説明

集電体、電極構造体、非水電解質電池及び蓄電部品

【課題】内部抵抗を低減し、ハイレート特性を向上させることができる、非水電解質電池用及び電気二重層用キャパシタ等の蓄電部品用の集電体を提供する。
【解決手段】導電性基材3の少なくとも片面に導電性を有するアクリル系樹脂層5を形成した集電体1であって、該アクリル系樹脂層5はアクリル系樹脂と導電性粒子を含み、該アクリル樹脂層表面の23℃の恒温室内でθ/2法によって測定した水接触角が30度以上110度以下である。また、集電体1に活物質層9を形成して電極構造体7とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は集電体、電極構造体、非水電解質電池及び蓄電部品に関する。さらに詳しくは非水電解質電池、電気二重層キャパシタおよびリチウムイオンキャパシタの電極に用いるのに好適な集電体に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、リチウムイオン電池に代表される非水電解質電池は充電時間の短縮に対する要求があり、そのためには大電流密度で充電させる必要がある。特に、自動車用の非水電解質電池は十分な加速性能を得るために、大電流密度で放電できることも要求されている。このように大電流密度で充放電する場合において電池容量が低下しない特性(ハイレート特性)を向上させるには電池の内部抵抗の低減が重要である。内部抵抗には構成要素間の界面抵抗と電解液中の荷電粒子であるイオンの移動抵抗等があり、これらを低減する必要がある。この中で重要な内部抵抗のひとつが界面抵抗であり、この界面抵抗を低減させる方法のひとつとして構成要素間の密着性向上が効果的であることが知られている。
【0003】
例えば、集電体と活物質層の密着性を向上させる方法として、集電体として導電性樹脂で金属箔を被覆するものが従来提案されており、以下の特許文献にはアクリル系樹脂で被覆する技術が開示されている。特許文献1には密着性に優れた正極の製造方法として、金属箔に、ポリアクリル酸又はアクリル酸とアクリル酸エステルとの共重合体を主結着剤とし、炭素粉を導電フィラーとして含む導電性媒体を塗布し、この導電性樹脂層上に正極合剤層を形成し、乾燥一体化する正極の製造方法が開示されている。特許文献2には負極集電体の上に負極材層が形成されており、この負極材層がリチウムイオンの吸蔵、放出が可能な炭素粉末とPVDF(ポリフッ化ビニリデン)からなる結着剤とを含有しているリチウム二次電池用負極板において、前記負極集電体と前記負極材層との間に導電材が混入されたアクリル系共重合体からなる結着層が形成されているリチウム二次電池用負極板が開示されている。特許文献3には結着性に優れ、サイクル特性に優れる電極構造が得られるとして、エチレン−メタクリル酸共重合体のアイオノマーと導電性フィラーとからなる樹脂層でコーティングした金属箔からなる集電体が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭62−160656号公報
【特許文献2】特開平9−35707号公報
【特許文献3】特開平11−144737号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、これらの技術では必ずしも十分なハイレート特性が得られない場合があった。集電体をアルミニウムや銅等の導電性基材に導電性樹脂で被覆する構成とし、この集電体と活物質層の界面抵抗を低減させる場合、この導電性樹脂層と活物質層との高い密着性と導電性樹脂層そのものの体積固有抵抗が低いことが重要である。ここでいう密着性とは導電性樹脂層と活物質層の界面抵抗に影響するものであり、電解液が浸潤した状態においても剥離がなく、強固に密着していることを意味する。さらに非水電解質電池では充放電によって活物質層の体積が変化することから活物質層と集電体の剥離が起こりやすく、ハイレートの充放電では活物質の体積変化が急激であることから、特に強固な密着性が必要である。従来の技術では導電性樹脂層と活物質層との密着性や導電性樹脂層そのものの体積固有抵抗の低減が必ずしも十分ではなかったものと推定される。また、集電体を導電性樹脂層で被覆する構成とする場合、導電性基材と導電性樹脂層との密着性による界面抵抗も放電レートに影響を与えると考えられるが、従来からの提案は集電体と活物質層との密着性の提案がほとんどで、導電性基材と導電性樹脂層との密着性について併せて考慮されているものではなかった。
【0006】
本発明の目的は非水電解質電池の内部抵抗を低減でき、リチウムイオン二次電池等の非水電解質電池や電気二重層用キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等の蓄電部品に好適に用いることができ、ハイレート特性を向上させることができる集電体を提供することである。本発明の集電体は活物質層又は電極材層を形成することにより、活物質層又は電極材層との界面抵抗が低い電極構造体を提供することができる。また、本発明の集電体に活物質層を形成した電極構造体を用いた非水電解質電池は、上記特性を有する集電体を有する内部抵抗を低減して、ハイレート特性を向上させた非水電解質電池を提供することができる。更に、本発明はコピー機や自動車などに用いられる大電流の充放電が必要な電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等の蓄電部品を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下のような集電体を用いることにより、ハイレート特性に優れる非水電解質電池や、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等の帯電部品を得ることができる。
【0008】
すなわち、本発明によれば、導電性基材の少なくとも片面に導電性を有するアクリル系樹脂層を形成した集電体であって、該アクリル系樹脂層はアクリル系樹脂と導電性粒子を含み、該アクリル樹脂層表面の23℃の恒温室内でθ/2法によって測定した水接触角が30度以上110度以下であることを特徴とする集電体、および、この集電体を具備した電極構造体、非水電解質電池、蓄電部品(例:電気二重層キャパシタ又はリチウムイオンキャパシタ)が提供される。
【0009】
本発明者らが非水電解質電池等のハイレート特性を向上させるべく鋭意検討を行ったところ、アクリル系樹脂層表面の水接触角がハイレート特性に強く相関していることを見出した。そして、水接触角が30度以上110度以下である場合に、ハイレート特性が非常に優れていることを見出し、本発明の完成に至った。
【0010】
本発明は2つの知見によって成立している。1つ目の知見は、水接触角が110度以下である場合にハイレート特性が良好であるということである。接触角は異なる材料が互いに密着しやすいかどうかを示す指標の一つであり、接触角が小さいほど異なる材料間の密着性が高くなる傾向がある。従って、接触角が110度以下の場合に、導電性基材とアクリル系樹脂層、及びアクリル系樹脂層と活物質層との密着性が高くなり、ハイレート特性が良好になる。
【0011】
もう一つの知見は水接触角が30度以上である場合にハイレート特性が良好であるということである。上記のように、接触角は異なる材料が互いに密着しやすいかどうかを示す指標の一つであるので、接触角が小さいほど異なる材料間の密着性が高くなる傾向がある。本発明者らは、当初、好ましい水接触角の範囲には下限が無く、水接触角が小さければ小さいほど、異なる材料間での密着性が向上してハイレート特性が向上するものと考えていたが、意外にも水接触角が30度未満の場合に、ハイレート特性が悪化することを知見した。このような結果が得られた理由にはついては現在検討中であり必ずしも明らかではないが、水接触角が小さすぎると、導電性基材とアクリル系樹脂層との間の密着性が悪化することが原因ではないかと推測している。
【0012】
ところで、アクリル樹脂層の水接触角は、アクリル樹脂層の材料組成によって一意的に定まるものではなく、アクリル樹脂層の形成方法が変わると大きく変化するものである。本発明者らが実際に実験を行ったところ、同じ組成の樹脂材であっても、乾燥温度・乾燥時間・乾燥方法を変化させることによって、アクリル系樹脂層の水接触角が大きく変化し、例えば樹脂組成と乾燥温度が分かっていても、乾燥時間等の製造条件を変えるだけで水接触角は変化するので、本発明においては水接触角を定めることが極めて重要であることを知見した。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明の一実施形態の集電体の構成を示す断面図である。
【図2】図2は、本発明の一実施形態の集電体を用いて形成された電極構造体の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図1を用いて、本発明の一実施形態の集電体について説明する。
図1に示すように、本発明の集電体1は、導電性基材3の少なくとも片面に導電性を有するアクリル系樹脂層(集電体用樹脂層)5を形成した集電体1であり、アクリル系樹脂層5は、アクリル系樹脂と導電性粒子を含み、アクリル樹脂層5表面の23℃の恒温室内でθ/2法によって測定した水接触角が30度以上110度以下である。
また、図2に示すように、集電体1のアクリル系樹脂層5上に活物質層又は電極材層9を形成することによって、非水電解質電池用、電気二重層キャパシタ用、又はリチウムイオンキャパシタ用として好適な電極構造体7を形成することができる。
以下、各構成要素について詳細に説明する。
【0015】
(1)導電性基材
本発明の導電性基材としては、各種金属箔が使用可能である。金属箔としては正極又は負極用としてアルミニウム箔、アルミニウム合金箔、負極用として銅箔、ステンレス箔、ニッケル箔などが使用可能である。その中でも導電性の高さとコストのバランスからアルミニウム箔、アルミニウム合金箔、銅箔が好ましい。正極としてアルミニウム箔を用いる場合、本発明はハイレート特性の向上を目的としていることから、導電性の高いJIS A1085などの純アルミニウム系を用いることが好ましい。箔の厚さとしては5μm以上、50μm以下であることが好ましい。厚さが5μmより薄いと箔の強度が不足してアクリル系樹脂層等の形成が困難になる場合がある。一方、50μmを超えるとその分、その他の構成要素、特に活物質層あるいは電極材層を薄くせざるを得ず、特に非水電解質電池や、電気二重層キャパシタ又はリチウムイオンキャパシタ等の蓄電部品とした場合、十分な容量が得られなくなる場合がある。
【0016】
(2)アクリル系樹脂層
本発明では導電性基材の上に導電性粒子を添加したアクリル系樹脂層を形成する。形成方法は特に限定されないが、アクリル系樹脂の溶液や分散液を導電性基材上に塗工することが好ましい。塗工方法としてはロールコーター、グラビアコーター、スリットダイコーター等が使用可能である。本発明に用いる樹脂はアクリル系でなければならない。種々の樹脂に導電性粒子を添加して樹脂層の体積固有抵抗を調査した結果、水接触角を規定したアクリル系樹脂を用いると十分に低い抵抗が得られるという本発明者の知見に基づくものである。なお、この抵抗の違いは、同じ導電性粒子を添加しても樹脂によって樹脂層中での分布状態が異なり、後述する水接触角の規定と相まって抵抗に差が出るためと推定される。
【0017】
本発明で用いるアクリル系樹脂は、アクリル酸若しくはメタクリル酸、又はこれらの誘導体を主成分とするモノマから形成された樹脂である。アクリル系樹脂のモノマ中のアクリル成分の割合は、例えば50質量%以上であり、好ましくは、80質量%以上である。上限は、特に規定されず、アクリル系樹脂のモノマが実質的にアクリル成分のみで構成されてもよい。また、アクリル系樹脂のモノマは、アクリル成分一種を単独で又はを二種以上含んでいてもよい。
アクリル系樹脂の中でもメタクリル酸又はその誘導体と極性基含有アクリル系化合物の中から少なくともひとつをモノマとして含むアクリル共重合体が好ましい。これらのモノマを含むアクリル共重合体を用いることにより、ハイレート特性がさらに向上するからである。メタクリル酸又はその誘導体としては、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸イソプロピルなどが挙げられる。極性基含有アクリル系化合物としてはアクリロニトリル、メタアクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミドなどがある。さらに極性基含有アクリル系化合物の中でもアミド基を有するアクリル化合物が好ましい。アミド基を有するアクリル化合物としてアクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミドなどがある。
アクリル系樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、30000以上、200000以下が好ましい。分子量が小さすぎると、樹脂層の柔軟性が低く、小さい曲率半径で集電体を捲回すると樹脂層にクラックが発生して電池等の容量が低下する場合があり、分子量が大きすぎると、密着性が低くなる傾向があるからである。重量平均分子量は、導電材添加前の樹脂液にてGPC(ゲル排除クロマトグラフィー)を用いて測定することができる。
【0018】
集電体は電極から対極に移動する電子の通路となるので、その表面にも電子導電性が必要である。アクリル系樹脂は絶縁体であるので、電子伝導性を付与するために導電性粒子を添加しなければならない。本発明で用いる導電性粒子としては炭素粉末、金属粉末などが使用可能であるが、その中でも炭素粉末が好ましい。炭素粉末としてはアセチレンブラック、ケッチェンブラック、ファーネスブラック、カーボンナノチューブなどが使用可能である。また、導電性があれば炭素繊維やカーボンナノチューブなども使用可能である。これらの中でも、比較的アグリゲートが長く比較的少ない添加量で導電性を向上させやすいアセチレンブラックを用いることが好ましい。添加量を少なくすることでアクリル系樹脂層表面の水接触角の上昇を抑えることができ、後述する所望の水接触角にすることができ、活物質層あるいは電極材層との密着性の低下を抑えることができる。導電性粒子の添加量は、樹脂層の樹脂100質量部に対して20質量部以上、80質量部以下が好ましい。20質量部未満ではアクリル系樹脂層の抵抗が高くなり、80質量部を超えると樹脂層表面の水接触角が上昇し、活物質層あるいは電極材層との密着性が低下する場合があるからである。導電材を樹脂液に分散するにはプラネタリミキサ、ボールミル、ホモジナイザ等を用いることによって分散することが可能である。
【0019】
本発明のアクリル系樹脂層表面の水接触角は、30度以上、110度以下であることが必要である。単にアクリル系樹脂に導電性粒子を添加してアクリル系樹脂層を形成しても、導電性基材とアクリル系樹脂層の界面およびアクリル系樹脂層と活物質層の界面あるいはアクリル系樹脂層と電極材層の界面に十分な密着性が得られない場合がある。これはアクリル系樹脂であっても樹脂の種類や形成条件によって、樹脂層の状態が変化するためである。特に密着性に影響が大きい表面性状として液体の濡れ性を示す接触角があり、比較的表面張力の大きい水の接触角を測定することにより、集電体とその上に形成する活物質層や電極材層の密着性を評価することができる。この場合、アクリル系樹脂層と水接触角について一見、水接触角が小さいほど密着性が向上し、放電レートの向上が図れるように見えるが、接触角が小さすぎると、導電性基材との密着性や放電レート特性に悪影響を及ぼす可能性がでてくるため、本発明においては水接触角を規定することが必要になる。なお、この点については後にも述べる。
【0020】
本明細書において、水接触角は、23℃の恒温室内でθ/2法によって測定して得られた値を意味する。水接触角は接触角計を用いて測定することができる。集電体に樹脂層を形成した後、その表面に純水を数μリットルの水滴を付着させて接触角を測定する。温度によって水の表面張力が変化するので、水接触角は、23℃の恒温室内で測定する。
【0021】
種々の条件にてアクリル系樹脂層を形成して水接触角を測定した結果、110度以下であれば、活物質層や電極材層と十分な密着性が得られることがわかった。さらに好ましくは95度以下、さらに好ましくは80度以下である。また、水接触角の異なるアクリル系樹脂層を形成して、導電性基材とアクリル系樹脂層の密着性の関係を調査した結果、アクリル系樹脂層の表面の水接触角が30度未満であるとハイレート特性が劣ることがわかった。原因は明らかではないが、導電性基材とアクリル系樹脂層の微妙な密着状態の差を検出しているものと推定される。従って、水接触角は、30度以上であることが必要である。特に、水接触角は、65度以上が好ましい。これは本発明者の数多くの実験に基づく知見によるもので、水接触角が65度以上である場合に、導電性基材とアクリル系樹脂層の密着性が特に良好になる。以上のように、本発明の水接触角の規定は、アクリル系樹脂と活物質層又は電極材層との密着性だけでなく、導電性基材とアクリル系樹脂層との密着性についても考慮したものであり、このように水接触角の規定された本発明の集電体は、特に電極構造体として電池や帯電部品に用いるとハイレート特性を良好に付与できる。
【0022】
本発明の集電体を得るには、先に述べたアルミニウム箔等の導電性基材の少なくとも片面にアクリル系樹脂層を公知の方法で形成して得ることができるが、上記水接触角を有するものにする必要がある。例えば、塗工にてアクリル系樹脂層を形成する場合、焼付温度と焼付時間が水接触角に影響する。焼付温度は導電性基材の到達温度として100〜200℃、焼付時間は10〜60秒が好ましい。このような条件でアクリル系樹脂層を形成した場合に、その表面での水接触角が30度以上、110度以下の範囲内の調整に寄与するからである。但し、水接触角は、樹脂組成、樹脂液中の樹脂濃度、焼付温度、焼付時間、焼付方法などの種々の因子によって総合的に決定されるものであるので、焼付温度と焼付時間が上記範囲内であっても、水接触角は30度未満になったり、110度を超えたりする場合がある。また、逆に焼付温度と焼付時間が上記範囲外であっても、水接触角が30〜110度の範囲内になる場合がある。
一般に焼付温度が高いほど、焼付時間が長いほど、水接触角が大きくなる傾向がある。従って、水接触角を30度以上、110度以下にするには、最初に、ある条件でアクリル系樹脂層を形成し、形成したアクリル系樹脂層において水接触角を測定し、測定された水接触角が30度より低ければ、焼付温度を高くするか焼付時間を長くし、測定された水接触角が110度よりも大きければ焼付温度を低くするか焼付時間を短くする等の調整が必要である。従って、アクリル系樹脂の組成や焼付温度のみでは水接触角の値は決定されないが、上記の方法を用いれば、数回の試行錯誤を行うだけで、水接触角を所望の値に設定することが可能である。
【0023】
本発明の集電体を用いれば、活物質層又は電極材層を形成し電解液が浸潤した状態においても、アクリル系樹脂層と活物質層あるいはアクリル系樹脂層と電極材層の界面に十分な密着性が確保できるだけでなく、導電性基材との界面にも十分な密着性の確保を兼ね備えることができる。また、充放電を繰り返した後においても大きな剥離は認められず、十分な密着性と優れた放電レート特性が得られる。
【0024】
アクリル系樹脂層の厚さは0.1μm以上、5μm以下が好ましい。0.1μm未満では完全には被覆できない部分が発生して、十分な電池特性が得られない場合がある。5μmを超えると後述する電池や蓄電部品にする際、その分活物質層や電極材層を薄くせざるを得ない場合があることから十分な容量密度が得られない場合がある。また、リチウムイオン二次電池等の角型電池に用いる場合、電極構造体をセパレータと組み合わせて巻回した際、曲率半径が非常に小さい最内巻き部において、比較的硬いアクリル系樹脂層に亀裂が入り、活物質層等と剥離する部分が発生する場合がある。さらに好ましくは0.3μm以上、3μm以下であることが好ましい。
【0025】
本発明の集電体の製造方法は、特に制限されるものではないが、導電性基材にアクリル系樹脂層を形成する際、導電性基材表面の密着性が向上するように導電性基材に公知の前処理を実施することも効果的である。特に圧延にて製造した金属箔を用いる場合、圧延油や磨耗粉が残留している場合があり、脱脂などによって除去することにより、密着性を向上させることができる。また、コロナ放電処理のような乾式活性化処理によっても密着性を向上させることができる。
【0026】
3.電極構造体
本発明の集電体の少なくとも片面に活物質層又は電極材層を形成することによって、本発明の電極構造体を得ることができる。電極材層を形成した蓄電部品用の電極構造体については後述する。まず、活物質層を形成した電極構造体の場合、この電極構造体とセパレータ、非水電解質等を用いて非水電解質電池を製造することができる。本発明の非水電解質電池用電極構造体および非水電解質電池において集電体以外の部材は、公知の非水電池用部材を用いることが可能である。
本発明において形成される活物質層は、従来、非水電解質電池用として提案されているものでよい。例えば、正極としてはアルミニウム箔を用いた本発明の集電体に、活物質としてLiCoO、LiMnO、LiNiO等を用い、導電材としてアセチレンブラック等のカーボンブラックを用い、これらをバインダであるPVDFに分散したペーストを塗工することにより、本発明の正極構造体を得ることができる。
負極としては、導電性基材として銅箔を用いた本発明の集電体に活物質として例えば黒鉛、グラファイト、メソカーボンマイクロビーズ等を用い、これらを増粘剤であるCMCに分散後、バインダであるSBRと混合したペーストを塗工することにより、本発明の負極構造体を得ることができる。
【0027】
4.非水電解質電池
前記正極構造体と負極構造体の間に非水電解質を有する非水電解質電池用電解液を含浸させたセパレータで挟むことにより、本発明の非水電解質電池を構成することができる。非水電解質およびセパレータは公知の非水電解質電池用として用いられているものを使用可能である。電解液は溶媒として、カーボネート類やラクトン類等を用いることができ、例えば、EC(エチレンカーボネイト)とEMC(エチルメチルカーボネイト)の混合液に電解質としてLiPFやLiBFを溶解したものを用いることができる。セパレータとしては例えばポリオレフィン製のマイクロポーラスを有する膜を用いることができる。
【0028】
5.蓄電部品(電気二重層キャパシタ、リチウムイオンキャパシタ等)
本発明の集電体は大電流密度での放電が必要な電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等の蓄電部品にも適応可能である。本発明の蓄電部品用電極構造体は本発明の集電体に電極材層を形成することによって得られ、この電極構造体とセパレータ、電解液等によって、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタ等の蓄電部品を製造することができる。本発明の電極構造体および蓄電部品において集電体以外の部材は、公知の電気二重層キャパシタ用やリチウムイオンキャパシタ用の部材を用いることが可能である。
【0029】
電極材層は正極、負極共、電極材、導電材、バインダよりなる。本発明においては、本発明の集電体の少なくとも片側に前記電極材層を形成することによって電極構造体を得ることができる。ここで、電極材には従来、電気二重層キャパシタ用、リチウムイオンキャパシタ用電極材料として用いられているものが使用可能である。例えば、活性炭、黒鉛などの炭素粉末や炭素繊維を用いることができる。導電材としてはアセチレンブラック等のカーボンブラックを用いることができる。バインダとしては、例えば、PVDF(ポリフッ化ビニリデン)やSBR(スチレンブタジエンゴム)を用いることができる。また、本発明の蓄電部品は、本発明の電極構造体にセパレータを挟んで固定し、セパレータに電解液を浸透させることによって、電気二重層キャパシタやリチウムイオンキャパシタを構成することができる。セパレータとしては例えばポリオレフィン製のマイクロポーラスを有する膜や電気二重層キャパシタ用不織布等を用いることができる。電解液は溶媒として例えばカーボネート類やラクトン類を用いることができ、電解質は陽イオンとしてはテトラエチルアンモニウム塩、トリエチルメチルアンモニウム塩等、陰イオンとしては六フッ化りん酸塩、四フッ化ほう酸塩等を用いることができる。リチウムイオンキャパシタはリチウムイオン電池の負極、電気二重層キャパシタの正極を組み合わせたものである。これらの製造方法は本発明の集電体を用いる以外は、公知の方法に従って行うことができ、特に制限されるものではない。
【実施例】
【0030】
(1)リチウムイオン電池
本発明の集電体をリチウムイオン電池に適応した場合の実施例を以下に説明する。
【0031】
(実施例1)モノマとしてアクリル酸、ブチルアクリレート、メチルアクリレートを含むアクリル共重合体を配合比5:45:50で、重量平均分子量が90000〜120000の範囲に入るように重合し、界面活性剤を用いて水に分散した樹脂液に、樹脂の固形分に対して60質量%のアセチレンブラックを添加し、ボールミルにて8時間分散して塗料とした。この塗料を厚さ20μmのアルミニウム箔(JIS A1085)の片面にバーコータで塗布し、基材到達温度が120℃となるように30秒間加熱して集電体を作製した。焼付後の膜厚は2μmとした。この加熱は、恒温槽で行った。
正極は活物質のLiCoOと導電材のアセチレンブラックをバインダであるPVDF(ポリフッ化ビニリデン)に分散したペーストを厚さ70μmにて前記集電体に塗工し、正極構造体とした。負極は活物質の黒鉛をCMC(カルボキシメチルセルロース)に分散後、バインダであるSBR(スチレンブタジエンゴム)と混合したペーストを厚さ20μmの銅箔に厚さ70μmにて塗工し、負極構造体とした。これらの電極構造体にポリプロピレン製マイクロポーラスセパレータを挟んで電池ケースに収め、コイン電池を作製した。電解液としてはEC(エチレンカーボネート)とEMC(エチルメチルカーボネート)の混合液に1MのLiPFを添加した電解液を用いた。
【0032】
(実施例2)モノマとしてアクリル酸、ブチルアクリレート、アクリルアミドを配合比5:30:65で含むアクリル共重合体を用いて、実施例1と同様にコイン電池を作製した。
(実施例3)モノマとしてメタクリル酸エチル、ブチルアクリレート、メチルメタクリレートを配合比10:70:20で含むアクリル共重合体を用いて、実施例1と同様にコイン電池を作製した。
(実施例4)モノマとしてメタクリル酸、ブチルメタクリレート、アクリロニトリルを配合比5:70:15で含むアクリル共重合体を用いて、実施例1と同様にコイン電池を作製した。
(実施例5)モノマとしてメタクリル酸、ブチルアクリレート、アクリルアミドを配合比5:30:65で含むアクリル共重合体を用いて、焼付後の膜厚は0.5μmとし、その他の条件は実施例1と同様にコイン電池を作製した。
(実施例6)モノマとしてメタクリル酸、ブチルアクリレート、アクリルアミドを配合比5:30:65で含むアクリル共重合体を用いて、焼付後の膜厚を4μmとし、その他の条件は実施例1と同様にコイン電池を作製した。
(実施例7)モノマとしてアクリル酸、ブチルアクリレート、メチルアクリレートを配合比5:45:50で含むアクリル共重合体を水に分散した樹脂液を基材到達温度が90℃となるように60秒間加熱して集電体を作製した。焼付後の膜厚は2μmとした。その他の条件は実施例1と同じにしてコイン電池を作製した。
【0033】
(比較例1)エポキシ樹脂とメラミン樹脂を配合比95:5でMEKに溶解した樹脂液に、樹脂の固形分に対して60%のアセチレンブラックを添加し、ボールミルにて8時間分散して塗料とした。この塗料を厚さ20μmのアルミニウム箔(JIS A1085)の片面にバーコータで塗布し、基材到達温度が240℃となるように15秒間加熱した。焼付後の膜厚は2μmとした。その他の条件は実施例1と同じにしてコイン電池を作製した。
(比較例2)モノマとしてアクリル酸、ブチルアクリレート、メチルアクリレートを配合比5:40:55で含むアクリル共重合体を水に分散した樹脂液を基材到達温度が220℃となるように70秒間加熱して集電体を作製した。焼付後の膜厚は2μmとした。その他の条件は実施例1と同じにしてコイン電池を作製した。
(比較例3)モノマとしてアクリル酸、ブチルアクリレート、メチルアクリレートを配合比5:40:55で含むアクリル共重合体を水に分散した樹脂液を基材到達温度が50℃となるように60秒間加熱して集電体を作製した。焼付後の膜厚は2μmとした。その他の条件は実施例1と同じにしてコイン電池を作製した。
(比較例4)モノマとしてアクリル酸、ブチルアクリレート、メチルアクリレートを配合比5:40:55で含むアクリル共重合体を水に分散した樹脂液を基材上に塗布し、60℃のホットプレート上にて10分間加熱して、集電体を作製した。焼付後の膜厚は2μmとした。その他の条件は実施例1と同じにしてコイン電池を作製した。
【0034】
これらの集電体に形成した導電性樹脂層の水接触角、基材とアクリル系樹脂層の密着性、アクリル系樹脂層と活物質層の密着性とコイン電池の放電レート特性を調査した結果を表1に示す。水接触角は接触角計(協和界面科学社製Drop Master DM-500)を用い、23℃の恒温室内にて1μリットルの水滴を樹脂層表面に付着させ、2秒後の接触角をθ/2法にて測定した。密着性はニチバン製セロテープを樹脂層表面に貼り付け、十分押さえた後、一気に剥がしたときの目視による剥離状況にて評価した。評価基準は剥離なしを○、剥離面積が90%以内であれば△、剥離面積が90%を超えれば×とした。放電レート特性は充電上限電圧4.2V、充電電流0.2C、放電終了電圧2.8V、温度25℃において、放電電流1C、5C、10C、20Cにおける放電容量(0.2C基準、単位%)を測定した。(1Cはその電池の電流容量(Ah)を1時間(h)で取り出すときの電流値(A)である。20Cでは1/20h=3minでその電池の電流容量を取り出すことができる。あるいは充電することができる。)
【0035】
【表1】

【0036】
実施例1〜実施例6はいずれも20Cにおける放電レート特性が80%以上あり、ハイレート特性に優れることがわかる。実施例7は、20Cにおける放電レート特性が79%であり、若干低かった。この結果は、実施例7においては基材とアクリル系樹脂層の密着性が実施例1〜実施例6に比べると若干劣っていたためであると考えられる。一方、比較例1は樹脂系がエポキシ系であることから、密着性は十分であるにもかかわらずハイレート特性が劣り、比較例2は、樹脂系はアクリル系であるが、アクリル系樹脂層の水接触角が110度よりも大きく、密着性が劣ることから界面抵抗が大きくなり、ハイレート特性が劣る結果となった。比較例3は、水接触角は低かったが、基材とアクリル系樹脂層の密着性が低く、ハイレート特性が劣っていた。比較例4では、他の実施例・比較例とは違ってホットプレート上で加熱することによって、樹脂液層を乾燥させた。ホットプレートの温度は比較的低かったが、水接触角は125度という比較的大きい値となり、ハイレート特性も悪かった。
【0037】
(2)電気二重層キャパシタ
本発明の集電体を電気二重層キャパシタに適応した場合の実施例を以下に説明する。
【0038】
(実施例8)モノマとしてアクリル酸、ブチルアクリレート、メチルアクリレートを含むアクリル共重合体を配合比5:45:50で重量平均分子量が90000〜120000の範囲に入るように重合し、界面活性剤を用いて水に分散した樹脂液に、樹脂の固形分に対して60質量%のアセチレンブラックを添加し、ボールミルにて8時間分散して塗料とした。この塗料を厚さ20μmのアルミニウム箔(JIS A1085)の片面にバーコータで塗布し、基材到達温度が120℃となるように30秒間加熱して集電体を作製した。焼付後の膜厚は2μmとした。この加熱は、恒温槽で行った。
電極材の活性炭、導電材のケッチェンブラックをバインダのPVDFに分散したペーストを厚さ80μmにて前記集電体に塗工し、電極構s造体とした。この電極構造体を電解液を含浸した電気二重層キャパシタ用不織布を挟んで固定し、電気二重層キャパシタを構成した。電解液は溶媒であるプロピレンカーボネートに1.5MのTEMA(トリエチルメチルアンモニウム)と四フッ化ほう酸を添加したものを用いた。
【0039】
(実施例9)モノマとしてアクリル酸、ブチルアクリレート、アクリルアミドを配合比5:30:65で含むアクリル共重合体を用いて、実施例8と同様に電気二重層キャパシタを作製した。
(実施例10)モノマとしてメタクリル酸エチル、ブチルアクリレート、メチルメタクリレートを配合比10:70:20で含むアクリル共重合体を用いて、実施例8と同様に電気二重層キャパシタを作製した。
(実施例11)モノマとしてメタクリル酸、ブチルメタクリレート、アクリロニトリルを配合比5:70:15で含むアクリル共重合体を用いて、実施例8と同様に電気二重層キャパシタを作製した。
(実施例12)モノマとしてメタクリル酸、ブチルアクリレート、アクリルアミドを配合比5:30:65で含むアクリル共重合体を用いて、焼付後の膜厚は0.5μmとし、その他の条件は実施例8と同様に電気二重層キャパシタを作製した。
(実施例13)モノマとしてメタクリル酸、ブチルアクリレート、アクリルアミドを配合比5:30:65で含むアクリル共重合体を用いて、焼付後の膜厚を4μmとし、その他の条件は実施例8と同様に電気二重層キャパシタを作製した。
(実施例14)モノマとしてアクリル酸、ブチルアクリレート、メチルアクリレートを配合比5:45:50で含むアクリル共重合体を水に分散した樹脂液を基材到達温度が90℃となるように60秒間加熱して集電体を作製した。焼付後の膜厚は2μmとした。その他の条件は実施例8と同様に電気二重層キャパシタを作製した。
【0040】
(比較例5)エポキシ樹脂とメラミン樹脂を配合比95:5でMEKに溶解した樹脂液に、樹脂の固形分に対して60%のアセチレンブラックを添加し、ボールミルにて8時間分散して塗料とした。この塗料を厚さ20μmのアルミニウム箔(JIS A1085)の片面にバーコータで塗布し、基材到達温度が240℃となるように15秒間加熱した。焼付後の膜厚は2μmとした。その他の条件は実施例8と同じにして電気二重層キャパシタを作製した。
(比較例6)モノマとしてアクリル酸、ブチルアクリレート、メチルアクリレートを配合比5:40:55で含むアクリル共重合体を水に分散した樹脂液を基材到達温度が220℃となるように70秒間加熱して集電体を作製した。焼付後の膜厚は2μmとした。その他の条件は実施例8と同じにして電気二重層キャパシタを作製した。
(比較例7)モノマとしてアクリル酸、ブチルアクリレート、メチルアクリレートを配合比5:40:55で含むアクリル共重合体を水に分散した樹脂液を基材到達温度が50℃となるように60秒間加熱して集電体を作製した。焼付後の膜厚は2μmとした。その他の条件は実施例8と同じにして電気二重層キャパシタを作製した。
(比較例8)モノマとしてアクリル酸、ブチルアクリレート、メチルアクリレートを配合比5:40:55で含むアクリル共重合体を水に分散した樹脂液を基材上に塗布し、ホットプレート上で10分間加熱することによって樹脂液層を乾燥させて、集電体を作製した。焼付後の膜厚は2μmとした。その他の条件は実施例8と同じにして電気二重層キャパシタを作製した。
【0041】
これらの集電体の水接触角、基材とアクリル系樹脂層の密着性、アクリル系樹脂層と電極材層の密着性と電気二重層キャパシタの放電レート特性を調査した結果を表2に示す。水接触角、密着性の評価方法はリチウムイオン電池の場合と同じである。放電レート特性は充電上限電圧2.8V、充電率1C、充電終了条件2h、放電終了電圧0V、温度25℃、放電率100C、300C、500Cにおいて、放電容量(1C基準、単位%)を測定した。
【0042】
【表2】

【0043】
実施例8〜実施例13はいずれも500Cにおける放電レート特性が80%以上あり、ハイレート特性に優れることがわかる。実施例14は、500Cにおける放電レート特性が79%であり、若干低かった。この結果は、実施例14においては基材とアクリル系樹脂層の密着性が実施例8〜実施例13に比べると若干劣っていたためであると考えられる。一方、比較例5は樹脂系がエポキシ系であることからハイレート特性が劣り、比較例6は樹脂系はアクリル系であるが、アクリル系樹脂層表面の水接触角が110度よりも大きく、密着性が劣ることから界面抵抗が大きくなり、ハイレート特性が劣る結果となった。比較例7は、水接触角は低かったが、基材とアクリル系樹脂層の密着性が低く、ハイレート特性が劣っていた。比較例8では、他の実施例・比較例とは違ってホットプレートで加熱することによって、樹脂液層を乾燥させた。ホットプレートの温度は比較的低かったが、水接触角は125度という比較的大きい値となり、ハイレート特性も悪かった。
【符号の説明】
【0044】
1:集電体
3:導電性基材
5:アクリル系樹脂層(集電体用樹脂層)
7:電極構造体
9:活物質層又は電極材層

【特許請求の範囲】
【請求項1】
導電性基材の少なくとも片面に導電性を有するアクリル系樹脂層を形成した集電体であって、該アクリル系樹脂層はアクリル系樹脂と導電性粒子を含み、該アクリル系樹脂層表面の23℃の恒温室内でθ/2法によって測定した水接触角が30度以上110度以下であることを特徴とする集電体。
【請求項2】
請求項1の集電体に活物質層又は電極材層を形成したことを特徴とする電極構造体。
【請求項3】
請求項1の集電体に活物質層を形成した電極構造体を用いたことを特徴とする非水電解質電池。
【請求項4】
請求項1の集電体に電極材層を形成した電極構造体を用いたことを特徴とする蓄電部品。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−124133(P2012−124133A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−276311(P2010−276311)
【出願日】平成22年12月10日(2010.12.10)
【出願人】(000107538)古河スカイ株式会社 (572)
【出願人】(000231626)日本製箔株式会社 (49)
【Fターム(参考)】