説明

難燃性ポリオレフィン組成物および電線・ケーブル

【課題】柔軟性および端末加工性が良好で、かつ機械的強度にも優れるハロゲンフリーの難燃性ポリオレフィン組成物、およびこれを用いた電線・ケーブルを提供する。
【解決手段】(A)(a-1)エチレン・プロピレン・ジエン共重合体50〜80質量%、(a-2)エチレン・酢酸ビニル共重合体10〜25質量%および(a-3)直鎖状ポリエチレン10〜25質量%からなるポリオレフィン100質量部に対して、(B)金属水酸化物50〜120質量部および(C)カーボンブラック3〜20重量部を含有することを特徴とする難燃性ポリオレフィン組成物、および、このような難燃性ポリオレフィン組成物からなる被覆2を有する電線・ケーブルである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、盤内配線用電線や口出し線用電線の絶縁材料などとして有用なハロゲンフリーの難燃性ポリオレフィン組成物、およびこれを用いた電線・ケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、盤内配線や電気機器の口出し線の用途には、クロロスルホン化ポリエチレンを絶縁材料として用いた電線が、柔軟で取り回し性に優れ、また難燃性も良好であることから多用されている。
【0003】
昨今の地球環境保護に対する意識の高まりに伴い、クロロスルホン化ポリエチレンのようなハロゲンを含む材料に代えて、ポリオレフィンに水酸化アルミニウムや水酸化マグネシウムなどの金属水酸化物を多量に添加して難燃化したハロゲンフリーの絶縁材料を用いた電線が使用されるようになってきた。ハロゲンを含む材料は、燃焼時にハロゲン化水素などの有害ガスや大量の煙を発生するからである。
【0004】
しかしながら、上記ハロゲンフリーの絶縁材料を用いた電線は、従来のクロロスルホン化ポリエチレンを用いた電線と比較して、柔軟性が不良で、また、端末加工の際にワイヤストリッパなどの治具を用いて絶縁体を剥ぎ取ろうとすると、絶縁体が伸びてひげ状に残るという問題があった。柔軟性の不良は、難燃性を付与するため多量の金属水酸化物を添加したことによるものであり、また、端末加工の際に絶縁体の端面にひげが形成されるのは、ベースポリマーの伸びが大きいからである。
【0005】
このような問題を解決するためには、例えば柔軟なベースポリマーを用いたり、あるいは、絶縁体を多層構造として剥ぎ取り時にひげが形成されないようにするなどの対策が考えられるが、前者では絶縁体の機械的強度が低下し、後者では、柔軟性が低下する。
【0006】
一方、電線・ケーブルの用途に使用されるハロゲンフリーの難燃性組成物において、その物性を向上させる技術はこれまでにも種々提案されている(例えば、特許文献1参照。)。しかしながら、機械的強度を低下させずに柔軟性および端末加工性を改善したハロゲンフリーの難燃性組成物は未だ得られていない。
【特許文献1】特表2007−512426号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明はこのような従来技術の課題を解決するためになされたもので、盤内配線用電線や口出し線用電線の絶縁材料などとして有用な、柔軟性および端末加工性が良好で、かつ機械的強度にも優れるハロゲンフリーの難燃性ポリオレフィン組成物、およびこれを用いた電線・ケーブルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、請求項1に記載された発明は、(A)(a-1)エチレン・プロピレン・ジエン共重合体50〜80質量%、(a-2)エチレン・酢酸ビニル共重合体10〜25質量%および(a-3)直鎖状低密度ポリエチレン10〜25質量%からなるポリオレフィン100質量部に対して、(B)金属水酸化物50〜120質量部および(C)カーボンブラック3〜20重量部を含有することを特徴とする難燃性ポリオレフィン組成物である。
【0009】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の難燃性ポリオレフィン組成物において、前記(b)エチレン・酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニル含有量が30質量%以上で、かつメルトフローレート(JIS K 7210;190℃、荷重2160g)が1g/10分以下であることを特徴とする難燃性ポリオレフィン組成物である。
【0010】
請求項3に記載された発明は、請求項1または2記載の難燃性ポリオレフィン組成物において、前記(c)直鎖状低密度ポリエチレンは、メタロセン触媒により合成された密度0.890g/cm未満、引張破壊強さ(JIS K 7113)30MPa以上、曲げ剛性率(ASTM D 747)15MPa以下のものであることを特徴とする難燃性ポリオレフィン組成物である。
【0011】
請求項4に記載された発明は、請求項1乃至3のいずれか1項記載の難燃性ポリオレフィン組成物において、前記(B)成分の金属水酸化物は、水酸化マグネシウムおよび/または水酸化アルミニウムを含むことを特徴とする難燃性ポリオレフィン組成物である。
【0012】
請求項5に記載された発明は、請求項1乃至4のいずれか1項記載の難燃性ポリオレフィン組成物において、引張強さ(JIS K 7113)が10MPa以上である難燃性ポリオレフィン組成物である。
【0013】
請求項6に記載された発明は、請求項1乃至5のいずれか1項記載の難燃性ポリオレフィン組成物からなる被覆を有することを特徴とする電線・ケーブルである。
【0014】
請求項7に記載された発明は、請求項6記載の電線・ケーブルにおいて、電線・ケーブルは、盤内配線または口出し線として用いられるものであることを特徴とする電線・ケーブルである。
【発明の効果】
【0015】
本発明の難燃性ポリオレフィン組成物によれば、ハロゲンフリーであって、良好な柔軟性および端末加工性と、十分な機械的強度を併せ持つことができる。また、本発明の電線・ケーブルによれば、ハロゲンフリーの難燃性を有するとともに、良好な柔軟性および端末加工性と、十分な機械的強度を併せ持つ電線・ケーブルとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
【0017】
まず、本発明の難燃性ポリオレフィン組成物について説明する。
【0018】
本発明の難燃性ポリオレフィン組成物のベースポリマーとして使用される(A)ポリオレフィンは、(a-1)エチレン・プロピレン・ジエン共重合体(以下、EPDM)、(a-2)エチレン・酢酸ビニル共重合体(以下、EVA)および(a-3)直鎖状低密度ポリエチレン(以下、LLDPE)である。
【0019】
(a-1)成分のEPDMは、特に限定されるものではないが、物性と加工性のバランスの観点から、エチレン含量が60〜70mol%で、かつヨウ素価が10〜15の範囲のものが好ましい。また、(a-2)成分のEVAとしては、柔軟性と引張強さをバランスさせる観点から、酢酸ビニル(以下、VA)含有量が30質量%以上で、かつメルトフローレート(以下、MFR)(JIS K 7210;190℃、荷重2160g)が1g/10分以下であるものが好ましく、VA含有量が30〜40質量%で、かつMFRが0.5〜1g/10分の範囲のものがより好ましい。さらに、(a-3)成分のLLDPEとしては、EVAの場合と同様、柔軟性と引張強さをバランスさせる観点から、メタロセン触媒により合成された密度が0.890g/cm未満、引張破壊強さ(JIS K 7113)が30MPa以上で、かつ曲げ剛性率(ASTM D 747)が15MPa以下であるものが好ましい。なお、この場合、エチレンに共重合されるコモノマー成分としては、プロピレン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、オクテンなどのα−オレフィンが挙げられるが、特に、ヘキセンが好ましい。
【0020】
本発明においては、(A)ポリオレフィンの上記3成分の配合組成を、(a-1)EPDM50〜80質量%、(a-2)EVA10〜25質量%、(a-3)LLDPE10〜25質量%とする。このような配合組成とすることにより、ハロゲンフリーの難燃性を有しながら、良好な柔軟性、端末加工性および機械的強度を併せ持つ難燃性ポリオレフィン組成物とすることができる。
【0021】
すなわち、(a-1)成分のEPDMの配合量が50質量%未満では、端末加工性が不良となり、逆に80質量%を超えると引張強さが低下する。また、(a-2)成分のEVAの配合量が10質量%未満では、難燃性が不良となり、逆に25質量%を超えると端末加工性が低下する。さらに、(a-3)成分のLLDPEの配合量が10質量%未満では、引張強さが不良となり、逆に25質量%を超えると端末加工性が低下する。(A)ポリオレフィンは、(a-1)EPDM60〜70質量%、(a-2)EVA15〜20質量%、(a-3)LLDPE15〜20質量%の配合組成とすることが好ましい。
【0022】
本発明の難燃性ポリオレフィン組成物の(B)成分の金属水酸化物は、高温に曝されると水を放出し、その際の気化熱で昇温を抑制して難燃効果を発現するものであり、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化カルシウムなどが例示される。これらは1種を単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。(B)成分の金属水酸化物としては、難燃性と物性のバランスの観点から、なかでも水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムが好ましい。なお、金属水酸化物は、ステアリン酸などの高級脂肪酸やシランカップリング剤によって表面処理が施されたものであってもよい。このような表面処理された金属水酸化物を使用することにより、ベースポリマーと混練する際の分散性を高めることができる。(B)成分の金属水酸化物として好ましく使用される市販品を例示すると、例えば協和化学工業社製のキスマ5A、キスマ5L、昭和電工社製のハイジライトH32、ハイジライトH42M(以上、商品名)などが挙げられる。
【0023】
この(B)成分の金属水酸化物の配合量は、(A)成分の合計量100質量部に対して50〜120質量部、好ましくは60〜100質量部である。配合量が50質量部未満では、難燃性が不十分となり、逆に120質量部を超えると柔軟性が不良となる。
【0024】
本発明の難燃性ポリオレフィン組成物の(C)成分のカーボンブラックは、難燃助剤および補強剤として作用する成分であり、市販品を例示すると、例えば東海カーボン社製のシースト116、旭カーボン社製の旭#60H、旭#60HN、三菱化学社製のダイアブラックN550M(以上、商品名)などが挙げられる。
【0025】
この(C)成分のカーボンブラックの配合量は、(A)成分の合計量100質量部に対して3〜20質量部、好ましくは5〜10質量部である。配合量が3質量部未満では、
難燃性が不十分となり、逆に20質量部を超えると柔軟性が不良となる。
【0026】
本発明の難燃性ポリオレフィン組成物は、被覆乃至成形後にポリマー成分を架橋させることが好ましく、これにより耐熱性や機械的特性を向上させることができる。架橋方法は、予め難燃性ポリオレフィン組成物に架橋剤を添加しておき、成形後に架橋させる化学架橋法や、電子線照射による電子線架橋法などを用いることができるが、製造設備の簡便さなどの観点からは、化学架橋法が好ましく、特に有機過酸化物により架橋する方法が好ましい。
【0027】
使用される有機過酸化物としては、1,3−ビス(tert−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルペルオキサイド、ジ−tert−ブチルペルオキサイド、2,5−ジメチルー2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、2,5−ジメチルー2,5−ジ−(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン−3、1,3−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、1,1−ビス(tert−ブチルペルオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、n−ブチル−4,4−ビス(tert−ブチルペルオキシ)バレレート、ベンゾイルオキサイド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキサイド、tert−ブチルペルオキシベンゾエート、tert−ブチルペルオキシイソプロピルカーボネート、ジアセチルペルオキサイド、ラウロイルペルオキサイド、tert−ブチルクミルペルオキサイドなどが挙げられる。
【0028】
本発明の難燃性ポリオレフィン組成物には、以上説明した成分の他、さらに、本発明の効果を阻害しない範囲で、必要に応じて、滑剤、老化防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、光安定剤、充填剤、補強剤、可塑剤、軟化剤、加工助剤、架橋助剤、帯電防止剤、金属水酸化物以外の難燃剤、その他の添加剤を配合することができる。
【0029】
本発明の難燃性ポリオレフィン組成物は、引張強さ(JIS K 7113)が、10MPa以上であることが好ましく、11MPa以上であることがより好ましい。引張強さ(JIS K 7113)が10MPaに満たないと、機械的強度が不十分となり、盤内配線や口出し線などの用途に用いる電線・ケーブルの絶縁材料、被覆材料として適用することが困難になる。
【0030】
本発明の難燃性ポリオレフィン組成物は、前述した(A)〜(C)成分および必要に応じて配合される各成分をバンバリーミキサー、加圧ニーダ、混練押出機、ミキシングロールなどの通常の混練機を用いて均一に混練することにより容易に製造することができる。
【0031】
また、このようにして得られた組成物を、導体外周に直接もしくは他の被覆を介して押出し被覆することにより、本発明の電線・ケーブルが製造される。なお、前述したように、組成物は、被覆後、架橋することが好ましい。
【0032】
本発明の絶縁用樹脂組成物は、例えば盤内配線用電線や口出し線用電線などの各種絶縁電線、電力ケーブル、高圧電子機器用ケーブル、制御用ケーブル、通信ケーブル、計装用ケーブル、信号用ケーブル、移動用ケーブルなどの各種ケーブルの絶縁材、シース材をはじめ、プラグなどの電線・ケーブルの付属品などの用途に広く用いることができる。特に、本発明の難燃性ポリオレフィン組成物は、柔軟性および端末加工性が良好で、かつ機械的強度にも優れているので、盤内配線用電線や口出し線用電線の絶縁体材料として有用である。
【0033】
図1は、本発明の電線・ケーブルの一実施形態を示す横断面図である。
【0034】
図1において、1は、例えば断面積が5.5mmの銅導体を示し、この銅導体1上には、前述した難燃性ポリオレフィン組成物を押出被覆した後、架橋することによって、例えば厚さ1mmの絶縁体2が形成されている。
【0035】
このように構成される絶縁電線においては、ハロゲンフリーの難燃性を有するため、燃焼時に有害なガスや多量の煙を発生することがなく環境保全性に優れている。しかも、柔軟性が良好で、端末加工の際に絶縁体がヒゲ状に伸びることはなく、かつ十分な機械的強度を有している。
【実施例】
【0036】
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0037】
実施例1〜9、比較例1〜9
下記に示すEPDM、EVAおよびLLDPE、金属水酸化物として脂肪酸により表面処理した水酸化マグネシウム(協和化学工業社製 商品名 キスマ5A)および水酸化アルミニウム(昭和電工社製 商品名 ハイジライトH42M)、カーボンブラック(東海カーボン社製 商品名 シースト116)、並びに、有機過酸化物として1,3‐ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼンを用い、表1および表2に示す配合割合で各成分を二軸押出機により均一に混練してコンパウンドを得、これを、断面積5.5mmの銅導体上に1mm厚さに押出被覆し、常法により架橋して絶縁電線を製造した。
EPDM:ムーニー粘度ML1+4100℃ 38、エチレン含量 68mol%、
DCPD(ジシクロペンタジエン)含量 6.2質量%、ヨウ素価 12
EVA(1):MFR 0.5g/10分、VA含有量 33質量%
密度 0.960g/cm
EVA(2):MFR2.5g/10分、VA含有量46質量%
密度 0.980g/cm
LLDPE(1):メタロセン触媒により合成(コモノマーとしてヘキセンを使用)、密度 0.880g/cm、引張破壊強さ 32MPa、
曲げ剛性率11MPa
LLDPE(2):メタロセン触媒により合成(コモノマーとしてヘキセンを使用)、密度 0.898g/cm、引張破壊強さ52MPa、
曲げ剛性率50MPa
【0038】
得られた絶縁電線について下記に示す方法で各種特性を評価した。
[引張強さ]
JIS C 3005に準拠して測定した。
[柔軟性]
150mm長さの電線試料の一端部(長さ50mm)を水平面に固定し、他端に質量100gの錘をぶら下げたときの試料(長さ100mm)の撓み量(mm)を測定した。
[端末加工性]
ワイヤストリッパで絶縁体の剥ぎ取りを行い、端面にヒゲ状に残った部分の長さを測定し、1mm未満の場合を合格(○)、1mm以上の場合を不合格と判定した。
[難燃性]
JIS C 3005に規定される60度傾斜燃焼試験を行い、着火後60秒以内に自然消火した場合を合格(○)、自然消火しないかまたは自然消火に要した時間が60秒を超えた場合を不合格(×)と判定した。
【0039】
これらの評価結果を表1および表2の下欄に示す。
【0040】
【表1】

【0041】
【表2】

【0042】
表1から明らかなように、実施例で得られた絶縁電線はいずれも引張強さが10MPa以上と十分な機械的強度を有しており、また、柔軟性についても撓み量が50mm以上と良好であった。さらに、端末加工性および難燃性も良好であった。特に、EVAとして、酢酸ビニル含有量が30質量%以上で、MFR(JIS K 7210;190℃、荷重2160g)が1g/10分以下であるという条件を満足するものを用い、かつLLDPEとして、メタロセン触媒により合成され、密度が0.890g/cm未満、引張破壊強さ(JIS K 7113)が30MPa以上、曲げ剛性率が15MPa以下であるという条件を満足するものを用いた実施例1〜6では、機械的強度および柔軟性のバランスがより良好であった。
【0043】
これに対し、比較例では、引張強さ、柔軟性および端末加工性に優れるものの難燃性に乏しい比較例1のように、引張強さ、柔軟性、端末加工性および難燃性が全て良好であるものはなかった。
【図面の簡単な説明】
【0044】
【図1】本発明の電線・ケーブルの一実施形態を示す横断面図である。
【符号の説明】
【0045】
1…銅導体、2…絶縁体。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)(a-1)エチレン・プロピレン・ジエン共重合体50〜80質量%、(a-2)エチレン・酢酸ビニル共重合体10〜25質量%および(a-3)直鎖状低密度ポリエチレン10〜25質量%からなるポリオレフィン100質量部に対して、(B)金属水酸化物50〜120質量部および(C)カーボンブラック3〜20重量部を含有することを特徴とする難燃性ポリオレフィン組成物。
【請求項2】
前記(a-2)エチレン・酢酸ビニル共重合体は、酢酸ビニル含有量が30質量%以上で、かつメルトフローレート(JIS K 7210;190℃、荷重2160g)が1g/10分以下であることを特徴とする請求項1記載の難燃性ポリオレフィン組成物。
【請求項3】
前記(a-3)直鎖状低密度ポリエチレンは、メタロセン触媒により合成された密度0.890g/cm未満、引張破壊強さ(JIS K 7113)30MPa以上、曲げ剛性率(ASTM D 747)15MPa以下のものであることを特徴とする請求項1または2記載の難燃性ポリオレフィン組成物。
【請求項4】
前記(B)成分の金属水酸化物は、水酸化マグネシウムおよび/または水酸化アルミニウムを含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項記載の難燃性ポリオレフィン組成物。
【請求項5】
引張強さ(JIS K 7113)が10MPa以上であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項記載の難燃性ポリオレフィン組成物。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれか1項記載の難燃性ポリオレフィン組成物からなる被覆を有することを特徴とする電線・ケーブル。
【請求項7】
電線・ケーブルが、盤内配線または口出し線として用いられるものであることを特徴とする請求項6記載の電線・ケーブル。

【図1】
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【公開番号】特開2009−280631(P2009−280631A)
【公開日】平成21年12月3日(2009.12.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−130950(P2008−130950)
【出願日】平成20年5月19日(2008.5.19)
【出願人】(306013120)昭和電線ケーブルシステム株式会社 (218)
【Fターム(参考)】