説明

陶器と固形のガラスを固形のまま溶着する方法

【課題】陶器にガラスを溶着しようとするとガラスが溶けて液状になり、固形のままで溶着する事が不可能であった。この様な不都合を解決すること。
【解決手段】最初に陶器全体に高温用釉薬を塗り高温で焼く。次に高温で焼成済みの陶器に低温用釉薬を陶器のガラスを溶着したい部分に塗り、その低温用釉薬が塗られた部分にガラスを置く。そして再度、ガラスは溶けないが低温用釉薬は溶ける低温で再度焼くことによりこの課題を解決する。

【発明の詳細な説明】
【技術の分野】
【0001】
本発明は陶器と固形のガラスを固形のまま溶着する方法に関するものである。高温で一度焼成済みの陶器に低温でも溶ける釉薬をぬり、この低温用釉薬を塗った部分にガラスを置き今度は低温で焼くことによりガラスを固形のまま陶器に溶着する事ができるようにしたものである。
【背景技術】
【0002】
従来からガラスを陶器の装飾や色付けのために使用していたが、従来の方法ではガラスを溶着する際に高温で焼いているため溶けて液体状になったガラスを陶器に溶着させることしかできなかったが特許文献、非特許文献ともにこの例を特に知りません。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、従来のようなガラスを高温で焼いて液体状になったガラスを陶器に溶着する方法では釉薬と同じ使い方になり、ガラスの形や本来の輝きや透明感を残すことが出来なかった。本発明はこのような不都合を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するための請求項1の発明は、陶器を最初に通常の焼き物を焼く高温度(1200度から1300度くらい)で焼き、窯出し後に低温でも溶ける釉薬(800度から820度くらいで溶ける)を陶器のガラスを溶着したい部分に塗り、そこにガラスを置く。このガラスは釉薬よりも溶ける温度が高いため、釉薬は溶けるがガラスは溶けずに固形のままガラスを溶着することができる。
【発明の効果】
【0005】
本発明により、従来のよう高温で液体状になったガラスが薄く広がって溶着するのではなく、ガラスを固形のままで残し溶着することができるようになる。これによりガラスの形や本来の輝きや透明感を残すことが出来るようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
図1は最初に高温で焼成した陶器の正面図である。この処理により陶器を硬くし、陶器に釉薬で模様や色を付けることができる。
【0007】
図2は高温で焼成済の陶器に、本発明の方法で陶器のガラスを溶着したい部分に低温用釉薬で施釉しそこにガラスを置いた正面図である。このような処理をした後に低温で焼けばガラスを固形のまま溶着できる。
【産業上の利用可能性】
【0008】
本発明にかかる陶器にガラスを溶着する方法は、工業的に量産する事が可能であるため、産業上の利用可能性を有する。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】 従来の方法を用い、高温で陶器を焼成した後の陶器の正面図である。
【図2】 本発明の方法で陶器のガラスを溶着したい部分に低温用釉薬を塗り、この低温用釉薬が塗られた部分にガラスを置いた正面図である。
【符号の説明】
【0010】
1 陶器の低温用釉薬を塗った部分にガラスを置いた箇所である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
陶器にガラスを溶着するために最初は通常の高温で陶器を焼き、次にこの高温で焼成済みの陶器のガラスを溶着したい部分に低温で解ける釉薬を塗り、この低温用釉薬を塗った部分にガラスを置く。その後ガラスは溶けないが低温用釉薬は溶ける低温で再度陶器を焼く。このようにガラスの溶解温度と低温用釉薬の溶解温度の差を利用して固形のガラスを固形のまま陶器に溶着する方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2010−222231(P2010−222231A)
【公開日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−99365(P2009−99365)
【出願日】平成21年3月23日(2009.3.23)
【出願人】(500554586)有限会社工房花時 (2)
【Fターム(参考)】