説明

防護柵とその施工方法

【課題】既設の埋設柱を利用する等して簡単に支柱を組み立てることができ、優れた緩衝性を備えた防護柵とその施工方法を提供する。
【解決手段】山間地の山側斜面に設置されたコンクリート基礎12と、その上面に立設された複数の支柱と、その間に張設されたネット16とを備える。支柱は、コンクリート基礎12に下端部が埋設されたH形鋼等の埋設柱18を備える。埋設柱18の外側に、隙間を空けて筒状部材20が被せられ、下端部がコンクリート基礎12の上面に固定される。少なくとも埋設柱18の山側の側面であるフランジ18aと筒状部材20の山側の側面20cの平坦部とが、予め所定形状に形成された緩衝部材である弾性体シート24を介して対面している。緩衝部材は、板ばね、又は粒状体である砂でも良い。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、山間地の道路等の山側斜面に構築し、落石や積雪等を受け止めて道路等への落下、流入を阻止する防護柵とその施工方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、山腹の斜面部等に構築して落石や積雪等を受け止めて道路等への落下、流入を防止する防護柵が知られている。この種の防護柵として、例えば、特許文献1に開示されているように、コンクリート基礎の上面に立てて固定された複数の埋設柱に円筒状のパイプを被せ、中空にモルタル等の固定材を注入して補強した支柱を形成し、複数の支柱の間にネットを張設した落石防護柵がある。また、支柱を形成する際、モルタル以外に、硬化後に高い弾性を示す固定材を注入することによって、パイプの耐久性を高くすることができるという構成も開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−47617号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の落石防護柵は、埋設柱とパイプを固定する際に、コンクリートやモルタル等のいわゆる湿式の固定材が用いられるので、固定材が硬化して十分な強度を発揮できるようにするため、所定の条件で養生を行わなければならない。養生は、適度な温度や水分を保つなどの管理の手間が掛かるうえ、硬化するまで少なくとも数日間は放置する必要があり、防護柵の施工を長期化させる要因になっていた。
【0005】
この発明は、上記背景技術に鑑みて成されたものであり、既設の埋設柱を利用する等して簡単に支柱を組み立てることができ、優れた緩衝性を備えた防護柵とその施工方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、山間地の山側斜面に設置されたコンクリート基礎と、前記コンクリート基礎の上面に立設された複数の支柱と、前記複数の支柱の間に張設されたネットとを備えた防護柵であって、前記支柱は、前記コンクリート基礎に下端部が埋設された埋設柱と、前記埋設柱の外側に隙間を空けて被せられ下端部が前記コンクリート基礎の上面に固定された筒状部材とで構成され、少なくとも前記埋設柱の山側の側面と前記筒状部材の山側の内側面との間に、予め所定形状に形成された固形物である緩衝部材を介挿可能に設けられている防護柵である。
【0007】
前記埋設柱は、2本のフランジが山の斜面に対向する向きに立設されたH形鋼であり、前記筒状部材の内側面には平坦部が設けられ、前記埋設柱の山側に位置したフランジと前記筒状部材の前記平坦部との間に前記緩衝部材を設けたものである。
【0008】
またこの発明は、山間地の山側斜面にコンクリート基礎を施工し、前記コンクリート基礎の上面に複数の支柱を立設し、前記複数の支柱の間にネットを張設する防護柵の施工方法であって、前記コンクリート基礎に下端部が埋設された埋設柱の外側に、所定の隙間を空けて筒状部材を被せ、前記筒状部材を前記埋設柱に被せる際又はその前後に、少なくとも前記埋設柱の山側の側面と前記筒状部材の山側の内側面との間に、予め所定形状に形成された固形物である緩衝部材を設ける防護柵の施工方法である。
【0009】
前記緩衝部材は、ゴム又はゲルから成る弾性体シートであり、前記埋設柱と前記筒状部材とが対面する間隙に前記緩衝部材を挿入するものである。
【0010】
前記緩衝部材は、板ばねであり、前記埋設柱に前記緩衝部材を固定した後、前記筒状部材を前記埋設柱に被せるものである。または、前記埋設柱に前記緩衝部材を予め固定し、前記コンクリート基礎に前記埋設柱を設置するものでもよい。
【0011】
また、前記緩衝部材は、粒状体の集合体から成り、前記埋設柱に前記筒状部材を被せた後、前記筒状部材との隙間に前記粒状体を充填するものでもよい。
【発明の効果】
【0012】
この発明の防護柵とその施工方法によれば、コンクリート基礎に立設された既設の埋設柱を利用する等して支柱を簡単に形成することができ、支柱内の緩衝部材の緩衝効果によって落石による衝撃エネルギーの効果的な吸収が可能になり、防護柵施工地域の安全性をより高めることができる。また、予め所定形状に形成された固形物の緩衝部材を使用するため、支柱を形成する際に養生を行う工程が不要であり、工期の短縮を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】この発明の第一実施形態の防護柵を示す斜視図である。
【図2】第一実施形態の防護柵の支柱部分の断面図である。
【図3】第一実施形態の支柱部分のA−A断面図(a)、B−B断面図(b)である。
【図4】この発明の第二実施形態の支柱部分のA−A断面図(a)、B−B断面図(b)である。
【図5】この発明の第三実施形態の支柱部分のA−A断面図(a)、B−B断面図(b)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、この発明の防護柵とその施工方法の第一実施形態について、図1〜図3に基づいて説明する。この実施形態の防護柵10は、山間地の道路や線路等の山側斜面に設けられるもので、落石や雪崩を防止するために危険箇所に沿って設置される。図1に示すように、山側の斜面には断面が台形状のコンクリート基礎12が設けられ、コンクリート基礎12の上面12aに所定間隔で支柱14が立設され、支柱14に金網などのネット16が張設されている。
【0015】
支柱14は、図2、図3に示すように、コンクリート基礎12に下端部が埋設された既設の埋設柱18と、埋設柱18の外側に隙間を空けて被せられ、下端部20aがコンクリート基礎12の上面12aに固定された筒状部材20とで構成されている。埋設柱18は、1本のウェブと2本のフランジを有するH形鋼であり、一方のフランジが山の斜面と対向する向きに立設されている。筒状部材20は、断面が略四角形で、埋設柱18のコンクリート基礎12からの突出長さよりも長い。
【0016】
また、埋設柱18の山側のフランジ18aの側面と筒状部材20の山側の側面20cの内側面との間には、予め工場等で施工用に定形に形成された緩衝部材である弾性体シート24が配置されている。弾性体シート24は、例えばシリコーン樹脂やゴム又は合成樹脂ゲル等の弾性を有した柔らかい素材で、所定厚さの薄板状に形成されたものである。筒状部材20の基端側にはフランジ部20aが設けられ、フランジ部20aは、図示しないアンカー等によりコンクリート基礎12の上面12aに固定されている。さらに、筒状部材20の先端側の開口20bは、防塵、防水用のキャップ22で塞がれている。
【0017】
各支柱14の頂部間には、図1に示すように、隣接する支柱14の頂部同士の間隔を一定に維持させる金属製の長尺材である上弦材26が架設され、両端が支柱14の上端に固定されている。さらに、支柱14の上端部の山側の側面20cには、支柱14の頂部同士を連結した鋼線のワイヤロープ28が架設されている。同様に、支柱14の下端部の山側の側面20cにも、支柱14の基端部同士を連結したワイヤロープ30が架設されている。ワイヤロープ28,30は、数本おきに支柱14の上下端部に設けられた連結装置32,34によって両端部が連結されている。連結装置32,34は、ワイヤロープ28,30の両端部を保持し、所定以上の張力が加わると、ワイヤロープ28,30の長さ方向に摺動して衝撃を緩和させる装置である。連結装置32,34が設けられた一対の支柱14の間にある他の支柱14は、上下端部の山側の側面20cにワイヤ挿通環36が突設され、その中に挿通されたワイヤロープ28,30を摺動自在に保持している。
【0018】
クロスワイヤ38は、ワイヤロープ28,30よりも太い鋼線により構成され、1本置きの支柱14の上下端部の互いに対向する側面20dに突設された連結部40に、両端が連結されている。クロスワイヤ38の中間部は、1本置きの中間部の支柱14の山側の側面20cに突設された一対のワイヤ挿通環36に挿通されている。これにより、クロスワイヤ30は、等辺の山形を描くように架設されている。
【0019】
クロスワイヤ38の両端部には、ループ状緩衝装置42が設けられている。ループ状緩衝装置42は、クロスワイヤ38の両端部を1回ループを描いて連結部40に連結し、ループの交差部を一定の摩擦力で挟持した挟持部材を有し、さらに、クロスワイヤ30が挟持部材を摺動してループが小さくなったときに、ループの途中で挟持部材に当接し、クロスワイヤ38の摺動時の抵抗を増大させる摺動体を備えている。ループ状緩衝装置42は、クロスワイヤ38の両端部に所定以上の張力が加わると、クロスワーヤ38のループが縮小するように挟持部材中で摺動し衝撃を緩和する装置である。クロスワイヤ38は、図1に示すように、一対のクロスワイヤ30が交差するように一対の支柱14間に架設され、一対の支柱14の上下に端部が連結されている。
【0020】
金網等であるネット16は、支柱14の山側の側面20cに対面して張設され、上下の端部が、金属製の柱状の間隔材44の両端部に、固定金具を用いてワイヤロープ28,30と共に固定されている。間隔材44は一対の支柱14間に数本等間隔に配置されている。さらに、ネット16のワイヤロープ28,30がない部分も同様に、固定金具を用いて間隔材44に固定されている。
【0021】
この実施形態の防護柵10の施工方法は、既設の埋設柱18に筒状部材20を被せて固定するもので、筒状部材20を埋設柱18に被せる際に、埋設柱18の山側の側面と筒状部材20の山側の側面20cの内側面との間に、弾性体シート24を挿入する。弾性体シート24の挿入は、埋設柱18に弾性体シート24を貼り付けた後、筒状部材20を埋設柱18に被せても良く、逆に、埋設柱18に筒状部材20を被せた後、弾性体シート24を、埋設柱18と筒状部材20の間に挿入しても良い。この後、筒状部材20の基端側のフランジ部20aを、コンクリート基礎12の上面12aに固定し、埋設柱18のフランジ18aの側面と筒状部材20の山側の側面20cの内側面との間に弾性体シート24を挟持させる。なお、新設の防護柵の場合、コンクリート基礎12に埋設柱18を立設する工程の後、上記と同様に施工しても良い。
【0022】
上記の構成を備えた防護柵10は、山から落下してきた岩石がネット16に衝突すると、岩石の衝突時の運動エネルギーにより、ネット16、ワイヤロープ28,30及びクロスワイヤ38が谷側に変形して引き延ばされ、クロスワイヤ38両端のループ状緩衝装置42及びワイヤロープ28,30両端の連結装置32,34の緩衝動作により、岩石の衝突エネルギーが吸収される。
【0023】
さらに、ネット16、ワイヤロープ28,30及びクロスワイヤ38を介して支柱14にも衝撃力が加わるが、支柱14内部の弾性体シート24が弾性変形し、岩石の衝突時の衝撃を吸収する。また、支柱14に加わる力は、上弦材26及びワイヤロープ28,30介して他の支柱14にも伝わり分散されることによって、岩石の衝突時の衝撃が吸収される。
【0024】
この実施形態の防護柵10の施工方法によれば、コンクリート基礎12に立設された既設の埋設柱18を利用した簡単な構成の支柱14でありながら、弾性体シート24の緩衝効果によって、落石による衝撃エネルギーの吸収が可能になり、防護柵施工地域の安全性をより高めることができる。また、固形物の弾性体シート24を使用するため、支柱14を形成する際に養生を行う必要がなく、工期の大幅な短縮を図ることができる。
【0025】
次に、この発明の防護柵の第二実施形態について、図4に基づいて説明する。ここで、第一実施形態の防護柵10と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。第二実施形態の防護柵10は、緩衝部材である弾性体シート24に代えて、板ばね46が設けられている点で、第一実施形態の防護柵10と構成が異なる。
【0026】
この支柱14は、埋設柱18の山側のフランジ18aの側面と筒状部材20の山側の側面20cの間に、緩衝部材である板ばね46が配置されている。板ばね46は、金属製の板を適宜の角度で僅かに屈折させ、厚み方向に弾発力を持たせたものである。支柱14を組み立てる際は、まず、埋設柱18に板ばね46の端部を固定金具46aを用いて固定し、そこに筒状部材20を被せ、筒状部材20の基端側のフランジ部20aをアンカー等によりコンクリート基礎12の上面12aに固定する。これによって、フランジ18a側面と筒状部材20の山側の側面20cの内側面との間に板ばね46が挟持された状態になる。
【0027】
第二実施形態の防護柵10は、上記第一実施形態の防護柵10と同様の効果に加えて、予め工場等で、固定金具46aにより埋設柱18に板ばね46を固定した状態で、施工現場に設置することもでき、より施工工数を削減することができる。また、防護柵10の緩衝機能の調整も、板バネ46の厚み等により容易に細かく設定することができる。
【0028】
次に、この発明の防護柵の第三実施形態について、図5に基づいて説明する。ここで、第二実施形態の防護柵10と同様の構成は、同一の符号を付して説明を省略する。第三実施形態の防護柵10は、緩衝部材である弾性体シート24や板ばね46に代えて、所定の流動性を備えた粒状体である砂48が用いられている点で、第一及び第二実施形態の防護柵10と構成が異なる。
【0029】
この支柱14は、埋設柱18の山側のフランジ18aの側面と筒状部材20の山側の側面20cに広く隙間を空けて配置され、埋設柱18と筒状部材20との隙間に砂48が充填されている。砂48は、表面の角が取れた砂粒の集合体であり、粒の表面の摩擦抵抗の具合により適度な流動性を備えている。支柱14を組み立てるときは、まず、埋設柱18に筒状部材20を被せ、筒状部材20の基端側のフランジ部20aをアンカー等によりコンクリート基礎12の上面12aに固定する。そして、筒状部材20先端側の開口20bから砂48を充填し、キャップ22で塞ぐ。
【0030】
第三実施形態の防護柵10は、弾性体シート24で吸収しきれない強い衝撃エネルギーが想定される場合に適しており、支柱14に対して山側から谷側に向けての衝撃だけでなく、ネット16等に引っ張られる斜め方向の衝撃に対しても一定の緩衝性が得られる。その他第一及び第二実施形態の防護柵10と同様の効果も得ることができる。
【0031】
なお、この発明の防護柵は上記実施形態に限定されるものではなく、支柱の施工は、新設または既設の支柱に適用可能なものであり、特に埋設柱の更新時等に広く適宜適用可能なものであり、埋設柱の大きさや形状も任意に設定するものである。
【0032】
また、緩衝部材は、入手が容易なゴムシート部材や、所定の流動性を人工的に付与した樹脂製の粒状体などを用いてもよい。また、筒状部材の形状や素材、ネットの形態(ワイヤロープ、クロスワイヤの有無も含む)についても同様に、施工場所ごとに必要な衝撃吸収性能に鑑みて、適宜選択又は変更することができる。
【符号の説明】
【0033】
10 防護柵
12 コンクリート基礎
14 支柱
16 ネット
18 埋設柱
20 筒状部材
24 弾性体シート


【特許請求の範囲】
【請求項1】
山間地の山側斜面に設置されたコンクリート基礎と、前記コンクリート基礎の上面に立設された複数の支柱と、前記複数の支柱の間に張設されたネットとを備えた防護柵において、
前記支柱は、前記コンクリート基礎に下端部が埋設された埋設柱と、前記埋設柱の外側に隙間を空けて被せられ下端部が前記コンクリート基礎の上面に固定された筒状部材とで構成され、少なくとも前記埋設柱の山側の側面と前記筒状部材の山側側面との間に、予め所定形状に形成された固形物である緩衝部材を介挿可能に設けられていることを特徴とする防護柵。
【請求項2】
前記埋設柱は、2本のフランジが山の斜面に対向する向きに立設されたH形鋼であり、前記筒状部材の内側面には平坦部が設けられ、前記埋設柱の山側に位置したフランジと前記筒状部材の前記平坦部との間に前記緩衝部材を設けた請求項1記載の防護柵。
【請求項3】
山間地の山側斜面にコンクリート基礎を施工し、前記コンクリート基礎の上面に複数の支柱を立設し、前記複数の支柱の間にネットを張設する防護柵の施工方法において、
前記コンクリート基礎に下端部が埋設された埋設柱の外側に、所定の隙間を空けて筒状部材を被せ、前記筒状部材を前記埋設柱に被せる際又はその前後に、少なくとも前記埋設柱の山側の側面と前記筒状部材の山側の内側面との間に、予め所定形状に形成された固形物である緩衝部材を設けることを特徴とする防護柵の施工方法。
【請求項4】
前記緩衝部材は、ゴム又はゲルから成る弾性体シートであり、前記埋設柱と前記筒状部材とが対面する間隙に前記緩衝部材を挿入する請求項3記載の防護柵の施工方法。
【請求項5】
前記緩衝部材は、板ばねであり、前記埋設柱に前記緩衝部材を固定した後、前記筒状部材を前記埋設柱に被せる請求項3記載の防護柵の施工方法。
【請求項6】
前記緩衝部材は、板ばねであり、前記埋設柱に前記緩衝部材を予め固定し、前記コンクリート基礎に前記埋設柱を設置する請求項3記載の防護柵の施工方法。
【請求項7】
前記緩衝部材は、粒状体の集合体から成り、前記埋設柱に前記筒状部材を被せた後、前記筒状部材との隙間に前記粒状体を充填する請求項3記載の防護柵の施工方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−2090(P2013−2090A)
【公開日】平成25年1月7日(2013.1.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−132612(P2011−132612)
【出願日】平成23年6月14日(2011.6.14)
【出願人】(501047173)株式会社ライテク (30)
【出願人】(000228785)日本サミコン株式会社 (41)
【出願人】(511124862)株式会社総合開発 (6)
【出願人】(500464528)和光物産株式会社 (24)
【Fターム(参考)】