説明

防護用シール機構

保護用スーツなどの如き防護用衣料品に用いられるシール機構により、ガスマスク、ホース、呼吸器などの如き防護用衣料品の構成部品を衣料品材へ着脱可能に取り付けることが可能となる。シール機構は、密封状態を形成して衣料品材へ取り付けられる対象物に取り付けられうるフレーム用リングおよびロック用リングを有している。フレーム用リングおよびロック用リングは、スナップフィット式接続により相互に係合し、それと同時に、衣料品材のうちの一部分を補足することで、対象物と防護用衣料品との間に気密シールを形成するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、防護用衣料品に用いられるシールに関するものであり、さらに詳細には防護用衣料品と当該防護用衣料品に着脱可能に接続される対象物との間の接続部分を埋める(bridge)ように構成されたシール機構に関するものである。
【背景技術】
【0002】
保護用スーツまたは化学薬品用スーツの如き防護用衣料品は、当該技術分野において周知になっており、通常、潜在的に危険な環境から防御するためにユーザにより着用されている。1つのタイプの防護用衣料品は、自己完結型であるとともに、ユーザを完全に包み込むようになっているため、漏洩を起こす可能性のある通路または開口が最小限に抑えられている。たとえば、ワンピース式の防護用衣料品は、ユーザに衣料品の中に足を踏み入れさせ、次いで衣料品を閉じさせることを可能とすることによりユーザを包み込むジッパまたは他の開閉機構を備えうる。他の例としては、ツーピース式の防護用衣料品を挙げることが可能である。この衣料品では、下部分が、保護用スーツの足部および脚部を備え、上部分が防護用衣料品の胴体部、頭部、腕部および手部を備えている。ユーザは、開閉機構を通じて上部分と下部分を繋ぐことにより、自分自身を包み込むことが可能である。
【0003】
しかしながら、自己完結型または全体を包み込む衣料品には好ましくない制限がいくつかある。たとえば、衣料品に切れ目または裂け目があると、通常、衣料品全体または衣料品の大部分を交換することが要求される。また、ユーザが既にガスマスクを着用している場合、当該ユーザは、防護用衣料品を着用するためにガスマスクを外さなければならなくなり危険な環境に対してユーザが晒される可能性がありうるし、または、ユーザは、ガスマスクの上から防護用スーツ着用しなければならなくなり煩わしくなったりガスマスクのバイザー(visor)および防護用衣料品の視界窓を通して見なければならないためユーザの視界をさえぎったりしうる。
【0004】
しかしながら、防護用衣料品のうちの他の部分または対象物を防護用衣料品に繋ぐために意図的に作られた穴、開口またはギャップを有した保護材またはスーツ部分を備えているマルチピース式の防護用衣料品が存在している。たとえば、マルチピース式の防護用衣料品は、危険な状態で用いるまえに防護用衣料品の本体部分に着脱可能に取り付けられうるブーツ、グローブ、フード、マスクまたは他の構成要素を有しうる。同様に、防護用衣料品は、ホース、ケーブルまたは他の対象物を防護用衣料品に接続できるようにすることによってこれらの他のデバイスを防護用衣料品と組み合わせて用いることを可能とする機構を有しうる。 しかしながら、これらのマルチピースタイプの衣料品には、衣料品と当該衣料品に取り付けられた対象物との間に強力な連続したシールが要求される。さらに、有用性を最大限に大きくするためには、これらのマルチピース式の衣料品に用いられるシール機構は、ユーザが防護用衣料品を着用している間、操作が簡単である必要がある。
【0005】
防護用衣料品の構成部品を一緒に接続するシールおよびシール機構のうちの一部が当該技術分野において公知となっている。たとえば、米国特許第6,748,609号には、防護用オーバガーメント、グローブおよびオーバブーツを備えている衣料品ならびにグローブとオーバガーメントとの間またはオーバブーツとオーバガーメントとの間に気密バリアを形成するシール機構が開示されている。この衣料品の構成では、グローブ、オーバブーツおよびオーバガーメントの間の接続地点または接合部分はそれぞれ環状の引きひもインターフェースと、膨張式のゴムシースとを備えている。さまざまな構成部品間の気密シールは、まずオーバガーメントの如き構成部品のうちの一方を、グローブの如き構成部品のうちの他方にまたはその一部に引きひもを引いて締めつけることにより形成される。次いで、ゴムシースは、拡張または伸長させられ、たとえばオーバガーメントとグローブとの間の接合部分を覆うようにし、接続部分上にゴムシースを収縮させ、これにより、ゴムシースに接合部分とユーザの身体とを圧縮力をかけながら係合させ、接合部分に気密バリアを作成させるようになっている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
公知のシールおよびシール機構が意図した目的に対して良く機能することは一般的であるものの、これらおよび他のシール機構は、ある用途に対する適用を不可能なものとしているとはいわないまでも困難なものとしている制限および問題を有している。たとえば、シールまたはシール機構のうちの一部は、適切なシールが形成されたという情報をユーザに提供するポジティブロック機構(positive locking mechanism)を欠いている。このポジティブロック機能は、とくに危険な環境下において、および、使用中にユーザが衣料品からの漏洩を検出することができない場合がある環境下において重要である。同様に、公知のシールまたはシール機構のうちの一部には、ある危険な環境または潜在的に危険な環境に対して要求される必要な品質のシールを形成することができないものがある。さらに、米国特許第6,748,609号のシール機構の如き一部の公知のシール機構には、ユーザに対して複数の異なるシール工程を実行することを要求しているため、衣料品の組み立て中に気密シールを得られないであろう可能性が非常に大きいものがある。 さらに、このようなシールは、着用者の動作によって使用中に損傷してしまい、衣料品の使用中に漏洩が少しずつ発生することになる場合もある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
保護用スーツの如き防護用衣料品は、少なくとも1つの柔軟なまたは可撓性のあるシート材から形成されているとともに、ガスマスク、グローブ、ブーツ、ホースなどのバイザーまたは呼吸器の如き対象物をシート材に取り付けることを可能とするように設計された開口またはアパチャーを有している主要本体部を備えている。操作が簡単でありかつ着脱可能なシールまたはシール機構は、気密状態を形成して、対象物のうちの一または複数をシート材に接続または取り付けるようになっている。1つの実施形態では、シールまたはシール機構は、シート材と対象物のうちの1つとの間にシールを形成するために一緒に作用するフレーム用リングとロック用リングとを備えている。フレーム用リングは、保護用スーツに取り付けられる対象物のリッジと作用可能に係合することでフレーム用リングを対象物に気密状態を形成して固定する第一のチャネルを備えている。加えて、フレーム用リングは、シート材の縁部を受容する第二のチャネルをさらに備えており、ロック用リングは、フレーム用リングの第二のチャネルに快適に嵌入する壁部分を備えている。使用中、ロック用リングの壁部分は、シート材の縁部をフレーム用リングとロック用リングとの間に固定することによりシート材と対象物との間に気密シールを形成するために、シート材の縁部と一緒にフレーム用リングの第二のチャネルにスナップフィット(snap fit)されるようにまたは他の方法で配置されるようになっている。
【0008】
本明細書に記載の方法およびデバイスは、さまざまな変形が加えられてもおよび代替構造が採用されてもよいが、いくつかの例示的な実施形態を図面を用いて示し、以下でさらに詳細に記載する。 しかしながら、いうまでもなく、開示された特定の形態に本発明を限定することを意図したものではない。それとは異なり、添付の特許請求の範囲により規定される技術的思想および技術範囲に含まれる変形、代替構造および均等物をすべて網羅することを意図したものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
図1には、フード12と、グローブ14と、ブーツ15とに繋がれている主要本体部11を有した保護用スーツ10の形態をとっている防護用衣料品が示されている。さらに、ガスマスク13および呼吸器19がフード12に着脱可能に繋がれ、ホースまたは空気供給管18が、保護用スーツ10の主要本体部11に着脱可能に繋がれている。また、ベンチレータ21が保護用スーツ10に繋がれているものとして図示されており、このベンチレータ21は保護用スーツ10に着脱可能に取り付けられてもよいしまたは固定して取り付けられてもよい。一般的に知られているように、保護用スーツ10、フード12、グローブ14およびブーツ15は、危険な環境から着用者またはユーザを保護する柔軟な非通気性シートから形成されてもよいしまたはそれを備えていてもよい。材料のタイプまたは質は、保護用スーツ10の使用が意図される危険な環境のタイプに応じてさまざまである。たんなる一例であるが、防護用衣料品10は、プラスチック、ゴム、複数の公知の高分子材料のうちのいずれか、または、その他の適切な材料から形成されうる。
【0010】
図2および図3には、ガスマスク13をフード12に着脱可能に繋ぐためにシール機構20を用いることができる一つの方法を説明するために、フード12およびガスマスク13の相互接続部がさらに詳細に示されている。 一般的にいえば、ガスマスク13は、空気中浮遊汚染物質からユーザを保護するために一般に使用されるいかなる所望のタイプのマスクであってもよいし、限定するわけではないが、たとえば軍事環境、医療環境および有害廃棄物環境を含む複数の環境のうちのいずれかで一般的に用いられるガスマスクであってもよい。したがって、本明細書における用語ガスマスクは、火または汚染物質からの防護用マスクの如き任意のタイプの呼吸装置と用いられる任意のタイプのマスクを含むまたは言及するために用いられ、上記の環境のガスをろ過するためのフィルタを有している従来のガスマスクに制限されることを意図していない。図2および図3に示されているガスマスク13が当該ガスマスク13の中に運ばれる空気をろ過するための呼吸器19を備えているが、これに代えてまたはこれに加えて、ガスマスク13は、ホースなどを通じてたとえば圧縮空気用のタンク(図示せず)の如き別の空気供給源に接続されてもよい。所望ならば、ガスマスク13は、ユーザの頭および/または顔の領域のまわりに形成するための柔軟なまたは可撓性のあるゴム素材から形成されてもよいし、および、バイザー17の如き窓を備えていてもよい。典型的なものとして、バイザー17は、外方に湾曲し、プラスチック、ガラスまたはその他の澄んだもしくは透けて見える材料の如きおおむね薄肉の透き通った材料から形成され、おおむね長方形の形状を有している。
【0011】
図2には、ガスマスク13のバイザー17が、シール機構20を構成するフレーム用リング24とロック用リング28とを組み合わせたものによって保護用スーツ10のフード12に接続されているものとして示されている。図2に示されているように、フレーム用リング24はガスマスク13のバイザー17にまたはそのまわりに接続され、ロック用リング28はフレーム用リングの一または複数の面とロック用リング28との間でフード12のうちの一部を補足することにより、ガスマスク13のバイザー17とフード12との間に気密シールを形成すようになっている。以下にさらに詳細に記載されているように、ロック用リング28は、操作が簡単でかつ着用者またはユーザにシールが完全であるというポジティブまたは感覚的な情報を提供するスナップフィット式接続を用いて、フレームリング24に嵌入されることが好ましい。
【0012】
図3には、ガスマスク13、フード12の一部切り欠き部およびシール機構20を組み合わせたものの分解図が示されている。図3から明らかなように、フレーム用リング24がガスマスク13のバイザー17とフード12内の開口16との間におおむね配置されており、ロック用リング28がフード12の外側におおむね配置される。さらに具体的にいえば、ロック用リング28は、バイザー17とフード12との間にシールを形成するために、ロック用リング28とフレーム用リング24との間に、開口16のまわりのフード12の縁材22を補足すべく作用するようになっている。 フード12の開口16がガスマスク13、さらに詳細にいえばガスマスク13のためのバイザー17を受容するので、開口16は、バイザー17の形状に対応しうるおおむね長方形の形状を有している。さらに、フード12とバイザー17との間においてより良いシールを形成するために、フード12は、開口16のまわりに連続的に配置され外側に延びているリップ部84を有したリム部85を備えうる。このリップ部は、それ自体に実質的に重なるまたは折り畳まれることなくフレーム用リング24内に形成されているチャネルに嵌入されるような大きさおよび形状に形成されている。図3から明らかなように、フレーム用リング24およびロック用リング28は形状において実質的に補完的になっており、その結果、フレーム用リング24およびロック用リング28は、実質的に同一の開口を形成し、開口の縁部全体または円周のまわりで相互に嵌入される部分を有している。図3にはリング24、28の形状がおおむね長方形であることが示されているが、これらのリングは、防護用衣料品10に取り付けられている対象物の形状に応じて、その他の一般的な形状、たとえば、楕円形状、円形状、三角形状などを呈していてもよい。
【0013】
図4には、ガスマスク13とフード12との間にシールを形成するために用いられているさまざまな構成部品がさらに詳細に示されている。具体的にいえば、図4に示されているように、バイザー17は、ガスマスク13に一体的に形成された溝46の中にバイザー17の縁部44を挿入することにより、ガスマスク13内に保持されるようになっている。具体的にいえば、溝46は、内壁48、上壁50および外壁52により形成されており、内壁48および外壁52は、相互におおむね平行となるように向けられている。その結果、バイザー17の外面54および内面56のうちの少なくとも一部は、溝46の内壁48および外壁52と接触した状態に置かれているとともに当接している。図4から明らかなように、ガスマスク13の壁48、50および52は、フレーム用リング24を受容するリッジ部36を形成しているとともに、バイザー17を受容する溝46を形成している。
【0014】
図4に示されているフレーム用リング24は、当該フレーム用リング24により形成されている開口のまわりに連続的なチャネルを形成するとともに、断面視においておおむねU字形をした第一のチャネル34および第二のチャネル38を備えている。具体的にいえば、フレーム用リング24は、鉛直方向に向いている中央壁部分70と、内側に向かってまたは中央壁部分70の上部からユーザに向かって延び、中央壁部分70に対しておおむね直角に向いている上壁部分72と、当該上壁部分72から下方に延びている内壁部分74とを備えている。内壁部分74は、上壁部分72および中央壁部分70と一緒に、第一のチャネル34を形成しており、当該第一のチャネルは、ガスマスク13のリッジ部36を受容するために下方に面している開口76を有している。加えて、フレーム用リング部材24は、外側に向かってまたは中央壁部分70の下部からユーザから遠ざかる方向に向かって延びているとともに、中央壁部分70に対しておおむね直角に向いている下壁部分78と、下壁部分78から上方に向かって延びている外壁部分80とを備えている。外壁部分80は、下壁部分78および中央壁部分70と一緒になって、第二のチャネル38を形成しており、当該第二のチャネルは、以下でさらに詳細に記載するように、ロック用リング28のうちの一部を受容するために、上方に面している開口82を有している。明らかなように、フレーム用リング24の第一のチャネル34は、気密状態を形成してかつ可能ならば長持ちしてガスマスク13のリッジ部36を係合するような大きさおよび形状に形成されており、第二のチャネル38は、着脱可能に開口16の縁材22およびロック用リング28の壁部分26を受容するような大きさおよび形状に形成されている。いうまでもなく、第一のチャネル34がフレーム用リング24に配置されているものとして図示され、リッジ部36がガスマスク13のバイザー17に配置されているものとして図示されているが、これに代えて、フレーム用リング24上のリッジ部がバイザー17上のチャネルを密封状態を形成して係合するように、チャネル34などがガスマスク13のバイザー17に配置され、リッジ部36などがフレーム用リング24に配置されてもよい。または、バイザー17およびフレーム用リング24の2つの部材を相互に永続的にまたは着脱可能接続することを可能とするために、その他の適切な密封可能な接続構造がバイザー17およびフレーム用リング24に対して用いられてもよい。
【0015】
また、図4にさらに示されているように、ロック用リング28は、上壁部分88の端部から下方に延びている内壁部分26を備えているとともに、下部壁部分92と上壁部分88との間で鉛直方向に延びている外壁部分90をさらに備えている。下壁部分92の第一の端部94は、内壁部分26の真下または隣に配置され、内壁部分26は、外壁部分90より高さが(断面視において)小さく、したがって、ギャップまたは開口96が、内壁部分26と下壁部分92との間に形成されるようになっている。加えて、下壁部分92は、内壁部分26の外面95により共有される面に対して延びている。図4に示されているように、空間またはロックチャネル97が壁部分26、90、92および88により形成されており、当該ロックチャネル97は、フレーム用リング24の壁部分80をぴったりもしくはしっかりとかつ着脱可能に受容するようなサイズにおおむね形成されている。 図4から明らかなように、ロック用リング28により形成されている開口のまわりに連続的なチャネルまたは通路を形成しているロックチャネル97は、その断面がおおむねL字形になっている。加えて、ギャップまたは開口96は、しっかりまたはぴったりと壁部分78および縁材22のリップ部84を受容するようなサイズに形成されており、事実、ギャップ96は、図5に示されているようにロック用リング28がフレーム用リング24を係合するときロック用リング28にリップ部84および壁部分78に対して正の力を加えさせるように、壁部分78よりもまたは壁部分78とリップ部84とを組み合わせたものよりもわずかに狭くなっている場合もある。加えて、ロック用リング28、さらに詳細にいえばロック用リング28の壁部分26は、フレーム用リングの第二のチャネル38をその中に配置されているリム部材85としっかりとまたはスナップフィットにより係合するような大きさおよび形状に形成されている。所望ならば、壁部分26は、図5により示されているようにロック用リング28がフレーム用リング24に係合するときにチャネル38を形成している壁部分70、78、80にリム部85および壁部分26へ正の力を加えさせることによりさらに優れたまたはより完全なシールを形成するために、チャネル38の幅(壁部分70および80の間の距離により定義される)と同一の厚さであってもよいし、または、その幅よりもわずかに厚くてもよい。しかしながら、場合によっては、リム部85での材料の厚さに応じて、壁部分26はチャネル38の幅よりもいくぶん小さい場合もある。この場合、リム部85の材料が、余剰空間を埋めて、壁部分26にチャネル38と相互作用させることによって、フード12の材料に対して正のシール力が加えられるようになっている。もちろん、いずれの場合であっても、壁部分26は、チャネル38に配置される衣料品の縁部と一緒に壁部分26をチャネル38の中に挿入することを可能とするための十分に小さな厚みであって、壁部分26がチャネル38の中に挿入されたとき、衣料品の縁部および2つの壁部分70、80に対して正の圧力を加えることができるための十分に大きい厚みを有している。もちろん、フレーム用リング24の壁部分80は、同様の方法で、ロック用チャネル97と相互作用するようになっている。ただし、シール中に、フード12からの材料を上記の二つの部材間に配置することを必要としていない(しかしながら、配置してもよい)。
【0016】
いうまでもなく、フレーム用リング24およびロック用リング28を用いてシールを形成するために、縁材22、とくにフード12の開口16のまわりに配置されている縁材22のリップ部84は、当該リップ部の下面98がロック用リング28の下壁部分78に対しておおむね平行に向くように、および、リム部85のうちの少なくとも1部がロック用リング28の中央壁部分70に対しておおむね平行に向いているとともにそれに当接するように、フレーム用リング24の第二のチャネル38内に位置決めされる。この例示的な実施形態では、リップ部84が、曲げることなく、変形することなく、または、それ自体の上に折り畳むことなく第二のチャネル38に嵌入するような形状および大きさに形成されることにより、リップ部84の下面98のうちのほとんどの部分が下壁部分78と接触するようになっている。チャネル38に嵌入するようにリップ部84を前もって成形することにより、ロック用リング28がフレーム用リング24を係合するために配置されるとき、さらに優れたシールが形成されることになる。というのは、前もって成形することにより、シール領域おいて折り曲げ部またはギャップが削減されるからである。場合によっては、所望ならば、リップ部84は、フレーム用リング24の壁部分80にそれ自体を巻きつけるように十分に長くてもよく、フレーム用リングおよびフレーム用リングが相互に係合されたとき、これらのリングから外へまたはそれらを越えて突出してもよい。しかしながら、この場合、リップ部のうちの一部分または衣料品10の縁部のうちの一部分はチャネル38およびロックチャネル97の内部に依然として配置されていると考えられている。
【0017】
いずれの場合であっても、リップ部84の材料は、フレーム用リング28の第二のチャネル38とロック用リング28の壁部分26を係合またはスナップフィットさせることにより、チャネル38に固定されるようになっている。このシールを、リップ部84により形成されている開口のまわりに連続的にチャネルを形成しているフレーム用リング24およびロック用リング28のまわり全体にわたって形成することによって、ガスマスク13のバイザー17の縁部とフード12との間に連続的なシールが形成されるようになっている。明らかなように、図5に最も分かり易く示されているように、使用時、ロック用リング28は、フレーム用リングへ作用可能に接続され、挟まれ、または、スナップフィットされ、そうされることにより、リップ部84を、ロック用リング28とフレーム用リング24との間に固定するようになっている。さらに具体的にいえば、ロック用リング28は、リップ部84が配置されている第二のチャネル38にロック用リング28の壁部分26を係合させることによってリップ部84を固定するようになっている。したがって、明らかなように、シール機構20は、フレーム用リング24およびロック用リング28を用いてガスマスク13のバイザー17をフード12に接続することにより、ガスマスク13とフード12との間に気密シールを形成する単純なスナップ機構として作用するようになっている。
【0018】
密封作用を強化するために、リップ部84を形成している材料は、リム部85を形成する材料および/またはフード12が形成されている材料からなるシートのうちのほとんどを形成する材料よりも厚みが大きくてもよい。さらに、リップ部84は、リム部85に対しておおむね直角に向けられてもよいし、および/または、フレーム用リング24の下壁78に対しておおむね平行に向けられてもよい。 必ずとはいわないまでも、これらの両方の特徴により、フレーム用リング24とロック用リング28との間にリップ部84が配置されたとき、より優れたまたは強靱なシールが提供される傾向があり、また、繰り返して用いたときに、リップ部84が破れないようにまたは裂けないように補助することが可能となる。
【0019】
図3では、フレーム用リング24およびロック用リング28が、一体的に形成された単一の材料から形成されているものとして示されているが、これに代えて、フレーム用リング24およびロック用リング28のうちの一方または両方が複数の材料から形成されてもよい。さらに、フレーム用リング24およびロック用リング28はいかなる適切な材料から形成されてもよいが、堅いまたは柔軟なゴムの如き剛性材料または半剛性材料から形成されることが好ましい。
【0020】
上記の例示的な実施形態は、追加のまたは代替の特徴を実現するためおよび/または形成するために、変更されてもよい。たとえば、フレーム用リング24は、ガスマスク13またはリッジ部36とは別個になっている必要がなく、たとえば一体部分であってもよいし、または、ガスマスク13またはリッジ部36と一体式に形成されてもよい。同様に、縁部22は、リップ部84を有している必要がないし、および/または、本明細書に記載されている以外の形状もしくは構造を具備するリップ部84を有していてもよい。たとえば、リップ部84は、断面視においてL字形、U字形、またはその他の形状を有していてもよいし、また、円形、楕円形またはその他の形状を有する対象物のまわりに適合するように形成されてもよい。さらに、リップ部84は、フード12、リム部85または防護用衣料品10とは別個になっていてもよいし、また、防護用衣料品10のその他の部分と同一のまたは異なる材料から形成されていてもよい。さらに、フレーム用リング24は、2つの部材間に配置されている防護用衣料品の材料に、ロック用リング23内のチャネルを係合させる一つの壁(複数の壁から形成されるチャネルに代えて)を有しているだけでもよい。
【0021】
シール機構20が構築されるため、ユーザは保護用スーツ10を身につけるまえにガスマスク13を身につけてもまたは着用してもよく、このため、ガスマスク13を脱ぐことを必要とすることなく保護用スーツを着用することが可能となる。このことは、多く場合において有益でありうる。この場合、ユーザは、まず、ガスマスク13のリッジ部36にフレーム用リング24の第一のチャネル34を設置することにより、ガスマスク13の外縁部にフレーム用リング24を取り付けうる。もちろん、現在入手可能なガスマスクはリッジ部36を既に備えている場合もあるので、ガスマスクを変更することなくガスマスクにシール機構20を用いてもよい。これに代えて、シール機構20に用いるために、ガスマスク13に、リッジ部36またはリッジ部のような構造体をあとで取り付けてもよい。
【0022】
いずれの場合であっても、ガスマスク13にリッジ部36が配置されている場合、図2および図4に概略的に示されているように、ユーザは、リッジ部36にフレーム用リング24を係合またはスナップフィットさせることが可能となり、さらに詳細にいえば、ガスマスク13のリッジ部36にフレーム用リングの第一のチャネル34を係合させることが可能となる。この例示的な実施形態では、第一のチャネル34およびリッジ部36は、第一のチャネル34の壁70、72、74がリッジ部36のそれぞれ対応する壁52、50、48に当接するように、または、フレーム用リングがガスマスク13に完全に係合または着座するまで、係合されうる。もちろん、所望ならば、ガスマスク13は、恒久的にまたは一体的に取り付けられた状態で、フレーム用リング24を備えるように形成されてもよく、この場合には、フレーム用リング28の第一のチャネル34が必要ではなくなる。
【0023】
リッジ部36と同様に、中央壁部分70、上壁部分72および内壁部分74により形成された第一のチャネル34を備えているフレーム用リング24の逆U字型部分が現在のガスマスクに既に存在している場合がある。したがって、ガスマスク13は、シール機構20に用いるために、逆U字形部分の如き既に存在するハードウェアのうちの一部が取り除かれ、それを、先に記載したフレーム用リングと取り替えられることによって、後付されるようになっていてもよい。
【0024】
フレーム用リング24の第一のチャネル34がガスマスク13と係合すると、第二のチャネル38は、バイザー17の方向とは反対の方向である上方に向かって向き、フード12を形成しているシート材およびロック用リング28をいつでも受容できる状態になる。その結果、この実施例では、ユーザは、ガスマスク13を着用している間に保護用スーツ10を身につけ、そうすることにより、ガスマスク13のバイザー17にオリフィス16を整列させることが可能となる。次いで、ユーザは、開口16の縁部22を押し込んでも、挿入しても、または、横にして置いてもよく、さらに詳細にいえば、リップ部84を、ガスマスク13に取り付けられているフレーム用リング24の第二のチャネル38の下部に向けて押し込んでもよい。リップ部84は、当該リップ部84の下面98がロック用リング28の下壁78に当接するように、および、リム部85のうちの少なくとも1部分がロック用リング28の中央壁70に当接するように、第二のチャネル38に押し込まれてもよい。この例示的な実施形態では、リップ部84は、当該リップ部84を曲げることなくまたは変形することなく第二のチャネル38に嵌入されるような形状または大きさに形成され、それにより、リップ部84の下面98のうちのほとんどのぶ分が下壁78と接触するようになっている。これに加えておよび/またはこれに代えて、リップ部84は、ロック用リング28の壁部分26により圧縮されると、リップ部84は、フレーム用リング24とロック用リング28との間のシールを犠牲にすることなく膨張するための十分な余地を残している。
【0025】
縁部22、さらに詳細にいえばフード12のリップ部84は、ロック用リング28の壁部分26を第二のチャネル38に係合またはスナップフィットさせることにより、第二のチャネル38内に固定されうる。さらに詳細にいえば、ユーザは、ロック用リング28の内壁部分26が第二のチャネル38に係合するように、および、ロック用リング28の下壁部分92がフレーム用リング24外部壁部分80を摺動可能に係合するように、ロック用リング28の開口96をフレーム用リングの外壁部分80の上部に向けて案内しうる。ロック用リング28がフレーム用リング24にさらに押し込まれるとまたはスナップフィットされると、内壁部分26は、リム部85および外壁部分80に当接し、それにより、内壁部分26およびリップ部84を第二のチャネル38内に固定するようになっている。また、ロック用リング28がフレーム用リング24の中にさらに押し込まれると、下壁部分92は、フレーム用リングの下壁部分と外壁部分との接続部分により形成される角部を乗り越え、それにより、ロック用リング28の下壁部分92がフレーム用リングの下壁部分78に当接するとともにそれに対しておおむね平行となる。その結果、フレーム用リング24とロック用リング28が係合すると、フード12がガスマスク13に固定されている間に、ロック用リング28がフレーム用リング24から無意図的に外れることが防止される。さらに、スナップフィット式接続およびフレーム用リング24へのロック用リング28の取り付けに起因する触覚のため、ユーザは、ロック用リング28とフレーム用リング24との間に適切なシールが形成されたことを容易に判断することができる。
【0026】
これに代えて、所望ならば、ユーザは、保護用スーツ10のフード12にあらかじめガスマスク13を取り付けることにより、保護用スーツ10と同時にガスマスク13を身につけてもよいことはいうまでもない。また、いうまでもなく、ユーザは、フレーム用リング24との接続からロック用リング28を外し、次いで、保護用スーツ10を脱ぐだけで、ガスマスク13を外すことなく保護用スーツ10を脱ぐことが可能となる。
【0027】
簡潔さおよび明瞭さの目的のため、シールまたはシール機構20は、保護用スーツ10のフード12にガスマスク13を接続するために用いられるものとして本明細書において記載されているが、シール機構20はこの用途に限定されているわけではない。それどころか、同等のシール機構が他の部材を保護用スーツ10に接続するために用いられてもよい。これにはたとえば、ガスマスク13の呼吸器フィルタ19をフード12の開口30に接続すること、図1に示されているホース18を保護用スーツ10に接続すること、図1に示されている呼吸器21を保護用スーツ10に接続することなどが含まれている。 これらの場合では、もちろん、シールに用いられるフレーム用リングおよびロック用リングは、保護用スーツに取り付けられる個々の対象物または部材に適合するような形状および大きさに形成されることになり、したがって、円形、楕円形、長方形またはその他の所望の形状であってもよい。さらに、保護用スーツとして図示および記載されているが、防護用衣料品10はさまざまタイプのカバーまたはデバイスのうちのいずれであってもよく、シールまたはシール機構の20を用いて衣料品10に接続されうる対象物は、さまざまなタイプの対象物のうちのいずれかであってもよい。たとえば、防護用衣料品10は、テント、ブランケット、乗物用カバーなどの如きその他のタイプのカバーまたは材料であってもよく、シール機構20は、その他のタイプの対象物または構造物を防護用衣料品10に着脱可能に装着することを可能とするために用いられてもよい。もちろん、シール機構20は、先にまたは本明細書の他の部分で特定された用途に限定されるわけではなく、いかなる数の他の用途に合わせて変形されてもよい。
【0028】
一例として、図6に示されている他の例示的な実施形態では、縁部22と同等の成型ポリマーの縁部99が、防護用衣料品10とチューブまたはホース102との間にシールを形成するために、他のシール機構に用いられてもよい。この場合、シール機構101は、一方の端部において接続チューブ102上の外ネジ面104を係合し、他方の端部においてフランジ106を係合する圧縮ナット100を備えうる。ここで、接続チューブ102は、チューブ102のフランジ106が衣料品10の内側に配置され、圧縮ナット100が衣料品10の外側に配置されるように、防護用衣料品10の開口108の中に設置されうる。次いで、圧縮ナット100は、外ネジ面104上でフランジ106の方向に向かって回転され、最終的にフランジ106と圧縮ナット100との間に衣料品10の縁部またはリップ部99を圧縮し、それにより、衣料品10とチューブ102との間にシールを形成するようになっている。図6に示されているように、衣料品10の縁部またはリップ部99は、衣料品材のその他の部分よりも厚くなっていてもよいし、ならびに/または、圧縮ナット100がフランジ106に衣料品材料を押圧するときにより優れたシールを形成するため、および/もしくは、衣料品10へのホースもしくはチューブ102の接続および切断の繰り返しの結果この部位における衣料品材料の剪断または引き裂を防ぐために、開口108を形成するリップ部を有していてもよい。
【0029】
本発明が特定の実施例に関して記述されているが、これは例示のみを意図したものであって本発明を限定することを意図したものではない。また、当業者にとって明らかなように、本発明の技術思想または技術範囲から逸脱することなく、開示された実施形態に対して変形、追加または削除を加えてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】保護用スーツの本体部分を保護用スーツに関連する他の部分または対象物に着脱可能に接続するまたは取り付けるための防護用シールを備えている保護用スーツを着用した人を示す斜視図である。
【図2】ガスマスクが防護用シールの第一の実施形態によってフード材に着脱可能に取り付けられている、図1の保護用スーツのフード部分を示す斜視図である。
【図3】図2のガスマスク、フードおよび防護用シールを示す分解図である。
【図4】図3の4−4線におおむね沿って得られた防護用シール、バイザーのうちの一部およびフード材のうちの一部を示す分解断面図である。
【図5】防護用シールが図2のバイザーを図2のフードに密封状態を形成して取り付けるために機能するときの、図2の防護用シールを示す詳細な断面図である。
【図6】図1の保護用スーツに円形状のホース部材を接続するために、図1の保護用スーツ上で用いられるシール機構の第二の実施形態を示している、図1の6−6線に沿って得られた断面図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
防護用衣料品を対象物へ密封状態を形成して取り付けるためのシール機構であって、
前記対象物に密封状態を形成して係合するように構成されている接続部分および第一のチャネルを有したフレーム用リングと、
前記防護用衣料品のうちの一部分を前記フレーム用リングの前記第一のチャネルに固定するために前記フレーム用リングの前記第一のチャネルに嵌入するように構成されているロック用壁部分を有したロック用リングと
を備えてなる、シール機構。
【請求項2】
前記フレーム用リングおよび前記ロック用リングが補完的な形状を有してなる、請求項1記載のシール機構。
【請求項3】
前記フレーム用リングおよび前記ロック用リングが長方形状を有してなる、請求項2記載のシール機構。
【請求項4】
前記フレーム用リングおよび前記ロック用リングが円形状を有してなる、請求項2記載のシール機構。
【請求項5】
前記フレーム用リングの前記接続部分が、前記フレーム用リングの第一のチャネルの隣の位置に配置されているとともに、該第一のチャネルからさらなる壁部分により分離されている第二のチャネルを有してなる、請求項1記載のシール機構。
【請求項6】
前記フレーム用リングの前記第一のチャネルが第一の方角に向かって開く第一の開口を有し、前記フレーム用リングの前記第二のチャネルが前記第一の方向とは異なる第二の方向に向かって開く第二の開口を有してなる、請求項5記載のシール機構。
【請求項7】
前記第一の方向が前記第二の方向とはおおむね反対方向である、請求項6記載のシール機構。
【請求項8】
前記フレーム用リングの前記第一のチャネルが、開口を形成する連続的な通路を有してなる、請求項1記載のシール機構。
【請求項9】
前記ロック用リングが、開口のまわりに連続的な通路を形成するロック用チャネルを有してなる、請求項1記載のシール機構。
【請求項10】
前記ロック用壁部分が、前記ロック用チャネルの1つの側壁を形成してなる、請求項9記載のシール機構。
【請求項11】
前記第一のチャネルが、断面視においておおむねU字形である、請求項1記載のシール機構。
【請求項12】
前記ロック用リングが、断面視においておおむねL字形であるロック用チャネルを有してなる、請求項11記載のシール機構。
【請求項13】
前記ロック用リングが第一の壁部分、第二の壁部分および第三の壁部分をさらに有し、前記ロック用壁部分、前記第一の壁部分、前記第二の壁部分および前記第三の壁部分がロック用チャネルを形成すべく一緒に接続されてなる、請求項1記載のシール機構。
【請求項14】
前記ロック用チャネルが、断面視においておおむねL字形である、請求項13記載のシール機構。
【請求項15】
前記第一の壁部分が、前記第二の壁部分に接続されているとともに、前記第二の壁部分に対しておおむね直角に配置され、前記第二の壁部分が、前記第三の壁部分に接続されているとともに、前記第三の壁部分に対しておおむね直角に配置され、前記第三の壁部分が、前記ロック用壁部分に接続されているとともに、前記ロック用壁部分に対しておおむね直角に配置されてなる、請求項13記載のシール機構。
【請求項16】
前記ロック用壁部分と前記第一の壁部分との間にギャップを形成するために、断面視における前記ロック用壁部分の高さが断面視における前記第二の壁部分の高さよりも小さくなっており、前記ギャップが前記ロックチャネルへの入口を形成してなる、請求項15記載のシール機構。
【請求項17】
前記第一のチャネルが2つの側壁および1つの下壁を有し、前記2つの側壁が第一の距離分だけ間隔をおいて設けられ、前記ロック用リングの前記ロック用壁部分が前記第一の距離と略等しい厚みを有してなる、請求項1記載のシール機構。
【請求項18】
前記第一のチャネルが2つの側壁および1つの下壁を有し、前記2つの側壁が第一の距離分だけ間隔をおいて設けられ、前記ロック用リングの前記ロック用壁部分が前記第一の距離を下回る厚みを有してなる、請求項1記載のシール機構。
【請求項19】
前記第一のチャネルが2つの側壁および1つの下壁を有し、前記2つの側壁が、第一の距離だけ間隔をおいて設けられ、前記ロック用リングの前記ロック用壁部分が、前記第一のチャネルに前記ロック用壁部分を差し込み前記防護用衣料品のうちの一部分を前記第一のチャネルに配置されることを可能にすることができる十分に小さな厚みであって、かつ、前記ロック用壁部分が前記第一のチャネルに挿入されたとき、前記防護用衣料品のうちの一部分および前記2つの側壁に対して正圧を与えることができる十分に大きな厚みを有してなる、請求項1記載のシール機構。
【請求項20】
防護用衣料品デバイスであって、
衣料品縁部により形成されたオリフィスを有している防護用衣料品と、
前記オリフィスで前記防護用衣料品に着脱可能に接続されるように構成されている対象物と、
前記防護用衣料品を前記対象物に着脱可能に接続するために前記オリフィスに配置されるシール部材とを備えており、
前記シール部材が、
前記対象物に接続されているとともに、第一のチャネルおよび壁部分のうちの一方を具備しているフレーム用リングと、
前記第一のチャネルおよび前記壁部分のうちの他方を具備しているロック用リングとを有し、
前記壁部分が、前記衣料品縁部を前記第一のチャネルに固定するために、前記衣料品縁部のうちの少なくとも1部分と一緒に前記第一のチャネルに着脱可能に配置されるように構成されてなる、防護用衣料品デバイス。
【請求項21】
前記フレーム用リングおよび前記ロック用リングが補完的な形状を有してなる、請求項20記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項22】
前記フレーム用リングが前記対象物に固定されてなる、請求項20記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項23】
前記フレーム用リングが前記対象物に着脱可能に取り付けられてなる、請求項20記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項24】
前記フレーム用リングおよび前記対象物のうちの一方が第二のチャネルを有し、前記フレーム用リングおよび前記対象物のうちの他方がリッジ部を有し、前記第二のチャネルが前記リッジと密封状態を形成して係合するサイズに形成されてなる、請求項23記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項25】
前記第一のチャネルが、前記フレーム用リングに配置されているとともに、開口を形成している連続的な通路を有してなる、請求項20記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項26】
前記ロック用リングが、開口のまわりに連続的な通路を形成しているロック用チャネルを有し、前記壁部分が、前記ロック用チャネルのうちの一部分を形成してなる、請求項25記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項27】
前記ロック用リングの前記ロック用チャネルおよび前記第一のチャネルが、形状および大きさにおいて補完的である、請求項26記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項28】
前記第一のチャネルが、断面視においておおむねU字形を有してなる、請求項20記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項29】
前記ロック用リングが、断面視においておおむねL字形であるロック用チャネルを有してなる、請求項28記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項30】
前記ロック用リングが、前記壁部分を有し、さらに第一のロック用壁部分、第二のロック用壁部分および第三のロック用壁部分を有しており、前記壁部分、前記第一のロック用壁部分、前記第二のロック用壁部分および前記第三のロック用壁部分がロック用チャネルを形成するために一緒に接続されてなる、請求項20記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項31】
前記ロック用チャネルが、断面視においておおむねL字形を有してなる、請求項30記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項32】
前記第一のロック用壁部分が、前記第二のロック用壁部分に接続されているとともに、前記第二のロック用壁部分に対しておおむね直角に配置され、前記第二のロック用壁部分が、前記第三のロック用壁部分に接続されているとともに、前記第三のロック用壁部分に対しておおむね直角に配置され、前記第三のロック用壁部分が、前記壁部分に接続されているとともに、前記壁部分に対しておおむね直角に配置されており、前記壁部分と前記第一のロック用壁部分との間にギャップを形成するために、断面視における前記壁部分の高さが、断面視における前記第二のロック用壁部分の高さよりも小さくなっており、前記ギャップが前記ロック用チャネルへの入口を形成してなる、請求項30記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項33】
前記第一のチャネルが2つの側壁および1つの下壁を有し、前記2つの側壁が、第一の距離分だけ間隔をおいて設けられ、前記ロック用リングの前記壁部分が、前記衣料品縁部のうちの一部分を前記第一のチャネルに配置した状態で前記壁部分を前記第一のチャネルに差し込むことを可能とする十分に小さな厚みであって、かつ、前記壁部分が前記第一のチャネルに挿入されたとき前記衣料品縁部のうちの一部分および前記2つの側壁に対して正圧を与えることができる十分に大きな厚みを有してなる、請求項30記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項34】
前記対象物がガスマスクを有してなる、請求項20記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項35】
前記対象物がガスマスクのバイザーを有してなる、請求項20記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項36】
前記衣料品縁部のうちの一部分がリップ部を有し、前記第一のチャネルが前記対象物を前記衣料品に接続するために用いられるとき、該リップ部が前記オリフィスのまわりを延びるとともに、前記第一のチャネルの下部に対しておおむね直角に向くように構成されてなる、請求項20記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項37】
前記衣料品縁部のうちの一部分がリップ部を有し、前記リップが、前記防護用衣料品の材料のうちの前記リップ部に隣接す部分よりもおおむね厚くなっている、請求項20記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項38】
前記衣料品縁部のうちの一部分がリップ部を有し、前記リップ部が、前記オリフィスのまわりを延びるとともに、それ自体に折り重なることなく前記第一のチャネルに嵌入するような大きさおよび形状を有してなる、請求項20記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項39】
前記対象物が、ブーツ、グローブ、フード、マスク、ホース、ケーブル、呼吸器およびベンチレータのうちの1つである、請求項20記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項40】
前記防護用衣料品が保護用スーツである、請求項20記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項41】
前記防護用衣料品が保護用ブランケットである、請求項20記載の防護用衣料品デバイス。
【請求項42】
防護用衣料品システムであって、
視界窓を有しているマスクと、
前記マスクの前記視界窓を内部に受容するように構成されている開口を具備したフードを有している防護用衣料品と、
前記マスクに接続されているとともに、前記マスクの前記視界窓の方向とは反対の方向に開口しているチャネルを有しているフレーム用リングと、
前記視界窓に向かう方向に内側に延びた壁を有しているロック用リングとを備えており、
前記フードが開口リム部を有し、前記開口リム部が、前記開口を形成しているとともに、前記開口リム部に対しておおむね直角に向いているリップ部を具備している縁部を有しており、
前記チャネルが前記リップ部を受容するように構成されており、
前記壁が、前記チャネルに嵌入することにより、前記壁と前記チャネルの少なくとも一つの側壁との間に前記リップ部を密封状態を形成して圧縮するように構成されてなる、防護用衣料品システム。
【請求項43】
前記フレーム用リングが、第二のチャネルと該第二のチャネルの隣に設けられるリッジ部とのうちの一方を有し、前記マスクの前記視界窓が、前記第二のチャネルおよび前記リッジ部のうちの他方を有し、前記リッジ部が、前記第二のチャネルに嵌入し前記第二のチャネルと密封状態を形成して係合することにより、前記フレーム用リングを前記マスクの前記視界窓に密封状態を形成して係合させることができる大きさおよび形状に形成されてなる、請求項42の防護用衣料品システム。
【請求項44】
防護用デバイスであって、
縁部により形成される少なくとも1つの開口を具備している保護材と、
前記開口を通って延びている対象物と、
移動可能部材を有しているシール機構とを備えており、
前記縁部が、前記保護材のうちのほとんどの部分の厚さよりも大きな厚さを有しており、
前記対象物が、前記保護材の内側に配置される第一の端部と、前記保護材の外側に配置される第二の端部とを有しており、
前記移動可能部材が、前記対象物の前記第二の端部に配置され、前記縁部が、前記移動可能部材が移動されると、前記対象物の前記第一の端部と前記第二の端部との間で圧縮されるように構成されてなる、防護デバイス。
【請求項45】
前記対象物が略円筒状を有してなる、請求項44記載の防護デバイス。
【請求項46】
前記対象物の前記第一の端部がフランジを有してなる、請求項44記載の防護デバイス。
【請求項47】
前記移動可能部材が第一のネジ付き面を有してなる、請求項44記載の防護デバイス。
【請求項48】
前記対象物の前記第二の端部が、前記第一のネジ付き面に螺合するように構成された第二のネジ付き面を有してなる、請求項47記載の防護デバイス。
【請求項49】
前記移動可能部材が、前記対象物に対してネジ付き面上で回転するように構成されてなる、請求項44記載の防護デバイス。
【請求項50】
防護用衣料品を対象物に密封状態を形成して取り付けるためのシール機構であって、
前記対象物を密封状態を形成して係合するように構成されている接続部分ならびに第一のチャネルおよび壁部分のうちの一方を有しているフレーム用リングと、
前記第一のチャネルおよび前記壁部分のうちの他方を有しているロック用リングとを備えており、
前記壁部分が、前記防護用衣料品のうちの一部分を前記第一のチャネルに密封状態を形成して固定するために前記第一のチャネルに嵌入されるように構成されてなる、シール機構。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate


【公表番号】特表2008−520842(P2008−520842A)
【公表日】平成20年6月19日(2008.6.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−541486(P2007−541486)
【出願日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【国際出願番号】PCT/US2005/041705
【国際公開番号】WO2006/055724
【国際公開日】平成18年5月26日(2006.5.26)
【出願人】(507157263)インタースピロー, インコーポレイテッド (3)
【Fターム(参考)】