尺体支持具を形成することができる。
【0010】
本発明の第2番目の長尺体支持具の特徴構成は、
前記固定部のボルト軸芯方向端部には、受止め凹部との間で吊りボルトを固定する固定状態において、吊りボルトとの間に差込み具を差し込むことにより固定部を開き操作又は取り外し操作するための操作凹部が形成されている点にある。
【0011】
上記特徴構成によれば、固定状態の解除操作が天井裏などの狭い空間で行われるのに対し、差込み具を操作凹部に差し込むことにより解除操作を簡単に行うことができ、これにより、使い勝手や取り扱い性の面で有利なものとすることができる。
【0012】
本発明の第3番目の長尺体支持具の特徴構成は、
前記固定部のボルト周方向の一側部は、受止め凹部のボルト周方向の一側部に薄肉のヒンジ部を介して揺動開閉自在に連設されているとともに、
前記固定部のボルト周方向の他側部と受止め凹部のボルト周方向の他側部との相対向する部位には、固定部を固定位置に閉じ揺動させたときに係合する係合手段が設けられていてもよい。
【0013】
上記特徴構成によれば、受止め凹部に対してヒンジ部を介して固定部を閉じ揺動操作することにより固定部を受止凹部に対し受止め凹部に対向する状態で係合させることができるから、例えば、揺動操作と係合操作とを別々に行う場合に比べ、簡単な操作で吊りボルトを固定することができて、使い勝手や取扱い性の面で一層有利なものとすることができる。
【0014】
本発明の第4番目の長尺体支持具の特徴構成は、
前記固定部の係合手段が、係止受け孔とこれの開口縁に係止可能な係止爪とから構成されているとともに、
前記係止爪を、前記係止受け孔の開口縁に係止不能な脱着許容位置に移動可能な状態で係止受け孔の開口縁に係止する抜止め位置に接当保持する保持手段が設けられている点にある。
【0015】
つまり、固定部の係合手段を係止受け孔とこれの開口縁に係止可能な係止爪とから構成する場合、係止受け孔の大きさを係止爪が挿入離脱可能な大きさに形成することで係止爪が係止受け孔の開口縁に係止可能になるのであるから、係止爪が開口縁に係止した状態では、係止爪が開口縁から離脱可能な遊び空間が係止受け孔に存在し、その遊び空間の存在により、温度変化などで特性が変化しやすい樹脂製品においては、係止受け孔の開口縁に対する係止爪の係止状態が不測に解除されてしまう虞がある。
【0016】
これに対し、前記係止爪を、前記係止受け孔の開口縁に係止不能な脱着許容位置に移動可能な状態で係止受け孔の開口縁に係止する抜止め位置に接当保持する保持手段が設けられている上記特徴構成であれば、固定部の係合手段を係止受け孔とこれの開口縁に係止可能な係止爪とから構成する構造を採りながらも、保持手段により係止爪を上記抜止め位置に接当保持して係止爪が抜止め位置から不測に離脱するのを効果的に阻止することができ、これにより、係止受け孔に対する係止爪の係止が不測に解除される上記の如き不具合を効果的に防止することができて、樹脂製でありながら使用品質を高く確保することができる。
【0017】
ところで、吊りボルトに対して脱着自在に装着されるボルト装着部と、長尺体を吊りボルトと直交する横姿勢に受止め支持可能な受止め支持部とを一体形成してある樹脂製の長尺体支持具であって、
前記ボルト装着部が、吊りボルトの半周面を径方向から受止め可能な受止め凹部と、吊りボルトの軸芯方向への相対移動を許容する状態で前記受止め凹部の少なくとも一部に受止められた吊りボルトを径方向から挟持する挟持部と、ボルト軸芯方向での相対移動が不能な状態で吊りボルトを受止め凹部との間で固定する固定部とを備えていてもよい。
【0018】
上記構成によれば、ボルト装着部の挟持部に吊りボルトを挟持させた状態では、吊りボルトに対しボルト軸芯方向で挟持部での挟持力に抗して適所に移動させることができ、そして、その適所においてボルト装着部の固定部でもって吊りボルトを受止め凹部との間で固定することにより、吊りボルトに対するボルト軸芯方向での移動を不能にすることができるから、適所においてボルト軸芯方向へのずれ落ちを抑止した状態で受止支持部により長尺体を支持することができる。
【0019】
従って、使い勝手がよく信頼性の高い樹脂製の長尺体支持具を形成することができる。
【0020】
また、前記受止め凹部には、受止められた吊りボルトのネジ部に係合する係止爪部と、該係止爪部とネジ部との係合状態を解除操作する操作片部が設けられていてもよい。
【0021】
上記構成によれば、吊りボルトのネジ部を受止め凹部の係止爪部に係合させることにより、その係合状態を操作片部により解除操作しない限り吊りボルトに対して相対移動できない仮止め状態にすることができる。
【0022】
従って、仮止め状態においてボルト軸心方向に不測に移動したりするのを防止することができながらも、仮止め状態からのボルト軸芯方向での移動操作を容易且つ正確に行うことができて、ボルト軸芯方向に位置変更させる際の操作性を高く確保することができる。
【0023】
また、前記操作片部には、前記吊りボルトのネジ部を前記係止爪部に係合させた仮止め姿勢から係止爪部との係合を解除して前記挟持部に挟持させた移動許容姿勢に姿勢変更させる押圧部が備えられていてもよい。
【0024】
つまり、例えば、樹脂製の受止凹部の係止爪部を吊りボルトのネジ部に係合させた仮止め姿勢から係止爪部との係合を解除した移動許容姿勢に姿勢変更させる場合では、ボルト軸芯方向への位置変更に際し弾性復元力に抗して係止爪部を移動許容姿勢に姿勢保持操作し続ける必要がある。
【0025】
それに対し、吊りボルトのネジ部を係止爪部に係合させた仮止め姿勢から係止爪部との係合を解除して挟持部に挟持させた移動許容姿勢に姿勢変更させる上記構成であれば、ボルト軸芯方向への移動に際し挟持部の挟持力により吊りボルトのネジ部を移動許容姿勢に保持させることができて、上記の如き姿勢保持操作を不要にすることができ、この点で、ボルト軸芯方向に位置変更させる際の操作性を向上させることができる。
【0026】
また、前記押圧部には、前記吊りボルトのネジピッチよりも大なるボルト軸芯方向幅の押圧面が形成されていてもよい。
【0027】
上記構成によれば、吊りボルトのネジ部を前記仮止め姿勢から前記移動許容姿勢に姿勢変更させる姿勢変更操作時に、操作片部の押圧部の押圧面が押圧するネジ部の部位が、ネジの谷部と山部との間で変化してしまうのを防止することができて、吊りボルトに対する位置にかかわらず吊りボルトの山部を押圧面で押圧することができ、これにより、吊りボルトのネジ部を姿勢変更させる際の操作性を高く確保することができる。
【0028】
また、前記押圧部は、前記受止め凹部に前記吊りボルトを受止めていない状態において前記押圧面が受止め凹部のボルト受け面よりも凹部開口側に位置する形態に形成されていてもよい。
【0029】
上記構成によれば、受け止め凹部に吊りボルトを受止めさせた状態において、押圧面を受止め凹部のボルト受け面よりも凹部開口側に位置させた分だけ、吊りボルトによって操作片部を後退姿勢に押圧保持させることができるから、反面、操作片部をもって吊りボルトを姿勢変更側に付勢することができて、その付勢力の分だけ姿勢変更操作に要する押圧操作力を低減することができ、これにより、吊りボルトのネジ部を姿勢変更させる際の操作性を一層向上させることができる。
【0030】
また、前記固定部は、前記受止め凹部の半円弧状のボルト受け面に相対向する状態で吊りボルトの半周面を径方向から外套可能な半円弧状のボルト押え面を備え、このボルト押え面には、受止凹部の係止爪部に係合された吊りボルトのネジ部に係合する係止爪が形成されていてもよい。
【0031】
上記構成によれば、吊りボルトのネジ部を受止凹部の係止爪部に係合させた仮止め状態で、固定部のボルト押え面の係止爪がネジ部に係合可能になるから、適所に位置変更させて仮止めして、その仮止め状態で位置確認をしたのち固定することができて、適所への固定を段取り良く且つ正確に行うことができる。
【0032】
しかも、吊りボルトの受止め凹部側の半周面に対し係止爪部が係合し、且つ、受止め凹部に相対向する吊りボルトの固定部側の半周面に固定部の係止爪が係合する状態で吊りボルトを固定するから、吊りボルトのネジ部を相対向する側から受止め凹部と固定部とをもって効果的に固定することができて、支持強度等の面でも優れたものとすることができる。
【0033】
ところで、吊りボルトに対して脱着自在に装着されるボルト装着部と、長尺体を吊りボルトと直交する横姿勢に受止め支持可能な受止め支持部とを一体形成してある樹脂製の長尺体支持具であって、前記受止め支持部が、上方に長尺体の受入口を有する支持本体と、これの受入口を開閉自在な蓋体とを備え、前記支持本体の一端部には、前記蓋体の一端部が薄肉のヒンジ部を介して揺動開閉自在に連設されているとともに、前記支持本体の他端部と蓋体の他端部との相対向する部位には、蓋体を閉止姿勢で係合保持する係合手段が設けられ、更に、前記支持本体の一端部と蓋体の一端部との相対向する部位には、前記ヒンジが破断したときでも蓋体を閉止姿勢に係合保持する落止手段が設けられていてもよい。
【0034】
つまり、樹脂製品のおいては、ヒンジ部を他の部分よりも薄肉厚にして形成することから、前記支持本体の一端部と前記蓋体の一端部を揺動開閉自在に連設する薄肉圧のヒンジ部が、例えば、蓋体の頻繁な開閉操作などにより破断し易く、ヒンジ部の破断によって前記係合手段の係合が解かれて支持本体から蓋体が外れてしまい、そのことで、受止め支持部から長尺体が外れ落ちるなどの不具合が生じる虞がある。
【0035】
これに対し、前記支持本体の一端部と蓋体の一端部との相対向する部位に、ヒンジが破断したときでも蓋体を閉止姿勢に係合保持する落止手段が設けられている上記構成であれば、ヒンジが破断したときでもヒンジ側に設けられた前記落止手段によって蓋体が閉じ姿勢に係合保持されるから、ヒンジが破断したときでも支持本体から蓋体が外れるのを効果的に防止することができて、受止め支持部から長尺体が外れ落ちるなどの上記の如き不具合を効果的に防止することができる。
【0036】
従って、使い勝手がよく信頼性の高い樹脂製の長尺体支持具を形成することができる。
【0037】
また、前記受止め支持部の係合手段が、係止受け孔とこれの開口縁に係止可能な係止爪とから構成されているとともに、
前記係止爪を、前記係止受け孔の開口縁に係止不能な脱着許容位置に移動可能な状態で係止受け孔の開口縁に係止する抜止め位置に接当保持する保持手段が設けられていてもよい。
【0038】
つまり、受止め支持部の係合手段を係止受け孔とこれの開口縁に係止可能な係止爪とから構成する場合、係止受け孔の大きさを係止爪が挿入離脱可能な大きさに形成することで係止爪が係止受け孔の開口縁に係止可能になるのであるから、係止爪が開口縁に係止した状態では、係止爪が開口縁から離脱可能な遊び空間が係止受け孔に存在し、その遊び空間の存在により、温度変化などで特性が変化しやすい樹脂製品においては、係止受け孔の開口縁に対する係止爪の係止状態が不測に解除されてしまう虞がある。
【0039】
これに対し、前記係止爪を、前記係止受け孔の開口縁に係止不能な脱着許容位置に移動可能な状態で係止受け孔の開口縁に係止する抜止め位置に接当保持する保持手段が設けられている上記構成であれば、受止め支持部の係合手段を係止受け孔とこれの開口縁に係止可能な係止爪とから構成する構造を採りながらも、保持手段により係止爪を上記抜止め位置に接当保持して係止爪が抜止め位置から不測に離脱するのを効果的に阻止することができ、これにより、係止受け孔に対する係止爪の係止が不測に解除される上記の如き不具合を効果的に防止することができて、樹脂製でありながら使用品質を高く確保することができる。
【0040】
また、前記落止手段が、前記支持本体と前記蓋体との上下方向での相対移動を規制する状態で係合する凹部と凸部とから構成されていてもよい。
【0041】
上記構成によれば、支持本体に対する蓋体の揺動を許しながらも蓋体を閉止姿勢に係合保持する落止手段を凹部と凸部という簡単な形状の樹脂成形により構成することができて、落止手段を複雑な形状の樹脂成形により構成する場合に比べ、製作コストの低廉化を図ることができる。
【0042】
また、前記落止手段には、前記支持本体と前記蓋体との横方向での相対移動を接当規制する規制手段が設けられていてもよい。
【0043】
上記構成によれば、例えば、蓋体を閉止姿勢で係合保持する係合手段に不具合が生じるなどのことで蓋体の横方向での移動が可能になった場合でも、蓋体の横方向での移動を規制手段により接当規制することができるから、蓋体の横移動により支持本体と蓋体との上下方向での相対移動を規制する状態で係合する凹部と凸部との係合状態が解かれてしまうなどの不具合を効果的に防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下、本発明の長尺体支持具Aの実施例を図面に基づいて説明する。
[第1実施形態]
図1〜図19は、建屋の天井などから垂下設された吊りボルトBに対して脱着自在に装着されるボルト装着部A1と、長尺体Cを吊りボルトBと直交する横姿勢に受止め支持可能な受止め支持部A2とをPP(ポリプロピレン)等の合成樹脂によって一体形成された本発明の第1実施形態の長尺体支持具Aを示している。
【0045】
前記ボルト装着部A1は、吊りボルトBの半周面を径方向Yから受止め可能な受止め凹部1と、この受止め凹部1の上部に、吊りボルトBの軸芯方向Xへの相対移動を許容する状態で前記受止め凹部1の少なくとも一部に受止められた吊りボルトBを径方向Yから挟持する仮止め挟持部2と、受止め凹部1の上下略中間部に、ボルト軸芯方向Xでの相対移動が不能な状態で吊りボルトBを受止め凹部1との間で本止め固定する本止め固定部5と、受止め凹部1の下方に、受止め凹部1と相対向する吊りボルトBの半周面を径方向Yから受止め可能な補助凹部3とを備えている。
【0046】
前記仮止め挟持部2は、受止め凹部1に受止められた吊りボルトBの半周を越える状態で対向する挟持片2Aが受止め凹部1から連続して形成され、対向する先端部は受止め凹部1から離れる程、対向幅が広くなるロート状の案内口2Bが形成され、吊りボルトBを受止め凹部1に案内しやすくする工夫がなされている。
【0047】
前記受止め凹部1には、図8に示すように、前記仮止め挟持部2に対応位置して、受止められた吊りボルトBのネジ部B1に係合する係止爪部4Aと、該係止爪部4Aとネジ部B1との係合状態を解除操作する操作片部4Dが設けられている。
【0048】
前記操作片部4Dは、受止め凹部1に形成されたコ字状の窓孔4C内に片持ち状に位置する片形状に形成されているとともに、前記係止爪部4Aは、操作片部4Dの内面であるボルト受け面1Aに、吊りボルトBのネジピッチ間隔に対応する間隔に複数の係止爪4bを形成して構成されている。
【0049】
前記操作片部4Dの外面には、ノブ状の操作部4Bが突出形成されており、そのノブ状操作部4Bを弾性復元力に抗して外方向に引き操作することによって、受止め凹部1に受止められた吊りボルトBのネジ部B1から係止爪部4Aを離脱状態にすることができる構成になっている。
【0050】
前記本止め固定部5は、受止め凹部1の半円弧状のボルト受け面1Aに相対向する状態で吊りボルトBの半周面を径方向Yから外套可能な半円弧状のボルト押え面5Aを備え、このボルト押え面5Aには、係止爪部4Aに係合された吊りボルトBのネジ部B1に係合する係止爪5Bが形成されている。
【0051】
この実施形態では、本止め固定部5のボルト周方向(詳しくは、ボルト径方向Y)の一側部は、受止め凹部1のボルト周方向(詳しくは、ボルト径方向Y)の一側部に薄肉のヒンジ部5Cを介して揺動開閉自在に連設されている。
【0052】
前記本止め固定部5の係止爪5Bは、上下方向に沿ってボルト押え面5Aの下端から上端まで等間隔に多数形成されている。
【0053】
前記本止め固定部5のボルト周方向(詳しくは、ボルト径方向Y)の他側部と受止め凹部1のボルト周方向(詳しくは、ボルト径方向Y)の他側部との相対向する部位には、本止め固定部5を本止め固定位置に閉じ揺動させたときに係合する係合手段6が設けられている。
【0054】
この本止め固定部5の係合手段6は、図1、図4、図7に示すように、本止め固定部5のボルト径方向Yの他側部に形成された係止受け孔6Aと、これの開口縁6Bに係止可能に受止め凹部1のボルト径方向Yの他側部に形成された係止爪6Cとから構成されているとともに、係止爪6Cを、係止受け孔6Aの開口縁6Bに係止不能な脱着許容位置Z1に移動可能な状態で係止受け孔6Aの開口縁6Bに係止する抜止め位置Z2に接当保持する第1保持手段が設けられている。
【0055】
前記第1保持手段は、具体的には、前記脱着許容位置Z1と前記抜止め位置Z2とに選択的に乗越え移動可能な状態で係止爪6Cを接当保持する突起6Dを係止受け孔6Aの内面に設けて構成されている。
【0056】
また、本止め固定部5のボルト径方向Yの他側部の上下位置には、位置決め突起7Aが突出形成され、受止め凹部1のボルト径方向Yの他側部には、本止め固定部5を本止め固定位置に閉じ揺動させたときに嵌合する受穴7Bが設けられており、本止め固定部5を本止め固定位置に閉じ揺動させたときに、多少ヒンジ部5Cの揺動支持にゆがみがあるような場合であっても、係合手段6の係止爪6Cと係止受け孔6Aとが正確に対応することができる構成になっている。
【0057】
前記受止め支持部A2は、上方に長尺体Cの受入口を有する略U字状又はそれに類似する形態の支持本体8Aと、これの受入口8Bを開閉自在な蓋体8Cとを備えている。
【0058】
この受止め支持部A2は、前記支持本体8Aのうち、前記受止め凹部1が連設されている基端部には、前記蓋体8Cの一端部が薄肉のヒンジ部8Dを介して揺動開閉自在に連設されている。
【0059】
また、前記支持本体8Aの先端部と蓋体8Cの他端部との相対向する部位には、蓋体8Cを閉止姿勢で係合保持する係合手段9が設けられている。
【0060】
この受止め支持部A2の係合手段9は、図13、図14に示すように、蓋体8Cの他端部に形成された係止受け孔9Aとこれの開口縁9Bに係止可能に支持本体の先端部に形成された係止爪9Cとから構成されているとともに、係止爪9Cを、係止受け孔9Aの開口縁9Bに係止不能な脱着許容位置Z3に移動可能な状態で係止受け孔9Aの開口縁9Bに係止する抜止め位置Z4に接当保持する第2保持手段が設けられている。
【0061】
前記第2保持手段は、具体的には、前記脱着許容位置Z3と前記抜止め位置Z4とに選択的に乗越え移動可能な状態で係止爪9Cを接当保持する突起9Dを前記係止受け孔9Aの内面に設けて構成されている。
【0062】
更に、前記支持本体8Aの基端部と蓋体8Cの一端部との相対向する部位には、前記ヒンジ8Dが破断したときに蓋体8Cを閉じ姿勢に係合保持する落止手段10が設けられている。
【0063】
前記落止手段10は、支持本体8Aと蓋体8Cとの上下方向での相対移動を規制する状態で係合する凹部と凸部とから構成されていて、具体的には、図1、図16〜図18に示すように、支持本体8Aの基端部には、受入口内に向けて前記凸部としての第1突出片10Aが突出形成され、これに対応して、蓋体8Cの一端部には、L字状の受入片10Bが突出形成され蓋体8Cの一端との間にコ字状の収納空間10Cが形成され、蓋体8Cを閉じた状態で第1突出片10Aが受入片10B内の収納空間10Cに収納状態となるように構成されている。なお、蓋体8の一端とL字状の受入片10Bとをもって前記凹部が構成されている。
【0064】
また、前記第1突出片10Aの長手方向の中央には、上方に向けて第2突出片10Dが突出形成され、これに対応して、蓋体8Cの一端部には、受入孔10Eが貫通形成され、蓋体8Cを閉じた状態で第2突出片10Dが受入孔10Eに挿入状態となるように構成されていて、もって、支持本体8Aと蓋体8Cとの横方向での相対移動を接当規制する規制手段が構成されている。
【0065】
そして、蓋体8Cのヒンジ部8Dが必要以上に使用された等の理由で破断した場合、蓋体8C側の収納空間10Cに支持本体側の第1突出片10Bが収納状態にあるので、蓋体8Cの一端部の上下方向の移動が阻止され、しかも、蓋体8C側の受入孔10Eに支持本体8A側の第2突出片10Dが挿入状態にあるので、蓋体8Cの一端部の横方向の移動が阻止されることによって、蓋体8Cの先端が係合手段9によって支持本体8Aに係合された状態で、蓋体8Cが不測に支持本体8Aの受入口8Bから離脱するのを確実に防止できるようになっている。
【0066】
支持本体8Aの下部は、略湾曲部分に対応してその他の支持本体部分よりも幅広に形成されて、長尺体Cの受止め面積を広く支持できるようになっている。
【0067】
図19に示すように、受止め支持部A2の下部からボルト装着部A1に連続する側部には、補強用のリブ11が形成されて、長尺体支持具Aの補強と、受止め支持部A2に支持される長尺体Cの荷重モーメントをボルト装着部A1側の吊りボルトBに当てつけて支持させる構造になっており、長尺体Cに対する支持品質が高い構成になっている。
【0068】
次に、吊りボルトBに長尺体支持具Aを用いて長尺体Cを支持する手順を説明する。
まず、図10に示すように、吊りボルトBに対して、直交状態にした長尺体支持具Aの上部の受止め凹部1と下部の補助凹部3との隙間を差し入れた後、図11、図12に示すように、長尺体支持具Aを吊りボルトBの軸芯方向Xに沿う状態に起して仮止め挟持部2に挟持させるとともに、受止められた吊りボルトBのネジ部B1に係止爪部4Aを係合状態にすることによって、その係合状態を操作片部4Dにより解除操作しない限り、長尺体支持具Aを吊りボルトBに対してボルト軸芯方向Xに移動できない仮止め状態にすることができる。
【0069】
次に、操作部4Bを弾性復元力に抗して操作して吊りボルトBのネジ部B1に対する係止爪部4Aの係合解除する状態を維持しながら、吊りボルトBの適所に長尺体支持具Aを移動して操作部4Bの操作を止めて、その適所で吊りボルトBのネジ部B1に係止爪部4Aを係合状態にする。
【0070】
次に、図13、図14に示すように、本止め固定部5を揺動して、この本止め固定部5側の係止受け孔6Aに受止め凹部1側の係止爪6Cを係合状態にし、本止め固定部5のボルト押え面5Aに形成された係止爪5Bと吊りボルトBのネジ部B1とを係合状態にして、長尺体支持具Aを吊りボルトBに本止め状態(固定状態)にする。この本止め状態では、係止爪部4Aとボルト押え面5Aの係止爪5Bとが吊りボルトBのネジ部B1に係合する螺合関係にあるので、長尺体支持具Aをボルト軸芯方向Xへの移動は阻止されるが、吊りボルトBのネジ部B1に沿って長尺体支持具Aをボルト軸芯を中心に周方向に向き変更可能になっている。
【0071】
次に、図1、図2に示すように、受止め支持部A2に長尺体Cを受入口8Bから収納した後、蓋体8Cを閉じ操作することで、吊りボルトBに対して長尺体Cを支持状態にすることができる。
【0072】
従って、樹脂製でありながら使い勝手が良く、実用の使用に耐える信頼性の高い長尺体支持具Aを形成することができる。
【0073】
[第2実施形態]
前述の第1実施形態の長尺体支持具Aでは、本止め固定部5が、受止め凹部1に対してヒンジ5Cによって揺動開閉自在に構成されているものについて説明したが、図20に示すように、本止め固定部5が、受止め凹部1に対して脱着自在に構成されているものであってもよい。
【0074】
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0075】
[第3実施形態]
前述の第1、第2実施形態では、受止め凹部1に受止められた吊りボルトBのネジ部B1に係合する係止爪部4Aとネジ部B1との係合状態を弾性復元力に抗して解除操作する操作片部4Dが、係止爪部B1を外方向に移動させて前記係合状態を解除するように構成されていたが、操作片部4Dが吊りボルトBのネジ部B1を外方向に移動させて前記係合状態を解除するように構成されていてもよい。
【0076】
この実施形態では、図21〜図26に示すように、前記係止爪部4Aが、前記受止め凹部1の前記仮止め挟持部2に対応位置する部位のうち、片持ち状の前記操作片部4Dから外れた位置に吊りボルトBのネジピッチ間隔に対応する間隔に複数の係止爪4bを形成して構成されているとともに、仮止め挟持部2を構成する前記挟持片2Aの対向する中間部の夫々には、吊りボルトBのネジ部B1を係止爪部4Aから離した位置で挟持可能な円弧状断面を備える縦長の挟持凹面部2aが、挟持片2Aの上端から下端に亘って形成されている。
【0077】
また、前記受止め凹部1の下方に備えられた補助凹部3の内面の下方には、吊りボルトBにおけるネジ部B1の受止め凹部1と相対向する半周面に対し係合する補助係止爪部3Aが形成され、この補助係止部3Aは、前記係止部4Aと同様、吊りボルトBのネジピッチ間隔に対応する間隔に複数の係止爪3aを形成して構成されている。
【0078】
更に、前記操作片部4Dの内面には、吊りボルトBのネジ部B1を係止爪部4Aに係合させた図24に示す仮止め姿勢から係止爪部4Aとの係合を解除した状態で挟持部2(詳しくは、挟持凹面部2a)に挟持させた図25に示す移動許容姿勢に姿勢変更させる押圧部4bが備えられている。
【0079】
詳しく説明すると、図24に示す仮止め姿勢では、吊りボルトBのネジ部B1が、受止め凹部1に受止められて受け止め凹部1の係止爪部4Aと補助凹部3の補助係止部3Aとに夫々係合された状態で仮止め挟持部2(詳しくは、挟持片2Aの基端部)に挟持されているため、それら各係止部4A、3Aとの係合によりボルト軸芯X方向での移動ができない状態にあるが、操作片部4D(詳しくは、操作片部4Dの外面に突出された操作部4B)を弾性復元力に抗して内方向に押圧操作(図23(ロ)の状態から図24(ハ)の状態に押圧操作)することで、押圧部4bによる押圧でもって吊りボルトBの上方部を外方に移動させて挟持片2Aの中間部の挟持凹面部2aに挟持させ、これにより、吊りボルトBのネジ部B1と各係止部4A、3Aとの係合状態を解除してボルト軸芯X方向での移動が可能な状態で仮止め挟持部2(挟持凹面部2a)に挟持された図25に示す略斜め向きの移動許容姿勢に姿勢変更することができるように構成されている。
【0080】
前記押圧部4bは、図23(イ)に示すように、受止め凹部1に吊りボルトBを受止めていない状態において、吊りボルトBを押圧する押圧面が受止め凹部1のボルト受け面1Aよりも凹部開口側(詳しくは、仮止め挟持部2の案内口2B側)に位置する形態に形成されているとともに、その押圧面が吊りボルトBのネジ溝B1幅よりも大なるボルト軸芯方向幅で形成されており、受け止め凹部1に吊りボルトBを受止めさせた状態では、吊りボルトBにより操作片部4Dが外向き開き姿勢(図23(ロ)を参照)に押圧保持されるように構成されている。
【0081】
また、図26に示すように、前記本止め固定部5のボルト軸芯方向端部には、受止め凹部1との間で吊りボルトBを固定する固定状態において、吊りボルトBとの間に差込み具12を差し込むことにより本止め固定部5を開き操作するための操作凹部5Dが形成されている。
【0082】
具体的には、本止め固定部5のボルト押え面5Aの中間部から上方部にかけての部位に、係止爪部4Aに係合された吊りボルトBのネジ部B1に係合する係止爪5Bの多数個が上下方向に沿って等間隔に形成されているとともに、押え面5Aの下方部に、内面がボルト押え面5Aから後退した欠込み5dが形成されていて、本止め固定部5を閉じ揺動させて前記固定状態にしたときに吊りボルトBと欠込み5dの内面との間に前記操作凹部5Dが形成されるように構成されている。
【0083】
尚、その他の構成は、第1実施形態で説明した構成と同一であるから、同一の構成箇所には、第1実施形態と同一の番号を付記してそれの説明は省略する。
【0084】
[その他の実施形態]
(1)前述の各実施形態では、仮止め挟持部2を受止め凹部1の上部に設けた例を説明したが、本発明はこれに限らず、受止め凹部1の下部に仮止め挟持部2を設けるものであってもよい。
また、前述の各実施形態では、操作部4Bの係合解除操作可能な係止爪部4Aを、仮止め挟持部2と同じ受止め凹部1の上部に設けた例を説明したが、本発明はこれに限らず、受止め凹部1の何れの箇所に設けるものであってもよい。
さらに、前述の各実施形態では、本止め固定部5が受止め凹部1の上下略中間部に設けられた例を説明したが、本発明はこれに限らず、受止め凹部1の上部或いは下部に設けられるものであってもよい。
【0085】
(2)前述の各実施形態では、本止め固定部5のボルト押え面5Aの上下方向に沿って係止爪5Bの多数個が等間隔に形成されている例を説明したが、不等間隔に係止爪が形成されるものであってもよく、係止爪の数も複数であってもよい。
【0086】
(3)前述の各実施形態では、本止め固定部5のボルト押え面5Aに係止爪5Bを形成した例を説明したが、本発明はこれに限らず、ボルト押え面5Aにその他の樹脂部分より軟質な樹脂を設けて、本止め固定部5を受止め凹部1に対向状態に係合手段をもって本止め状態にすることで、受止め凹部1に受止められる吊りボルトBのネジ部B1がボルト押え面に食い込む本止め構成であってもよい。
【0087】
(4)前述の各実施形態では、受止め支持部A2の下部からボルト装着部A1に連続する側部に亘って、補強用のリブ11が形成されている例を説明したが、これに限らず、リブ構成ではなく、受止め支持部A2の下部からボルト装着部A1に連続する側部に亘って、肉厚にして補強するものであってもよい。
また、表裏に陥没する凹部を成形することによって補強リブが形成される補強構造のものを図示したが、凹部に樹脂が充填されたブロック状の補強構造のものであってもよい。
【0088】
(5)前述の各実施形態では、本止め固定部5の係合手段6が、本止め固定部5のボルト周方向の他側部に形成された係止受け孔6Aと、これの開口縁6Bに係止可能に受止め凹部1のボルト周方向の他側部に形成された係止爪6Cとから構成された例を説明したが、これに限らず、係止受け孔6Aと係止爪6Cとの配置が逆の構成、つまり、本止め固定部5の係合手段が、本止め固定部5のボルト周方向の他側部に形成された係止爪と、これの開口縁に係止可能に受止め凹部1のボルト周方向の他側部に形成された係止受け孔とから構成されたものであってもよい。
【0089】
(6)前述の各実施形態では、受止め支持部A2の係合手段9が、蓋体8Cの他端部に形成された係止受け孔9Aとこれの開口縁9Bに係止可能に支持本体8Aの先端部に形成された係止爪9Cとから構成された例を説明したが、これに限らず、係止受け孔9Aと係止爪9Cとの配置が逆の構成、つまり、受止め支持部A2の係合手段が、蓋体の他端部に形成された係止爪とこれの開口縁に係止可能に支持本体の先端部に形成された係止受け孔とから構成されたものであってもよい。
【0090】
(7)前記落ち止め手段10の具体的構成は、前述の各実施形態に示した如き構成に限らず種々の構成変更が可能であり、例えば、前述の各実施形態では、支持本体8Aと蓋体8Cとの上下方向での相対移動を規制する状態で係合する凹部と凸部とをもって落ち止め手段10を構成するのに、支持本体8A側に凸部を形成し、蓋体8C側に凹部を形成する場合を例に示したが、支持本体8A側に凹部を形成し、蓋体8C側に凸部を形成する構成にしてもよく、また、凹部と凸部の具体的構成も種々ものを採用できる。
【0091】
また、前述の各実施形態では、落ち止め手段10に支持本体8Aと蓋体8Cとの横方向での相対移動を接当規制する規制手段を設ける構成として、前記凸部としての第1突出片10Aに第2突出片10Dを形成し、前記凹部を構成する蓋体8Cの一端部に蓋体8Cを閉じた状態で第2突出片10Dが挿入状態になる受け入れ孔10Eを形成する場合を例に示したが、例えば、前記凸部に突出片を形成し、前記凹部に蓋体8Cを閉じた状態で第2突出片10Dが挿入状態になる受け入れ孔10Eを形成してもよく、また、規制手段の具体的構成も突出片どうしなどの種々のものを採用できる。
【0092】
(8)前述の第3実施形態では、本止め固定部5に、受止め凹部1との間で吊りボルトBを固定する固定状態において吊りボルトBとの間に差込み具12を差し込むことにより本止め固定部5を開き操作するための操作凹部5Dを形成していたが、操作凹部5Dは、必要に応じて形成すればよく、また、第1、第2実施形態の長尺体支持具Aに操作凹部を形成してもよい。
【0093】
(9)前述の各実施形態では、係止爪6Cを前記脱着許容位置Z1に移動可能な状態で前記抜止め位置Z2に接当保持する第1保持手段を、係止受け孔6Aの内面に突起6Dを形成して構成する場合を例に示したが、例えば、係止爪6Cに前記抜止め位置Z2で突起6Dが嵌合可能な凹部を形成したり、或いは、係止爪の外面に突起を形成して構成したりするなど、種々の構成変更が可能である。
【0094】
(10)前述の各実施形態では、係止爪9Cを前記脱着許容位置Z3に移動可能な状態で前記抜止め位置Z4に接当保持する第2保持手段を、係止受け孔9Aの内面に突起9Dを形成して構成する場合を例に示したが、例えば、係止爪9Cに前記抜止め位置Z4で突起9Dが嵌合可能な凹部を形成したり、或いは、係止爪の外面に突起を形成して構成したりするなど、種々の構成変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】第1実施形態における長尺体の支持状態を示す側断面図
【図2】第1実施形態における長尺体の支持状態を示す正面図
【図3】第1実施形態における長尺体支持具の側面図
【図4】第1実施形態における支持本体の蓋体を閉じた状態の長尺体支持具の側面図
【図5】第1実施形態における長尺体支持具の斜視図
【図6】第1実施形態における長尺体支持具の平面図
【図7】第1実施形態における(イ)は長尺体支持具の正面図(ロ)は背面図
【図8】第1実施形態における操作片部と係止爪部の関係を示す説明図
【図9】第1実施形態における仮止め状態の吊りボルトと長尺体支持具の説明図
【図10】第1実施形態における吊りボルトと長尺体支持具の説明図
【図11】第1実施形態における吊りボルトと長尺体支持具の説明図
【図12】第1実施形態における吊りボルトと長尺体支持具の説明図
【図13】第1実施形態における本止め固定部を断面にて示す要部断面図
【図14】第1実施形態における本止め固定部の閉じ状態を断面にて示す要部断面図
【図15】第1実施形態における本止め状態の吊りボルトと長尺体支持具の説明図
【図16】第1実施形態における係合手段と落止手段を示す要部断面図
【図17】第1実施形態における落止手段を示す説明図
【図18】第1実施形態における落止手段を示す説明図
【図19】第1実施形態における補強リブ構造を示す要部断面図
【図20】第2実施形態を示す平断面図
【図21】第3実施形態における長尺体支持具の側面図
【図22】第3実施形態における長尺体支持具の平面図
【図23】第3実施形態における操作片部と係止爪部の関係を示す説明図
【図24】第3実施形態における仮止め姿勢(仮止め状態)の吊りボルトと長尺体支持具の説明図
【図25】第3実施形態における移動許容姿勢の吊りボルトと長尺体支持具の説明図
【図26】第3実施形態における本止め状態の吊りボルトと長尺体支持具の説明図
【符号の説明】
【0096】
A 長尺体支持具
A1 ボルト装着部
A2 受止め支持部
B 吊りボルト
C 長尺体
X 軸芯方向
Y 径方向
1 受止め凹部
1A ボルト受け面
2 挟持部(仮止め挟持部)
4A 係止爪部
4D 操作片部
4b 押圧部
5 固定部(本止め固定部)
5A ボルト押え面
5B 係止爪
5C ヒンジ部
6 係合手段
6A 係止受け孔
6B 開口縁
6C 係止爪
6D 突起
8A 支持本体
8B 受入口
8C 蓋体
8D ヒンジ部
9 係合手段
9A 係止受け孔
9B 開口縁
9C 係止爪
9D 突起
10 落止手段
Z1 脱着許容位置
Z2 抜止め位置
Z3 脱着許容位置
Z4 抜止め位置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
吊りボルトに対して脱着自在に装着されるボルト装着部と、長尺体を吊りボルトと直交する横姿勢に受止め支持可能な受止め支持部とを一体形成してある樹脂製の長尺体支持具であって、
前記ボルト装着部には、吊りボルトの半周面を径方向から受止め可能な受止め凹部と、その受止め凹部との間で吊りボルトを固定する固定部とが備えられているとともに、
前記固定部が、前記受止め凹部に対して揺動開閉又は脱着自在に構成されている長尺体支持具。
【請求項2】
前記固定部のボルト軸芯方向端部には、受止め凹部との間で吊りボルトを固定する固定状態において、吊りボルトとの間に差込み具を差し込むことにより固定部を開き操作又は取り外し操作するための操作凹部が形成されている請求項1記載の長尺体支持具。
【請求項3】
前記固定部のボルト周方向の一側部は、受止め凹部のボルト周方向の一側部に薄肉のヒンジ部を介して揺動開閉自在に連設されているとともに、
前記固定部のボルト周方向の他側部と受止め凹部のボルト周方向の他側部との相対向する部位には、固定部を固定位置に閉じ揺動させたときに係合する係合手段が設けられている請求項1又は2記載の長尺体支持具。
【請求項4】
前記固定部の係合手段が、係止受け孔とこれの開口縁に係止可能な係止爪とから構成されているとともに、
前記係止爪を、前記係止受け孔の開口縁に係止不能な脱着許容位置に移動可能な状態で係止受け孔の開口縁に係止する抜止め位置に接当保持する保持手段が設けられている請求項3記載の長尺体支持具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【公開番号】特開2008−25824(P2008−25824A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−283867(P2006−283867)
【出願日】平成18年10月18日(2006.10.18)
【分割の表示】特願2006−276261(P2006−276261)の分割
【原出願日】平成18年10月10日(2006.10.10)
【出願人】(000119830)因幡電機産業株式会社 (147)
【Fターム(参考)】