説明

間欠送り機構

【課題】間欠割出装置と、その駆動に同期したカム機構により、割出装置の停留時間中に作業を行う間欠駆動方式においては、停留時間を確保しながらサイクルタイムを短縮することは困難であった。本発明は、この問題を解決する為に好適な間欠送り機構を提供する。
【解決手段】間欠割出装置とカム機構の駆動源を分離し、割出時間を最短としながら、停留時間はカム機構のサイクルタイムにより決める。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、間欠駆動方式の機械装置に関する。
【背景技術】
【0002】
間欠割出装置と、その駆動に同期したカム機構により、割出装置の停留時間中に作業を行う間欠駆動方式の機械装置は、連続生産向けの加工機械として広く普及している。
【0003】
このような従来装置に於いては、特開2002−372121号公報の発明のように、入力主軸(送りカム取付)と副軸(各種駆動カム取付)は、同期回転させることが常識となっていた。
【特許文献1】特開2002−372121号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの連続生産向けの加工機械は、加工効率向上の為、サイクルタイム短縮の要求が強い。サイクルタイムの短縮は、加工作業を行う停留時間を最大限長く取り、割出時間を最短とすることが理想である。
【0005】
ところが、間欠割出装置単独では、送りカム及びそのカムフォロアの機械的強度の制限から、割出時間のみの短縮には限界がある。高速になればなるほど、この影響が顕著となりサイクルタイム短縮を阻害していた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
サイクルタイムに占める割出時間を大きくとれば、間欠割出装置単独での高速化は可能である。そこで、間欠割出装置とカム機構の駆動源を分離し、割出駆動後に間欠割出装置の駆動を一時停止することにより、任意の停留時間を取ることが出来る。
【発明の効果】
【0007】
本発明の間欠送り機構により、割出時間と停留時間をそれぞれ独立して必要最短時間とすることが出来、サイクルタイムの短縮が可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、図示の一実施例を参照しながら本発明をさらに説明する。
【0009】
図1は、本発明による間欠送り機構を備えた機械装置の概略図である。同図に於いて、被加工物1を搬送する割出装置2は、高速割出を可能とする為、出来る限り大きな送り割付角度を持った物を選定し、その駆動は送りモ−タ3により行われる。
【0010】
送りモ−タ3は、割出時間を最短とする為、ワ−クに加わる慣性力の影響と割出装置の機械的強度を考慮した最大速度で回転し、割出駆動を終えると一時停止する。
【0011】
一方、加工装置4はカム5により駆動され、そのカム軸6は連続回転するカム軸駆動モ−タ7により駆動される。また、このカム軸6には角度検出装置を設け、所定の角度で送りモ−タ3に回転指令を出力する。これにより、2台のモ−タの同期運転が行われる。
【0012】
本発明の装置により、割出時間と停留時間は別々に決めることが出来、結果としてサイクルタイムを最短時間にすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明による間欠送り機構の概略図。
【符号の説明】
【0014】
1 被加工物
2 間欠割出装置
3 送りモ−タ
4 加工装置
5 加工装置駆動カム
6 カム軸
7 カム軸駆動モ−タ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
間欠割出装置と、その駆動に同期したカム機構により、割出装置の停留時間中に作業を行う間欠駆動方式の機械装置に於いて、間欠割出装置とカム機構の駆動源を分離したことを特徴とする間欠送り機構。
【請求項2】
請求項1の間欠送り機構に於いて、間欠割出装置の駆動モ−タを停留時間中に一時停止することを特徴とする間欠送り機構。


【図1】
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