説明

難燃剤としてのリン含有シルセスキオキサン誘導体

リン含有シルセスキオキサンは、式[R3SiO1/2]m[RSiO3/2]n[RSiO3/2]p[(RO)PO(CHSiO3/2]q(式中、R、R、R、及びRはそれぞれ、独立してヒドロカルビル基を表し;xは、1〜8の整数を表し;mは、1.5未満の正の数であり;n及びqは、0超かつ1未満の正の数であり;pは、0以上かつ1未満の数である)により表される。更に、(n+p)/qは、0.5〜99の範囲であり、(n+p+q)=1である。リン含有シルセスキオキサンを含む硬化性及び硬化した組成物を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、広く、難燃剤及びエポキシ樹脂におけるその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
エポキシ樹脂で用いられている現在の難燃剤は、多数の問題を有している。例えば、臭素化、及び他のハロゲン含有難燃剤は、典型的には、毒性かつ腐食性の燃焼生成物を生じさせる。典型的には分解されて水を生成する無機水和物は、典型的には、エポキシ樹脂の物理的特性が損なわれる程大量に用いなければならない。更に、ハロゲン系難燃剤は、種々の環境規制問題の対象である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本開示は、式
[RSiO1/2[RSiO3/2[RSiO3/2[(RO)PO(CHSiO3/2
(式中、
、R、R、及びRはそれぞれ、独立してヒドロカルビル基を表し;
xは、1〜8の整数を表し;
mは、1.5未満の正の数であり;
n及びqは、0超かつ1未満の正の数であり;
pは、0以上かつ1未満の数であり、(n+p)/qは、0.5〜99の範囲であり、更に(n+p+q)=1である)により表されるリン含有シルセスキオキサンを提供する。
【0004】
幾つかの実施形態では、R、R、R、及びRはそれぞれ、独立して、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を表す。幾つかの実施形態では、各Rはメチル基を表し、かつ各R及びRは、メチル基、シクロへキシル基、シクロペンチル基、及びイソプロピル基からなる群から独立して選択される。幾つかの実施形態では、xは2である。幾つかの実施形態では、リン含有シルセスキオキサンは、1モル当り500〜10000グラムの範囲の数平均分子量を有する。幾つかの実施形態では、リン含有シルセスキオキサンは、1モル当り1000〜4000グラムの範囲の数平均分子量を有する。
【0005】
本開示に係るシルセスキオキサンは、例えば、難燃剤として有用であり、非ハロゲン難燃剤との組み合わせで特に有用である。
【0006】
したがって、別の態様では、本開示は、エポキシ樹脂と、有効量のポリエポキシド用硬化剤と、本開示に係るリン含有シルセスキオキサンとを含む硬化性組成物を提供する。
【0007】
幾つかの実施形態では、硬化性組成物は、有効量の熱硬化性樹脂用硬化剤を更に含む。幾つかの実施形態では、熱硬化性樹脂は、硬化性エポキシ樹脂を含む。
【0008】
更に別の態様では、本開示は、熱硬化した樹脂と、本開示に係るリン含有シルセスキオキサンとを含む硬化した組成物を提供する。
【0009】
本明細書で使用するとき、
「ヒドロカルビル基」は、炭化水素から水素原子を取り除くことにより形成される一価基を指し;
「非ハロゲン化」は、ハロゲン原子を含まないことを意味し;
「熱硬化性」は、化学的に架橋され得ることを意味し;
「熱硬化した」は、溶融流れを示さないよう十分に化学的に架橋されていることを意味する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
シルセスキオキサンは、Si−O−Si結合で形成された骨格を有する。シルセスキオキサンは、一般的に、1つ以上のオルガノシラン(例えば、トリアルコキシシラン誘導体)の縮合により形成される。
【0011】
本開示に係るシルセスキオキサンは、式[RSiO1/2[RSiO3/2[RSiO3/2[(RO)PO(CHSiO3/2により表される。
【0012】
、R、R、及びRはそれぞれ、独立してヒドロカルビル基を表す。有用なヒドロカルビル基としては、脂肪族基(例えば、直鎖、環状、及び/又は分岐アルキル基)及び芳香族(例えば、アリール、アラルキル、又はアルカリル基)基が挙げられる。代表的なヒドロカルビル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、イソオクチル、シクロへキシル、メチルシクロへキシル、及びシクロペンチル基等の1〜8個の炭素原子を有するアルキル基;例えば、フェニル等のアリール基;例えば、メチルフェニル及びエチルフェニル基等のアラルキル基;並びに、フェニルエチル及びフェニルメチル基等のアラルキル基が挙げられる。Rがメチル基である実施形態が、典型的には望ましい。同様に、R及びRが独立してメチル基、シクロへキシル基、シクロペンチル基、及びイソプロピル基を表す実施形態が、典型的には望ましく、特にメチル基であるRとの組み合わせが特に望ましい。
【0013】
変数xは、1〜8の整数、例えば、1、2、3、4、5、6、7、又は8を表す。xが2である実施形態が、典型的には望ましい。
【0014】
変数mは、1.5未満の正の数(即ち、ゼロ超の任意の数)、例えば、0.001、0.01、0.1、0.3、0.5、0.75、1、1.25、又は1.49を表す。
【0015】
変数n及びqは、0超かつ1未満の正の数、例えば、0.01、0.1、0.3、又は0.5を表す。
【0016】
変数pは、0以上かつ1未満の数、例えば、0、0.01、0.1、0.3、0.5、0.75、又は0.99である。
【0017】
変数x、m、n、p、及びqは、2つの制約を受ける任意の組み合わせで用いることができる:
(1)量(n+p)/qは、0.5〜99の範囲であり;かつ
(2)量(n+p+q)は1に等しい。
【0018】
リン含有シルセスキオキサンは、上述の基準を満たす任意の分子量を有してもよい。典型的にシルセスキオキサンを用いる場合は、単一化合物又は異なる分子量を有するシルセスキオキサンの混合物として存在し得る。かかる場合、平均分子量(例えば、数平均分子量)に言及することが当該技術分野において一般的な慣行である。1モル当り500〜10000グラム(例えば、1モル当り1000〜4000グラム)の範囲の数平均分子量を有するシルセスキオキサンは、典型的には、熱硬化性樹脂において難燃剤として使用するのに特に好適である。
【0019】
本開示に係るシルセスキオキサンは、例えば、既知の方法に従って調製され得る、又は商業的供給元から購入し得る、対応するトリアルコキシシランの縮合により作製することができる。代表的な合成では、トリアルコキシシラン誘導体をギ酸と組み合わせ、トリアルコキシシランの縮合により生じるアルコール副生成物を除去するのに十分な高温(例えば、約80℃)で加熱して、対応するシルセスキオキサンを形成する。任意の残留シラノール基を、例えば、ヘキサメチルジシラザン又はヘキサメチルジシルオキサンを付加することにより、(CHSi−基で末端保護することができる。揮発性物質(任意の未反応出発物質を含む)は、真空下で加熱することにより除去できる。
【0020】
n、p、及びqのそれぞれの量は、対応するトリアルコキシシランの量を制御することにより制御できる。
【0021】
本開示に係るシルセスキオキサンは、例えば、難燃剤として有用であり、非ハロゲン難燃剤との組み合わせで特に有用であり;ここで難燃性に関する工業規格試験を通過することが必要な難燃剤の全重量を減少させること;例えば、(Northbrook,IllinoisのUnderwriters Laboratories発行の、試験法UL 94「Standard for Tests for Flammability of Plastic Materials for Parts in Devices and Appliances」第8章、20mm垂直燃焼試験(2001年5月22日改訂)に従って)UL94−V0に格付けされた熱硬化した樹脂を得ることが可能であり得る。非ハロゲン難燃剤の例としては、ベーマイト、有機ホウ酸塩、有機リン酸塩、有機亜リン酸塩、及び有機ホスフィン酸塩(例えば、Charlotte,North CarolinaのClariant Corp.から入手可能なEXOLIT OP1230及びEXOLIT OP930等)が挙げられる。
【0022】
また、本開示は、熱硬化性樹脂と、所望により、有効量の熱硬化性樹脂用硬化剤と、本開示に係るリン含有シルセスキオキサンとを含む硬化性組成物を提供する。熱硬化性樹脂の例としては、エポキシ樹脂(一液型及び/又は二液型)、ウレタン樹脂(一液型及び/又は二液型)、シアネート樹脂、フェノール樹脂、及びアクリル樹脂が挙げられる。望ましくは、電子工学用途では、熱硬化性樹脂は電子グレードである。
【0023】
代表的な熱硬化性樹脂としては、Saint Paul,Minnesotaの3M Companyから3M SCOTCHCAST ELECTRICAL INSULATING RESIN 4として入手可能な二液型エポキシ樹脂が挙げられる。有用なエポキシ樹脂の例としては、2,2−ビス[4−(2,3−エポキシプロポキシ)−フェニル]プロパン(ビスフェノールAのジグリシジルエーテル)と、Shell Chemical Co.から入手可能なEPON 828、EPON 1004、及びEPON 1001Fとして市販されている物質、Dow Chemical Co.から市販されているDER−331、DER−332、及びDER−334が挙げられる。他の好適なエポキシ樹脂としては、フェノールホルムアルデヒドノボラックのグリシジルエーテル(例えば、Dow Chemical Co.から市販されているDEN−43及びDEN−428)が挙げられる。
【0024】
所望により、熱硬化性樹脂は、典型的には、熱硬化性樹脂を化学的に架橋するのに有効な量の、1種以上の固化剤、反応開始剤、及び/又は触媒(本明細書ではまとめて「硬化剤」と称する)(即ち、有効量の硬化剤)を含有してもよい。硬化剤及び使用量の選択は、典型的には、選択される熱硬化性樹脂の種類に依存し、当業者に周知である。代表的なエポキシ樹脂用硬化剤としては、アミン(イミダゾールを含む)、メルカプタン、及びルイス酸が挙げられる。
【0025】
リン含有シルセスキオキサンは、本開示に係る硬化性及び/又は硬化した組成物において任意の量で用いることができる。例えば、リン含有シルセスキオキサンは、硬化性及び/又は硬化した組成物の総重量に基づいて、1〜20重量%、典型的には4〜10重量%、より典型的には4〜8重量%の範囲の量で存在し得る。
【0026】
硬化性組成物は、単なる混合により形成することができるが、一般に、均一分散物を形成し得る技術を用いることが望ましい。1つの技術では、難燃剤及び/又はリン含有シルセスキオキサンは、高剪断ミキサ、例えば、Landrum,South CarolinaのFlackTek,Inc.からSPEEDMIXER DAC 150FVZとして入手可能な高速ミキサ等を用いて熱硬化性樹脂に混合される。
【0027】
硬化性組成物は、例えば、混合(二液型熱硬化性樹脂の場合)、加熱、化学線若しくは熱放射への曝露、又はこれらの任意の組み合わせを含む当該技術分野において周知である従来の方法により硬化して、硬化した組成物を得ることができる。
【0028】
以降の非限定的な実施例によって本開示の目的及び利点を更に例示するが、これら実施例で引用される特定の材料及びそれらの量、並びに他の条件及び詳細は、本開示を不当に制限するものと解釈されるべきではない。
【実施例】
【0029】
別途注記のない限り、実施例及び本明細書の残りの部分におけるすべての部、割合、及び比率等は、重量による。
【0030】
実施例で用いられる材料を表1(以下)に列挙する。
【0031】
【表1】

【0032】
UL94 20mm垂直燃焼試験
指定数の複製品のみを試験したことを除いて、Northbrook,IllinoisのUnderwriters Laboratories発行の、UL 94「Standard for Tests for Flammability of Plastic Materials for Parts in Devices and Appliances」第8章、20mm垂直燃焼試験(2000年6月8日改訂)を用いた。試験の基準を表2(以下)に要約する。
【0033】
【表2】

【0034】
表2(上記)では、Tは、最初に炎をつけた後の残炎時間を指す。Tは、2回目に炎をつけた時間後の残炎時間を指す。Tは、2回目に炎をつけた後の残じん時間(afterglow time)を指す。
【0035】
コーンカロリーメータ燃焼試験
コーンカロリーメータ燃焼試験は、ASTM E1354−08「Standard Test Method for Heat and Visible Smoke Release Rates for Materials and Products Using an Oxygen Consumption Calorimeter」(2008)に従って実施した。ASTM E1354−08に含まれない火災成長速度(FIGRA)は、ピーク発熱速度をピーク発熱に達した時間で除することにより算出した。FIGRAの減少率は、試験試料と同日に試験した対照試料を用いて決定した。
【0036】
比較例A
メチルトリメトキシシラン(100グラム、0.73モル)、ヘキシルトリメトキシシラン(151.5グラム、0.73モル)及びギ酸(202.7グラム、4.40モル)を、電磁撹拌しながら1リットルの丸底フラスコに入れた。このフラスコを、35分間70℃の油浴中で加熱して蒸留し、揮発性副生成物を回収した。次いで、ヘキサメチルジシロキサン(96グラム、0.59モル)を添加し、50分間還流させながら65℃の油浴中で溶液を加熱した。次いで、揮発性副生成物を真空下で除去した。ヘキサン(200mL)及びヘキサメチルジシラザン(97g、0.60モル)を添加し、溶液を吸引濾過した。濾液の揮発性成分を、先ず室温で、次いで90℃の油浴中で加熱しながら真空下で除去した。得られた生成物である、比較シルセスキオキサンAは、粘稠な無色の液体であった。H NMR分析は、以下の式:
[(CHSiO1/20.4[CHSiO3/20.5[C13SiO3/20.5
と一致していた。
【0037】
数平均分子量は、680グラム/モルのポリスチレン標準物質に対してGPCにより測定した。
【0038】
(実施例1)
メチルトリメトキシシラン(15グラム、0.110モル)、ヘキシルトリメトキシシラン(22.7グラム、0.110モル)、ジエチルホスファトエチルトリエトキシシラン(11.9グラム、0.036モル)、及びギ酸(35.4グラム、0.770モル)を、250ミリリットルの丸底フラスコ内で組み合わせ、25分間80℃の油浴中で電磁撹拌して揮発性副生成物を蒸留した。ヘキサメチルジシロキサン(32グラム、0.197モル)を添加し、混合物を80℃の油浴中で更に65分間撹拌した。揮発性副生成物を真空下で除去した。次いで、ヘキサン(25g)及びヘキサメチルジシラザン(25g、0.155モル)を添加し、35分間溶液を撹拌した。揮発性生成物を真空下で除去して、粘稠な無色の液体としてシルセスキオキサン1を得た。H NMR分析は、式:
[(CHSiO1/20.38[CHSiO3/20.43[C13SiO3/20.43[(CO)PO(CHSiO3/20.14
と一致していた。
【0039】
数平均分子量は、1600グラム/モルのポリスチレン標準物質に対してGPCにより測定した。
【0040】
難燃性試験
種々の熱硬化性組成物を調製し、表3及び4(以下)に示す量でSC4エポキシ樹脂中に指定の難燃剤を組み合わせることにより、UL94、20mm垂直燃焼試験に従って試験した。表3(以下)に列挙する全ての組成物は、上記UL 94において、T3=0秒であり、掴持クランプまで燃焼せず、かつ綿は発火しなかった。表4の全てのパラメータは、FIGRA(表4の7列目)を除いて、ASTM E1354−08に定義の通りである。FIGRAは火災成長速度であり、ピーク発熱速度(表4の5列目)をピーク発熱速度に達した時間(表4の6列目)で除することにより算出する。表4におけるFIGRAの減少は、対照である100部のSC4(1行目)と比較した、各行のFIGRAの差の百分率である。表4では、MJはメガジュールであり、mは平方メートルであり、kWはキロワットである。コーンカロリーメータ機器による測定値は、+/−10パーセントの桁の誤差を有することが知られている。
【0041】
【表3】

【0042】
【表4】

【0043】
本明細書に引用した全ての特許及び刊行物は、その全文を参照することにより本明細書に組み込むこととする。当業者は、本開示の様々な修正及び変更を、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく行うことができ、また、本開示は、上記で説明した例示的な実施形態に過度に限定して理解すべきではない。

【特許請求の範囲】
【請求項1】

[RSiO1/2[RSiO3/2[RSiO3/2[(RO)PO(CHSiO3/2
(式中、
、R、R、及びRはそれぞれ、独立してヒドロカルビル基を表し;
xは、1〜8の整数を表し;
mは、1.5未満の正の数であり;
n及びqは、0超かつ1未満の正の数であり;
pは、0以上かつ1未満の数であり、(n+p)/qは、0.5〜99の範囲であり、更に(n+p+q)=1である)により表されるリン含有シルセスキオキサン。
【請求項2】
、R、R、Rがそれぞれ、独立して、1〜8個の炭素原子を有するアルキル基を表す、請求項1に記載のリン含有シルセスキオキサン。
【請求項3】
各Rがメチル基を表し;かつ各R及びRが、メチル基、シクロへキシル基、シクロペンチル基、及びイソプロピル基からなる群から独立して選択される、請求項1に記載のリン含有シルセスキオキサン。
【請求項4】
xが2である、請求項3に記載のリン含有シルセスキオキサン。
【請求項5】
前記リン含有シルセスキオキサンが、1モル当り500〜10000グラムの範囲の数平均分子量を有する、請求項1に記載のリン含有シルセスキオキサン。
【請求項6】
前記リン含有シルセスキオキサンが、1モル当り1000〜4000グラムの範囲の数平均分子量を有する、請求項1に記載のリン含有シルセスキオキサン。
【請求項7】
熱硬化性樹脂と、

[RSiO1/2[RSiO3/2[RSiO3/2[(RO)PO(CHSiO3/2
(式中、
、R、R、及びRはそれぞれ、独立してヒドロカルビル基を表し;
xは、1〜8の整数を表し;
mは、1.5未満の正の数であり;
n及びqは、0超かつ1未満の正の数であり;
pは、0以上かつ1未満の数であり、(n+p)/qは、0.5〜99の範囲であり、更に(n+p+q)=1である)により表されるリン含有シルセスキオキサンと、を含む、硬化性組成物。
【請求項8】
有効量の熱硬化性樹脂用硬化剤を更に含む、請求項7に記載の硬化性組成物。
【請求項9】
前記熱硬化性樹脂が硬化性エポキシ樹脂を含む、請求項7に記載の硬化性組成物。
【請求項10】
各Rがメチル基を表し;各R及びRが、メチル基、シクロへキシル基、シクロペンチル基、及びイソプロピル基からなる群から独立して選択され;かつxが2である、請求項7に記載の硬化性組成物。
【請求項11】
前記リン含有シルセスキオキサンが、1モル当り500〜10000グラムの範囲の数平均分子量を有する、請求項7に記載の硬化性組成物。
【請求項12】
熱硬化した樹脂と、

[RSiO1/2[RSiO3/2[RSiO3/2[(RO)PO(CHSiO3/2
(式中、
、R、R、及びRはそれぞれ、独立してヒドロカルビル基を表し;
xは、1〜8の整数を表し;
mは、1.5未満の正の数であり;
n及びqは、0超かつ1未満の正の数であり;
pは、0以上かつ1未満の数であり、(n+p)/qは、0.5〜99の範囲であり、更に(n+p+q)=1である)により表されるリン含有シルセスキオキサンと、を含む、硬化した組成物。
【請求項13】
前記熱硬化性樹脂が硬化性エポキシ樹脂を含む、請求項12に記載の硬化性組成物。
【請求項14】
各Rがメチル基を表し;各R及びRが、メチル基、シクロへキシル基、シクロペンチル基、及びイソプロピル基からなる群から独立して選択され;かつxが2である、請求項12に記載の硬化した組成物。
【請求項15】
前記リン含有シルセスキオキサンが、1モル当り500〜10000グラムの範囲の数平均分子量を有する、請求項12に記載の硬化した組成物。

【公表番号】特表2012−509847(P2012−509847A)
【公表日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−535609(P2011−535609)
【出願日】平成21年11月2日(2009.11.2)
【国際出願番号】PCT/US2009/062912
【国際公開番号】WO2010/062709
【国際公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【出願人】(505005049)スリーエム イノベイティブ プロパティズ カンパニー (2,080)
【Fターム(参考)】