説明

集積回路、非接触型ICカード、リーダライタ、無線通信方法およびコンピュータプログラム

【課題】 通信不良を改善する、集積回路、非接触型ICカード、リーダライタ、無線通信方法およびコンピュータプログラムを提供する。
【解決手段】 磁界を用いて無線通信を行う集積回路であって、複数段階の共振周波数を有する共振回路と、所定の条件を満たしているかどうか確認する確認部123と、確認部123で所定の条件を満たしていた場合に共振周波数を変更させる切換部112と、を含むことを特徴とする、集積回路124が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、集積回路、非接触型ICカード、リーダライタ、無線通信方法およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
カードにICチップを埋め込み、非接触でリーダライタ(R/W)端末と無線通信を行う非接触型ICカードが広く使われている。特に、交通機関の改札口における改札処理や、小売店のレジにおける支払処理、社員の出勤や退勤の管理などを行うために、非接触型ICカードは広く普及している。
【0003】
非接触型ICカードは、内部に電源を有しておらず、非接触型ICカードをリーダライタ端末にかざした際に、リーダライタ端末から発生した磁界を受信したアンテナコイルで誘起電圧として発生する電圧を電源として、内部に含まれる各部の起電力としている。非接触型ICカードと、リーダライタ端末とは所定の周波数の電磁波を用いて通信を行っており、非接触型ICカードやリーダライタ端末は、その所定の周波数で共振するような周波数共振回路を含んでいる。例えば、非接触ICカードの通信規格であるISO14443においては、共振周波数は13.56MHzに定められている。
【0004】
非接触型ICカードや携帯型情報処理端末に埋め込まれたICチップからリーダライタ端末への応答には、「負荷変調」を用いている。負荷変調は、ICチップの内部の負荷をオン・オフすることによって、リーダライタ端末に対するICチップのインピーダンスを変化させるものである。リーダライタ端末側は、ICチップの電力消費の変化量をキャリア(カードや携帯型端末)の電圧変化量として検波しており、電圧の変化が発生したことでリーダライタ端末はICチップからの応答があったものと認識することができる。
【0005】
近年においては、このICチップを非接触型ICカードだけではなく携帯電話のような携帯型の情報処理端末に埋め込んで、その端末をリーダライタ端末にかざすことでリーダライタ端末との無線通信を行う方法がある。携帯型端末を交通機関の改札口や小売店のレジ等に接続されたリーダライタ端末にかざすことで、携帯型の情報処理端末を用いても改札処理や支払処理を行うことが可能になる。特に交通機関の改札口や小売店のレジにおいては、その性質上使用者を待たせることが無いように迅速に通信を行う必要がある。そのため、ICチップからの返答を安定化させる技術が開示されている。
【0006】
ICチップからの返答を安定化させるための方法として、例えば特許文献1がある。特許文献1には、非接触型ICカードの共振回路におけるキャパシタ全体の容量を変化させることで、共振回路の共振周波数をシフトさせて、ICカードからの応答を改善する方法が開示されている。
【0007】
【特許文献1】特開2001−222696号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかし、交通機関の改札口や小売店のレジ等の機器に接続されたリーダライタと、カードや携帯型の情報処理端末に埋め込まれたICチップとの通信が正常に行われない場合がある。特に、携帯型の情報処理端末にICチップを埋め込んだ場合に、リーダライタとの通信が正常に行われない場合が生じる。これは、リーダライタ端末とICチップとの間の通信方式であるASK(Amplitude Shift Keying)変調によるものが原因である。つまり、非接触型ICカードや携帯型情報処理端末に埋め込まれたICチップからのリーダライタ端末への返答に、上述の負荷変調を用いており、リーダライタ端末側は、ICチップの電力消費の変化量をキャリア(カードや携帯型端末)の電圧変化量として検波していることに起因する。
【0009】
負荷変調は、ICチップ側で抵抗のオン・オフを行って、電磁波の発信元であるリーダライタに向けて反磁界を発生させることで、リーダライタ端末に対して応答を行うものである。リーダライタ端末に対するICチップのインピーダンスが変化することで、リーダライタ端末はICチップからの応答を認識することができる。しかし、リーダライタ端末とICチップの間の距離によっては、抵抗のオン・オフによって発生する反磁界によっても、リーダライタ端末のアンテナから見たICカードや情報処理端末を含むインピーダンスの絶対値がICチップの負荷を変えることによっても変化しない場合がある。そのために、そのような距離においては、ICチップから応答を行っても、リーダライタ端末側で応答と認識できない場合が生じる問題がある。
【0010】
図9は、従来のリーダライタ端末およびICカードについて説明する説明図である。リーダライタ10は、電源11と、抵抗12および13と、コンデンサ14と、アンテナコイル15とを含んで構成され、ICカード20は、スイッチ21と、抵抗23と、コンデンサ24と、アンテナコイル25とを含んで構成される。リーダライタ10のアンテナコイル15と、ICカード20のアンテナコイル25とは、磁界Mを利用してお互いに非接触での無線通信を行う。ICカード20からの通信は、スイッチ21のオン・オフの切り換えでICカード20からの磁界を変化させることによって行う。
【0011】
図10は抵抗のオン・オフによって発生する反磁界によっても、リーダライタ側で応答と認識できない場合が生じる問題について示す説明図である。横軸がリーダライタとICチップを搭載したICカードとの距離を示し、縦軸がリーダライタのアンテナ両端の電圧VR/Wを示す。ICカード20のスイッチ21がオフの状態での距離と電圧の関係を実線で示し、ICカード20のスイッチ21がオンの状態での距離と電圧の関係を点線で示している。ICカード20のスイッチ21をオフからオンにすると、スイッチ21のオンによって抵抗23が有効になり、ICカード20に電流が流れる。ICカード20に電流が流れると、その電流によってアンテナコイル25から磁界(反磁界)が発生する。この磁界をリーダライタ10のアンテナコイル15が受信することでアンテナコイル15にこの磁界による電流が生じ、生じた電流によってリーダライタ10のアンテナ両端の電圧VR/Wが変化する。リーダライタ10は、この電圧VR/Wの変化によってICカード20から応答があったかどうかを認識することができる。
【0012】
しかし、リーダライタ10とICカード20との距離によっては、ICチップ側でスイッチ21をオンして抵抗23を有効にしても、リーダライタ10のアンテナ両端の電圧VR/Wが変化しない箇所が存在する。図10においては、実線と点線が交差している箇所では、スイッチ21のオン・オフによってもリーダライタ10のアンテナ両端の電圧VR/Wが変化しないことを表している。このため、リーダライタ10とICカード20との距離によっては、ICカード20が応答のためにスイッチ21をオンして抵抗23を有効にしても、リーダライタ10ではICカード20からの応答を認識できない問題がある。
【0013】
このように、抵抗のオン・オフによる返答では、上述したようにリーダライタからの距離によっては通信ができないポイントがあり、ICチップからの返答がリーダライタで認識できない問題があった。特に交通機関の改札口や小売店のレジにおいては、その性質上使用者を待たせることが無いように迅速に通信を行う必要があり、通信が迅速に行われないと、改札口の通過や代金の支払い等に時間がかかってしまい、使用者に多大な迷惑をかけてしまう問題があった。
【0014】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、新規かつ改良された、集積回路、非接触型ICカード、リーダライタ、無線通信方法およびコンピュータプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、磁界を用いて無線通信を行う集積回路であって、複数段階の共振周波数を有する共振回路と、所定の条件を満たしているかどうか確認する確認部と、確認部での確認の結果、所定の条件を満たしていた場合に共振周波数を変更させる切換部と、含むことを特徴とする、集積回路が提供される。
【0016】
かかる構成によれば、共振回路は複数段階の共振周波数を有し、確認部は所定の条件を満たしているかどうかを確認し、切換部は確認部での確認の結果、所定の条件を満たしていることを条件に、共振回路の共振周波数を変更する。その結果、本発明のある観点にかかる集積回路によれば、共振回路の共振周波数を変更して、外部からの電波に対して応答を行うことができる。
【0017】
上記所定の条件は、確認部での所定の回数の計数であってもよく、所定の時間の計時であってもよい。かかる構成によれば、確認部は所定の回数および/または所定の時間の計時を行う。その結果、所定の回数および/または所定の時間が経過していた場合に、共振回路の共振周波数を変更して、外部からの電波に対して応答を行うことができる。
【0018】
上記集積回路は、複数段階のキャパシタンスを有するコンデンサをさらに含み、切換部でキャパシタンスを切り換えることで共振周波数を変更してもよい。かかる構成によれば、コンデンサは複数段階のキャパシタンスを有し、キャパシタンスの切り換えによって共振回路の共振周波数を変更する。その結果、コンデンサのキャパシタンスを切り換えることで共振回路の共振周波数を変更して、外部からの電波に対して応答を行うことができる。
【0019】
上記集積回路は、複数段階のインダクタンスを有するインダクタをさらに含み、切換部でインダクタンスを切り換えることで共振周波数を変更してもよい。かかる構成によれば、インダクタは複数段階のインダクタンスを有し、インダクタンスの切り換えによって共振回路の共振周波数を変更する。その結果、インダクタのインダクタンスを切り換えることで共振回路の共振周波数を変更して、外部からの電波に対して応答を行うことができる。
【0020】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記集積回路を含むことを特徴とする、非接触型ICカードが提供される。
【0021】
かかる構成によれば、共振回路は複数段階の共振周波数を有し、確認部は所定の条件を満たしているかどうかを確認し、切換部は確認部での確認の結果、所定の条件を満たしていることを条件に、共振回路の共振周波数を変更する。その結果、本発明の別の観点にかかる非接触型ICカードによれば、共振回路の共振周波数を変更して、外部からの電波に対して応答を行うことができる。
【0022】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記集積回路を含むことを特徴とする、情報処理端末が提供される。
【0023】
かかる構成によれば、共振回路は複数段階の共振周波数を有し、確認部は所定の条件を満たしているかどうかを確認し、切換部は確認部での確認の結果、所定の条件を満たしていることを条件に、共振回路の共振周波数を変更する。その結果、本発明の別の観点にかかる情報処理端末によれば、共振回路の共振周波数を変更して、外部からの電波に対して応答を行うことができる。
【0024】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、上記集積回路を含むことを特徴とする、カードリーダライタが提供される。
【0025】
かかる構成によれば、共振回路は複数段階の共振周波数を有し、確認部は所定の条件を満たしているかどうかを確認し、切換部は確認部での確認の結果、所定の条件を満たしていることを条件に、共振回路の共振周波数を変更する。その結果、本発明の別の観点にかかるカードリーダライタによれば、共振回路の共振周波数を変更して、外部からの電波に対して応答を行うことができる。
【0026】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数段階の共振周波数を有する共振回路を含む集積回路による無線通信方法であって、所定の条件を満たしているかどうか確認する確認ステップと、確認ステップにおいて所定の条件を満たしていることを条件に、共振周波数を切り換えて共振周波数を変更する共振周波数変更ステップと、を含むことを特徴とする、無線通信方法が提供される。
【0027】
かかる方法によれば、確認ステップは所定の条件を満たしているかどうかの確認を行い、共振周波数変更ステップは確認ステップでの確認の結果、所定の条件を満たしていた場合に共振回路の共振周波数を変更する。その結果、本発明の別の観点にかかる無線通信方法によれば、共振回路の共振周波数を変更して、外部からの電波に対して応答を行うことができる。
【0028】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、複数段階の共振周波数を有する集積回路を制御するコンピュータプログラムであって、所定の条件を満たしているかどうか確認する確認処理と、確認処理において所定の条件を満たしていることを条件に、共振周波数を切り換えて共振周波数を変更する共振周波数変更処理と、を実行せしめることを特徴とする、コンピュータプログラムが提供される。
【0029】
かかる構成によれば、確認処理は所定の条件を満たしているかどうかの確認を行い、共振周波数変更処理は確認処理での確認の結果、所定の条件を満たしていた場合に共振回路の共振周波数を変更する。その結果、本発明の別の観点にかかるコンピュータプログラムによれば、共振回路の共振周波数を変更して、外部からの電波に対して応答を行うことができる。
【発明の効果】
【0030】
以上説明したように本発明によれば、集積回路、非接触型ICカード、リーダライタ、無線通信方法およびコンピュータプログラムを提供できるものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0031】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0032】
(第1の実施形態)
図1および図2は、本発明の第1の実施形態に係る集積回路について説明する説明図である。以下、図1および図2を用いて本発明の第1の実施形態に係る集積回路の構成について説明する。
【0033】
図1に示したように、本発明の第1の実施形態に係る集積回路124は、アンテナコイル102と、第1のコンデンサ104と、第2のコンデンサ106と、抵抗107と、切換部112と、を含んで構成される。
【0034】
アンテナコイル102は、リーダライタ端末のような電波を発する装置から所定の周波数成分を含む電波を受信すると、電磁誘導によってその両端に交流電圧を発生させる。本実施形態においては、アンテナコイル102の巻き数を3巻きとするが、本発明の実施においては、コイルの巻き数はこれに限られない。
【0035】
アンテナコイル102と、第1のコンデンサ104を図1のように並列に接続することで共振回路を構成することができる。アンテナコイル102を通過する磁界に変化が生じるとアンテナコイル102に交流電圧が発生し、抵抗107によって集積回路124に電流が流れ、抵抗107によって電力が消費される。
【0036】
切換部112は、オン・オフによって、第2のコンデンサ106を集積回路124に接続したり、集積回路124から切り離したりするためのものである。第2のコンデンサ106を集積回路124に接続したり、集積回路124から切り離したりすることで、アンテナコイル102と第1のコンデンサ104とからなる共振回路の共振周波数を変化させることができる。
【0037】
切換部112には、スイッチング素子を用いてもよい。スイッチング素子としてFET(Field Effect Transistor;電界効果トランジスタ)、例えばMOSFET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor;金属酸化膜型電界効果トランジスタ)を用いてもよい。
【0038】
図2は、図1に示した集積回路124の切換部112をオンにした後の状態を示す説明図である。切換部112を操作して切換部112がオンに切り換わると、第2のコンデンサ106が集積回路124に接続されて有効になる。そのため、共振回路を構成するコンデンサが第1のコンデンサ104および第2のコンデンサ106の2つとなり、共振回路の共振周波数が変化する。そして、共振回路は変化後の共振周波数の信号のみを通過させることができる。通過した信号は、集積回路124の後段に設けられた検波回路(図示せず)へ渡され、整流および平滑化される。
【0039】
集積回路124のキャパシタンスを変化させて、共振周波数を変化させることで、集積回路124の全体としてのインピーダンスにも変化が生じる。このインピーダンスの変化を利用することで、リーダライタ端末のような電波を発する装置は、集積回路124が電波の受信に対して応答を行ったかどうかを判断することができる。従って、このような集積回路を、リーダライタ端末と非接触で無線通信を行う非接触型ICカードや携帯電話のような情報処理端末に組み込むことで、電波を発信したリーダライタ端末に対する応答を改善することが可能となる。
【0040】
なお、本実施形態においては第2のコンデンサ106の有効/無効を切り換え、第1のコンデンサ104と第2のコンデンサ106とを並列に接続することによって、コンデンサ全体としてのキャパシタンスを変化させていたが、本発明はこれに限られず、例えば、第2のコンデンサ106の有効/無効を切り換え、第1のコンデンサ104と第2のコンデンサ106とを直列に接続することによって、コンデンサ全体としてのキャパシタンスを変化させてもよい。
【0041】
以上、図1および図2を用いて本発明の第1の実施形態に係る集積回路について説明した。次に、図3を用いて、本発明の第1の実施形態に係る上記集積回路を用いた非接触型ICカードの構成について説明する。
【0042】
図3は、本発明の第1の実施形態にかかる上記集積回路を用いた非接触型ICカードの構成について説明する説明図である。
【0043】
図3に示したように、本発明の一実施形態に係る非接触型ICカード100は、アンテナコイル102と、第1のコンデンサ104と、第2のコンデンサ106と、切換部112と、整流回路114と、電圧検知回路116と、復調回路118と、ディジタル回路120と、メモリ122と、確認部123と、を含んで構成される。また、リーダライタ150にはアンテナコイル152が接続されている。
【0044】
非接触型ICカード100とリーダライタ150とは、アンテナコイル102およびアンテナコイル152を通して所定の周波数成分を含む電波の送受信を行う。アンテナコイル102は、リーダライタ150のアンテナコイル152から電波を受信すると、両端に交流電圧を発生する。本実施形態においては、アンテナコイル102の巻き数を3巻きとするが、本発明の実施においては、コイルの巻き数は3巻きに限られない。
【0045】
アンテナコイル102、第1のコンデンサ104および第2のコンデンサ106で、周波数共振回路を構成する。周波数共振回路は、特定の周波数帯域(共振周波数)の成分を通過させるためのものである。
【0046】
切換部112は、複数のスイッチング素子を含んで構成されていてもよい。スイッチング素子としてFET、例えばMOSFETを用いてもよい。本実施形態においては、切換部112は切換器112a、112bを含んで構成されている。
【0047】
切換部112を操作して、第2のコンデンサを有効にすることによって、第1のコンデンサ104および第2のコンデンサ106からなるキャパシタンスを切り換えることができる。共振周波数は、アンテナコイル102のインダクタンスと、第1のコンデンサ104および第2のコンデンサ106のキャパシタンスとによって定められる。
【0048】
リーダライタ150から送信される電波の周波数は、通信規格によって定められている。例えば、非接触ICカードの通信規格の一つであるISO14443においては、リーダライタ150から送信される電波の周波数は13.56MHzに定められており、周波数共振回路における共振周波数も13.56MHzとなるように、アンテナコイル102のインダクタンスと第1のコンデンサ104のキャパシタンスとが調節されている。なお、本発明に係る周波数共振回路の共振周波数は、ISO14443で定められている13.56MHzに限られず、他の共振周波数であってもよい。
【0049】
抵抗107は、102で発生した電流による電力を消費するためのものである。非接触型ICカード100は、抵抗107において電力を消費し、つまりアンテナコイル102に電流を流すことで、アンテナコイル102から磁界を発生させ、その発生した磁界によってリーダライタ150に対して返信を行う。
【0050】
整流回路114は、アンテナコイル102で発生した交流電圧を直流電圧に変換するためのものである。整流回路114から出力される直流電圧は、非接触型ICカード100の内部に設けられた各部の動作のための電源電圧として使用してもよい。電圧検知回路116は、整流回路114で変換した直流電圧の電圧値を検知するためのものであり、所定の電圧値を超える電圧値が発生した場合に、非接触型ICカード100の動作を停止させる役割を有する。
【0051】
復調回路118は、リーダライタ150から送信された電波に含まれている情報を分離するためのものである。分離された情報は、ディジタル回路120を介してメモリ122に蓄えられる。
【0052】
確認部123は、リーダライタ150に対して応答を行う際に、所定の条件を満たしているかどうかの確認を行うためのものである。確認部123で所定の条件を満たしていることを確認すると、第2のコンデンサ106を回路に接続させるための信号をディジタル回路120から送出させる。
【0053】
以上、図3を用いて本発明の第1の実施形態にかかる非接触型ICカードの構成について説明した。次に、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信方法について説明する。
【0054】
図4Aは、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信方法について説明する流れ図である。図4Aに示したように、本発明の第1の実施形態にかかる無線方法は、最初にリーダライタ150からアンテナコイル152を介してポーリング信号を送信する(ステップS110)。リーダライタ150の近傍に非接触型ICカード100があると、非接触型ICカード100がアンテナコイル102を用いてポーリング信号を受信する(ステップS120)。
【0055】
リーダライタ150からのポーリング信号を受信した非接触型ICカード100は、ポーリング信号を受信してから所定の時間が経過したかどうかを確認部123で確認する(ステップS130)。ここで、ポーリング信号を受信してからまだ所定の時間が経過していないと確認部123で確認した場合には、アンテナコイル102を介してリーダライタ150からのポーリング信号に対する応答信号を送信する(ステップS150)。
【0056】
ここで、リーダライタ150が非接触型ICカード100からの応答信号の受信に成功したかどうか判断を行う(ステップS160)。リーダライタ150が非接触型ICカード100からの応答信号の受信に成功した場合、つまり、非接触型ICカード100の抵抗107が有効にしたことでアンテナコイル152の両端の電圧に変化が生じた場合には、そのまま通信を続行する(ステップS170)。しかし、非接触型ICカード100の抵抗107が有効にしてもアンテナコイル152の両端の電圧に変化が生じない場合には、リーダライタ150は非接触型ICカード100からの応答信号の受信に失敗したと判断し、ステップS110に戻って再度ポーリング信号の送信を行う。
【0057】
一方、上記ステップS130で、ポーリング信号を受信してから所定の時間が経過したと確認部123で確認した場合には、非接触型ICカード100の共振周波数を変更する(ステップS140)。具体的には、ディジタル回路120から切換器112a、112bをオンにするための信号を送出し、切換器112a、112bをオンにすることで第2のコンデンサ106を回路に接続する。第2のコンデンサ106を回路に接続することで、アンテナコイル102および第1のコンデンサ104からなっていた共振回路に第2のコンデンサ106が加わることになる。アンテナコイル102のインダクタンスをL、第1のコンデンサ104のキャパシタンスをC1、第2のコンデンサ106のキャパシタンスをC2とすると、共振周波数は、1/2π(L×C1)1/2から1/2π{L×(C1+C2)}1/2に変化する。
【0058】
図5は、非接触型ICカードのキャパシタンスとリーダライタ(R/W)の電圧値との関係について説明する説明図である。図5の(a)は、非接触型ICカード100とリーダライタ150との距離が10mmの場合における非接触型ICカードのキャパシタンスとリーダライタ(R/W)の電圧値との関係を示しており、点線が非接触型ICカード100の抵抗107が無効の場合の関係を示し、実線が非接触型ICカード100の抵抗107が有効の場合の関係を示している。
【0059】
本実施形態においては、第1のコンデンサ104のキャパシタンスC1は125pFである。そのため、非接触型ICカード100とリーダライタ150との距離が10mmの場合においては、抵抗107が無効から有効になったときにリーダライタ150のアンテナコイル152の両端に生じる電圧の値が明確に変化している。従って、図5の(a)の場合においては抵抗107が無効から有効になったときにリーダライタ150で非接触型ICカード100からの応答信号を受信することができる。
【0060】
図5の(b)は、非接触型ICカード100とリーダライタ150との距離が6mmの場合における非接触型ICカードのキャパシタンスとリーダライタ(R/W)の電圧値との関係を示しており、図5の(a)と同様に、点線が非接触型ICカード100の抵抗107が無効の場合の関係を示し、実線が非接触型ICカード100の抵抗107が有効の場合の関係を示している。
【0061】
非接触型ICカード100とリーダライタ150との距離が10mmの場合においては、抵抗107が無効から有効になったときにリーダライタ150のアンテナコイル152の両端に生じる電圧の値がほとんど変化していない。従って、図5の(b)の場合においては抵抗107が無効から有効になったときにリーダライタ150で非接触型ICカード100からの応答信号を受信することができないため、リーダライタ150は非接触型ICカードとの通信を行うためにポーリング信号を繰り返し発信する。
【0062】
非接触型ICカード100は、リーダライタ150からのポーリング信号を何度も受信することになる。ここで、非接触型ICカード100で所定の条件を満たしていた場合に、非接触型ICカード100のキャパシタンスを変化させて共振周波数を変更することで、リーダライタ150に非接触型ICカード100からの応答を認識してもらうようにする。図5の(b)の場合では、非接触型ICカード100のキャパシタンスを125pFより大きく、もしくは小さく変更することで、抵抗107が無効から有効になったときにリーダライタ150のアンテナコイル152の両端に生じる電圧の値が明確に変化するようになる。アンテナコイル152の両端に生じる電圧の値が明確に変化するようになることで、抵抗107が無効から有効になったときにリーダライタ150で非接触型ICカード100からの応答信号を受信することができる。
【0063】
本実施形態においては、切換器112a、112bをオンにすることで第2のコンデンサ106を回路に並列に接続しているので、非接触型ICカード100のキャパシタンスを125pFより大きい値に変化させているが、本発明はこれに限られず、例えば切換部に信号を入力してコンデンサを共振回路から切り離し、共振回路全体のキャパシタンスを低く変更することで共振周波数を変更するようにしてもよい。
【0064】
図5の(c)は、非接触型ICカード100とリーダライタ150との距離が4mmの場合の、図5の(d)は、非接触型ICカード100とリーダライタ150との距離が0mmの場合の、非接触型ICカードのキャパシタンスとリーダライタ(R/W)の電圧値との関係を示している。図5の(a)と同様に、点線が非接触型ICカード100の抵抗107が無効の場合の関係を示し、実線が非接触型ICカード100の抵抗107が有効の場合の関係を示している。
【0065】
非接触型ICカード100とリーダライタ150との距離が4mmの場合は、非接触型ICカード100のコンデンサのキャパシタンスが125pFの場合に、抵抗107が無効から有効になったときにリーダライタ150のアンテナコイル152の両端に生じる電圧の値が明確に変化する。しかし、距離が0mmの場合はアンテナコイル152の両端に生じる電圧の値がほとんど変化しない。
【0066】
図5の(d)に示したように、距離が0mmの場合では、非接触型ICカード100のコンデンサ全体のキャパシタンスを大きくしても、アンテナコイル152の両端に生じる電圧の値がほとんど変化しない。しかし、非接触型ICカード100のコンデンサのキャパシタンスを小さくすることで、リーダライタ150で非接触型ICカード100からの応答信号を認識することができる。
【0067】
このように、所定の条件として所定の時間に達したかどうかで共振回路の共振周波数を変化させることによって、非接触型ICカードからの応答をリーダライタ端末で認識させることができる。
【0068】
なお、図4Aに示した無線通信方法では、所定の条件として所定の時間に達したかどうかで共振回路の共振周波数を変化させていたが、所定の条件として所定の回数応答信号を送信したかどうかで共振回路の共振周波数を変化させてもよい。
【0069】
図4Bは、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信方法について説明する流れ図である。リーダライタ150からポーリング信号を送信すると(ステップS110)、非接触型ICカード100でポーリング信号を受信する(ステップS120)。非接触型ICカード100でポーリング信号を受信すると、応答回数を1回加算し(ステップS122)、応答回数を加算した結果、所定の応答回数に達したかどうかを確認部123で確認する(ステップS132)。
【0070】
確認部123での確認の結果、所定の応答回数、例えば応答回数が3回にまだ達していないならばそのままリーダライタ150へ応答信号を送信し(ステップS150)、所定の応答回数に達していた場合には、共振周波数を変更し(ステップS140)、変更した共振周波数でリーダライタ150へ応答信号を送信する(ステップS150)。リーダライタ150は、非接触型ICカード100からの応答信号の受信に成功したかどうかを判断し(ステップS160)、受信に成功していればそのまま通信を続行し(ステップS170)、受信に失敗していればステップS110に戻って再度ポーリング信号の送信を行う。
【0071】
このように、所定の条件として応答信号を所定の回数送信したかどうかで共振回路の共振周波数を変化させることによっても、非接触型ICカードからの応答をリーダライタ端末で認識させることができる。もちろん、本発明においては所定の応答回数は3回に限られず、2回以下であっても、4回以上であってもよい。
【0072】
以上、本発明の第1の実施形態にかかる無線通信方法について説明した。
【0073】
なお、上述した無線通信方法は、非接触型ICカード100の内部に記憶されていて、所定の周波数の電波を受信する処理と、切換部112を操作してコンデンサ全体のキャパシタンスを切り換える処理と含むコンピュータプログラムによって実行されてもよい。
【0074】
以上説明したように、本発明の第1の実施形態によれば、使用するコンデンサの数を変化させて共振周波数を変えることで、リーダライタ端末と非接触型ICカードや情報処理端末との間の通信を改善することができる。
【0075】
(第2の実施形態)
第1の実施形態では、コンデンサの数を増やすことで共振回路の共振周波数が変化する集積回路について説明したが、第2の実施形態では、コイルの巻き数を増やすことで共振回路の共振周波数を変化させる集積回路について説明する。
【0076】
図6は、本発明の第2の実施形態にかかる集積回路について説明する説明図である。図6に示したように、本発明の第2の実施形態に係る集積回路224は、アンテナコイル202と、コンデンサ204と、抵抗207と、切換部212と、を含んで構成される。
【0077】
アンテナコイル202は、第1の実施形態のアンテナコイル102と同様に、リーダライタ端末のような電波を発する装置から所定の周波数成分を含む電波を受信すると、電磁誘導によってその両端に交流電圧を発生させる。そして本実施形態においては、インダクタンスを複数段階変更することができるように、両端の端子の中間に中間端子を備え、両端の端子の一端と中間端子とを切り換えて使用することで巻き数を変更することができる。本実施形態においては、アンテナコイル202の巻き数を5巻きとし、中間端子による巻き数は3巻きとするが、本発明においてはアンテナコイルの巻き数および中間端子による巻き数はこれに限られない。
【0078】
アンテナコイル202と、コンデンサ204を図6のように並列に接続することで共振回路を構成することができる。アンテナコイル202を通過する磁界に変化が生じるとアンテナコイル202に交流電圧が発生し、抵抗207によって集積回路224に電流が流れ、抵抗207によって電力が消費される。
【0079】
切換部212は、オン・オフすることによって、アンテナコイル202の巻き数を変更することができるものである。アンテナコイル202の巻き数を変更することで、アンテナコイル202とコンデンサ204とからなる共振回路の共振周波数を変化させることができる。
【0080】
切換部212は、複数のスイッチング素子を含んで構成されていてもよい。本実施形態においても、スイッチング素子としてFET、例えばMOSFETを用いてもよい。本実施形態においては、切換部212は切換器212a、212bを含んで構成されている。
【0081】
第1の実施形態では、切換部の操作によって共振回路のキャパシタンスを変化させることで共振回路の共振周波数を変化させていた。本実施形態においては、切換部の操作によって共振回路のインダクタンスを変化させることで共振回路の共振周波数を変化させることを特徴とする。
【0082】
つまり、切換部212を操作して、アンテナコイルの巻き数を3巻きから5巻きに変化させてアンテナコイル202のインダクタンスを変化させることで、共振回路の共振周波数を変化させることを特徴とする。
【0083】
本実施形態にかかる集積回路224を、第1の実施形態にかかる非接触型ICカードに組み込むことによって、リーダライタ側で非接触型ICカードからの応答を認識できない場合でも、共振周波数を変化させることでリーダライタに非接触型ICカードからの応答を認識させることができる。
【0084】
なお、上述の処理は、所定の周波数の電波を受信する処理と、切換部212を操作してアンテナコイル202の巻き数を切り換える処理と含むコンピュータプログラムによって実行されてもよい。
【0085】
以上説明したように、本発明の第2の実施形態によれば、アンテナコイルの巻き数を変化させてインダクタンスを変化させることによって共振周波数を変えることで、リーダライタ端末と非接触型ICカードや情報処理端末との間の通信を改善することができる。
【0086】
(第3の実施形態)
第1の実施形態および第2の実施形態では、非接触型ICカードや情報処理端末に含まれる共振回路の共振周波数を変化させることで、リーダライタ端末と非接触型ICカードや情報処理端末との間の通信を改善する方法について説明した。第3の実施形態では、リーダライタ端末に含まれる共振回路の共振周波数を変化させることで、通信を改善する方法について説明する。
【0087】
図7は、本発明の第3の実施形態にかかるリーダライタ端末の構成について説明する説明図である。図7に示したように、本発明の第3の実施形態にかかるリーダライタ350は、アンテナコイル352と、第1のコンデンサ354と、第2のコンデンサ356と、切換部358と、送信部360と、受信部362と、制御部364と、を含んで構成される。
【0088】
アンテナコイル352は外部に向けて電波を送信したり、非接触型ICカード300からの応答信号を受信したりするものである。アンテナコイル352、第1のコンデンサ354および第2のコンデンサ356で、周波数共振回路を構成する。周波数共振回路は、特定の周波数帯域(共振周波数)の成分を通過させるためのものである。通常は、アンテナコイル352と第1のコンデンサ354で周波数共振回路を構成しており、第2のコンデンサ356は回路から切り離されている。
【0089】
切換部358は、オン・オフすることによって、第2のコンデンサ356を回路に接続したり、回路から切り離したりするためのものである。第2のコンデンサ356を接続したり、切り離したりすることで、アンテナコイル352と第1のコンデンサ354とからなっている共振回路の共振周波数を変化させることができる。
【0090】
送信部360は、搬送波を発生する搬送波発生回路や、送信する情報に応じて搬送波の変調を行う変調回路などを含んで構成される。受信部362は、アンテナコイル352で受信した信号の包絡線を検波するための検波回路や、検波した信号の復調を行う復調回路などを含んで構成される。制御部364は、リーダライタ350全体の制御を行う。
【0091】
以上、図7を用いて本発明の第3の実施形態にかかるリーダライタ端末の構成について説明した。次に、図8を用いて本発明の第3の実施形態にかかる無線通信方法について説明する。
【0092】
図8は、本発明の第3の実施形態にかかる無線通信方法について説明する流れ図である。最初に、リーダライタ350はアンテナコイル352を介してポーリング信号を発信する(ステップS210)。リーダライタ350の近傍に非接触型ICカード300があると、その非接触型ICカード300はリーダライタ350からのポーリング信号を受信する(ステップS220)。非接触型ICカード300は、ポーリング信号を受信すると、リーダライタ350に対して応答信号を返信する(ステップS230)。
【0093】
リーダライタ350は、非接触型ICカード300からの応答信号の受信に成功したかどうか判断する(ステップS240)。応答信号の受信に失敗した場合、つまり、リーダライタ350のアンテナコイル352両端の電圧が変化しなかった場合には、リーダライタ350の制御部364が所定の条件に達したかどうかを確認する(ステップS250)。
【0094】
制御部364での確認の結果、所定の条件に達していた場合には、切換部358をオンにする信号を制御部364から送信し、第2のコンデンサ356を有効にすることで、リーダライタ350の共振周波数を変更する(ステップS260)。リーダライタ350の共振周波数を変更すると、ステップS210に戻り、再度ポーリング信号を送信する。そして、リーダライタ350は変更した共振周波数で非接触型ICカード300との通信に成功した場合には、その後はその共振周波数に固定して非接触型ICカード300との通信を続行する。
【0095】
ここで、上記ステップS250で所定の条件に達していないと判断した場合には、そのまま上記ステップS210に戻り、再度ポーリング信号を送信する。
【0096】
一方、上記ステップS240で非接触型ICカード300からの応答信号の受信に成功したと判断すると、共振周波数の変更は行わずに、そのまま通信を続行する。
【0097】
このように、リーダライタ側で所定の条件に達したかどうかで共振回路の共振周波数を変化させることによっても、非接触型ICカードからの応答をリーダライタ端末で認識させることができる。
【0098】
なお、上述した無線通信方法は、リーダライタ350の内部に記憶されていて、所定の条件に達したかどうかを判断する処理と、切換部358を操作して第2のコンデンサ356を有効にして、コンデンサ全体のキャパシタンスを切り換えて共振周波数を変化させる処理と含むコンピュータプログラムによって実行されてもよい。
【0099】
以上説明したように、本発明の第3の実施形態によれば、リーダライタ端末で使用するコンデンサの数を変化させて共振周波数を変えることで、リーダライタ端末と非接触型ICカードや情報処理端末との間の通信を改善することができる。
【0100】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は係る例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【産業上の利用可能性】
【0101】
本発明は、集積回路、非接触型ICカード、リーダライタ、無線通信方法およびコンピュータプログラムに適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0102】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る集積回路について説明する説明図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る集積回路について説明する説明図である。
【図3】本発明の第1の実施形態にかかる上記集積回路を用いた非接触型ICカードの構成について説明する説明図である。
【図4A】本発明の第1の実施形態にかかる無線通信方法について説明する流れ図である。
【図4B】本発明の第1の実施形態にかかる無線通信方法について説明する流れ図である。
【図5】非接触型ICカードのキャパシタンスとリーダライタ(R/W)の電圧値との関係について説明する説明図である。
【図6】本発明の第2の実施形態にかかる集積回路について説明する説明図である。
【図7】本発明の第3の実施形態にかかるリーダライタ端末の構成について説明する説明図である。
【図8】本発明の第3の実施形態にかかる無線通信方法について説明する流れ図である。
【図9】従来のリーダライタ端末およびICカードについて説明する説明図である。
【図10】従来のリーダライタ端末とICカードとの間の距離と、リーダライタ端末に生じる電圧との関係について説明する説明図である。
【符号の説明】
【0103】
100、300 非接触型ICカード
102、202 アンテナコイル
104 第1のコンデンサ
106 第2のコンデンサ
107、207 抵抗
112、212、358 切換部
112a、112b、212a、212b 切換器
122 メモリ
123 確認部
124、224 集積回路
150、350 リーダライタ
152、352 アンテナコイル
204 コンデンサ
354 第1のコンデンサ
356 第2のコンデンサ
364 制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁界を用いて無線通信を行う集積回路であって:
複数段階の共振周波数を有する共振回路と;
所定の条件を満たしているかどうか確認する確認部と;
前記確認部での確認の結果、前記所定の条件を満たしていた場合に前記共振周波数を変更させる切換部と;
を含むことを特徴とする、集積回路。
【請求項2】
前記所定の条件は、前記確認部での所定の回数の計数であることを特徴とする、請求項1に記載の集積回路。
【請求項3】
前記所定の条件は、前記確認部での所定の時間の計時であることを特徴とする、請求項1に記載の集積回路。
【請求項4】
複数段階のキャパシタンスを有するコンデンサをさらに含み、
前記切換部で前記キャパシタンスを切り換えることで前記共振周波数を変更することを特徴とする、請求項1に記載の集積回路。
【請求項5】
複数段階のインダクタンスを有するインダクタをさらに含み、
前記切換部で前記インダクタンスを切り換えることで前記共振周波数を変更することを特徴とする、請求項1に記載の集積回路。
【請求項6】
請求項1に記載の集積回路を含むことを特徴とする、非接触型ICカード。
【請求項7】
請求項1に記載の集積回路を含むことを特徴とする、情報処理端末。
【請求項8】
請求項1に記載の集積回路を含むことを特徴とする、カードリーダライタ。
【請求項9】
複数段階の共振周波数を有する共振回路を含む集積回路による無線通信方法であって:
所定の条件を満たしているかどうか確認する確認ステップと;
前記確認ステップにおいて前記所定の条件を満たしていることを条件に、前記共振周波数を切り換えて共振周波数を変更する共振周波数変更ステップと;
を含むことを特徴とする、無線通信方法。
【請求項10】
複数段階の共振周波数を有する集積回路を制御するコンピュータプログラムであって:
所定の条件を満たしているかどうか確認する確認処理と;
前記確認処理において前記所定の条件を満たしていることを条件に、前記共振周波数を切り換えて共振周波数を変更する共振周波数変更処理と;
を実行せしめることを特徴とする、コンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2007−334507(P2007−334507A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−163766(P2006−163766)
【出願日】平成18年6月13日(2006.6.13)
【出願人】(504134520)フェリカネットワークス株式会社 (129)
【Fターム(参考)】