説明

降車補助サービスシステム、サーバ装置、降車補助サービス方法、及びプログラム

【課題】電車内での自分の位置情報と目的駅を、利用者が所有する携帯端末を利用して鉄道会社へ伝え、目的駅に着いた際、迅速で安全な降車補助を行う。
【解決手段】利用者端末は、降車補助サービスを所望する利用者が携帯する。受信機は、電車の各車両の乗降口付近に設置され、利用者端末を検出する。受信機判別装置は、受信機が利用者端末を検出した際に受信機と通信し、受信機の所在位置を認識する。鉄道会社サーバは、受信機判別装置から受信機の所在位置の通知を受け取り、利用者端末から降車補助サービスの申し込みを受け付け、利用者の降車駅を把握する。駅内端末は、利用者の降車駅にあり、鉄道会社サーバから受信機の所在位置の通知を受け取り、受信機の所在位置に基づいて、利用者に対して降車補助を行う人員に、利用者が所在する車両、及び、利用者が降車する乗降口を通知する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、降車補助サービスシステムに関し、特に携帯端末を利用した電車の降車補助サービスシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電車の降車時において、体が不自由な障害者、高齢者、妊婦、ベビーカーを持った小さな子供連れの人、重たい荷物を持った人のように、電車から降りる際に補助が欲しいと思っている人はたくさんいる。これらの人々の多くは、目的駅に着いて扉が開いても近くに駅員がいない、又は駅に停車している短い間に駅員を呼ぶことができないといった理由により、補助を受けたくても受けられず、危険な思いをしながらも苦労して降車している。
【0003】
今後、少子化・高齢化社会はますます進んで行く中、子育てがしやすい環境作りや、バリアフリーに代表される高齢者や障害者でも安全に生活できる環境作りが切望されている。
【0004】
駅構内はエレベーターやスロープの設置等により、このような環境が整いつつあるが、電車の乗降については、依然、電車とプラットフォームの段差や隙間があり、誰でも安全に乗降できるとは言えない状況である。
【0005】
なお、電車に乗る際は、事前に駅員に補助を頼むことも可能であるが、電車から降りる際に、降りる扉の近くに駅員がいるとは限らない。駅員がいない場合は、短い停車時間内で駅員を見つけ、補助サービスを受けることは困難である。そのため、補助が必要な前述の人々が危険な思いをしながらも苦労して降車する姿が散見される。
【0006】
関連する技術として、特開2006−042239号公報(特許文献1)に「身障者支援システム」が開示されている。
この関連技術では、RFIDタグリーダを装着した携帯端末で、乗車ドア付近に装着されたRFIDタグからID情報(例えば乗車電車ナンバ、車両ナンバ、ドアナンバ)を取得する。次に、携帯端末から身障者が目的地(降車駅)を入力し、取得したID情報及びID取得時間(乗車時間に相当)と一緒に通信センターへ送信する。通信センターは、携帯端末から送られてきた情報を基に、契約ユーザ情報ファイル及び時刻表ファイルを参照して契約者であることを確認し、送信された内容と時刻表から降車駅の到着予定時刻を算出する。通信センターは、外部情報システムと連携し、ダイヤの乱れや混雑状況による到着予定時刻の遅れ情報も含め、到着予定時刻等を携帯端末に通知する。一方、通信センターは、降車駅に対して利用者情報(到着予定時刻、乗車した車両ナンバ、ドア番号等)を送信する。降車駅では、関連する駅員に当該情報を知らせて指示する。駅員は、当該車両の到着時刻に合わせて、利用者(身障者)の支援を実施する。
【0007】
また、特開平11−334599号公報(特許文献2)に「駅員通報装置」が開示されている。
この関連技術では、降車時に介助を必要とする介助必要者は、乗車駅で発信器を借り受け、発信器を携帯して乗車する。そして、介助必要者は、降車駅を変更したい場合、発信器を取り出し、表示部を見ながら操作部を操作して、メニュー操作によって表示部に降車したい駅名を表示させ、表示部に表示されている降車したい駅名にカーソルを合わせた上で降車駅確定操作を行う。すると、発信器のアンテナから、中継器に向けて、発信器の固有アドレスと駅データとのセットになった無線データが送出される。このとき、発信器に最も近い中継器が、発信器の無線データを最も強く受信でき、受信した無線データと共に最も強い値の無線受信強度データを、信号線Lを介して通報部へ送出する。通報部は、発信器の固有アドレスと駅データと受信強度データとを受信すると、列車データを付加して受信機へ無線送信する。この通報部から受信機へ送信される無線送信データは、この列車の最寄り駅の受信機に受信されるものの、受信機は自駅に当てられたものでなければ、その受信データを、データ回線Wを介して該当駅の受信機へ転送する。転送を受けた受信機は、報知部から報知音を鳴動し「降車時の介助必要者が○○列車に乗車中であり貴駅にて降車予定」「貴駅にて降車予定の介助必要者は○○車両に乗車」等のメッセージを表示したり印字したりして、用件を駅員に報知するとともに、滞りなく通報が成立したことを示す通報成立データを逆経路で送信器へ返信する。発信器は、通報成立データを受信すると、表示部に「○○駅への手続きを完了しました」というようなメッセージを表示するので、発信器の操作者は、降車駅に連絡されたことを確認することができる。
【0008】
【特許文献1】特開2006−042239号公報
【特許文献2】特開平11−334599号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、電車内での自分の位置情報と目的駅を、利用者が所有する携帯端末を利用して鉄道会社へ伝え、目的駅に着いた際、迅速で安全な降車補助を行うための降車補助サービスシステム、サーバ装置、降車補助サービス方法、及びプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の降車補助サービスシステムは、降車補助サービスを所望する利用者が携帯する利用者端末と、電車の各車両の乗降口付近に設置され、利用者端末を検出する受信機と、受信機が利用者端末を検出した際に受信機と通信し、受信機の所在位置を認識する受信機判別装置と、受信機判別装置から受信機の所在位置の通知を受け取り、利用者端末から降車補助サービスの申し込みを受け付け、利用者の降車駅を把握する鉄道会社サーバと、利用者の降車駅にあり、鉄道会社サーバから受信機の所在位置の通知を受け取り、受信機の所在位置に基づいて、利用者に対して降車補助を行う人員に、利用者が所在する車両、及び、利用者が降車する乗降口を通知する駅内端末とを含む。
【0011】
本発明に係るサーバ装置は、電車の各車両の乗降口付近に設置された受信機であって降車補助サービスを所望する利用者が携帯する利用者端末を検出する受信機から、利用者又は利用者端末の識別情報に関する通知を受け取り、受信機からの通知を受けた際に受信機を識別し、受信機の位置情報を特定する受信機監視手段と、利用者又は利用者端末の識別情報、及び受信機の位置情報を外部に通知する通信手段とを具備する。
【0012】
本発明の降車補助サービス方法は、電車の各車両の乗降口付近に設置された受信機で、降車補助サービスを所望する利用者が携帯する利用者端末を検出するステップと、受信機が利用者端末を検出した際に受信機と通信し、受信機の所在位置を認識するステップと、利用者端末から降車補助サービスの申し込みを受け付け、利用者の降車駅を把握するステップと、利用者の降車駅で、受信機の所在位置の通知を受け取り、受信機の所在位置に基づいて、利用者に対して降車補助を行う人員に、利用者が所在する車両、及び、利用者が降車する乗降口を通知するステップとを含む。
【0013】
本発明のプログラムは、電車の各車両の乗降口付近に設置された受信機であって降車補助サービスを所望する利用者が携帯する利用者端末を検出する受信機から、利用者又は利用者端末の識別情報に関する通知を受け取り、受信機からの通知を受けた際に受信機を識別し、受信機の位置情報を特定するステップと、利用者又は利用者端末の識別情報、及び受信機の位置情報を外部に通知するステップとを、コンピュータに実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0014】
利用者が迅速に降車できるので、停車時間の延長や、停車時間の延長によるダイヤの乱れ等も解消される。また、利用者も安全に降車することができるので、電車の利用率が上がる可能性がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の第1実施形態について添付図面を参照して説明する。
図1を参照すると、本実施形態における降車補助サービスシステムは、利用者端末10と、受信機判別装置20と、鉄道会社サーバ30を含む。
【0016】
利用者端末10は、電車を利用する利用者が所有又は使用する通信端末である。利用者端末10は、近距離無線通信に対応していることが好適である。近距離無線通信の例としては、非接触式ICカード機能や、IrDA(Infrared Data Association:赤外線通信)、Bluetooth(登録商標)、無線LAN(Local Area Network)等が考えられる。ここでは、利用者端末10として、近距離無線通信の機能を搭載した携帯端末を想定している。なお、利用者端末10の代わりに、非接触式ICカード、ICタグ等の無線ICチップ付の物品、磁気カード等の記憶媒体を使用することも考えられる。この場合、利用者端末10は、これらの記憶媒体に格納された固有の識別情報を取得又は保有する。この固有の識別情報は、利用者又は利用者端末10を示す識別情報でも良いし、当該記憶媒体を示す識別情報でも良い。また、利用者端末10は、所定の条件に基づいて近距離で遠距離無線通信を行うようにすることで、擬似的に近距離無線通信を行うようにしても良い。例えば、利用者端末10が所定の通信圏内に進入した際に、自動的に通信を行うようにする。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0017】
受信機判別装置20は、受信機21(21−i−j、i=1〜m、j=1〜n、m:車両の数、n:該車両の扉の数)に接続されている。受信機21は、電車の車両のような移動体に搭載されている。このとき、受信機判別装置20も、受信機21と共に、電車の車両のような移動体に搭載されていても良い。また、受信機21は、利用者端末10を検出する。受信機21は、利用者端末10と近距離無線通信により通信可能であることが好適である。例えば、受信機21は、非接触式ICカードの読み取り装置(R/W:リーダ/ライタ)が想定される。また、携帯電話の基地局や無線LANのアクセスポイントのように、通信の際、利用者端末10により最初にアクセスされる中継局や中継装置も考えられる。例えば、利用者端末10と受信機21とを通信ケーブルで接続して通信する事例が考えられる。受信機21は、利用者が利用する電車の各車両の各扉近くに設置されている。なお、受信機21は、利用者の車両間の移動を検知するために、電車の各車両の連結通路の扉近くに設置されていても良い。また、受信機21は、利用者端末10を周期的に検出し、利用者を追跡できるようにしても良い。受信機21は、利用者端末10を検出した場合、受信機判別装置20と通信する。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0018】
鉄道会社サーバ30は、電車を運営・管理している鉄道会社のサーバである。鉄道会社サーバ30は、受信機判別装置20と駅内端末31(31−k、k=1〜x:xは駅の数)に接続されている。なお、受信機判別装置20と鉄道会社サーバ30は、同一のサーバ装置でも良い。このサーバ装置は、受信機判別装置20の機能と、鉄道会社サーバ30の機能を有する。駅内端末31は、利用者が利用する電車の路線の各駅に設置されている。但し、実際には、駅内端末31は、固定端末である必要は無い。例えば、駅内端末31は、各駅の駅員が所持するハンディターミナル等の携帯端末でも良い。ここでは、駅内端末31として、A駅の駅内端末31−1、B駅の駅内端末31−2、C駅の駅内端末31−3、D駅の駅内端末31−4を示す。
【0019】
このとき、受信機判別装置20、受信機21、鉄道会社サーバ30、及び駅内端末31の各々を接続する通信回線は、有線/無線を問わない。但し、例えば、受信機判別装置20が電車から離れた場所にあり、受信機21が電車の車両の内にあるような場合、受信機判別装置20と受信機21を接続する通信回線は、無線通信回線を含むことが好適である。なお、通信回線は、ルータやスイッチ等の中継装置を含んでいても良い。通信回線の例として、インターネット、イントラネット、無線LAN、専用線、電話通信網、WiMAX、3G(第3世代携帯電話)、シリアル通信等が考えられる。或いは、物理的な通信回線の上に論理的に構築されたVLAN(Virtual LAN)のような論理的な通信回線でも良い。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0020】
図2を参照して、利用者端末10が鉄道会社サーバ30へサービスを申し込むことによる情報やお金の流れについて説明する。
まず、利用者は降車補助サービスを鉄道会社より受けたい場合、利用者端末10から、図2に示す申し込みサイト40に対して、必要な情報を入力し申し込む。必要な情報の例として、利用者の氏名、住所、降車補助サービスを所望する理由、利用する電車の路線や区間が考えられる。申し込みサイト40は、鉄道会社サーバ30により提供されている。但し、実際には、申し込みサイト40は、鉄道会社サーバ30と連携するウェブサーバにより提供されていても良い。この際、鉄道会社サーバ30は利用者端末10へサービス料を請求する。このような申し込みと請求システムは、インターネットの有料サイトやショッピングサイト、また携帯電話用サイトで既に一般的に使用されているので、そのシステムを利用すれば、問題無く作成できる。なお、利用者端末10の代わりに、利用者が駅内端末31を用いて鉄道会社サーバ30へサービスを申し込むようにしても良い。また、利用者端末10、鉄道会社サーバ30、及び申し込みサイト40の各々を接続する通信回線は、有線/無線を問わない。
【0021】
鉄道会社サーバ30は、申し込みの際に、利用者や利用者端末10を示す識別情報を取得する。鉄道会社サーバ30は、電話番号やメールアドレス、IPアドレスやMACアドレス、利用者端末10のハードウェアやソフトウェアの固有情報を、利用者や利用者端末10を示す識別情報としても良い。或いは、鉄道会社サーバ30は、申し込みサイト40に任意の識別情報を入力可能にし、利用者により入力された識別情報を、利用者や利用者端末10を示す識別情報としても良い。また、鉄道会社サーバ30は、利用者による直接入力に限らず、ソフトウェア処理又は読取装置により利用者端末10から読み取った識別情報を取得するようにしても良い。申し込みの際に、利用者や利用者端末10を示す識別情報を取得しない場合、鉄道会社サーバ30は、申し込みが完了すると、利用者に対して、ユーザID等の固有の識別情報を割り当て、利用者端末10に提供する。鉄道会社サーバ30は、この識別情報を、利用者端末10と関連付けるようにしても良い。
【0022】
ここでは、本実施形態における降車補助サービスシステムは、図1に示すように、1号車から4号車まである4車両編成の電車と、各車両の各扉近くに設置された受信機21−1−1から受信機21−4−2と、前記受信機と接続された受信機判別装置20と、受信機判別装置20と接続された鉄道会社サーバ30と、鉄道会社サーバ30と接続されている路線の各駅(A駅、B駅、C駅、D駅)の駅内端末31を含むものとする。駅内端末31は、A駅の駅内端末31−1、B駅の駅内端末31−2、C駅の駅内端末31−3、D駅の駅内端末31−4を含むものとする。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0023】
図3を参照して、本実施形態の動作について詳細に説明する。
本実施形態では、1号車から4号車まである4車両編成の電車において、2号車内に利用者端末10を持つ利用者が乗車し、利用者は路線駅のC駅で降車することを想定している。
(1)ステップS101
降車補助サービスを鉄道会社より受けたい利用者は、事前に利用者端末10から申し込みサイト40に対して必要な情報を入力し申し込む。すなわち、利用者端末10は、申し込みサイト40を介して鉄道会社サーバ30に、降車補助サービスを受けたい旨の要求を送信する。ここでは、利用者は、自身又は利用者端末10を特定するための識別情報や、出発地や目的地に関する情報を入力する。鉄道会社サーバ30は、利用者端末10から降車補助サービスを受けたい旨の要求を受信すると、申し込みサイト40に入力された情報を確認し、入力された情報が降車補助サービスの対象となる条件に適合していれば、利用者端末10に対して、降車補助サービスの申し込みが完了し、降車補助サービスを受けられる状態になった旨を通知する。
(2)ステップS102
降車補助サービスの申し込みを済ました利用者は、実際に降車補助サービスを受けたい場合、所有の利用者端末10により、目的駅(C駅)やメールアドレス等の個人情報を入力し、入力された情報を受信機21に送信する。すなわち、利用者端末10は、目的地の情報及び固有の識別情報を、所定のデータ送信方法により受信機21に送信することで、降車補助サービスの提供を要求する。所定のデータ送信方法は、近距離無線通信であることが好適である。但し、実際には、遠距離無線通信でも良い。例えば、利用者端末10は、入力された情報を電子メールで送信することも可能である。
(3)ステップS103
受信機21が、利用者端末10から送信された情報を受信し、受信機判別装置20へと送る。ここでは、利用者端末10に最も近い受信機21−2−1が、利用者端末10から目的地の情報及び固有の識別情報を受信し、受信機判別装置20へと送る。
(4)ステップS104
受信機判別装置20は、各受信機21の中から受信機21−2−1が利用者端末10からの情報を受信したことを判別することにより、利用者端末10の位置を特定し、目的駅(C駅)と個人情報と利用者端末10の位置情報を鉄道会社サーバ30へ送信する。位置情報は、利用者が存在する電車の車両を特定する情報であるため、同時に、電車の路線や目的駅(C駅)への到着時刻を示す情報となる。ここでは、受信機判別装置20は、受信機21−2−1から目的地の情報及び固有の識別情報を受信することで、受信機21−2−1が目的地の情報及び固有の識別情報を受信したことを判別する。
(5)ステップS105
鉄道会社サーバ30は、受信機判別装置20から目的駅(C駅)と個人情報と利用者端末10の位置情報を受信し、目的駅であるC駅の駅内端末31−3へ利用者端末10が降車する予定位置に降車補助を行う人員を予め配置するよう指示する。C駅の駅内端末31−3は、降車補助を行う人員の配置が完了すれば、利用者端末10に対して、降車補助サービスを提供できる状態になった旨を通知するようにしても良い。このとき、C駅の駅内端末31−3は、受信機21−2−1を介して利用者又は利用者端末10に通知することも考えられる。
(6)ステップS106
利用者がC駅に到着した際、降車する扉近くに降車補助を行う人員が配置されているので、直ちに降車補助サービスが受けられる。このとき、C駅の駅員や配置された人員が、利用者を確認できるようにしても良い。利用者の確認には、利用者端末10を利用することが好適である。また、利用者端末10は、利用者が無事に降車補助サービスを受けた旨をC駅の駅内端末31−3又は鉄道会社サーバ30に通知するようにしても良い。C駅の駅内端末31−3が利用者端末10から通知を受けた場合、C駅の駅内端末31−3は、その旨を鉄道会社サーバ30に通知する。
【0024】
以上のように、本実施形態によれば、利用者が迅速に降車できるので、停車時間の延長や、停車時間の延長によるダイヤの乱れ等も解消される。また、利用者も安全に降車することができるので、電車の利用率が上がる可能性がある。
【0025】
なお、降車補助サービスに限らず、乗車補助サービスについて本発明を適用しても良い。例えば、乗り換え等により、降車補助サービスを受けて降車した後に、別の路線の電車に乗車する必要がある場合、そのまま続けて乗車補助サービスを行うことが考えられる。
【0026】
図4を参照して、本実施形態における降車補助サービスシステムの詳細な構成例について説明する。但し、これらは例示に過ぎず、実際にはこれらの例に限定されない。
【0027】
利用者端末10は、入力手段101と、記憶手段102と、表示手段103と、処理手段104と、遠距離通信手段105と、近距離通信手段106を備える。
【0028】
入力手段101は、利用者の入力操作に応じて、利用者端末10に必要な情報を入力する。入力される情報の例として、住所や氏名等の個人情報の他、ユーザID及びパスワード、生体認証情報、ICタグ等に記憶された情報等が考えられる。入力手段101の例として、キーボードやキーパッド、画面上のキーパッド、タッチパネル(touch panel)、タブレット(tablet)、又は、生体認証情報やICチップ等の読取装置(reader)等が考えられる。或いは、入力手段101は、外部の入力装置や通信装置から情報を取得するインターフェース(I/F:interface)でも良い。但し、実際には、これらの例に限定されない。ここでは、入力手段101は、利用者の入力操作に応じて、利用者の識別情報、及び利用者の目的地情報を取得する。利用者の目的地情報は、利用者が利用している電車の車両の到着駅(降車駅)、又は利用者の行き先を示す。なお、通勤や通学、通院のように、利用者の行き先が決まっており、日常的に同じ目的地に向かう場合は、申し込みサイト40において利用者の目的地情報を予め設定しておくようにしても良い。
【0029】
記憶手段102は、入力手段101から入力された情報を受け取り格納する。ここでは、記憶手段102は、利用者の識別情報、及び利用者の目的地情報を格納する。利用者の目的地情報については、非接触式ICカード技術を用いた定期券のように、記憶手段102に予め目的地情報が登録されていることも考えられる。また、記憶手段102は、利用者端末10を示す固有の識別情報を保持していても良い。記憶手段102の例として、メモリやストレージ等の記憶装置、又は、記憶媒体(メディア)等が考えられる。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0030】
表示手段103は、入力手段101から入力された情報や、記憶手段102に格納された情報を表示する。表示手段103の例として、LCD(Liquid Crystal Display)やPDP(Plasma Display Panel)、又は、表示内容を壁やスクリーンに投影するプロジェクタ、表示内容を用紙等に印刷するプリンタ等が考えられる。或いは、表示手段103は、外部の表示装置に表示用の情報を提供して表示させるインターフェース(I/F:interface)でも良い。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0031】
処理手段104は、入力手段101から入力された情報や、記憶手段102に格納された情報を処理する。また、処理手段104は、利用者端末10内の各手段を制御する。処理手段104の例として、CPUやマイクロプロセッサ(microprocessor)等の処理装置が考えられる。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0032】
遠距離通信手段105は、入力手段101から入力された情報や、記憶手段102に格納された情報を外部に送信する。また、遠距離通信手段105は、外部から受信した情報を、記憶手段102に格納する。また、遠距離通信手段105は、鉄道会社サーバ30及び申し込みサイト40と通信する。遠距離通信手段105の例として、アンテナ、通信用ケーブル、ネットワークアダプタ等の通信用インターフェース(I/F:interface)等が考えられる。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0033】
近距離通信手段106は、近距離無線通信により受信機21と通信し、降車補助サービスの提供を要求する。但し、実際には、近距離通信手段106は、遠距離無線通信により受信機21と通信するようにしても良い。例えば、近距離通信手段106は、遠距離通信手段105でも良い。また、非接触式ICカード、ICタグ等の無線ICチップ付の物品、又は磁気カード等の記憶媒体を使用して、受信機21に降車補助サービスの提供を要求する場合、近距離通信手段106は、これらの記憶媒体である。この場合、記憶手段102は、これらの記憶媒体の識別情報、又は、これらの記憶媒体と利用者端末10を関連付ける情報を有する。入力手段101は、これらの記憶媒体の識別情報、又は、これらの記憶媒体と利用者端末10を関連付ける情報を取得するようにしても良い。但し、実際には、これらの例に限定されない。このとき、近距離通信手段106は、利用者又は利用者端末10の識別情報、及び利用者の目的地情報を受信機21に通知する。なお、申し込みサイト40において目的地情報を予め設定している場合、近距離通信手段106は、利用者の目的地情報を受信機21に通知しなくても良い。更に、降車補助サービスを所望する利用者が複数である場合を考慮して、近距離通信手段106は、降車補助サービスを所望する利用者の人数を受信機21に通知するようにしても良い。
【0034】
受信機判別装置20は、受信機監視手段201と、通信手段202を備える。
【0035】
受信機監視手段201は、受信機21から利用者又は利用者端末10の識別情報に関する通知を受け取る。また、受信機監視手段201は、受信機21から通知があれば、通知してきた受信機21を識別する。例えば、受信機監視手段201は、通知してきた受信機21の識別情報を取得する。このとき、受信機監視手段201は、受信機21を識別すると共に、受信機21の所在を特定する位置情報を取得するようにしても良い。例えば、受信機21の識別情報と位置情報との対応表(リスト)を予め登録しておき、この対応表(リスト)を参照して、受信機21の識別情報を基に、受信機21の位置情報を取得する。ここでは、位置情報は、受信機21が電車のどの車両のどの扉の付近に設置されているかを示す。但し、実際には、位置情報は、GPS(Global Positioning System)等の位置検出手段により検出された受信機21の位置情報でも良い。また、受信機監視手段201は、常時、受信機21を監視し、自動的に、利用者又は利用者端末10の識別情報や、受信機21の識別情報及び位置情報を取得しても良い。更に、受信機監視手段201は、受信機21から利用者の目的地情報に関する通知を受け取る場合もある。
【0036】
通信手段202は、鉄道会社サーバ30と通信する。ここでは、通信手段202は、利用者又は利用者端末10の識別情報と、受信機21の位置情報を鉄道会社サーバ30に通知する。このとき、通信手段202は、受信機21の識別情報を鉄道会社サーバ30に通知するようにしても良い。また、通信手段202は、利用者の目的地情報がある場合、利用者の目的地情報も鉄道会社サーバ30に通知する。
【0037】
受信機21(21−i−j、i=1〜m、j=1〜n)は、近距離通信手段211と、通知手段212を備える。
【0038】
近距離通信手段211(211−i−j、i=1〜m、j=1〜n)は、近距離無線通信により近距離通信手段106と通信し、利用者又は利用者端末10の識別情報を取得する。なお、近距離通信手段211は、利用者の目的地情報を受信した場合、利用者の目的地情報も取得する。近距離通信手段106として非接触式ICカード、ICタグ等の無線ICチップ付の物品、又は磁気カード等の記憶媒体が使用された場合、近距離通信手段211は、これらの記憶媒体の読取装置(リーダ)である。但し、実際には、近距離通信手段211は、遠距離無線通信により受信機21と通信するようにしても良い。
【0039】
通知手段212(212−i−j、i=1〜m、j=1〜n)は、取得された利用者又は利用者端末10の識別情報を受信機判別装置20に通知する。なお、通知手段212は、利用者の目的地情報がある場合、利用者の目的地情報も受信機判別装置20に通知する。このとき、通知手段212は、受信機21を示す識別情報や、GPS(Global Positioning System)等の位置検出手段により検出した受信機21の位置情報を受信機判別装置20に通知するようにしても良い。
【0040】
鉄道会社サーバ30は、連携手段301と、サービス対応手段302と、通知手段303を備える。なお、受信機判別装置20と鉄道会社サーバ30は、同一のサーバ装置でも良い。このサーバ装置は、受信機判別装置20の機能と、鉄道会社サーバ30の機能を有する。
【0041】
連携手段301は、通信手段202を介して受信機判別装置20と通信する。ここでは、連携手段301は、利用者又は利用者端末10の識別情報と、受信機21の位置情報を、受信機判別装置20から受信する。このとき、連携手段301は、利用者の目的地情報や、受信機21の識別情報を受信機判別装置20から受信するようにしても良い。また、連携手段301は、申し込みサイト40と連携し、申し込みサイト40に利用者の目的地情報が予め設定されている場合、申し込みサイト40から利用者の目的地情報を取得する。また、連携手段301は、遠距離通信手段105を介して利用者端末10と通信することも可能である。なお、連携手段301は、外部のサーバと通信可能であり、外部のサーバとの間で降車補助サービスの提供に必要な情報の送受信を行う。例えば、連携手段301は、他の鉄道会社サーバとの間で降車補助サービスの提供に必要な情報の送受信を行う。
【0042】
サービス対応手段302は、利用者又は利用者端末10の識別情報、利用者の目的地情報、及び受信機21の位置情報に基づいて、降車補助サービスの提供を所望する利用者、及び当該利用者の所在場所を特定し、当該利用者に対して降車補助サービスの提供を行うかどうか判断し、降車補助サービスの提供を行う場合は、利用者の目的地情報に最適な駅にある駅内端末31を検出する。利用者の目的地情報に最適な駅とは、例えば、利用者の目的地となる到着駅(降車駅)、利用者の目的地までの経路の途中にある乗換駅、又は利用者の目的地に最も近い駅である。なお、申し込みサイト40が鉄道会社サーバ30により提供されている場合、サービス対応手段302は、申し込みサイト40に関するデータを保持し、申し込みサイト40の提供に必要な処理を行う。この場合、サービス対応手段302は、直接、申し込みサイト40から利用者の目的地情報を取得する。申し込みサイト40が鉄道会社サーバ30と連携するウェブサーバにより提供されている場合、サービス対応手段302は、連携手段301を介して申し込みサイト40との間で必要な情報のやり取りを行う。このとき、サービス対応手段302は、利用者又は利用者端末10の識別情報に基づいて、利用者の氏名や特徴等の個人情報を取得するようにしても良い。利用者の個人情報は、利用者又は利用者端末10の識別情報と共に、申し込みサイト40に入力され登録されているものとする。また、サービス対応手段302は、必要に応じて、連携手段301を介して外部のサーバと通信し、降車補助サービスの提供に必要な処理を行う。
【0043】
通知手段303は、利用者の目的地情報に最適な駅にある駅内端末31に、降車補助サービスの提供に必要な情報を通知する。ここでは、通知手段303は、利用者の個人情報、及び利用者の所在場所に関する情報を、駅内端末31に通知する。このとき、通知手段303は、利用者が現在利用している電車の路線名や、利用者の到着時刻、利用者の目的地情報を駅内端末31に通知するようにしても良い。なお、通知手段303は、利用者又は利用者端末10の識別情報に基づく利用者の個人情報を通知するようにすることも可能である。
【0044】
駅内端末31(31−k、k=1〜x)は、通知受信手段311と、表示鳴動手段312を備える。
【0045】
通知受信手段311(311−k、k=1〜x)は、通知手段303を介して鉄道会社サーバ30から降車補助サービスの提供に必要な情報を受信する。ここでは、通知受信手段311は、利用者の個人情報、及び利用者の所在場所に関する情報を、鉄道会社サーバ30から取得する。また、通知受信手段311は、利用者が現在利用している電車の路線名や、利用者の到着時刻、利用者の目的地情報を、鉄道会社サーバ30から取得するようにしても良い。なお、通知受信手段311は、利用者又は利用者端末10の識別情報、及び受信機21の位置情報を取得するようにすることも可能である。
【0046】
表示鳴動手段312(312−k、k=1〜x)は、降車補助サービスの提供に必要な情報に応じて、降車補助を行う人員を配置するための報知を行う。ここでは、表示鳴動手段312は、到着駅(降車駅)の駅員に、利用者の個人情報、利用者の所在場所に関する情報、利用者が現在利用している電車の路線名、利用者の到着時刻を通知する。なお、表示鳴動手段312は、到着駅(降車駅)の駅員に、利用者又は利用者端末10の識別情報、及び受信機21の位置情報を通知しても良い。このとき、到着駅(降車駅)の駅員は、受信機21の位置情報に基づいて利用者の所在場所を特定し、利用者又は利用者端末10の識別情報に基づいて利用者を特定するものとする。また、表示鳴動手段312は、文字メッセージや画像の表示、アラーム音や音声メッセージ等の音声出力、駅内端末31の振動や起動、LED(発光ダイオード)の点灯や点滅、或いは、その他の通知方法により、降車補助サービスの実施要求を駅員に通知する。なお、表示鳴動手段312は、電光掲示板や駅構内放送用スピーカー等の駅の設備と連動していても良い。また、駅内端末31の構成において、通知受信手段311を親機、表示鳴動手段312を子機とすることも考えられる。
【0047】
以下に、本発明の第2実施形態について説明する。
第1実施形態では、降車補助サービスを鉄道会社が行うよう説明されているが、鉄道会社の諸事情によっては、人員を配置するのが難しい場合が想定される。その場合は、図5に示すように、警備会社等に降車補助サービスの業務を委託しても良い。なお、警備会社は例示に過ぎず、実際には、介護サービス会社や公共機関でも良い。
【0048】
図5を参照して、利用者端末10と、鉄道会社サーバ30と、警備会社サーバ50の関係について説明する。
利用者端末10は、鉄道会社サーバ30に対して、降車補助サービスを申し込む。鉄道会社サーバ30は、利用者端末10に対して、降車補助サービスの利用許可を通知し、降車補助サービスのサービス料を請求する。利用者端末10は、鉄道会社サーバ30に対して、サービス料金の支払いを行う。このとき、利用者端末10は、申し込みサイト40を介して、鉄道会社サーバ30にサービス申し込み、及びサービス料金支払いを行うようにしても良い。ここで、鉄道会社サーバ30は、警備会社サーバ50に対して、降車補助サービスを委託する。このとき、鉄道会社サーバ30は、降車補助サービスの提供に必要な情報を、警備会社サーバ50に提供するようにしても良い。警備会社サーバ50は、鉄道会社サーバ30に対して、降車補助サービスの委託料を請求する。鉄道会社サーバ30は、警備会社サーバ50に対して、降車補助サービスの委託料の支払いを行う。警備会社サーバ50は、降車補助サービスの委託料を受け取り、正式に降車補助サービスの提供を開始すると、利用者端末10に対して、降車補助サービスの提供を行う旨を通知する。この場合、駅員の代わりに警備会社の社員が、降車補助サービスを行う。
【0049】
ここでは、鉄道会社サーバ30の連携手段301は、警備会社サーバ50と通信し、上記の情報の送受信を行うものとする。
【0050】
以下に、本発明の第3実施形態について説明する。
他の実施形態において、降車補助サービスのサービス料金が高くなってしまう場合は、体が不自由な障害者、高齢者、妊婦、ベビーカーを持った小さな子供連れの人等、身体的な負担が大きく、社会的な協力が必要と判断された人に関しては、図6に示すように、国・地方自治体から補助金を出す等のシステム作りも必要と考える。但し、実際には、国・地方自治体に限らず、企業や団体、その他の組織でも良い。
【0051】
図6を参照して、利用者端末10と、鉄道会社サーバ30と、警備会社サーバ50と、国・地方自治体サーバ60の関係について説明する。
利用者端末10は、鉄道会社サーバ30に対して、降車補助サービスを申し込む。鉄道会社サーバ30は、利用者端末10に対して、降車補助サービスの利用許可を通知し、降車補助サービスのサービス料を請求する。利用者端末10は、鉄道会社サーバ30に対して、サービス料金の支払いを行う。このとき、利用者端末10は、申し込みサイト40を介して、鉄道会社サーバ30にサービス申し込み、及びサービス料金支払いを行うようにしても良い。ここで、鉄道会社サーバ30は、警備会社サーバ50に対して、降車補助サービスを委託する。このとき、鉄道会社サーバ30は、降車補助サービスの提供に必要な情報を、警備会社サーバ50に提供するようにしても良い。警備会社サーバ50は、鉄道会社サーバ30に対して、降車補助サービスの委託料を請求する。鉄道会社サーバ30は、警備会社サーバ50に対して、降車補助サービスの委託料の支払いを行う。警備会社サーバ50は、降車補助サービスの委託料を受け取り、正式に降車補助サービスの提供を開始すると、利用者端末10に対して、降車補助サービスの提供を行う旨を通知する。この場合、駅員の代わりに警備会社の社員が、降車補助サービスを行う。ここまでは、第2実施形態と同様である。
【0052】
利用者端末10は、事前に、或いは降車補助サービスの提供を受けた後に、国・地方自治体サーバ60に対して、降車補助サービスの補助金を申請する。国・地方自治体サーバ60は、利用者端末10からの補助金の申請が正式なものであると認めた場合、利用者端末10に対して、降車補助サービスの補助金を支払う旨を通知する。この場合、国・地方自治体が、利用者に対して、降車補助サービスの補助金を支払う。
【0053】
ここでは、利用者端末10の遠距離通信手段105は、国・地方自治体サーバ60と通信し、上記の情報の送受信を行うものとする。
【0054】
なお、利用者端末10、鉄道会社サーバ30、警備会社サーバ50、及び国・地方自治体サーバ60の各々を接続する通信回線は、有線/無線を問わない。
【0055】
以上のように、本発明は、携帯端末から送信された目的駅情報を受信する受信機と、前記受信機を電車の各車両に配置し、どの受信機が受信したかを判別する判別システムと、受信した受信機情報と目的駅情報を鉄道会社へ送信する送信手段を有している。
【0056】
本発明により、利用者は、電車内での自分の位置情報を、鉄道会社や警備会社に、携帯端末を利用して知らせることができる。また、利用者は、自分の目的駅を、鉄道会社や警備会社に、携帯端末を利用して知らせることができる。鉄道会社や警備会社は、利用者が知らせた情報により、目的駅の降車予定位置に予め人員を配置し、迅速なサービスを提供することができる。
【0057】
ここでは、電車の降車補助サービスについて説明したが、無論、電車以外の移動体に対して本発明を適用することも可能である。電車以外の移動体の例としては、タクシー、バス、会社や施設等の送迎車、ロープウェイ、モノレール、船舶、航空機が考えられる。但し、実際には、これらの例に限定されない。
【0058】
利用者が、出発地から目的地までの間に、複数の交通機関を利用する場合、それぞれの交通機関の事業者同士で情報を共有することが考えられる。例えば、電車からバスに乗り換える場合、鉄道会社サーバからバス会社サーバに、利用者の識別情報や目的地情報を通知するようにする。この場合、バスに搭載された車内端末が、駅内端末に該当する。バス会社サーバは、利用者の到着駅(降車駅)の最寄りの経路を運行するバスに搭載された車内端末に、利用者へのバスの乗車/降車補助サービスを行うように通知する。このとき、鉄道会社サーバからバス会社サーバに、利用者が現在利用している電車の路線名や、利用者の到着時刻も通知するようにすれば、円滑に連携することができる。利用者がバスに乗車した後は、バスの降車補助サービスシステムに移行し、電車の場合と同様に、バスに搭載された受信機を介して降車補助サービスの要求又は情報の変更を行うようにしても良い。これにより、利用者は、電車の降車補助サービスを受けた後、バスの乗車/降車補助サービスも受けられるようになり、利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】図1は、本発明の降車補助サービスシステムの構成例を示す概念図である。
【図2】図2は、利用者端末が鉄道会社サーバへサービスを申し込むことによる情報やお金の流れを表した図である。
【図3】図3は、本発明の降車補助サービスシステムの動作を示すフローチャートである。
【図4】図4は、本発明の降車補助サービスシステムの詳細な構成例を示すブロック図である。
【図5】図5は、利用者端末と鉄道会社サーバと警備会社サーバの関係を表した図である。
【図6】図6は、利用者端末と鉄道会社サーバと警備会社サーバと国・地方自治体サーバの関係を表した図である。
【符号の説明】
【0060】
10… 利用者端末
101… 入力手段
102… 記憶手段
103… 表示手段
104… 処理手段
105… 遠距離通信手段
106… 近距離通信手段
20… 受信機判別装置
201… 受信機監視手段
202… 通信手段
21(−i−j、i=1〜m、j=1〜n)… 受信機
211(−i−j、i=1〜m、j=1〜n)… 近距離通信手段
212(−i−j、i=1〜m、j=1〜n)… 通知手段
30… 鉄道会社サーバ
301… 連携手段
302… サービス対応手段
303… 通知手段
31(−k、k=1〜x)… 駅内端末
311(−k、k=1〜x)… 通知受信手段
312(−k、k=1〜x)… 表示鳴動手段
40… 申し込みサイト
50… 警備会社サーバ
60… 国・地方自治体サーバ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
降車補助サービスを所望する利用者が携帯する利用者端末と、
電車の各車両の乗降口付近に設置され、前記利用者端末を検出する受信機と、
前記受信機が前記利用者端末を検出した際に前記受信機と通信し、前記受信機の所在位置を認識する受信機判別装置と、
前記受信機判別装置から前記受信機の所在位置の通知を受け取り、前記利用者端末から前記降車補助サービスの申し込みを受け付け、前記利用者の降車駅を把握する鉄道会社サーバと、
前記利用者の降車駅にあり、前記鉄道会社サーバから前記受信機の所在位置の通知を受け取り、前記受信機の所在位置に基づいて、前記利用者に対して降車補助を行う人員に、前記利用者が所在する車両、及び、前記利用者が降車する乗降口を通知する駅内端末と
を含む
降車補助サービスシステム。
【請求項2】
請求項1に記載の降車補助サービスシステムであって、
前記受信機は、前記利用者端末から前記利用者の降車駅に関する情報を取得して前記受信機判別装置に通知し、
前記鉄道会社サーバは、前記受信機判別装置から前記利用者の降車駅に関する情報を取得し、前記利用者の降車駅に基づいて、前記駅内端末を通知対象として決定する
降車補助サービスシステム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の降車補助サービスシステムであって、
前記受信機は、前記利用者端末から前記利用者又は前記利用者端末を特定するための識別情報を取得して前記受信機判別装置に通知し、
前記鉄道会社サーバは、前記受信機判別装置から前記識別情報を取得し、前記識別情報を前記駅内端末に通知する
降車補助サービスシステム。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか一項に記載の降車補助サービスシステムであって、
前記鉄道会社サーバは、前記利用者端末から前記降車補助サービスの申し込みを受け付けた際に、前記利用者端末に前記降車補助サービスのサービス料金を請求し、前記サービス料金の支払いがあれば、前記降車補助サービスの提供を行う旨を前記利用者端末に通知する
降車補助サービスシステム。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか一項に記載の降車補助サービスシステムであって、
前記鉄道会社サーバから前記降車補助サービスの委託を受け付け、前記鉄道会社サーバに前記降車補助サービスの委託料を請求し、前記委託料の支払いがあれば、前記降車補助サービスの提供を行う旨を前記利用者端末に通知する警備会社サーバ
を更に含む
降車補助サービスシステム。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか一項に記載の降車補助サービスシステムであって、
前記利用者端末から前記降車補助サービスに対する補助金の申請を受け付け、前記補助金の申請が正式なものであると認めた場合、前記補助金の支払いを行う旨を前記利用者端末に通知する国・地方自治体サーバ
を更に含む
降車補助サービスシステム。
【請求項7】
電車の各車両の乗降口付近に設置された受信機であって降車補助サービスを所望する利用者が携帯する利用者端末を検出する受信機から、前記利用者又は前記利用者端末の識別情報に関する通知を受け取り、前記受信機からの通知を受けた際に前記受信機を識別し、前記受信機の位置情報を特定する受信機監視手段と、
前記利用者又は前記利用者端末の識別情報、及び前記受信機の位置情報を外部に通知する通信手段と
を具備する
サーバ装置。
【請求項8】
請求項7に記載のサーバ装置であって、
前記利用者端末から前記降車補助サービスの申し込みを受け付ける申し込みサイトと連携し、前記申し込みサイトから利用者の目的地情報を取得する連携手段と、
前記利用者又は前記利用者端末の識別情報、前記利用者の目的地情報、及び前記受信機の位置情報に基づいて、前記利用者に対して前記降車補助サービスの提供を行うかどうか判断し、前記降車補助サービスの提供を行う場合、前記利用者の目的地情報に最適な駅にある駅内端末を検出するサービス対応手段と、
前記利用者又は前記利用者端末の識別情報に基づいて前記利用者を特定する個人情報を前記駅内端末に通知し、前記受信機の位置情報に基づいて前記利用者が所在する車両及び前記利用者が降車する乗降口を前記駅内端末に通知する通知手段と
を更に具備する
サーバ装置。
【請求項9】
請求項8に記載のサーバ装置であって、
前記受信機監視手段は、前記受信機を介して前記利用者端末から前記利用者の目的地情報を取得する
サーバ装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載のサーバ装置であって、
前記連携手段は、前記利用者端末から前記降車補助サービスの申し込みを受け付けた際に、前記利用者端末に前記降車補助サービスのサービス料金を請求し、前記サービス料金の支払いがあれば、前記降車補助サービスの提供を行う旨を前記利用者端末に通知する
サーバ装置。
【請求項11】
請求項7乃至10のいずれか一項に記載のサーバ装置であって、
前記連携手段は、警備会社サーバに前記降車補助サービスを委託し、前記警備会社サーバから前記降車補助サービスの委託料の請求を受けると、前記委託料の支払いに関する情報を前記警備会社サーバに通知する
サーバ装置。
【請求項12】
電車の各車両の乗降口付近に設置された受信機で、降車補助サービスを所望する利用者が携帯する利用者端末を検出するステップと、
前記受信機が前記利用者端末を検出した際に前記受信機と通信し、前記受信機の所在位置を認識するステップと、
前記利用者端末から前記降車補助サービスの申し込みを受け付け、前記利用者の降車駅を把握するステップと、
前記利用者の降車駅で、前記受信機の所在位置の通知を受け取り、前記受信機の所在位置に基づいて、前記利用者に対して降車補助を行う人員に、前記利用者が所在する車両、及び、前記利用者が降車する乗降口を通知するステップと
を含む
降車補助サービス方法。
【請求項13】
請求項12に記載の降車補助サービス方法であって、
前記利用者端末から前記利用者の降車駅に関する情報を取得するステップと、
前記利用者の降車駅に基づいて、前記降車補助を行う人員を決定するステップと
を更に含む
降車補助サービス方法。
【請求項14】
請求項12又は13に記載の降車補助サービス方法であって、
前記利用者端末から前記利用者又は前記利用者端末を特定するための識別情報を取得するステップと、
前記利用者の降車駅で前記降車補助を行う人員に前記識別情報を通知するステップと
を更に含む
降車補助サービス方法。
【請求項15】
請求項12乃至14のいずれか一項に記載の降車補助サービス方法であって、
前記利用者端末から前記降車補助サービスの申し込みを受け付けた際に、前記利用者端末に前記降車補助サービスのサービス料金を請求し、前記サービス料金の支払いがあれば、前記降車補助サービスの提供を行う旨を前記利用者端末に通知するステップ
を更に含む
降車補助サービス方法。
【請求項16】
請求項12乃至15のいずれか一項に記載の降車補助サービス方法であって、
鉄道会社から前記降車補助サービスの委託を受け付け、前記鉄道会社に前記降車補助サービスの委託料を請求し、前記委託料の支払いがあれば、前記降車補助サービスの提供を行う旨を前記利用者端末に通知するステップ
を更に含む
降車補助サービス方法。
【請求項17】
請求項12乃至16のいずれか一項に記載の降車補助サービス方法であって、
前記利用者端末から前記降車補助サービスに対する補助金の申請を受け付け、前記補助金の申請が正式なものであると認めた場合、前記補助金の支払いを行う旨を前記利用者端末に通知するステップ
を更に含む
降車補助サービス方法。
【請求項18】
電車の各車両の乗降口付近に設置された受信機であって降車補助サービスを所望する利用者が携帯する利用者端末を検出する受信機から、前記利用者又は前記利用者端末の識別情報に関する通知を受け取り、前記受信機からの通知を受けた際に前記受信機を識別し、前記受信機の位置情報を特定するステップと、
前記利用者又は前記利用者端末の識別情報、及び前記受信機の位置情報を外部に通知するステップと
を、コンピュータに実行させるための
プログラム。
【請求項19】
請求項18に記載のプログラムであって、
前記利用者端末から前記降車補助サービスの申し込みを受け付ける申し込みサイトと連携し、前記申し込みサイトから利用者の目的地情報を取得するステップと、
前記利用者又は前記利用者端末の識別情報、前記利用者の目的地情報、及び前記受信機の位置情報に基づいて、前記利用者に対して前記降車補助サービスの提供を行うかどうか判断し、前記降車補助サービスの提供を行う場合、前記利用者の目的地情報に最適な駅にある駅内端末を検出するステップと、
前記利用者又は前記利用者端末の識別情報に基づいて前記利用者を特定する個人情報を前記駅内端末に通知し、前記受信機の位置情報に基づいて前記利用者が所在する車両及び前記利用者が降車する乗降口を前記駅内端末に通知するステップと
を、更にコンピュータに実行させるための
プログラム。
【請求項20】
請求項19に記載のプログラムであって、
前記受信機を介して前記利用者端末から前記利用者の目的地情報を取得するステップ
を、更にコンピュータに実行させるための
プログラム。
【請求項21】
請求項19又は20に記載のプログラムであって、
前記利用者端末から前記降車補助サービスの申し込みを受け付けた際に、前記利用者端末に前記降車補助サービスのサービス料金を請求し、前記サービス料金の支払いがあれば、前記降車補助サービスの提供を行う旨を前記利用者端末に通知するステップ
を、更にコンピュータに実行させるための
プログラム。
【請求項22】
請求項18乃至21のいずれか一項に記載のプログラムであって、
警備会社サーバに前記降車補助サービスを委託し、前記警備会社サーバから前記降車補助サービスの委託料の請求を受けると、前記委託料の支払いに関する情報を前記警備会社サーバに通知するステップ
を、更にコンピュータに実行させるための
プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−161080(P2009−161080A)
【公開日】平成21年7月23日(2009.7.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−1718(P2008−1718)
【出願日】平成20年1月8日(2008.1.8)
【出願人】(390010179)埼玉日本電気株式会社 (1,228)
【Fターム(参考)】