説明

集塵装置

【課題】廃プラスチックを効率よく油化させる方法として、熱分解して発生する油と残渣物とを分離させる過程で、熱分解で発生した高温ガス中の粉塵が熱分解槽と液化装置である段塔や充填塔とを繋ぐダクト内に集積してダクト内を閉塞することを防止する。
【解決手段】熱分解槽と段塔や充填塔との間に集塵装置であるサイクロン1やチャンバーを設けると共に、集塵装置内での高温ガスの凝縮による液化を防止するために集塵装置の外壁を断熱保温12する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は廃プラスチックを熱分解により油と残渣物とに分離させる過程に於いて、残渣物は粉体化させて固形燃料とする熱分解槽と発生する高温ガスは凝縮により液化させる段塔又は充填塔間に設けた集塵装置に関する。
【背景技術】
【0002】
国の示す廃プラスチックの再利用への取り組みとして、燃やさない溶かさない炭化させない熱分解させるということにより熱分解させると、発生した高温ガスは凝縮により液化させて採油されるが、高温ガス化後の残渣物は粉体として多くが槽内に残る。
熱分解槽と油化装置の間をダクトで繋ぐと熱分解槽内の昇温と共に内圧の上昇により自然に排ガスは油化装置である段塔又は充填塔に入気する。
【0003】
熱分解槽よりの高温ガス中に粉体化した粉塵が前記段塔内に同伴して入気しようとすると、熱分解槽と段塔間のダクト内に集積する結果になる。
特に段塔入気口のデストリビューターよりワイパー等への粉塵の集積は、段塔の目的である凝縮効率の低下となって段塔内壁の焼付現象が生ずる問題があった。
【0004】
又廃プラスチックを効率よく油化させる方法として、熱分解槽に撹拌機を設けて槽内に収容した多量の廃プラを槽内壁と絶えず熱交換させる必要がある。
撹拌羽根によって廃プラを混ぜる作用で廃プラの重なりを解くと気化ガスの上昇を助けることになり、撹拌羽根の回転によって粉体を巻き上げる欠点となる。しかしそれでも撹拌させる必要がある。
【0005】
撹拌作用によって廃プラを反転させることにより熱分解槽より受熱して分解を早める効果がある。
炭化が進んで処理物を動かすことで粉塵が発生し、ダクトと段塔又は充填塔内に詰めた吸収材に付着して油と混合して充填材を汚し、ダクト内の閉塞等が起きる。
【0006】
熱分解槽の分解温度と共に槽内静圧の上昇となり、撹拌機を動かす必要があるため防塵の必要が発生した。
熱分解槽と段塔間の接続ダクト断面を大きくして風速を落とすことも必要であるが、その対策としてサイクロン又はチャンバー室を求めることになった。
【0007】
そこで単純にサイクロン又はチャンバー室を設けるとそれらに集塵室や粉体排出口等が必要になり、これらの設備で外気により高温処理ガスの温度が低下して次工程の段塔温度低下が起きると都合が悪いので保温が必要である。保温をしないと集塵装置に油が溜まる結果となる。
【特許文献1】 特開2000−129031 株式会社東芝
【非特許文献1】 分離 培風館 相良紘他著
【非特許文献2】 集塵装置
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
解決しようとする問題点は熱分解中に生じる炭粉が高温化と昇圧と撹拌作用によって粉塵となって発生し、段塔内又は接続ダクト内に集積するのを防止したり集塵して回収したりすることは可能か。
【課題を解決するための手段】
【0009】
粉塵発生源の熱分解槽と凝縮機能の段塔間に集塵装置を設け、装置外壁より大気に熱を奪われないよう断熱保温して極力集塵装置で液化させないようにする。
保温は大切で段塔1の採油と段塔2の蒸気の液化につなげる必要がある。集塵装置に熱を奪われると段塔1で冷却が進んで採油の中に水分が増える。
【発明の効果】
【0010】
本来主として段塔1内はこのような汚れ系の油化装置でも度々の内部清掃は費用の問題と操業休止等があるが、熱分解ガスの温度の低下を防止して熱分解槽と段塔間で簡単に集塵可能なら連続作業が可能になり、操業時間を持続に繋げて定期修理の延長となる。
【発明を実施するための形態】
【0011】
廃プラスチック熱分解による発生した高温ガスを排気口より集塵装置のサイクロン又はチャンバー室入口より導入し、高温ガスの温度の低下を防止して高温ガス中の粉塵のみ分離させることを実現した。
【実施例1】
【0012】
図1は本発明の粉塵分離のサイクロンである。サイクロンの性能及び機能又は設計における計算方法は既存の技術であり説明は省略する。
サイクロンには内部の粉塵を掻き落とすスクリューを設けて下部には集塵室を設ける。集塵による温度の低下を防止して次工程の段塔1でガス中より油分を凝縮させる温度を段塔2まで保ち、ここで水の凝縮の機能を完全に果たすよう温度維持を図る。
【実施例2】
【0013】
実施例2は本発明の粉塵分離のチャンバー室で入気口に高温ガスを導入し、断面積の大きな空間を作ることで風速を落として比重差で分離させる。
この装置も今日までに色々な形状が作られたが単純に入口断面より大きな断面の利点を利用した従来の技術であり説明を省略する。
【産業上の利用可能性】
【0014】
高温ガス中に含まれる粉塵を分離させることによって次工程の段塔又は充填塔の定期修理清掃期間を伸ばすことが出来る。又捕集したダストは熱分解槽内の残渣物と共に再生エネルギーとして石炭の代替粉炭としての価値がある。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】 集塵装置の実施方法を示す断面説明図である。(実施例1)
【符号の説明】
【0016】
1 サイクロン
2 集塵室
3 分離管
4 粉塵ガス入口
5 高温ガス出口
6 上部軸無しスクリュー
7 下部軸無しスクリュー
8 回転軸
9 駆動部
10 旋回アーム
11 空気逃し口
12 保温
13 ダスト排出口

【特許請求の範囲】
【請求項1】
廃プラスチック熱分解槽と凝縮、冷却、液化作用の段塔又は充填塔との間にサイクロンとサイクロン集塵箱を接続させてサイクロン及び集塵箱を保温し、前記サイクロン内壁清掃軸無しスクリューを設けた請求項1の集塵装置。
【請求項2】
前記請求項1の集塵装置は熱分解槽と凝縮液化槽間を接続させる風管よりも大きいチャンバー室を設け、チャンバー室の下部形状を錐形とした請求項1と2の集塵装置。

【図1】
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【公開番号】特開2013−82857(P2013−82857A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−237941(P2011−237941)
【出願日】平成23年10月11日(2011.10.11)
【出願人】(509301770)
【Fターム(参考)】