除塵装置
【課題】スリッター刃の外周端縁に付着するスリッター粉を除去可能な除塵装置を提供する。
【解決手段】スリッター刃1の外周端縁11が走行通過するスリット溝7を凹設し、このスリット溝7の内面7Aに、噴出孔12及び吸入孔14を配設する。
【解決手段】スリッター刃1の外周端縁11が走行通過するスリット溝7を凹設し、このスリット溝7の内面7Aに、噴出孔12及び吸入孔14を配設する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、除塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、図10と図11に示すように、原反の基材(フィルム,紙等の連続シート)41を所定の基材幅にカットして帯状体42…を得るために、回転駆動されるスリッター刃43…を備えたスリッター装置44が使用される。基材41は矢印R方向に連続的に走行し、(図外の駆動手段にて)回転駆動される回転軸45に所定間隔に固着された複数枚のスリッター刃43…によって、数十m〜数千mの長さの基材41を連続的にカットする。
基材41をカットしている際にスリット粉が発生し、スリッター刃43及び帯状体42の端縁に付着する。
従来、このように付着するスリット粉を除去するためにエアーガンを使用することが多い。しかし、エアーガンにて、スリッター刃43及び帯状体42に付着のスリット粉を吹き飛ばせば、周囲に飛散し、基材41及び帯状体42に再付着する可能性がある。
【0003】
あるいは、図10と図11に示すように、矢印U方向へエアーを吸引するように、スリッター刃43…を包囲するカバー46と、吸引配管47を有する吸引式除塵装置が使用される場合もあったが、一旦付着したスリッター粉は、容易には除去できず、十分清浄にはできなかった。また、一般的にスリッター装置44には、設置スペースが狭小なことが多く、図10,図11に示すような吸引式除塵装置を設置困難な場合も多い。
そこで、本発明者が既に提案したエアー噴出・吸引式の除塵装置(特許文献1参照)を適用することも検討した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2820599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1記載の除塵装置では、走行中のシート体や枚葉の表面に軽く乗った粉塵ならば、確実に吸引除去可能であり、特に、平坦な広い平面上に、軽く乗った粉塵については容易かつ確実に除去できた。
しかしながら、図10,図11のスリッター装置44では十分な除塵は困難であることが判明した。
即ち、第1には、スリッター粉は、比較的に強くスリッター刃43あるいは帯状体の端縁に付着しているからである。第2には、複雑な吸引箇所であるので、効率良く吸引することが至難であるためである。
【0006】
そこで、本発明は、スリッター刃や帯状体の端縁(エッジ部)のような複雑な形状の箇所に、比較的強く付着した粉塵を、確実かつ能率良く除去できる除塵装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明に係る除塵装置は、スリッター刃の外周端縁が走行通過するスリット溝を凹設した除塵ヘッドを備え、該除塵ヘッドの上記スリット溝の内面に、走行通過中の上記外周端縁に向かってエアーを噴出する噴出孔、及び、該噴出孔から噴出したエアーを吸込む吸入孔を、開設したものである。
また、連続シート体又は枚葉体から成るワークの端縁が通過するスリット溝を凹設した除塵ヘッドを備え、該除塵ヘッドの上記スリット溝の内面に、通過中の上記端縁に向かってエアーを噴出する噴出孔、及び、該噴出孔から噴出したエアーを吸込む吸入孔を、開設したものである。
【0008】
また、上記噴出孔は、スリッター刃の外周端縁の刃先に向かって開設された刃先噴出孔と、上記外周端縁の左右各側面に向かって開設された側面噴出孔と、を備えている。
また、上記噴出孔は、上記ワークの端縁の最外端縁部に向かって開設された最外端噴出孔と、上記端縁の表裏各面に向かって開設された表裏噴出孔と、を備えている。
【0009】
また、回転中の上記スリッター刃が上記スリット溝に侵入するスリット上流端から、上記スリッター刃が退出するスリット下流端に向かって、吸入孔,噴出孔,吸入孔を順次配設した。
また、走行中の上記ワークの端縁が上記スリット溝に侵入するスリット上流端から、上記端縁が退出するスリット下流端に向かって、吸入孔,噴出孔,吸入孔を順次配設した。
【0010】
また、上記側面噴出孔は、スリッター刃の軸心方向から見て、軸心点を通るラジアル線に一致した一文字状のスリット孔とするのが好ましい。
また、上記表裏噴出孔は、上記ワークと垂直の方向から見て、上記最外端縁部と直交する一文字状のスリット孔とするのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、スリッター刃や帯状体端縁等の複雑な形状の部位に比較的強く付着した粉塵(異物)を、能率良く、かつ、確実に、しかも、周囲に粉塵を飛散させずに、除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の使用箇所の一例を示した簡略平面図である。
【図2】本発明の実施の一形態を示す正面図である。
【図3】平面図である。
【図4】要部の説明のための図であって、(A)は側面図、(B)は図3のb−b断面図、(C)は図3のc−c断面図、(D)は図3のd−d断面図である。
【図5】図4のE−E断面拡大図である。
【図6】本発明の他の実施の形態を示す平面図である。
【図7】正面図である。
【図8】主要構成説明図である。
【図9】各々別の実施の形態を示す主要構成説明図である。
【図10】従来例の平面図である。
【図11】従来例の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1に於て、本発明に係る除塵装置が適用される具体例として、スリッター刃1…を備えたスリッター装置2を示し、プラスチックフィルム,紙,布等の原反の基材3を、複数枚のスリッター刃1…によって所定幅寸法にカットして、帯状の連続シート体Sを製造するが、基材3は矢印R方向に連続的に搬送され(走行し)、図外の駆動手段にて回転駆動される回転軸4に、複数枚のスリッター刃1…が所定間隔に固着され、数十m〜数千mの長さの基材3を連続的にカットする。
このようなカット工程の際に、スリット粉が発生し、スリッター刃1の外周端縁11、及び、シート体Sの端縁5,5に付着するが、このようなスリット粉等の粉塵を、除塵ヘッド10を有する本発明の除塵装置によって除去する。
【0014】
まず、図1の上部位置に描いたスリッター刃1に対応して設けられた除塵ヘッド10から説明すれば、図2〜図5に示すように、スリッター刃1の外周端縁11が(回転して)走行通過するスリット溝7が上記除塵ヘッド10に凹設されている。
この除塵ヘッド10のスリット溝7の内面7Aに、走行通過中の外周端縁11に向かって、エアーを噴出する噴出孔12と、この噴出したエアーを吸込む吸入孔14が、開設されている。
なお、図2と図3に於て、網目はエアー吐出流路21を示し、斜線はエアー吸引流路21を示す。
【0015】
噴出孔12は、スリッター刃1の外周端縁11の刃先8に向かって開設された刃先噴出孔12aと、外周端縁11の左右側面に向かって開設された側面噴出孔12b,12bとを、備えている。刃先噴出孔12aは、図3に於て平行な3本のエアー吐出流路21, 21, 21の中央のものに連通し、かつ、中央の吐出流路21の円形よりも小さい円形の小丸孔に形成され、流速を増して強く刃先8へエアーを噴出させて衝突させる。
【0016】
また、図3に於て、上下の各吐出流路21は側面噴出孔12bに連通連結される。図3の上下の各吐出流路21は円形孔であるが、ヘッドボディ13の先端面13Aに開口せず、所定寸法手前まで形成される。このように図3と図5に示した3本のエアー吐出流路21,21,21の内の上下の2本の閉じた先端部が、側面噴出孔12bと連通連結して、側面噴出孔12bはスリット溝7の内面7Aの側面(図3と図5の上面・下面)に開口することで、スリッター刃1の外周端縁11に向かってエアーを噴出させる。ところで、側面噴出孔12bは、図2に示すように、スリッター刃1の軸心L1 方向から見て、軸心点O1 を通るラジアル線(直径線)15に一致した一文字状のスリット孔とする。そして、この一文字状のスリット孔である側面噴出孔12bは、スリット溝7の内面7Aの両側面に対して、直交方向に開設される(図4の(A)(B)参照)。
【0017】
また、図4(A)と図3で明らかなように、矢印(C)方向に回転中のスリッター刃1がスリット溝7に侵入するスリット上流端7Bから、スリッター刃1がスリット溝7から退出するスリット下流端7Cに向かって、吸入孔14,噴出孔12,吸入孔14を、順次配設する。図4からも分かるように吸入孔14,14は、スリット溝7の内面7Aの奥底面に開設される。
なお、ヘッドボディ13は、図例では、先端側へ略縮径乃至段階的に径が減少する短円柱型であり、基端面13Bのネジ孔16に吸引エアー配管接続プラグが螺着され、かつ、このネジ孔16が、2本の平行に貫設された円孔から成るエアー吸引流路22,22と連通連結されている。
【0018】
図5は、図4のE−E断面拡大図であるが、図5(A)では、一文字スリット状の側面噴出孔12b,12bは、スリット溝7の内面7Aの側面(同図の上面・下面)から直交方向にエアーが噴出する場合を示す。これに対し、図5(B)では、一文字スリット状の側面噴出孔12b,12bは、スリット溝7の内面7Aの側面から、斜め方向に、(特に、スリット溝奥部へ向かって、)噴出させる場合を示し、この図5(B)では、図2に於て、スリッター刃1の外周端縁11に噴出して後、上流・下流側の吸入孔14,14へ確実に吸入される利点がある。言い換えるとスリット溝7の外部へ粉塵を飛散させない利点がある。
【0019】
次に、図6,図7に示した他の実施の形態について説明する。図6,図7は、図1の下半部に適用されている除塵ヘッド10を示し、図2,図3に対応する図である。
図1に於て、スリッター刃1にて切断分離された連続シート体Sは、隣り合うものを上下交互にも斜め方向に分離させて送りを与え(従来例の図11参照)、従って、除塵ヘッド10,10を、図1のように配置しても連続シート体Sに干渉しない。
【0020】
図6と図7に示すように、除塵ヘッド10の形状及び構造は図2〜図5で述べたものと同様であるので重複説明を省略するが、スリット溝7内を連続シート体等のワークWの端縁5が通過して、この端縁5に付着したスリッタ粉等の粉塵を除去する。
この除塵ヘッド10のスリット溝7の内面7Aには、通過中のワーク端縁5に向かってエアーを噴出する噴出孔12、及び、この噴出孔12から一旦噴出したエアーを吸込む吸入孔14が、開設されている。
【0021】
この噴出孔12は、ワークWの端縁5の最外端縁部5Aに向かって開設された最外端噴出孔12cと、端縁5の表裏各面に向かって開設された表裏噴出孔12d,12dとを、備えており、噴出孔12は3個を有する。
さらに、(図6からも明らかなように、)ワークWの端縁5がスリット溝7に侵入するスリット上流端7Bから、端縁5が退出するスリット下流端7Cに向かって、吸入孔14,噴出孔12,吸入孔14を、順次配設した構成である。
そして、表裏噴出孔12d,12dは、ワークWと垂直の方向から見て、図6に示す如く、最外端縁部5Aと直交する一文字状のスリット孔とする。
なお、図6(図2)に於て、17は図外の吐出配管が接続される吐出エアー配管用継手であり、ヘッドボティ13の外周面のネジ孔18に螺着され、交叉する2本の横孔19,20を介して、3本の縦方向のエアー吐出流路21,21,21に連通連結されている。
【0022】
なお、本発明の除塵ヘッド10のスリット溝7内へは、図6,図7に示すような連続シート体S以外に、一枚一枚分割された矩形のシート片―――即ち、枚葉体―――を、差込んで、この枚葉体の端縁(辺)の粉塵を除去することも、自由である(図示省略)。
なお、図5(A)(B)の形状・構造は、図6,図7に示した実施の形態にもそのまま適用できるのである。次に、図8(A)(B)は、スリット溝7を実線をもって斜視図にて描き、エアーの噴出及び吸入を、矢印にて判り易く示した説明図である。
即ち、図8(A)(B)に於て、矢印Fは、刃先噴出孔12a又は最外端噴出孔12cからのエアー噴出方向を示し、矢印Gは、側面噴出孔12b又は表裏噴出孔12dからのエアー噴出方向を示し、特に、図8(B)では、図5(B)にて述べたように、スリット溝7の奥内方へ傾斜して噴出していることを示す。そして、矢印H,Hは、吸入孔14,14によってエアーが吸入される方向を示す。
【0023】
次に、図9(A)(B)(C)は、各々別の実施の形態を示し、図8(A)(B)に限らず、本発明は設計変更可能であることを示す。つまり、図9(A)では、図8(A)と同じ矢印F,G,G,H,Hの他に、スリット溝7の側面からも矢印H1 ,H1 ,H2 ,H2 のようにエアーの吸入を行っても良いことを示している。
また、図9(B)では、スリット溝7の溝奥面に於て、図8と相違して、中央から矢印H0 のように吸込み、両端側からは、矢印F1 ,F2 のように噴出を行い、しかも、矢印F1 ,F2 は傾斜状とするのが望ましいことを示している。そして、スリット溝7の側面については、図9(A)と同様である。
さらに、図9(C)では、スリット溝7の奥部面では、複数のエアー噴出F3 ,F3 及び複数の吸入H3 ,H3 ,H3 を行っており、このように増加させるも自由であることを例示する。また、スリット溝7の側壁面では、矢印G3 ,G4 のように端部から噴出させて、中央で矢印H4 のように吸入させてもよいことを示す。つまり、側壁面では、図9(B)と(C)とは吸入・噴出を逆配置としている。
【0024】
ところで、本発明の要部が除塵ヘッド10にあるので、主としてこの除塵ヘッド10に関して以上説明したが、本発明に係る除塵装置は、この除塵ヘッド10の他に、図外の配管類、及び、ブロワーユニット、吸込装置、弁類等を付加して構成される。
また、所望により超音波発生器を付設したり、イオン発生器を付設することも可能である。
【0025】
本発明は以上述べたように、スリッター刃1の外周端縁11が走行通過するスリット溝7を凹設した除塵ヘッド10を備え、該除塵ヘッド10の上記スリット溝7の内面7Aに、走行通過中の上記外周端縁11に向かってエアーを噴出する噴出孔12、及び、該噴出孔12から噴出したエアーを吸込む吸入孔14を、開設したので、スリッター粉のように比較的強固に付着した粉塵をも確実に除去でき、かつ、外部への飛散の問題も解決できる。
【0026】
また、連続シート体S又は枚葉体から成るワークWの端縁5が通過するスリット溝7を凹設した除塵ヘッド10を備え、該除塵ヘッド10の上記スリット溝7の内面7Aに、通過中の上記端縁5に向かってエアーを噴出する噴出孔12、及び、該噴出孔12から噴出したエアーを吸込む吸入孔14を、開設したので、連続シート体Sや枚葉体の端縁5に比較的強固に付着した粉塵を、確実に、かつ、能率良く除去可能であり、しかも、外部へ飛散しないので周囲環境を清浄に保ち得る(再付着を防止できる)。
【0027】
また、上記噴出孔12は、スリッター刃1の外周端縁11の刃先8に向かって開設された刃先噴出孔12aと、上記外周端縁11の左右各側面に向かって開設された側面噴出孔12b,12bと、を備えているので、スリッター刃1の外周端縁11を確実かつ迅速に清浄なものとすることができる。特に、刃先8に強く付着したスリッター粉をも確実に除去できる。
また、上記噴出孔12は、上記ワークWの端縁5の最外端縁部5Aに向かって開設された最外端噴出孔12cと、上記端縁5の表裏各面に向かって開設された表裏噴出孔12d,12dと、を備えている構成であるので、最も粉塵の付着しやすい箇所(ワークWの端縁5)を集中的に能率良く清浄なものとできる。
【0028】
また、回転中の上記スリッター刃1が上記スリット溝7に侵入するスリット上流端7Bから、上記スリッター刃1が退出するスリット下流端7Cに向かって、吸入孔14,噴出孔12,吸入孔14を順次配設したので、粉塵が噴出孔12からの噴出エアーにて吹き飛ばされて、外部へ飛散することを、防ぐことができる。
また、走行中の上記ワークWの端縁5が上記スリット溝7に侵入するスリット上流端7Bから、上記端縁5が退出するスリット下流端7Cに向かって、吸入孔14,噴出孔12,吸入孔14を順次配設したので、粉塵が噴出孔12からの噴出エアーにて吹き飛ばされて、外部へ飛散することを、防ぐことができる。
【0029】
また、上記側面噴出孔12bは、スリッター刃1の軸心L1 方向から見て、軸心点O1 を通るラジアル線15に一致した一文字状のスリット孔であるので、スリッター刃1に強い風圧で吹き付けられ、粉塵を除去しやすいと共に、比較的幅の広い範囲から粉塵を能率良く除去できる。
また、上記表裏噴出孔12d,12dは、上記ワークWと垂直の方向から見て、上記最外端縁部5Aと直交する一文字状のスリット孔であるので、スリッター刃1に強い風圧で吹き付けられ、粉塵を除去しやすいと共に、比較的幅の広い範囲から粉塵を能率良く除去できる。
【符号の説明】
【0030】
1 スリッター刃
5 端縁
5A 最外端縁部
7 スリット溝
7A 内面
7B 上流端
7C 下流端
8 刃先
10 除塵ヘッド
11 外周端縁
12 噴出孔
12a 刃先(用)噴出孔
12b 側面(用)噴出孔
12c 最外端(用)噴出孔
12d 表裏(用)噴出孔
14 吸入孔
15 ラジアル線
L1 軸心
O1 軸心点
S 連続シート体
W ワーク
【技術分野】
【0001】
本発明は、除塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、図10と図11に示すように、原反の基材(フィルム,紙等の連続シート)41を所定の基材幅にカットして帯状体42…を得るために、回転駆動されるスリッター刃43…を備えたスリッター装置44が使用される。基材41は矢印R方向に連続的に走行し、(図外の駆動手段にて)回転駆動される回転軸45に所定間隔に固着された複数枚のスリッター刃43…によって、数十m〜数千mの長さの基材41を連続的にカットする。
基材41をカットしている際にスリット粉が発生し、スリッター刃43及び帯状体42の端縁に付着する。
従来、このように付着するスリット粉を除去するためにエアーガンを使用することが多い。しかし、エアーガンにて、スリッター刃43及び帯状体42に付着のスリット粉を吹き飛ばせば、周囲に飛散し、基材41及び帯状体42に再付着する可能性がある。
【0003】
あるいは、図10と図11に示すように、矢印U方向へエアーを吸引するように、スリッター刃43…を包囲するカバー46と、吸引配管47を有する吸引式除塵装置が使用される場合もあったが、一旦付着したスリッター粉は、容易には除去できず、十分清浄にはできなかった。また、一般的にスリッター装置44には、設置スペースが狭小なことが多く、図10,図11に示すような吸引式除塵装置を設置困難な場合も多い。
そこで、本発明者が既に提案したエアー噴出・吸引式の除塵装置(特許文献1参照)を適用することも検討した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2820599号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記特許文献1記載の除塵装置では、走行中のシート体や枚葉の表面に軽く乗った粉塵ならば、確実に吸引除去可能であり、特に、平坦な広い平面上に、軽く乗った粉塵については容易かつ確実に除去できた。
しかしながら、図10,図11のスリッター装置44では十分な除塵は困難であることが判明した。
即ち、第1には、スリッター粉は、比較的に強くスリッター刃43あるいは帯状体の端縁に付着しているからである。第2には、複雑な吸引箇所であるので、効率良く吸引することが至難であるためである。
【0006】
そこで、本発明は、スリッター刃や帯状体の端縁(エッジ部)のような複雑な形状の箇所に、比較的強く付着した粉塵を、確実かつ能率良く除去できる除塵装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで、本発明に係る除塵装置は、スリッター刃の外周端縁が走行通過するスリット溝を凹設した除塵ヘッドを備え、該除塵ヘッドの上記スリット溝の内面に、走行通過中の上記外周端縁に向かってエアーを噴出する噴出孔、及び、該噴出孔から噴出したエアーを吸込む吸入孔を、開設したものである。
また、連続シート体又は枚葉体から成るワークの端縁が通過するスリット溝を凹設した除塵ヘッドを備え、該除塵ヘッドの上記スリット溝の内面に、通過中の上記端縁に向かってエアーを噴出する噴出孔、及び、該噴出孔から噴出したエアーを吸込む吸入孔を、開設したものである。
【0008】
また、上記噴出孔は、スリッター刃の外周端縁の刃先に向かって開設された刃先噴出孔と、上記外周端縁の左右各側面に向かって開設された側面噴出孔と、を備えている。
また、上記噴出孔は、上記ワークの端縁の最外端縁部に向かって開設された最外端噴出孔と、上記端縁の表裏各面に向かって開設された表裏噴出孔と、を備えている。
【0009】
また、回転中の上記スリッター刃が上記スリット溝に侵入するスリット上流端から、上記スリッター刃が退出するスリット下流端に向かって、吸入孔,噴出孔,吸入孔を順次配設した。
また、走行中の上記ワークの端縁が上記スリット溝に侵入するスリット上流端から、上記端縁が退出するスリット下流端に向かって、吸入孔,噴出孔,吸入孔を順次配設した。
【0010】
また、上記側面噴出孔は、スリッター刃の軸心方向から見て、軸心点を通るラジアル線に一致した一文字状のスリット孔とするのが好ましい。
また、上記表裏噴出孔は、上記ワークと垂直の方向から見て、上記最外端縁部と直交する一文字状のスリット孔とするのが好ましい。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、スリッター刃や帯状体端縁等の複雑な形状の部位に比較的強く付着した粉塵(異物)を、能率良く、かつ、確実に、しかも、周囲に粉塵を飛散させずに、除去できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の使用箇所の一例を示した簡略平面図である。
【図2】本発明の実施の一形態を示す正面図である。
【図3】平面図である。
【図4】要部の説明のための図であって、(A)は側面図、(B)は図3のb−b断面図、(C)は図3のc−c断面図、(D)は図3のd−d断面図である。
【図5】図4のE−E断面拡大図である。
【図6】本発明の他の実施の形態を示す平面図である。
【図7】正面図である。
【図8】主要構成説明図である。
【図9】各々別の実施の形態を示す主要構成説明図である。
【図10】従来例の平面図である。
【図11】従来例の側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図示の実施の形態に基づき本発明を詳説する。
図1に於て、本発明に係る除塵装置が適用される具体例として、スリッター刃1…を備えたスリッター装置2を示し、プラスチックフィルム,紙,布等の原反の基材3を、複数枚のスリッター刃1…によって所定幅寸法にカットして、帯状の連続シート体Sを製造するが、基材3は矢印R方向に連続的に搬送され(走行し)、図外の駆動手段にて回転駆動される回転軸4に、複数枚のスリッター刃1…が所定間隔に固着され、数十m〜数千mの長さの基材3を連続的にカットする。
このようなカット工程の際に、スリット粉が発生し、スリッター刃1の外周端縁11、及び、シート体Sの端縁5,5に付着するが、このようなスリット粉等の粉塵を、除塵ヘッド10を有する本発明の除塵装置によって除去する。
【0014】
まず、図1の上部位置に描いたスリッター刃1に対応して設けられた除塵ヘッド10から説明すれば、図2〜図5に示すように、スリッター刃1の外周端縁11が(回転して)走行通過するスリット溝7が上記除塵ヘッド10に凹設されている。
この除塵ヘッド10のスリット溝7の内面7Aに、走行通過中の外周端縁11に向かって、エアーを噴出する噴出孔12と、この噴出したエアーを吸込む吸入孔14が、開設されている。
なお、図2と図3に於て、網目はエアー吐出流路21を示し、斜線はエアー吸引流路21を示す。
【0015】
噴出孔12は、スリッター刃1の外周端縁11の刃先8に向かって開設された刃先噴出孔12aと、外周端縁11の左右側面に向かって開設された側面噴出孔12b,12bとを、備えている。刃先噴出孔12aは、図3に於て平行な3本のエアー吐出流路21, 21, 21の中央のものに連通し、かつ、中央の吐出流路21の円形よりも小さい円形の小丸孔に形成され、流速を増して強く刃先8へエアーを噴出させて衝突させる。
【0016】
また、図3に於て、上下の各吐出流路21は側面噴出孔12bに連通連結される。図3の上下の各吐出流路21は円形孔であるが、ヘッドボディ13の先端面13Aに開口せず、所定寸法手前まで形成される。このように図3と図5に示した3本のエアー吐出流路21,21,21の内の上下の2本の閉じた先端部が、側面噴出孔12bと連通連結して、側面噴出孔12bはスリット溝7の内面7Aの側面(図3と図5の上面・下面)に開口することで、スリッター刃1の外周端縁11に向かってエアーを噴出させる。ところで、側面噴出孔12bは、図2に示すように、スリッター刃1の軸心L1 方向から見て、軸心点O1 を通るラジアル線(直径線)15に一致した一文字状のスリット孔とする。そして、この一文字状のスリット孔である側面噴出孔12bは、スリット溝7の内面7Aの両側面に対して、直交方向に開設される(図4の(A)(B)参照)。
【0017】
また、図4(A)と図3で明らかなように、矢印(C)方向に回転中のスリッター刃1がスリット溝7に侵入するスリット上流端7Bから、スリッター刃1がスリット溝7から退出するスリット下流端7Cに向かって、吸入孔14,噴出孔12,吸入孔14を、順次配設する。図4からも分かるように吸入孔14,14は、スリット溝7の内面7Aの奥底面に開設される。
なお、ヘッドボディ13は、図例では、先端側へ略縮径乃至段階的に径が減少する短円柱型であり、基端面13Bのネジ孔16に吸引エアー配管接続プラグが螺着され、かつ、このネジ孔16が、2本の平行に貫設された円孔から成るエアー吸引流路22,22と連通連結されている。
【0018】
図5は、図4のE−E断面拡大図であるが、図5(A)では、一文字スリット状の側面噴出孔12b,12bは、スリット溝7の内面7Aの側面(同図の上面・下面)から直交方向にエアーが噴出する場合を示す。これに対し、図5(B)では、一文字スリット状の側面噴出孔12b,12bは、スリット溝7の内面7Aの側面から、斜め方向に、(特に、スリット溝奥部へ向かって、)噴出させる場合を示し、この図5(B)では、図2に於て、スリッター刃1の外周端縁11に噴出して後、上流・下流側の吸入孔14,14へ確実に吸入される利点がある。言い換えるとスリット溝7の外部へ粉塵を飛散させない利点がある。
【0019】
次に、図6,図7に示した他の実施の形態について説明する。図6,図7は、図1の下半部に適用されている除塵ヘッド10を示し、図2,図3に対応する図である。
図1に於て、スリッター刃1にて切断分離された連続シート体Sは、隣り合うものを上下交互にも斜め方向に分離させて送りを与え(従来例の図11参照)、従って、除塵ヘッド10,10を、図1のように配置しても連続シート体Sに干渉しない。
【0020】
図6と図7に示すように、除塵ヘッド10の形状及び構造は図2〜図5で述べたものと同様であるので重複説明を省略するが、スリット溝7内を連続シート体等のワークWの端縁5が通過して、この端縁5に付着したスリッタ粉等の粉塵を除去する。
この除塵ヘッド10のスリット溝7の内面7Aには、通過中のワーク端縁5に向かってエアーを噴出する噴出孔12、及び、この噴出孔12から一旦噴出したエアーを吸込む吸入孔14が、開設されている。
【0021】
この噴出孔12は、ワークWの端縁5の最外端縁部5Aに向かって開設された最外端噴出孔12cと、端縁5の表裏各面に向かって開設された表裏噴出孔12d,12dとを、備えており、噴出孔12は3個を有する。
さらに、(図6からも明らかなように、)ワークWの端縁5がスリット溝7に侵入するスリット上流端7Bから、端縁5が退出するスリット下流端7Cに向かって、吸入孔14,噴出孔12,吸入孔14を、順次配設した構成である。
そして、表裏噴出孔12d,12dは、ワークWと垂直の方向から見て、図6に示す如く、最外端縁部5Aと直交する一文字状のスリット孔とする。
なお、図6(図2)に於て、17は図外の吐出配管が接続される吐出エアー配管用継手であり、ヘッドボティ13の外周面のネジ孔18に螺着され、交叉する2本の横孔19,20を介して、3本の縦方向のエアー吐出流路21,21,21に連通連結されている。
【0022】
なお、本発明の除塵ヘッド10のスリット溝7内へは、図6,図7に示すような連続シート体S以外に、一枚一枚分割された矩形のシート片―――即ち、枚葉体―――を、差込んで、この枚葉体の端縁(辺)の粉塵を除去することも、自由である(図示省略)。
なお、図5(A)(B)の形状・構造は、図6,図7に示した実施の形態にもそのまま適用できるのである。次に、図8(A)(B)は、スリット溝7を実線をもって斜視図にて描き、エアーの噴出及び吸入を、矢印にて判り易く示した説明図である。
即ち、図8(A)(B)に於て、矢印Fは、刃先噴出孔12a又は最外端噴出孔12cからのエアー噴出方向を示し、矢印Gは、側面噴出孔12b又は表裏噴出孔12dからのエアー噴出方向を示し、特に、図8(B)では、図5(B)にて述べたように、スリット溝7の奥内方へ傾斜して噴出していることを示す。そして、矢印H,Hは、吸入孔14,14によってエアーが吸入される方向を示す。
【0023】
次に、図9(A)(B)(C)は、各々別の実施の形態を示し、図8(A)(B)に限らず、本発明は設計変更可能であることを示す。つまり、図9(A)では、図8(A)と同じ矢印F,G,G,H,Hの他に、スリット溝7の側面からも矢印H1 ,H1 ,H2 ,H2 のようにエアーの吸入を行っても良いことを示している。
また、図9(B)では、スリット溝7の溝奥面に於て、図8と相違して、中央から矢印H0 のように吸込み、両端側からは、矢印F1 ,F2 のように噴出を行い、しかも、矢印F1 ,F2 は傾斜状とするのが望ましいことを示している。そして、スリット溝7の側面については、図9(A)と同様である。
さらに、図9(C)では、スリット溝7の奥部面では、複数のエアー噴出F3 ,F3 及び複数の吸入H3 ,H3 ,H3 を行っており、このように増加させるも自由であることを例示する。また、スリット溝7の側壁面では、矢印G3 ,G4 のように端部から噴出させて、中央で矢印H4 のように吸入させてもよいことを示す。つまり、側壁面では、図9(B)と(C)とは吸入・噴出を逆配置としている。
【0024】
ところで、本発明の要部が除塵ヘッド10にあるので、主としてこの除塵ヘッド10に関して以上説明したが、本発明に係る除塵装置は、この除塵ヘッド10の他に、図外の配管類、及び、ブロワーユニット、吸込装置、弁類等を付加して構成される。
また、所望により超音波発生器を付設したり、イオン発生器を付設することも可能である。
【0025】
本発明は以上述べたように、スリッター刃1の外周端縁11が走行通過するスリット溝7を凹設した除塵ヘッド10を備え、該除塵ヘッド10の上記スリット溝7の内面7Aに、走行通過中の上記外周端縁11に向かってエアーを噴出する噴出孔12、及び、該噴出孔12から噴出したエアーを吸込む吸入孔14を、開設したので、スリッター粉のように比較的強固に付着した粉塵をも確実に除去でき、かつ、外部への飛散の問題も解決できる。
【0026】
また、連続シート体S又は枚葉体から成るワークWの端縁5が通過するスリット溝7を凹設した除塵ヘッド10を備え、該除塵ヘッド10の上記スリット溝7の内面7Aに、通過中の上記端縁5に向かってエアーを噴出する噴出孔12、及び、該噴出孔12から噴出したエアーを吸込む吸入孔14を、開設したので、連続シート体Sや枚葉体の端縁5に比較的強固に付着した粉塵を、確実に、かつ、能率良く除去可能であり、しかも、外部へ飛散しないので周囲環境を清浄に保ち得る(再付着を防止できる)。
【0027】
また、上記噴出孔12は、スリッター刃1の外周端縁11の刃先8に向かって開設された刃先噴出孔12aと、上記外周端縁11の左右各側面に向かって開設された側面噴出孔12b,12bと、を備えているので、スリッター刃1の外周端縁11を確実かつ迅速に清浄なものとすることができる。特に、刃先8に強く付着したスリッター粉をも確実に除去できる。
また、上記噴出孔12は、上記ワークWの端縁5の最外端縁部5Aに向かって開設された最外端噴出孔12cと、上記端縁5の表裏各面に向かって開設された表裏噴出孔12d,12dと、を備えている構成であるので、最も粉塵の付着しやすい箇所(ワークWの端縁5)を集中的に能率良く清浄なものとできる。
【0028】
また、回転中の上記スリッター刃1が上記スリット溝7に侵入するスリット上流端7Bから、上記スリッター刃1が退出するスリット下流端7Cに向かって、吸入孔14,噴出孔12,吸入孔14を順次配設したので、粉塵が噴出孔12からの噴出エアーにて吹き飛ばされて、外部へ飛散することを、防ぐことができる。
また、走行中の上記ワークWの端縁5が上記スリット溝7に侵入するスリット上流端7Bから、上記端縁5が退出するスリット下流端7Cに向かって、吸入孔14,噴出孔12,吸入孔14を順次配設したので、粉塵が噴出孔12からの噴出エアーにて吹き飛ばされて、外部へ飛散することを、防ぐことができる。
【0029】
また、上記側面噴出孔12bは、スリッター刃1の軸心L1 方向から見て、軸心点O1 を通るラジアル線15に一致した一文字状のスリット孔であるので、スリッター刃1に強い風圧で吹き付けられ、粉塵を除去しやすいと共に、比較的幅の広い範囲から粉塵を能率良く除去できる。
また、上記表裏噴出孔12d,12dは、上記ワークWと垂直の方向から見て、上記最外端縁部5Aと直交する一文字状のスリット孔であるので、スリッター刃1に強い風圧で吹き付けられ、粉塵を除去しやすいと共に、比較的幅の広い範囲から粉塵を能率良く除去できる。
【符号の説明】
【0030】
1 スリッター刃
5 端縁
5A 最外端縁部
7 スリット溝
7A 内面
7B 上流端
7C 下流端
8 刃先
10 除塵ヘッド
11 外周端縁
12 噴出孔
12a 刃先(用)噴出孔
12b 側面(用)噴出孔
12c 最外端(用)噴出孔
12d 表裏(用)噴出孔
14 吸入孔
15 ラジアル線
L1 軸心
O1 軸心点
S 連続シート体
W ワーク
【特許請求の範囲】
【請求項1】
スリッター刃(1)の外周端縁(11)が走行通過するスリット溝(7)を凹設した除塵ヘッド(10)を備え、
該除塵ヘッド(10)の上記スリット溝(7)の内面(7A)に、走行通過中の上記外周端縁(11)に向かってエアーを噴出する噴出孔(12)、及び、該噴出孔(12)から噴出したエアーを吸込む吸入孔(14)を、開設したことを特徴とする除塵装置。
【請求項2】
連続シート体(S)又は枚葉体から成るワーク(W)の端縁(5)が通過するスリット溝(7)を凹設した除塵ヘッド(10)を備え、
該除塵ヘッド(10)の上記スリット溝(7)の内面(7A)に、通過中の上記端縁(5)に向かってエアーを噴出する噴出孔(12)、及び、該噴出孔(12)から噴出したエアーを吸込む吸入孔(14)を、開設したことを特徴とする除塵装置。
【請求項3】
上記噴出孔(12)は、スリッター刃(1)の外周端縁(11)の刃先(8)に向かって開設された刃先噴出孔(12a)と、上記外周端縁(11)の左右各側面に向かって開設された側面噴出孔(12b)(12b)と、を備えている請求項1記載の除塵装置。
【請求項4】
上記噴出孔(12)は、上記ワーク(W)の端縁(5)の最外端縁部(5A)に向かって開設された最外端噴出孔(12c)と、上記端縁(5)の表裏各面に向かって開設された表裏噴出孔(12d)(12d)と、を備えている請求項2記載の除塵装置。
【請求項5】
回転中の上記スリッター刃(1)が上記スリット溝(7)に侵入するスリット上流端(7B)から、上記スリッター刃(1)が退出するスリット下流端(7C)に向かって、吸入孔(14),噴出孔(12),吸入孔(14)を順次配設した請求項1又は3記載の除塵装置。
【請求項6】
走行中の上記ワーク(W)の端縁(5)が上記スリット溝(7)に侵入するスリット上流端(7B)から、上記端縁(5)が退出するスリット下流端(7C)に向かって、吸入孔(14),噴出孔(12),吸入孔(14)を順次配設した請求項2又は4記載の除塵装置。
【請求項7】
上記側面噴出孔(12b)は、スリッター刃(1)の軸心(L1 )方向から見て、軸心点(O1 )を通るラジアル線(15)に一致した一文字状のスリット孔である請求項3記載の除塵装置。
【請求項8】
上記表裏噴出孔(12d)(12d)は、上記ワーク(W)と垂直の方向から見て、上記最外端縁部(5A)と直交する一文字状のスリット孔である請求項4記載の除塵装置。
【請求項1】
スリッター刃(1)の外周端縁(11)が走行通過するスリット溝(7)を凹設した除塵ヘッド(10)を備え、
該除塵ヘッド(10)の上記スリット溝(7)の内面(7A)に、走行通過中の上記外周端縁(11)に向かってエアーを噴出する噴出孔(12)、及び、該噴出孔(12)から噴出したエアーを吸込む吸入孔(14)を、開設したことを特徴とする除塵装置。
【請求項2】
連続シート体(S)又は枚葉体から成るワーク(W)の端縁(5)が通過するスリット溝(7)を凹設した除塵ヘッド(10)を備え、
該除塵ヘッド(10)の上記スリット溝(7)の内面(7A)に、通過中の上記端縁(5)に向かってエアーを噴出する噴出孔(12)、及び、該噴出孔(12)から噴出したエアーを吸込む吸入孔(14)を、開設したことを特徴とする除塵装置。
【請求項3】
上記噴出孔(12)は、スリッター刃(1)の外周端縁(11)の刃先(8)に向かって開設された刃先噴出孔(12a)と、上記外周端縁(11)の左右各側面に向かって開設された側面噴出孔(12b)(12b)と、を備えている請求項1記載の除塵装置。
【請求項4】
上記噴出孔(12)は、上記ワーク(W)の端縁(5)の最外端縁部(5A)に向かって開設された最外端噴出孔(12c)と、上記端縁(5)の表裏各面に向かって開設された表裏噴出孔(12d)(12d)と、を備えている請求項2記載の除塵装置。
【請求項5】
回転中の上記スリッター刃(1)が上記スリット溝(7)に侵入するスリット上流端(7B)から、上記スリッター刃(1)が退出するスリット下流端(7C)に向かって、吸入孔(14),噴出孔(12),吸入孔(14)を順次配設した請求項1又は3記載の除塵装置。
【請求項6】
走行中の上記ワーク(W)の端縁(5)が上記スリット溝(7)に侵入するスリット上流端(7B)から、上記端縁(5)が退出するスリット下流端(7C)に向かって、吸入孔(14),噴出孔(12),吸入孔(14)を順次配設した請求項2又は4記載の除塵装置。
【請求項7】
上記側面噴出孔(12b)は、スリッター刃(1)の軸心(L1 )方向から見て、軸心点(O1 )を通るラジアル線(15)に一致した一文字状のスリット孔である請求項3記載の除塵装置。
【請求項8】
上記表裏噴出孔(12d)(12d)は、上記ワーク(W)と垂直の方向から見て、上記最外端縁部(5A)と直交する一文字状のスリット孔である請求項4記載の除塵装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2011−50891(P2011−50891A)
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−203511(P2009−203511)
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【出願人】(500469109)有限会社タクショー (4)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月17日(2011.3.17)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【出願人】(500469109)有限会社タクショー (4)
【Fターム(参考)】
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