説明

防護物品及びその製造方法

【課題】軽量で、通気性で丈夫であり、かつ特定の作用物質に対して自己解毒性の防護服を提供する。
【解決手段】基材と、基材の表面又は内部で架橋した親核性有機ポリマーであって、化学物質又は生物剤と共有結合を形成するのに有効な官能基を含む架橋親核性ポリマーと、基材の表面又は内部に位置する反応性粒子とを含む第1の層10を備える物品。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防護服及びその製造方法に関する。具体的には、本発明は、化学生物防護服及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
化学生物防護服は、周囲の環境が個体を有害又は有毒な化学物質及び/又は潜在的に有害又は致命的な生物剤に暴露する潜在的な危険を呈し得るときに着用する。かかる作用物質に対する暴露は、化学品製造プラント、科学若しくは医学実験室又は病院での偶発的な放出、敵対勢力の軍事力を攻撃するため政府による意図的な放出及び/又は平和時に騒乱、恐怖及び広範な破壊を引き起こすための犯罪又はテロリスト組織による放出に起因するおそれがある。これらの理由から、化学及び生物学的兵器に対する信頼できる適切な防護の開発が望ましい。
【0003】
伝統的に、化学生物防護服に用いられる材料は防護のため快適さを犠牲にせざるを得なかった。すなわち、防護性の高いものほど不快であったし、満足のいく快適さが得られるものは十分な防護を与えなかった。
【0004】
有害な化学物質又は生物剤の通過を制限することによってそれらからの適切な防護を提供する材料の開発は、特徴的に水蒸気の通過を抑制する材料を産出する結果となっている。水蒸気の透過を実質的な程度に抑制する材料は非通気性といわれる。その非通気性のために、これらの材料を使用すると、人体の発汗作用により熱を放散する能力を低下させ、その結果着用者に熱ストレスの負担を発生させる。例えば、現在市販されている材料は一般にその防護服を着用する兵士に熱ストレスの負担を生じさせる。
【0005】
さらに、現在市販されている化学的及び生物学的防護服はまた、化学物質及び生物剤を解毒する仕組みを欠如している。これらのタイプの防護服は、危険な液体及び蒸気を吸収剤中に吸着させ、従って防護すべき個体にその危険な液体及び蒸気が到達するのを消極的に阻害することにより機能する吸着性の化学物質防護系を有している。しかし、これらの吸収剤の制限的な特性は、化学物質を吸着する能力が有限であることである。吸収剤の第2の制限的な特性は、防護が不要な化学種を無差別に吸着し、従って防護しようとする化学物質の有効な吸着能力が低減することである。従って、軽量で、通気性で、丈夫であり、しかも重大な脅威を呈することが知られている特定の作用物質に対して究極的に自己解毒性である防護服があることが望ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第4778596号明細書
【特許文献2】米国特許第5391426号明細書
【特許文献3】米国特許第5914182号明細書
【特許文献4】米国特許第6395383号明細書
【特許文献5】米国特許第7270973号明細書
【特許文献6】米国特許第5626947号明細書
【特許文献7】米国特許出願公開第20050129925号明細書
【特許文献8】米国特許出願公開第20070075013号明細書
【特許文献9】欧州特許第0630279号明細書
【特許文献10】欧州特許出願公開第1700620号明細書
【特許文献11】欧州特許出願公開第1776882号明細書
【特許文献12】国際公開第01/40368号パンフレット
【非特許文献】
【0007】
【非特許文献1】Jian Lin et al.,Biotechnology Progress,18(5),pages 1082-1086(2002)
【非特許文献2】Ping-Lin Kuo et al.,Colloid and Polymer Science,284(4),pages 435-442,January 2006
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0008】
一実施形態では、物品は、基材及びこの基材の表面又は内部で架橋した親核性有機ポリマーを含む第1の層を有している。架橋親核性ポリマーは、化学物質又は生物剤と共有結合を形成するのに有効な官能基を有している。また、この第1の層は、基材の表面又は内部に位置する反応性粒子を含んでいてもよい。
【0009】
別の実施形態では、物品を製造する方法は、基材の表面又は内部で親核性有機ポリマーを架橋することを含んでいる。架橋親核性ポリマーは、化学物質又は生物剤と共有結合を形成するのに有効な官能基を有している。反応性粒子が基材の表面又は内部に配置されており、親核性有機ポリマー、反応性粒子及び基材が第1の層を形成している。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】図1は、親核性ポリマー(この場合はエトキシル化ポリエチレンイミン(PEI−OH))上の化学的反応性基とサリンのような化学薬品との間で起こる結合形成の説明図である。
【図2】図2は、第1の層及び任意の第2の層を有する複合材の積層の概略図である。
【図3】図3は、第1の層、第2の層及び第3の層を有する多層複合材の説明図である。
【図4】図4は、第1の層、第2の層、第3の層及び第1の層と第2の層の間に配置された追加の活性炭層を有する多層複合材の説明図である。
【図5】図5は、第1の層、第2の層、第3の層及び第2の層と第3の層の間に配置された追加の活性炭層を有する多層複合材の説明図である。
【図6】図6は、第1の層及び第3の層を有し、追加の活性炭層が第1の層と第3の層の間に配置されている多層複合材の説明図である。
【図7】図7(a)は、ポリエチレンイミンでコートした延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜によるフルオロホスホン酸ジイソプロピル(DFP)のブレイクダウンを例証するグラフである。
【0011】
図7(b)は、ポリエチレンイミン及びCuAl24粒子でコートした延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)膜によるDFPのブレイクダウンを例証するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本明細書では単数形で記載した用語であっても、数量の限定を意味するものではなく、標記のものが1以上存在することを意味する。本明細書に開示した数値範囲はすべて包括的であり、かつ組合せ自在である。
【0013】
本明細書で用いる「有する」及び/又は「含む」という用語は、標記の特徴、整数、工程、操作、要素及び/又は成分の存在を指示するが、他の1以上の特徴、整数、工程、操作、要素、成分及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外するものではない。
【0014】
本明細書で用いる「生物剤」という用語は、ヒト又は動物の病気又は死の原因となり得るウィルス又はバクテリアのような微生物をいう。また、「生物剤」という用語は、かかる微生物によって産生され、微生物から精製され独立に使用し得る毒素も包含する。
【0015】
要素又は層が別の要素又は層「の上にある」、「に挟まれている」、「に配置されている」又は「の間にある」というときは、当該他の要素又は層の直接上にあり、挟まれ、配置され、若しくは間にあることができ又は介在する要素若しくは層が存在してもよい。
【0016】
本明細書で用いる第1、第2、第3などの用語は、本明細書中で様々な要素、成分、領域、層及び/又は区分を記載するのに使用することができるが、これらの要素、成分、領域、層及び/又は区分はこれらの用語により限定されることはない。これらの用語は、ある要素、成分、領域、層又は区分を別の要素、成分、領域、層又は区分と区別するために用いられる。従って、以下に述べる第1の要素、成分、領域、層又は区分は、本発明の教示から逸脱することなく、第2の要素、成分、領域、層又は区分と呼ぶことができよう。
【0017】
本発明は、化学物質及び生物剤に対して選択的に不透過性である複合材に関する。本明細書に記載されている複合材は、化学物質及び/又は生物剤に結合し失活することができる1以上の層を有している。代表的な実施形態では、複合材は、他の化学物質及び/又は生物剤に結合し失活することができる上にある種の化学物質及び/又は生物剤を吸収することができる複数の層を有している。多層複合材は化学生物防護服を始めとする防護カバーの製造に使用される。一実施形態では、複合材は、化学物質及び生物剤に関して本明細書に記載されているのと同じように放射性物質に対して選択的に透過性である。
【0018】
一実施形態では、複合材は、基材及び架橋剤を用いてその基材の表面又は内部で架橋された親核性有機ポリマーを有する第1の層を含んでいる。一実施形態では、基材は多孔質基材である。具体的には、基材材料は、材料の厚さ全体にわたって又は一方の表面から他の表面にわたって相互に連結している細孔を含んでなる。細孔の存在により、ある種の液体又は気体が材料を通り抜けて移動することが可能になる。細孔は開放気泡又は独立気泡細孔であり得る。複合材が開放気泡細孔を有するのが望ましい。親核性有機ポリマーは多孔質基材の細孔の内部で架橋されてもよい。
【0019】
基材はミクロ多孔質膜、流延薄膜、織物(織布又は不織布)又はこれらの任意の組合せからなることができる。
【0020】
様々なタイプのポリマーを使用して基材を形成することができる。使用することができるポリマーの例としては、ポリオレフィン、ポリアミド、ポリカーボネート、セルロースポリマー、ポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル、ポリアクリレート、コポリエーテルエステル、コポリエーテルアミド、キトサン、フルオロポリマー及び以上のポリマーを1種以上含む組合せからなる群から選択されるものがある。具体的には、基材は、ポリテトラフルオロエチレン、ポリ(フッ化ビニリデン)、ポリ(フッ化ビニリデン−コ−ヘキサフルオロプロピレン)、ポリ(テトラフルオロエチレンオキシド−コ−ジフルオロメチレンオキシド、ポリ(テトラフルオロエチレン−コ−ペルフルオロ(プロピルビニルエーテル))及び以上のフルオロポリマーを1種以上含む組合せからなる群から選択されるフルオロポリマーを含んでいることができる。好ましい実施形態では、基材は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、具体的には延伸多孔質PTFE(ePTFE)を含む。
【0021】
基材は、例えば、基材材料の穿孔、延伸、膨張、バブリング又は抽出及びこれらの1以上を含む組合せからなる群から選択される方法で多孔質にすることができる。多孔質基材の製造方法として、上述のいずれかの材料の発泡、スカイビング又は流延も挙げることができる。一実施形態では、多孔質基材は、微粉粒子と滑剤の混合物の押出によって製造する。カレンダリングした押出物を1以上の方向に膨張つまり延伸することによって、ノード(節)を連結するフィブリルを形成して、3次元マトリックス又は格子型の構造を形成することができる。一実施形態では、「延伸」とは、材料の弾性限界を超えて延伸することによってフィブリルに永久歪み又は伸びを導入することをいう。
【0022】
連続細孔を基材全体に生成させることができる。基材の気孔率は基材の約10体積%以上であることができる。具体的には、気孔率は約10〜約90%であることができる。細孔径は細孔間で一定であってもよく、これらの細孔は規則的で周期的なパターンを画成し得る。或いは、細孔径は細孔毎に異なっていてもよく、これらの細孔は不規則で非周期的なパターンを画成し得る。規則的、不規則、周期的及び非周期的なパターンの細孔の組合せを多孔質ポリマー基材に使用してもよい。細孔径は約50μm以下とすることができる。具体的には、細孔径は約0.01〜約50μmとすることができる。
【0023】
多孔質基材は三次元マトリックスであっても、複数のノードが複数のフィブリルで相互に連結した格子型構造を有するものでもよい。ノード及びフィブリルの表面は、基材の中で複数の細孔を画成する。
【0024】
一実施形態では、重合可能な親核性有機ポリマーと架橋剤を第1層の基材上に配置する。親核性有機ポリマーは基材の表面に薄いコーティング又は膜を形成する。さらに、基材が多孔質であれば、親核性有機ポリマーを含む溶液を用いて、基材の細孔に部分的又は全体的に含浸してもよい。溶液は反応性粒子を含んでいてもよい。所望に応じて、塗工時に、親核性有機ポリマーを基材の表面及び/又は基材の内部(例えば基材の細孔内)でその場で架橋する。
【0025】
適当な親核性有機ポリマーは、ポリアルキレンイミン、例えばポリエチレンイミン、ポリアミン、例えばポリビニルアミン及びポリアリルアミン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアミド、ポリアルキレングリコール誘導体、例えばポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコール誘導体並びにアミン置換ポリエチレン及びポリプロピレングリコール、ポリアクリレート、例えばアミン置換及びアルコール置換ポリアクリレート、官能化オレフィンポリマー、ポリビニルアミンとポリビニルアルコールのコポリマー、並びにこれらの親核性ポリマーを1種以上含む組合せからなる群から選択される。具体的には、枝分れ若しくは線状ポリエチレンイミン、アシル化ポリエチレンイミン又はエトキシル化ポリエチレンイミンを始めとするポリエチレンイミンを使用することができる。さらに具体的には、エトキシル化ポリエチレンイミン(PEI−OH)を親核性有機ポリマーとして使用することができる。
【0026】
親核性有機ポリマーの架橋に使用される架橋剤は、親核性有機ポリマーの架橋によって親核性有機ポリマーと基材の接着を促進する能力に基づいて選択される。一実施形態では、親核性有機ポリマーの架橋は、基材から架橋親核性有機ポリマーが離れるのを防止する。
【0027】
架橋剤の例としては、カルバメート、封鎖及び未封鎖イソシアネート、ポリマー性ポリエポキシド、多塩基エステル、アルデヒド、ホルムアルデヒド及びメラミンホルムアルデヒド、ケトン、アルキルハライド、有機酸、尿素、無水物、ハロゲン化アシル、クロロホルメート、アクリロニトリル、アクリレート、メタクリレート、炭酸ジアルキル、チオイソシアネート、硫酸ジアルキル、シアナミド、ハロホルメート、並びにこれらの架橋剤を1種以上含む組合せからなる群から選択されるものがある。具体的には、ウレタンともいわれるカルバメートを架橋剤として使用できる。例えば、架橋剤は1,3,5−トリアジンカルバメートであってもよい。1,3,5−トリアジンカルバメート架橋剤の例としては、トリス−(ブトキシカルボニルアミノ)−1,3,5−トリアジン、トリス−(メチルカルボニルアミノ)−1,3,5−トリアジン及び混合トリス置換(メトキシ/ブトキシカルボニルアミノ)−1,3,5−トリアジン系がある。好ましい実施形態では、架橋剤はHercules社から入手可能なPolycup 172のようなポリアミド−エピクロロヒドリンである。
【0028】
第1の層はまた、基材の表面上又は基材の内部に位置する反応性粒子も含んでいる。反応性粒子は、化学物質及び/又は生物剤との反応によってそれらを失活する能力を有している。反応性粒子はまた、特定の化学物質及び/又は生物剤を吸収する能力も有していてもよい。具体的には、反応性粒子の高い表面積が、化学物質及び/又は生物剤の吸収及び除染の反応場を提供する。一実施形態では、反応性粒子は、親核性有機ポリマーを含む薄いコーティング又は膜内に分散している。
【0029】
反応性粒子は金属又は金属酸化物を含む各種の材料を含む。例えば、反応性粒子は、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、スズ(Sn)、銅(Cu)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)又は以上の金属を1種以上含む組合せを含む。金属酸化物の例として、反応性粒子はAgO、TiO2、Al23、MgO、CuO、CuAl23、CeO2、ZnO又はこれらの組合せを含む。好ましい実施形態では、反応性粒子は銀又は銀酸化物を含む。
【0030】
反応性粒子は任意の形状のものでよく、例えば、特に限定されないが、球、角形、円筒形などが挙げられる。一実施形態では、反応性粒子は約1nm〜約10μmの範囲の平均粒径を有する。一実施形態では、反応性粒子は約1〜約2000nmの範囲の平均粒径を有する。一実施形態では、粒子は約3〜約1000nmの範囲の平均粒径を有する。別の実施形態では、粒子は約5〜約500nmの範囲の平均粒径を有する。さらに別の実施形態では、粒子は約10〜約200nmの範囲の平均粒径を有する。
【0031】
一実施形態では、親核性有機ポリマーと架橋剤を溶媒中で混合して溶液を形成し、基材に塗布する。また、溶液を基材に塗布する前に溶液に反応性粒子を加えてもよい。溶液は、浸漬、スプレー噴霧、パディング、刷毛塗り、流し塗り、電気塗装、スロットダイ塗装又は静電塗装を始めとする様々な方法を用いて基材に塗布することができる。具体的には、スロットダイ塗装法を効果的に使用することができる。その後、架橋反応を促進し、残留溶媒を蒸発させるのに十分な温度で十分な時間熱を加えることによって材料を硬化させることができる。加熱は塗装工程後オーブン内で又はロールツーロール又はスロットダイ法で使用するロールの温度を溶媒を乾燥すると共に親核性有機ポリマーを架橋するのに十分なレベルに設定することによって起こすことができる。
【0032】
親核性有機ポリマーは、溶液の全重量を基準にして約1〜約95重量%の量で使用することができる。具体的には、親核性有機ポリマーは約5〜約60重量%の量で、さらに具体的には約10〜約50重量%の量で使用することができる。架橋剤は溶液の全重量を基準にして約0.1〜約50重量%の量で使用することができる。具体的には、架橋剤は約1〜約20重量%の量で、さらに具体的には約5〜約15重量%の量で使用することができる。
【0033】
反応性粒子は溶液の全重量を基準にして約0.1〜約50重量%の量で使用することができる。別の実施形態では、反応性粒子は、溶液の全重量を基準にして、約0.5〜約20重量%の量で、具体的には約0.5〜約5重量%の量で使用することができる。
【0034】
一実施形態では、架橋親核性ポリマー及びその中に分散した反応性粒子は基材の表面にコーティングを形成する。コーティングの厚さは所望の防護の程度を提供するように変えることができる。さらに、塗布されたコーティングの厚さは塗布された架橋親核性ポリマーの重量と直接に関係する。具体的には、基材に塗布するコーティングの重量は約1〜約100g/m2であり、より具体的にはその重量は約3〜約50g/m2、さらにより具体的には約5〜約40g/m2である。コーティングは厚さが均一であることができるか又は領域毎に変化する厚さを有することができる。別の実施形態では、架橋親核性ポリマー及び反応性粒子を基材の細孔内に含浸させる。さらに別の実施形態では、架橋親核性ポリマーと反応性粒子は基材の表面上と基材の細孔内の両方に同時に塗布することができる。
【0035】
上記したように、架橋剤は、基材上及び/又は基材の細孔内とその周囲で親核性ポリマーの絡み合いを促進することにより基材の表面上及び/又は細孔内部に安定なコーティングを形成するように親核性有機ポリマーを架橋する能力に基づいて選択される。さらに、架橋剤はまた化学的に反応性の官能基を親核性ポリマーに導入する能力に基づいて選択することができる。これらの官能基は化学物質又は生物剤に結合する能力を有している。
【0036】
一実施形態では、第1の層の架橋親核性有機ポリマーは、化学物質又は生物剤と共有結合を形成するのに有効な官能基を有している。化学物質又は生物剤の結合は、架橋反応の前に親核性ポリマー上に存在する反応性の基に対するものであることができる。或いは、化学物質又は生物剤の結合は、架橋剤により架橋親核性ポリマーに提供される未反応の官能基に対するものであることができる。図1は、親核性ポリマー上の化学的反応性基、この場合はエトキシル化ポリエチレンイミン(PEI−OH)と、サリンのような化学薬品との間で生起し得る共有結合の説明図である。例えば、図1に示すように、1つの可能なメカニズムは、神経作用物質サリンの加水分解及びPEI−OH分子のヒドロキシル基との共有結合の形成である。或いは、サリンとPEI−OEとの間の共有結合は酸素の代わりに窒素による求核攻撃の結果として形成され得る。毒素と架橋親核性ポリマーとの間の共有結合性の相互作用の結果、サリン分子は親核性ポリマーの表面に結合するだけでなく、失活し、従ってその毒作用を発揮することができなくなる。こうして、多孔質ポリマー基材、架橋親核性ポリマー及び反応性粒子を含む第1の層は、化学物質又は生物剤を単に吸収又は遮断するのではなく、この層と接触する物質を失活させることができる。
【0037】
一実施形態では、複合材は、上記第1の層及びこの第1の層に隣接するか又はその上に配置された任意の第2の層を有する。図2は、第1の層10と任意の第2の層20を有する複合材100の積層の概略を示す。
【0038】
任意の第2の層20は多孔質ポリマー基材を含んでいる。この任意の第2の層20を構成する多孔質ポリマー基材は、第1の層10に存在するのと同じポリマー材料を含むことができる。或いは、第2の層20の多孔質ポリマー基材は、第1の層10とは異なるポリマーを含む。一実施形態では、第2の層20の多孔質ポリマー基材は未変性であり、すなわち、架橋していない親核性ポリマーを表面上又は細孔内に含んでいる。別の実施形態では、第2の層20は、架橋親核性有機ポリマーからなる多孔質ポリマー基材を含んでいる。
【0039】
一実施形態では、複合材は織物材料からなる任意の第3の層を有している。この任意の第3の層は一般に、第2の層20の第1の層が配置されている表面と反対側の表面に配置される、すなわち、第1の層と第3の層は第2の層の対向する表面に配置される。第3の層の織物は織布又は不織布材料を含む。織物は意図する特定の最終用途に適当ないかなる合成又は天然の繊維からでも製造され得る。織物の例としては、ポリアミド、ポリエステル、綿、アラミド及び以上の織物を1種以上含む組合せからなる群から選択されるものがある。具体的には、織物は、耐久性の撥水加工仕上がりを有する、約50部の綿と約50部のナイロンの量の綿/ナイロン混合物であることができる。
【0040】
追加の添加剤を複合材に含ませて、多層複合材が化学物質及び生物剤を結合し不活性化する能力をさらに高めることができる。かかる物質の例としては、抗菌剤、公知の化学物質及び/又は生物剤に対する活性をもつ酵素及び作用物質を吸収する化学物質がある。追加の添加剤は第1、第2又は第3の層に選択的に配置することができる。
【0041】
一実施形態では、1つ以上の層に抗菌剤を混入させることができる。本明細書で用いる「抗菌」剤とは、抗ウィルス性(ウィルスを殺すか又はその複製を抑制する)、抗細菌性(静菌性又は殺菌性)及び/又は抗真菌性(真菌を殺すか又はその複製を抑制する)物質である。このように、1種以上の抗菌剤を複合材中に混入することにより、第1の層に呼応して機能する、バクテリア及びウィルスのような微生物の成長を殺す、失活する又は抑制する追加のメカニズムが得られる。
【0042】
一実施形態では、第四アンモニウム塩、N−ハラミン、抗菌性金属及び/又は抗菌性金属酸化物のような抗菌性化合物を第1の層の表面上、若しくは第2の層の表面に直接塗布するか又は場合により第3の層の織物中に導入することができる。抗菌活性を有する第四アンモニウム塩の例としては、テトラアルキルアンモニウムフルオロボレート、アルキルピリジニウムフルオロボレート、セチルピリジニウムクロリド(CPC)、ドデシルトリメチルアンモニウムブロミド(DTAB)、N−(3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル)−N,N−ジメチルドデシルアンモニウムクロリド、1,3−ビス−(N,N−ジメチルドデシルアンモニウムクロリド)−2−プロパノール、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド(DTAC)、N−(1−(2,3−ジオレオイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTAP)、N−(1−(2,3−ジオレイルオキシ)プロピル)−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロリド(DOTMA)、ジメチルジオクタデシルアンモニウムブロミド(DDAB)、N,N−ジオレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロリド(DODAC)、1,2−ジオレオイルオキシ−3−(N,N,N−トリメチルアミノ)プロパンクロリド(DOTAP)及び以上の第四塩を1種以上含む組合せからなる群から選択されるものがある。抗菌性金属の例としては、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、パラジウム(Pd)、イリジウム(Ir)、スズ(Sn)、銅(Cu)、アンチモン(Sb)、ビスマス(Bi)、亜鉛(Zn)及び以上の抗菌性金属を1種以上含む組合せからなる群から選択されるものがある。具体的には、Ag、Au及びCuのような抗菌性金属を使用することができる。或いは、抗菌性金属化合物を使用することができ、金属酸化物、金属含有イオン交換化合物、金属含有ゼオライト、金属含有ガラス及び以上の金属化合物を1種以上含む組合せからなる群から選択されるものがある。具体的には、金属酸化物を使用することができる。金属酸化物の例としては、AgO、TiO2、Al23、MgO、CuO及び以上の金属酸化物を1種以上含む組合せからなる群から選択されるものがある。
【0043】
抗菌性の金属又は金属化合物の「金属流」は幾つかの異なる方法で第1及び/又は第2の層の表面に付着させることができる。具体的には、物理的蒸着(PVD)技術を用いて第1又は第2の層の表面に金属を付着させることができる。物理的蒸着技術は一般に蒸気から金属を1原子ずつ基材表面に付着させる。PVD技術には、真空又はアーク蒸着、熱蒸着、スパッタリング及びマグネトロンスパッタリングからなる群から選択されるものがある。
【0044】
別の実施形態では、第3の層に使用される織物もまた、周知の化学兵器に対する活性を有する酵素で表面処理することができる。これらの酵素は、サリン、ソマン、タブン、マスタード剤、VX及びRussian VX神経作用物質のような化学薬品を酵素的に分解する能力に関して選択することができる。かかる酵素の例として、有機リンヒドロラーゼ(OPH)、有機リン酸アンヒドロラーゼ(OPAA)及びジイソプロピルフルオロホスファターゼ(DFPase)酵素、並びにこれらの酵素を1種以上含む組合せからなる群から選択されるものがある。上記酵素は第3の層に使用する織物の表面に固定化することができ、公知の化学薬品を不活性化及び/又は分解する能力を保持することによりかかる物質に対する予備的な防護層を提供することができる。
【0045】
さらに別の実施形態では、活性炭又は金属有機フレームワークのような化学的に吸収性の材料の任意の層を複合材に挿入する。以下の説明では活性炭層を参照するが、金属有機フレームワークのような別の化学的に吸収性の材料を使用することができる。
【0046】
活性炭層は、単一の第1の層上又はこれに隣接して配置する(すなわち、活性炭層が第2又は第3の層に取って代わる)、第1の層と任意の第2の層との間に挟む又は第2の層と任意の第3の層との間に挟むことができる。或いは、任意の第2の層がない場合、活性炭層は第1の層と第3の層との間に挟まれる。図3、4、5及び6は多層複合材100の略図である。図3において、第2の層20は第1の層10と第3の層30との間に挟まれ、第1の層10及び第3の層30に接触している。図4は第2の層20と第3の層30との間に挟まれた活性炭層40を示しており、図5は活性炭層40が第1の層10と第2の層20との間に挟まれている別の構造を示している。最後に、図6は第1の層10と第3の層30との間に挟まれた活性炭層を示している。
【0047】
活性炭は発泡体、織物、フェルト又は紙のような担体に含浸することができ、この形態で活性炭繊維(ACF)といわれる。活性炭吸収体は直接担体の繊維中に組み込むことができる。或いは、球状活性炭吸収体は接着性結合材又は樹脂を用いて織物担体に接着することができる。ACF材料は、大量の気体を吸収する能力、耐熱性、並びに酸及び塩基の両方に対する耐性を特徴とする。ACF材料は、有機蒸気、例えばガソリン、アルデヒド、アルコール及びフェノール、無機の気体、例えばNO、NO2、SO2、H2S、HF、HClなど、並びに水溶液中の物質、例えば染料、COD、BOD、油、金属イオン、貴金属イオン、並びにバクテリアのような広範な各種の物質を非特異的に吸収することができる。具体的には、SARATOGA・織物のような担体織物上に固定された高度に活性化された硬い炭素球に基づく複合材ろ布を使用することができる。こうして、活性炭層を含ませることにより、有毒な気体に対する追加の障壁を得ることができ、その結果複合材の非特異的な化学物質を濾過する能力を増大することができる。
【0048】
一実施形態では、少なくとも1以上の層を含む複合材は選択的に透過性である。このため、この複合材は、化学物質及び生物剤を有効に濾過することができる一方で、水蒸気透過率(Moisture Vapor Transport Rate)(「MVTR」)を約1〜約12キログラム/平方メートル/24時間(kg/m2/24h)、具体的には約6kg/m2/24h以下、より具体的には約8kg/m2/24h以下に維持し、またヒトの健康に有害な物質の透過率は疾患、病気又は死の発生を防止するのに十分な程低い。
【0049】
別の実施形態では、層状複合材は、防護アパレル製品を始めとする各種の製品の製造に又はその成分として、殊に毒性の化学物質及び/又は生物剤への暴露により生起する危害又は損害から着用者又はユーザーを防護する目的の衣類、衣料品その他のものに使用することができる。
【0050】
さらに別の実施形態では、防護アパレル品は、緊急対応状況で潜在的に直面する既知又は未知の化学物質又は生物剤から軍人及び最初の対応者を防護するのに有用な化学生物防護服である。或いは、これは、危険物質(HAZMAT)対応状況で又は毒性の化学物質及び/又は生物剤に対する防護として様々な医学的用途で、浄化作業者を化学物質又は生物剤から防護するためのものである。
【0051】
防護アパレル品の例としては、作業服、防護服、コート、ジャケット、用途限定防護服、雨具、スキーのパンツ、グローブ、ソックス、ブーツ、靴及びブーツカバー、ズボン、フード、帽子、マスク及びシャツからなる群から選択されるものがある。
【0052】
別の実施形態では、複合材は、化学及び/又は生物学的兵器に対して防護するために、例えば防水布のような防護カバー又はテントのような集団避難所の作成に使用することができる。
【0053】
本明細書に記載されている複合材を含む物品は広範な化学物質及び生物剤に結合し、これを失活する能力を有している。化学薬品の例としては、神経作用物質、例えばサリン、ソマン、タブン及びVX、発疱性作用物質、例えばサルファマスタード、2−クロロビニルジクロロアルシンのようなルイサイト、ナイトロジェンマスタード、催涙ガス及び暴動取り締まり用物質、並びにこれらの化学薬品を1種以上含む組合せからなる群から選択されるものがある。可能な生物剤の例としては、ウィルス、例えば天然痘、脳炎原因ウィルス及び出血熱原因ウィルス、バクテリア、例えばペスト菌(Yersinia pestis)、コレラ菌(Vibrio cholerae)、野兎病菌(Francisella tularensis)、ロッキー山紅斑熱リケッチア(Rickettsia rickettsii)、炭疽菌(Bacillus anthracis)、コクシエラ菌(Coxiella burnetii)及びボツリヌス菌(Clostridium botulinum)、並びに毒素、例えばリシン、ブドウ球菌エンテロトキシンB、トリコテシン マイコトキシン及びコレラ毒素、並びにこれらの生物剤を1種以上含む組合せからなる群から選択されるものがある。ここで列挙したものに加えて、危険な物質の例として、ある種の農薬、特に有機リン系農薬がある。
【0054】
一実施形態では、複合材を含む物品を製造する方法が提供される。複合材の層同士はいかなる適当な手段でも組合せることができ、これによりアセンブリは全体として機能するように設計され、また個々の層は一部分として機能する。複合材から物品を製造するのに使用することができる方法には、様々な層が互いに協同して機能するようにして行われる、接着又は点接合の離散的なパターンのような不連続な結合、縫い合わせ連結その他の固着のような機械的連結、可融性ウェブ及び熱可塑性スクリム、様々な層の上又は内部の部分的又は全体的な直接塗装による層の組み立てがある。
【0055】
本明細書に記載されている複合材は他の市販されている防護服に現在使用されている材料より薄く、かつより軽いので、またこの複合材のMVTRは良好であるので、この複合材から製造される物品は現在入手可能なものより軽く、着用するのがより快適である。複合材の化学物質及び/又は生物剤に結合し失活させる能力と相俟って、この複合材から作成された物品は危険な作用物質からの防護を必要とするものに対して快適で有効な障壁を提供する。
【実施例】
【0056】
以下の実施例は本発明に従う方法と実施形態を例証するためだけのものであり、従って特許請求の範囲に限定を課すものと考えてはならない。
【0057】
実施例1
Cytec Industries社から入手可能な20重量%のCylink(登録商標)2000架橋液と共に2−プロパノール中の枝分れポリエチレンイミンの25重量%の保存液を調製する。この保存液を使用して、スロットダイ法でePTFE膜基材上に約20g/m2の塗工量でコーティングを設け、180℃で10分間硬化させる。この材料を対照として使用する。音波処理と機械的撹拌を10分間用いて直接混合した0.5重量%のCuAl24ナノ粒子粉末を含有する保存液を使用した点以外は、同一の条件下で、第2の試料を調製する。これら2つの材料を31P固相NMR分析で比較する。この分析では、サリン剤の化学的擬似物質であるジイソプロピルフルオロホスフェートの分解を、10g/m2の暴露レベルで24時間追跡する。図7(a)及び7(b)に示すように、ポリエチレンイミンとCuAl24ナノ粒子を含むコーティングは、ジイソプロピルフルオロホスフェートを分解する点で、ポリエチレンイミンしか含まないコーティングよりも効果的であった。
【0058】
本明細書に開示した数値範囲はすべて上下限を含み、上下限は互いに組合せ可能である。「第1」、「第二」などの用語は、本明細書では、いかなる順序、量又は重要度も意味するものでなく、ある要素を他の要素から区別するために用いる。量に関連して使用する修飾語「約」及び「ほぼ」は標記の値を含み、状況により決まる意味を有する(例えば、個々の量の測定に伴う程度の誤差を含む)。本発明を説明するときに(殊に以下の特許請求の範囲で)使用する単数形態の用語は、本明細書で他の意味が明示されないか又は前後関係から明らかに矛盾しない限り、単数と複数の両方を包含するものと考えられたい。
【0059】
幾つかの実施形態に関連して本発明を詳細に説明して来たが、本発明はかかる開示された実施形態に限定されることはない。むしろ、本発明は今までに記載しなかった様々な変形、変更、置換又は等価な配列を含むように修正することができ、これらは本発明の思想及び範囲内に入る。加えて、本発明の様々な実施形態を説明したが、本発明の局面はこれら説明した実施形態の幾つかのみを含み得る。従って、本発明は以上の説明によって限定されるものではなく、後続の特許請求の範囲によってのみ定義される。
【符号の説明】
【0060】
複合材 100
第1の層 10
第2の層 20
第3の層 30
活性炭層 40

【特許請求の範囲】
【請求項1】
基材と、
基材の表面又は内部で架橋した親核性有機ポリマーであって、化学物質又は生物剤と共有結合を形成するのに有効な官能基を含む架橋親核性ポリマーと、
基材の表面又は内部に位置する反応性粒子と
を含む第1の層を備える物品。
【請求項2】
前記親核性有機ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアミド、ポリアルキレングリコール誘導体、アミン置換ポリエチレン及びポリプロピレングリコール、ポリアクリレート、官能化オレフィンポリマー、ポリビニルアミン及びポリビニルアルコールのコポリマー、並びにこれらの親核性ポリマーを1種以上含む組合せからなる群から選択されるポリマーを含む、請求項1記載の物品。
【請求項3】
前記反応性粒子が、銀、金、白金、パラジウム、イリジウム、スズ、銅、アンチモン、ビスマス、亜鉛又は以上の金属を1種以上含む組合せを含む、請求項1記載の物品。
【請求項4】
多孔質ポリマー基材を含む第2の層であって、第1の層と接する第2の層をさらに含む、請求項1記載の物品。
【請求項5】
織布又は不織織物層を含む第3の層であって、第2の層と接する第3の層をさらに含む、請求項4記載の物品。
【請求項6】
物品の製造方法であって、当該方法が、
架橋した親核性ポリマーが化学物質又は生物剤と共有結合を形成するのに有効な官能基を有するように、基材の表面又は内部で親核性有機ポリマーを架橋し、
基材の表面又は内部に反応性粒子を配置する
ことを含んでいて、親核性有機ポリマーと反応性粒子と基材が第1の層を形成する、方法。
【請求項7】
さらに、第1の層の表面に、多孔質ポリマーを含む第2の層を配置することを含む、請求項6記載の方法。
【請求項8】
さらに、第2の層の表面に第3の層を配置することを含んでおり、第2の層が第1の層と第3の層との間に配置される、請求項7記載の方法。
【請求項9】
前記親核性有機ポリマーが、ポリエチレンイミン、ポリアミン、ポリビニルアルコール、ポリエステル、ポリアミド、ポリアルキレングリコール誘導体、アミン置換ポリエチレン及びポリプロピレングリコール、ポリアクリレート、官能化オレフィンポリマー、ポリビニルアミン及びポリビニルアルコールのコポリマー、並びにこれらの親核性ポリマーを1種以上含む組合せからなる群から選択されるポリマーを含む、請求項6記載の方法。
【請求項10】
請求項6記載の方法で製造される物品。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−131971(P2010−131971A)
【公開日】平成22年6月17日(2010.6.17)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2009−171673(P2009−171673)
【出願日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【出願人】(390041542)ゼネラル・エレクトリック・カンパニイ (6,332)
【氏名又は名称原語表記】GENERAL ELECTRIC COMPANY
【Fターム(参考)】