説明

開放部を形成するための引き裂き開始部を有するパッケージ

パッケージが、開放部(71、72)を形成するための引き裂き開始部(60)を有しており、引き裂き開始部(60)が、第1のパネル(10)から、第1のパネル(10)および第2のパネル(20)に共通の角縁部(11)まで延び、さらに、角縁部(11)に沿って延び、角縁部(11)から第2のパネル(20)まで延び、第2のパネル(20)から角縁部(11)に戻り、角縁部(11)に沿って延び、角縁部(11)から第1のパネル(10)上へと延びており、角縁部(11)での第1のパネル(10)がパッケージの外側へ凸状に湾曲し、角縁部(11)で第2のパネル(20)がパッケージの内側へ凹状に湾曲しており、第2の部分の互いに対向する側部にあって、それぞれが第2の部分(72)を規定する引き裂き開始部(60g)から角縁部(11)まで延びる2本の傾斜折り線(81、82)が、角縁部(11)での2つのフラップ部(91、92)を規定している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、開放部を形成するための引き裂き開始部を有するパッケージに関する。ジュース、牛乳、ワイン、トマトソース、コーンフレーク等のような注出可能な液状食品または固形食品用にパッケージを使用することが意図されており、そのため、パッケージの基本的な構成概念によって、このように意図された使用が可能であるようになっている。パッケージは、他の種類の物品に使用することができる。
【背景技術】
【0002】
米国特許第4410128号明細書には、牛乳やジュース等用の平行六面体のパッケージが開示されている。包装材料はウェブ状で供給されている。パッケージは、ウェブの縦方向の縁部同士を結合することによってウェブを管状体へ折り畳むことで、包装材料から形成される。その後、対象とする内容物が管状体に充填され、管状体に沿って互いに間隔を置いて配置された横方向の狭い密封帯を設けることによって、管状体は液体を収容した別個のユニットに分割される。これらの横密封帯は、最終的なパッケージの上面および底面で、いわゆる密封フィンを形成することになる。横方向を密封した後で、パッケージは、横密封帯で切断することで分離される。最後に、パッケージは、折り曲げられて最終的な形状に形成される。パッケージの上面および底面での余分な材料によって、三角形のラグまたはフラップが形成される。パッケージの底面では、密封フィンは底面に沿って平らに置かれ(flat-laid)、ラグは底面の下に折り返される。パッケージの上面では、ラグは2つの対向する側面に沿って折り返され、それによって、密封フィンはパッケージの上面に沿って平らに置かれた位置に保持されている。
【0003】
上述のパッケージは引き裂き開放構成を備えており、包装材料は、パッケージの上面での密封フィンの基線に沿って位置するミシン目状の切り込み線に沿って貫通している。この切り込み線は、パッケージの内側に沿って薄いプラスチック片で覆われている。パッケージは、ラグをパッケージの側面から引き上げ、ミシン目状の切り込み線に沿って切り取ったり引き裂いたりすることで開放される。いったん開放されると、この種のパッケージは再閉鎖できなくなり、そのため、すべての内容物が消費されるまで、こぼさないように注意して取り扱わなければならない。
【0004】
米国特許第4655387号明細書には、米国特許第4410128号明細書に開示されたものと同じ方法で製造された同様のパッケージが開示されている。しかし、米国特許第4655387号明細書には、異なる種類の開放構成が開示されている。中央部分に、曲線に沿ってミシン目が形成されている。このミシン目は、密封フィンに沿って平行に延びるミシン目線の中央で折り曲げられるので、所望しない引き裂き伝播に伴って問題が起こる可能性があることが分かっている。中央部を曲線状にすることで、この種の問題が回避されると言われている。
【0005】
同様に、このパッケージは、ラグをパッケージの側面から引き上げ、ミシン目線に沿って引き裂くことで開放される。いったん開放されると、この種のパッケージは再閉鎖できなくなり、そのため、すべての内容物が消費されるまで、こぼさないように注意して取り扱わなければならない。
【0006】
したがって、公知のパッケージは、再閉鎖ができないという欠点を有している。
【0007】
さらに、引き裂き開放部または従来技術によって得られる開放部は、比較的小さな開放部でしかない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、開放部を形成するための引き裂き開始部を有するパッケージであって、パッケージおよびその開放部が再閉鎖可能な機能を有するパッケージを提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、パッケージのサイズに対して比較的大きな開放部を設けるようになっているパッケージ概念を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的は、開放部を形成するための引き裂き開始部を有するパッケージであって、前記引き裂き開始部が、前記パッケージの第1のパネル上の第1の位置から前記パッケージの前記第1のパネルおよび第2のパネルに共通の角縁部まで延び、さらに、前記角縁部に沿って第1の距離だけ延び、前記角縁部から前記第2のパネルまで延び、前記第2のパネルから前記角縁部に戻り、前記角縁部に沿って第2の距離だけ延び、前記角縁部から前記第1のパネル上の第2の位置まで延びており、前記引き裂き開始部が、前記開放部の前記第1のパネル上の第1の部分と前記開放部の前記第2のパネル上の第2の部分とを規定し、前記第1の部分が前記角縁部に沿った第1の長さを有し、前記第2の部分が前記角縁部に沿った第2の長さを有し、前記第1の長さが前記第2の長さよりも長く、前記角縁部で前記第1のパネルが前記パッケージの外側へ凸状に湾曲するように、また、前記角縁部で前記第2のパネルが前記パッケージの内側へ凹状に湾曲するように、前記パッケージが形成され、第1の傾斜折り線が、前記第2の部分を規定する前記引き裂き開始部から前記角縁部まで延びており、第2の傾斜折り線が、前記第2の部分の反対側で、前記第2の部分を規定する前記引き裂き線から前記角縁部まで延びており、それによって、2つのフラップ部が規定され、前記各フラップ部が、前記角縁部を伴って、前記第2のパネル上の前記第2の部分の互いに対向する側部に位置しているパッケージによって達成されている。
【0011】
このように形成された開放部は、第1のパネルと第2のパネルとの間の角縁部を横切って延びる開放部の第1および第2の部分によって形成された角縁部を使用者がしっかりとつかむことで開放されることになる。引き裂き線が破れて第2の部分が第2のパネルから引き離されるまで、第1および第2の部分は、互いに内側へわずかにたわむことになる。その後、第1のパネルのうち、第1のパネル上にある引き裂き線部分の間に位置する部分が、上方に引っ張られる。あるいは使用者は、最初に、引き裂いて開放される開放部の第2の部分を内側に押し込むことができ、それにより、第2の部分を第2のパネルから引き離すことができる。それから、第2の部分が下に再度折り曲げられて第1の部分に対して平面状に当接する縁部をしっかりとつかむことで、開放部の残りの第1の部分が破かれて開放される。したがって、最初に第2の部分をパッケージに押し込む場合、つかむべき幅は、第1および第2のパネルを組み合わせた材料厚さにすぎない。パッケージから所望の量の製品を注ぎ出す際に、使用者は、フラップをわずかに内側へ折り曲げることができる。第2の部分の両側にあるフラップは、開放部を破いて開放すると引き離されて、内側に折り曲げることができる。そして、第1および第2の部分によって形成される裂開領域(torn open area)をフラップの後方に嵌めることができ、それによって裂開領域をその閉鎖位置に保持することができる。
【0012】
引き裂き開始部は、パッケージの第1のパネル上の第1の位置からパッケージの第1のパネルおよび第2のパネルに共通の角縁部まで延び、さらに、角縁部に沿って第1の距離だけ延び、角縁部から第2のパネルまで延び、第2のパネルから角縁部に戻り、角縁部に沿って第2の距離だけ延び、角縁部から第1のパネル上の第2の位置まで延びているので、第1のパネルの実質的に全表面積を占有できる開放部を第1のパネル上に形成することが可能となる。引き裂き開始部が第2のパネル上に延びている部分は、引き裂き動作の特別に構成された初期破れを可能にしており、つかみ動作により包装材料を角縁部(または第2の部分の初期破れによって形成された縁部)でしっかりとつかむことは比較的容易である。
【0013】
第1の部分が角縁部に沿った第1の長さを有し、第2の部分が角縁部に沿った第2の長さを有し、第1の長さが前記第2の長さよりも長くなるように引き裂き開始部を構成することで、初期引き裂き動作で破られる引き裂き開始部の全長が制限されることによって初期破れが容易になる。いったん引き裂き動作が開始されると、引き裂き運動は、亀裂伝播と同様に、比較的容易に引き裂き開始部に追随することになる。角縁部に沿った長さの違いによって、再閉鎖可能な機能を与えるフラップを備えることも可能となる。好ましい実施態様では、フラップは、パッケージが開放される前にはパッケージ壁の一部であり、フラップの自由縁部は、開放部が破かれて開放されると自動的に解放される。
【0014】
パッケージにおいて、第1の傾斜折り線が、第2の部分を規定する引き裂き開始部から角縁部まで延びており、第2の傾斜折り線が、第2の部分の反対側で、第2の部分を規定する引き裂き線から角縁部まで延びていることで、2つのフラップ部が規定され、各フラップ部が、角縁部を伴って、第2のパネル上の第2の部分の互いに対向する側部に位置している。開放部を破いて開放するとフラップが自動的に形成され、使用者は、フラップを折り線に対して内側に折り曲げることで固定フラップを得ることができ、それによって再閉鎖可能な機能が与えられる。
【0015】
角縁部での第1のパネルがパッケージの外側へ凸状に湾曲するようにパッケージを形成することで、このように形成されたフラップは、それらが影響を受けない状態では、上方に延びる角部を有することになり、内側に折り曲げられると、角部は明らかに内側に延びるため、明確な固定機能が形成されることになる。
【0016】
さらに、角縁部での第2のパネルがパッケージの内側へ凹状に湾曲するようにパッケージが形成されるので、このように形成されたフラップには、スナップオーバー(snap-over)効果が与えられ、それによりフラップには、内側か外側に折り曲げられた状態に維持される傾向が与えられる。直線状の折り目は、第2のパネルの湾曲に伴ってわずかに湾曲することになり、折り目の端部から端部までの直線距離は、フラップが平らに置かれた状態での折り目の長さよりもわずかに短くなる。したがって、フラップは、内側に折り曲げられると内側に折り曲げられたままとなり、これによっても固定機能はさらに強力なものになる。
【0017】
好ましい実施態様は、従属請求項から得られている。
【0018】
開放部の第1の部分を規定する、引き裂き開始部の第1の部分および第2の部分が、第1のパネル上を、角縁部から角縁部に対して実質的に直線状に延びていてよい。このように、引き裂き開始部は、使用者の自然な動きに追随することになり、使用者が左利きか右利きかに関係なく、パッケージを開放するのが容易になる。
【0019】
開放部の第1の部分を規定する、引き裂き開始部の第1の部分および第2の部分が、角縁部から間隔を置いて位置する端部をそれぞれ有し、折り線が端部の間に形成されていてよい。それによって、引き裂き動作は自然な終了位置を有することになる。折り線の端部を用いて、さらなる引き裂きを防止する自然な停止手段を形成することができる。開放部の第1の部分は、折り線に対してフラップのように開放されることになる。折り線は、折り目であってよく、あるいは、パネルの曲がりを容易にしてそこに集中させる、他の何らかの剛軟度(bending resistance)における局所的差異であってよく、それにより、パネルの曲がりが線に制限されるようになる。
【0020】
開放部の第2の部分を規定する、引き裂き開始部の一部が、角縁部と両端部で接続する曲線または折れ線に沿って延びていてよく、それによって、開放部を破いて開放する時に、第2の部分が、第2のパネルから引き離されて、第1の部分と連結されたままになる。曲線または折れ線によって、第2のパネルから区切られた領域が形成されるため、第1の部分の引き裂きを容易にする初期破れ領域および把持部が得られることになる。例えば、曲線は、半円か、あるいは角縁部に対して直線状に接線方向に延びている部分(tangential extension)を備えた半円として形成されていてよく、また半円に満たないものとして形成されていてもよい。例えば、折れ線は、上下逆さまにしたマンサード屋根状に形成されていてよい。
【0021】
パッケージの背面壁が、パッケージの底面から第1のパネルまでの長さを有し、第2のパネルで少なくとも部分的に形成された、パッケージの前面壁が、パッケージの底面から第1のパネルまでの長さを有していて、背面壁の長さが前面壁の長さよりも長くなっていてよい。それによって、傾斜した上面パネルが形成される。傾斜した上面パネルによって、開放部に利用できる表面積が増大することになる。
【0022】
パッケージが、パッケージの少なくとも内側に不透過性高分子基材層を備えた紙ベースの積層包装材料で形成されていてよい。それによって、パッケージは、液体食品の保存用に使用することができる。用途に応じて、不透過度は変化させることができる。冷凍配送製品や温度の影響を受けない製品に対しては、液体不透過性が備えてあれば十分である。いくつかの用途では、風味が喪失したり製品が例えば酸素と反応したりするのを防ぐために、気体不透過性を備えている必要がある。さらに他の用途では、冷凍配送を必要としない、いわゆる超高温処理食品を配送するのに十分な気密性をパッケージが維持するのを可能にするために、パッケージに、(通常はアルミニウムの)バリアが施されている必要がありうる。
【0023】
高分子基材層がヒートシール可能であってよく、それにより、パッケージの閉鎖および形成が容易になる。
【0024】
引き裂き開始部が、引き裂き線に沿って延びるミシン目で形成されていてよい。これによって、明確な引き裂き動作をもたらす簡単な解決手段が与えられる。
【0025】
パッケージの背面壁と隣接するパッケージの前面壁とがぴったりと合うように、背面壁の最上部には、第1および第2のパネルに共通の角縁部の湾曲に対応する湾曲が形成されていてよい。これによって、輸送時に空きスペースの利用が増え、コンベアなどで輸送する際には、パッケージが倒れるのを防止する手助けとなる。当接面の傾斜が異なると、互いに当接するパッケージの列で、パッケージ自体の傾斜を引き起こす傾向があり、最終的には、パッケージが倒れて、生産設備の停止時間が生じることがある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下に、添付の概略図を参照し、現在好ましい実施形態の例を通じて本発明を説明する。
【0027】
図1を参照すれば、パッケージは、第1のパネルとしても表される上面パネル10と、第2のパネルとしても表される前面パネル20と、後部パネル30と、2枚の側面パネル40および50とを有している。
【0028】
底面は、任意の適切で利用可能な方法で形成することができる。底面を折り曲げる方法については異なる種類の方法がいくつか存在し、その多くが当技術分野で公知である。したがって、底面形成について詳しくは議論しない。
【0029】
パッケージは、開放部を形成するための引き裂き開始部60をさらに有している。引き裂き開始部60は、ミシン目によって形成されている。引き裂き開始部60は、第1のパネル10(上面パネル)上の第1の位置61から上面パネル10および前面パネル20に共通の角縁部11まで延びている(60aおよび60cとして表される部分)。引き裂き開始部60は、さらに、角縁部11に沿って第1の距離60eだけ延び、角縁部11から前面パネル20まで延び、前面パネル20から角縁部11に戻るように延びている。前面パネル上にある引き裂き開始部60の部分は、60gとして表されている。引き続き、引き裂き開始部60は、角縁部11に沿って第2の距離60fだけ延び、角縁部11から上面パネル10上の第2の位置62まで延びている。第1および第2の位置61、62は、角縁部11から間隔を置いて位置している。引き裂き開始部60は、開放部の上面パネル10上の第1の部分71と開放部の前面パネル20上の第2の部分72とを規定している。
【0030】
特に図1に示すように、第1の部分71は、角縁部11に沿った第1の長さ60e、60h、60fを有し、第2の部分72は、角縁部11に沿った第2の長さ60bを有しており、第1の長さ60e、60h、60fは、第2の長さ60hよりも長い。この点において、第1および第2の部分71、72がどちらも60hとして表される距離に沿った長さを有しているのに対し、第1の部分71は、角縁部11に沿って第2の部分から離れる両方向に延びていることに留意されよう。
【0031】
図1、図4、および図5に示すように、角縁部11での上面パネル10がパッケージの外側へ凸状に湾曲するように、パッケージは形成されている。さらに、図2および図5に示すように、角縁部11での前面パネル20がパッケージの内側へ凹状に湾曲するように、パッケージは形成されている。
【0032】
図1、図4、および図5に示すように、第1の傾斜折り線81は、第2の部分72を規定する引き裂き開始部60gから角縁部11まで延びており、第2の傾斜折り線82は、第2の部分72の反対側で、第2の部分を規定する引き裂き線60gから角縁部11まで延びており、それによって、2つのフラップ部91、92は規定され、各フラップ部は、角縁部11を伴って、前面パネル上の第2の部分72の互いに対向する側部に位置している。
【0033】
第1の傾斜折り線81は、第2の部分72を規定する引き裂き開始部60g上に位置し、角縁部11から間隔を置いて位置する点81aから、角縁部11上に位置し、第2の部分72から間隔を置いて位置する点81bまで延びている。第2の傾斜折り線82は、第2の部分72を形成する引き裂き開始部60g上にあって、角縁部11から間隔を置いて位置し、第2の部分72に対して第1の折り線81の対応する点81aに対向している点82aから、角縁部11上にあって、第2の部分72から間隔を置いて位置し、第2の部分72に対して第1の折り線81の対応する点81bとは逆方向の点82bまで延びている。
【0034】
図2に示すように、開放部の第1の部分71を規定する、引き裂き開始部60の第1の部分60aおよび第2の部分60bは、上面パネル10上を、角縁部11から角縁部11に対して実質的に直線状に延びている。引き裂き開始部の第1および第2の部分60a、60bから角縁部11に沿って延びる部分60e、60fまで移行する部分において、引き裂き開始部60が滑らかな移行部分を形成する2本の曲線60c、60dに従うことにより、引き裂き開始部60に沿った亀裂伝播が、向きを変えて、角縁部11に沿った移動から上面パネル10上へと移動可能となることにも留意されよう。
【0035】
図1、図2、および図5に示すように、上面パネル10上の第1の部分71を規定する、引き裂き開始部60の各部分60a、60bの端部61、62の間に、折り目状の折り線63が形成されている。
【0036】
前面パネル20上の第2の部分72を規定する、引き裂き開始部60の部分60gは、角縁部11と両端部で接続する半円状の線に沿って延びている。図4から明らかなように、開放部を破いて開放する時に、第2の部分72は、前面パネル20から引き離され、第1の部分71と連結されたままになる。
【0037】
パッケージの背面壁30の、パッケージの底面から上面パネル10までの長さは、前面壁20の、パッケージの底面から上面パネル10までの長さよりも長い。それによって、上面パネル10は前方に傾斜することになる。この傾斜によって、パッケージが配置される幾何学的管状体の断面外周内により大きな表面積を生じることになる。
【0038】
パッケージは、パッケージの少なくとも内側に不透過性高分子基材層を備えた紙ベースの積層包装材料で形成されており、高分子基材層はヒートシール可能である。
【0039】
パッケージの背面壁30と隣接するパッケージの前面壁20とがぴったりと合うように、背面壁30の最上部30aには、上面パネル10および前面パネル20に共通の角縁部11の湾曲に対応する湾曲が形成されている。
【0040】
このように形成された開放部は、角縁部11を横切って延びる第1および第2の部分71、72によって形成された角縁部を使用者がしっかりとつかむことで開放されることになる。使用者がこの接合部で角縁部11をつかむと、引き裂き開始部60gが破れて第2の部分72が前面パネル20から引き離されるまで、第1および第2の部分71および72は、互いに内側へわずかにたわむことになる。その後、上面パネルのうち、上面パネル10上にある引き裂き開始部の部分60a−60dの間に位置する部分71が、上方に引っ張られる。この引き裂き動作は、第2の部分72から第1の部分71まで、角縁部11に沿って伝播し、その後、第1の部分71が引き離され始めることになる。あるいは使用者は、最初に、第2の部分72を内側に押し込むことができ、それにより、第2の部分72を前面パネル20から引き離すことができる。それから、第2の部分72が下に再度折り曲げられて第1の部分71に対して平面状に当接する縁部をしっかりとつかむことで、開放部の残りの第1の部分71が破かれて開放される。したがって、第2の部分72を最初にパッケージに押し込む場合、つかむべき幅は、上面パネル10および前面パネル20を組み合わせた材料厚さにすぎない。パッケージから所望の量の製品を注ぎ出す際に、使用者は、フラップ91、92をわずかに内側へ折り曲げることができる。第2の部分72の両側にあるフラップ91、92は、開放部を破いて開放すると引き離されて、折り線81および82に対して内側へ折り曲げることができる。そして、第1および第2の部分71、72によって形成される裂開領域をフラップ91、92の後方に嵌めることができ、それによって裂開領域をその閉鎖位置に保持することができる。
【0041】
パッケージが形作られると、前面パネルが角縁部の近傍で凹状に湾曲することになるので、フラップ91、92は、フラップを内側に曲がった状態に維持するスナップオーバー効果を有することになる。各傾斜折り線81、82は、前面パネル20の湾曲に伴ってわずかに湾曲することになり、各折り線81、82の端部から端部までの幾何学的な直線距離81a、81b;82a、82bは、フラップが平らに置かれた状態の、または実際の折り線81、82の長さよりもわずかに短くなる。したがって、折り線81、82は、2つの安定位置、すなわち外側か内側に湾曲した位置を有することになる。したがって、フラップは、内側に折り曲げられると内側に折り曲げられたままとなり、これによっても固定機能はさらに強力なものになる。
【0042】
要約すると、パッケージは、開放部71、72を形成するための引き裂き開始部60を有し、引き裂き開始部60が、第1のパネル10から、第1のパネル10および第2のパネル20に共通の角縁部11まで延び、さらに、角縁部11に沿って延び、角縁部11から第2のパネル20まで延び、第2のパネル20から角縁部11に戻り、角縁部11に沿って延び、角縁部11から第1のパネル10上へと延びており、角縁部11での第1のパネル10がパッケージの外側へ凸状に湾曲し、角縁部11での第2のパネル20がパッケージの内側へ凹状に湾曲しており、第2の部分の互いに対向する側部にあって、それぞれが第2の部分72を規定する引き裂き開始部60gから角縁部11まで延びる2本の傾斜折り線81、82が、角縁部11での2つのフラップ部91、92を規定していると言えよう。
【0043】
当業者には、本発明の範囲内でいくつかの修正および変更が可能であることが容易に理解される。例えば、前面パネル20上の第2の部分72を形成する、引き裂き開始部60の部分60gが他の形状を有していてよいことに留意されよう。例えば、それは湾曲に沿って異なる半径を有する曲線を使用して形成されていてよく、角縁部からの距離が半径よりも短いかまたは長い位置に、その中心が位置していてよい。しかし、角縁部11に沿って第2の部分72および第1の部分71によって形成された角部に形成されるフラップが依然として存在することが重要である。部分60gは、折れ線として、例えば上下逆さまにしたマンサード屋根状に形成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】パッケージの正面から見た平面図である。
【図2】パッケージの上方から見た平面図である。
【図3】パッケージの側面から見た平面図である。
【図4】開放部が完全に破かれて開放されたパッケージを上方から示す斜視図である。
【図5】図4の開放部が再閉鎖され、固定フラップが開放部を再閉鎖した状態に維持しているパッケージを上方から示す斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
開放部(71、72)を形成するための引き裂き開始部(60)を有するパッケージにおいて、前記引き裂き開始部(60)が、前記パッケージの第1のパネル(10)上の第1の位置(61)から前記パッケージの前記第1のパネル(10)および第2のパネル(20)に共通の角縁部(11)まで延び、さらに、前記角縁部(11)に沿って第1の距離(60e)だけ延び、前記角縁部(11)から前記第2のパネル(20)まで延び、前記第2のパネル(20)から前記角縁部(11)に戻り、前記角縁部(11)に沿って第2の距離(60f)だけ延び、前記角縁部(11)から前記第1のパネル(10)上の第2の位置(62)まで延びており、前記引き裂き開始部(60)が、前記開放部の前記第1のパネル(10)上の第1の部分(71)と前記開放部の前記第2のパネル(20)上の第2の部分(72)とを規定し、
前記第1の部分(71)が前記角縁部(11)に沿った第1の長さ(60e、60h、60f)を有し、前記第2の部分(72)が前記角縁部(11)に沿った第2の長さ(60h)を有し、前記第1の長さ(60e、60h、60f)が前記第2の長さ(60h)よりも長く、
前記角縁部(11)で前記第1のパネル(10)が前記パッケージの外側へ凸状に湾曲するように、また、前記角縁部(11)で前記第2のパネル(20)が前記パッケージの内側へ凹状に湾曲するように、前記パッケージが形成され、
第1の傾斜折り線(81)が、前記第2の部分(72)を規定する前記引き裂き開始部(60g)から前記角縁部(11)まで延びており、第2の傾斜折り線(82)が、前記第2の部分(72)の反対側で、前記第2の部分(72)を規定する前記引き裂き線(60g)から前記角縁部(11)まで延びており、それによって、2つのフラップ部(91、92)が規定され、前記各フラップ部が、前記角縁部(11)を伴って、前記第2のパネル(20)上の前記第2の部分(72)の互いに対向する側部に位置していることを特徴とするパッケージ。
【請求項2】
前記開放部の前記第1の部分(71)を規定する、前記引き裂き開始部(60)の第1の部分(60a)および第2の部分(60b)が、前記第1のパネル(10)上を、前記角縁部(11)から前記角縁部(11)に対して実質的に直線状に延びている、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記開放部の前記第1の部分(71)を規定する、前記引き裂き開始部(60)の第1の部分(60a)および第2の部分(60b)が、前記角縁部(11)から間隔を置いて位置する端部(61、62)をそれぞれ有し、折り線(63)が前記端部(61、62)の間に形成されている、請求項1または2に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記開放部の前記第2の部分(72)を規定する、前記引き裂き開始部(60)の一部(60g)が、前記角縁部(11)と両端部で接続する曲線または折れ線(60g)に沿って延び、それによって、前記開放部を破いて開放する時に、前記第2の部分(72)が、前記第2のパネル(20)から引き離されて、前記第1の部分(71)と連結されたままになる、請求項1から3のいずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記パッケージの背面壁(30)が、前記パッケージの底面から前記第1のパネル(10)までの長さを有し、前記第2のパネル(20)で少なくとも部分的に形成された、前記パッケージの前面壁が、前記パッケージの底面から前記第1のパネル(10)までの長さを有し、前記背面壁(30)の長さが前記前面壁(20)の長さよりも長い、請求項1から4のいずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記パッケージが、前記パッケージの少なくとも内側に不透過性高分子基材層を備えた紙ベースの積層包装材料で形成されている、請求項1から5のいずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項7】
前記高分子基材層がヒートシール可能である、請求項6に記載のパッケージ。
【請求項8】
前記引き裂き開始部がミシン目(60)で形成されている、請求項1から7のいずれか1項に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記パッケージの前記背面壁と隣接するパッケージの前面壁とがぴったりと合うように、前記背面壁の最上部には、前記第1および第2のパネルに共通の前記角縁部の湾曲に対応する湾曲が形成可能である、請求項1から8のいずれか1項に記載のパッケージ。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate


【公表番号】特表2009−520653(P2009−520653A)
【公表日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−546469(P2008−546469)
【出願日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際出願番号】PCT/EP2006/070088
【国際公開番号】WO2007/071764
【国際公開日】平成19年6月28日(2007.6.28)
【出願人】(508189175)
【氏名又は名称原語表記】STORA ENSO OYJ
【Fターム(参考)】