説明

離散供給源のアレイおよび複数の平行ビームを用いた荷物および人間のX線画像化

空間的配向が変化するビームで対象を照射するように、離散X線供給源のアレイを所定の時間的パターンで起動するステップと、対象との相互作用後に、ビームのX線を検出するステップと、検出信号を生成するステップとに基づいて、対象を画像化するためのシステムと方法とが提供される。次いで、検出信号の時間変化に基づいて、対象の画像が構築され得る。離散X線供給源は、検査の際に移動され得、さらに、所定の時間的パターンはアダマール符号を構成し得る。離散X線供給源は、カーボンナノチューブX線供給源であり得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
2006年4月21日に出願された「X−ray Imaging using Arrays of Discrete Sources」という名称の米国仮特許出願第60/794,295号は、本明細書に参照により援用される。
【0002】
本発明は対象(人間を含むが人間だけに限定されない)を、透過性放射線によって検査する方法およびシステムに関し、より具体的には、個別に起動され得る複数のX線供給源を使用した人間の検査に関する。
【背景技術】
【0003】
従来のX線供給源は、典型的には、制動放射工程(bremsstrahlung process)によりX線が放射される金属の標的に衝突する電子を生成するために熱電子放射機構を使用する。熱電子放射は、加熱されたフィラメントによる電子の放射を伴う。熱慣性は、熱電子系の時間分解能をマイクロセカンド程度に制限するが、一方、電子放射体の空間的な分解能は、フィラメントの寸法によって支配される。
【0004】
X線供給源はまた、電界放出陰極に基づいてもよく、熱電子線供給源と比較した場合、これは空間的な分解能および温度的な分解能の両者に利点をもたらす。電子の電界放出は高い電界によって作り出されるため、加熱は必要なく、そのために、このような電子放射体は一般的に冷陰極と呼ばれる。こうした装置により放射された電子ビームは、発散が低く、したがって、集束が容易である。さらに、供給源の実質的には瞬時の応答は、現在の技術で使用して、制御回路の時間分解能と同程度(数ナノセカンド程度の高速であり得る)のタイムゲーティングの能力を提供する。
【0005】
非特許文献1は、Xintek, Inc. of Research Triangle Park, NCによる、5つのX線供給源の線形アレイの製造を報告した。これらのアレイは、カーボンナノチューブ(CNT)の使用を基にして、それぞれが200〜300μmの焦点を有する。40〜60kVpの加速電圧において、0.1〜1mAの範囲の電子電流が報告された。冷陰極の寿命は2000時間を超えるものと予想された。200kVの加速電圧に対し、13mAのビーム電流が測定された。前述のZhangらの非特許文献1は、参照することによって本明細書に援用される。1m当たり1000ピクセル、および10MHzのパルス繰り返し率の装置は、現在の最先端技術の範囲内で想定され得る。
【0006】
X線供給源に関連したCNT冷陰極の使用はまた、非特許文献2にも記載されているが、走査との関連でのCNT冷陰極線供給源アレイの使用は、非特許文献3に記載されており、これらの文献の両方は、参照することによって本明細書に援用される。
【0007】
さらに、断層撮影法へのCNT冷陰極線供給源アレイの使用は、非特許文献4に述べられており、この文献もまた参照することによって本明細書に援用される。
【0008】
空港における人体検査機器の設置面積および処理量は、保安のための検問所がより混雑するようになるにつれ、ますます重要な考慮事項となってきている。一般的には、重要な寸法は通行の流れに対し垂直な寸法であり、現在配備されている金属探知機は比較の標準として使用されている。米国の空港では、望ましい処理量は、2つの隣接する手荷物システムの支援と一致する。これは、1時間当たり約400人の処理量に相当する。
【0009】
人間の後方散乱X線走査法は、隠し持った密輸品または脅威物の可能性に対する最も効果的な検出方法であるとしばしば考慮されるが、この技術の現在の実施は、特定の用途に対しては、不適切な処理量を提供し得、さらに空港のような特定の現場で課された寸法的な制約に適合できない場合がある。有利なことに、本発明は、こうした欠点に解法を提供するものである。
【0010】
片面後方散乱審査に対する処理量を向上させるための現在の解決策は、いくつかの一点集束X線供給源に依存する。これらの供給源のX線ビームは、扇型ビーム形状の線状のX線に平行にされるので、審査される人間に対する入射角は画像データに歪みを生じる可能性がある。この歪みはソフトウエアにより補正可能であるが、依然このデータは、入射角が変化するX線に由来する。これは結果的に、急な角度のX線入射影(incident shadow)(肩等の体の部位から生じる)をもたらし、したがって、言い換えれば、隠し持った密輸品を見逃すことになる。いくつかの従来のX線供給源がこの効果を軽減するために使用される場合、機器寸法はより大きくなり、機器価格は、魅力的とは言えないものになる。
【非特許文献1】Zhangら、A Multi−beam X−ray Imaging System Based on Carbon Nanotube Field Emitters, in Medical Imaging 2006, (Proceedings of SPIE, Vol. 6142, March 2, 2006)
【非特許文献2】Chengら、 Dynamic radiography using a carbon−nanotube−based field−emission X−ray source, 75 Rev. Sci. Instruments, p. 3264 (2004)
【非特許文献3】Zhangら、 Stationary scanning x−ray source based on carbon nanotube field emitters, 86 Appl. Phys. Lett., p. 184104 (2005)
【非特許文献4】Zhangら、 A nanotube−based field emission X−ray source for microcomputed tomography, 76 Rev. Sci. Instruments, p. 94301 (2005)
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明の好適な実施形態に従って、対象の画像化のための方法が提供される。この方法は、
a.空間的配向が変化するビームで対象を照射するように、離散X線供給源のアレイを所定の時間的パターンで起動するステップと、
b.対象との相互作用後に、ビームのX線を検出して、検出信号を生成するステップと、c.検出信号の時間変化に基づいて、対象の画像を構築するステップと
を伴う。
【0012】
本発明の他の実施形態は、離散X線供給源のアレイの、回転によるもしくは平行移動による、またはその両方による移動もまた含んでいてもよい。離散X線供給源のアレイをアレイ軸により特徴付けると、このアレイを平行移動させるステップには、このアレイをこのアレイ軸を実質的に横断する方向に平行移動させるステップ、またはこのアレイをこのアレイ軸に実質的に平行な1つの軸の周囲で回転するステップを含んでいてもよい。
【0013】
一部の実施形態では、本発明の所定の時間的パターンは、アダマール符号(Hadamard code)を構成し得る。さらに、対象との相互作用後に、X線を検出するステップには、対象により散乱されたX線を検出するステップを含み得、離散X線供給源を起動するステップには、電界放出供給源を起動する、さらに具体的には、各電界放出供給源は反射標的または伝送標的を含み、複数の電界放出供給源を起動するステップを含み得る。
【0014】
本発明のさらなる実施形態に従って、対象の検査のために検査システムが提供される。この検査システムは、複数の透過性放射線の離散線供給源の線形アレイ、検査される対象により散乱された透過性放射線の検出に基づく散乱信号を生成するように構成される少なくとも1つの散乱検出器、および散乱信号の受け入れおよび対象の画像生成のためのプロセッサを有する。透過性放射線の離散X線供給源は、より具体的にはカーボンナノチューブX線供給源であってもよい。
【0015】
本発明の上述の機能は、添付図を伴う以下の詳細な記述により、より容易に理解されるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
冷陰極技術(例えば、カーボンナノチューブ(CNT)に基づく技術等)は、X線の伝送、後方散乱、または前方散乱のいずれによるものかによらず、X線を使用した画像化に新しいモダリティの可能性を開く。本発明に従い以下に記載された方法で適用されるように、離散冷陰極線供給源は、有利なことに、電子的にスイッチが入る供給源を提供してもよく、また、それによって(ナノセカンド単位の)低遅延のX線画像分野でしばしば実施されるような連続的な方法でペンシルビームを形成し、または代案として符号化されたビームを形成するためにある時間に供給源のパターンを選択する。CNTの開発により、電流の安定および陰極寿命に関する重要な技術的な困難を乗り越えることができた。
【0017】
図1の符号10により一般的に示される冷陰極X線供給源の一般的な操作は、当該分野においてよく理解され、図1を参照して記述される。冷陰極の配置は、有利なことに、高度な制御性をもたらす。制御回路13により支配されるゲート12と陰極14との間の電圧Vgcは、電子電流15を制御するが、一方で、陰極14とX線標的として作用する陽極16との間の電圧Vcaは、標的16に衝突する電子エネルギを制御し、集束電極18に印加される電圧が電子ビームスポットの大きさを決定する。
【0018】
図1は、反射標的19を介してX線が生成されるアセンブリを示すが、伝達標的もまた本発明の範囲内において採用され得る。
【0019】
本発明に従う、X線画像化のための離散X線供給源の適用は、X線供給源アレイ(一次元、二次元、または三次元)の次元性、走査モード(ラスタまたはパターン)、様々なエネルギまたは変化するエネルギの動的使用、およびタイムゲーティングの使用により異なる。
【0020】
時間分解能の能力は、空気散乱が信号対雑音比(SNR)に強く影響する、長距離の応用に特に有用であり得る。
【0021】
本発明の第1の実施形態は、図2を参照して記述される。X線供給源22の一次元アレイ20は、その長手方向(一般的には垂直)軸21の1つ以上の側面にある後方散乱検出器23とともに配置される。装置全体24は、一列ごとに画像を生成するように、横断方向25、一般的には水平方向に平行移動可能である。代案として、アレイ20は、X線ビーム26が横断方向(これも一般的には水平)に走査するように、長手方向(一般的には垂直)軸21の周囲で回転してもよく、これにより装置全体を動かさずに、一列ずつ画像を生成する。このようなシステムは、例えば、X線画像が短時間で画像化システム全体を動かさずに生成されなければならない、爆弾検出用途に好適であり、例えば、ワゴン車の中に配置され得る。急速で連続的に1つの供給源22のスイッチを入れることによって、垂直に供給源をラスタ走査させることによる想像線が示される。
【0022】
本発明の他の実施形態によると、アダマール符号化(Hadamard coded)またはその他の符号化されたビームに基づく、符号化されたビームが採用される。ビームの符号化に関する考察は、例えば、Chou、「Fourier coded−aperture imaging in nuclear medicine」、IEE Proc. Sci. Meas. Technol., vol. 141, pp. 179−84 (1994)、Mertzら、「Rotational aperture synthesis for X rays」、J. Opt. Soc. Am. A. vol. 3, pp. 2167−70 (1986)、およびGindiら、「Imaging with rotating slit apertures and rotating collimators」、Med. Phys., vol. 9, pp. 324−39 (1982)に見出される。
【0023】
電界放出X線供給源は、高速で、一般的には30kHzほどの速さで、電子的に容易にスイッチングされ得る。これは、符号化されたビームはスイッチングされ(1つのパターンから別のパターンへ変更)、サイクル(回転と同等)、または否定(近距離画像化のためのアーチファクト低減のためにマスクからアンチマスクへのスイッチングされる)され得ることを意味する。X線フラックスが問題になる場合には、アダマール符号化またはパターン化されたビームが特別な利点のために使用され得る。
【0024】
ここで、図3を参照すると、二次元供給源アレイ30は機械的に移動する部品を有し得ず、かつごく短時間に予め決定された固定角度(供給源32の総数およびそれらの発散によって決定される)のカバレッジを可能にする。これは、CRTまたはパターンビーム(アダマール符号または他の符号機構)と同様な、ラスタ走査機構を使用し得る。
【0025】
本発明のさらなる実施形態に従うと、概して参照数字40で示される、制御された速度のシステムが、図4を参照して記述される。1つ以上の後方散乱検出器42は固定されるが、供給源アレイ44は、検出器42の近傍または間を一定速度で45の方向に前後に平行移動する。このようなシステムは、下記のような飛び越し走査(interlaced)モードにも採用され得る。図4の実施形態は、図2の実施形態の不都合な点、すなわち、システム速度の変化により画像が歪む傾向を克服するために採用され得る。アレイ20の速度に応じて、対象は圧縮または引き延ばされて表示され得る。
【0026】
2つ以上の一次元X線供給源アレイ51、52が円筒54に取り付けられた、図5に示すような実施形態を使用して、さらなる多用途性が達成され得る。このアレイは、高速で電子的に電源のオンオフが可能なので、標的(図示せず)を照射しているX線ビーム55を生成しているアレイのみがオンになり、その他のアレイはオフにされ、したがって、1つのアレイを他のアレイから遮断する必要がない。このモデルの多用途性は、ここで記述されたように、飛び越し走査モードを組み込み、および画像を連続的に蓄積するその本来の能力にある。
【0027】
技術的な制限または設計により、2つの供給源の間の最小距離が1cmであるが、特定の用途のために必要とされる分解能は、供給源が4mm間隔を空けることを要求する場合に、飛び越し走査方式は有用であり得る。円筒には、3つの一次元アレイが互いに120度離れ、垂直方向に3.33mmずらして(shifted)配置されている。各アレイは1cm離れた線で走査するが、しかし垂直方向のずれがあるので、円筒の完全な一回転の結果として得られる画像は3.33mmの分解能を有する。この操作のモードは、「飛び越し走査モード」と呼ばれる。図4に示されたシステムでは、飛び越し走査方式の画像は、各水平経路に対するアレイの垂直方向の平行移動を介して提供され得る。
【0028】
図2および図4に示された実施形態に従う、平行移動されたアレイは、1回の通過で、一列ごとに、標的の単位面積当たり同じX線量で、一定の時間(平行移動速度に依存する)内に画像を構築する。図5の回転円筒54は、一次元アレイの1回ごとの通過により、統計値の少ない画像を生成することができ、該画像を全体的な画像に追加する。この概念は「連続累積画像(continuously−accumulated image)」(CAI)と呼ばれ得る。このCAI概念は、標的への線量が限られている場合、または1通過当たりのフラックスが不十分な場合に有用である。標的画像の詳細が満足である場合、オペレータは走査を停止する。CAIが有用である1つの用途は、X線起動トリガが付いた簡易爆発デバイス(IED)が含まれていることが疑われる手荷物の画像化である。この操作モードでは、ピクセル当たりの初期電流は低い。画像は、起爆を避けるため、複数の経路により形成されるが、内部の有意義な詳細を見るためには十分である。
【0029】
単純なラスタスキャンが使用される場合、走査時間を犠牲にして、円筒システムは、一つのアレイで失われた供給源を補償し得る。
【0030】
最終的には、前述のように、離散X線供給源は、有利なことに、ほぼ瞬時の表面の材料確認を生成するために、X線蛍光マッピングまたはスペクトル画像化に採用され得る。このような用途は、蛍光線を確認するために、適切なエネルギ分解能を持つ検出器を必要とする。
【0031】
本発明のさらに一部の実施形態に従うと、線形アレイまたは二次元アレイにおいて構成されるカーボンナノチューブX線供給源は、上述のように連続してトリガされる。現在既存の、または将来開発される可能性がある、その他の離散X線供給源を、実質的に同様の方法で採用され得、これらは本明細書に記述されるように、かつ添付の特許請求の範囲のいずれかで請求されるように、本発明の範囲内である。
【0032】
この用途のための、この種類のX線供給源アレイの使用は、以下の理由で特に有用な場合がある。
・このX線供給源は、特にX線放射の線に沿った寸法で非常に小型であり得る。
・X線ビームの線形アレイの使用が、単一の点供給源に関連する画像の歪みを有利に減少させる。
・このX線を生成するアプローチは、画像収集、形状、および設置面積において、現在の単一の点X線供給源ベースのシステムより遥かに優れた柔軟性を提供する。
・X線供給源の線形アレイの連続したトリガを使用することによって、供給源間のクロストーク無しに後方散乱画像が収集され得る。
・走査される人間の2つ以上の画像を同時に取得する構成に適用される場合、本発明は、検査される対象の処理量を有利に高める。
【0033】
本発明の他の実施形態は、ここで、図6Aを参照して記述される。線形アレイ111、または二次元アレイのように構成された一連のカーボンナノチューブX線供給源110は、走査される人間112の上方(図示するように)、あるいは側方に配置される。代表的な検査の対象として人間が示されるが、本明細書で教示される機器および方法は、生物であろうと無生物であろうと、任意の対象に有益に適用可能である。
【0034】
例えば、後方散乱検出器、または側方散乱検出器であってもよい、散乱検出器114は、散乱X線を捕らえるために配置される。走査される人間はX線ビーム116の間を通って歩行し、またはコンベア118もしくは乗り物によりこの間を通って搬送される。手すり119を提供してもまたよい。分離している供給源110は、既知のアルゴリズムに従う空間的分解能を提供するために、連続的に起動してもよい。図6Bは、一般的に符号100で示される検査所を横断する連続的な位置にある被験者112を示す。検査所100は、前方供給源160および後方供給源162を有し、これらはそれぞれ、図6Aに示された供給源111等のような線形アレイを含んでいてもよく、これらはそれぞれ、紙面に垂直な軸に沿って配置された複数の離散X線供給源を備える。検査所を横断する際、その人間の異なる部分を、それぞれの供給源160および162により走査されるような方法で、被験者112は歩くか、またはコンベア118によって搬送される。
【0035】
現在使用されている金属検出器に近い設定の、本発明のさらなる実施形態は、図7Aおよび図7Bに示される。図7Bの平面図に示すように、X線供給源アレイ210はX線212を放射し図2Aの前面図では最も明確に見られる。この人間が検査所を横断する際に被験者112に入射するX線212は、概して、参照数字200により示される。被験者112によって、または被験者の人間により保持されたもしくは着用された対象により散乱された放射は、散乱検出器220により検出される。散乱検出器220は、その検出した透過性放射線に基づく散乱信号を生成し、既知のアルゴリズムにより、脅威物質および脅威対象を、検出および確認するために、あるいは、検査された対象の好適に処理された画像をディスプレイモニタ240に表示するために、その散乱信号はプロセッサ230により処理される。いずれの場合でも、画像が生成され、本明細書および添付の請求項のいずれかで使用される場合、「画像」という用語により、検査された対象の空間的に明瞭な要素に対応する整理された値のアレイを示す。幾何学が画像データの歪みおよび影を最小化するので、形状認識に依存する自動化された検出手法は、画像の歪みおよび影の減少により多大に利点を与える。これらの利点は、従来の伝送および後方散乱手荷物システムにもまた適用され得る。
【0036】
上述の全ての本発明の実施形態は、単に例示を意図したものであり、多くの変形および修正が当業者にとって明白である。全てのこのような変形および修正は、添付の特許請求の範囲のいずれかに定義されるように、本発明の範囲内であるものと意図される。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】図1は、先行技術の電界放射に基づくX線供給源の概略図である。
【図2】図2は、本発明の好ましい実施形態に従う、一次元の離散供給源のアレイの後方散乱画像化用途における使用を示している。
【図3】図3は、本発明の好ましい実施形態に従う、二次元の離散供給源のアレイの後方散乱画像化用途における使用を示している。
【図4】図4は、本発明の好ましい実施形態に従う、一次元の離散供給源のアレイおよび一組の固定後方散乱検出器の後方散乱画像化用途における使用を示している。
【図5】図5は、本発明の好ましい実施形態に従う、複数の一次元の供給源のアレイが単一の円筒に取り付けられた画像生成装置を示している。
【図6A】図6Aは、X線が上方から放射される本発明の実施形態の前面図を示している。
【図6B】図6Bは、上方から放射される複数のX線ビームが横断する、連続する位置にある人間を描く本発明の実施形態の側面概略図を示している。
【図7A】図7Aは、X線が反対側から放射される本発明の実施形態の前面図を示している。
【図7B】図7Bは、上方から放射される複数のX線ビームが横断する、連続する位置にある人間を描く本発明の実施形態の側面概略図を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象を画像化するための方法であって、該方法は、
a.空間的配向が変化するビームで該対象を照射するように、離散X線供給源のアレイを所定の時間的パターンで起動するステップと、
b.該対象との相互作用後に、該ビームのX線を検出して検出信号を生成するステップと、
c.該検出信号の時間変化に基づいて、該対象の画像を構築するステップと
を包含する、方法。
【請求項2】
前記離散X線供給源のアレイを移動させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記離散X線供給源のアレイを1つの軸の周囲で回転させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記離散X線供給源のアレイを平行移動させるステップをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記離散X線供給源のアレイは、アレイ軸を特徴とし、前記アレイを平行移動させるステップは、該アレイ軸を実質的に横断する方向に該アレイを平行移動させるステップを含む、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記所定の時間的パターンは、アダマール符号を構成する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記対象との相互作用後に前記X線を検出するステップは、該対象によって散乱されたX線を検出するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記離散X線供給源を起動するステップは、電解放出供給源を起動するステップを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記離散X線供給源を起動するステップは、複数の電解放出供給源を起動するステップを含み、それぞれの電解放出供給源は反射標的を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記離散X線供給源を起動するステップは、複数の電解放出供給源を起動するステップを含み、それぞれの電解放出供給源は伝送標的を含む、請求項8に記載の方法。
【請求項11】
対象を検査するための検査システムであって、該検査システムは、
a.複数の離散透過性放射線供給源の線形アレイと、
b.該検査される対象により散乱される透過性放射線の検出に基づいて、散乱信号を生成するように構成される少なくとも1つの散乱検出器と、
c.該散乱信号を受信して該対象の画像を生成するためのプロセッサと
を備える、検査システム。
【請求項12】
前記離散透過性放射線供給源は、カーボンナノチューブX線供給源である、請求項11に記載の検査システム。
【請求項13】
対象を検査するための方法であって、該方法は、
a.複数の離散透過性放射線供給源の線形アレイにより該対象を照射するステップと、
b.該検査される対象により散乱される透過性放射線の検出に基づいて、散乱信号を生成するステップと、
c.該対象の画像を生成するために該散乱信号を処理するステップと
を包含する、方法。
【請求項14】
前記複数の線形アレイによる照射の際、前記対象を移動させるステップをさらに含む、請求項13に記載の方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6A】
image rotate

【図6B】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate


【公表番号】特表2009−534669(P2009−534669A)
【公表日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−506767(P2009−506767)
【出願日】平成19年4月19日(2007.4.19)
【国際出願番号】PCT/US2007/066936
【国際公開番号】WO2008/063695
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(308022988)アメリカン サイエンス アンド エンジニアリング,インコーポレイテッド (6)
【Fターム(参考)】