集成材およびその製造方法
【課題】炭素繊維強化樹脂の特性を充分に生かしつつ、剛性を確保することができる集成材およびその製造方法を提供する。
【解決手段】集成材1では、外力を受けた場合に、杉材2に圧縮応力が生じると共に、炭素繊維強化樹脂4に引張応力が生じる。ここで、炭素繊維強化樹脂4は引張強度に優れた特性を有しており、杉材2も所定の圧縮強度を有する。よって、外力に対する剛性が確保される。しかも、引張応力に対しては炭素繊維強化樹脂4が寄与するため、炭素繊維強化樹脂4の特性が充分に生かされている。さらに、発泡材3を用いる分、軽量化が図られると共に、杉材2が表面層をなすため、見映え、肌触り、匂いにおいて優れている。
【解決手段】集成材1では、外力を受けた場合に、杉材2に圧縮応力が生じると共に、炭素繊維強化樹脂4に引張応力が生じる。ここで、炭素繊維強化樹脂4は引張強度に優れた特性を有しており、杉材2も所定の圧縮強度を有する。よって、外力に対する剛性が確保される。しかも、引張応力に対しては炭素繊維強化樹脂4が寄与するため、炭素繊維強化樹脂4の特性が充分に生かされている。さらに、発泡材3を用いる分、軽量化が図られると共に、杉材2が表面層をなすため、見映え、肌触り、匂いにおいて優れている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木材および炭素繊維強化樹脂を用いた集成材およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載されるように、木材からなる芯材の外周に炭素繊維強化樹脂を巻きつけ、その炭素繊維樹脂の表面に木材を貼付した四角柱状の集成材が知られている。この集成材では、複数の木材を積層して芯材を形成しており、複数の木材における繊維の方向は平行になっている。さらに、木材の繊維の方向に対し、ほぼ垂直方向または交差する方向に炭素繊維樹脂の繊維を配置している。
【0003】
このような構成により、下記特許文献1に記載の集成材は、高剛性かつ軽量とされ、大型建築物の構造材として適用可能になっている。また、炭素繊維樹脂の利用により、天然木材の使用量が低減されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−122105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の集成材では、木材が積層されてなる芯材と、炭素繊維強化樹脂との両方によって剛性を確保している。すなわち、炭素繊維強化樹脂は、剛性を確保するため、あくまで補助的に用いられるに過ぎない。このように、従来の集成材では、炭素繊維強化樹脂の特性を充分に生かすことができなかった。
【0006】
本発明は、炭素繊維強化樹脂の特性を充分に生かしつつ、剛性を確保することができる集成材およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る集成材は、複数の部材が積層されてなる集成材であって、木材によって形成され、表面層をなす第1部材と、炭素繊維強化樹脂によって形成され、第1部材の裏面側に配置された第2部材と、発泡体によって形成され、第2部材が接合された第3部材と、を有し、外力を受けた場合に、第1の部材には圧縮応力が生じると共に、第2の部材には引張応力が生じることを特徴とする。
【0008】
この集成材によれば、外力を受けた場合に、木材によって形成された第1部材には圧縮応力が生じると共に、炭素繊維強化樹脂によって形成された第2部材には引張応力が生じる。ここで、炭素繊維強化樹脂は引張強度に優れた特性を有している。また、木材も所定の圧縮強度を有する。よって、外力に対する剛性を確保することができる。しかも、引張応力に対しては炭素繊維強化樹脂からなる第2部材が寄与するため、炭素繊維強化樹脂の特性が充分に生かされる。さらに、発泡体によって形成された第3部材を用いる分、軽量化が図られる。また、木材によって形成された第1部材が表面層をなすため、見映え、肌触り、匂いにおいて優れている。露出した第1部材は、集成材が配置された雰囲気中の湿度を吸収する機能も兼ね備える。
【0009】
また、第1〜第3部材は板状をなしており、第1部材と第2部材との間に第3部材が配置され、第1部材および第2部材は、第3部材の表面側および裏面側にそれぞれ接合されていると好適である。この場合、発泡体から形成された第3部材が第1部材と第2部材とによってサンドイッチされ、板状の集成材が形成される。これにより、例えば建物の床材や家具材などに適した高剛性で軽量の板状部材が実現される。
【0010】
また、第3部材は柱状をなしており、第2部材は第3部材の外周側に接合されると共に、第1部材は第2部材の外周側に接合されていると好適である。この場合、発泡体から形成された柱状の第3部材を芯材とする柱状の集成材が形成される。これにより、例えば建物の柱材や手すりなどに適した高剛性で軽量の柱状部材が実現される。
【0011】
また、本発明に係る集成材の製造方法は、上記の集成材の製造方法であって、第3部材に常温硬化型の樹脂を塗布する工程と、第3部材に第2部材を構成するカーボン繊維を貼る工程と、カーボン繊維を第3部材に向けて押圧すると共に常温硬化型樹脂を硬化させ、第2部材を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
この製造方法によれば、常温硬化型の樹脂が塗布された第3部材にカーボン繊維を貼り、常温硬化型の樹脂の硬化によって、第2部材が形成されると共に第2部材が第3部材に接合される。よって、加熱用の炉が不要であると共に、炭素繊維強化樹脂を成形するための型も不要である。また、常温で第2部材を接合するため、加熱した場合に生じ得る木材の熱膨張を防止することができる。また、常温硬化型の樹脂が第2部材のマトリックス樹脂と第2部材を第3部材に接合するための樹脂とを兼ねるため、製造コストの低減が図られる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、炭素繊維強化樹脂の特性を充分に生かしつつ、剛性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る集成材の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の集成材に外力が作用した場合に生じる応力の説明図である。
【図3】(a)および(b)は、図1の集成材の製造手順を示す斜視図である。
【図4】(a)および(b)は、図3に続く製造手順を示す斜視図である。
【図5】(a)および(b)は、図4に続く製造手順を示す斜視図である。
【図6】(a)および(b)は、図5に続く製造手順を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る集成材の第2実施形態を示す斜視図である。
【図8】(a)および(b)は、図7の集成材の製造手順を示す斜視図である。
【図9】(a)および(b)は、図8に続く製造手順を示す斜視図である。
【図10】(a)および(b)は、図9に続く製造手順を示す斜視図である。
【図11】(a)および(b)は、図10に続く製造手順を示す斜視図である。
【図12】本発明に係る集成材の第3実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
図1に示すように、集成材1は、複数の部材2〜4が積層されてなる3層構造の板材である。集成材1は、軽量かつ高剛性であり、例えば建物の床材や家具材として用いられる。集成材1が建物や家具に用いられた状態では、杉材(第1部材)2が外部に露出している。集成材1は、このような木目の表面により、優れた外観を有している。
【0017】
集成材1は、表面層をなす板状の杉材2と、杉材2の裏面側に接合された板状の発泡材(第3部材)3と、発泡材3の裏面側に接合された板状の炭素繊維強化樹脂(第2部材)4とを有している。言い換えれば、発泡材3は、杉材2と炭素繊維強化樹脂4との間に配置され、杉材2および炭素繊維強化樹脂4は、発泡材3の表面側および裏面側にそれぞれ接合されている。
【0018】
上記のように、集成材1は、杉材2と炭素繊維強化樹脂4とによって発泡材3をサンドイッチした構造になっている。杉材2、発泡材3、および炭素繊維強化樹脂4は、大きさの等しい直方体形状をなしている。杉材2と発泡材3、および、発泡材3と炭素繊維強化樹脂4は、常温硬化型の樹脂を介してそれぞれ互いに接着されている。この常温硬化型の樹脂は、炭素繊維強化樹脂4のマトリックス樹脂を兼ねている。常温硬化型の樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などを用いることができる。
【0019】
杉材2は、最表面の層を構成している。杉材2としては特に種類は限られないが、例えば天竜杉が適している。杉材2の厚みは、例えば5〜20mm程度である。なお、第1部材を形成する木材としては、杉材に限られず、例えば檜材や松材などを用いてもよい。
【0020】
発泡材3は、発泡体によって形成されている。発泡材3としては、例えばポリウレタンフォームやポリスチレンフォーム等を用いることができる。発泡材3の厚みは、例えば5mm程度である。発泡材3としては、軽量で且つ所定の成形性を有する材料であれば、いかなる材料を用いてもよい。発泡材3は、耐熱性を有することが好ましい。
【0021】
炭素繊維強化樹脂(CFRP;Carbon Fiber Reinforced Plastics)4は、シート状のカーボン繊維にマトリックス樹脂を含浸させて硬化させたものである。前述したように、炭素繊維強化樹脂4のマトリックス樹脂は常温硬化型の樹脂であり、発泡材3に対して炭素繊維強化樹脂4を接合する機能を兼ねている。炭素繊維強化樹脂4は、例えば1〜8枚のCFPRシートが積層されてなる。炭素繊維強化樹脂4の厚みは、例えば0.25〜2mm程度である。各CFPRシートを構成するカーボン繊維は、繊維の方向を交差させたいわゆる平織り材である。なお、集成材1が用いられる場所によっては、一方向に繊維を配置したUD(Uni-Directional)材を用いることもできる。UD材を用いる場合、高い引張強度が求められる方向に繊維を配置する。
【0022】
図2は、集成材1に外力が作用した場合に生じる応力の説明図である。図2に示すように、集成材1の表面側(杉材2側)から裏面側(炭素繊維強化樹脂4側)へ向けて外力が作用すると、杉材2には圧縮応力が生じると共に、炭素繊維強化樹脂4には引張応力が生じる。炭素繊維強化樹脂4は引張強度に優れているため、この外力に対して集成材1は非常に高い剛性を有する。集成材1によれば、従来の板材に比して、最大曲げ応力が大幅に向上する。
【0023】
続いて、集成材1の製造方法を説明する。図3〜図6は、集成材1の製造手順を示す斜視図である。まず、図3(a)に示すように、杉材2を用意する。次に、図3(b)に示すように、杉材2の接着面、すなわち発泡材3に対して接合される裏面に常温硬化型のエポキシ樹脂を塗布する。
【0024】
次に、図4(a)に示すように、発泡材3の表面にも常温硬化型のエポキシ樹脂を塗布する。さらに、図4(b)に示すように、杉材2の裏面と発泡材3の表面とを合わせるようにして、杉材2に発泡材3を貼り合わせる。
【0025】
次に、図5(a)に示すように、発泡材3の裏面に常温硬化型のエポキシ樹脂を塗布する。次に、図5(b)に示すように、発泡材3の裏面にカーボン繊維6を貼り合わせる。
【0026】
次に、図6(a)に示すように、ドライヤーなどを用いてカーボン繊維6に温風を吹きつけ、カーボン繊維6を60〜80℃に加熱しつつ、ローラー7を用いて脱泡する。このとき、エポキシ樹脂の粘土が低下してカーボン繊維6の空隙にエポキシ樹脂が浸み込むことにより、エポキシ樹脂がマトリックス樹脂としてカーボン繊維6に含浸される。次に、図6(b)に示すように、カーボン繊維6を発泡材3に向けて押圧する。そして、樹脂の硬化後、炭素繊維強化樹脂4が形成され、図1に示した集成材1が成形される。樹脂の硬化温度および硬化時間は、例えば25℃で24時間である。なお、30℃で15時間としてもよい。
【0027】
以上説明した集成材1によれば、外力を受けた場合に、杉材2には圧縮応力が生じると共に、炭素繊維強化樹脂4には引張応力が生じる(図2参照)。ここで、炭素繊維強化樹脂4は引張強度に優れた特性を有しており、杉材2も所定の圧縮強度を有する。よって、外力に対する剛性が確保される。しかも、引張応力に対しては炭素繊維強化樹脂4が寄与するため、炭素繊維強化樹脂4の特性が充分に生かされている。さらに、発泡材3を用いる分、軽量化が図られている。また、杉材2が表面層をなすため、見映え、肌触り、匂いにおいて優れている。炭素繊維強化樹脂4は杉材2に隠れて見えないため、炭素繊維強化樹脂4が外観に影響を及ぼすこともない。露出した杉材2は、集成材1が配置された雰囲気中の湿度を吸収する機能も兼ね備えている。
【0028】
また、発泡材3が杉材2と炭素繊維強化樹脂4とによってサンドイッチされ、板状の集成材1が形成されるので、例えば建物の床材や家具材などに適した高剛性で軽量の板状部材が実現される。
【0029】
また、上述した集成材1の製造方法によれば、常温硬化型の樹脂が塗布された発泡材3にカーボン繊維6を貼り、常温硬化型の樹脂の硬化によって、炭素繊維強化樹脂4が形成されると共に炭素繊維強化樹脂4が発泡材3に接合される。よって、加熱用の炉が不要であると共に、炭素繊維強化樹脂4を成形するための型も不要である。また、常温で炭素繊維強化樹脂4を接合するため、加熱した場合に生じ得る杉材2の熱膨張を防止することができる。また、常温硬化型の樹脂が炭素繊維強化樹脂4のマトリックス樹脂と炭素繊維強化樹脂4を発泡材3に接合するための樹脂とを兼ねるため、製造コストの低減が図られている。
【0030】
なお、杉材2が熱膨張した場合であっても、集成材1およびその製造方法によれば、杉材2と炭素繊維強化樹脂4との間に発泡材3を介在させる構成のため、杉材2のズレやはがれを防止することができる。杉材2と炭素繊維強化樹脂4とを直接貼り合わせる場合には、杉材2の変形により炭素繊維強化樹脂4が杉材2から剥がれてしまうおそれがあるが、集成材1およびその製造方法では、そのような事態が防止される。
【0031】
図7は、集成材の第2実施形態を示す斜視図である。この集成材10は、芯材としての角柱状の発泡材(第3部材)13と、この発泡材13の外周側に接合された角筒状の炭素繊維強化樹脂(第2部材)14と、炭素繊維強化樹脂14の外周側に接合された角筒状の杉材(第1部材)12とを有している。すなわち、集成材10は、3層構造の柱材である。炭素繊維強化樹脂14は、発泡材13の外周面に1枚〜数枚のカーボン繊維が巻き付けられて形成される。また、杉材12は、カーボン繊維の4面に4枚の杉材が貼り付けられて形成される。発泡材13と炭素繊維強化樹脂14、および、炭素繊維強化樹脂14と杉材12は、集成材1と同様、常温硬化型のエポキシ樹脂を介してそれぞれ互いに接着されている。
【0032】
図8〜図11は、集成材10の製造手順を示す斜視図である。まず、図8(a)に示すように、発泡材13を用意する。ここでは、発泡材13の角をC5〜C10で面取りする。次に、図8(b)に示すように、発泡材13の外周面に常温硬化型のエポキシ樹脂を塗布する。
【0033】
次に、図9(a)に示すように、発泡材13の外周面に1枚〜数枚のカーボン繊維16を巻き付けて貼る。さらに、図9(b)に示すように、カーボン繊維16の表面に常温硬化型のエポキシ樹脂を塗布する。
【0034】
次に、図10(a)に示すように、ドライヤーなどを用いてカーボン繊維16に温風を吹きつけ、カーボン繊維16を60〜80℃に加熱しつつ、ローラー7を用いて脱泡する。このとき、エポキシ樹脂の粘土が低下してカーボン繊維16の空隙にエポキシ樹脂が浸み込むことにより、エポキシ樹脂がマトリックス樹脂としてカーボン繊維16に含浸される。次に、図10(b)に示すように、板状の杉材12を用意し、杉材12の接着面、すなわちカーボン繊維16に対して接合される裏面に常温硬化型のエポキシ樹脂を塗布する。
【0035】
次に、図11(a)に示すように、カーボン繊維16の表面に4枚の杉材12を順次貼り付ける。次に、図11(b)に示すように、クランプ8などを用いて杉材12の表面側から圧力をかけ、杉材12およびカーボン繊維16を発泡材13に向けて押圧する。そして、樹脂の硬化後、炭素繊維強化樹脂14が形成され、図7に示した集成材10が成形される。樹脂の硬化温度および硬化時間は、例えば25℃で24時間である。なお、30℃で15時間としてもよい。
【0036】
この集成材10によれば、外力を受けた場合に、杉材12には圧縮応力が生じると共に、炭素繊維強化樹脂14には引張応力が生じ、第1実施形態の集成材1と同様の作用効果を得ることができる。また、発泡材13を芯材とする柱状の集成材が形成されることで、例えば建物の柱材などに適した高剛性で軽量の角柱状部材が実現される。
【0037】
図12は、集成材の第3実施形態を示す斜視図である。この集成材20は、芯材としての円柱状の発泡材(第3部材)23と、この発泡材23の外周側に接合された円筒状の炭素繊維強化樹脂(第2部材)24と、炭素繊維強化樹脂24の外周側に接合された円筒状の杉材(第1部材)22とを有している。すなわち、集成材20は、3層構造の棒材である。発泡材23と炭素繊維強化樹脂24、および、炭素繊維強化樹脂24と杉材22は、集成材1と同様、常温硬化型のエポキシ樹脂を介してそれぞれ互いに接着されている。
【0038】
このような集成材20によっても、集成材1,10と同様の作用効果を得ることができる。また、例えば建物の手すりなどに適した高剛性で軽量の円柱状部材が実現される。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、集成材1の表面側のみならず、裏面側を杉材で覆ってもよい。この場合、裏面側の炭素繊維強化樹脂が露出することなく杉材によって覆われるため、裏面における見映えなども向上する。
【符号の説明】
【0040】
1…集成材、2…杉材(第1部材)、3…発泡材(第3部材)、4…炭素繊維強化樹脂(第2部材)、6…カーボン繊維、10,20…集成材、12,22…杉材(第1部材)、13,23…発泡材(第3部材)、14,24…炭素繊維強化樹脂(第2部材)、16…カーボン繊維。
【技術分野】
【0001】
本発明は、木材および炭素繊維強化樹脂を用いた集成材およびその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、このような分野の技術として、下記特許文献1に記載されるように、木材からなる芯材の外周に炭素繊維強化樹脂を巻きつけ、その炭素繊維樹脂の表面に木材を貼付した四角柱状の集成材が知られている。この集成材では、複数の木材を積層して芯材を形成しており、複数の木材における繊維の方向は平行になっている。さらに、木材の繊維の方向に対し、ほぼ垂直方向または交差する方向に炭素繊維樹脂の繊維を配置している。
【0003】
このような構成により、下記特許文献1に記載の集成材は、高剛性かつ軽量とされ、大型建築物の構造材として適用可能になっている。また、炭素繊維樹脂の利用により、天然木材の使用量が低減されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平6−122105号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記した従来の集成材では、木材が積層されてなる芯材と、炭素繊維強化樹脂との両方によって剛性を確保している。すなわち、炭素繊維強化樹脂は、剛性を確保するため、あくまで補助的に用いられるに過ぎない。このように、従来の集成材では、炭素繊維強化樹脂の特性を充分に生かすことができなかった。
【0006】
本発明は、炭素繊維強化樹脂の特性を充分に生かしつつ、剛性を確保することができる集成材およびその製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る集成材は、複数の部材が積層されてなる集成材であって、木材によって形成され、表面層をなす第1部材と、炭素繊維強化樹脂によって形成され、第1部材の裏面側に配置された第2部材と、発泡体によって形成され、第2部材が接合された第3部材と、を有し、外力を受けた場合に、第1の部材には圧縮応力が生じると共に、第2の部材には引張応力が生じることを特徴とする。
【0008】
この集成材によれば、外力を受けた場合に、木材によって形成された第1部材には圧縮応力が生じると共に、炭素繊維強化樹脂によって形成された第2部材には引張応力が生じる。ここで、炭素繊維強化樹脂は引張強度に優れた特性を有している。また、木材も所定の圧縮強度を有する。よって、外力に対する剛性を確保することができる。しかも、引張応力に対しては炭素繊維強化樹脂からなる第2部材が寄与するため、炭素繊維強化樹脂の特性が充分に生かされる。さらに、発泡体によって形成された第3部材を用いる分、軽量化が図られる。また、木材によって形成された第1部材が表面層をなすため、見映え、肌触り、匂いにおいて優れている。露出した第1部材は、集成材が配置された雰囲気中の湿度を吸収する機能も兼ね備える。
【0009】
また、第1〜第3部材は板状をなしており、第1部材と第2部材との間に第3部材が配置され、第1部材および第2部材は、第3部材の表面側および裏面側にそれぞれ接合されていると好適である。この場合、発泡体から形成された第3部材が第1部材と第2部材とによってサンドイッチされ、板状の集成材が形成される。これにより、例えば建物の床材や家具材などに適した高剛性で軽量の板状部材が実現される。
【0010】
また、第3部材は柱状をなしており、第2部材は第3部材の外周側に接合されると共に、第1部材は第2部材の外周側に接合されていると好適である。この場合、発泡体から形成された柱状の第3部材を芯材とする柱状の集成材が形成される。これにより、例えば建物の柱材や手すりなどに適した高剛性で軽量の柱状部材が実現される。
【0011】
また、本発明に係る集成材の製造方法は、上記の集成材の製造方法であって、第3部材に常温硬化型の樹脂を塗布する工程と、第3部材に第2部材を構成するカーボン繊維を貼る工程と、カーボン繊維を第3部材に向けて押圧すると共に常温硬化型樹脂を硬化させ、第2部材を形成する工程と、を含むことを特徴とする。
【0012】
この製造方法によれば、常温硬化型の樹脂が塗布された第3部材にカーボン繊維を貼り、常温硬化型の樹脂の硬化によって、第2部材が形成されると共に第2部材が第3部材に接合される。よって、加熱用の炉が不要であると共に、炭素繊維強化樹脂を成形するための型も不要である。また、常温で第2部材を接合するため、加熱した場合に生じ得る木材の熱膨張を防止することができる。また、常温硬化型の樹脂が第2部材のマトリックス樹脂と第2部材を第3部材に接合するための樹脂とを兼ねるため、製造コストの低減が図られる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、炭素繊維強化樹脂の特性を充分に生かしつつ、剛性を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明に係る集成材の第1実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の集成材に外力が作用した場合に生じる応力の説明図である。
【図3】(a)および(b)は、図1の集成材の製造手順を示す斜視図である。
【図4】(a)および(b)は、図3に続く製造手順を示す斜視図である。
【図5】(a)および(b)は、図4に続く製造手順を示す斜視図である。
【図6】(a)および(b)は、図5に続く製造手順を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る集成材の第2実施形態を示す斜視図である。
【図8】(a)および(b)は、図7の集成材の製造手順を示す斜視図である。
【図9】(a)および(b)は、図8に続く製造手順を示す斜視図である。
【図10】(a)および(b)は、図9に続く製造手順を示す斜視図である。
【図11】(a)および(b)は、図10に続く製造手順を示す斜視図である。
【図12】本発明に係る集成材の第3実施形態を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら説明する。なお、図面の説明において同一要素には同一符号を付し、重複する説明は省略する。
【0016】
図1に示すように、集成材1は、複数の部材2〜4が積層されてなる3層構造の板材である。集成材1は、軽量かつ高剛性であり、例えば建物の床材や家具材として用いられる。集成材1が建物や家具に用いられた状態では、杉材(第1部材)2が外部に露出している。集成材1は、このような木目の表面により、優れた外観を有している。
【0017】
集成材1は、表面層をなす板状の杉材2と、杉材2の裏面側に接合された板状の発泡材(第3部材)3と、発泡材3の裏面側に接合された板状の炭素繊維強化樹脂(第2部材)4とを有している。言い換えれば、発泡材3は、杉材2と炭素繊維強化樹脂4との間に配置され、杉材2および炭素繊維強化樹脂4は、発泡材3の表面側および裏面側にそれぞれ接合されている。
【0018】
上記のように、集成材1は、杉材2と炭素繊維強化樹脂4とによって発泡材3をサンドイッチした構造になっている。杉材2、発泡材3、および炭素繊維強化樹脂4は、大きさの等しい直方体形状をなしている。杉材2と発泡材3、および、発泡材3と炭素繊維強化樹脂4は、常温硬化型の樹脂を介してそれぞれ互いに接着されている。この常温硬化型の樹脂は、炭素繊維強化樹脂4のマトリックス樹脂を兼ねている。常温硬化型の樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂などを用いることができる。
【0019】
杉材2は、最表面の層を構成している。杉材2としては特に種類は限られないが、例えば天竜杉が適している。杉材2の厚みは、例えば5〜20mm程度である。なお、第1部材を形成する木材としては、杉材に限られず、例えば檜材や松材などを用いてもよい。
【0020】
発泡材3は、発泡体によって形成されている。発泡材3としては、例えばポリウレタンフォームやポリスチレンフォーム等を用いることができる。発泡材3の厚みは、例えば5mm程度である。発泡材3としては、軽量で且つ所定の成形性を有する材料であれば、いかなる材料を用いてもよい。発泡材3は、耐熱性を有することが好ましい。
【0021】
炭素繊維強化樹脂(CFRP;Carbon Fiber Reinforced Plastics)4は、シート状のカーボン繊維にマトリックス樹脂を含浸させて硬化させたものである。前述したように、炭素繊維強化樹脂4のマトリックス樹脂は常温硬化型の樹脂であり、発泡材3に対して炭素繊維強化樹脂4を接合する機能を兼ねている。炭素繊維強化樹脂4は、例えば1〜8枚のCFPRシートが積層されてなる。炭素繊維強化樹脂4の厚みは、例えば0.25〜2mm程度である。各CFPRシートを構成するカーボン繊維は、繊維の方向を交差させたいわゆる平織り材である。なお、集成材1が用いられる場所によっては、一方向に繊維を配置したUD(Uni-Directional)材を用いることもできる。UD材を用いる場合、高い引張強度が求められる方向に繊維を配置する。
【0022】
図2は、集成材1に外力が作用した場合に生じる応力の説明図である。図2に示すように、集成材1の表面側(杉材2側)から裏面側(炭素繊維強化樹脂4側)へ向けて外力が作用すると、杉材2には圧縮応力が生じると共に、炭素繊維強化樹脂4には引張応力が生じる。炭素繊維強化樹脂4は引張強度に優れているため、この外力に対して集成材1は非常に高い剛性を有する。集成材1によれば、従来の板材に比して、最大曲げ応力が大幅に向上する。
【0023】
続いて、集成材1の製造方法を説明する。図3〜図6は、集成材1の製造手順を示す斜視図である。まず、図3(a)に示すように、杉材2を用意する。次に、図3(b)に示すように、杉材2の接着面、すなわち発泡材3に対して接合される裏面に常温硬化型のエポキシ樹脂を塗布する。
【0024】
次に、図4(a)に示すように、発泡材3の表面にも常温硬化型のエポキシ樹脂を塗布する。さらに、図4(b)に示すように、杉材2の裏面と発泡材3の表面とを合わせるようにして、杉材2に発泡材3を貼り合わせる。
【0025】
次に、図5(a)に示すように、発泡材3の裏面に常温硬化型のエポキシ樹脂を塗布する。次に、図5(b)に示すように、発泡材3の裏面にカーボン繊維6を貼り合わせる。
【0026】
次に、図6(a)に示すように、ドライヤーなどを用いてカーボン繊維6に温風を吹きつけ、カーボン繊維6を60〜80℃に加熱しつつ、ローラー7を用いて脱泡する。このとき、エポキシ樹脂の粘土が低下してカーボン繊維6の空隙にエポキシ樹脂が浸み込むことにより、エポキシ樹脂がマトリックス樹脂としてカーボン繊維6に含浸される。次に、図6(b)に示すように、カーボン繊維6を発泡材3に向けて押圧する。そして、樹脂の硬化後、炭素繊維強化樹脂4が形成され、図1に示した集成材1が成形される。樹脂の硬化温度および硬化時間は、例えば25℃で24時間である。なお、30℃で15時間としてもよい。
【0027】
以上説明した集成材1によれば、外力を受けた場合に、杉材2には圧縮応力が生じると共に、炭素繊維強化樹脂4には引張応力が生じる(図2参照)。ここで、炭素繊維強化樹脂4は引張強度に優れた特性を有しており、杉材2も所定の圧縮強度を有する。よって、外力に対する剛性が確保される。しかも、引張応力に対しては炭素繊維強化樹脂4が寄与するため、炭素繊維強化樹脂4の特性が充分に生かされている。さらに、発泡材3を用いる分、軽量化が図られている。また、杉材2が表面層をなすため、見映え、肌触り、匂いにおいて優れている。炭素繊維強化樹脂4は杉材2に隠れて見えないため、炭素繊維強化樹脂4が外観に影響を及ぼすこともない。露出した杉材2は、集成材1が配置された雰囲気中の湿度を吸収する機能も兼ね備えている。
【0028】
また、発泡材3が杉材2と炭素繊維強化樹脂4とによってサンドイッチされ、板状の集成材1が形成されるので、例えば建物の床材や家具材などに適した高剛性で軽量の板状部材が実現される。
【0029】
また、上述した集成材1の製造方法によれば、常温硬化型の樹脂が塗布された発泡材3にカーボン繊維6を貼り、常温硬化型の樹脂の硬化によって、炭素繊維強化樹脂4が形成されると共に炭素繊維強化樹脂4が発泡材3に接合される。よって、加熱用の炉が不要であると共に、炭素繊維強化樹脂4を成形するための型も不要である。また、常温で炭素繊維強化樹脂4を接合するため、加熱した場合に生じ得る杉材2の熱膨張を防止することができる。また、常温硬化型の樹脂が炭素繊維強化樹脂4のマトリックス樹脂と炭素繊維強化樹脂4を発泡材3に接合するための樹脂とを兼ねるため、製造コストの低減が図られている。
【0030】
なお、杉材2が熱膨張した場合であっても、集成材1およびその製造方法によれば、杉材2と炭素繊維強化樹脂4との間に発泡材3を介在させる構成のため、杉材2のズレやはがれを防止することができる。杉材2と炭素繊維強化樹脂4とを直接貼り合わせる場合には、杉材2の変形により炭素繊維強化樹脂4が杉材2から剥がれてしまうおそれがあるが、集成材1およびその製造方法では、そのような事態が防止される。
【0031】
図7は、集成材の第2実施形態を示す斜視図である。この集成材10は、芯材としての角柱状の発泡材(第3部材)13と、この発泡材13の外周側に接合された角筒状の炭素繊維強化樹脂(第2部材)14と、炭素繊維強化樹脂14の外周側に接合された角筒状の杉材(第1部材)12とを有している。すなわち、集成材10は、3層構造の柱材である。炭素繊維強化樹脂14は、発泡材13の外周面に1枚〜数枚のカーボン繊維が巻き付けられて形成される。また、杉材12は、カーボン繊維の4面に4枚の杉材が貼り付けられて形成される。発泡材13と炭素繊維強化樹脂14、および、炭素繊維強化樹脂14と杉材12は、集成材1と同様、常温硬化型のエポキシ樹脂を介してそれぞれ互いに接着されている。
【0032】
図8〜図11は、集成材10の製造手順を示す斜視図である。まず、図8(a)に示すように、発泡材13を用意する。ここでは、発泡材13の角をC5〜C10で面取りする。次に、図8(b)に示すように、発泡材13の外周面に常温硬化型のエポキシ樹脂を塗布する。
【0033】
次に、図9(a)に示すように、発泡材13の外周面に1枚〜数枚のカーボン繊維16を巻き付けて貼る。さらに、図9(b)に示すように、カーボン繊維16の表面に常温硬化型のエポキシ樹脂を塗布する。
【0034】
次に、図10(a)に示すように、ドライヤーなどを用いてカーボン繊維16に温風を吹きつけ、カーボン繊維16を60〜80℃に加熱しつつ、ローラー7を用いて脱泡する。このとき、エポキシ樹脂の粘土が低下してカーボン繊維16の空隙にエポキシ樹脂が浸み込むことにより、エポキシ樹脂がマトリックス樹脂としてカーボン繊維16に含浸される。次に、図10(b)に示すように、板状の杉材12を用意し、杉材12の接着面、すなわちカーボン繊維16に対して接合される裏面に常温硬化型のエポキシ樹脂を塗布する。
【0035】
次に、図11(a)に示すように、カーボン繊維16の表面に4枚の杉材12を順次貼り付ける。次に、図11(b)に示すように、クランプ8などを用いて杉材12の表面側から圧力をかけ、杉材12およびカーボン繊維16を発泡材13に向けて押圧する。そして、樹脂の硬化後、炭素繊維強化樹脂14が形成され、図7に示した集成材10が成形される。樹脂の硬化温度および硬化時間は、例えば25℃で24時間である。なお、30℃で15時間としてもよい。
【0036】
この集成材10によれば、外力を受けた場合に、杉材12には圧縮応力が生じると共に、炭素繊維強化樹脂14には引張応力が生じ、第1実施形態の集成材1と同様の作用効果を得ることができる。また、発泡材13を芯材とする柱状の集成材が形成されることで、例えば建物の柱材などに適した高剛性で軽量の角柱状部材が実現される。
【0037】
図12は、集成材の第3実施形態を示す斜視図である。この集成材20は、芯材としての円柱状の発泡材(第3部材)23と、この発泡材23の外周側に接合された円筒状の炭素繊維強化樹脂(第2部材)24と、炭素繊維強化樹脂24の外周側に接合された円筒状の杉材(第1部材)22とを有している。すなわち、集成材20は、3層構造の棒材である。発泡材23と炭素繊維強化樹脂24、および、炭素繊維強化樹脂24と杉材22は、集成材1と同様、常温硬化型のエポキシ樹脂を介してそれぞれ互いに接着されている。
【0038】
このような集成材20によっても、集成材1,10と同様の作用効果を得ることができる。また、例えば建物の手すりなどに適した高剛性で軽量の円柱状部材が実現される。
【0039】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限られるものではない。例えば、集成材1の表面側のみならず、裏面側を杉材で覆ってもよい。この場合、裏面側の炭素繊維強化樹脂が露出することなく杉材によって覆われるため、裏面における見映えなども向上する。
【符号の説明】
【0040】
1…集成材、2…杉材(第1部材)、3…発泡材(第3部材)、4…炭素繊維強化樹脂(第2部材)、6…カーボン繊維、10,20…集成材、12,22…杉材(第1部材)、13,23…発泡材(第3部材)、14,24…炭素繊維強化樹脂(第2部材)、16…カーボン繊維。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の部材が積層されてなる集成材であって、
木材によって形成され、表面層をなす第1部材と、
炭素繊維強化樹脂によって形成され、前記第1部材の裏面側に配置された第2部材と、
発泡体によって形成され、前記第2部材が接合された第3部材と、を有し、
外力を受けた場合に、前記第1の部材には圧縮応力が生じると共に、前記第2の部材には引張応力が生じることを特徴とする集成材。
【請求項2】
前記第1〜第3部材は板状をなしており、
前記第1部材と前記第2部材との間に前記第3部材が配置され、
前記第1部材および前記第2部材は、前記第3部材の表面側および裏面側にそれぞれ接合されている請求項1記載の集成材。
【請求項3】
前記第3部材は柱状をなしており、
前記第2部材は前記第3部材の外周側に接合されると共に、前記第1部材は前記第2部材の外周側に接合されている請求項1記載の集成材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項記載の集成材の製造方法であって、
前記第3部材に常温硬化型の樹脂を塗布する工程と、
前記第3部材に前記第2部材を構成するカーボン繊維を貼る工程と、
前記カーボン繊維を前記第3部材に向けて押圧すると共に前記常温硬化型樹脂を硬化させ、前記第2部材を形成する工程と、を含むことを特徴とする集成材の製造方法。
【請求項1】
複数の部材が積層されてなる集成材であって、
木材によって形成され、表面層をなす第1部材と、
炭素繊維強化樹脂によって形成され、前記第1部材の裏面側に配置された第2部材と、
発泡体によって形成され、前記第2部材が接合された第3部材と、を有し、
外力を受けた場合に、前記第1の部材には圧縮応力が生じると共に、前記第2の部材には引張応力が生じることを特徴とする集成材。
【請求項2】
前記第1〜第3部材は板状をなしており、
前記第1部材と前記第2部材との間に前記第3部材が配置され、
前記第1部材および前記第2部材は、前記第3部材の表面側および裏面側にそれぞれ接合されている請求項1記載の集成材。
【請求項3】
前記第3部材は柱状をなしており、
前記第2部材は前記第3部材の外周側に接合されると共に、前記第1部材は前記第2部材の外周側に接合されている請求項1記載の集成材。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項記載の集成材の製造方法であって、
前記第3部材に常温硬化型の樹脂を塗布する工程と、
前記第3部材に前記第2部材を構成するカーボン繊維を貼る工程と、
前記カーボン繊維を前記第3部材に向けて押圧すると共に前記常温硬化型樹脂を硬化させ、前記第2部材を形成する工程と、を含むことを特徴とする集成材の製造方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2012−236386(P2012−236386A)
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−108359(P2011−108359)
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(301063647)
【出願人】(511118078)
【出願人】(511118089)
【出願人】(511117370)
【出願人】(511117381)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年5月13日(2011.5.13)
【出願人】(301063647)
【出願人】(511118078)
【出願人】(511118089)
【出願人】(511117370)
【出願人】(511117381)
【Fターム(参考)】
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