説明

障害者プローブ情報収集システム、情報収集サーバ、障害者プローブ情報収集方法および障害者プローブ情報収集プログラム

【課題】歩行に何らかの障害を有する障害者や高齢者が移動に際して有用な情報を的確に収集し、これを障害者や高齢者に提供できるようにする。
【解決手段】歩行に障害のあるユーザが使用する携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…から、移動時に、取得手段を通じて取得する現在位置を示す情報と、ユーザの障害の種別を示す情報とを含むプローブ情報を形成し、これを地図情報提供サーバ1に送信する。地図情報提供サーバ1は、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…からのプローブ情報を受信して収集し、これを分析して、障害の程度に応じて通行可能なルートを示すことが可能な歩行者ネットワーク情報を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、歩行に障害のあるユーザからいわゆるプローブ情報を収集して用いるようにするためのシステム、装置、方法、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、インターネット上に設けられた地図検索サイトを通じて、高度に整備された地図情報を用いたルート検索サービスなどの提供を受けることができるようになってきている。従来は、自動車により移動する場合のルート検索や電車などの交通機関を用いて移動する場合のルート検索が主に行われていた。
【0003】
近年においては、歩行者の視点に立ち、地図の提供者によって独自に調査された歩道、地下街、アーケード、階段、建物内通路などの情報からなる歩行可能な経路を示す情報(歩行者ネットワーク情報)が整備されるようになってきている。この歩行者ネットワーク情報により、徒歩により移動する場合のルート検索(歩行者ルート検索)も行えるようになってきている。
【0004】
また、歩行者ルート検索に関連する技術については、健常者用のものに限られず、障害者や高齢者をも考慮して、バリア(障壁)を取り払ったものとなるようにする種々の工夫が行われている。例えば、後に記す特許文献1には、移動時に車椅子等の補助器具を用いたり、介助が必要であったりする障害者やお年寄りに必要な介助サポートを自動的に手配可能なナビゲーションシステムに関する提案がなされている。
【0005】
また、後に記す特許文献2には、高齢者や障害者といった移動に困難を感じる機会の多い歩行者等に対して、障害者用トイレなどのバリアフリー施設や目的地までの経路の目安となる各種施設に関する情報を提供する歩行者施設案内システム等に関する技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2005−056208号公報
【特許文献2】特開2003−148993号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述した特許文献1や特許文献2などに記載されているように、従来から車椅子を使用するなど、歩行に何らかの障害を有する障害者や高齢者に対して、移動に際して有用な情報を提供できるようにすることが考えられている。しかしながら、障害者等にとって移動に際して有用な情報は、健常者ではなく障害者自身の目線で収集された情報でなければ役に立たないといわれている。
【0008】
例えば、健常者にとっては何の危険も感じない歩道であっても、自動車の出入口に急な勾配が設けられているために、車椅子や杖をついての歩行の場合には転倒などの危険があったり、段差があるために車椅子では通れなかったりすることがある。また、出入り口にスロープを設けることにより障害者の方でも利用可能なトイレを設けても、周囲に段差や障害物があるために結果として遠回りしないと辿りつけないといった場合もある。
【0009】
このため、歩行に何らかの障害を有する障害者や高齢者は、自分自身で実際に移動してみたり、同じ障害を有する方から情報を得たりして、通行できるルートや利用可能な施設等を把握し、自己の行動範囲を確保している状況がある。
【0010】
以上のことに鑑み、この発明は、歩行に何らかの障害を有する障害者や高齢者が移動に際して有用な情報を的確に収集し、これを障害者や高齢者に提供できるようにして、移動をアシストできるようにすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため、請求項1に記載の発明の障害者プローブ情報収集システムは、
情報収集サーバと歩行に障害のあるユーザが使用する携帯端末とが、ネットワークを通じて接続されて形成される障害者プローブ情報収集システムであって、
前記情報収集サーバは、
歩行者が歩行可能な経路を示す歩行者ネットワーク情報を記憶する歩行者ネットワーク情報記憶手段と、
前記携帯端末からの前記携帯端末の現在位置を示す情報と前記携帯端末のユーザの障害の種別を示す情報とを含むプローブ情報を受信する第1の受信手段と、
収集される前記プローブ情報を、前記歩行者ネットワーク情報記憶手段の前記歩行者ネットワーク情報に反映させることにより、障害の種別に応じて通行可能なルートを示すことが可能な障害者用の歩行者ネットワーク情報を前記歩行者ネットワーク情報記憶手段に形成する形成手段と
を備え、
前記携帯端末は、
自機の現在位置を取得する取得手段と、
取得した前記現在位置を示す情報とユーザの障害の種別を示す情報とを含む前記プローブ情報を形成する第1の形成手段と、
前記プローブ情報を前記情報収集サーバに送信する第1の送信手段と
を備えることを特徴とする。
【0012】
この請求項1に記載の発明の障害者プローブ情報収集システムによれば、歩行に障害のあるユーザが使用する携帯端末からは、取得手段を通じて取得された現在位置を示す情報と、ユーザの障害の種別を示す情報とを含むプローブ情報が第1の形成手段により形成され、第1の送信手段を通じて情報収集サーバに送信される。一方、情報収集サーバは、歩行者が歩行可能な経路を示す歩行者ネットワーク情報を記憶する歩行者ネットワーク情報記憶手段を備えている。そして、情報収集サーバにおいては、第1の受信手段を通じて、携帯端末からのプローブ情報が受信されて収集され、これが形成手段により、歩行者ネットワーク情報記憶手段の歩行者ネットワーク情報に反映されることにより、障害の種別に応じて通行可能なルートを示すことが可能な障害者用の歩行者ネットワーク情報が歩行者ネットワーク情報記憶手段に形成される。
【0013】
これにより、歩行に障害のあるユーザが使用する携帯端末から直接に、障害者自身の目線で収集されたプローブ情報を収集することができるようにされる。そして、収集されるプローブ情報から障害の種別に応じて通行可能なルートを示すことが可能な歩行者ネットワーク情報が形成され、これを提供することができるようにされる。すなわち、歩行に何らかの障害を有する障害者や高齢者が移動に際して有用な情報を的確に収集し、これを提供することができるようにされる。
【0014】
なお、プローブ情報は、一般に、自動車を“走るセンサー”に見立てて、渋滞状況や天候の変化、危険箇所などの情報を集める仕組みであるプローブ情報ネットワークにおいて、各自動車から送信されてくる種々のセンサー情報を意味する場合が多い。しかし、この明細書におけるプローブ(probe)情報は、歩行に障害のあるユーザが主に徒歩で移動する場合に、当該ユーザが携帯している携帯端末から送信される情報であって、当該携帯端末の現在位置やユーザの障害の種別を示す情報を含むものである。
【0015】
また、この明細書において、「歩行に障害のあるユーザが主に徒歩で移動する場合」とは、文字通り徒歩で移動する場合の他、車椅子、杖、義足といった種々の移動用福祉用具や歩行補助用具などを用いて移動する場合を意味する。なお、車椅子には、ユーザが手で車輪を回転させて移動するものだけではなく、電動式のものをも含む。また、プローブ情報には、例えば、現在時刻を示す情報など、当該携帯端末が取得したり、保持したりしている種々の情報を含めることも可能である。
【発明の効果】
【0016】
この発明によれば、歩行に何らかの障害を有する障害者や高齢者が移動に際して有用な情報を的確に収集し、これを障害者や高齢者に提供できるようにして、移動をアシストすることができる。すなわち、従来にない、信頼性の高いバリアフリーナビゲーションを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】この発明の一実施の形態が適用された障害者プローブ情報収集システムを説明するための図である。
【図2】地図情報提供サーバ1の構成例を説明するためのブロック図である。
【図3】ユーザ登録DB111の登録データの例を説明するための図である。
【図4】障害者用プローブ情報ファイル103に格納される格納データの例を説明するための図である。
【図5】歩行者ネットワーク情報ファイル106に格納される歩行者ネットワーク情報の例を説明するための図である。
【図6】携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…の構成例を説明するためのブロック図である。
【図7】メニューの具体例やプローブ情報を送信する場合の表示画面の具体例について説明するための図である。
【図8】携帯電話端末4から送信される情報の基本的なレイアウトについて説明するための図である。
【図9】携帯電話端末4から地図情報提供サーバ1に送信されるプローブ情報の例を説明するための図である。
【図10】地図情報提供サーバ1の基本的な動作を説明するためのフローチャートである。
【図11】携帯電話端末4において行われるプローブ情報の生成及び送信処理を説明するためのフローチャートである。
【図12】図11に続くフローチャートである。
【図13】ナビゲーションサービスの提供を受ける場合の携帯電話端末4の表示部413の表示画面に表示される情報入力画面の一例を説明するための図である。
【図14】携帯電話端末4の表示部413の表示画面に表示されるナビゲーションサービスの提供画面の一例を説明するための図である。
【図15】携帯電話端末4において行われるナビゲーションサービスの利用処理を説明するためのフローチャートである。
【図16】地図情報提供サーバ1のナビゲーションサービス時の動作について説明するためのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、図を参照しながら、この発明によるシステム、装置、方法、プログラムの一実施の形態について説明する。
【0019】
[障害者プローブ情報収集システムの概要]
図1は、この発明のシステム、装置、方法、プログラムの一実施の形態が適用された障害者プローブ情報収集システムを説明するための図である。図1に示すように、この実施の形態の障害者プローブ情報収集システムは、地図情報提供サーバ1に対し、ネットワーク2を通じて携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…等の通信端末が接続されて形成される。携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…等のそれぞれは、図1に示したように、近隣の基地局3(1)、3(2)、3(3)、…を通じて、ネットワーク2に接続される。
【0020】
地図情報提供サーバ1は、詳しくは後述もするが、地図データベースや歩行者ネットワーク情報を備え、ネットワーク2を通じて送信されてくる地図の検索要求や歩行者のルート検索要求などに応じた情報を提供することができるものである。さらに、この実施の形態の地図情報提供サーバ1は、歩行に障害を有する障害者の方が使用している携帯電話端末からのいわゆるプローブ情報を収集して分析するようにし、その結果を用いて歩行者ネットワーク情報を整備し、その情報をも提供できるようにするものである。このように、地図情報提供サーバ1は、要求に応じて地図情報やルート情報を提供する情報提供機能の他に、障害者の方の利用する携帯電話端末からのプローブ情報を収集し、いわゆるバリアフリーの歩行者ネットワーク情報を整備する情報収集機能をも備えたものである。
【0021】
ネットワーク2は、基地局3(1)、3(2)、3(3)、…等を含む携帯電話網や各家庭などに設置された固定電話端末等が接続される公衆交換電話網やインターネットなど、種々の広域ネットワークを含むものである。また、ネットワーク2に対しては、家庭や会社などに形成されたLAN(Local Area Network)やイントラネットなどを通じてユーザの通信機器が接続される場合もある。このように、この実施の形態においてネットワーク2は、地図情報提供サーバ1と携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれとを接続する種々の通信ネットワークからなるものである。
【0022】
携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれは、携帯電話機能により音声による電話通信(通話)を行うことができるものである。また、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれは、ネットワーク2を通じて種々の情報の送受信をも行うことができるものである。具体的に携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれは、ネットワーク2上のサーバ装置にアクセスし、Webページの閲覧や種々の情報のダウンロードやアップロードを行うことができる。また、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれは、ネットワーク2及び所定のメールサーバを介して電子メールの送受信を行うこともできる。
【0023】
このように、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれは、一般的な携帯電話端末と同様の通信機能を備えたものである。そして、この実施の形態の携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれは、歩行に障害を有する障害者の方によって使用されるものである。具体的には、図1に示したように、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれは、歩行障害の種別(歩行障害の程度)の異なるユーザによって使用されるものである。
【0024】
この実施の形態においては、携帯電話端末4(1)は、車椅子を用いて移動されるユーザによって使用されるものであり、携帯電話端末4(2)は、松葉杖などの2本の杖を用いて移動されるユーザによって使用されるものである。また、携帯電話端末4(3)は、1本の杖を用いて移動されるユーザによって使用されるものであり、携帯電話端末4(4)は、歩行に注意が必要な高齢者のユーザによって使用されるものである。
【0025】
そして、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれは、ユーザ(使用者)が主に徒歩で移動する場合に携帯されているときには、所定のタイミング毎にいわゆるプローブ情報を生成し、これを地図情報提供サーバ1に送信することができるようにしている。プローブ情報は、上述もしたように、歩行に障害のあるユーザが主に徒歩で移動する場合に、当該ユーザが携帯している携帯端末から送信される情報であって、当該携帯端末の現在位置やユーザの障害の種別を示す情報(障害の程度に関する情報)を含むものである。
【0026】
このため、詳しくは後述もするが、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれは、GPS(Global Positioning System)機能を備え、自機の現在位置を正確に測位することができるようになっている。このように、この実施の形態の障害者プローブ情報収集システムは、障害者の方が携帯電話端末を携帯して主に徒歩で移動する場合に、所定のタイミング毎に携帯している携帯電話端末においてプローブ情報を生成し、これを地図情報提供サーバ1に送信する。
【0027】
一方、地図情報提供サーバ1は、障害者の方の携帯電話端末からのプローブ情報を収集して分析するなどの処理を行うことにより、障害者の方の障害の種別に応じて、通行できたルートを把握して、これを歩行者ネットワーク情報に反映する。これにより、いわゆるバリアフリーの歩行者ネットワーク情報を整備し、歩行に障害のあるユーザに対して、その障害の種別(障害の程度)に応じた適切なルートなどの情報を提供することができるようにしている。
【0028】
すなわち、地図情報提供サーバ1は、携帯電話端末からのバリアフリー情報としてのプローブ情報を、ユーザの障害の種別(障害の程度)に応じて、分類しながら収集することができるようにされる。この場合の分類は、少なくとも障害の種別に応じて分類することができることを意味しているが、さらにユーザ毎に分類することができるなど、プローブ情報に含ませる情報によって詳細な分類を行うようにすることも可能である。
【0029】
[地図情報提供サーバ1の構成例]
次に、この実施の形態の障害者プローブ情報収集システムで用いられる地図情報提供サーバ1の構成の概略について説明する。図2は、この実施の形態の地図情報提供サーバ1の構成例を説明するためのブロック図である。
【0030】
図2に示すように、地図情報提供サーバ1は、ネットワーク2への接続端子101、通信I/F102、障害者用プローブ情報ファイル103、プローブ情報分析部104、提供情報生成部105、歩行者ネットワーク情報ファイル106を備えている。さらに、地図情報提供サーバ1は、ユーザ登録データベース(以下、ユーザ登録DBと略称する。)111、地図データベース(以下、地図DBと略称する。)112、制御部120を備えている。
【0031】
制御部120は、地図情報提供サーバ1の各部を制御するものであり、図2に示すように、CPU(Central Processing Unit)121、ROM(Read Only Memory)122、RAM(Random Access Memory)123、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable ROM)124が、CPUバス125を通じて接続されて構成されたマイクロコンピュータである。
【0032】
CPU121は、ROM122やEEPROM124に記憶されているプログラムを読み出して実行し、各部への制御信号を形成し、これを関係する各部に供給したり、また、各部からのデータを受信してこれを処理したりする。ROM112は、CPU121によって実行される種々の処理プログラムや処理に必要となるデータを予め記憶したものである。
【0033】
RAM123は、各種の処理において、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。EEPROM124は、書き換え可能ないわゆる不揮発性メモリであり、電源が落とされても保持しておくべきデータを記憶保持する。具体的に、EEPROM124は、機能追加のための新たなプログラム、各種設定パラメータなど、種々の情報を記憶保持するものである。
【0034】
ユーザ登録DB111は、当該地図情報提供サーバ1に対してプローブ情報の送信が許可された歩行に障害のあるユーザについての種々の情報を記憶保持するものである。このユーザ登録DB111の登録情報に基づいて認証を取るようにすることにより、事前に情報が登録された、真に歩行に障害のあるユーザからのプローブ情報のみを受け付けることができるようにしている。
【0035】
図3は、ユーザ登録DB111の登録データの例を説明するための図である。図3に示すように、ユーザ登録DB111には、ユーザID(ユーザ識別情報)、暗証番号、氏名、性別、年齢、住所、電話番号、メールアドレス、障害種別、特記事項、備考からなる登録データが登録される。
【0036】
ここで、ユーザIDの欄には、登録時に地図情報提供サーバ1側から付与される例えば10桁程度のユーザ毎に固有の識別情報が入力される。暗証番号の欄には、登録時に地図情報提供サーバ1側から付与された、あるいは、ユーザ自身によって入力するようにされた、4桁から10桁程度の認証に用いられるいわゆるパスワード情報が入力される。
【0037】
氏名、性別、年齢のそれぞれの欄には、当該ユーザの氏名、性別、年齢のそれぞれが入力される。また、住所、電話番号、メールアドレスのそれぞれの欄には、ユーザの連絡先を特定するための情報として、住所、電話番号、メールアドレスのそれぞれが入力される。そして、障害種別の欄には、障害の程度を区別するための情報が入力される。例えば、車椅子使用、杖2本使用、杖1本使用、高齢者などといった歩行(移動)の状態やユーザの障害の特徴を示す情報が、障害種別の欄に入力される。
【0038】
また、特記事項の欄には、当該ユーザについて特に把握しておくべき情報が入力される。例えば、車椅子を用いて移動するユーザの場合、移動のために道幅が例えば1m程度必要であること、段差、階段は通行できないこと、介助者の有無などを示す情報等が特記事項の欄に入力される。さらに、備考の欄には、例えば、外出の頻度、外出時に利用する交通機関、よく出かける場所など、当該ユーザに関する種々の情報を入力することができるようにされる。
【0039】
なお、ユーザ登録DB111への情報の登録は、例えば、ネットワーク2を通じて携帯電話端末やパーソナルコンピュータなどの通信端末から行うことが可能である。また、必要な情報を記載した登録用紙をユーザから地図情報提供サーバ1側に郵送するなどし、地図情報提供サーバ1の図示しないキー操作部を通じてオペレータがユーザ登録DB111へのデータの登録操作を行うようにすることもできる。すなわち、ユーザ登録DB111への情報の登録は、様々な態様を取ることが可能である。
【0040】
地図DB112は、山、川、街、行政界、道路、鉄道路線、学校、警察署、消防署、神社仏閣などの種々のランドマークなどの位置、幅、大きさなどが正確に表された例えば日本国内の詳細な地図情報が記憶保持されているものである。この地図DB112の地図情報は、地図の検索サービスや自動車のルート検索などに利用される。
【0041】
接続端子101は、ネットワーク2との接続端部を形成するものである。この接続端子101に対して、ネットワーク2からの通信線路が接続されることになる。通信I/F102は、ネットワーク2を通じて送信されてきた自機宛の種々の情報を受信し、これを自機において処理可能な形式の情報に変換して制御部120に供給する。また、通信I/F102は、制御部120を通じて供給される送信用の種々の情報を、ネットワーク2に送出する形式の信号に変換して、これをネットワーク2に送出する。
【0042】
障害者用プローブ情報ファイル103は、接続端子101及び通信I/F102を通じて受信した、ユーザ登録DB111にユーザ登録された歩行に障害を有するユーザの携帯電話端末からのプローブ情報を蓄積するものである。
【0043】
図4は、障害者用プローブ情報ファイル103に格納される格納データ(プローブ情報)の例を説明するための図である。図4に示すように、障害者用プローブ情報ファイル103の格納データは、ユーザID、暗証番号、障害種別、日時情報、位置情報からなっている。障害種別以外の各情報は、詳しくは後述する携帯電話端末からのプローブ情報によって提供された情報である。また、障害種別は、受信したプローブ情報に含まれるユーザID及び暗証番号に基づいて、ユーザ登録DB111の登録情報を参照することにより取得される情報である。
【0044】
すなわち、この実施の形態においては、ユーザIDがそのユーザを特定することができると共に、地図情報提供サーバ1のユーザ登録DB111の情報に基づいて、当該ユーザの障害の種別(障害の程度)を特定することが可能な障害の種別を示す情報に相当する。このように、障害者用プローブ情報ファイル103には、基本的に、ユーザ登録DB111にユーザ登録されたユーザの携帯電話端末からのプローブ情報が、図4に示した態様で蓄積される。
【0045】
プローブ情報分析部104は、障害者用プローブ情報ファイル103に格納されるプローブ情報を歩行者ネットワーク情報ファイル106の歩行者ネットワーク情報に反映させて分析し、どのような障害種別のどのユーザが、いつ、どのような経路を辿って移動したのか、また、通ることができなかった場所はどこかを把握する。そして、プローブ情報分析部104は、分析結果を歩行者ネットワーク情報ファイル106に格納されている歩行者ネットワーク情報に反映させ、いわゆるバリアフリーの歩行者ネットワーク情報を整備する。
【0046】
歩行者ネットワーク情報ファイル106には、歩行者の視点に立ち、独自に調査した歩行可能な経路情報(歩行者ネットワーク情報)が記憶保持されている。具体的に、歩行者ネットワーク情報は、歩道、地下街、アーケード、階段、建物内通路、横断歩道、歩道橋などの歩行者が通行可能なルートと、そのルート周辺の建物や施設によって構成された歩行者専用のルート情報である。
【0047】
図5は、歩行者ネットワーク情報ファイル106に格納される歩行者ネットワーク情報の例を説明するための図である。図5(a)は、歩行者ネットワークの一例を示している。歩行者ネットワーク情報は、ノードデータとリンクデータとからなる。ノードデータは、ランドマーク、建物、施設、交差点、分岐点、屈曲点などの地点を表す。また、リンクデータは、ノードデータを結ぶ線分によって、歩道、地下街、アーケード、階段、建物内通路、横断歩道、歩道橋などの歩行者が通行可能なルート(歩行者が通行可能な部分)を示す。図5(a)に示した歩行者ネットワーク情報の例は、5つのノードデータ(N1〜N5)と5つのリンクデータ(L1〜L5)とによって構成されている。
【0048】
図5(b)は、図5(a)に示した例の場合のリンクデータの詳細な構成を示している。各リンクデータには、そのリンクを構成するノードデータの番号と、リンクコストと、リンク種別と、障害の種別毎の通行の有無と、障害の種別毎の障壁情報とが対応付けられている。リンクコストは、そのリンクが表す歩道等を通行する際にユーザにかかる負荷を表している。この実施の形態においてリンクコストは、そのリンクが表す歩道等の長さに応じて設定されている。なお、リンクコストは、そのリンクが表す歩道等を通行するのに要する時間に応じて設定されていてもよい。そして、リンクコストは、いわゆるダイクストラ法により、リンクコストが最小となる経路を探索する場合に参照される。
【0049】
リンク種別は、当該リンク部分が、歩道、地下街、アーケード、階段、建物内通路、横断歩道、歩道橋などのどれであるかを示すものである。また、障害の種別毎の通行の有無は、各障害の種別毎に、その障害を有する方が通行したことが有るリンクか否かを示すものである。そして、障壁情報は、各障害の種別毎に、通行の障害となっている何らかの障壁があるリンクか否かを示すものである。
【0050】
そして、図5(b)に示した例の場合、リンクL1、L2、L3は、アーケードや歩道であり、車椅子の方が通行できたことが示されると共に、リンクL4、L5は車椅子の方にとって障壁があり、車椅子の方の通行の実績がないことが示されている。なお、図5(b)においては、障壁情報として、リンクL4には段差があり、また、リンクL5には専用の歩道がないことを示したが、障壁の種類までは特定せず、障壁の有無だけを示すこともできるようにされる。
【0051】
図5(c)は、図5(a)に示した例の場合のノードデータの詳細な構成を示している。各ノードデータには、そのノードの位置を示す緯度、経度情報と、ノード種別と、利用属性と、障害の種別毎の通行の有無と、障害の種別毎の障壁情報とが対応付けられている。ノード種別は、当該ノード部分が、ランドマーク、建物、施設、交差点、分岐点、屈曲点などのどれであるかを示すものである。また、利用種別は、障害を有する方が利用した施設や建物などのノードについて、どの障害種別の方が利用したかを示すものである。また、障害の種別毎の通行の有無は、各障害の種別毎に、その障害を有する方が通行したことが有るノードか否かを示すものである。そして、障壁情報は、各障害の種別毎に、通行の障害となっている何らかの障壁があるノードを示すものである。
【0052】
そして、図5(c)に示した例の場合、ノードN1、N5は交差点であり、ノードN2、N3は横断歩道であり、ノードN4は、○○ホール(例えばコンサートホールのような施設)であることが示されている。そして、ノードN2、N3、N4は車椅子の方が通行できたことが示されると共に、ノードN1、N5は車椅子の方にとって障壁があり、車椅子の方の通行の実績がないことが示されている。また、ノードN4については、車椅子の方による利用実績があることが、利用属性によって示されている。なお、図5(c)においては、障壁情報として、ノードN1には段差が、また、ノードL5には急勾配があることを示したが、障壁の種類までは特定せず、障壁の有無だけを示すこともできるようにされる。
【0053】
そして、図5を用いて説明した歩行者ネットワーク情報の場合には、図5(a)上において、リンクL1上にいる車椅子のユーザが、ノードN4の○○ホールに行くルートとして、L1→N2→L2→N3→L3→N4というルートがあることが示される。逆に、L1→N1→L5→N5→L4→N4というルートは、リンクL4、L5及びノードN1、N5に障壁があるため、車椅子の方が利用可能なルートではないことが示される。このように、歩行者ネットワーク情報ファイル106の歩行者ネットワーク情報は、歩行者が通行可能なルートのみならず、障害の種別に応じて、各障害を有する方が通行可能なルートや通行不能なルートを把握することができるものである。
【0054】
なお、図5(b)、(c)においては、障害の種別としては、車椅子の方、杖2本を用いる方を例示したが、これに限るものではなく、種々の障害の種別の欄を設けて管理することができるようにされる。もちろん、図5に示した例は一例であり、この他に、リンク毎やノード毎に詳細情報等を付加するなどのことも可能である。また、障害の種別をも考慮した通行可能なルートが複数存在する場合には、上述したリンクコストをも考慮し、リンクコストが最小となる通行可能なルートを優先的に提供するように構成することが可能である。
【0055】
ここで、プローブ情報分析部104と歩行者ネットワーク情報ファイル106との連携についてまとめる。プローブ情報分析部104は、上述もしたように、障害者用プローブ情報ファイル103に格納されるプローブ情報を、例えば、障害種別毎であって、ユーザ毎に、歩行者ネットワーク情報ファイル106の歩行者ネットワーク情報上に展開(プロット)し、分析する。そして、障害種別毎に、ユーザにとって何らかの障壁が存在する場所を特定する。具体的には、直進可能なはずなのにユーザがユーターンした場所や迂回した場所、比較的に長い時間に渡ってユーザが滞留した場所などには、当該障害種別のユーザにとって移動に際して何らかの障壁が存在すると予測することができる。
【0056】
そして、プローブ情報分析部104は、歩行者ネットワーク情報ファイル106の歩行者ネットワーク情報上において、障害種別に応じて何らかの障壁が存在する場所として特定した場所に、障害種別に応じた障壁が存在することを示す情報を付加する。地図(道路)情報における車両の高さ制限や重量制限についての情報と同様の設定仕様を用いることによって、歩行者ネットワーク情報ファイル106の歩行者ネットワーク情報に対して、障害種別に応じた障壁情報(規制情報)を付加する。具体的には、図5を用いて上述したように、障害の種別毎に障壁情報を付加する。また、図5を用いて説明したように、障害の種別毎に通行できたリンクやノードを把握することによって、障害の種別毎に通行可能なリンクやノードを把握することもできるようにされる。
【0057】
なお、歩行者ネットワーク情報には、階段のある場所、段差のある場所、自転車等の侵入を防ぐためのポールなどの障害物のある場所、急勾配のある場所、歩道の道幅などが示されている場合もある。そして、歩行者ネットワーク情報上のユーザがユーターンした場所、迂回した場所、しばらく滞留した場所などに、上述した障害物などの情報が存在する場合には、その障害物に関する情報を、通行を阻害する原因として把握する。
【0058】
また、プローブ情報を上述したように処理することにより、ユーザが立ち寄った施設や場所を特定することもできる。当該施設や場所は、同じ障害種別のユーザが利用可能な施設や場所であると推定できる。このため、そのような施設や場所についての情報も、当該歩行者ネットワーク情報に含まれる建物についての属性(利用属性)に付加する。このようにして、プローブ情報分析部104の機能により、歩行者ネットワーク情報ファイル106の歩行者ネットワーク情報が、いわゆるバリアフリーの歩行者ネットワーク情報として整備される。
【0059】
提供情報生成部105は、ネットワーク2を通じて送信されてくるルートの検索要求等に応じて、歩行者ネットワーク情報ファイル106の歩行者ネットワーク情報を参照し、スタート地(出発地)からゴール地(目的地)までのルートを示す地図提供情報(ルート情報)を形成する。ここで形成された地図提供情報は、制御部120の制御に応じて、通信I/F102及び接続端子101を通じてネットワーク2に送出され、要求元の携帯電話端末等に提供されることになる。
【0060】
なお、歩行者ネットワーク情報ファイル106の歩行者ネットワーク情報は、上述もしたように、障害種別に応じた障壁情報(規制情報)が付加されている。このため、提供情報生成部105は、障害種別に応じたルートの案内を行うことができるようにされる。例えば、車椅子を用いて移動する方にとって適切な移動ルートを提供したり、左右に杖を用いて移動する方にとって適切な移動ルートを提供したりするといったことができる。また、上述もしたように、各ユーザの障害種別に応じて、利用可能な施設や場所を案内することもできるようにされる。
【0061】
[携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…の構成例]
次に、この実施の形態の障害者プローブ情報収集システムで用いられる携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…の構成の概略について説明する。図6は、この実施の形態の携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…の構成例を説明するためのブロック図である。この実施の形態において、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれは、同様の構成を有するものである。このため、以下においては、携帯電話端末4(1)、4(2)、4(3)、4(4)、…のそれぞれを総称して、携帯電話端末4と言う。
【0062】
図6に示すように、この実施の形態の携帯電話端末4は、ネットワーク2を通じて通信を行う部分として、送受信アンテナ401、送受信処理部402、受話器(スピーカ)403、送話器(マイクロホン)404を備えている。また、ユーザインターフェースを提供する部分として、キー操作部411、表示制御部412、表示部413、音声処理部414、スピーカ415、バイブレータ416を備えている。
【0063】
表示部413は、例えば、有機ELディスプレイ(organic electroluminescence display)やLCD(Liquid Crystal Display)等のいわゆる薄型の表示素子が用いられている。また、音声処理部414とスピーカ415とは、着信音や警告音、その他の音声メッセージ等を出力するものである。また、バイブレータ416は、例えば、着信時に振動を発生させ、着信をユーザに通知するなどのためのものである。
【0064】
また、携帯電話端末4は、現在年月日、現在曜日、現在時刻を提供する時計回路431を備えると共に、外部入出力端子432、外部インターフェース(以下、外部I/Fと略称する。)433を備えている。また、携帯電話端末4は、GPS部434とGPSアンテナ435とを備えている。これらGPS部434とGPSアンテナ435とは、複数の人口衛星からの測位情報を受信して解析することにより、自機の現在位置を正確に検出(測位)する部分である。
【0065】
そして、携帯電話端末4は、プローブ情報生成部436を備えている。プローブ情報生成部436は、ユーザが主に徒歩で移動する場合に、GPS部434からの現在位置を示す情報や時計回路431からの現在時刻を示す情報等を含むプローブ情報を生成する。ここで生成されたプローブ情報は、後述する制御部420及び送受信処理部402、送受信アンテナ401を通じてネットワーク2に送出され、地図情報提供サーバ1に送信される。
【0066】
さらに、携帯電話端末4は、携帯電話端末4の各部を制御する制御部420を備えている。制御部420は、CPU421、ROM422、RAM423、EEPROM424が、CPUバス425を通じて接続されて形成されたマイクロコンピュータである。ここで、CPU421は、ROM422やEEPROM424に記憶されているプログラムを読み出して実行し、各部に供給する制御信号を形成して、これを各部に供給したり、各部から送信されてくるデータを受け付けて、これに応じた処理を実行したりする。ROM422は、CPU421において実行されるプログラムや処理に必要になる種々のデータが予め記録されたものである。
【0067】
また、RAM423は、処理の途中結果を一時記憶するなど、主に作業領域として用いられるものである。また、EEPROM424は、いわゆる不揮発性メモリであり、携帯電話端末4の電源を落としても保持しておくべきデータ等が記憶保持される。EEPROM424には、例えば、機能追加のための新たなプログラム、種々の設定パラメータ、電話帳データ、アプリケーションプログラムや機能アップのための追加プログラムなどが記憶保持される。
【0068】
このような構成を有する携帯電話端末4は、制御部420の制御により、送受信処理部402、送受信アンテナ401を通じて、ネットワーク2に情報を送出したり、ネットワーク2を通じて送信されてくる自機宛の情報を受信したりすることにより、種々の通信処理を行うことができるようになっている。
【0069】
また、携帯電話端末4は、実行可能な種々のアプリケーションプログラムなどが登録するようにされたメニューを備えている。当該メニューは、例えば、キー操作部411に設けられているメニューキーを押下操作するなどの所定の操作を行うことにより、制御部420が表示制御部412を通じて表示部413の表示画面に表示することができる。そして、制御部420は、キー操作部411を通じてユーザからの当該メニューに含まれる項目の選択入力を受け付け、ユーザによって選択された項目に対応するプログラムを実行することができるようになっている。
【0070】
また、携帯電話端末4において実行可能な種々のアプリケーションプログラムなどが登録された当該メニューには、後述もするように、プローブ情報の送信を実行するための項目も設けられている。したがって、当該メニューのプローブ情報の送信を実行するための項目を選択することによって、携帯電話端末4のユーザは、所定のタイミング毎にプローブ情報を生成して送信する処理を開始させることができる。
【0071】
[表示画面の具他例]
図7は、実行可能な種々のアプリケーションプログラムが登録するようにされたメニューの具体例やプローブ情報を送信する場合の表示画面の具体例について説明するための図である。
【0072】
上述もしたように、例えば、キー操作部411に設けられているメニューキーを押下操作するなどの所定の操作を行うことにより、表示部413の表示画面413Gには、図7Aに示すようなメニューが表示される。図7Aに示したメニューの場合、「ナビゲーション」、「地図検索」、「プローブ送信」、…等が、選択項目として表示されている。
【0073】
図7Aに示したメニューにおいて、「ナビゲーション」は、地図情報提供サーバ1からナビゲーションサービス(道案内サービス)の提供を受けるようにするための項目である。また、「地図検索」は、地図情報提供サーバ1から地図検索サービスの提供を受けるようにするための項目である。そして、「プローブ送信」は、所定のタイミング毎にプローブ情報を生成して送信する処理を開始するための項目である。また、当該メニューの最下段に設けられている「OK」アイコンは、選択した項目を確定し、対応する処理を実行させるようにするためのものである。また、「終了」アイコンは、メニューに登録されている処理を実行することなく、当該メニュー表示前の状態にもどるようにするためのものである。
【0074】
そして、携帯電話端末4のユーザは、キー操作部411の矢印キーなどを押下操作することによって、カーソルCSを実行したい処理に対応する選択項目に位置付け、「OK」アイコンを選択する操作を行う。これにより、カーソルCSが位置付けられている処理が、制御部420の制御により実行するようにされる。
【0075】
具体的に、図7Aに示すように、プローブ情報の送信を開始させるようにするための項目である「プローブ送信」にカーソルCSを位置付けて、「OK」アイコンを選択したとする。この場合、制御部420は、表示制御部412を通じて、図7Bに示すプローブ情報の送信を開始する場合に必要になる情報の入力画面を表示部413の表示画面413Gに表示する。
【0076】
この例の入力画面は、図7Bに示すように、プローブ情報の送信を開始することを示すメッセージと共に、ユーザIDの入力欄と暗証番号の入力欄とが設けられたものである。ユーザIDの入力欄には、地図情報提供サーバ1へのユーザ登録の際に付与されたユーザIDを入力する。同様に、暗証番号の入力欄には、地図情報提供サーバ1へのユーザ登録時に付与された、あるいは、ユーザ自身が登録するようにした暗証番号を入力する。これらユーザID及び暗証番号は、この実施の形態においては必須の入力項目とされている。
【0077】
そして、ユーザIDと暗証番号とを入力した後、最下段に設けられている「OK」アイコンを選択する操作を行うことにより、プローブ情報の生成及び送信処理を開始させることができる。なお、ユーザIDと暗証番号の一方または両方が入力されていない段階で、「OK」アイコンが選択されても、ユーザIDや暗証番号の入力が求められ、先に進むことができないようにされる。また、「終了」アイコンが選択された場合には、プローブ情報の送信は行わず、図7Bに示した入力画面を消去して、例えば、図7Aに示したメニュー表示に戻るようにされる。
【0078】
上述のようにして、プローブ情報の生成及び送信処理が開始するようにされると、制御部420は、表示制御部412を通じて表示部413の表示画面413Gに、図7Cに示すプローブ情報の送信中表示を行うようにする。図7Cに示したプローブ情報の送信中表示は、プローブ情報の生成及び送信処理の実行中であることを示すメッセージと共に、プローブ情報の生成及び送信処理を終了させるための項目「プローブ送信終了」が表示されたものである。
【0079】
図7Cに示したプローブ情報の送信中表示においては、「プローブ送信終了」項目にカーソルCSが位置付けられており、最下段に設けられている「OK」アイコンが選択するようにされると、プローブ情報の生成及び送信処理を終了させることができるようにされる。この場合、制御部420は表示制御部412を通じて、表示部413の表示画面413Gに、図7Dに示す終了確認画面を表示し、プローブ情報の送信を終了させるか、継続させるかの確認入力を求める。
【0080】
図7Dに示した終了確認画面が、表示部413の表示画面413Gに表示された状態において、当該終了確認画面の最下段に設けられている「OK」アイコンを選択する操作を行うと、プローブ情報の生成及び送信処理が終了するようにされる。この場合、例えば、図7Aに示したメニュー表示に戻るようにされる。また、当該終了確認画面の最下段に設けられている「継続」アイコンを選択する操作を行うと、プローブ情報の生成及び送信処理は継続するようにされ、再度、図7Cに示したプローブ情報の送信中表示に戻るようにされる。
【0081】
このように、この実施の形態の携帯電話端末4においては、ユーザからの指示に応じて、プローブ情報の生成及び送信処理を開始させ、また、開始させたプローブ情報の生成及び送信処理を終了させることができるようにされる。したがって、携帯電話端末4のユーザは、自分が主に徒歩で外出する場合であって、プローブ情報を送信してもよいと思ったときには、プローブ情報の生成及び送信処理を行うようにして、自己の移動ルートを地図情報提供サーバ1に通知することができるようにされる。
【0082】
次に、この実施の形態の携帯電話端末4から主に地図情報提供サーバ1等のサーバに送信される情報の具体例について説明する。図8は、携帯電話端末4から送信される情報の基本的なレイアウトについて説明するための図である。また、図9は、携帯電話端末4から地図情報提供サーバ1に送信されるプローブ情報の例を説明するための図である。
【0083】
携帯電話端末4から地図情報提供サーバ1に対して送信される情報は、図8に示したように、ユーザID、暗証番号、データ区分、送信内容からなる情報として整えられて送信するようにされる。ここで、ユーザIDの欄には、上述もしたように、地図情報提供サーバ1へのユーザ登録の際に付与されたユーザIDが、また、暗証番号の欄には、地図情報提供サーバ1へのユーザ登録の際にユーザによって設定した暗証番号がそれぞれ入力される。ユーザIDは、単にユーザを特定するだけでなく、そのユーザの障害種別(障害の程度)をも特定することが可能な障害の種別を示す情報としての機能をも有している。
【0084】
また、データ区分の欄には、当該データがどのような情報であるのかを示す情報が入力される。具体的には、当該データが地図情報提供サーバ1に対する要求であることを示す情報や当該データが地図情報提供サーバ1に対するプローブ情報であることを示す情報等が入力される。そして、送信内容の欄に、地図情報提供サーバ1に通知すべき情報や要求などを示す詳細情報が入力される。
【0085】
そして、携帯電話端末4から地図情報提供サーバ1に送信されるプローブ情報もまた、基本的なレイアウトは、図8に示したものとなり、データ区分の欄には、当該データは地図情報提供サーバ1に対するプローブ情報であることを示す情報が入力される。また、送信内容の欄には、図9に示したように、日時情報(現在年月日及び現在時刻を示す情報)や位置情報(現在位置を示す緯度、経度を示す情報)が入力されて送信されることになる。
【0086】
[地図情報提供サーバ1と携帯電話端末4の動作のまとめ]
次に、この実施の形態の障害者プローブ情報収集システムを構成する地図情報提供サーバ1と携帯電話端末4のそれぞれの動作(処理)について、フローチャートを参照しながらまとめる。
【0087】
[地図情報提供サーバ1のメイン動作(処理)]
まず、地図情報提供サーバ1のメイン処理(メインルーチン)について説明する。図10は、この実施の形態の地図情報提供サーバ1のメイン処理を説明するためのフローチャートである。この図10に示す処理は、地図情報提供サーバ1の主に制御部120によって実行するようにされる処理である。
【0088】
地図情報提供サーバ1の制御部120は、自機に電源が投入されている間においては、接続端子101及び通信I/F102を通じて、自機宛の情報を常時受信するようにしている(ステップS101)。そして、制御部120は、自機宛ての情報を受信したか否かを監視するようにしている(ステップS102)。ステップS102の判別処理において、自機宛ての情報を受信していないと判別したときには、制御部120は、ステップS101からの処理を繰り返す。
【0089】
ステップS102の判別処理において、自機宛ての情報を受信したと判別したときには、制御部120は、受信した情報は、ユーザ登録DB111に登録されているプローブ情報の送信が許可されたユーザからの情報か否かを判別する(ステップS103)。このステップS103の判別処理において、ユーザ登録DB111に登録されているユーザからの情報であると判別した場合には、制御部120は、さらに、受信した情報はプローブ情報か否かを判別する(ステップS104)。
【0090】
ステップS104の判別処理において、受信した情報はプローブ情報であると判別したときには、制御部120は、当該プローブ情報を障害者用プローブ情報ファイル103に格納する(ステップS105)。この場合、制御部120は、受信したプローブ情報のユーザIDに基づいて、ユーザ登録DB111を参照し、障害種別を取得して、図4を用いて説明した格納データを形成し、これを障害者用プローブ情報ファイル103に格納することになる。
【0091】
そして、制御部120は、上述もしたように、プローブ情報分析部104を制御し、障害者用プローブ情報ファイル103に格納したプローブ情報を歩行者ネットワーク情報ファイル106の歩行者ネットワーク情報に反映させ、その結果を分析して、歩行者ネットワーク情報を整備していくようにする(ステップS106)。そして、ステップS106の処理の後においては、ステップS101からの処理が繰り替えされる。
【0092】
また、ステップS103の判別処理において、受信した情報は登録ユーザからの情報ではないと判別した場合には、この実施の形態においては、受信した当該情報はプローブ情報ではないことが明らかであるので、受信した情報に応じた処理を実行する(ステップS107)。また、ステップS104の判別処理において、受信した情報はプローブ情報ではないと判別した場合にも、受信した情報に応じた処理を実行する(ステップS107)。このステップS107の処理の後においては、制御部120は、ステップS101からの処理を繰り返す。なお、ステップS107においては、例えば、ナビゲーション処理や地図検索処理などの受信した情報(要求)に応じた種々の処理が行うようにされる。
【0093】
このようにして、地図情報提供サーバ1は、携帯電話端末4からのプローブ情報を受信して収集したり、その他の情報提供要求に応じて必要な情報を提供したりすることができるようにされる。
【0094】
また、この実施の形態の地図情報提供サーバ1では、プローブ情報を送信できるユーザを予め登録しておくようにした。これは、障害者自身の目線で収集されるプローブ情報でなくては役に立たないため、障害者以外のユーザからのプローブ情報を排除する趣旨である。しかし、これに限るものではない。地図情報提供サーバ1から種々のサービスの提供を受けるユーザを予め登録しておき、登録ユーザに対してのみ種々のサービスを提供できるようにすることももちろん可能である。
【0095】
なお、プローブ情報が少ないと、例えば、ユーザが、たまたま気が変わってユーターンしたり、知り合いにあって立ち止まったりした場合にも、通行に障害があると判別してしまう場合もあると考えられる。また、1回だけ立ち寄っただけでは、利用しやすい施設や場所であるかは判別し難い。しかし、多くのプローブ情報が蓄積されれば、分析の精度を高めることができる。そこで、プローブ情報分析部104は、プローブ情報を累積的に集計、分析し、情報の精度を向上させることができるようにしている。したがって、同じ障害種別の複数のユーザからの多数のプローブ情報を継続して収集することが好ましい。
【0096】
例えば、全国の障害者団体の方の協力を得て、協調、共同し、より多くの障害者の方からプローブ情報を収集できる体制を整えることが肝要となる。もちろん、上述もしたように、携帯電話端末4の使用者が自発的にプローブ情報の送信を行うようにした場合に、プローブ情報を収集するなど、ユーザからきちんと承諾を得て、プローブ情報の収集を行えるようにすることも重要である。
【0097】
また、図10に示した処理においては、プローブ情報の収集と、プローブ情報の歩行者ネットワーク情報への反映とをリアルタイムで行うようにしたが、これに限るものではない。プローブ情報を収集し、所定のタイミングにおいて、障害者用プローブ情報ファイル103に蓄積されたプローブ情報をまとめて、歩行者ネットワーク情報へ反映させ、これを分析するように構成することもできる。また、所定のタイミングは、例えば、1日の内の決まった時間、1週間の内の決まった曜日の決まった時間など、適宜のタイミングとすることができる。
【0098】
[携帯電話端末4のプローブ情報の生成及び送信動作(処理)]
次に、携帯電話端末4のプローブ情報の生成及び送信処理について説明する。図11、図12は、この実施の形態の携帯電話端末4において行われるプローブ情報の生成及び送信処理を説明するためのフローチャートである。この図11、図12に示す処理は、図7Aに示したメニューから選択項目の1つである「プローブ送信」を選択し、決定するようにした場合に、携帯電話端末4の主に制御部420によって実行される処理である。
【0099】
まず、制御部420は、表示制御部412を通じて表示部413の表示画面に図7Bに示した情報入力画面を表示し(ステップS201)、当該情報入力画面に対する情報の入力を受け付けるようにする(ステップS202)。この後、制御部420は、その情報入力画面に対して必要な情報が全て入力され、「OK」アイコンが選択されたか否かを判別する(ステップS203)。
【0100】
ステップS203の判別処理において、「OK」アイコンは選択されていないと判別したときには、制御部420は、「終了」アイコンが選択されたか否かを判別する(ステップS204)。ステップS204の判別処理において、「終了」アイコンが選択されたと判別したときには、所定の終了処理を行って(ステップS205)、この図11、図12に示す処理を終了する。また、ステップS204の判別処理において、「終了」アイコンは選択されていないと判別したときには、当該情報入力画面に対して有効な操作入力は行われていないので、ステップS202からの処理を繰り返すようにする。
【0101】
なお、ステップS205の終了処理においては、例えば、現在表示中の情報入力画面(図7B)を消去して、図7Aに示すメニューを再表示し、メニューからの選択を行えるようにするなどの処理が行うようにされる。
【0102】
そして、ステップS203の判別処理において、情報入力画面に対して必要な情報が入力され、「OK」アイコンが選択されたと判別したときには、制御部420は、入力されたユーザID等を含むプローブ情報の受信要求を形成し、これを地図情報提供サーバ1に送信する(ステップS206)。
【0103】
この後、制御部420は、地図情報提供サーバ1からの認証結果を受信するようにし(ステップS207)、プローブ情報を受信すること(換言すれば、プローブ情報の送信を許可すること)を示す情報を受信したか否かを判別する(ステップS208)。ステップS208において、例えば、ユーザIDや暗証番号が異なるなどするために、プローブ情報の送信を許可しない旨の情報を受信したと判断したときには、エラーメッセージを出力し(ステップS209)、ステップS202からの処理を繰り返すようにする。
【0104】
ステップS208において、プローブ情報の送信を許可する旨の情報を受信したと判断したときには、制御部420は、表示制御部412を通じて、表示部413の表示画面に図7Cに示したプローブ情報の送信中表示を表示する(ステップS210)。この後、図12の処理に進み、制御部420は、プローブ情報生成部436を制御して、プローブ情報を生成し、これを送受信処理部402、送受信アンテナ401を通じて、地図情報提供サーバ1に送信する処理を行う(ステップS211)。
【0105】
なお、ステップS211において、プローブ情報生成部436は、制御部420を通じて時計回路431から現在時刻を取得すると共に、GPS部434から現在位置を取得し、これらを含み、図9に示したフォーマットのプローブ情報を生成して、これを地図情報提供サーバ1に送信することになる。また、ユーザIDや暗証番号などの情報は、入力された時点で例えばRAM432に記憶保持され、プローブ情報の生成時に用いるようにされる。
【0106】
この後、制御部420は、キー操作部411を通じて操作入力を受け付けるようにし(ステップS212)、プローブ情報の送信を終了させる操作が行われたか否かを判別する(ステップS213)。ステップS213の判別処理において、プローブ情報の送信を終了させる操作は行われていないと判別したときには、制御部420は、ステップS211からの処理を繰り返し、プローブ情報の生成及び送信処理を続行するようにする。
【0107】
また、ステップS213の判別処理において、プローブ情報の送信を終了させる操作が行われたと判別したときには、制御部420は、表示制御部412を通じて表示部413の表示画面に、図7Dに示した終了確認画面を表示する(ステップS214)。この後、制御部420は、キー操作部411を通じて、ユーザからの操作入力を受け付ける(ステップS215)。
【0108】
そして、制御部420は、プローブ情報の生成及び送信処理を終了させてもよいことの操作入力(「OK」アイコンの選択)がされたか否かを判別する(ステップS216)。ステップS216の判別処理において、プローブ情報の生成及び送信処理を終了させてもよいことの操作入力がされたと判断したときには、ステップS205の終了処理と同様に、所定の終了処理を行って(ステップS217)、この図11、図12に示す処理を終了する。
【0109】
また、ステップS216の判別処理において、プローブ情報の生成及び送信処理を終了させてもよいことの操作入力はされていないと判断したときには、プローブ情報の生成及び送信処理を継続させることの操作入力がされたか否かを判別する(ステップS218)。ステップS218の判別処理において、プローブ情報の生成及び送信処理を継続させることの操作入力がされたと判別したときには、制御部420は、ステップS211からの処理を繰り返し、プローブ情報の生成及び送信処理を続行する。
【0110】
また、ステップS218の判別処理において、プローブ情報の生成及び送信処理を継続させることの操作入力はされていないと判別したときには、制御部420は、図7Dに示した確認入力画面において有効な操作入力は受け付けていないと判別し、ステップS215からの処理を繰り返すようにする。
【0111】
このようにして、携帯電話端末4は、ユーザが所定の操作を行うことにより、プローブ情報の生成及び送信を行うようにしたり、プローブ情報の生成及び送信を終了させたりすることができるようにされる。
【0112】
[歩行者ネットワーク情報を用いたナビゲーション処理]
次に、上述したように、地図情報提供サーバ1により収集された歩行に障害を有する方の携帯電話端末4からのプローブ情報を分析処理することにより整備した歩行者ネットワーク情報を用いたナビゲーション処理について説明する。
【0113】
図13は、ナビゲーションサービスの提供を受ける場合に必要な情報の入力を行うために携帯電話端末4の表示部413の表示画面に表示される情報入力画面の一例を説明するための図である。図14は、携帯電話端末4の表示部413の表示画面に表示されるナビゲーションサービスの提供画面の一例を説明するための図である。
【0114】
携帯電話端末4のユーザが、ナビゲーションサービスを利用しようとする場合には、携帯電話端末4の表示部413の表示画面に表示される図7に示したメニューから、選択項目として登録されている「ナビゲーション」を選択し、決定する操作を携帯電話端末4に対して行う。この場合、携帯電話端末4の制御部420は、表示制御部412を制御し、表示部413の表示画面に図13に示す情報入力画面を表示する。
【0115】
図13に示すように、地図情報提供サーバ1を通じてナビゲーションサービスの提供を受ける場合には、スタート地(出発地)とゴール地(目的地)とを入力すると共に、障害種別をも入力する。図13に示した例の場合には、「○○駅」から「□□ホール」まで、車椅子で移動することができるルートのナビゲーション(道案内)を依頼する内容になっている。
【0116】
図13に示した情報有力画面を通じて、必要な情報を全て入力し、「OK」アイコンを選択すると、携帯電話端末4の制御部420は、入力された情報を含むナビゲーション要求を形成する。ここで形成されたナビゲーション要求は、送受信処理部402、送受信アンテナ401を通じて、ネットワーク2に送出され、地図情報提供サーバ1に送信される。
【0117】
地図情報提供サーバ1は、携帯電話端末4からのナビゲーション要求を受信すると、提供情報生成部105を制御し、ナビゲーション用の地図情報(提供情報)を形成する。形成された提供情報は、通信I/F102及び接続端子101を通じてネットワーク2に送出され、要求元の携帯電話端末4に送信される。
【0118】
この場合、提供情報生成部105は、受信したナビゲーション要求に含まれる情報に基づいて、歩行者ネットワーク情報ファイル106の歩行者ネットワーク情報を参照し、図14に示すような、ナビゲーションサービス用の地図提供情報を形成する。図14に示した例の場合には、「○○駅」から「□□ホール」に車椅子で移動する場合のルートが示される。また、車椅子では通行できない場所には、その旨の表示がなされる。
【0119】
図14に示したような地図提供情報は、要求元の携帯電話端末4において、送受信アンテナ401、送受信処理部402を通じて受信され、制御部420に供給される。そして、制御部420は、表示制御部412を通じて、地図情報提供サーバ1からの地図提供情報を、図14に示したように、表示部413の表示画面413Gに表示する。
【0120】
図14に示した地図提供情報おいて、点線矢印で示した先には、段差や急勾配があるため車椅子では通行できなかったり、歩道がないために車椅子では通行できなかったりすることが示されている。このため、携帯電話端末4のユーザは、実線で示されたルートを辿ることによって、車椅子によって、「○○駅」から「□□ホール」まで移動することができるようにされる。
【0121】
このように、この実施の形態の地図情報提供サーバ1は、携帯電話端末4からのプローブ情報によって整備した歩行者ネットワーク情報を備えている。これにより、携帯電話端末4からの要求に応じて、障害種別に応じてスタート地からゴール地に至る通行可能なルートを提供することができると共に、障害種別に応じて通行できない場所が、通行できない理由と共に提供される。これにより、通行できないルートを進んでしまうなどのこともないようにされる。
【0122】
[携帯電話端末4のナビゲーションサービスの利用動作(処理)]
次に、上述したナビゲーションサービスの利用時の処理について、図15のフローチャートを参照しながら説明する。図15は、この実施の形態の携帯電話端末4において行われるナビゲーションサービスの利用処理を説明するためのフローチャートである。この図15に示す処理は、図7Aに示したメニューから選択項目の1つである「ナビゲーション」を選択し、決定するようにした場合に、携帯電話端末4の主に制御部420によって実行される処理である。
【0123】
まず、制御部420は、表示制御部412を通じて表示部413の表示画面に図13に示した情報入力画面(ナビゲーション設定画面)を表示し(ステップS301)、当該情報入力画面に対する情報の入力を受け付けるようにする(ステップS302)。この後、制御部420は、情報入力画面に対して必要な情報が全て入力され、「OK」アイコンが選択されたか否かを判別する(ステップS303)。
【0124】
ステップS303の判別処理において、「OK」アイコンは選択されていないと判別したときには、制御部420は、「終了」アイコンが選択されたか否かを判別する(ステップS304)。ステップS304の判別処理において、「終了」アイコンが選択されたと判別したときには、所定の終了処理を行って(ステップS305)、この図15に示す処理を終了する。また、ステップS304の判別処理において、「終了」アイコンは選択されていないと判別したときには、当該情報入力画面に対して有効な操作入力は行われていないので、ステップS302からの処理を繰り返すようにする。
【0125】
なお、ステップS305の終了処理においては、例えば、現在表示中の情報入力画面(図13)を消去して、図7Aに示すメニューを再表示し、メニューからの選択を行えるようにするなどの処理が行うようにされる。
【0126】
そして、ステップS303の判別処理において、情報入力画面に対して必要な情報が入力され、「OK」アイコンが選択されたと判別したときには、制御部420は、入力されたスタート地、ゴール地、障害種別、現在位置等を含むナビゲーション要求を形成し、これを地図情報提供サーバ1に送信する(ステップS306)。
【0127】
この後、携帯電話端末4の制御部420は、地図情報提供サーバ1からの地図提供情報を含むナビゲーション情報を受信し、これを出力する処理を行う(ステップS307)。この場合、制御部420は、地図提供情報については、表示制御部412を通じて表示部413の表示画面413Gに表示する。また、ナビゲーションのための音声情報は、音声処理部414を通じてスピーカ415から放音するようにする。
【0128】
この後、地図情報提供サーバ1からゴール地に到達したことを示す情報を受信したか否かを判別する(ステップS308)。ステップS308の判断処理において、ゴール地に到達したことを示す情報を受信していないと判別したときには、GPS部434を通じて現在位置を取得し、これを地図情報提供サーバ1に送信し(ステップS309)、ステップS307からの処理を繰り返すようにする。
【0129】
ステップS308の判断処理において、ゴール地に到達したことを示す情報を受信したと判別したときには、制御部420は、上述したステップS305の処理と同様に、所定の終了処理を行って(ステップS310)、この図15に示す処理を修了する。
【0130】
このようにして、携帯電話端末4を通じてスタート地からゴール地に至るルートであって、障害種別に応じたルートの案内の提供を受けることができるようにされる。
【0131】
[地図情報提供サーバ1のナビゲーションサービス時の動作(処理)]
次に、地図情報提供サーバ1のナビゲーションサービス時の動作について説明する。図16は、地図情報提供サーバ1のナビゲーションサービス時の動作について説明するためのフローチャートである。この図16に示す処理は、図10に示した地図情報提供サーバ1の処理のステップS107において行われる処理の1つである。
【0132】
すなわち、地図情報提供サーバ1においては、図10に示した処理が常時実行されており、ナビゲーション要求が受信されると、地図情報提供サーバ1の制御部120は、図10に示した処理のステップS107において、図16に示す処理を実行する。この場合、制御部120は、提供情報生成部105を制御し、ビゲーション用の地図提供情報を形成し、これを通信I/F102、接続端子101を通じてネットワーク2に送出し、要求元の携帯電話端末4に送信する(ステップS401)。
【0133】
具体的に、ステップS401においては、地図情報提供サーバ1が受信したナビゲーション情報に含まれるスタート地、ゴール地、障害種別、現在位置等に応じて、歩行者ネットワーク情報ファイル106の歩行者ネットワーク情報を参照する。そして、スタート地からゴール地までのルート(経路)と、通行不能な場所等を示した地図提供情報(例えば図14に示した構成のもの)を形成し、これを要求元の携帯電話端末4に送信する。なお、障害種別を示す情報がナビゲーション要求に含まれている場合には、その障害種別をも考慮した障害者用のルートが検索される。一方、障害種別を示す情報が存在しない場合には、通常の(健常者用の)ルートが検索される。
【0134】
そして、地図情報提供サーバ1は、ナビゲーション要求元の携帯電話端末4からの現在位置を示す情報を受信する(ステップS402)。この後、受信した現在位置とナビゲーション要求に含まれているゴール位置とを比較して、当該携帯電話端末4がゴール地に到達したか否かを判別する(ステップS403)。
【0135】
ステップS403の判別処理において、当該携帯電話端末4がゴール地に到達したと判別した場合には、制御部120は、ゴール地に到達したことを示す情報を形成し、これを要求元の携帯電話端末4に送信する(ステップS404)。そして、この図16に示す処理を終了する。
【0136】
また、ステップS403の判別処理において、当該携帯電話端末4がゴール地に到達していないと判別した場合には、制御部120は、ステップS402において受信した携帯電話端末4の最新の現在位置を示す情報に基づいて、新たなナビゲーション情報を生成し、これを要求元の携帯電話端末4にする(ステップS405)。この後、制御部120は、ステップS402からの処理を繰り返すようにする。
【0137】
なお、ステップS405においては、例えば、地図提供情報上に携帯電話端末4の現在位置を示すマークを表示するようにした地図提供情報や、「次の交差点を横断した後に左折して下さい。」などいった音声ガイダンス情報が形成され、これが要求元に提供される。
【0138】
このようにして、携帯電話端末4からの要求に応じて、スタート地からゴール地に至るルートであって、ユーザの障害種別に応じた適切なルートを提供することができるようにされる。
【0139】
また、ここでは、ナビゲーションを行う場合を例にして説明したが、ルート検索の結果だけを提供することもできることは言うまでもない。
【0140】
[実施の形態の効果]
歩行に何らかの障害を有する障害者や高齢者が移動に際して有用な情報をプローブ情報として携帯電話端末4から地図情報提供サーバ1に送信することができる。そして、地図情報提供サーバ1は、携帯電話端末4からのプローブ情報を的確に収集、分析して、バリアフリーの歩行者ネットワーク情報を整備し、これを障害者や高齢者に提供して、移動をアシストすることができる。すなわち、従来にない、実用的なバリアフリーナビゲーションを実現することができる。
【0141】
[この発明の方法、プログラム]
上述した実施の形態からも分かるように、主に、地図情報提供サーバ1が、この発明の装置に相当し、地図情報提供サーバ1と携帯電話端末4からなるシステムがこの発明のシステムに相当する。そして、図10、図11及び図12、図15、図16のフローチャートを用いて説明した処理が、この発明の方法、プログラムに対応するものである。
【0142】
すなわち、図10と図11及び図12のフローチャートに示した処理や図15と図16のフローチャートに示した処理が、この発明の方法の一実施の形態であり、これらのフローチャートに示した処理を地図情報提供サーバ1や携帯電話端末4に搭載されたコンピュータ(CPU)によって実行可能なように検出したプログラムが、この発明のプログラムの一実施の形態である。
【0143】
[その他]
なお、上述した実施の形態では、ナビゲーションサービスの利用時に、利用可能なユーザか否かの認証を行わないようにしたが、これに限るものではない。ナビゲーションサービスや地図検索サービスなど、地図情報提供サーバ1が提供する種々のサービスを利用可能なユーザか否かを、ユーザ登録DB111の情報に基づいて、認証を取るようにすることももちろん可能である。
【0144】
また、上述もしたように、障害種別に応じて移動可能なルートを知らせるだけでなく、通行できない場所や通行できない理由を示したり、同じ障害種別のユーザが利用した施設や場所を案内したりすることもできるようにされる。
【0145】
また、上述した実施の形態においては、歩行者ネットワーク情報で把握されている情報に基づいて、通行できない場所における通行できない理由を把握するようにしたが、これに限るものではない。実際には、歩行者ネットワーク情報で把握されていない情報もある。例えば、歩道に設けられた勾配などは、健常者にとっては何の問題もないものであっても、歩行に障害を有する者にとっては通行の障壁になる場合もある。
【0146】
そこで、通行に障壁のある場所から、その場所を示す位置情報と当該障壁の内容を携帯電話端末4から地図情報提供サーバ1に送信し、これを歩行者ネットワーク情報に反映させるようにすることもできる。この場合、位置情報の他に、道幅狭、段差、階段、障害物、急勾配などの障壁の内容を通知することができればよい。
【0147】
また、上述した実施の形態においては、携帯電話端末4を用いるようにしたが、これに限るものではない。通信機能を備えた種々の携帯電子機器を用いる場合に、この発明を適用することができる。例えば、PDA(Personal Digital Assistant)などと呼ばれる個人用情報機器やパッド型情報端末など種々の携帯型の電子機器を用いる場合にこの発明を適用できる。
【0148】
また、上述した実施の形態においては、障害種別として、例えば、「車椅子」、「杖2本使用」、「杖1本使用」と言うように、歩行(移動)の状態やユーザの障害の特徴を示す情報を用いるようにしたが、これに限るものではない。通行できない障害に応じて段階的に障害の種別(障害の程度)を示すようにするなど、障害種別は、障害の程度を適切に表現可能な種々の形式で表すことができる。
【0149】
また、上述した実施の形態においては、地図情報提供サーバ1の歩行者ネットワーク情報ファイル106が、歩行者ネットワーク情報記憶手段としての機能を実現している。また、地図情報提供サーバ1の主に接続端子101及び通信I/F102が、第1、第2の受信手段としての機能を実現し、プローブ情報分析部104が形成手段としての機能を実現している。また、携帯電話端末4の主にGPS部434が現在位置を取得する取得手段としての機能を実現し、プローブ情報生成部436が形成手段としての機能を実現し、送受信処理部402及び送受信アンテナ401が第1、第2の送信手段としての機能を実現している。
【0150】
また、地図情報提供サーバ1の提供情報生成部105が抽出手段としての機能を実現し、主に接続端子101及び通信I/F102が、提供手段としての機能を実現している。また、携帯電話端末4の制御部420が要求形成手段としての機能を実現し、送受信アンテナ401及び送受信処理部402が受信手段としての機能を実現し、表示制御部412及び表示部413、音声処理部414及びスピーカ415が出力手段としての機能を実現している。
【符号の説明】
【0151】
1…地図情報提供サーバ、101…接続端子、102…通信I/F、103…障害者用プローブ情報ファイル、104…プローブ情報分析部、105…提供情報生成部、106…歩行者ネットワーク情報ファイル、111…ユーザ登録DB、112…地図DB、120…制御部、3(1)、3(2)…基地局、4(1)、4(2)…携帯電話端末、401…送受信アンテナ、402…送受信処理部、411…キー操作部、412…表示制御部、413…表示部、414…音声処理部、415…スピーカ、420…制御部、431…時計回路、434…GPS部、435…GPSアンテナ、436…プローブ情報生成部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報収集サーバと歩行に障害のあるユーザが使用する携帯端末とが、ネットワークを通じて接続されて形成される障害者プローブ情報収集システムであって、
前記情報収集サーバは、
歩行者が歩行可能な経路を示す歩行者ネットワーク情報を記憶する歩行者ネットワーク情報記憶手段と、
前記携帯端末からの前記携帯端末の現在位置を示す情報と前記携帯端末のユーザの障害の種別を示す情報とを含むプローブ情報を受信する第1の受信手段と、
収集される前記プローブ情報を、前記歩行者ネットワーク情報記憶手段の前記歩行者ネットワーク情報に反映させることにより、障害の種別に応じて通行可能なルートを示すことが可能な障害者用の歩行者ネットワーク情報を前記歩行者ネットワーク情報記憶手段に形成する形成手段と
を備え、
前記携帯端末は、
自機の現在位置を取得する取得手段と、
取得した前記現在位置を示す情報とユーザの障害の種別を示す情報とを含む前記プローブ情報を形成する第1の形成手段と、
前記プローブ情報を前記情報収集サーバに送信する第1の送信手段と
を備えることを特徴とする障害者プローブ情報収集システム。
【請求項2】
請求項1に記載の障害者プローブ情報収集システムであって、
前記情報収集サーバの前記形成手段は、収集される前記プローブ情報に基づいて得られるユーザの障害の種別に応じて通行不能である場所を示す情報を、歩行者用のネットワーク情報に対して付加することにより、障害の種別に応じて通行不能な場所を示すことが可能な前記歩行者ネットワーク情報を形成することを特徴とする障害者プローブ情報収集システム。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の障害者プローブ情報収集システムであって、
前記情報収集サーバの前記形成手段は、収集される前記プローブ情報に基づいて、障害の種別に応じてよく利用されている施設を把握し、当該施設についての情報を前記歩行者ネットワーク情報の当該施設の属性に対して付加することを特徴とする障害者プローブ情報収集システム。
【請求項4】
請求項1、請求項2または請求項3に記載の障害者プローブ情報収集システムであって、
前記情報収集サーバは、
前記携帯端末からの障害の種別を示す情報を含むルート検索要求を受信する第2の受信手段と、
前記ルート検索要求に基づいて、前記障害の種別を示す情報に応じたルートに関する情報を、形成した前記歩行者ネットワーク情報から抽出する抽出手段と、
抽出した前記ルートに関する情報を、要求元の携帯端末に提供する提供手段と
を備え、
前記携帯端末は、
障害の種別を示す情報を含むルート検索要求を形成する要求形成手段と、
前記ルート検索要求を、前記情報収集サーバに送信する第2の送信手段と、
前記情報収集サーバからの前記ルートに関する情報を受信する受信手段と、
前記ルートに関する情報を出力する出力手段と
を備えることを特徴とする障害者プローブ情報収集システム。
【請求項5】
情報収集サーバと歩行に障害のあるユーザが使用する携帯端末とが、ネットワークを通じて接続されて形成される障害者プローブ情報収集システムの前記情報収集サーバであって、
歩行者が歩行可能な経路を示す歩行者ネットワーク情報を記憶する歩行者ネットワーク情報記憶手段と、
前記携帯端末からの前記携帯端末の現在位置を示す情報と前記携帯端末のユーザの障害の種別を示す情報とを含むプローブ情報を受信する第1の受信手段と、
収集される前記プローブ情報を、前記歩行者ネットワーク情報記憶手段の前記歩行者ネットワーク情報に反映させることにより、障害の種別に応じて通行可能なルートを示すことが可能な障害者用の歩行者ネットワーク情報を前記歩行者ネットワーク情報記憶手段に形成する形成手段と
を備えることを特徴とする情報収集サーバ。
【請求項6】
請求項5に記載の前記情報収集サーバであって、
前記携帯端末からの障害の種別を示す情報を含むルート検索要求を受信する第2の受信手段と、
前記ルート検索要求に基づいて、前記障害の種別を示す情報に応じたルートに関する情報を、形成した前記歩行者ネットワーク情報から抽出する抽出手段と、
抽出した前記ルートに関する情報を、要求元の携帯端末に提供する提供手段と
を備えることを特徴とする情報収集サーバ。
【請求項7】
情報収集サーバと歩行に障害のあるユーザが使用する携帯端末とが、ネットワークを通じて接続されて形成される障害者プローブ情報収集システムで用いられる障害者プローブ情報収集方法であって、
前記情報収集サーバは、歩行者が歩行可能な経路を示す歩行者ネットワーク情報を記憶する歩行者ネットワーク情報記憶手段を備えており、
前記情報収集サーバにおいては、
前記携帯端末からの前記携帯端末の現在位置を示す情報と前記携帯端末のユーザの障害の種別を示す情報とを含むプローブ情報を受信手段が受信する受信工程と、
形成手段が、収集される前記プローブ情報を、前記歩行者ネットワーク情報記憶手段の前記歩行者ネットワーク情報に反映させることにより、障害の種別に応じて通行可能なルートを示すことが可能な障害者用の歩行者ネットワーク情報を前記歩行者ネットワーク情報記憶手段に形成する形成工程と
を有し、
前記携帯端末においては、
取得手段を通じて自機の現在位置を取得する取得工程と、
取得した前記現在位置を示す情報とユーザの障害の種別を示す情報とを含む前記プローブ情報を形成手段が形成する形成工程と、
前記プローブ情報を送信手段が前記情報収集サーバに送信する送信工程と
を有することを特徴とする障害者プローブ情報収集方法。
【請求項8】
情報収集サーバと歩行に障害のあるユーザが使用する携帯端末とがネットワークを通じて接続されて形成される、障害者プローブ情報収集システムの前記情報収集サーバに搭載されたコンピュータで実行される障害者プローブ情報収集プログラムであって、
前記情報収集サーバは、歩行者が歩行可能な経路を示す歩行者ネットワーク情報を記憶する歩行者ネットワーク情報記憶手段を備えており、
前記携帯端末からの前記携帯端末の現在位置を示す情報と前記携帯端末のユーザの障害の種別を示す情報とを含むプローブ情報を、受信手段を通じて受信する受信ステップと、
形成手段が、収集される前記プローブ情報を、前記歩行者ネットワーク情報記憶手段の前記歩行者ネットワーク情報に反映させることにより、障害の種別に応じて通行可能なルートを示すことが可能な障害者用の歩行者ネットワーク情報を前記歩行者ネットワーク情報記憶手段に形成する形成ステップと
を実行することを特徴とするコンピュータが読み取り可能な障害者プローブ情報収集プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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