説明

離隔距離測定装置及び自走測定装置

【課題】送電線上を自走する自走測定機に送電線近接物との離隔距離を測定する測定器を備え、その測定データを地上に送信することにより、比較的に安価に且つ確実に送電線近接物との離隔距離を測定することが可能な離隔距離測定装置を提供する。
【解決手段】この離隔距離測定装置100は、山間部4に設置された送電線8の下方、その他の近接位置にある樹木群(送電線近接物)7との離隔距離を測定するシステムであって、送電線8上を自走する自走測定機6と、自走測定機6から送信されたデータを受信すると共に、自走測定機6の自走方向を制御する地上監視部10とを備えて構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、離隔距離測定装置及び自走測定装置に関し、さらに詳しくは、高圧送電線と、その下方、その他の近接位置にある樹木等の送電線近接物との間の距離が安全上許容される程度に十分に離隔しているか否かを測定するための離隔距離測定装置及び自走測定装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
鉄塔間に張設される高圧送電線は、送電経路に沿った地上の樹木や建造物等の背の高い物体(送電線近接物)から十分に離隔した高さ位置に配置する必要がある。高圧送電線は絶縁樹脂等による絶縁被覆ができないために裸電線であり、空気を利用して絶縁を確保している。そのため、高圧電線から所定距離以内の空間に樹木等があると、電線に接触しなくても空気絶縁が破られることにより放電が発生し火災の原因となる。
特に、樹木は成長して送電線との間の距離が経時的に縮まるため、電力会社では一年に一回程度、定期的に行っている巡視の中で、電線と樹木頂部との間の離隔距離も確認し離隔距離が許容限度を下回っている場合には、地権者の承諾を得てから樹木を伐採したり、樹木の頂部を所定長に亘り伐採(剪定)する作業を実施することとなる。なお、通常、樹木との干渉が問題となる送電線の地上高は20m程度までである。送電線と樹木等との間の適正な離隔距離は、送電線の電圧に応じて法定されているが、許容される離隔距離は4〜6mの範囲であり、樹木を対象とする場合にはその成長による距離の短縮分を考慮して大きめに離隔距離を定める。そして、離隔距離が上記許容範囲を越えて短い場合には、樹木を伐採することとなる。
【0003】
尚、地上、或いは高所から目視、又は望遠鏡による観察によって送電線と樹木との間の離隔距離をある程度の正確さで判定することは、熟練した専門家によれば困難ではないが、熟練者を育てること自体にコストと時間を要するし、判断ミスも有り得る。仮に、50cm単位、1m単位の判断ミスが生じたとしても、一年後の定期的な巡視調査までの間に樹木が危険距離内にまで成長する可能性が高まる。更に、樹木の植生状況や、地形等の環境条件によっては目視観察できない場合もあった。
また、従来、地上巡視において、釣り竿式に伸縮自在な絶縁性伸縮パイプを短縮した状態で携帯し、電線と樹木との離隔距離を測定する際に伸長させて電線まで延ばし距離を測り、樹木との間隔を目視観察する測定方法が行われていた。しかし、この伸縮パイプは短縮時に2m程度の長さとなるために山道、森林等を巡視する際に携帯するには長尺過ぎて運搬に適さないばかりでなく、最長でも15m程度しか伸長しないので、それ以上の高さ位置にある送電線には適用することができなかった。また、長く延ばすとしなりを起こすため、正確な測定ができなくなり、扱いにくいという問題があった。
【0004】
また従来技術として特許文献1には、2台のデジタルカメラを用いて測定対象の樹木と送電線のステレオ撮影を行う測距儀と、撮影したステレオ画像を取り込み、送信する通信端末と、左右それぞれに画像上に表示させ、さらに任意の求点を2点指定し、指定された求点の座標から求点の位置を算出し、求点の位置から求点間の離隔距離を算出し、離隔距離から樹木の伐採の必要性を算出し、算出された求点の位置から、その位置に存在する樹木の伐採可否の情報を問い合わせる離隔距離提供装置と、送電線と当該測定対象の樹木が存在する地域の伐採可否の情報を有する用地管理センターとからなり、伐採作業者に求点の位置、離隔距離、伐採の必要性および伐採可否の情報を提供する離隔距離情報提供システムについて開示されている。
また特許文献2には、2レーザ測距装置部、記録部、制御部、ジャイロ加速度計部、タイマー部、可視TVカメラ部、GPS部、異常接近箇所アラーム発生部を有する機上搭載装置をヘリコプター等航空機に載せ、送電線の上空を飛行しながら送電線周辺の距離データを取得し、そのデータを地上装置のデータ処理解析部によって処理する接近樹木離隔検出装置について開示されている。
【0005】
また特許文献3には、マルチウィンドウ/管理部と、設定情報読取処理部と、処理モード判定処理部と、データ読取部と、主メモリと、画像メモリと、投影処理部と、3次元画像表示処理部と、縦図面生成処理部と、断面図生成処理部と、平面図生成処理部と、送電線−樹木間算出処理部と、樹木情報更新処理部等を備え、これらを用いて航空機等によって得た山林等の3次元画像から鉄塔高、樹木高等を入力させ、これらのデータに基づいて樹木と送電線間の距離を求め、これらの距離から送電線に所定以上近接する樹木を、その距離の度合いに応じて色別表示する送電線下支障樹木自動表示装置について開示されている。
【特許文献1】特開2003−269958公報
【特許文献2】特許第3179254号
【特許文献3】特開平11−98634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の樹木の接近状況を把握、管理する方法にあっては、航空測量や鉄塔上からの目視調査を実施する必要があるため、恒常的に経費が必要となるといった問題がある。また支障となる樹木の立ち入り調査では、樹木が繁茂している状態で鉄塔上からの目視や航空測量などの事前把握データを参考に伐採範囲を特定することになるが、視界を遮る樹木や視界の悪い地形状況の中で判断することになる。そのため、専門的な感に頼ることが多くなり定量的な判断が難しくなる。従って、伐採した後に伐採し忘れた箇所が発生して地権者に再承諾を得なければならない等、非効率的な業務処理とならざるを得なかった。
また特許文献1に開示されている従来技術は、鉄塔上から作業員がデジタルカメラで撮影した画像に基づいて、離隔距離を算出するものであり、鉄塔からの有視界範囲のみしか算出できないので、鉄塔周辺に高い樹木があったり、鉄塔間に尾根がある場合、極端に利用が制限されるといった問題がある。
【0007】
また特許文献2に開示されている従来技術は、レーザ測距装置、カメラ、GPSなどの装置をヘリコプターなどの航空機に搭載して送電線の上空を飛行しながら樹木の離隔距離データを取得するものであり、装置が大掛かりになるためデータを取得するコストが高くなるといった問題がある。
また特許文献3に開示されている従来技術は、航空機などによって上空から撮影した3次元画像から、鉄塔高さや樹木などのデータを入力し、樹木と電線の離隔距離を算出し、送電線に所定以上接近する樹木を、その距離度合いに応じて色識別表示するものであり、同じくデータを取得するコストが高くなるといった問題がある。
本発明は、かかる課題に鑑み、送電線上を自走する自走測定機に送電線近接物との離隔距離を測定する測定器を備え、その測定データを地上に送信することにより、比較的に安価に且つ確実に送電線近接物との離隔距離を測定することが可能な離隔距離測定装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明はかかる課題を解決するために、請求項1は、送電線に近接する送電線近接物との離隔距離を自動的に測定する離隔距離測定装置であって、前記送電線上を自走して前記送電線近接物との離隔距離を測定する自走測定機と、該自走測定機から送信されたデータを受信すると共に、該自走測定機の自走方向及び距離を制御する地上監視部と、を備え、前記地上監視部は、前記自走測定機を前記送電線上に自走させた際に得られたデータに基づいて、除去すべき前記送電線近接物についての判断データを提供することを特徴とする。
本発明は、送電線に自走測定機を設置し、地上監視部からの指示により送電線上を自走させ、そのとき測定した送電線近接物との距離データを地上監視部に送信する。地上監視部ではそのデータを解析することにより、どの送電線近接物を除去するかを判断するものである。
【0009】
請求項2は、前記自走測定機は、該自走測定機を前記送電線上に自走させる駆動手段と、該送電線に近接する送電線近接物を検知する検知手段と、前記地上監視部との間でデータの授受を行なう送受信部と、電力を供給する電源部と、制御部と、を備えたことを特徴とする。
本発明の自走測定機は、地上監視部からの指示に従って送電線上を自走させるモータ等の駆動手段と、送電線近接物との距離を測定するための信号を検知する検知手段と、地上監視部と無線によりデータの授受を行なう送受信部と、これらに電力を供給する電源部とを備えて構成されている。従って、自走測定機は独立した構成として送電線上を自由に自走することができる。
請求項3は、前記検知手段は、超音波を発信する発信部と、前記送電線近接物に反射して戻ってくる超音波を受信する受信部と、を有する超音波センサであることを特徴とする。
送電線近接物との距離を正確に且つ容易に測定する方法として超音波発信器を使用する方法がある。これは超音波が直進する性質を利用し、超音波が対象物に当たって反射して戻ってくるのに要した時間から離隔距離を演算して求めるものである。そのために、検知手段として超音波センサは、超音波の発信部と受信部から構成されている。
【0010】
請求項4は、前記検知手段は、撮像手段を備え、該撮像手段により撮像された送電線近接物の画像に基づいて、該送電線近接物との離隔距離測定のための情報を提供することを特徴とする。
送電線近接物との距離を測定する別の方法として、撮像手段により送電線近接物を撮像し、その画像を画像処理することにより距離を間接的に測定するものである。
請求項5は、前記地上監視部は、前記自走測定機との間でデータの授受を行なう送受信部と、該送受信部により受信したデータに基づいて前記送電線と前記送電線近接物との位置関係を画像により表示する画像表示部と、測定された送電線近接物の離隔距離に関するデータを出力する出力手段と、前記自走測定機の自走方向、距離を指示する操作部と、制御手段と、を備えたことを特徴とする。
本発明の地上監視部は、無線により自走測定機とデータの交信を行なう送受信部と、受信したデータを解析して送電線近接物との位置関係を画像にして表示する画像表示部と、測定データを監視員が理解できるフォーマットに変換してデータとして出力する出力手段と、自走測定機の自走方向をキーやスイッチにより指示する操作部と、PC等で構成される制御部とを備えている。
【0011】
請求項6は、前記地上監視部は、少なくとも測定時の外気温、送電線の種類、及び送電容量からなる入力データと前記送受信部により受信したデータに基づいて前記送電線と前記送電線近接物との離隔距離の最小値を算出することを特徴とする。
送電線は外気温や送電線の種類(例えば、材質、径、長さ等)や送電容量(電流値)により伸縮し、近接物との間の距離が変化する。従って、そのパラメータを予め入力しておかないと、測定時のデータをそのまま採用することができなくなる。即ち、送電線近接物との離隔距離の最小値を算出できるように補正する必要がある。
請求項7は、前記地上監視部は、前記自走測定機との間でデータの授受を行なう送受信部と、前記自走測定機の自走方向と距離に関する指示を入力する操作部と、前記送受信部により受信したデータを記憶するデータ記憶部と、制御手段と、電力を供給する電源部と、を備えたことを特徴とする。
本発明の地上監視部は、自走測定機から受信した測定データを記憶するデータ記憶部と電源部とを備え、データの解析はオフラインにより別途行うようにして、地上監視部の構成を簡略化し、携帯可能としたものである。
【0012】
請求項8は、送電線に近接する送電線近接物との離隔距離を自動的に測定する離隔距離測定装置であって、前記送電線上を自走して前記送電線近接物との離隔距離を測定し、該測定したデータを記憶する自走測定機と、該自走測定機の自走方向と距離を制御する地上監視部と、を備え、前記自走測定機を前記送電線上に自走させた際に記憶した離隔距離データに基づいて、除去すべき前記送電線近接物を判断することを特徴とする。
本発明は自走測定機に測定データを記憶するデータ記憶部を備え、地上監視部には自走測定機の自走方向と距離を指示する機構のみを備えたものである。即ち、自走測定機のデータ記憶部に記憶した測定データを測定後に回収して、データの解析はオフラインにより別途行うようにして、地上監視部の構成を更に簡略化し、携帯可能としたものである。
請求項9は、前記自走測定機は、該自走測定機を前記送電線上に自走させる駆動手段と、送電線に近接する送電線近接物を検知する検知手段と、前記地上監視部から送信された自走方向指示データの受信を行なう受信部と、電力を供給する電源部と、前記検知手段により検知されたデータに基づいて演算された離隔距離データを記憶するデータ記憶部と、前記検知手段により検知されたデータを演算して離隔距離を求める制御部と、を備えたことを特徴とする。
請求項8の発明を実現するために、本発明の自走測定機は、地上監視部からの指示に従って送電線上を自走させ、検知手段により検知した信号に基づいて制御部により距離を演算して、その結果をデータ記憶部に記憶する。
【0013】
請求項10は、前記地上監視部は、前記自走測定機に自走方向指示データを送信する送信部と、前記自走測定機の自走方向と距離に関する指示を入力する操作部と、制御手段と、電力を供給する電源部と、を備えたことを特徴とする。
本発明の地上監視部は、請求項9の自走測定機との組み合わせで使用される。即ち、地上監視部からは自走測定機をどちらの方向に移動させるかの指示を送信するだけである。従って、地上監視部の構成が最も簡略される。
請求項11は、前記データ記憶部は、挿抜自在なメモリカードであることを特徴とする。
データ記憶部に記憶された測定データは別途PC等で解析するために、外部インターフェースに接続して測定データをダウンロードする必要がある。そのため本発明のデータ記憶部は挿抜自在なメモリカードにより構成するのが好ましい。
【0014】
請求項12は、前記駆動手段はスッテッピングモータにより構成され、前記制御部は前記スッテッピングモータのステップ数から前記自走測定機の移動距離を計算することを特徴とする。
自走測定機は送電線上を往復して自走することが好ましい。従って、駆動手段であるモータは容易に正転、逆転が可能なステッピングモータが好適である。そしてステップ数から逆算して自走測定機の移動距離を計算することができる。
請求項13は、送電線に近接する送電線近接物との離隔距離を自動的に測定する自走測定装置であって、前記送電線上に自走させる駆動手段と、送電線に近接する送電線近接物を検知する検知手段と、前記自走測定装置の自走方向及び距離を制御する地上監視部との間でデータの授受を行なう送受信部と、電力を供給する電源部と、制御部と、を備え、前記送電線上を自走して前記送電線近接物との離隔距離を測定すると共に、該測定したデータを前記地上監視部に送信することにより、除去すべき前記送電線近接物についての判断データを提供することを特徴とする。
本発明の自走測定装置は、送電線近接物に最も近くに張設された送電線に地上監視部からの指示により当該自走測定装置を自走させ、そのとき測定した送電線近接物との距離データを地上監視部に送信する。地上監視部ではそのデータを解析することにより、どの送電線近接物を除去するかを判断するものである。
【0015】
請求項14は、送電線に近接する送電線近接物との離隔距離を自動的に測定する自走測定装置であって、前記送電線上に自走させる駆動手段と、送電線に近接する送電線近接物を検知する検知手段と、前記自走測定装置の自走方向及び距離を制御する地上監視部から送信された自走方向指示データの受信を行なう受信部と、電力を供給する電源部と、前記検知手段により検知されたデータに基づいて演算された離隔距離データを記憶するデータ記憶部と、制御部と、を備え、前記自走測定装置を前記送電線上に自走させた際に記憶した離隔距離データを解析することにより、前記送電線の下方に位置する送電線近接物の何れを除去するか否かを判断することを特徴とする。
本発明は自走測定装置に測定データを記憶するデータ記憶部を備え、地上監視部には自走測定機の自走方向と距離を指示する機構のみを備えたものである。即ち、自走測定装置のデータ記憶部に記憶した測定データを測定後に回収して、データの解析はオフラインにより別途行うようにして、地上監視部の構成を更に簡略化し、携帯可能としたものである。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、送電線近接物に最も近くに張設された送電線に自走測定機を設置し、地上監視部からの指示により送電線上を自走させ、そのとき測定した送電線近接物との距離データを地上監視部に送信し、地上監視部ではそのデータを解析することにより、どの送電線近接物を除去するかを判断するので、除去する送電線近接物を正確に見極めることができ、且つ測定を迅速に行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
以下、本発明を図に示した実施形態を用いて詳細に説明する。但し、この実施形態に記載される構成要素、種類、組み合わせ、形状、その相対配置などは特定的な記載がない限り、この発明の範囲をそれのみに限定する主旨ではなく単なる説明例に過ぎない。
図1は本発明の離隔距離測定装置の全体構成を模式的に表した図である。この離隔距離測定装置100は、山間部4に設置された送電線8の下方、その他の近接位置にある樹木群(送電線近接物)7との離隔距離を測定する装置であって、送電線8上を自走する自走測定機6と、自走測定機6から送信されたデータを受信すると共に、自走測定機6の自走方向を制御する地上監視部10とを備えて構成される。尚、自走測定機6はアンテナ15により受信した地上監視部10からの指示に基づいて送電線8上を往復するように自走する。また、樹木群7との離隔距離は超音波19により測定され、そのデータは電波26により地上監視部10に送信される。ここで、地上監視部10と自走測定機6の距離が有視界の範囲であれば、直接交信可能であるが、距離が離れている場合は、通信衛星3を介して交信するようにしてもよい。このときは、自走測定機6を有視界範囲から無線で制御する携帯用の制御機が必要である(詳細は後述する)。
【0018】
次に本発明の離隔距離測定装置の概略動作について説明する。本発明の離隔距離測定装置100は、地上監視部10と自走測定機6の距離が有視界の範囲であり、全ての制御を地上監視部10により行なうものとする。まず、作業員が自走測定機6を持参して鉄塔1に登り、自走測定機6を送電線8に懸垂する。そして地上にいる作業員と無線機等で交信して、準備が完了したことを連絡する。地上の作業員はそれを確認すると、地上監視部10の操作部により自走測定機6を矢印Aの方向に自走させる。その時点から自走測定機6からは超音波19が発信され、送電線8の下方に位置する樹木群7との離隔距離を測定し、そのデータを逐次地上監視部10に送信する。地上監視部10ではそのデータを一旦データ記憶部に蓄積する。自走測定機6から送信されるデータは、例えば、送電線8の下方に位置する樹木群7との離隔距離のデータや移動距離である。そして自走測定機6が鉄塔1から鉄塔2まで自走すると、地上の作業員は自走測定機6を停止する指令を送信する。これにより鉄塔1と2間のデータを収集したことになる。また、ここで終了しても良いが、自走測定機6を鉄塔1の方向に戻さなければならないため、戻る際に逆側からのデータを収集し、最初のデータと比較することにより、より正確なデータを収集することができる。尚、自走測定機6は移動距離を計算して自動的に停止するようにしてもよい。地上の作業員は地上監視部10に正しくデータが記憶されたことを確認すると、鉄塔にいる作業員にその旨を連絡して作業を終了し、自走測定機6を地上に降ろす。このように、本発明では、作業単位が2本の鉄塔間であり、次の鉄塔に移動して同様な作業を行なう。ただし、自走測定機6を往復自走させないで、連続して次の鉄塔に自走測定機6を移して作業を続行するようにしてもよい。
【0019】
図2は本発明の第1の実施形態に係る自走測定機の内部構成を示す図である。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付して説明する。この自走測定機6は、自走測定機6を送電線8上に自走させるモータ(駆動手段)13と、モータ13を駆動するモータ駆動部12と、送電線8の下方に位置する樹木群7を検知する超音波センサ部(検知手段)17と、地上監視部10とのデータの授受を行なう送受信部16と、自走測定機6の全ての部分に電力を供給する電源部18と、全体を制御する制御部14とを備えて構成される。尚、モータ13にはプーリ13aの回転力をベルト13bを介して滑車11に伝達することにより、送電線8上を自走する構成であり、本発明の主旨ではないので詳しい構成は省略する。また送受信部16には地上監視部10と交信するためのアンテナ15が備えられている。また、超音波センサ部17は、図示を省略するが、超音波19を発信する発信部と、樹木群7に反射して戻ってくる超音波を受信する受信部とを備えていて、発信部から発信した超音波が樹木群7に反射して、受信部により受信するまでの時間に基づいて制御部14が距離を演算する。また、制御部14はモータ13にステッピングモータを使用した場合、ステップパルスの数を計数することにより、滑車11の回転数を演算して自走測定機6の移動距離を演算することができる。従って、送受信部16から送信するデータは、少なくとも樹木までの離隔距離データと自走測定機6の移動距離データを地上監視部10に送信することができる。尚、制御部14の制御を簡略化するために、超音波センサ部17の発信部から発信した超音波が樹木に反射して、受信部により受信するまでの時間とステップパルス数とを送信し、地上監視部10により樹木までの離隔距離と自走測定機6の移動距離を演算することも可能である。
【0020】
図3は本発明の第1の実施形態に係る地上監視部の内部構成を示す図である。同じ構成要素には図1と同じ参照番号を付して説明する。この地上監視部10は、自走測定機6とのデータの授受を行なう送受信部21と、送受信部21により受信したデータに基づいて送電線8と樹木群7との位置関係を画像により表示する画像表示部24と、測定された樹木群7の離間距離に関するデータを出力するプリンタ(出力手段)25と、自走測定機6の自走方向を指示する操作部22と、全体を制御するPC(制御手段)23とを備えて構成される。尚、送受信部21には自走測定機6と交信するためのアンテナ9が備えられている。また、全体を制御する手段としてPC23を使用したが、専用の制御部により制御しても構わない。
【0021】
図4は本発明の地上監視部の画像表示部に表示した画像の一例を示す図である。例えば、画像表示部24の画面30において、縦軸に送電線までの距離(M)と離間距離の限界値(L)を表示し、横軸に鉄塔1からの距離を表す。そして送電線までの距離(M)から横に伸びる破線31を表示し、離間距離の限界値(L)から横に伸びる破線32を表示する。この図では、ポイントbの樹木群が限界値(L)を超えていることが解る。このように視覚的に全体像を捉えることができるため、どの部分を重点的に測定する必要があるかが一目で把握することができる。当然、画面30には全体を同時に表示することが可能であり、又は部分的に拡大して表示することも可能である。
【0022】
図5は本発明の地上監視部のプリンタに出力した出力データの一例を示す図である。図4との対応で説明する。例えば、横軸に樹木群の各ポイント、鉄塔からの距離、限界値(L)までの距離、送電線までの距離を表し、縦軸に各ポイントの名称を示す。ポイントaは、鉄塔からの距離が15mであり、限界値(L)までの距離が6mあり、送電線までの距離が12mあることが出力されている。またポイントbは、鉄塔からの距離が30mであり、限界値(L)までの距離が+2mであり、送電線までの距離が4mあることが出力されている。またポイントcは、鉄塔からの距離が48mであり、限界値(L)までの距離が3mあり、送電線までの距離が9mあることが出力されている。またポイントdは、鉄塔からの距離が60mであり、限界値(L)までの距離が8mあり、送電線までの距離が14mあることが出力されている。そして、この図からポイントbの限界値(L)までの距離が+2mであることは、限界値を超えているので、矩形枠33で囲って出力しているのがわかる。これを見た作業者は図4の画面と比較して確かにポイントbが限界値を超えていることを確認することができる。そしてポイントbの樹木を伐採するか否かを判断する。例えば、ポイントbが限界値を超えていても、その値が小さい場合は、次回の定期検査まで伐採を保留したり、限界値に達していないが限界値に近い樹木群であれば伐採するといったことが考えられる。
【0023】
図6は本発明の第1の実施形態に係る自走測定機による測定の動作を説明するフローチャートである。このフローチャートでは、図2の自走測定機6と地上監視部10の組み合わせによる動作について説明する。まず、まず地上監視部10の操作部22から予め測定時の外気温、電線種類及び送電容量を入力する(S1)。これにより、送電線の垂れ下がりが最大となる量が求まり、得られたデータを正確に補正することができる。次に作業員が自走測定機6を持参して鉄塔1に登り、自走測定機6を送電線8に懸垂する。そして地上にいる作業員と無線機等で交信して、準備が完了したことを連絡する。地上の作業員は、それを確認すると、地上監視部10の操作部22により自走測定機6を矢印Aの方向に自走させる(S2)。その時点から自走測定機6からは超音波19が発信され、送電線8の下方に位置する樹木群7との離隔距離を測定し(S3)、そのデータを逐次地上監視部10に送信する(S4)。地上監視部10ではそのデータを受信して(S5)一旦データ記憶部に蓄積する(S6)。自走測定機6から送信されるデータは、例えば、送電線8の下方に位置する樹木群7との離隔距離のデータや移動距離である。そして自走測定機6が鉄塔1から鉄塔2まで自走すると(S7でYESのルート)、地上の作業員は自走測定機6を停止する指令を送信する。これにより鉄塔1と2間のデータを収集したことになる。そして自走測定機6を鉄塔1の方向に戻す(S8)。地上の作業員は地上監視部10に正しくデータが記憶されたことを確認すると、鉄塔にいる作業員にその旨を連絡して作業を終了し、自走測定機6を地上に降ろす。その後、地上監視部10に記憶した測定データを解析して(S9)、その結果を画像表示部に表示したり(S10)、プリンタに出力データをアウトプットする(S11)。
【0024】
図7は本発明の第2の実施形態に係る自走測定機の内部構成を示す図である。この自走測定機45は、自走測定機45を送電線8上に自走させるモータ(駆動手段)47と、モータ47を駆動するモータ駆動部46と、送送電線8の下方に位置する樹木群7を検知する超音波センサ部(検知手段)52と、地上監視部36(詳細は後述する)のデータを受信する受信部50と、自走測定機45の全ての部分に電力を供給する電源部53と、全体を制御する制御部49と、測定データを記憶するデータ記憶部51と、を備えて構成される。尚、モータ47にはプーリ47aの回転力をベルト47bを介して滑車11に伝達することにより、送電線8上を自走する構成であり、本発明の主旨ではないので詳しい構成は省略する。また受信部50には地上監視部36からの指令を受信するためのアンテナ48が備えられている。また、超音波センサ部52は、図示を省略するが、超音波54を発信する発信部と、樹木群7に反射して戻ってくる超音波を受信する受信部とを備えていて、発信部から発信した超音波が樹木群7に反射して、受信部により受信するまでの時間に基づいて制御部49が距離を演算する。また、制御部49はモータ47にステッピングモータを使用した場合、ステップパルスの数を計数することにより、滑車11の回転数を演算して自走測定機45の移動距離を演算することができる。従って、データ記憶部51に記憶するデータは、少なくとも樹木までの離隔距離データと自走測定機45の移動距離データである。
【0025】
図8は本発明の第2の実施形態に係る地上監視部の内部構成を示す図である。この地上監視部36は、自走測定機45に指令データの送信を行なう送信部37と、自走測定機45の自走方向を指示する操作部40と、全体を制御するCPU38と、電力を供給する電源部42とを備えて構成される。尚、送信部37には自走測定機45に指令データを送信するためのアンテナ35が備えられている。この地上監視部36は、図7の自走測定機45との組み合わせにおいて使用される。即ち、自走測定機45のデータ記憶部51に記憶された測定データは、測定終了後に自走測定機45から抜いて、別の場所にあるPCにデータ記憶部51に記憶された測定データをダウンロードすることにより、PCがデータを解析する。従って、地上監視部36は最低限の構成でよく、装置が小型軽量となり、携帯用の地上監視部として機能することができる。
【0026】
図9は本発明の第3の実施形態に係る地上監視部の内部構成を示す図である。この地上監視部50は、自走測定機6とデータの授受を行なう送受信部52と、自走測定機6の自走方向を指示する操作部55と、全体を制御するCPU53と、電力を供給する電源部56と、自走測定機6から送信された測定データを記憶するデータ記憶部54と、を備えて構成される。尚、送受信部52には自走測定機45とデータを授受するためのアンテナ51が備えられている。この地上監視部50は、図2の自走測定機6との組み合わせにおいて使用される。即ち、自走測定機6から送信された測定データはデータ記憶部54に記憶され、その測定データを別の場所にあるPCにダウンロードすることにより、PCがデータを解析する。従って、地上監視部50は最低限の構成でよく、装置が小型軽量となり、携帯用の地上監視部として機能することができる。
尚、図7、図9により使用されるデータ記憶部の記憶媒体として、挿抜自在なメモリカード等が最適である。
【0027】
以上の通り本発明によれば、樹木群7に最も近くに張設された送電線8に自走測定機6を設置し、地上監視部10からの指示により送電線8上を自走させ、そのとき測定した樹木群7との距離データを地上監視部10に送信し、地上監視部10ではそのデータを解析することにより、どの樹木群7を除去するかを判断するので、除去する樹木群7を正確に見極めることができ、且つ測定を迅速に行うことができる。
また、自走測定機6は、地上監視部10からの指示に従って送電線8上を自走させるモータ13と、樹木群7との距離を測定するための信号を検知する超音波センサ部17と、地上監視部10と無線によりデータの授受を行なう送受信部16と、これらに電力を供給する電源部18とを備えて構成されているので、自走測定機6は独立した構成として送電線8上を自由に自走することができる。
【0028】
また、超音波センサ部17は、超音波を発信する発信部と、樹木群7に反射して戻ってくる超音波を受信する受信部と、を有する超音波センサであるので、比較的安価で且つ正確に距離を測定することができる。
また、超音波センサ部17は、自走測定機6の進行方向を撮像する撮像手段を備え、撮像手段により撮像された樹木群7の画像に基づいて、樹木群7との離隔距離を測定するので、広い範囲の画像から距離データを得ることができ、3次元的なデータを得ることができる。
また、地上監視部10は、無線により自走測定機6とデータの交信を行なう送受信部21と、受信したデータを解析して樹木群7との位置関係を画像にして表示する画像表示部24と、測定データを監視員の解るフーマットに変換してデータとして出力するプリンタ25と、自走測定機6の自走方向をキーやスイッチにより指示する操作部22と、PC等で構成される制御部23とを備えているので、汎用的な構成で地上監視部10を構成することができる。
【0029】
また、地上監視部10は、少なくとも測定時の外気温、送電線の種類、及び送電容量からなる入力データと送受信部21により受信したデータに基づいて送電線8と樹木群7との離隔距離の最小値を算出するので、測定データから解析できない要因を取り込んで正確なデータに補正することができる。
また、地上監視部50は、自走測定機6との間でデータの授受を行なう送受信部52と、自走測定機6の自走方向と距離に関する指示を入力する操作部55と、送受信部52により受信したデータを記憶するデータ記憶部54と、CPU53と、電力を供給する電源部56と、を備えたので、地上監視部50の構成を簡略化し、軽量化することができる。
また、自走測定機45に測定データを記憶するデータ記憶部51を備え、地上監視部36には自走測定機45の自走方向と距離を指示する機構のみを備えたので、地上監視部36の構成を更に簡略化し、軽量化することができる。
【0030】
また、自走測定機45は、地上監視部36からの指示に従って送電線8上を自走させるモータ47と、樹木群7との距離を測定するための信号を検知する超音波センサ部52と、地上監視部36からの指示を受信する受信部50と、演算された測定データ記憶するデータ記憶手段51と、これらに電力を供給する電源部53とを備えて構成されているので、地上監視部36から走行指示を受信するのみで自動的に樹木群7との距離を測定して、そのデータを記憶することができる。
また、地上監視部36は、自走測定機45に自走方向指示データを送信する送信部37と、自走測定機45の自走方向と距離に関する指示を入力する操作部40と、CPU38と、電力を供給する電源部42と、を備えたので、最も簡略化した地上監視部を構成することができる。
また、データ記憶部51、54は挿抜自在なメモリカードにより構成するので、データを記憶した後に他の装置によりデータを解析することができる。
また、モータ13、47はスッテッピングモータにより構成され、制御部14、49はスッテッピングモータのステップ数から自走測定機6、45の移動距離を計算するので、制御が容易となる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の離隔距離測定装置の全体構成を模式的に表した図である。
【図2】本発明の第1の実施形態に係る自走測定機の内部構成を示す図である。
【図3】本発明の第1の実施形態に係る地上監視部の内部構成を示す図である。
【図4】本発明の地上監視部の画像表示部に表示した画像の一例を示す図である。
【図5】本発明の地上監視部のプリンタに出力した出力データの一例を示す図である。
【図6】本発明の第1の実施形態に係る自走測定機による測定の動作を説明するフローチャートである。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る自走測定機の内部構成を示す図である。
【図8】本発明の第2の実施形態に係る地上監視部の内部構成を示す図である。
【図9】本発明の第3の実施形態に係る地上監視部の内部構成を示す図である。
【符号の説明】
【0032】
4 山間部、6 自走測定機、7 樹木群、8 送電線、10 地上監視部、12 モータ駆動部、13 モータ(駆動手段)、14 制御部、16 送受信部、17 超音波センサ部(検知手段)、18 電源部、21 送受信部、22 操作部、23 PC(制御手段)、24 画像表示部、25 プリンタ(出力手段)、100 離隔距離測定装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送電線に近接する送電線近接物との離隔距離を自動的に測定する離隔距離測定装置であって、
前記送電線上を自走して前記送電線近接物との離隔距離を測定する自走測定機と、該自走測定機から送信されたデータを受信すると共に、該自走測定機の自走方向及び距離を制御する地上監視部と、を備え、
前記地上監視部は、前記自走測定機を前記送電線上に自走させた際に得られたデータに基づいて、除去すべき前記送電線近接物についての判断データを提供することを特徴とする離隔距離測定装置。
【請求項2】
前記自走測定機は、該自走測定機を前記送電線上に自走させる駆動手段と、該送電線に近接する送電線近接物を検知する検知手段と、前記地上監視部との間でデータの授受を行なう送受信部と、電力を供給する電源部と、制御部と、を備えたことを特徴とする請求項1に記載の離隔距離測定装置。
【請求項3】
前記検知手段は、超音波を発信する発信部と、前記送電線近接物に反射して戻ってくる超音波を受信する受信部と、を有する超音波センサであることを特徴とする請求項1又は2に記載の離隔距離測定装置。
【請求項4】
前記検知手段は、撮像手段を備え、該撮像手段により撮像された送電線近接物の画像に基づいて、該送電線近接物との離隔距離測定のための情報を提供することを特徴とする請求項1又は2に記載の離隔距離測定装置。
【請求項5】
前記地上監視部は、前記自走測定機との間でデータの授受を行なう送受信部と、該送受信部により受信したデータに基づいて前記送電線と前記送電線近接物との位置関係を画像により表示する画像表示部と、測定された送電線近接物の離隔距離に関するデータを出力する出力手段と、前記自走測定機の自走方向、及び自走距離を指示する操作部と、制御手段と、を備えたことを特徴とする請求項1、2、3又は4に記載の離隔距離測定装置。
【請求項6】
前記地上監視部は、少なくとも測定時の外気温、送電線の種類、及び送電容量からなる入力データと前記送受信部により受信したデータに基づいて前記送電線と前記送電線近接物との離隔距離の最小値を算出することを特徴とする請求項1乃至5の何れか一項に記載の離隔距離測定装置。
【請求項7】
前記地上監視部は、前記自走測定機との間でデータの授受を行なう送受信部と、前記自走測定機の自走方向と距離に関する指示を入力する操作部と、前記送受信部により受信したデータを記憶するデータ記憶部と、制御手段と、電力を供給する電源部と、を備えたことを特徴とする請求項1、2、3、4又は6に記載の離隔距離測定装置。
【請求項8】
送電線に近接する送電線近接物との離隔距離を自動的に測定する離隔距離測定装置であって、
前記送電線上を自走して前記送電線近接物との離隔距離を測定し、該測定したデータを記憶する自走測定機と、該自走測定機の自走方向と距離を制御する地上監視部と、を備え、
前記自走測定機を前記送電線上に自走させた際に記憶した離隔距離データに基づいて、除去すべき前記送電線近接物を判断することを特徴とする離隔距離測定装置。
【請求項9】
前記自走測定機は、該自走測定機を前記送電線上に自走させる駆動手段と、送電線に近接する送電線近接物を検知する検知手段と、前記地上監視部から送信された自走方向指示データの受信を行なう受信部と、電力を供給する電源部と、前記検知手段により検知されたデータに基づいて演算された離隔距離データを記憶するデータ記憶部と、前記検知手段により検知されたデータを演算して離隔距離を求める制御部と、を備えたことを特徴とする請求項8に記載の離隔距離測定装置。
【請求項10】
前記地上監視部は、前記自走測定機に自走方向指示データを送信する送信部と、前記自走測定機の自走方向と距離に関する指示を入力する操作部と、制御手段と、電力を供給する電源部と、を備えたことを特徴とする請求項9に記載の離隔距離測定装置。
【請求項11】
前記データ記憶部は、挿抜自在なメモリカードであることを特徴とする請求項7又は9に記載の離隔距離測定装置。
【請求項12】
前記駆動手段はスッテッピングモータにより構成され、前記制御部は前記スッテッピングモータのステップ数から前記自走測定機の移動距離を計算することを特徴とする請求項2又は9に記載の離隔距離測定装置。
【請求項13】
送電線に近接する送電線近接物との離隔距離を自動的に測定する自走測定装置であって、
前記送電線上に自走させる駆動手段と、送電線に近接する送電線近接物を検知する検知手段と、前記自走測定装置の自走方向及び距離を制御する地上監視部との間でデータの授受を行なう送受信部と、電力を供給する電源部と、制御部と、を備え、
前記送電線上を自走して前記送電線近接物との離隔距離を測定すると共に、該測定したデータを前記地上監視部に送信することにより、除去すべき前記送電線近接物についての判断データを提供することを特徴とする自走測定装置。
【請求項14】
送電線に近接する送電線近接物との離隔距離を自動的に測定する自走測定装置であって、
前記送電線上に自走させる駆動手段と、送電線に近接する送電線近接物を検知する検知手段と、前記自走測定装置の自走方向及び距離を制御する地上監視部から送信された自走方向指示データの受信を行なう受信部と、電力を供給する電源部と、前記検知手段により検知されたデータに基づいて演算された離隔距離データを記憶するデータ記憶部と、制御部と、を備え、
前記自走測定装置を前記送電線上に自走させた際に記憶した離隔距離データを解析することにより、前記送電線の下方に位置する送電線近接物の何れを除去するか否かを判断することを特徴とする自走測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2007−178240(P2007−178240A)
【公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−376387(P2005−376387)
【出願日】平成17年12月27日(2005.12.27)
【出願人】(000211307)中国電力株式会社 (6,505)
【Fターム(参考)】