説明

隔壁付きガラス基板の製造方法

【課題】化学耐久性に優れる無鉛ガラスを用いた隔壁付きガラス基板の製造方法の提供。
【解決手段】ガラス基板上に形成された電極を、下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiOを9〜40%、Bを13〜40%、ZnOを5〜35%、Alを4〜15%、Biを16〜28%含有し、ZnO含有量が(B含有量+10モル%)以下である無鉛ガラスの粉末と、その粉末100質量部に対して0.1〜40質量部の割合の無機酸化物粉末とを含有するガラスセラミックス組成物を含有するグリーンシートまたは同ガラスセラミックス組成物を含有するガラスペーストによって被覆して焼成し、そのグリーンシートまたはガラスペーストの焼成体の上にエッチング法によって隔壁を形成する隔壁付きガラス基板の製造方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ガラス基板上に形成された銀、ITO(スズがドープされた酸化インジウム)、酸化スズ、酸化亜鉛、アルミニウム、クロムなどの電極を絶縁被覆するのに好適な電極被覆用無鉛ガラス、およびプラズマディスプレイ装置(以下、PDPという。)の製造に用いられる隔壁付きガラス基板の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、薄型の平板型カラー表示装置が注目を集めている。このような表示装置では画像を形成する画素における表示状態を制御するために各画素に電極が形成される。このような電極としては銀、ITO、酸化スズ、アルミニウム、クロムなどが用いられている。
【0003】
前記表示装置の表示面として使用されるガラス基板の表面に形成される電極は、精細な画像を実現するために細い線状に加工される。そして各画素を独自に制御するためには、このような微細に加工された電極相互の絶縁性を確保する必要がある。ところが、ガラス基板の表面に水分が存在する場合やガラス基板中にアルカリ成分が存在する場合、このガラス基板の表面を介して若干の電流が流れることがある。このような電流を防止するには、電極間に絶縁層を形成することが有効である。このような絶縁層を形成する絶縁材料としては種々のものが知られているが、なかでも、信頼性の高い絶縁材料であるガラス材料が広く用いられている。多くの場合、前記被覆用絶縁層は焼結性、絶縁性などの点から鉛を含有するガラスが用いられている。
【0004】
電極被覆用ガラスには、先に述べたような電気絶縁性の他に、典型的には、軟化点(Ts)が450〜600℃であること、50〜350℃における平均線膨張係数(α)が60×10−7〜85×10−7/℃であること、等が求められており、種々のガラスが従来提案されている。
近年は鉛を含有しないガラスが望まれており、たとえば、質量百分率表示で、B 34.0%、SiO 4.4%、ZnO 49.9%、BaO 3.9%、KO 7.8%、からなる電極被覆用ガラスが開示されている(特許文献1参照)。
【0005】
最近大型平面カラーディスプレイ装置として期待されているPDPにおいては、表示面として使用される前面基板、背面基板および隔壁によりセルが区画形成されており、そのセル中でプラズマ放電を発生させることにより画像が形成される。前記前面基板及び背面基板の表面には電極が形成されており、この電極をプラズマから保護するために、プラズマ耐久性に優れたガラスにより前記電極を被覆する必要がある。
【0006】
このような電極被覆に用いられるガラスは、通常はガラス粉末にして使用される。たとえば、前記ガラス粉末に必要に応じて無機酸化物フィラー等を添加した上で樹脂、溶剤等と混合してガラスペーストとしこれを電極が形成されているガラス基板に塗布後焼成する、前記ガラス粉末に必要に応じて無機酸化物フィラー等を混合した上で樹脂、溶剤等と混合して得られたスラリーをグリーンシートに成形しこれを電極が形成されているガラス基板上にラミネート後焼成する、等の方法によって前記電極が被覆される。
【0007】
PDPでは背面基板上の電極を被覆した絶縁層(電極被覆ガラス層)の上に隔壁を形成する。隔壁の形成方法は様々なものが提案されており、その一つとしてエッチング法が知られている。
エッチング法では隔壁用ペーストを絶縁層の上に塗布、焼成して隔壁形成用ガラス層を形成した後、隔壁形成に不必要な部分をパターニングにより露出させ、酸等にて選択的に除去することで隔壁の形成を行う(特許文献2参照)。
【0008】
エッチング法では酸等によって隔壁形成用ガラス層を侵食することで隔壁区画を形成するため、その過程で、隔壁の下に位置する電極被覆ガラス層の一部も酸等にさらされる。このため、エッチング法に用いる電極被覆材料は化学耐久性が強いことが求められる。
【0009】
【特許文献1】特開2002−249343号公報
【特許文献2】特開2000−95542号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
エッチング法に用いられる電極被覆ガラス層としては鉛含有ガラスが使用されているが、これを鉛に含有しないものにしようとすると化学耐久性が低下してエッチング時に電極被覆ガラス層が侵食されやすくなる問題があった。
本発明は、化学耐久性に優れ、PDP背面基板の電極被覆に用いることが可能な電極被覆用無鉛ガラスの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明は、下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiOを9〜40%、Bを13〜40%、ZnOを5〜35%、Alを4〜15%、Biを16〜28%含有し、ZnO含有量が(B含有量+10モル%)以下である電極被覆用無鉛ガラス(本発明の第1のガラス)を提供する。
また、下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiO 15〜40%、B 13〜40%、ZnO 5〜29%、Al 4〜15%、Bi 21〜28%から本質的になり、ZnO含有量が(B含有量+10モル%)以下である電極被覆用無鉛ガラス(本発明の第2のガラス)を提供する。
【0012】
また、前記電極被覆用無鉛ガラスの粉末と、その粉末100質量部に対して0.1〜40質量部の割合の無機酸化物粉末とを含有する電極被覆用ガラスセラミックス組成物を提供する。
また、無機酸化物粉末が、TiO、ZnO、SiO、Al、ZrO、P、Fe、MnO、CrおよびCoからなる群から選ばれた1種以上の無機酸化物の粉末である前記電極被覆用ガラスセラミックス組成物を提供する。
【0013】
また、PDPの製造に用いられる隔壁付きガラス基板の製造方法であって、ガラス基板上に形成された電極を前記電極被覆用ガラスセラミックス組成物を含有するグリーンシートまたは同電極被覆用ガラスセラミックス組成物を含有するガラスペーストによって被覆して焼成し、そのグリーンシートまたはガラスペーストの焼成体の上にエッチング法によって隔壁を形成する隔壁付きガラス基板の製造方法を提供する。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、エッチング法を用いた隔壁形成を行うときの電極被覆に用いられるガラスを鉛を含有しないものにできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
本発明の電極被覆用ガラス(以下、本発明のガラスという。)は通常、粉末状にして使用される。
たとえば、本発明のガラスの粉末、または本発明のガラスの粉末に光学特性、電気特性もしくは色調調整のため無機酸化物フィラーを添加したガラスセラミックス組成物を、印刷性を付与するための有機ビヒクル等を用いてガラスペーストとし、ガラス基板上に形成された電極上に前記ガラスペーストを塗布、焼成して電極を被覆する。
なお、有機ビヒクルとはエチルセルロース等のバインダをα−テルピネオール等の有機溶剤に溶解したものである。また、ガラスペーストに限らず先に述べたようなグリーンシート法を用いて電極を被覆してもよい。
【0016】
PDPにおいては、本発明のガラスは銀電極の被覆に好適に使用される。
本発明のガラスを用いたPDPの製造は、たとえば交流方式のものであれば次のようにして行われる。
パターニングされた透明電極およびバス線(典型的には銀線)をガラス基板の表面に形成し、その上に透明電極被覆用ガラスの粉末をガラスペースト法またはグリーンシート法によって塗布・焼成してガラス層を形成し、最後に保護膜として酸化マグネシウムの層を形成して前面基板とする。
【0017】
一方、パターニングされたアドレス用電極を別のガラス基板の表面に形成し、その上に本発明のガラス粉末または本発明のガラス粉末と無機酸化物粉末との混合物(ガラスセラミックス組成物)をガラスペーストとしたものを塗布・焼成してガラス層またはガラス含有層(以下、これをもガラス層ということがある。)を形成し、その上にエッチング法やサンドブラスト法等にて隔壁を形成する。なお、本発明の隔壁付きガラス基板の製造方法においてはエッチング法にて隔壁を形成する。
エッチング法で隔壁を形成する場合、従来の電極被覆用無鉛ガラスでは浸食が生じやすかったが、本発明のガラスを用いることによりその問題はなくなる、または軽減される。
【0018】
隔壁を形成して隔壁付きガラス基板とした後、さらに蛍光体層を印刷・焼成して背面基板とする。なお、前記ガラス層を形成するのにガラスペーストを使用せず、グリーンシート法等を用いてもよい。
前面基板と背面基板の周縁にシール材をディスペンサで塗布し、前記透明電極と前記アドレス用電極が対向するように組み立てた後、焼成してPDPとする。そしてPDP内部を排気して、放電空間(セル)にNeやHe−Xeなどの放電ガスを封入する。
なお、上記の例は交流方式のものであるが、本発明のガラスは直流方式のものにも適用できる。
【0019】
本発明のガラスのTsは600℃以下であることが好ましい。600℃超では、通常使用されているガラス基板(ガラス転移点:550〜620℃)が焼成時に変形するおそれがある。Tsは典型的には450℃以上、より典型的には500℃以上である。
【0020】
前記ガラス基板としては通常、αが80×10−7〜90×10−7/℃のものが用いられる。したがってこのようなガラス基板と膨張特性をマッチングさせ、ガラス基板のそりや強度の低下を防止するためには、本発明のガラスまたは本発明のセラミックス組成物の焼成体のαは好ましくは60×10−7〜90×10−7/℃、より好ましくは65×10−7〜85×10−7/℃である。
【0021】
次に、本発明の第1のガラスの組成についてモル百分率表示を用いて説明する。
【0022】
SiOは化学耐久性を向上させる、またはαを小さくする成分であり、必須である。9%未満では化学耐久性が低下する、またはαが大きくなる。典型的には10%以上である。化学耐久性をより高くしたい等の場合には15%以上とすることが好ましい。40%超ではTsが高くなる。好ましくは37%以下、より好ましくは35%以下である。
【0023】
はガラスを安定化させる成分であり、必須である。13%未満ではガラスが不安定になる。好ましくは15%以上、より好ましくは17%以上である。40%超では化学耐久性が低下する。好ましくは37%以下、より好ましくは35%以下である。
【0024】
ZnOはTsを低下させる成分であり、必須である。5%未満ではTsが高くなる。好ましくは7%以上、より好ましくは10%以上である。35%超では化学耐久性が低下する。化学耐久性をより高くしたい等の場合には29%以下とすることが好ましい。
また、ZnOはガラスを安定化させる等のために(B+10%)以下とされる。典型的には(B+7%)以下である。
【0025】
Alはガラスを安定化させる、または、被覆される電極がたとえば銀電極である場合には電気特性の低下を防止または抑制しつつ化学耐久性を高くできる成分であり、必須である。4%未満では化学耐久性が低下する。15%超ではかえってガラスが不安定になる。典型的には10%以下である。
【0026】
BiはTsを低下させる、化学耐久性を向上させる、またはαを大きくする成分であり、必須である。16%未満ではTsが高くなる、または化学耐久性が低下する。28%超ではαが大きくなりすぎる。好ましくは27%以下、より好ましくは26%以下である。
【0027】
化学耐久性を高くしたい等の場合、SiOは15%以上、ZnOは29%以下、Biが21%以上であることが好ましい。この態様においては、ZnOの質量百分率表示含有量は典型的には7%以上、Biの同表示含有量は典型的には51%以上である。
銀発色現象の発生を防止または抑制したい等の場合、SiOは10〜25%、Bは20〜35%、ZnOは17%以上、Alは10%以下、Biは21%未満であることが好ましい。この態様においては、ZnOの質量百分率表示含有量が7%以上、Biの同表示含有量が51%以上、またはBiの同表示含有量が64%以下であることが典型的であり、ZnOの同表示含有量が12%以上であることが好ましい場合もある。
【0028】
本発明の第1のガラスは本質的に上記成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を含有してもよい。そのような成分を含有する場合それらの含有量の合計は、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下である。
このような成分について以下に説明する。なお、本発明の第1のガラスはPbOを含有しない。
【0029】
Tsを低下させるためにMgO、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれた1種以上の成分を合計で15%まで含有してもよい場合がある。15%超では化学耐久性が低下する、またはαが大きくなりすぎる。典型的には12%以下である。
【0030】
Tsを低下させるためにLiO、NaOおよびKOからなる群から選ばれた1種以上の成分を合計で10%まで含有してもよい場合がある。10%超では化学耐久性が低下する、またはαが大きくなりすぎる。好ましくは合計で7%以下、より好ましくは5%以下である。
【0031】
ガラスの着色等のために、CoO、CuO、CeO、MnOおよびSnOからなる群から選ばれた1種以上の成分を合計で3%まで含有してもよい場合がある。
前記その他の成分として他に、Laなどの希土類酸化物(CeOを除く)、P、Fe、NiO、GeO、Y、MoO、Rh、AgO、In、TeO、WO、ReO、V、PdOが例示される。
なお、ZrOは含有しないことが好ましい場合がある。
【0032】
次に、本発明の第2のガラスの組成についてモル百分率表示を用いて説明する。
SiOは化学耐久性を向上させる、またはαを小さくする成分であり、必須である。15%未満では化学耐久性が低下する、またはαが大きくなる。好ましくは18%以上、より好ましくは20%以上である。化学耐久性をより高くしたい等の場合には25%以上とすることが好ましい。40%超ではTsが高くなる。好ましくは37%以下、より好ましくは35%以下である。
【0033】
はガラスを安定化させる成分であり、必須である。13%未満ではガラスが不安定になる。好ましくは15%以上、より好ましくは17%以上である。40%超では化学耐久性が低下する。好ましくは37%以下、より好ましくは35%以下である。
【0034】
ZnOはTsを低下させる成分であり、必須である。5%未満ではTsが高くなる。好ましくは7%以上、より好ましくは10%以上である。29%超では化学耐久性が低下する。好ましくは26%以下、より好ましくは24%以下である。ZnOの質量百分率表示含有量は典型的には7%以上である。
また、ZnOはガラスを安定化させる等のために(B+10%)以下とされる。好ましくは(B+7%)以下、より好ましくは(B+5%)以下である。
【0035】
Alはガラスを安定化させる成分であり、必須である。4%未満ではガラスが不安定になる。好ましくは5%以上、より好ましくは6.5%以上である。15%超ではかえってガラスが不安定になる。好ましくは13%以下、より好ましくは11%以下である。
典型的には、SiOが23〜33%、Bが15〜31%、ZnOが7〜17%、Alが5〜9%である。
【0036】
BiはTsを低下させる、化学耐久性を向上させる、またはαを大きくする成分であり、必須である。21%未満ではTsが高くなる、または化学耐久性が低下する。好ましくは22%以上、より好ましくは23%以上である。28%超ではαが大きくなりすぎる。好ましくは27%以下、より好ましくは26%以下である。Biの質量百分率表示含有量は典型的には51%以上である。
【0037】
本発明の第2のガラスは本質的に上記成分からなるが、本発明の目的を損なわない範囲でその他の成分を含有してもよい。そのような成分を含有する場合それらの含有量の合計は、好ましくは15%以下、より好ましくは10%以下である。
このような成分について以下に説明する。なお、本発明の第2のガラスはPbOを含有しない。
【0038】
Tsを低下させるためにMgO、CaO、SrOおよびBaOからなる群から選ばれた1種以上の成分を合計で10%まで含有してもよい場合がある。10%超では化学耐久性が低下する、またはαが大きくなりすぎる。好ましくは合計で7%以下、より好ましくは5%以下である。
【0039】
Tsを低下させるためにLiO、NaOおよびKOからなる群から選ばれた1種以上の成分を合計で10%まで含有してもよい場合がある。10%超では化学耐久性が低下する、またはαが大きくなりすぎる。好ましくは合計で7%以下、より好ましくは5%以下である。
【0040】
ガラスの着色等のために、CoO、CuO、CeO、MnOおよびSnOからなる群から選ばれた1種以上の成分を合計で3%まで含有してもよい場合がある。
前記その他の成分として他に、Laなどの希土類酸化物(CeOを除く)、P、Fe、NiO、GeO、Y、MoO、Rh、AgO、In、TeO、WO、ReO、V、PdOが例示される。
なお、ZrOは含有しないことが好ましい場合がある。
【実施例】
【0041】
表1、2のSiOからMnOまでの欄にモル百分率表示で示す組成となるように、原料を調合して混合し、1200〜1350℃の電気炉中で白金ルツボを用いて1時間溶融し、薄板状ガラスに成形した後、ボールミルで粉砕し、ガラス粉末を得た。なお、表3、4には各ガラス粉末の質量百分率表示組成を示す。
例1〜16のガラスは本発明の第1のガラス、このうち例1〜5は本発明の第2のガラスであり、例15、16は本発明のガラスと比較されるべきガラスである。なお、例15、16は溶解時に目視観察したところ溶け残り等が確認されたので以下に述べる測定等は行わなかった。
【0042】
これらガラス粉末について、ガラス転移点Tg(単位:℃)、軟化点Ts(単位:℃)、前記平均線膨張係数α(単位:10−7/℃)を次に述べるようにして測定した。結果を表に示す。なお、例5のTg、Tsは組成から推定した値である。
Tg、Ts:800℃までの範囲で示差熱分析計を用いて測定した。
α:ガラス粉末を加圧成形後、Tsより30℃高い温度で10分間焼成して得た焼成体を直径5mm、長さ2cmの円柱状に加工し、熱膨張計で50〜350℃の平均線膨張係数を測定した。
【0043】
また、前記薄板状ガラスを10mm×10mm程度に切り出し、42℃に保持した0.4質量%の硝酸溶液に33分間浸漬し、浸漬前後でのガラスの質量減少率を測定した。結果を表の化学耐久性(単位:%)の欄に示す。この質量減少率は11%未満であることが好ましく、より好ましくは10%未満である。
【0044】
【表1】

【0045】
【表2】

【0046】
【表3】

【0047】
【表4】

【産業上の利用可能性】
【0048】
PDPの背面基板の電極被覆および背面基板に利用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プラズマディスプレイ装置の製造に用いられる隔壁付きガラス基板の製造方法であって、ガラス基板上に形成された電極を、下記酸化物基準のモル百分率表示で、SiOを9〜40%、Bを13〜40%、ZnOを5〜35%、Alを4〜15%、Biを16〜28%含有し、ZnO含有量が(B含有量+10モル%)以下である無鉛ガラスの粉末と、その粉末100質量部に対して0.1〜40質量部の割合の無機酸化物粉末とを含有するガラスセラミックス組成物を含有するグリーンシートまたは同ガラスセラミックス組成物を含有するガラスペーストによって被覆して焼成し、そのグリーンシートまたはガラスペーストの焼成体の上にエッチング法によって隔壁を形成する隔壁付きガラス基板の製造方法。
【請求項2】
前記無鉛ガラスにおいて、SiOが15モル%以上、ZnOが29モル%以下、Biが21モル%以上である請求項1の隔壁付きガラス基板の製造方法。
【請求項3】
前記無鉛ガラスにおいて、SiOが23〜33モル%、Bが15〜31モル%、ZnOが7〜17モル%、Alが5〜9モル%である請求項2の隔壁付きガラス基板の製造方法。
【請求項4】
前記無鉛ガラスにおいて、SiOが10〜25モル%、Bが20〜35モル%、ZnOが17モル%以上、Alが10モル%以下、Biが21モル%未満である請求項1の隔壁付きガラス基板の製造方法。
【請求項5】
前記無鉛ガラスが、CoO、CuO、CeO、MnOおよびSnOからなる群から選ばれた1種以上の成分を合計で3モル%以下含有する請求項1〜4のいずれかの隔壁付きガラス基板の製造方法。
【請求項6】
前記無機酸化物粉末が、TiO、ZnO、SiO、Al、ZrO、P、Fe、MnO、CrおよびCoからなる群から選ばれた1種以上の無機酸化物の粉末である請求項1〜5のいずれかの隔壁付きガラス基板の製造方法。

【公開番号】特開2008−50252(P2008−50252A)
【公開日】平成20年3月6日(2008.3.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−152779(P2007−152779)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【出願人】(000000044)旭硝子株式会社 (2,665)
【Fターム(参考)】