階間胴差部における水切り板の連結構造
【課題】作業性に優れまた取付後の十分な密閉性を確保することができる階間胴差部における水切り板の連結構造を提供する
【解決手段】階間の胴差1の上下に設けられる裏打ち材7と連結され、前記階間胴差に沿って設置される前記階間胴差沿い方向の水切り板3a、3bの連結構造であって、水切り板3a、3bをジョイント部材5を用いて固定する。前記水切り板3a、3bは、長手方向両端部近傍に貫通孔13が設けられ、前記2枚の水切り板の端部10のみが重なるように前記貫通孔13を合わせて配置される。ジョイント部材5は平板状の本体部21から垂設され2枚の水切り板の厚み寸法よりも短い脚部21の先端に回転軸非対称形の係止部24が設けられ、前記係止部24はその底面が前記本体部に対して傾斜して設けられている。
【解決手段】階間の胴差1の上下に設けられる裏打ち材7と連結され、前記階間胴差に沿って設置される前記階間胴差沿い方向の水切り板3a、3bの連結構造であって、水切り板3a、3bをジョイント部材5を用いて固定する。前記水切り板3a、3bは、長手方向両端部近傍に貫通孔13が設けられ、前記2枚の水切り板の端部10のみが重なるように前記貫通孔13を合わせて配置される。ジョイント部材5は平板状の本体部21から垂設され2枚の水切り板の厚み寸法よりも短い脚部21の先端に回転軸非対称形の係止部24が設けられ、前記係止部24はその底面が前記本体部に対して傾斜して設けられている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、階間胴差部における水切り板の連結構造に関し、さらに詳しくは、複数の水切り板同士を連結するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、階間胴差部の構成は、例えば、特開2006−169808号公報(特許文献1)などに開示されており、具体的には図6Aに示すように構成されている。すなわち、断面H字形の胴差部の上フランジ101a及び下フランジ101bにパネルフレーム109が固定される。パネルフレーム109は、断面コの字型の部材である。当該パネルフレーム109それぞれには、裏打ち材107が固定される。裏打ち材107は、階間の下側及び上側にそれぞれ設けられており、当該パネルフレームと裏打ち材107で囲まれる空間に断熱材102が屋内側102aから配設される。
【0003】
上下階の裏打ち材107の外側には、外装パネル106が設けられる。外装パネル106は、裏打ち材107の表面との間に、断熱用の間隙108をおいて取り付けられ、それぞれの外装パネル106の間をシーリング部材106aで密閉する。
【0004】
上下の裏打ち材107の間には、外装パネル106の隙間から間隙108に入り込んだ雨水などが屋内側102aに入り込まないように、水切り板103が設けられている。水切り板103は、胴差部101に沿う方向を長手とする扁平状の薄い板状部材であり、通常金属で構成されている。水切り板103の長手方向寸法は通常1m程度であり、長手方向に連結して裏打ち材107に固定される。
【特許文献1】特開2006−169808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図6Bは、図6Aの階間胴差部における水切り板の長手方向の連結構造を示す図である。従来の連結構造においては、2枚の水切り板103a,103bは、それぞれの長手方向の端部が重ねられた状態で配置され、固定部材105で固定されることによって長手方向に連結する構成となっていた。図6Bにおいては、固定部材105は3箇所に設けられており、固定部材としては、ネジが用いられている。
【0006】
ここで、ネジを用いて2つの板状体を固定する手法として現在、以下の方法が用いられている。図7A及び図7Bは、水切り板を重ね合わせてネジを用いて固定する場合の具体的態様について示している。図7Aは、固定部材105としてボルト1050とナット1051を用いて固定する場合である。この場合、水切り板103の長手方向の重なり部分に予めボルト1050の足1052を通す孔1032を設けておく。そして、作業現場で当該水切り板103の孔1032が重なり合うように2枚の水切り板103a,103bを配置し、当該孔1032にボルト1050を通し、水切り板のボルト挿入側の反対側に予め設けられているナット1051と締め付けて固定する。この場合は、水切り板103のビス挿入側とは反対側にナット1051を配置しておくことが必要となる。この作業は、水切り板の取付作業の効率を著しく低下させる。すなわち、水切り板のボルト通し孔1032の反対側にナット1051を予め配置した状態で階間胴差部に101に水切り板103を固定しなければならない。
【0007】
図7Bは、2つの水切り板103a,103bを重ね合わせた状態で、ネジ1053と螺合するネジ穴1033をねじ切りし、ネジ1053を用いて2枚の水切り板103a,103bを固定しようとするものである。この方法では、水切り板の裏側にナットなどを配置する必要はないが、水切り板103a,103bのネジ切りを作業現場で行う必要がある。したがって、職人の腕によりできばえにばらつきが生じやすい。また、2つの水切り板103a,103bは共にネジ切りされているので、ネジ止めの進行に伴って2枚が固定されるが、互いに当接面で押圧するように締め付け力が機能することがない。したがって、2枚の水切り板103a,103bの間に隙間が生じやすく、屋内への水の浸入をおこしやすくなるという問題もあった。
【0008】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、作業性に優れまた取付後の十分な密閉性を確保することができる階間胴差部における水切り板の連結構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の階間胴差部における水切り板の連結構造を提供する。
【0010】
本発明は、階間の胴差の外側に位置し、前記階間胴差に沿って設置される水切り板の連結構造であって、
前記水切り板は、長手方向端部近傍に貫通孔が設けられ、隣接する2枚の水切り板の端部のみが重なるように前記貫通孔を合わせて配置され、
前記2枚の水切り板を前記2枚の貫通孔を通過して配置されるジョイント部材で固定するとともに、
前記ジョイント部材は、平板状の本体部から垂設され2枚の水切り板の厚み寸法と同一または2枚の水切り板の厚み寸法よりも短い脚部の先端に回転軸非対称形の係止部が設けられ、前記係止部はその底面が前記本体部に対して傾斜して設けられていることを特徴とする、水切り板の連結構造を提供する。
【0011】
上記構成において、水切り板は、貫通孔が重なるように端部を重ねて配置されると共に、当該重ねられた貫通孔に通過して配置されるジョイント部材で固定される。
【0012】
ジョイント部材は、本体部と係止部とが脚部で連結された構成となっている。ジョイント部は、係止部を水切り板の貫通孔に通したのち、脚部を回転軸として回転させることにより、回転軸非対称形の係止部が、水切り板の本体部が位置する側と反対側の表面に係止して2枚の水切り板を固定するものである。ここで、回転軸非対称形とは、回転軸(ジョイント部材の脚部に相当する。)を中心に所定の角度だけ回転させた場合、回転軸方向から見た形状が、回転前と回転後で異なるような形状を意味し、例えば、楕円、矩形、中心以外を回転軸とする円などの形状が例示できる。
【0013】
上記構成において係止部は、その底面が本体部に対して傾斜して設けられているため、固定時に回転させると、当該傾斜部によって水切り板の表面に係止部が載置され、水切り板が固定される。
【0014】
上記構成において、水切り板は前記貫通孔が設けられている近傍に弾性のシール部材が設けられていることが好ましい。
【0015】
また、前記水切り板は合成樹脂で構成されていることが好ましい。
【0016】
また、前記ジョイント部材は本体部の脚部形成面に突出部が形成されていることがこのましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、重ね合わされた2枚の水切り板の両側にジョイント部材の本体部と係止部が配置されることにより、2枚の水切り板が固定される。また、ジョイント部材は、2枚の水切り板の厚み寸法よりも短い脚部と底面が傾斜して設けられている係止部を備えており、脚部を中心として回転させることにより、係止部が水切り板の表面側に配置されることにより、簡単な作業により固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係る水切り板の連結構造について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1Aは、本発明の1実施形態にかかる水切り板の連結構造を用いた階間胴差部の構成例を示す図である。本実施形態にかかる水切り板の連結構造は、階間胴差部における裏打ち材7の間に配置される水切り板の長手方向への連結構造である。
【0020】
階間胴差部の構成は次の通りである。断面H字形の胴差1の上フランジ1a及び下フランジ1bに断面コの字形のパネルフレーム9が固定される。パネルフレームはビス9aにより固定される。階間の上下側のパネルフレーム9には、それぞれ裏打ち材7が固定される。パネルフレームと裏打ち材7で囲まれる空間には断熱材2が屋内側2aから配設される。断熱材2の例としては、ガラスウールなどが例示される。
【0021】
また、階間の裏打ち材7の間、すなわち、胴差1の部分には、長尺の水切り板3a,3bが外壁周方向に延びて設けられる。裏打ち材7及び水切り板3a,3bは、ビス4によりパネルフレーム9に固定される。
【0022】
上下階の裏打ち材7の外側には、外装パネル6が設けられる。外装パネル6は、裏打ち材7の表面との間に、断熱用の間隙8をおいて取り付けられ、それぞれの外装パネル6の間をシーリング部材6aで密閉する。
【0023】
図1Aにおいては、2枚の長尺の水切り板3a,3bの端部が重ね合わされた状態を示している。図1Bに示すように、水切り板は、胴差1に沿って複数枚が連結された状態で固定される。なお、図1Bにおいては、外装壁を省略している。隣接する2枚の水切り板3a,3bは端部に重なり部分10が設けられるように配置される。当該2枚の水切り板3a,3bの連結には、後述するジョイント部材5が用いられる。
【0024】
図2Aは、図1Aにおいて使用される水切り板の構成を示す平面図である。図2Bは、図2AのIIB−IIB断面における断面図である。水切り板3は、胴差部1に沿う方向を長手とする薄い板状の本体11を備える。水切り板3の本体11の長手方向寸法は通常1〜2m程度であり、長手方向に連結して裏打ち材7に固定される。
【0025】
水切り板3は、長手方向両端に端部シール部材12が設けられている。端部シール部材12は、図2Bに示すように、水切り板3が胴差部に固定されたときに外装壁6側に位置する側の表面に設けられている。また、水切り板の下端には底辺シール部材14が設けられている。底辺シール部材は、水切り板3が胴差部に固定されたときに裏打ち材7側に位置する側の表面にのみ設けられている。底辺シール部材14は、水切り板3が裏打ち材7に固定されたときに、当該隙間からの浸水を防止する。端部シール部材12及び底辺シール部材14は共に弾性材料で構成されている。
【0026】
また、水切り板3の両端には、貫通孔13がそれぞれ3箇所ずつ設けられている。貫通孔13は、2枚の水切り板をその長手方向に連結する場合にジョイント部材5が挿入される。
【0027】
図3Aは、図1Aに示す水切り板の連結に用いられるジョイント部材5の斜視図である。図3Bは、図3Aのジョイント部材の他の角度から見た斜視図である。図3Cは、図3Aのジョイント部材の平面図である。
【0028】
ジョイント部材5は、例えば、射出成形などで成形された合成樹脂製の部材であり、平板状の本体部21の一方の面から垂設された脚部23及び脚部23の先端に設けられた係止部24を備えている。
【0029】
本体部21は、略円形の円板で構成されており、一方の面につまみ22を備えている。つまみ22は、後述する施工時にジョイント部材を回転、固定させるために用いられる。
【0030】
本体部21のつまみ22が設けられていない側の面(脚部形成面)29中央部には、脚部23が垂設されている。脚部23は、後述する施工時に貫通孔13に挿入された状態でZ軸中心に回転する必要があるため、水切り板3の貫通孔13の短手方向幅と略同じあるいは短手方向幅よりも短い幅寸法であることが好ましい。本体部21の脚部形成面29には突出部25が設けられており、水切り板3表面との接触面積を小さくして摩擦を軽減させ後述する施工時のジョイント部材5の回転を容易にするため及び、回転固定時に水切り板3の貫通孔13に嵌り込んで、ジョイント部材が誤って回転して脱落することがないようにしている。
【0031】
脚部23の先端には、係止部24が設けられている。係止部24は、図3Cに示すように、水切り板3の貫通孔13を通過することができるように構成されている。図3Cに示すように、係止部の平面形状は、長円形であるがこれに限定されるものではなく、回転軸非対称形であれば特にその形状は問われない。回転軸非対称形とは、本実施形態において、図3Cに示すように、回転軸Cを中心にしてジョイント部材5を回転した場合に、任意の回転角度を回転させた前後の外形が異なるような形状をいう。例えば、図5A〜図5Cに示すような変形例も含まれる。
【0032】
図5Aの変形例では、係止部24aの平面形状が正方形である場合であり、例えば回転軸Cを中心に45度回転させると、回転前後において異なる外形となる。図5Bの変形例では、係止部24bの平面形状が、一辺が円弧を有する長方形で構成されており、例えば、回転軸Cを中心として、90度回転させると、回転前後において異なる外形となる。図5Cの変形例では、係止部24cの平面形状が円形であるが、回転中心Cが円の中心とずれているため、回転軸Cを中心として例えば180度回転させることによって回転前後において異なる外形となる例である。
【0033】
係止部24の底面27は、本体部21に対して傾斜して設けられている。図3Aの例では、脚部23を中心としてX軸方向側で、異なる方向に傾斜面26が設けられている。当該傾斜面26は、施工時に係止部24の底面が水切り板3の表面に位置しやすいようにするためであり、この傾斜により後述するように2枚の水切り板3が互いに押圧され、両者間での密閉性を高めることができる。
【0034】
図3Bに示すように、係止部24の底面27と本体部21の表面29までの距離B、すなわち脚部23の長さは、固定される2枚の水切り板の厚み寸法と同一または2枚の水切り板の厚み寸法よりもわずかに短く構成されており、また、傾斜面26の上端から本体部21の表面29までの距離Aは、固定される2枚の水切り板の厚み寸法よりも長く構成されている。なお、図3Bは突出部25を有しているが、ジョイント部を90°回転させたとき、突出部が貫通孔に入り込む構造である場合は、前述のとおり本体部21の表面29までの距離B、すなわち脚部23の長さは、固定される2枚の水切り板の厚み寸法と同一または2枚の水切り板の厚み寸法よりもわずかに短く構成される。ジョイント部を90°回転させたとき、突出部が貫通孔13に入り込まない構造である場合は、係止部24の底面27と突出部25の表面までの距離を脚部23の長さとし、固定される2枚の水切り板の厚み寸法と同一または厚み寸法よりも短く構成される。ここで、「水切り板の厚み寸法」とは、端部シール部材を設ける場合においては、端部シール材の厚みも、水切り板の厚み寸法に含めている。
【0035】
次に、ジョイント部材5を用いて2枚の水切り板を固定する施工法について説明する。図4Aは、貫通孔13が重なるように、2枚の水切り板3a,3bを重ね合わせた状態を示している。図4Aにおいては、理解のため2枚の水切り板3a,3bの貫通孔をわずかにずらした状態で図示しているが、必ずしもずらして重ね合わせる必要はない。上述のように、水切り板3a,3bは、その端部に端部シール部材12が設けられており、2枚の水切り板3a,3bを重ね合わせた状態では、端部シール部材12は押圧変形されることなく、初期厚みとなっている。
【0036】
まず、2枚の水切り板が重ね合わされた貫通孔に、ジョイント部材5の係止部24を挿入する。挿入は、外装壁側から係止部24の先端28を貫通孔13に挿入する方向に行うことが好ましい。上述のように、脚部23の長さ寸法は、2枚の水切り板3a,3bの厚み寸法よりもわずかに短いため、係止部24の底面27は、貫通孔13内に位置している。一方、傾斜面26の上端26aは、貫通孔13を通過して、水切り板3bの裏面11b側に位置するようになっている。
【0037】
なお、ジョイント部の突出部25は、貫通孔13に入り込まず、水切り板3aの表面12aに接触した状態となっている。
【0038】
この状態で、ジョイント部5のつまみ22をもって傾斜面26が貫通孔13縁部に当接する方向にジョイント部5を回転させる。ジョイント部5を90度回転させ、ジョイント部材により水切り板を固定させた状態を図4Bに示す。図4Bにおいては、傾斜面が貫通孔13の縁部に当接し、傾斜面26に沿って係止部24が水切り板3bの裏面11b側に乗り上げるように移動する。その結果、端部シール部材12が押圧変形される。これにより、2枚の水切り板3a,3b間の水密性及び、ジョイント部5の本体部21と外装壁側の水切り板3aとの水密性が高められる。
【0039】
また、突出部25が貫通孔13に入った状態となるため、ジョイント部5が誤回転することを防止する。
【0040】
以上説明したように、本実施形態にかかる水切り板の連結構造によれば、2枚の水切り板3a,3bの端部が重なるように水切り板3a,3bを配置し、当該重ね合わせ部分に位置する貫通孔13に、外装面側ジョイント部材5を挿入して、回転させるだけで、2枚の水切り板3a,3bをしっかりと連結固定することができる。また、ジョイント部材5の係止部の底面27と本体部21により2枚の水切り板に設けられるシール部材12が押圧変形して、両者間の水密性を向上させることができる。
【0041】
したがって、施工がきわめて簡単であり、施工現場でのねじ切りなどの作業をおこなう必要もなく、熟練度によらずに誰でも一定の品質の施工をすることができる。
【0042】
また、水切り板は、ねじ切りなどの必要性がないため、必ずしも金属により構成する必要はない。例えば、合成樹脂などを用いて製造することができる。合成樹脂を用いることにより、容易に製造することができ、また、軽量化することができるので、現場での取り扱いも簡単にすることができる。
【0043】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。例えば、屋内側の水切り板3bの裏面には、硬質ポリウレタン等の断熱材を貼り付けるように構成してもよい。本発明の水切り板の連結構造は、外装面側から貫通孔13にジョイント部材を挿入して、回転させるだけでよいので、裏側に固定のためのナットなどを配置する必要がない。したがって、貫通孔13にジョイント部材5の係止部が通過して裏面側に突出できる程度の空間があれば、水切り板3bの屋内側面に断熱材などを設けても、水切り板の連結作業において特に手間となることがない。
【0044】
なお、上記実施形態においては、ジョイント部材5を回転させやすくするためにつまみ22を設ける構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、他の部材を差し込んで回転させやすくするための部材挿入用凹部などを設けるように構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1A】本発明の1実施形態にかかる水切り板の連結構造を用いた階間胴差部の構成例を示す図である。
【図1B】図1Aの水切り板の連結部分の構成を示す拡大図である。
【図2A】図1Aにおいて使用される水切り板の構成を示す平面図である。
【図2B】図2AのIIB−IIB断面における断面図である。
【図3A】図1Aに示す水切り板の連結に用いられるジョイント部材5の斜視図である。
【図3B】図3Aのジョイント部材の他の角度から見た斜視図である。
【図3C】図3Aのジョイント部材の平面図である。
【図4A】貫通孔が重なるように、2枚の水切り板を重ね合わせた状態を示す図である。
【図4B】ジョイント部による2枚の水切り板の連結固定がされた状態を示す図である。
【図5A】ジョイント部の変形例を示す図である。
【図5B】ジョイント部の別の変形例を示す図である。
【図5C】ジョイント部のさらに別の変形例を示す図である。
【図6A】従来の水切り板の連結構造を用いた階間胴差部の構成例を示す図である。
【図6B】図6Aの水切り板の連結部分の構成を示す拡大図である。
【図7A】水切り板を重ね合わせてネジを用いて固定する場合の従来例を示す図である。
【図7B】水切り板を重ね合わせてネジを用いて固定する場合の従来例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1 胴差
2 断熱材
3,3a,3b 水切り板
4 ビス
5 ジョイント部材
6 外装パネル
7 裏打ち材
8 間隙
9 パネルフレーム
12 端部シール部材
13 貫通孔
14 底辺シール部材
21 本体部
22 つまみ
23 脚部
24 係止部
25 突出部
26 傾斜面
27 底面
29 脚部形成面
【技術分野】
【0001】
本発明は、階間胴差部における水切り板の連結構造に関し、さらに詳しくは、複数の水切り板同士を連結するための構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、階間胴差部の構成は、例えば、特開2006−169808号公報(特許文献1)などに開示されており、具体的には図6Aに示すように構成されている。すなわち、断面H字形の胴差部の上フランジ101a及び下フランジ101bにパネルフレーム109が固定される。パネルフレーム109は、断面コの字型の部材である。当該パネルフレーム109それぞれには、裏打ち材107が固定される。裏打ち材107は、階間の下側及び上側にそれぞれ設けられており、当該パネルフレームと裏打ち材107で囲まれる空間に断熱材102が屋内側102aから配設される。
【0003】
上下階の裏打ち材107の外側には、外装パネル106が設けられる。外装パネル106は、裏打ち材107の表面との間に、断熱用の間隙108をおいて取り付けられ、それぞれの外装パネル106の間をシーリング部材106aで密閉する。
【0004】
上下の裏打ち材107の間には、外装パネル106の隙間から間隙108に入り込んだ雨水などが屋内側102aに入り込まないように、水切り板103が設けられている。水切り板103は、胴差部101に沿う方向を長手とする扁平状の薄い板状部材であり、通常金属で構成されている。水切り板103の長手方向寸法は通常1m程度であり、長手方向に連結して裏打ち材107に固定される。
【特許文献1】特開2006−169808号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
図6Bは、図6Aの階間胴差部における水切り板の長手方向の連結構造を示す図である。従来の連結構造においては、2枚の水切り板103a,103bは、それぞれの長手方向の端部が重ねられた状態で配置され、固定部材105で固定されることによって長手方向に連結する構成となっていた。図6Bにおいては、固定部材105は3箇所に設けられており、固定部材としては、ネジが用いられている。
【0006】
ここで、ネジを用いて2つの板状体を固定する手法として現在、以下の方法が用いられている。図7A及び図7Bは、水切り板を重ね合わせてネジを用いて固定する場合の具体的態様について示している。図7Aは、固定部材105としてボルト1050とナット1051を用いて固定する場合である。この場合、水切り板103の長手方向の重なり部分に予めボルト1050の足1052を通す孔1032を設けておく。そして、作業現場で当該水切り板103の孔1032が重なり合うように2枚の水切り板103a,103bを配置し、当該孔1032にボルト1050を通し、水切り板のボルト挿入側の反対側に予め設けられているナット1051と締め付けて固定する。この場合は、水切り板103のビス挿入側とは反対側にナット1051を配置しておくことが必要となる。この作業は、水切り板の取付作業の効率を著しく低下させる。すなわち、水切り板のボルト通し孔1032の反対側にナット1051を予め配置した状態で階間胴差部に101に水切り板103を固定しなければならない。
【0007】
図7Bは、2つの水切り板103a,103bを重ね合わせた状態で、ネジ1053と螺合するネジ穴1033をねじ切りし、ネジ1053を用いて2枚の水切り板103a,103bを固定しようとするものである。この方法では、水切り板の裏側にナットなどを配置する必要はないが、水切り板103a,103bのネジ切りを作業現場で行う必要がある。したがって、職人の腕によりできばえにばらつきが生じやすい。また、2つの水切り板103a,103bは共にネジ切りされているので、ネジ止めの進行に伴って2枚が固定されるが、互いに当接面で押圧するように締め付け力が機能することがない。したがって、2枚の水切り板103a,103bの間に隙間が生じやすく、屋内への水の浸入をおこしやすくなるという問題もあった。
【0008】
したがって、本発明が解決しようとする技術的課題は、作業性に優れまた取付後の十分な密閉性を確保することができる階間胴差部における水切り板の連結構造を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記技術的課題を解決するために、以下の構成の階間胴差部における水切り板の連結構造を提供する。
【0010】
本発明は、階間の胴差の外側に位置し、前記階間胴差に沿って設置される水切り板の連結構造であって、
前記水切り板は、長手方向端部近傍に貫通孔が設けられ、隣接する2枚の水切り板の端部のみが重なるように前記貫通孔を合わせて配置され、
前記2枚の水切り板を前記2枚の貫通孔を通過して配置されるジョイント部材で固定するとともに、
前記ジョイント部材は、平板状の本体部から垂設され2枚の水切り板の厚み寸法と同一または2枚の水切り板の厚み寸法よりも短い脚部の先端に回転軸非対称形の係止部が設けられ、前記係止部はその底面が前記本体部に対して傾斜して設けられていることを特徴とする、水切り板の連結構造を提供する。
【0011】
上記構成において、水切り板は、貫通孔が重なるように端部を重ねて配置されると共に、当該重ねられた貫通孔に通過して配置されるジョイント部材で固定される。
【0012】
ジョイント部材は、本体部と係止部とが脚部で連結された構成となっている。ジョイント部は、係止部を水切り板の貫通孔に通したのち、脚部を回転軸として回転させることにより、回転軸非対称形の係止部が、水切り板の本体部が位置する側と反対側の表面に係止して2枚の水切り板を固定するものである。ここで、回転軸非対称形とは、回転軸(ジョイント部材の脚部に相当する。)を中心に所定の角度だけ回転させた場合、回転軸方向から見た形状が、回転前と回転後で異なるような形状を意味し、例えば、楕円、矩形、中心以外を回転軸とする円などの形状が例示できる。
【0013】
上記構成において係止部は、その底面が本体部に対して傾斜して設けられているため、固定時に回転させると、当該傾斜部によって水切り板の表面に係止部が載置され、水切り板が固定される。
【0014】
上記構成において、水切り板は前記貫通孔が設けられている近傍に弾性のシール部材が設けられていることが好ましい。
【0015】
また、前記水切り板は合成樹脂で構成されていることが好ましい。
【0016】
また、前記ジョイント部材は本体部の脚部形成面に突出部が形成されていることがこのましい。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、重ね合わされた2枚の水切り板の両側にジョイント部材の本体部と係止部が配置されることにより、2枚の水切り板が固定される。また、ジョイント部材は、2枚の水切り板の厚み寸法よりも短い脚部と底面が傾斜して設けられている係止部を備えており、脚部を中心として回転させることにより、係止部が水切り板の表面側に配置されることにより、簡単な作業により固定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の一実施形態に係る水切り板の連結構造について、図面を参照しながら説明する。
【0019】
図1Aは、本発明の1実施形態にかかる水切り板の連結構造を用いた階間胴差部の構成例を示す図である。本実施形態にかかる水切り板の連結構造は、階間胴差部における裏打ち材7の間に配置される水切り板の長手方向への連結構造である。
【0020】
階間胴差部の構成は次の通りである。断面H字形の胴差1の上フランジ1a及び下フランジ1bに断面コの字形のパネルフレーム9が固定される。パネルフレームはビス9aにより固定される。階間の上下側のパネルフレーム9には、それぞれ裏打ち材7が固定される。パネルフレームと裏打ち材7で囲まれる空間には断熱材2が屋内側2aから配設される。断熱材2の例としては、ガラスウールなどが例示される。
【0021】
また、階間の裏打ち材7の間、すなわち、胴差1の部分には、長尺の水切り板3a,3bが外壁周方向に延びて設けられる。裏打ち材7及び水切り板3a,3bは、ビス4によりパネルフレーム9に固定される。
【0022】
上下階の裏打ち材7の外側には、外装パネル6が設けられる。外装パネル6は、裏打ち材7の表面との間に、断熱用の間隙8をおいて取り付けられ、それぞれの外装パネル6の間をシーリング部材6aで密閉する。
【0023】
図1Aにおいては、2枚の長尺の水切り板3a,3bの端部が重ね合わされた状態を示している。図1Bに示すように、水切り板は、胴差1に沿って複数枚が連結された状態で固定される。なお、図1Bにおいては、外装壁を省略している。隣接する2枚の水切り板3a,3bは端部に重なり部分10が設けられるように配置される。当該2枚の水切り板3a,3bの連結には、後述するジョイント部材5が用いられる。
【0024】
図2Aは、図1Aにおいて使用される水切り板の構成を示す平面図である。図2Bは、図2AのIIB−IIB断面における断面図である。水切り板3は、胴差部1に沿う方向を長手とする薄い板状の本体11を備える。水切り板3の本体11の長手方向寸法は通常1〜2m程度であり、長手方向に連結して裏打ち材7に固定される。
【0025】
水切り板3は、長手方向両端に端部シール部材12が設けられている。端部シール部材12は、図2Bに示すように、水切り板3が胴差部に固定されたときに外装壁6側に位置する側の表面に設けられている。また、水切り板の下端には底辺シール部材14が設けられている。底辺シール部材は、水切り板3が胴差部に固定されたときに裏打ち材7側に位置する側の表面にのみ設けられている。底辺シール部材14は、水切り板3が裏打ち材7に固定されたときに、当該隙間からの浸水を防止する。端部シール部材12及び底辺シール部材14は共に弾性材料で構成されている。
【0026】
また、水切り板3の両端には、貫通孔13がそれぞれ3箇所ずつ設けられている。貫通孔13は、2枚の水切り板をその長手方向に連結する場合にジョイント部材5が挿入される。
【0027】
図3Aは、図1Aに示す水切り板の連結に用いられるジョイント部材5の斜視図である。図3Bは、図3Aのジョイント部材の他の角度から見た斜視図である。図3Cは、図3Aのジョイント部材の平面図である。
【0028】
ジョイント部材5は、例えば、射出成形などで成形された合成樹脂製の部材であり、平板状の本体部21の一方の面から垂設された脚部23及び脚部23の先端に設けられた係止部24を備えている。
【0029】
本体部21は、略円形の円板で構成されており、一方の面につまみ22を備えている。つまみ22は、後述する施工時にジョイント部材を回転、固定させるために用いられる。
【0030】
本体部21のつまみ22が設けられていない側の面(脚部形成面)29中央部には、脚部23が垂設されている。脚部23は、後述する施工時に貫通孔13に挿入された状態でZ軸中心に回転する必要があるため、水切り板3の貫通孔13の短手方向幅と略同じあるいは短手方向幅よりも短い幅寸法であることが好ましい。本体部21の脚部形成面29には突出部25が設けられており、水切り板3表面との接触面積を小さくして摩擦を軽減させ後述する施工時のジョイント部材5の回転を容易にするため及び、回転固定時に水切り板3の貫通孔13に嵌り込んで、ジョイント部材が誤って回転して脱落することがないようにしている。
【0031】
脚部23の先端には、係止部24が設けられている。係止部24は、図3Cに示すように、水切り板3の貫通孔13を通過することができるように構成されている。図3Cに示すように、係止部の平面形状は、長円形であるがこれに限定されるものではなく、回転軸非対称形であれば特にその形状は問われない。回転軸非対称形とは、本実施形態において、図3Cに示すように、回転軸Cを中心にしてジョイント部材5を回転した場合に、任意の回転角度を回転させた前後の外形が異なるような形状をいう。例えば、図5A〜図5Cに示すような変形例も含まれる。
【0032】
図5Aの変形例では、係止部24aの平面形状が正方形である場合であり、例えば回転軸Cを中心に45度回転させると、回転前後において異なる外形となる。図5Bの変形例では、係止部24bの平面形状が、一辺が円弧を有する長方形で構成されており、例えば、回転軸Cを中心として、90度回転させると、回転前後において異なる外形となる。図5Cの変形例では、係止部24cの平面形状が円形であるが、回転中心Cが円の中心とずれているため、回転軸Cを中心として例えば180度回転させることによって回転前後において異なる外形となる例である。
【0033】
係止部24の底面27は、本体部21に対して傾斜して設けられている。図3Aの例では、脚部23を中心としてX軸方向側で、異なる方向に傾斜面26が設けられている。当該傾斜面26は、施工時に係止部24の底面が水切り板3の表面に位置しやすいようにするためであり、この傾斜により後述するように2枚の水切り板3が互いに押圧され、両者間での密閉性を高めることができる。
【0034】
図3Bに示すように、係止部24の底面27と本体部21の表面29までの距離B、すなわち脚部23の長さは、固定される2枚の水切り板の厚み寸法と同一または2枚の水切り板の厚み寸法よりもわずかに短く構成されており、また、傾斜面26の上端から本体部21の表面29までの距離Aは、固定される2枚の水切り板の厚み寸法よりも長く構成されている。なお、図3Bは突出部25を有しているが、ジョイント部を90°回転させたとき、突出部が貫通孔に入り込む構造である場合は、前述のとおり本体部21の表面29までの距離B、すなわち脚部23の長さは、固定される2枚の水切り板の厚み寸法と同一または2枚の水切り板の厚み寸法よりもわずかに短く構成される。ジョイント部を90°回転させたとき、突出部が貫通孔13に入り込まない構造である場合は、係止部24の底面27と突出部25の表面までの距離を脚部23の長さとし、固定される2枚の水切り板の厚み寸法と同一または厚み寸法よりも短く構成される。ここで、「水切り板の厚み寸法」とは、端部シール部材を設ける場合においては、端部シール材の厚みも、水切り板の厚み寸法に含めている。
【0035】
次に、ジョイント部材5を用いて2枚の水切り板を固定する施工法について説明する。図4Aは、貫通孔13が重なるように、2枚の水切り板3a,3bを重ね合わせた状態を示している。図4Aにおいては、理解のため2枚の水切り板3a,3bの貫通孔をわずかにずらした状態で図示しているが、必ずしもずらして重ね合わせる必要はない。上述のように、水切り板3a,3bは、その端部に端部シール部材12が設けられており、2枚の水切り板3a,3bを重ね合わせた状態では、端部シール部材12は押圧変形されることなく、初期厚みとなっている。
【0036】
まず、2枚の水切り板が重ね合わされた貫通孔に、ジョイント部材5の係止部24を挿入する。挿入は、外装壁側から係止部24の先端28を貫通孔13に挿入する方向に行うことが好ましい。上述のように、脚部23の長さ寸法は、2枚の水切り板3a,3bの厚み寸法よりもわずかに短いため、係止部24の底面27は、貫通孔13内に位置している。一方、傾斜面26の上端26aは、貫通孔13を通過して、水切り板3bの裏面11b側に位置するようになっている。
【0037】
なお、ジョイント部の突出部25は、貫通孔13に入り込まず、水切り板3aの表面12aに接触した状態となっている。
【0038】
この状態で、ジョイント部5のつまみ22をもって傾斜面26が貫通孔13縁部に当接する方向にジョイント部5を回転させる。ジョイント部5を90度回転させ、ジョイント部材により水切り板を固定させた状態を図4Bに示す。図4Bにおいては、傾斜面が貫通孔13の縁部に当接し、傾斜面26に沿って係止部24が水切り板3bの裏面11b側に乗り上げるように移動する。その結果、端部シール部材12が押圧変形される。これにより、2枚の水切り板3a,3b間の水密性及び、ジョイント部5の本体部21と外装壁側の水切り板3aとの水密性が高められる。
【0039】
また、突出部25が貫通孔13に入った状態となるため、ジョイント部5が誤回転することを防止する。
【0040】
以上説明したように、本実施形態にかかる水切り板の連結構造によれば、2枚の水切り板3a,3bの端部が重なるように水切り板3a,3bを配置し、当該重ね合わせ部分に位置する貫通孔13に、外装面側ジョイント部材5を挿入して、回転させるだけで、2枚の水切り板3a,3bをしっかりと連結固定することができる。また、ジョイント部材5の係止部の底面27と本体部21により2枚の水切り板に設けられるシール部材12が押圧変形して、両者間の水密性を向上させることができる。
【0041】
したがって、施工がきわめて簡単であり、施工現場でのねじ切りなどの作業をおこなう必要もなく、熟練度によらずに誰でも一定の品質の施工をすることができる。
【0042】
また、水切り板は、ねじ切りなどの必要性がないため、必ずしも金属により構成する必要はない。例えば、合成樹脂などを用いて製造することができる。合成樹脂を用いることにより、容易に製造することができ、また、軽量化することができるので、現場での取り扱いも簡単にすることができる。
【0043】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、その他種々の態様で実施可能である。例えば、屋内側の水切り板3bの裏面には、硬質ポリウレタン等の断熱材を貼り付けるように構成してもよい。本発明の水切り板の連結構造は、外装面側から貫通孔13にジョイント部材を挿入して、回転させるだけでよいので、裏側に固定のためのナットなどを配置する必要がない。したがって、貫通孔13にジョイント部材5の係止部が通過して裏面側に突出できる程度の空間があれば、水切り板3bの屋内側面に断熱材などを設けても、水切り板の連結作業において特に手間となることがない。
【0044】
なお、上記実施形態においては、ジョイント部材5を回転させやすくするためにつまみ22を設ける構成としたが、特にこれに限定されるものではなく、例えば、他の部材を差し込んで回転させやすくするための部材挿入用凹部などを設けるように構成されていてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1A】本発明の1実施形態にかかる水切り板の連結構造を用いた階間胴差部の構成例を示す図である。
【図1B】図1Aの水切り板の連結部分の構成を示す拡大図である。
【図2A】図1Aにおいて使用される水切り板の構成を示す平面図である。
【図2B】図2AのIIB−IIB断面における断面図である。
【図3A】図1Aに示す水切り板の連結に用いられるジョイント部材5の斜視図である。
【図3B】図3Aのジョイント部材の他の角度から見た斜視図である。
【図3C】図3Aのジョイント部材の平面図である。
【図4A】貫通孔が重なるように、2枚の水切り板を重ね合わせた状態を示す図である。
【図4B】ジョイント部による2枚の水切り板の連結固定がされた状態を示す図である。
【図5A】ジョイント部の変形例を示す図である。
【図5B】ジョイント部の別の変形例を示す図である。
【図5C】ジョイント部のさらに別の変形例を示す図である。
【図6A】従来の水切り板の連結構造を用いた階間胴差部の構成例を示す図である。
【図6B】図6Aの水切り板の連結部分の構成を示す拡大図である。
【図7A】水切り板を重ね合わせてネジを用いて固定する場合の従来例を示す図である。
【図7B】水切り板を重ね合わせてネジを用いて固定する場合の従来例を示す図である。
【符号の説明】
【0046】
1 胴差
2 断熱材
3,3a,3b 水切り板
4 ビス
5 ジョイント部材
6 外装パネル
7 裏打ち材
8 間隙
9 パネルフレーム
12 端部シール部材
13 貫通孔
14 底辺シール部材
21 本体部
22 つまみ
23 脚部
24 係止部
25 突出部
26 傾斜面
27 底面
29 脚部形成面
【特許請求の範囲】
【請求項1】
階間の胴差の外側に位置し、前記階間胴差に沿って設置される水切り板の連結構造であって、
前記水切り板は、長手方向端部近傍に貫通孔が設けられ、隣接する2枚の水切り板の端部のみが重なるように前記貫通孔を合わせて配置され、
前記2枚の水切り板を前記2枚の貫通孔を通過して配置されるジョイント部材で固定するとともに、
前記ジョイント部材は、平板状の本体部から垂設され2枚の水切り板の厚み寸法と同一または2枚の水切り板の厚み寸法よりも短い脚部の先端に回転軸非対称形の係止部が設けられ、前記係止部はその底面が前記本体部に対して傾斜して設けられていることを特徴とする、水切り板の連結構造。
【請求項2】
前記水切り板は前記貫通孔が設けられている近傍に弾性のシール部材が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の水切り板の連結構造。
【請求項3】
前記水切り板は合成樹脂で構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の水切り板の連結構造。
【請求項4】
前記ジョイント部材は本体部の脚部形成面に突出部が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の水切り板の連結構造。
【請求項1】
階間の胴差の外側に位置し、前記階間胴差に沿って設置される水切り板の連結構造であって、
前記水切り板は、長手方向端部近傍に貫通孔が設けられ、隣接する2枚の水切り板の端部のみが重なるように前記貫通孔を合わせて配置され、
前記2枚の水切り板を前記2枚の貫通孔を通過して配置されるジョイント部材で固定するとともに、
前記ジョイント部材は、平板状の本体部から垂設され2枚の水切り板の厚み寸法と同一または2枚の水切り板の厚み寸法よりも短い脚部の先端に回転軸非対称形の係止部が設けられ、前記係止部はその底面が前記本体部に対して傾斜して設けられていることを特徴とする、水切り板の連結構造。
【請求項2】
前記水切り板は前記貫通孔が設けられている近傍に弾性のシール部材が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の水切り板の連結構造。
【請求項3】
前記水切り板は合成樹脂で構成されていることを特徴とする、請求項1又は2に記載の水切り板の連結構造。
【請求項4】
前記ジョイント部材は本体部の脚部形成面に突出部が形成されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか1つに記載の水切り板の連結構造。
【図1A】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【図1B】
【図2A】
【図2B】
【図3A】
【図3B】
【図3C】
【図4A】
【図4B】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6A】
【図6B】
【図7A】
【図7B】
【公開番号】特開2008−38470(P2008−38470A)
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−214334(P2006−214334)
【出願日】平成18年8月7日(2006.8.7)
【出願人】(000001096)倉敷紡績株式会社 (296)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年2月21日(2008.2.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年8月7日(2006.8.7)
【出願人】(000001096)倉敷紡績株式会社 (296)
【Fターム(参考)】
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