隠されたセキュリティー装置付きハードカバー製品及びその製造方法
【課題】隙間を規定するように間隔を空けて配置された一対の硬質シート部材に装着した外側ライナーを持つハードカバー製品。一つの硬質シート部材がセキュリティータグを収容する収容区画を規定する。内側ライナーが、該一対の硬質シート部材の上に重なり、該セキュリティー・タグ収容区画内にある該セキュリティー・タグを隠すように取り付けられている。前記一対の硬質シート部材の間の間隙が前記ハードカバー製品の背を規定し、それによって前記向かい合う硬質シートカバー部材が、折り畳むように協働して移動する表カバーと裏カバーを規定する。一対の向かい合う二次的なシートが、前記一次的なシートの向かい合う平坦な表面にラミネートされて前記セキュリティー装置を封入する。
【解決手段】前記中間体のラミネートされたカバーボードの製造方法が開示されている。前記ハードカバー製品は背部分にセキュリティー装置を収容する隙間を規定する。
【解決手段】前記中間体のラミネートされたカバーボードの製造方法が開示されている。前記ハードカバー製品は背部分にセキュリティー装置を収容する隙間を規定する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードカバー製品に関する。特に、本発明はハードカバー製品の製造及び利用を容易化するための、隠されたセキュリティー装置付きハードカバー製品、該ハードカバー製品の中間製品であるライナー、及びセキュリティー装置を隠し持つ背中部を有する書籍製品とそれらのハードカバー書籍製品の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品の在庫のトラッキングが重要化してきている。商品の在庫は重要な資本の投資を示す。コスト的要因に加えて、盗難防止や在庫品の検証や精算、及び生産者が商品を生産する直前に原材料の提供を受けることができるジャストインタイム生産への需要の高まりが、在庫トラッキングへの関心を増加させている。
【0003】
商品やその容器のトラッキングやモニタリングのために、種々の電子装置や機械装置が提供されている。これらの装置には音波による磁気性のセキュリティー・ストリップや、ラジオ周期波セキュリティー・タグが含まれる。これらの装置は多くの場合タグ、ポッド、ラベルやパッチ等の形態を有し、商品や、その商品の容器に取り付けるために粘着性の表面を有する。これらの装置は、商品や、その商品の容器のトラッキングやモニタリングを容易にする。セキュリティー装置は、典型として特に倉庫や庫売店からの荷抜きや不正な取り除きに遭いやすい品目に取り付けられる。これらのセキュリティー装置には認識可能なセンサーが含まれている。ある公知の種類のセキュリティー・タグには、事前に設定された認識周波数レンジで共鳴する回路を持つ。トランスミッターが前記回路を刺激する電磁気エネルギーを提供する。そしてレシーバーが前記共鳴する回路から発せられる前記外部シグナルを検出する。前記トランスミッターと前記レシーバーは検出場所に設置されており、多くの場合は小売施設から出ている。その商品が前記検出場所を通過する際に、作動したセンサー装置が検出されて前記レシーバーが警報を信号する。検出場所を通過することが許可されている商品(購入された商品など)については、通過に先立って別の装置を用いることで前記検出センサーを作動できなくする。その他の装置としてはデジタル信号を介して伝達するRFID装置が含まれる。ある公知のRFID装置では、前記信号が、特定の容器をトラッキングするために個々の識別子を表示する。
【0004】
多くの場合、大型の店舗は、商品の生産者に対し、商品の容器内にトラッキングとモニタリングの装置が内蔵されていることを要求してくる。そして小型店舗や小型卸業者については、追跡とモニタリングの装置は内蔵されず、又は取り付けられてなくてもよい。このような事情の下では、商品がアフターマーケットのトラッキング及びモニタリングの装置と共に提供されることが可能である。例えば、商品の電子的な調査用のタグは、粘着性の裏面によりタグを容器に固定して利用される。該容器はこれによって商品の電子的な調査を受けることになるが、粘着により取り付けられた前記タグは、その使用を通して問題を経験する。重要な問題の一つとして、前記容器の外側にある前記タグは剥がれ易いことがある。該セキュリティー・タグの剥離は警備を回避して、安全な区域から商品の無許可の持ち出しを促すこととなる。一方で、商品を購入した者による剥離も問題を生じる。前記セキュリティー・タグが取り付けられた商品のカバーは引き裂かれたり、破られたりするかもしれず、従って商品の包装を破損することになる。
【0005】
さらに、前記セキュリティー・タグ付きの包装や、又は剥離によりセキュリティー・タグが無い包装は、消費者の目に目障りなものを作り出してしまう。また前記セキュリティー・タグは包装の装飾用のグラフィックスや文字を覆たり包み隠してしまうかもしれない。これによって、前記セキュリティー装置は印刷されたグラフィックスや他のタイプの商品カバーを干渉して、印刷やスタンプによるデザインが商品の市場性を促進する効果を妨げたり、もみ消したりしてしまう。
【0006】
また、重要なことに、組み立て段階におけるアセンブリへの電子セキュリティー・タグの取り付けは、その生産や取扱い上の問題へと至る。これらの生産工程における問題には商品を生産する際の機械的な問題や、また生産スピードを下げて生産設備を操作しなければいけないことも含まれる。セキュリティー・タグは、それが装着しているものの表面から突き出ている。これが組立て段階のアセンブリを高く積み重ねていく場合に、新たに上に重ねられたアセンブリとの間に徐々に勾配や傾きを生じさせる。例えば、梱包マシンを用いて組立てられるハードカバー書籍は、表カバーと裏カバーに取り付けられた外側ライナーを受け取る。このような組立て段階のアセンブリは第二の工程として梱包マシンにより内側ライナーを貼り付けられる。勾配を帯びたアセンブリの積み重ねは、生産工程での生産や取扱いをより困難にする。さらに、例えば、プロセッシングと内側ライナーの貼り付けのために、提供装置がホッパーからアセンブリを押し出すと、突き出たセキュリティー・タグが隣り合うアセンブリに傷を付けるかもしれない。
【0007】
図書館等には、特に関心を起こさせる、隠されたセキュリティー装置の活用の場を提示する。図書館はその典型として、直ぐに持ち運びできる製品である、大量の書籍在庫を有している。専門書、貴重図書、及び同種の書籍は無許可の持ち出しに遭い易い。このような在庫の損失という問題を防ぐためにも、センサー識別性の装置を出口のドア付近に設置してある。該認識装置は該書籍内に設置されたセンサーと応答する。正規の貸し出し手続きを経た書籍については、前記センサーが作動できなくなっている。もし該センサーが前記認識装置に信号を送った場合には、警報が鳴ることとなる。しかしながら、このような図書館のセンサーと認識装置によるシステムは後付で設置され、前記センサーについても図書館において手作業で取り付けられる。該書籍はカバーにより保持されて広げられ、その背部分において隙間を空ける。前記隙間は典型として、前記書籍を形成する束ねられたページの背の縁部分と前記カバーとの間に形成される。専用の装置を用いて、前記隙間により規定される開口路に前記センサー装置を挿入する。前記センサー装置が設置されると、典型としては前記背の中央部であるが、前記書籍のカバーが共に閉じられ、前記道具が引き抜かれ、それによって前記セキュリティー装置が背の中に配置される。多くの場合、前記セキュリティー装置は書籍の背に取り付けるために、粘着性の表面を有している。カバー部分を開いてもこのような隙間を生じない書籍については、セキュリティー装置はいずれか一つのページに設置されなければならず、典型的には該書籍の中央部分に設置される。これは前記センサーを剥離され易くする。センサー装置の取り付けは多大な時間を要し、該センサー装置が所定位置にあるどうかを確認するため、定期的に該書籍を調べる必要がある。また、前記背の内部で、前記センサー装置の適切な配置や固定を確認することは困難である。
【0008】
従って、当該技術分野において、隠されたトラッキングとモニタリングのセキュリティー装置を有するハードカバー製品、これらのハードカバー製品のための隠されたセキュリティー装置付き中間体のカバーボード、及び背の中に隠されたトラッキングとモニタリングのセキュリティー装置を持つハードカバー書籍に対する需要がある。本発明はこのような需要に対して向けられたものである。
【発明の概要】
【0009】
A.ハードカバー製品とその製造方法
本発明は、一対のシート部材に対して主たる表面に取り付けられた外側ライナーを有するハードカバー製品を提供することにより、当該技術分野における前記需要に応えるものである。前記シート部材は間隔を空けて配置され、前記ハードカバー製品の表カバーと裏カバーを規定する。前記硬質シート部材の一つは、セキュリティー・タグを収容する収容区画を規定する。内側ライナーは前記一対のシート部材の上に重ねられ、前記収容区画内のセキュリティー・タグを隠す。前記一対のシート部材間の隙間と、相互に折り畳むように動く前記の向かい合う表カバーと裏カバーが、前記ハードカバー製品の背を規定する。
【0010】
その他の側面として、本発明は、
(a)第一のシートに凹部を形成する工程と、
(b)該第一のシートの主たる表面と、該表面との間に間隙が規定されるように間隔を空けて配置された第二のシートに外側ライナーを取り付ける工程であって、前記第1のシートと第2のシートがそれぞれ前カバー及び裏カバーを規定する工程と、
(c)前記凹部にセキュリティー・タグを配置する工程と、
(d)前記第一のシートと前記第二のシートに重なる形で内側ライナーを取り付ける工程であって、前記間隙は、前記対向する前カバーと裏カバーが、該間隙上で互いに向かって回転する背を規定する工程
を含む該ハードカバー製品の製造方法を提供する。
【0011】
B.ハードカバー製品のための、中間体のラミネートされたカバーボード、及びその製造
もう一つの局面として、本発明は、ハードカバー製品のための中間体のカバーボードであって、第一の厚さ、及び向かい合う平坦な表面を有する一次的なシートであって、該シートの選択された部分に収容空洞を規定するハードカバー製品のための中間体のカバーボードを提供することにより、当該技術分野における前記需要に応えるものである。前記収容空洞は、セキュリティー装置を収容する。それにより、前記カバーボードは、ハードカバー製品の生産段階で、カバーライナーにより上張りされることに適する。
【0012】
本発明は、ハードカバー製品のためのラミネートされたカバーボードであって、第一の厚さ、及び向かい合う平坦な表面を有する一次的なシートであって、該シートの選択された部分に収容空洞を規定する一次的なシートであり、該空洞がセキュリティー装置を収容するラミネートされたカバーボードを提供する。それぞれが前記第一の厚さよりも薄い第二の厚さを有する一対の向かい合う二次的なシートが、前記一次的なシートの向かい合う平坦な表面にラミネートされている。これにより、前記セキュリティー装置は、該セキュリティー装置がそこに存在することの跡が、表面に現れることのない十分な前記第二の厚さを有するラミネートされた前記二次的なシートの間に封入される。
【0013】
また、本発明は、後にハードカバー製品の構成要素として使用する、中間体のラミネートされたカバーボードを組立てる方法で、
(a)向かい合う平坦な表面を有し、第一の厚さを超える長さと幅を持つ一次的なシートで、該一次的なシートの選択された部分を貫通する開口部を規定する該一次的なシートを提供する工程と、
(b)第一の外部シートを、第一の該向かい合う平坦な表面にラミネートして、前記一次的なシートの前記開口部を閉じる工程と、
(c)セキュリティー装置であって、該中央シートの大部分における厚さを超えない厚さを有し、その向き合った側面が該中央シートの向き合った平坦な表面のそれぞれと実質的に同一平面の域を出ないようなセキュリティー装置を、該開口部に設置する工程と、
(d)第二の外部シートを、第二の向かい合う平坦な表面にラミネートし、中の該セキュリティー装置の存在を示す跡が該外部シートにより規定される前記向かい合う表面上に現れない中間体のラミネートされたボードを形成する工程、を含む中間体のラミネートされたカバーボードを組立てる方法を提供する。結果として得られる前記ラミネートされたカバーボードは、封入された前記セキュリティー装置の跡を表さずに、外側カバーと内側カバーを有するハードカバー製品のカバーボードとして有利に利用できる。
【0014】
C. 隠されたセキュリティー装置を背に配置されたハードカバー製品
他の局面として、本発明は、外側ライナーと、一対のハードシート部材であって、該外側ライナーの主たる表面に取り付けられ、かつ間に背中部分を規定するように間隔をあけた形で配置されており、該外側ライナーの縁に沿って該一対のハードシート部材が相互に折り畳むように動くことができる該一対のハードシート部材とを含むハードカバー書籍製品提供することにより当該技術分野における前記需要に応えるものである。前記背部分内には、セキュリティー・タグが取り付けられ、また、前記ハードシート部材には、本体部分が取り付けられている。前記センサーは、遠隔認識装置と応答する前記セキュリティー・タグにより、前記ハードカバー製品のトラッキングを可能にする。
【0015】
本発明の目的、優位性及びその技術的特徴は、添付した図面を参考にして、以下の発明の詳細な説明と請求の範囲を読めば明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
A.ハードカバー製品とその製造方法
【図1】外側表面にセキュリティー装置が装着されたハードカバー製品の平面図
【図2】図1に示すハードカバー製品の作製に用いるアセンブリの積み重ねの端面図
【図3】本発明の具体例である隠されたセキュリティー装置付きハードカバー製品の平面図
【図4】図3に示すハードカバー製品のアセンブリの分解断面図
【図5】本発明の、別の具体例であるハードカバー製品の平面図
【図6】本発明の特徴を示すハードカバー製品の斜視図
【図7】本発明の、別の具体例であるハードカバー製品の斜視図
【図8A】書籍用の紙の束であるアセンブリが付属したハードカバー製品の分解斜視図
【図8B】書籍用の紙の束であるアセンブリが付属したハードカバー製品の分解斜視図
【図9】本発明のハードカバー製品を作製するためのアセンブリラインを示す略図B.ハードカバー製品のための、中間体のラミネートされたカバーボード、及びその製造
【図10】本発明の、ハードカバー製品であって、セキュリティー装置が封入された中間体のラミネートされたカバーボードを有する該ハードカバー製品の平面図
【図11】図10に示す中間体のラミネートされたカバーボードの切欠き斜視図
【図12】図10に示す中間体のラミネートされたカバーボードの分解斜視図
【図13】図10に示す中間体のラミネートされたカバーボードを番号13で表す線で切断した断面図
【図14】本発明の、中間体のラミネートされたカバーボードの別の具体例であって、シート型セキュリティー装置を用いたカバーボードの斜視図
【図15】図14に示す別の具体例である中間体のラミネートされたカバーボードの断面図
【図16】本発明の、別の具体例である中間体のラミネートされたカバーボードであって、一対のセキュリティー装置の組合わせに特徴があるカバーボードの分解斜視図
【図17】本発明の、多層式のラミネートされたボードであって、該ボードの間に挟まれたセキュリティー装置を有する該多層式のラミネートされたボードの切欠き斜視図と、該セキュリティー装置の位置を示す印
【図18】図17に示す多層式のラミネートされたボードの生産工程を表す略図C.隠されたセキュリティー装置が背中部に配置されたハードカバー製品
【図19】本発明の、背部分の中にセキュリティー装置を有するハートカバー書籍の分解斜視図
【図19A】図19に示すハードカバー書籍を背面斜視部分切り取り図
【図20】本発明の、第二の具体例である背部分の中にセキュリティー装置を有するハートカバー書籍のの分解斜視図
【図21】本発明の、第三の具体例である背部分の中にセキュリティー装置を有するハートカバー書籍の斜視切り取り背面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
A.ハードカバー製品と方法
これより、複数の図を通して同じ番号が同じ部分を示す図をさらに詳しく参照する。図1は外側ライナーの12、間隔の空いた一対のシート14、16を有し、さらに内側ライナー18で覆われた、ハードカバー製品10を示す。前記外側ライナー12と前記内側ライナー18は、グラフィックス17のように、グラフィックス、テキストや、視覚的装飾を含んでいてもよい。前記シート14、16(前記外側ライナー12と前記内側ライナー18に囲包されている)は、前記ハードカバー製品のための表カバーと裏カバーを規定する。間隔の空いた一対の溝、または折り線20は前記シート14、16が相互に折り畳まれて、前記ハードカバー製品10を閉じることを可能にする。前記刻み目20の間にある隙間22は、前記閉じることができるハードカバー製品10の背、又は背面を形成する。セキュリティー・センサー24は前記内側ライナー18の表面の選択された箇所へ接着剤と共に取り付けられる。前記センサーは前記内側ライナー18により規定される平面の上に伸びている。図2に示すように、これは前記ハードカバー製品10の製造過程で、その取扱いと生産について問題へと至る可能性がある。前記上向きに伸びたセキュリティー・センサーは、製品の積み重ねの一部を水平ではなく、斜めに傾いた角26を成すように配列してしまう原因と成る。この水平でない積み重ねは各過程での作業における取扱いをより困難なものにする。
【0018】
図3は、前記外側ライナー12、前記シート14、16及び前記内側ライナー18を含むアセンブリ内部に前記セキュリティー・センサー24が隠された、本発明のハードカバー製品30を示す。図4は、図3に示すハードカバー製品アセンブリの分解端面図である。凹部32は、梱包マシンを用いた典型的な書籍の製本のための梱包作業における、ダイカッティングなどにより前記シート14に形成される。アプリケータ装置が前記セキュリティー・センサー24を前記凹部32に設置する。前記ハードカバー製品30のためのアセンブリの外側では、前記外側ライナー12によって前記凹部32が閉じられ、反対の内側では、前記内側ライナー18が該凹部32を閉じる。したがって、前記内側ライナー18により前記セキュリティー装置24が前記ハードカバー製品30内部に覆い隠される。
【0019】
前記シート14(図4において対峙する主たる表面の間を横断するライン34で示される)の厚さについては、前記セキュリティー装置24が前記凹部32内あって、該主たる表面に対して凹みをつくる程度に十分であることが好ましい。前記シート14、16は、ボール紙のシート、繊維板のシート、または他の硬質シート材であり、書籍カバーや、ケース、又は他の商品の容器に適したものである。
【0020】
図に示す具体例では、前記隙間22は前記重なり合う内側ライナー12と外側ライナー18との間に、刻み目、又は溝を規定する。これらの刻み目や、溝は、前記表と裏カバーがその上で相互に折れ曲がる回転軸、または線を規定する。
【0021】
図5は、本発明の別の具体例であるハードカバー製品50を示す。この具体例では、実質的に平坦なラジオ周波数タグ52が前記シート14aの表面に取り付けられている。前記内側ライナー18が、前記シート14、16に対して上に重なるように取り付けられている。図に示される、前記凹部32を有さない具体例では、前記内側ライナー18は、前記背の領域上に伸びている。従って、前記内側ライナー18は、前記シート状のセキュリティー・タグ52を上に重なって、隠すように封入する。前記セキュリティー・タグ52は僅かな膨らみとして認知できるが、前記内側ライナー上に描かれたグラフィックスやテキストの効果を損なうことはない。
【0022】
図に示す前記具体例において、前記ハードカバー製品50はコンパクトディスクやDVDディスクを収容するように構成された、向かい合わせで噛み合わさってはめ込むプラスチック製ディスクホルダーのような内部本体に取り付けられる。しかしながら、前記内部本体は、書籍用に結合した紙の束であってもかまわない。前記ハードカバー製品用の前記内部本体を規定する、小さな商品、ビデオテープ、書籍、リング式バインダーや他の商品などをパッケージングするためのその他のシェル型装置も、前記内側の表カバーと裏カバーに有利に取り付けることができる。例として、図8Aと8Bは、書籍として前記ハードカバー製品に取り付けるための、印刷物を含む紙シートの結合アセンブリ61を示している。該結合アセンブリ61は前記背22に取り付けられる。図8Aに示す具体例では、前記シート状のセキュリティー・タグ52を用いるが、図8Bの具体例では前記セキュリティー・タグ24を用いている。
【0023】
図6は、前記外側ライナー12が、バーコードや、その他の製品在庫番号のような表示物62を含んでいる前記ハードカバー製品50を示す。この具体例では、前記セキュリティー・タグ24(あるいは前記シート14上に取り付けられた前記セキュリティー・タグ52)のための前記凹部32が、前記表示物62と実質的に同一直線上に配置されている。この方法により、セキュリティー・タグの検出装置は、前記ハードカバー製品30が精算時にスキャンされる時に、前記セキュリティー・タグを作動できないようにして、警報を作動させることなく該製品を店舗外に持ち出すことができる。
【0024】
図7は、三連リング式バインダーのアセンブリ72を有する、別の具体例のハードカバー製品70を示す。この具体例では、前記シート14が、前記シート状のセキュリティー装置52の一つを収容するが、他の具体例では、表カバー(又は裏カバー)を規定する該シートが前記凹部32を含む。
【0025】
図9は、上記にて論じた、本発明のハードカバー製品を生産するための組立てライン90の模式図である。前記組立てライン90は、前記ハードカバー製品の中間アセンブリのスタック93を収容するサプライホッパー92を含む。梱包マシン94は、前記外と内側ライナーに挟まれて前記表と裏カバー体を規定するボール紙シートの余白を断裁する作業を行なう。前記梱包マシン94(例えば、コルブス社製232型梱包マシン、又は類似の設備)は、前記凹部32を細長く切断するためのダイカッター95が付いた回転可能なシリンダー91を有する。前記ハードカバー製品の中間アセンブリは前記シート14、16に取り付けられた前記外側ライナー12を含む。ラベルアプリケータ96(例えば、LABELAIRE、又は類似の装置)が前記セキュリティー・タグ24の供給を受け取り、それらを個別に前記凹部32内、又は前記シート14上(シート状のセキュリティー・タグの場合)に配置する。生産の第一工程での前記組立てラインの操業では、前記内側ライナー18を取り付けるために、後で前記ホッパーへと戻される中間アセンブリが作製される。
【0026】
前記組立てライン90は更に、前記外側ライナー12とは反対側の前記シート14、16の主たる表面に上になるように前記内側ライナー18の取り付けを行なう、内側ライナーアプリケーションステーション97を含む。接着ステーション98は、選択された接着剤101を前記内側ライナー18に塗布する接着剤アプリケータ100を含む。ケーシングアプリケータ102は、前記はめ合わせ式シェル54、56のような内部本体またはケース103を複数個保持するサプライホッパー104を含む。メータリング装置106が、前記ケース103の一つを前記背22に配置する働きをする。向かい合うプラウ108が、前記向かい合う表と裏カバーが相互に旋回して前記ハードカバー製品を折り畳んで閉じるように、該表カバーと裏カバーを誘導する。ローラー110は、前記ハードカバー製品を閉じるように前記向かい合うカバーを押さえつけ、前記ケース103をはめ合わせて前記接着剤と接着させる。そして次に、前記の完成して、閉じられたハードカバー製品は、梱包のためにスタッカー112に収容される。
【0027】
従って、一つの具体例としての前記製造過程は:(a)ハードカバー製品のラッピングや紙面を上に貼り合わすに先立って、前記折り返し、又はペーパーラインされた製品のボードに、ダイカッティングにより開口部を形成する工程と;(b)該ボード表面に前記印刷されたカバー材を上に貼り合せる、又は取り付ける工程と;(c)セキュリティー・センサー・バーを前記ダイカッティングにより形成された開口部に設置する工程と;(d)該ボードの露出した側面を、印刷され、又は、されていないシート材の内側ライナーでライニングする工程、の各工程含む。この過程は、前記カバーや、前記内側ライナー上の印刷や印刷されたものを覆い隠すことなく、前記ダイカッティングにより形成した開口部や空洞部に、前記セキュリティー・バー又は装置を設置することができ、製造上の機械的問題を減らして、結果としてコストを節約し、パッケージや商品自体を傷つけることなく該セキュリティー・タグを取り外すことをより困難にし、前記ハードカバー製品の前記ボード上のいかなる位置にも該セキュリティー・バーを設置することを可能とする。
【0028】
RFIDセキュリティー・ステッカーに関しては、本発明は、ハードカバー製品に用いるカバーのケース作成の前後、そして、該カバー製品を印刷されたカバーストックで上張りする前に、該ボード上の選択された箇所に該シート状のRFIDステッカーを設置することで、完全に該RFIDセキュリティー・ステッカーを隠す方法と装置を提供し、それによって、競合製品に比べて低い視認性を有するように該RIFDステッカーを隠す。前記RFIDセキュリティー装置は、該製品内部に設置されることで、印刷や飾りの付いた製品を覆い隠すことなく、表面上の視認性を少なくする。製造上の問題も、結果として生じるコスト節約により減少する。前記隠されたセキュリティー装置は前記製品やパーケージ自体を相当に傷付けずに取り外すことが困難になる。
【0029】
B.ハードカバー製品用の中間体のラミネートされたカバーボードとその製造。
上記のハードカバー製品10は、前記閉じられて隠されたセキュリティー・センサー24を提供するものであるが、前記外側ライナー12と前記内側ライナー18はその外部表面に、その中にある該セキュリティー・センサーの存在を示す跡を含みやすい。これらの跡は、前記外側ライナー12や前記内側ライナー18の前記凹部32の周辺に生じる僅かな凹み、又は該凹部周辺の僅かなふくらみ部分として、該凹部の縁により微妙ではあるが気付いてしまう程の周辺表面との境界線を規定する。本発明は、図10に描かれるように、別の局面として、前記セキュリティー・センサー又は装置32が、中間体のラミネートされたカバーボード120から組立てたハードカバー製品122に封入されており、該センサーの存在を示す印が表面に現れない該中間体のラミネートされたカバーボード120を提供する。前記ハードカバー製品122は、前記外側ライナー12、カバーボード124、そこから間隔を空けて配置された前記中間体のラミネートされたカバーボード120、及び前記内側ライナー18を含む。前記カバーボード124と、前記外側ライナー12及び前記内側ライナー18により上張りされた前記中間体のラミネートされたカバーボード120は、書籍、バインダー、ディスク用包装物、又は類似の内部本体を有する製品である前記ハードカバー製品のための表カバー及び裏カバーを規定する。前記間隔の空いたカバーボード124と前記中間体のラミネートされたカバーボード120との間の隙間は、背であって、該背が規定する刻み目に沿って該向かい合うカバーボードが折り畳んで閉じる前記ハードカバー製品122の背を規定する。
【0030】
図11及び図12を参照すると、前記中間体のラミネートされたカバーボード120(図11、図12においてそれぞれ切欠き斜視図、及び分解斜視図で示す)は、ハードカバー製品122の組立てに有益に用いられる。前記中間体のラミネートされたカバーボード120は、第一の厚さ136を超える長さと幅を持ち、向かい合う平坦な表面132、134を含む、一次的な、又は中央シート130を有する。さらに、前記中央シート130は、該中央シートを貫通する開口部138を規定する。前記開口部138は、突出したダイスが付いたローラーであり、前記カバーボードがコンベア上の該ローラー部を通過する時に、該ダイスが該カバーボードにのしかかるようなダイカッターにより形成される。前記開口部138は前記カバーボードの選択された箇所に形成され、それによって、特に、前記外側ライナー12は、例えば店舗の精算レジで用いるスキャナーといった、セキュリティー解除装置を前記選択された箇所へと導くバーコードのような表示物で印刷することができる。
【0031】
前記セキュリティー装置32は前記開口部138に収容される。図に示した具体例では、図10中の線13−13上での断面図として図13に最もよく示されるように、前記中央シートの前記向かい合う平坦な表面132、134のそれぞれにおいて、前記セキュリティー装置32の両側面が実質的に同一平面を成すように、該セキュリティー装置32の厚さが実質的に該中央シート130の大部分の厚さを超えない。
【0032】
二つの向かい合う外部シート142、144は、前記中央シート130の向かい合う平坦な表面132、134のそれぞれと、接着剤を用いてラミネーションにより接着する。前記外部シート142、144のそれぞれは、第一の厚さ136よりも薄い、第二の厚さを有する。これにより、前記外部シート142、144は、該外部シートに挟まれたかたちで前記開口部138内部にある前記セキュリティー装置32を封入する。前記外部シート142、144の厚さは、前記中間体のラミネートされたカバーボード120の表面に前記セキュリティー装置32の存在を示す跡が現れないような、十分な寸法である。したがって、前記中央シート130に封入される前記セキュリティー装置32は、その存在の表面的な跡から隠される。
【0033】
前記中央ボード130は、前記外部ボード142、144と同様にして、書籍、ノートパッドの背表紙やその他の類似製品に用いられるカバーボードに用いされるチップボード、ペースト状チップボード、ボール紙、灰色の繊維板やその他の類似材料のような半硬質のシート材から作られる。
【0034】
図11乃至13を参照すると、前記中央ボード130と前記外部ボード142、144は協働して、次にハードカバー製品の構成要素として用いられる前記ラミネートボード120を作り出す中間体を構成する。該中央シート130は、ダイカッターなどにより選択された箇所で前記向かい合う表面を貫通する前記開口部138を有する形で提供される。そして次に前記外部シート144が接着剤を用いて前記平坦な表面134にラミネートされる。これにより前記開口部138の一方の側が塞がれる。前記セキュリティー装置32は前記開口部138の中に設置される。図13に示すように、前記セキュリティー装置32は、前記中央シート130の向かい合う平坦な表面132、134と実質的に同一平面を超えないように、該中央シートの大部分の厚さよりも薄い厚さを有することが好ましい。前記第二の外部シート142は、前記セキュリティー装置32を封入するために前記平坦な表面132にラミネートされ、中間体のラミネートされたボード130であって、該ボード内にある該セキュリティー装置32の存在を示す跡が、該外部シートが規定する前記向かい合う表面に現れない、該中間体のラミネートされたボード130を形成する。
【0035】
例として、前記中央ボード130は、長さ7.5インチ、幅5.75インチ、そして厚さ0.060インチを有する。前記開口部138は前記中央ボードの上部から1インチの位置で開口され、横方向の中央に位置する。市販で手に入るタイプのセキュリティー装置は約0.056インチの厚さを有する。前記外部ボード142、144は長さと幅において前記中央ボードと一致しており、約0.010インチの厚さを有する。別の具体例では、約0.020インチの厚さを有する一枚の外部ボードを用いることで、一方の表面がむき出しの状態にある前記中央ボード130が挙げられ、この発明の具体例の方が安価であるかもしれない。その他の具体例については、ハードカバー製品を作製する技術分野における通常の知識を有するものには自明である。
【0036】
図10を参照すると、前記中間体のラミネートされたカバーボード130は、前述した通り、前記セキュリティー装置32が、その存在を示す跡が表面から観察されない状態で封入された、前記折り畳み可能なハードカバー製品122を形成するよう、前記カバーボード124、前記外側ライナー12、そして前記内側ライナー18と共に、直ぐに組立てられる。
【0037】
図14は、別の具体例としての、前記平坦なラジオ周波数タグ52のようなシート状のセキュリティー装置を用いて、該セキュリティー装置の存在を示す跡が表面に現れない、中間体のラミネートされたカバーボード150の切欠き斜視図を示す。図15は、浅い凹部154を規定する前記中間体のラミネートされたカバーボード150の分解断面側面図を示す。前記凹部154は底面を有しており、前記カバーボードにデボス加工することで形成される。前記凹部154は、前記カバーボード152が突起を有するローラーとプレッシャープレートの間を通過し、該凹部154を形成するように、突起が該カバーボードの選択された箇所を圧縮することにより形成される。その後、前記凹部154は、前記平坦なラジオ周波数タグ52の一つを収容する。前記デボス加工による凹部154の深さは、殆ど前記ラジオ周波数タグ52に厚さと同じであるが、しかし、一般的に十分に圧縮されているために該ラジオ周波数タグ52の外側表面は、前記カバーボード152の該凹部周辺の表面と比べて同一平面を成すか、又は凹んでいる。ライナーボード156が、前記ラジオ周波数タグ52に対して上に重なる形で接着剤により装着され、たとえ該ラミネート構造内に該セキュリティー装置の存在をしめす跡が外側表面に現れるにしても殆ど見えないように、該凹部内にあるラジオ周波数タグ52を封入する。図15に関しては、前記セキュリティー・センサー(ラジオ周波数タグ52)が、カバー12と内側ライナー18の取り付けられる前に、完全に隠されていることが好ましい。前記中間体カバーボード150が、前記カバー12とライナー18含むバインダーの取り付けのために、前記ラミネートされたカバーライナー156が装着されていない状態で、ハードカバー製品(書籍バインダーのような)の生産者に提供される場合もある。前記凹部154を有するこの別の具体例では、前記カバー12の取り付け後は、前記セキュリティー・タグの跡が殆ど表面に出ないようにすることができる。
【0038】
図16は、コンビネーション・セキュリティー装置166を収容する、別の具体例である中間体カバーボード160の分解斜視図を示す。前記カバーボード160は溝孔162と、その隣の凹部164を規定する。前記溝孔162は、前記カバーボード160を貫通するダイカットであるが、前記凹部164は、上述したのと同様に、そこにデボス加工されたものである。前記コンビネーション・セキュリティー装置166は、音式磁気セキュリティー・バー170と平坦なラジオ周波数タグ172を具備するバッキングシート168を含む。前記コンビネーション・セキュリティー・タグ166の周辺部分は接着剤コーティング173を含有する。
【0039】
例示することを目的として、図16では、前記セキュリティー・バー170と前記平坦なラジオ周波数タグ172が付いた前記コンビネーション・セキュリティー・タグ166は、前記カバーボード160から離れた方向に配置されている。設置された状態では、前記コンビネーション・セキュリティー・タグ166は前記カバーボード160に向いて配置され、セキュリティー・バー170は前記溝孔162に、平坦なシート状のラジオ周波数タグ172は前記凹部164にそれぞれ配置される。前記周辺部の接着剤コーティング173は、前記コンビネーション・セキュリティー・タグ166を適切な位置へ固定する。図示されてはいないが、図11と12を参照すると、カバーライナー142を前記カバーボード160にラミネートすることで、前記コンビネーション・セキュリティー・タグ166を封入し得ること、さらに別の具体例でも、一対の向かい合うカバーボード142、144を、前記カバーボード160の向かい合う表面にラミネートすることができることがわかる。図16に示す具体例は、このようなセキュリティー装置のうちどちらか一方、又は両方を有する施設(例えば店舗や、図書館のような)にて有益に使用される。前記セキュリティー装置166を含む前記中間体のカバーボード160は、カバーライナー12と内側ライナー18を取り付けるため、ハードカバー製品の生産者に提供される。結果として作られるハードカバー製品は、隠して封入したセキュリティー装置の存在を示す表面の跡が小さくなったものや、又は、前記カバーライナー142、144付きでは、前記封入されたセキュリティー装置を示す跡が全く観察できない製品となる。ハードカバー製品の生産者は、前記カバーライナー142、144を有するものか、前記単一層含む中間体のカバーボードかを選択できる。
【0040】
図17は、少なくともボードストック材322、324の二層のレイヤー含む、ラミネートされた多層ボード320であって、前記セキュリティー装置52を該ラミネートボードで挟み、該セキュリティー装置52の位置に配列された表示マーク326を含む、本発明の該多層ボード320の切欠き斜視図である。前記ボード320は前記セキュリティー装置24を含む場合もあるが、該ラミネートされた多層ボードにおいては前記シート状のセキュリティー装置52を用いることが好ましい。前記ボード320は、上述したようなハードカバー製品の組立てに便利な中間の製品を提供する。例えば、前記外部カバーシート12の前記表示62の位置に合わせて前記ボード320を適切に方向付ける場合など、その後の書籍を梱包する生産工程の間、前記中間の製品を梱包マシンや他の装置に並べるため、該ボード320は前記表示マーク326を前記レイヤー322の外側表面に含む。一つの具体例では、前記ボードレイヤー322、324は、書籍の製本作業に一般的に用いられている、実質的に80ポイントボードを形成するように接着剤を用いて貼り合せられる40ポイントのチップボードである。
【0041】
図18は、図17に示すラミネートされた多層ボード320を作製する生産工程の略図である。サプライロール330は、前記第一のレイヤー322の連続的な供給を提供する。アプリケータ332は、前記セキュリティー装置52をサプライ333から前記レイヤー322の表面に取り付け、一方、マーカー334は該レイヤー322の反対の面に前記表示マーク326を取り付ける。該セキュリティー装置は、例示の目的のために強調された寸法で描かれている。前記マーカー334は、前記アプリケータ332が前記セキュリティー装置を取り付けるに従い、後寄りの位置からマーキング位置へと移動する。接着剤スプレー336はサプライ338と連通し、前記レイヤー322の表面に接着剤を吹きつける。第二のサプライロール340は、適切なガイドロール342を通過した前記第二のレイヤー324の連続的な供給を提供する。クリンプローラー344、346は、前記セキュリティー装置を挟むように、前記第一と第二のレイヤー322、324を共に圧縮する。ナイフ348は、鉄床350に対して周期的に移動して前記連続的な供給から個別にラミネートボード320を切離す。スタッカー352は、パッケージングや梱包ラインに運搬するために、前記切離されたボード320を回収する。
【0042】
C.背に配置された、隠されたセキュリティー装置を有するハードカバー製品
図19は、前記間隔の空いたハードカバーシート14、16と一体の外側ライナー12を有するハードカバー書籍230の分解斜視図である。前記外側ライナー12周囲の縁の部分は、前記シート14、16外側の縁の部分と重なっている。前記シート14、16は空間を隔てて、前記外側ライナー12の内側の面に取り付けられている。これが背232、又はハードカバー書籍230の背面となる、前記隙間22を規定する。前記セキュリティー・センサー24は、前記背部分232の選択された箇所内の前記内側ライナー表面に接着剤で取り付けられる。書籍のための印刷されたページ236が結合したアセンブリによって作られる書籍ブロック234は、前記書籍230の前記背22と前記カバー14、16に従来通りに取り付けられる。前記書籍ブロック又は本体234は、複数のページ236を含み、該書籍ブロック234の背又は背面を規定する背面部分238に、一体となって従来通りに取り付けられる。
【0043】
書籍230を背面から見た斜視部分切り取り図を示す図19Aを参照すると、前記表カバー12は事前に印刷されたバーコード240を含む。前記センサー装置24は、前記バーコード240と反対側の配置で前記背132に装着される。これが、図書館でその書庫のトラッキングのための使用に加えて、精算箇所でのレジやチェックアウト箇所において、前記セキュリティー装置の不作動化と同時に在庫管理のために前記バーコードを読むプライシングスキャナー/センサー不作動化の装置を使用することを容易にする。
【0044】
図19に描かれる具体例では、前記センサー装置24は前記外部カバー12の内側の表面に取り付けられている。図20は、第二の具体例であるハードカバー書籍246の斜視図である。この具体例において、前記背22は、背中部材248と同様にして、前記間隔の空いたハードカバーシート14、16により規定される。前記背中部材248は、前記ハードカバーシート14、16の隣り合う縁に対して隙間250、252を規定し、該ハードカバーを相互に向かって折り畳むことで書籍146を閉じる。前記セキュリティー装置24は、前記背中部材248に取り付けられる。別の具体例では、前記背中部材248が、前記セキュリティー装置24を収容するために、前記シート14に形成された前記凹部32のような凹部を含むことが好ましい。
【0045】
図21は、第三の具体例であるハードカバー書籍260の背面からの斜視部分切り取り図であり、前記書籍本体が前記背232に取り付けられるに先立って、十分に平坦なラジオ周波数タグ52が、前記書籍ブロック234の前記背238に取り付けられる図である。
【0046】
図19−21を参照すると、前記ハードカバー製品230、246及び260はそれぞれ、背部分の内部に、前記セキュリティー・センサー24、前記ラジオ周波数タグ52、または他の類似する遠隔認識センサー等のセキュリティー装置を隠して保持する背中部分を有する。これらの具体例に例示されるように、前記セキュリティー装置は、前記書籍ブロック234の前記背面238と向かい合わせる前記背232の内側表面の上、前記背中部材248の上(又はその中の凹部内に)、又は前記書籍ブロック234の前記背面238の上に、簡単に配置される。生産ラインの適切な部分において、ラベルを配置する装置を加えることで、前記ハードカバー製品は、従来の書籍装丁プロセスに従って簡単に作成される。図19と20に描かれる具体例では、前記ハードカバー製品用の前記カバーを組立てる生産ラインにおける前記のラベルを配置する装置が提供されている。図19に描かれる具体例は、従来式の梱包のラインにおいて、前記書籍本体を前記カバーに取り付ける工程で、前記セキュリティー装置を該書籍本体の前記背面238に取り付ける例を提供する。
【0047】
ライン上での梱包作業は前記書籍本体を、典型的に接着剤を用いて前記カバーに固定することを伴う。梱包ラインのベルトコンベアーは、前記書籍ブロックを、その背が上を向いて配置された状態で運搬する。繊維板、又はクラフト紙のライナーを前記背の上に取り付けるため、ローラーは、前記書籍ブロックの最初と最後のページのシートと背面に接着剤を塗布する。図21に示す具体例では、前記ラベル取り付け装置は、前記背の上に前記繊維板のライナーが取り付けられる前後を選択して、セキュリティー装置を前記背面に取り付ける。前記カバーが、前記書籍ブロック234の上に重ねられ、前記背22が該カバーを該書籍ブロックに対して適切な位置に保持する。前記表及び裏カバーは、前記シート14、16の内側表面にある接着剤と接触する位置に移動する。ヒートプレッシャー板を有する取り付け装置は、前記カバーと前記書籍ブロックのアセンブリを挟んで、接着剤が硬化するように前記書籍の前と後を閉じる。前記組立てられた書籍製品は積み上げられ、出荷と保管のためにパッケージングされる。
【0048】
本明細書は、隠されたセキュリティー装置と一体化したハードカバー製品、その中間体のラミネートされたカバーボード、及びこのような隠されたセキュリティー装置と一体化したハードカバー製品を作製する有用な方法、及び種々の具体例を作製し使用するために必要な工程を含んだ、背中部内に隠されたセキュリティー装置と一体化したハードカバー製品を提供する本発明を記載する。しかしながら、本発明の概念と視野の範囲内で、本ハードカバー製品の構造に種々の変更や変形が可能であり、また、添付のクレーム内で説明される本発明の範囲から離れることなしに、本発明に修飾や変更が可能であることが理解されるであろう。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ハードカバー製品に関する。特に、本発明はハードカバー製品の製造及び利用を容易化するための、隠されたセキュリティー装置付きハードカバー製品、該ハードカバー製品の中間製品であるライナー、及びセキュリティー装置を隠し持つ背中部を有する書籍製品とそれらのハードカバー書籍製品の製造に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、商品の在庫のトラッキングが重要化してきている。商品の在庫は重要な資本の投資を示す。コスト的要因に加えて、盗難防止や在庫品の検証や精算、及び生産者が商品を生産する直前に原材料の提供を受けることができるジャストインタイム生産への需要の高まりが、在庫トラッキングへの関心を増加させている。
【0003】
商品やその容器のトラッキングやモニタリングのために、種々の電子装置や機械装置が提供されている。これらの装置には音波による磁気性のセキュリティー・ストリップや、ラジオ周期波セキュリティー・タグが含まれる。これらの装置は多くの場合タグ、ポッド、ラベルやパッチ等の形態を有し、商品や、その商品の容器に取り付けるために粘着性の表面を有する。これらの装置は、商品や、その商品の容器のトラッキングやモニタリングを容易にする。セキュリティー装置は、典型として特に倉庫や庫売店からの荷抜きや不正な取り除きに遭いやすい品目に取り付けられる。これらのセキュリティー装置には認識可能なセンサーが含まれている。ある公知の種類のセキュリティー・タグには、事前に設定された認識周波数レンジで共鳴する回路を持つ。トランスミッターが前記回路を刺激する電磁気エネルギーを提供する。そしてレシーバーが前記共鳴する回路から発せられる前記外部シグナルを検出する。前記トランスミッターと前記レシーバーは検出場所に設置されており、多くの場合は小売施設から出ている。その商品が前記検出場所を通過する際に、作動したセンサー装置が検出されて前記レシーバーが警報を信号する。検出場所を通過することが許可されている商品(購入された商品など)については、通過に先立って別の装置を用いることで前記検出センサーを作動できなくする。その他の装置としてはデジタル信号を介して伝達するRFID装置が含まれる。ある公知のRFID装置では、前記信号が、特定の容器をトラッキングするために個々の識別子を表示する。
【0004】
多くの場合、大型の店舗は、商品の生産者に対し、商品の容器内にトラッキングとモニタリングの装置が内蔵されていることを要求してくる。そして小型店舗や小型卸業者については、追跡とモニタリングの装置は内蔵されず、又は取り付けられてなくてもよい。このような事情の下では、商品がアフターマーケットのトラッキング及びモニタリングの装置と共に提供されることが可能である。例えば、商品の電子的な調査用のタグは、粘着性の裏面によりタグを容器に固定して利用される。該容器はこれによって商品の電子的な調査を受けることになるが、粘着により取り付けられた前記タグは、その使用を通して問題を経験する。重要な問題の一つとして、前記容器の外側にある前記タグは剥がれ易いことがある。該セキュリティー・タグの剥離は警備を回避して、安全な区域から商品の無許可の持ち出しを促すこととなる。一方で、商品を購入した者による剥離も問題を生じる。前記セキュリティー・タグが取り付けられた商品のカバーは引き裂かれたり、破られたりするかもしれず、従って商品の包装を破損することになる。
【0005】
さらに、前記セキュリティー・タグ付きの包装や、又は剥離によりセキュリティー・タグが無い包装は、消費者の目に目障りなものを作り出してしまう。また前記セキュリティー・タグは包装の装飾用のグラフィックスや文字を覆たり包み隠してしまうかもしれない。これによって、前記セキュリティー装置は印刷されたグラフィックスや他のタイプの商品カバーを干渉して、印刷やスタンプによるデザインが商品の市場性を促進する効果を妨げたり、もみ消したりしてしまう。
【0006】
また、重要なことに、組み立て段階におけるアセンブリへの電子セキュリティー・タグの取り付けは、その生産や取扱い上の問題へと至る。これらの生産工程における問題には商品を生産する際の機械的な問題や、また生産スピードを下げて生産設備を操作しなければいけないことも含まれる。セキュリティー・タグは、それが装着しているものの表面から突き出ている。これが組立て段階のアセンブリを高く積み重ねていく場合に、新たに上に重ねられたアセンブリとの間に徐々に勾配や傾きを生じさせる。例えば、梱包マシンを用いて組立てられるハードカバー書籍は、表カバーと裏カバーに取り付けられた外側ライナーを受け取る。このような組立て段階のアセンブリは第二の工程として梱包マシンにより内側ライナーを貼り付けられる。勾配を帯びたアセンブリの積み重ねは、生産工程での生産や取扱いをより困難にする。さらに、例えば、プロセッシングと内側ライナーの貼り付けのために、提供装置がホッパーからアセンブリを押し出すと、突き出たセキュリティー・タグが隣り合うアセンブリに傷を付けるかもしれない。
【0007】
図書館等には、特に関心を起こさせる、隠されたセキュリティー装置の活用の場を提示する。図書館はその典型として、直ぐに持ち運びできる製品である、大量の書籍在庫を有している。専門書、貴重図書、及び同種の書籍は無許可の持ち出しに遭い易い。このような在庫の損失という問題を防ぐためにも、センサー識別性の装置を出口のドア付近に設置してある。該認識装置は該書籍内に設置されたセンサーと応答する。正規の貸し出し手続きを経た書籍については、前記センサーが作動できなくなっている。もし該センサーが前記認識装置に信号を送った場合には、警報が鳴ることとなる。しかしながら、このような図書館のセンサーと認識装置によるシステムは後付で設置され、前記センサーについても図書館において手作業で取り付けられる。該書籍はカバーにより保持されて広げられ、その背部分において隙間を空ける。前記隙間は典型として、前記書籍を形成する束ねられたページの背の縁部分と前記カバーとの間に形成される。専用の装置を用いて、前記隙間により規定される開口路に前記センサー装置を挿入する。前記センサー装置が設置されると、典型としては前記背の中央部であるが、前記書籍のカバーが共に閉じられ、前記道具が引き抜かれ、それによって前記セキュリティー装置が背の中に配置される。多くの場合、前記セキュリティー装置は書籍の背に取り付けるために、粘着性の表面を有している。カバー部分を開いてもこのような隙間を生じない書籍については、セキュリティー装置はいずれか一つのページに設置されなければならず、典型的には該書籍の中央部分に設置される。これは前記センサーを剥離され易くする。センサー装置の取り付けは多大な時間を要し、該センサー装置が所定位置にあるどうかを確認するため、定期的に該書籍を調べる必要がある。また、前記背の内部で、前記センサー装置の適切な配置や固定を確認することは困難である。
【0008】
従って、当該技術分野において、隠されたトラッキングとモニタリングのセキュリティー装置を有するハードカバー製品、これらのハードカバー製品のための隠されたセキュリティー装置付き中間体のカバーボード、及び背の中に隠されたトラッキングとモニタリングのセキュリティー装置を持つハードカバー書籍に対する需要がある。本発明はこのような需要に対して向けられたものである。
【発明の概要】
【0009】
A.ハードカバー製品とその製造方法
本発明は、一対のシート部材に対して主たる表面に取り付けられた外側ライナーを有するハードカバー製品を提供することにより、当該技術分野における前記需要に応えるものである。前記シート部材は間隔を空けて配置され、前記ハードカバー製品の表カバーと裏カバーを規定する。前記硬質シート部材の一つは、セキュリティー・タグを収容する収容区画を規定する。内側ライナーは前記一対のシート部材の上に重ねられ、前記収容区画内のセキュリティー・タグを隠す。前記一対のシート部材間の隙間と、相互に折り畳むように動く前記の向かい合う表カバーと裏カバーが、前記ハードカバー製品の背を規定する。
【0010】
その他の側面として、本発明は、
(a)第一のシートに凹部を形成する工程と、
(b)該第一のシートの主たる表面と、該表面との間に間隙が規定されるように間隔を空けて配置された第二のシートに外側ライナーを取り付ける工程であって、前記第1のシートと第2のシートがそれぞれ前カバー及び裏カバーを規定する工程と、
(c)前記凹部にセキュリティー・タグを配置する工程と、
(d)前記第一のシートと前記第二のシートに重なる形で内側ライナーを取り付ける工程であって、前記間隙は、前記対向する前カバーと裏カバーが、該間隙上で互いに向かって回転する背を規定する工程
を含む該ハードカバー製品の製造方法を提供する。
【0011】
B.ハードカバー製品のための、中間体のラミネートされたカバーボード、及びその製造
もう一つの局面として、本発明は、ハードカバー製品のための中間体のカバーボードであって、第一の厚さ、及び向かい合う平坦な表面を有する一次的なシートであって、該シートの選択された部分に収容空洞を規定するハードカバー製品のための中間体のカバーボードを提供することにより、当該技術分野における前記需要に応えるものである。前記収容空洞は、セキュリティー装置を収容する。それにより、前記カバーボードは、ハードカバー製品の生産段階で、カバーライナーにより上張りされることに適する。
【0012】
本発明は、ハードカバー製品のためのラミネートされたカバーボードであって、第一の厚さ、及び向かい合う平坦な表面を有する一次的なシートであって、該シートの選択された部分に収容空洞を規定する一次的なシートであり、該空洞がセキュリティー装置を収容するラミネートされたカバーボードを提供する。それぞれが前記第一の厚さよりも薄い第二の厚さを有する一対の向かい合う二次的なシートが、前記一次的なシートの向かい合う平坦な表面にラミネートされている。これにより、前記セキュリティー装置は、該セキュリティー装置がそこに存在することの跡が、表面に現れることのない十分な前記第二の厚さを有するラミネートされた前記二次的なシートの間に封入される。
【0013】
また、本発明は、後にハードカバー製品の構成要素として使用する、中間体のラミネートされたカバーボードを組立てる方法で、
(a)向かい合う平坦な表面を有し、第一の厚さを超える長さと幅を持つ一次的なシートで、該一次的なシートの選択された部分を貫通する開口部を規定する該一次的なシートを提供する工程と、
(b)第一の外部シートを、第一の該向かい合う平坦な表面にラミネートして、前記一次的なシートの前記開口部を閉じる工程と、
(c)セキュリティー装置であって、該中央シートの大部分における厚さを超えない厚さを有し、その向き合った側面が該中央シートの向き合った平坦な表面のそれぞれと実質的に同一平面の域を出ないようなセキュリティー装置を、該開口部に設置する工程と、
(d)第二の外部シートを、第二の向かい合う平坦な表面にラミネートし、中の該セキュリティー装置の存在を示す跡が該外部シートにより規定される前記向かい合う表面上に現れない中間体のラミネートされたボードを形成する工程、を含む中間体のラミネートされたカバーボードを組立てる方法を提供する。結果として得られる前記ラミネートされたカバーボードは、封入された前記セキュリティー装置の跡を表さずに、外側カバーと内側カバーを有するハードカバー製品のカバーボードとして有利に利用できる。
【0014】
C. 隠されたセキュリティー装置を背に配置されたハードカバー製品
他の局面として、本発明は、外側ライナーと、一対のハードシート部材であって、該外側ライナーの主たる表面に取り付けられ、かつ間に背中部分を規定するように間隔をあけた形で配置されており、該外側ライナーの縁に沿って該一対のハードシート部材が相互に折り畳むように動くことができる該一対のハードシート部材とを含むハードカバー書籍製品提供することにより当該技術分野における前記需要に応えるものである。前記背部分内には、セキュリティー・タグが取り付けられ、また、前記ハードシート部材には、本体部分が取り付けられている。前記センサーは、遠隔認識装置と応答する前記セキュリティー・タグにより、前記ハードカバー製品のトラッキングを可能にする。
【0015】
本発明の目的、優位性及びその技術的特徴は、添付した図面を参考にして、以下の発明の詳細な説明と請求の範囲を読めば明確となる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
A.ハードカバー製品とその製造方法
【図1】外側表面にセキュリティー装置が装着されたハードカバー製品の平面図
【図2】図1に示すハードカバー製品の作製に用いるアセンブリの積み重ねの端面図
【図3】本発明の具体例である隠されたセキュリティー装置付きハードカバー製品の平面図
【図4】図3に示すハードカバー製品のアセンブリの分解断面図
【図5】本発明の、別の具体例であるハードカバー製品の平面図
【図6】本発明の特徴を示すハードカバー製品の斜視図
【図7】本発明の、別の具体例であるハードカバー製品の斜視図
【図8A】書籍用の紙の束であるアセンブリが付属したハードカバー製品の分解斜視図
【図8B】書籍用の紙の束であるアセンブリが付属したハードカバー製品の分解斜視図
【図9】本発明のハードカバー製品を作製するためのアセンブリラインを示す略図B.ハードカバー製品のための、中間体のラミネートされたカバーボード、及びその製造
【図10】本発明の、ハードカバー製品であって、セキュリティー装置が封入された中間体のラミネートされたカバーボードを有する該ハードカバー製品の平面図
【図11】図10に示す中間体のラミネートされたカバーボードの切欠き斜視図
【図12】図10に示す中間体のラミネートされたカバーボードの分解斜視図
【図13】図10に示す中間体のラミネートされたカバーボードを番号13で表す線で切断した断面図
【図14】本発明の、中間体のラミネートされたカバーボードの別の具体例であって、シート型セキュリティー装置を用いたカバーボードの斜視図
【図15】図14に示す別の具体例である中間体のラミネートされたカバーボードの断面図
【図16】本発明の、別の具体例である中間体のラミネートされたカバーボードであって、一対のセキュリティー装置の組合わせに特徴があるカバーボードの分解斜視図
【図17】本発明の、多層式のラミネートされたボードであって、該ボードの間に挟まれたセキュリティー装置を有する該多層式のラミネートされたボードの切欠き斜視図と、該セキュリティー装置の位置を示す印
【図18】図17に示す多層式のラミネートされたボードの生産工程を表す略図C.隠されたセキュリティー装置が背中部に配置されたハードカバー製品
【図19】本発明の、背部分の中にセキュリティー装置を有するハートカバー書籍の分解斜視図
【図19A】図19に示すハードカバー書籍を背面斜視部分切り取り図
【図20】本発明の、第二の具体例である背部分の中にセキュリティー装置を有するハートカバー書籍のの分解斜視図
【図21】本発明の、第三の具体例である背部分の中にセキュリティー装置を有するハートカバー書籍の斜視切り取り背面図
【発明を実施するための形態】
【0017】
A.ハードカバー製品と方法
これより、複数の図を通して同じ番号が同じ部分を示す図をさらに詳しく参照する。図1は外側ライナーの12、間隔の空いた一対のシート14、16を有し、さらに内側ライナー18で覆われた、ハードカバー製品10を示す。前記外側ライナー12と前記内側ライナー18は、グラフィックス17のように、グラフィックス、テキストや、視覚的装飾を含んでいてもよい。前記シート14、16(前記外側ライナー12と前記内側ライナー18に囲包されている)は、前記ハードカバー製品のための表カバーと裏カバーを規定する。間隔の空いた一対の溝、または折り線20は前記シート14、16が相互に折り畳まれて、前記ハードカバー製品10を閉じることを可能にする。前記刻み目20の間にある隙間22は、前記閉じることができるハードカバー製品10の背、又は背面を形成する。セキュリティー・センサー24は前記内側ライナー18の表面の選択された箇所へ接着剤と共に取り付けられる。前記センサーは前記内側ライナー18により規定される平面の上に伸びている。図2に示すように、これは前記ハードカバー製品10の製造過程で、その取扱いと生産について問題へと至る可能性がある。前記上向きに伸びたセキュリティー・センサーは、製品の積み重ねの一部を水平ではなく、斜めに傾いた角26を成すように配列してしまう原因と成る。この水平でない積み重ねは各過程での作業における取扱いをより困難なものにする。
【0018】
図3は、前記外側ライナー12、前記シート14、16及び前記内側ライナー18を含むアセンブリ内部に前記セキュリティー・センサー24が隠された、本発明のハードカバー製品30を示す。図4は、図3に示すハードカバー製品アセンブリの分解端面図である。凹部32は、梱包マシンを用いた典型的な書籍の製本のための梱包作業における、ダイカッティングなどにより前記シート14に形成される。アプリケータ装置が前記セキュリティー・センサー24を前記凹部32に設置する。前記ハードカバー製品30のためのアセンブリの外側では、前記外側ライナー12によって前記凹部32が閉じられ、反対の内側では、前記内側ライナー18が該凹部32を閉じる。したがって、前記内側ライナー18により前記セキュリティー装置24が前記ハードカバー製品30内部に覆い隠される。
【0019】
前記シート14(図4において対峙する主たる表面の間を横断するライン34で示される)の厚さについては、前記セキュリティー装置24が前記凹部32内あって、該主たる表面に対して凹みをつくる程度に十分であることが好ましい。前記シート14、16は、ボール紙のシート、繊維板のシート、または他の硬質シート材であり、書籍カバーや、ケース、又は他の商品の容器に適したものである。
【0020】
図に示す具体例では、前記隙間22は前記重なり合う内側ライナー12と外側ライナー18との間に、刻み目、又は溝を規定する。これらの刻み目や、溝は、前記表と裏カバーがその上で相互に折れ曲がる回転軸、または線を規定する。
【0021】
図5は、本発明の別の具体例であるハードカバー製品50を示す。この具体例では、実質的に平坦なラジオ周波数タグ52が前記シート14aの表面に取り付けられている。前記内側ライナー18が、前記シート14、16に対して上に重なるように取り付けられている。図に示される、前記凹部32を有さない具体例では、前記内側ライナー18は、前記背の領域上に伸びている。従って、前記内側ライナー18は、前記シート状のセキュリティー・タグ52を上に重なって、隠すように封入する。前記セキュリティー・タグ52は僅かな膨らみとして認知できるが、前記内側ライナー上に描かれたグラフィックスやテキストの効果を損なうことはない。
【0022】
図に示す前記具体例において、前記ハードカバー製品50はコンパクトディスクやDVDディスクを収容するように構成された、向かい合わせで噛み合わさってはめ込むプラスチック製ディスクホルダーのような内部本体に取り付けられる。しかしながら、前記内部本体は、書籍用に結合した紙の束であってもかまわない。前記ハードカバー製品用の前記内部本体を規定する、小さな商品、ビデオテープ、書籍、リング式バインダーや他の商品などをパッケージングするためのその他のシェル型装置も、前記内側の表カバーと裏カバーに有利に取り付けることができる。例として、図8Aと8Bは、書籍として前記ハードカバー製品に取り付けるための、印刷物を含む紙シートの結合アセンブリ61を示している。該結合アセンブリ61は前記背22に取り付けられる。図8Aに示す具体例では、前記シート状のセキュリティー・タグ52を用いるが、図8Bの具体例では前記セキュリティー・タグ24を用いている。
【0023】
図6は、前記外側ライナー12が、バーコードや、その他の製品在庫番号のような表示物62を含んでいる前記ハードカバー製品50を示す。この具体例では、前記セキュリティー・タグ24(あるいは前記シート14上に取り付けられた前記セキュリティー・タグ52)のための前記凹部32が、前記表示物62と実質的に同一直線上に配置されている。この方法により、セキュリティー・タグの検出装置は、前記ハードカバー製品30が精算時にスキャンされる時に、前記セキュリティー・タグを作動できないようにして、警報を作動させることなく該製品を店舗外に持ち出すことができる。
【0024】
図7は、三連リング式バインダーのアセンブリ72を有する、別の具体例のハードカバー製品70を示す。この具体例では、前記シート14が、前記シート状のセキュリティー装置52の一つを収容するが、他の具体例では、表カバー(又は裏カバー)を規定する該シートが前記凹部32を含む。
【0025】
図9は、上記にて論じた、本発明のハードカバー製品を生産するための組立てライン90の模式図である。前記組立てライン90は、前記ハードカバー製品の中間アセンブリのスタック93を収容するサプライホッパー92を含む。梱包マシン94は、前記外と内側ライナーに挟まれて前記表と裏カバー体を規定するボール紙シートの余白を断裁する作業を行なう。前記梱包マシン94(例えば、コルブス社製232型梱包マシン、又は類似の設備)は、前記凹部32を細長く切断するためのダイカッター95が付いた回転可能なシリンダー91を有する。前記ハードカバー製品の中間アセンブリは前記シート14、16に取り付けられた前記外側ライナー12を含む。ラベルアプリケータ96(例えば、LABELAIRE、又は類似の装置)が前記セキュリティー・タグ24の供給を受け取り、それらを個別に前記凹部32内、又は前記シート14上(シート状のセキュリティー・タグの場合)に配置する。生産の第一工程での前記組立てラインの操業では、前記内側ライナー18を取り付けるために、後で前記ホッパーへと戻される中間アセンブリが作製される。
【0026】
前記組立てライン90は更に、前記外側ライナー12とは反対側の前記シート14、16の主たる表面に上になるように前記内側ライナー18の取り付けを行なう、内側ライナーアプリケーションステーション97を含む。接着ステーション98は、選択された接着剤101を前記内側ライナー18に塗布する接着剤アプリケータ100を含む。ケーシングアプリケータ102は、前記はめ合わせ式シェル54、56のような内部本体またはケース103を複数個保持するサプライホッパー104を含む。メータリング装置106が、前記ケース103の一つを前記背22に配置する働きをする。向かい合うプラウ108が、前記向かい合う表と裏カバーが相互に旋回して前記ハードカバー製品を折り畳んで閉じるように、該表カバーと裏カバーを誘導する。ローラー110は、前記ハードカバー製品を閉じるように前記向かい合うカバーを押さえつけ、前記ケース103をはめ合わせて前記接着剤と接着させる。そして次に、前記の完成して、閉じられたハードカバー製品は、梱包のためにスタッカー112に収容される。
【0027】
従って、一つの具体例としての前記製造過程は:(a)ハードカバー製品のラッピングや紙面を上に貼り合わすに先立って、前記折り返し、又はペーパーラインされた製品のボードに、ダイカッティングにより開口部を形成する工程と;(b)該ボード表面に前記印刷されたカバー材を上に貼り合せる、又は取り付ける工程と;(c)セキュリティー・センサー・バーを前記ダイカッティングにより形成された開口部に設置する工程と;(d)該ボードの露出した側面を、印刷され、又は、されていないシート材の内側ライナーでライニングする工程、の各工程含む。この過程は、前記カバーや、前記内側ライナー上の印刷や印刷されたものを覆い隠すことなく、前記ダイカッティングにより形成した開口部や空洞部に、前記セキュリティー・バー又は装置を設置することができ、製造上の機械的問題を減らして、結果としてコストを節約し、パッケージや商品自体を傷つけることなく該セキュリティー・タグを取り外すことをより困難にし、前記ハードカバー製品の前記ボード上のいかなる位置にも該セキュリティー・バーを設置することを可能とする。
【0028】
RFIDセキュリティー・ステッカーに関しては、本発明は、ハードカバー製品に用いるカバーのケース作成の前後、そして、該カバー製品を印刷されたカバーストックで上張りする前に、該ボード上の選択された箇所に該シート状のRFIDステッカーを設置することで、完全に該RFIDセキュリティー・ステッカーを隠す方法と装置を提供し、それによって、競合製品に比べて低い視認性を有するように該RIFDステッカーを隠す。前記RFIDセキュリティー装置は、該製品内部に設置されることで、印刷や飾りの付いた製品を覆い隠すことなく、表面上の視認性を少なくする。製造上の問題も、結果として生じるコスト節約により減少する。前記隠されたセキュリティー装置は前記製品やパーケージ自体を相当に傷付けずに取り外すことが困難になる。
【0029】
B.ハードカバー製品用の中間体のラミネートされたカバーボードとその製造。
上記のハードカバー製品10は、前記閉じられて隠されたセキュリティー・センサー24を提供するものであるが、前記外側ライナー12と前記内側ライナー18はその外部表面に、その中にある該セキュリティー・センサーの存在を示す跡を含みやすい。これらの跡は、前記外側ライナー12や前記内側ライナー18の前記凹部32の周辺に生じる僅かな凹み、又は該凹部周辺の僅かなふくらみ部分として、該凹部の縁により微妙ではあるが気付いてしまう程の周辺表面との境界線を規定する。本発明は、図10に描かれるように、別の局面として、前記セキュリティー・センサー又は装置32が、中間体のラミネートされたカバーボード120から組立てたハードカバー製品122に封入されており、該センサーの存在を示す印が表面に現れない該中間体のラミネートされたカバーボード120を提供する。前記ハードカバー製品122は、前記外側ライナー12、カバーボード124、そこから間隔を空けて配置された前記中間体のラミネートされたカバーボード120、及び前記内側ライナー18を含む。前記カバーボード124と、前記外側ライナー12及び前記内側ライナー18により上張りされた前記中間体のラミネートされたカバーボード120は、書籍、バインダー、ディスク用包装物、又は類似の内部本体を有する製品である前記ハードカバー製品のための表カバー及び裏カバーを規定する。前記間隔の空いたカバーボード124と前記中間体のラミネートされたカバーボード120との間の隙間は、背であって、該背が規定する刻み目に沿って該向かい合うカバーボードが折り畳んで閉じる前記ハードカバー製品122の背を規定する。
【0030】
図11及び図12を参照すると、前記中間体のラミネートされたカバーボード120(図11、図12においてそれぞれ切欠き斜視図、及び分解斜視図で示す)は、ハードカバー製品122の組立てに有益に用いられる。前記中間体のラミネートされたカバーボード120は、第一の厚さ136を超える長さと幅を持ち、向かい合う平坦な表面132、134を含む、一次的な、又は中央シート130を有する。さらに、前記中央シート130は、該中央シートを貫通する開口部138を規定する。前記開口部138は、突出したダイスが付いたローラーであり、前記カバーボードがコンベア上の該ローラー部を通過する時に、該ダイスが該カバーボードにのしかかるようなダイカッターにより形成される。前記開口部138は前記カバーボードの選択された箇所に形成され、それによって、特に、前記外側ライナー12は、例えば店舗の精算レジで用いるスキャナーといった、セキュリティー解除装置を前記選択された箇所へと導くバーコードのような表示物で印刷することができる。
【0031】
前記セキュリティー装置32は前記開口部138に収容される。図に示した具体例では、図10中の線13−13上での断面図として図13に最もよく示されるように、前記中央シートの前記向かい合う平坦な表面132、134のそれぞれにおいて、前記セキュリティー装置32の両側面が実質的に同一平面を成すように、該セキュリティー装置32の厚さが実質的に該中央シート130の大部分の厚さを超えない。
【0032】
二つの向かい合う外部シート142、144は、前記中央シート130の向かい合う平坦な表面132、134のそれぞれと、接着剤を用いてラミネーションにより接着する。前記外部シート142、144のそれぞれは、第一の厚さ136よりも薄い、第二の厚さを有する。これにより、前記外部シート142、144は、該外部シートに挟まれたかたちで前記開口部138内部にある前記セキュリティー装置32を封入する。前記外部シート142、144の厚さは、前記中間体のラミネートされたカバーボード120の表面に前記セキュリティー装置32の存在を示す跡が現れないような、十分な寸法である。したがって、前記中央シート130に封入される前記セキュリティー装置32は、その存在の表面的な跡から隠される。
【0033】
前記中央ボード130は、前記外部ボード142、144と同様にして、書籍、ノートパッドの背表紙やその他の類似製品に用いられるカバーボードに用いされるチップボード、ペースト状チップボード、ボール紙、灰色の繊維板やその他の類似材料のような半硬質のシート材から作られる。
【0034】
図11乃至13を参照すると、前記中央ボード130と前記外部ボード142、144は協働して、次にハードカバー製品の構成要素として用いられる前記ラミネートボード120を作り出す中間体を構成する。該中央シート130は、ダイカッターなどにより選択された箇所で前記向かい合う表面を貫通する前記開口部138を有する形で提供される。そして次に前記外部シート144が接着剤を用いて前記平坦な表面134にラミネートされる。これにより前記開口部138の一方の側が塞がれる。前記セキュリティー装置32は前記開口部138の中に設置される。図13に示すように、前記セキュリティー装置32は、前記中央シート130の向かい合う平坦な表面132、134と実質的に同一平面を超えないように、該中央シートの大部分の厚さよりも薄い厚さを有することが好ましい。前記第二の外部シート142は、前記セキュリティー装置32を封入するために前記平坦な表面132にラミネートされ、中間体のラミネートされたボード130であって、該ボード内にある該セキュリティー装置32の存在を示す跡が、該外部シートが規定する前記向かい合う表面に現れない、該中間体のラミネートされたボード130を形成する。
【0035】
例として、前記中央ボード130は、長さ7.5インチ、幅5.75インチ、そして厚さ0.060インチを有する。前記開口部138は前記中央ボードの上部から1インチの位置で開口され、横方向の中央に位置する。市販で手に入るタイプのセキュリティー装置は約0.056インチの厚さを有する。前記外部ボード142、144は長さと幅において前記中央ボードと一致しており、約0.010インチの厚さを有する。別の具体例では、約0.020インチの厚さを有する一枚の外部ボードを用いることで、一方の表面がむき出しの状態にある前記中央ボード130が挙げられ、この発明の具体例の方が安価であるかもしれない。その他の具体例については、ハードカバー製品を作製する技術分野における通常の知識を有するものには自明である。
【0036】
図10を参照すると、前記中間体のラミネートされたカバーボード130は、前述した通り、前記セキュリティー装置32が、その存在を示す跡が表面から観察されない状態で封入された、前記折り畳み可能なハードカバー製品122を形成するよう、前記カバーボード124、前記外側ライナー12、そして前記内側ライナー18と共に、直ぐに組立てられる。
【0037】
図14は、別の具体例としての、前記平坦なラジオ周波数タグ52のようなシート状のセキュリティー装置を用いて、該セキュリティー装置の存在を示す跡が表面に現れない、中間体のラミネートされたカバーボード150の切欠き斜視図を示す。図15は、浅い凹部154を規定する前記中間体のラミネートされたカバーボード150の分解断面側面図を示す。前記凹部154は底面を有しており、前記カバーボードにデボス加工することで形成される。前記凹部154は、前記カバーボード152が突起を有するローラーとプレッシャープレートの間を通過し、該凹部154を形成するように、突起が該カバーボードの選択された箇所を圧縮することにより形成される。その後、前記凹部154は、前記平坦なラジオ周波数タグ52の一つを収容する。前記デボス加工による凹部154の深さは、殆ど前記ラジオ周波数タグ52に厚さと同じであるが、しかし、一般的に十分に圧縮されているために該ラジオ周波数タグ52の外側表面は、前記カバーボード152の該凹部周辺の表面と比べて同一平面を成すか、又は凹んでいる。ライナーボード156が、前記ラジオ周波数タグ52に対して上に重なる形で接着剤により装着され、たとえ該ラミネート構造内に該セキュリティー装置の存在をしめす跡が外側表面に現れるにしても殆ど見えないように、該凹部内にあるラジオ周波数タグ52を封入する。図15に関しては、前記セキュリティー・センサー(ラジオ周波数タグ52)が、カバー12と内側ライナー18の取り付けられる前に、完全に隠されていることが好ましい。前記中間体カバーボード150が、前記カバー12とライナー18含むバインダーの取り付けのために、前記ラミネートされたカバーライナー156が装着されていない状態で、ハードカバー製品(書籍バインダーのような)の生産者に提供される場合もある。前記凹部154を有するこの別の具体例では、前記カバー12の取り付け後は、前記セキュリティー・タグの跡が殆ど表面に出ないようにすることができる。
【0038】
図16は、コンビネーション・セキュリティー装置166を収容する、別の具体例である中間体カバーボード160の分解斜視図を示す。前記カバーボード160は溝孔162と、その隣の凹部164を規定する。前記溝孔162は、前記カバーボード160を貫通するダイカットであるが、前記凹部164は、上述したのと同様に、そこにデボス加工されたものである。前記コンビネーション・セキュリティー装置166は、音式磁気セキュリティー・バー170と平坦なラジオ周波数タグ172を具備するバッキングシート168を含む。前記コンビネーション・セキュリティー・タグ166の周辺部分は接着剤コーティング173を含有する。
【0039】
例示することを目的として、図16では、前記セキュリティー・バー170と前記平坦なラジオ周波数タグ172が付いた前記コンビネーション・セキュリティー・タグ166は、前記カバーボード160から離れた方向に配置されている。設置された状態では、前記コンビネーション・セキュリティー・タグ166は前記カバーボード160に向いて配置され、セキュリティー・バー170は前記溝孔162に、平坦なシート状のラジオ周波数タグ172は前記凹部164にそれぞれ配置される。前記周辺部の接着剤コーティング173は、前記コンビネーション・セキュリティー・タグ166を適切な位置へ固定する。図示されてはいないが、図11と12を参照すると、カバーライナー142を前記カバーボード160にラミネートすることで、前記コンビネーション・セキュリティー・タグ166を封入し得ること、さらに別の具体例でも、一対の向かい合うカバーボード142、144を、前記カバーボード160の向かい合う表面にラミネートすることができることがわかる。図16に示す具体例は、このようなセキュリティー装置のうちどちらか一方、又は両方を有する施設(例えば店舗や、図書館のような)にて有益に使用される。前記セキュリティー装置166を含む前記中間体のカバーボード160は、カバーライナー12と内側ライナー18を取り付けるため、ハードカバー製品の生産者に提供される。結果として作られるハードカバー製品は、隠して封入したセキュリティー装置の存在を示す表面の跡が小さくなったものや、又は、前記カバーライナー142、144付きでは、前記封入されたセキュリティー装置を示す跡が全く観察できない製品となる。ハードカバー製品の生産者は、前記カバーライナー142、144を有するものか、前記単一層含む中間体のカバーボードかを選択できる。
【0040】
図17は、少なくともボードストック材322、324の二層のレイヤー含む、ラミネートされた多層ボード320であって、前記セキュリティー装置52を該ラミネートボードで挟み、該セキュリティー装置52の位置に配列された表示マーク326を含む、本発明の該多層ボード320の切欠き斜視図である。前記ボード320は前記セキュリティー装置24を含む場合もあるが、該ラミネートされた多層ボードにおいては前記シート状のセキュリティー装置52を用いることが好ましい。前記ボード320は、上述したようなハードカバー製品の組立てに便利な中間の製品を提供する。例えば、前記外部カバーシート12の前記表示62の位置に合わせて前記ボード320を適切に方向付ける場合など、その後の書籍を梱包する生産工程の間、前記中間の製品を梱包マシンや他の装置に並べるため、該ボード320は前記表示マーク326を前記レイヤー322の外側表面に含む。一つの具体例では、前記ボードレイヤー322、324は、書籍の製本作業に一般的に用いられている、実質的に80ポイントボードを形成するように接着剤を用いて貼り合せられる40ポイントのチップボードである。
【0041】
図18は、図17に示すラミネートされた多層ボード320を作製する生産工程の略図である。サプライロール330は、前記第一のレイヤー322の連続的な供給を提供する。アプリケータ332は、前記セキュリティー装置52をサプライ333から前記レイヤー322の表面に取り付け、一方、マーカー334は該レイヤー322の反対の面に前記表示マーク326を取り付ける。該セキュリティー装置は、例示の目的のために強調された寸法で描かれている。前記マーカー334は、前記アプリケータ332が前記セキュリティー装置を取り付けるに従い、後寄りの位置からマーキング位置へと移動する。接着剤スプレー336はサプライ338と連通し、前記レイヤー322の表面に接着剤を吹きつける。第二のサプライロール340は、適切なガイドロール342を通過した前記第二のレイヤー324の連続的な供給を提供する。クリンプローラー344、346は、前記セキュリティー装置を挟むように、前記第一と第二のレイヤー322、324を共に圧縮する。ナイフ348は、鉄床350に対して周期的に移動して前記連続的な供給から個別にラミネートボード320を切離す。スタッカー352は、パッケージングや梱包ラインに運搬するために、前記切離されたボード320を回収する。
【0042】
C.背に配置された、隠されたセキュリティー装置を有するハードカバー製品
図19は、前記間隔の空いたハードカバーシート14、16と一体の外側ライナー12を有するハードカバー書籍230の分解斜視図である。前記外側ライナー12周囲の縁の部分は、前記シート14、16外側の縁の部分と重なっている。前記シート14、16は空間を隔てて、前記外側ライナー12の内側の面に取り付けられている。これが背232、又はハードカバー書籍230の背面となる、前記隙間22を規定する。前記セキュリティー・センサー24は、前記背部分232の選択された箇所内の前記内側ライナー表面に接着剤で取り付けられる。書籍のための印刷されたページ236が結合したアセンブリによって作られる書籍ブロック234は、前記書籍230の前記背22と前記カバー14、16に従来通りに取り付けられる。前記書籍ブロック又は本体234は、複数のページ236を含み、該書籍ブロック234の背又は背面を規定する背面部分238に、一体となって従来通りに取り付けられる。
【0043】
書籍230を背面から見た斜視部分切り取り図を示す図19Aを参照すると、前記表カバー12は事前に印刷されたバーコード240を含む。前記センサー装置24は、前記バーコード240と反対側の配置で前記背132に装着される。これが、図書館でその書庫のトラッキングのための使用に加えて、精算箇所でのレジやチェックアウト箇所において、前記セキュリティー装置の不作動化と同時に在庫管理のために前記バーコードを読むプライシングスキャナー/センサー不作動化の装置を使用することを容易にする。
【0044】
図19に描かれる具体例では、前記センサー装置24は前記外部カバー12の内側の表面に取り付けられている。図20は、第二の具体例であるハードカバー書籍246の斜視図である。この具体例において、前記背22は、背中部材248と同様にして、前記間隔の空いたハードカバーシート14、16により規定される。前記背中部材248は、前記ハードカバーシート14、16の隣り合う縁に対して隙間250、252を規定し、該ハードカバーを相互に向かって折り畳むことで書籍146を閉じる。前記セキュリティー装置24は、前記背中部材248に取り付けられる。別の具体例では、前記背中部材248が、前記セキュリティー装置24を収容するために、前記シート14に形成された前記凹部32のような凹部を含むことが好ましい。
【0045】
図21は、第三の具体例であるハードカバー書籍260の背面からの斜視部分切り取り図であり、前記書籍本体が前記背232に取り付けられるに先立って、十分に平坦なラジオ周波数タグ52が、前記書籍ブロック234の前記背238に取り付けられる図である。
【0046】
図19−21を参照すると、前記ハードカバー製品230、246及び260はそれぞれ、背部分の内部に、前記セキュリティー・センサー24、前記ラジオ周波数タグ52、または他の類似する遠隔認識センサー等のセキュリティー装置を隠して保持する背中部分を有する。これらの具体例に例示されるように、前記セキュリティー装置は、前記書籍ブロック234の前記背面238と向かい合わせる前記背232の内側表面の上、前記背中部材248の上(又はその中の凹部内に)、又は前記書籍ブロック234の前記背面238の上に、簡単に配置される。生産ラインの適切な部分において、ラベルを配置する装置を加えることで、前記ハードカバー製品は、従来の書籍装丁プロセスに従って簡単に作成される。図19と20に描かれる具体例では、前記ハードカバー製品用の前記カバーを組立てる生産ラインにおける前記のラベルを配置する装置が提供されている。図19に描かれる具体例は、従来式の梱包のラインにおいて、前記書籍本体を前記カバーに取り付ける工程で、前記セキュリティー装置を該書籍本体の前記背面238に取り付ける例を提供する。
【0047】
ライン上での梱包作業は前記書籍本体を、典型的に接着剤を用いて前記カバーに固定することを伴う。梱包ラインのベルトコンベアーは、前記書籍ブロックを、その背が上を向いて配置された状態で運搬する。繊維板、又はクラフト紙のライナーを前記背の上に取り付けるため、ローラーは、前記書籍ブロックの最初と最後のページのシートと背面に接着剤を塗布する。図21に示す具体例では、前記ラベル取り付け装置は、前記背の上に前記繊維板のライナーが取り付けられる前後を選択して、セキュリティー装置を前記背面に取り付ける。前記カバーが、前記書籍ブロック234の上に重ねられ、前記背22が該カバーを該書籍ブロックに対して適切な位置に保持する。前記表及び裏カバーは、前記シート14、16の内側表面にある接着剤と接触する位置に移動する。ヒートプレッシャー板を有する取り付け装置は、前記カバーと前記書籍ブロックのアセンブリを挟んで、接着剤が硬化するように前記書籍の前と後を閉じる。前記組立てられた書籍製品は積み上げられ、出荷と保管のためにパッケージングされる。
【0048】
本明細書は、隠されたセキュリティー装置と一体化したハードカバー製品、その中間体のラミネートされたカバーボード、及びこのような隠されたセキュリティー装置と一体化したハードカバー製品を作製する有用な方法、及び種々の具体例を作製し使用するために必要な工程を含んだ、背中部内に隠されたセキュリティー装置と一体化したハードカバー製品を提供する本発明を記載する。しかしながら、本発明の概念と視野の範囲内で、本ハードカバー製品の構造に種々の変更や変形が可能であり、また、添付のクレーム内で説明される本発明の範囲から離れることなしに、本発明に修飾や変更が可能であることが理解されるであろう。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ハードカバー製品であって、
外側ライナーと、
隙間を規定するように間隔を空けて配置され、該外側ライナーの主たる表面に装着した一対の硬質シート部材であって、その1つが収容区画を規定する硬質シート部材と、
該収容区画内に収容されたセキュリティー・タグと、
該一対の硬質シート部材の上に重なり、該セキュリティー・タグ収容区画内にある該セキュリティー・タグを隠すように取り付けられた内側ライナーと
を含み、前記一対の硬質シート部材の間の間隙が前記ハードカバー製品の背を規定し、それによって前記向かい合う硬質シートカバー部材が、折り畳むように協働して移動するおもてカバーと裏カバーを規定する、ハードカバー製品。
【請求項2】
前記外側ライナーが、該外側ライナーの外側表面の一部分において表示されるコード化された表示物をさらに規定する請求項1記載のハードカバー製品。
【請求項3】
前記収容区画が、前記外側ライナーの外側表面の前記コード化された表示物と実質的に同一直線上にある請求項2記載のハードカバー製品。
【請求項4】
前記収容区画が、前記硬質シート部材のうちの一方に規定される溝である請求項1記載のハードカバー製品。
【請求項5】
前記溝が、前記セキュリティー・タグが前記内側ライナーに取り付けられた主たる表面に対し凹んだ状態となる程の深さを有する請求項4記載のハードカバー製品。
【請求項6】
前記セキュリティー・タグが、シート状の電子的応答装置である請求項1記載のハードカバー製品。
【請求項7】
前記外側ライナーが、グラフィック画像を含む外側表面を有する請求項1記載のハードカバー製品。
【請求項8】
前記外側ライナーの周囲部分が、前記一対のシート部材の横方向の外側端部上に重なり、それに取り付けられた請求項1記載のハードカバー製品。
【請求項9】
前記背部に取り付けられた内部体をさらに含む請求項1記載のハードカバー製品。
【請求項10】
前記内部体が、ディスクを収容するように配置されたシェルを含む請求項1記載のハードカバー製品。
【請求項11】
前記内部体が、ルーズ・リーフ書籍を規定する複数のページを含む請求項1記載のハードカバー製品。
【請求項12】
前記内部体が、シートを収容するリング状の部材を含む請求項1記載のハードカバー製品。
【請求項13】
ハードカバー製品であって、
グラフィックス画像とコード化された表示物を含む外側表面を有する外側ライナーと、
隙間を規定するように間隔を空けて配置され、該外側ライナーの内側表面に装着した一対の硬質シート部材であって、該外側ライナーの周囲部分が、該一対の硬質シート部材の横方向の外側端部上に重なり、そのうちの一方が、該外側ライナーの外側表面の該コード化された表示物と実質的に同一直線上にある開口した溝を規定する硬質シート部材と、
該溝内に収容されたセキュリティー・タグであって、前記溝は、該セキュリティー・タグが該硬質シート部材の1つの主たる表面に対し凹んだ状態となる程の深さを有するセキュリティー・タグと、
前記一対の硬質シート部材の上に重なって、該溝内の該セキュリティー・タグを隠す内側ライナーとを含み、
前記一対の硬質シート部材の間の間隙が、前記ハードカバー製品の背中部を規定するハードカバー製品。
【請求項14】
前記背中部に取り付けられた内部体をさらに含む請求項13記載のハードカバー製品。
【請求項15】
前記内部体が、ディスクを収容できるような向かい合わせで噛み合わさってはめ込むシェルからなり、該シェルのそれぞれが、前記表と裏カバーの各内側表面に取り付けられた請求項14記載のハードカバー製品。
【請求項16】
前記内部体が、ルーズ・リーフ書籍を規定する複数のページを含む請求項14記載のハードカバー製品。
【請求項17】
前記内部体が、シートを収容するリング状の部材を含む請求項14記載のハードカバー製品。
【請求項18】
(a)第一のシートに凹部を形成する工程と、
(b)該第一のシートの主たる表面と、該表面との間に間隙が規定されるように間隔を空けて配置された第二のシートに外側ライナーを取り付ける工程であって、前記第1のシートと第2のシートがそれぞれおもてカバー及び裏カバーを規定する工程と、
(c)前記凹部にセキュリティー・タグを配置する工程と、
(d)前記第一のシートと前記第二のシートに重なる形で内側ライナーを取り付ける工程であって、前記間隙は、前記対向するおもてカバーと裏カバーが、該間隙上で互いに向かって回転する背を規定する工程
を含む該ハードカバー製品の製造方法。
【請求項19】
前記背に内部体を取り付ける工程(e)をさらに含む請求項18記載の方法。
【請求項20】
ハードカバー製品のための中間体のラミネートされたカバーボードであって、
第一の厚さ、及び向かい合う平坦な表面を有する一次的なシートであって、該シートの選択された部分に収容空洞を規定する一次的なシートと、
該収容空洞に収容されたセキュリティー装置と、
それぞれが該第一の厚さよりも薄い第二の厚さを有する一対の向かい合う二次的なシートであって、該一次的なシートの向かい合う平坦な表面にラミネートされた一対の向かい合う二次的なシートとから成り、
これにより、前記セキュリティー装置が十分な前記第二の厚さを有するラミネートされた前記二次的なシートの間に封入され、該セキュリティー装置がそこに存在することの跡が表面に現れない、組立てられた中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項21】
前記セキュリティー装置が、前記一次的なシートの大部分における厚さを超えない厚さを有する請求項20記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項22】
前記セキュリティー装置が、前記収容空洞内に配置されており、その反対側の表面が前記一次的なシートの平坦な表面と実質的に同一平面となっている請求項20記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項23】
前記一次的なシート及び二次的なシートが、可撓性のある素材で形成されている請求項20記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項24】
前記可撓性のある素材が、チップボードである請求項23記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項25】
前記可撓性のある素材が、ボール紙である請求項23記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項26】
前記収容空洞が、ダイカッティングによる開口部からなり、前記セキュリティー装置が、前記一次的なシートの大部分における厚さを超えない厚さを有する請求項20記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項27】
前記セキュリティー装置が、前記開口部内に配置されており、その向かい合う外側の表面が前記一次的なシートの平坦な表面と実質的に同一平面となっている請求項26記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項28】
前記収容空洞が、デボス加工された凹部を含み、前記セキュリティー装置が、前記一次的なシートの大部分における平坦な部分に対して、該デボス加工された凹部の大部分における深さを超えない厚さを有するシート部材を含むから請求項20記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項29】
前記セキュリティー装置が、前記デボス加工された凹部内に配置されており、その外側の表面が前記一次的なシートの平坦な表面と実質的に同一平面となっている請求項28記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項30】
ハードカバー製品の組立てのための中間体のラミネートされたカバーボードであって、
向かい合う平坦な表面を有し、第一の厚さを超える長さと幅と一体である中央シートであって、該中央シートの選択された箇所を貫通する開口部を規定する中央シートと、
該開口部に収容されるセキュリティー装置であって、該セキュリティー装置が、前記中央シートの大部分における厚さを超えない厚さを有し、その向き合った側面が該中央シートの向き合った平坦な表面のそれぞれと実質的に同一平面を成すような該セキュリティー装置と、
一対の向き合った外部シートで、それぞれが該第一の厚さよりも薄い第二の厚さを有し、該中央シートの向かい合う平坦な表面にラミネートされたものであり、それによって該セキュリティー装置を間に封入し、該第二の厚さが十分な寸法であるため該ラミネートされたボードがその中の該セキュリティー装置の存在を示す跡を表面に現さないような、該一対の向き合った外部シートを含む該中間体のラミネートされたカバーボードで、
それにより該中央シートに封入された該セキュリティー装置が、その存在を示す表面の跡から隠されている該中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項31】
前記中央シートと、前記外部シートが、半硬質材で作られた請求項30記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項32】
前記半硬質材が、チップボードである請求項21記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項33】
前記半硬質材が、ボール紙である請求項31記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項34】
後にハードカバー製品の構成要素として使用する、中間体のラミネートされたカバーボードを組立てる方法で、
(a)向かい合う平坦な表面を有し、第一の厚さを超える長さと幅を持つ一次的なシートで、該一次的なシートの選択された部分を貫通する開口部を規定する該一次的なシートを提供する工程と、
(b)第一の外部シートを、第一の該向かい合う平坦な表面にラミネートして、前記一次的なシートの前記開口部を閉じる工程と、
(c)セキュリティー装置であって、該中央シートの大部分における厚さを超えない厚さを有し、その向き合った側面が該中央シートの向き合った平坦な表面のそれぞれと実質的に同一平面の域を出ないようなセキュリティー装置を、該開口部に設置する工程と、
(d)第二の外部シートを、第二の向かい合う平坦な表面にラミネートし、中の該セキュリティー装置の存在を示す跡が該外部シートにより規定される前記向かい合う表面上に現れない中間体のラミネートされたボードを形成する工程、
を含む中間体のラミネートされたカバーボードを組立てる方法。
【請求項35】
間隔を空けて配置された一対のカバーボードのうちの第一の平坦な表面に接着剤で取り付けられた外部カバーシートと、請求項34記載の方法により作成された中間体のラミネートされたボードからなる一対のカバーボードのうちの第一のカバーボードと、カバーされた製品を形成する該カバーボードのそれぞれ向き合う第二の平坦な表面に接着剤で取り付けられた内側ライナーシートを有するハードカバー製品。
【請求項36】
前記外部カバーシートが、前記一次的なシートの前記選択された箇所の同一直線上に配置された表示物を持ち、そのことによりセキュリティー解除装置が容易に前記隠されたセキュリティー装置の同一直線上に配置される請求項35記載のハードカバー製品。
【請求項37】
間隔をあけて配置された一対のカバーボードのうちの1つを用いてハードカバー製品を形成するために用いる請求項34記載の方法に従って作製される中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項38】
ハードカバー製品であって、
外側ライナーと、
向かい合うカバーボードを規定すると同時にハードカバー製品の背中部を規定するように間隔を空けて配置され、該外側ライナーの主たる表面に対して反対側の主たる表面に取り付けられた一対のカバーボードを含み、
少なくとも該カバーボードの1つが、
向かい合う平坦な表面を有し、第一の厚さを超える長さと幅をもつ中央シートで、該中央シートがその選択された箇所を貫通する開口部を規定する中央シートと、
該開口部に収容されるセキュリティー装置であって、該中央シートの大部分における厚さを超えない厚さを有し、その向き合った側面が該中央シートの向き合った平坦な表面のそれぞれと実質的に同一平面を成すような該セキュリティー装置と、
一対の向き合った外部シートであって、それぞれが該第一の厚さよりも薄い第二の厚さを有し、該中央シートの向かい合う平坦な表面にラミネートされたものであり、それによって該セキュリティー装置を間に封入し、該第二の厚さが十分な寸法であるため該ラミネートされたボードがその中の該セキュリティー装置の存在を示す跡を表面に現さないような、該一対の向き合った外部シートと、
それにより該中央シートに封入された該セキュリティー装置が、その存在を示す表面の跡から隠されており、
前記カバーボードの前記向かい合う平坦な表面に対して上に重なるように取り付けられた内側ライナーを含む該ハードカバー製品であって、
それにより該向かい合うカバーボードが、該ハードカバー製品の背中部の向かい合う側面により規定される線に沿って相互に折り畳むように動く表と裏のカバーを規定する該ハードカバー製品。
【請求項39】
前記外側ライナーが、前記中央シートの前記選択された箇所の同一線上の部分に表示されるコード化された表示物を規定する請求項38記載のハードカバー製品。
【請求項40】
前記セキュリティー・タグが、シート状の電子的な応答性を有する装置である請求項38記載のハードカバー製品。
【請求項41】
請求項38記載のハードカバー製品であって、さらに前記背中部に取り付けられた内部体を含む請求項38記載のハードカバー製品。
【請求項42】
前記内部体が、ディスクを収容するように配置されたシェルを含む請求項41記載のハードカバー製品。
【請求項43】
前記内部体が、書籍を規定するために一方の側をそろえて結合した複数のページを含む請求項41記載のハードカバー製品。
【請求項44】
前記内部体が、シートを収容するリング状の部材を含む請求項41記載のハードカバー製品。
【請求項45】
ハードカバー製品のための中間体のカバーボードであって、
一次的なシートであって、第一の厚さと向かい合う平坦な平面を有し、該シートの選択された箇所にある収容空洞を規定する該一次的なシートと、
該収容空洞内に収容されたセキュリティー装置から成り、
それによって、該セキュリティー装置が該一次的なシートの該空洞に配置され、該空洞はハードカバー製品の生産過程でカバーライナーにより上張りされることになる該ハードカバー製品のための中間体のカバーボード。
【請求項46】
さらに、少なくとも一つの二次的なシートであって、前記第一の厚さよりも薄い第二の厚さを有し、前記一次的なシートの向かい合う平坦な表面の一つにラミネートされた二次的なシートから成り、
それによって、該ラミネートされた二次的なシートに一方の側面を上張りされた該カバーボードが、中の前記セキュリティー装置の存在を示す跡が表面に現れなくなる請求項45記載の中間体のカバーボード。
【請求項47】
前記一次的なシートと二次的なシートが、半硬質材で作られた請求項45記載の中間体のカバーボード。
【請求項48】
前記半硬質材が、チップボードである請求項47記載の中間体のカバーボード。
【請求項49】
前記半硬質材が、ボール紙である請求項47記載の中間体のカバーボード。
【請求項50】
前記収容空洞が、ダイカッティングによる開口部からなり、前記セキュリティー装置が、前記一次的なシートの大部分におけるおおよそ厚さを超えない厚さを有する請求項45記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項51】
前記セキュリティー装置が、前記開口部内に配置されており、その向かい合う外側の表面が前記一次的なシートの平坦な表面と実質的に同一平面となっている請求項50記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項52】
前記収容空洞が、デボス加工された凹部から成り、前記セキュリティー装置が、前記一次的なシートの大部分における平坦な部分に対して、該デボス加工された凹部の大部分における深さを超えない厚さを有するシート部材を含む請求項45記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項53】
前記セキュリティー装置が、前記デボス加工された凹部内に配置されており、その外側の表面が前記一次的なシートの平坦な表面と実質的に同一平面となっている請求項52記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項54】
請求項52記載の中間体のカバーボードであって、さらに、少なくとも一つの二次的なシートであって、前記第一の厚さよりも薄い第二の厚さを有し、前記一次的なシートの向かい合う平坦な表面の一つにラミネートされた外二次的なシートを含み、
それによって、該ラミネートされた二次的なシートに一方の側面を上張りされた該カバーボードが、中の前記セキュリティー装置の存在を示す跡が表面に現れなくなる請求項52記載の中間体のカバーボード。
【請求項55】
前記一次的なシートと二次的なシートが、半硬質材で作られた請求項54記載の中間体のカバーボード。
【請求項56】
前記半硬質材が、チップボードである請求項55記載の中間体のカバーボード。
【請求項57】
前記半硬質材が、ボール紙である請求項55記載の中間体のカバーボード。
【請求項58】
前記一次的なシートが、半硬質材で作られた請求項45記載の中間体のカバーボード。
【請求項59】
前記半硬質材が、チップボードである請求項58記載の中間体のカバーボード。
【請求項60】
前記半硬質材が、ボール紙である請求項58記載の中間体のカバーボード。
【請求項61】
外側ライナーと、
一対のハードシート部材であって、該外側ライナーの主たる表面に取り付けられ、かつ間に背中部分を規定するように間隔をあけた形で配置されており、該外側ライナーの縁に沿って該一対のハードシート部材が相互に折り畳むように動くことができる該一対のハードシート部材と、
該背中部分内に取り付けられたセキュリティー・タグと、
該ハードシート部材に取り付けられた本体部分から成り、
遠隔認識装置と応答する該セキュリティー・タグにより、該ハードカバー製品を追跡するための該ハードカバー書籍製品。
【請求項62】
前記間隔の空いた部材の間の前記背中部分で前記外側ライナーに取り付けられ、かつ、前記ハードシート部材のそれぞれと該背中部部材の縁側面との間にある横方面の隙間により規定される背中部部材を含む請求項61記載のハードカバー製品。
【請求項63】
前記セキュリティー・タグが、前記外側ライナーと前記背中部部材との間の前記背中部分に取り付けられている請求項62記載のハードカバー製品。
【請求項64】
前記セキュリティー・タグが、前記背中部部材と前記本体との間の前記背中部分に取り付けられている請求項62記載のハードカバー製品。
【請求項65】
前記一対のハードシート部材、及び前記背中部分内に前記セキュリティー・タグを隠している前記背中部部材の上に重なって取り付けられた内側ライナーをさらに含む請求項62記載のハードカバー製品。
【請求項66】
前記外側ライナーが、該外側ライナーの外側表面の一部分において表示されるコード化された表示物を規定する請求項61記載のハードカバー製品。
【請求項67】
前記セキュリティー・タグが、前記コード化された表示物と実質的に同一直線上に配置された請求項61記載のハードカバー製品。
【請求項68】
前記セキュリティー・タグが、シート状の電子的な応答性を有する装置である請求項61記載のハードカバー製品。
【請求項69】
前記内部体が、ディスクを収容するように配置されたシェルを含む請求項61記載のハードカバー製品。
【請求項70】
前記内部体が、ルーズ・リーフ書籍を規定する複数のページを含む請求項61記載のハードカバー製品。
【請求項71】
前記内部体が、シートを収容するリング状の部材を含む請求項61記載のハードカバー製品。
【請求項72】
グラフィックス画像とコード化された表示物を含む外側表面を有する外側ライナーと、
間の隙間が背中部分を規定するように間隔を空けて配置され、該外側ライナーの内側表面に装着した該硬質シート部材で、該外側ライナーの周囲部分が、該一対の硬質シート部材の横方向の外側端部上に重なった該一対の硬質シート部材と、
該背中部分内に取り付けられたセキュリティー・タグと、
該一対の硬質シート部材の上に重なって、該溝内の該セキュリティー・タグを隠す内側ライナーと、
表と裏カバーを規定するように相互に折り畳まれる該主要なシート部材により規定される空間内に収容される本体から成り、
それによって、該ハードカバー書籍製品が、該セキュリティー・タグの信号に対する応答を感知する遠隔認識装置により追跡可能と成る該ハードカバー書籍製品。
【請求項73】
前記本体が、ディスクを収容できるような向かい合わせで噛み合わさってはめ込むシェルからなり、該シェルのそれぞれが、前記表と裏カバーの各内側表面に取り付けられた請求項72記載のハードカバー製品。
【請求項74】
前記本体が、ルーズ・リーフ書籍を規定する複数のページを含む請求項72記載のハードカバー製品。
【請求項75】
前記本体が、シートを収容するリング状の部材を含む請求項72記載のハードカバー製品
【請求項76】
(a) 第一のカバーシートの主たる表面と、それとの間の隙間に背中部分を規定するように間隔を置いて配置された第二のカバーシートであって、該第一のカバーシートと第二のカバーシートが、それぞれ該第一と第二のカバーシートの内側の縁により規定される線に沿って、該内側ライナーの上でお互いに向かって折れ曲がることができる該第一のカバーシートと該第二のカバーシートに対して外側ライナーを取り付ける工程と
(b) 該背中部分にセキュリティー・タグを取り付ける工程と、
該第一と第二のカバーシートに対し、上に重ねる形で内部体を取り付ける工程、
を含むハードカバー製品の製造方法。
【請求項77】
ハードカバー製品のための中間体のボードの製造方法であって、
(a) シート材である第一のレイヤーの連続的な供給を提供する工程と、
(b) 該シート材の第一の表面上の選択された箇所にセキュリティー装置を取り付ける工程と、
(c) 該シート材の反対側である第二の表面上に、該セキュリティー装置と同一線上の位置に表示マークを貼り付ける工程と、
(d) 該第一の表面に粘着材を塗布する工程と、
(e) シート材である第二のレイヤーの連続的な供給を、該第一のレイヤーの該第一の表面に対して上に重ねる形で提供する工程と、
(f) 該セキュリティー装置を第一と第二のレイヤーがその間に挟むように第一と第二のレイヤーをラミネートする工程と、
(g) シート材である該第一と第二のレイヤーの連続的な供給から、それぞれが少なくとも一つのセキュリティー装置を含む個々のボードを切り取る工程、
を含む該中間体のボードの製造方法。
【請求項1】
ハードカバー製品であって、
外側ライナーと、
隙間を規定するように間隔を空けて配置され、該外側ライナーの主たる表面に装着した一対の硬質シート部材であって、その1つが収容区画を規定する硬質シート部材と、
該収容区画内に収容されたセキュリティー・タグと、
該一対の硬質シート部材の上に重なり、該セキュリティー・タグ収容区画内にある該セキュリティー・タグを隠すように取り付けられた内側ライナーと
を含み、前記一対の硬質シート部材の間の間隙が前記ハードカバー製品の背を規定し、それによって前記向かい合う硬質シートカバー部材が、折り畳むように協働して移動するおもてカバーと裏カバーを規定する、ハードカバー製品。
【請求項2】
前記外側ライナーが、該外側ライナーの外側表面の一部分において表示されるコード化された表示物をさらに規定する請求項1記載のハードカバー製品。
【請求項3】
前記収容区画が、前記外側ライナーの外側表面の前記コード化された表示物と実質的に同一直線上にある請求項2記載のハードカバー製品。
【請求項4】
前記収容区画が、前記硬質シート部材のうちの一方に規定される溝である請求項1記載のハードカバー製品。
【請求項5】
前記溝が、前記セキュリティー・タグが前記内側ライナーに取り付けられた主たる表面に対し凹んだ状態となる程の深さを有する請求項4記載のハードカバー製品。
【請求項6】
前記セキュリティー・タグが、シート状の電子的応答装置である請求項1記載のハードカバー製品。
【請求項7】
前記外側ライナーが、グラフィック画像を含む外側表面を有する請求項1記載のハードカバー製品。
【請求項8】
前記外側ライナーの周囲部分が、前記一対のシート部材の横方向の外側端部上に重なり、それに取り付けられた請求項1記載のハードカバー製品。
【請求項9】
前記背部に取り付けられた内部体をさらに含む請求項1記載のハードカバー製品。
【請求項10】
前記内部体が、ディスクを収容するように配置されたシェルを含む請求項1記載のハードカバー製品。
【請求項11】
前記内部体が、ルーズ・リーフ書籍を規定する複数のページを含む請求項1記載のハードカバー製品。
【請求項12】
前記内部体が、シートを収容するリング状の部材を含む請求項1記載のハードカバー製品。
【請求項13】
ハードカバー製品であって、
グラフィックス画像とコード化された表示物を含む外側表面を有する外側ライナーと、
隙間を規定するように間隔を空けて配置され、該外側ライナーの内側表面に装着した一対の硬質シート部材であって、該外側ライナーの周囲部分が、該一対の硬質シート部材の横方向の外側端部上に重なり、そのうちの一方が、該外側ライナーの外側表面の該コード化された表示物と実質的に同一直線上にある開口した溝を規定する硬質シート部材と、
該溝内に収容されたセキュリティー・タグであって、前記溝は、該セキュリティー・タグが該硬質シート部材の1つの主たる表面に対し凹んだ状態となる程の深さを有するセキュリティー・タグと、
前記一対の硬質シート部材の上に重なって、該溝内の該セキュリティー・タグを隠す内側ライナーとを含み、
前記一対の硬質シート部材の間の間隙が、前記ハードカバー製品の背中部を規定するハードカバー製品。
【請求項14】
前記背中部に取り付けられた内部体をさらに含む請求項13記載のハードカバー製品。
【請求項15】
前記内部体が、ディスクを収容できるような向かい合わせで噛み合わさってはめ込むシェルからなり、該シェルのそれぞれが、前記表と裏カバーの各内側表面に取り付けられた請求項14記載のハードカバー製品。
【請求項16】
前記内部体が、ルーズ・リーフ書籍を規定する複数のページを含む請求項14記載のハードカバー製品。
【請求項17】
前記内部体が、シートを収容するリング状の部材を含む請求項14記載のハードカバー製品。
【請求項18】
(a)第一のシートに凹部を形成する工程と、
(b)該第一のシートの主たる表面と、該表面との間に間隙が規定されるように間隔を空けて配置された第二のシートに外側ライナーを取り付ける工程であって、前記第1のシートと第2のシートがそれぞれおもてカバー及び裏カバーを規定する工程と、
(c)前記凹部にセキュリティー・タグを配置する工程と、
(d)前記第一のシートと前記第二のシートに重なる形で内側ライナーを取り付ける工程であって、前記間隙は、前記対向するおもてカバーと裏カバーが、該間隙上で互いに向かって回転する背を規定する工程
を含む該ハードカバー製品の製造方法。
【請求項19】
前記背に内部体を取り付ける工程(e)をさらに含む請求項18記載の方法。
【請求項20】
ハードカバー製品のための中間体のラミネートされたカバーボードであって、
第一の厚さ、及び向かい合う平坦な表面を有する一次的なシートであって、該シートの選択された部分に収容空洞を規定する一次的なシートと、
該収容空洞に収容されたセキュリティー装置と、
それぞれが該第一の厚さよりも薄い第二の厚さを有する一対の向かい合う二次的なシートであって、該一次的なシートの向かい合う平坦な表面にラミネートされた一対の向かい合う二次的なシートとから成り、
これにより、前記セキュリティー装置が十分な前記第二の厚さを有するラミネートされた前記二次的なシートの間に封入され、該セキュリティー装置がそこに存在することの跡が表面に現れない、組立てられた中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項21】
前記セキュリティー装置が、前記一次的なシートの大部分における厚さを超えない厚さを有する請求項20記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項22】
前記セキュリティー装置が、前記収容空洞内に配置されており、その反対側の表面が前記一次的なシートの平坦な表面と実質的に同一平面となっている請求項20記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項23】
前記一次的なシート及び二次的なシートが、可撓性のある素材で形成されている請求項20記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項24】
前記可撓性のある素材が、チップボードである請求項23記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項25】
前記可撓性のある素材が、ボール紙である請求項23記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項26】
前記収容空洞が、ダイカッティングによる開口部からなり、前記セキュリティー装置が、前記一次的なシートの大部分における厚さを超えない厚さを有する請求項20記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項27】
前記セキュリティー装置が、前記開口部内に配置されており、その向かい合う外側の表面が前記一次的なシートの平坦な表面と実質的に同一平面となっている請求項26記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項28】
前記収容空洞が、デボス加工された凹部を含み、前記セキュリティー装置が、前記一次的なシートの大部分における平坦な部分に対して、該デボス加工された凹部の大部分における深さを超えない厚さを有するシート部材を含むから請求項20記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項29】
前記セキュリティー装置が、前記デボス加工された凹部内に配置されており、その外側の表面が前記一次的なシートの平坦な表面と実質的に同一平面となっている請求項28記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項30】
ハードカバー製品の組立てのための中間体のラミネートされたカバーボードであって、
向かい合う平坦な表面を有し、第一の厚さを超える長さと幅と一体である中央シートであって、該中央シートの選択された箇所を貫通する開口部を規定する中央シートと、
該開口部に収容されるセキュリティー装置であって、該セキュリティー装置が、前記中央シートの大部分における厚さを超えない厚さを有し、その向き合った側面が該中央シートの向き合った平坦な表面のそれぞれと実質的に同一平面を成すような該セキュリティー装置と、
一対の向き合った外部シートで、それぞれが該第一の厚さよりも薄い第二の厚さを有し、該中央シートの向かい合う平坦な表面にラミネートされたものであり、それによって該セキュリティー装置を間に封入し、該第二の厚さが十分な寸法であるため該ラミネートされたボードがその中の該セキュリティー装置の存在を示す跡を表面に現さないような、該一対の向き合った外部シートを含む該中間体のラミネートされたカバーボードで、
それにより該中央シートに封入された該セキュリティー装置が、その存在を示す表面の跡から隠されている該中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項31】
前記中央シートと、前記外部シートが、半硬質材で作られた請求項30記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項32】
前記半硬質材が、チップボードである請求項21記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項33】
前記半硬質材が、ボール紙である請求項31記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項34】
後にハードカバー製品の構成要素として使用する、中間体のラミネートされたカバーボードを組立てる方法で、
(a)向かい合う平坦な表面を有し、第一の厚さを超える長さと幅を持つ一次的なシートで、該一次的なシートの選択された部分を貫通する開口部を規定する該一次的なシートを提供する工程と、
(b)第一の外部シートを、第一の該向かい合う平坦な表面にラミネートして、前記一次的なシートの前記開口部を閉じる工程と、
(c)セキュリティー装置であって、該中央シートの大部分における厚さを超えない厚さを有し、その向き合った側面が該中央シートの向き合った平坦な表面のそれぞれと実質的に同一平面の域を出ないようなセキュリティー装置を、該開口部に設置する工程と、
(d)第二の外部シートを、第二の向かい合う平坦な表面にラミネートし、中の該セキュリティー装置の存在を示す跡が該外部シートにより規定される前記向かい合う表面上に現れない中間体のラミネートされたボードを形成する工程、
を含む中間体のラミネートされたカバーボードを組立てる方法。
【請求項35】
間隔を空けて配置された一対のカバーボードのうちの第一の平坦な表面に接着剤で取り付けられた外部カバーシートと、請求項34記載の方法により作成された中間体のラミネートされたボードからなる一対のカバーボードのうちの第一のカバーボードと、カバーされた製品を形成する該カバーボードのそれぞれ向き合う第二の平坦な表面に接着剤で取り付けられた内側ライナーシートを有するハードカバー製品。
【請求項36】
前記外部カバーシートが、前記一次的なシートの前記選択された箇所の同一直線上に配置された表示物を持ち、そのことによりセキュリティー解除装置が容易に前記隠されたセキュリティー装置の同一直線上に配置される請求項35記載のハードカバー製品。
【請求項37】
間隔をあけて配置された一対のカバーボードのうちの1つを用いてハードカバー製品を形成するために用いる請求項34記載の方法に従って作製される中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項38】
ハードカバー製品であって、
外側ライナーと、
向かい合うカバーボードを規定すると同時にハードカバー製品の背中部を規定するように間隔を空けて配置され、該外側ライナーの主たる表面に対して反対側の主たる表面に取り付けられた一対のカバーボードを含み、
少なくとも該カバーボードの1つが、
向かい合う平坦な表面を有し、第一の厚さを超える長さと幅をもつ中央シートで、該中央シートがその選択された箇所を貫通する開口部を規定する中央シートと、
該開口部に収容されるセキュリティー装置であって、該中央シートの大部分における厚さを超えない厚さを有し、その向き合った側面が該中央シートの向き合った平坦な表面のそれぞれと実質的に同一平面を成すような該セキュリティー装置と、
一対の向き合った外部シートであって、それぞれが該第一の厚さよりも薄い第二の厚さを有し、該中央シートの向かい合う平坦な表面にラミネートされたものであり、それによって該セキュリティー装置を間に封入し、該第二の厚さが十分な寸法であるため該ラミネートされたボードがその中の該セキュリティー装置の存在を示す跡を表面に現さないような、該一対の向き合った外部シートと、
それにより該中央シートに封入された該セキュリティー装置が、その存在を示す表面の跡から隠されており、
前記カバーボードの前記向かい合う平坦な表面に対して上に重なるように取り付けられた内側ライナーを含む該ハードカバー製品であって、
それにより該向かい合うカバーボードが、該ハードカバー製品の背中部の向かい合う側面により規定される線に沿って相互に折り畳むように動く表と裏のカバーを規定する該ハードカバー製品。
【請求項39】
前記外側ライナーが、前記中央シートの前記選択された箇所の同一線上の部分に表示されるコード化された表示物を規定する請求項38記載のハードカバー製品。
【請求項40】
前記セキュリティー・タグが、シート状の電子的な応答性を有する装置である請求項38記載のハードカバー製品。
【請求項41】
請求項38記載のハードカバー製品であって、さらに前記背中部に取り付けられた内部体を含む請求項38記載のハードカバー製品。
【請求項42】
前記内部体が、ディスクを収容するように配置されたシェルを含む請求項41記載のハードカバー製品。
【請求項43】
前記内部体が、書籍を規定するために一方の側をそろえて結合した複数のページを含む請求項41記載のハードカバー製品。
【請求項44】
前記内部体が、シートを収容するリング状の部材を含む請求項41記載のハードカバー製品。
【請求項45】
ハードカバー製品のための中間体のカバーボードであって、
一次的なシートであって、第一の厚さと向かい合う平坦な平面を有し、該シートの選択された箇所にある収容空洞を規定する該一次的なシートと、
該収容空洞内に収容されたセキュリティー装置から成り、
それによって、該セキュリティー装置が該一次的なシートの該空洞に配置され、該空洞はハードカバー製品の生産過程でカバーライナーにより上張りされることになる該ハードカバー製品のための中間体のカバーボード。
【請求項46】
さらに、少なくとも一つの二次的なシートであって、前記第一の厚さよりも薄い第二の厚さを有し、前記一次的なシートの向かい合う平坦な表面の一つにラミネートされた二次的なシートから成り、
それによって、該ラミネートされた二次的なシートに一方の側面を上張りされた該カバーボードが、中の前記セキュリティー装置の存在を示す跡が表面に現れなくなる請求項45記載の中間体のカバーボード。
【請求項47】
前記一次的なシートと二次的なシートが、半硬質材で作られた請求項45記載の中間体のカバーボード。
【請求項48】
前記半硬質材が、チップボードである請求項47記載の中間体のカバーボード。
【請求項49】
前記半硬質材が、ボール紙である請求項47記載の中間体のカバーボード。
【請求項50】
前記収容空洞が、ダイカッティングによる開口部からなり、前記セキュリティー装置が、前記一次的なシートの大部分におけるおおよそ厚さを超えない厚さを有する請求項45記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項51】
前記セキュリティー装置が、前記開口部内に配置されており、その向かい合う外側の表面が前記一次的なシートの平坦な表面と実質的に同一平面となっている請求項50記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項52】
前記収容空洞が、デボス加工された凹部から成り、前記セキュリティー装置が、前記一次的なシートの大部分における平坦な部分に対して、該デボス加工された凹部の大部分における深さを超えない厚さを有するシート部材を含む請求項45記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項53】
前記セキュリティー装置が、前記デボス加工された凹部内に配置されており、その外側の表面が前記一次的なシートの平坦な表面と実質的に同一平面となっている請求項52記載の中間体のラミネートされたカバーボード。
【請求項54】
請求項52記載の中間体のカバーボードであって、さらに、少なくとも一つの二次的なシートであって、前記第一の厚さよりも薄い第二の厚さを有し、前記一次的なシートの向かい合う平坦な表面の一つにラミネートされた外二次的なシートを含み、
それによって、該ラミネートされた二次的なシートに一方の側面を上張りされた該カバーボードが、中の前記セキュリティー装置の存在を示す跡が表面に現れなくなる請求項52記載の中間体のカバーボード。
【請求項55】
前記一次的なシートと二次的なシートが、半硬質材で作られた請求項54記載の中間体のカバーボード。
【請求項56】
前記半硬質材が、チップボードである請求項55記載の中間体のカバーボード。
【請求項57】
前記半硬質材が、ボール紙である請求項55記載の中間体のカバーボード。
【請求項58】
前記一次的なシートが、半硬質材で作られた請求項45記載の中間体のカバーボード。
【請求項59】
前記半硬質材が、チップボードである請求項58記載の中間体のカバーボード。
【請求項60】
前記半硬質材が、ボール紙である請求項58記載の中間体のカバーボード。
【請求項61】
外側ライナーと、
一対のハードシート部材であって、該外側ライナーの主たる表面に取り付けられ、かつ間に背中部分を規定するように間隔をあけた形で配置されており、該外側ライナーの縁に沿って該一対のハードシート部材が相互に折り畳むように動くことができる該一対のハードシート部材と、
該背中部分内に取り付けられたセキュリティー・タグと、
該ハードシート部材に取り付けられた本体部分から成り、
遠隔認識装置と応答する該セキュリティー・タグにより、該ハードカバー製品を追跡するための該ハードカバー書籍製品。
【請求項62】
前記間隔の空いた部材の間の前記背中部分で前記外側ライナーに取り付けられ、かつ、前記ハードシート部材のそれぞれと該背中部部材の縁側面との間にある横方面の隙間により規定される背中部部材を含む請求項61記載のハードカバー製品。
【請求項63】
前記セキュリティー・タグが、前記外側ライナーと前記背中部部材との間の前記背中部分に取り付けられている請求項62記載のハードカバー製品。
【請求項64】
前記セキュリティー・タグが、前記背中部部材と前記本体との間の前記背中部分に取り付けられている請求項62記載のハードカバー製品。
【請求項65】
前記一対のハードシート部材、及び前記背中部分内に前記セキュリティー・タグを隠している前記背中部部材の上に重なって取り付けられた内側ライナーをさらに含む請求項62記載のハードカバー製品。
【請求項66】
前記外側ライナーが、該外側ライナーの外側表面の一部分において表示されるコード化された表示物を規定する請求項61記載のハードカバー製品。
【請求項67】
前記セキュリティー・タグが、前記コード化された表示物と実質的に同一直線上に配置された請求項61記載のハードカバー製品。
【請求項68】
前記セキュリティー・タグが、シート状の電子的な応答性を有する装置である請求項61記載のハードカバー製品。
【請求項69】
前記内部体が、ディスクを収容するように配置されたシェルを含む請求項61記載のハードカバー製品。
【請求項70】
前記内部体が、ルーズ・リーフ書籍を規定する複数のページを含む請求項61記載のハードカバー製品。
【請求項71】
前記内部体が、シートを収容するリング状の部材を含む請求項61記載のハードカバー製品。
【請求項72】
グラフィックス画像とコード化された表示物を含む外側表面を有する外側ライナーと、
間の隙間が背中部分を規定するように間隔を空けて配置され、該外側ライナーの内側表面に装着した該硬質シート部材で、該外側ライナーの周囲部分が、該一対の硬質シート部材の横方向の外側端部上に重なった該一対の硬質シート部材と、
該背中部分内に取り付けられたセキュリティー・タグと、
該一対の硬質シート部材の上に重なって、該溝内の該セキュリティー・タグを隠す内側ライナーと、
表と裏カバーを規定するように相互に折り畳まれる該主要なシート部材により規定される空間内に収容される本体から成り、
それによって、該ハードカバー書籍製品が、該セキュリティー・タグの信号に対する応答を感知する遠隔認識装置により追跡可能と成る該ハードカバー書籍製品。
【請求項73】
前記本体が、ディスクを収容できるような向かい合わせで噛み合わさってはめ込むシェルからなり、該シェルのそれぞれが、前記表と裏カバーの各内側表面に取り付けられた請求項72記載のハードカバー製品。
【請求項74】
前記本体が、ルーズ・リーフ書籍を規定する複数のページを含む請求項72記載のハードカバー製品。
【請求項75】
前記本体が、シートを収容するリング状の部材を含む請求項72記載のハードカバー製品
【請求項76】
(a) 第一のカバーシートの主たる表面と、それとの間の隙間に背中部分を規定するように間隔を置いて配置された第二のカバーシートであって、該第一のカバーシートと第二のカバーシートが、それぞれ該第一と第二のカバーシートの内側の縁により規定される線に沿って、該内側ライナーの上でお互いに向かって折れ曲がることができる該第一のカバーシートと該第二のカバーシートに対して外側ライナーを取り付ける工程と
(b) 該背中部分にセキュリティー・タグを取り付ける工程と、
該第一と第二のカバーシートに対し、上に重ねる形で内部体を取り付ける工程、
を含むハードカバー製品の製造方法。
【請求項77】
ハードカバー製品のための中間体のボードの製造方法であって、
(a) シート材である第一のレイヤーの連続的な供給を提供する工程と、
(b) 該シート材の第一の表面上の選択された箇所にセキュリティー装置を取り付ける工程と、
(c) 該シート材の反対側である第二の表面上に、該セキュリティー装置と同一線上の位置に表示マークを貼り付ける工程と、
(d) 該第一の表面に粘着材を塗布する工程と、
(e) シート材である第二のレイヤーの連続的な供給を、該第一のレイヤーの該第一の表面に対して上に重ねる形で提供する工程と、
(f) 該セキュリティー装置を第一と第二のレイヤーがその間に挟むように第一と第二のレイヤーをラミネートする工程と、
(g) シート材である該第一と第二のレイヤーの連続的な供給から、それぞれが少なくとも一つのセキュリティー装置を含む個々のボードを切り取る工程、
を含む該中間体のボードの製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図19A】
【図20】
【図21】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8A】
【図8B】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図19A】
【図20】
【図21】
【公開番号】特開2012−131233(P2012−131233A)
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−56528(P2012−56528)
【出願日】平成24年3月13日(2012.3.13)
【分割の表示】特願2007−508619(P2007−508619)の分割
【原出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(506347001)スマート‐ガード、エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年7月12日(2012.7.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年3月13日(2012.3.13)
【分割の表示】特願2007−508619(P2007−508619)の分割
【原出願日】平成17年4月14日(2005.4.14)
【出願人】(506347001)スマート‐ガード、エルエルシー (3)
【Fターム(参考)】
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