説明

雰囲気処理装置

【課題】アクチュエータやセンサ、制御装置等が不要な簡単な構成で、しかもプリント配線板上の電子部品を損傷することなく、プリント配線板の搬入や搬出に合わせて搬入口や搬出口等の開口を自動開閉して、不必要な雰囲気の拡散を防止すること。
【解決手段】 搬入口102を塞ぐ開閉板107を搬入口102の上方側位置をその揺動軸として揺動可能に吊り下げて設け、搬入コンベア104に設けられたプリント配線板101の支持位置よりも該プリント配線板の内側の位置であって該プリント配線板の搬送方向Aから見て電子部品118が搭載されていな領域(保持部116)に搬送に際して摺接する凸状体114を開閉板107に設け、凸状体114の開閉板107の板面からの高さを、プリント配線板101が搬入口102を通過する際にプリント配線板101に搭載された電子部品118に揺動する開閉板107の下端が当接しない高さとする構成を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、その表面に電子部品が搭載されて立体形状を有するプリント配線板を、隔離された雰囲気中で処理するプリント配線板の雰囲気処理装置に関する。具体的には、プリント配線板に薬液を塗布するフラックス塗布装置や溶融はんだを供給することではんだ付けを行うフローはんだ付け装置、さらには予め供給されたはんだを加熱して溶融させることではんだ付けを行うリフローはんだ付け装置、加熱されたプリント配線板を冷却する急冷装置、等々に関する。
【背景技術】
【0002】
電子回路が形成されるプリント配線板は多数の電子部品がはんだ付け実装されて構成される。このはんだ付け実装には、薬液(例えば、フラックス)を使用したり高い温度に加熱したり等々の処理が行われるために、周囲の雰囲気から隔離して処理が行われる。
【0003】
例えば、特許文献1には、プリント配線板に霧状にしたフラックスを塗布する技術が開示されている。また、特許文献2には、非酸化性の不活性ガス(例えば窒素ガス)雰囲気中ではんだ付けを行う技術が開示されている。さらに、特許文献3には、封止性の高いチャンバ内でフローはんだ付けやリフローはんだ付けが行われる際の冷却技術ついて開示されている。
【0004】
これらの装置では、装置内の雰囲気とその周囲の雰囲気とを隔離するための技術が用いられている。
【0005】
例えば、特許文献1では装置外へのフラックスの流出を抑制するために補助フードを設けたり、特許文献2や特許文献3ではチャンバ内での雰囲気流動を抑止したりチャンバ内への大気の流入またチャンバ内からの雰囲気の流出を抑止するためにラビリンスシールを設けたりしている。この他にも、アクチュエータによりシャッタの開閉動作を行わせて、搬入口や搬出口の開口をプリント配線板の搬入および搬出に合わせて自動開閉し、これによりチャンバ内の雰囲気を隔離する周知の技術がある。
【特許文献1】特開平7−202397号公報
【特許文献2】特開平6−198486号公報
【特許文献3】特開平7−202405号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記特許文献1の技術では、漏れ出しては困る雰囲気を補助フードで排出するもので、この技術そのものでは装置の内外の雰囲気を隔離する封止性そのものを向上させることはできない。
【0007】
また、上記特許文献2や特許文献3の技術では、封止性を向上させるためのラビリンスシール部が必要となり、その分だけ装置の長さすなわちプリント配線板の搬送方向における装置の長さが長くなり、装置が大型化してしまう。また、プリント配線板に搭載されている電子部品のプリント配線板上における高さが高くなる程ラビリンスシールを構成する板状部材のプリント配線板の方向への長さを短くする必要があり、すなわちラビリンスシールの開口部分を広くする必要が生じ、その封止性が低下してしまう。
【0008】
周知の自動開閉シャッタの技術では、シャッタの開閉とその制御を行うアクチュエータやセンサ、制御装置、等が別途に必要となる等して装置が複雑化してしまう。
【0009】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、本発明の目的は、アクチュエータやセンサ、制御装置、等が不要な簡単な構成で、プリント配線板の搬入や搬出に合わせて搬入口や搬出口等の開口を自動開閉し、しかもプリント配線板に搭載されている高さの高い電子部品に開閉手段が当接することもない雰囲気保持装置を実現することによって、雰囲気ガスの単位時間当たりの消費量を低減したり、不必要な雰囲気の拡散を防止して作業環境を良好にしたり、熱エネルギーの拡散を防止する等して、ランニングコストが低く清潔で安全な作業環境を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、周囲の雰囲気とは隔離した雰囲気中で電子部品(図1に示す118)が搭載されたプリント配線板(図1に示す101)を処理するための雰囲気保持体(図1に示す100)を設け、該雰囲気保持体に前記プリント配線板の搬入口としての開口(図1に示す102)と搬出口としての開口(図1に示す103)、あるいはそれらを兼用する搬入出口としての開口(図6に示す601)を設けた雰囲気処理装置において、前記各開口を塞ぐ開閉板(図1に示す107,108)を該開口の上方側位置をその揺動軸として揺動可能に吊り下げて設け、前記各開口を介して前記プリント配線板を支持して前記雰囲気保持体内へ搬送又は前記雰囲気保持体から搬出するための搬送コンベア(図1に示す104,105,106,図6に示す604)を設け、前記搬送コンベアに設けられた前記プリント配線板の支持位置よりも該プリント配線板の内側の位置であって該プリント配線板の搬送方向から見て電子部品が搭載されていな領域に搬送に際して摺接する凸状体(図1に示す114,115)を前記開閉板に設けたものであり、前記凸状体は、該凸状体の前記開閉板の板面からの高さが、前記プリント配線板が前記開口を通過する際に前記プリント配線板に搭載された電子部品に前記揺動する開閉板の下端が当接しない高さであることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、周囲の雰囲気とは隔離した雰囲気中で電子部品(図4に示す118)が搭載されたプリント配線板(図4に示す101)を処理するための雰囲気保持体を設け、該雰囲気保持体に前記プリント配線板の搬入口としての開口(図4に示す102)と搬出口としての開口(図4に示す103)、あるいはそれらを兼用する搬入出口としての開口(図6に示す601)を設けた雰囲気処理装置において、前記各開口を塞ぐ開閉板(図4に示す107,108)を該開口の上方側位置をその揺動軸として揺動可能に吊り下げて設け、前記プリント配線板を保持するキャリア(図4に示す400)を設け、前記各開口を介して前記キャリアを支持して前記雰囲気保持体内へ搬送又は前記雰囲気保持体から搬出するための搬送コンベア(図4に示す104,105,106,図6に示す604)を設け、前記搬送コンベアによる前記キャリアの搬送に際して前記キャリアに摺接する凸状体(図4に示す114,115)を前記開閉板に設けたものであり、前記凸状体は、該凸状体の前記開閉板の板面からの高さが、前記キャリアが前記開口を通過する際に前記プリント配線板に搭載された電子部品に前記揺動する開閉板の下端が当接しない高さであることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明は、前記開口の下方側に上方へ向けて植毛体(図2に示す201,202)を設け、前記植毛体は、該植毛体の毛先が前記開閉板の下端に当接あるいは近接することを特徴とする。
【0013】
また、本発明は、前記開閉板の吊り下げ長さを、前記開口を塞ぐ長さに構成し、前記開閉板に設けられた弧状体が揺動する際に通過するスリット(図3に示す301,302)を前記開口の下方側に設けたことを特徴とする。
【0014】
さらに、本発明は、周囲の雰囲気とは隔離した雰囲気中で電子部品(図5に示す118)が搭載されたプリント配線板(図5に示す101)を処理するための雰囲気保持体(図5に示す100)を設け、該雰囲気保持体に前記プリント配線板の搬入口としての開口(図5に示す102)と搬出口としての開口(図5に示す103)、あるいはそれらを兼用する搬入出口としての開口(図6に示す601)を設けた雰囲気処理装置において、前記各開口を塞ぐ開閉板(図5に示す107,108)を該開口の上方側位置をその揺動軸として揺動可能に吊り下げて設け、前記プリント配線板を保持するキャリア(図5に示す400)を設け、前記各開口を介して前記キャリアを支持して前記雰囲気保持体内へ搬送又は前記雰囲気保持体から搬出するための搬送コンベア(図5に示す104,105,106,図6に示す604)を設け、前記搬送コンベアによる前記キャリアの搬送に際して前記開閉板に摺接する凸状体(図5に示す501)を前記キャリアに設けたものであり、前記凸状体は、該凸状体の前記キャリアからの高さが、前記キャリアが前記開口を通過する際に前記プリント配線板に搭載された電子部品に前記揺動する開閉板の下端が当接しない高さであることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
本発明のプリント配線板の雰囲気処理装置によれば、アクチュエータやセンサ、制御装置、等が不要な簡単な構成で、プリント配線板の搬入や搬出に合わせて搬入口や搬出口等の開口を自動開閉し、しかもプリント配線板に搭載されている高さの高い電子部品に開閉手段が当接することもない雰囲気保持性の高い雰囲気処理装置を実現することができる。
【0016】
その結果、低コストでランニングコストも必要とせずに、雰囲気ガスの単位時間当たりの消費量を低減したり熱エネルギーの拡散を防止し、また、不必要な雰囲気の拡散を防止して作業環境を清潔に保つことができる等の効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明のプリント配線板の雰囲気処理装置は、以下に示すような形態において実現することができる。
【0018】
〔第1実施形態〕
図1は、本発明の第1実施形態を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明する図である。特に図1Aはプリント配線板の搬送方向に対する縦断面を示す図に対応する。また、図1Bは搬入口(搬出口)を搬入(搬出)方向手前から見た斜視図に対応する。さらに、図1Cは搬入口(搬出口)を搬入(搬出)方向後ろ側から見た斜視図に対応する。なお、図1A,図1B,図1Cにおいて、同一のものには同一の符号を付してある。
【0019】
また、図1A,図1B,図1Cにおいて、搬送コンベアについては略図を用いている。
【0020】
具体的には、プリント配線板の両側端部を保持(支持)する平行2条の走行体によって搬送される。すなわち、いわゆるチェーンコンベア(チェーンからピンが突出して列を構成し、このピン列にプリント配線板の側端部を載置し支持するコンベア)やチェーンコンベアにプリント配線板の保持爪や押圧挟持手段を設けて、プリント配線板の側端部を支持したり保持して搬送する構成である。そして、図1に示す支持体117が、これらのピンや保持爪、押圧挟持手段に相当する。なお、実開平6−55290号公報や特開平1−133668号公報に開示される技術が参考になる。
【0021】
図1において、100は雰囲気保持体であり、周囲の雰囲気とは異なる雰囲気を形成し保持する。この雰囲気保持体100には、プリント配線板101の搬入口102と搬出口103とを設けてあり、この搬入口102から搬出口103にかけてプリント配線板101を搬送するための搬送コンベア105を設けてある。また、搬入口102にプリント配線板101を搬入する搬入コンベア104と搬出口103からプリント配線板101を搬出する搬出コンベア106を設けてある。なお、矢印Aは搬送方向を示す。
【0022】
なお、雰囲気保持体100内には、噴霧式フラックス塗布装置の場合は霧状フラックス発生装置(不図示)等が備えられ、フローはんだ付け装置では予備加熱装置や溶融はんだの噴流装置や冷却装置(不図示)等が備えられ、さらにリフローはんだ付け装置では各種の加熱装置や冷却装置(不図示)等が備えられている。また、雰囲気保持体内に低酸素濃度の不活性ガス雰囲気を形成するはんだ付け装置にあっては、さらに窒素ガスの供給装置(不図示)を備えている。
【0023】
そして、搬入口102(搬出口103)には、開閉板107(108)がヒンジ109(110)により揺動自在に吊り下げてあり、付勢ばね112(113)により搬入口102(搬出口103)を閉じる方向Bに付勢されている。
【0024】
また、この開閉板107(108)には凸状体すなわち弧状体114(115)を設けてあり、搬入コンベア104(搬送コンベア105)により搬入,搬出されるプリント配線板101の両側端部すなわち電子部品が搭載されていない保持部(いわゆる捨て板部分)116に摺接する位置に設けてある。
【0025】
このように、本実施形態は、プリント配線板101の電子部品118が搭載されていない領域(保持部116)に、弧状体114(115)を摺接して開閉板107(108)を開閉するように構成している。
【0026】
なお、弧状体114(115)は、該弧状体114(115)の開閉板107(108)の板面からの高さが、プリント配線板101が搬入口102(搬出口103)を通過する際に、プリント配線板101に搭載された電子部品118に、前記揺動する開閉板107(108)の下端が当接しない高さとなるように選定されたもので構成する。
【0027】
また、開閉板107(108)を鉄等の部材により構成し、弧状体114(115)の取り付け面側に磁石等を設けておけば、この弧状体の開閉板107(108)における取り付け位置を容易に変更できるので、プリント配線板101の種類が変わったりした場合においても、その取り付け間隔を容易に変更できる。
【0028】
また、開閉板107(108)に横方向に長孔を設けてこの長孔を介して弧状体114(115)をねじ固定するように構成すれば、長孔に沿って弧状体114(115)の取り付け位置を変更することができる。また、プリント配線板101の両側端部(保持部116)以外の領域において電子部品が搭載されていない領域(この領域は、搬送方向Aに沿って直線状に形成された領域)があれば、その領域に弧状体が摺接するように弧状体114(115)の取り付け位置を決めても良い。
【0029】
また、プリント配線板101に搭載された電子部品118の高さに応じて、高さの異なる弧状体114(115)に変更することも可能である。
【0030】
このように構成された雰囲気保持体100にプリント配線板101が搬入口102から搬入されると(搬出口103から搬出されると)、このプリント配線板101の両側端部(保持部116)が弧状体114を押し上げることで開閉板107が開き、弧状体114はプリント配線板101に摺接しつつも電子部品に当接することがない状態でプリント配線板101が雰囲気保持体100内へ搬入される(雰囲気保持体100から搬出される)。
【0031】
また、ヒンジ109から見た開閉板107の長さも弧状体114の長さよりも短くしてあり、プリント配線板101に搭載された最も高さの高い電子部品に開閉板の下端部が当接しないように構成してある。
【0032】
そして、プリント配線板101が雰囲気保持体100内へ完全に搬入されると(雰囲気保持体100から外に完全に搬出されると)、弧状体114のプリント配線板101への摺接が解除され、開閉板107が付勢ばね112の付勢力により閉じて搬入口102(搬出口103)が閉じる。
【0033】
以上示したように、本実施形態のプリント配線板の雰囲気処理装置によれば、アクチュエータやセンサ、制御装置、等が不要な簡単な構成で、プリント配線板の搬入や搬出に合わせて搬入口や搬出口等の開口を自動開閉し、しかもプリント配線板に搭載されている高さの高い電子部品に開閉手段が当接することもない、雰囲気保持製の高い雰囲気処理装置を実現することができる。
【0034】
その結果、低コストでランニングコストも必要とせずに、雰囲気ガスの単位時間当たりの消費量を低減したり熱エネルギーの拡散を防止し、また、不必要な雰囲気の拡散を防止して作業環境を清潔に保つことができる。
【0035】
〔第2実施形態〕
図2は、本発明の第2実施形態を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明する図である。なお、図1と同等に図2Aはプリント配線板の搬送方向に対する縦断面を示す図に対応する。また、図2Bは搬入口(搬出口)を搬入(搬出)方向手前から見た斜視図に対応する。さらに、図2Cは搬入口(搬出口)を搬入(搬出)方向後ろ側から見た斜視図に対応する。なお、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0036】
本実施形態と上記第1実施形態との相違点は、図2B,図2Cに示すように、搬入口102(搬出口103)の下方側に上方へ向けて柔らかい植毛体201(202)を設けてあり、この植毛体201(202)の毛先が開閉板107(108)の下端に当接あるいは近接するように設けた構成である。
【0037】
この構成により、弧状体114(115)ひいては開閉板107(108)の揺動に差し支えることがないようにしつつ、搬入口102(搬出口103)の下方領域において生じる僅かな隙間を塞ぐことができるようになる。なお、植毛体201(202)に代えて細い(弧状体の厚さと同等以下の幅)短冊状のフィルム体を使用するように構成してもよい。
【0038】
以上示したように、より雰囲気保持性の高い雰囲気処理装置を実現し、不必要な雰囲気の拡散をより確実に抑えることができる。
【0039】
〔第3実施形態〕
図3は、本発明の第3実施形態を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明する図である。なお、図1と同等に図3Aはプリント配線板の搬送方向に対する縦断面を示す図に対応する。また、図3Bは搬入口(搬出口)を搬入(搬出)方向手前から見た斜視図に対応する。さらに、図3Cは搬入口(搬出口)を搬入(搬出)方向後ろ側から見た斜視図に対応する。なお、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0040】
本実施形態と上記第1実施形態との相違するのは、図3B,図3Cに示すように、開閉板107(108)の吊り下げ長さを、搬入口102(搬出口103)の開口を塞ぐ長さに構成し、この開閉板107(108)に設ける弧状体114(115)が揺動する際に通過するスリット部301(302)を雰囲気保持体100に設けている点である。
【0041】
これにより、上記第2実施形態において、図2に示したような植毛体201(202)を設けることなく、開閉板107(108)により搬入口102(搬出口103)を塞ぐことができるようになる。
【0042】
なお、プリント配線板101の種類が変わって弧状体114(115)を設ける位置を変更する際には、スリット部301(302)を設ける位置も変更しなければならない。
【0043】
一般的に、平行2条に構成される搬送コンベア104(搬送コンベア105)は一方のコンベア条を固定し他方のコンベア条を幅方向(矢印A方向と直交する方向(図3Dに示す矢印D方向))に移動するように構成されている。この構成を図3Dに示す。
【0044】
そのため、図3Dの303(304)に示すように、上記コンベア条が移動する側のスリット部のスリット幅を大きくする。そして、該スリット部303(304)に、スリット部305(306)を備えた目隠し用の板状部材307(308)を搬入口102(搬出口103)を形成する雰囲気保持体100の開口に張りつけて、搬入口102(搬出口103)をスリット形成する。
【0045】
そして、この板状部材307(308)を、プリント配線板101の幅方向(矢印D方向)に移動することで、スリット部305(306)の位置を移動できるように構成すれば良い。
【0046】
なお、雰囲気保持体100を鉄等の部材により構成し、板状部材307(308)の取り付け面側に磁石等を設けておけば、この板状部材307(308)の雰囲気保持体100における取り付け位置を容易に変更できる。
【0047】
また、板状部材307(308)は、雰囲気保持体100に横方向に長孔を設けてこの長孔を介して板状部材307(308)をねじ固定するように構成すれば、長孔に沿って弧状体114(115)の取り付け位置を変更することができる。
【0048】
さらに、プリント配線板101の種類に合わせた板状部材307(308)を用意しておいて、この板状部材307(308)を交換するように構成しても良い。
【0049】
以上示したように、より雰囲気保持性の高い雰囲気処理装置を実現し、不必要な雰囲気の拡散をより確実に抑えることができる。
【0050】
〔第4実施形態〕
上記第1〜3本実施形態では、プリント配線板101の電子部品118が搭載されていない領域(保持部116)に、弧状体114(115)を摺接して開閉板107(108)を開閉する構成について説明したが、以下、プリント配線板の搬送にキャリアを使用した例について説明する。
【0051】
図4は、本発明の第4実施形態を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明する図である。なお、図4Aはプリント配線板の搬送方向に対する縦断面を示す図に対応する。また、図4Bは搬入口においてキャリアに保持されたプリント配線板が搬入される様子を示す斜視図に対応する。なお、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0052】
図4Bに示すように、プリント配線板101をキャリア400に保持しておいてこのキャリア400を搬入コンベア104,搬送コンベア105,搬出コンベア106で搬送することでプリント配線板101を搬送することが行われている。
【0053】
これにより、プリント配線板101の種類が変わっても搬入コンベア104,搬送コンベア105,搬出コンベア106の幅を可変する必要がなく、各種のプリント配線板101を連続して処理する混流処理が可能になるからである。
【0054】
キャリア400は、金属や樹脂等の丈夫な部材により構成され、その枠の内側に移動しない固定保持体401と圧縮ばね404により付勢された可動保持体402とを有し、矢印C方向の付勢力によりプリント配線板101を保持する仕組みである。
【0055】
なお、キャリア400には各種の種類があるが、通常このような枠状のフレームを有している。そして、その両側部に搬送用の被保持部403が設けられ、この被保持部403を搬入コンベア104(搬送コンベア105,搬出コンベア106)で保持して矢印A方向に搬送する。
【0056】
したがって、開閉板107(108)に設ける弧状体114(115)の位置をキャリア400の両側部の位置に合わせておくことにより、プリント配線板101の搬入(搬出)に合わせて弧状体がキャリアにより押し上げられて開閉板107(108)が開き、プリント配線板101が雰囲気保持体100内へ搬入される(雰囲気保持体100から搬出される)。搬入(搬出)が完了すれば弧状体114(115)の摺接が解除され、開閉板107(108)が矢印B方向に揺動下降して搬入口102(搬出口)を塞ぐことができる。
【0057】
この場合においても、キャリア400に保持された電子部品のプリント配線板101上における高さが高くてキャリア400の枠体よりも上方に飛び出す場合もある。しかし、プリント配線板101の搬送方向Aから見てその前端と後退よりもキャリア400の枠体が長くそして大きく構成されているので、弧状体114(115)の開閉板107(108)上における高さを適切な高さに選定したもので構成する。このように構成することにより、図4(a)のように開閉板107(108)により搬入口102(搬出口103)を塞ぐ長さとしても、プリント配線板101の搬入(搬出)に際してこの開閉板107(108)の下端がプリント配線板101に搭載されている電子部品118に当接することがないものとなる。
【0058】
以上示したように、雰囲気保持性の高い雰囲気処理装置を実現し、不必要な雰囲気の拡散を抑えることができる。
【0059】
なお、本実施形態と上記第2実施形態又は第3実施形態を合わせた構成でもよい。
【0060】
〔第5実施形態〕
図5は、本発明の第5実施形態を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明する図である。なお、図4と同等に図5Aはプリント配線板の搬送方向に対する縦断面を示す図に対応する。また、図5Bは搬入口においてキャリアに保持されたプリント配線板が搬入される様子を示す斜視図に対応する。なお、図1と同一のものには同一の符号を付してある。
【0061】
本実施形態は、図4で示した上記第4実施形態において開閉板107(108)に設けられた弧状体を、キャリア400の枠体の両側部に設けたものであり、その作動も図4と同様に行われる。
【0062】
また、図1〜図3で示した上記第1〜3実施形態では、プリント配線板101に弧状体を設けることができないが、本実施形態のように、キャリア400を使用する場合には、図5Bに示すように、このキャリア400に弧状体501を設ける。この弧状体501は、該弧状体501のキャリア400からの高さが、該キャリア400が搬入口102(排出口103)を通過する際に、プリント配線板101に搭載された電子部品118に前記揺動する開閉板107(108)の下端が当接しない高さとなるように選定されたもので構成する。これにより、プリント配線板101の搬入(搬出)に際してプリント配線板101に搭載された電子部品118に開閉板107(108)が当接しないように開閉させることができる。
【0063】
以上示したように、雰囲気保持性の高い雰囲気処理装置を実現し、不必要な雰囲気の拡散を抑えることができる。
【0064】
〔第6実施形態〕
上記第1〜5本実施形態では、プリント配線板を搬入する搬入口と、プリント配線板101を搬出する搬出口とをそれぞれ設けた構成について説明したが、以下、プリント配線板を搬入及び搬出する搬入出口を1つ設ける構成について説明する。
【0065】
図6は、本発明の第6実施形態を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明する図であり、プリント配線板の搬送方向に対する縦断面を示す図に対応する。
【0066】
本実施形態の雰囲気処理装置には、雰囲気保持体100に開口が1つしかなく、この開口(搬入出口601)を搬入口と搬出口とに兼用している場合の例である。
【0067】
このような場合には、図6に示すように、図1〜図4で示した上記第1〜4実施形態で説明した開閉板602を、雰囲気保持体の内側にも外側にも揺動するようにヒンジ603により吊り下げて設け、弧状体114,115も開閉板602の両面すなわち雰囲気保持体100の内側と外側との両方に設けるように構成すれば良い。
【0068】
これにより、プリント配線板100が搬入出コンベア604により搬入される際にも搬出される際にも、弧状体114,115により開閉板602が押し上げられて、搬入出口601が開き、搬入や搬出が完了すれば搬入出口601が閉じるようになる。
【0069】
なお、本実施形態と上記第2〜4実施形態のいずれかを合わせた構成でもよい。
【0070】
また、弧状体114(115)は、該弧状体114(115)の開閉板602の板面からの高さが、プリント配線板101が搬入出口601を通過する際に、プリント配線板101に搭載された電子部品118に、前記揺動する開閉板602の下端が当接しない高さとなるように選定されたもので構成する。
【0071】
さらに、上記第5実施形態のように、キャリア400に弧状体を設ける場合には、雰囲気保持体100の内側にも外側にも揺動するようにヒンジ603により開閉板602を吊り下げておくだけで良い。すなわち、キャリア400に設けた弧状体により開閉板602が押し上げられて開き、搬入や搬出が完了すれば下方方向を向いて搬出入口を塞ぐことができる。
【0072】
なお、キャリア400に設けられた弧状体は、該弧状体のキャリア400からの高さが、該キャリア400が搬入出口601を通過する際に、プリント配線板101に搭載された電子部品118に前記揺動する開閉板602の下端が当接しない高さとなるように選定されたもので構成する。
【0073】
以上示したように、雰囲気保持性の高い雰囲気処理装置を実現し、不必要な雰囲気の拡散を抑えることができる。
【0074】
なお、周囲の雰囲気とは隔離した雰囲気中でプリント配線板を処理する装置以外にも、周囲の雰囲気とは隔離した雰囲気中で板状部材に立体形状部材が搭載された形状の非処理部材を処理するための雰囲気保持体を有し、該雰囲気保持体に前記プリント配線板の搬入口としての開口と搬出口としての開口、あるいはそれらを兼用する搬入出口としての開口を設けた処理装置であれば、どのような装置にも、本発明は適用可能である。
【0075】
また、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づき種々の変形(各実施形態の有機的な組合せを含む)が可能であり、それらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0076】
本発明の様々な例と実施形態を示して説明したが、当業者であれば、本発明の趣旨と範囲は、本明細書内の特定の説明に限定されるのではない。
【0077】
以上示したように、アクチュエータやセンサ、制御装置、等が不要な簡単な構成で、プリント配線板の搬入や搬出に合わせて搬入口や搬出口等の開口を自動開閉し、しかもプリント配線板に搭載されている高さの高い電子部品に開閉手段が当接することもない雰囲気保持装置を実現することによって、雰囲気ガスの単位時間当たりの消費量を低減したり、不必要な雰囲気の拡散を防止して作業環境を良好にしたり、熱エネルギーの拡散を防止する等して、ランニングコストが低く清潔で安全な作業環境を実現する雰囲気処理装置を提供することができる。
【0078】
以上示したように、本発明は、プリント配線板に電子部品が搭載されていない領域やプリント配線板を搬送する際の被保持用に設けられたいわゆる捨て基板の領域を利用して、プリント配線板に搭載された電子部品に開閉手段が当接しないようにして搬入口や搬出口等の開口を開閉させることを特徴とする。
【0079】
すなわち、周囲の雰囲気とは隔離した雰囲気中で電子部品が搭載されたプリント配線板を処理するための雰囲気保持体に、前記プリント配線板の搬入口としての開口と搬出口としての開口、あるいはそれらを兼用する搬入出口としての開口を設けると供に、これらの開口を塞ぐ開閉板を該開口の上方側位置をその揺動軸として揺動可能に吊り下げて設ける。また、プリント配線板を前記雰囲気保持体内へ搬送するための搬送コンベアが設けられる。そして、前記搬送コンベアに設けられたプリント配線板の支持体の位置よりもプリント配線板の内側の位置であって、このプリント配線板の搬送方向から見て電子部品が搭載されていな領域に搬送に際して摺接する凸状体を前記開閉板に設けると供に、この凸状体の前記開閉板の板面からの高さが前記プリント配線板が前記開口を通過する際に前記電子部品に前記揺動する開閉板の下端が当接しない高さに構成したことを特徴とする。
【0080】
また、プリント配線板を前記雰囲気保持体内へ搬送するためにこのプリント配線板を保持するキャリアを使用する場合には、搬送に際して前記キャリアに摺接する凸状体を前記開閉板に設けると供に、この凸状体の前記開閉板の板面からの高さが前記キャリアが前記開口を通過する際に前記プリント配線板に搭載された電子部品に前記揺動する開閉板の下端が当接しない高さに構成したことを特徴とする。
【0081】
また、同様にプリント配線板を前記雰囲気保持体内へ搬送するためにこのプリント配線板を保持するキャリアを使用する場合において、搬送に際して前記開閉板に摺接する凸状体を前記キャリアに設けると供に、この凸状体の前記キャリアからの高さがこのキャリアが前記開口を通過する際に前記プリント配線板に搭載された電子部品に前記揺動する開閉板の下端が当接しない高さに構成したことを特徴とする。
【0082】
このように構成することにより、プリント配線板の搬入や搬出に合わせて開閉板に設けた凸状体がプリント配線板の電子部品が搭載されていない領域に摺接しながらこの開閉板も持ち上げて搬入口や搬出口の開口を開き、搬入や搬出が終了すると摺接が解除されてその開口を閉じることができる。しかも、プリント配線板に搭載されている電子部品に開閉板が当接することもないように開閉板を開閉できる。
【0083】
また、キャリアを使用する場合にも開閉板に設けた凸状体が電子部品の搭載されていないキャリアに摺接し、プリント配線板の搬入や搬出に合わせて開閉板に設けた凸状体がキャリアに摺接しながらこの開閉板も持ち上げて搬入口や搬出口の開口を開き、搬入や搬出が終了すると摺接が解除されてその開口を閉じることができる。しかも、プリント配線板に搭載されている電子部品に開閉板が当接することもないように開閉板を開閉できる。
【0084】
さらに、キャリアに凸状体が設けられた場合についても同様に、プリント配線板の搬入や搬出に合わせてキャリアに設けた凸状体が開閉板に摺接しながらこの開閉板も持ち上げて搬入口や搬出口の開口を開き、搬入や搬出が終了すると摺接が解除されてその開口を閉じることができる。しかも、プリント配線板に搭載されている電子部品に開閉板が当接することもないように開閉板を開閉できる。
【0085】
以上により、アクチュエータやセンサ、制御装置等が不要な簡単な構成で、しかもプリント配線板上の電子部品を損傷することなく、プリント配線板の搬入や搬出に合わせて搬入口や搬出口等の開口を自動開閉して、不必要な雰囲気の拡散を防止することができる。
【0086】
なお、上記各実施形態及び各実施形態内で示した各変形例,適用例を組み合わせた構成も全て本発明に含まれるものである。
【産業上の利用可能性】
【0087】
電子回路を構成するプリント配線板の処理すなわち製造には、種々の薬液と雰囲気が使用される。そのため、これらの雰囲気が人体に影響を与えないように雰囲気保持体により保持された雰囲気中で処理が行われる。すなわち、熱雰囲気や冷雰囲気、各種ガス、霧状フラックス、プラズマ化したガス、等々が使用されている。
【0088】
即ち、プリント配線板を隔離された雰囲気中で処理するプリント配線板の雰囲気処理装置、具体的には、プリント配線板に薬液を塗布するフラックス塗布装置や溶融はんだを供給することではんだ付けを行うフローはんだ付け装置、さらには予め供給されたはんだを加熱して溶融させることではんだ付けを行うリフローはんだ付け装置、加熱されたプリント配線板を冷却する急冷装置等の用途に適用できる。
【0089】
そして、本発明により、これらの装置内の雰囲気を確実に保持してプリント配線板の処理を安全かつ低コストで行うことができる。
【0090】
また、プリント配線板の雰囲気処理装置以外にも、その表面に部材が搭載される等して立体形状を有する板状部材を隔離された雰囲気中で処理する装置の用途に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1A】本発明の第1実施形態を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明するためのものであり、プリント配線板の搬送方向に対する縦断面を示す図である。
【図1B】本発明の第1実施形態を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明するためのものであり、搬入口(搬出口)を搬入(搬出)方向後ろ側から見た斜視図である。
【図1C】本発明の第1実施形態を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明するためのものであり、搬入口(搬出口)を搬入(搬出)方向手前から見た斜視図である。
【図2A】本発明の第2実施形態を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明するためのものであり、プリント配線板の搬送方向に対する縦断面を示す図である。
【図2B】本発明の第2実施形態を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明するためのものであり、搬入口(搬出口)を搬入(搬出)方向後ろ側から見た斜視図である。
【図2C】本発明の第2実施形態を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明するためのものであり、搬入口(搬出口)を搬入(搬出)方向手前から見た斜視図である。
【図3A】本発明の第3実施形態を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明するためのものであり、プリント配線板の搬送方向に対する縦断面を示す図である。
【図3B】本発明の第3実施形態を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明するためのものであり、搬入口(搬出口)を搬入(搬出)方向後ろ側から見た斜視図である。
【図3C】本発明の第3実施形態を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明するためのものであり、搬入口(搬出口)を搬入(搬出)方向手前から見た斜視図である。
【図3D】本発明の第3実施形態の変形例を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明するためのものであり、搬入口(搬出口)を搬入(搬出)方向手前から見た斜視図である。
【図4A】本発明の第4実施形態を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明するためのものであり、プリント配線板の搬送方向に対する縦断面を示す図である。
【図4B】本発明の第4実施形態を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明するためのものであり、搬入口においてキャリアに保持されたプリント配線板が搬入される様子を示す斜視図である。
【図5A】本発明の第5実施形態を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明する図であり、プリント配線板の搬送方向に対する縦断面を示す図である。
【図5B】本発明の第5実施形態を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明するためのものであり、搬入口においてキャリアに保持されたプリント配線板が搬入される様子を示す斜視図である。
【図6】本発明の第6実施形態を示すプリント配線板の雰囲気処理装置の構成を説明するためのものであり、プリント配線板の搬送方向に対する縦断面を示す図である。
【符号の説明】
【0092】
100 雰囲気保持体
101 プリント配線板
102 搬入口
103 搬出口
104 搬入コンベア
105 搬送コンベア
106 搬出コンベア
107,108 開閉板
114,115 弧状体(凸状体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
周囲の雰囲気とは隔離した雰囲気中で電子部品が搭載されたプリント配線板を処理するための雰囲気保持体を設け、該雰囲気保持体に前記プリント配線板の搬入口としての開口と搬出口としての開口、あるいはそれらを兼用する搬入出口としての開口を設けた雰囲気処理装置において、
前記各開口を塞ぐ開閉板を該開口の上方側位置をその揺動軸として揺動可能に吊り下げて設け、
前記各開口を介して前記プリント配線板を支持して前記雰囲気保持体内へ搬送又は前記雰囲気保持体から搬出するための搬送コンベアを設け、
前記搬送コンベアに設けられた前記プリント配線板の支持位置よりも該プリント配線板の内側の位置であって該プリント配線板の搬送方向から見て電子部品が搭載されていな領域に搬送に際して摺接する凸状体を前記開閉板に設けたものであり、
前記凸状体は、該凸状体の前記開閉板の板面からの高さが、前記プリント配線板が前記開口を通過する際に前記プリント配線板に搭載された電子部品に前記揺動する開閉板の下端が当接しない高さであることを特徴とする雰囲気処理装置。
【請求項2】
周囲の雰囲気とは隔離した雰囲気中で電子部品が搭載されたプリント配線板を処理するための雰囲気保持体を設け、該雰囲気保持体に前記プリント配線板の搬入口としての開口と搬出口としての開口、あるいはそれらを兼用する搬入出口としての開口を設けた雰囲気処理装置において、
前記各開口を塞ぐ開閉板を該開口の上方側位置をその揺動軸として揺動可能に吊り下げて設け、
前記プリント配線板を保持するキャリアを設け、
前記各開口を介して前記キャリアを支持して前記雰囲気保持体内へ搬送又は前記雰囲気保持体から搬出するための搬送コンベアを設け、
前記搬送コンベアによる前記キャリアの搬送に際して前記キャリアに摺接する凸状体を前記開閉板に設けたものであり、
前記凸状体は、該凸状体の前記開閉板の板面からの高さが、前記キャリアが前記開口を通過する際に前記プリント配線板に搭載された電子部品に前記揺動する開閉板の下端が当接しない高さであることを特徴とする雰囲気処理装置。
【請求項3】
前記開口の下方側に上方へ向けて植毛体を設け、
前記植毛体は、該植毛体の毛先が前記開閉板の下端に当接あるいは近接することを特徴とする請求項1又は2記載の雰囲気処理装置。
【請求項4】
前記開閉板の吊り下げ長さを、前記開口を塞ぐ長さに構成し、
前記開閉板に設けられた弧状体が揺動する際に通過するスリットを前記開口の下方側に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載の雰囲気処理装置。
【請求項5】
周囲の雰囲気とは隔離した雰囲気中で電子部品が搭載されたプリント配線板を処理するための雰囲気保持体を設け、該雰囲気保持体に前記プリント配線板の搬入口としての開口と搬出口としての開口、あるいはそれらを兼用する搬入出口としての開口を設けた雰囲気処理装置において、
前記各開口を塞ぐ開閉板を該開口の上方側位置をその揺動軸として揺動可能に吊り下げて設け、
前記プリント配線板を保持するキャリアを設け、
前記各開口を介して前記キャリアを支持して前記雰囲気保持体内へ搬送又は前記雰囲気保持体から搬出するための搬送コンベアを設け、
前記搬送コンベアによる前記キャリアの搬送に際して前記開閉板に摺接する凸状体を前記キャリアに設けたものであり、
前記凸状体は、該凸状体の前記キャリアからの高さが、前記キャリアが前記開口を通過する際に前記プリント配線板に搭載された電子部品に前記揺動する開閉板の下端が当接しない高さであることを特徴とする雰囲気処理装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図2C】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図3D】
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【図4A】
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【図4B】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−67140(P2007−67140A)
【公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−250715(P2005−250715)
【出願日】平成17年8月31日(2005.8.31)
【出願人】(000232450)日本電熱計器株式会社 (25)
【出願人】(300052246)株式会社ホンダエレシス (105)
【Fターム(参考)】