防雪柵の基礎転倒防止工および基礎転倒防止具
【課題】防雪柵基礎の逆風時の転倒防止を、比較的簡単に、短期間で安価に実現できる工法とこれの実施に好適な手段を提供する。
【解決手段】支柱1に防雪板を装架させた既設の防雪柵2における基礎コンクリート3反道路側面を露出させ、支圧部4aとこれに底辺が乗ったサポート部4bを備えた転倒防止金具4を前記基礎コンクリート3反道路側面の近傍に配し、サポート部4bを前記基礎コンクリート3に結合する。
【解決手段】支柱1に防雪板を装架させた既設の防雪柵2における基礎コンクリート3反道路側面を露出させ、支圧部4aとこれに底辺が乗ったサポート部4bを備えた転倒防止金具4を前記基礎コンクリート3反道路側面の近傍に配し、サポート部4bを前記基礎コンクリート3に結合する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は防雪柵の基礎転倒防止工とこれに好適な転倒防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
降雪地域においては、防雪、防風対策として、道路や駐車場などの側部に沿って防雪柵が設置されている。かかる防雪柵は種々のものがあり、支柱間に複数の防雪板をある範囲の角度たとえば20〜30度の傾斜を持たせて多段状に配置し、吹雪や強風時に畑などの道路外から道路側に風を誘導して雪を吹払う吹払い式のものが多く用いられており、降雪季を過ぎたときに折り畳むことができるものなども使用されている。
【0003】
こうした防雪柵は、一般的に、「正風」すなわち反道路側から道路側ないし駐車場側へ向かう風に対する耐荷重を設計基準として、地盤にアンカー金具類を埋め込んだ基礎コンクリートをブロック状に形成して、鋼材からなる支柱基礎を構築していた。
しかしながら、防雪柵に対しては、正風のみならず、道路側から反道路側に吹く「逆風」も作用する。この逆風に対しては耐荷重不足になるので、基礎ボリュームが大荷重に耐えられず、基礎が反道路側に転倒して、上部構造(防雪柵本体)が破損する事故が頻発していた。
【0004】
こうした場合、従来では、上部構造を取替え、基礎を再設置することで対応していたが、これは抜本的な対策ではないので、逆風により再び転倒することを避けられなかった。
この対策としては、逆風にも耐えられるようにコンクリートを使用して既存の基礎コンクリートに打ち継ぎを行うことで基礎のボリュームアップを図ることが挙げられるが、大掛りな工事となり、また、冬季におけるコンクリートの養生の難しさなどからの通年施工ができず、かつまた、土砂を掘削した場合には残土の処理も煩雑なものなり、施工性が芳しくないとともに工事費が高くなる問題があった。
【特許文献1】特開平10−18233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記のような問題点を解消するためになされたもので、その目的とするところは、防雪柵基礎の逆風時の転倒防止を、比較的簡単に、短期間で安価に実現できる工法とこれの実施に好適な手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明は、基礎コンクリート上に立設した支柱に防雪板を装架させた防雪柵において、支圧部分とサポート部分を備えた転倒防止具を用い、支圧部分を基礎コンクリート反道路側面の近傍地盤に位置させ、サポート部分を前記基礎コンクリートに結合して転倒防止補強を行なうことを特徴としている。
また、本発明の防雪柵基礎転倒防具は、支圧板と、支圧板に固定される底部と、基礎コンクリートから突出するアンカーに連結される前部を有するサポート部材を備えていることを特徴としている。
また、本発明の防雪柵基礎転倒防具は、支圧板とサポート部材が一体化された成形体からなり、サポート部が基礎コンクリートから突出するアンカーに対して連結される前部を有していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の防雪柵基礎転倒防止工によるときには、転倒防止具をの基礎コンクリートの近傍に配してサポート部分を基礎コンクリートと結合することで基礎転倒防止を図るので、コンクリートのうち継ぎといった大規模な工事を要さず、簡単な作業により既設の防雪柵における転倒防止を達成することができ、短期間の工期でしかも通年施工で行なえ、使用する部材も簡単なもので足りるので、効果の割に施工費用を安くすることができるというすぐれた効果が得られる。
【0008】
また、本発明の防雪柵基礎転倒防止具によれば、支圧板を基礎コンクリートの反道路側面に隣接して配し、サポート部材を基礎コンクリート反道路側表面に当てて結合する簡易な作業で補強が完了する。また、サポート部材を共通部品とし、異なる寸法の支圧板への配設数を変えることで簡単に必要強度に対応することができる。
防雪柵基礎転倒防止具の他のものによれば、支圧部とサポート部が一体化された一部材であるため、部品数が少なくてすみ、施工も簡単であるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
転倒防止具の基礎コンクリートへの結合は、基礎コンクリート反道路側面に埋め込んだアンカーの反道路側に突出する端部にサポート分部を連結することで行なわれる。
これによれば、転倒防止具をしっかりと基礎コンクリートと一体化することができるので、逆風時の強い荷重を安定的に受け止めて、基礎の転倒を防止できる。
【0010】
サポート部材は鋼材を組付け接合したフレーム状をなしている。
これによればアングル効果により強度が高く、また比較的軽量で、現場での取扱いも容易になる。
支圧板ないし支圧部は後半域に傾斜部を有しているものを含んでいる。
これによれば、支圧板ないし支圧部の後部が地盤から浮かず、有効支圧面積が増し、全面積を支持面積とすることができるので、一段と強い逆風にも基礎転倒を防止できる。
【実施例1】
【0011】
以下添付図面を参照して本発明の実施例を説明するが、これに限定されるものではない。
図1と図2は本発明による基礎転倒防止工を適用して強化された吹き払い式の防雪柵の一例を示しており、1、1はH形鋼や鋼パイプなどで作られ、道路端の道路延長方向に沿って所定の間隔で配された支柱、2は前記支柱1,1間に多段状に配された防雪板である。
【0012】
この例においては、各防雪板2は、両端部に支柱にガイドされる支軸2aを突設しており、かつ上位側の防雪板の支軸2aは次位の防雪板の上端部とリンク2bにより連結されている。そして、2段目以降の防雪板の上端にはリンク2bの拡開角度を規制するストッパー2cが設けられ、最上位の防雪板をロープ2dで吊持し、最下位の防雪板をピン2eなどで支柱に固定することで各防雪板2,2が道路側にたとえば20〜30度で下傾し、それにより吹雪や強風を道路側に偏向させ、路面の積雪や吹溜りを吹払うようになっている。
【0013】
前記支柱1,1の鉛直上の地盤にはブロック状の基礎コンクリート3が構築され、これにアンカー金具3aが埋設され、支柱基端部のステーつきの座盤11が基礎コンクリート天面に載置されるとともに前記アンカー金具30に締結一体化されている。
【0014】
4は本発明で特徴とする転倒防止具であり、この例では、支圧板4aとサポート部材4b、4bを有し、前記基礎コンクリート3の反道路側部位に支圧板4aが配置され、サポート部材4b、4bをもって前記基礎コンクリートの反道路側面に結合一体化され、これにより基礎コンクリート3の底面積が広げられている。
【0015】
図2ないし図8は本発明の基礎転倒防止工を工程順に示しており、まず、図2(a)のように、基礎コンクリート3の反道路側に接している土層Dがあれば、基礎コンクリート3の反道路側面30の好ましくは全高を露出させるように穴5を掘削する。
この穴5の大きさは、転倒防止具4を配置するに十分なものでよいが、栗石などの基礎層3´の表面とほぼ同じレベルの穴底地盤50は均一に敷き均し、場合によっては砕石類を用いて固める。
【0016】
次に、露出されている基礎コンクリート3の反道路側面30にアンカー挿着用の横穴300,300をドリルなどの工具により穿設する。この状態が図3であり、横穴300,300はこの例では左右と上下に計4本、後述するサポート部材4b、4bの結合用部に対応する高さレベルと幅方向位置に設けられる。
【0017】
次いで、前記各横穴300,300に、所要長さが基礎コンクリート3の反道路側面30から結合用自由端60として突出するようにボルト状のアンカー6を打ち込む。前記アンカー6の限定はないが、速乾強度が出るタイプでかつマイナス気温でも対応できるように樹脂系の接着材を用いたいわゆるケミカルアンカーが好適である。
【0018】
こうして、アンカー6,6が固定されたならば、穴5内に前記転倒防止具4を装入する。転倒防止具4は、作業性と作業能率の点から、好適には、厚い鉄板、鋼板(好ましくは防錆処理を施したもの)、コンクリート板などから選択される支圧板4aにサポート部材4b、4bを固定したアッセンブリーが用いられる。サポート部材4b、4bは、底部40と前部41とそれらを結ぶ連結部42を有している。
【0019】
この例ではサポート部材4bは、L形鋼などの鋼材(好ましくは防錆処理を施したもの)を側面から見て直角三角形状ないしそれに類する多角形状を呈するように組付溶接したフレームからなっており、底辺40の板面にボルト挿通穴400,400が設けられ、これらにボルト4dを通し、支圧板4aに穿設してある雌ねじ穴401に螺合することで支圧板4aと一体化している。
もちろんこれに限定されるものではなく、ボルトを支圧板4a側に植え立て、これに底部40のボルト穴を通し、ナットで緊締してもよいし、溶接などで底部40を支圧板4aと一体化してもよい。
【0020】
前記サポート部材4b、4bはこの例では2つ用いられ、支圧板4aに平行状に配置されている。各サポート部材4bは、前部41が支圧板4aの前端と略一致させられており、前記アンカー6の突出部60に対応する位置に、連結用部部分としての座片410,410を有している。座片410は帯板を鉛直辺部41に溶接するなどして設けられ、突出部60の貫通を許す穴411が設けられている。
【0021】
前記のような支圧板4aを穴底地盤50に接地させつつ、基礎コンクリート3の反道路側面30にサポート部材4b、4bを接近させれば、サポート部材4b、4bの前部41が反道路側面30に当接し、座片410,410の各穴411からアンカー6の突出部60が突出する。
そこで、突出部60にナット4eを螺合して緊締すれば、基礎コンクリート3と転倒防止具4とが一体化される。これが図5の基本工事完了の状態である。
【0022】
前記穴5を掘削した土砂Dは、図6のように転倒防止具4の全部または一部を覆うように埋め戻せばよい。したがって、残土処理が不要になるので施工性が向上するとともに、景観もよくなる。
【0023】
かかる実施例の作用を説明すると、正風時には、可傾している防雪板2の間隙から風が道路面に吹き当てられ、積った雪を吹払うが、逆風が作用した場合、可傾している防雪板2は受圧面積が広く、風が逃げにくいので強い風圧を受け、それにより支柱に反道路側への強い曲げモーメントが働き、基礎コンクリートが転倒荷重を受ける。
しかし、本発明では、基礎コンクリート反道路側面30の下部域にサポート部材4b、4bが前部41をもって結合されていて、サポート部材の底部40が基礎コンクリート反道路側面に近接した地盤50に据えられた支圧板4aに一体化している。
このため、図6の斜めの点線で示すように、基礎コンクリート3は実質的に底面積が広げられたものとなり、それにより反道路側への荷重に対する抵抗が著しく増大し、逆風による転倒事故の発生が防止される。 本発明は基礎コンクリート3の反道路側に腹付け土が全くない場合も有効である。
【実施例2】
【0024】
図9は本発明の基礎転倒防止具の第2実施例を示している。この例では、サポート部材4bが、基礎コンクリート3の反道路側面に対して3箇所結合されている。これは、基礎コンクリートの体積が大きい場合や,耐荷重を強くするのに好適である。
サポート部材4bは第1実施例と同様なものが用いられ、支圧板4a上に平行状に3個配列され、それぞれ底部40が支圧板に固定され、各前部が基礎コンクリート3の反道路側面30に結合される。
他の構成と工程は第1実施例と同様であるから、説明は援用する。
【0025】
本発明は図示するもののほか、種々の態様を採用することができる。
1)サポート部材4bは、側面が三角形状である場合に限らず任意であり、図10のように、後部に立ち上がりを有していもよい。あるいは図11のような斜部と突っ張り部を有するような異形状であってもよい。さらに、サポート部材4bは、底辺部40と前辺部41を多角状のプレートでつないだものでもよいし、断面が直角三角形などをなした筒状体あるいは、後述する図12のサポート部(材)のように、前部の両側が90度屈曲して後方に伸びる平面コ字状の部体を用いてもよい。
2)支圧板4aは、それ自体の前端が図11のようにL状などのブラケット4cによりアンカー6と結合されてもよい。
【0026】
3)作業性の面から支圧板4aとサポート部材4bは穴外で組立ててアッセンブリーとされるが、場合によっては別々に持ち込んでアッセンブリー化を行なってもよい。
4)基礎コンクリート3の反道路側面に対する連結部分は、座片を用いずに、直接、前部の板面を用いてもよい。また、座片は場合によっては左右のサポート部材に渡される帯状であってもよい。
5)支圧板4aの基礎コンクリート3の反道路側面に対する配置高さレベルは、通常、基礎コンクリート3の底面と同レベルとされるが、場合によっては、それよりも適度に高いレベルであってもよい。
【0027】
6)本発明の基礎転倒防止具4は、サポート部と支圧部が一体でもよい。図12はサポート部と支圧部をたとえばコンクリートや強化プラスチックなどの成形体で構成している。この成形体では、サポート部材4bは、壁状の前部40にアンカー6の突出部60を突出させる孔411を有している。
図13と、図14は図12の基礎転倒防止具4を適用した例を示しており、前部40を基礎コンクリート3の反道路側面に当接し、アンカー6の突出部60にナットを螺合することで工事が完了するので、簡単である。
【0028】
7)支圧板4aは、平らな盤である場合に限らず、図10のように基礎コンクリートから離間する後半部域に傾斜部4a´を有していてもよい。
これによれば、傾斜部4a´は、基礎コンクリート3の反道路の土層が平らである場合には土層に食い込み、反道路の腹付け土が所定の水平状から先に傾斜がある場合にはその傾斜に合致して、支圧板の後半部を浮かさず支圧有効面積を十分なものにすることができる。
【0029】
本発明を実際に適用した結果を次に示す。
実験対象の防雪柵は既設の吹払い柵であり、支柱は100×100で高さ3500mmのH形鋼、支柱間隔は4mとし、防雪板は1.6t×550×3800mmを左右の支柱間に4段、道路側に鉛直に対して23度の角度で支架させた仕様のものである。基礎は、800×800mm、高さ1400mmのコンクリートである。
【0030】
かかる防雪柵を試験場に設置し、風速計を使用して監視したところ、道路側から反道路側に風速15〜20m/secの逆風が作用したときに基礎の転倒が発生した。
【0031】
支圧板として540×700mm、厚さ12mmの厚鋼板を用い、サポート部材として、40×40×4tmmのL形鋼を高さ516mm、奥行き516mmの略直角正三角形状に溶接して組立て、鉛直辺部に50×4.5mm×100mmの座片を溶接したものを用いた。このサポート部材を2つ、600mmの間隔をおいて支圧板に配し、底辺部をボルトで固定して転倒防止具とした。
【0032】
前記基礎コンクリートの反道路側面に幅方向間隔540mm、下面から50mmの位置から高さ方向間隔400mmで計4つの横穴を明け、これらにエポキシアクリレート樹脂を接着剤として、太さ12mm、長さ200mmのアンカーボルトを埋め込み、前記転倒防止金具を前記基礎コンクリートの直近に配し、サポート部材の座片をアンカーボルトに通してナットで固定した。
【0033】
こうして得られた防雪柵を観察したところ、風速30m/sec.の逆風でも、全く転倒が発生せず、簡単に施工できる転倒防止金具でありながら、非常に効果的であることが確認された。
【0034】
また、基礎コンクリート1100×1100mm、高さ1500mmのコンクリートを使用した防雪柵は、本発明を適用しない場合、道路側から反道路側に風速18〜30m/secの逆風が作用したときに基礎の転倒が発生した。
これに対し、支圧板として540×1000mm、厚さ12mmの厚鋼板を用い、サポート部材として、40×40×4tmmのL形鋼を高さ516mm、奥行き516mmの略直角正三角形状に溶接して組立て、鉛直辺部に50×4.5mm×100mmの座片を溶接したものを用い、このサポート部材を3つ、450mmの間隔をおいて支圧板に配し、底辺部をボルトで固定した転倒防止金具を使用した。
【0035】
これを、基礎コンクリートの反道路側面に幅方向間隔450mm、下面から50mmの位置から高さ方向間隔400mmで計6つの横穴を明け、これらにエポキシアクリレート樹脂を接着剤として、太さ12mm、長さ200mmのアンカーボルトを埋め込み、前記転倒防止金具を前記基礎コンクリートの直近に配し、サポート部材の座片をアンカーボルトに通してナットで固定した。
【0036】
こうして得られた防雪柵を観察したところ、風速40m/sec.の逆風でも、全く転倒が発生せず、非常に効果的であることが確認された。
また、支圧板として、540×1000mm、厚さ12mm、395mmの位置から後方160mmを135度に屈曲したものを使用した結果、風速45m/secの逆風でも、全く転倒が発生せず、非常に効果的であることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明で対象とする防雪柵は、防雪板が巻き上げ可能な自立巻上げ巻き下げ型に限らず、位置固定の自立型、自立オーバーハング型などに広く適用される。また、吹払い柵タイプのみならず、吹止め柵タイプ、吹溜柵タイプなど任意である。また、本発明は既設の防雪柵への適用が主であるが、新設防雪柵にも適用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】(a)は本発明による防雪柵の基礎転倒防止工法を適用した防雪柵の一例を示す側面図、(b)は正面図である。
【図2】(a)は本発明工法の第1工程を示す側面図、(b)はその側面図である。
【図3】本発明の第2工程を示す側面図である。
【図4】(a)は本発明に使用する転倒防止具の部分切欠斜視図、(b)はその部分図である。
【図5】本発明の第3工程を示す側面図である。
【図6】(a)は完成状態を示す側面図、(b)はその一部拡大図である。
【図7】完成状態を示す正面図である。
【図8】完成状態を示す正面図である。
【図9】(a)は本発明の他の例を示す平面図、(b)はその正面図である。
【図10】(a)は支圧板の他の態様を示す斜視図、(b)はその使用状態を示す側面図である。
【図11】(a)は本発明のサポート部材の他の例を示す斜視図、(b)はその使用状態の側面図である。
【図12】本発明における転倒防止具の他の例を示す斜視図である。
【図13】図12の転倒防止具を用いて防雪柵の基礎転倒防止工法を実施した状態を示す側面図である。
【図14】同じく平面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 支柱
2 防雪柵
3 基礎コンクリート
4 転倒防止金具4
4a 支圧板(支圧部)
4b サポート部材(サポート部)
40 底部
41 前部
5 穴
6 アンカー
【技術分野】
【0001】
本発明は防雪柵の基礎転倒防止工とこれに好適な転倒防止具に関する。
【背景技術】
【0002】
降雪地域においては、防雪、防風対策として、道路や駐車場などの側部に沿って防雪柵が設置されている。かかる防雪柵は種々のものがあり、支柱間に複数の防雪板をある範囲の角度たとえば20〜30度の傾斜を持たせて多段状に配置し、吹雪や強風時に畑などの道路外から道路側に風を誘導して雪を吹払う吹払い式のものが多く用いられており、降雪季を過ぎたときに折り畳むことができるものなども使用されている。
【0003】
こうした防雪柵は、一般的に、「正風」すなわち反道路側から道路側ないし駐車場側へ向かう風に対する耐荷重を設計基準として、地盤にアンカー金具類を埋め込んだ基礎コンクリートをブロック状に形成して、鋼材からなる支柱基礎を構築していた。
しかしながら、防雪柵に対しては、正風のみならず、道路側から反道路側に吹く「逆風」も作用する。この逆風に対しては耐荷重不足になるので、基礎ボリュームが大荷重に耐えられず、基礎が反道路側に転倒して、上部構造(防雪柵本体)が破損する事故が頻発していた。
【0004】
こうした場合、従来では、上部構造を取替え、基礎を再設置することで対応していたが、これは抜本的な対策ではないので、逆風により再び転倒することを避けられなかった。
この対策としては、逆風にも耐えられるようにコンクリートを使用して既存の基礎コンクリートに打ち継ぎを行うことで基礎のボリュームアップを図ることが挙げられるが、大掛りな工事となり、また、冬季におけるコンクリートの養生の難しさなどからの通年施工ができず、かつまた、土砂を掘削した場合には残土の処理も煩雑なものなり、施工性が芳しくないとともに工事費が高くなる問題があった。
【特許文献1】特開平10−18233号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は前記のような問題点を解消するためになされたもので、その目的とするところは、防雪柵基礎の逆風時の転倒防止を、比較的簡単に、短期間で安価に実現できる工法とこれの実施に好適な手段を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため本発明は、基礎コンクリート上に立設した支柱に防雪板を装架させた防雪柵において、支圧部分とサポート部分を備えた転倒防止具を用い、支圧部分を基礎コンクリート反道路側面の近傍地盤に位置させ、サポート部分を前記基礎コンクリートに結合して転倒防止補強を行なうことを特徴としている。
また、本発明の防雪柵基礎転倒防具は、支圧板と、支圧板に固定される底部と、基礎コンクリートから突出するアンカーに連結される前部を有するサポート部材を備えていることを特徴としている。
また、本発明の防雪柵基礎転倒防具は、支圧板とサポート部材が一体化された成形体からなり、サポート部が基礎コンクリートから突出するアンカーに対して連結される前部を有していることを特徴としている。
【発明の効果】
【0007】
本発明の防雪柵基礎転倒防止工によるときには、転倒防止具をの基礎コンクリートの近傍に配してサポート部分を基礎コンクリートと結合することで基礎転倒防止を図るので、コンクリートのうち継ぎといった大規模な工事を要さず、簡単な作業により既設の防雪柵における転倒防止を達成することができ、短期間の工期でしかも通年施工で行なえ、使用する部材も簡単なもので足りるので、効果の割に施工費用を安くすることができるというすぐれた効果が得られる。
【0008】
また、本発明の防雪柵基礎転倒防止具によれば、支圧板を基礎コンクリートの反道路側面に隣接して配し、サポート部材を基礎コンクリート反道路側表面に当てて結合する簡易な作業で補強が完了する。また、サポート部材を共通部品とし、異なる寸法の支圧板への配設数を変えることで簡単に必要強度に対応することができる。
防雪柵基礎転倒防止具の他のものによれば、支圧部とサポート部が一体化された一部材であるため、部品数が少なくてすみ、施工も簡単であるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
転倒防止具の基礎コンクリートへの結合は、基礎コンクリート反道路側面に埋め込んだアンカーの反道路側に突出する端部にサポート分部を連結することで行なわれる。
これによれば、転倒防止具をしっかりと基礎コンクリートと一体化することができるので、逆風時の強い荷重を安定的に受け止めて、基礎の転倒を防止できる。
【0010】
サポート部材は鋼材を組付け接合したフレーム状をなしている。
これによればアングル効果により強度が高く、また比較的軽量で、現場での取扱いも容易になる。
支圧板ないし支圧部は後半域に傾斜部を有しているものを含んでいる。
これによれば、支圧板ないし支圧部の後部が地盤から浮かず、有効支圧面積が増し、全面積を支持面積とすることができるので、一段と強い逆風にも基礎転倒を防止できる。
【実施例1】
【0011】
以下添付図面を参照して本発明の実施例を説明するが、これに限定されるものではない。
図1と図2は本発明による基礎転倒防止工を適用して強化された吹き払い式の防雪柵の一例を示しており、1、1はH形鋼や鋼パイプなどで作られ、道路端の道路延長方向に沿って所定の間隔で配された支柱、2は前記支柱1,1間に多段状に配された防雪板である。
【0012】
この例においては、各防雪板2は、両端部に支柱にガイドされる支軸2aを突設しており、かつ上位側の防雪板の支軸2aは次位の防雪板の上端部とリンク2bにより連結されている。そして、2段目以降の防雪板の上端にはリンク2bの拡開角度を規制するストッパー2cが設けられ、最上位の防雪板をロープ2dで吊持し、最下位の防雪板をピン2eなどで支柱に固定することで各防雪板2,2が道路側にたとえば20〜30度で下傾し、それにより吹雪や強風を道路側に偏向させ、路面の積雪や吹溜りを吹払うようになっている。
【0013】
前記支柱1,1の鉛直上の地盤にはブロック状の基礎コンクリート3が構築され、これにアンカー金具3aが埋設され、支柱基端部のステーつきの座盤11が基礎コンクリート天面に載置されるとともに前記アンカー金具30に締結一体化されている。
【0014】
4は本発明で特徴とする転倒防止具であり、この例では、支圧板4aとサポート部材4b、4bを有し、前記基礎コンクリート3の反道路側部位に支圧板4aが配置され、サポート部材4b、4bをもって前記基礎コンクリートの反道路側面に結合一体化され、これにより基礎コンクリート3の底面積が広げられている。
【0015】
図2ないし図8は本発明の基礎転倒防止工を工程順に示しており、まず、図2(a)のように、基礎コンクリート3の反道路側に接している土層Dがあれば、基礎コンクリート3の反道路側面30の好ましくは全高を露出させるように穴5を掘削する。
この穴5の大きさは、転倒防止具4を配置するに十分なものでよいが、栗石などの基礎層3´の表面とほぼ同じレベルの穴底地盤50は均一に敷き均し、場合によっては砕石類を用いて固める。
【0016】
次に、露出されている基礎コンクリート3の反道路側面30にアンカー挿着用の横穴300,300をドリルなどの工具により穿設する。この状態が図3であり、横穴300,300はこの例では左右と上下に計4本、後述するサポート部材4b、4bの結合用部に対応する高さレベルと幅方向位置に設けられる。
【0017】
次いで、前記各横穴300,300に、所要長さが基礎コンクリート3の反道路側面30から結合用自由端60として突出するようにボルト状のアンカー6を打ち込む。前記アンカー6の限定はないが、速乾強度が出るタイプでかつマイナス気温でも対応できるように樹脂系の接着材を用いたいわゆるケミカルアンカーが好適である。
【0018】
こうして、アンカー6,6が固定されたならば、穴5内に前記転倒防止具4を装入する。転倒防止具4は、作業性と作業能率の点から、好適には、厚い鉄板、鋼板(好ましくは防錆処理を施したもの)、コンクリート板などから選択される支圧板4aにサポート部材4b、4bを固定したアッセンブリーが用いられる。サポート部材4b、4bは、底部40と前部41とそれらを結ぶ連結部42を有している。
【0019】
この例ではサポート部材4bは、L形鋼などの鋼材(好ましくは防錆処理を施したもの)を側面から見て直角三角形状ないしそれに類する多角形状を呈するように組付溶接したフレームからなっており、底辺40の板面にボルト挿通穴400,400が設けられ、これらにボルト4dを通し、支圧板4aに穿設してある雌ねじ穴401に螺合することで支圧板4aと一体化している。
もちろんこれに限定されるものではなく、ボルトを支圧板4a側に植え立て、これに底部40のボルト穴を通し、ナットで緊締してもよいし、溶接などで底部40を支圧板4aと一体化してもよい。
【0020】
前記サポート部材4b、4bはこの例では2つ用いられ、支圧板4aに平行状に配置されている。各サポート部材4bは、前部41が支圧板4aの前端と略一致させられており、前記アンカー6の突出部60に対応する位置に、連結用部部分としての座片410,410を有している。座片410は帯板を鉛直辺部41に溶接するなどして設けられ、突出部60の貫通を許す穴411が設けられている。
【0021】
前記のような支圧板4aを穴底地盤50に接地させつつ、基礎コンクリート3の反道路側面30にサポート部材4b、4bを接近させれば、サポート部材4b、4bの前部41が反道路側面30に当接し、座片410,410の各穴411からアンカー6の突出部60が突出する。
そこで、突出部60にナット4eを螺合して緊締すれば、基礎コンクリート3と転倒防止具4とが一体化される。これが図5の基本工事完了の状態である。
【0022】
前記穴5を掘削した土砂Dは、図6のように転倒防止具4の全部または一部を覆うように埋め戻せばよい。したがって、残土処理が不要になるので施工性が向上するとともに、景観もよくなる。
【0023】
かかる実施例の作用を説明すると、正風時には、可傾している防雪板2の間隙から風が道路面に吹き当てられ、積った雪を吹払うが、逆風が作用した場合、可傾している防雪板2は受圧面積が広く、風が逃げにくいので強い風圧を受け、それにより支柱に反道路側への強い曲げモーメントが働き、基礎コンクリートが転倒荷重を受ける。
しかし、本発明では、基礎コンクリート反道路側面30の下部域にサポート部材4b、4bが前部41をもって結合されていて、サポート部材の底部40が基礎コンクリート反道路側面に近接した地盤50に据えられた支圧板4aに一体化している。
このため、図6の斜めの点線で示すように、基礎コンクリート3は実質的に底面積が広げられたものとなり、それにより反道路側への荷重に対する抵抗が著しく増大し、逆風による転倒事故の発生が防止される。 本発明は基礎コンクリート3の反道路側に腹付け土が全くない場合も有効である。
【実施例2】
【0024】
図9は本発明の基礎転倒防止具の第2実施例を示している。この例では、サポート部材4bが、基礎コンクリート3の反道路側面に対して3箇所結合されている。これは、基礎コンクリートの体積が大きい場合や,耐荷重を強くするのに好適である。
サポート部材4bは第1実施例と同様なものが用いられ、支圧板4a上に平行状に3個配列され、それぞれ底部40が支圧板に固定され、各前部が基礎コンクリート3の反道路側面30に結合される。
他の構成と工程は第1実施例と同様であるから、説明は援用する。
【0025】
本発明は図示するもののほか、種々の態様を採用することができる。
1)サポート部材4bは、側面が三角形状である場合に限らず任意であり、図10のように、後部に立ち上がりを有していもよい。あるいは図11のような斜部と突っ張り部を有するような異形状であってもよい。さらに、サポート部材4bは、底辺部40と前辺部41を多角状のプレートでつないだものでもよいし、断面が直角三角形などをなした筒状体あるいは、後述する図12のサポート部(材)のように、前部の両側が90度屈曲して後方に伸びる平面コ字状の部体を用いてもよい。
2)支圧板4aは、それ自体の前端が図11のようにL状などのブラケット4cによりアンカー6と結合されてもよい。
【0026】
3)作業性の面から支圧板4aとサポート部材4bは穴外で組立ててアッセンブリーとされるが、場合によっては別々に持ち込んでアッセンブリー化を行なってもよい。
4)基礎コンクリート3の反道路側面に対する連結部分は、座片を用いずに、直接、前部の板面を用いてもよい。また、座片は場合によっては左右のサポート部材に渡される帯状であってもよい。
5)支圧板4aの基礎コンクリート3の反道路側面に対する配置高さレベルは、通常、基礎コンクリート3の底面と同レベルとされるが、場合によっては、それよりも適度に高いレベルであってもよい。
【0027】
6)本発明の基礎転倒防止具4は、サポート部と支圧部が一体でもよい。図12はサポート部と支圧部をたとえばコンクリートや強化プラスチックなどの成形体で構成している。この成形体では、サポート部材4bは、壁状の前部40にアンカー6の突出部60を突出させる孔411を有している。
図13と、図14は図12の基礎転倒防止具4を適用した例を示しており、前部40を基礎コンクリート3の反道路側面に当接し、アンカー6の突出部60にナットを螺合することで工事が完了するので、簡単である。
【0028】
7)支圧板4aは、平らな盤である場合に限らず、図10のように基礎コンクリートから離間する後半部域に傾斜部4a´を有していてもよい。
これによれば、傾斜部4a´は、基礎コンクリート3の反道路の土層が平らである場合には土層に食い込み、反道路の腹付け土が所定の水平状から先に傾斜がある場合にはその傾斜に合致して、支圧板の後半部を浮かさず支圧有効面積を十分なものにすることができる。
【0029】
本発明を実際に適用した結果を次に示す。
実験対象の防雪柵は既設の吹払い柵であり、支柱は100×100で高さ3500mmのH形鋼、支柱間隔は4mとし、防雪板は1.6t×550×3800mmを左右の支柱間に4段、道路側に鉛直に対して23度の角度で支架させた仕様のものである。基礎は、800×800mm、高さ1400mmのコンクリートである。
【0030】
かかる防雪柵を試験場に設置し、風速計を使用して監視したところ、道路側から反道路側に風速15〜20m/secの逆風が作用したときに基礎の転倒が発生した。
【0031】
支圧板として540×700mm、厚さ12mmの厚鋼板を用い、サポート部材として、40×40×4tmmのL形鋼を高さ516mm、奥行き516mmの略直角正三角形状に溶接して組立て、鉛直辺部に50×4.5mm×100mmの座片を溶接したものを用いた。このサポート部材を2つ、600mmの間隔をおいて支圧板に配し、底辺部をボルトで固定して転倒防止具とした。
【0032】
前記基礎コンクリートの反道路側面に幅方向間隔540mm、下面から50mmの位置から高さ方向間隔400mmで計4つの横穴を明け、これらにエポキシアクリレート樹脂を接着剤として、太さ12mm、長さ200mmのアンカーボルトを埋め込み、前記転倒防止金具を前記基礎コンクリートの直近に配し、サポート部材の座片をアンカーボルトに通してナットで固定した。
【0033】
こうして得られた防雪柵を観察したところ、風速30m/sec.の逆風でも、全く転倒が発生せず、簡単に施工できる転倒防止金具でありながら、非常に効果的であることが確認された。
【0034】
また、基礎コンクリート1100×1100mm、高さ1500mmのコンクリートを使用した防雪柵は、本発明を適用しない場合、道路側から反道路側に風速18〜30m/secの逆風が作用したときに基礎の転倒が発生した。
これに対し、支圧板として540×1000mm、厚さ12mmの厚鋼板を用い、サポート部材として、40×40×4tmmのL形鋼を高さ516mm、奥行き516mmの略直角正三角形状に溶接して組立て、鉛直辺部に50×4.5mm×100mmの座片を溶接したものを用い、このサポート部材を3つ、450mmの間隔をおいて支圧板に配し、底辺部をボルトで固定した転倒防止金具を使用した。
【0035】
これを、基礎コンクリートの反道路側面に幅方向間隔450mm、下面から50mmの位置から高さ方向間隔400mmで計6つの横穴を明け、これらにエポキシアクリレート樹脂を接着剤として、太さ12mm、長さ200mmのアンカーボルトを埋め込み、前記転倒防止金具を前記基礎コンクリートの直近に配し、サポート部材の座片をアンカーボルトに通してナットで固定した。
【0036】
こうして得られた防雪柵を観察したところ、風速40m/sec.の逆風でも、全く転倒が発生せず、非常に効果的であることが確認された。
また、支圧板として、540×1000mm、厚さ12mm、395mmの位置から後方160mmを135度に屈曲したものを使用した結果、風速45m/secの逆風でも、全く転倒が発生せず、非常に効果的であることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0037】
本発明で対象とする防雪柵は、防雪板が巻き上げ可能な自立巻上げ巻き下げ型に限らず、位置固定の自立型、自立オーバーハング型などに広く適用される。また、吹払い柵タイプのみならず、吹止め柵タイプ、吹溜柵タイプなど任意である。また、本発明は既設の防雪柵への適用が主であるが、新設防雪柵にも適用されうる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】(a)は本発明による防雪柵の基礎転倒防止工法を適用した防雪柵の一例を示す側面図、(b)は正面図である。
【図2】(a)は本発明工法の第1工程を示す側面図、(b)はその側面図である。
【図3】本発明の第2工程を示す側面図である。
【図4】(a)は本発明に使用する転倒防止具の部分切欠斜視図、(b)はその部分図である。
【図5】本発明の第3工程を示す側面図である。
【図6】(a)は完成状態を示す側面図、(b)はその一部拡大図である。
【図7】完成状態を示す正面図である。
【図8】完成状態を示す正面図である。
【図9】(a)は本発明の他の例を示す平面図、(b)はその正面図である。
【図10】(a)は支圧板の他の態様を示す斜視図、(b)はその使用状態を示す側面図である。
【図11】(a)は本発明のサポート部材の他の例を示す斜視図、(b)はその使用状態の側面図である。
【図12】本発明における転倒防止具の他の例を示す斜視図である。
【図13】図12の転倒防止具を用いて防雪柵の基礎転倒防止工法を実施した状態を示す側面図である。
【図14】同じく平面図である。
【符号の説明】
【0039】
1 支柱
2 防雪柵
3 基礎コンクリート
4 転倒防止金具4
4a 支圧板(支圧部)
4b サポート部材(サポート部)
40 底部
41 前部
5 穴
6 アンカー
【特許請求の範囲】
【請求項1】
基礎コンクリート上に立設した支柱に防雪板を装架させた防雪柵において、支圧部分とサポート部分を備えた転倒防止具を用い、支圧部分を基礎コンクリート反道路側面の近傍地盤に位置させ、サポート部分を前記基礎コンクリートに結合して転倒防止補強を行なうことを特徴とする防雪柵の基礎転倒防止工。
【請求項2】
転倒防止具の基礎コンクリートへの結合は、基礎コンクリート反道路側面に埋め込んだアンカーの反道路側に突出する部分にサポート部分を連結することで行なわれる請求項1に記載の防雪柵の基礎転倒防止工。
【請求項3】
支圧板と、支圧板に固定される底部と、基礎コンクリートから突出するアンカーに連結される前部を有するサポート部材を備えていることを特徴とする防雪柵の基礎転倒防止具。
【請求項4】
サポート部材が鋼材を組付け接合したフレーム状をなしている請求項3に記載の防雪柵の基礎転倒防止具。
【請求項5】
支圧板とサポート部材が一体化された成形体からなり、サポート部が基礎コンクリートから突出するアンカーに対して連結される前部を有していることを特徴とする防雪柵の基礎転倒防止具。
【請求項6】
支圧板が後半域に傾斜部を有しているものを含む請求項3または5に記載の防雪柵の基礎転倒防止具。
【請求項1】
基礎コンクリート上に立設した支柱に防雪板を装架させた防雪柵において、支圧部分とサポート部分を備えた転倒防止具を用い、支圧部分を基礎コンクリート反道路側面の近傍地盤に位置させ、サポート部分を前記基礎コンクリートに結合して転倒防止補強を行なうことを特徴とする防雪柵の基礎転倒防止工。
【請求項2】
転倒防止具の基礎コンクリートへの結合は、基礎コンクリート反道路側面に埋め込んだアンカーの反道路側に突出する部分にサポート部分を連結することで行なわれる請求項1に記載の防雪柵の基礎転倒防止工。
【請求項3】
支圧板と、支圧板に固定される底部と、基礎コンクリートから突出するアンカーに連結される前部を有するサポート部材を備えていることを特徴とする防雪柵の基礎転倒防止具。
【請求項4】
サポート部材が鋼材を組付け接合したフレーム状をなしている請求項3に記載の防雪柵の基礎転倒防止具。
【請求項5】
支圧板とサポート部材が一体化された成形体からなり、サポート部が基礎コンクリートから突出するアンカーに対して連結される前部を有していることを特徴とする防雪柵の基礎転倒防止具。
【請求項6】
支圧板が後半域に傾斜部を有しているものを含む請求項3または5に記載の防雪柵の基礎転倒防止具。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−9378(P2006−9378A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−187010(P2004−187010)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(000003528)東京製綱株式会社 (139)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(000003528)東京製綱株式会社 (139)
【Fターム(参考)】
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