説明

間欠印刷機

【課題】間欠印刷機で、見当合わせを自動的にスムーズ、かつ高精度に行うる。
【解決手段】各印刷ユニット2a〜2dを天地方向にユニット移動モータ14a〜14dにて移動可能にすると共に、各印刷ユニットの印刷胴をサイドレーモータ17a〜17dにて軸方向に移動可能にし、用紙3の走行方向最下流側の印刷ユニットの下流側に、各印刷ユニットにて印刷される各絵柄ごとの見当マークを読み込んで基準となる印刷ユニットの見当マークに対する見当ズレを検出するCCDカメラ19を設け、CCDカメラからの見当ズレ量信号を受けて、基準となる見当マークに対する見当ズレ修正量信号を該当する各印刷ユニットのユニット移動モータとサイドレーモータに、少なくともユニット移動モータへは印刷胴の小径部が圧胴に対向している間にわたって出力するコントローラ20を設け、このコントローラによる天地方向の1回の見当修正量信号を制限し、この制限を越える場合に制限内で分割してユニット移動モータへ出力するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の印刷ユニットを用いた印刷ラインに用紙を間欠走行させて間欠印刷を行う間欠印刷機であって、各印刷ユニットにより印刷される絵柄の天地方向と左右方向の見当を自動的に合わせることができるようにした間欠印刷機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
間欠印刷機において、間欠送りの印刷ラインで印刷見当を合わせる場合は、印刷誤差を各絵柄ごとにセンサで読み取り、その検出信号によって各印刷ユニットを用紙の走行方向に移動制御を行って印刷位置を制御するようにしている。そしてこの印刷位置の制御は、各印刷ユニットの印版が非接触時での用紙の停止中にて行うようにしている(特許文献1)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭62−201248号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記したように、この種の間欠印刷機の印刷見当合わせは、間欠送りされる用紙が停止している間に行われるようになっているが、印刷速度が高速になるほど用紙に対する印版の非接触時間が短く、例えば200ショット/分での上記非接触時間は0.2秒であり、この間において見当合わせ量に見合う大きな移動量を設定すると、重量の大きい印刷ユニットの移動、停止に伴う衝撃、振動が大きく、印刷機と印刷精度に悪影響を及ぼすことになる。
【0005】
また上記従来のものにあっては、印刷ユニットの移動機構として、ラックとピニオンギヤ、あるいは油圧やコンベア方式にて行うようにしているが、いずれも印刷ユニットの移動方向をロックするための強力なブレーキ手段が必要であり、かつ高速移動域でのブレーキロック、解除の応答性が問題になる。
【0006】
さらに上記従来のものでは、各印刷ユニットごとにセンサを設置して、各印刷ユニットにて印刷される見当マークに対して追随させるためのコストが高く、しかも印刷絵柄の天地サイズの変更のたびごとに読み取り位置を正確に合わせなくてはならず、そのための調整時間を要し、読み取り位置がずれていると補正に誤差が生じるという問題があった。
【0007】
そしてさらに上記従来のものでは、左右の見当合わせを行うことができず、用紙の幅方向の見当不良に対して対処することができなかった。
【0008】
本発明は上記のことに鑑みなされたもので、間欠印刷機の印刷ラインでの天地方向と左右方向の印刷見当合わせを自動的にスムーズ、かつ高精度に行うことができるようにした間欠印刷機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するために、請求項1の本発明に係る間欠印刷機は、周方向に印版を取り付けた大径部を有する印刷胴と、印版に転接する圧胴とからなる複数の印刷ユニットを間欠送りされる用紙の走行方向に配置してなる間欠印刷機において、各印刷ユニットを天地方向にユニット移動モータにて移動可能にすると共に、各印刷ユニットの印刷胴をサイドレーモータにて軸方向に移動可能にし、用紙の走行方向最下流側の印刷ユニットの下流側に、各印刷ユニットにて印刷される各絵柄ごとの見当マークを読み込んで基準となる印刷ユニットの見当マークに対する見当ズレを検出するCCDカメラを設け、CCDカメラからの見当ズレ量信号を受けて、基準となる見当マークに対する見当ズレ修正量信号を該当する各印刷ユニットのユニット移動モータとサイドレーモータに、少なくともユニット移動モータへは印刷胴の小径部が圧胴に対向している間にわたって出力するコントローラを設け、このコントローラによる天地方向の1回の見当修正量信号を制限し、この制限を越える場合に制限内で分割してユニット移動モータへ出力するようにした構成になっている。
【0010】
請求項2の発明は、上記の間欠印刷機において、各印刷ユニットをフレームに天地方向に向けて設けたねじ軸に螺合し、このねじ軸にユニット移動モータを連結した。
【0011】
また請求項3の発明は、上記請求項1または2の間欠印刷機において、コントローラによる天地方向の1回の見当修正量信号の制限量を変更可能であるようになっている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1の発明にあっては、間欠印刷される複数の絵柄の見当合わせを天地方向と共に左右方向の双方にわたって行うことができる。そして各絵柄の見当マークの見当ズレを1個のCCDカメラにて認識することができるので、各印刷ユニットごとにセンサを設けるようにした従来の技術に比較してコストが安く、その上、絵柄ごとのセンサの位置合わせが不要になって、見当合わせ作業の作業効率をよくすることができる。
【0013】
また、特に本発明にあっては、各印刷ユニットにおける天地方向に見当合わせの際の印刷ユニットの1回に移動量が制限され、見当合わせの修正量がこの制限の移動量を越える場合には、印刷ユニットの天地方向の移動が複数回に分割されて行うことができることにより、見当合わせによる印刷ユニットの1回の移動距離が短くて済み、高速印刷時での見当合わせによる印刷ユニットの移動、停止による衝撃を少なくすることができる。
【0014】
本発明の請求項2の発明にあっては、印刷ユニットの天地方向の移動をねじ軸によって行うことができることにより、ピニオンギヤとラックによるもの、あるいは油圧にて行うものに比較して構造を簡単にすることができると共に、ねじによる固定作用により、ON,OFFを繰り返す強力なブレーキ装置を必要とすることなく、しかも移動、停止の際の高速追随性を得ることができる。
【0015】
本発明の請求項3の発明にあっては、上記印刷ユニットの1回の最大移動量を変更することにより、天地合わせの際の各印刷ユニットの移動量を用紙の走行速度に応じて調整することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明に係る間欠印刷機の概略的な構成説明図である。
【図2】印刷ユニットの概略的な構成説明図である。
【図3】印刷ユニットの移動機構を概略的に示す斜視図である。
【図4】印刷絵柄と共に見当マークを印刷した用紙を示す平面図である。
【図5】各絵柄の見当マークのズレ状態を示す説明図である。
【図6】見当合わせの制御を示す見当制御フロー図である。
【図7】CCDカメラ部での制御の具体例を示す見当制御フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1は本発明を適用しようとする間欠印刷機の一例を示すもので、図中1は給紙部、2は複数の、例えばブラックB、イエローY、マゼンタM、シアンCのそれぞれの色を印刷する第1〜第4の印刷ユニット2a,2b,2c,2dを備えた印刷部であり、この印刷部2の上流側と下流側に上記給紙部1からの用紙3を印刷部2に間欠走行させる間欠送り装置4a,4bが設けてある。そして上流側の間欠送り装置4aの上流側と、下流側の間欠送り装置4bの下流側に間欠送りされる用紙3のたるみを吸収するループ部5a,5bが設けられている。上記両間欠送り装置4a,4bのそれぞれは、個々に回転制御可能にしたセクショナルモータ等の単独駆動モータにて駆動されるようになっている。
【0018】
上記各印刷ユニット2a〜2dのそれぞれは同一構成のオフセット型で、互いに転接して逆方向に回転する版胴6とブランケット胴7と圧胴8とからなっており、版胴6に図示しないインキ装置のロールが転接されている。そしてこの各印刷ユニット2a〜2dは、上記間欠送り装置4a,4bと同様に回転制御可能な単独モータにて駆動されるようになっている。
【0019】
上記各印刷ユニット2a〜2dの各胴構成は図2に示すようになっていて、ブランケット胴7の周面には、これの全周長より短い周長のブランケット7aが固定される大径部となっており、このブランケット7aが圧胴8に転接してニップ部が構成され、ブランケット7aがない小径部は、圧胴8に対して接触しないニップ解放部となっている。そしてブランケット胴7の回転位相が、このニップ解放部にある状態が印刷ユニットの見当ズレ修正を行うことができる見当ズレ修正可能領域となっている。版胴6の周面には、上記ブランケット胴7のブランケットに転接する刷版が取り付けられるようになっている。なお、圧胴8にもブランケット胴7に対するニップ解放用の小径部を設けてもよい。
【0020】
上記した各印刷ユニット2a〜2dは、図1において基台9上に用紙3の走行(天地)方向に移動可能に載置されている。図3はこの印刷ユニット2a〜2dの移動手段を示すもので、各ユニットのフレーム10は基台9の天地方向に設けたねじ軸11に螺合している。そしてこのねじ軸11を傘歯車機構12と駆動軸13を介して各印刷ユニット2a〜2dのユニット移動モータ14a,14b,14c,14dにて回転することにより、フレーム10が天地方向に移動するようになっている。上記フレーム10には、基台9に設けたレール15に係合するリニアガイド16が設けてあり、レール15上をリニアガイド16が滑動することにより印刷ユニット2a〜2dは軽い力で移動可能になっている。
【0021】
上記各印刷ユニット2a〜2dの版胴6は、図3において軸方向左右方向にわずかに移動可能になっており、この移動は各印刷ユニット2a〜2dの各サイドレーモータ17a,17b,17c,17dにて行うことができるようになっている。
【0022】
図1に示した間欠印刷機にあっては、例えば図4に示すように、B,Y,M,Cの4色で印刷された絵柄18が等間隔で繰り返し印刷される。そしてこのときの各印刷ユニット2a〜2dによる見当マークB,Y,M,Cが各絵柄ごとに用紙3の余白部に印刷されるようになっている。そしてこの各見当マークの間隔は、例えば4mmとなっている。
【0023】
上記図1において、印刷部2の下流側に、印刷部2の各印刷ユニット2a〜2dにて印刷された第1〜第4の見当マークB,Y,M,Cを同一視野にて監視するCCDカメラ19が設けてある。
【0024】
このCCDカメラ19は、上記各見当マークB,Y,M,Cを読み込んで画像処理し、基準となる見当マーク、例えば第1の天地マークBに対する第2、第3、第4の見当マークのY,M,Cの天地方向、左右方向の見当ズレを検出するようになっている。
【0025】
図5にCCDカメラ19で読み込んだ各見当マークB,Y,M,Cの一例を示す。この場合において、基準となる第1の見当マークBに対して他の見当マークY,M,Cの天地方向の位置d2,d3,d4が、例えばd2=4.27mm、d3=7.7mm、d4=12.1mmであり、左右方向のずれ量h2、h3、h4がh2=(+)0.1mm、h3=(−)0.3mm、h4=0であるとすると、各見当マークの間隔が上記したように4mmであることから、CCDカメラ19では、第2の見当マークYは第1の見当マークBに対して天地方向に△d2=0.27mm、幅方向にh2=(+)0.1mmずれていることを検出し、以下同様に、第3の見当マークMは△d3=(−)0.3mm、h3=(−)0.3mm、第4の見当マークCは△d4=(+)0.1mm、h4=0のそれぞれのズレ量を読み込む。そしてこの読み込み値がコントローラ20に順次入力されるようになっている。
【0026】
コントローラ20では、上記CCDカメラ19から順次入力された各見当マークY,M,Cの天地方向と左右方向のずれ量を逐次処理して、各印刷ユニットのユニット移動モータ14b,14c,14dとサイドレーモータ17b,17c,17dに上記ずれ量(△d2、h2)、(△d3、h3)、(△d4、h4)に相当するパルス信号を送り、各印刷ユニットが、それぞれの上記天地方向の見当ズレがゼロになる方向に移動するように、各ユニット移動モータ14d,14c,14dが駆動されると共に、各印刷ユニットの版胴が、それぞれの左右方向の見当誤差がゼロになる方向に移動するように、各サイドレーモータ17b,17c,17dが駆動されるようになっている。このときの天地方向の見当ズレの修正は、ブランケット胴7の小径部が圧胴8に対向する非ニップ状態である見当ズレ修正可能領域にて行われるようになっている。なお、左方向のズレ量の修正は、版胴7と圧胴8との非ニップ状態時だけではなく、常時行うことができる。
【0027】
このときにおいて、天地方向の各見当ズレ量△d2、△d3、△d4の1回の修正量の最大量が制限されていて、この天地方向の1回の修正量は、例えば0.1mmに制限されている。このため0.27mmである△d2を修正する場合には、0.1mm、0.1mm、0.07mmの3回に分割して修正される。この1回の修正量の最大量は、コントローラ20で変更できるようになっている。
【0028】
図6、図7は、上記した見当ズレ量を修正するための見当制御フローを概略的に示すもので、以下にこの図に基づいて第1の印刷ユニット2aにて印刷されるブラックの絵柄に対する他の第2・第3・第4の印刷ユニット2b,2c,2dにて印刷されるイエローY、マゼンタM、シアンCの各絵柄の天地方向、左右方向のズレを修正するフローを説明する。
【0029】
図6は見当修正フローの全体を示すもので、この図において、見当修正開始のステップ(1)後に、見当位置登録のステップ(2)にて第1の見当マークBに対する他の見当マークY,M,Cの天地方向の位置d2,d3,d4と左右方向の位置h2,h3,h4を登録する。このとき図5において、d2=4mmm、d3=8mm、d4=12mm、h2,h3,h4はそれぞれゼロであるとする。ついで各印刷ユニット2a〜2dの印刷速度の基準信号と1つの絵柄の印刷長信号をステップ(3)にて確認する。
【0030】
この状態でCCDカメラ19のステップ(4)にて、見当マークB,Y,M,Cの位置を同一の視野で読み込み、ステップ(5)にて基準となる第1の見当マークBに対して、他の見当マークY,M,Cに天地方向、左右方向の見当ズレが有るか判断する。この判断は、各見当マークY,M,Cごとに行う。そして見当ズレが有る場合には、第1の見当マークBに対する各見当マークのズレ量をステップ(6)にて測定し、それぞれの天地方向、左右方向の見当ズレ量をステップ(7)にて計算する。この計算は各見当マークY,M,Cごとに行い、各見当マークのズレ量(△d2,h2)、(△dd,h3)、(△d4,h4)を順次行い、これらのズレ量はパルスに換算してコントローラ20に入力する。
【0031】
CCDカメラ19から上記各見当ズレ量の信号が入力されたコントローラ20では、各印刷ユニット2b〜2dにおいての見当修正可能領域の判断をステップ(8)にて行い、上記各見当ズレ量を修正しようとする各印刷ユニットのブランケット胴7が用紙非接触域にあるかを判断する。この判断は、ブランケット胴7の用紙を検出するエンコーダのパルス数で監視することによって行われる。
【0032】
例えば、ブランケット胴7の1回転が3000パルスであり、そのうち1800パルスから2300パルスの間の500パルスの範囲にわたって用紙非接触域であるとすると、この500パルスが見当修正可能領域となり、これは1分間に200ショットである場合0.2秒であり、この0.2秒の間で上記天地方向の見当ズレ量△d2、△d3、△d4を修正することができることを意味している。
【0033】
コントローラ20は、上記CCDカメラ19からの天地方向の各見当ズレ量△d2、△d3、△d4に対する各見当修正信号を分割する見当修正信号分割出力のステップ(9)を有している。このステップ(9)では、このステップ(9)にて出力される天地方向の見当修正量信号の1回の大きさは制限されており、上記見当ズレを修正するための修正量がこの制限を越える場合には、この制限内で複数に分割して繰り返し出力されるようになっている。
【0034】
この各分割修正信号が各印刷ユニット2b,2c,2dのユニット移動モータ14b,14c,14dに出力されるようになっている。このときの天地方向の見当ズレの修正信号は、各印刷ユニットの各見当修正可能領域ごとにそれぞれのユニット移動モータ14b,14c,14dに入力される。また、左右方向の修正信号は上記見当修正可能領域、あるいは随時にわたってサイドレーモータ17b,17c,17dに入力される。
【0035】
各印刷ユニット2b,2c,2dでは、それぞれの天地方向の見当ズレ量に相当する天地方向の距離が複数回にわたって移動されて、上記天地方向のズレが分割修正される。また、左右の見当ズレ量に相当する左右方向の見当ズレの修正記号は、各印刷ユニット2b,2c,2dの各サイドレーモータ17b,17c,17dに入力されて、この各モータにより版胴6が軸方向に移動され、この天地方向の見当ズレが修正される。
【0036】
上記見当修正は、基準となる第1の印刷ユニット2aにて印刷された見当マークBに対して、第2・第3・第4の印刷ユニット2b,2c,2dにわたって順次行われ、それぞれの見当修正がステップ10にて確認される。そしてこれの確認後にCCDカメラ19による見当位置の読み込みに戻る。
【0037】
上記CCDカメラ19におけるステップ(5)、(6)、(7)の具体例を、第2の見当マークYにおけるズレ量の修正について、図7の見当制御フロー図にて説明する。
【0038】
まずステップ(4)にて第1の見当マークBに対する第2の見当マークYの天地方向と左右方向の見当位置d2=4.27mm、h2=+0.1mmを読み込む。ついでステップ(5)にて第1の見当マークBに対する第2の見当マークYの天地方向、左右方向の見当ズレの有無を判断する。
【0039】
ステップ(5)にて見当ズレ有りと判断されると、ステップ(6)の見当ズレ量測定内でのステップ(6−1)にて天地方向の見当ズレ量が△d2=0.27mmであることを読み込み、ステップ(6−2)にてこのズレ量に相当する天地見当ズレ量△d2=0.27mmを出力する。そしてステップ(6−3)にて、この天地見当ズレ量の修正量出力の完了を確認したら、この天地見当修正信号による天地方向の移動量(0.27mm)をステップ(7)にてパルスに換算してコントローラ20に入力する。
【0040】
上記ステップ(6−3)にて天地ズレ量の修正量出力の完了を確認して、これの移動量の信号をステップ(7)へ出し終えたら、次にステップ(6−1)から(6−4)にて左右方向の見当ズレ量が△h2=+0.1mmであることを読み込み、ステップ(6−5)にてこの左右見当ズレ量△h2=+0.1mmを出力する。そしてステップ(6−6)にて、この左右見当ズレ量修正量出力の完了を確認したら、この左右見当修正信号による左右方向の移動量(+0.1mm)をステップ7にてパルスに換算してコントローラ20に入力する。
【0041】
上記のようにしてステップ(6−6)にて第2の見当マークYの見当ズレ量修正量出力が完了したら、次に第3の見当マークMの見当ズレ量修正量の演算を行い、これが第3の見当マークCまで順次繰り返し行われる。
【0042】
上記第2の見当マークYの天地見当ズレ量△d2の0.27mmがコントローラ20に入力されると、これのステップ(9)では、これの最大見当修正量信号の大きさを0.1mmに設定してあれば、これのステップ(9)からの第1回目の修正信号は、この印刷ユニット26の各見当ズレ修正可能領域にて0.1mmと、0.1mmと、0.07mmの3回にわけてユニット移動モータ14bに出力され、この第2の印刷ユニット2bの天地方向のズレ量0.27mmは0.1mm、0.1mm、0.07mmの3回にわけて修正される。
【0043】
そして上記天地方向の見当ズレが修正されてから、この第2の印刷ユニット2bの左右方向の見当ズレ量+0.1mmの修正信号が、コントローラ20からサイドレーモータ17bに出力されて版胴6が軸方向に+0.1mm移動して左右方向の見当ズレが修正される。
【0044】
上記したことと同様にして第3・第4の印刷ユニット2c,2dの天地方向、左右方向の見当ズレが修正される。
【符号の説明】
【0045】
1…給紙部、2…印刷部、2a,2b,2c,2d…印刷ユニット、3…用紙、4a,4b…間欠送り装置、5a,5b…ループ部、6…版胴、7…ブランケット胴、7a…ブランケット、8…圧胴、9…基台、10…フレーム、11…ねじ軸、12…傘歯車機構、13…駆動軸、14a,14b,14c,14d…ユニット移動モータ、15…レール、16…リニアガイド、17a,17b,17c,17d…サイドレーモータ、18…絵柄、19…CCDカメラ、20…コントローラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周方向に印版を取り付けた大径部を有する印刷胴と、印版に転接する圧胴とからなる複数の印刷ユニットを間欠送りされる用紙の走行方向に配置してなる間欠印刷機において、
各印刷ユニットを天地方向にユニット移動モータにて移動可能にすると共に、各印刷ユニットの印刷胴をサイドレーモータにて軸方向に移動可能にし、
用紙の走行方向最下流側の印刷ユニットの下流側に、各印刷ユニットにて印刷される各絵柄ごとの見当マークを読み込んで基準となる印刷ユニットの見当マークに対する見当ズレを検出するCCDカメラを設け、
CCDカメラからの見当ズレ量信号を受けて、基準となる見当マークに対する見当ズレ修正量信号を該当する各印刷ユニットのユニット移動モータとサイドレーモータに、少なくともユニット移動モータへは印刷胴の小径部が圧胴に対向している間にわたって出力するコントローラを設け、
このコントローラによる天地方向の1回の見当修正量信号を制限し、この制限を越える場合に制限内で分割してユニット移動モータへ出力するようにした
ことを特徴とする間欠印刷機。
【請求項2】
各印刷ユニットをフレームに天地方向に向けて設けたねじ軸に螺合し、このねじ軸にユニット移動モータを連結した
ことを特徴とする請求項1記載の間欠印刷機。
【請求項3】
コントローラによる天地方向の1回の見当修正量信号の制限量を変更可能である
ことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項記載の間欠印刷機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−79191(P2011−79191A)
【公開日】平成23年4月21日(2011.4.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−232564(P2009−232564)
【出願日】平成21年10月6日(2009.10.6)
【出願人】(000161057)株式会社ミヤコシ (122)
【Fターム(参考)】