長鎖有機物の分子構造を分解するための装置
固体、液体、気体の状態の成分の混合物を発生させるために有機物を分解する装置であって、ほぼ管状の壁を有し、有機物のための入口(6)と混合物のための出口(7)との間に配置された分解チャンバ(5)を有する。このチャンバ内に、回転シャフト(23)が、チャンバの壁に対する回転シャフトの回転を果すように設けられた回転駆動手段(24)と連結して配置され、回転シャフトと分解チャンバの壁との間の相対的な回転の間、物質の摩擦によって分解が生じる。供給装置が分解チャンバに物質を押圧し、物質は回転シャフトによる高速混合動作を受ける。可変ギャップ(S)が、変換温度が所望の値に達するように、チャンバの第1の管状部分(20)に対する摩擦を調節する。そして、生成物が、第1の管状部分からギャップを通り第1の管状部分より大きな直径の第2の管状部分へと送られる。変換が完了すると、生成物は、出口を通って脱気装置へと送られる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体、液体、気体の状態の成分の混合物を生じる分解プロセスによって、固体の状態の長鎖有機物を変換するための装置に関する。特に、固体の状態の物質の分子鎖が、固体や液体の状態の成分の混合物へと変換される。分解を受ける長鎖有機物の中には、リグニン、一般的な木材、油や脂肪、アミン、皮革産業や食肉産業からの廃棄物、肉や骨粉のように、様々な種類のバイオマスのような天然物質、並びに、例えばタイヤに使用されるゴムのような、主としてポリマ、あらゆる種類のプラスチック、合成繊維のような合成物質がある。
【背景技術】
【0002】
よく知られているように、長鎖化学結合を含む固体の状態の有機物を変換するのに適した様々な装置が存在する。このような装置は、標準的には、外部熱源によって加熱されて、適切な温度プロファイルを得た各円筒チャンバ内で回転するように動作されるスクリューシャフトのような回転体を有する。一般的に、回転体は、多くの物質の搬送を補助する役割を容易に果す。いくつかの場合には、スクリューシャフトの回転は、物質を高速で連続的に混合することによって、チャンバの内壁に対して大きな摩擦を与える。外部から供給され、かつチャンバの壁によって交換された熱に加えて、この摩擦が、さらなる熱を与える。全体の熱は、長鎖の物質を、代表的には炭化水素及び炭化水素誘導体である固体、液体及び気体の状態の短鎖の物質の混合物へと、所望の変換、いわゆる分解("cracking”)を生じさせることができる。このような円筒チャンバは、混合物収集装置の所で終端しており、固体を分離する役割も果す。また、円筒チャンバは、他のプロセスのために元に戻される、即ち、例えば燃料又は可燃性物質として再利用され得る物質である液体及び気体から、他の方法で再循環されることができる。
【0003】
それ故、既知の装置では、分解は、表面を加熱して熱エネルギを供給することによって、主に果される。この熱エネルギは、非常に大きく、回転体によって生じる摩擦熱とは異なり、エネルギ平衡及び実際の利便性に関して、結果として生じる効果が低い。さらに、標準的には、分解反応は、触媒を使用して活性化される。
【0004】
従来技術の装置は、いくつかの大きな欠点を有する。
【0005】
第1に、円筒チャンバ内で得られる温度の制御及び調節が、困難である。これは、重大な問題である。なぜならば、上述の物質の変換は、所定の温度で果されることが好ましいからである。さらに詳しくは、装置内に装填される長鎖の物質の特徴部分における重要な違いが、チャンバ内の高い温度差によって生じる可能性がある。言い換えれば、同じ装置に異なる物質を装填したとき、剪断応力及び温度プロファイル、さらに、果され得る変換の特性に関して、異なる結果が得られる。
【0006】
第2に、混合物を収集かつ分離するために現在使用されている装置は、液体及び気体の状態の生成物から固体を効果的に分離することができない。なぜならば、固体の状態の成分が、互いに集まり、堆積する傾向にあり、分子量の小さい成分の自由な流出口や排出口を好ましくなく塞いでしまうからである。
【0007】
第3に、従来技術の装置は、分解チャンバ内に固体のばら材料(loose material)を装填したとき、空気の入口を妨げることなく、完全な酸化現象を生じる。特に、特定の種類の物質に関して、このような酸化現象は、分解反応に匹敵し、質の低い生成物をもたらす可能性がある。
【0008】
第4に、所望の比率に従って分解される異なる種類の物質を同時に装填及び処理することは、既知の装置では果されていない。
【0009】
さらなる問題は、固体、液体又は気体の状態の物質の混合物中に、好ましくない重合を導き得る二重結合を含む物質のような不安定な状態の物質が存在することである。
【0010】
最後に、液体及び気体の状態の物質から固体を分離することは、ダクトを塞いだり、分離を補助する可動部分を塞いだりし得る残留炭素の問題を含む可能性がある。
【発明の概要】
【0011】
本発明の特徴部分は、代表的には炭化水素及び炭化水素誘導体である長鎖化学結合を有する有機物を、固体と、液体と、気体との少なくとも1つの状態の成分の混合物に変換するための装置を提供する。この装置は、変換工程の間、物質の特性、特に粘性に拠らずに所望の特性の成分を得るために、このような物質の変換条件を正確かつ効果的に制御するための装置である。
【0012】
また、本発明の特徴部分は、物質の好ましくない堆積がなく、液体及び気体の状態の成分から、結果として生じる固体の状態の成分を効果的に分離するために、長鎖化学結合を含む有機物を、固体と、液体と、気体との少なくとも1つの状態の短鎖の成分の混合物に変換するための装置を提供する。このようにして生じた固体の状態の成分は、通常の廃棄エネルギシステムよりも好ましい生産量で、特定のプラントで独立して活用されることができる。
【0013】
本発明の他の特徴部分は、空気を供給することのない変換装置と、処理される物質の異なる比率を考慮した以下の所定のレシピとを提供する。
【0014】
本発明のさらなる特徴部分は、構造上簡単であり、比較的容易に、安全に、かつ効果的に動作し、比較的安価な装置を提供する。
【0015】
また、本発明の特徴部分は、結果として生じる生成物中の不安定な状態の物質の存在を減少させる変換装置を提供する。
【0016】
さらに、本発明の特徴部分は、分離工程の間、残留炭素が堆積するのを減少させる変換装置を提供する。
【0017】
これら及び他の特徴部分は、固体と、液体と、気体との少なくとも1つの状態の成分の混合物を発生させるために、有機物を分解するための具体的な装置であって、ほぼ管状の壁を有し、前記有機物のための入口と前記混合物のための出口との間に配置された分解チャンバを具備し、このチャンバ内に、回転シャフトが、前記チャンバの壁に対する前記回転シャフトの回転を果すように設けられた回転駆動手段と連結して配置されており、前記回転の間、分解が、前記回転シャフトと前記分解チャンバの壁との間で、前記物質の摩擦剪断によって生じる装置によって果される。本発明に係る装置の主な特徴部分は、前記分解チャンバが、第1のセグメントと第2のセグメントとによって規定され、また、前記チャンバは、前記両セグメントの間に、前記入口及び出口から所定の方向に、前記第1のセグメントから前記第2のセグメントへの通路を有し、さらに、前記回転シャフトは、ギャップを規定している前記通路に面した部分を有し、また、前記ギャップを調節するための手段が設けられていることにある。
【0018】
特に、前記ギャップを調節するための手段は、前記回転シャフトと前記チャンバとの間の相対的な軸の移動を生じさせるための手段を有する。
【0019】
代わって、前記ギャップを調節するための手段は、特に、バルブ部分、展開部分等のような、移動可能な表面部分によって、前記回転シャフト又は前記チャンバの形状を変化させるための手段を有し、この手段は、前記通路と、前記通路に面した前記回転シャフトの所定の部分との少なくとも一方に配置されている。
【0020】
効果的には、前記第2のセグメントは、前記第1のセグメントよりも大きな直径を有する。特に、前記第2のセグメントの直径と第1のセグメントとの直径の比率は、2ないし4に設定されている。
【0021】
本発明の他の態様に係れば、固体と、液体と、気体との少なくとも1つの状態の成分の混合物を発生させるために、有機物を分解するための装置であって、ほぼ管状の壁を有し、前記有機物のための入口と前記混合物のための出口との間に配置された分解チャンバを具備し、このチャンバ内に、回転シャフトが、前記チャンバの壁に対する前記回転シャフトの回転を果すように設けられた回転駆動手段と連結して配置されており、前記回転の間、変換が、前記回転シャフトと前記分解チャンバの壁との間で、前記物質の摩擦によって生じる装置が設けられている。この装置の主な特徴部分は、前記分解チャンバが、第1のセグメントと第2のセグメントとによって規定され、また、前記チャンバは、前記両セグメントの間に、前記入口及び出口から所定の方向に、前記第1のセグメントから前記第2のセグメントへの通路を有し、さらに、前記第2のセグメントは、前記第1のセグメントの直径よりも大きな直径を有することにある。
【0022】
効果的には、前記通路は、ほぼ切頭円錐形状を有し、また、前記通路に面した前記回転シャフトの前記部分も、切頭円錐形状であり、この部分は、前記通路との係合度を調節するために移動可能に設けられている。切頭円錐形状に代わって、前記第1のセグメントから前記第2のセグメントへと直径を大きくした、複合的な又は曲線形状を有する形状が設けられても良い。
【0023】
特に、前記回転シャフトは、前記分解チャンバ内で前記スクリューシャフトを芯出しするためのほぼ径方向の複数の突出部を有する。また、これら突出部は、前記分解チャンバ内に存在する物質の混合を補助することができる。
【0024】
好ましくは、前記回転シャフトは、螺旋形状を有し、特に、前記回転シャフトは、スクリューシャフトである。この回転シャフトは、第1のスレッドを規定している第1の部分と、第2のスレッドを規定している第2の部分とを有し、これらスレッドは、互いに異なるピッチである。特に、前記第2のスレッドは、前記第1のスレッドよりも大きなピッチを有する。
【0025】
効果的には、前記回転シャフトの前記第2の部分は、前記第2のスレッドよりも小さなピッチを有する第3のスレッドを規定している。
【0026】
効果的には、双方向軸移動手段が、前記回転駆動手段の駆動シャフトに接続された少なくとも1つのボックスを有するように設けられている。このボックスには、少なくとも1つの継手が、前記スクリューシャフトの係合ヘッドと接続するように収容されている。特に、前記継手は、径方向側部ベアリングと中心スラストベアリングとに装着されている。また、この継手は、前記係合ヘッドに固定されるように接続された第1の端部と、駆動シャフトに摺動可能に接続された第2の端部とを有する。
【0027】
さらに、前記双方向軸移動手段は、前記分解チャンバ内の変換される物質の流れに対して、逆の軸方向へと、前記スクリューシャフトに作用するように設けられた複数のアクチュエータ、特に複数の水圧シリンダを有する。特に、前記複数のシリンダは、前記ボックスの一端側で塞がれたカラーの面に設けられた複数の円筒ハウジングに夫々収容されている。また、これらシリンダは、前記中心スラストベアリングに面したリングに作用するように設けられている。
【0028】
効果的には、前記複数の水圧シリンダは、複数のばねによって夫々付勢される単一動作タイプである。また、これら水圧シリンダは、前記カラーに形成された夫々のチャネルによって水圧を供給される。これら水圧シリンダの動作は、前記スクリューシャフトが、前記分解チャンバ内の変換される物質の流れの動作と逆となるような方向への移動を果すのに適している。代わって、前記物質の流れの動作は、前記スクリューシャフトの逆方向への移動を補助する。
【0029】
特に、前記複数の水圧シリンダは、前記分解チャンバ内の圧力のピーク値を減少させるように設けられた複数の水圧アキュムレータを夫々有する。さらに詳しくは、これら水圧アキュムレータは、複数の圧力制限バルブと夫々連結されており、分解チャンバ内の圧力が所定の圧力を超えたならば、チャンバ内の圧力及び温度を使用者にとって好ましいように調節するように、前記複数のバルブが、前記複数のアキュムレータを夫々開く。
【0030】
効果的には、前記入口へは、スクリューシャフト供給装置によって供給される。好ましくは、少なくとも2つのスクリューシャフトが、所望のレシピに従った異なる物質を調節するように、平行に設けられている。特に、前記1つ又は複数の供給装置の各々は、物質を装填するための少なくとも1つの上部サイクロンと、少なくとも1つの攪拌器を備えた少なくとも1つの混合及び収容チャンバと、前記分解チャンバ内に、実質的に酸素の存在なく、物質を圧縮して搬送するように設けられた少なくとも1つの第1の下方スクリューシャフトとを有する。
【0031】
効果的には、脱気装置が、ほぼ垂直方向の軸を備えた少なくとも1つの細長いほぼ管状のジャケットを有する前記出口と連結して設けられている。また、この脱気装置には、少なくとも2つの脱気スクリューシャフトが、回転アクチュエータと連結して回転可能に支持されており、さらに、前記スクリューシャフトは、変換される固体の状態の成分を下方に向かって、及び液体と気体との少なくとも一方の状態の成分を上方に向かって、搬送するように設けられている。
【0032】
さらに、前記脱気装置は、液体と気体との少なくとも一方の状態の成分から、固体の状態の成分を分離して取り出すための第2のスクリューシャフトを有する。この第2のスクリューシャフトは、垂直方向に対して所定の角度で配置された回転アクチュエータと連結している。また、この第2のスクリューシャフトは、上方排出口を有するほぼ管状の本体に回転可能に支持されており、脱気装置の下方排出口と連通している。前記ほぼ管状の本体及び第2のスクリューシャフトは、空気の逆流を回避するために、圧縮された固体の状態の成分で完全に満たされるのに適した長さを有する。
【0033】
効果的には、前記管状のジャケットは、上方に進む液体と気体との少なくとも一方の状態の成分と、下方に進む固体の状態の成分と、を補助するための加熱手段と連結されている。
【0034】
特に、前記脱気スクリューシャフトは、一方のスクリューシャフトのスレッドが、他方のスクリューシャフトのコアに近づくように、互いに所定の間隔で配置されており、また、前記スクリューシャフトは、ほぼ平らな部分を有し、回転の間、夫々のコアに物質が堆積するのを防ぐように、前記ほぼ平らな部分が、互いに擦られる。
【0035】
効果的には、前記脱気スクリューシャフトは、複数の鋭い部分と、前記複数のほぼ平らな部分とを交互に有するほぼ正方形の断面形状を有する。さらに詳しくは、一方のスクリューシャフトの前記鋭い部分は、前記ほぼ平らな部分に物質が堆積するのを防ぐように、互いに擦り合う動作を与えて、このスクリューシャフトの表面の実質的なクリーニングを確実にするために、他方のスクリューシャフトの前記ほぼ平らな部分に接離可能に移動する。
【0036】
特に、前記脱気スクリューシャフトは、互いに擦り合う動作を補助するために、夫々の回転軸を中心として異なる速度で回転する。
【0037】
効果的には、前記脱気スクリューシャフトには、混合物の装入口に近い部分の所で、複数のスレッドに代わって複数の突出部が設けられている。これら突出部は、一端側から他端側へと所定の搬送を得るように、ほぼ螺旋軌道に配置されており、混合物を攪拌し、液体及び気体の状態の生成物からの固体の状態の生成物の分離を補助する。
【0038】
前記複数の突出部に加えて、又は代わって、常にほぼ同じ結果を得るように、混合物の入口の所で前記脱気スクリューシャフトのスレッドを切断して設けられても良い。
【0039】
効果的には、前記脱気スクリューシャフトには、夫々下方端の所で、下方に向かって配置された円錐形を有するほぼ切頭円錐基部が設けられている。このような切頭円錐基部は、固体の状態の物質排出ゾーンの所で、空気の逆流を防ぐプラグが形成されるのを補助するように設けられている。前記脱気スクリューシャフトの連続回転による物質のプラグは、前記ジャケットに過度の固体の状態の物質が堆積するのを回避するように、徐々に分解される。
【0040】
さらに、前記脱気スクリューシャフトは、前記脱気装置の基部に向かって固体の状態の物質を降下させるのを補助するのに適した所定のピッチで離間された複数のスレッドを有しても良い。
【0041】
特に、前記脱気装置の上方排出口が、液体と気体との少なくとも一方の状態の成分を取り出すための吸引手段と連通することができる。特に、この吸収手段は、前記脱気装置に真空状態を与える。
【0042】
特に、前記脱気装置の前記装入口は、上方に進む液体と気体との少なくとも一方の状態の生成物と、下方に進む固体の状態の物質との両方に十分な自由空間を残すように、前記管状のジャケットのほぼ中央線に配置されている。
【0043】
本発明の特定の態様に係れば、前記脱気装置の上方排出口は、分離装置に接続されており、前記脱気装置から排出される低分子量の成分が、これよりも重い成分から分離される。
【0044】
好ましい実施の形態では、前記分解チャンバ内に形成され、代わって飽和されることが可能な物質の結合の飽和を補助するために、前記分解チャンバ内に前記低分子量の成分を再循環させるための搬送手段が、前記分離装置から出るように設けられている。このようにして、最終的な成分の全体の飽和率を高め、共通のエネルギ変換プロセスに合わせられる。言い換えれば、前記脱気装置から排出される液体/気体の状態の成分は、前記分解チャンバに再循環される前に、低分子量の成分からこれよりも重い成分を分離するために、例えば蒸発又は単なる凝縮によって、複数の分離工程を受けることができる。そして、後者が、前記分解チャンバへと再循環される。
【0045】
効果的には、前記分解チャンバは、剪断作用を最大にするために適切な壁の温度プロファイルを設定するように設けられた冷却手段と連結されている。
【0046】
特に、少なくとも1つの温度センサが、前記分解チャンバ内の温度を直ちに測定するために適切に設けられることができる。さらに詳しくは、1つ又は複数の温度センサの各々が、前記分解チャンバ内の温度に応答して前記ギャップを増減させるように、このギャップを調節するための手段に動作的に接続されている。
【0047】
本発明は、添付図面を参照して、限定的ではない例によって示される本発明の以下の好ましい実施の形態の説明によってより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、物質が右から左に向かって移動する、本発明に係る装置の分解チャンバの部分的な正面の断面図である。
【図2】図2は、図1の分解チャンバへの物質のスクリューシャフト供給装置の部分的な側面の断面図である。
【図3】図3は、図1の分解チャンバの通路の第1の詳細を示している。
【図4】図4は、物質が右から左に向かって移動する、図1の環状の線に係る装置の回転シャフトの変換システムを示している。
【図5】図5は、本発明に係る装置の脱気装置の部分的な正面断面図である。ここで、A並びにBは、夫々破線で示された面に係る脱気装置の部分的な断面図である。
【図6】図6は、物質が右から左に向かって移動し、供給装置、分解チャンバ及び脱気装置を有する、本発明の可能な実施の形態の全体図である。
【図7】図7は、図5の脱気装置の夫々軸の周りに回転可能に装着された脱気スクリューシャフトの断面の斜視側面図である。
【図8】図8は、図7の脱気スクリューシャフトのVII-VII線に係る部分的な断面図である。
【図9】図9は、いくつかの技術的な態様を強調して示した分解チャンバの部分的な概略的な断面図である。
【図10】図10は、互いに関連して移動する機能を強調して示した、図2並びに内部に収容された回転シャフトの分解チャンバの詳細を示している。
【図11】図11は、分解チャンバ及び図1の回転シャフトの好ましい実施の形態の部分的な断面図を示している。
【図12A】図12Aは、分解チャンバ及び図1の回転シャフトの好ましい実施の形態の部分的な断面図である。
【図12B】図12Bは、分解チャンバ及び図1の回転シャフトの好ましい実施の形態の部分的な断面図である。
【図13】図13は、再循環ダクトによって分解チャンバに接続された図5の脱気装置の側面の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
特に、図1を参照して、長鎖化学結合を有する有機物を、固体と、液体と、気体との少なくとも1つの状態の短鎖の成分の混合物に分解するための、本発明に係る変換装置が、参照符号1により全体的に示されている。
【0050】
さらに詳しくは、この変換プロセスは、所定の温度及び摩擦剪断値を生じるようにして、装置内に装填された物質の分子の、代表的にはC−Cである化学結合を切断するように適用される。
【0051】
この装置は、例えば燃料又は可燃性物質として使用される固体、液体及び気体の状態の成分を構成するために、プラントに複合的に組み込まれて設けられる。
【0052】
図1の分解装置は、圧力が補正されたほぼ管状の壁を有する少なくとも1つの分解チャンバ5を有する。分解チャンバ5は、基部フレーム部分B2に支持されている。また、この分解チャンバ5は、供給装置(図2)と連通している少なくとも1つの入口6と、脱気装置8(図5)に排出される変換された成分の混合物のための少なくとも1つの出口7とを有する。
【0053】
本発明の可能な好ましい実施の形態では、装置1は、実際には図6のブロック図に示される分解装置に装填されている。この装置1は、変換される物質のための少なくとも1つの装填口3と、前記入口6に入る物質のための少なくとも1つの排出口4と、を有する供給装置(図2)と、分解チャンバ5の前記出口7と連通している少なくとも1つの装入口9を有する脱気装置8(図5)との間に配置されている。
【0054】
スクリューシャフト供給装置2(図2)が、基部フレームB1によって保持されている。この装置は、上部の装填口3を有し、物質を装填するための少なくとも1つの上方サイクロン12と、少なくとも1つの攪拌器14を備えた少なくとも1つの混合及び収容チャンバ13と、圧縮された物質の前記排出口4を規定し、管状のハウジング15a内で閉じた第1の下方スクリューシャフト15とを有する。この第1の下方スクリューシャフト15は、図1の分解チャンバ5に対して横方向に配置され、前記入口6と連通している。物質は、十分な酸素の存在中で、分解チャンバ5に入るように、このスクリューシャフトによって圧縮される。
【0055】
前記攪拌器14は、混合チャンバ13の底部で回転可能に支持されており、また、第1の回転アクチュエータ16と連結されている。さらに、前記第1の下方スクリューシャフト15は、第2の回転アクチュエータ17と連結されている。
【0056】
前記混合チャンバ13は、側面検査戸18を有する。一方、混合チャンバ13は、混合チャンバの底部の所で、変換される物質を前記第1の下方スクリューシャフト15の管状のハウジング15aへと搬送するためのチャネル19と連通している。
【0057】
図2並びに図6には1つの供給装置2のみが示されているが、効果的には、少なくとも2つのスクリューシャフト供給装置が、所望のレシピに従った異なる物質を調節するように、互いに平行に設けられることができる。
【0058】
再び図1を参照して、前記分解チャンバ5は、少なくとも1つの第1の管状セグメント20と、少なくとも1つの第2の管状セグメント21とによって規定されている。前記第1の管状セグメント20は、入口6と連結されており、また、前記第2の管状セグメント21は、変換される物質のための少なくとも1つの出口7を有し、第1の管状セグメント20と同軸で、これより大きな直径を有する。第1の管状セグメント20は、好ましくは、フランジによって互いに接続された2つの部分に分割される。
【0059】
本発明に係る管状の変換チャンバ5は、中間部分22、即ちほぼ切頭円錐形の通路を有する。この中間部分22は、前記第1の管状セグメント20と第2の管状セグメント21との間に配置されており、軸方向の複数のボルトによって互いに接続されている。
【0060】
この装置は、23として示される螺旋形状を備えた少なくとも1つの回転体を有する。この回転体は、特に、回転可能なスクリューシャフトであり、例えばモータである回転駆動手段24と連結され、管状の変換チャンバ5に同軸的に支持されている。この回転駆動手段は、回転シャフト23が、特に400〜3000rpmに、好ましくは800〜2000rpmに設定された所望の速度で回転を果すように設けられている。この回転は、分解チャンバ5の内面に対する摩擦剪断による機械的作用と、摩擦により発生される熱とによって、有機物の変換を果す。分解チャンバの内面を一掃する回転シャフトの線速度は、適切なパラメータである。
【0061】
スクリューシャフト23は、前記第1の管状セグメント20に装填された第1の部分25と、前記第2の管状セグメント21に装填され、第1の部分より大きな直径の第2の部分26とを有する。この第2の部分26は、第2の部分の円筒面で比較的速い線速度を得るために、第1の部分25よりも大きな直径を有する。この事実により、物質は、スクリューシャフト23の第2の部分26に沿って、部分的に分解される。言い換えれば、物質は、比較的低い粘性を有しており、比較的高い摩擦が、所望の生産率で完全な分解を生じさせる条件(剪断応力、温度)を与えるために必要である(そして、比較的高い抵抗も必要である)。当然、第2の部分26の直径が大きければ、非常に低い粘性でさえも、物質を分解する機能が高くなる。
【0062】
さらに、スクリューシャフト23は、ほぼ切頭円錐形状であり、前記第1の部分25と第2の部分26との間に位置された中間部分27を有する。この中間部分27は、物質に前記第1の管状セグメント20から第2の管状セグメント21を通る経路を与えることによって、ギャップS(図3)を規定するように、分解チャンバ5の中間部分22に位置されている。
【0063】
本発明に係るこのようなギャップSは、効果的には、前記第1の管状セグメント20から第2の管状セグメント21へと、変換される物質が移動する間、十分に正確な圧力勾配で調節するために適切なようにして、従って、同じ物質の粘性の違いを補正することによって、所望の変換条件を果すように、特定の生成物の必要性に応じて使用者により選択されるような調節可能な幅を有する。さらに、ギャップSが変化するのに従って、物質の特定の化学物理的特性にも依存して、代わって最適な生成率を果すように、第1の管状セグメント20内の物質の滞在時間も変化する。
【0064】
言い換えれば、ギャップSの幅を連続的に変化させることによって、チャンバ5の第1の管状セグメント20内の圧力の値を所望のように増減させることが可能である(図10)。高められた圧力は、横断面S(S1)を狭くすることによって得られる。さらに詳しくは、変換される物質が比較的低い粘性を有するならば、たとえ高い回転数であっても、混合スクリューシャフト23は、化学結合の切断の動作条件を分解チャンバ5に与えることができないことが望ましい。代わって、変換される物質が比較的高い粘性を有するならば、圧力の減少が必要とされる。この場合、横断面は、S2>S1である(図11参照)幅の値S1を値S2へと増加させ、この結果、混合スクリューシャフト23は、所望の速度で、代表的にはC−Cの結合を切断することが可能な比較的高い温度を分解チャンバ5内に与えることができる。
【0065】
特に、これは、部分的に分解された後にも適切な粘性を保つゴムのように、かなり異なる粘性値を有する物質を処理する際に好ましいことが実験的に明らかになってきているので、効果的である。一方、一般的に、プラスチック、特定の変換温度を有するポリマに基づくプラススチック材料は、特に、分解が進行するのに従って、すぐに粘性を失う。それ故、これは、チャンバ5に生じる化学結合の分解反応での温度を制御することによって、分解チャンバ5内の動作条件を正確に調節することに関連している。これは、一般的な木材、油や脂肪、合成アミン、皮革産業や食肉産業からの廃棄物、肉や骨粉のように、様々な種類のバイオマスのような、また、合成繊維のような、非塑性有機物に対してさらに効果的である。
【0066】
前記スクリューシャフト23の中間部分27及び分解チャンバ5の中間部分22は、好ましくは、例えば炭化タングステンの高い表面硬度を有する物質でできている。これは、非常に堅い物体が偶発的にギャップS内を通ったとしても、損失の危険性を低減する。
【0067】
代わって、図12A並びに図12Bに示されるように、スクリューシャフト23の両部分25、26の直径が、分解チャンバ5の中間部分22の上流及び下流で変化することなく、ギャップSの変化が得られることもできる。
【0068】
分解チャンバ5には、このチャンバ5の壁をほぼ一定の標準的な低温に保つように設けられた冷却手段75(図9)が設けられることができる。特に、物質がチャンバ5を通って搬送され、分解が進行するのに従って、温度は、チャンバ5内と同じ温度に増加する。これは、物質に対する壁の摩擦を、さらに、回転シャフト23の回転によって生じる剪断効果の効率を著しく減少させる。代わって、冷却手段75によって得られるチャンバ5の壁の動作温度の制御は、剪断応力の形態で、物質のエネルギの変換を最大にする全ての長さに対して、物質に分解チャンバ5の壁の高い切断動作を果す。
【0069】
可能な好ましい実施の形態では、前記回転シャフト23には、第1の部分25(図3)の一端側で物質の混合を高めるのと同様に、分解チャンバ5内でスクリューシャフト23の芯出しを補助するように設けられたほぼ径方向の複数の突出部28が設けられている。
【0070】
再び図1に示されるように、前記スクリューシャフト23の第1の部分25は、第1の長さに対して延びた第1のスレッド29と、第2の長さに対して延びた第2のスレッド30とを規定している。これらスレッドは、異なるピッチである。スクリューシャフト23の第2の部分26は、第1のスレッド29よりも小さいピッチの第3のスレッド31と、第2のスレッド30とを規定している。しかし、第1のスレッド29、第2のスレッド30、並びに第3のスレッド31のピッチを変化させることによって、特に生成物の必要性や装置に供給する物質の種類に応じて、異なる結果を導くことができる。
【0071】
連続状態の調節、及び前記第1の管状セグメント20と第2の管状セグメント21との間にあるギャップSの幅の調節は、使用者によって好ましいように果され、図4に詳細に示される分解チャンバ5のスクリューシャフト23に作用する図1並びに図6にTとして示された双方向移動手段によって補助される。双方向軸移動手段Tは、ギヤモータ24の駆動シャフト33に接続されたボックス32を有する。このボックスには、継手34が、スクリューシャフト23の係合ヘッド35と接続するように収容されている。さらに詳しくは、径方向側部ベアリング34aと中心スラストベアリング34bとに装着された継手34が、スクリューシャフト23の係合ヘッド35に固定されるように接続された第1の端部36と、例えばスプライン接合によって、駆動シャフト33に摺動可能に接続された第2の端部37とを有する。
【0072】
前記双方向軸移動手段Tは、好ましくは、分解チャンバ5内の変換される物質の流れに対して、逆の軸方向へと、スクリューシャフト23に作用するように設けられた複数のアクチュエータ、特に複数の水圧シリンダ38を有する。これらシリンダ38は、ボックス32の一端側で塞がれたカラー40の面に設けられた複数の円筒ハウジング39に夫々収容されており、中心スラストベアリング34bに面したリング41に作用する。前記複数のシリンダ38は、複数のばね42によって夫々付勢される単一動作タイプであり、カラー40に形成された夫々のチャネルによって水圧を供給される。
【0073】
それ故、複数のシリンダ38の動作は、上述のように、スクリューシャフト23が、分解チャンバ5内の変換される物質の流れの動作と逆となるような方向への移動を果す。代わって、物質の流れの動作が、スクリューシャフト23の逆方向への移動を補助する。従って、機械的な動きを与える必要なく、所望の幅のギャップSを与えるように制御する。
【0074】
上述のスクリューシャフト23の軸方向の移動に対する複数の水圧シリンダには、機械的部分に与えられ得る衝撃を回避するために、分解チャンバ5内の圧力のピーク値を減少させるように設けられた複数の水圧アキュムレータが、夫々効果的に設けられている。このような水圧アキュムレータは、複数の圧力限界バルブと夫々連結されることができ、分解チャンバ内の圧力が所定の圧力を超えたならば、これらアキュムレータが開く。
【0075】
特に、所望の動作条件が分解チャンバ5に不変に留まることを確実にするために、ギャップSからの所定の距離dで(図3)チャンバ5の壁に形成されるハウジング71に配置されているような、少なくとも1つの温度センサ70によって、この分解チャンバの温度を直ちに監視することが可能である。前記温度センサ70は、回転シャフト23の軸方向に対する手段Tに動作可能に接続されている。さらに詳しくは、分解チャンバ5内の所定の温度T*が過度であるならば、軸方向移動のための手段Tは、回転シャフト23を移動させるために動作され、それ故、ギャップSを大きくする。このようにして、ギャップSの一端側で処理される物質の滞在時間、そしてチャンバ5の対応するセグメント内の温度が与えられる。
【0076】
図5を参照して、脱気装置8は、基部フレームB3に装着されており、垂直方向に配置された軸を有する細長いほぼ管状のジャケット44を有する。また、この脱気装置には、2つの脱気スクリューシャフト45、46が、回転アクチュエータ47と連結した夫々のベアリングに回転可能に支持されており、また、これらスクリューシャフトは、夫々のスレッドの所で互いに噛合している。2つの脱気スクリューシャフト45、46は、変換された固体の状態の成分が、下方排出口10を介して排出されるように、固体の状態の成分を下方に向かって搬送するため、並びに、液体と気体との少なくとも一方の状態の成分が上方排出口11を介して排出されるように、前記成分を上方に向かって搬送するため、の両方のために、適切に設けられている。
【0077】
前記回転駆動手段47は、2つの脱気スクリューシャフト45、46の一方の軸に装着されたジャケット44の上部に配置されたギヤモータ48を有する。また、回転駆動手段47は、動きの変換を果すように、互いに噛合した両脱気スクリューシャフト45、46に合わせられた2つのギヤ49、50を有する。複数のシーリング部材が、両脱気スクリューシャフト45、46の上端51の所で、ジャケット44への空気の入口を回避するように適切に設けられている。
【0078】
さらに詳しくは、図5に示されるように、下方排出口10は、ジャケット44の基部に設けられている。また、装入口9が、同じジャケットのほぼ中央線の所に配置されている。一方、上方排出口は、上方に進む液体と気体との少なくとも一方の状態の成分と、下方に進む固体の状態の物質との両方に十分な空間を残すように、両脱気スクリューシャフト45、46のほぼ上端51の所に設けられている。特に、両スクリューシャフト45、46は、螺旋形状を有し、固体の状態の物質を下方に向かって押圧するように回転する。前記装入口9の上方の部分では、固体の状態の物質が、気体の状態の成分又は液体/蒸気の状態の成分によって取り出され得るが、螺旋形状及び両スクリューシャフト45、46の回転の相対速度が、これらを下方に向かって押圧する。このようにして、両スクリューシャフト45、46の螺旋形状によって、一方の螺旋形状の面に付着し得る残留物が、他方の螺旋形状の面によって擦られることができる。
【0079】
効果的には、両脱気スクリューシャフト45、46は、実質的に脱気装置8の装入口9の所で、夫々所定の長さだけ延びた突出部52、53を有し、これら突出部は、スクリューシャフトのスレッドの代わりとなる、即ちほぼ螺旋軌道に配置される。これは、脱気装置の壁をクリーンに保つようにして、混合を高め、かつ液体及び気体の状態の成分から固体の状態の物質を分離するのを補助するように、一方の側から他方の側へと物質の所定の漏出が得られることを可能にする。さもなければ、脱気装置の壁は、異なる2つの状態から分離された炭素の堆積によって塞がれてしまうであろう。
【0080】
代わって、突出部52、53は、ほぼ同様の結果が得られるように、装入口9の所で両脱気スクリューシャフトのスレッドを切断して設けられても良い。
【0081】
さらに、両脱気スクリューシャフト45、46には、夫々下方端の所で、下方に向かって配置された円錐形状を有するほぼ切頭円錐基部54、55が設けられている。このような切頭円錐基部54、55は、固体の状態の物質排出ゾーンの所で、脱気装置8内に所定の濃度で爆発性混合物を形成する可能性がある空気の逆流を防ぐプラグが形成されるのを補助する。特に、脱気スクリューシャフト45、46の連続回転により形成される物質のプラグは、ジャケット44内に過度の物質が堆積するのを回避するように、徐々に分解される。
【0082】
脱気装置8の管状のジャケット44は、上方に進む液体と気体との少なくとも一方の状態の成分と、下方に進む固体の状態の成分とを補助するように、加熱手段56と連結されている。
【0083】
再び図5を参照して、脱気装置8は、好ましくは、垂直方向に対して所定の角度で配置された夫々の回転アクチュエータ58と連結され、液体と気体との少なくとも一方の状態の成分から固体を分離して排出するための第2のスクリューシャフト57を有する。この第2のスクリューシャフト57は、ほぼ管状の本体59を、気密に、回転可能に支持している。また、第2のスクリューシャフト57は、関節結合アーム59aによって所定の角度で保持されている。さらに、第2のスクリューシャフト57は、下方排出口10と連通しており、上方排出口60を有する。ほぼ管状の本体59と第2のスクリューシャフト57とは、固体の状態の成分で完全に満たされることにより、空気の逆流を防ぐのに適した長さを有する。
【0084】
脱気装置8の上方排出口11は、好ましくは、図示されていないが、通常の形式では必要不可欠な、液体と気体との少なくとも一方の状態の成分の吸引手段と連通して配置されている。
【0085】
本発明の好ましい実施の形態では、図13に示されるように、この接続には、ダクト100が、脱気装置8の上方排出口11の所で分離装置101に接続するために設けられることができる。この分離装置101によって、比較的軽いフラクションの一部が、ダクト102及び好ましい圧縮装置103によって、分解チャンバ5に効果的に再循環されることができる。これは、分解反応が進行するのに従って、分解チャンバ5に形成する傾向にある不飽和結合が飽和するのを補助することができる。分離装置101から出た他のフラクションは、下流に設けられた収容/搬送システムに達する。
【0086】
図5の脱気装置の効果的な好ましい実施の形態では、対回転脱気スクリューシャフト45、46(図7)が、スクリューシャフトのほぼ平らな部分をクリーンにすることを確実する擦り合い作用を得て、複数のコアへの物質の堆積を制限するために、一方のスクリューシャフトのスレッド45’’が、ほぼ平らな部分45’の所で、他方のスクリューシャフトのコアに接離可能なように、互いに所定の間隔で配置されている。
【0087】
互いのクリーニング動作を補助するために、上述の両脱気スクリューシャフト45、46は、ほぼ正方形の横断面を有するように設けられることができ、また、鋭い部分45’、46’と交互に、ほぼ平らな部分45’’、46’’が設けられることができる。特に、両脱気スクリューシャフト45、46は、回転の間、上述の擦り合いクリーニング動作(図8)を果すために、一方のスクリューシャフトの鋭い部分45’が、他方のスクリューシャフトのほぼ平らな部分45’’に非常に近づくように移動する。
【0088】
本発明に係る装置の動作が、以下に説明される。変換される物質は、サイクロン12から混合チャンバ13に入り、スクリューシャフト供給装置2に装填される。そして、まず、攪拌器14によって混合される。物質は、混合チャンバ13から管状ハウジング15aに入り、気密状態の下で、第1の下方スクリューシャフト15により圧縮される。
【0089】
供給装置2は、第1の下方スクリューシャフト15によって、分解チャンバ5に物質を供給する。ここで、物質は、分解スクリューシャフト23による高速混合動作を受ける。そして、変換温度が所望の値に達するように、ギャップSの存在が、特に第1の管状部分20の摩擦を調節する。物質は、第1の管状部分20から、ギャップSを通って、第2の管状部分21へと進み、ここで変換が完了される。そして、物質が、脱気装置8へと送られる。この脱気装置は、適切な温度値や真空状態を組み合わせて、両脱気スクリューシャフト45、46の助けと共に、液体及び気体の状態の物質と固体の状態の物質とを分離する。ここで、固体の状態の物質は、下方に進み、第2のスクリューシャフト57によって排出される。また、液体及び気体の状態の物質は、ジャケット44を通って上方に進む。両脱気スクリューシャフト45、46は、自浄性であるので、脱気装置8は、固体の状態の物質の堆積の現象を受けない。
【0090】
このようにして、本発明は、上述のような所望の目的を果す。
【0091】
この装置は、圧力と、分解チャンバ内の滞在時間と、温度との少なくとも1つと、摩擦剪断値とを調節することが可能であることによって、同じ物質の特性(特に、溶融した物質の粘性)から独立して、長鎖の物質を短鎖の物質に変換する最適な変換温度の正確な制御を果す。
【0092】
上述の特定の実施の形態の説明は、概念的な見地に従って本発明の概略を十分に明らかにしたものである。最新の知識を加えることによって、第三者は、さらなる調査を行うことなく、また、本発明から逸脱することなく、本実施の形態のような様々な適用装置に修正したり適用したりすることができるであろう。それ故、このような修正や適用は、所定の実施の形態に相当すると考えられるべきであろうことが理解されるであろう。上述の異なる機能を実現させるための手段や物質は、このような理由から、本発明の範囲から逸脱することなく、異なる特性を有することができる。さらに、ここで使用される学術用語又は専門用語は、説明を目的としており、限定的ではないことが理解されなければならない。
【技術分野】
【0001】
本発明は、固体、液体、気体の状態の成分の混合物を生じる分解プロセスによって、固体の状態の長鎖有機物を変換するための装置に関する。特に、固体の状態の物質の分子鎖が、固体や液体の状態の成分の混合物へと変換される。分解を受ける長鎖有機物の中には、リグニン、一般的な木材、油や脂肪、アミン、皮革産業や食肉産業からの廃棄物、肉や骨粉のように、様々な種類のバイオマスのような天然物質、並びに、例えばタイヤに使用されるゴムのような、主としてポリマ、あらゆる種類のプラスチック、合成繊維のような合成物質がある。
【背景技術】
【0002】
よく知られているように、長鎖化学結合を含む固体の状態の有機物を変換するのに適した様々な装置が存在する。このような装置は、標準的には、外部熱源によって加熱されて、適切な温度プロファイルを得た各円筒チャンバ内で回転するように動作されるスクリューシャフトのような回転体を有する。一般的に、回転体は、多くの物質の搬送を補助する役割を容易に果す。いくつかの場合には、スクリューシャフトの回転は、物質を高速で連続的に混合することによって、チャンバの内壁に対して大きな摩擦を与える。外部から供給され、かつチャンバの壁によって交換された熱に加えて、この摩擦が、さらなる熱を与える。全体の熱は、長鎖の物質を、代表的には炭化水素及び炭化水素誘導体である固体、液体及び気体の状態の短鎖の物質の混合物へと、所望の変換、いわゆる分解("cracking”)を生じさせることができる。このような円筒チャンバは、混合物収集装置の所で終端しており、固体を分離する役割も果す。また、円筒チャンバは、他のプロセスのために元に戻される、即ち、例えば燃料又は可燃性物質として再利用され得る物質である液体及び気体から、他の方法で再循環されることができる。
【0003】
それ故、既知の装置では、分解は、表面を加熱して熱エネルギを供給することによって、主に果される。この熱エネルギは、非常に大きく、回転体によって生じる摩擦熱とは異なり、エネルギ平衡及び実際の利便性に関して、結果として生じる効果が低い。さらに、標準的には、分解反応は、触媒を使用して活性化される。
【0004】
従来技術の装置は、いくつかの大きな欠点を有する。
【0005】
第1に、円筒チャンバ内で得られる温度の制御及び調節が、困難である。これは、重大な問題である。なぜならば、上述の物質の変換は、所定の温度で果されることが好ましいからである。さらに詳しくは、装置内に装填される長鎖の物質の特徴部分における重要な違いが、チャンバ内の高い温度差によって生じる可能性がある。言い換えれば、同じ装置に異なる物質を装填したとき、剪断応力及び温度プロファイル、さらに、果され得る変換の特性に関して、異なる結果が得られる。
【0006】
第2に、混合物を収集かつ分離するために現在使用されている装置は、液体及び気体の状態の生成物から固体を効果的に分離することができない。なぜならば、固体の状態の成分が、互いに集まり、堆積する傾向にあり、分子量の小さい成分の自由な流出口や排出口を好ましくなく塞いでしまうからである。
【0007】
第3に、従来技術の装置は、分解チャンバ内に固体のばら材料(loose material)を装填したとき、空気の入口を妨げることなく、完全な酸化現象を生じる。特に、特定の種類の物質に関して、このような酸化現象は、分解反応に匹敵し、質の低い生成物をもたらす可能性がある。
【0008】
第4に、所望の比率に従って分解される異なる種類の物質を同時に装填及び処理することは、既知の装置では果されていない。
【0009】
さらなる問題は、固体、液体又は気体の状態の物質の混合物中に、好ましくない重合を導き得る二重結合を含む物質のような不安定な状態の物質が存在することである。
【0010】
最後に、液体及び気体の状態の物質から固体を分離することは、ダクトを塞いだり、分離を補助する可動部分を塞いだりし得る残留炭素の問題を含む可能性がある。
【発明の概要】
【0011】
本発明の特徴部分は、代表的には炭化水素及び炭化水素誘導体である長鎖化学結合を有する有機物を、固体と、液体と、気体との少なくとも1つの状態の成分の混合物に変換するための装置を提供する。この装置は、変換工程の間、物質の特性、特に粘性に拠らずに所望の特性の成分を得るために、このような物質の変換条件を正確かつ効果的に制御するための装置である。
【0012】
また、本発明の特徴部分は、物質の好ましくない堆積がなく、液体及び気体の状態の成分から、結果として生じる固体の状態の成分を効果的に分離するために、長鎖化学結合を含む有機物を、固体と、液体と、気体との少なくとも1つの状態の短鎖の成分の混合物に変換するための装置を提供する。このようにして生じた固体の状態の成分は、通常の廃棄エネルギシステムよりも好ましい生産量で、特定のプラントで独立して活用されることができる。
【0013】
本発明の他の特徴部分は、空気を供給することのない変換装置と、処理される物質の異なる比率を考慮した以下の所定のレシピとを提供する。
【0014】
本発明のさらなる特徴部分は、構造上簡単であり、比較的容易に、安全に、かつ効果的に動作し、比較的安価な装置を提供する。
【0015】
また、本発明の特徴部分は、結果として生じる生成物中の不安定な状態の物質の存在を減少させる変換装置を提供する。
【0016】
さらに、本発明の特徴部分は、分離工程の間、残留炭素が堆積するのを減少させる変換装置を提供する。
【0017】
これら及び他の特徴部分は、固体と、液体と、気体との少なくとも1つの状態の成分の混合物を発生させるために、有機物を分解するための具体的な装置であって、ほぼ管状の壁を有し、前記有機物のための入口と前記混合物のための出口との間に配置された分解チャンバを具備し、このチャンバ内に、回転シャフトが、前記チャンバの壁に対する前記回転シャフトの回転を果すように設けられた回転駆動手段と連結して配置されており、前記回転の間、分解が、前記回転シャフトと前記分解チャンバの壁との間で、前記物質の摩擦剪断によって生じる装置によって果される。本発明に係る装置の主な特徴部分は、前記分解チャンバが、第1のセグメントと第2のセグメントとによって規定され、また、前記チャンバは、前記両セグメントの間に、前記入口及び出口から所定の方向に、前記第1のセグメントから前記第2のセグメントへの通路を有し、さらに、前記回転シャフトは、ギャップを規定している前記通路に面した部分を有し、また、前記ギャップを調節するための手段が設けられていることにある。
【0018】
特に、前記ギャップを調節するための手段は、前記回転シャフトと前記チャンバとの間の相対的な軸の移動を生じさせるための手段を有する。
【0019】
代わって、前記ギャップを調節するための手段は、特に、バルブ部分、展開部分等のような、移動可能な表面部分によって、前記回転シャフト又は前記チャンバの形状を変化させるための手段を有し、この手段は、前記通路と、前記通路に面した前記回転シャフトの所定の部分との少なくとも一方に配置されている。
【0020】
効果的には、前記第2のセグメントは、前記第1のセグメントよりも大きな直径を有する。特に、前記第2のセグメントの直径と第1のセグメントとの直径の比率は、2ないし4に設定されている。
【0021】
本発明の他の態様に係れば、固体と、液体と、気体との少なくとも1つの状態の成分の混合物を発生させるために、有機物を分解するための装置であって、ほぼ管状の壁を有し、前記有機物のための入口と前記混合物のための出口との間に配置された分解チャンバを具備し、このチャンバ内に、回転シャフトが、前記チャンバの壁に対する前記回転シャフトの回転を果すように設けられた回転駆動手段と連結して配置されており、前記回転の間、変換が、前記回転シャフトと前記分解チャンバの壁との間で、前記物質の摩擦によって生じる装置が設けられている。この装置の主な特徴部分は、前記分解チャンバが、第1のセグメントと第2のセグメントとによって規定され、また、前記チャンバは、前記両セグメントの間に、前記入口及び出口から所定の方向に、前記第1のセグメントから前記第2のセグメントへの通路を有し、さらに、前記第2のセグメントは、前記第1のセグメントの直径よりも大きな直径を有することにある。
【0022】
効果的には、前記通路は、ほぼ切頭円錐形状を有し、また、前記通路に面した前記回転シャフトの前記部分も、切頭円錐形状であり、この部分は、前記通路との係合度を調節するために移動可能に設けられている。切頭円錐形状に代わって、前記第1のセグメントから前記第2のセグメントへと直径を大きくした、複合的な又は曲線形状を有する形状が設けられても良い。
【0023】
特に、前記回転シャフトは、前記分解チャンバ内で前記スクリューシャフトを芯出しするためのほぼ径方向の複数の突出部を有する。また、これら突出部は、前記分解チャンバ内に存在する物質の混合を補助することができる。
【0024】
好ましくは、前記回転シャフトは、螺旋形状を有し、特に、前記回転シャフトは、スクリューシャフトである。この回転シャフトは、第1のスレッドを規定している第1の部分と、第2のスレッドを規定している第2の部分とを有し、これらスレッドは、互いに異なるピッチである。特に、前記第2のスレッドは、前記第1のスレッドよりも大きなピッチを有する。
【0025】
効果的には、前記回転シャフトの前記第2の部分は、前記第2のスレッドよりも小さなピッチを有する第3のスレッドを規定している。
【0026】
効果的には、双方向軸移動手段が、前記回転駆動手段の駆動シャフトに接続された少なくとも1つのボックスを有するように設けられている。このボックスには、少なくとも1つの継手が、前記スクリューシャフトの係合ヘッドと接続するように収容されている。特に、前記継手は、径方向側部ベアリングと中心スラストベアリングとに装着されている。また、この継手は、前記係合ヘッドに固定されるように接続された第1の端部と、駆動シャフトに摺動可能に接続された第2の端部とを有する。
【0027】
さらに、前記双方向軸移動手段は、前記分解チャンバ内の変換される物質の流れに対して、逆の軸方向へと、前記スクリューシャフトに作用するように設けられた複数のアクチュエータ、特に複数の水圧シリンダを有する。特に、前記複数のシリンダは、前記ボックスの一端側で塞がれたカラーの面に設けられた複数の円筒ハウジングに夫々収容されている。また、これらシリンダは、前記中心スラストベアリングに面したリングに作用するように設けられている。
【0028】
効果的には、前記複数の水圧シリンダは、複数のばねによって夫々付勢される単一動作タイプである。また、これら水圧シリンダは、前記カラーに形成された夫々のチャネルによって水圧を供給される。これら水圧シリンダの動作は、前記スクリューシャフトが、前記分解チャンバ内の変換される物質の流れの動作と逆となるような方向への移動を果すのに適している。代わって、前記物質の流れの動作は、前記スクリューシャフトの逆方向への移動を補助する。
【0029】
特に、前記複数の水圧シリンダは、前記分解チャンバ内の圧力のピーク値を減少させるように設けられた複数の水圧アキュムレータを夫々有する。さらに詳しくは、これら水圧アキュムレータは、複数の圧力制限バルブと夫々連結されており、分解チャンバ内の圧力が所定の圧力を超えたならば、チャンバ内の圧力及び温度を使用者にとって好ましいように調節するように、前記複数のバルブが、前記複数のアキュムレータを夫々開く。
【0030】
効果的には、前記入口へは、スクリューシャフト供給装置によって供給される。好ましくは、少なくとも2つのスクリューシャフトが、所望のレシピに従った異なる物質を調節するように、平行に設けられている。特に、前記1つ又は複数の供給装置の各々は、物質を装填するための少なくとも1つの上部サイクロンと、少なくとも1つの攪拌器を備えた少なくとも1つの混合及び収容チャンバと、前記分解チャンバ内に、実質的に酸素の存在なく、物質を圧縮して搬送するように設けられた少なくとも1つの第1の下方スクリューシャフトとを有する。
【0031】
効果的には、脱気装置が、ほぼ垂直方向の軸を備えた少なくとも1つの細長いほぼ管状のジャケットを有する前記出口と連結して設けられている。また、この脱気装置には、少なくとも2つの脱気スクリューシャフトが、回転アクチュエータと連結して回転可能に支持されており、さらに、前記スクリューシャフトは、変換される固体の状態の成分を下方に向かって、及び液体と気体との少なくとも一方の状態の成分を上方に向かって、搬送するように設けられている。
【0032】
さらに、前記脱気装置は、液体と気体との少なくとも一方の状態の成分から、固体の状態の成分を分離して取り出すための第2のスクリューシャフトを有する。この第2のスクリューシャフトは、垂直方向に対して所定の角度で配置された回転アクチュエータと連結している。また、この第2のスクリューシャフトは、上方排出口を有するほぼ管状の本体に回転可能に支持されており、脱気装置の下方排出口と連通している。前記ほぼ管状の本体及び第2のスクリューシャフトは、空気の逆流を回避するために、圧縮された固体の状態の成分で完全に満たされるのに適した長さを有する。
【0033】
効果的には、前記管状のジャケットは、上方に進む液体と気体との少なくとも一方の状態の成分と、下方に進む固体の状態の成分と、を補助するための加熱手段と連結されている。
【0034】
特に、前記脱気スクリューシャフトは、一方のスクリューシャフトのスレッドが、他方のスクリューシャフトのコアに近づくように、互いに所定の間隔で配置されており、また、前記スクリューシャフトは、ほぼ平らな部分を有し、回転の間、夫々のコアに物質が堆積するのを防ぐように、前記ほぼ平らな部分が、互いに擦られる。
【0035】
効果的には、前記脱気スクリューシャフトは、複数の鋭い部分と、前記複数のほぼ平らな部分とを交互に有するほぼ正方形の断面形状を有する。さらに詳しくは、一方のスクリューシャフトの前記鋭い部分は、前記ほぼ平らな部分に物質が堆積するのを防ぐように、互いに擦り合う動作を与えて、このスクリューシャフトの表面の実質的なクリーニングを確実にするために、他方のスクリューシャフトの前記ほぼ平らな部分に接離可能に移動する。
【0036】
特に、前記脱気スクリューシャフトは、互いに擦り合う動作を補助するために、夫々の回転軸を中心として異なる速度で回転する。
【0037】
効果的には、前記脱気スクリューシャフトには、混合物の装入口に近い部分の所で、複数のスレッドに代わって複数の突出部が設けられている。これら突出部は、一端側から他端側へと所定の搬送を得るように、ほぼ螺旋軌道に配置されており、混合物を攪拌し、液体及び気体の状態の生成物からの固体の状態の生成物の分離を補助する。
【0038】
前記複数の突出部に加えて、又は代わって、常にほぼ同じ結果を得るように、混合物の入口の所で前記脱気スクリューシャフトのスレッドを切断して設けられても良い。
【0039】
効果的には、前記脱気スクリューシャフトには、夫々下方端の所で、下方に向かって配置された円錐形を有するほぼ切頭円錐基部が設けられている。このような切頭円錐基部は、固体の状態の物質排出ゾーンの所で、空気の逆流を防ぐプラグが形成されるのを補助するように設けられている。前記脱気スクリューシャフトの連続回転による物質のプラグは、前記ジャケットに過度の固体の状態の物質が堆積するのを回避するように、徐々に分解される。
【0040】
さらに、前記脱気スクリューシャフトは、前記脱気装置の基部に向かって固体の状態の物質を降下させるのを補助するのに適した所定のピッチで離間された複数のスレッドを有しても良い。
【0041】
特に、前記脱気装置の上方排出口が、液体と気体との少なくとも一方の状態の成分を取り出すための吸引手段と連通することができる。特に、この吸収手段は、前記脱気装置に真空状態を与える。
【0042】
特に、前記脱気装置の前記装入口は、上方に進む液体と気体との少なくとも一方の状態の生成物と、下方に進む固体の状態の物質との両方に十分な自由空間を残すように、前記管状のジャケットのほぼ中央線に配置されている。
【0043】
本発明の特定の態様に係れば、前記脱気装置の上方排出口は、分離装置に接続されており、前記脱気装置から排出される低分子量の成分が、これよりも重い成分から分離される。
【0044】
好ましい実施の形態では、前記分解チャンバ内に形成され、代わって飽和されることが可能な物質の結合の飽和を補助するために、前記分解チャンバ内に前記低分子量の成分を再循環させるための搬送手段が、前記分離装置から出るように設けられている。このようにして、最終的な成分の全体の飽和率を高め、共通のエネルギ変換プロセスに合わせられる。言い換えれば、前記脱気装置から排出される液体/気体の状態の成分は、前記分解チャンバに再循環される前に、低分子量の成分からこれよりも重い成分を分離するために、例えば蒸発又は単なる凝縮によって、複数の分離工程を受けることができる。そして、後者が、前記分解チャンバへと再循環される。
【0045】
効果的には、前記分解チャンバは、剪断作用を最大にするために適切な壁の温度プロファイルを設定するように設けられた冷却手段と連結されている。
【0046】
特に、少なくとも1つの温度センサが、前記分解チャンバ内の温度を直ちに測定するために適切に設けられることができる。さらに詳しくは、1つ又は複数の温度センサの各々が、前記分解チャンバ内の温度に応答して前記ギャップを増減させるように、このギャップを調節するための手段に動作的に接続されている。
【0047】
本発明は、添付図面を参照して、限定的ではない例によって示される本発明の以下の好ましい実施の形態の説明によってより明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】図1は、物質が右から左に向かって移動する、本発明に係る装置の分解チャンバの部分的な正面の断面図である。
【図2】図2は、図1の分解チャンバへの物質のスクリューシャフト供給装置の部分的な側面の断面図である。
【図3】図3は、図1の分解チャンバの通路の第1の詳細を示している。
【図4】図4は、物質が右から左に向かって移動する、図1の環状の線に係る装置の回転シャフトの変換システムを示している。
【図5】図5は、本発明に係る装置の脱気装置の部分的な正面断面図である。ここで、A並びにBは、夫々破線で示された面に係る脱気装置の部分的な断面図である。
【図6】図6は、物質が右から左に向かって移動し、供給装置、分解チャンバ及び脱気装置を有する、本発明の可能な実施の形態の全体図である。
【図7】図7は、図5の脱気装置の夫々軸の周りに回転可能に装着された脱気スクリューシャフトの断面の斜視側面図である。
【図8】図8は、図7の脱気スクリューシャフトのVII-VII線に係る部分的な断面図である。
【図9】図9は、いくつかの技術的な態様を強調して示した分解チャンバの部分的な概略的な断面図である。
【図10】図10は、互いに関連して移動する機能を強調して示した、図2並びに内部に収容された回転シャフトの分解チャンバの詳細を示している。
【図11】図11は、分解チャンバ及び図1の回転シャフトの好ましい実施の形態の部分的な断面図を示している。
【図12A】図12Aは、分解チャンバ及び図1の回転シャフトの好ましい実施の形態の部分的な断面図である。
【図12B】図12Bは、分解チャンバ及び図1の回転シャフトの好ましい実施の形態の部分的な断面図である。
【図13】図13は、再循環ダクトによって分解チャンバに接続された図5の脱気装置の側面の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
特に、図1を参照して、長鎖化学結合を有する有機物を、固体と、液体と、気体との少なくとも1つの状態の短鎖の成分の混合物に分解するための、本発明に係る変換装置が、参照符号1により全体的に示されている。
【0050】
さらに詳しくは、この変換プロセスは、所定の温度及び摩擦剪断値を生じるようにして、装置内に装填された物質の分子の、代表的にはC−Cである化学結合を切断するように適用される。
【0051】
この装置は、例えば燃料又は可燃性物質として使用される固体、液体及び気体の状態の成分を構成するために、プラントに複合的に組み込まれて設けられる。
【0052】
図1の分解装置は、圧力が補正されたほぼ管状の壁を有する少なくとも1つの分解チャンバ5を有する。分解チャンバ5は、基部フレーム部分B2に支持されている。また、この分解チャンバ5は、供給装置(図2)と連通している少なくとも1つの入口6と、脱気装置8(図5)に排出される変換された成分の混合物のための少なくとも1つの出口7とを有する。
【0053】
本発明の可能な好ましい実施の形態では、装置1は、実際には図6のブロック図に示される分解装置に装填されている。この装置1は、変換される物質のための少なくとも1つの装填口3と、前記入口6に入る物質のための少なくとも1つの排出口4と、を有する供給装置(図2)と、分解チャンバ5の前記出口7と連通している少なくとも1つの装入口9を有する脱気装置8(図5)との間に配置されている。
【0054】
スクリューシャフト供給装置2(図2)が、基部フレームB1によって保持されている。この装置は、上部の装填口3を有し、物質を装填するための少なくとも1つの上方サイクロン12と、少なくとも1つの攪拌器14を備えた少なくとも1つの混合及び収容チャンバ13と、圧縮された物質の前記排出口4を規定し、管状のハウジング15a内で閉じた第1の下方スクリューシャフト15とを有する。この第1の下方スクリューシャフト15は、図1の分解チャンバ5に対して横方向に配置され、前記入口6と連通している。物質は、十分な酸素の存在中で、分解チャンバ5に入るように、このスクリューシャフトによって圧縮される。
【0055】
前記攪拌器14は、混合チャンバ13の底部で回転可能に支持されており、また、第1の回転アクチュエータ16と連結されている。さらに、前記第1の下方スクリューシャフト15は、第2の回転アクチュエータ17と連結されている。
【0056】
前記混合チャンバ13は、側面検査戸18を有する。一方、混合チャンバ13は、混合チャンバの底部の所で、変換される物質を前記第1の下方スクリューシャフト15の管状のハウジング15aへと搬送するためのチャネル19と連通している。
【0057】
図2並びに図6には1つの供給装置2のみが示されているが、効果的には、少なくとも2つのスクリューシャフト供給装置が、所望のレシピに従った異なる物質を調節するように、互いに平行に設けられることができる。
【0058】
再び図1を参照して、前記分解チャンバ5は、少なくとも1つの第1の管状セグメント20と、少なくとも1つの第2の管状セグメント21とによって規定されている。前記第1の管状セグメント20は、入口6と連結されており、また、前記第2の管状セグメント21は、変換される物質のための少なくとも1つの出口7を有し、第1の管状セグメント20と同軸で、これより大きな直径を有する。第1の管状セグメント20は、好ましくは、フランジによって互いに接続された2つの部分に分割される。
【0059】
本発明に係る管状の変換チャンバ5は、中間部分22、即ちほぼ切頭円錐形の通路を有する。この中間部分22は、前記第1の管状セグメント20と第2の管状セグメント21との間に配置されており、軸方向の複数のボルトによって互いに接続されている。
【0060】
この装置は、23として示される螺旋形状を備えた少なくとも1つの回転体を有する。この回転体は、特に、回転可能なスクリューシャフトであり、例えばモータである回転駆動手段24と連結され、管状の変換チャンバ5に同軸的に支持されている。この回転駆動手段は、回転シャフト23が、特に400〜3000rpmに、好ましくは800〜2000rpmに設定された所望の速度で回転を果すように設けられている。この回転は、分解チャンバ5の内面に対する摩擦剪断による機械的作用と、摩擦により発生される熱とによって、有機物の変換を果す。分解チャンバの内面を一掃する回転シャフトの線速度は、適切なパラメータである。
【0061】
スクリューシャフト23は、前記第1の管状セグメント20に装填された第1の部分25と、前記第2の管状セグメント21に装填され、第1の部分より大きな直径の第2の部分26とを有する。この第2の部分26は、第2の部分の円筒面で比較的速い線速度を得るために、第1の部分25よりも大きな直径を有する。この事実により、物質は、スクリューシャフト23の第2の部分26に沿って、部分的に分解される。言い換えれば、物質は、比較的低い粘性を有しており、比較的高い摩擦が、所望の生産率で完全な分解を生じさせる条件(剪断応力、温度)を与えるために必要である(そして、比較的高い抵抗も必要である)。当然、第2の部分26の直径が大きければ、非常に低い粘性でさえも、物質を分解する機能が高くなる。
【0062】
さらに、スクリューシャフト23は、ほぼ切頭円錐形状であり、前記第1の部分25と第2の部分26との間に位置された中間部分27を有する。この中間部分27は、物質に前記第1の管状セグメント20から第2の管状セグメント21を通る経路を与えることによって、ギャップS(図3)を規定するように、分解チャンバ5の中間部分22に位置されている。
【0063】
本発明に係るこのようなギャップSは、効果的には、前記第1の管状セグメント20から第2の管状セグメント21へと、変換される物質が移動する間、十分に正確な圧力勾配で調節するために適切なようにして、従って、同じ物質の粘性の違いを補正することによって、所望の変換条件を果すように、特定の生成物の必要性に応じて使用者により選択されるような調節可能な幅を有する。さらに、ギャップSが変化するのに従って、物質の特定の化学物理的特性にも依存して、代わって最適な生成率を果すように、第1の管状セグメント20内の物質の滞在時間も変化する。
【0064】
言い換えれば、ギャップSの幅を連続的に変化させることによって、チャンバ5の第1の管状セグメント20内の圧力の値を所望のように増減させることが可能である(図10)。高められた圧力は、横断面S(S1)を狭くすることによって得られる。さらに詳しくは、変換される物質が比較的低い粘性を有するならば、たとえ高い回転数であっても、混合スクリューシャフト23は、化学結合の切断の動作条件を分解チャンバ5に与えることができないことが望ましい。代わって、変換される物質が比較的高い粘性を有するならば、圧力の減少が必要とされる。この場合、横断面は、S2>S1である(図11参照)幅の値S1を値S2へと増加させ、この結果、混合スクリューシャフト23は、所望の速度で、代表的にはC−Cの結合を切断することが可能な比較的高い温度を分解チャンバ5内に与えることができる。
【0065】
特に、これは、部分的に分解された後にも適切な粘性を保つゴムのように、かなり異なる粘性値を有する物質を処理する際に好ましいことが実験的に明らかになってきているので、効果的である。一方、一般的に、プラスチック、特定の変換温度を有するポリマに基づくプラススチック材料は、特に、分解が進行するのに従って、すぐに粘性を失う。それ故、これは、チャンバ5に生じる化学結合の分解反応での温度を制御することによって、分解チャンバ5内の動作条件を正確に調節することに関連している。これは、一般的な木材、油や脂肪、合成アミン、皮革産業や食肉産業からの廃棄物、肉や骨粉のように、様々な種類のバイオマスのような、また、合成繊維のような、非塑性有機物に対してさらに効果的である。
【0066】
前記スクリューシャフト23の中間部分27及び分解チャンバ5の中間部分22は、好ましくは、例えば炭化タングステンの高い表面硬度を有する物質でできている。これは、非常に堅い物体が偶発的にギャップS内を通ったとしても、損失の危険性を低減する。
【0067】
代わって、図12A並びに図12Bに示されるように、スクリューシャフト23の両部分25、26の直径が、分解チャンバ5の中間部分22の上流及び下流で変化することなく、ギャップSの変化が得られることもできる。
【0068】
分解チャンバ5には、このチャンバ5の壁をほぼ一定の標準的な低温に保つように設けられた冷却手段75(図9)が設けられることができる。特に、物質がチャンバ5を通って搬送され、分解が進行するのに従って、温度は、チャンバ5内と同じ温度に増加する。これは、物質に対する壁の摩擦を、さらに、回転シャフト23の回転によって生じる剪断効果の効率を著しく減少させる。代わって、冷却手段75によって得られるチャンバ5の壁の動作温度の制御は、剪断応力の形態で、物質のエネルギの変換を最大にする全ての長さに対して、物質に分解チャンバ5の壁の高い切断動作を果す。
【0069】
可能な好ましい実施の形態では、前記回転シャフト23には、第1の部分25(図3)の一端側で物質の混合を高めるのと同様に、分解チャンバ5内でスクリューシャフト23の芯出しを補助するように設けられたほぼ径方向の複数の突出部28が設けられている。
【0070】
再び図1に示されるように、前記スクリューシャフト23の第1の部分25は、第1の長さに対して延びた第1のスレッド29と、第2の長さに対して延びた第2のスレッド30とを規定している。これらスレッドは、異なるピッチである。スクリューシャフト23の第2の部分26は、第1のスレッド29よりも小さいピッチの第3のスレッド31と、第2のスレッド30とを規定している。しかし、第1のスレッド29、第2のスレッド30、並びに第3のスレッド31のピッチを変化させることによって、特に生成物の必要性や装置に供給する物質の種類に応じて、異なる結果を導くことができる。
【0071】
連続状態の調節、及び前記第1の管状セグメント20と第2の管状セグメント21との間にあるギャップSの幅の調節は、使用者によって好ましいように果され、図4に詳細に示される分解チャンバ5のスクリューシャフト23に作用する図1並びに図6にTとして示された双方向移動手段によって補助される。双方向軸移動手段Tは、ギヤモータ24の駆動シャフト33に接続されたボックス32を有する。このボックスには、継手34が、スクリューシャフト23の係合ヘッド35と接続するように収容されている。さらに詳しくは、径方向側部ベアリング34aと中心スラストベアリング34bとに装着された継手34が、スクリューシャフト23の係合ヘッド35に固定されるように接続された第1の端部36と、例えばスプライン接合によって、駆動シャフト33に摺動可能に接続された第2の端部37とを有する。
【0072】
前記双方向軸移動手段Tは、好ましくは、分解チャンバ5内の変換される物質の流れに対して、逆の軸方向へと、スクリューシャフト23に作用するように設けられた複数のアクチュエータ、特に複数の水圧シリンダ38を有する。これらシリンダ38は、ボックス32の一端側で塞がれたカラー40の面に設けられた複数の円筒ハウジング39に夫々収容されており、中心スラストベアリング34bに面したリング41に作用する。前記複数のシリンダ38は、複数のばね42によって夫々付勢される単一動作タイプであり、カラー40に形成された夫々のチャネルによって水圧を供給される。
【0073】
それ故、複数のシリンダ38の動作は、上述のように、スクリューシャフト23が、分解チャンバ5内の変換される物質の流れの動作と逆となるような方向への移動を果す。代わって、物質の流れの動作が、スクリューシャフト23の逆方向への移動を補助する。従って、機械的な動きを与える必要なく、所望の幅のギャップSを与えるように制御する。
【0074】
上述のスクリューシャフト23の軸方向の移動に対する複数の水圧シリンダには、機械的部分に与えられ得る衝撃を回避するために、分解チャンバ5内の圧力のピーク値を減少させるように設けられた複数の水圧アキュムレータが、夫々効果的に設けられている。このような水圧アキュムレータは、複数の圧力限界バルブと夫々連結されることができ、分解チャンバ内の圧力が所定の圧力を超えたならば、これらアキュムレータが開く。
【0075】
特に、所望の動作条件が分解チャンバ5に不変に留まることを確実にするために、ギャップSからの所定の距離dで(図3)チャンバ5の壁に形成されるハウジング71に配置されているような、少なくとも1つの温度センサ70によって、この分解チャンバの温度を直ちに監視することが可能である。前記温度センサ70は、回転シャフト23の軸方向に対する手段Tに動作可能に接続されている。さらに詳しくは、分解チャンバ5内の所定の温度T*が過度であるならば、軸方向移動のための手段Tは、回転シャフト23を移動させるために動作され、それ故、ギャップSを大きくする。このようにして、ギャップSの一端側で処理される物質の滞在時間、そしてチャンバ5の対応するセグメント内の温度が与えられる。
【0076】
図5を参照して、脱気装置8は、基部フレームB3に装着されており、垂直方向に配置された軸を有する細長いほぼ管状のジャケット44を有する。また、この脱気装置には、2つの脱気スクリューシャフト45、46が、回転アクチュエータ47と連結した夫々のベアリングに回転可能に支持されており、また、これらスクリューシャフトは、夫々のスレッドの所で互いに噛合している。2つの脱気スクリューシャフト45、46は、変換された固体の状態の成分が、下方排出口10を介して排出されるように、固体の状態の成分を下方に向かって搬送するため、並びに、液体と気体との少なくとも一方の状態の成分が上方排出口11を介して排出されるように、前記成分を上方に向かって搬送するため、の両方のために、適切に設けられている。
【0077】
前記回転駆動手段47は、2つの脱気スクリューシャフト45、46の一方の軸に装着されたジャケット44の上部に配置されたギヤモータ48を有する。また、回転駆動手段47は、動きの変換を果すように、互いに噛合した両脱気スクリューシャフト45、46に合わせられた2つのギヤ49、50を有する。複数のシーリング部材が、両脱気スクリューシャフト45、46の上端51の所で、ジャケット44への空気の入口を回避するように適切に設けられている。
【0078】
さらに詳しくは、図5に示されるように、下方排出口10は、ジャケット44の基部に設けられている。また、装入口9が、同じジャケットのほぼ中央線の所に配置されている。一方、上方排出口は、上方に進む液体と気体との少なくとも一方の状態の成分と、下方に進む固体の状態の物質との両方に十分な空間を残すように、両脱気スクリューシャフト45、46のほぼ上端51の所に設けられている。特に、両スクリューシャフト45、46は、螺旋形状を有し、固体の状態の物質を下方に向かって押圧するように回転する。前記装入口9の上方の部分では、固体の状態の物質が、気体の状態の成分又は液体/蒸気の状態の成分によって取り出され得るが、螺旋形状及び両スクリューシャフト45、46の回転の相対速度が、これらを下方に向かって押圧する。このようにして、両スクリューシャフト45、46の螺旋形状によって、一方の螺旋形状の面に付着し得る残留物が、他方の螺旋形状の面によって擦られることができる。
【0079】
効果的には、両脱気スクリューシャフト45、46は、実質的に脱気装置8の装入口9の所で、夫々所定の長さだけ延びた突出部52、53を有し、これら突出部は、スクリューシャフトのスレッドの代わりとなる、即ちほぼ螺旋軌道に配置される。これは、脱気装置の壁をクリーンに保つようにして、混合を高め、かつ液体及び気体の状態の成分から固体の状態の物質を分離するのを補助するように、一方の側から他方の側へと物質の所定の漏出が得られることを可能にする。さもなければ、脱気装置の壁は、異なる2つの状態から分離された炭素の堆積によって塞がれてしまうであろう。
【0080】
代わって、突出部52、53は、ほぼ同様の結果が得られるように、装入口9の所で両脱気スクリューシャフトのスレッドを切断して設けられても良い。
【0081】
さらに、両脱気スクリューシャフト45、46には、夫々下方端の所で、下方に向かって配置された円錐形状を有するほぼ切頭円錐基部54、55が設けられている。このような切頭円錐基部54、55は、固体の状態の物質排出ゾーンの所で、脱気装置8内に所定の濃度で爆発性混合物を形成する可能性がある空気の逆流を防ぐプラグが形成されるのを補助する。特に、脱気スクリューシャフト45、46の連続回転により形成される物質のプラグは、ジャケット44内に過度の物質が堆積するのを回避するように、徐々に分解される。
【0082】
脱気装置8の管状のジャケット44は、上方に進む液体と気体との少なくとも一方の状態の成分と、下方に進む固体の状態の成分とを補助するように、加熱手段56と連結されている。
【0083】
再び図5を参照して、脱気装置8は、好ましくは、垂直方向に対して所定の角度で配置された夫々の回転アクチュエータ58と連結され、液体と気体との少なくとも一方の状態の成分から固体を分離して排出するための第2のスクリューシャフト57を有する。この第2のスクリューシャフト57は、ほぼ管状の本体59を、気密に、回転可能に支持している。また、第2のスクリューシャフト57は、関節結合アーム59aによって所定の角度で保持されている。さらに、第2のスクリューシャフト57は、下方排出口10と連通しており、上方排出口60を有する。ほぼ管状の本体59と第2のスクリューシャフト57とは、固体の状態の成分で完全に満たされることにより、空気の逆流を防ぐのに適した長さを有する。
【0084】
脱気装置8の上方排出口11は、好ましくは、図示されていないが、通常の形式では必要不可欠な、液体と気体との少なくとも一方の状態の成分の吸引手段と連通して配置されている。
【0085】
本発明の好ましい実施の形態では、図13に示されるように、この接続には、ダクト100が、脱気装置8の上方排出口11の所で分離装置101に接続するために設けられることができる。この分離装置101によって、比較的軽いフラクションの一部が、ダクト102及び好ましい圧縮装置103によって、分解チャンバ5に効果的に再循環されることができる。これは、分解反応が進行するのに従って、分解チャンバ5に形成する傾向にある不飽和結合が飽和するのを補助することができる。分離装置101から出た他のフラクションは、下流に設けられた収容/搬送システムに達する。
【0086】
図5の脱気装置の効果的な好ましい実施の形態では、対回転脱気スクリューシャフト45、46(図7)が、スクリューシャフトのほぼ平らな部分をクリーンにすることを確実する擦り合い作用を得て、複数のコアへの物質の堆積を制限するために、一方のスクリューシャフトのスレッド45’’が、ほぼ平らな部分45’の所で、他方のスクリューシャフトのコアに接離可能なように、互いに所定の間隔で配置されている。
【0087】
互いのクリーニング動作を補助するために、上述の両脱気スクリューシャフト45、46は、ほぼ正方形の横断面を有するように設けられることができ、また、鋭い部分45’、46’と交互に、ほぼ平らな部分45’’、46’’が設けられることができる。特に、両脱気スクリューシャフト45、46は、回転の間、上述の擦り合いクリーニング動作(図8)を果すために、一方のスクリューシャフトの鋭い部分45’が、他方のスクリューシャフトのほぼ平らな部分45’’に非常に近づくように移動する。
【0088】
本発明に係る装置の動作が、以下に説明される。変換される物質は、サイクロン12から混合チャンバ13に入り、スクリューシャフト供給装置2に装填される。そして、まず、攪拌器14によって混合される。物質は、混合チャンバ13から管状ハウジング15aに入り、気密状態の下で、第1の下方スクリューシャフト15により圧縮される。
【0089】
供給装置2は、第1の下方スクリューシャフト15によって、分解チャンバ5に物質を供給する。ここで、物質は、分解スクリューシャフト23による高速混合動作を受ける。そして、変換温度が所望の値に達するように、ギャップSの存在が、特に第1の管状部分20の摩擦を調節する。物質は、第1の管状部分20から、ギャップSを通って、第2の管状部分21へと進み、ここで変換が完了される。そして、物質が、脱気装置8へと送られる。この脱気装置は、適切な温度値や真空状態を組み合わせて、両脱気スクリューシャフト45、46の助けと共に、液体及び気体の状態の物質と固体の状態の物質とを分離する。ここで、固体の状態の物質は、下方に進み、第2のスクリューシャフト57によって排出される。また、液体及び気体の状態の物質は、ジャケット44を通って上方に進む。両脱気スクリューシャフト45、46は、自浄性であるので、脱気装置8は、固体の状態の物質の堆積の現象を受けない。
【0090】
このようにして、本発明は、上述のような所望の目的を果す。
【0091】
この装置は、圧力と、分解チャンバ内の滞在時間と、温度との少なくとも1つと、摩擦剪断値とを調節することが可能であることによって、同じ物質の特性(特に、溶融した物質の粘性)から独立して、長鎖の物質を短鎖の物質に変換する最適な変換温度の正確な制御を果す。
【0092】
上述の特定の実施の形態の説明は、概念的な見地に従って本発明の概略を十分に明らかにしたものである。最新の知識を加えることによって、第三者は、さらなる調査を行うことなく、また、本発明から逸脱することなく、本実施の形態のような様々な適用装置に修正したり適用したりすることができるであろう。それ故、このような修正や適用は、所定の実施の形態に相当すると考えられるべきであろうことが理解されるであろう。上述の異なる機能を実現させるための手段や物質は、このような理由から、本発明の範囲から逸脱することなく、異なる特性を有することができる。さらに、ここで使用される学術用語又は専門用語は、説明を目的としており、限定的ではないことが理解されなければならない。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固体と、液体と、気体との少なくとも1つの状態の成分の混合物を発生させるために、有機物を分解するための装置であって、
ほぼ管状の壁を有し、前記有機物のための入口と前記混合物のための出口との間に配置された分解チャンバを具備し、
このチャンバ内に、回転シャフトが、前記チャンバの壁に対する前記回転シャフトの回転を果すように設けられた回転駆動手段と連結して配置されており、
前記回転の間、分解が、前記回転シャフトと前記分解チャンバの壁との間で、前記物質の摩擦剪断によって生じる装置において、
前記分解チャンバは、第1のセグメントと第2のセグメントとによって規定され、また、
前記チャンバは、前記両セグメントの間に、前記入口及び出口から所定の方向に、前記第1のセグメントから前記第2のセグメントへの通路を有し、さらに、
前記回転シャフトは、ギャップを規定している前記通路に面した部分を有し、また、
前記ギャップを調節するための手段が設けられていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ギャップを調節するための手段は、前記回転シャフトと前記チャンバとの間の相対的な軸の移動を生じさせるための手段を有する請求項1の装置。
【請求項3】
前記ギャップを調節するための手段は、特に、バルブ部分、展開部分等のような、移動可能な表面部分によって、前記回転シャフト又は前記チャンバの形状を変化させるための手段を有し、
この手段は、前記通路と、前記通路に面した前記回転シャフトの所定の部分との少なくとも一方に配置されている請求項1の装置。
【請求項4】
前記第2のセグメントは、前記第1のセグメントよりも大きな直径を有する請求項1の装置。
【請求項5】
固体と、液体と、気体との少なくとも1つの状態の成分の混合物を発生させるために、有機物を分解するための装置であって、
ほぼ管状の壁を有し、前記有機物のための入口と前記混合物のための出口との間に配置された分解チャンバを具備し、
このチャンバ内に、回転シャフトが、前記チャンバの壁に対する前記回転シャフトの回転を果すように設けられた回転駆動手段と連結して配置されており、
前記回転の間、変換が、前記回転シャフトと前記分解チャンバの壁との間で、前記物質の摩擦によって生じる装置において、
前記分解チャンバは、第1のセグメントと第2のセグメントとによって規定され、また、
前記チャンバは、前記両セグメントの間に、前記入口及び出口から所定の方向に、前記第1のセグメントから前記第2のセグメントへの通路を有し、さらに、
前記第2のセグメントは、前記第1のセグメントの直径よりも大きな直径を有することを特徴とする装置。
【請求項6】
前記第2のセグメントの直径と前記第1のセグメントとの直径の比率は、2ないし4に設定されている請求項5の装置。
【請求項7】
前記通路は、直線、曲線又は複合的な形状を有するほぼ切頭円錐形状を有し、また、
前記通路に面した前記回転シャフトの前記部分も、切頭円錐形状であり、この部分は、前記通路との係合度を調節するために移動可能に設けられている請求項1又は5の装置。
【請求項8】
前記回転シャフトは、前記分解チャンバ内で前記スクリューシャフトを芯出しするためのほぼ径方向の複数の突出部を有する請求項1又は5の装置。
【請求項9】
前記回転シャフトは、螺旋形状を有し、特に、前記回転シャフトは、スクリューシャフトであり、
この回転シャフトは、第1のスレッドを規定している第1の部分と、第2のスレッドを規定している第2の部分とを有し、これらスレッドは、異なるピッチであり、特に、前記第2のスレッドは、前記第1のスレッドよりも大きなピッチを有する請求項1又は5の装置。
【請求項10】
双方向軸移動手段が、前記分解チャンバ内の変換される物質の流れに対して、逆の軸方向へと、前記スクリューシャフトに作用するように設けられた複数のアクチュエータ、特に複数の水圧シリンダを有するように設けられている請求項1の装置。
【請求項11】
前記複数の水圧シリンダは、前記分解チャンバ内の圧力のピーク値を減少させるように設けられた複数の水圧アキュムレータを夫々有する請求項10の装置。
【請求項12】
前記入口へは、スクリューシャフト供給装置によって供給される請求項1又は5の装置。
【請求項13】
2つのスクリューシャフト供給装置が、所望のレシピに従った異なる物質の量を調節するように、平行に設けられている請求項12の装置。
【請求項14】
脱気装置が、ほぼ垂直方向の軸を備えた少なくとも1つの細長いほぼ管状のジャケットを有する前記出口と連結して設けられており、また、
この脱気装置には、少なくとも2つの脱気スクリューシャフトが、回転アクチュエータと連結して回転可能に支持されており、さらに、
前記スクリューシャフトは、変換される固体の状態の成分を下方に向かって、及び液体と気体との少なくとも一方の状態の成分を上方に向かって、搬送するように設けられている請求項1又は5の装置。
【請求項15】
前記脱気装置は、液体と気体との少なくとも一方の状態の成分から、固体の状態の成分を分離して取り出すための第2のスクリューシャフトを有し、
この第2のスクリューシャフトは、垂直方向に対して所定の角度で配置された回転アクチュエータと連結しており、また、
この第2のスクリューシャフトは、上方排出口を有する本体に回転可能に支持されており、下方排出口と連通している請求項14の装置。
【請求項16】
前記複数の脱気スクリューシャフトは、一方のスクリューシャフトのスレッドが、他方のスクリューシャフトのコアに近づくように、互いに所定の間隔で配置されており、また、前記複数のスクリューシャフトは、ほぼ平らな部分を有し、回転の間、夫々のコアに物質が堆積するのを防ぐように、前記ほぼ平らな部分が、互いに擦られる請求項14の装置。
【請求項17】
前記複数の脱気スクリューシャフトは、複数の鋭い部分と、複数のほぼ平らな部分とを交互に有するほぼ正方形の断面形状を有し、特に、一方のスクリューシャフトの前記鋭い部分は、前記ほぼ平らな部分に物質が堆積するのを防ぐように、互いに擦り合う動作を与えて、このスクリューシャフトの表面の実質的なクリーニングを確実にするために、他方のスクリューシャフトの前記ほぼ平らな部分に接離可能に移動する請求項16の装置。
【請求項18】
前記脱気装置の上方排出口が、分離装置に接続されており、
前記脱気装置から排出される低分子量の成分が、これよりも重い成分から分離される請求項14の装置。
【請求項19】
前記分解チャンバ内に形成され、代わって飽和されることが可能な物質の結合の飽和を補助するために、前記分解チャンバ内に前記低分子量の成分を再供給するための搬送手段が、前記分離装置から出るように設けられている請求項18の装置。
【請求項20】
前記分解チャンバは、剪断作用を最大にするために適切な壁の温度プロファイルを設定するように設けられた冷却手段と連結されている請求項1又は5の装置。
【請求項21】
少なくとも1つの温度センサが、前記分解チャンバ内の温度を直ちに測定するために適切に設けられており、前記温度センサの各々は、特に、前記分解チャンバ内の温度に応答して前記ギャップを増減させるように、このギャップを調節するための手段に動作的に接続されている請求項1の装置。
【請求項22】
固体と、液体と、気体との少なくとも1つの状態の成分の混合物を発生させるために、有機物を分解するための装置であって、
ほぼ管状の壁を有し、前記有機物のための入口と前記混合物のための出口との間に配置された分解チャンバを具備し、
このチャンバ内に、回転シャフトが、前記チャンバの壁に対する前記回転シャフトの回転を果すように設けられた回転駆動手段と連結して配置されており、
前記回転の間、分解が、前記回転シャフトと前記分解チャンバの壁との間で、前記物質の摩擦によって生じ、また、
脱気装置が、前記出口と連結して設けられている装置において、
前記脱気装置の上方排出口が、分離装置に接続されており、
前記脱気装置から排出される低分子量の成分が、これよりも重い成分から分離され、
前記分解チャンバ内に形成され、代わって飽和されることが可能な物質の結合の飽和を補助するために、前記分解チャンバ内に前記低分子量の成分を再循環するための手段が、前記分離装置から出るように設けられていることを特徴とする装置。
【請求項23】
固体と、液体と、気体との少なくとも1つの状態の成分の混合物を発生させるために、有機物を分解するための装置であって、
ほぼ管状の壁を有し、前記有機物のための入口と前記混合物のための出口との間に配置された分解チャンバを具備し、
このチャンバ内に、回転シャフトが、前記チャンバの壁に対する前記回転シャフトの回転を果すように設けられた回転駆動手段と連結して配置されており、
前記回転の間、分解が、前記回転シャフトと前記分解チャンバの壁との間で、前記物質の摩擦によって生じ、また、
脱気装置が、前記出口と連結して設けられている装置において、
前記脱気装置は、ほぼ垂直方向の軸を備えた少なくとも1つの細長いほぼ管状のジャケットを有し、また、
この脱気装置には、少なくとも2つの脱気スクリューシャフトが、回転アクチュエータと連結して回転可能に支持されており、さらに、
前記スクリューシャフトは、変換される固体の状態の成分を下方に向かって、及び液体と気体との少なくとも一方の状態の成分を上方に向かって、搬送するように設けられていることを特徴とする装置。
【請求項1】
固体と、液体と、気体との少なくとも1つの状態の成分の混合物を発生させるために、有機物を分解するための装置であって、
ほぼ管状の壁を有し、前記有機物のための入口と前記混合物のための出口との間に配置された分解チャンバを具備し、
このチャンバ内に、回転シャフトが、前記チャンバの壁に対する前記回転シャフトの回転を果すように設けられた回転駆動手段と連結して配置されており、
前記回転の間、分解が、前記回転シャフトと前記分解チャンバの壁との間で、前記物質の摩擦剪断によって生じる装置において、
前記分解チャンバは、第1のセグメントと第2のセグメントとによって規定され、また、
前記チャンバは、前記両セグメントの間に、前記入口及び出口から所定の方向に、前記第1のセグメントから前記第2のセグメントへの通路を有し、さらに、
前記回転シャフトは、ギャップを規定している前記通路に面した部分を有し、また、
前記ギャップを調節するための手段が設けられていることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記ギャップを調節するための手段は、前記回転シャフトと前記チャンバとの間の相対的な軸の移動を生じさせるための手段を有する請求項1の装置。
【請求項3】
前記ギャップを調節するための手段は、特に、バルブ部分、展開部分等のような、移動可能な表面部分によって、前記回転シャフト又は前記チャンバの形状を変化させるための手段を有し、
この手段は、前記通路と、前記通路に面した前記回転シャフトの所定の部分との少なくとも一方に配置されている請求項1の装置。
【請求項4】
前記第2のセグメントは、前記第1のセグメントよりも大きな直径を有する請求項1の装置。
【請求項5】
固体と、液体と、気体との少なくとも1つの状態の成分の混合物を発生させるために、有機物を分解するための装置であって、
ほぼ管状の壁を有し、前記有機物のための入口と前記混合物のための出口との間に配置された分解チャンバを具備し、
このチャンバ内に、回転シャフトが、前記チャンバの壁に対する前記回転シャフトの回転を果すように設けられた回転駆動手段と連結して配置されており、
前記回転の間、変換が、前記回転シャフトと前記分解チャンバの壁との間で、前記物質の摩擦によって生じる装置において、
前記分解チャンバは、第1のセグメントと第2のセグメントとによって規定され、また、
前記チャンバは、前記両セグメントの間に、前記入口及び出口から所定の方向に、前記第1のセグメントから前記第2のセグメントへの通路を有し、さらに、
前記第2のセグメントは、前記第1のセグメントの直径よりも大きな直径を有することを特徴とする装置。
【請求項6】
前記第2のセグメントの直径と前記第1のセグメントとの直径の比率は、2ないし4に設定されている請求項5の装置。
【請求項7】
前記通路は、直線、曲線又は複合的な形状を有するほぼ切頭円錐形状を有し、また、
前記通路に面した前記回転シャフトの前記部分も、切頭円錐形状であり、この部分は、前記通路との係合度を調節するために移動可能に設けられている請求項1又は5の装置。
【請求項8】
前記回転シャフトは、前記分解チャンバ内で前記スクリューシャフトを芯出しするためのほぼ径方向の複数の突出部を有する請求項1又は5の装置。
【請求項9】
前記回転シャフトは、螺旋形状を有し、特に、前記回転シャフトは、スクリューシャフトであり、
この回転シャフトは、第1のスレッドを規定している第1の部分と、第2のスレッドを規定している第2の部分とを有し、これらスレッドは、異なるピッチであり、特に、前記第2のスレッドは、前記第1のスレッドよりも大きなピッチを有する請求項1又は5の装置。
【請求項10】
双方向軸移動手段が、前記分解チャンバ内の変換される物質の流れに対して、逆の軸方向へと、前記スクリューシャフトに作用するように設けられた複数のアクチュエータ、特に複数の水圧シリンダを有するように設けられている請求項1の装置。
【請求項11】
前記複数の水圧シリンダは、前記分解チャンバ内の圧力のピーク値を減少させるように設けられた複数の水圧アキュムレータを夫々有する請求項10の装置。
【請求項12】
前記入口へは、スクリューシャフト供給装置によって供給される請求項1又は5の装置。
【請求項13】
2つのスクリューシャフト供給装置が、所望のレシピに従った異なる物質の量を調節するように、平行に設けられている請求項12の装置。
【請求項14】
脱気装置が、ほぼ垂直方向の軸を備えた少なくとも1つの細長いほぼ管状のジャケットを有する前記出口と連結して設けられており、また、
この脱気装置には、少なくとも2つの脱気スクリューシャフトが、回転アクチュエータと連結して回転可能に支持されており、さらに、
前記スクリューシャフトは、変換される固体の状態の成分を下方に向かって、及び液体と気体との少なくとも一方の状態の成分を上方に向かって、搬送するように設けられている請求項1又は5の装置。
【請求項15】
前記脱気装置は、液体と気体との少なくとも一方の状態の成分から、固体の状態の成分を分離して取り出すための第2のスクリューシャフトを有し、
この第2のスクリューシャフトは、垂直方向に対して所定の角度で配置された回転アクチュエータと連結しており、また、
この第2のスクリューシャフトは、上方排出口を有する本体に回転可能に支持されており、下方排出口と連通している請求項14の装置。
【請求項16】
前記複数の脱気スクリューシャフトは、一方のスクリューシャフトのスレッドが、他方のスクリューシャフトのコアに近づくように、互いに所定の間隔で配置されており、また、前記複数のスクリューシャフトは、ほぼ平らな部分を有し、回転の間、夫々のコアに物質が堆積するのを防ぐように、前記ほぼ平らな部分が、互いに擦られる請求項14の装置。
【請求項17】
前記複数の脱気スクリューシャフトは、複数の鋭い部分と、複数のほぼ平らな部分とを交互に有するほぼ正方形の断面形状を有し、特に、一方のスクリューシャフトの前記鋭い部分は、前記ほぼ平らな部分に物質が堆積するのを防ぐように、互いに擦り合う動作を与えて、このスクリューシャフトの表面の実質的なクリーニングを確実にするために、他方のスクリューシャフトの前記ほぼ平らな部分に接離可能に移動する請求項16の装置。
【請求項18】
前記脱気装置の上方排出口が、分離装置に接続されており、
前記脱気装置から排出される低分子量の成分が、これよりも重い成分から分離される請求項14の装置。
【請求項19】
前記分解チャンバ内に形成され、代わって飽和されることが可能な物質の結合の飽和を補助するために、前記分解チャンバ内に前記低分子量の成分を再供給するための搬送手段が、前記分離装置から出るように設けられている請求項18の装置。
【請求項20】
前記分解チャンバは、剪断作用を最大にするために適切な壁の温度プロファイルを設定するように設けられた冷却手段と連結されている請求項1又は5の装置。
【請求項21】
少なくとも1つの温度センサが、前記分解チャンバ内の温度を直ちに測定するために適切に設けられており、前記温度センサの各々は、特に、前記分解チャンバ内の温度に応答して前記ギャップを増減させるように、このギャップを調節するための手段に動作的に接続されている請求項1の装置。
【請求項22】
固体と、液体と、気体との少なくとも1つの状態の成分の混合物を発生させるために、有機物を分解するための装置であって、
ほぼ管状の壁を有し、前記有機物のための入口と前記混合物のための出口との間に配置された分解チャンバを具備し、
このチャンバ内に、回転シャフトが、前記チャンバの壁に対する前記回転シャフトの回転を果すように設けられた回転駆動手段と連結して配置されており、
前記回転の間、分解が、前記回転シャフトと前記分解チャンバの壁との間で、前記物質の摩擦によって生じ、また、
脱気装置が、前記出口と連結して設けられている装置において、
前記脱気装置の上方排出口が、分離装置に接続されており、
前記脱気装置から排出される低分子量の成分が、これよりも重い成分から分離され、
前記分解チャンバ内に形成され、代わって飽和されることが可能な物質の結合の飽和を補助するために、前記分解チャンバ内に前記低分子量の成分を再循環するための手段が、前記分離装置から出るように設けられていることを特徴とする装置。
【請求項23】
固体と、液体と、気体との少なくとも1つの状態の成分の混合物を発生させるために、有機物を分解するための装置であって、
ほぼ管状の壁を有し、前記有機物のための入口と前記混合物のための出口との間に配置された分解チャンバを具備し、
このチャンバ内に、回転シャフトが、前記チャンバの壁に対する前記回転シャフトの回転を果すように設けられた回転駆動手段と連結して配置されており、
前記回転の間、分解が、前記回転シャフトと前記分解チャンバの壁との間で、前記物質の摩擦によって生じ、また、
脱気装置が、前記出口と連結して設けられている装置において、
前記脱気装置は、ほぼ垂直方向の軸を備えた少なくとも1つの細長いほぼ管状のジャケットを有し、また、
この脱気装置には、少なくとも2つの脱気スクリューシャフトが、回転アクチュエータと連結して回転可能に支持されており、さらに、
前記スクリューシャフトは、変換される固体の状態の成分を下方に向かって、及び液体と気体との少なくとも一方の状態の成分を上方に向かって、搬送するように設けられていることを特徴とする装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12A】
【図12B】
【図13】
【公表番号】特表2010−500170(P2010−500170A)
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−524253(P2009−524253)
【出願日】平成19年8月13日(2007.8.13)
【国際出願番号】PCT/IB2007/002335
【国際公開番号】WO2008/017953
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(509041854)エネルクト・エス.アール.エル. (1)
【氏名又は名称原語表記】ENERCUT S.r.l.
【住所又は居所原語表記】Via A. Gozzini, 15/17, 56121−Ospedaletto, ITALY
【Fターム(参考)】
【公表日】平成22年1月7日(2010.1.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年8月13日(2007.8.13)
【国際出願番号】PCT/IB2007/002335
【国際公開番号】WO2008/017953
【国際公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【出願人】(509041854)エネルクト・エス.アール.エル. (1)
【氏名又は名称原語表記】ENERCUT S.r.l.
【住所又は居所原語表記】Via A. Gozzini, 15/17, 56121−Ospedaletto, ITALY
【Fターム(参考)】
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