説明

閉じた容器の漏れ試験をする方法、そのための試験室、および試験構成

【課題】閉じた容器の漏れ試験をする方法、そのための試験室、および試験構成を提供する。
【解決手段】容器内部からその外部に向かって生じる圧力差Δpが生成される。液体で満たされた容器を漏れ試験するときに、充填物と接触している容器壁に関しても漏れ状態に関する信頼性の高い情報を得るために、測定電極(3a,3b)を用いて容器(1)の外部でインピーダンス測定(7)が行われる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
欧州特許出願第97107520.5号
本発明は請求項1の上位概念に記載の方法、請求項7の上位概念に記載の試験室、さらにこのような試験室を備えた請求項11記載の試験構成に関する。
【背景技術】
【0002】
試験室内において容器内部とその周囲との間で、試験室に吸気源を設置することによって周囲に対して向けられた圧力差が生成される、閉じた容器のための漏れ試験方法は公知である。漏れのある容器を選り分けることは、所定の圧力差を生成した後、そのために必要な吸気源を試験室から取りはずして、原則として容器内部とその周囲の間の圧力差の時間的推移を観察ないし検出することによって行う。このことは、例えば容器周囲の圧力値を少なくとも2回の時点で測定することにより行われる。漏れの量の関数で、容器内部空間とその周囲との間の均圧が迅速に、あるいはあまり迅速でなく行われる。このような種類の技術に関しては、例えば本件出願と同じ出願人の国際特許出願第94/05991号(特許文献1)を参照されたい。
【特許文献1】国際特許出願第94/05991号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特に前記国際特許出願第94/05991号に基づく、上述したような方法によって、極めてわずかな容器の漏れを検出することが可能である。問題が生じるのは、試験されるべき容器が少なくとも部分的に易流動性の充填物、特に低粘性の充填物で満たされている場合である。この場合には生成された圧力差が液体の充填物と周囲との間の容器壁にあり、吸込圧力効果によって、漏れがある場合には液体の充填物が漏れによって周囲に、つまり容器の外壁に出てしまう。外に出た液体の充填物の密閉作用のために、液体で負荷された容器壁領域における漏れは、圧力測定が仮にできたとしても比較的長い時間区分にわたる観察によってしか検出できず、このことは特に生産ラインで連続的に製造される容器を検査する場合には極めてデメリットである。
【0004】
そこで本発明の課題は、冒頭に述べた種類の方法であって、上述したような圧力測定試験の欠点が取り除かれている方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この目的のため、前記方法は請求項1の特徴部によって特徴づけられる。すなわち上述したようなケースにおいて、生成された圧力差のために液体の充填物が容器壁の漏れによって外部に出た場合、このことは本発明で想定されている電気的なインピーダンス測定で検出される。
【0006】
外に出た液体の充填物により、容器外壁に直接接する領域では、この領域に配置された少なくとも1対のインピーダンス測定電極の間の電気的なインピーダンスの変化が生じて、インピーダンス測定を行うことで、充填物に起因するこのインピーダンスの変化を検出することができる。
【0007】
特定のケースでは、電気的な交流電圧インピーダンスを測定することで充填物の流出を把握することが十分に示されているのに対し、特に電気的に絶縁された壁を有する容器、例えばプラスチック壁を有する容器の試験については、および電気的に伝導性がある充填物の場合には、インピーダンス測定として直流抵抗測定、有利には低電圧直流抵抗測定を、例えば50V以下の直流電圧を用いて行うことが提案される。
【0008】
例えば試験されるべき容器について、完全に特定の部位に漏があるかどうかを試験する場合には、試験されるべき容器セクションの領域にただ1つのインピーダンス測定区間を設ければ十分ではあるが、さらに提案されるところでは、複数のインピーダンス測定区間を並列につないで設け、これを試験されるべき容器に沿って配置し、それによって容器の全面で漏れを検出する。
【0009】
インピーダンス測定に基づくこうした漏れ試験方法は、極めて有利な方法として、本発明によれば上述した圧力測定試験と組み合わされることができる。すなわち大半のケースでそうであるように、試験しようとする容器が部分的にしか易流動性の充填物で満たされておらず、そのため原則として液体の充填物の他に封入空気も容器のなかに存在している場合には、容器のどこに空気があり、どこに液体があるのかが定かでない。そこで密閉/非密閉を選別するためのインピーダンス測定に追加して、圧力差の時間的推移を、特に包囲された容器周囲の圧力を追跡して記録することにより、封入空気があるか否かに関わりなく、そして容器内のどこに封入空気が現在局在しているかに関わりなく、容器の漏れ状態について組み合わされた情報を得ることができるようになる。現在充填物で覆われている容器壁部分では電気的なインピーダンス測定が漏れを表すのに対し、現在封入空気がある壁部位に関しては圧力差検出が漏れを表す。このとき、やはりこの場合でも国際特許出願第94/05991号から公知である、極めて正確な技術を利用して、調整されるべき圧力差に基づいて密閉/非密閉の選別が行えるようにし、すなわちその方法としては、容器内部空間と包囲された周囲との間で設定可能な負圧を生成した後、そして吸引源を起点としてシステムを圧力的に解放した後、少なくとも2回の時点で包囲された周囲の圧力を検出し、圧力差を漏れ指標として判定する。このとき、極めて感度の高い測定方法を得るために、1回目の時点では検出した圧力値を基準信号として記憶装置に入れてゼロ偏差信号も検出し、2回目の時点では、1回目の時点についてゼロ補正された値に関して圧力差を検出する。それにより、上述した差ないしこの差に対応する評価信号を、高い解像度を得るために増幅することが可能となる。
【0010】
このとき極めて有利なことに、発生したインピーダンス差を表示する信号の評価を、発生する圧力差の評価と同じ方法で行うことができる。
【0011】
上述したように、請求項7は本発明による試験室を定義するものである。この試験室の有利な実施形態は請求項8から10に記載されている。
【0012】
このような形式の試験室を少なくとも1つ備えた試験構成は、本発明によれば請求項11に定義されており、その有利な実施形態は請求項12から19に記載されている。このとき、この構成の極めて有利な設計は、インピーダンス測定も圧力測定もいずれも行うという格別に有利な変化形において、同一の評価ユニットを用いることによって得られる。例えばインピーダンス測定のために、有利には複数の並列につながれた電極区間の間の区間に、測定抵抗を介して直流電圧をつなぎ、電圧を測定抵抗上で測定信号として評価すると、評価ユニットに電圧が供給され、つまり固定された測定抵抗と、測定区間抵抗で変動する電流とに依存した電圧が供給される。このとき評価ユニットは、それ自体として見れば電圧測定装置である。試験室に設けられた圧力測定センサに切り換えることで、同一の評価ユニットを、圧力に依存したセンサ出力電圧を測定するために用いることができる。
【0013】
本発明の形式による試験構成は請求項20にも記載されており、有利な実施形態は請求項21から24に記載されている。その特に有利な点は、少なくとも1つの試験室を備えた複数の試験構成について集中的に、圧力測定のための1つの評価ユニットとインピーダンス測定のための1つの評価ユニットが設けられ、それぞれ試験構成の間で切換可能であり、あるいはただ1つの評価ユニットが設けられて、個々の試験構成の間で切換可能であるとともに、それぞれ個々の試験構成において圧力測定用とインピーダンス測定用とに切換可能なことである。
【0014】
これに関しては、同一出願人によって同時に提出される欧州特許出願第97107520.5号を参照されたい。
【0015】
本発明の方法、試験室、ならびに試験構成は、有利には電気的に絶縁された壁を有する容器、有利にはガラス壁やプラスチック壁を有する容器の試験に利用され、特にプラスチック製アンプルといった医療分野で使われる容器の試験に利用される。このとき有利には漏れ試験は、1つの容器セットを形成する複数の容器に対して行われ、その場合、これらの容器のうちの1つの漏れ、ないしこれらのアンプルのうちの1つの漏れは、1つのセット全体の無条件の廃棄という結果をもたらす。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
次に一例としての図面を援用しながら本発明を説明する。図面は次のとおりである。
【0017】
図1によれば、試験されるべき容器1の内部Iと周囲Uの間に、周囲Uのほうに向いた圧力差Δpが生成されている。容器外壁の領域には、少なくとも1つのインピーダンス測定区間が設けられており、図1では複素インピーダンス
【0018】
【数1】

【0019】
で示す複数の区間が設けられている。これらのインピーダンス区間はそれぞれ一対の測定電極3aおよび3bの間に形成されており、このときインピーダンス区間は交互に、導線5aないし5bで模式的に示されているように電気的に接続されている。こうして導線5aと5bの間に、インピーダンス区間
【0020】
【数2】

【0021】
が並列につながれて形成されている。ピックアップ導線5aおよび5bは、インピーダンス測定ユニット7に導入されており、このユニットの出力は閾値感応ユニット9に作用する。漏れがあるために充填液体が容器1から周囲Uへ出ていると、それによって区間インピーダンス
【0022】
【数3】

【0023】
の少なくとも1つが変化する。インピーダンスないしその変化は、インピーダンス測定ユニット7によって検出される。少なくとも1つの閾値の決定によってユニット9に設定されている以上にインピーダンスが変化すると、いま検査している容器1は漏れがあるとして認識されて除外される。
【0024】
インピーダンス測定区間では、個別のケースに応じて全体的に複素の交流電圧インピーダンスをユニット7によって検出し、評価してもよいが、格別に有利な方法として、特に電気的に絶縁された壁を有し電気的に伝導性のある充填物を入れた容器の試験については、インピーダンス測定を直流抵抗測定として具体化し、それに伴ってインピーダンス測定ユニット7は実質的にオーム計となる。
【0025】
図1で原理的に説明するインピーダンス測定に基づく方法は、次に図2を参照して説明するとように、それ自体を見れば公知の、圧力測定に基づいた漏れ試験方法と組合せることができ、これは極めて有利であるとともに、本発明にとっても大きな意義がある。
【0026】
図2によれば、試験されるべき1つまたは複数の容器1を入れるための本発明の試験室9は、少なくとも2つの部分を含んでおり、有利には上の半体と下の半体とを含んでいて、これらは符号9o と9u で模式的に示されている。試験室9は受容されている容器1とともに、包囲された容器周囲Uを規定している。試験室内部空間11の壁部には、電気的に伝導性のある面のパターンが設けられており、このパターンが図1の電極3bないし3aを形成している。当然ながら電極3は、絶縁性の壁材料によって互いに分離されている。それによって有利なことに、インピーダンス測定区間の規則的な配分が、容器1に直接沿って位置している試験室内部空間の全体に沿って設けられている。
【0027】
さらに、図2に模式的に示す少なくとも1つの圧力センサ13が設けられており、試験室の内部空間がこの圧力センサと作用接続されている。圧力センサは、周囲Uに相当するこの内部空間で生じている圧力Puを測定する。有利には、絶縁性の壁部をもった試験されるべき容器1を中に入れた後、試験室を密封して閉じ、例えばポンプ15を使って図1に示す圧力差Δpを生起させる。このとき通常であれば容器壁は、試験室9の内部空間壁にある電極領域3にぴったりと密着する。そこで符号17で模式的に示すように、液状の充填物Fが容器1の壁領域に出てくると、これに割り当てられたそれぞれの電極3の間のインピーダンスが変化し、このことが有利にはオーム計として構成されたインピーダンス測定ユニット7’によって検出される。閾値ユニット9’は、測定した抵抗が設定された閾値よりも下にあるか、それとも上回っているかを検知する。そして、現在検査された容器が密閉されていないとして選別される。封入空気によって満たされている容器の領域Gは、もしそこに漏れがあれば、漏れによってもたらされる領域Gと周囲Uの間の均圧に基づいて、周囲Uに圧力上昇を生じさせる。この圧力変化は、センサ13と作用接続された圧力測定ユニット19によって検出され、このユニットの出力信号はさらに別の閾値感応ユニット21に伝えられる。有利には、周囲圧力は1回目の時点t1 と、設定された時間間隔に応じたそれ以降の時点t2で検出され、これに関する圧力差Δpu が検出される。この差が、閾値ユニット21に設定されている閾値を下回ると、この場合にもやはり試験された容器1は密閉されていないとして選別される。このとき試験室内部空間の壁は、圧力差に基づいて容器の壁が当該壁に密着しても、全周にわたる周囲空間23が容器1の周囲を延びるように構成されている。このことは原則として、符号25で1つを示す支持材によって具体化され、この支持材は内壁11を粗面にすることによって格別に有利に具体化される。それにより、領域GないしFが容器内のどこに局在しているかとは一切無関係に、常に容器全体の密閉性が検出されることが達成される。容器壁が室内壁に密着しても全般的な周囲空間23を確保するための技術に関しては、同一出願人による欧州特許第0 379 986号公開公報を参照されたい。
【0028】
図2の実施形態ではそれぞれ1つの評価ユニット7’がインピーダンス測定と圧力差の検出19のために設けられているのに対し、さらに図3では、有利にはただ1つの評価ユニット197が設けられている。原則としてこのことは、インピーダンス測定のためと、圧力センサ13の初期信号の測定のために同じ測定信号を使うことによって可能となる。図3では、このことは、例えば測定されるべき抵抗に相当して図3ではRx で示されている測定区間3a/5a//3b/5bが、一方では有利には低電圧領域の、つまり例えば15Vの直流電圧源27とつながれていて、他方では測定抵抗RM とつながれていることによって実現される。この場合ではボルト計として構成されている評価ユニット197は、入力側では手動または自動的に操作される切換スイッチ29で、センサ13の出力部と測定抵抗RM へ交互に接続される。この評価ユニットは、一方の場合にはセンサ13の出力電圧を測定し、他方の場合にはRx に依存する測定抵抗RM 、UM の電圧を測定する。
【0029】
ここで用いる圧力測定技術に関しては、前述した国際特許出願第94/05991号を全面的に参照されたい。ただし同明細書に記載されている評価ユニットは、本件においては図4に示すように、図3に示す方法に従ってはいるが極めて精密なインピーダンス測定ないし抵抗測定のためにも用いられる。センサ13の出力信号、ないし測定抵抗RM もしくは一般的に抵抗測定区間からの出力信号は変換器段階121に供給され、変換器段階には入力側にアナログ/デジタル変換器121aが含まれており、これに直接後置されてデジタル/アナログ変換器121bが続いている。デジタル/アナログ変換器121bの出力は、公知の方法で構成されている差増幅器ユニット123へと供給され、このことは圧力・抵抗測定装置13ないしRM の出力信号と同様である。差増幅ユニット123の出力はさらに別の増幅段階125へと伝えられ、この増幅器の出力は記憶素子127を介して符号128で、増幅器125への入力信号にオーバーラップされる。変換器ユニット121や記憶装置ユニット127はタイミングパルス制御装置129によって制御される。このような構成において、圧力差の測定およびインピーダンス差の測定ないし抵抗差の測定の、いずれをも行うことが可能である。抵抗測定のためには、1回目の時点で測定電圧を変換器ユニット121を介して、そして同時に場合によりさらに別の変換器ユニット122を介して、増幅器ユニット123の両方の入力部に送る。理想的には、増幅器123の出力側でゼロ信号が現われる。ゼロとは異なる信号が現われた場合、この信号値は記憶装置ユニット127でゼロ補正信号として記憶される。抵抗測定をさらに後の時点で、抵抗差信号を生成するためにもう一度検出したとき、前回に記憶装置ユニット127へ記憶された値がゼロ補正信号として、およびユニット121に記憶されている値が、それぞれ基準信号として働く。それによって増幅器ユニット125には、解像度を一気に上昇させる増幅が調整される。これと同じゼロ調整原理は、圧力差測定では2つの時点で用いられるが、これに関しては国際特許出願第94/05991号に詳述してある。抵抗差のゼロ補償信号の記憶のためにも、圧力差のゼロ補償信号の記憶のためにも、記憶装置ユニット127が相応に構成されており、同様に、これに割り当てられる基準値の記憶についてもユニット121が二重にこれを実行する。測定サイクル、圧力測定、または抵抗測定などに応じて、割り当てられた補償信号値が差ユニット128へ送られて、もしくは割り当てられた基準信号値が割り当てられたユニット121に記憶され、ないしは送られる。
【0030】
図5には簡略化した透視図として試験室の半体9aまたは9bが示されており、これは特に医療技術で用いられるアンプルセットの試験用として専用に設計されたものである。アンプルセットは、そのために設けられている粗面にされた嵌入部30に挿入され、その後、第2の室半体を載せることによって室9を密封して閉じる。図示されているように、室は例えば互いに絶縁材32で密封して分離された導体積層34から構成されており、この中に嵌入部30が形成されている。それにより、嵌入部30の内壁にはインピーダンス測定電極のパターンが隙間なく形成されている。この電極は、接続導線5aないし5bで示されているように交互に接続されている。
【0031】
図6には、信号フロー・機能ブロック図を用いて、本発明による試験装置の有利な構造が示されている。この試験装置は複数の試験室9を含んでおり、その圧力センサ出力およびインピーダンス区間出力は、図6に符号13とRM で示されているように、それぞれ切換ユニット36へと続いている。これらの入力はシーケンシャルにユニット36の出力部につながり、このユニットは本来のマルチプレクサユニット38に接続されている。マルチプレクサユニット38では、各ユニット36から供給された入力が選択的に評価ユニット40に送られ、評価ユニット40は例えば有利には図4に示すように構成されている。
【0032】
時間制御ユニット50は圧力センサ/インピーダンス測定の、室に固有の切換サイクルを制御するとともに、マルチプレクサ28で、インピーダンス・圧力評価ユニットとして形成されたユニット40への個々の室9の接続を制御する。それにより、最善に少ない電子的なユニットで、複数の試験室9を有する容器の密閉性を検出することが可能となり、しかもインピーダンス測定と圧力測定によって、つまり液体で満たされた、ないしは気体で満たされた容積がそれぞれの容器1の中にあるか否かに関わりなく、そしてそれがある場合にはどこに位置しているかに関わりなく可能である。
【0033】
さらに、有利なことに少なくとも1つの洗浄ガス配管36(図5)が試験室9に設けられており、漏れのある容器を試験した後にこの配管によって試験室に気体を噴出して乾燥させることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の方法を説明するための原理的な本発明の構成を、全体的な視点から示す模式図である。
【図2】本発明を実施するための本発明の試験室ないし試験構成の構成を、格別に有利な実施態様で示す模式図である。
【図3】図2に示す本発明の構成ないし本発明の方法に係る有利な評価構成を示す図である。
【図4】図3の評価ユニットの有利な実施形態を、信号フロー/機能ブロック図で示すものである。
【図5】アンプルセットを検査するための本発明の試験室を示す簡略化した透視図であり、この場合、本発明の試験室の片方の半分だけが図示されている。
【図6】本発明の試験構成を有利な実施形態で模式的に信号フロー/機能ブロック図で示す図である。
【符号の説明】
【0035】
1 容器
3a、3b 測定電極
5a、5b 導線
7 インピーダンス測定ユニット
9 閾値感応ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも部分的に易流動性の充填物で満たされている閉じられた容器に接して行われる漏れ試験をする方法であって、
容器内部と容器周囲の間に、試験室において容器周囲圧力を低下させることによって容器内部から容器周囲の方を向いた圧力差が生成され、容器の周囲では液体が測定され、それによって密閉されていない容器を密閉されている容器から選別するものにおいて、
容器外壁に沿って分配されている区間を前記試験室の内壁に接するように設け、当該区間はそれぞれ一対の周囲に向かって露出している電極を備え、該電極によって少なくとも1つの電気的なインピーダンス測定をすぐ付近の容器周囲で、および/または容器の外壁に沿って行い、
試験室の内壁に接して設けられている複数の前記一対の電極は、前記検査すべき容器外壁の全体に沿って配置されることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記インピーダンス測定として、直流抵抗測定と、低電圧直流抵抗測定(Rx)とのいずれかを行うことを特徴とする請求項1に記載の方法。
【請求項3】
複数のインピーダンス測定区間
【数1】

を並列につないで設けることを特徴とする請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
包囲された容器周囲に設定可能な負圧を生成することによって圧力差(Δp)を生成し、次いで、包囲された容器周囲を容器(1)とともに圧力推移に関して放置しておいて、インピーダンス測定(Zx)に追加して圧力差(Δpu)の時間的推移に基づいて、密閉されていない容器を密閉されている容器から選別することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
設定可能な負圧を生成して圧力面での解放を行った後、追加的に周囲圧力を漏れ指標として利用し、このときに、周囲圧力(pu)を少なくとも2回の時点で測定し、そこから求めた圧力差(Δpu)を漏れ指標として評価し、このときに、1回目の時点で、かつ割り当てられた圧力のときにゼロ基準値(127)を決定し、2回目の時点の圧力値に相当する評価信号を1回目の時点での信号に関して、かつゼロ補正して選別に用いることを特徴とする請求項4に記載の方法。
【請求項6】
インピーダンスを少なくとも2回の時点で測定し、そこから求めたインピーダンス差を漏れ指標として評価し、このときに、1回目の時点で、かつ割り当てられたインピーダンス値のときにゼロ基準値を決定し、2回目の時点のインピーダンス値に相当する評価信号を1回目の時点での信号に関して、かつゼロ補正して選別に用いることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
易流動性の充填物を入れた閉じられた容器を漏れ試験するための試験室であって、試験室内部空間が真空封止して閉じることが可能な試験室において、前記試験室の前記内部空間は検査すべき前記容器の概ね雌型として形成されており、前記試験室の内部壁は電気的に伝導性のある表面領域と電気的に絶縁性の表面領域とに区分されており、前記試験室の外側に電気的な接続部が設けられており、該電気的な接続部は前記電気的に伝導性のある表面領域と接続されており、
前記区分は、前記伝導性のある表面領域と前記絶縁性の表面領域とを一組として、前記試験室の内部壁の全体について複数組で区分されていることを特徴とする試験室
【請求項8】
区間の電極対が並列(5a,5b)につながれていることを特徴とする請求項7に記載の試験室。
【請求項9】
試験室に少なくとも1つの圧力センサ(15)が設けられていることを特徴とする請求項7または8に記載の試験室。
【請求項10】
試験室内に少なくとも1つの洗浄ガス接続部(36)が開口していることを特徴とする請求項7から9のいずれか1項に記載の試験室。
【請求項11】
請求項7から10のいずれか1項に記載の試験室を少なくとも1つ備えた試験構成において、電極対(3a,3b)が少なくとも1つのインピーダンス測定ユニット(7)と作用接続されていることを特徴とする試験構成。
【請求項12】
インピーダンス測定ユニットが直流抵抗測定ユニット(7’)と、低電圧抵抗測定ユニットとのいずれかであることを特徴とする請求項11に記載の試験構成。
【請求項13】
密閉/非密閉の選別が、評価ユニットにある閾値感応ユニットで行われることを特徴とする請求項7から12のいずれか1項に記載の試験構成。
【請求項14】
電極対が並列(5a,5b)にインピーダンス測定ユニット(7,7’)の入力部と作用接続されていることを特徴とする請求項11または12に記載の試験構成。
【請求項15】
インピーダンス測定ユニット(7,7’)が出力側で閾値感応ユニット(9,9’)を包含していることを特徴とする請求項11から14のいずれか1項に記載の試験構成。
【請求項16】
試験室に圧力センサ(13)が設けられており、圧力センサの出力部が評価ユニット(19)と作用接続されており、この評価ユニットは、1回目の時点でセンサ出力信号を記録し、これに続く2回目の時点でも同様にセンサ出力信号を記録して、記録された圧力センサ出力信号を差ユニット(123,125)に送り、この差ユニットの出力が閾値感応ユニットに作用することを特徴とする請求項11から15のいずれか1項に記載の試験構成。
【請求項17】
差ユニット(123)の両方の入力部に、1回目の時点で記録されセンサの出力信号が供給され、ゼロ差信号が差ユニットの出力信号として生成されて記憶されることを特徴とする請求項16に記載の試験構成。
【請求項18】
少なくとも1つの試験室に圧力センサ(13)が設けられており、圧力センサ(13)も電極対(3a,3b)も同一の評価ユニット(197)と作用接続されており、
前記評価ユニットは、前記電極対からの信号と、前記圧力センサからの信号とのいずれかを入力する切換スイッチ(29)を有することを特徴とする請求項11から17のいずれか1項に記載の試験構成。
【請求項19】
請求項10から18のいずれか1項に記載の方法を多数備えていることを特徴とする試験構成。
【請求項20】
試験構成のために、切換可能(38)にそれぞれの試験構成(9)と接続可能である集中式のインピーダンス測定ユニット(40)が設けられていることを特徴とする請求項19に記載の試験構成。
【請求項21】
試験室に圧力センサ(13)が設けられており、集中式の評価ユニット(40)が切換可能に試験構成の試験室(9)の圧力センサ(13)と、およびその電極対(3a,3b)と作用接続可能であることを特徴とする請求項19または20に記載の試験構成。
【請求項22】
請求項1から6のいずれか1項に記載の方法を使用する試験構成。
【請求項23】
請求項7から10のいずれか1項に記載の試験室を使用する試験構成。
【請求項24】
請求項11から23のいずれか1項に記載の試験構成であって、医療分野に利用される、電気的に絶縁された壁部を有する容器とガラス壁またはプラスチック壁を有する容器とのいずれかの容器の試験のための試験構成。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−75133(P2009−75133A)
【公開日】平成21年4月9日(2009.4.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−334423(P2008−334423)
【出願日】平成20年12月26日(2008.12.26)
【分割の表示】特願平10−547590の分割
【原出願日】平成10年5月5日(1998.5.5)
【出願人】(591147948)
【氏名又は名称原語表記】MARTIN LEHMANN
【Fターム(参考)】