説明

防塵ロッカースイッチ

【課題】ロッカースイッチの開閉スイッチ機構に対する防塵対策を施すとともに、ハウジングの全体寸法を実質的に小型化することを可能にする。
【解決手段】ハウジングの内部を開放端側の第1のチャンバと底部側の第2のチャンバとに区分する中央開口を備えた仕切り板と、スイッチ釦の下面側に基部が固定された中空突出部と、中空突出部の周囲を囲むようにして仕切り板上に載置され、スイッチ釦が操作されると、中空突出部の周囲と仕切り板の中央開口との間の隙間を塞いだ状態で、中空突出部の搖動に伴い、仕切り板上を滑動する防塵板とを有する。防塵板はスイッチ釦の下面と防塵板との間に設けられた弾性要素により仕切り板に対して弾力的に付勢されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の電気器具や照明灯等の開閉スイッチとして利用可能なロッカースイッチに関し、詳しくは防塵機能を備えた防塵ロッカースイッチに関する。
【背景技術】
【0002】
この種の従来のロッカースイッチの代表的な構成例について説明すると、ロッカースイッチは、一端が開放された有底のハウジングを有し、ハウジングの内部は仕切り板により開放端側の第1のチャンバと底部側の第2のチャンバとに区分される。第1のチャンバ内には揺動自在にスイッチ釦が収容され、第2のチャンバ内には固定接点と、シーソー運動を介し固定接点に対して離接する揺動板に設けられた可動接点とを有する開閉スイッチ機構が収容される。スイッチ釦の下面側には突出部が設けられており、該突出部はバネの力で弾力的に外方に付勢された切替え棒を収容している。この切替え棒は先部が仕切り板を貫通して第2チャンバ内に伸延し、開閉スイッチ機構の揺動板と滑動自在に接している。スイッチ釦の切替え操作によりスイッチ釦が揺動すると、それに伴って切替え棒が左右に振られ、切替え棒の先端が開閉スイッチ機構の揺動板上を滑動し、搖動板がシーソー運動を行ない固定接点と可動接点間の切替え操作が行われる。スイッチ釦の揺動に伴う切替え棒の動きを許容するために、仕切り板にはスイッチ釦の下面の突出部の径の横断面寸法よりも相当に大きな平面寸法の開口が形成されている。
【0003】
以上で述べたようなロッカースイッチの問題点として、塵埃等がスイッチ釦の周囲の隙間からハウジングの第1のチャンバ内に侵入し、更には仕切り板の開口を通して第2のチャンバ内に侵入することにより、開閉スイッチ機構の接点に塵埃等が付着して接点間の接触不良が生じる恐れがあるという点が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平2005−222769 特許文献1には、第2のチャンバへの水塵等の侵入を防ぐためにスイッチ釦裏面の突出物と仕切り板とを全面的に覆う防水防塵パッキングを柔軟な材料から形成されたダイヤフラム形態で設けることが提案されている。
【0005】
このような防水防塵パッキングを損傷が生じることなく長期間に亘って使用に供するためには、該防水防塵パッキングに或る程度の広がり及び大きさ与えることが必要である。さもなければ、その材料疲労のためにひび割れや破損等が早期に生じることになる。その結果、特許文献1に開示されたロッカースイッチには、ハウジング延いてはスイッチ全体の小型化が難しいという問題がある。
【0006】
【特許文献2】特開平2000−164075 特許文献2には、上述した仕切り板に代わり、前述の第2のチャンバの底部を除く上面と周面を囲む防塵カバーを用いることが提案されている。詳しく述べると、スイッチ釦は下面に円弧状凸部が突出形成されている。防塵カバーはハウジングの内部において開閉スイッチ機構の全体を覆うように設けられて前述の第2のチャンバの上面と周面を画成している。この防塵カバーの上面壁には、スイッチ釦下面の円弧状凸部と相補的な円弧状凹部が形成され、スイッチ釦は防塵カバーの円弧状凹部の内面に案内されて摺動しつつ搖動するように構成されている。スイッチ釦の円弧状凸部には、開閉切替え棒を収容する穴が形成されており、切替え棒は、先端部を穴外に突出させた状態で、穴内に収められたバネにより弾力的に支持されている。防塵カバーの円弧状凹部には開口が形成されており、開閉切替え棒の先端部はこの開口を介して第2チャンバ内に伸延し、開閉スイッチ機構の搖動板と滑動自在に接している。防塵カバーの底部には一体に成形された樹脂ばねが複数個設けられて、ハウジングの底面に接している。この樹脂ばねがハウジングの底面に押圧される反作用として、防塵カバーの円弧状凹部はスイッチ釦の円弧状凸部に対して弾性的に圧接され、防塵カバーの円弧状凹部の開口からの塵埃等の侵入が防止される。
【0007】
特許文献2に開示された防塵カバーは底部のばねが必須の構成であり、このため特に高さ寸法が大きくなる。特許文献1の場合と同様に、ハウジング延いてはスイッチ全体の小型化が難しいという問題を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、上述したような開閉スイッチ機構に対する防塵対策が施されたであって、なおかつ、装置全体寸法の小型化が可能なロッカースイッチを提供することである。
【0009】
本発明の別の目的は、かかるロッカースイッチであって、その防塵対策が長期間に亘って適正に機能し得るように構成されたロッカースイッチを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明によるロッカースイッチは、一端が開放された有底のハウジングと、
前記ハウジングの内部を開放端側の第1のチャンバと底部側の第2のチャンバとに区分する中央開口を備えた仕切り板と、前記第1のチャンバ内に揺動自在に収容されたスイッチ釦と、前記第2のチャンバ内に収容された開閉スイッチ機構であり、接触端子の内端部に設けられた固定接点と、共通端子の内端部を支点としてシーソー運動可能な可動接片と、前記固定接点に対して離接可能に前記可動接片上に設けられた可動接点とを有する開閉スイッチ機構と、スイッチ釦の下面側に基部が固定され、前記仕切り板の開口を通って第2チャンバ内に伸延した中空の突出部であり、内部に、先端を前記開閉スイッチ機構の前記可動接片に圧接させた開閉切替え棒を収容した中空突出部と、前記中空突出部が挿通される開口を有し、前記中空突出部を囲むように前記仕切り板上に載置され、前記中空突出部の周囲と前記仕切り板の前記開口との間の隙間を塞ぐ防塵板と、からなる。
本発明によれば、防塵板は、スイッチ釦の搖動とともに角度移動する中空突出部の動きに伴って仕切り板上を摺動するように配置される。
【0011】
また、本発明によるロッカースイッチにおいて、スイッチ釦の下面と防塵板との間には、防塵板を仕切り板に対して弾性的に付勢する弾性体が設けられる。
【0012】
本発明によるロッカースイッチにおいて、仕切り板の開口は、周縁に沿って第1のチャンバ内に突出する縁壁を有し、防塵板は該縁壁の頂面上に載置される。
【0013】
更に、本発明によるロッカースイッチにおいて、防塵板は、耐磨耗性かつ耐久性に優れた材料から形成される。このような材料の一例として、リン青銅を用いることができる。
【0014】
本発明によるロッカースイッチにおいて、仕切り板は、平面形状が前記ハウジング内部の横断面形状と実質的に一致し、かつそのサイズはハウジングの内部の横断面積よりも若干大きく、周縁部は薄く柔軟に形成されている。
【0015】
更に、本発明によるロッカースイッチにおいて、仕切り板は適度な柔軟性を有する合成樹脂材料で成形される。このような材料の一例として、例えばポリイミド樹脂で成形することができる。
【発明の効果】
【0016】
以上に述べたように、本発明によるロッカースイッチにおいては、スイッチ釦の下面の筒状突出部の周囲には仕切り板の開口部との間の隙間を閉鎖すべく防塵板が設けられ、この防塵板が仕切り板上に摺動自在に配置され、しかも該仕切り板に対してばね付勢されているので、該仕切り板の中央開口を通した第2のチャンバ内への塵埃等の侵入が効果的に防止される。しかもそれだけでなく、スイッチ釦裏面の突出物と仕切り板とを全面的に覆った、あるいは第2のチャンバの全体をすっぽり覆った従来例と比較して防塵板自体が占める平面的及び立体的スペースは小さくて済む。したがって、本発明によるロッカースイッチは、開閉スイッチ機構に対する防塵を確実に行うことができるだけでなく、ハウジングの全体寸法の実質的な小型化を可能にする。
【0017】
また、本発明によるロッカースイッチにおいては、防塵板を耐磨耗性かつ耐久性に優れた材料から形成することにより、開閉スイッチ機構に対する防塵効果を長期間に亘って維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】ロッカースイッチの平面図である。
【図2】図1のロッカースイッチの正面図である。
【図3】図2のロッカースイッチの左側面図である。
【図4】図1のロッカースイッチの底面図である。
【図5】図1のV−V線に沿った部分縦断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
図1乃至図5を参照して、本発明によるロッカースイッチの一実施形態について説明する。
【0020】
本発明によるロッカースイッチは、図中上面側が開放された略直方体形状の箱型のハウジング10を有し、このハウジング10は適当な合成樹脂材料、例えばポリアミド樹脂から成形され、底部10aと、この底部の4辺を囲む側壁部10bとから成る。なお、本実施形態では、底部10aと側壁部10bとは一体成形されるが、必要に応じてそれぞれ個別に成形して組合わせてもよい。
【0021】
図2乃至図5に示されるように、底部10aの底面外側にはその長手軸に沿って中央隆起部10cが形成される。また、図1及び図5に示すように、ハウジング10の開放口の周囲にはフランジ10dが一体的に形成される。また、底部10aの長手軸方向両端の側方には、側壁部10bに沿って伸延するハウジング取付用の板ばね10eの基端が一体的に形成され、各板ばね10eの自由端は側壁部10bから次第に離間するように延び、該自由端の外面には鋸歯状成形部10fが形成される。
【0022】
ロッカースイッチが取付けられる対象物には、ロッカースイッチを収容する凹部に鋸歯状成形部10fが係止する係止部が形成される。ロッカースイッチが該凹部に押し込まれたとき、板ばね10eは弾性的に変形し、鋸歯状成形部10fが該凹部の係止部に弾性的に係止する。
【0023】
図2乃至図5に示すように、ハウジング10の底部10aには接触端子11と共通端子12が貫通して設けられる。各端子11及び12は一対のカシメ用突片11a及び12aを備え、各一対のカシメ用突片11a、12aは中央隆起部10cの両側に互いに離間して配置される。各端子11、12は適当な金属材料から形成され得るが、本実施形態においては、接触端子11は銅で、また共通端子12は黄銅で形成される。
【0024】
図5を参照すると、接触端子11のハウジング内の端部11b上には固定接点11cが電気的接続状態で固着される。
【0025】
また、共通端子12のハウジング内で図中上方に突出した端部は、端面が二股に形成され、図5では左右の突出縁部の一方12bが示されている。二股の中央部は平坦部とされ、後述する可動切片20aはこの平坦部を支点としてシーソ運動を行なう。
【0026】
なお、ハウジング10の底部10aには接触端子11及び共通端子12と並んで端子状部材13が設けられている。この部材はスイッチの取付け個所の選択範囲を広げるために、ハウジングの製造時に、接触端子11及び共通端子12と共に設けられたものであり、取付け個所によっては接触端子として使用され得るが、この実施態様においては使用されないので端子機能部分は除去されている。
【0027】
図5に示すように、ハウジング10内部の四角の近傍には、底部10aに立設された支柱10g(図5では、その内の2つだけが見える)が、四本同一の長さでハウジング10内部の高さ寸法のほぼ中程まで延びている。
【0028】
各支柱10gの頂部は仕切り板14の支持部として機能する。即ち、仕切り板14は、支柱10gの頂部上に載置されてハウジング10の内部空間に収容され、ハウジング10の内部空間は仕切り板14により開放口側の第1のチャンバ15と底部側の第2のチャンバ16とに区分される。
【0029】
仕切り板14は、適度な柔軟性を有する合成樹脂材料、例えばポリイミド樹脂で成形され、その平面形状はハウジング10の内部空間の横断面形状と実質的に一致し、かつそのサイズはハウジング10の内部空間の横断面積よりも若干大きく形成し、周縁部を薄くして柔軟性を高めてある。仕切り板14をこのように形成することにより、ハウジング10の内部に収容されると、仕切り板14は薄い周縁が若干めくれた状態でハウジング10の内壁面に圧接され、両者間における隙間の形成が排除される。即ち、ハウジング10の内側壁面と仕切り板14の周縁との間を通して第1のチャンバ15から第2のチャンバ16への塵埃等が侵入することはない。
【0030】
仕切り板14の中央にはハウジング10の平面長手軸方向に若干長い長円形開口14bが形成され、この長円形開口14bの周縁に沿って第1のチャンバ15内に突出する縁壁14cを有する。
【0031】
ハウジング10の第1のチャンバ15にはスイッチ釦17が揺動自在に収容される。図2に示すように、ハウジング10の横手軸方向の相対向する両側壁10bには、ハウジング開放口に接近した箇所にそれぞれ軸受孔10h(図2では、一対の軸受孔10hの一方だけが見える)が形成され、これらの軸受孔10hにはスイッチ釦17の対向璧に形成されたピボット軸17a(図2では、一対のピボット軸17aの一方だけが見える)が回動自在に収容される。なお、スイッチ釦17は適当な合成樹脂材料、例えばポリイミド樹脂の成形品として形成され得る。
【0032】
図5に示すように、スイッチ釦17は下面に凹部17bを有し、この凹部17bの中央に基部が固定された中空の筒状突出部17cが突出形成され、この中空突出部17c内のボア17dはスイッチ釦17の本体内部まで延びている。ボア17dには、奥に、弾性体、例えば圧縮ばね18を入れた状態で開閉切替え棒19が該ボア17d内で進退動自在に収容される。開閉切替え棒19はボア17dの内径に適合した径を有する胴部19aと、略円錐形状の先端部19bと、小径円柱形状の後端部19cとから成る。開閉切替え棒19の胴部19aと小径後端部19cとの境は胴部19aの露出した端面が環状肩部191をなす。圧縮コイルばね18は小径後端部19cを取り巻いて環状肩部191とボア17dの底部との間に設けられる。なお、開閉切替え棒19は耐摩耗性に優れた適当な合成樹脂材料、例えばメラミンフェノール樹脂で成形することができる。
【0033】
ハウジング10の第2のチャンバ16内には開閉スイッチ機構20が設けられる。この開閉スイッチ機構20は、接触端子11のハウジング内の端部11b上に設けられた固定接点11cと、共通端子12のハウジング内に突出した二股端部の中央平坦部の端面上に載置され、該平坦部を支点としてシーソ運動を行なう可動切片20aと、この可動切片20aの一端の固定接点11cと対向する位置に設けられ、可動切片20aのシーソー運動に伴い固定接点11cに対して離接する可動接点20bとから成る。
【0034】
可動切片20aの他端には、該他端がハウジングの底部10aの内面に直接当たるのを防ぐストッパ20cが設けられている。
【0035】
図5に示すように、開閉切替え棒19はその略円錐形状の先端部19bが可動接片20aの上面に接触しており、しかも圧縮ばね18によって可動接片20aに対して弾性的に押圧される。図5では、開閉切替え棒19の略円錐形先端部19bは、可動接片20aに対して支点(共通端子12の二股端部の中央平坦部)の図中左側の箇所で弾性的に押圧された状態にあり、可動接片20aの図中左側の可動接点20bは固定接点11bと接触して、接触端子11と共通端子12間が電気的に導通し、回路は閉じられる。
【0036】
図5において、スイッチ釦17の図中左側が圧縮ばね18の力に抗して押されると、開閉切替え棒19の略円錐形先端部19bが可動接片20aに対して接触した状態で可動接片20a上を滑動しつつ支点を乗り越えて移動する。すると可動接片20aは時計方向に回動し、開閉切替え棒19の略円錐形先端部19bは、支点の右側の箇所で可動接片20aに対して弾性的に押圧された状態になる。
【0037】
この状態においては、可動接片20aの可動接点20bは接触端子11の固定接点11bから離間し、これにより接触端子11と共通端子12との間は電気的に非導通状態となり、回路は開かれる。
【0038】
要するに、本実施形態においては、開閉スイッチ機構20は可動接片20aと、その一端部に設けられた可動接点20bと、該可動接片20aに対してそのシーソー運動に対する支点を提供する共通端子12の二股端部と、接触端子11の端部に設けられた固定接点11cとによって構成され、この開閉スイッチ機構20による回路開閉動作は上述したように開閉切替え棒19をスイッチ釦17で操作することにより行われる。
【0039】
本発明においては、スイッチ釦17下面の中空突出部17cの周囲を囲むように設けられた防塵板21が特徴とされる。この防塵板21は、仕切り板14の長円形開口14bの周囲に沿って図中上方に突出して形成された縁壁14cの頂面上に滑動自在に載置される。しかも防塵板21は、スイッチ釦17下面の凹部17bと防塵板21との間に設けられた弾性体、例えば圧縮ばね22によって縁壁14cの頂面に対して弾性的に付勢される。かくして、開口14bと中空突出部17cの周囲との間に存在する環状の隙間は防塵板21によって塞がれ、該隙間を介した第1のチャンバ15から第2のチャンバ16への塵埃等の侵入は阻止される。
【0040】
変形例として、仕切り板14の長円形開口14bの周囲に縁壁14cを設けずに、防塵板21を直接仕切り板14上に載置することも可能である。しかし、これまで説明したように長円形開口14bの周囲に縁壁14cを設ける構造とすることにより、防塵板21を仕切り板14上に直接載置した場合に比較して、防塵板21と仕切り板14との間の接触抵抗を少なくすることができ、また、弾性体による防塵板21の仕切り板14に対する押圧力を高めて開口14bの確実な封止を得ることができる。
【0041】
防塵板21は中空突出部17cが挿通される開口を有し、この開口の内径は第2のチャンバ16への塵埃等の侵入を阻止しつつ、該開口の中で中空突出部17cの傾動を許容できるように若干の空間的な余裕が設けられている。この空間的な余裕は、しかし、防塵板21の設置位置が実質的にスイッチ釦17下面の凹部17b内に位置するため、塵埃等の侵入を許すことにはならない。防塵板21の厚さは、スイッチ釦17の操作時に中空突出部17cが防塵板21と共にスムーズに動き得るように充分な薄さとなっいる。
【0042】
好ましくは、防塵板21は耐摩耗性に優れた金属材料例えばリン青銅から形成される。
【0043】
以上に述べたように、仕切り板14の縁壁14cに囲まれた開口は薄手の防塵板21によって効果的に塞ぐことができるので、ハウジング10の全体を嵩張らせることがなく、開閉スイッチ機構20に対する防塵対策を効果的に施すと同時にハウジングの小型化を図ることが可能である。
【0044】
本発明は上述した実施形態だけに限定されるものではなく、種々の変形及び変更が可能である。
【0045】
例えば、開閉スイッチ機構20の構成については種々の形態が考えられ、上述した具体例だけに限定されるものではない。
【0046】
上述した実施形態の変形例として、防塵板21をリン青銅で形成すると同時に、筒状突出部17cの外周囲をリン青銅製カラーで覆ってもよい。
【符号の説明】
【0047】
10:ハウジング
10a:底部10a
10b:側壁
11:接触端子
11c:固定接点
12:共通端子
14:仕切り板
14b:長円形開口
14c:縁壁
15:第1のチャンバ
16:第2のチャンバ
17:スイッチ釦
17b:スイッチ釦下面凹部
17c:中空突出部
18:圧縮ばね
19:回路開閉切替え棒
20:開閉スイッチ機構
20a:可動接片
20b:可動接点
20c:ストッパ
21:防塵板
22:圧縮ばね

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端が開放された有底のハウジングと、
前記ハウジングの内部を開放端側の第1のチャンバと底部側の第2のチャンバとに区分する中央開口を備えた仕切り板と、
前記第1のチャンバ内に揺動自在に収容されたスイッチ釦と、
前記第2のチャンバ内に収容された開閉スイッチ機構であり、接触端子の内端部に設けられた固定接点と、共通端子の内端部を支点としてシーソー運動可能な可動接片と、前記固定接点に対して離接可能に前記可動接片上に設けられた可動接点とを有する開閉スイッチ機構と、
スイッチ釦の下面側に基部が固定され、前記仕切り板の開口を通って第2チャンバ内に伸延した中空の突出部であり、内部に、先端を前記開閉スイッチ機構の前記可動接片に圧接させた開閉切替え棒を収容した中空突出部と、
前記中空突出部が挿通される開口を有し、前記中空突出部を囲むように前記仕切り板上に載置され、前記中空突出部の周囲と前記仕切り板の前記開口との間の隙間を塞ぐ防塵板と、からなることを特徴とするロッカースイッチ。
【請求項2】
前記スイッチ釦の下面と前記防塵板との間には、前記防塵板を前記仕切り板に対して弾性的に付勢する弾性体が設けられることを特徴とする請求項1に記載のロッカースイッチ。
【請求項3】
前記仕切り板の前記開口は、周縁に沿って前記第1のチャンバ内に突出する縁壁を有し、前記防塵板は該縁壁の頂面上に載置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のロッカースイッチ。
【請求項4】
前記防塵板は、耐磨耗性かつ耐久性に優れた材料から形成されることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のロッカースイッチ。
【請求項5】
前記防塵板はリン青銅からなることを特徴とする請求項4に記載のロッカースイッチ。
【請求項6】
前記仕切り板は、平面形状が前記ハウジング内部の横断面形状と実質的に一致し、かつそのサイズはハウジングの内部の横断面積よりも若干大きく、周縁部は薄く柔軟性が高く形成されていることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載のロッカースイッチ。
【請求項7】
前記仕切り板は適度な柔軟性を有する合成樹脂材料で成形されていることを特徴とする請求項6に記載のロッカースイッチ。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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